男「幼馴染の様子が最近おかしい……」(47)

男「最近のあいつは、昔より>>3になったよなあ」

爆乳

俺はそっと目を閉じて、手をわきわきさせた。
妄想の中で幼馴染の胸を思い浮かべ、それを揉みしだいた。

男「でかくなったよなあ、あいつの胸……」

男「サイズは>>6カップぐらいか?」

B

男「あいつの胸は、たしかBカップだったよな」

3年前はまな板みたいにぺったんこだった。
だが、今では生意気にもちょっぴり膨らみを見せて……

男「おい、ちょっと待て」

違うだろ。俺が言いたいのは、そんなくだらないことじゃない。

俺は机の上に置かれている携帯電話を覗き込んだ。
画面には、あるメールの文面が映っていた。
それは一時間前に幼馴染が送って来たものだった。

男「あいつ、なんでこんなメールを送ってきたんだろう?」

男「>>9なんて、いつものあいつらしくない……」

ラブラブ告白メール

件名:男へ
本文:突然のことでびっくりするかもしれないけど、これ以上我慢できそうにないからわたし言うね?

   男のことが好き。一人の男の子として好き。大昔から大好きだったの。
   男は冗談だって笑うかもしれないけど、わたし本気だよ。
   
   でも、いきなりこんなこと言われても迷惑だよね?ごめんね。
   それでも、もし、もしもの話だよ?
   もしも、男がわたしのことを一人の特別な女の子として見てくれるなら嬉しいかなあ。
   
   おやすみっ!
   

男「…………」

男「……なんだ、これ?」

ただのいたずらにしては、性質が悪すぎる。
というか、いつもは強気のあいつがメールで告白なんて、果たしてあり得るのだろうか?

男「あああああああああ」

俺はベッドの上にうつ伏せに倒れ込んで、頭を抱えこんだ。
そして、意味もなく足をジタバタさせた。

男「とりあえず、メールを返さないとまずいよな?」

俺は携帯をグッと握りしめて、画面とにらめっこを始めた。
同じ文章を何回も何回も噛みしめるように読み返した。
そして、それに対する返事を書いては消し、また書いては消した。
ボツになったメールの件数は覚えていない。途中から数えるのが面倒になったからだ。

男「できた」

男「できたどおおおおおお!」

それから2時間ぐらい経過しただろうか。
ついに、メールが出来上がった。

件名:Re:男へ
本文:正直かなり戸惑ってる。
   頭の中がごっちゃになってて、どうすればいいのかさっぱりわからん。
   悪いけど、今の俺はまともな返事ができないと思う。
   だから、とりあえず考える時間をくれ。

   明後日の放課後の屋上。
   それまでにはちゃんと答え用意しておくから。


男「…………」

男「なんか、ありきたりなような……」

送信ボタンに指を伸ばした瞬間、俺は固まった。
もう少しじっくり考えてみてもいいんじゃないか?もっと慎重にいけばいい。
俺の頭の中で悪魔が囁いた。
どす黒いネガティブ思考に胸が埋め尽くされた。

だが、俺は負けなかった。
俺は頬を思いっきり叩いた。
軟弱な性根に活を入れるためだ。
おかげで目が覚めた。

男「シャキッとしろ、男!一度決めたことは即行動がモットーの俺じゃないか!そんなんじゃ男が廃るぞ!!」

男「中途半端な気持ちで告白を受け入れてでもしてみろ!そんなの幼を傷つけるだけじゃないか!だから、今はこれでいいんだ!そうだろ、男ッ!!」

ベッドの上に立ち上がり、俺は吠えた。
その途端、壁がドンと叩かれる鈍い音がした。

「うるさい黙れ」

壁越しに姉ちゃんの声が伝わってくる。

男「すいません」

冷静になった俺は、躊躇いも無く送信ボタンを押した。
そして、俺は部屋の明かりを消して、布団の中に潜った。

しばらくして、隣からは姉ちゃんの笑いをかみ殺す声が聞こえてきた。
恐らく、ネットサーフィンでもしているのだろう。
色々と考えることはあったが、俺はぐっすり眠ることができた。

