王「あなたの長所は何ですか?」 勇者「魔王を倒せます」(170)

王「今は魔王がいませんが、その長所をどのように国に活かせますか?」

勇者「魔王が復活したときに役に立てます」

王「魔王が復活したときといいますが、それでは普段あなたは何をするのでしょうか?」

勇者「魔王が復活したときに備えて身体を鍛えます」

王「身体を鍛えることは家でもできますよね。我が国にあなたを採用するメリットは何でしょうか?」

勇者「魔王を倒せます」

王「……わかりました。採用結果は後日郵便でお知らせします」

~数日後~

勇者「なぜだ……」

勇者「兵士の募集か……。 ちょっと行ってくる」

~城下町~

勇者「うわっ! 思ったより人がいるな……」

兵士「ご応募の方はこちらにお並びください!」

ぞろぞろ

勇者「人が多いなぁ……。 一体何人いるんだろ? 痛っ!」ドン


大男「おい!」ギロッ


勇者(ヒィィ、怖ぁ! でかぁ!)

勇者「す……すいません……」スタスタ









勇者「あぁ……列から外れちゃった……。 はぁ、1番後ろかぁ」テケテケ

勇者「……」テケテケ

??「ねぇねぇ、 兵士の募集ってここでいいんだよね?」

勇者「……」テケテケ

??「ねえってば! 聞いてるの!?」ドン

勇者「ヒヤァァァ!! な……なんなの……」ビクゥ

??「そんなに驚かなくても……。 兵士の募集ってここでいいの?」

勇者「う、うん……そうだけど、君は誰?」

魔法使い「なんだよかった。 私は魔法使い。君は……?」

勇者「僕? 僕は……ゆ…しゃ……だけど……」

魔法使い「え? 何? 聞こえないよ!もっと大きく!」

勇者「……勇…者……」モジモジ


魔法使い「…………」


勇者「…………」


魔法使い「ぶっ……あはははははは!」

勇者「!」ビクゥ

魔法使い「ビビリな君がぁ!?……勇者だなんて……。 お腹痛い……。 」ゲラゲラ

勇者「な、なんだよ……! 笑うことないだろ……!」

魔法使い「あはは……ごめんごめん。 世の中には色んな人がいるもんね。」ケタケタ

勇者「そんな言い方しなくても……」

魔法使い「……まぁ、せっかく出会えたんだしさ、並んでる間にちょっと話でもしようよ」

勇者「う、うん」


~数分後~

勇者「へぇ、君ってそんな遠い村から来たんだ」

魔法使い「まあね、私の師匠がその村に住んでるから、そこで修行してたの」

勇者「魔法使いって色んな魔法が使えるんでしょ? 空飛んだり、強い炎だしたり」

魔法使い「私はまだ見習いだからそんな魔法使えないよ……」


兵士「次の方どうぞ!」

魔法使い「あ、もうすぐで私たちの番だよ」

勇者「ねぇねぇ、なんか1人ずつ連れてかれてるけど、なにしてんのかな?」

魔法使い「さぁ? 私初めてだからわかんないよ」


大男「よぉぉぉし! 俺の番だぁぁぁ!!」オラァ

魔法使い「うわっ! うるさっ!」

勇者(あ、さっきの……)


魔法使い「あのさぁ、なんで勇者君は兵士になりたいの?」

勇者「あ、別に……兵士になりたいわけじゃ……」

魔法使い「なにそれ? じゃあなんのため?」

勇者「なんていうか……とりあえず仕事に就きたくて……」モジモジ

魔法使い「あぁ! 兵士は給料高いもんね」

勇者(ニート脱出のためなんて言えない……)



魔法使い「あ、見てみて勇者君! さっきのうるさい奴」

勇者(ほんとだ……すごく落ち込んでる……)

