[オリジナル仮面ライダー]男「俺には何もない、ただ一つ戦い続けることしか…変身」 (204)

※注意
>>1は中二病
全体的に555リスペクト、というか555見直したばっかりだからパクリと言われても言い返せないような似た設定、展開があるかも
亀更新

あ、オープニングは555のJustiφ'sでお願いします


世界には+と-がある

+は正の力であり幸福である-は負の力であり不幸である


「はっはっは、これで我が会社も安泰じゃ。これもどれもあ奴が有りもしない罪をかぶってくれたおかげだな」


幸福な者があれば


「あいつめ…なんで俺がこんな目に、くそっ、くそっ」ギリ


その裏で不幸な者が生まれる


+が+であればあるほど-な者は増える

世界を救うには+も-もいけない

+でも-でも無い者、即ち零

零に生まれ、零に向い進む彼を人はこう呼ぶ

                          ゼロ
始まりと終わりの仮面ライダー「仮面ライダー零」 と

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1366282530

「ねぇねぇ、こんな噂知ってる?」

「え、何なに?」

「この町には力の願いを叶える神様がいるんだってさー」

「あ、それ知ってるー。どうしても必要としているときに強く願うと力を与えてくれるらしいのよねー」

「なぁ、最近行方不明者がやけに多くねえか?」

「たしかにそうっすね、あ、怪物が犯人なんて噂もありますよ」

「怪物だぁ?馬鹿いってんじゃねえよ、ポリ公がんなバカな噂を真に受けてんじゃねえっての。そんな噂を集めている暇があんなら現実味のある調査しやがれってんだ」

「…そうっすよね。ちぇ、先輩には夢ってもんは無いんすかね」

「死人が出てんのに何言ってやがんだ馬鹿、いいからとっとと調査行ってこい」

「へーい」

第一話「零、始まりの物語」




女「」ハァ、ハァッ


誰もいない狭い街道を女性がひた走っていた。何かから逃げるように、そして実際に何かに追われていた


ドテッ


女「いたっ…くそっ、誰だよ、こんなところにレンガ積んだ奴」


何とか広いところに出たが、転んでしまった。奴はすぐそこまで来ているというのに


「クイタイ…クイタイ」グバァ

女「ヒィッ…」


私を追ってきている怪物が頭、いや口を開く

人間の言うところの"頭"が三つに避けて大きく開く。その開いた中には牙がずらりと並んでいた


怪物「クイタイイイィィイイ」ガバァ

女「ーっ…ここまで、で終えられるかよ」ガッ


足元の鉄パイプを掴んで構える。が、こんなのが役に立つなら恐れてなんかないことだろう


「女、そこをどけ」

女「え?」ドッ


横に突き飛ばされる


化物「アァ?」

男「…」


自分を突き飛ばしたその男は自分の前、いや、化物の前に立つ


男「…」バッ


男は着ていたコートを脱ぎ捨てた。その腰には変なベルトが巻いてあった。所々に歯車がついていて前に時計が付いているベルトだった


男「変身」ギュイイイイン

男はコートを脱ぎ捨てるとベルトの一番大きな歯車に親指を押し当てて右に思いっきりスライドさせた


男「変身」ギュイイイイン


ベルト全体の歯車が連動して作動し、前の時計の針が高速で回り、機械的な音声が時計から流れ出る


\チェンジスダンドアップ、スペシャルアイディー・・・コード、ゼロ!!/


ゼロの音声と共にベルトから0のマークが飛び出して来る。男は宙に浮かぶそのマークに触れる

マークが体全体を包み込む、次の瞬間、そこには体全体に機械的なスーツを纏った男の姿があった


女「…どういうこと?」

男「行くぞ…」


男は女のほぼ放心した問いかけには答えずに化物に一直線に向かってゆく


怪物「アアァアァアア」


怪物は頭、いや、胸あたりまでをぱっくりと開く。無論その中にも鋭い牙が見える…一体どこまでが口なんだろうか


男「」ガッ


男は無言で怪物に飛膝蹴りをかます。拳銃で撃とうがマッチョマンが鉄パイプを思い切りぶち当てようが少しも効くはずのない怪物が吹っ飛ぶ

しかし怪物は痛みを全く感じてないふうですぐに再び向かってくる


化物「オオォォオオォ!!」


男「始まりに還り」ス


男が足を引いて構える


男「終われ」


抑揚のない声で呟きながら怪物の腹に蹴りを入れる


化物「グ、ギュルルルルルゥ」


化物が四散し、地面に溶けるように消えていった

男「…」


\チェンジアウト/キュイィ…ン


男が元の姿に戻る。そのまま後ろを向いてどこかへ行こうとする


女「あ、ちょっと…」

男「…」

女「おい、無視するなよ」

男「…俺か?」

女「他に誰がいるんだよ」

男「そうだな…何か用か?」


その言い方には私には微塵も興味が無いどころか、いたことすら気づいて無かったのかと思うような感じだった


女「いや、お礼がしたくてさ。さっき助けてくれただろ?」

男「…あぁ、じゃあな」


去ろうとする


女「いやいや、そうじゃねえよ。お礼がしたいって言ってんだよ。食事でも奢るよ」

男「いい、そういうのを求めて戦っているわけじゃない…」

女「そう言うなっt」

男「うるさい、俺に構うな」

女「-っ」


あまり強い言い方では無かった…いや、それどころかなんの感情もこもってないような言い方だったのに何故か圧倒されて黙ってしまう

後は止めることもできずに去っていってしまった

女「たくっ、何なんだよあいつ…せっかく美味い店でも教えてやろうと思ったのに」


こうなったらやけ食いでもしてやるし


店員「お客さんいい食べっぷりだねー」

女「お代わり」

店員「まいどー」

女「」パクパクモグモグ


カランコローン


店員「いらっしゃーい」


誰かがこの店に入ってきた。何となくちらりと見ると


男「…」

女「あ」

男「…ん?」

女「さっきの!」

男「…しまった」


男はくるりと後ろを向いて店を出る


女「待てって!おい」

男「…」

女「あ、お金ここ置いてくから。ご馳走様」ダッ

その後、バイクに乗ろうとしているところをようやく捕まえた


女「はぁ…はぁ…、何で、逃げんだよ」

男「…逆になんでお前は追いかけてくるんだ」

女「私は、中途半端が嫌いなんだよ。お礼がしたいっての」

男「迷惑だ。失せろ」


止めようとする私の手を払って無理やりバイクを発進させる


女「あ、逃げんなこらー!!」

…撒いたか

何なんだあの女は、勝手に巻き込まれておいてまとわりついてくるとは…

別に忙しくはないしやることもない。だが、あまり人と関わりたくはない

特に理由は無いが、人に感謝されたりするのははっきり言って嫌いだ


男「そんな事のために戦っているわけでもないしな…」


かと言ってこれも明確な理由があってのことではない

少なくとも今は何も考えていない。着の身着のまま、このベルトの導くままにどことなく旅をしている

今はベルトがこの町に滞在しろと言っている…気がする

旅の理由も戦っている理由もそんなものだ

女「あーあ、見失っちまったなぁ…まぁいいや。忘れよう」


どうせもう会うことも無いだろうなぁ…帰るか








結局あの怪物は何だったんだろう

数日前から何種類かの怪物に追われるようになった。なんとか逃げ切ってはいるが今日のように危ないことも何度もあった

警察に言っても信じてはくれないし、ボディーガードを雇っても意味無さそうだし…

今のところ有効そうなのはあの男の人ぐらいなんだよなぁ…あの人がボディーガードになってくれたら…

あ、そういう意味でももっと仲良くなっておくべきだったかぁ…名前すら聞いてなかったからな

ダメ元で探しに行ってみようかなぁ




こんな時間か…今日は、宿を探すのもめんどくさいし雨も降らなそうだ。そこまで寒くもないし野宿で十分だな


男「適当な公園に…」


…ん?

ベルトの歯車が振動している。近くに怪物がいるな


男「…」


バイクの向きを変えて法定速度を少し超える程度の速さで向かう

その先には怪物、そしてさっきの女が


男「…やれやれ、だ」

男「変身」

「変身」キュイイイィィン


\チェンジスダンドアップ、スペシャルアイディー・・・コード、ゼロ!!/


男「またお前か、一日に二回も襲われるとは不幸な奴だ」


あの男だった。信じられない、二度も…助かるなんて


女「お、お前…助けに」

男「偶然だ…お前を助けに来たわけじゃない…戦いに来ただけだ」


そう言って怪物を見据える。怪獣と人の中間のような中途半端な姿をした怪物を


怪物「クイタイ…クイタイ」

男「…お前らはそれしか言えないのか?」

怪物「オオォォオオ」

男「…まぁいい。始まりに、還してやろう」


拳を構える


怪物「オォォオオ!!」


怪物が跳躍する。しっぽを振り上げて宙に舞い、勢いをつけて落ちてくる


男「一直線に落ちてくるとは、バカな奴だ」ス


拳を怪物にぶつけようとすると怪物は空中で体をひねって、人間には無理な体制で避ける


女「し、尻尾に気を付けて!」

男「!?ぐっ…」バシッ


怪物が体を捻ったせいで尻尾が上から男に叩きつけられる。地面に叩きつけられたところに怪物の爪が襲いかかる


男「っ」


ガキィイン


横に転がって避けようとするが腕に怪物の爪がぶつかり、火花を散らす


怪物「オオォオオオ!!」

男「どうした?勝利の雄叫びのつもりか?」


再び爪を振り上げる


男「残念ながらそこまでだ」


振り上げた隙は大きい。その隙を付いて飛び起き、その反動を利用して蹴り上げる


男「終われ」


ゲシィ!!

\チェンジアウト!/キュィィ…ン

男「…」

女「あ、ありがとう」

男「…別にお前を助けたかったわけじゃない」


男はまたぶっきらぼうに言ってバイクにまたがる

何か、何か喋って引き止めなきゃ


女「な、なぁ…何のために戦っているんだ?助けたいわけじゃないなら」

男「…さぁな、俺はただ戦うだけだ。精も根も付き果て、この身滅ぶまで」

女「ま、待てって、行くなよ!」

男「何だ?…いい加減にしてくれ」

女「お、お前はどこに住んでいるんだ?名前は?」

男「家は無い、この町にはただ旅の途中に寄っただけだからな。名前は…神狩・狼斗(かがり・かみと)」

女「へぇ、珍しい名前なんだな。私は眞守・神奈(まもり・かんな)…なぁ、今日泊まる場所が無いなら…家に来ないか?私一人暮らしだしさ」

狼斗「いや、俺は…」

神奈「頼むよ、私…あの怪物たちに狙われているんだ」

狼斗「…分かった。ならありがたく泊まらせてもらう」

神奈「ほ、ホントか?」

狼斗「あぁ」


意外、「俺には関係ない」とか言われそうだと思ったけど案外素直に了解してくれた

神奈「こ、ここが私の家だ。ゆっくりしていってくれ」

狼斗「…広い家だな」

神奈「あぁ、死んだ両親が残してくれた家なんだが…広すぎて一人じゃさみしい時もあってな…」

狼斗「俺はどこで寝ればいい?」

神奈「もう寝るのかよ?」

狼斗「だめか?」

神奈「色々と聞きたいことがあるんだよ!あの怪物のこととかさっきの変身のこととか」

狼斗「知らん」

神奈「知らんって…」

狼斗「怪物のことは何一つ知らないし、このベルトのことも何一つ分からん。朝起きたら手に持っていた。分かるのは、あれが敵だということと俺には倒す力があるということだけだ」

狼斗「だから俺は戦う。誰かのためじゃない、俺自身のためでもない。ただ戦えるから戦う。それだけだ」

神奈「…」

狼斗「もういいか?俺は少し疲れた。もう寝たいのだが」

神奈「あ、あぁ…」


一話、完

次回予告



「守りたい、僕はどうなってもいい。彼女を、守りたい」


少年は力を願った


「来ないで!いやああぁああ」


少女は力を拒否した


「これが、俺の運命」


青年は力を受け入れた



「おめでとう」


見よ、咎人たちよ


「君は進化した。人間というちっぽけな存在では、もうない」


その代償を、その呪いを


「違う!こんなの、願っていない!!こんな結末は、違うんだ!!」

「たす…けて」

「俺に、平和なんて…いらない」


深く、重い、罪の代償は世界を蝕み、そして


「人間が…クイ、タイ」



狼斗「例え、真実がどんなに残酷でも、俺はそんなの気にしない。ただ一つ決めたこの道を、終わりが来るまで歩むだけだ」

狼斗「始まりに、還してやろう」


人が人であることを拒み、更なる力を望むとき、その進むべき道は黒く染まる

始まりと終わりの仮面ライダーよ、総てを始まりに導きて、全てを終わらせろ

        ゼロ
仮面ライダー零、第2話「進化せし者、呪われし代償」

DQN「へっへっへ、こいつ良い体してやがるぜ」

少女「いやっ、止めてっ!!」

DQN2「るっせえよ、早く脱げっつってんだ」

少年「お願い、お金ならいくらでもあげるから、だから、彼女を放して」

DQN3「うっせえよ、眠ってやがれ!」ゲシッ

少年「がっ…うぅぅ」


腹を蹴られる。激しい嘔吐感がこみ上げてくる


DQN「ほら、手ぇ退けろよ。見えねえだろ」

少女「お願い、止めてぇ…」

DQN2「へっへっへ、抵抗されている方がそそるぜ」

少年「くそっ、その手を放せ!!」

DQN3「分かんねえかな、てめぇみたいな弱い奴は何したって無駄なんだよ!」ドゴッ

少年「ぐっ…負けるもんか、お前ら…何かに」

DQN3「おらぁ!!」ゴッ

少年「うっ」

少女「ケイ君!いやぁぁああ!!」

DQN「へっへっへ、あんな弱っちい奴はほっといて俺たちといいことしようぜ」

少年「や・・め…ろ」


意識がフェードアウトする直前、あの噂を思い出す

本当に必要としている時、強い力を心の底から願えば神からとてつもない強大な力を与えられる。と

お願い、あの噂が本当なら、願いを叶えて


少年「どうしても…守りたい。僕はどうなってもいい、彼女を…守りたいんだ」

少女「ケイ…くん」

DQN「おいおい、あのガキ何か言ってるぜ」

DQN2「ほっとけよ、俺たちは楽しもうぜぇ」

少年「おね…がい」


「いいだろう、その願い…聞き届けた」


少年「う…うぅ、うああアアアア」


全身に痛みが走り、身体中が悲鳴を上げる。視界が紅くなり、自分の姿かたちが変わっていく

その痛みが引いたとき、その場にいた自分は…人間では無かった


DQN「お、おい…あれ」

DQN2「ん?ひ、ひぃぃ」

少年?「…オ前ラ、ソノ手ヲ放セ」

DQN3「ぎゃああああ、化け物だぁぁぁああ」


「おめでとう」

第02話「進化せし者、呪われし代償」


朝、神奈の家


神奈「おい、起きろ」

狼斗「…うるさい、俺に構うな。寝かせろ」

神奈「それは私の布団だー!」

狼斗「のわっ」


布団ごとひっくり返される


狼斗「いてて…何するんだ眞守、俺は朝が弱いんだ」

神奈「知るか、私は学校に行かなきゃならないんだよ」

狼斗「学校だと?だったら俺は留守番しておく。お休み」

神奈「寝んなー!私を学校まで送って行け!!」

狼斗「何故だ?なぜ寝かせてくれない…?」

神奈「私は最近怪物に狙われているって話しただろ?登校中に襲われたらどうする気だよ」

狼斗「…分かった。だが眠い…」

神奈「だから寝んなって!!」

登校途中


神奈「なぁ、聞いていいか?」

狼斗「…何をだ?」


未だに眠いのかほぼ目を瞑っているような感じでフラフラ歩きながら返答する。…大丈夫かなこの用心棒


神奈「そのベルトのこと」

狼斗「何も知らんと言ったはずだが?」

神奈「じゃあそのベルトを手に入れたときは?」

狼斗「…あの日か」

あの日、俺は公園で野宿をしていた。場所は…どこだったか、大企業のビルが立ち並んでいる都会の小さな公園だった

それで朝目が覚めたらあのベルトが俺の腰に巻いてあった

疑問に思わなかったかって?さあな、一日を生き抜くのに必死で疑問なんか抱いている暇もなかったよ

その日の昼、飯を食っていたらベルトから声が聞こえたような気がしたんだ

その声は音として聞こえたんじゃなくて心に語りかけてきたみたいな妙な感覚だった。声というより"意思"だったのかもしれない。何ってベルトのだよ

その声に従って歩くと怪物が見えた。丁度"お食事"中だったよ

ベルトから声がした。「君は変身できる。プラスでもマイナスでもない、零である君はこのゼロギアを扱える」なんてな

言葉の意味は分からなかったが。これが、俺の運命…それだけは理解できた。戦い続けること、それが運命だとな

それからはこのベルトに従って戦っているだけだ。これ以上は何も無い

神奈「謎が多いな…」

狼斗「あぁ…でもどうでもいい、戦えればあとは何も要らない」

神奈「…その前は何をしていたんだ?」

狼斗「さぁな、一日を生きる場所を探して旅をしていたよ。一つのところに数日身を置いたのはこの町が初めてだ」

神奈「いつからそんな生活を?」

狼斗「…子供の頃、両親を同時に失った。そのときからだ。施設を抜け出して、時には媚び諂って、時には盗んで、何とか生きてきた」

神奈「…大変、だったんだな」

狼斗「あぁ、だが不思議と不幸なんかは思わなかった。今も昔も、俺は幸福と思ったことはないが不幸だとも感じたことはなかった。時には感情というものすらないじゃないかと思ったぐらいだ」

神奈「…」


確かにこの人は会ってから一度も感情を外に出したのを見たことがない…まぁ「めんどくさい」という感情が伝わってきたときはあったが

それ以外はずっと無表情、淡泊

もしかして、本当に…?

