あずさ「花嫁修行」(241)

あずさ「私が運命の人を探しているのは知っていますよね?」

P「その人のために……ですか?」

あずさ「やっぱり運命の人と結ばれたら一緒に暮らしていくじゃないですか」

P「まぁ、いずれはそうなるんでしょうね」

あずさ「そうなった時にその人の支えになりたいんです」

P「偉いですね、あずささんは」

あずさ「偉い……ですか?」

P「ちゃんと先を見据えているってことです」

あずさ「そんな大したものでもありませんよ」

P「そうだとしても、何も考えていない俺よりは偉いですよ」

あずさ「プロデューサーさんは、何か考えていないんですか? その、将来のこととか……」

P「そうですね……。こう毎日が忙しいと遠い先のことより、明日のスケジュールのことを考えてしまいますよ」

P「でも、自分の将来か。765プロのみんなをトップアイドルにしたら俺はどうするんだろう」

あずさ「決めていないんですか?」

P「それが全く。ここでプロデューサーをやり続けるか、あるいは他の事務所に就職してそこのアイドルプロデュースするか」

あずさ「えぇっ! プロデューサーさん、辞めてしまうんですか?」

P「どうなんでしょうね。頂点に連れて行ったら、後は俺がしてやれることなんて多くもないですから」

P「仕事にやりがいがなくなれば……」

あずさ「プロデューサーさん……」

P「なーんて、いまだ誰ひとりとしてトップアイドルにしてないのに何言ってるんでしょうね」

P「アハハハ!」

あずさ「プロデューサーさんは、自分の将来のイメージってありますか?」

P「イメージですか、俺は自分の将来のことは考えて」

あずさ「そうではなくて……う~ん、そうですね」

あずさ「将来はこうでありたい……と言った願望でしょうか」

あずさ「そういうのは、ないんですか?」

P「願望……ですか」

あずさ「はい……」

P「……」

あずさ「プロデューサーさん?」

P「あるには、あるんですけど……」

あずさ「けど?」

P「その、恥ずかしくて言えないというか」

あずさ「大丈夫です。私、笑ったりなんかしませんから」

P「本当ですか?」

あずさ「本当です」

P「……」

P「俺は……俺の大切な人と一緒に過ごしたいです」

P「その人のおはようで1日を初めて、その人のおやすみで1日を終える」

P「裕福じゃなくてもいい、ただ二人で寄りそって、笑っていられたらそれでいいような気がして」

P「優しいっていうか、暖かいっていうか……とにかく、そういうのが俺の将来に対する願望ですね」

あずさ「……」

P「変ですか。男がこんな乙女チックなことを考えるのは?」

あずさ「いえ、とても、とても素敵だと思います」

あずさ「私も、いつか運命の人とそういう関係になりたいです…… 」

P「あずささんならなれますよ」

あずさ「そうですか?」

P「もちろんです。あずささんは暖かい人ですから」

P「一緒にいるだけで、一緒にいる相手も優しい気持ちになれますよ」

P「俺がそうでしたから」

あずさ「……///」

あずさ「あの……プロデューサーさん」

あずさ「プロデューサーさんは、大切な人とさっき言ったように過ごしたいんですよね」

P「はい、俺の願望です」

あずさ「でも、プロデューサーさんのお話ってすこし漠然としていませんか?」

P「まぁ、所詮はイメージですからね」

あずさ「なら、そのイメージを体験すればもっと具体的なイメージをもてるんじゃないですか?」

P「そうですね。でも、そういう相手もいませんから……」

あずさ「それなら、私が相手で体験してみるのはどうですか?」

P「えっ……あずささん、それって」

あずさ「……」ジィ

P「流石にマズいですよ。アイドルが男の家に上がり込むなんて」

あずさ「で、でも……プロデューサーさんも自分の将来に対して具体的なイメージは必要ですよね?」

P「それは……まぁ……」

あずさ「私も運命の人のためにしている花嫁修行、一度男の方であるプロデューサーさんに見てほしいですし」

P「予行練習みたいなものですか?」

あずさ「はい……」

あずさ「どうでしょうか、プロデューサーさん。これ、お互いのためになると思うんです」

P「……」

P(あずささんの提案、プロデューサーとしては絶対に受け入れてはいけないものだ)