魔法使い「きっと落ちたのね」

勇者(あの人が落ちちゃうなんて……中では一体何が……)ゾクゾク

魔法使い「大丈夫だよ! 勇者君なら受かるって!」

勇者「そ、そうかな……?」

魔法使い「自信持って!」


兵士「次の方どうぞ!」ガラッ

魔法使い「あ! 私の番だ!」スタスタ

勇者「あ……その……」

魔法使い「ん? どうかした?」

勇者「いや……あの……頑張って……」テレテレ

魔法使い「クスッ……。うん、ありがと!」


魔法使い「……」スタスタ

兵士「……」スタスタ

魔法使い「ねぇ? 今からなにするの? 鬼ごっこ?」

兵士「それは後でお話しします」

魔法使い「ふーん……」

スタスタ

兵士「着きましたよ」

魔法使い「ここは……」

兵士「闘技場です。 簡単に説明しますと、あそこにいる人物と戦ってもらいます」

兵士「戦うと言っても、相手は一切攻撃をしませんのでご安心を。 あなたの実力を見るだけです。 」

魔法使い「なるほどね。 んじゃあ全力で攻撃してもいいの?」

兵士「相手は私たち軍の小隊長です。 素人の方でまず攻撃が当たるかどうか」

魔法使い「OK。久しぶりに全力だそうかな」ニヤリ

兵士「それではご健闘を」ギーバタン←扉を締める音

小隊長「好きに攻撃をして構わん。 どっからでもかかって来い」

魔法使い「んじゃあお言葉に甘えて……」



魔法使い「メラガイアー!」


小隊長「何ぃ!」



ドゴォォォォォォォォオン



勇者「!?」ビクッ

男A「な、なんだ……」

男B「ば、爆発だ!」

男C「ざわざわ……ざわざわ……」


勇者(魔法使い……大丈夫かなぁ……)

魔法使い「ふぅ、外れちゃったか……」

小隊長「ヒィィィイ!」

魔法使い「よーし!次は……」

小隊長「ち、ちょっと待ったぁぁぁぁあ!」


魔法使い「ギラグレイド」


小隊長「いやぁぁぁぁぁ!」


魔法使い「……」シーン

小隊長「……」シーン


小隊長「……ってあれ? 死んでない……」









魔法使い「流石にこれ以上やったら死んじゃうかもね」ニコッ


小隊長「…………合格だ……」


魔法使い「え? ほんと? やったぁ!」


~勇者では~

兵士「次の方どうぞ!」ガタッ

勇者「ぼ、僕の番だ……」ビクビク


兵士「……」スタスタ

勇者「……」テケテケ


兵士「闘技場です。」

勇者「え? なにするの?」ゾクゾク

兵士「 簡単に説明しますと、あそこにいる人物と戦ってもらいます。戦うと言っても、相手は一切(以下略 」


勇者「ちゃんと説明してよ」

兵士「それではご健闘を。 ギーバタン←扉を締める音」

勇者「口で言ってるよ……。 とりあえず、あそこにいる人に攻撃をすれば良いんだな……よーし」


小隊長「はぁはぁ……変なの来るな、変なの来るな、変なの来るな、変なの来るな、変なの来るな、変なの……」ビクビク

勇者(大丈夫かなぁ……あの人。 いくぞー!)


勇者「メラ!」


ボッ


勇者「……」

小隊長「……」

勇者「……」チラッ

小隊長「……」ギロッ


勇者「……帰ります」テクテク

兵士「 簡単に説明しますと、あそこにいる人物と戦ってもらいます。戦うと言っても、相手は一切(以下略 」

勇者「ちゃんと説明してよ」

とか

兵士「それではご健闘を。 ギーバタン←扉を締める音」

勇者「口で言ってるよ……。

とかはちょっと寒いと思う

勇者「……」テクテク

勇者「はぁ……」テクテク

勇者「どうしよう……」テクテク


魔法使い「おーい! 勇者くーん!」

勇者「あ、魔法使いさん……」

魔法使い「ねぇ? どうだった? 私、試験官の人が弱くてびっくりしちゃった!」

勇者「……」

魔法使い「まぁ、私が本気だしすぎたのかもしれないけど……。 でもまぁ、これからは勇者君とは職場仲間だね!」

勇者「……」

魔法使い「……どうしたの? ……まさか……」

勇者「……うん……」

>>34
ごめん、その要素抜くわ。

がんばれ 俺は好きだぞ

むしろギャグをいれたんだけど
黙って読めない片がいただけだと思う


魔法使い「あ……その……ごめん……ね」

勇者「いや、魔法使いさんが謝ることないよ……。 僕の実力がなかったから……」

魔法使い「……でも、まぁ次頑張ればさ!」

勇者「そうだね……」


魔法使い「……」テクテク

勇者「……」テクテク

魔法使い(なんか気まずい……)