「かなちゃーん、おっはよ」

神奈「あ、おはようみか」

みか「はーい、今日も元気、みかちーだよ」

神奈「その元気、羨ましいよ」

みか「ところでところで、その隣の仏頂面の男は?もしかしてこれ?」


小指を立ててみせる


神奈「ち、違う違う!ただの用心棒、そう、ただの用心棒だ!!」

狼斗「…」

みか「用心棒?どうかしたの?」

神奈「…す、ストーカー…に狙われてんだよ。それで、知り合いで強いこいつに頼んでんだ」

みか「ストーカー?ぺったんこのかなちゃんをストーカーするなんて物好きな人もいたもんだねー」

神奈「余計なお世話だ!!///」

みか「で?で?この人の名前はなんていうの?」

狼斗「…」

神奈「…」

狼斗「…」

神奈「…ほら、聞かれているぞ」

狼斗「…神狩・狼斗」

みか「じゃあかーくんだねー」

狼斗「…かーくんはやめろ」

みか「かーくん」

狼斗「…やめろ」

みか「かーくん♪」

狼斗「…言っても無駄だな」

神奈「ごめんな、こういう奴なんだ」

学校前


神奈「じゃあここで待っていてくれ」

狼斗「…ここでだと?まさか学校が終わるまでとは言わんだろうな?」

神奈「そうだが?」

狼斗「…お前は馬鹿か?俺のような目付きの悪い男が六時間も校門の前で立っていたら不審に思われて最悪捕まるぞ」

神奈「目付きが悪いのは自覚してんだな…」

狼斗「だからなんだ?」ジィ

神奈「え、いや、できるだけ近くにいてほしいし…」

狼斗「ふざけるな、せめて近くのマクドナルドとかそういうところで待たせろ」

神奈「ダメだ、学校にいるときに怪物が出てきたらどうするつもりだ」

みか「かいぶつ?」

神奈「あ、えーと…ストーカーのことだよ。緊張感があるだろ?そう言うと」

みか「ん~、そういうもの?」

神奈「おお、おう。そういうものなんだよ」

狼斗「無理がある…」

神奈「そんなことより頼んだぜ?」

狼斗「…無理がある」

神奈「じゃあな!」

狼斗「…あぁ」

そうは言ったものの


狼斗「…どうすればいいんだ」


一度言ってしまったからにはほっぽり出せないし…くそ、俺は意志が弱いな

とりあえず学校の校門を監視できる位置にあるファミレスで時間を潰すフリをしながら校門を見張る


モブ子「ママー、なんであの人ファミレスなのに一人でいるの?なんで怖い顔でJKの学校を見ているの?ロリコンなの?ばかなの?死ぬの?」

モブ母「しっ、人には色々あるんです」

狼斗「…」


場所選びミスったかな…

少年?「…オ前ラ、ソノ手ヲ放セ」

DQN3「ぎゃああああ、化け物だぁぁぁああ」


頭の中に声が響いた


「おめでとう」

「君は進化した。人間というちっぽけな存在では、もうない」

「人の姿を捨て、次の段階へと」

「名を"ジェネシス"、その力は好きに使うといい。好きにな」


頭に響いた声だけでは何かはわからなかった。ただ、これだけは分かる

自分はもう人間ではないということと力を得ることに成功したということだ


DQN「ひ、ひぃぃいい。来るなぁ…」


爪を振り上げる。巨大な鍵爪だった。舌で触れると牙が生えている。舌は先が二つに分かれているようで鱗に覆われた体としっぽ

ワニだ。直感的にそう思う


アリゲータージェネシス「…オ前ラノ罪ハ重イ、彼女ヲ怯エサセタ。怖ガラセタ…許セナイ、許サナイ!!」


オオォオォオオオ!!


DQN1・2・3「ひ、ひぎあああぁぁぁあ」




気づいたとき、目の前には男たちの死体が転がっていた

アリゲータージェネシス「愛チャン、モウ大丈夫ダヨ、アイツラハ僕ガヤッツケタ。モウ怖イコトハナイヨ」

少女「ひっ、化け物…」

アリゲータージェネシス「…愛チャン、僕ダヨ…」


死体を足で退かしながらゆっくりと歩み寄る


少女「いやぁぁぁぁぁあ、来ないで!」

アリゲータージェネシス「ッ…僕、ダヨ。僕ハ、君ヲ守ッタンダヨ?」

少女「ケイくんをかえして、かえしてよ!」

アリゲータージェネシス「愛チャン…ソウダネ、コンナ姿ダモンネ」

少年「こ、これなら」


人間の姿に戻る。しかし


少女「違う!ケイくんはこんなことしない!!ケイくんは優しくて、弱くて、それでも、こんなこと…」

少年「…」


大丈夫、彼女は混乱しているだけだ。僕は正しいことをしたんだ…正しいことを…


少女「近寄らないでよ、この化け物!!」

少年「っ…」



強く拒否された

その事実を客観的に認めてしまったその時、自分の中の何かが崩れ去る音を聞いた


少年「うぁぁぁぁアアアアア」


無意識にジェネシスの姿へと変身する

悲しみと絶望の慟哭の中で感じたもの、それは空腹感だった


アリゲータージェネシス「クイタイ…人間、ガ、クイタイ」

狼斗「暇だ…」


まだ時間はお昼も回っていない。とっさのことで暇を潰せるような何かも持ってきてはいない


狼斗「こんなことなら関わるんじゃなかったかな」


今更言ってもどうにもならないが


狼斗「…?」


ベルトが振動する。この反応…


狼斗「怪物か…」


ファミレスを出てベルトに導かれるまま走り出す

狼斗「お前か…」ス


ベルトに導かれるまま行くと一つ目に巨大な角を持つ怪物が人を食い千切っていた

その姿はまるで伝承でのみ聞く怪物、サイキュロプス


サイキュロプスジェネシス「何ダ?オ前」

狼斗「お前、人間の言葉が分かるのか?」

サイキュロプスジェネシス「マダ、人ノ意識ヲ保ッテ、イルカラ、ナ」

狼斗「…どういう意味だ?」

サイキュロプスジェネシス「サアナ、ソンナコトヨリ、オ前ガクイタイ」

狼斗「結局はそうなるか…変身」キュィィイイン


ベルトの歯車を回す。前についているメーターの針が高速で回り、一番上の0を指して止まる


\チェンジスダンドアップ、スペシャルアイディー・・・コード、ゼロ!!/


狼斗「行くぞ、始まりに還り」

サイキュロプスジェネシス「何ダ?ソノ姿」

狼斗「答える必要は無い、終われ」


腹を蹴り上げる。怪物は吹っ飛んだ


サイキュロプスジェネシス「オオォォオ!」


まだ生きていたか、今度こそ終わらせてやろう

しかし、怪物は地面に激突するとすぐに体制を立て直し、後ろを向いて逃げ出した


狼斗「な、逃げるな!」

結局逃げられてしまった


狼斗「…奴等にも恐怖はあるのか」


…そういえば俺が恐怖なんて最後に感じたのはいつだったろうか


狼斗「まぁいい。見つからなければ仕方ない」


それより暇潰しでも探そう、本屋でも行くかな

…いや、そろそろ時間か

神奈「すまん、待たせた」

狼斗「眞守か…謝るぐらいなら待たせるな、何故俺がこんなことをしなければならないんだ」

神奈「タダで住まわせてやってんだからお礼だと思えよ。本当だったら女子高生と同棲なんて犯罪レベルだぜ?」

狼斗「感謝はしている」

神奈「感謝なんて口ではいくらでも言える」

狼斗「…何が言いたい」

神奈「行動で示せって言いたいんだ。ちゃんと私を守ってくれよ?」

狼斗「…保証はしない」

神奈「おい!」

狼斗「…本当にこの俺が人なんかを守れるなら…」

神奈「何だよ?」

狼斗「…」

神奈「ダンマリかよ。お前秘密多過ぎるぜ?」

狼斗「…これでも結構話している方だ」

神奈「!?」

狼斗「驚くところか?」

神奈「だってお前過去とかあんまり話そうとしねーじゃん」

狼斗「ベルト以外聞かれもしていない」

神奈「じゃあどんな子供時代だったんだよ」

狼斗「今と同じだ」

神奈「嘘だ!こんな暗いショタいて貯まるか!!」

狼斗「暗いとか言うな、だいたい子供時代でも生き抜くのに必死だったんだ。友達を作っている暇も遊んでいる暇も無い、口数も少なくなってもおかしくはないだろ」

神奈「子供時代でもって、いつから家族いないんだよ」

狼斗「…」

神奈「何だよ、結局ダンマリじゃねえか」

狼斗「…本当に、いつからだっただろうな」

神奈「そう言えば私が学校に行っている間怪物は出てこなかったのか?」

狼斗「…出たぞ、逃げられたがな」

神奈「逃げられたのかよ!?大変じゃん、追いかけなきゃ!!」

狼斗「逃げたなら追う必要も無いだろ。放っておけ」

神奈「何言ってんだよ!このままじゃ一般人の犠牲者が出るかもしれねえだろ!」

狼斗「知らん、俺には関係ない」

神奈「お前は正義のヒーローだろ?一般人を見捨てていいわけないだろ!」

狼斗「俺は人を守るために戦っているわけじゃない。それに、間違えても正義のヒーローなどではない…」

神奈「人を救うために戦わずに何のための力だよ!!」

狼斗「…うるさい、行くぞ」

神奈「…行くぞって、家はあっちだろ?」

狼斗「…家に帰ってもどうせ暇だろ。散歩がてら先ほどの怪物を探しに行く」

神奈「…お前、根は良い奴なんだな」

狼斗「…勘違いするな、怪物はあくまでもついでだ。俺の目的はあくまで暇潰しだからな」




神奈「…」

狼斗「…」


神奈(どうしよう、せっかくこうして二人で外を歩き回る口実が出来たのに…行きたい場所も話題も何もないよ)

狼斗(怪物が近くにいればベルトが反応するはずだ。それまでは暇が続くわけか…)

神奈(どうしよう、何か、どこか…ってこれ、デートじゃね?)

神奈「…ぁぅ///」

狼斗「どうした?」

神奈「い、いや、なんでもない!///」

狼斗「お、おう…」

神奈(…私はいったい何を考えているんだってんだ。たった2回助けてもらっただけだってのに、こんな浮いた気持ちを持って…)


狼斗「…」


神奈(やっぱりこの横顔がカッコいいんだよなぁ…)


神奈「な、なあ…狼斗…///」

狼斗「…ん?」

神奈「あ、あのさ…///」

狼斗「あっちか」タッタッタ

神奈「え?えっ?」


一瞬ベルトに目をやると一方向に走り去ってしまった


神奈「な、なんなんだよ!もう!」

狼斗「…」

神奈「はぁ…はぁ…ようやく追い付いた」ゼェ、ハァ

狼斗「…」

神奈「い、いきなり走り出して何なんだよ…」ゼェ、ハァ

狼斗「…」

神奈「狼斗…?」


狼斗は地面立て膝をついて何かを熱心に見ていた


狼斗「…血だ。ここ、うっすらだが血が染み込んだ跡がある。拭き取ろうとしたみたいだが俺の目は誤魔化せない、地面についてからそうは時間が経ってないな」

神奈「え、それって…」

狼斗「あぁ…この近くにいるはずだ」

神奈「…」


狼斗(しかし、いきなりベルトの反応が消えたのはどういうことだ?反応する範囲から出たか?いや、それなら少しずつ反応が弱くなって消えるはずだ…死んだ?はさすがになさそうだが)

「あのう、すいません」

神奈「はい?」


神奈が後ろから声をかけられて振り向いた


「人質に、なってくれませんかね?」

神奈「え?」

狼斗「しまった、眞守!そいつから離れろ!!」

「もう遅いわ!」ガッ

神奈「か、かみと…」


後ろからがっちりと体を掴まれ、手を首に巻きつけられる


狼斗「お前、怪物だな?…ベルトが反応しないのはどういうわけだ」
                ・ ・ ・
「怪物?あぁ、あぁぁぁあ、この姿のことかあぁぁあああアアァァァアア?」


体が二回りほど大きくなり、服が破ける。目が顔の中心により巨大な一つ目になる。そして立派な角が額から生えてきた


狼斗「ベルトが反応した…なるほどな、怪物に反応するわけだ。人間に化けている間は反応しないのか」

サイキュロプスジェネシス「怪物ウ?違ウ、俺タチハ『ジェネシス』新世代ノ生物ノ頂点ニ立ツベクシテ進化シタ新シイ生物ダ」

狼斗「新世代の支配者だと?そんなものは必要無い、まだ人間が頂点に立っていられるのだからな」

サイキュロプスジェネシス「哀レナ奴ダ、ソノ力ヲ身ニツケナケレバ、戦ウ決意ヲシナケレバ、未ダニ平和ノ中デ緩ヤカニ死ンデ行ケタモノヲ」

狼斗「俺に平和なんて…いらない。そんなもの、とうに昔に放り捨ててきた」

サイキュロプスジェネシス「ナラバ平和ノ代ワリニ絶望ヲプレゼントシテヤロウ」

狼斗「面白い、やってみろ。化け物」

サイキュロプスジェネシス「俺ハジェネシスダ!!化け物ナドド下等ナ呼ビ方ヲスルナ!!」

狼斗「うるさい、へんs」

サイキュロプスジェネシス「待テ!コノ女ガ見エナイノカ!!攻撃シテキタラコイツヲ殺すゾ!」

神奈「狼斗!こんな奴の言うことなんか聞く必要ない!!」

狼斗「当たり前だ。この俺が人質などを気にすると思うか?俺は誰が死のうとどうでも良い」

神奈「狼斗…」

サイキュロプスジェネシス「な、なんだと…?」

狼斗「ひとつ教えてやろう。人質を取るというという行為はお前自身の動きを制限するんだ。行くぞ」ダッ


走り出した。そして走りながらベルトの歯車に手をやり


狼斗「変身」キュィィイイン


回した

\チェンジスダンドアップ、スペシャルアイディー・・・コード、ゼロ!!/


サイキュロプスジェネシス「チッ、ジャアモウオ前ハイラネエヨ」

神奈「きゃっ」ドッ


神奈を突き飛ばし、俺に対して完全に戦闘態勢を取る。そうだ、それでいい


サイキュロプスジェネシス「オ前ハ、ジェネシスニトッテ驚異ニナリウル。排除サセテモラウ!!」

狼斗「やってみろ」

サイキュロプスジェネシス「オォォオオオォオオオ!!」


雄叫びを上げて角のある頭で頭突きしてくる


狼斗「…」ヒョイ


それを軽く避ける


狼斗「始まりに還してやろう」


空中に飛び上がる


狼斗「とどめだ」ギュィィイイン


左についている歯車を回す。足を中心にに大気中のエネルギーが集中するように空気が渦を巻く


\ライダーキック、ゼロフィニッシュストライク/


狼斗「…終われ」


ドォォオオン!!


サイキュロプスジェネシス「ウグアアアアアアァァッァアアアア」

神奈「や、やっつけたの?」

狼斗「いや、まだだ。まだ息がある」

サイキュロプスジェネシス「ヘ、ヘヘ…負ケタゼ」


そいつは俺たちの目の前で少しづつ人間になっていった


神奈「このタイミングで…人間に化けた?」

狼斗「…」

サイキュロプスジェネシス(人間姿)「ちげえ、人間に化けたんじゃねえ。人間なんだよ、ジェネシスの正体ってのは…人間なんだよ」

神奈「な…デタラメ言ってんじゃねえ!!お前みたいな化け物が人間なわけないだろ!」

サイキュロプスジェネシス(人間姿)「くくく…真実ってのはいつの世も残酷なもんだ…ぐっ」

サイキュロプスジェネシス(人間姿)「もう俺も死ぬな…最期に言うぜ、お前らは人間を守るつもりで人間を殺してんだよ。次の世代を担っていく貴重な人間をよう」

神奈「ふざけんな!てめえらは…ただの化け物…」

サイキュロプスジェネシス(人間姿)「じゃねえ、人、間…だ。お前らも…いつか ………」


怪物はその場で地面に吸い込まれるように消えてなくなった

神奈「…そんな、人間が…あんな化け物になるなんて」

狼斗「…いつまでも座り込んでいないで帰るぞ」

神奈「お前は!なんとも思わないのかよ!!」

狼斗「何がだ?」

神奈「人間が、あんな化け物になることだよ…私たちは、あいつが言ったように…人間を守るふりして人間を殺していたんだよ」

狼斗「どうでもいい…」

神奈「どうでもいいってなんだよ!!何でこんな残酷な真実を突きつけられて平静を保っていられるんだよ!」

狼斗「…例え、真実がどんなに残酷でも、俺はそんなの気にしない。ただ一つ決めたこの道を、終わりが来るまで歩むだけだ」

狼斗「俺はこの力を、ベルトを手に入れた時に思った。どんな時でも情に流されず、ただ戦うためだけのロボットになりたいと。全てに決着がつくまでな」

神奈「決着って、何のだよ」

狼斗「…」

神奈「…まただんまりかよ」

狼斗「…帰るぞ」

少年「うぅっ…こんなの違う、こんなのを望んだんじゃない!」


僕は彼女を守りたかった。それだけなのに…そのために力を望んだのに


少年「うああぁぁぁあああああ」


目の前にはジェネシスとしての空腹に負け、食らってしまった人間


少年「これが…僕の望んだものの代償…僕は、僕はっ!」


大好きだった少女、いつも隣で笑っていてくれた少女、守りたかった少女、そして

僕を拒絶した少女


少年「…」


大好きだった彼女を殺めてしまった今、もう歩み始めてしまったこの道を後戻りすることは


出来やしない

次回予告


神奈「事実を知ってもまだ戦いを続ける気かよ!」


戦うことは人を殺し続けること


狼斗「此度の大量失踪事件、ジェネシス絡みと見ていいかもしれない」


戦うことを放棄することは人食いの怪物をのさばらせること


戦うことは罪か正義か


少年「僕だって、本当は人間を襲いたくなんてないんだ!!」


苦悩


神奈「狼斗!もうやめてよ!!」


心の叫び


アリゲータージェネシス「オオォォオオオ!!」


衝動


狼斗「そんなにも苦しいなら、何も考える必要の無い"始まり"へと還してやろう」


零に生まれ、零に向かい進む始まりと終わりの仮面ライダーよ


狼斗「終われ」


全てを零へと還元せよ

仮面ライダーゼロ第三話「衝動、怪物と人」

後輩「先輩、面白い情報つかんだっすよ!」

先輩「あん?裸でリンボーダンスしてるおっさんでも河川敷にいたのか?」

後輩「酒の席の冗談はいいっすからこれ見てくださいよ」

先輩「…なんだこりゃ」


それは写真だった…変身した狼斗が怪物と戦っている写真


後輩「失踪した人間が最後に寄っていたと思われる場所で拾ったガイシャのカメラに写っていたものっす。鑑識に確認したところ少なくても加工やCGではないみたいっす」

先輩「何が言いてえんだてめえは」

後輩「いえ、ただね。ちょっちこのヤマ面白そうだなと」ニヒヒ
               ・ ・ ・
先輩「…間違えてもこの怪物共が犯人だなんて言い出すんじゃねえぞ」

後輩「わかってますって、でも念のため調べさせてくださいよ?」

先輩「ざけんな、時間の浪費だ」

後輩「そうでしょうかね?学校じゃ『怪しいと思ったら全て細くしらべるのがポリ公の仕事』って習ったっすよ?」

先輩「けっ…そこまで言うなら勝手にしろい」

後輩「そうさせてもらいますよ。幽霊の正体見たり枯れ尾花でも中々に面白いもんっすから」

先輩「何度も言わせんじゃねえ、事件を楽しむな」

後輩「へいへい…」


後輩「仮面ライダーね…面白いっすねぇ、ニヒヒ」

ジェネシス「クイタイ、クイタイ!」

狼斗「うるさい、終われ」


\ライダーキック、ゼロフィニッシュストライク/


あれから数日、何体ものジェネシスが現れた

何故かどいつもこいつも神奈が目的だった(捕食的な意味で)

何故だ?こいつらにも食物の好き嫌いがあるだけか?

