三橋「何で俺が女になってんだ……?」理子「三ちゃん……」(161)


三橋「目が覚めたら女になってたんだ」

理子「………………」

三橋「なァ……俺ぁどうなっちまったんだ……これ何かの病気なんか……?」

理子「………………」

三橋「聞いてんのか!チンチクリン!」

理子「……さ、三ちゃん……なのよね……?」

三橋「だからそう言ってんだろが!」

理子「……ま、まずさ……何でそうなったのか話してみてよ……」

三橋「……おぉ……」

およそ1時間前。


三橋「……ふぅあぁ~……今何時だ……?」

AM11:30

三橋「……ふむ。…………そろそろ学校に行かんと理子の馬鹿が弁当食べてしまうな……」

三橋「しゃぁねぇか……面倒くさいけど行っかぁ……」


ベッドから立ち上がり、ボサボサになった頭を掻きながら、部屋を見渡すと
ふと、三橋は違和感を覚えた。

心なしか部屋が広く見えるのだ。
天井が高い。家具がでかい。

三橋「…………?」

しかし、寝起きの三橋は違和感を覚えつつも、気のせいと深く考えないようにした。

だが、脇においてある姿見を見て、流石に寝ぼけたままではいられなかった。


三橋「………………なんだこれ……?」


そこに写っていたのは。

金髪の「女性」だった。


女性にしてはやや高めの身長で、腰ほどまで伸びたストレートの金髪、
ダボダボのTシャツ、スウェットを着込み
寝ぼけた顔のままなのに、その顔の端麗さが誰の目にも明らかな

そんな少女が、何故か自分の部屋の姿見に写っていた。


三橋「………………?」

三橋「……………………」

当初、こんなポスター貼ってたか?と寝起き特有の異常な包容力で、何とか状況を理解しようとした三橋だが
姿見をよーく観察してみると、すぐに違和感は波の様に襲ってきた。


姿見の少女は、三橋と同じ動きをする。

顔を傾けて様子を伺うと、向こうも顔を傾ける。
右手を上げれば、向こうも上げて
ピースすれば、向こうもピース。

三橋「………………これ…………俺か……?」


流石に、ここまで同じ様な動きをされたら、鏡の中の少女を自分と認めざるを得ない。


三橋「…………ははは…………俺……女だったっけか……」

昨日、俺6人の男をボコボコにしたよな?
と、意味のわからない男確認をしつつも、流石に寝ぼけたままではいられないと感じてきた三橋。
鏡に数歩近づいて、マジマジと自分らしいその少女の顔を眺めてみる。


三橋「………………はは……女だ………………」

しかもマブいじゃねぇか。
流石俺だな。と、自分でもわかる強がりを独りごちる。


三橋「……なんなんだ……マジで……バチがあたったのか……何かの病気なんか……?」

鏡を見ながら、ペチ、ペチと自分の顔を触ってみる。
と、触りながら自分の手を見てみた。

三橋「……はは……なんだこの手……小せぇ……女の手かよ……」

女だったな。
と、自分で言いながら笑ってしまう三橋は、かなりパニックになっていた。


何でこうなったのか。
鏡に映っている美少女は本当に「俺」なのか。
この先自分はどっちの性別で生きていけばいいのか。

さまざまな事を考えてみるが、一向に頭は回らない。


姿見を見つめながら、3分ほど経過してから、
ふと、自分の胸の膨らみに気がついた。

三橋「……………………」

結構でかいな。
と、姿見を見つつ三橋は思った。

女の胸の基準はよくわからない三橋だが、
普段周囲に居る女性と比べてみても、
自分?の胸の膨らみは、周りのそれとは違っていた。


三橋「……………………」

恐る恐る、三橋は姿見を見つつ、自分の胸に手を伸ばしてみた。

むにゅう。

指が衣服越しに胸へと沈む。
今まで体験した事の無いような柔らかさをその手に感じつつ、
同時に女性の胸を触られるという、これまた未体験な事を味わい、三橋はますます混乱した。


三橋「………………」

どうすればいいのか。
まずは何をすればいいのか。
思考が追いつかない。纏まらない。
片手を胸に当てたまま、よろよろと三橋はベッドに近寄る。

ベッドに座り込んで、三橋は頭を抱えた。

このまま一人で居ると、確実に狂ってしまう。

どうすればいい。

1分ほど思案した結果、三橋はとりあえず学校に行く事にした。


学校に行けば、伊藤が居る。理子も居る。
自分がこんな状況になってる事を話せば、必ず真剣に考えてくれる。
そんな奴らが学校に居るのだ。

だから学校へ行こう。全部それからだ。

普段、口には出さない仲間への信頼を胸に、
三橋は学校へと向かった。


学校に行く。と決めたまではよかったが、改造済みの学生服が着られない事に気づいた三橋は、
仕方がないので、持っている服の中で一番丈が短い物(それでもジーンズは2回折込み、Tシャツは腕を完全に隠していた)を着て家を出た。

