京太郎「上司に頭突きしてクビになった」透華「あら、貴方雑用係の」(218)

てきなの

透華「そろそろわたくしも龍門斑家の跡取りとして婿候補決めなければいけませんわ」

純「透華もいよいよ結婚かあ~」

はじめ「・・・」

ともき~「めでたい」

衣「衣もするぞ~」

みたいなほうが・・・

京太郎「……」

同僚「京太郎さん……やっぱり……やめちゃうんですか?」

京太郎「ああ……まぁ正直こうなることは分かってたのになあ……」

同僚「すいません……僕のせいで……」

京太郎「いや、まあお前のせいじゃないさ、我慢できなかった俺が悪いんだ」

京太郎「……でもまあ、最後に一つ言っておくと――――――間違っても俺のように上司に頭突きなんかしちゃだめだよ!!」グスン

てきなのはよ

はよかけや

上司と?

はよん

とーか「ふぅ、久々に外を歩くのもなかなか疲れるものですわ」

純「だから言ったろー?いつも通りハギヨシに車出してもらえばいいのに」ゼェゼェ

とーか「私の会社がエコ活動に乗り出してしまったんだから社長の私がエコしないわけにはいきませんわ!」

純「だからって東京から長野まで歩いて帰省ってどうなんだ…」

とーか「ああ、我が愛しの故郷にやっと帰って来ましたわよ!」

とーか「あ!純!ほらあそこ!小さい頃遊んだ公園がありますわよ!懐かしいですわー!」キラキラ

純「本当だ、後で衣達呼んでみるか?」

とーか「当然ですわ!今日は目一杯楽しみますわよ!…あら?あれは」



京「はぁ、会社クビになって実家帰って来たものの、この公園くらいしか居場所がねーなー…」

きたか…!!

  ( ゚д゚) ガタッ
  /   ヾ
__L| / ̄ ̄ ̄/_

  \/   /

しえ

こねーのかよ

京太郎「プーか……。このまま家に帰るのもなあ……親の目が冷たいしなあ……」ギーコギーコ

京「はぁ……真昼間からこんな公園でブランコに乗って…………あとは弁当箱とワンカップでもあれば見た目は完璧だな……ハハ」ギーコ

京「くそっ……なんで俺、あの上司にジダンばりの頭突きかましてんだ……。いくら同僚がボロクソに馬鹿にされてても、見て見ぬふりしとけばよかったのに……」

京「……はぁ、なんで手なんか出しちゃったんだろうな……いや、出したのは頭か……はは……笑えねえ……」

京「咲なんかプロで活躍してるって言うのになあ……俺ってなにしてんだろう……」

京「……帰るか。明日から仕事探しの始まりだし、今日はもう休もう……」

咲にヒモればいいじゃん

まかせた

>>36そのつもりだったのに気が付けば何故か照姉のヒモになっている京太郎をそうぞうした

というか京太郎は主夫が似合う

信じて送り出した幼馴染みが、都会のトッププロ麻雀師である姉の誘惑にドハマりして結婚ビデオレターを送ってくるなんて…

照「ちょっと助けてあげただけだってば…」

咲「(信じられない…!)」


>>45……なにが貴様をそんなに駆り立てるのだ…?

>>48
さあ続けるんだ

>>49
阿智賀編は漫画買ってないしアニメはテレビ繋がってないしで全然わからないから書けない


最近照お姉ちゃんが人気なのって阿智賀のお陰なんだよね?