それとも…

        ゼロ
仮面ライダー零、第03話「衝動、怪物と人」





神奈の家


ガチャ


狼斗「ふう…」

神奈「こんな夜遅くにどこに行っていたんだよ?」

狼斗「お前には関係無い…いや、ただの散歩だ。気にするな」

神奈「嘘」

狼斗「…」

神奈「私があいつらを倒すのを嫌がってるから、隠れて守ってくれてんだろ?」

狼斗「…分かっているなら止めるな。奴等は人間の敵だ、躊躇っても人が死ぬだけだ」

神奈「何で…何で止めないんだよ。事実を知ってもまだ戦いを続ける気かよ!」

狼斗「そう言っている。あいつらは人間なんかじゃない、怪物の害獣だ」

神奈「違う!人間だ」

狼斗「『元』人間だ。今は人食いの化け物だ」

神奈「何で、何でそんな乾いてんだよ!」

狼斗「知るか、俺は最期の一瞬まで戦うだけだ」

神奈「それだよ!本当は戦いたいだけなんだろ!!」

狼斗「…あぁ、そうだ」


無表情のまま、当たり前の答えを口に出すように答える


神奈「っ…人でなし!!そんな奴にヒーローの資格なんか!」

狼斗「前にも言っただろ」


狼斗「俺は何も考えずに戦うだけの存在になりたいんだ。ヒーローでも英雄でもない。人間の味方でも無いし無論ジェネシス共の味方でも無い」

狼斗「ただ、戦いに餓える一匹の獣に過ぎない…それに、今はお前を守ると言う契約もある」

神奈「…」

狼斗「分かったらそこをどいて中に入れてくれないか?早く飯が食いたい」

神奈「あ、あぁ…」


本当に、本当に正しいことなの…?

人間と元人間、共存は出来ないの?




神奈「起きろ!いつになったら朝に強くなれるんだ!」

狼斗「後5分…」

神奈「お前はガキか!!」

狼斗「ぐわっ!」


またベッドをひっくり返されて叩き起こされる


狼斗「何でこんな朝から…」

神奈「昨日契約云々言ってただろ。これも契約内容に含まれているんだよ」

狼斗「朝14時頃までその契約の範囲外だ…」

神奈「どこが朝だ!思っくそ昼過ぎじゃねえか!!」

放課後


狼斗「…頼み?」

みか「うん、かーくん用心棒何でしょ?かなちゃんの彼氏くんじゃなくて」

神奈「そ、そうだぜ!彼氏じゃなくて用心棒!!」

狼斗「…だから何だ?」

みか「うん、簡単に言えば大量行方不明事件を解決してほしいな~って」

狼斗「そんなの二人で一人の探偵にでも任せておけ。俺に調査など出来るわけも無い」

みか「用心棒の腕を買っているんだよ~?」

狼斗「だから何だ。俺は自分に関係の無いことはしない…」




みか「でも何だかんだ言って調べてくれんだね~」

狼斗「…暇なだけだ。それにお前らの知り合いが行方不明になったんだろ?…知っている人間が死んで行くのは嫌なものだ…」

神奈「…」

狼斗「…何だ?」

神奈「いや、思ったよりドライじゃ無かったんだな。悪い」

狼斗「…そんなことを謝られても困る」

みか「じゃあかーくん探偵団レッツゴー」

狼斗「軽いなお前…」

廃工場


狼斗「こんなところで失踪したと言うのか?」

みか「うん、廃墟探検ツアーの一環だったんだってさ」

神奈「なるほど…ここなら誰にも見られずに連れ去れるな」

狼斗「…人以外をも視野に入れるべきかもな」

みか「え、ヒトいがい?」

狼斗「…二人とも歯を食いしばれ!!」


大声で叫ぶ、そして


ドン


神奈「え?」


強く、後方に吹っ飛ばした


「グリュオオォオォオオ」

狼斗「案の定だな。やはり此度の大量失踪事件、ジェネシス絡みと見ていいかもしれない。確定的にな」


二人がいた場所、あと一歩後ろの場所に両腕両足が丸太以上に太い化け物がいた


狼斗「ゴリラ?いやビックフットか?脳筋の力馬鹿ってとこだな」

ビックフットジェネシス「ォォオォオオオ」ドンドンドン


雄叫びを上げながら両腕で自分の胸をゴリラのように叩くジェネシス


狼斗「お前、知性はあるか?」

BFジェネシス「オオォオォオ」ダッ

狼斗「無さそうだな、前言撤回だ。お前は今回の大量失踪事件の犯人ではない」


BFジェネシス「グギャアアァアア」


叫びながら突進してくる。いや、両腕を振り上げた


狼斗「直線的な攻撃、やはり脳筋の馬鹿か」ス


ドガァン


地面が抉れる。避けるのは簡単だったが中々の威力だ


狼斗「変身…」キュイィン


\チェンジスダンドアップ、スペシャルアイディー・・・コード、ゼロ!!/


銀色の光が狼斗を包み込み、機械的なスーツをまとった姿になる


BFジェネシス「クイタイ…」

狼斗「何?」


そのジェネシスは俺が変身したにもかかわらず神奈を見ている…涎を垂らしながら

BFジェネシス「クイタイ!!」

神奈「ちょ、嘘!」

狼斗「ちょっと待ってもらおうか」

BFジェネシス「グル?」


掴む、俺を無視するとはいい度胸だ


狼斗「始まりに還してやろう」ゴッ



顎にアッパーを入れる


狼斗「雑魚が、終われ」ゲシッ

BFジェネシス「ギュルッルゥウ」ブシャア


回し蹴りを腹に食らわすと何かをぶちまけながら四散した


神奈「おい、そいつやったら手掛かりが」

狼斗「こいつに大量の人間を攫うなんて脳は無いだろう。犯人は…いや、人ではないか。とにかく他にいる」

みか「あのさ~」

狼斗「ん?」

みか「あれ」

神奈「…あ、手掛かり」

狼斗「どうやら名探偵も名刑事もいらなかったようだな」


点々と、血の後が続いていた

…誰か、気づいてくれただろうか

ちょっとずつ、ちょっとずつ血を垂らしてきた。やつは私を意識が失っていると思い込んで連れていたっぽいな


「ここか」ガラガラ



戸が開く、その声は私を攫ってきたやつの声とは別の声だった


神奈「クミ!大丈夫か!?」

クミ「…助けに来てくれたの!?」

神奈「当たり前だ!心強い用心棒と一緒にな」

クミ「気を付けて!まだ犯人がこの廃屋の中に!!」

神奈「犯人?人なのか?」

クミ「え?おかしなこと言うね…いや、そんなことよりっ」

狼斗「いや、安心していい」


再び戸が開き、夕日に照らされて狼斗が立っていた。右手に男を引きずりながら


狼斗「犯人は抑えた。こうやって縛っておけば大丈夫だろう、警察も今呼んだ」

難なくスピード解決し、二人で帰路についた


神奈「結局ジェネシスはちっとも絡んでなかったじゃねーか」

狼斗「…俺も勘が鈍ったものだな。あっけなかったし、つまらん」

神奈「でもあの犯人が言っていた『化物が手を貸した』ってのが気になるよなー、それ以上は何も喋らなかったしよ」

狼斗「…警察のことだから化け物云々はまともに取り合わないだろうな…奴が喋らないのだったらそれまでだ」

神奈「もしかしたら化け物が犯罪者の人間に手を貸すことg…」

狼斗「お前は先に帰ってろ!俺は寄るところができた」ダッ


いきなり狼斗が走りだした


神奈「な、何だよ!お前がそんなふうに走り出すときは必ず」




神奈「必ず、こうなるんだよな」

狼斗「…付いてくるなと言ったはずだぞ」


既に変身し、お食事中の敵と対峙していた

そのジェネシスは巨大な牙と鍵爪を持ち、硬い皮、尻尾…全体的にワニに似ていた


アリゲータージェネシス「…君タチハ、何者ダ?」

狼斗「それは俺の方がお前に尋ねたいな」

アリゲータージェネシス「…分カラナイ、本能ニ従ッテ生キルシカデキナイ憐レナ生キ物だ」

狼斗「どういうことだ?」

アリゲータージェネシス「…僕ハ生キテイタイ。殺サナイデ」

狼斗「ならば、人を食らうことをやめろ」

アリゲータージェネシス「…出来ナイ」

狼斗「ならば、そんな自分に都合の良い願いなど捨てろ!!」ダッ


走って一気に距離を縮める


アリゲータージェネシス「嫌ダ、死ニタクナイ!!」ガッ

狼斗「ぐっ…」


アリゲータージェネシスが体をひねって尻尾を打ちつけてくる。見た目よりそうとう固く威力がある


アリゲータージェネシス「何デ…何デ立チアガルノ?何デマダ向カッテクルノ…?」

狼斗「残念だったな…そんなでは俺は殺れんぞ」

アリゲータージェネシス「ヤメテ、必要以上ニ、殺シタクナイ…」

狼斗「なら何故人を襲い、喰らう」

アリゲータージェネシス「仕方ナカッタンダ…」

狼斗「何?」

アリゲータージェネシス「僕ラハ…ジェネシスは…人ヲ食ベナイト生キテイケナインダ!!…気ヅイタライツノ間ニカ殺シテ食ベテシマッテイタコトスラアル…」

神奈「嘘…」

アリゲータージェネシス「僕ダッテ、僕ダッテドウシヨウモナインダ!!」

狼斗「…」

アリゲータージェネシス「人ヲ食ベタイ衝動ガ止マラナインダヨ…本当ハ、本当は誰も傷つけたくないのに!人間を傷つけたくなんてないんだ!!」

アリゲータージェネシス「僕ハ、僕ハコンナニモ…人間ガ好キナノニ」

狼斗「言いたいことは、それだけか?」

アリゲータージェネシス「え…?」

狼斗「それだけだな」ゲシッ

アリゲータージェネシス「!?っ…」


ヒザ蹴りがモロに入る

神奈「狼斗っ!!」

狼斗「黙って見ていろ」

アリゲータージェネシス「ナ、ナ…」

狼斗「俺が命乞いごときで手を休めるとでも思ったか?」ドゴッ

アリゲータージェネシス「グハッ…」

狼斗「お前が口にしてたのは都合のいい、醜い、ただの言い訳だ。沢山の人の命を奪っておいて、自分は仕方ないから助けてくれだと?」グッ

アリゲータージェネシス「ヤ、ヤメ…」

狼斗「そんなこと、俺が許さん」ドガッ


強く力をいれてぶん殴る。抵抗も虚しく吹っ飛ばされてゆく様はもはや一方的な虐めにも見えた


狼斗「どうやらお前は人間の心をもったまま人間を襲わざるを得ないことを苦しみに感じているみたいだが」ス

狼斗「そんなにも苦しいなら、そんなにも悩むことが苦しいなら、何も考える必要の無い"始まり"へと還してやろう」ダッ

狼斗「終われ!!」


顔をぶん殴り、再び宙を舞うジェネシスを見る


アリゲータージェネシス「オォォオオオオオ」


ドグシャアァァァア


そして地面に叩きつけられる


アリゲータージェネシス「ア、アァァ…」ズリ...ズリ...


憐れにも、手を届かないどこかへと延ばして、少しづつ、這って逃げようとするジェネシス


アリゲータージェネシス「ア、イ…チャン……」

狼斗「今度こそ、とどめだ」ザッ

神奈「狼斗!もうやめてよ!!」

狼斗「…聞いただろ、こいつは人間を殺して食べることでしか生きられない。それを悩んでいるのならいっそ殺してしまったほうがこいつのためにも、人間のためにもなる」

神奈「違うよ、でも、もうやめてよ…見たくない、見たくないよ…そんな狼斗……」

狼斗「…」


自分の手を見た。とっくの昔に目を背けたはずの血に塗れた自分の手を

命乞いをする相手をとことん痛めつけるこの手を、自分を…

これでは、あいつと一緒じゃないか


狼斗「…」


\チェンジアウト/

キュィィ…ン


変身を解いた


神奈「狼斗…」

狼斗「…おい、次は容赦なく殺すぞ…それが嫌だったらベジタリアンにでもなるんだな」





既にあのジェネシスはいなかった

神奈「ごめん…」

狼斗「何がだ?」

神奈「私、守られているだけの足でまといなのに…あんなこと言って邪魔しちまって…」

狼斗「気にしなくていい。お前は、そういうことは考えなくてもいい。ただいつも通りに普通の生活をしていればいい…俺が"普通"を守ってやるから」

神奈「…ごめん」

狼斗「……そこはありがとと言うべきだ」

神奈「…うん」


その後、誰も居なかったはずの道路が一瞬のうちに人で埋まった

囲まれた。いつの間に…

それらは、皆、同じ格好をしていた。同じ、警官服を着た格好を


警察「神狩狼斗、それに眞守神奈だな」

狼斗「…あぁ」

神奈「だったらなんだよ」


警察「署まで同行してもらおう」


その言葉には「抵抗してでも」と言う言葉をもチラチラ見え隠れしているような

少年「ハァ…ハァ…何なんだよ…」


一生懸命走っていた。あんなのがいるなんて、この街から逃げなきゃ。生きていたい…死にたくない…

いったい、一体あの人間は何?僕たちと敵対するものなの?


「あれは仮面ライダー、人が叡智を集め、創り上げた英雄の成りそこないです」

少年「!?」


いきなり、コートを着た男が現れた


「やぁどうも、私は怪しいものではありません。あなたからしたらね」

少年「…ジェネシス?」

「ご明察」

少年「何しにきたの」

「これまたご挨拶ですね。私はただあなたに感銘を受けただけです」

少年「感銘?」

「えぇ…その葛藤、実に見てて面白い」

少年「…」

「ジェネシスとは何かを垣間見て、人を食らわねばならないと知りながらも、まだ人でいようとする。その心情は私には理解できない」

「大抵の人はすぐに諦めて自らは人ではないと無理やり納得せざるを得ないのに、君はなんとか共存できる道を探そうとした」

少年「…見つかりそうもないよ。そんな道」

「そうでしょうとも、だから私があなたに力を貸しましょう。運命にも、仮面ライダーにも打ち勝てる力を」




「ここらへんのジェネシスは今一物足りねぇ」

「人間を殺すにもジェネシスを殺すにも、面白さってのに今一欠けるなぁおい」
             ・ ・
「…そうだ、たまには仲間に喧嘩をふっかけてみるか…丁度良いことに近くにいるようだしよぉ」

「へへへ、楽しませてくれよ…今すぐ行ってやっからよ」


ガヤガヤ


「それにしてもこのゴミ共、邪魔だなぁ」


人ごみの海を見て呟く、その目はもはや人を人として見てはなかった


「掃除するか…変身」ギュイイィィン





\ファイナルデッドエンドクラッシュ/


この街にまた、連続集団襲撃事件の被害者が増えた

…一つの大きな笑い声と共に

次回予告


「お前には沢山の容疑がかかっている」


正義とはいつの世も多く支持されているがわにある


「お前も二人を守ることなんて出来る訳がない、この化け物め!!」


英雄とはいつの世も孤独と非難の中から立ち上がる

そして、真の正義とは


狼斗「化け物になってまで貫きたい正義がある。化け物にしか貫けない正義がある」


常にそれを信じる者の手にある


「名を、仮面ライダー」


しかし、物語は


「ジェネシスは進化する」


  ハジマリ
まだ零の地点にすら至っていない


「変身」


\チェンジスダンドアップ、スペシャルアイディー


そして現れる


・・・コード、ファイナル!!/


終焉の使者


「戦おうぜ、遊び尽くそうぜ!!」

ハジマリ     オワリ
 零に生まれ、零に向い進む始まりと終わりの仮面ライダーよ

その運命に従い、戦い続けよ


        ゼロ
仮面ライダー零、第04話「飢えた獣、終焉と零」

人、いないな…まぁいい。俺はただ書き続けるだけだ
この身尽き、発想尽きるまで

雑談すまそ。今日安価のオリジナルライダー見てた?

