蛍「ほれ薬?」 (88)

蛍「駄菓子屋さん…奥にこんなのがあったんですが…」

楓(駄菓子屋)「ん?ああ、これはほれ薬だ」

蛍「ほれ薬!?」

楓「青いタヌキが罠に掛ってたから助けてやったら、お礼にこの嘘くさい薬を貰った」

蛍(青いタヌキ…これは…本物…かも)


蛍「いくらですか!?」

楓「怪しいから売らん。これは捨てることにする」

蛍「1万円出しましょう」

楓「と思ったが、店頭に置いていた以上仕方ないな。売ってやるよ」

蛍「ありがとうございます♪」

 
………


蛍「えーと…」


■内容
ジュースとか食べ物に混ぜて好きなあの子をGET!

■使い方
1粒…あなたを好きになります
2粒…手をギューっと握りたくなる
3粒…むちゃくちゃにしてーーーー


■注意
・効果は約10分です
・飲んでから最初に見た人を好きになります



蛍「なるほど…とりあえず3粒混ぜたジュースを作ってみようかな」

このみ「こんっっっにっちはー!!」

蛍「あっ、このみさん」

このみ「今日は暇?よかったら遊ばない?」

蛍「はい。それにちょうどいいタイミングでした」

このみ「え?何が?」

蛍「今からフルーツジュースを作ろうと思ったので。頂いちゃってください♪」

このみ「わぁ~ありがとうー♪」

 
………

蛍(少しずつ罪悪感が…4粒は混ぜすぎちゃったかな…)

このみ「おいしそー頂きます」

蛍「は、はい」


ゴクゴクゴクゴク


このみ「」プハーッ

蛍「あ、あの…初めて作ったんですがどうでしたか?体に異変とかありませんか?」

このみ「…」

蛍「このみさん?」

このみ「ふふ♪」

蛍「え?」

 
ギュウウウ


蛍「こ、このみさん!?」

このみ「えへへ。蛍ちゃん柔らっか~い」

蛍(このみさんが後ろからギュッって抱きしめてきた!?)


蛍「きゃっ」

このみ「うふふ。首筋舐めただけなのに…敏感なんだね。蛍ちゃんは」

蛍「そ、そんなことありません。誰だって…ひゃぅ」

このみ「えへへ~。蛍ちゃんの鳴き声もっと聞きたいな~」

蛍「ダメっ。そこは…」

このみ「ミニスカートの蛍ちゃんがダメなんだよ?だってこんなにチラチラ私を誘っちゃって…」

蛍「うっ…」

このみ「あれー?どうして口を押さえてるのー?」

蛍「これはその…ひゃんっ」


蛍「って、喋ってる時に…んんっ。反則……です」

このみ「やだーもうっ蛍ちゃん敏感すぎー♪」

蛍「やっ。お願いだから…」

このみ「可愛すぎる蛍ちゃんがいけないんだよ?」

このみ「だから…ね?お姉さんにもっと任せて」


蛍「ひゃっ//」

このみ「あれー?何かすっごく濡…」

蛍「いやーーーーーーー!!!」


ドンッ


このみ「」

蛍「あ、あれ?…このみさんがタンスに当たって…気絶?」

このみ「」

蛍「このみさん!?生きてます!?このみさん!」

このみ「うぅ…」


蛍「良かった。このみさん大丈夫ですか!?」

このみ「ここは…」

蛍「私の家ですよ。頭を打ったみたいですけど大丈夫ですか?」

このみ「うっ、そういえばさっきジュースを飲んで………………」

蛍「このみさん?」

このみ「っ//」ボンッ


蛍「大丈夫ですか?顔が赤いですけど…」

このみ「えっ、あっその、あれ?何であんな事を?」

蛍「あんな事?」

このみ「いや、そのさっきのは、過剰なスキンシップと言うか…えっと…」

蛍「ああ、さっきの」

このみ「ごめんなさーーーーーーーーーーーーーーい」

ダダダダダダダダ


蛍「このみさん!?」



蛍「帰っちゃった」


蛍「…」

蛍「このほれ薬やっぱり本物だ…」


蛍「で、でも、さっきは危なかったかも…」

蛍「やっぱり最初のキスは結婚式の日に取っておきたいし」

蛍「…」

蛍「それにしても、さっきのこのみさんの反応…」

蛍「飲んだ時の記憶は残っちゃうみたい」


蛍「…」

蛍「これでセンパイが『好き』って告白してくれれば…」

蛍「センパイは絶対に責任を取って…そして恋人に…」

蛍「えへへ~楽しみだなぁ~♪」

■次の日

蛍(1粒のつもりだったけど5粒入れちゃった)

蛍(後は、センパイにこのジュースを飲ませるだけ)

蛍(…)