校門まで来てみると、ちょうど昼休みの時間帯だったのか、校庭にはたくさんの生徒が居た。

三橋「あ~この時間あいつらどこに居っかなぁ……」

と、両手を頭の後ろに組み、私服にも関わらず堂々と校門を通り、歩いていく三橋。
彼にとって学校とは、自分の国であり、ここでは自分は王なのである。
なので、こそこそ入るという行動をするわけもなく、発想もない。

だが、周囲にとって、その光景は非日常だった。


男1「……おい……、誰だよ……あの娘……」

男2「あ?何言ってんだおめぇ…………うぉっ!激マブじゃねぇか!」

女1「ちょ、ちょっと……何か私服の娘が歩いてんだけど……」

女2「すっごい……美人…………」


モデルの様にスラッとしたスタイル。
腰まで届く、長く整ったブロンドヘアー。
そんな少女がダボダボTシャツを着て、明らかに男物のジーンズを履いているのだ。
しかも校内で。

目立つなと言う方が無茶である。


下駄箱まで着き、自分の靴を出そうと手を出すが、
いつもと身長が違うので、やたら自分の靴入れが高く感じる。

やれやれと、靴を取り出そうとしていると、後ろから二人の男がやってきた。


男1「なぁなぁ……君どうしたの?」

男2「もしかして転校生とか……?校内案内してあげようか?」

三橋「……?……は?俺に言ってんのか?」

男1「そうだよ~君ここの生徒じゃないだろ?」

男2「本当は部外者は入っちゃいけないんだけど、俺たちと一緒なら大丈夫だからよ。一緒にいこうぜ?」

三橋「うっせぇよ。こっちは忙しいんだから消えてろ。」

男1「おぉ怖っ……そんな事言わないでさぁ~ほら行こうぜ~」

男2「君みたいな激マブな娘がそんな格好で歩いてたら変な奴に襲われちゃうぜ?」

三橋「あのよ……大人しく言ってる内に消えろよ?」

男1「まぁまぁそんなつっけんどんしないでよぉ、一緒に行こうぜぇ?」

男2「俺たちかなりやさしいからよぉ」

三橋「(…………馬鹿がよ)」


下駄箱から靴を取り出して地面に捨てる。
と、同時に後ろ右足で地を踏み込み、腰を捻り、その勢いを十分に右手に乗せて男1の腹を突いた。
右正拳突である。

男1「ごふっ!」

男2「お、おいっ!?」

三橋「いいか?二度と俺に近づくんじゃねぇぞ?次にその面見たら殺すからな?」

男1「…………ふっふ……ざけんじゃねぇええ!」

三橋「!?」


三橋は驚愕した。
自分の腰を入れた全力突きを、隙だらけの腹部にお見舞いしたのだ。
しばらくの間、悶絶してて当然。人によっちゃ気絶すらする一撃だ。
過去には地元番町、有段空手家、ライセンスを持ったプロボクサーなどを一発でのして来た。
そんな自慢の拳だった。

なのに、それどころか。
すぐに体勢を立て直し、反撃しようとする男。
そんな事態に、三橋は驚きを隠せなかった。

ゆえに
ただの男に胸倉を捕まれる、という失態を犯してしまった。

男1「時々いんだよ……テメェみてぇな勘違いした女がよぉ……」

男2「お、おい……やばくねぇか……?一応相手女だぜ?」

男1「関係ねぇよ!こいつが先にかましてくれたんだぜ!?」

三橋「……は、離せよ」

男1「……あ?……さっきまでの勢いはどこいったんだ?もう一発入れてくれよ?あ?」

男2「おい!まずいって!」


ここは下駄箱である。
当然他の生徒も見ている。
最初こそ、周囲には2,3人しかいなかったが、目も眩む金髪美少女とヤンキー二人の絡み合いは
当人達が思っている以上に異常だった。

