結衣「あかりの泣き顔が見たい……」 京子「見たい……」(172)

あかり「あっかり、あっかり♪」


京子「お、あかりだ、相変わらず元気だなぁ~」

結衣「あかりのあのスキップの音可愛い……」ボソッ

京子「うん、何か言った?」

結衣「へっ!?……い、いや何でもないよあはは」

京子「ふ~ん、でも本当幸せそうだよね、何かあったのかな?」

結衣「どうだろうね、でもあんなにスキップしてたら」

あかり「あっかり!?」コケッ

結京「あちゃー、転んじゃった……」

あかり「うぅぅぅ、痛いよぉ……」

結衣「あ、あかり盛大に転んだけど大丈夫!?」

京子「しっかり者だけど、たまーにやらかすよねあかりって」

あかり「京子ちゃん、結衣ちゃ~ん……ひっ……く」グスッ

結京「……」ゴクッ

結衣「はっ、なんで今生唾なんか飲み込んだんだ私は……」

京子「……ゆ、結衣ってば怖いなぁ」

結衣「きょ、京子もゴクってしただろ!?」

あかり「……?」

あかり「いたた、ひざ擦りむいちゃった……」グスッ

結衣「っと、まずは消毒しないとね、ハンカチハンカチ……」

あかり「……結衣ちゃん、ゴメンね」

結衣「いいんだよ、それより水に濡らしたから染みるからね……」スッ

あかり「っ……!」

結衣「我慢がまん、すぐ絆創膏はってあげるからね」

あかり「わっ、くまさんの絆創膏だね、可愛いなぁ……」ニコニコ

結衣「……ふふ」


京子「ねぇ結衣、どうしてあかりにそんなことするの」ボソッ

結衣「……えっ?」

結衣「どうしてって、あかりが転んだんだから当たり前でしょ?」

京子「いや、私が言いたいのはそういうことじゃなくて……」


あかり「……ぇへへ、可愛いなぁこの絆創膏」ニコニコ


京子「ほら、あかりが満面の笑顔になっちゃったじゃん」

結衣「うん、それはいいことなんじゃないかな」

京子「結衣が応急処置をしなかったらあかりはどうなってたと思う?」

結衣「……あのまま放置してたら、きっと泣きじゃくってたかもね」

京子「分かってるのに、どうしてそういうことするかなぁ……」

結衣「……は?」

京子「結衣が余計なことしなかったら、あかりはあのまま泣いてたね」

結衣「うん、だからそうしないように手当てしたんだよ?」

京子「……えっ?結衣はあかりの泣いてるところ見たくないの?」

結衣「……」ブルッ

結衣「ちょ、ちょっと待った京子、一回落ち着こうよ!」

京子「あれ、私いま変なこと言ったかな……」


結衣「あかり、先に部室に行っててくれないかな」ニコッ

あかり「えっ、二人とも何か用事でもあるの?」

結衣「うんうん、ちょっと遅くなるからちなつちゃんとお茶飲んでてね」

あかり「うんっ、それじゃまたあとでね……あっかり、あっかり♪」トテテテ

結衣「あのさ、さっきの話の続きなんだけど……」

京子「もしかして私がおかしいのかな、いやでも結衣なら分かってくれる」ウンウン

結衣「……京子って、他の人が泣いてるのを見るのが好きなの?」

京子「いやそうではないよ、それなら私は変わった性癖の持ち主になるね」

結衣「うーん、まぁそうなるな」

京子「私が好きなのは、あかりが泣いているところだけだからっ!」ビシッ

結衣「……結局変わった性癖というのは間違ってないんだな」

京子「あれっ?」

京子「……ふふ、ふふふふ」

結衣「な、なんだよ気味が悪い、早く行こうよ部室……」

京子「なんかさ、私だけが変態みたいな感じになってるけど」

結衣「変態とは言ってないよ、ただ普通ではないね」

京子「……むむっ、結衣もさっき生唾飲んでたよね?」ニコッ

結衣「な、何のことやら」

京子「……あかりが転んで涙目なってたとき、悪くないって思ったでしょ?」ズイッ

結衣「うっ……」

京子「素直になりなよ、結衣……ふふ」

京子「奥さん、あかりの泣き顔見てキュンとしたんでしょ、ん?」

結衣「……わ、私は京子なんかとは違って真人間なんだっ!」

京子「……ここにさ、あかりの泣いてるところを集めた、写真があるんだけど」ピラッ

結衣「……!」ゴクッ

京子「ふふ反応したね、もう楽になっちゃいなよ」

結衣「ち、違う、ただちょっと、可愛いなって思っただけで……」

京子「分かる分かる!なんかこう小動物を見るような感じなんだよね」

京子「最後の最後にナデナデしてあげたいんだ、えへへ~」

結衣「全部共感してしまった、……あぁぁぁぁ、私も京子の仲間なのか」ガクッ

京子「……あ、これはあかりの部屋にセミが入ってきたときの写真」

結衣「うっ、うわ、部屋の隅で丸まってる……」キュン

京子「それでね、これが近所のわんこに吠えられて泣いてるあかり」

結衣「……か、可愛い、あかりは動物大好きだもんな」

京子「そうそう、大人しそうな犬に吠えられてビックリしたんだろうね」

結衣「京子……」ジトッ

京子「い、いやぁん、そんなに見つめないで……」

結衣「ていうかどうやって撮ったんだ、あかりは気づいてないみたいだけど」

京子「さーてと、そろそろ部室行こうか」

結衣「おいコラ」

結衣「……まぁいいけど、私も写真見せてもらったし」

京子「えへへ、ほんとはあかりのお姉ちゃんに貰ったんだけどね~」

結衣「そっか、それ聞いて安心したよ」ホッ

京子「……セミの写真は、私の家で起きた出来事なんだけどね」

結衣「えっ、それもお姉さんが撮ったっていこうことは……」ブルブル

京子「もう深く考えるのは止めよう、ね、結衣?」

結衣「……そ、そうだな、きっと偶然だよね、うん」

結京(どんな偶然だよ……)

結衣「ま、何にせよあまり熱中しすぎるのもダメだね」

京子「えへへ、だね~」

京子「……そうだ、明日あかりのこと誘って結衣の家に遊びに行くから」ニコッ

結衣「へっ、それくらいなら別にいいけど」

京子「あかりのこといっぱい泣かせちゃおうね、二人で!」

結衣「……私の話し聞いてたのか、京子は」

京子「えー、だって結衣も見たいでしょ、生のあかりの泣き顔」

結衣「そ、そりゃあ見たくないと言えば嘘になっちゃうな……」

京子「でしょでしょ~!」

京子「私はいくつかあかりを泣かせる方法を考えてるんだけどね、くふふ」

結衣「どうせ京子のことだから可愛い『いぢわる』、なんだろうな」

結衣「小学生の男子が好きな子を泣かせるようなものかな、うん」

京子「いやー、そんな甘っちょろいもんじゃないよ」ニコッ

京子「それこそあかりがワンワン泣き喚いちゃうような内容だね~」

結衣「……ぐ、具体的にどんなことするの?」

京子「秘密っ!」ビシッ

結衣「む、つまり私もあかりいぢめを考えろと?」

京子「えへへ、そういうこと~」

ガララッ

結衣「こんにちは、ゴメンね二人とも遅れちゃった」

あかり「あ、結衣ちゃん京子ちゃん、ほんとに待ちくたびれたよぉ……」

ちなつ「ずいぶんと遅かったですね、何か変なことでも……?」

京子「くふふ、変なことってなにかなちなちゅー!」バッ

ちなつ「ひっ、も、もう、離してくださいよっ!!」

京子「やだもーん、離さないもーん……」スリスリ


結衣「ほんと毎日毎日飽きないよなぁ……」

あかり「ふふ、京子ちゃんも昔に比べてほんと性格変わったよね~」

結衣「だな、真逆になっちゃったもんね」

あかり「ほんと、みんな仲良しさんだね……」ニコニコ

結衣「やっぱりあかりは笑顔が似合うと思うけどなぁ、うん」

あかり「えっ、えぇ!?」

結衣「あれ、今何か変なこと言っちゃったかな」

あかり「そ、そうかなぁ、言われて悪い気はしないよぉ、ぇへへ……」


京子「コラ結衣、なーに惑わされそうになってるんだ?」

結衣「でもなぁ……」

京子「……シャンプーが目に入って泣いてるあかりの写真」ピラッ

結衣「わっ、わっ、わわ……!」カァー

京子「ふふん、一人だけ真人間に戻ろうなんてそうかいかんよ」

           /,    ヽ \
             ,'.,       `、ヽ,
         //-─'''''''─-、,!.  ', _,,,..-‐''''",二ニ‐-、
     _,,,.-''"   ._      `ヽ!,,.-‐'''"      ,','
    |,.  _  i'"::::::L,,,!::`i__,,i''''ヽ, ヽ、      ,r'
   く   (::::::L,,/::;'::::;':::;:::::::;':::::::::::;':L,,,,_\     ,r'
     `y'`'"/::::/::;':::::;'::/::::::;':::::::::::;'::::::::::::;} .`、 /
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   .,r':::::;:'::r-!::'ーr、;;;;/ .|::;':::;'::::::::::::::::/::::::r` ``ゝ
  ,r'::::::;:':::::i .,!::::::|_,,,,_  ``'''-、;::::::メ/::::;'::::'ーi  「
,..--─--、;::`i:::::;::!  `ヽ    ,.-==,く`ソ:::::;':::i`''"
       `|:::::;::|       !;;oソノ ./\:::/リ
        |::::::;::|   !ー、_,'  `''" /:';:::::`!     興味深いスレですね
         |:::::::;::|.  'ー     ./:;;:-''"`\
       .|::::::;;:::|ヽ、,,,,...... -‐''i:::;r'" `'''`ヽ,ヽ
     ,.-┴''"ヽ``,`'、  !.,'  '/   /`ニ=_,ノ!
    .,r'   ヽ、`i !ノ  ','   i'    _,フ'-:'":、
   /  '" `i i .ノノ-' ', !  i    「  ';::::::::::::`、

結衣「こ、これ、あかり裸じゃないかっ!」

京子「そりゃあお風呂で服を着る人はいないでしょ……」

結衣「何当たり前のこと言って常識人ぶってるんだよ!?」

京子「私にはやましい気持ちなんてないけどね、ただ純粋にあかりの涙が……」

あかり「ぇへへ、あかりもお話に混ぜてよぉ~」ヒョコッ

結京「わっ、わ、わぁぁあぁぁあああ!!」ババッ

結衣「きゅ、急に話しかけてくるなよあかり!」

京子「そ、そうだ、心臓に悪いだろ!」

あかり「あ、あれ、あかりのせいなのかな……?」

俺「あっかり♪あっかり♪」

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|  /   _/  //
|  /\  _/ ̄
| /  \ / ̄  ヤ ッ
|            ノノノノ -__
|∴`;        (゚∈゚* )  ─_____ ___

.;':;;':__从て   (ミ_(⌒\ ヽ _ ___
;;':(≡て ̄ ̄ ̄三\ ⌒ノ ノ)
;:;;':。:W つ  ̄\  ⌒彡)  ノ =_
|\  \   \,__,ノ ノ
|  しーJ     / / ≡=
|   ↑     / ノ      ____
|  >>47   /ノ _─ (´⌒(´
|         ミ/= (´⌒(´⌒;;