女「きゃぁぁぁぁあ!」

魔法使い「!?」ザッ

勇者「!?」ビクッ

>>37
ありがとう、頑張るわ

>>39
こういうギャグはちょっとだけ寒いと思っただけなんだ

すまんな

悪人A「ぐへへへ! お前の子供はもらった」ブロロロロロ

悪人B「返して欲しけりゃ100万Gよこしな!」ブロロロロロ

女「誰か!あの子を!」


魔法使い「なんて人たちだ!」タッタッタッ

勇者「悪い奴らだ……悪い奴ら……」

魔法使い「勇者君! ぼーっとしてないで早く!」

勇者「悪い奴ら……許せない……」ゴォォォ

魔法使い「?」タッタッタッ

臭すぎる方向いく気がする・・。

>>47
安心して、臭い方向にしか行かないから。


魔法使い「だ、大丈夫ですか!」

女「私は大丈夫……はやくあの子を!」

魔法使い「怪我してるじゃないですか! 早く処置しないと!」


勇者「魔法使い……その女は任せた」


魔法使い「勇者君! なにしてたの……! って勇者君?」


勇者「…………」

魔法使い(なにこれ……さっきと雰囲気がまるで違う……)






魔法使い「だ、大丈夫だよ! それに奴らなんて私の魔法で……」


勇者「魔法でなんだ? 子供ごと吹っ飛ばすのか? 人質がいる中で魔法を使うのはご法度だろ」

魔法使い「それは……」

勇者「黙って俺に任せとけ 」

魔法使い「……だって、君なんかに任せられないよ!」

魔法使い「君は……弱虫で……」



勇者「弱虫かもな。 でもそれ以前に俺は…………」


勇者「勇者だ!」シュタタタタタ

魔法使い(は、早い! まるで風!)


勇者「」シュタタタタタ


悪人B「あ、兄貴! 後ろから凄まじい砂嵐が!」

悪人A「おいおい、ここは町中だぞ! 砂嵐なんて……。 な、なんだあれは!」ゾワッ


勇者「」シュタタタタタ


魔法使い(昔、聞いたことがある……)


悪人B「ど、どうします!?」

悪人A「構わん、打て!」


魔法使い(若くして世界を救った4人の勇者たち)



悪人B「おらっ!」バン

勇者「」ヒュン

悪人Be「くっ、おらっ!」バンバン

勇者「」ヒュン シュン

悪人B「ひぇぇぇ!」バンバンバン

勇者「」シュタッ シュタッ シュタッ


悪人B「ダメです!兄貴! 弾が全てよけられてます!」

悪人A「そんな馬鹿な……!」

魔法使い(そのリーダーとなる男)


勇者「」シュタタタタタ


悪人B「ど、どうしましょお……」

悪人A「慌てるんじゃねぇ! まだ距離は詰められてないはずだ! 人間が車に追いつける訳がねぇ!」

勇者「おい、横を見てみなよ」シュタタタタタ

悪人A「え?」チラッ

悪人B「うわぁぁぁぁ!兄貴! 真横にいますよ!」

悪人A「見ればわかるわ!」

魔法使い(悪事を見るとその抜けた様な姿から豹変し)


悪人A「大丈夫だ! まだこっちには人質が……」

悪人B「兄貴! 人質がいません!」

悪人A「なんだとおぉぉお!」


勇者「人質ってこの子の事かい?」

悪人B「…………」

悪人A「……逃げるぞ!」ブロロロロロ


幼女「お兄ちゃん……ありがと……」

勇者「気にすんな。 それより、しっかりつかまってろよ!」

幼女「うん!」ガシッ

魔法使い(凄まじい力と共に覚醒する)


悪人A「くそっ。 どこまでついてくる気だ!」


勇者「そろそろ終わりにしよう」シュタタタタ


勇者「メラ」


悪人B「……」ビクッ

悪人A「……」


悪人A「ぶはははははは! 小さい火の玉だなぁ!」ゲラゲラ

悪人B「た、大変です! 車内が燃えています!」

悪人A「な、なんだとぉ!!」

魔法使い(その力からついた名前、その名も……)


悪人B「あちちちち! 兄貴!脱出しますぜ!」ガチャ

悪人A「はやく出ろ!」

悪人AB「うわぁぁぁ!」ズザー


ドゴォォォォォォォン!


悪人A「危ねえ……。もう少しで木っ端微塵になるところだった……」


勇者「」ズザッ

悪人AB「!?」ビクッ

魔法使い(蒼い旋風)



勇者「おめぇらよぉ……」ゴゴゴゴ


悪人A「に、逃げろぉぉ!」

悪人B「うわぁぁぁぁぁ!」


勇者「ロトの剣」ズバッ


悪人A「な、なんだ!? 風がっ……」

悪人B「ぐわぁぁぁぁ!」

悪人AB「」グッタリ


勇者「次、悪事を働いたらこんなんじゃ済まないからな!」


幼女「お兄ちゃん……かっこいい……」


勇者「ふぅ、よーし戻るか」シュタタタタタ

よし>>1>>90の要望を全て取り入れようではないか

魔法使い「べホイミ」ポワーン

魔法使い「これで大丈夫ですよ」ニコッ

女「ありがとうございます。 それより私の子は……」

魔法使い「それは……」


勇者「ただいま」シュタッ

幼女「ママー」

女「幼女!」ガシッ

幼女「こわかったよぉ……」

女「ごめんね、ごめんね……」


勇者「行こう……」

魔法使い「う、うん……」


女「本当にありがとうございます! なんとお礼をしたら……」


勇者「……」スタスタ

魔法使い「……いいの?振り向かなくて?」

勇者「あぁ……」


幼女「お兄ちゃん、ありがとー!」


勇者「……」スタスタ

魔法使い「なにニヤついてるのよ、変態」

勇者「……」テレテレ

魔法使い「……」ニヤリ


勇者「はぁ……僕、仕事どうしよ……」


魔法使い「あ、人格戻った……」

勇者「はぁ……無職のままだぁ……」オロオロ

魔法使い「でもまぁ、いいんじゃない? また探せば。それに……ちょっと……カッコよかったし……」

勇者「え? ……なに?」


魔法使い「ううん、なんでもない。 それより、あなた『蒼い旋風』だったんだね。 びっくりしちゃった」

勇者「『蒼い旋風』……。なにそれwwwwだっさwwwwテラワロスwwww」

魔法使い「えぇぇぇぇえ!? 違うの!? ほら伝説の勇者の!」

勇者「それ僕じゃないよ、多分……お父さん」

魔法使い「なにそれ、せっこーい」ジトー

>>91
言っとくけど、俺と>>1は別人だぞ

勇者「僕、お父さんにあったことないんだ。 僕が小さい時にどこかに旅に出たらしい」

勇者「でも、お母さんによくお父さんはすごい人だったって聞かされてた」

魔法使い「そりゃ世界を救った人だもんね」

勇者「うん。 さて、僕はそろそろ行こうかな……」

魔法使い「え? 行くって、どこに?」

勇者「さぁ……なんも決めてないや……」


魔法使い「あはは、勇者君らしいや。 じゃあ私たち、ここでお別れだね」

勇者「うん……また会えるといいね」

魔法使い「私はここの兵士の女子寮に住む予定だから、いつか会いに来てね」

勇者「うん……じゃあね……」

魔法使い「じゃあね……」

勇者「……」バイバイ

魔法使い「……」テクテク

魔法使い「」チラッ

勇者「」バイバイ

魔法使い「」バイバイ


魔法使い「……」テクテク

魔法使い「」チラッ

魔法使い「あ。まだ、手を振ってる……」

勇者「」バイバイ

勇者「」

勇者「……」

勇者「……帰ろ」

勇者「」テクテク

勇者「」テクテク


勇者「はぁ……お母さんに何て言おう……」

勇者「正直に言うしかないよね……」

勇者「……」ガチャ

勇者「ただ……いま……」