P(でも……)

あずさ「……」

P(こんな顔されて、断ったらどんな顔するかわかったもんじゃない。ただ、俺が罪悪感でいっぱいにはなることだけは予想がつくな)

P「……俺って、甘いのかもしれませんね」

あずさ「はい?」

P「何でもありません……」

P「あずささん、俺の将来の具体的なイメージを固めるために協力してくれませんか?」

あずさ「プロデューサーさん!」

P「はい、よろしくお願いします」

あずさ「いえ、こちらこそ。私のワガママなのに……」

P「気にしないでください。俺がそうして欲しいだけですから」




P「そうなるとあずささんは、俺の大切な人になるんですか?」

あずさ「は、はい。プロデューサーさんは私の……」

P「う~ん、それならいいかな。あずささんなら心配ないだろうし」

あずさ「?」

P「ちょっと、待ってください。え~と、確か鞄のこの辺に……おっ、あった」

P「あずささん、これ渡しておきますね」

あずさ「……っ!」

あずさ「プロデューサーさん、これ!」

P「なくさないでくださいよ。スペアはそれしかありませんから」

あずさ「……」

あずさ(プロデューサーさんの鍵……)

あずさ「あの、プロデューサーさん。いいんですか?」

P「悪用するつもりなんですか?」

あずさ「そんなことは、絶対にしません」

P「なら、良いじゃないですか」

あずさ「でも……」

P「気を使ってくれるなら」

スッ……

あずさ「!」

バッ!

P「手を引っ込めないでくださいよ……」

あずさ「あぅ……こ、これは」

あずさ「あの、やっぱりこれお借りしていいですか?」

P「俺は、最初からそのつもりなんですけどね」

あずさ「そ、それより……いつから私はプロデューサーさんの家に行けばいいんですか?」

P「別にいつでもいいですよ。常識の範囲であれば」

あずさ「はい、わかりました」

P(そういえば、あずささん俺の家を知っていたっけ?)

P(まぁ、いいか……。来れないなら来れないで、起きるかもしれない問題も起きずに済むわけだし)

数日後……

P「あずささんはまだ、俺の家に来ていない」

P「まぁ、見つけられていないの方が正しいか」

P「問題が起きないんだから、喜ばしいことじゃないか」

P(とは言え、やっぱり期待してしまうのが男の性なわけで)