周囲「……ねぇねぇ…………何?…………喧嘩?…………でも相手女の子じゃ…………」ザワザワ

男1「……クッ…………」


三橋「テメェ……いつまで人の胸倉掴んでんだ?…………俺が誰だかわかってんのか?」

男1「うっせぇ!離してほしきゃ土下座して謝れや!」

男2「おいおい……もういいだろ」


男1「ふざけんなよ!結構痛かったんだぜ!?さっきのパンチよぉ。女のくせに!」

三橋「………………」

痛い、ね。

自分の鉄拳が。
あれだけ怖れられた自慢の拳が
「痛い」の一言で片付けられる。

そんな事実が、三橋にズシリとのしかかる。

朝、目が覚めて自分の顔を始めて確認した時。
自分の腕が細々い事に気づいた時。
自分の胸を触ってみた時。

その、どのような時よりも、今、この瞬間が
三橋にとって、一番胸に来る出来事だった。


男1「とりあえずよ!土下座だよな!?」

三橋「……離せや……」

自分の胸倉を掴んでる男1の手首を軽く握ってみる。
ごつい。
自分の柔な細腕とは違い、筋肉が筋張り、とても男らしい腕である。


三橋「(隙だらけにも程があんぜ)」

右手で胸倉にある相手の左腕を掴み、全力で時計回りに捻る。
ただそれだけで、この現状は打開できる。


男は腕が捻られた方向に身体ごと寄れるだろう。
そうしたら、すぐさま顔面に右ハイキックだ。

三橋は、今までと同じ様に、フィニッシュまでの工程を頭にイメージしてみる。


流石に身体は小さくなったと言っても、全力の蹴りを顔に入れて
立っているのを許すほど、弱くなったわけであるまい。

そう思案して、プロセスに非がない事を確認すると、
右手に全力で力を入れる。

三橋「!?」

男1「あん!?」

三橋はまたも驚愕した。
右手に全力で力を入れ、相手の左腕を捻るつもりが、
全く、全然、微動だにしなかったのだ。

もはや蹴りの威力がどうのこうの問題ではない。
そもそも胸倉を掴まれた現状すら打破できなかったのだ。

男1「なんのつもりだテメェ!また人に暴力振るうのかよ!?」

男2「お、おい!お前が言うセリフじゃないだろ!」

男1「何でだよ!実際に暴力を振るわれてるのは俺だぜ!?」

男2「そ、そうだけどよ……見た目的にも……ほら」

周囲「…………ざわざわ…………何あの二人……?……女の子に暴力してる……?」


三橋「ざけんじゃねぇ……ざけてんじゃねぇぞ……」

男1「そりゃあこっちのセリフだ!このクソアマ!」


三橋は、初めて無力感という物を味わった。
戦い方云々どころではない。
そもそも筋力さが絶対的に存在してるのだ。

まるでゴリラと相手してるかのような。
異生物としか思えない身体の構造差をまじまじと実感した。

三橋「(……こりゃぁ…………マジでどうしようもねぇかもな……)」



「なにしてんだよ」


男1の後ろから聞きなれた声がした。


男1「あぁ!?んだ?テメェ!文句でもあっ…………」

三橋「…………?」

胸倉を捕まれたまま、男1で隠れた男を見ようと、身体を横にずらしてみる。
すると、見慣れすぎた男がそこにいた。


「文句がなんだって?」

男1「い、伊藤さん!?」

男2「ちっ、ちぃーす!!」

伊藤「おめぇら……何してんだよ?……その女の子に何してんだよ?」

男1「い、いや……これは……その……」


パッと三橋の胸倉から男1の腕が離れた。
自分が全力で捻ってもビクともしなかった手が、伊藤の一言ですんなり離れるのか。
三橋はまたもや、無力感を味わってしまった。


伊藤「状況説明してみろよ」

男1「……は、はい!」


自分が状況を理解できてない時は、まず話を聞く。
決して自分勝手に暴力を振るわない。
自他共に正義の味方と呼ばれる事を認める伊藤らしい行いだった。


三橋「(俺だったら問答無用で二人を始末するけどな)」


2分ほど。
男1、男2は状況を伊藤に説明した。

伊藤「なるほどね」

男1「……い、伊藤くん……?」

伊藤「おめぇが暴力を振るわれたってのはわかった。」

男1「伊藤君!」

伊藤「……だけどよ……胸倉を掴むのは駄目なんじゃねぇか?」

男1「……うっ」

伊藤「どんなに腹立たしい事されてもよ、相手は女なんだ。暴力に訴えちゃぁこっちの負けだ」

男1「………………」

伊藤「おめぇみたいなゴツイ奴に胸倉掴まれちゃ、どんな女の子だって怖いだろうよ」

男1「……す、すみません……」

伊藤「俺に謝るんじゃねぇだろ?」


伊藤の方を向いていた男1がスッと三橋の方へ向きなおす。
先ほどまで青筋を浮かべていた男の顔が、すっかり血の気が引いていた。

男1「……すみませんでした……」

三橋「……お、おう……」

流石にここまで真っ青な顔になられると、三橋と言えど気の毒に感じてしまった。



伊藤「さてと、君は一体どうしてここに居るんだ?」

三橋「…………お、おう!そうだった!伊藤!」

伊藤「んぁ!?」

三橋「大変なんだよ!てーへんだ!!摩訶不思議、奇想天外な事が起きてんだよ!!」

伊藤に近づき、胸倉を掴み三橋は訴えた。
身長差が激しいため、ほとんど両手を挙げた姿勢になっているのが実に滑稽だった。


伊藤「ちょっ!ちょっと待った!」

三橋「あ、そうだ!理子はどこだよ!理子ちんはよぉ!!」

伊藤「り、理子ちゃん?理子ちゃんならさっき校庭で見たけど……」

三橋「よし!」

そう聞くと、伊藤から手を離し、クルッと身体をまわし、来た道をまた走り出した。
数十メートル離れると、三橋は思い出したように振り返り

三橋「伊藤!後で話があっからフケるんじゃねぇぞ!!」

と言い、そのまま校庭へと姿を消した。


伊藤「…………なんだったんだ……?……あの娘……」


三橋「はぁ……はぁ……どこだ……?」

息を切らしながら校庭をひたすら走る三橋。
ただでさえ、視線を集める見た目の上に、今は女性の下着を着けていないのだ。
それはもう揺れる揺れる。

必然的に男子の視線は、三橋に注ぐ事になる。

が、お構いなしに三橋は走った。


そして見つけた。目当ての人物を。

理子「……でさぁ」

メグミ「あんたってば本当にお気楽なんだから」

三橋「……はぁはぁ……り、理子!!」

理子「……?」クルッ


10メートルほど先の花壇に、理子とその連れが座ってるのを確認して
すぐさま、走りよった。

三橋「はぁはぁはぁ……はぁはぁはぁ……」

理子「……あ、あの……なにか?」

メグミ「……ってちょっと!この子Tシャツ透けてるよ!」

三橋「……はぁはぁ…………あん?」

理子「うそっ!?…………ちょっと来て!」

その事に気づくと、理子はすぐさま立ち上がり、
三橋の手を引いて、校外へと走り出した。

校内の保健室や教室を選ばなかったのは、三橋の服装から学園部外者だと判断したからだ。


校門を少し離れた、路地裏まで走り、周りを見て誰も居ない事を確認すると
理子はようやく三橋の手を離した。
ちなみに、理子の走る速さについてこれなかったメグミは校内に残った。