>>65
見てました。向こうで言うべきかもしれないけど酉消し忘れててスマソ
…むしろ雑談無いと寂しくて…狼斗とは真逆なのです



少年「仮面ライダーに打ち勝てる力?それって…?」

「興味がありますか?復讐者くん」

少年「………無いよ。僕はこのままで生きていこうと思う」

「そのままだったら、死にますよ」

少年「いい。僕はもう、運命に任せることにしたから」

「…つまらない」

少年「え?」


「葛藤が無くなるどころか全て諦めてしまっただけじゃないですか、そんなんではむしろ退化してしまう」


少年「…それでいいんだよ。僕は、死ぬべき人間だ」

「いえ、ジェネシスです。まだ卵にも至ってませんが」

少年「?」


「ジェネシスは、進化します。先へ、先へと」

あ、今日は書き溜めなしなのであしからず

警察「神狩狼斗、それに眞守神奈だな」

狼斗「…あぁ」

神奈「だったらなんだよ」


警察「署まで同行してもらおう」

        ゼロ
仮面ライダー零、第04話「飢えた獣、終焉と零」

神奈「誰がポリ公なんざのお世話になるかっての、私らは何も悪いことしちゃあいねえぜ」

狼斗「…」

神奈「おい狼斗、お前も何か反論しろよ!」


狼斗は無言だった。何かを考えているかのように


警察『はい、○○地区、○×△にて眞守神奈と神狩狼斗を発見した。本人たちも認めている模様、至急連行…は?あ、はい。そうですか、了解しました』


警察「おい、眞守神奈。君は帰ってもいいそうだ」

神奈「へん、だったら最初っから呼び止めんじゃねえっての。無能な役たたずの税金泥棒が」


役たたずってのは先の誘拐事件の話だろう。まぁ自分たちが見つけられたってなら警察がもっとよく探せば見つかったはずだが


神奈「おい、帰ろうぜ狼斗」

狼斗「どうやら俺は帰れそうにもなさそうだ…神奈、一人だけで帰っていてもいいぞ」


今や自分たちを囲んでいる警察たちは全て銃を狼斗へ向けていた


狼斗「…いつの間に日本は無抵抗の一般人に銃を向けるような国家機構を生み出したんだ?…世紀末も近いな」

警察「それほどお前が危険な存在だということだ…化け物め」

狼斗「あ"ぁ"?」

警察「っ…」


その一瞬の睨みと凄みは、警官を一瞬だが怯ませるほどの効果はあった


狼斗「…俺を、警察に連れて行くんだったか?どうせ暇だ。連れて行けよ」

神奈「おい狼斗!」

狼斗「とっとと帰ってろ、別に人体実験されるわけじゃねんだろ」

神奈「でも…」

警察「これは命令だ。君はついてくるな、一般人が首を突っ込む問題じゃない」


警察の一人がそう、何の感情も込めずに言った


神奈「ふざけんじゃねえぜ!着いてくるな?へっ、天邪鬼な私が大人しく従うわけねえだろ。それに、狼斗は今や私の大事な用心棒なんだ。一時も離れて…たまるか、ってんだ…///」


最後何故か赤くなる神奈


警察「警部…」

神奈「来るなって言っても、チャリ飛ばして何が何でも追いつくぜ」

警部「…勝手に着いてくってんなら仕方ねえ、男の方を連れて行け」

警官「まぁフランクに行こうや、お前さんの名は?」

狼斗「神狩狼斗だ…知っているはずだが」

警官「事実確認だよ。たまに顔が似ているってだけで引っ捕えてくる馬鹿がいてな、しかも未だに後が絶たねえってんだから何義なもんだ」


ここは取調室のようだ。ここにいるのは警官が二人と俺と神奈


警官「俺ぁ久保田・英雄(くぼたひでお)って言うんだ。これでも一応警部でな、ひでおは『英雄』って書いてな。だが、英雄なんて面してねえだろ?」


がっはっはと大仰に笑う久保田と名乗った警部


狼斗「…警部自ら取り調べとはよほど大変な事件のようだな」

久保田「あぁ、かなり奇妙で大変で…まぁ色々な」

「先輩、カツ丼持ってきましたよっと」

久保田「バカ、まだ早えわ。そういうのはなぁ、あと一歩で落とせるって時に『おふくろの味だろう?』って言って出すんだよ。そんな常識も知らんで良く刑事になれたなお前」

「先輩、そんな知識がなきゃ警察でやっていけないと思ってんのはあんたぐらいなもんですよ」

久保田「なんだと!?ならば今すぐ太陽に吠えろを全警官に配ってこなければ!!」

「だからやめてくださいって!そんな奇行に走んのは!!ってそんなこと言っている間にカツ丼が消失してるっす!」


神奈「卵にふわふわ感が足りない」モグモグ


いつの間にか神奈が横からかっさらって食ってた


神奈「カツも少し焼きすぎだ。あと半秒程度早く火を止めていい」ガツガツ

神奈「何よりこのかかってるタレが最悪だ。マズさを加速させてる」モリモリ

神奈「作り直してもってこい!」オカワリ!


「へ、へい…」


狼斗「…何だこの状況」

「申し遅れましたが自分は山村賢治という刑事っす。そこで偉そうにふんぞり返ってるおっさんの後輩っす」


完全に警部を舐めている後半の自己紹介である。


狼斗「ところで俺にカツ丼はないのか?」

山村「そこの子が食っちゃってます」

神奈「60点もいいとこだな、私が作ったほうがまだうまいぜ」モグモグ

狼斗「…」


いろいろ突っ込みたいところはあるが俺のキャラではないのでスルーだ


狼斗「で?何の用なんだ?」

久保田「仮面ライダー」

狼斗「あ?」

山村「仮面ライダー、この単語に聞き覚えはありませんかね?」


彼はニヤニヤとした笑みでそう訪ねた。その笑みは子供が新しいおもちゃを見つけたような笑みだった

神奈「昔そんな特撮物をテレビで観たなぁ…私は龍騎が好きだったぜ」

久保田「君に聞いたわけじゃない。その男に聞いたんだ。…どうだ?」

神奈「それはそうとオカワリ!」

山村「早っ、しかももうないっすよ!」

神奈「えー」

久保田「どうなんだ?」

狼斗「…知らんな、眞守の言うとおりテレビの空想上のものではないのか?」

久保田「いや、現実でだ」

狼斗「…」

久保田「怪物の噂、そしてそれを駆逐して回るもう一方の化け物の噂」

久保田「その化け物を誰が呼んだか、特撮のヒーローに因んで名付けた者がいる。そしてそれが通称として定着した」


久保田「その名を『仮面ライダー』」


狼斗「………ほぉ」

狼斗「面白い噂だ。みんなの信じていたヒーローが実在したってわけか」

久保田「ふん、白々しいことだ」

狼斗「あ?」

久保田「これは、君だろう?」

狼斗「…」


そう言って久保田が机の上に出したものはジャスティスと戦っている自分の写真だった

しかも、そのうちの数枚は変身している最中の写真も


狼斗「…」


山村「迂闊だったっすね、化け物くん」

狼斗「ふむ、確かにこの写真は俺で間違いない。…だからどうした?」

久保田「そうか、一応君にはたくさんの容疑がかかっていることを言っておこう」

神奈「おい何言ってんだよ!狼斗は人のために戦っているんだぞ!なのに容疑ってなんだよ!それじゃあまるで狼斗の方が悪みたいじゃねえか」

狼斗「弁明は嬉しいがせめて口の周りについた食べかすはどうにかしろ」

神奈「う、うっせえな!」ゴシゴシ

久保田「君の力は危険すぎるんだよ。自己満か偽善で戦っているのなら尚更」

神奈「何だと!?もういっぺん言ってみやがれ!!」ガタ


神奈が椅子を倒して立ち上がる…未だに米粒が頬についているが


狼斗「落ち着け、お前が激昂する理由も必要もない」

神奈「お前がそんなんだからかわりに怒ってやってんだろ!こんなの不当だ!!これだからポリ公は嫌いなんだ!!」

狼斗「座れ、あまり騒ぐと追い出されちまうぞ」

山村「そのとおりっすよ。本来無関係のあんたはここにいちゃいけないんっすから」

神奈「くっ…」

久保田「さて、前置きが長くなったが本題に入ろう」

狼斗「本題?」


久保田「あぁ、君の変身ベルトを渡してもらう」

狼斗「このゼロギアをか?」


コートで隠して腰に巻いてあるメーターと歯車の付いたベルトを渡す


久保田「どうも」


神奈「おい、渡しちゃってもいいのかよ」

狼斗「…どうせ、変身できるわけでもない」

久保田「いや、変身に必要な動作は見せてもらって学んださ」


久保田が大げさに右手を掲げ、振り下ろしながら歯車に指を滑らせるようにして回した


狼斗「…そんな動作した覚えないぞ」

久保田「へん…しん」キュイイイン


\チェンジスダンドアップ/

\アイディー・・・アイディディディディ、コードエラ0-/


久保田「?…何も起きねえな」

狼斗「メーターを見てみろ」


ベルト中央のメーターは針が右寄りに大きく揺れていた。一番右の端には+と書かれ、左端にはマイナスと書かれ、中央には零と書かれていた


久保田「…何だこれは」

狼斗「さぁな、俺も何の説明も貰わないまま渡されたからな…ただ一つ言えることは、その針が中央で止まる人物しか変身は出来ないらしいと言うことだ」

久保田「プラスでもなくマイナスでもなく…ゼロか」

狼斗「…」

狼斗「他に、言いたいことは?」

久保田「命令だ…お前はもう戦うな」

狼斗「何だ?ずいぶん唐突だな」

久保田「今まで何度か見てきたがお前は戦いを楽しんでいるようにしか見えないんだ」


神奈「…」


それは神奈もそうだった。やれやれだとか面倒だだとかなんだかんだ言いながらも結局楽しんで戦っているように見えるのだ

何を考えているのか全くわからない男だ


久保田「仮面ライダーによって殺された人間がいるという目撃情報もある」

狼斗「…奴らは人間の姿にも化けられる。多分それのことだ」


わざと、そう言った。本当は人間が元だなどとは言いたくなかったのか


久保田「無抵抗の人間にだ。最初から最後まで無抵抗だったらしい」

狼斗「…………知らないな、本当に俺か?」

久保田「そこだ、君は実はその力にとり憑かれて無意識の内に殺人を犯していたんじゃないのか?」

狼斗「…」

神奈「おいてめえ!何言ってんだ!狼斗はずっと私と一緒にいたんだぞ!!よくもそんなことを!」

久保田「それを調べるのが俺らの仕事だよ」

狼斗「…くだらん、帰るぞ」

神奈「おい、反論はねえのかよ!」

狼斗「行っても無駄だ。無駄な労力は極力使いたくない」

久保田「待てよ化け物」

狼斗「あぁ?」

久保田「もう証拠は上がってんだぞ!お前は力を楽しんでいる化け物だ!!」


久保田(もう少し、もう少し会話を長引かせるんだ)


神奈「狼斗がそんなことするはずないだろ!!狼斗はヒーローなんだ!警察みたいな偽物じゃない、本物のヒーローなんだ」

久保田「違うね、化け物だ!奴らと同じの力に溺れた!戦いに飢えたケダモノ、バケモノだ!!」

神奈「てめぇ!!それ以上狼斗を侮辱すんじゃねえぞ!!」

久保田「したらどうする?殴りかかるか?警察に」

神奈「てめぇ…」ギリ

久保田「お前は絶対に、いつか完全に力に溺れて守るより戦いを優先するようになるさ、化け物なんだからなぁ!!」

狼斗「…」

久保田「その時、守れるか?人間を、化け物などが!!守れる訳がない、化け物め!!」

神奈「…糞が、帰るぞ狼斗」

狼斗「…」

神奈「狼斗?」


狼斗「化け物、けっこうだ」

久保田「認めたのか?そうだよ、お前は化け物だ!!」

狼斗「あぁそうだろうさ、俺は化け物だ」


狼斗「だがな」


狼斗「あいつらは化け物だ。同じ土俵に立たねば、化け物にならなければ戦えないんだ」


その目はいつになく真っ直ぐ、どこかを一直線に見据えていた


狼斗「化け物の力があるからこそ誰かを守れる。化け物になったからこそ奴らを…殺せる」

狼斗「確かに俺は戦いを楽しんでいるかもしれない。だが」


狼斗「化け物にしか守れないものがある。化物にしか戦えない道がある。化け物だからこそ、」


狼斗「化け物になってまで貫きたい正義がある。化物にしか貫けない正義がある!!」


狼斗「この俺が選んだ道だ。化け物になろうと、悪魔になろうと突き進んでやる。誰に何と言われようと、足を止めはしない」


狼斗「それが、俺だ」

面白そうだから完結したら一気読みしよう

>>82完結するまでかなりかかると思うから更新遅いけどちまちま読んでいって欲しいです…



久保田「で、どうだった?」

山村「終わったっすよ。キャラじゃないのになんであのキャラで行ったんすか?正直気持ち悪いほどの違和感があったっすよ」

久保田「うっせーんだよ、おら、とっとと結果を教えろ」

山村「相変わらず人使いの荒い先輩っすね」


山村「あのベルトのスキャンならとっくに終わってるっすよ。驚いたことにちゃんと科学に則った仕組みでした」


久保田「良くあの短時間でやった。やはりお前は万能だな」

山村「褒めんでくださいよ気色悪い。とりあえずこのデータは開発部に送っておくっす」

久保田「…やはり民間人如きに化け物駆除は任せてはおけないからな」

ジャスティスと戦ってる写真?
某安価スレの?

「ジェネシスは進化します。先へ、先へと」

少年「それって、どういう…」
                                      パスワード
「そのままの意味ですよ。あなたにもあります。進化のための"暗号"は」

少年「進化…」

「えぇ、強くなります」

少年「…強くなってどうするの?僕たちって、ジェネシスって何?」

「ジェネシスとは何か…無意識にもあなたは今のところその答えに一番近いところに立っているのですよ」

少年「え?僕が?」

「…おっと私はもう行かねば、進化の暗号だけはあなたに託しますよ」パァー


男の手が少年の頭を撫でた。何か光が見え、情報が頭の中に入ってくる





「罪深き者たちよ、戦い続けるがいい。世界が滅びる。その日まで」

今日はここまでです



次回予告


「ジェネシス、リミットフォーム」

狼斗「変身?いや、進化か」


戦いは


神奈「そんな…」


どこまで続き


「おい、遊べよ」


どこまで広がるのか


\チェンジスダンドアップ、スペシャルアイディー


そして現れる


・・・コード、ファイナル!!/


終焉の使者


「戦おうぜ、遊び尽くそうぜ!!」

ハジマリ     オワリ
 零に生まれ、零に向い進む始まりと終わりの仮面ライダーよ

その運命に従い、戦い続けよ


        ゼロ
仮面ライダー零、第04話「飢えた獣、終焉と零」


パート02へ続く

>>84
…さっき読んでたからかな、間違えた

×ジャスティス
○ジェネシス


ま、まぁどことなく似ているし?