☆脳内シミュレータ~~~~~~~~~~~~~~~~~

れんげ「あっ、ほたるんがジュースを!学校にジュース持ってきておりますん!」

小鞠「!?」

夏海「なにそのジュース!見た事ない!それ飲ませてー」

蛍「新作のジュースなんですけど、すっごくまずいんです…大人の女性しか飲めないのかも…」

蛍「誰か飲んでくれないかなー大人の女性の人がー」チラッチラッ

小鞠「!?」

れんげ「まずいんな~」

夏海「う~ん。さすがの夏海ちゃんもまずいのはちょっと…」

小鞠「蛍が困ってるなら飲んであげる。大丈夫!私は大人の女性だから!」

蛍「さすがセンパイ!大人です!」

れんげ「こまちゃんには敵わないのん」

夏海「さすが姉ちゃん!ウチ姉ちゃんの妹という事が誇らしいよ!」

ゴクゴク

小鞠「」プハーッ

小鞠「蛍ー!!!!無茶苦茶にしてーーーーっ!!」ヌギッ

蛍「わぁーい♪」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

蛍「よし!これで!いける!完全完璧!!」

れんげ「」ビクッ


れんげ「ほたるんどうしたのん?急に大声出してびっくりしたのん」

蛍「ご、ごめんね」

蛍「ところで、みんな遅いね」

れんげ「姉ねぇは5度寝してるのん」

蛍「小鞠センパイ達は…」

れんげ「まだ来てないのんな」

蛍「風邪かな…」

れんげ「でも、昨日は3人とも元気だったのん」

蛍「だよね。3人とも風邪とは考えにくいし…」

 
ガララララッ


夏海「すいません!遊んでました!でもウチが悪いんじゃないんです!時間どおりのバスが悪いんです!」

夏海「…って、およ?」

れんげ「姉ねぇは遅刻なん」

夏海「はぁ~。まったく先生ってば遅刻して」

蛍「あの…小鞠センパイは?」

夏海「ん?今日は少し遅れるって…」


夏海「ああああああーーーーーっ!ほたるんがジュース持ってきてるー!いっけないんだー♪いけないんだー♪先生~に言ってやろー」

蛍「あっ、いえ…その…これはすっごくまずくて…その困ってて」

蛍(しまった。センパイが来てから、机の上に置けばよかった)

夏海「そうなんだ。はい兄ちゃん」

兄「」ウン

蛍「へ?」

夏海「捨てるの困ってるんでしょ?」

蛍「で、でも、すっごくまずいですよ?」

夏海「大丈夫。兄ちゃんは大人だから何でも飲めるよね?」

兄「」ウン

蛍「え?あっ…その…」


兄「」ゴクゴクゴク

夏海「おぉ!すっごい飲みっぷり」

兄「」プハーッ

夏海「どう?すっごくまずかった?」

兄「…」

チュッ


夏海「え?ちょっえ?」

兄「」ボソボソ

夏海「dさfjkjfさfkdっ//」カァー

ガバッ


蛍「れんちゃん。お外行こっか?」

れんげ「??プロレスごっこなん?」

蛍「うん。そだよー。私達はプロレス弱いからお外に行こっかー?」

れんげ「うん」

蛍(…ちょっとだけ見てみたかったけど、れんちゃんいるし…)

■数十分後

一穂(先生)「ごめんねー遅れちゃったー」

夏海「兄ちゃん……大好き//」

兄「!?!?!?!?!?!?!」

一穂「あれー?3人休みかー」

一穂「じゃあ、今日は学級閉鎖だね。さようならー」

■夕方

蛍「じゃあ、また明日ね。れんちゃん」

れんげ「バイバイなのん」



蛍「センパイ、とうとう来なかったな…風邪かな…」

蛍「家に行ってみようかな。でも急にお邪魔すると迷惑かも…」

蛍「…」

蛍「それに薬は家に帰らないとないし……」

小鞠「蛍」

蛍「ひゃっ」

小鞠「って、何でそんなにびっくりしてんの?」

蛍「センパイ!?今日はどうしたんですか!?」

小鞠「えーと…その…ちょっと体調悪くて」

蛍「体調が!?寝てなくて大丈夫なんですか!?」

小鞠「ううん、もう大丈夫なの…それよりさ…」



小鞠「新しいジュース買ったんだけど飲んでみる?」



蛍「え?」

小鞠「いや、あのすっごく美味しくてね。蛍にも飲んでもらいたいなって」

蛍「ありがとうございます!」

蛍(やったやった!センパイからのプレゼント!)

蛍「れんちゃんとずっと外で遊んでいて、ちょうど喉が渇いてたんです!」

小鞠「そ、そうなんだ」

蛍「」ゴクゴクゴク

小鞠「」ドキドキ


蛍「」プハーッ

小鞠「ど、どう?美味しい?体に異変とかない?」

蛍「え?普通に美味しいですよ?」

小鞠「そっか…」


小鞠(うー、料理下手でさっきまでずっとジュースを何度も作ったのに…)

小鞠(あのほれ薬、やっぱり偽物だったんだ…最後の一瓶ですごく高かったのに…)

蛍「でも、このジュースすっごく好みかも…どこで買ったんですか?」

小鞠「そんなに美味しかった?」

蛍「はい!後味もすっきりしてて、最初は普通って思いましたけど、何回も飲んでみると病みつきになってすっごく美味しいんです」

小鞠「えへへ~そっかぁー」パァァァ

蛍「?」

小鞠(まぁ、蛍がすごく褒めてくれたから、これでいいかな?)