理子「……ふぅ……疲れた……」

三橋「……はぁはぁ……はぁはぁ……はぁはぁ」

そういう理子よりも、三橋の方が遥かに疲労している。

三橋「(いつもなら息すら切らさねぇのに……これが女の身体か……)」

理子「……えっと……いきなり連れ出してごめんなさい」

三橋「……はぁはぁ……はぁはぁ……お、おめぇ……いきなりなにすんだ……」

理子「あのね…………すっごく言いにくいんだけど、……その、Tシャツが凄く透けてるの……で、その……胸が……」

三橋「……あぁ……?……はぁはぁ……胸がどうしたんだよ……」


三橋「……あぁ……?……はぁはぁ……胸がどうしたんだよ……」

理子「丸見えなのよ……だから……その校内に居るのはまずいと思って……男子の眼とか……」

三橋「……そんな事よりな…………理子」

理子「え……?私の名前知ってるの?」

三橋「……俺だ。…………三橋だ」

理子「…………?」

三橋「だ、だからよ…………俺は三橋貴志だって言ってんだ」

理子「…………さ、三ちゃん…………?」

三橋「おう。」

理子「………え?………何言ってるの……?」


30分後


理子「なるほどね…………」

三橋「何か原因とかわかんねぇか?」

理子「……うーん……何か悪い物でも食べたとか……?」

三橋「悪い物食って女になるとかお前聞いたことあんのか!?」

理子「だ、だって………こんなの聞いたことないもの……」

三橋「あぁ……どうなってやがんだ……」



三橋と理子は現在、学校近くの喫茶店に居た。


流石に、あの透け透けTシャツのまま街をうろつくわけにもいかず、
理子の家や、三橋の家もまだまだ遠かったのだ。

なので、とっさに路地裏近くにあった喫茶店に入る事にした二人だった。


理子「三ちゃん学校に来ないのはいつもの事だから、対して気にしてなかったけど……まさか女の子になってるなんて……」

三橋「おぉよ……俺も仰天だぜ……」

理子「しかも……その…………美人だし……」

三橋「おぉ……かなりマブいよな……俺も鏡見て思ったんだけどよ。」

流石俺だよな。
そういう三橋に対して、ややもやもやする理子。


確かに顔はモデルと言われても納得してしまうほど美人だし、髪の毛は艶々した金髪。
しかも
と、視線を顔から胸元まで下げて、理子はますますやきもきした。

理子「と、とりあえずさ……三ちゃん……下着はつけないと駄目よ」

三橋「おまっ!俺に、ぶ、ぶ、ぶらじゃーを付けろって言ってんのか!?」

理子「声大きいよ!三ちゃん!」



三橋「お前なぁ……俺は三橋だって言ってんだろ?何でぶらなんかしないといけねぇーのよ」

理子「今は女の子なんだよ?三ちゃん。いずれ戻るにしてもひとまず付けておかないといろいろまずいよ……」

三橋「どこがどうまずいって言うんだよ」

理子「…………そ、その……あれがあれしてて……」


三橋「…………あん?」

理子「……もう!いいから買いに行くわよ!下着!」

三橋「ちょ、ちょっと待て!着けるとも言ってねぇし、しかも何で買いに行くんだよ!」

理子「だ、だって三ちゃん持ってないでしょ?」

三橋「持ってるかダホ!!」

理子「なら買いに行くしかないじゃない」

三橋「おめぇのでいいだろうが!」

ビシッ!と向かい側に座る理子に指を刺す三橋。

理子「………………」カァァァァ

見る見る内に顔が赤くなっていく理子。
パクパクと口を動かすが、動揺のあまり言葉が出ない。


理子「あ、あたしの下着なんて貸せるわけないでしょう!三ちゃんの馬鹿ぁ!」

三橋「なんでだよ!!」

理子「な、なんでって……、なんでもよ!」

三橋「なんでもって……お前……、…………あぁ、サイズがあわねぇか……」

理子「!?」バッ

三橋「おわっ!?」

バッと立ち上がると、理子は手を伸ばし条件反射的に三橋の頭を叩いた。
見た目が女と言えど、関係ない。
三橋は言ってはならない事を言ってしまったのだ。

バシバシバシッと複数回叩いた後、ふぅ、と一呼吸して、理子は椅子に座りなおした。


三橋「何なんだよ……お前って女は……今がどういう状況かわかってんのか……?」

理子「三ちゃんがいけないんでしょ……」

三橋「なんでだよ」

理子「あぁもう!とりあえず下着を買いに行くわよ!」

三橋「っておい、ちょっと待てって!」

三橋の手を取り、喫茶店を後にする理子だった。


【下着屋】