P「明日は、オフか。久しぶりに昼までゆっくりと寝ていられる」

P「おやすみ……」

P「……」

……ん

P「……」

……さん

P「……んっ」

プロデューサーさん……

P「……んんっ」

起きてください、プロデューサーさん

P「うっ……休みの日くらい昼まで寝かせてくれよ」

?「ダメですよ。そんなことは」

P「んっ?」

P「……春香?」

?「……」

ギュ……

P「イテテテ! 痛い、痛い!」

?「……」

P「何も頬を抓らなくてもいいじゃないですか……」

P「あずささん……」

あずさ「起きましたか、プロデューサーさん?」

P「それはもう……」

P「それより、あずさだん……どうやってここに」

あずさ「プロデューサーさん、朝ご飯出来てますから」

あずさ「はやく着替えて、来てくださいね」

P「はぁ……」

あずさ「そうでした……大事なことを言い忘れるとこでした」

P「大事なことですか?」

あずさ「プロデューサーさん、おはようございます」

P「……」

P「えぇ、おはようございます、あずささん」

P「でっ、実際どうやって来たんですか?」

あずさ「何のことですか?」

P「あずささんのことですからてっきり迷子になって俺の家に来るの諦めていたかと思ってましたよ」

あずさ「迷子には、なっていましたよ」

P「そうなんですか?」

あずさ「それは、もう何度も」

P「ちゃんと帰れたんですか、迷子になる度に」

あずさ「迷って迷って迷い続けたら、知ってる道に出たりしましたから」

P「随分と遠回りな帰り道ですね」

P「それじゃあ、俺の家も迷子の末に?」

あずさ「はい……プロデューサーさんの住所は知っていたんですが」

P「えっ……何で知ってるんですか」

あずさ「えぇ……え~と、それは」

P「事務所にある履歴書、見たんですか?」

あずさ「たまたまですよ。事務所に置いてあった書類があったから、何かなって見てみたらプロデューサーさんの……」

P「はぁ……個人情報の保護も何も無いですね」

あずさ「すみません、プロデューサーさん」

P「別に怒ってはいませんよ。それは事故みたいなものですし……」

P「それにしても……」

P「まぁ、よくこれだけ作りますね」

あずさ「そうですか?」

P「おかずがちゃんとある辺り、感動を覚えます」

P「俺の朝は、白飯と漬け物ですから」

あずさ「プロデューサーさん、そんな昔の人みたいな食事をしていたんですか?」

P「たまに卵がつきますよ」

あずさ「……」

P「すみません……」

P「でも、朝ってあんまり時間がないじゃないですか」

あずさ「それは、そうですけど……」

P「日によっては、食べない日もありますから」

あずさ「よく体がもちますね」

P「俺は、あずささん達の仕事を見ているだけですから。後は、仕事を取りに行くくらいです」

P「あずささん達アイドルみたく、撮影でずっと止まったり、レッスンで体を動かすわけでもないですから」

P「ごちそうさま……」

あずさ「お粗末様でした」

P「あずささん、仕事の方は?」

あずさ「いえ、ありませんよ」

P「そうですか、どうせなら送って行こうと思ったんですけど」

あずさ「あの、プロデューサーさん……今日はお仕事が無いはずでは?」

P「今後のために、やらなければならない仕事はありますから」

P「家だとだらけてはかどらないから、事務所で仕事を進めようと思って」

あずさ「そうですか……」

P「それでは行って来ます」

あずさ「プロデューサーさん、ハンカチ、ティッシュ持ちましたか?」

P「はい」

あずさ「定期はありますか?」

P「バッチリです」

あずさ「あっ、プロデューサーさん……」

あずさ「ネクタイ、曲がってますよ」

P「あっ、ありがとうございます」

あずさ「ふふっ、プロデューサーさん、かっこいいですよ」

P「……行ってきます」

あずさ「はい、行ってらっしゃい」

あなた……

事務所

P「……」

P「……」

P「ふぅ……」

P「何だ、もうこんな時間なのか……随分と集中してたな」

P「朝ご飯をちゃんと取ったからかな」

あずさ「お疲れ様です、プロデューサーさん」

P「あずささん……来てたんですか。家で待っていても良かったのに」

あずさ「プロデューサーさんに、お弁当を渡してませんでしたから」

P「そこまで、気を使わなくても……」

あずさ「プロデューサーさん」

P「わかってますよ……」

P「いつからいたんですか?」

あずさ「1時間くらい前からです。プロデューサーさん、ちっとも気づきませんでした」

P「す、すみません。仕事に集中していたもので……。あずささんも声のひとつでもかけてくれても良かったのに」