神奈「まったくむかつくよな!あの刑事、狼斗のどこが化け物だってんだ!」

狼斗「…別に俺は構わない。化け物にでもならなけらば戦えないんだ。喜んでなってやるさ」

神奈「お前はそれで悔しくないのかよ」

狼斗「別にどうということはない。戦うことも守ることも今までと何も変わらない」

狼斗「化け物として化け物と戦う。化け物として人を守る。俺は、それでいい」





狼斗「おい、このあとどうする?」

神奈「そうだな、別に用事は無いし。家に帰ろうぜ?」

狼斗「…先に帰ってくれ」

神奈「おいおい、またジェネシスかよ」

狼斗「…あぁ、お前は先に帰ってろ。すぐに片付ける」

神奈「やだ」

狼斗「眞守?」

神奈「ワガママなのは分かっている。だけど、だけど…離れたくないっていうか、何か、怖くて…」

狼斗「…勝手にしろ」


狼斗「…騒がしいな、こういう状況は苦手だ」


そこはちょっとした祭り状態だった


ジェネシス「グオォォオオ、逃ゲロ逃ゲロ人間共オォオ俺ヲモット楽シマセロォォォオオ」


虎のような四足のジェネシスが暴れ回り、人間達を追いかけ回していた


狼斗「そんなに退屈か?」

タイガージェネシス「アァ?」

狼斗「なら俺が相手をしてやろう。…せいぜい楽しめ」


そう言いながらコートの下のベルトに付いている歯車を回す


狼斗「変身」キュィィイイン


歯車が回り、メーターの針も回る。そして針が中央で止まり


\チェンジスダンドアップ、スペシャルアイディー…コードゼロ!!/


高速回転する歯車から光があふれ、ゼロの紋章が飛び出る

狼斗がそれに触れると光が体全体を包み込む


タイガージェネシス「何ナンダ、オ前ハ」
                    ゼロ
狼斗「そうだな…仮面ライダー、零と名乗っておこう」


狼斗「さぁ、始まりに還してやる」

タイガージェネシス「生意気ナ奴ダ。最初ニ殺シテヤルヨォォォォォオオオオオオ」


途中から言葉は吠え声となっていた。後ろ足で強く地面を蹴り、一気に間合いを詰めてくる


狼斗「一直線に攻めてくるとは愚かな奴だ」


狼斗「終われ!」ブン


その鼻面に強力なパンチをお見舞いしようとした




狼斗「!?」

タイガージェネシス「愚カナノハテメエダ。一直線ニ向カッテ殴ラレニ行ク馬鹿ガ、ドコノ世界ニイルンダッテンダヨ」


真横にいた


タイガージェネシス「俺ノ進化シタ足ハ急ナ加速、急停止、スピードヲ保ッタママ直角ニ曲ガルコト、自由自在ダ!ソシテ常ニ時速ハジェット機ヲ優ニ超エルゼエエエエ」

狼斗「くっ」


回し蹴りを食らわそうとする。しかし


タイガージェネシス「遅エエンダヨォォオオオ」


バキッ


狼斗「がはっ」

神奈「狼斗!」


前足による打撃攻撃を喰らい、火花を散らしながら宙を舞う


狼斗「く…俺に構うな、いいから避難誘導でもしてろ」

タイガージェネシス「ソンナ余裕ガドコニアルンダアァァァアアア?」ォォオオオ

狼斗「黙っ…てろ。行くぞ」ダッ

タイガージェネシス「懲リネエ奴ダナアアァァァァアアア?」ダッ


一直線に走っていく。今度こそ終わらせてやる

タイガージェネシス「イイ加減学ンダラドウダアァァアアアア?」シュ


一瞬の内に視界から消える


狼斗「…」

タイガージェネシス「ココダヨォォオオオオ!!」ドガッ

狼斗「!?」ガッ


いつの間にか後ろに回られて攻撃を食らった


神奈「狼斗…」

狼斗「ぐ…」


何とか手をついて起き上がる。スーツがいくつか欠け、血が滲んでいる


タイガージェネシス「オイオイ、マダ楽シミ足リテネエゾオオオオ!!」

狼斗「…問題ない」ググ

      ・ ・ ・
狼斗「…覚えた」

狼斗「今度こそ、始まりに還してやろう」ダッ


駆ける。血が点となって宙を舞う


タイガージェネシス「ヒャハハハッハハハァ」ダダッ


シュン


また直前で消える


狼斗「終われ」


ガッ


ドガッ


タイガージェネシス「グアァッ」ゴッ


蹴りが綺麗にジェネシスの腹に入り、今度は向こうが宙を舞う


狼斗「お前は早い、そして俺は一挙動遅い」

タイガージェネシス「ナ、何故…」

狼斗「ならば俺は考えるより先に、考える一瞬前に行動すればいい話だ」

狼斗「後は勘だ。野生の勘」

タイガージェネシス「ドウセ、ドオウセマグレダアァァアアアア!!」

狼斗「どうかな」ス

タイガージェネシス「オォォォォオオ!!」ダッ


走る、消える


狼斗「ここか」


とっさに後ろを向く

しかし後ろに敵はいない


狼斗「なんてな。始まりに還り」クル

狼斗「終われ」ゲシッ

タイガージェネシス「グアァッ!!」


現れたのは後ろではなく右だったが狼斗はその体制のまま回し蹴りを放ち、ジェネシスを蹴り飛ばした


狼斗「…雑魚が」ハァ…ハァ

神奈「やった!勝ったんだな、狼斗!!」


しかし、まだジェネシスは


タイガージェネシス「カハッ…ォォオオ」


沈黙していなかった


タイガージェネシス「コウナッタラ…"暗号"ヲ使ワセテモラウゼエエェェエエェエエエ」


自分の中に埋め込まれた"暗号"を使い、ある言葉をトリガーにしてリミットを外す

これを自分に教えたやつは言った

              リミットフォーム
「言わばジェネシスの"極限形態"だ」

             パスワード
タイガージェネシス「"暗号"、白虎!!」


全身が白銀に輝き、体が二三倍にも膨れ上がる


タイガージェネシス「サァ、第二ラウンドト行コウゼェェエエエエ!!」

狼斗「変身…いや、進化でもしたか?」

タイガージェネシス「ギャハハハハ!!」


目に見えないほどの速さで走り回るジェネシス

さっきとは比べ物にならない。あの巨体でこれとは


神奈「そんな…ただでさえ苦戦してたのに」

狼斗「…」

タイガージェネシス「イイゼ!力ガ漲ッテキヤガルゥゥウウウウ」

狼斗「…面倒だな」

タイガージェネシス「ギャハハハハハ」


ゲシッ


狼斗「ぐっ…」

タイガージェネシス「サッキノ借リハ返サセテモラウゼェエエエエエ」ドガッ

狼斗「がはっ…」


高速で走り回り、重い攻撃を繰り出してくる


タイガージェネシス「ヒャハハハハハ、気持チ良イナァ」ドゴッ

狼斗「…」

神奈「…狼斗ぉ」

狼斗「…」

タイガージェネシス「終ワリダ」

狼斗「お前がな」


人は止めをさそうというとき大きく振りかぶってしまう。それはジェネシスになっても変わらないようだ

つまり


狼斗「ここだ、今度こそ始まりに還り」ゲシッ

タイガージェネシス「ナァッ!?」ガッ


攻撃が当たらないならチャンスが来るまで待てばいい


狼斗「終われ!!」キュィィイイン


足に付いている歯車を回す


\ライダーキック、ゼロフィニッシュストライク!!/


タイガージェネシス「ギャアアァァアアア」


ブシャアアアアア


血をぶちまけながら四散した

神奈「やったな!狼斗すごいよ!!」

狼斗「ふん、余裕だ」チマミレ


「おいおい、随分満身創痍じゃないか?」


神奈「!?」

狼斗「…」


「こっちだよ。上だ」


ビルの上、太陽を背にして立っている影が喋る


「なぁ、遊べよ」


ヒュン


神奈「え、飛び降り…」


飛び降りながら腰に巻いているベルトに手を当てる

そこには色こそ違えど狼斗と同じ歯車が


「まず自己紹介をしようか。俺の名は朝倉・鷹慧(あさくらたかとし)」

鷹慧「そして」


歯車を回す、狼斗のベルトより低い声がする


\チェンジスタンドアップスペシャルアイディ、コード・・・ファイナル!!/


空中での変身


鷹慧「仮面ライダーファイナル」


鷹慧「暇なんだよ。遊んでくれよ」

狼斗「…戦うのか?」

鷹慧「あぁ、戦おうぜ、遊び尽くそうぜ!!」

次回予告


鷹慧「戦う意味?楽しいからに決まってんだろ」


戦いは、人の本能なのか


狼斗「守り、倒すために戦っている」

鷹慧「戦う理由なんざ"暇"、それだけで十分だ」


相反するは戦う理由か


鷹慧「人間もジェネシスも、全て終焉に導く」

狼斗「人間を守り、ジェネシスを倒す」


意見の相違か


鷹慧「終焉に導いてやろう」

狼斗「始まりに還してやろう」


全ての終わりを司る仮面ライダーよ

始まりと終わりの仮面ライダーよ


戦いの定めに従い、


鷹慧&狼斗『終われ!!』


全てを戦火の渦へと巻き込むがいい


        ゼロ
仮面ライダー零、第05話「衝突、始まりと終わりの葬送曲」

やっべ、明後日提出のレポート終わらねえ

明日学校にいる間に終わらせられなかったら更新しできないかもしれません、頑張りますすいません

            ファイナル
鷹慧「仮面ライダー終焉」

鷹慧「さぁ、戦おうぜ、遊び尽くそうぜ!!」

狼斗「…お前は怪我をしている相手をいたぶって楽しいか?」

鷹慧「お前が弱ければ面白くはねえだろうなぁ。どうなんだァ?」

狼斗「俺は強い。これだけは揺るがない」

鷹慧「それだけ聴きゃあ十分だ。それが事実だろうが虚実だろうがプライドが強い奴をノスのは楽しいもんだぜぇ」

狼斗「それには同意だな、後は…自分が強いと思って調子に乗っている奴とかな」フッ


馬鹿にするように鷹慧を鼻で笑う


鷹慧「てめぇ…殺してやるよ」

神奈「か、狼斗?こいつのこと…知っているのか?」

狼斗「知らん、知らんからこいつも自己紹介したんだろうさ」

鷹慧「あぁ、そうだよ。てめぇも名乗りやがれよ。この街の仮面ライダー」
                     ゼロ
狼斗「神狩狼斗、仮面ライダー…零だ」


二人が構えた

        ゼロ
仮面ライダー零、第05話「衝突、始まりと終わりの葬送曲」

神奈「お、おい!超展開すぎてついていけねえぞ」

鷹慧「一般人がついてくる必要はねえ。だろ?」

狼斗「あぁ、その通りだな。神奈、離れてろ」

神奈「…」

狼斗「来い、望み通り遊んでやる」

鷹慧「…」ニヤリ


無言で鷹慧が消えた。次の瞬間には狼斗の前に移動していた


ブンッ


しかし先に攻撃したほうは鷹慧ではなく狼斗だった


狼斗「素早い奴ならさっき対策を覚えた」ドガッ


モロに蹴りが入る

しかし


鷹慧「…だから何だ?」


腕でガードされている


鷹慧「当てられてもぬるきゃ意味ねえぜ!」


ガッ


狼斗が避けるよりも早く腹に蹴りが入る


狼斗「カハッ…」ドガッ


壁まで無様に吹っ飛ばされる

鷹慧はそれを愉快そうに見下ろしていた


鷹慧「ところでてめえは今時素手で戦ってやがんのか?」

狼斗「グ…何の、話だ」


立ちながら睨むように鷹慧を見据えて言う


鷹慧「今の時代はよぉ」カチャ


赤黒い歯車をどこからか取り出し、ベルトのメーターの隣につけて


鷹慧「やっぱり武器がねえとな」ギュィイン


回した


\ウェポンギア、ニンシキ、ファイナルクラッシュブレイド/

歯車、いやウェポンギアが回る。ギアの前に光の粒子のような"何か"が渦を巻くように集まる

やがてそれは剣のような姿を取り、鷹慧がそれを掴む


鷹慧「さぁ、終焉に導いてやろう」ス

神奈「武器なんて卑怯だぜ!狼斗は怪我してんだぞ!!」


神奈が叫ぶ


鷹慧「知るかよ。俺は楽しめればいいんだ、こんだけで死ぬようじゃ楽しめねえけどな。せいぜい逃げ回れよ、ハハハハ」

狼斗「逃げ回る?俺がか?」

神奈「狼斗、挑発に乗っちゃ…」

狼斗「うるさい、黙って見ていろ」


尚も鷹慧を睨む。そして


ダッ


神奈「狼斗!」

鷹慧「トチ狂ったか?俺の剣に向かって一直線に走ってくるなんてよぉ」


鷹慧「それが望みなら今すぐ引き裂いてやるぜ!!」ダッ

誰かが言っていた。真のヒーローとは恐怖を我がものとすることで傷つくことを決して恐れないもののことだと

いや、これはそんな命をかけるような戦いではないことは分かっている。だが

なぜか心の奥底から沸き起こるこの気持ち


…勝て…殺せ…


何者かが囁く


鷹慧「もらったァ!!」


ギャィイン


狼斗「グアッ」


金属音が響く、中々強いな…スーツが、右腕の部分のスーツが欠ける


鷹慧「避けたか!でもよぉ、武器もないままじゃ俺には勝てねえぜ。ウェポンギアの一つでも持っていなかったのが残念だなぁ、全力で戦えなくてよぉ」ニヤニヤ

狼斗「ふっ」

鷹慧「あぁ?」


鷹慧(この状況で笑う…だと?)


狼斗「ウェポンギアとはこれのことでいいのか?」

鷹慧「なっ」


その手にもっているのは、鈍く光る…歯車


狼斗「いいようだな」カチャ

狼斗「こうか」キュィイィイイン


\ウェポンギア、チェック、ゼロゼロガントレット/

0に斜め線が入ったマークが両側についた普通のそれより少し大きめなハンドガンタイプの銃が現れる

狼斗はそれを右手に掴んだ


神奈「持っていたのかよ!もしかして今の今まで使い方知らなかったのか!?」

狼斗「さぁな」

神奈「なんでもいいや、やっちまえ!」

狼斗「あぁ、覚悟しろ。今度はこっちの番だ」ニヤリ


鷹慧(…こいつ)ギリ


狼斗「始まりに還してやろう」カチャ


銃を構える


バァンッ!


だが狙ったところには既に鷹慧はいなかった


鷹慧「だが遅ぇ!!」ビュン

狼斗「ふん」カキィィン


降り下ろされる剣を銃身でガードする


狼斗「いくら素早く動こうが無駄だ。全て読める」

鷹慧「じゃあ次どうするか読んでみろよぉ?てめぇが銃を引いた途端俺はこの剣をもう一回てめえにめがけて振り下ろす。引かなかった場合は…」

狼斗「だったらこんな答えはどうだ」


ダンッ!


鷹慧「ぐあっ!?」


セリフを全部言い終わらないうちに狼斗に遮られ、いきなり宙を舞った鷹慧

元いた場所には煙を吐いている銃が…狼斗の左手に


狼斗「銃は二つあった。いや、作れたと言うべきか」

鷹慧「て、てめぇ…」ギリ

狼斗「少し卑怯すぎたか?まぁ、俺には同情も罪悪感も無いがな」





鷹慧「く、くくく」


笑い出した。怒ったと思いきやいきなり笑い出した

鷹慧「いい」


鷹慧「いいぜ!お前、すごくいい、すっごく楽しいぜ!!そうだ、俺はお前を求めていたんだ!お前に会うために、そのために今まで戦い続けてきてたんだ」

神奈「何だよ、気持ちわりぃなあいつ…」

狼斗「…」

鷹慧「なぁ、もっと遊んでくれよ!ひゃはははは、遊べよ!!」


すごく楽しい物を見つけたように、初めて子供が遊園地にハマったように、嬉しそうに叫ぶ鷹慧


その時


狼斗「!?」

鷹慧「あぁ?」


ベルトが、二人とものベルトが振動した


狼斗「ジェネシス…この近くに現れたか」

鷹慧「おい、どうしたぁ?遊びは終わっちゃいねえぞ!」

狼斗「お前も気づいているだろ?ジェネシスが人を襲う前に片す」

鷹慧「何言ってんだよ、今は俺と遊んでんだろが。…クソ雑魚なんかに構ってんじゃねえぇぇえええ!!」

神奈「お前が何言ってんだよ!ジェネシスは人を襲うんだぞ!遊んでいる場合じゃなくなったって言ってんだよ」

鷹慧「人間が死のうがどうでも良いんだよ」

神奈「は?」

鷹慧「俺は今、遊びたくて遊びたくてしょうがないんだからなああぁああぁああ!!他のクズの事なんかどうだって良いんだよ!!」


狼斗「…変なのに絡まれてしまったようだな」


目の前にいるこの男は、この仮面ライダーは


イかれている

今日はここまでになります。明日の05話Bパートに続きます

狼斗「どけ、俺はジェネシスを倒しに行く」

鷹慧「そんなのどうだっていいだろ。絶対行かせねえよ、せっかくの遊び相手だ」

神奈「ふざけんなよ!お前も狼斗と同じ画面ライダーなんだろ人間を守るための力じゃねえのかよ!」

鷹慧「何言ってんだ?知らねえよ、んなことはよぉ」

狼斗「だったらお前は何のために戦っている、お前の目的は何だ?」


ふっ、と鼻で笑う目の前の画面ライダー


鷹慧「暇なんだよ…退屈なんだよ」

鷹慧「戦う理由?"暇"、それだけで十分だ」

鷹慧「戦う意味?楽しいからに決まってんだろ」


そう言いながらさも愉快そうに笑う

                                                                                                       ゼロ
鷹慧「いいぜぇ、この力は。人間には永遠にてに入らねぇ強大な力、戦うのが、殺すのが、楽しくて楽しくて仕方ねえ!なぁ、お前はそうは思わねえのか?仮面ライダー零よぉ!!」

狼斗「思わないな」

狼斗「俺はそんなことのためには戦わない。…守るため、戦っている」

神奈「狼斗…」

鷹慧「…お前、ベルトの声を聞かなかったのか?聞いたはずだぜ、ベルトを手にしたときによぉ」

神奈「声…?」


声って何のことだろう?そう思って狼斗を見るも何を考えているか分からないから無表情しか見えなかった


鷹慧「そう、俺がつまんねえ喧嘩をして、ポリ公に捕まりそうになってたあの日だったな。いきなり現れてくれたこのベルトは言ったぜ」


鷹慧は一息置いて、今まで以上に楽しそうな笑顔で、ゾッとするような禍々しい笑顔で言った


鷹慧「人間もジェネシスも一匹残さず消し去れってなぁ!!」

神奈「狼斗…今の、本当なのか?」

狼斗「…」


無表情での無言、神奈には無言の肯定にも見えた


狼斗「………お前のベルトと俺のとは考えが違うようだな、俺のベルトはジェネシスを倒せとしか言ってなかった」

狼斗「いや、最近は考えが変わった。…人間を守り、ジェネシスを倒す。俺自身の考えだがな」


このベルトは何なのだろうか…人間を守るための力か、それとも滅ぼすためのか………


鷹慧「つまんねえ…」

鷹慧「つまんねえ…つまんねえ、つまんねえつまんねえ!!」


鷹慧「何だよ!せっかくの力をそんなつまんねえことに使ってんのかよ!俺は思ったぜ、このベルトを手にしたときによぉ!」

鷹慧「俺は選ばれたんだ!!今の文明に幕を下ろすすげえ役目によぉ!最高の暇潰しだ!!てめえみたいな強い奴を片っ端から殺す、そしてゴミみてえな弱い奴を一掃して役目を全うしてやる!」

狼斗「………憐れだな」

鷹慧「あぁ?」


バンバンバン


鷹慧「ぐあぁっ」


銃声が響き、2発、3発と銃弾が鷹慧の足に当たる

鷹慧「不意討ちかよ…クソがぁ……」

狼斗「そこでうずくまっていろ。また機会があったら相手してやる」

狼斗「行くぞ、眞守。どうせ来るなと言っても着いて来るんだろ」

神奈「いや、それより名前……」

狼斗「…何だ?」

眞守「…いや、いいや」

狼斗「…そうか」


神奈(名前で呼んでほしいなぁ……って何で言えないんだろう)

神奈(…まぁ、今はそれどころじゃねえもんな)