理子「三ちゃん……コソコソしてると返って恥ずかしいよ……」

三橋「ば、バッキャロー……こんなこっ恥ずかしいところに堂々といれっかよ……」

理子「今はどう見ても女の子なのに……」

三橋「い、いいから早く買ってこいよ……ていうか俺が行く必要ねぇだろ……」

理子「三ちゃんの胸のサイズがわからないもの……三ちゃんが居ないと駄目よ」

三橋「あぁ?大体これぐらいだ。これぐらい」

と、理子の両手を掴み、自分の胸にあてがう。

理子「!?」

三橋「よし。買って来い。俺は外に居るぞ」

理子「わ、わかるわけないでしょう!いいからほらっ!サイズ図ってもらうわよ!」


5分後

店員「アンダーが70のEですね」

理子「(…………あたしよりずっとでかい……)」




店員「それじゃあこちらの商品一点お買い上げでよろしいでしょうか?」

理子「あ、はい。……それとそのままつけて行ってもいいですか?」

店員「はい。大丈夫ですよー」

三橋「(すっげぇ……気色わりぃ…………ていうか……惨めだ……)」

理子「よかったね。三ちゃん」

三橋「(こいつ…………人の気もしらねぇで……)」



店員「それと、少しお話よろしいでしょうか?」

理子「……?なんでしょうか?」

店員「今、知り合いの雑誌編集者が下着モデルを探してまして……」

理子「(……こ、この流れは……もしかして……)」

店員「そちらのお客様の御容貌なら、是非ともモデルを引き受けてほしくて」

三橋「……は?……俺の事か……?」

理子「どう考えても三ちゃんの事でしょうよ……」

店員「どうでしょうか……?モデルの件、引き受けてはもらえないでしょうか?」


理子「ちょ、ちょっと待ってください……そ、その、店員さんがモデルとか決めていいんですか?」

店員「はい。私が薦める人なら、無条件で採用すると言っていますので」

三橋「………………」

理子「……ちょっと三ちゃん……どうしよう……」ボソボソ

三橋「………………」

理子「…………?……三ちゃん?」

三橋「……はっはっは!流石俺だな!」

理子「!?」


三橋「男の時でも美形過ぎたが、女になってさらに目立つようになってしまったか!うわっはっはっは!」

理子「ちょ、ちょっと三ちゃん!」

三橋「いいだろう!この三橋があんたの要望に答えてやる!モデルでも何でもしてやろう!」

理子「は、はぁ!?ちょ、ちょっと三ちゃんってば!」

店員「本当ですか!?いやぁ凄く助かりますよ!もう一目見た瞬間にこの人しか居ない。って思いましたから」

三橋「いやぁ、はっはっは。私に任せなさい!」

理子「ちょっと来て!!」グイッ

三橋「お、おい!理子!引っ張んな!」


三橋の手を引き、レジから若干距離を置いた理子。
小声で話せば、二人の声が店員に聞こえないのを確認してから理子は言った。

理子「ねぇ三ちゃん……。三ちゃんって馬鹿なの?」

三橋「あぁ?テメェ……何言ってんだ?」

理子「三ちゃんさ……今の状況わかってるの……?」

三橋「モデルの話を振られた」

理子「そうじゃなくてさ……、男に戻りたくないの……?」

三橋「戻りてぇに決まってんだろ!」

理子「ならさ、モデルとかやってる暇ないじゃない……、本当に何考えてるの……?」

三橋「うっ……、だ、だってよ……」

理子「もう、私が断ってくるから、三ちゃんは外で待ってて」

三橋「…………わ、わかった……」


2分後 【路地】

理子「とりあえずさ、私の家に行こうよ」

三橋「……?なんでだよ」

理子「三ちゃん、その格好は流石に不自然だと思うの」

三橋「あん?別にいつもどおりの格好だろ」

理子「三ちゃんはいつもどおりの外見じゃないでしょ……」

三橋「……目立ってんのか……?」

理子「……言っちゃうとかなり…………それも男の時よりも5倍ほど……」


三橋「クソッ!何だってこうなるんだよ!」

理子「学校に行くにしても、どこに行くにしてもとりあえず私の家で、着替えようよ」

三橋「……着替えるたってなぁ…………お前の服だろ?」

理子「……?そりゃあまぁ……」

三橋「おめぇ見たいなチンチクリンの服なんて着れるわけねぇだろ」

理子「…………」カァ

バチンッ!と隣に居る三橋の背中を叩く。
軽く前のめりになりながら三橋は理子の方を見た。

三橋「痛ってぇなぁ!本当の事だろ!?」