あずさ「本当は声をかけようと思ったんですけど、プロデューサーさん、とても熱心に仕事をされてましたから」

あずさ「声、かけるの悪いと思って……」

P「それで、1時間も俺のこと見ていたんですか?」

あずさ「はい……」

P「つまらなかったでしょう。男の横顔なんて」

あずさ「そうでもないですよ。普段とは違ったプロデューサーさんの一面を見れました」

P「はぁ……よくわかりませんね」

あずさ「ふふっ……」

P「それじゃあ帰りましょうか」

P「弁当、美味しかったですよ。弁当箱、洗って返しますね」

あずさ「はい……」

P「送ってきますよ」

あずさ「プロデューサーさん。私の荷物、プロデューサーさんの家ですよ」

P「おっと、そうでした」

P「それじゃあ、一緒に帰りましょうか。あずささん」

あずさ「は~い」

P「到着……っと」

あずさ「私が開けますね」

P「ちゃんと閉めてきたんですね」

あずさ「プロデューサーさん。それ、どういう意味ですか?」

P「あずささん、結構うっかりさんですから少し心配していました」

あずさ「もう、ヒドいです。プロデューサーさん」

P「ただいま」

あずさ「お帰りなさい」

P「……」

あずさ「どうしたんですか、プロデューサーさん?」

P「いえ……普段はただいまなんて言っても返ってくることなんてありませんから」

あずさ「寂しかったんですか?」

P「そうかもしれませんね。一人で生活していると、たまに……」

P「だから、こうやってお帰りって返してもらうと何だか嬉しくて……」

P「誰かに迎えてもらうって、こんなに良いものなんですね」

あずさ「そうですね……。私も誰かを迎えるって何だか嬉しかったです」

あずさ(それは、きっとプロデューサーさんが相手だから)

P「お互い、ここまで一緒に来ましたけどね」

あずさ「ふふっ、そうですね……」

P「へぇ……」

あずさ「どうしました、プロデューサーさん?」

P「薄紫、スミレ色って言うんですか……そのエプロン、似合っていますね」

あずさ「あっ、ありがとうございます」

P「あずささん、夕飯は何を?」

あずさ「それは、出来てからのお楽しみです」

P「肉じゃがですか……」

あずさ「嫌いでしたか?」

P「いえ、むしろ好物ですよ」

あずさ「よかったです~」

P「いただきます……」

あずさ「はい、どうぞ……」

P「美味しいですね」

あずさ「本当ですか?」

P「それはもう……こういう暖かみのある料理は久しぶりです」

P「こう、ホッとしますね……安心感っていうか」

あずさ「気持ちを込めて作りましたから」

P「料理は愛情ですか?」

あずさ「はい……」

P「あずささんの愛情が詰まった肉じゃが、美味しいわけです」

P「あずささん、そろそろいい時間ですね」

あずさ「はい、そうですね。それじゃあ……」

P「家まで送っていきますよ」

あずさ「えっ?」

P「えっ?」

あずさ「……」

P「……」

あずさ「プロデューサーさん、いい時間ってお風呂じゃないんですか?」

P「いやいや、あずささん。もう22時回ってますよ。帰りましょうよ」

あずさ「でも……まだ」

P「流石に寝泊まりは……」

あずさ「大丈夫です~、プロデューサーさんならきっと」

P「何を根拠に!?」

あずさ「プロデューサーさんは、私のことをヒドいことするんですか?」

P「そんなことはありません。優しくします!」

あずさ「ぷ、プロデューサーさん!?」

あずさ「……///」

P「あっ……今のは売り言葉に買い言葉で。決して、そういう意味では」



あずさ「プロデューサーさん……私」

P「……」

あずさ「……」

P「さて、風呂、風呂……」

あずさ「……むぅ」

P「危なかった」

P「しかし、どうするか……」

P(このままじゃあ、間違いが起きそうで怖い……)

P(かと言って、あずささんがこのまま帰ってくれるとも思えないし)

P「そうなると……」

P「我慢するしかないよなぁ……」

P「……」

あずさ「……」

P「あの……あずささん」

あずさ「はい……」

P「俺、床で寝ますから。ベッド使っていいですよ」

あずさ「そんな悪いです……」

P「あずささんを床に寝かせる方がもっと悪いです」

あずさ「そうです!」

P「どうしたんですか……」

あずさ「プロデューサーさんも、ベッドで寝ればいいんですよ~」

P「……いや、だからそれがマズいから俺が床で」

あずさ「私、狭くても平気ですよ」

P「そういう問題じゃなくて……」

あずさ「私と一緒じゃあ、嫌なんですか?」

P「……」

P「今晩だけですよ……」

あずさ「プロデューサーさん……」

P(アイドルと一緒に寝るとか、俺プロデューサーに向いてないかもしれない)