夢を見ていた。
遠い昔の夢だった。
それは俺がまだ小学4年のころだったと思う。

幼は小さい癖に気が強かった。男子にも平気で突っかかって行くようなやつだった。
だが、それと同時にあいつは泣き虫だった。

俺と幼と姉ちゃんと近所の悪ガキたちで、かくれんぼをしていたある日のことだった。
その時は俺が鬼の役だった。
幼が空き地の土管の中に隠れているということは知っていた。
それで得意顔になっていることも簡単に予想がついた。

今から考えると、あの時の俺は、まだ子どもだったんだと思う。
面白半分でつい意地悪をしてしまった。
幼を置いて、そのまま家に帰ってしまったのだ。

男「…………」

男「うるせえええ!」

目覚まし時計のけたたましい音で、俺は目を覚ました。
時刻はちょうど7時にセットしてあった。
一発パンチをくれてやると、それはすぐに静かになった。

カーテンの隙間からこぼれる日差しがまぶしかった。
朝の太陽は目にちょっとだけ痛かった。
とりあえず俺は布団から出ることにした。

男「さて、朝起きてからやることといえば……まずは>>22だ!」

1、メール確認

2、朝飯

3、自由安価

1

男「あ、そうだった」

うっかり忘れてしまうところだった。
もしかしたら、幼からメールの返信が来ているかもしれない。
それを確認することが、最優先事項だ。
俺は机の上に置いてある携帯を掴んだ。

男「あ」

驚いた。
メールボックスには、新着メールが一件表示されていた。
俺はゆっくりと唾を飲み込んだ。

男「すううううううううう」

深呼吸でまずは頭を冷やす。

男「いくぞ!」

そして、緊張した面持ちでそのメールを開いた。
今の俺には迷いはなかった。

件名:友
本文:今日の数学の小テストの範囲ってどこからだっけ?

男「…………」

俺の両目はその文章を何度も往復した。
だが、現状は何も変わらなかった。
他にメールなど1つも届いていなかった。

男「はああああああああッ!?」

肩の力が抜けた。
さっきまでの緊張はどこへ行ったのやら。
なんだか一気に疲労が出てきた。

男「こいつ、どうしてくれようか?」

俺は>>26のメールを送った。

1、おとなしく範囲を教えてあげる

2、死ね

3、自由安価

おとなしく違う範囲を教えよう

男「俺を期待させた罪は重いぞ。その報いを受けるがいい」

友に違う範囲を教えてやった。
普通のやつならちょっと考えればその異変に気づくはず。
だが、友は根っからの純粋だから、問題なく俺のことを信じるだろう。
アーメン。

男「おっと、いけない。そんなことより、さっさと姉ちゃんを起こさないと」

あの冷血女のことだからな。
怒ると何をするかわかったもんじゃない。
ひどい時は俺をベランダに一晩放置したこともあった。
そんなのはごめんだ。
俺は時刻を確認すると、急いで部屋を飛び出した。

男「で、部屋に来てみたわけですが……」

姉「すぴー」

男「これはどうしたもんですかねえ……」

思わず手で顔を覆ってしまった。
黒のブラジャーとショーツを身にまとっただけの姉ちゃんが俺の目の前にいた。
バランスのいいプロポーションと相まって、いろんな意味で刺激的な光景だった。

下着姿でうろつくのがこの人の悪い癖だった。
いつだったか忘れたが、郵便配達の時にこの姿で対応したこともあった。
配達のお兄さんは驚きのあまり、声も出なかったようだが。
俺が何度注意しても、姉ちゃんはこの悪癖を一向に改めようともしない。

男「起こすべきか起こさぬべきか……」

どちらにせよ、俺はただでは済まない気がした。

ならば……

男「しょうがない。>>31にしよう」

1、起こさない

2、優しく起こす

3、叩き起こす

4、自由安価

抱きしめる

男「普通に起こすか」

俺は姉ちゃんのベッドに近づいて行った。
その瞬間だった。

男「あ」

しまった、と思った時には遅かった。
床の上に転がっていた雑誌に足を滑らせてしまった。
そして、そのまま前のめりに倒れ込んだ。
ゆっくりと、倒れ込んでいった。

男「うぷっ」

無意識的に俺は何かにしがみつこうと必死になっていた。
打ちどころが悪かったら、大怪我になるかもしれない。
そんな恐怖からの反射行動だった。

だから、仕方がなかったんだ……

姉「…………」

姉「おい、お前」

俺の腕の中には、姉ちゃんがいた。
きれいな笑顔の姉ちゃんがいた。
だけど、目は全然笑っていなかった。

男「はい」

姉「……覚悟はできているんだろうな?」

気がつけば、姉ちゃんはゆっくりと足を折り曲げていた。
そして……

姉「反省……」

十分に力を溜め込んだあと……

姉「しろッッッ!!!!」

みぞおちに強烈な蹴りを放った……!!