勇者母「おかえり勇者! 待ってたのよ!」


勇者「!」ビクッ

勇者「あの……お母……さん」


勇者母「そんなところでボケっとしないで! ほら、早く座って!」

勇者「でも……僕……」

勇者母「ごめんなさいねぇ、この子内気なもんで……」

勇者「え?……誰かいるの?」

勇者「」ソーッ

??「やぁ」

勇者「あ、あなたは!」

小隊長「いや、ごめんね急に押しかけて。 いやぁ驚いたよ。 さっきの速さ。 試験の時とは大違いだ」

勇者母「聞いたわよ勇者。あなた人を助けたらしいじゃない! お母さん、花が高いわ」オホホホ

勇者「なんでここに……」

小隊長「君の功績をお母さんに伝えたのはここに来た目的の一つなんだが、一番の目的は……」

勇者「……」ゴクリ

小隊長「勇者君、我が軍に入隊していただきたい!」

勇者「…………え?」

勇者「……」

小隊長「さぁ、答えは決まっているだろ?」

勇者「…………お断りします」

小隊長「……? なぜだい? 君はすぐにでも上位の階級なんてすぐに目指せる力を持っているのだよ。 それならば、隊長から始めてもらってもいい。 どうだい?悪い条件じゃないだろ?」

勇者「僕は弱虫で、臆病で、頼りない男です」

勇者「でも今日、ある子供に言われた『ありがとう』って言葉を聞いた時、涙が出るほど嬉しかったんです。 そして、その時僕は思いました。 誰かの役に立ちたい」

勇者「もちろん兵士の仕事も誰かの役に立つ仕事です。 でも、僕は困っている1人1人の人々に手を差し伸べたい! 力になりたいんです! 」

勇者「僕は街でボランティア団体を作ります。 そして、街の人々のために力を出す。 そう心に決めました」

勇者「わがままな事を言っているのかもしれません。 ですが、ここはお引き取り願いませんでしょうか?」

小隊長「ですが……!」ガタッ

勇者母「この子が決めた事です。どうかそっと見守っていただけませんでしょうか?」

小隊長「……わかりました。 では、失礼しました」ガチャ

小隊長「」タッタッタッ


勇者母「本当にそれでいいの?」

勇者「うん……」

勇者母「……本当、お父さんそっくりね」

勇者「……え?」

勇者母「お父さん昔、あなたみたいに入隊しないか?ってさそわれたの。 しかも、国王から直々に」

勇者「え? ほんと?」

勇者母「ほんとよ。 でもお父さん断わったの。 あなたと同じ、人の助けになりたいって言ってね」

勇者「そうなんだ……」

勇者母「そのとき、あなたも居たのよ」

勇者「え? 僕が」

勇者母「まだこんなにちいさい時だけどね」

勇者「なんだ……」

勇者母「その後、お父さん出て行ったのよ、人の助けになるんだ!って。 私と自分の息子を置いてってね」

勇者「なんか、お父さんかっこいい……」

勇者母「えー? お父さんが? ……ほんと、男の子の気持ちが分からないわ……」



~五ヶ月後~

勇者「……なので、いまの人々には救いの手が必要です! 僕はその人々に手を差し伸べたいんです! みなさんも、救いの手を差し伸ばしてみませんか?」

観衆「」パチパチパチパチ


ナレーター「以上、ボランティア団体会長 。 勇者様の演説でした。 続きましては……」


勇者「ヒヤァ……冷や汗かいたよ……」

魔法使い「すごくいい演説だったよ!」

勇者「そ、そうかな……。 これで救いの手を差し伸べる人が増えたらいいけど……」

魔法使い「頑張ってね! 会長さん!」

勇者「や、やめてよぉ……その言い方……。 魔法使いさんだって、今は大佐じゃないか」

魔法使い「まぁね……。でも、楽じゃないんだよ毎日出兵だしさ……」トホホ

勇者「あはは……そりゃ大変だ……」

魔法使い「笑い事じゃないよぉ……。 んで、これからどうするの?」

勇者「特に予定は……」



ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!