それって結構普通じゃね

─龍門淵邸─

京太郎「すみませんなんか…」

透華「知らぬなかでもありませんし、あのまま放っておくのも目覚めが悪いでしょう?」

京太郎「クビになって最初に逢った人が優しいひとでよかった…」

透華「…! とっ、当然ですわ! 龍門淵の当主として!」

 パタパタパタ

衣「とーかおかえりー!」

透華「はいただいま衣」

京太郎「……天江…衣…!?」

衣「…? とーか、この者は何?」

透華「覚えてないかしらね、この方は清澄の高校で麻雀部の雑用係だった…」

衣「あー!! ハギヨシに弟子入りしてた凡人だー!!」

京太郎「ぼんじん……」

透華「と、ともかく、少しお困りのようだったので話しだけでも聞いて差し上げようかと招待しただけですわよ」

衣「わぁーっいわぁーっいハギヨシ2号っ! ハギヨシ2号っ!」

京太郎「……あの」

透華「なんですの?」

京太郎「この“子”……あの天江衣……ですよね?」

透華「えぇ」

京太郎「(…大会や合宿の時には小学校中学年くらいの体格だったけれど……)」

京太郎「(5、6年経ってるはずのいまですらピカピカの中学一年生レベルの容姿ってどうゆうことだよ…!?)」

純「おー、透華おかえりー」

透華「ただいまですわ。でも純、来客中ですわよ」

京太郎「(この人は…俺をタコスを買いに走らせた女…!?)」

純「ん? …ぉおー、見覚えがあるようなないような懐かしい顔だなー」

京太郎「ど、どうも……髪、のばしたんですね」

純「ああコレ? うちのヤツらがもっと女らしくしろっていうからさー」

京太郎「(肩甲骨くらいまでのびた髪…一見ボサボサのままのようだけど、ああいうヘアスタイルなんだっていうのはよくわかる……美人だなぁー)」

京太郎「(メイド服着てるけど)」

衣「ハギヨシ2号! 衣と一緒に遊ぼうっ!」

京太郎「え……うえぇ!? でででも俺、麻雀そんなに強くない…ですよ!?」

衣「麻雀じゃなくていーよ。麻雀はいつもとーかが集めてくれる有象無象共と遊んでるから」

京太郎「………」チラッ

透華「ふむ……それもいいかも知れませんわね」

京太郎「は?」

一「──実は最近、衣の世話係を募集していたんだけど、中々いい人材が集まらなかったんだ」

京太郎「(あっ、この声は特徴あるからわかる。たしか部長と当たってた──)」

京太郎「ぶふううぅっ!!」

透華「きゃあっ!?」

純「うおっ!?」

衣「わっ!?」

一「うぇっ!?」

京太郎「なっなななな……ななななっ!?」

一「ん?」

京太郎「(こっ、この子は部長と打った時には衣に劣らずの少女体型だったはず……いや、それは成長したんだろうから別にいいとしても…)」

京太郎「ちゃっ、ちゃんとした服を着てくださいよおぉっ!!」

一「服? ……ああそっか、今日はオフだから私服なんだった」

京太郎「(私服? その水着並みに露出度が高い布切れが? 胸やお尻が出てるお陰で“辛うじて引っかかっているだけの生地”が?)」

一「見えそで見えない、落ちそで落ちないのがロマンなんだよ。 べつにボク、このまま衆人環視の中を100メートル走っても大事なとこは見せずに済ませる自信があるよ」

京太郎「凄ェ! でも捕まる!!」

透華「一もいまや『解き放たれた』身、悠々と自適に暮らしていれば言うことはありませんわ」

京太郎「いや、友達! 友達なら一言いってあげて!!」

一「ボク、いまは一応透華の秘書してるよ? 世話係みたいな感じだけど」

純「ちなみに俺はボディーガードみたいなこともしてる」

京太郎「はぁ……さすがお嬢様…」

一「…まぁ? 透華の『秘所』も管理してるといえばしてるんだけど…?」

透華「──はっ、一っ!」

一「あははははっ」

京太郎「(聴こえなかった…)でもあれ? 清澄とはじめて戦ったとき、お付きのメイドさんもう1人いましたよね?」

透華「ともきのことかしら?」

純「ともはメイド服じゃなかったろ」

一「さぁー、思い出せないってことは、初めからいなかったんじゃないのかなぁー?」

京太郎「……そっか、気のせいか」

(歩「ギリッ…!」)

衣「ハギヨシ2号~、はやくぅ~!」

京太郎「あっ、はい! って……えっとぉ…」

透華「…ご迷惑でなければお願いしてもよろしいかしら。今日はウチに泊まっていけばいいし、先程のお話もまたあとで詳細を……よろしくて?」

京太郎「あ、はい…よろしくお願いします」

一「じゃあ、ボクが途中までついていくね。透華はシャワーでしょ?」

透華「…一、殿方のまえで乙女のスケジュールを読み上げるんじゃありません」

純「乙女って」

一「…言っとくけど、透華まだ“有る”からね…?」

純「…マジで? おまえすごいな…」

一「…大事にしてあげたいんだよ…」

京太郎「(なに話してるんだろう)」

透華「では……えぇと?」

京太郎「京太郎です」

透華「はいはい京太郎さん。……言いづらいですわね」

純「じゃあ“京”でよくね?」

一「Kyoでもいいね、サムライディーパーみたいに」

透華「では京と呼ぶことにいたしましょう」

京太郎「(拒否権がない……まぁ、あだ名みたいなもんか…)」

透華「京さん、また後ほど」

京太郎「はい」

一「じゃあ純、透華のことお願いね」

純「うーっす」

一「……じゃあ、行こっか」ニコッ

京太郎「ひゃ、ひゃいっ!」

衣「うぅ~、はやくはやく~!」

衣「きょーたろーはとくべつに衣のお家に御招待してあげるね~」

京太郎「あれ…名前…」

衣「名前っていうのは、其を其とするのにとても大事なものだから、衣はきょーたろーのこときょーたろーって呼ぶよ!」

京太郎「あ、ありがとう」

衣「えへへ、どういたしまし…まふっ!」ポフン

智紀「あ……衣」

衣「あーっ! ともきだともきだ! ともきが天の岩戸から出てきたー!」

智紀「ちょ……大声やめて……徹夜明けだから……」

一「徹夜明けって…いまは夕方だよ?」

智紀「徹夜明けは徹夜明け……うぅ…廊下の照明がまぶしい…」

京太郎「(この人はたしか染谷先輩と対戦した“はず”の……)」

智紀「………」ジー

京太郎「……?」

智紀「……どうしよう」

一「なにが?」

智紀「イケメンのまぼろしがみえる…」フニッ

京太郎「フガッ!?」

智紀「わっ」

京太郎「(ほっぺ抓られた…)」

一「智紀、この人はイケメンでもなければまぼろしでもない、ただの3次元の俗物だよ」

京太郎「(よし、死のう)」

智紀「………」ジー

京太郎「…?」

京太郎「(…大きな白衣なんか羽織って、まるで研究者みたいだな……あれ? この人って、ロングじゃなかったっけ?)」

京太郎「髪型、変えたんですか?」

智紀「…!?」

京太郎「たしか前に見かけたときは、綺麗な髪をまっすぐのばしてましたよね?」

一「よく覚えてるね」

京太郎「龍門渕の人ってインパクト強いから」

智紀「……どうしよう」

衣「…ともきー?」

智紀「…恥ずかしいからまた籠もる」ウィンピシャンッ

一「ちょっ…!? 智紀! 智紀ー!? 出てきたってことは『仕事』が終わったんでしょ!? だったらちゃんと透華に報告しないと!」

智紀『……あとでする』

衣「ともきー、一緒に遊ぼーよー」

智紀『ごめん……いまはむり』

衣「ぶー」

一「じゃあ…またあとでね? ちゃんと透華に会いに行くんだよ?」

ご めん  し ばら くや    ばい

誰か仕事代行してくれよ……