男「くぁwせdrftgyふじこlp」

そして、俺の意識は深い暗闇に落ちて行った。

男「姉ちゃん、あのさあ……」

姉「なんだ?」

男「いくらなんでも蹴りは、やりすぎだと思うんだよ」

向かい側に座っている姉ちゃんに、俺はそう言った。
あの蹴りは、俺も気絶してしまうほどの威力だったし……

姉「この家では私が法律だ。逆らうことは許さん」

だが、取り合ってもらえなかった。
当の本人は気にした様子などまったくない。
のんきにマグカップのコーヒーを味わっているだけだった。

俺は仕方なしに目の前の食パンに噛りついた。

姉「それに、だ……」

朝飯を片付けていると、姉ちゃんが意味ありげに何かを言いかけた。

姉「お前は私よりも他に、もっと大切にすべき人がいるんじゃないのか?」

男「ぶーーーーーーーーーッ!!」

男「げほっ!げほっ!姉ちゃん、何言って……!」

姉「どうした、落ち着きがないじゃないか?」

食べかけのハムエッグを吐き出した俺を見て、姉ちゃんは意地悪そうに笑った。
あんたのせいだよ!

男「姉ちゃんには、関係ないだろ」

ぶっきらぼうに答えた俺を見て、姉ちゃんは口角を吊り上げた。
嫌な予感がした。こういう時の勘は、大抵よく当たるものだ。

姉「冷たいことを言うな、男。お前だって、腐っても一男子高校生なんだ。好きな子の一人や二人はいてもおかしくないだろう?」

男「いや、いないから」

というか、さりげなく失礼なことを言われていないだろうか。
突っ込んだら負けだと思ったので、何も言わないけど。

姉「とにかくだ。お姉ちゃんに隠し事は許さんぞ」

男「お、横暴だ!」

姉「ハッ!なんとでも言うがいい」

この状況からは逃げられそうにもない。
俺は一体、なんと答えればいいんだろう。

男「>>38

1、そんなのいない

2、幼

3、姉ちゃん

4、友

5、自由安価

男「え、えっと……あのーそのー」

なんと言えばいいのかわからずに、思わず口ごもってしまった。
頬がだんだんと熱くなっていくのがわかった。

姉「なんだ、男ならシャキッとしろ」

姉ちゃんはそんな俺に見兼ねたのだろうか。
イスから立ち上がって隣までやってきた。
ええい!もうどうにでもなれっ!

男「お、俺!」

男「俺、姉ちゃんが好きだッ!!」

拳をギュッと強く握って俺は叫んだ。
視線はリビングの床に向けられていた。
なぜなら、姉ちゃんの反応が怖かったからだ。

俺たちは戸籍上は姉弟の関係なんだ。
普通はそんな馬鹿なこと許されるわけがない。
それに、厳しい姉ちゃんのことだ。
下手をすれば勘当される可能性だってあるかもしれない。
不安と恐怖で涙が出てきそうだった。

だが、その予想は裏切られた。

姉「ふふっ」

姉ちゃんの笑い声が聞こえた。
いつもよりちょっとだけ、優しい気がした。

姉「お姉ちゃんも男のことが大好きだぞ」

男「ね、姉ちゃん……?」

俺の頭は姉ちゃんの腕の中にすっぽりと収まっていた。
そして、温かみのあるふくらみに、自然と顔をうずめる形になった。
ふんわりとした甘い香りがする。
気がつけば、不安や恐怖はどこか遠くへ行っていた。

男「あ、れ……?」

どうしたんだろう。わけもなく涙が出てきた。
止めようと踏ん張るが、しゃくりあげるだけで涙は止まらない。
むしろ余計に溢れて出てくるばかりだった。

姉「意地悪してごめんな」

姉「やっぱり、お前はまだまだ子どもだったなあ」

その言葉の真意がどういうものなのかはわからなかった。
だけど、姉ちゃんはしばらくそのままでいてくれた。
この時間が終わらないで欲しいと思った。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom