穂乃果「宿? 穂乃果たちはこれから作るかまくらに泊まるんだよ?」 (123)

穂乃果「穂乃果たちが今日泊まる所はここ! みんなでかまくら作ろうよ!」

にこ「はぁぁ!? あんた正気!?」

ことり「ほ、穂乃果ちゃん……宿は?」

穂乃果「とってないよ?」

絵里「穂乃果……貴女が任せろっていうから私は」

希「こうなったら今から泊まる場所探すしかないね」

花陽「シーズン中だし大丈夫かなぁ……?」

真姫「まったく……これだから穂乃果は……ってあれ? あれ……?」

凛「出口がないにゃ!!」

穂乃果「うん! だってもう閉園してるし」

海未「そ、そんな……!!」

ことり「そういえばさっきからお客さん、ことりたちしかいない……」

絵里「そ、そんなはずが……、だってスキー場って普通ナイターとかやってるはずよね?」

穂乃果「今日は夜から猛吹雪になるからナイターは禁止だって」

にこ「も、猛吹雪!? じゃあニコたちはどうなるの!?」

希「あかん……完全にシャッターが降りて出られんようになっとる」

凛「それじゃあ凛たち、朝までここで野宿!?」

花陽「さ、寒すぎて死んじゃうよぉぉ!! 誰か助けてぇぇ!!」

タスケテー タスケテー タスケテー……

ことり「かよちゃんの叫び声が空しくこだましてるだけだよぉ……!!」

真姫「じょ、冗談じゃないわ!! こんな所で朝までいたら確実に凍死しちゃうじゃない!!」

絵里「何処に行くのよ!? 真姫」

真姫「決まってるじゃない! ここから脱出するのよ!!」

海未「いけません! 何か当てはあるのですか? 闇雲に進んだんでは遭難してしまいます!!」

真姫「ならどうすればいいのよ!?」

海未「それは……」

穂乃果「はーやーくー!! かまくら作ろうよー!!」

にこ「ニコ、こんな所で死にたくないよ~!!」

花陽「楽しいスキー旅行になるはずだったのに……」

希「もうこうなったらいよいよ、本当にかまくらを作るしか……」

絵里「くっ……やっぱり圏外で外と連絡がとれないわ」

海未「助けを呼ぶ手段は無いということですか……」

ことり「警備員さんとかいないのかな?」

絵里「それよ! 緊急時に備えてこういう所には必ず誰かしらいるものよね!」

海未「さすがことりです!! さぁ一刻も早く探しましょう!!」

真姫「私も協力するわ!」

希「お? 真姫ちゃんがそういうこと言うの珍しいやん」

真姫「こんな非常時にキャラなんか作ってられないわよ!!」

花陽「花陽たち……助かるの……?」

絵里「もちろんよ! その為には警備員さんを探して救助してもらわないと」

海未「では私とことりは向こうを、絵里と真姫はあちらを、希と花陽はその反対側をお願いします」

絵里「わかったわ! みんな、絶対ひとりになったりしちゃ駄目よ!」

真姫「そ、そうね! はぐれたりしたら大変だもの」

海未「では集合場所はここに……決して遠くまでいかないでください」

花陽「う、うん!!」

希「ほな、かよちん行こか?」

真姫「私たちも行くわよ、エリー!」

絵里「えぇ、あら? そういえばニコと凛は……」


にこ「うぅ……さ、寒い……」
ガタガタ

穂乃果「ニコちゃん!! 早くそっちから雪運んできてよー!!」

にこ「な、何でニコが……こんなこと……うぶっ!!」

凛「命中だにゃー!! 次は穂乃果ちゃんに……えいっ!!」

穂乃果「ふぎゃっ!! よーし! じゃあ穂乃果もー」

凛「やっぱり冬といったら雪合戦だよねー」

穂乃果「東京じゃ滅多にこんな積もらないから、よし! それじゃチームに分かれて」

にこ「な、何であんたたち……そんな元気なのよ……」
ガタガタ

凛「身体動かすと暖かいよー! ニコちゃんはさっきからジッとしてるからダメなんだにゃ」

穂乃果「だよねっ! じゃあみんなも呼んで」


絵里「行くわよ、真姫! ここから離れるの」

真姫「ま、待ちなさいよ! エリー!!」

海未「まったく……あの人たちはこんな時にまで……」

ことり「ことりたちも早く警備員さん探しに行こ?」

希「雪合戦も楽しそうやけど今は助け呼ぶ方が先かな?」

花陽「あ、当たり前だよ!! 希ちゃん!!」

穂乃果「あれ? みんないなくなってる」

凛「穂乃果ちゃん! 二人でニコちゃんを攻撃するにゃー!!」

穂乃果「うんっ!」

にこ「や、やめ……なさいよ!! あんたら……うぶっ!!」

凛「それそれー!!」
ヒュッ ヒュッ

にこ「はぶっ!! げほげほっ……!!」

穂乃果「ダメだよ! 凛ちゃん」

にこ「よ、良かった……やっと助かっ」

穂乃果「こーんなに雪がいっぱいあるんだからもっと大きいの作らないと」
ゴソッ

凛「すごいにゃー!! 穂乃果ちゃん」

にこ「ま、まさか……それを……ニコに……」

穂乃果「よいしょっ……えいっ!!」
ビュンッ

にこ「ぎゃぁー!!!!」

━━1時間後

絵里「ど、どういうことよ……何で何処にも誰もいないのよ……」
ガタガタ

希「で、電話も一つも無かったし……」
ガタガタ

海未「こんなはずでは……」
ガタガタ

花陽「も、もう……花陽……眠たくなって……」

希「かよちん! 寝たら死ぬぞー!!」

真姫「もうっ! 何が警備員がいるよ! 適当なこと言って希望持たせて」

ことり「こ、ことりのせい!?」


凛「あ、みんな帰ってきたにゃ!」

穂乃果「おーい!!」

にこ「」

穂乃果「え? 警備員さん? いないよ? 」

海未「いないって……そんなはずがないでしょう」

穂乃果「だって冬休みとるって」

希「ふ、冬休み!?」

穂乃果「お昼くらいに少しお話したんだけど、『今日の17時で仕事納めだー!』って盛り上がってたよ?」

ことり「そ、そんなぁ……!!」

絵里「ス……スキー場の警備員がシーズン真っ只中に冬休みなんかとってんじゃないわよー!!!!」

花陽「え、絵里ちゃん落ち着いて……」

海未「絵里、気持ちはわかりますがここで体力をあまり消耗しては」

絵里「もう終わりよ……こうなった以上、みんな一緒にここで凍死するしか……」

海未「絵里、しっかりしてください!! 他にも必ず何か手が……」

真姫「無いわよ、そんなの!!」

花陽「ま、真姫ちゃん……」

真姫「出口は封鎖されてる、電波はない、私たち以外に誰もいない、奥に進めば遭難する、もう八方塞がりじゃない!!」

海未「そ、それでも……何か手が……」

真姫「なら言ってみなさいよ」

海未「そ、それは…………かまくらを作る……とか」

花陽「……」

ことり「……」

希「……」

真姫「……呆れた」

海未「な、なら真姫はどうなのですか!?」

真姫「だから無いって言ってるでしょ!!」

ことり「ケ、ケンカはやめようよぉ……!!」

絵里「短い人生だったわ……さよなら、亜里沙……お婆様……エリチカは一足先に……逝きます……」

希「エリチー!!」

花陽「ひぐっ……何でこんなことになっちゃったのぉぉ……」


凛「みんなどうしたんだろ?」

穂乃果「さぁ?」

穂乃果「ねぇ、みんな! 一緒に雪景色して遊ぼうよー!」

凛「楽しいよー?」

海未「あ、貴女たちは自分が置かれてる状況をわかっているのですか?」

穂乃果「状況?」

凛「えっと……凛たちはスキー旅行に来てて、昼間にスキーしたから……あっ!」

海未「やっと危機感が芽生えて」

凛「朝までみんなで遊ぶにゃー!!」

穂乃果「だよねっ!! 雪合戦して雪だるま作ったり、あと氷の彫刻!!」

凛「それ凛、知ってるよー! すごく大きいんだよねー? TVの雪祭り特集とかで見たことあるにゃー」

海未「……」

希「穂乃果ちゃんと凛ちゃんならあの調子で朝まで乗りきってしまいそうやわ……」

絵里「すぅ……すぅ……」

真姫「ふぁ……私も眠くなってきたわ、朝になったら起こしてちょうだい」

ことり「ま、真姫ちゃん!! 絵里ちゃん!!」

花陽「あれ? そういえばさっきからニコちゃんの姿が」

海未「言われてみれば……そうですね」

穂乃果「ニコちゃん? ニコちゃんならあれだよ!」

海未「あれと言われましても見当たりませんが……」

花陽「雪だるまがひとつあるだけだよ……?」

海未「ま、まさか……!?」

花陽「?」

海未「はぁっ……はぁっ……!! ニ、ニコ!!」
ザクッザクッ

にこ「」

花陽「雪だるまの中からニコちゃんが!?」

希「ニコっち……こんなに冷たくなってしもうて」

海未「穂乃果、凛!! これは」

穂乃果「えっとね、さっき凛ちゃんと一緒にニコちゃんに雪かけて遊んでたらだんだん動かなくなっちゃって」

凛「穂乃果ちゃんが雪の中は暖かいって言ってたからニコちゃんを暖めてたにゃ」

海未「馬鹿なのですか!? 貴女たちは!!」

穂乃果「ごめんなさーい」
ショボン

凛「反省中だにゃ」

にこ「……っ」

希「良かった、まだ息はあるみたいや」

海未「……それでかまくらは?」

穂乃果「へ?」

海未「へ? ではありません、かまくらは完成しているのですか?」

穂乃果「こ、これから作るつもり……」

海未「なるほど、まだ完成に至っていないどころか作り始めてもいないのに遊んでいた……と」

穂乃果「う、海未ちゃん……もしかして怒ってる?」

海未「当然です!! 私たちの寝床はどうするのですか!?」

穂乃果「で、でも海未ちゃん、最初かまくら作るの反対してたような……」

海未「そ、それはそれ! これはこれです!!」

穂乃果「ご、ごめんなさい……」

海未「まったく……ではすぐに凛と共に作業に取り掛かって……あれ? 凛は何処ですか?」

希「さっきまでここにおったはずやけど……」

ことり「だ、だめだよぉ!!」

穂乃果「ことりちゃんの声だ」

海未「どうしたのですか? ことり」

ことり「あ、みんな!」

希「もしかして秘密の抜け道が見つかったとか?」

ことり「ち、違うけど……凛ちゃんが……」

海未「凛?」

凛「にゃんにゃんにゃー♪」
ザクッザクッ

希「凛ちゃん、何やっとるん!?」

凛「えっとねー、二人が寒そうにしてたから暖めてあげてるにゃ」
ザクッザクッ

希「暖め……ってそれ雪で埋めようとしとるやん!!」

凛「そうだよー」
ザクッザクッ

絵里「」

真姫「」

花陽「凛ちゃん、反省中じゃなかったのぉぉ!?」

凛「にゃ?」

海未「絵里! 真姫! しっかりしてください!!」

絵里「んっ……海未……?」

真姫「な、何よ……朝になったの……?」

絵里「うぅっ……寒いっ……!!」

真姫「気持ちよく眠ってたんだから起こさないでよ!!」

花陽「眠ったら二度と目を覚まさなくなっちゃうよぉ……」

真姫「それならそれでいいけど」

穂乃果「絵里ちゃんはロシアの人だから寒いの平気なんじゃないの? 前に裸でボブスレーしたって」

絵里「言ってないわよ!! そんなこと!! 寒いものは寒いの!!」

穂乃果「わわっ! ごめんなさい」

花陽「凛ちゃん、今度こそちゃんと反省するんだよ?」

凛「反省してるにゃー」

海未「でも良かったです、絵里が復活してくれて……私ひとりじゃ手に負えません」

絵里「ごめんなさいね、海未」

真姫「その言い方だと私は役に立たないみたいに聞こえるけど?」

海未「失礼しました、もちろん真姫のことも頼りにしていますよ」

真姫「でっしょー!!」

希「μ'sの賢さランキング1位と2位がおってくれたらもう一安心やな」

真姫「でっしょー!! まぁ可愛さでもこの真姫ちゃんが」

絵里「それで、私が眠っていた間に何か進展はあったの?」

海未「いえ、何も……」

真姫「ちょっと! 無視しないでよー!!」

希「ニコっちが雪だるまになっとったくらいやね」

絵里「?」

にこ「」

真姫「ニ……ニコちゃん……?」

穂乃果「こ、これはそのー……まぁ何というか……あはは」

真姫「また穂乃果の仕業なのー!?」

穂乃果「ち、違う……こともないけど……凛ちゃんも」

希「まぁまぁ真姫ちゃん、穂乃果ちゃんも凛ちゃんも反省しとるみたいやから」

真姫「まったく……でその反省中の凛は何処に行ったのよ?」

希「え? 凛ちゃんならそこに……っておらへん!?」

海未「またですか!?」

海未「また今度はどんな悪さを……何故しっかり見張ってなかったのですか!? 花陽」

花陽「えぇ!? 花陽のせいなのぉぉ!?」

ことり「何処にも見当たらないよぉ……!!」

絵里「もしかして遭難とか……」

希「そ、そんなまさかぁ……」

穂乃果「いや……あり得る、だって凛ちゃんはバカだから!!」

海未「貴女が言いますか……」

花陽「凛ちゃーん!! 何処ぉ!?」

絵里「花陽、一人で離れちゃ駄目よ!」

花陽「で、でも凛ちゃんが……」

真姫「もう放っておきなさいよ」

花陽「で、でもぉ……」

希「凛ちゃんならきっと大丈夫、そのうちひょっこり帰ってくるって」

花陽「うん……」

真姫「それよりこれからどうするかでしょ!」

絵里「そうね……」

海未「念の為に穂乃果に全員分のかまくら作りを一任しました」

穂乃果「へ?」

絵里「無いよりはあった方が数段マシよね」

海未「穂乃果、いくつできました?」

穂乃果「な、何が……?」

海未「かまくらのことです、まさかまだ一つもできていないということはありませんよね?」

穂乃果「す、すぐ作りますっ!! ことりちゃん、手伝って」

ことり「う、うん!」

花陽「花陽も手伝います! ニコちゃんの為に一刻も早く一つは完成させないと……」

希「ならうちもかまくら作りの方に参加するわ、頭使う方は三人に任せたでー」

穂乃果「わぁーい! みんなでかまくら作り楽しいね!」

ことり「ほ、穂乃果ちゃん! また海未ちゃんに怒られちゃうよ」

穂乃果「えへへ」

希「ニコっち……もう少しの辛抱やで、すぐに暖かいかまくらが」

にこ「」

絵里「さて、どうしたものかしら……」

真姫「あと出来ることといったらあの出口のシャッターを壊すことくらいじゃない?」

海未「それです!」

真姫「え? 冗談で言ったんだけど……まさか本気!? 出来るわけないでしょ!」

海未「そんなことやってみないとわかりません、私は挑戦もせずに諦めたくはありません……!!」

絵里「ふふっ、私も海未にのったわ! シャッターを壊しましょう!」

真姫「し、仕方ないわねー! 言い出したのは私なんだから協力くらいするわよ」

海未「真姫……」

絵里「ハラショーよ、真姫」

真姫「……それでどうやって壊すつもり? まさか素手でとか言わないわよね?」

海未「……」

絵里「使えるものと言ったらスキーの板くらいかしら?」

真姫「それしかなさそうね」

海未「では三人でやってみましょう」

ガンッ!! ガンッ!! ガンッ!!
ガンッ!!

海未「くっ……!!」

絵里「はぁ……はぁ……!!」

真姫「何で……このシャッター、大理石でできてるのよー!! こんなの壊せるわけないじゃない!!」

海未「諦めてはいけません!」

真姫「諦めるわよ!! 馬鹿馬鹿しいっ!!」

絵里「このシャッターからは無理そうね、別の手を考えましょう」

海未「……」
ガンガンッ

海未「……はい」

穂乃果「ことりちゃん、見てみてー!」

ことり「わぁ~! 可愛い~!!」

穂乃果「えへへ、穂乃果の自信作だよっ!」

ことり「って穂乃果ちゃん! 真面目にかまくら作らないとダメだよ~!!」

穂乃果「あ、そっか! 忘れてた」

花陽「よいしょ……よいしょっ!!」

希「雪、いっぱい持ってきたよー!」

ことり「わぁ~! 二人ともありがと~」

穂乃果「これで準備は万端だね!」

希「……」

花陽「……」

ことり「穂乃果ちゃん……?」

穂乃果「何? ことりちゃん」

ことり「かまくらって……どうやって作るの?」

穂乃果「知らないよ?」

ことり「えぇーっ!?」

花陽「は、花陽も作り方知らないよぉ……」

希「うちもてっきり穂乃果ちゃんが知っとるとばかり……」

穂乃果「でもみんな完成形は知ってるんだからなんとかなるよ!」

ことり「大丈夫なのかなぁ……?」

穂乃果「じゃあまずはおっきな山を作ろう!」

ことり「う、うんっ!」

希「それに後から人が入れるくらいの穴を掘るってことやね」

穂乃果「うんっ!! さぁやるよー!!」

━━1時間後

穂乃果「このくらいでいいかなぁ?」
ペタペタ

ことり「うん、大きさ的には十分じゃないかな?」
ペタペタ

希「じゃあいよいよこれに穴を空けて……」

花陽「うぅ……緊張するよぉ……崩れたりしないかなぁ……」

ことり「ことりもそれが心配だよぉ……」

穂乃果「よし! さっそく掘ってみるね!!」

希「頼むで! 穂乃果ちゃん」

穂乃果「うっ、けっこう固い……」

ことり「?」

花陽「どうしたの? ことりちゃん」

ことり「今、凛ちゃんの声が聞こえたような……」

凛「あ、危ないにゃー!!」
ヒューッ

花陽「花陽にも聞こえたよ! 凛ちゃんの声……」

ことり「だんだん近付いてるみたいだけど、どこから……あっ!!」

花陽「り、凛ちゃん!?」

ことり「ほ、穂乃果ちゃん!! 希ちゃん!! 向こうから凛ちゃんが」

穂乃果「へ?」

凛「と、止まらないにゃー!!」
ヒューッ

希「なっ!? 凛ちゃんがスキー滑りながらこっちに来とる!! 穂乃果ちゃんはよ逃げて!!」

穂乃果「わわっ!!」

凛「ぶ、ぶつかるにゃー!!」
ヒューッ

ズドーンッ……!!!!

花陽「そ、そんな……」

ことり「ことりたちが1時間もかけて作ったかまくらが……」

希「ただの雪になってしもうた……」

電池なくなりそうなので家に戻りますー
残ってたら再開しますー

凛「痛たた……みんな、怪我はないかにゃ?」

穂乃果「……酷いよ、凛ちゃん」

凛「にゃ?」

穂乃果「穂乃果たちのかまくら、完成寸前だったんだよ!?」

ことり「寸前って程でもないような……」

凛「かまくら?」

花陽「凛ちゃん!! 反省はどうしたの!?」

凛「うっ……り、凛はみんなに迷惑がかからないように一人で」

希「その結果がこれやん!!」

凛「ごめんなさいにゃー、また反省するよ!」

ことり「ほ、穂乃果ちゃん……」

穂乃果「壊れちゃったものは仕方ないよ、また最初から作り直そ?」

ことり「うんっ!」

花陽「凛ちゃんはそこから一歩でも動いちゃダメだからね!!」

凛「か、かよちん、こわいにゃ~」

真姫「他の手って言っても出口はこのシャッター一つなんだからどうしようもないわよ」

絵里「そうよね……私たちも穂乃果たちと一緒にかまくら作った方がいいのかしら」

海未「待ってください」

真姫「何よ? 海未ちゃん。 まだ諦めてなかったの?」

海未「これを見てください」

絵里「これは……鍵穴?」

真姫「だから何だって言うのよ? 鍵穴っていうのは鍵が無いと意味ないじゃない」

絵里「まさか海未……貴女、ピッキングの技術を持ち合わせて……」

海未「……いえ、残念ながら」

真姫「期待させてんじゃないわよ!! もう!!」

絵里「一度、みんなの所へ戻りましょう」

真姫「そうね、さすがにかまくらの一つや二つ出来上がってる頃でしょ」

海未「……」
ガンガンッ

海未「……はい」


ことり「あ、絵里ちゃんたち戻ってきた」
ペタペタ

穂乃果「おかえりー」
ペタペタ

希「どうやった? 何とかなりそう?」
ペタペタ

海未「それが……」

ことり「まぁ仕方ないよね」

真姫「あら? 凛、戻ってたのね」

凛「うん!」

海未「穂乃果」

穂乃果「海未ちゃんもおかえりなさい」

海未「……見たところによるとまだ一つも完成していないようですが」

穂乃果「そ、それは……」

ことり「海未ちゃん! 穂乃果ちゃんは一生懸命頑張ってたよ!!」

海未「だったら何故」

希「不慮の事故と言うか何と言うか……凛ちゃんが」

海未「凛? また貴女なのですか!?」

凛「ひぃっ!! べ、別に凛は悪気があったわけじゃなく……」

花陽「今度こそちゃんと反省してるんだよね!?」

凛「うん! そーだよー」

真姫「本当かしら?」

絵里「私たちもかまくら作り手伝うわ、雪を集めればいいのね?」
ペタペタ

真姫「まさか本当にかまくらに泊まることになるなんて……」
ペタペタ


海未「シャッターの鍵さえあればすぐにでもここから出られるというのに……」
ペタペタ

穂乃果「鍵? 鍵ってこれのこと?」
ジャラッ

海未「はい、それを使えばシャッターを開けることなど造作もないことで」
ペタペタ

穂乃果「ふ~ん」
ペタペタ

海未「え?」

絵里「え?」

真姫「は?」

ことり「ほ、穂乃果ちゃん?」

穂乃果「?」

絵里「な、何で穂乃果が鍵を持ってるのよ!?」

穂乃果「えっと、穂乃果たちがここに泊まるって言ったら持っておきなさいって渡されたんだよ?」

海未「どうしてそれを早く言わないのですか!?」

穂乃果「わわっ! だってみんなでかまくら作りを……」

真姫「イミワカンナイ!! 私たちを殺すつもりだったの!?」

希「まぁこれで無事生還できそうやね」

花陽「ニコちゃん、もうすぐ暖かい場所に行けるよ! 頑張って!」

にこ「」

絵里「さぁみんな、出口に向かうわよ!」

海未「穂乃果、鍵を貸してください」

穂乃果「えー!! まだかまくら作ってないよー!!」

海未「いいからっ!!」

ガチャ……!! ウィーン……!!

花陽「やっと出られるよぉぉ!!」

海未「外の世界がこんなにも恋しいものだとは……」

真姫「もうスキーなんて一生やらないんだからーっ!!」

凛「まだ全然遊び足りないにゃー」

花陽「凛ちゃん!!」

凛「じょ、冗談だよ! かよちん」

ことり「あ、あの……」

絵里「どうしたのよ? ことり」

ことり「ここから出られたのはいいんだけど……ことりたち、何処に向かうのかなぁ……って」

希「何処って、それは……もちろん宿」

絵里「無い……宿なんかとってないじゃない!!」

穂乃果「じゃあやっぱりかまくらで」

海未「却下です!!」

穂乃果「や、やっぱり?」

━━部室

海未「あの時は散々な目に合いました」

絵里「その後、穂乃果と凛以外はみんな風邪ひいて寝込んじゃったしね」

真姫「二ヶ月後にはライブが控えてるんだから体調なんか崩してられないわよ!」

希「そうやね、これから練習時間も増えていくから体調管理には気をつけんと」

穂乃果「ライブ?」

ことり「ほ、穂乃果ちゃん?」

海未「まさか穂乃果、SSAでやるライブのこと忘れて……」

絵里「あーっ!!」

希「エリチ?」

絵里「会場の予約って確か穂乃果に任せて」

真姫「な、何でそんな大事なこと穂乃果に任せてんのよ!?」

海未「穂乃果、念の為に聞いておきますが会場の予約は」

穂乃果「会場の……予約……?」

絵里「ま、まさか……!?」

穂乃果「もちろんバッチリだよ!! 2月の8日と9日だよねっ!!」

凛「ハラハラさせないでほしいにゃー!」

穂乃果「えへへっ」

穂乃果「ライブ楽しみだなぁ! お客さんいっぱい来てくれると嬉しいな!!」


━━fin━━

ドラマパートはみもニーには持ってこいですねー

今回もみもちゃん可愛かったですー

友達募集中ですー

スクフェス ID:851793644

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