魔法使い「な、なんだぁ!?」

勇者「!?」ビクゥ

魔法使い「地震!?」



民衆「うわぁ!」

民衆「きゃぁあ!」


アナウンス「……避難所へ避難してください! 繰り返します、建物内は大変危険です! ただちにお近くの避難所へ……」


魔法使い「一体なんなんだ! 地震ならばこんなに揺れるはずは……! 勇者君!?」


勇者「皆さん焦らないで! ゆっくりでも間に合います! 走るのは危険です! だか、焦らないで!」


魔法使い「そうか!」ダッダッダッ

魔法使い「避難所はこちらです! 数多くありますし、十分なスペースもあります!」

勇者「魔法使いさん……」

魔法使い「ほら! 早く誘導するよ!」

勇者「うん、ありがとう……」

男の子「うぇぇぇぇぇん!」

勇者「!?」

勇者「こっちからだ!」ダッ


勇者「いた! 大丈夫かい?」

男の子「足が挟まって……抜けない……」

勇者「この石が……うりゃあ!」ドゴォ

男の子「抜けた……ありがとう……」

勇者「早く……避難所に……!」

ゴロォォォォ

勇者「な、なんだ……!」

男の子「お兄ちゃん、上ぇぇぇ!」

勇者「!?」ビクッ


勇者「落石が……間に合わない……!」


魔法使い「スワイプ!!」ヒュゥゥン


勇者「落石が、横へ吹き飛ばされてく……?」

魔法使い「大丈夫!?」

勇者「ありがとう、魔法使いさん」

魔法使い「一体なにが起きてるんだろ?」


男の子「お兄ちゃん、上……」

勇者「落石……!」

男の子「違うの……空……」


魔法使い「なんなの……これ……」

勇者「空が……赤い……」

魔法使い「とにかく! この子を避難所へ!」

勇者「……そうだね! 」


男の子「お母さーん!」

男の子母「男の子!」ガシッ


勇者「ひとまず、これで安心だ」

魔法使い「ほとんどの人が避難したしね」


勇者「何だったんだろ……あの空……」

魔法使い「まだ昼間だよ! おかしいよ!」

勇者「一体なにが……」


アナウンス「魔法使い大佐! 魔法使い大佐! 今すぐ城内に戻って来てください!」

魔法使い「私を呼んでる……行かなくちゃ……」

勇者「うん、行ってらっしゃい……」

魔法使い「勇者君も一緒に来て!」

勇者「僕も……いいの?」

魔法使い「もちろんさ! 早く!」ダッ

勇者「うん……」ダッ



軍事司令官「魔法使い大佐! なにをしていた!」

魔法使い「民衆の安全を確保していました!」

軍事司令官「うむ……。 よろしい! 国王様のお呼びがあった。 ただちに向かうぞ!」

軍事司令官「……その方は誰だ」

魔法使い「ボランティア団体会長、勇者であります」

軍事司令官(この方があの有名な……)

軍事司令官「よろしい! 君も来なさい!」

勇者「え……あぁ、はい……」

国王「君たちを呼んだのは他でもない。 この異常な事態についてだ」

勇者(うわぁ……みんな強そう……)

国王「そして、この事態の原因がわかった」

一同「」ざわざわ……ざわざわ……


国王「この尋常ではない魔力。 魔王が復活した」

一同「!?」

師団長「魔王は十数年前に封印されたはず……なのになぜ……?」

国王「ワシにもわからぬ……。ただ言える事は、ただちに魔王を封印しないと世界が………………滅ぶ」

すまない、とうとう睡魔が襲ってきたようだ……。

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