理子「べ、別に今の三ちゃんとなら身長差がそんなにないし、女性用の服はゆったりしてても着れる物があるのよ!」

三橋「そんなに無いって……お前」

三橋の現在の身長は160cm後半である。
150cm前半の理子とは、以前に比べたら確かに縮まっているが、それでも10センチ以上もある。



理子「とにかく私の家に行くわよ!」

三橋「お、おい!引っ張んなって!」

二人で、手を取りながら理子の家に向かっていると、
前方から青色の制服を着た二人組みが現れた。

片方は190cmを越す巨体で、片方は理子と同じぐらいの身長のデコボココンビ。
紅高の番格。
今井である。


今井「おぉ!理子さん。こんにちわ!」

理子「…………あら、今井くん。こんにちわ」

今井「こんな昼間からあなたに会えるなんて、僕はなんてついてるんだ!」

理子「あはは、やーねぇ今井くんたら」

今井「いやいや、本当の事を言ったまでで、ちなみにそちらの女性は理子さんのご友人とい…………」

三橋「……あ?」

理子「……あ、こ、この娘は…………そう、私の知り合いで……」

今井「………………」

三橋「…………?……何見てんだ?」

今井「………………惚れた……」

谷川「…………は?」

三橋「…………は?」

理子「…………え?」


今井「……は、初めまして!り、理子さんのご友人さん!」

三橋「…………おめぇ……」

今井「わ、私は紅羽高を仕切らせてもらっている、い、今井と申しまふ!」

三橋「……いや、知ってるけどよ……」

今井「お、お嬢さんのお、お名前を伺ってもよろしいでしょうか!?」

三橋「………………!」ピンッ

と、三橋の頭上に電球が灯った。

理子はその顔を見て直感した。
今日は今井君にとって厄日になると。


三橋「えっとぉ…………三井貴子と言います……」

クネクネと身をよじらせながら、口元に手を当てつつ三橋は言った。

理子「(………………うわぁ……)」



今井「た、貴子さんですか!?と、とても良いお名前ですね!うん。実に良い名だ!」

三橋「今井さんって……あの紅羽高の番格さんなんですかぁ?」

今井「そ、そうです!僕はあの紅羽高の番長なんです!」

三橋「えー想像と全然違う!もっと馬みたいな人を想像してたのに、実際はこんなにさわやかな人だったなんて!」

今井「う、馬……、ぼ、僕がさわやかですか……!?」

三橋「うん!とってもさわやかでステキよ。今井くん」

今井「う、う、……う、うおおおおおおおおおおおおお!!」


三橋「でも、その髪型はどうかしら……」

今井「…………え?」

三橋「なんだか、その中途半端の長さの毛が、凄く馬の毛にそっくり……」

今井「……う、うま……?」

三橋「ねぇ今井君。あなた馬って言われた事ない……?」

今井「……な、なんどか……あります、が……」

三橋「やっぱり!きっとその髪型のせいよ!うん。絶対にそう!だってこんなにカッコいい人が馬に見えるなんてもうそれしかないもの!」
 



今井「……僕の髪型…………そ、そんなに駄目なんでしょうか……?」

三橋「もちのロンよ!ずばり馬だもの!……是非髪型を変えるべきよ!……えっとそうねぇ…………モヒカンとか似合いそうよ!」

理子「(…………うわぁ)」


大人しく三橋と今井を見ていた理子だが、
流石に二人のやり取りを見ていて、顔を顰めないではいられなかった。

一方は、女に対して完全にニヤケ面でへつらい、
一方は、相手を如何にしておもちゃにするかを考えてる。


今井「も、モヒカン…………ですか……?」

三橋「うん!絶対似合うわよ!もしそのカッコいい顔にモヒカンで迫られたらあたし惚れちゃうかもしれない!」

今井「!?!?」

もう一押しだな。
三橋はそう思った。



1分後

今井「そ、それじゃあまた、是非またお会いしましょう!理子さんとた、貴子さん!」


三橋「えぇ!それじゃあまた今度ね!今井くん!」

今井「は、はい!」タッタッタ

谷川「待ってくださいよー今井さーん!」タッタッタ

三橋「…………ふぅ……」

理子「…………三ちゃん……」

三橋「……んだよ?」

理子「……いや……本当に人の不幸を楽しみにしてるんだなぁ、って思って……」

三橋「うむ、あいつの不幸は俺にとっての最高の幸せだ」


【理子の家】

理子「うーん………、まぁ大体こんな感じでいいかな?」

三橋「なぁ…………せめてスカートはやめねぇか……?」