あと一時間弱まってくらさい

衣「ふんふふんっ、ふんふふんっ」

京太郎「……あの」

一「なに?」

京太郎「天江衣…さんて、なんていうかもっとこう、オーラ的な威厳みたいなのを持ってる子…人だったと思うんですけど…」

一「ふふふっ…そうだね、たしかに昔の衣はそういう面が強かったけど…」

衣「みっぎよっし、ひだりよっし、ハっギっヨシ~」

一「あの無邪気さが、本来の衣の魅力なんだと思うよ」

京太郎「そう言えば、世話係って話しがありましたけど」

一「引き受けてくれる気になった?」

京太郎「いえ、確か衣さんの世話係って、『師匠』の役目だったんじゃ…」

一「………」

京太郎「(えっ? なんでそんな沈痛そうな表情? ……ま…まさか…)」

一「ボクたちにも急なことだったんだよ。でも、ハギヨシさんの人生に関わることだから透華も衣も引き止めることはしなかった」

京太郎「(ほ……亡くなったわけじゃないのか…よかった)」

一「ハギヨシさんはいま産休にはいってるんだ」

京太郎「………」

一「どれくらいかかるかわからないから、実質の休職中ってことになるね」

京太郎「……Thank you…?」

一「産休」

京太郎「…師匠が?」

一「男のひとにも産休はあるよ?」

京太郎「マジで!?」

一「ボクたちの中でお父さん成分は純でたりてるけど、やっぱり男の人が居ないのは問題だからね、後任者を探してたところなんだよ」

京太郎「お父さんというか姉御のような…って、だったらますます俺である必要が無いじゃないですか! 俺は師匠みたいに何でも出来たりしない、平々凡々なパンピーなんですよ!?」

一「うん、それは知ってる」

衣「言わずもがなだ」

京太郎「…こ、衣さんまで…」

一「でも、誰でもいいってわけじゃないんだよ。知っての通り透華や衣はお嬢様だし、智紀も透華が任命していまや龍門渕の技術開発部長なんて肩書きがあるし、純も何だかんだで女の子だしね、『安心できる人』を探すのは結構大変なんだよ?」

京太郎「…そう言えば、これだけ広い豪邸なのに他の従業員さんが居ないような…」

一「うん。透華の意向でね、朝早く来てくれるメイドさんたちは、夕方には上がってこの家にはボクたちしか居なくなるんだ」

京太郎「不用心じゃないですか?」

一「セキュリティーに関しては、問題ないよ。智紀が考えて、組んで、造ったガードシステムがフル活動してるから」

一「でも、それでも心にある不安感はぬぐえないんだ」

衣「…ハギヨシはずっとそばに居てくれたから、いないと寂しいのは事実なんだ…」

一「それは衣だけじゃなくて、ボクたち全員がそう」

京太郎「……でも、俺なんかじゃあの人の代わりにはなれないですよ。今日だって、上司に頭突きして悶着起こしたうえにクビになったような男ですし…」

衣「──代わりなんていらない」

京太郎「え?」

衣「ハギヨシはハギヨシだ、だれも代わりになんてなれない、なれる筈もない」

一「そう。ボクたちは“キミ”を必要としてるんだよ。キミがどんな人なのか、何がキライで何がスキなのか、それはまだわからないことばかりだけど…」

一「でも、キミは根っから悪いことが出来ない人だ。…ボクは人生経験上色んな人を見る機会が多かったから、なんとなくわかる。…丁度ほら、清澄の眼鏡かけた人の才能の、人間版だと思ってくれればいい」