~結衣ちゃん家~

結衣「うーん参ったなぁ、結局いぢわるなんて思い浮かばないよ」

結衣「そもそもあかりはいい子だからな、泣かせるななんて言語道断だ」

結衣「……だけど」チラッ

結衣「この写真のあかり可愛すぎる、これはお姉さんの気持ちも分かる……」

結衣「わんわんにペロペロされて泣いてる幼少のあかり……」

結衣「テストで悪い点取っちゃって泣いてるあかり……ふふ」

結衣「どれも本当に可愛いな、……おやこの写真は」ゴソッ

結衣「不景気に泣いてるあかり、消費税増税に泣いてるあかり」

結衣「……主婦か」ビシッ

~次の日~

京子「結衣ー、君は完全に包囲されている早く開けるんだ!」ピンポーン

あかり「あはは、京子ちゃんってば刑事さんみたい」

結衣「……もー、朝からうるさいよ」ガチャッ

京子「お寝坊さんだなぁ、まだパンダのままか」

あかり「あ、結衣ちゃん、せっかくのお休みの日なのにゴメンね……」

結衣「……いいんだよ、あかりがそんなこと気にしないの」ナデナデ

あかり「あっ、ぇへへ、結衣ちゃんにナデナデされちゃった」

京子「……むむ、ほんと結衣ってば甘ちゃんなんだから」

結衣「……」ウトウト

あかり「結衣ちゃん、眠かったら無理しなくていいからね」

京子「こらこら、今日は私たちがせっかく遊びにきたんだから!」ユサユサ

結衣「あかりの優しさが心にしみる……むにゃ」

あかり「ふふ、そんなに夜更かしして考え事でもしてたの?」ナデナデ

結衣「んー、あかりを泣かせるための……」

京子「わーっ、わーわーわっ!!!」

京子「さっさと起きろ結衣!」ペチペチ

結衣「あかりの優しさに白状してしまうところだった……」

あかり「……?」

結衣「んー、やっぱりブラックを飲むと目が覚める……」ズズッ

京子「大人だよなぁ、私はまだジュースでいいや」

あかり「ふふん、あかりも実はブラックコーヒー飲めるんだよぉ」

京子「……むっ」

結衣「へぇ、そうなるとお子様なのは京子だけになっちゃうね」ニコッ

あかり「だよね~、ふふふ、京子ちゃん残念だったね」

京子「む……そ、それならこの場で飲んでみてよ!!」

京子「私の方があかりよりお子様なんてありえないもん、ありえないっ!!」ジタバタ

結あか「……可愛いなぁ」

京子「あかりは、9時に寝るいい子だもんっ、まだ子供だよ……」

あかり「あらら、京子ちゃんすねちゃったよぉ」

結衣「ごめんね京子、別にコーヒーが飲めないからお子様ってことはないよ」ナデナデ

京子「……私はあかりが飲むまで認めないからな」ツーン

結衣「あのさあかり、悪いんだけど一回飲んでみてくれないかな」

あかり「でも、本当にあかりが飲んだらショックで京子ちゃんが……」

結衣「大丈夫だよ、その時はラムレーズンでもあげるから」コソッ

あかり「……あはは、完全に餌付けされちゃってるね」

結衣「それじゃこれくらいの量でいいかな、どうぞ」スッ

あかり「うーん、これくらいの量小学生でも飲み干せちゃうよぉ」

京子「……ぐすっ」

結衣「おい、京子が泣かされてどうするんだよ……」

京子「だ、だって、私悔しいよ、結衣ぃ……」

あかり「あー……結構いいコーヒー豆を使ってるんだね、挽き立て30分以内ってとこかな」スンスン

結衣「インスタントです」

あかり「ふふ、エメラルドマウンテンの情景が目に浮かぶよぉ……」スンスン

結衣「エメラルドマウンテンは地名じゃなくて、豆の品種のことな」

あかり「あぁ、お水にもこだわってるんだね、香りが違うよぉ」

結衣「……水道水です」

京子「ゆ、結衣、絶対あかりってば飲み慣れてるよ……」

結衣「いや、適当に知ってる単語並べただけでしょ……」

あかり「ふふ、京子ちゃんあかりは先に大人になってるね」パチッ♪

あかり「……」クピクピ

京子「うっ、うわぁぁぁぁ、あのウインクは大人の余裕だよ!」

結衣「まぁこれだけ言うってことは本当に飲んでるのかな?」

あかり「……えっ、にっ、にが、げほっ!」ダバー

