玄「私がお姉ちゃんを守らなきゃ…!」赤土「ハハッw」(120)

玄「あ、赤土先生・・・」

赤土「姉を守る?クソ泣き虫のあんたが?」

玄「・・・」

赤土「あははのは!」

玄「な、何がおかしいんでしょうか…?」

赤土「あんた現実見えてないわね」

赤土「玄、あんたさ昔から宥の面倒見てたわよね」

赤土「年下の妹のくせに」

玄「先生・・・」

赤土「なにかそうせざるを得ないような脅迫概念でもあるの?」

玄「・・・」

赤土「そんなもの無いはずよね?もしかしてある?」

玄「だ、だって・・・私が・・・」

憧「うるせえぞ雑魚」

バキイ

赤土「ぐえあ」

憧「ふんっ」

めきめきめきめき

赤土「あがああああ歯を抜がない、れ、えげええええ」

赤土「私が?」

玄「わ、私がお姉ちゃんを守ってあげないと・・・」

玄「お姉ちゃんは弱いし・・・からかわれることも多いし・・・」

赤土「それで優越感に浸っていると」

玄「ち、違うよ・・・!!」

赤土「いや違わないし」

玄「赤土さん・・・」

赤土「あんた昔から変わらないよね」

赤土「子供麻雀教室の時もみんなの面倒ばっかり見てた」

赤土「傍から見ればおせっかいにしか思えないくらいにね」

玄「・・・」

赤土「ちゃんと目こっち向けろ」

玄「は、はい・・・!」

赤土「あんたって人間はほんと面倒見る事すきよね。」

赤土「もし歳をとってもみんなの介護でもするわけ?」

玄「そ、それは・・・」

赤土「あんたは面倒見のいいお姉さんなんかじゃない」

赤土「面倒見のいいお姉さんと呼ばれることに満足感を得てるだけのただのクズよ」

玄「ち、違います・・・!」

赤土「違わないっ!!!」

玄「赤土さんっ・・・」

赤土「それが自分では気付いていないにしてもあんたの本質はそうなのよ」

赤土「面倒見がいいと他者に思われて愉悦を得ているだけ。そうしてる自分に酔ってるだけ」

赤土「偽善の塊、愚かさに気付いていないだけ」

赤土「他者を見下し上に立つことで自分という存在を保とうとしてるだけ」

赤土「そうしなければ自分の存在意義すら見いだせない愚かな人間」

玄「・・・」

赤土「そしてこうやって現実を突きつけられると何も言い返すことができない」

玄「うっ・・・うぅ・・・」ウルウル

赤土「そして泣いて誤魔化そうとする」

玄「うっ・・・うぅ・・・」ウルウル

赤土「もし違うと思うならせめて泣くのを我慢しなさい」

玄「うっ・・・うぅ・・・」ウルウル

赤土「それすらも無理か・・・クズね」

玄「うっ・・・うぅっ・・・うぅぅ・・・!」ポロポロ

赤土「・・・はぁ」ヤレヤレ

次の日

赤土「さぁ!練習するわよ!」

憧「よーし!今日もトップ目指すわよ!!」

灼「私こそ!」

穏乃「負けません!」

宥「キョロキョロ・・・」

宥「ねえ・・・玄ちゃんは・・・?」

憧「そういえば・・・」

穏乃「灼さん知りませんか?」

灼「わからない。部室以外では玄と話さないし」

宥「赤土さんは何か聞いてますか?」

赤土「さぁ?」

宥「そうですか・・・」

穏乃「どうしたんでしょう・・・」

宥「まぁいいわ。これで丁度4人だしね」

憧「そうね。いつも5人だから負け抜けで入れ替わりしてるけど待ち時間勿体ないしね」

灼「確かに」

赤土「まぁこれもアリか。さぁはじめましょ」

穏乃「え?え?」

憧「どうしたの穏乃」

穏乃「だって・・・みんな玄さんはどうするんですか?」

灼「どうって・・・」

宥「ねぇ・・・」

憧「そうよ。別に4人いるんだから問題ないじゃない」

穏乃「で、でも・・・」

穏乃「阿智賀の麻雀部は5人じゃなきゃ嫌だよ・・・」

灼「・・・」

憧「なに言ってるのよ穏乃。4人いるんだからいいじゃない」

宥「そうよ穏乃ちゃん。早く打ちましょ」

穏乃「でも・・・」

赤土「・・・穏乃。あなたは玄がいなきゃ嫌なの?」

穏乃「はい。5人そろって阿智賀女子麻雀部です!」

赤土「練習時なら4人でもいいじゃない」

穏乃「待ち時間ができても5人じゃなきゃヤです!」