狼斗「そうだ。こいつは返しておくぞ」ポイ


狼斗が何かを鷹慧に投げる。ウェポンギアとかいう歯車だった


鷹慧「…やっぱり俺のだったか」

狼斗「手癖が悪いのは昔からでな…さっき斬りつけられた時にこっそり拝借した。確かに返したぞ」

走ってベルトの反応する方向に向かった…そこは


神奈「何だよ…これ」


地獄絵図だった


狼斗「…足止めをだいぶ食らったからな」


遅かったのか。既に死体がいくつも…

そしてそれらをグチャグチャと汚らしい音を立てて食っていたジェネシスが


「ウンンマソォ~ナ臭イガスルゾォオオオ」


こっちを向く。上半身は人間のようだが足は十本ほど円を描くように生え、頭には蜘蛛のような配置で目が八つもあり、口も蜘蛛みたいになっている


スパイダージェネシス「ソコノ女ァ、旨ソウダナァアアア?」

狼斗「またお前か、モテるんだな」

神奈「こ、こんなのにモテても嬉しくないんだぜ…」

スパイダージェネシス「キシャアァアアア!!」


雄叫びを上げるジェネシス


狼斗「俺が相手だ」


神奈を庇うように一歩前に出る


狼斗「さぁ」


狼斗「始まりに還してやる」

ダッ


何か今日は戦ってばっかりな気もする


狼斗「だが、俺には他には何もないからな…」

スパイダージェネシス「邪魔ダ!ソコノ女ヲ食ワセロォォオオ!!」シュウウウウ


口から糸を出すジェネシス


狼斗「邪魔なのはお前だ。人間にとってな」タッ


避ける




狼斗「なっ!?」


足を取られた、避けたはずなのに糸が絡みついている


スパイダージェネシス「俺様ノ糸ハ絶対ニ獲物ヲ逃ガサズニ捕ラエル。避ケヨウトシテモ無駄ダァ!!」

狼斗「くっ」ググッ

スパイダージェネシス「無駄ダァ、蜘蛛ノ糸ッテノハモノスゴク頑丈ナンダゼェ」グイッ

狼斗「ぐあっ」ドタッ


糸を引っ張られて倒される


狼斗「…」

スパイダージェネシス「ツイデニテメェモ食ッテヤルゼ」

狼斗「こんだけ食い散らかしておいてまだ食うつもりか?」ググッ

スパイダージェネシス「マダマダ食イ足ラネェヨ」シュ、シュ

狼斗「…く」


糸の塊が吐かれ、倒れた狼斗を地面に固定した


神奈「狼斗!!逃げて!」

狼斗「…」


ダメだ、動けない


スパイダージェネシス「楽勝ダッタナァ!」

「つまんねぇ」


バンッ


スパイダージェネシス「ぐあっ」


スパイダージェネシスが吹っ飛んだ。声のする方法を向くと


鷹慧「つまんねえ、何やられそうになってんだよ!!」

            ファイナル
鷹慧、仮面ライダー終焉が銃を構えて立っていた


狼斗「お前…」

鷹慧「せっかくの遊び相手だ、雑魚ジェネシスなんかに殺させたりなんかするかよ」ビリ


そう言いながら剣で四肢にまとわりつく糸を断ち切る鷹慧


鷹慧「人間もジェネシスも終焉に導くのが俺の使命だ。まずてめぇを倒させてもらうぜ、蜘蛛やろうが!!」

狼斗「…やれやれ、俺もまだ死ぬ時では無いらしいな」


軽く形勢逆転か、運が良いと言うべきか

挿入歌
仮面ライダー555/Ego-Eyes Glazing Over
http://www.youtube.com/watch?v=F6q4XMHjVYE


スパイダージェネシス「二人ニ増エタトコロデ俺ノ餌ニナルダケダァ!!」シュッ
         ゼロ
鷹慧「ふっ、零よ。やっぱり武器は必要だぜ!」


吐かれた糸を剣で切る


狼斗「…無いものは仕方ない」ダッ


糸の切れた隙をついてジェネシスに近づく


スパイダージェネシス「コノォ!!」ガッ

狼斗「近距離格闘なら俺の領分だ」ドゴッ


ジェネシスの腕をガードして腹を蹴り上げる


スパイダージェネシス「グアアァァア!!」


鷹慧の方に向かって吹っ飛んでいった


鷹慧「いいぜ、任せろ」カチャ


\アクションギア、チェック、FFアタック/


\ファーストアタック/


鷹慧の腕が光り、素早いパンチを繰り出した


スパイダージェネシス「シャアァア!?」


\セカンドブレイクラッシュ/


続けてラッシュを何発も食らわす


\サードリミテッドブレイク/


次に足が光り、回し蹴りを出す


\フォースインパクトストライク/


スパイダージェネシス「アアァァア!!」


そして手から光が帯びのように伸び、ジェネシスを上に飛ばした


ダッ


鷹慧も宙に飛び


\ファイブファイナルアタック/


上からジェネシスに赤い光と共にキックを食らわす。Fの文字が宙に残った

スパイダージェネシス「ッォオォオオオォォ!!」


地面に落ちたジェネシス、だが

パスワード  タランチュラ
「暗号、"大毒蜘蛛"」


地面に激突した際の煙から出てきたジェネシスは傷が完全に塞がり、実際の蜘蛛に近い姿になっていた。人並に大きいことを除けば


狼斗「…またか」タッ


ジェネシスの動きが早くなる


鷹慧「ぐっ…剣が溶けやがった!」


ジェネシスの吐いた毒液によって剣が溶ける


スパイダージェネシス「キシャアアァァアアア」ドゴッ


地面を鋭い足で地面を抉り、破片を飛ばしてくる


狼斗「ふんっ」ガッ


飛んでくる破片を弾く


鷹慧「しゃらくせえ!!一気に決めるぞ!」

狼斗「あぁ」キュィイン

鷹慧「行くぜぇ」ギュィイン


足の歯車を回す

二人のベルトが共鳴するように光る


狼斗「始まりに還り」

鷹慧「終焉に導いてやる」


\ダブルライダーキック、ゼロファイナルデッドエンドストライククラッシュ/


狼斗&鷹慧『終われ!!』


二人でライダーキックをかます


スパイダージェネシス「ギジャア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ア゙ア゙ア゙ア゙」


ドッガァァアアン


ジェネシスは爆発四散する。今度こそちゃんと終わった

\チェンジアウト/

キュィィ・・・ン


神奈「まさかお前が助けに来てくれるなんて」

鷹慧「さっきも言っただろ?俺は退屈が大嫌いなんだ!てめえに死なれたくはねえんだよ」

狼斗「…とりあえずお礼は言っておく。で、今ここで闘るのか?」

神奈「え?」

鷹慧「…俺は疲れたから今回はいい。あいつを倒して少しはスッキリしたしなぁ」

狼斗「そうか」

鷹慧「じゃあなぁ…また遊ぼうぜ」

神奈「待てよ!もう人間を襲うなよ!!」

鷹慧「あぁ?」


神奈が去ろうとする鷹慧に向かって言う


神奈「人間を襲うなよ!じゃないと狼斗は戦わないって言っている!!」

狼斗「言ってないが…」

神奈「黙って合せろ!」

狼斗「……あぁ、言ったな」

鷹慧「くくっ、俺は全てのジェネシスと人間を終焉に導くのが使命だ」

神奈「てめぇ!」

鷹慧「だが、人間を滅ぼすのは全てのジェネシスとライダーを殺してからでもいいかもなぁ!約束はできねえがな」


笑いながら立ち去る鷹慧


神奈「待ちやがれ!ちゃんと誓えっての!!」

狼斗「やめろ、俺はもう戦えない…今日はもう帰りたい」

神奈「…ちっ」

狼斗「まったく、血の気の多いやつだ。それでも女か」

神奈「うるせえよ!///」


その日はもう家に帰った。流石にもう何も起こらなかった

その日の夜、不思議な夢を見た


黒でも白でもない…いや、色が無いような不思議な空間にいた


狼斗「…ベルト?」


ベルトが宙に浮いている。腰に巻いているように円になって

その中に煙が固まっている。その靄は人型になり、やがてベルトを巻いた人を象った

顔は見えなかったが男だろうということは分かった


「仮面ライダー零、神狩狼斗」


俺に話しかけてきた


「君に話さなければならないことがある」



続く

今日はここまでで
全体的なストーリーは考えているものの一話一話の細かいストーリーはまだ考えて無く、次回の話はまだ少ししか考えておりません

なので今回は次回予告なしです

次回予告


昔、何かの登場人物が言っていた。この世には、一度落ちると二度と這い上がることのできない闇が存在する。と


「君に託そう」


咎人が得たその力は


狼斗「俺専用の…ウェポンギア」


希望


「創世の時だ」


しかし、絶望のときは着々と近づいてきている

そして


「グロンギ、オルフェノク、アンデット、魔化魍、ワーム、ファンガイア、グリード、そしてジェネシス」


ジェネシスの謎が明らかに…


「ジェネシスとして生きるか、人間として生きるか。決められたかい?」

少年「僕は、僕は…」


ジェネシスになった少年は一つの答えを出した


少年「僕は人間がいい!!」


慟哭と共に絞り出した答え、しかし少年が選択した道は


少年「あなたが、全てのジェネシス事件の黒幕であり元凶だ」

「この私に挑もうというのか」


それ以上に過酷な、茨の道だった


少年「人間の心を持ちながらジェネシスの力を持つ僕にしか出来ないんだ。僕がやらなきゃいけないんだ!」


少年よ、光に生まれ光に生き

闇に落ちた少年よ


「相手になろう。ジェネシスの王、この私、シャドウジェネシスが相手だ」


運命に抗い、その身を包む大きすぎる闇に立ち向かえ

            ゼロ
次回、仮面ライダー零06話「這い上がれぬ闇」


「"暗号"、"ナイアルラトホテプ"」

少年「うわあああああ!!」


闇は、どこまでも深くどこまでも大きい

「仮面ライダー零、神狩狼斗」

「君に話さなければならないことがある」

狼斗「…お前は誰だ?」

「ベルトに宿る意思、とでも言っておこう」

狼斗「ベルトに宿る意思…だと?」

「君の使命を伝えに来たのだよ」

狼斗「使命…」

「ああ、君の使命は守り抜くことだ」

狼斗「人間をか?」

「…それもそうだがそれ以上に守らなければならない人がいる」


「眞守神奈…彼女だよ」


狼斗「…眞守?何故だ?」

「何故かは問題ではない。君はただ彼女を守り、ジェネシスを殲滅すればいい。創世の時までな」

狼斗「創世の時とは?」

「いずれ分かる時が来る。終末と創世は時を同じくしてやってくる」

狼斗「…奴らは、ジェネシスとは何なんだ?」

「…神の使いさ」

狼斗「…神?」

「あぁ、神だ。本来なら人間はとっくに滅びて地球の支配者の座から降りていなくてはいなくてなならない存在だったんだ。しかし、人間は色んな方法で延命し、未だに地球の支配種として君臨している」

「だから神は人間を滅ぼすために怪物を作り出し、この世に解き放った」

「何度もな」

狼斗「何度も?」

「グロンギ、オルフェノク、アンデット、魔化魍、ワーム、ファンガイア、グリード、そしてジェネシス…情報としては抹消され、人々の記憶からも抹消されているが度々人間を滅ぼそうとする怪物は現れている」

「そしてその度に人間は叡智を集め、時には不思議な力を使い、仮面ライダーとなり闘う。人類のために神に反抗するがライダーの使命なんだ」

「その覚悟はあるか?神に反抗する覚悟は」

狼斗「…元々眞守は守ると決めていたしジェネシスと戦うことも覚悟はしていた。今更恐れる必要などない」

「頼もしいことだ。ではそのための力を君に託そう」


その男の手が光り、それに呼応するように俺の手も光る


「始まりと終わりは常に同じなんだ。ゼロとは全ての始まりの数字であり全ての終わりの数字でもある。だが、君はどっちを下すかの選択は出来る」

「全ての始まりとなるか、すべての終わりとなるかの選択はな」
                                      ゼロ
「では、託したぞ。始まりと終わりの仮面ライダー、仮面ライダー零」

        ゼロ
仮面ライダー零、第06話「這い上がれぬ闇」

…昔、何かの登場人物が言っていた。この世には一度落ちると決して這い上がれぬ闇がある。と

僕、木場・慶太郎(きば けいたろう)は正にそんな状況だ

数週間前に大切な人を守るため、力を願い、アリゲータージェネシスとなった

しかし、その力は僕を、人間としての僕を殺し、大切な人をも殺してしまう結果を呼んだ

この体は死にたいと思っても死ねない。しかも本能的に人間を喰らってしまう、そんな呪われた体だ

何度も本能に逆らおうとした。でも気づいたらジェネシスとなって人間を喰らっている…もう、嫌だ


…この際、いっそ心まで怪物になってしまえれば楽だろうな

…………


誰か、僕を、解放して……


……………

目を覚ます。珍しく自然に起きられた気がした


狼斗「…これは」


手に何かを握っていた。開いて見ると歯車があった

…いや、これは…


狼斗「俺専用のウェポンギア…」


何故かそう確信していた。俺にしか使えないウェポンギアであると

…夢を通して渡した?そんな馬鹿な

夢の中で言われたことを思い出す


「創世の時まで眞守神奈を守り抜け」


眞守は、何か知っているのか?

神奈「あれ?珍しいな。もう起きてるなんて」

狼斗「眞守…」

神奈「ん、何だ?」

狼斗「いや、いい…すまん。寝ぼけていた」

神奈「そうか?ならいいけど…」


心配させたくなくてそう言ったがやはり気になる…眞守、お前はいったい何者なんだ?何か知っているのか?


神奈「そういえば狼斗」

狼斗「何だ?」

神奈「今日みかが来るから」

狼斗「あぁ、あのうるさいのか…」

ピンポーン



神奈「あ、来た」

みか「やっほーかーくん、みかちーだよ~」

神奈「じゃあ勉強始めるか」

狼斗「…」


勉強会か、しそうには見えないがな


神奈「狼斗、悪いけどお菓子とジュース買ってきてくんねえか?」

みか「やははー、ごめんね、買ってくるの忘れちゃってさ~」

狼斗「…面倒だ」

神奈「なぁ頼むぜ、この通り」


結局断りきれず行くことになった

とある山奥、廃ホテルB1


「こんなところにいましたか。ずいぶんと探しましたよ」

慶太郎「君は…この間の」


その人物は"進化の暗号"を自分に教えた人物だった

そして、彼には知る由も無いことだが…狼斗が夢の中で会った人物とかなり似通ってもいた


慶太郎「何で、ここに」

「あなたが心配だったからですよ。どうです、もう決めましたか?」


「ジェネシスと人間、どちらとして生きるか」





その場を静寂が支配した

そして、少し経って慶太郎が口を開いた


慶太郎「…僕は、もう人間じゃない。ただの化け物だ」


「…ほう」

「それは、あなたが人間でいることを放棄したということですかな?」

慶太郎「…僕は、僕は人間がいい!人間でいたかった!!」


慶太郎「でも、僕はダメなんだ…どんなに我慢しても人間が食べたくなる…」

慶太郎「気づいたらジェネシスになって人間を襲っている。こんな山奥に隠れ住んでもジェネシスの本能から逃げられない!気づいたら麓まで下りて人を襲っている!!迷い込んだ人間を残さず喰っている!」

慶太郎「…そんな僕に、人間を名乗る資格はもう無い…」

「なるほど、運命に逆らうのは諦めてしまいましたか」

慶太郎「…でも、僕は人間が好きだ。ジェネシスになってもそれは変わらない」



慶太郎「そう、ジェネシスになっても…最低限守れる範囲の人間は守りたい!」



慶太郎「怪物になっても守りたい正義がある!怪物だからこそ守れる正義だってあるはずなんだ!!」

「素晴らしい考えだ。でもジェネシスは本能的に人間を襲う、それを理性で押さえ付けることができないのはあなた自身も身を持ってよく知っているはず」

「ジェネシスとしてのあなたが死なない限り人間に完全な平和はありませんよ。勿論人間に戻る術はありません。あなたに何が出来るでしょうか」

慶太郎「…僕は、戦うことが出来る」

「…ジェネシスであるあなたがジェネシスを倒してまわるというのですか?」

慶太郎「確かに全部を倒してまわることは出来ない。でも、親玉を倒せば、あの仮面ライダーが他のジェネシスを倒しやすくなるかもしれない」

「親玉?はて?」

慶太郎「しらばっくれないでよ」

慶太郎「あなたが、全てのジェネシス事件の黒幕であり元凶だ」

「ふむ、何故その答えに至ったのか聞かせてもらいたいな」

慶太郎「あなたは知りすぎているんだ。不自然なほどに」

慶太郎「ジェネシスの存在理由、歴史、天敵、本能、身体機能、暗号、それらを僕はあなたに聞いたけど、他にもあなたから同じことを聞かされたジェネシスがいっぱい、いや、僕が会ったジェネシスは皆ジェネシスとして覚醒したその日にあなたに会い聞かされたと言っていた」

慶太郎「あなたは何でこんなことをするの?何で知っているの?」

慶太郎「あなたが黒幕、元凶、または伝える役目だった場合の3パターンしか説明できないんだよ」

慶太郎「どの場合もあなたを倒せば暗号をジェネシスが知り得ることは出来なくなる。仮面ライダーが倒しやすくなるよ」

「ほう…この私を倒そうと言うのか?」

慶太郎「うん、僕はもう死ぬべき人間だ」


あえて、あえて「人間」と言った


慶太郎「でも、死ぬ前に、相討ち覚悟で君に挑む!死なんか怖くない!!怖がったりなんかするものか!」


「…良い目だ。葛藤し悩む者は、その悩みを断ち切り覚悟した時に揺るがぬ決意をその瞳に宿す」

「その死をも恐れない覚悟はいつも私を闘いの歓喜に打ち奮わせる。良かろう、来るがいい。この私、神崎・影士(かんざき・えいじ)、いや」

「ジェネシスが王、シャドウジェネシスが相手だ!!」

Aパートはここまで、明日Bパートに続きます

慶太郎「愛ちゃん、死なせちゃってごめん…でも、君が、人間だった頃の僕を、まだ好きでいてくれてるのならお願い、最後のワガママを聞いて…」


自分の中に今までの思い出が次々よみがえってくる。愛ちゃんと過ごした愛しい日々が…


慶太郎「僕に力を!勇気を!!…変身!!」


小さい頃憧れたヒーローに、僕は自分を重ねていた

自分も怪物でありながら人間のために闘う正義のヒーロー、そんな特撮があった。僕は今そうだ

ただ一つ違うのは大きすぎる罪を背負ってしまったことと負けることが分かっていること


…それでも、この命あるかぎり


勝つ可能性が少しでもある限り


慶太郎「戦ッテヤル…」


シャドウジェネシス「ふふ、ならば私はその度胸を買おう。その勇気と覚悟に敬意を表そう。普通に生きていては決して見れぬ、光り輝く世界の影の部分」

シャドウジェネシス「その深奥へと引きずり込んで差し上げようではないか」


ズ..ズズズ...


怪物へと変身する神崎影士。体全体が夜のように黒く暗くなり、炎の先で揺らぐ影のように無定形にグニョグニョと全身が揺れ動く

ワニの怪物と影の怪人が対峙する。目の前にいるのはジェネシスの親玉だ…慎重に行くべきか


シャドウジェネシス「ハンデをくれてやる。私は10秒間ここから動かぬ、好きに攻撃するが良い」

アリゲータージェネシス「ジャア、アリガタク行カセテモラウヨ!」ダッ


牙を向いて向かってゆく、できるだけ一発で仕留める!!


ドガッ


アリゲータージェネシス「ガァッ!!」


何かに吹っ飛ばされた。見ると影の中から触手が生えてきていた。これにやられたか


シャドウジェネシス「まぁ、ハンデと言ってもこの場から動かないだけて攻撃はさせていただきますがね」


ズォ゙オ゙ォオ゙オ゙オ゙


周りの影という影から影と同じ色をした触手が生えてきて自分に迫ってくる。おぞましい音を立てながら


アリゲータージェネシス「クッ」ダッ


地面から空中へと飛ぶ、天井を蹴ってシャドウジェネシスへと飛びかかろうとする


シャドウジェネシス「影とは床にのみ出来るわけではありませんよ」


ゾゾゾゾォォオオ


部屋の角、隅、天井や壁にも影がある。いや、いたるところに


アリゲータージェネシス「コノ能力ハッ…」

シャドウジェネシス「ジェネシスの力とは物理的、肉体的な物だけではありません。中には人間の言葉では超能力、もしくは魔法としか例えようのない能力を持っているものもいます」

アリゲータージェネシス「…愛チャン…僕ニ、力ヲ!」バキッ

シャドウジェネシス「なっ」


迫ってくる触手を鋭い鈎爪で一発にして断ち切った

動揺したのか本体の"影"が揺らぐ

今だ!今のうちにできるだけ近づいて…


シャドウジェネシス「10秒経った。しかし、このままなら動かずとも勝てますね」


部屋のいたるところに潜む影から生えてくる触手が渦を巻くように自分の前で形を作る

それは立体的な円を描き、やがて球体へと変化する


アリゲータージェネシス「ッ、逃ゲ場ガ!」


いつの間にかその影の球が後ろにも下にも全方位に

シャドウジェネシス「あなたに敬意を表します。痛み無くあの世まで送って差し上げましょう」

シャドウジェネシス「まぁジェネシスに"あの世"があればですがね」

         ディープエンドダークネスホール
シャドウジェネシス「"深淵闇影"」


アリゲータージェネシス「クッソォ!」


目の前、いや、自分の周りを取り囲む影の球が全て口を大きく開けた


バグン


避ける暇も無く飲み込まれた

深淵が、影が自分を包み込み、どこまでも落ちてゆく感覚が続く

そこは地獄だった

この世の苦痛が、痛みが、苦しみが、全て脳裏に直接流れてきた。ここは光り輝く表の世界全ての影の部分が集約された場所だ

全世界で苦しむ人の痛みが辿り着く場所がここなんだ


そして


この場所において最も優しい存在である"安らぎある死"が僕を迎えに来た


…ごめんね愛ちゃん、僕は勝手に君を殺しておいて勝手にまだ君に愛されていると思って…結局何も出来ないまま死んじゃった…


嫌だ、死ぬのがじゃない


何もできないまま終わるのが嫌なんだ!


アリゲータージェネシス「コノママ終ワッテタマルモンカ!!」




シャドウジェネシス「…終わりましたか、残念ですね。中々の大物に化けてくれると思ったのですが。まぁ、少々本気を出してしまいましたが…まったく大人げない」


ゴギン!


シャドウジェネシス「おや?」


バキ、ゴキャ


シャドウジェネシス「この音、私の影から…」


「地獄カラ這イ上ガッテキタヨ」


シャドウジェネシス「!?っ」バッ


急いで飛び退く

あいつが、あの少年が影から飛び出してくる

右の手の鈎爪が強く光っていた


シャドウジェネシス「…私の影に物体としての特徴はありません、勿論物理攻撃も効かないはず。さっきのもそうでした…あなたは」

シャドウジェネシス「…あなたのその爪は、非物質をも断ち切ることができる能力、ですか…」

アリゲータージェネシス「アナタノオカゲデ発現シタ能力ダ。ドウヤラ本当ニアナタハ他人ノ能力ヲ開花サセル力ガアルヨウダ」

シャドウジェネシス「…分かりました」


シャドウジェネシス「本気でお相手いたしましょう。手加減はもういたしませんので痛みは覚悟してください」


アリゲータージェネシス「僕モ、勝ツタメニアナタニ貰ッタ能力デモ使ワセテモラウ"暗号"、"セベク・クロコダイル"」

シャドウジェネシス「使ったな、怪物の力を…ジェネシスの闇を」

アリゲータージェネシス「ッ!!」


身体中が大きくなり、頭から背中にかけて刺が生え、鈎爪と牙がさらに鋭く大きくなる。その姿はもはやワニというより怪獣

なんだ、ものすごい力が奥の方から沸々と湧き上がってくる


クロコダイルジェネシス「何ダ、コノ力ハ…」


今なら何だって破壊できるような気がした


シャドウジェネシス「ほう、心が力に呑まれてない、かなり強い精神力だ」

クロコダイルジェネシス「愛チャンガクレタンダ。勇気ヲ、立チ向カウ強サヲ!僕ノコノ力ハ絶対ニ人間ニハ使ワナイ!!」

シャドウジェネシス「その決意は無意味ですね。何故か?あなたはここで死ぬからです」


シャドウジェネシス「今度こそね」


部屋中の影が人を象る。いや、シャドウジェネシスになった


クロコダイルジェネシス「影分身!?」

シャドウジェネシス「文字通り、ね」


影分身たちが体を捻り、宙に舞い上がる


ガガガガッ!!


宙に飛んだ分身たちが一斉に巨大な槍となって自分に襲いかかる


クロコダイルジェネシス「オオオオッ!」

手の鈎爪で一本、二本、足りない、槍の方が多すぎる!

もっと、もっと、手数を多く!!


シャドウジェネシス「…まだ進化を続けますか、素晴らしい…」


僕の背中に生えている刺が伸び、巨大な鈎爪のようになって槍を弾き、壊す


シャドウジェネシス「しかし、まだ足りないですよ」


グシャ!


クロコダイルジェネシス「ガアァアァアッ!!」


意識が朦朧とする。槍が、完全に全て叩き落とせず避けることもままならなかった…

意識が…薄れゆく

クロコダイルジェネシス「マダダ!マダ死ネナイ!!」


気力を振り絞って立ち上がる

血を垂らしながらも、満身創痍になりながらも、尚巨大な敵に立ち向かって行くその姿はまさに


クロコダイルジェネシス「オオォオ!!」


まさに、彼が小さい頃に憧れた英雄の姿そのもの


シャドウジェネシス「…素晴らしい、まだ進化し続けている。…執念の力ですね」


ザシャィン


鈎爪で影を断ち斬りシャドウジェネシスに向かって距離を詰める


シャドウジェネシス「ジェネシスが人間に劣る部分があるとすれば成長する点だ」


手を前に出す。手は触手になりクロコダイルジェネシスを掴まえる


シャドウジェネシス「人間は勝ちたいと思う気持ちが、その執念があればこそ、願うからこそ成長する」


しかし、影であるはずの触手は粉砕された。腕ごと

さっきまで右腕限定だった「非物質を破壊する」という能力の範囲が全身に拡がっていた


シャドウジェネシス「ジェネシスは既に成長を止めた生き物だ。だが君は、あなたは」


ついに鈎爪が届く範囲まで迫ったクロコダイルジェネシス


シャドウジェネシス「人間の心を完全に持ったままジェネシスでいる。だから成長出来る…この戦いの中で、私をも、追い越せる」


クロコダイルジェネシス「オワリダァッァア!!」


ザクッ


シャドウジェネシスの胴体を、大きな鈎爪が貫いた

シャドウジェネシスはその場に倒れ、影のような色をした砂になって、やがて薄れて消えていった

クロコダイルジェネシス「…はぁ…はぁ、なんとか…勝った」ドサッ


その場に倒れ込む、でも…これでよかった。もう、これ以上ジェネシスが強くなることはない。後はあの仮面ライダーに任せて


「ふふふ、甘いですね」


クロコダイルジェネシス「!?」

シャドウジェネシス「これで形勢再逆転です」ガシッ


いつの間にか背後に回られ、体中をがっちりと固定され心臓のある場所に鋭い槍のような触手を突きつけられる


クロコダイルジェネシス「…死ンダフリ?」

シャドウジェネシス「いいえ、さっき死んだのは影武者です。文字通り」

クロコダイルジェネシス「…卑怯者」

シャドウジェネシス「戦略です。言いませんでいしたか?言いませんでしたね。私は影に隠れることも出来るのです」

クロコダイルジェネシス「ふ、ふふふ…」

シャドウジェネシス「何ですか?」

クロコダイルジェネシス「アナタハ僕ニ押シ負けケテ卑怯ナ手ヲ使ワザルヲ得ナクナッタ」

シャドウジェネシス「何が言いたいのです?」

クロコダイルジェネシス「僕如キニ圧倒サレル奴ガ仮面ライダーニ勝テルカ!アイツハ僕ナンカヨリズット強ッカッタゾ!!」

シャドウジェネシス「あぁ、そのことなら大丈夫ですよ。何故なら」


シャドウジェネシス「私はまだ"暗号"を使ってませんから」


クロコダイルジェネシス「…」

シャドウジェネシス「そんなに見たいというのならいいでしょう。混沌の渦へ引きずり込んであげます」


シャドウジェネシス「"暗号"、"ナイアルラトホテプ"」


クロコダイルジェネシス「ウ、ウワアァアアアア!!」




カオスジェネシス「…コレハ驚キダ。コノ姿ハ見ルダケデ人間ダロウトジェネシスダロウト恐怖シ、最悪見タダケデ発狂スルトイウノニ、ムシロ向かってくるとは」

慶太郎「…」

カオスジェネシス「…シカシ私ノ攻撃ヲ一発モ耐エキレナカッタノハ残念ダ。ダガ楽シイ闘イヲ提供シテクレタコトニハ感謝ヲ言オウ」


カオスジェネシス「サヨナラダ」


ズガアァァン!!




狼斗「変身解除」


\チェンジアウト/


キュィイン...