結京「結局飲めないのかよ」

結衣「……」フキフキ

あかり「うっ、ひっく、ゆ、結衣ちゃんっ、ごめんなさいっ……」グスッ

結衣「ううん、それより火傷とかしてない?」

あかり「んっ、ん、うん、だいじょぶっ……」

京子「あははっ、あかりも私と一緒のお子様かぁ~」

あかり「うぅぅぅ、あかりは大人だよぉ……」

結衣「いいから下らないことで張り合わないの、ね?」

京あか「はーいっ!」

結衣「ふふ、今日は騒がしくて楽しいな」

京子「あかりー、結衣パンダの髪型お団子にしちゃおうよ」

あかり「わぁい結衣ちゃんとお揃い、わぁい!」

結衣「こらこら……」

あかり「お団子お団子、お月見お月見~♪」サワサワッ

結衣「……京子、私たち何のために遊んでるか分かる?」

京子「はっ!?……すっかり忘れてた」

結衣「まったくもう、一緒になって楽しんでるんじゃないの」

京子「えへへ、何回でも泣かせてやるぞあかりー……」メラメラ

あかり「……楽しいなぁ、ぇへへ」

あかり「よーし完成だよぉ、結衣ちゃんもお団子族の仲間入りだねっ!」

結衣「……?」

京子「あははっ、見てみなよ手鏡貸してあげるから」スッ

結衣「うわっ!?……よく私の髪の量でお団子作れたな」

あかり「ふふ、お揃いだねぇ結衣ちゃん」ニコニコ

結衣「……ふふ、だね」

京子「むむむ、私だけ蚊帳の外って感じぃ~」

あかり「後で作ってあげるからイジイジしないの、おっけー?」

京子「……はーい」

京子「あかりー次はこの格ゲーやろうぜっ!」

あかり「えぇぇ、あかり格闘ゲームはちょっとなぁ……」

結衣「あまり得意そうな感じはないもんね、なんとなくだけど」

あかり「苦手というか、キャラがぼこぼこにされて可愛そうになって……」

京子「むっ、そんなこと言ってたら何もできないよ!」

あかり「それじゃ、せっかく京子ちゃんが持ってきてくれたんだし……」

結衣「……これが京子の作戦?」ボソッ

京子「うんっ、あかりを格ゲーでボコボコにさせて涙目にさせる作戦だよん」ニコッ

結衣「ふーむ……」


あかり「ふぅ、ジョイスティック持ってきておいて良かったぁ……」ゴソッ

結衣「ま、京子のやり方が健全で良かったよ」

京子「ふふ、私だってあかりを引っぱたいて泣かせたいワケじゃないし」

結衣「だよね、愛があってこそのいぢわるだもんね」

京子「うんうん、そこのところ分かってもらえて良かったよ」ニコッ

結衣「ふふ、あまりやりすぎないようにな」

京子「うんっ、……あかりー、私のコントローラー捌きを見るがよい」クルッ

あかり「ふふ、よくお姉ちゃんとやったなぁ……」カチャカチャ

京子「あ、あの、あかりさん、そのゲーセンにありそうなコントローラーは……」

あかり「ぇへへ、これはね自前で買っちゃったんだ」ニコニコ

結京「……」

あかり「ふふ、京子ちゃんが持ってきたのはどんなゲーム?」

京子「あ、えっと、ミラクるんのキャラゲーです……」スッ

あかり「わぁ、これキャラの相性があって中々奥が深いんだよぉ」

結衣「……あ、なんかやりこんでそうな言い回し」

京子「……わ、私はライバるん使うね」

あかり「ライバるんは、しゃがみ中キックライバ砲のキャンセルがやっかいだよぉ」

京子「はっ、ひ、きゃんせる……?」グルグル

あかり「うんうん、それに大キックがスーパーアーマーだもん……」

京子「スーパー、天野……??」

あかり「それじゃーあかりはミラクるんを使うねっ!」

あかり「腕が錆びついてないか心配だよぉ、ぇへへ」

京子「結衣、だ、大キックってなに?」グスッ

結衣「さぁ……」

あかり「ふふ、よそ見をするなんて余裕があるね~京子ちゃん」

京子「わ、私のライバるんはCPUには負けないもんっ」

あかり「うんうん、その意気だよぉ」ニコニコ


3・2・1 FIGHT!

あかり「→→ ↑ 弱P ↓\→P 掴みキャンセル……」カチャカチャ

<グハッ アッ イヤァ……! ひぎぃっ!