赤土「練習時間がもったいないでしょ」

穏乃「みんなと過ごせる時間の方が大切です!」

赤土「そう。どうしても5人じゃなきゃ嫌なわけだ」

穏乃「はい」

赤土「ふふ。そっか」

憧「な、何言ってるのよシズ!」

穏乃「憧?」

憧「赤土さん!きっとシズも本音では4人の方いいって思ってるよ!」

憧「ね?シズ!そうよね!?練習時くらい4人でもいいよね!?」

赤土「そうなの穏乃」

憧「はい!ね?シズ?そうよね?」

穏乃「え、あ・・・うん・・・」

憧「ほら!ね?赤土さん」

灼「ほら赤土さん、本人もそう言ってるし。ね?」

赤土「そうね」

宥「ほら穏乃ちゃん。早く座って打ちましょ」

穏乃「う、うん・・・」

そしてその日は穏乃、憧、灼、宥の4人で麻雀を打って部活は終わった

その帰り道

憧「はー!つかれた!」

灼「いっぱい打ったね」

宥「私も熱くなっちゃったよ」

穏乃「・・・」

宥「結局トップは憧ちゃんか~」

憧「まぁツキもありましたしね!」

憧「また明日も4人で約束やろうよ!絶対に!」

穏乃「・・・」

憧「・・・穏乃聞いてる?」

穏乃「・・・なんで」

憧「穏乃・・・?」

穏乃「なんでみんな玄さんを・・・!」

穏乃「おかしいじゃないですか!玄さんも同じ麻雀部でしょ!?」

憧「穏乃・・・」

穏乃「なのに・・・なのにあんな態度・・・」

穏乃「みんな・・・冷たいよ・・・」

憧「・・・穏乃。あ、あのね」

灼「憧!」

憧「・・・うん」

憧「穏乃。別に4人でもいいじゃない?」

穏乃「憧・・・」

憧「別に4人いれば麻雀打てるし練習もできる」

宥「憧ちゃんの言うとおりだよ」

灼「そう。大会の時だけでも玄には来てもらえばいい」

穏乃「そんなの数合わせだけの幽霊部員じゃないか!」

憧「穏乃っ!」

穏乃「決めた」

憧「な、なにを・・・?」

穏乃「私明日は玄さんつれてくる」

憧宥灼「!?」

穏乃「絶対に5人麻雀やるんだ」

憧「シズ!もういいじゃん!そういうのやめてよ!」

穏乃「もう決めたことだから」

憧「なんで!?お願いシズ!言うこと聞いて!!」

穏乃「あんな酷いこと私にはできないよ!」

憧「シズっ・・・!!」

憧「・・・」

穏乃「・・・」

憧「わかったわ。勝手にしたらいい」

穏乃「憧・・・」

憧「でもその前に一つあんたに言っとくことがある」

穏乃「憧?」

憧「私ね、前からあんたのこと大嫌いだったの」

穏乃「え・・・」

灼「憧っ!?」

憧「なんか前からウザいなーって思ってたの。小学校のころからね」

穏乃「憧・・・な、なに言って・・・」

憧「・・・」

憧「だから今の麻雀部も正直言うとあまり楽しくないんだよねー」

穏乃「・・・」

宥「憧ちゃん・・・」

憧「玄を連れてくるのは勝手にしたらいい。でもね」

憧「私が一番見たくない顔は玄じゃなくてあんたなのよ」

穏乃「う、嘘・・・」

憧「本当のことだからー」

穏乃「だったら・・・だったらなんで言ってくれないの?」

穏乃「早く言ってくれれば・・・私も嫌なところ直す努力をs

憧「全部嫌い!全部嫌いだから!」

穏乃「憧・・・」

憧「そう!全部!全部なの!でもあえて言わなかったんだから!まぁ私クズだしー?はは」

穏乃「・・・」

穏乃「わかった」

憧「・・・」

穏乃「もう憧とは話さない。麻雀部にも行かない」

憧「わ、わかればいいのよ」

穏乃「でも玄さんは・・・玄さんは仲間に入れてあげて・・・」

憧「・・・わかったわ。約束する」

穏乃「・・・ありがとう。・・・それじゃ」

憧「・・・」

憧「・・・」

灼「・・・よかったの?」

憧「うん・・・これでよかった。これでよかったのよ」

宥「穏乃ちゃん・・・泣きそうだったよ・・・?」

灼「宥、きっと憧も同じ思いだよ」

宥「憧ちゃん・・・」

憧「・・・」

次の日

部室前廊下

玄「・・・」

穏乃「入っても大丈夫ですよ!ほら!」

玄「ありがと穏乃ちゃん・・・」

穏乃「でもやっぱり風邪で欠席だったんですね。治ってよかったです!」