あずさ「プロデューサーさん……」

P「はい……」

あずさ「もうちょっと寄らないと、プロデューサーさん、ベッドから落ちてしまいますよ?」

P「大丈夫です。俺は普段この位置で寝ていますから」

P(そんなわけないけど……)

あずさ「……」

あずさ「それなら、私、もうちょっと寄ってもいいですよね?」

P「えっ?」

あずさ「よいしょ……っと」

P(近い……もの凄く近い)

P(それはもう、互いの吐息が顔にかかるほどに)

あずさ「ふふっ……」

P(何で、あずささんこんなニコニコしていられるんだろう)

あずさ(プロデューサーさん、顔が真っ赤でかわいい……)

あずさ「……」

P「……!」

P(あずささん……俺の手を握って)

あずさ「プロデューサーさん、おやすみなさい」

P「えっ……あっ、はい。おやすみなさい」

あずさ「……」

P「……寝るの早っ」

P「でも、まぁ……俺が変に緊張してただけか」

P「俺も寝よう……」

P「おやすみなさい、あずささん」

P「……」

あずさ「……」パチッ

あずさ「プロデューサーさん。私はよかったんですよ……」

あずさ「……」

あずさ「意気地なし……」

あずさ「でも……」

あずさ「今はこれくらいの方がいいのかもしれません」

あずさ「……腕、借りますね」

あずさ「ふふっ、プロデューサーさんの腕枕……」

あずさ「おやすみなさい、プロデューサーさん」

P「……」

P「んっ……よく寝た」

P「あずささんが、いない……帰ったのか」

P「朝ご飯、食べるか。昨日のあずささんの肉じゃが残ってるだろうし……」

P「……テーブルにしっかり用意されてる朝ご飯」

P「甲斐甲斐しいな……」

P「いただきます」

P「……」

P「……」

P「何でだろうな。一人でご飯を食べるなんて当たり前だったのに、妙に寂しい」

P「俺にとって、あずささんがそれだけ大きい存在だったってことか……」

P「行ってきます」

P「シーン……」

P「……さっさと仕事いくか」

P「今日のスケジュールは……っと」

P「今日の仕事も終了」

小鳥「お疲れ様です、プロデューサーさん」

P「音無さんもお疲れ様です」

P「そうだ、あずささん見ませんでした?」

小鳥「あずささんですか? いえ、見ていませんよ」

P「そうですか……」

小鳥「あずささんがどうかしたんですか?」

P「ちょっと、俺のカ……」

小鳥「カ?」

P「レーが美味しく出来たので、今度ごちそうしようかと」

小鳥「そうなんですか。そういえば、プロデューサーさんは昨日あずささんからお弁当もらってましたね」

P「覗き見なんて趣味が悪いですよ」

小鳥「とても入り込めるような雰囲気じゃなかったですから」

P「そうですか?」

小鳥「そうです!」

P「まぁ、いないならいないでいいか……」

小鳥「あずささんに伝えておきましょうか?」

P「そこまでしてもらわなくてもいいですよ。連絡くらい出来ますし、それに会おうと思えば会えるわけですし」

小鳥「それもそうですね……」

P「じゃあ、俺あがりますね。お先に失礼します」

小鳥「プロデューサーさんのカレー。今度、私にもごちそうしてくださいね」

P「覚えておきます……」

P「ただいま……」

P「……」

P「いるわけないよな」

あずさ「お帰りなさい、プロデューサーさん」

P「幻聴まで聞こえ……」

あずさ「……」ニコニコ

あずさ「お帰りなさい、プロデューサーさん」

P「……」

P「ただいま、あずささん」

ぴよぴよ
きーくんひよこじゃないぴよ

あずさ「すみません、連絡もなしに」

P「驚きましたよ」

P「でも、何でまた俺の家に来たんですか?」

あずさ「それは……」