雑魚ジェネシスを瞬殺して家に帰ろうとしたとき


「ようやく見つけた」


狼斗「…何故、ここにいる」

「ずっと…十何年も、探していた」


「兄貴、いや狼斗」ギリ


今にも殺しにかかってきそうな恨みのこもった目を向けて、実の弟が立っていた


続く

次回予告


人は人と付き合って生きている限り誰も恨まず誰にも恨まれず生きることは出来ない


「殺してやる…」


死の恨みは死をもって償うしかないのか


いま
現在は過去の上に成り立ち、過去が黒ければ現在も黒く染まる


「何がヒーローだ!何が英雄だ!!」

「お前はただの人殺しだ!!」


今、漆黒の色に染まった狼斗の過去が明かされる


狼斗「お前には俺を殺す権利がある」


零に生まれ零に向い進む始まりと終わりの仮面ライダーよ


狼斗「殺せ、それでお前の気がすむのなら」


恨みと憎しみの悲しき連鎖に終止符を打て

            ゼロ
次回、仮面ライダー零第07話「過去の闇」


「お願い、殺して…」


その行動は、はたして正義と言えたのだろうか…

本当は昨日のうちに6話を終わらせておきたかったのですが途中で寝落ちしました。

次回は未定ですが三週間以内には…

約束通り三週間以内に更新できなかったのは私の責任だ

だが私は謝らない

明日、必ず07話を投下しに戻ってくると信じているからな

「ようやく見つけた」


狼斗「…何故、ここにいる」

「ずっと…十何年も、探していた」


「兄貴、いや狼斗」ギリ


狼斗「健人、わざわざ追って来たのか?…暇な奴だ」

健人「…てやる」

狼斗「もっとはっきり喋れ」

健人「…殺してやる」


静かに、それでも確かな決意と殺意を眼に宿して、その男神狩健人(かがりけんと)は狼斗の前に立ちはだかった

弟としてでも家族としてでもなく…復讐者として

        ゼロ
仮面ライダー零第07話「過去の闇」

狼斗「…そうか」

健人「殺してやる…」

狼斗「…やればいい。お前は優しい奴だ、その度胸があると言うのならば殺せ」


狼斗「お前にはその権利がある。俺を殺す権利がな」


昔を思い出す。涙も笑顔も同時に失ったあの日を


健人「…んで」


目の前に二人の男女が人の姿のまま動かなくなっている。自分の手には血塗れの刃物が…


健人「何で、父さんと母さんを殺した!」


狼斗の過去は、記憶は、真っ黒だった。人殺し、親殺し、手に未だに残る肉にナイフを突き刺す感覚、吹き出る血、崩れゆき、動かなくなる親…


健人「答えろ!」

狼斗「………殺したいから殺した。復讐するんだろ?してみろ」

健人「それは、挑発のつもりか?」

狼斗「あぁ、そうだ。殺してみろ」


-お願い、殺して-


狼斗「殺せ、俺を」


-死ななきゃ…いけない-

健人「ふざけんな!殺したいから殺しただって!?もっとまともな理由はないのか!」

狼斗「無い」

健人「っ!?…」

狼斗「…」

健人「…」

狼斗「…どうした?怖いのか?」

健人「…怖いだと?」

狼斗「お前には覚悟が無い。殺す覚悟が…」

健人「そんなこと、無い。殺す」チャキ


ナイフを向けてくる。嫌な偶然だ、俺が殺すために使ったのと同じ物…


狼斗「…手が震えている。お前じゃ俺を殺すには役不足だ」


健人「うるさい!うるさいうるさいうるさい!!」ダッ

狼斗「…」ス

健人がナイフを突き出しながら走りてくる


狼斗「…悪いな」


狼斗「俺はまだ、死ぬわけには行かない」タッ


ガッ


健人「うわっ!」ドガッ


天地が縦に一回転し、背中に大きな衝撃が加わる。足払いをかけられ、背負い投げの要領で投げ飛ばされたのだと気づくのに数秒かかった


狼斗「…こんなものだ。お前の覚悟は、本気で殺しにかかってきたらこんなふうに受け流されたりはしない」

健人「この…」ギリ

狼斗「お前が俺を殺すことによって気が晴れるというのならそれもいい。だが、迷いながら殺して、結果お前は後悔しかしない。迷っている奴に無駄にくれてやる命ではない」


狼斗「俺はまだやることもある」


健人「やること…さっきの怪物退治とかか?」

狼斗「…見ていたのか」


どうやらそうらしい、先ほどのジェネシスとの戦いを見られていた


狼斗「そういうことだ。本気で俺を殺すことができないというなら帰れ」

健人「…にでも…るつもりか」

狼斗「?」

健人「英雄にでも…なるつもりか、お前のような人殺しが!英雄を、ヒーローを気取るつもりか!!」

狼斗「…そうだ。俺は英雄だ。親殺しをした、最低の英雄だよ」




俺、神狩狼斗と神狩健人は普通の家庭に生まれ、普通に育ったごく普通の兄弟だった

狼斗は良く言えばクール、悪く言えば口数少ないくらい性格で健人は良く言えば元気で明るい、悪く言えばやかましくうるさい性格だった

そんな似ても似つかない兄弟だったが仲は良かった。いや、家族全員何の綻びも無く仲良く平和に過ごしていた


しかし、平和の綻びなんて突然訪れるものだ。それも、一瞬の内に

あの日、家に帰ってくると両親の様子がおかしかった

父も、母も、狂ったように暴れ、周りにある物を手当たり次第に壊していた


「な、何…して、るの?」


幼い俺は恐怖を覚えながらもそう訪ねた。恐ろしくて、でも信じたくて…いや、非現実的すぎて何も考えれなかったのかもしれない

こっちを振り向いた両親は手が、顔が、部分的に化物と化していた


「グギャァアァアアア!!」

「ひっ!」


母が襲いかかってきた。俺は近くにあったハサミをまだ人間だった首に咄嗟に突き刺していた


「…狼斗…」

「かあ、さん…?母さんなんだね!母さん!!」

「ぐ…ぐぐぐ…」


一瞬正気に戻ったように見えた母だったがすぐに目から理性の光が消え、また襲いかかろうとしてくる


「…ああぁぁああ!」

「母さん!母さん!!」

「ぁぁぁ…聞き…なさい」


母はハサミが喉元に刺さったまま、血を流しながら焦点が合っているかもわからない瞳で俺を見据えて静かに言った


「お願い、殺して…」


そう、一言

俺には、それだけで十分だった


「ああぁぁああああ!!」


殺した。化物を、人を、母を


「…そうよ…死ななきゃ…いけない」



母を


俺の中で何かが壊れた。多分この時からだ。笑わなくなったのは

感情が希薄になったのは

不幸も幸福も感じない


正に、感情が零となった

健人「何がヒーローだ!何が英雄だ!!」

健人「お前はただの人殺しだ!!」


狼斗「…そうだな。否定はしない」


これでいいんだ。こいつは両親が怪物になって襲ってきたなどと知らない。俺が意味なく殺したと思っていればいい

それでいい。親を恨んでなんか欲しくない、俺だけを恨め

悲しみを、怒りで塗りつぶせ

俺は、思えばあの頃からジェネシスの存在を知っていた。今こうして戦っているのも運命か

その運命に弟までは巻き込めない

しかし、一つだけ気になるのは…母は殺してしまったが父が殺す前にどこかに消えてしまったということだ。ジェネシスの体を引きずって…


健人「…う、うぅ」

狼斗「どうした。怒りか?かかってこい、死んでやることはできないが、俺を傷つけることで気が済むのなら喜んで相手になってやる」

健人「ぅぅう…」

狼斗「?」


…様子がおかしい、この様子はまるで…


内なる何かが表に出てこようとしてきているかのよう


狼斗「まさか!」

健人「うぅ…力を、殺す、為の力を」

狼斗「だめだ!それを願うな!!」


健人「うわぁああぁあァァァァアアアアア!!」

ドッグジェネシス「ウゥゥ」

狼斗「…すまない」
                ・ ・
.忘れていた。この町にはこれがあることを


狼斗「…俺は、何をしているんだ」


母を殺し、人を殺し、ジェネシスを殺し、絶対に巻き込みたくなかった弟さえも俺のせいでジェネシスへと


ドッグジェネシス「オオッォオォオオ!!」

狼斗「…すまん、健人」


\チェンジスダンドアップ、スペシャルアイディー・・・/


狼斗「変身!」キュィイン


\・・・コード、ゼロ!!/


そして、また殺そうとしている


狼斗「俺は、何をしているんだ…」

ドッグジェネシス「グアアァァァアア」

狼斗「狼、いや犬か…そういやお前犬が好きだったな」

狼斗「よく狼と犬とどっちがかっこいいかで喧嘩してたな…やっぱり俺はシェパードよりも狼、犬でもせめてハスキー犬がいい」


無駄に大きく毛むくじゃらな健人、いやジェネシスを見据える


狼斗「せめて、あまり苦しまぬうちに殺してやる」


狼斗「…」


狼斗「始まりに還してやろう」

挿入歌
仮面ライダー555/The People With No Name
http://www.youtube.com/watch?v=r_uDgLeyhB8


狼斗「早速、使わせてもらう」チャ


歯車、いやウェポンギアを取り出し、ベルトに着ける


\ウェポンギア、チェック、ウェポンオンリーゼロ/


そして回す


キュィイン


\ゼロノスブレイド!/


狼斗の目の前、いやウェポンギアを着けたベルトの前に光の粒子が渦を巻き、剣の形へと変わり、やがて作られる


狼斗「これが、俺専用の武器」


それは、光の剣だった。白く光るエネルギー体の剣


ドッグジェネシス「ウオォォオオ!」

狼斗「お前は人間であった頃ただの犬だった」


ジェネシスが牙を見せて突進してくる


狼斗「人によっては愛玩犬ですらあったな」


よけずに剣で真正面から受け止める


狼斗「人間をやめてみてどうだ?」


狼斗「猟犬には、敵を咬み殺す猟犬にはなれたか!」


ガキィン


力を込めたゼロノスブレイドがジェネシスをはじき飛ばす

ドッグジェネシス「…オ゙ォ゙ォ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙ン」ドッ


ダッ


地に足を着くと同時に再び突進してくる


狼斗「ぐふっ…」

狼斗「そうだ…それでいい」

ドッグジェネシス「ガァァアアアア!!」

狼斗「がぁっ!」


腕を噛まれる。ライダースーツがなければ既に折れているだろう


狼斗「生憎…丈夫なものでな」

狼斗「そして、生まれてすぐで悪いが」


狼斗「お前の命はここまでだ」

噛まれてない方の腕でベルトについている歯車を回す


狼斗「始まりに還り」キュィイイン


\リソレーションリストレイション/


狼斗「終われ」


\ゼロノスブレイド、ライダーストライク/


グシャ


「ユル…サn…」



ザァァアア


ゼロノスブレイドで貫かれたジェネシスは白く光り、細かい灰となって崩れ落ちた

そしてやがてサラサラと空気に溶けるように消えていった


狼斗「分解と還元…か」

狼斗「…やはり、猟犬には最後までなることができなかったな」



\チェンジアウト/キュイィ・・・ン







狼斗「…愛玩犬が」





狼斗「…お前ら何をやっている」

神奈「バトライド・ウォーだけど?」

狼斗「勉強はどうした」

みか「飽きたんだよ~」

狼斗「…やっぱり」

隣町


鷹慧「…っ、なかなか熱い歓迎だなぉい!変身!!」


\チェンジスタンドアップスペシャルアイディ、コード・・・ファイナル!!/


周りを大量のジェネシスに囲まれた状態にある。しかしその顔はらんらんと輝いていた

でばn…もとい沢山のジェネシスを殺せることに喜びを感じている

                        ファイナル
鷹慧「かかってこいよぉ、仮面ライダー終焉である俺様が」


鷹慧「お前らの命終焉に導いてやるぜぇ!!」


天に吠えるようにそう言ってウェポンギアを取り出す


キュィイン


\ウェポンギアチェック・・・ファイナルガントレット!!/


鷹慧「せいぜい楽しませろよ。おい!!」


バン


一発目を真正面に迫るジェネシスに撃ち込む

鷹慧「そんなもんか!俺をもっと楽しませろ」


二丁拳銃を良いように使いこなし、何体も何体も風穴を開けてゆく


鷹慧「ふはははは!雑魚どもがァ!!」


ばん、ばん


銃声と沢山の怪物の悲鳴が聞こえる


 パスワード
「暗号、"ルシファー"」

 パスワード
「暗号、"アラクネ"」

 パスワード
「暗号、"オシリス"」

 パスワード
「暗号、"クトゥルフ"」

 パスワード
「暗号、"ティンダロス"」


次々とジェネシスたちが進化する



鷹慧「待っていたぞ。これでようやく少しは楽しめる!!」

銃を撃ち続けるが中々当たらない


鷹慧「ちっ」ギュィイン


\ウェポンギア、チェック、ファイナルクラッシュブレイド/


鷹慧「来いよ、接近戦だ」


ドドドドと地響きを立てて大量の怪物が襲ってくる


鷹慧「ぉ゙ぉ゙お゙お゙ぉ゙お゙お゙お゙お゙!!」


切りつけ、叩きつけ、指し、貫き、まだだ、まだ足りねぇ


\アクションギア、チェック、FFアタック/


\ファーストアタック/

\セカンドブレイクラッシュ/

\サードリミテッドブレイク/

\フォースインパクトストライク/



\ファイブファイナルアタック/


まだだ、まだ数が減らない!


鷹慧「くそがあっ!!」ギュィイン


調子に乗り過ぎて敵が多過ぎるところに来ちまったか


鷹慧「負けねえんだよぉ!!」


力が欲しい、もっと強く!もっと高みへ!もっと楽しむ為に!!


- …力を望むか -

鷹慧「っ!?」


- …力を望んだな -


なんだ、この心の底から響いてくるような声は


- 俺様に体をよこせ、与えてやろう -


ふざけるな…俺は俺のチカラで…


- …このままじゃ死んじまうぜ?最強を目指したいんじゃなかったのか? -


得体の知れない力なんかを…誰が


- 得体が知れない? -

- …俺は -

- お前じゃないか -


…ジェネシスの気配、周りにいすぎて気づかなかったが俺の中に…ジェネシスの気配が


- お前が望んだ力、くれてやるって言っているんだ -


…俺は



続く

次回予告


open your eyes for the zero to zero and start to end's



「私はそのベルトを作ったものです」

    始まり
全ての零にはエピソードがある


「話しましょう。全て」


今明かされる物語


「全ては、仕組まれた運命です」


始まり、終わり、歴史、運命


そして


鷹慧「…これが、ジェネシスの力!」


力を追い求めた鷹は力に溺れるか


狼斗「…おもしろい」


零に生まれ、零に向かい進む始まりと終わりの仮面ライダーよ

全ての始まりを知るがいい


            ゼロ
次回、仮面ライダー零第08話「零、始まりに至った物語」

>>178
1ヶ月で何も書き込まないとそうなり
2ヶ月1がかきこまないとなる

>>179-180
さんきゅ


始める


とりあえず>>1にハッピィィバァアスデェェエエィィイイ!!

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神奈「狼斗!」

狼斗「始まりに還り」キュィイイン


狼斗「終われ」


\ライダーキック、ゼロフィニッシュストライク/


ハエジェネシス「ギャアアアアア!」


\チェンジアウト/キュィィ・・・ン





神奈「やったな狼斗」

狼斗「雑魚だ。俺の敵には物足りない」


それにしても、何故ジェネシスたちは神奈を狙う

何度目かもわからない疑問が再び沸く


狼斗「神奈、本当に何も知らないんだな?ジェネシスのことについて」

神奈「いきなりなんだよ?あたしは何も知らないぜ?」

狼斗「そうか…」





狼斗「誰だ!」

「まぁそう身構えないでくれ、私は人間だ」

狼斗「そうか、何か用か?」

「うむ、私はね。君がしているそのベルト、その秘密を知る者です」

狼斗「何?」

神奈「おい狼斗、コイツ怪しいぜ」

狼斗「…いい、言え」

「はい、今明かしましょう。話しましょう。全て」

        ゼロ
仮面ライダー零第08話「零、始まりに至った物語」

「私はそのベルト、ゼロギアの開発責任者です」

神奈「へぇ、これって人が作ったものだったのか」

狼斗「これの出生などどうでもいいがな。俺は戦うだけだ、それさえあればいい」

「いえ、必要なことです。あなたは知らなければなりません。全ては最初から仕組まれていた運命なのですから」

狼斗「…」

「次に先ほどのあなたの言葉ですが」


どうやら神奈に言っているようだ


「そのベルトは人が作ったものではありますがそれは半分にもなりませんです。確実に人知を超えたものが作ったものなのです」


狼斗「ほぉ、面白いじゃないか」

「もともと私たちの工場はちょっとした機械を作る中小企業でした」

「ある時、声を聞いたのです」

「その声はこう言いました。怪物と戦わなければならぬ時がもうすぐ来る、備えなければならない」

神奈「それがこのベルトか?」

「はい、そのベルトはその声にしたがって描いた設計図を基に作った第一号でした」

狼斗「…なら奴の、ファイナルのベルトは?」

「それも私どもが作りました。最後のベルトとして」

狼斗「他にはベルトはあるのか?」

「いえ、ゼロとファイナルの間にたくさんベルトは作ったのですがどれも失敗作でした。そして最後、これが失敗ならもう製造をやめようと思ったときにできたのがあれなのです」

「多分…そこまで"彼"の予定通りだったのでしょう」

狼斗「何故それを俺と奴に?」

「"彼"に支持されたからです。ゼロギアを私の社の隣の公園で寝ていたあなたに」

「ファイナルギアはいつの間にか消えていたした。しかしきちんと届いているようで安心しましたよ」

神奈「…何者なんだ」

「そればかりは何とも…」

狼斗「他には無いのか?」

「…………零、終焉、歴史、運命」

「仮面ライダーは全部で4人います。曰く、零、終焉、歴史、運命」

「それぞれを司る者たちが怪物と戦い、新たな世代を作るのだそうです」

「運命によって導かれ歴史の上に立つ新たなる世代、終焉が前の世代に幕を下ろし零が新たなる世代の始点となる。といった所ですかね。これは私の考えですが」

狼斗「それもお前が作るのか?」

「いえ、私はあれから何も言われません。多分他のところで…もしかしたらすでに作られているのかもしれません」

狼斗「…ジェネシスについては何も知らないのか?」

「残念ながらそれが何を示しているのかすら」

神奈「ベルトを作らされただけなのか」

「はい…」

「そしてベルトの変身について…あなたもすでに知っているかもしれませんがベルトは変身者を選びます」

狼斗「あぁ、一度警察の奴が変身しようとして拒まれたのを見た」

「ただ、それに変身するための条件はたった一つなのです」

「感情が零であること」

神奈「感情?」

「何も考えてないということではありません。決して喜ばず、決して怒らず悲しむことも楽しむことの無い、喜怒哀楽が無い者のみ変身する資格が得られます」

狼斗「…プラスでもマイナスでもなく、ゼロ」

「はい、感情がプラスにもマイナスにも傾くことの無い者。今の時代、それはあなたしかいません。だからほぼ貴方専用といってもいいでしょう」

狼斗「………気に食わん」

「…はい?」

狼斗「…気にするな」


運命か、それではまるで…

俺が感情をなくすこともすでに運命として仕組まれていたかのようじゃないか

…そのきっかけとなった家族の死をも…

カオスジェネシス「サヨナラダ」


ズガアァァン!!


場面は変わってとある廃墟の地下


クロコダイルジェネシス「………?」


あれ?まだ僕は生きている。こいつによって…殺されたはずなのに…


カオスジェネシス「…」

クロコダイルジェネシス「え?」


攻撃が、外れた?


カオスジェネシス「…気ガ変ワッタ」

カオスジェネシス「アナタニハモウ少シ生キテモライマス。少シ」



神崎影士「少し、面白いことになりますよ。すぐに」


人間の姿に戻ると神埼はどこかへ立ち去った


ドサ


慶太郎「ハァ…ハァ…もう、寝よう」


その場に倒れ、死んだように眠った。一応は終わったのだ


一応は

再び場面は変わり、朝倉鷹慧


- お前が望んだ力、くれてやるって言っているんだ -


…俺は


いいだろう


-望むか-


あぁ、望んでやろう


よこせ、俺の中のジェネシスよ


その力


使ってやる

ハァ…ハァ


鷹慧「貴様ら、よくも俺をここまで追い詰められたものだ」


ライダースーツも傷つき、ボロボロになっている

血も流れ、体中が痛む


鷹慧「久々だ。ここまでの怒りはよぉ!あぁ、楽しいなぁ。おい」


鷹慧「ぶっ殺してやるよ。てめえら全員なぁ!!」



ギュィィイイン



手に始めて使うギアを握る


鷹慧「見せてみろ、その力」


\メタモルギア、チェック/


\メタモルフォーゼ、カメンライダーファイナル/



\ビーストフォーム/



そして現れるは、終焉の鷹

挿入歌
仮面ライダーアギト/stranger in the dark
http://www.youtube.com/watch?v=n32ReRmOvf8


白銀のと黒のボディ、背中から巨大な金属製の黒い羽が生えており、手足には猛禽類を思わせる鉤爪がついている


鷹慧「…なるほどなぁ」


ジェネシスたちが襲ってくる


鷹慧「オラアッ!」


鉤爪のついた足で一匹を引き裂く


鷹慧「次はどいつだぁ?」ダッ


一番近くにいたジェネシスを爪で引き裂く


ジェネシス「キュロロロロロ」

鷹慧「ひゃははあ、当たんねえなぁ」


触手をかいくぐり、顔面と思わしき部位をえぐる


フェニックスジェネシス「ォオォオオオオ」


空か、ここからが本領発揮だぁ

フェニックスジェネシス「ニンゲンガァアアア!」

鷹慧「…雑魚がぁ」タッ


ギュィイイン


空高く飛び上がり、アクションギアをセットして回す


\アクションギア、セット/

\ホークフライウィング/


巨大な機械仕掛けの羽を羽ばたかせ、空に飛び上がる

体を捻り、狙いを定める


\ライダーキック/

\デッドエンドフィニッシュビーストクラッシュ/


フェニックスジェネシスを貫き、二三体を巻き込んで爆発四散させる


鷹慧「いぃ、良いぞ!これがジェネシスの力かぁ!!」


これでもっと楽しめる。この怒りを、収めるときが来るかもなぁ


鷹慧「来いよ雑魚ども、俺はまだまだ満足してないぞ」


鷹慧「ひゃぁははははは!」


_____
___
_

とある普通の家庭、その一部屋にて


少年「ふぅ、今日も疲れたなぁ」


あれ?


少年「なんだこれ、ベルト?」


俺の机の上に機械的なベルトが一つ置いてあった。大きさ的に俺にぴったりだった


少年「…」


何故かそれを腰に巻いてみたいと強く思った


少年「………変身」キュリィイン


\チェンジ、スタンドアップ/

\スペシャルアイディー、コード/



\クロニクル/





続く

次回予告


神奈「ひ、ヒーローにだって休息は必要だよ?」

狼斗「…で?」

神奈「だ、だから…そ、その…遊園地に、だな…」


狼斗(…どうしてこうなった)


何故か二人で遊園地に行くことになった狼斗と神奈


しかし


シャドウジェネシス「そうですね。黒幕のようなものです」


ヒーローに休息などは無い

さぁ


狼斗「始まりに還してやろう」


戦え、英雄よ



神奈「…こんなにも、好きなのに」

狼斗「俺に…幸せになる資格など無い。決して」


そう、戦え、全てを捨てて


狼斗「俺には何もない、ただ一つ戦い続けることしか」


それが唯一の生き様


シャドウジェネシス「さぁ、面白くなるのはここからだ!」


それが、運命


次回、仮面ライダー零


神奈「こんなに…ジェネシスが」


第09話「守るべき世界、守るべき人、戦うべき運命」

今日はきりよくここまでです。次は未定ですがこんかいほど空きはしません(多分)

あぁ、鎧武が楽しみでたまらないぜ

>>196訂正


巨大な機械仕掛けの羽を羽ばたかせ、空に飛び上がる

体を捻り、狙いを定める



鷹慧「さぁ雑魚ども、終焉に導いてやるよ」



\ライダーキック/

\デッドエンドフィニッシュビーストクラッシュ/


鷹慧「終われぇ!」


フェニックスジェネシスを貫き、二三体を巻き込んで爆発四散させる


鷹慧「いぃ、良いぞ!これがジェネシスの力かぁ!!」


これでもっと楽しめる。この怒りを、収めるときが来るかもなぁ


鷹慧「来いよ雑魚ども、俺はまだまだ満足してないぞ」


鷹慧「ひゃぁははははは!」

せっかく設定した決め台詞を忘れるとは不覚だった。まだまだ更新は未定

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