玄「う、うん・・・」

玄「・・・うん。じゃ入ろっか」

穏乃「あ、あの・・・そのことなんですけど・・・」

玄「・・・?」

穏乃「あの・・・今日は私欠席しよっかなーって・・・」

玄「穏乃・・・ちゃん・・・?」

穏乃「えーっと・・・その・・・私も体調良くなくて・・・」

玄「・・・」

穏乃「だから欠席を伝えてもらえませんか?」

玄「・・・わ、私も体調悪いし・・・私が代わりに休んでも」

穏乃「何言ってるんですか!昨日も休んだんだしみんななってますよ!」

穏乃「ってわけで今日は私休みます!」

玄「穏乃ちゃんっ・・・!」

穏乃「それじゃあ!麻雀楽しんでください!」

スタタタ

玄「穏乃ちゃん・・・」





玄「・・・ありがとう」

部室

赤土「なんだ今日はこの4人か」

灼「は、はい・・・」

玄「・・・」

宥「は、早く打ちましょ!」

憧「・・・」

赤土「・・・ん?」

赤土「おい。憧」

憧「な、何?赤土さん?」

赤土「穏乃知らないか?」

憧「さ、さぁ・・・?」

赤土「本当に知らないのか?」

憧「は、はい・・・」

赤土「・・・そうか」

憧「・・・」

赤土「憧。部活後話があるから最後に残りなさい」

部活後

憧「は、話って・・・」

赤土「お前嘘ついただろ」

憧「え」

赤土「穏乃のことだよ。なにも知ってないと言っただろ」

憧「いえ・・・私本当に・・・」

バンッ

赤土「嘘つくな!!!」

赤土「大学で心理学を専攻してた私に嘘が通ると思う?」

憧「せ、先生・・・」

赤土「憧。私は阿智賀を優勝させる義務があるんだ」

赤土「そのためには効率のいい練習が必要だ。そうだろ?」

憧「は、はい・・・」

赤土「面子は5人も必要ない。練習するだけなら4人で十分だ」

憧「はい・・・」

赤土「そしてその4人には優勝する義務がある」

赤土「私を優勝に導く義務がある」

赤土「阿智賀が優勝すれば私はプロになれる」

赤土「そしてお前たちはプロの指導と援助のもとによりよいチームを作れる」

赤土「ウィンウィンの関係だ。わかるな」

赤土「最強の4人・・・最弱を一人外した4人での練習が一番効率がいい」

赤土「私が思うにあの中の最弱は玄」

赤土「全国ベスト8の私にならわかる。あの能力は全国では通用しない」

赤土「それどころか利用されると推測する」

赤土「本当にクソ能力だよあれは」

憧「そ、そんなこと・・・」

赤土「で、だな。次の弱者は無能力者のお前だよ」

憧「え・・・」

赤土「お前自身は穏乃より上と思ってるかもしれないが」

赤土「あいつからは能力が開花しそうな気がするんだよ」

憧「・・・」

赤土「だから私としてはお前より穏乃がいる方がいいんだけどな」

赤土「まさかとは思うけどあんた、穏乃をやめさせるようなこと言ってないよな・・・?」

憧「あ・・・あの・・・」

赤土「言ったんだろ?嘘はつくなよ」

憧「・・・」

赤土「・・・お前クズだな。友達を裏切るなんて」

憧「ち、ちが・・・」

赤土「そういえば今日穏乃が言ってたよ」

憧「え・・・」

赤土「麻雀部に戻りたいけど憧がいるから戻れない。憧は晩成に行ってしまえばいいのにってな」

憧「そんな・・・」

赤土「まぁあんたの実力じゃ晩成では生きていけないだろうけど」

憧「・・・」

赤土「自分の能力を過信しすぎ。あんたは下手。弱い」

赤土「選手として出られるのは阿智賀だから。ただそれだけ」

憧「・・・」

赤土「残された選択肢は2つ」

赤土「穏乃を引き戻しあんたが抜けるか」

赤土「それとももういちど玄を外しあんたと穏乃2人でするか」

憧「・・・」

赤土「今日は玄が来たから仕方ないけど、明日までには決めてもらうわよ」

憧「・・・」

赤土「どちらの道を選ぶのか。誰と誰を全国に行かせるのかをね」

第一部完


第二部は穏乃との関係と憧の葛藤と選択です

明日残ってたら続きを書きます

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