理子「そうは言っても……三ちゃんが履ける様な下なんて持ってないもの……」

三橋「……この長すぎる足が仇になるとは……人生わかんねぇもんだな」

理子「…………」イラッ



三橋「とりあえず学校に行ってみっか……」

理子「……えっ!?学校に行くの!?」

三橋「伊藤の馬鹿も待たせてるしな……」

理子「う、うーん…………どうなんだろ……」

三橋「おめぇ制服とか余ってねぇの?」

理子「そんな何着も制服を購入できるほどうちの道場は栄えてないわよ……」

三橋「まぁ別にこの格好でもいいか……」

理子「そう言えば、授業ほっぽり出してきてたのすっかり忘れてたわ……」



20分後 【学校校門前】

三橋「今何時だ?」

理子「えっと……ちょうど2時ね……」

三橋「もうそろそろ5時限目が終わる頃か、よしちょうどいい。屋上に行っぞ」

理子「ちょ、ちょっとまってよ!三ちゃん!」


【屋上】

三橋「あと5分で授業が終わる」

理子「うん」

三橋「そうしたら、おめぇは伊藤をここに連れてくる」

理子「うん」

三橋「で、三人で考えて、なんとか俺を元に戻す」

理子「うん」

三橋「それで解決だ」

理子「…………したらいいね……」

三橋「んだ!?その叶うわけないみたいな顔はよ!」


理子「だ、だって……たった三人で考えても……この異常現象が解決するなんて思えないんだもん……」

三橋「……うっ……」

理子「………………」

三橋「……それでもよぉ………なんとかして戻らないといけねぇんだよ……」

理子「…………三ちゃん」

三橋「それにお前ら二人は、俺にとって唯一この事態を真剣に考えてくれる奴らだ……」

理子「!?」

三橋「もし、……お前らまで俺の事を信じてくれなかったら…………俺はたぶん、いや、結構……、ちょっと参っちまってたかもしんねぇ……」

理子「…………」

三橋「だ、だからよ…………理子…………、その……なんだ、……あんがとよ……信じてくれて」

理子「……さ、三ちゃん!」

と、理子は衝動的に隣に座る三橋の両手を、自分の手で包んでいた。

三橋「……お、おい!なにすんだ!理子!」

理子「(反則だよ……、今までそんな事言った事ないくせに……)」


3分後

三橋「…………おい」

理子「……うん?」

三橋「……いい加減、手離せよ……暑ぃだろ」

理子「……もうちょっとだけ、………寒いから」


5分後


理子「三ちゃん、伊藤ちゃん連れてきたよ」

伊藤「ったく、理子ちゃんをパシりに使うってお前なぁ」

伊藤は屋上の扉を開けて、すぐ横に座っているだろう三橋に向かって言った。

三橋「遅ぇんだよ!このカッパ!」

が、そこに居たのは三橋ではなく、先ほど騒ぎの中心に居た女の子だった。


伊藤「……え?君はさっきの……?」

三橋「あぁもう面倒くせぇ!理子!説明頼む!」

理子「えっ?えっ?あたしがするの!?」

伊藤「何がどうなってんだ……?」


 
10分後

伊藤「…………信じらんねぇ……」

理子「……だよね」


三橋「おい!お前に時間割いてる暇はねぇんだよ!かっぱ!」

伊藤「い、いやちょっと待てよ……そう簡単に信じられるわけねぇだろ……?」

三橋「じゃあどうすれば信じんだよテメェはよ!」

伊藤「……そ、そりゃあ…………何か三橋だけしか知らない様な事を言ってくれれば……」

三橋「あん!?…………京子とキスしたいからって、そういうムードになる映画を知ってるかって俺に相談しに来た事を言えばいいのか!?」

伊藤「ちょっ!?」

三橋「それとも、最近セットが楽で、パンチも効いてる髪形をおめぇが探してるって事を言えば信じんのかよ!?」

伊藤「わかった!お前は三橋だ!だからもう黙れ!」

伊藤「でもよぉ……実際なんでこんな事になったわけ?」

理子「そうよ。三ちゃん。絶対何か原因があるわよ」

三橋「って言われてもな……本当に身に覚えがねぇ……」

三人が横並びに座って話をしていると、すぐ横の扉が開いた。

佐川「あ、伊藤くん。ちーす」

伊沢「ちーす。」

伊藤「おぉ、お前らか」


佐川「あれ?三橋さんは着てないんですか?」

伊沢「って、理子さんの隣にいるその娘、昼休みの娘じゃないすか」

三橋「……あん?」

伊藤「うぇ、お前あの場に居たの?」

伊沢「えぇ、まぁ。……ていうかかなり目立ってましたからね」