京太郎「(染谷先輩の人間版……)」

京太郎「……それだけで、俺を信用するんですか?」

一「“あの”透華が、初対面に近いはずのキミに、随分と親切だったよね? 透華は敵と味方の判別を本能的にできる人だから、それも理由の一つかな」

京太郎「…他にも?」

一「他にはあれだよ。…キミ、いままで彼女いたことないよね?」

京太郎「……ガフッ!」

衣「きょーたろーが倒れたー!!」

一「ご、ごめんね? でもさ、あれだけ可愛い子たちに囲まれて青春を過ごしたはずなのに、彼女が出来なかったって云うのは凄いことだと思うんだ」

京太郎「…な、なぜ彼女いない歴=年齢だと…?」

一「さっきと一緒だよ」

京太郎「(そ、染谷先輩人間バージョン…………これだと普段の染谷先輩が人外みたいだな)」

一「きっとキミは、誘惑や欲望なんかに負けない強い自制心や精神力をもってるんだ。それは、世話係として住み込みで働いてもらうにはとっても重要なことなんだよ」

衣「きょーたろーは変態なんかじゃないとおもう」

一「女の子だらけの空間に四六時中。でもキミ…京太郎なら、それはさしたる問題じゃないよね?」

京太郎「(いえいえいえいえいえいえ!? 問題ですよ大問題ですよ!!?)」

京太郎「それはただ、俺がブサメンでモテなかっただけですよ…」ヨロヨロ

衣「立てー! 立つんだきょーたろー!」バンバン

一「あはは、そんなはずないよ!」グイッ

京太郎「!?」

一「……それじゃあ、キミがいままでモテなかったのは『星の廻りが悪かった』ってことにしよう。あるいは、『ツキから見放されてた』でもいいよ?」ニッコリ

京太郎「(かかか顔がちかかっかかか…!!)」

一「──ほら、見える? ボクのタトゥーシール。ちょっと見えにくいけど、星のマークなんだよ?」クイッ

京太郎「(むむむ胸ねねねおぱおぱぱ…!!?)」

一「ツキは…ね?」

衣「──衣がいるから『月』はいつでも一緒だきょーたろー!!」ムギュウ

京太郎「(やわわやわやわ柔らかかかかっ…!!)」

一「衣でも反応するんだ……面白い人だなぁ…」

衣「はじめそれはどういう意味なんだ」

面白い保守

衣「ここが衣の部屋だー!!」

京太郎「すごい……別宅っていうのか…?」

一「近いかもね。もとは透華の両親が衣を隔離する為に造ったものみたいだけど……長年暮らして愛着もわいてるみたいで、名実ともにここは衣の部屋ってわけさ」

京太郎「ほぇ~…」

一「……気がついてる?」

京太郎「えっ? なな、なにを?」

一「京太郎はいま、『女の子の部屋』に入ってるんだよ?」

京太郎「なっ…!?」

衣「きょーたろー! 此方こっちー!」

京太郎「あ…はい!」

一「ふふふ…。じゃあ、あとでまた見にくるから」

京太郎「ははい! 了解であります!」

一「……衣にヘンなことしちゃダメだからね?」

京太郎「しませんよ!!」

京太郎「さてと…」

衣「きょーたろー!!」

京太郎「はい!?」

衣「なにする!? なにして遊ぶ!? とーかが買ってくれたから何でもあるよ!」

京太郎「んと……とりあえず、お話しでもしませんか…?」

衣「お話し……落語か怪談か?」

京太郎「いえいえ。もっとこう、お互いのことなんかを」

衣「───」

衣「………」テレテレ

京太郎「あれ? なんだこの反応」

衣「そ、それはあれか…? 『あとは若い2人で』と言われてから『ご趣味は?』と始まるあの…」

京太郎「お見合いがしたいわけではなくてですね」

衣「違うのか…」

すばら

戦え歩す

これからも原作ではその立場が覆されることはないだろうな

京太郎「お世話係……正直ちょっとグラついてます。でも、肝心の衣さんが“俺のことを何も知らなかったら”、なってすぐにでも幻滅しかねないじゃないですか」

衣「むぅ、きょーたろーそれは失礼千万というもの。衣は善悪良悪を見極めることくらいできるぞ!」

京太郎「……そんな褒められたようなヤツじゃないんですよ俺は」

衣「じゃあ衣が誉めてあげる!」