京子「やっ、いや、私のライバるん、お願い、イジメないでよぉ!」グスッ

京子「な、なにこれぇ、動けないよっ……」グスッ

あかり「締めは超必殺のミラクるんドンキにしておくか……」カチャカチャ

<いっくよぉ~、悪は必ずほろぼす、ミラクるんドンキ☆!

K.O! PERFECT GAME!

<良い子のみんな暴力だけは絶対にダメッ!ミラクるんとのお約束だよっ♪

あかり「ふふほんとだよねぇ、暴力はダメだよぉ」

結衣「どっちが正義か分からなくなるな……」

京子「わっ、私の、ライバるん、ライバるんっ……」ジワッ

京子「あぁぁぁぁぁぁぁぁん……」ポロポロ

京子「うっ、えぇぇぇ、えっ、ひぐっ……」グスッ

結衣「京子ほら口開けて、ラムレーズンだよ?」

京子「あっ、うん、うんっ……あむ……えへへ、おいしい~」ニコニコ

結衣「よしよし、ライバるんは大丈夫だからもう泣かないの、ね?」

京子「……うん、ありがと」

あかり「京子ちゃんのライバるん、肩慣らしにはちょうど良かったよぉ」ニコッ

京子「ふぇっ……」ジワッ

結衣「あぁもう、追い打ちかけないのあかり!」

あかり「あっ……ご、ごめんなさい」シュン

結衣「悪気は無いんだろうけどなぁ、極悪非道の悪魔超人に見えるよ……」

あかり「ごめんなさい……」グスッ

結衣「京子、あかりも悪気があったワケじゃないんだし……」

京子「なに言ってるの結衣、当の目的は達成できたじゃん」ニコッ

結衣「……コイツ」

結衣「あかりー、京子がまだ足りないから相手してくれだってさ」

京子「なっ!?」

あかり「ほ、ほんとっ!」

結衣「あぁ、さっきは手加減してたから今度は本気で行くって」

京子「なっ、なに言ってるんだ結衣、そんなワケ!!」

あかり「ぇへへ、良かったぁ、それじゃお手柔らかに」ニタァ

京子「あっ、あっぁぁぁぁぁ……」ブルブル

<いやぁぁぁぁぁぁぁ、ライバるん、ライバるん!!

<チッ……これで本当に本気なの、京子ちゃん?