P「あずささんは、どこにお嫁に出しても恥ずかしくないですよ。昨日、一緒にいて俺はそれを実感できました」

P「だから、俺の家にきて成果を見せなくてもいいですよ」

あずさ「……」

あずさ「プロデューサーさんは、どうでしたか?」

あずさ「私と1日を過ごして……」

P「そうですね。今日1日、朝からあずささんがいないだけで何か違いました」

P「可笑しいですよね。一人が当たり前だったのに」

あずさ「……」

P「でも、あずささんが俺にお帰りって言ってくれた時……」

P「俺には、あずささんが必要だなって思いました」

あずさ「ぷ、プロデューサーさん……」

あずさ「プロデューサーさんは、どうでしたか?」

あずさ「私と1日を過ごして……」

P「そうですね。今日1日、朝からあずささんがいないだけで何か違いました」

P「可笑しいですよね。一人が当たり前だったのに」

あずさ「……」

P「でも、あずささんが俺にお帰りって言ってくれた時……」

P「俺には、あずささんが必要だなって思いました」

あずさ「ぷ、プロデューサーさん……」

大事なことなので2回(ry

P「あずささん……」

P「あずささんの花嫁修行、俺の元で活かしてくれませんか?」

あずさ「……」

あずさ「不束者ですが、よろしくお願いします。プロデューサーさん」

キタ─wwヘ√レvv~(゚∀゚)─wwヘ√レvv~─ !!

あずさ「プロデューサーさん。あの、カギ……」

P「いいですよ。あずささんに差し上げます」

P「贈り物にしては、ちょっとあれですが……」

あずさ「いえ、とても素敵な贈り物です」

P「そうですか。なら、大事にしてくださいね」

あずさ「はい……」

P「なくさないでくださいよ」

あずさ「大丈夫です。その時はプロデューサーさんから、またいただきますから」

P「カギ代は、請求しますからね」

あずさ「ふふっ……」

数週間後……

あずさ「プロデューサーさん。ゴミ出してくれましたか?」

P「はい、しっかり出しときました」

あずさ「ありがとうございます」

P「すっかり同棲状態ですね」

あずさ「そうですね。今は私の家よりプロデューサーさんの家にいる方が多いですね」

P「俺の家に、あずささんのもの増えましたね」

あずさ「2つのコップ、2つのお箸、2つの歯ブラシ……」

P「ベッドは、1つですけどね……」

あずさ「ぷ、プロデューサーさん!」

P「まぁ、そろそろ買い換えてもいいと思いますけどね」

あずさ「でも、大きいベッドを買ってしまうとプロデューサーさんと寄り添って眠れないです」

P「それなら、平気ですよ」

グイッ

あずさ「きゃっ!」

P「大きさなんて関係ありません。俺たちはいつでも、こうやって寄り添えますから」

あずさ「……///」

そろそろ終幕か?

あずさ「ぷ、プロデューサーさん。そろそろ行かないと今日は早いんですよね?」

P「おっと、そうでした。こういうことは家に帰ったあとでも出来ますからね」

あずさ「もぅ……プロデューサーさんたら」

P「それじゃあ、行ってきます」

あずさ「あっ、待ってください。プロデューサーさん、ネクタイ曲がってますよ」

P「えっ、でもさっきあずささんが……んっ」

あずさ「……」

P「……」

あずさ「ふふっ、さっきのお返しです」

P「3倍返しされてしまいましたね」

あずさ「ふふっ……」

いってらっしゃい、Pさん……


fin

乙でした

うらやまけしからん

しかし、お前らよく保守したな。正直、昨日寝落ちした時点で落ちてると思ったのに。
訓練されているんだな。

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