佐川「あ、俺もさっき聞いた。その話。……へぇその娘が噂の…………確かにマブいっすね」

伊沢「……おぉ。改めてみると激マブだな……」

三橋「……お前ら……」


佐川「伊藤さん……こちらの娘は伊藤さんのコレですか?」

小指を立てて伊藤に見せる伊沢だった。

三橋「あん?誰がこんなウニの女だって?」

伊沢「じゃ、じゃあ今フリーなの!?、どうよ?俺!ナイスガイよ?」

伊藤「やめとけよ。その娘。三橋の妹だぜ?」

佐川「……うそっ!?」

伊沢「マジっすか!?」

三橋「…………は?」


佐川「うわっやばっ!……と、とりあえず、すいませんでした!」

伊沢「す、すいませんでした!」

三橋「………………」

佐川「えっと、お兄さんにはいつもお世話になってます!」

伊沢「で、……い、妹さんに言い寄った事は、三橋さんには是非内密に……」

三橋「………………」

伊藤「……普段お前が、どう思われてるか実感できるな」

理子「…………三ちゃん……」


三橋「……で、さっきのあれはなんなのよ?」

伊藤「あいつらにお前が三橋だって言うわけにはいかねぇだろ?」

三橋「……それで俺の妹か?」

伊藤「おう。とっさについた嘘にしちゃマシなほうだろ?」

三橋「………別によ……、妹じゃなくて、理子の知り合いってことでよかったんじゃねぇのか……?」

伊藤「……………………」

理子「……三ちゃん戻った後に、妹さんの事聞かれたらどうするの?」

伊藤「……………………」

三橋「……おめぇ…………何も考えてなかったろ……」

伊藤「…………わ、割る木は……」

言い切る前に、三橋の左足が伊藤の後頭部を直撃した。


伊沢と佐川が、そそくさと屋上を後にしてから5分ほど経った頃。
どどどっ、と扉の向こうから音がした。

バタンッとドアが開くと、
女子、男子、共に大勢の生徒がドアの向こうから現れた。


三橋「おわっ!何だあいつら!」

女「あ、あそこに居るわ!」

男「うそっ!?どこだよ!?」


視認できるだけで、20,30人以上の生徒が三橋ら三人が座る場所に詰め掛けた。


男1「おわっ!マジで金髪だ!しかも激マブ!」

男2「流石三橋さんの妹さんだな!」

女1「へぇ……やっぱり三橋君の妹って感じがするわね……」

女2「うんうん。なんていうか三橋君も腐っても美形だからね!」

女3「で、三橋くんはどこに居るの?兄妹揃ってるところ見たいのに!」

女4「あ、それあたしもすごく見たい!」

群集「わーーわーわーーーわーーわーーーわーー」ザワザワガヤガヤドヤドヤ



三橋「……理子ちんよぉ……」ボソボソ

理子「……なぁに。三ちゃん」ボソボソ

三橋「気のせいか、このままここに居ても一向に元に戻れそうもないんだけどよぉ……」ボソボソ

伊藤「……同感だな。とりあえず、学校を出るか」ボソボソ


10分後 路地

三橋「……はぁ……あいつらの、野次馬魂はどっから来てんだ……」

伊藤「しゃぁねぇよ。おめぇの妹なんて言っちゃったらよ。ああなるのは当然だ」

三橋「……じゃぁテメェのせいじゃねぇか……」

伊藤「……い、いや……違うぞ……違うんだ……俺はよかれと思って……」

理子「もう!喧嘩してないで元に戻る方法を考えようよ!」

伊藤「おぉそうよ!とりあえず三橋!お前の家に行くぞ!」

三橋「……あん?……なんでよ?」


伊藤「だってよ……、お前、昨日寝る前までは男のままだったんだろ?」

三橋「……あぁ」

伊藤「なら、お前が寝る直前、あるいは寝てる最中に何かが起こったってことじゃねぇか」

理子「……なーるほど」

三橋「……ケッ、テメェにしちゃ上出来だ。かっぱ」

伊藤「……なんていうか、その容姿にその口調って、恐ろしいほどあわねぇな……」


10分後 【三橋家】

三橋「……とりあえず俺の部屋まで来たのはいいけどよ……」

伊藤「……相変わらず物がねぇ部屋だな……」

三橋「ほっとけ」

理子「三ちゃん。昨日寝る前にしてた事とかないの?」

三橋「……寝る前……?……あーっ、何してたんだっけか……」

伊藤「よーく思い出せよ……三橋、お前が元に戻るためだぞ……」

三橋「……うーむむむ…………」

悪いリアルタイムで書き続けてきたんだが、ちょっと腰が限界近い。

休憩するけど、落としてもらって一向に構わない。

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