<ひっ、い、えっ、えぐ……


結衣「さてと、あっちは京子に任せて私は買い出しでもしてくるかな」

結衣「……ふふ、今日は奮発してお寿司だからね二人とも」

結衣「いってきまーす」ガチャッ


<あぁぁぁぁぁん、結衣、ゆいぃぃ……

<これなら目隠しでも勝てるよぉ、あかり

~なもスーパー~

結衣「参ったなぁ、何となくあかりの裏の顔を見た気がするよ」

結衣「ハンドル握ると性格変わるっていう、例のやつかな……」ゴソゴソ

結衣「お寿司って言っても、スーパーのパック寿司だけどね」

結衣「……ふふ、これにワサビをたーっぷり入れて」

結衣「私は京子みたいにへまは踏まないからね、うんうん」

結衣「あかりの泣き顔が見れるね、きっと」

結衣「……結構高いな、しばらくは節約だ」

結衣「ただいまーっと……」ガチャッ

あかり「はぁ、これならCPUのほうがよっぽどマシだよぉ」

京子「……」ピクピクッ

結衣「うわっ京子!?」

京子「ライバるんはねぇ、もう死んじゃった、えへへ……」

結衣「……だ、ダメだ、違う世界に行ってしまった」

あかり「あっ結衣ちゃんお帰り、そろそろお昼だねぇ」

結衣「うん、だから今パックのお寿司買ってきたんだ」ガサッ

あかり「わぁいお寿司、あかりお寿司――」

京子「お寿司っ!?」ガバッ

結衣「ほんと、現金な奴だな……」

あかり「ふふ、でも元気になってくれて良かったよぉ」

京子「おっすし、おっすし♪」

あかり「あっ、あの、あかりも少しくらいだったらお金……」

結衣「……ふふいいんだよ、お客様をおもてなしするのは当たり前だから」

あかり「……で、でも」

結衣「それより今日は遊びに来てくれてありがとな」ナデナデ

あかり「……ぇへへ、呼んでくれるなら毎日でも来るよぉ」

結衣「お寿司目当てで、かな?」ニコッ

あかり「ち、違うよぉ、結衣ちゃんと遊ぶのあかり大好きだもんっ!」

京子「二人ともー、早くお寿司食べようよ!」

結衣「はいはい、私はちょっと準備あるから京子のお守りお願いね」

あかり「……もー、結衣ちゃんにあまり迷惑かけたらダメだよぉ」

京子「えへへ、だってお寿司楽しみじゃん?」


結衣「……お寿司のお代はね、あかりの涙でお釣りがくるよ」ニコッ

結衣「私だって良心が痛むよ……でも好奇心には勝てないんだ」ヌリヌリ

結衣「いっぱい、いっぱいあかりの涙を見せて、ね」


結衣「お待たせー二人とも、さぁ食べようか」

京あか「わぁーい、わーい!」

結衣「安物のパックのお寿司でごめんね、ほんと……」

あかり「ううん、あかり楽しみで身震いしちゃうよぉ」

京子「あはは、さすがにそれは大げさすぎ」

結衣「京子はちょっとくらい申し訳なさそうにしようよ……」

あかり「そうだよぉ、いただきま~す」パクッ

結衣「……」

あかり「おいひぃ~、ほんと美味しいよぉこのマグロ」

結衣「あれ、どれに入れたんだっけ……」

京子「ハマチもーっらい、あむっ……んんっ!?」ピクッ

結衣「あー……、すまん京子」

京子「からっ!なにこえっ、おすし、わさびっ!?」ジタバタ

結衣「ちょっとワサビ多いみたいだね、気を付けてねあかり」

あかり「はーいっ、ぇへへ、あむあむ……♪」

結衣「ふふ、喜んでもらえて良かったな……あむっ」

結衣「……?」

結衣「……!?」

結衣「んっ、んんっ、んーっ!?」

あかり「ゆ、結衣ちゃん顔色真っ青だけどどうしたの?」

結衣「……甘エビにも入れてたんだ、そういえばっ」グスッ

京子「うっ、えっ、ぁぁぁぁぁん……」グスグスッ

結京「……」グスン

あかり「ごちそーさまでしたっ!」

結衣「京子、私たちがさっきから泣いてないかな?」

京子「だ、だって、わさびっ、いっぱいだったんだもんっ」グスッ

結衣「……ゴメン、それ私のいたずら」

京子「食べ物で遊ぶな……」ペシッ

結衣「……ごもっとも」

京子「やっぱりさ、甘いんじゃないの私たち?」

結衣「……うん?」

結衣「甘いって言うと、やりかたが温いってことかな」

京子「……うむ」

結衣「私はまだとびっきりの作戦が残ってるんだけど……」

京子「おっ、それを早く言ってよ~!」

結衣「ちょっとえげつないやり方だから、こんなことしたくないよ私は」

京子「結衣……」ゴクッ

京子「で、でも今までが甘すぎたんだ、少しくらい過激にならないと――」

結衣「フランダースの犬をみんなで見る、……こんなのダメだ、外道すぎる」プルプル

京子「さっきのワサビ作戦のほうがえげつないわっ!」

京子「ほんっと甘ちゃんだよな、結衣って……」

結衣「む……、それじゃ他に京子はなにかあるの?」

京子「あ、あかりのほっぺたムニーって伸ばす、てへへ」

結衣「……はぁ、ダメだこりゃ」

あかり「あ、あの結衣ちゃん京子ちゃん……」

結京「わっ!?」ビクッ

あかり「あのね、二人にちょっと伝えたいことがあって、ぇへへ」

結京「……?」

結衣「やっ、やばい、いたずらしてたのがばれたとか?」

京子「……」ガクガク

あかり「あのねっ、今日はあかりと遊んでくれてありがと……」モジモジ

あかり「普段は恥ずかしいからあまり言えないけど、結衣ちゃんと京子ちゃんは……」

結衣「……」 京子「……」

あかり「あかりにとって大切なお友達で、お喋りするのも楽しくて」

あかり「そのね、上手く言葉にできないけど、……二人ともだ、大好き……だよっ」カァー

結衣「……」ギュッ

あかり「わぷっ……く、苦しいよぉ結衣ちゃん」

京子「お、おいズルいよ私もぎゅーってする!」ギュッ

あかり「……ぇへへ、温かいな~」

結衣「それは私たちも同じだよ、今日はあかりと遊べて楽しかった」

あかり「ほっ、ほんと……?」

京子「なんかさ一人だけ学年が違うから、不憫に思ってたんだ」

結衣「うん、辛いとかあったらすぐ言うんだよ?」ナデナデ

あかり「……ううんっ、あかりはむしろお得って感じだよぉ」

あかり「二人ともお友達で話せるし、ちなつちゃんともお友達話せるもん」ニコッ

結衣「……ふふ」

京子「あはは、あかりはどんなところでも生きていけそうだよね~」

結衣「だな、外国でも生きていけそうだ」

あかり「……」ウトウト

結衣「あかり、眠かったらいつでも寝ていいからね」

あかり「んっ、ぅぅ、ん……」ギュッ

京子「私たちはどこにも行かないよ、ずっとあかりの側にいるから」

あかり「……」zzz

京子「……ふふ、寝ちゃったね」

結衣「口ではああは言うけどさ、やっぱり寂しいと思うんだ」ツンツン

あかり「……むにゅっ」

京子「かもねぇ、私と結衣の体をつかんで離さないもん」

結衣「やっぱり私はあかりにずーっと笑顔でいてほしいよ……」

京子「うん、確かに泣いてるあかりも可愛いけど」

あかり「ぇへへ、結衣ちゃん、京子ちゃん……」zzz

結衣「あかりは笑ってる方が可愛い、からね」

京子「うわぁ、今のセリフすごい女たらしっぽい……」ジトッ

結衣「……なっ、って、京子もそう思ってるんだろ?」

京子「えへへっ、まぁね~」

結衣「ということで、もう泣き顔見ようっていう話は無しな」カチャカチャ

京子「うんっ、……あ、そのフランダースの犬見るんだ」

結衣「せっかく借りたんだから見ないとな、もったいないし」ピッ

あかり「……んっ、ふぁ~」クシクシ

結京「うぅぅ、こんなのあんまりだよ……」ウルウル

『パトラッシュ……疲れたろ……。僕も疲れたんだ。なんだかとても眠いんだ。』

『パトラッシュ……。』

結衣「うっ、うぅぅぅ、ネロ、パトラッシュ、天国で幸せになってね……」グスッ

京子「ぁぁぁぁぁぁん、こんなのあんまりだよ~……」ポロポロ

あかり「あっ……はぁ……」


あかり(結衣ちゃんと京子ちゃんの泣き顔って、なんかゾクゾクしちゃうなぁ)ニコォ

彡ィ /      /  /           _. -}- |、 ヽ  |∨ノ/ノ
/'||     {   ∧- : |     |:  ハ ト、 |   |  ':ー '⌒ヽ、
、||   |∧'´| ヽ { |    :j | / V ヽ |:. ||  Vハ  ヽゝ
ヽ | j :    |  ヽ!   \ |:   / j/.ィチ丁ミjハ: ト:l   |  :, }リ
: :||   | ィチ丁ミヽ \{ヽ/  〃 ノ ハ: }||l   | イ}/
ヽ |     |/:/、ノ ハ           うーイ  }' | j     |
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`Tl    \ヾ   乂(ノン            l''「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 |:|     {:ハ :::::::         '     | |
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 | ヽ   \: : ヽ       `¨ ´    | |
 | |、: :\ `: : : : >           ,| |        ┼ヽ  |   ニ|ニ  /  l
 | | \:} : ヽ: : i ト、: jxィi`   _.  彡 " ̄\    d⌒)  、_,ノ .cト、 レ ノ
 ヽ:|   ノノV\:トj /::/ハ       /  ー‐= 、 ヽ
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