京太郎「はい?」

衣「きょーたろーが衣のお世話をちゃんと出来る度に、衣がきょーたろーを誉めてつかわす!」

衣「ナデナデでもお腹ワサワサでもムチでバシバシでも何でもいい! きょーたろーの好きなご褒美をあげる!」

京太郎「最後のはない」

衣「…で、でも……」

京太郎「?」

衣「接吻だけは、いくらご褒美でもあげられないよ…?」

京太郎「──ゴフッ、…カハッ…!」

キター

京太郎「はい角取った」

衣「いやあぁぁ…!」

京太郎「ほいっ、ほいほいっと……はい黒だらけで俺の勝ちっと」

衣「ま、また衣の負け……何故? 直感にまかせてみても負けるのは何故なんだ…?」

京太郎「黒は勝ちに行きやすいんだよ衣さん」

衣「なっ…!? それを知っていて黒ばかり選んでたのか! こうして衣を辱めて苦悩させるために!?」

京太郎「衣さんが『まっしろ満月』っていって白ばかり選んだんじゃないですか」

衣「てへぺろ」

京太郎「どこで知ったそんな俗ネタ…」

衣たんをペロペロしたい

衣「………」

京太郎「…? 衣さん?」

衣「それだ」

京太郎「はい?」

衣「何故きょーたろーは衣に“さん”を付けて喋るのか。友達はそんな他人行儀にするものではないと思う」

京太郎「いや、だって龍門渕のみなさん俺より年一つ上ですし…何よりほぼ初対面じゃないですか」

衣「年功遵守大義。でも衣はもう“こども”扱いされて怒る齢でもないけど、実年齢より若く見られるのには馴れている。だから、きょーたろーも歳の差なんて感じなくてもいい観たままに感じたように私に接してくれればいいよ」

京太郎「とは言ってもなぁ……」

衣「この家に於いても、衣が一番年上だけど誰も敬ったりはしない。清澄の咲たちも、“ちゃん”は付けこそすれ喋り方はきょーたろーほど遜ってなかった。それらは全て友達、家族だからだ」

京太郎「(その咲たちと何一つ肩を並べるものがない俺……プライスレス)」

衣「──そうだ!」ガタッ

京太郎「!?」

衣「親睦を深めるには同じ杯のジュースを飲めばいいって誰かが言ってた!!」

京太郎「それはヤのつくお家の人たちでは…」

衣「まってていま取ってくるー!」ピュー

京太郎「………」

京太郎「………」ソワソワ

京太郎「……スンスン」

京太郎「………」ムラムラ

衣「とってきたー!」ピュー

京太郎「おお……甘酒?」

衣「これをこのコップに注いでぇ…」トクトクトク

京太郎「(杯ではなくただのガラスコップ…!!)」

衣「──はい! これを飲めばきょーたろーも衣の家族だ!」

しえ

京太郎「…では一口」グイッ

衣「………」フンスフンス!

京太郎「──けっこうなお点前で…」プハァ

衣「よし! なれば次は衣の番だ!」グイッ

京太郎「……あ」

衣「──ぷはあぁぁっ!」

京太郎「(おやじくさい…)あ、あの衣さん」

衣「なんだ? まださん付けなのか?」

京太郎「いや、よく考えれば…いやよく考えなくてもコレって……」

衣「?」

京太郎「関節キスだなぁって……」

衣「………」ポクポクポク

衣「!!」チーン!

衣「あうあわわぅあわぅわ…」

京太郎「(あとこの場合、親役の衣さんから飲み始めるものなのでは…?)」

頭突き

衣「こっ、ころもは成人してるから、口吻と口吻の接触なんて日常茶飯事! この程度のこと気にしない気にすることはない!」

京太郎「えっ?」

衣「えっ?」

京太郎「よくキスするんですか?」

衣「黙秘」

京太郎「爛れてる…」

衣「と、とーか達だとーか達! 挨拶代わりにちょっとチュッてするだけだもん!!」

京太郎「なにそれ混ぜてほしい」

絶望的なまでの遅さ……

また今度依頼でもするからぼくはもう………

はよ書け太郎

『じゃあ今度建てます』

『このような駄文に長々とお付き合いしてくださってありがとうございました』

咲-saki-では智紀が一番好きです

では

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