小鞠「じゃあ、また今度作ってあげるね♪」

蛍「…え?作って?………え!?」

蛍「もしかしてこれって…センパイの手作り!?」


小鞠「ふふーん。まぁね」

蛍「すごいです!もっと飲みたいです!」

小鞠「じゃあ、今からウチに来る?材料余ってるし作ってあげよっか?」

蛍「はい!是非是非是非!!」キャー



蛍(よく考えたら、無理に恋人同士にならなくても…)

小鞠「~♪」スタスタ

蛍(今のままでも十分に幸せかも…)ポー

小鞠「んもーっ。そんなに急がなくても大丈夫だよ。どうせバスは、もうちょっとしないと来ないし」

小鞠「ゆっくり帰ろう…ねっ?」

蛍(…)

蛍(そうですよね。急がなくてもいいですよね)

蛍(ゆっくりこの気持ちをセンパイに伝えて…)

蛍(そして、ゆっくり二人で…………)



蛍「ですよね♪センパイ」

小鞠「うん、ゆっくり行こう蛍」

蛍「はい♪」

楓「そういえば、昨日売ったほれ薬だが…」

楓「元々好き同士の相手に、ほれ薬を飲ませたら、さらに好かれるんだろうか?」

楓「…」

楓「まぁ、どうせパチモンだからどうでもいいか」

このみ「ちょっと楓ちゃん!聞いてよ!私の話!」

楓「知らん。帰れ」

このみ「うわぁぁん。私どうすればいいのぉー」

兄「」ウンウンウンウン





       終わり

                                                                                    . -‐‐-ミ
      /\ /\                                                                      / /⌒:::::.`ヽ
   rーム/ ⌒Y⌒ヽ_〉ー┐                                                                   / /.:::/.:::/∧::::::.
    \__У⌒ ⌒ヽ___/   ____                                                              i ≧彡'彡 /⌒j::: i
   .'∠/ / イ ト、  \〉ヽ  /ニニニニ=\                                                         {::::{乍:T彡乍丁:::|
   i  jイ/⌒Vjハj⌒V ハ i 'ニニニニニニニ\                                            〃ニニニニニニニニニヾ:::〉ゞ゚'   ゞム::::l
   | 从 代ナ '代ナ从i l/ニニニニニニニニニニ\                                           rー┐ ゝニニニニニニニニニニノ::::ゝ. 、 ,  イ.::/
   | レ' 代  _  .イ } /ニニニ/___\ニニニ=i                                  r──|ニニ|─‐┐   /ニニ/人从r≧=≦从人
   | | jハ|゙≧=≦ jハ!/ニニニ/ニニニニニニ}\ニノ          rー┐    iニニi                   l=ニニニニニニニニi  /ニニ/    /  |`¨゙| ヽ
   | |   /  ∀ ヽ /ニニニ/ニニニ二二ノ               |ニニ|── |ニニ|ー‐┐fニニニニニニヽfニニニニニニヽ──|ニニ|─‐┐ /ニニ/ fニiニi /   1 `|  '.
   | ゝ / /  : ハ ‘. {=ニニ/ _____ ________,|ニニ|ニニニニニニニニニi 'ニニニニニニニ} 'ニニニニニニニ}ニニニニニニニニニi /ニニ/   |ニ|ニ|人 イ |__| ト、_〉
  ,乂ミ/ /     ∧_∨彡゙〃ニニニニニニニニ=iニニニニニニニニニニ|ニニ|   _|ニニ|__       (ニニ/      (ニニ/   _|ニニ|,__ lニニ'    |ニ|ニ|_/ |__,|   |__j \,ゝ
     ムフ|____∧____ト、_ゝ  ゝニニニニニニニニニ}ニニ{ r-─┐|ニニ|ニニ|〃ニニニニニニニ)‐┐      r‐┐      〃ニニニニニニニニ)|ニニ|    `´`´  《-‐-‐-‐- 》
      / / l l l ヽ             /ニニ/ニニ| |ニロニ| |ニニ|ニニ|ニニロニニ厂 ̄{ニニ{     r‐┐={     r ┤ニロニニ厂 ̄ !ニニ!       《-‐-‐-‐-ー-》
       `¨T TT T'¨´          /ニニ/ lニニ|└─ ┘lニニ|ニニ|,ニニニニノ     '=ニ\_/ニ/=ニ\_/ニ∧=ニニニノ    'ニニ\___    `¨T TT T¨´
          |__| |__|          (ニニ/ ∟ニニニニニニニニ」`¨´  ̄ ̄       \ニニニ/  \ニニニ/   ̄ ̄        \ニニニニノ       lー| |ーl
       ‘┛┗’              ̄                           ̄ ̄      ̄ ̄               ̄ ̄        ┗┷┛

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom