妻「再婚相手の夫がショタコンかもしれない……」(337)

妻「まさか、でも……」

妻「彼は優しい人だし、結婚してからもう8年も経つし……」

妻「彼との間にも子供もできてるけど……」

妻「怪しい……」

妻「第一にして私の連れ子に優しくしてくれたのは嬉しいけど……異常にスキンシップしてたし……」

妻「……」

妻「あの時だって……」


弟「パパー! 遊園地いきたーい!」

夫「おお、そうかそうか。それじや遊園地行くか」

兄「は? ちょっと待ってよ。今日は映画館行く約束だったじゃん」

夫「え? あ、ああ……でも弟もこう言ってるし」

弟「いきーたいいきたいいきたいいきたいいきたいいーきーたーいー!」

兄「関係ないだろ! 先に約束したのは俺じゃないか!!」

夫「ま、まぁまぁ……映画館なんていつでも……」

兄「そういう話じゃないだろ!!!」

母「ち、ちょっと二人とも。そんなくだらないことで喧嘩しないで」

兄「くだらなくなんてない! 大事な話だよ!!」

母「そんな……」

兄「大体いつもそうだ! 父さんはいっつも俺より弟ばっかりだ!!」

父「そ、そんな事はない!! お前を愛してる!」

母「そうよ、ちゃんと愛情を注いでくれてるじゃない!」

兄「……ふん、どうだか……どうせ、俺は連れ子だからな」

父「馬鹿野郎!」パンッ!

兄「っ……」

父「二度とそんな事言うんじゃない! 俺は、お前を本当に愛してるよ」ギュッ

兄「父さん……」ギュッ

間違えた
母じゃなくて妻だったわ
そして父じゃなくて夫だったわ

弟「パパー! 遊園地いきたーい!」

夫「おお、そうかそうか。それじや遊園地行くか」

兄「は? ちょっと待ってよ。今日は映画館行く約束だったじゃん」

夫「え? あ、ああ……でも弟もこう言ってるし」

弟「いきーたいいきたいいきたいいきたいいきたいいーきーたーいー!」

兄「関係ないだろ! 先に約束したのは俺じゃないか!!」

夫「ま、まぁまぁ……映画館なんていつでも……」

兄「そういう話じゃないだろ!!!」

妻「ち、ちょっと二人とも。そんなくだらないことで喧嘩しないで」

兄「くだらなくなんてない! 大事な話だよ!!」

妻「そんな大袈裟な……」

兄「大体いつもそうだ! 父さんはいっつも俺より弟ばっかりだ!!」

夫「そ、そんな事はない!! お前を愛してる!」

妻「そうよ、ちゃんと愛情を注いでくれてるじゃない!」

兄「……ふん、どうだか……どうせ、俺は連れ子だからな」

夫「馬鹿野郎!」パンッ!

兄「っ……」

夫「二度とそんな事言うんじゃない! 俺は、お前を本当に愛してるよ」ギュッ

兄「父さん……」ギュッ

妻「……」

妻「なんだか、異常に愛してるって言ってたし……」

妻「抱きしめ方が親子のものじゃないような……」

妻「ま、まさか! ありえないわよね、うん。気のせい気のせい」

妻「……」

妻「でも、あの時だって……」

兄「父さん」

夫「んー」

兄「プール行こうよ」

夫「あー……また今度な」

兄「何回目のまた今度だと思ってるんだよ! もうずっと待ってるんだよ!?」

妻「こらこら。お父さんだって仕事で疲れてるんだから……」

兄「ふんっ! 疲れてるなら普段もっと休めばいいのにね!」

妻「休めないからこうして疲れてるんでしょ! わがまま言わないの!」

兄「……母さんは何も知らないからそうやって父さんの肩を持つんだよ」バタンッ

妻「えっ?」

妻「……」

妻「何も知らないって……一体何を……」

妻「まさか、彼が本当に……」

妻「あ、ありえない! 嘘嘘! そんな事!」ブンブン

妻「そうよね、気のせい……ではないにしろ、そんなたいしたことじゃないんだわ」

妻「きっとへそくりがあるとか、そういうことよね」

妻「うんうん……」

妻「……」

妻「でも、そう言えばあの時も……」

弟「パパー!!」ダキィッ

夫「うお、どうした」

弟「ねーねー! アレしてアレ!」

妻(アレ……?)カチャカチャ

夫「こ、こら……」

弟「ちゅー! って奴してー!」 

妻「ちゅー? 何の話?」

夫「あ、あははは。キスだよ、キス。ほら、ちゅっ」チュッ

弟「んー」

夫「な?」アハハハ

妻「……」ジーッ

弟「ねー! もっとー!」

夫「……お、おー」チュッ チュッ

妻(なんか、おかしい気が……)

兄「父さん」

夫「お、おお!? どうした?」

兄「俺にもしてよ」

夫「え? おいおい……子供じゃないんだから」

兄「冗談だよ」スタスタ

妻「くすっ……全く、何言ってんだか……」クスクス (ま、いいか)

夫「あはははは! だなー!」アハアハアハ

妻「気のせい……だったのかしら、あれ……」

妻「でも、彼の様子は明らかにおかしかったし……」

妻「……」

妻「でも、まさかねえ……彼との子供もいるわけだし……」

妻「この8年間……6歳の時に再婚したけど、別段怪しいこともなかったし……」

妻(だって、再婚相手の男より、私の方が信頼できるものね。何かあったら、相談するでしょ)

妻「気のせいだったのかしら」

妻「一応、気をつけてみよう」

兄「ただいま」ガチャ

妻「おかえりー。もう部活終わったの?」

兄「うん」スタスタ

妻「今日はお父さん早く帰ってくるって」

兄「ふぅん……それだけ?」

妻(あれ?)「え、ええ」

兄「……」ジーッ

妻「な、なに? どうしたの?」

兄「別に……」バタンッ

妻(やっぱり、気のせいだったのかなぁ)ボーッ

兄「……」ガチャ

妻「あら? もうシャワー浴びたの?」

兄「うん」ボフッ ボーッ

妻(普段はなんにも考えず、見てたけど)

妻(この子って、毛……薄いのかしら? 全然ないように見える)

妻「ねえ」

兄「なに」

妻「脚とかつるつるねー。同年代の子は貴方と違ってそうでもないと思うんだけど……」

兄「えっ!? あっ……いや、その……」

妻「どうしたの? 慌てて……」

兄「……なんでもないっ」スタスタ

妻「どうしたの? 部屋に戻るの?」

兄「どうでもいいだろ!」バタンッ!

妻「……」

妻「うーむ多感な時期だからかしら」

妻(まぁ、気にして毛を剃るってこともあるのかも。それを指摘されたら……恥ずかしいのかもしれない)

妻(けど、夫が……もしかしたら、だけどそうかもしれないって疑ってみると……)

妻「今の行動……なんか、怪しい」

夫「ただいま」ガチャ

妻「おかえりなさい」

夫「腹減ったぁー」

妻「ご飯温め直すわね」

夫「おーう……なにしてんだ?」

兄「……ゲーム」カチカチ

夫「子供がこんな夜中までゲームしてちゃ駄目だろー。早く寝ろ」

兄「……遅いからじゃん」

夫「ん?」

夫「何が?」

兄「なんでもない。……おやすみ」バタンッ

妻「はい、どうぞ」

夫「ありがとう」

妻「さっきあの子、なんて言ったの?」

夫「え? 遅いからじゃんって、言ったと思うけど」

妻「だよね」

夫「え、あ、……うん。ど、どうした?」

妻「別に、なんでもない」

妻(やっぱり、あの子待ってたんだ。夫が帰ってくるの)

兄「ただいま」ガチャ

妻「おかえり」

兄「……」スタスタ

妻「ねえ、昨日さ」

兄「なに?」

妻「ゲームずっとしてたのって、やっぱりお父さんを待ってたの?」

兄「……」

妻「私が早く帰ってくるって言ってたから?」

兄「馬鹿じゃないの?」フンッ

妻(え、鼻で笑われた……息子に)

兄「なに? なんでそんな事聞くわけ?」

妻「え、いや……別に……」

兄「別に?」

妻「その、仲が良いなぁーとか思って……」

兄「あたり前じゃん。親子なんだから。それとも、昔の関係みたいなのが普通なの?」

妻「そ、そんな事は……」

兄「父さんは、あの男と違って殴ったり蹴ったりしないしね。嫌いに成る理由がないよ」カチャ

兄「それと……今更干渉しださないで欲しいんだけど。うざいから」バタンッ

妻(もしかして、私ってあんまり慕われてなかったりしたのかな……?)

妻(干渉するな、かぁ……)

妻(確かに、今まであんまり接してこなかったかもしれない……)

妻(離婚する前は私だって殴られたりして、怖かったから助けたりとか出来なかったし)

妻(した後も色々もめて構って上げられなかったし……)

妻(再婚して、彼と家庭を作ってようやく余裕を持ち始めた頃には……なんだか、もう男の子って感じで……壁があったかも)

妻(肉親って上に胡座かいて何にもしてあげられなかった私が、やっぱり悪いのかなぁ……)

夫「どうした? 体調でも悪いのか?」

妻「あ、ううん。なんでもない」

兄「……」モグモグ

妻(それに、この子……もう一人で洗濯とかもしちゃうし……)

夫「うーむ、それにしてもまた一つ腕を上げたな。飯が上手い」ズズ

兄「あっそ」モグモグ

夫「やっぱ休日の朝は兄の飯だなー」アハハハ

弟「お兄ちゃんのご飯おいしー!」

妻(料理も作れるし……掃除もするし……)

妻(一人前って感じ……畜生、飯が美味い)パクパク

兄「……」ジャー カチャカチャ

夫「しっかし、あいつは良く働くなぁ。良い主夫になりそうだよ」アハハハ

妻(ああして皿洗いもするし、大助かりなんだけど……)

妻(なーんか負けた気がするのよね。馬鹿馬鹿しいんだけど……)

弟「パパー、アレなに」

夫「んー? アレはねー……」

妻(それに、こうして意識すると…・…いっつも休日は弟が彼にくっついてる気がする……)

妻(普通母親に懐くもんじゃないの!? 彼だって、いつも腕の中で弟を抱いてテレビ見てるし)

妻(やっぱり怪しい)

兄「父さん、俺さこの前……」

夫「うんうん」

妻(なんで兄は、彼と話すときはあんなに楽しそうなのかしら)

妻(いっつも仏頂面だし、私と話してても笑顔なんて見せないのに)

兄「あはは、それでね……」

妻(……)

妻(私、蔑ろにしてただけなのかも……)

妻(勝手に彼を疑って……子供まで疑って)

妻(これからは、自分の幸せだけじゃなくて、あの子たちともちゃんと接しよう)

兄「ねぇ父さん……」

夫「んーどうした」

兄「最近母さんが俺達の事怪しんでるの知ってた?」

夫「え!? そ、それは本当か!? そ、そしたら……」

兄「今更じゃん。そんな慌てたって仕方ないだろ」

夫「た、確かにそうだが……」

兄「なんだよ、やっぱり母さんを選ぶの?」

夫「ち、違うよ。最後には、お前を選ぶよ」

兄「ふん、どうだか……正確には俺と弟を、だろ?」

夫「……」

兄「今更だよ、今更。今ことでビビるんなら、俺に手出すなよ……母さんも、今更遅いってことに……気付かないんだもんなぁ……」チュッ

兄「馬鹿だよね、あはは。笑える。夫がさ、息子と寝てんだよ。あはははは」

夫「……」

兄「なんだよ……父さんだって、俺が目当てだったんだろ? 違うのかよ? ほら、そうじゃないか」

夫「そんな、お前の体が目当てなんて……」

兄「そんな事どうでもいいよ、今は。それより……寒いな……温めて」

夫「……ああ」

兄「俺……父さんと肌を合わせてるときが一番幸せだよ……温かくて、気持ち良い」

夫「俺も愛してるよ、誰よりも一番」

兄「うん……俺も……。きっかけなんて、どうだって良いんだよ今はこうして、幸せな訳なんだからさ」ニッ

妻(よーし、今日は自分からおはようって声をかけるぞー)

妻(久しく息子の部屋なんて入ってなかったなぁ……漫画みたいに布団ひっぺがして、おはよう! 朝だぞー! って)

妻(やってみたいなぁ。そしたら、少しは縮まるかなぁ)ニコニコ ギィ....

妻「えっ……?」

兄(ねむ……ちょっと長居しすぎちゃったな……シャワー浴びて……)バタンッ...

兄(自分の部屋に戻って寝よ……)クルッ

兄「え……ぁ……」

妻「……」

兄「……」

妻「……」

妻(えっ、今……彼の部屋から……えっ?)

妻(どういうこと? だって、今は朝で……この子は自分の部屋があって、それで彼にも部屋があって……)

妻(それで……それでそれでそれで……今この子は……眠たそうにしてたのに驚いた顔して……)

妻(服が肌蹴てて……)フラッ ヨロヨロ

兄「……母さん」

妻「え、あ、あ……」

兄「どいて」スタスタ

妻「あ、うん……」

妻「ど、どこに……?」

兄「……」バタンッ ザアァアアア

妻「し、シャワー……?」

妻(それって、それってつまり……)ズキズキ

妻「あ、頭痛い……」

妻(何も考えたくない……)

妻「ぅぅぅぅ」ズキズキ

妻「……」ボーッ

夫「ふあああ~……おはよ」

妻「……」

夫「? どうした?」

弟「パパお寝坊さんだよー!」

夫「あー、ねむ……んー、確かにちょっと……ふぁああ。起きるのが遅いなぁ」

兄「父さん」スッ

妻「ビクッ」

夫「どうした?」

兄「父さん、おなか減ってない?」

夫「んー、ちょっと」

兄「じゃあ、何か軽い物作るね」

夫「おぅ、ありがとう」

兄「勿論。休日はなんでも俺に言ってよ」

夫「おーう」

兄「俺が、母さんの代わりを全部するから……さ」チラリ

妻「……」プルプル

夫「???」

なんで残ってんだよww

妻(あの日以来……あの子は確実に彼との関係を見せつけようとしてる)

妻(私のことを蔑むような目で見るし……どうしたらいいの……)グスッ

夫「お、おい……! どうした? なんで泣いてるんだ?」

妻「……」グスグス

夫「黙ってちゃ分からないだろ。なんだ? 何か辛い事でもあったのか?」スッ

妻「触らないで!」パシッ

夫「あっ……そ、そうか。ご、ごめん……」

妻「ぁっ、いや……その……」

夫「なにかは分からないけど、俺が力になれるならなんでもするよ」

妻(……貴方が問題なのよ……)

夫「俺達、家族じゃないか」

妻(家族……もう、彼も信じられない……! 私と彼の子供だってもうなんの力も無いことだってわかってしまった)

妻(でも、今ここで感情的になって、彼を責め立てても……何も、かわらないのかもしれない……)

妻「ごめんなさい……その、わたし……」

兄「あーあ。最低だな、母さんって」

妻「っ!? い、いつから!?」

兄「いつからって、さっきからだよ」フフフ

妻「……」ジロッ

兄「なんだよ、なんで俺の事睨む訳? 実の息子にさ」スタスタ

夫「お、おい。なにをそんな攻撃的に……!?」ギュッ

兄「可哀想な父さん……家族を心配して、善意で相談にのろうとしてたのに……」

夫「だ、抱きつくなよっ、馬鹿っ」グイッ

兄「もぅっ……。それに対して、いっつも貴方はそうだよね……母さんは。自分の事ばっかりでさ」

妻「な、何が言いたいのよ!!!!」

兄「喚くなよ、うるさいな……近所迷惑だろ。ねえ父さん?」

夫「え!? あ、ああ……?」

兄「ま、こんな事言う為に来たんじゃないよ。父さん、明日遊びに行こうよ」

夫「ぇえ」

兄「どうせ暇でしょ? 良いじゃん。当てなくぶらぶらしてさ、買い物したり……食事したり……」

夫「う、うーん」

兄「ねえ、行こうよ。そうだ、ピクニックも良いかも。お弁当作ったりして」

夫「でも、それより……」チラッ

兄「気にしなくていいよそんなの。どうせ、くだらないことなんだから……それより明日、俺と……」

妻(ああ、私の居場所はないのかな)

妻(間違ってたのかもしれない……この子を生んだ事を……そうすればあんな男となんか結婚しなかった……)

妻(全部、全部こいつが……)ギリッ

兄「ふぁああ……」ガチャ

妻「……」

兄「あれ? もう起きてたんだ、あんた」

妻「お母さんって呼びなさい」

兄「あはは。ごめんなさい、お母さん?」ニヤニヤ

妻「……」

兄「何怖い顔してるの? まぁ、俺はあんたの事を母親だなんて思ったこと何て……ないけどね。覚えてるだろ?」

兄「俺がいっつも、いっつも。殴られてたのに、知ってるくせに。知らん顔してあの男に媚び売ってたの」

妻「そ、それは……」

兄「それどころか、媚び売りのために俺を一緒にぶったよな!! それでよく今まで母親面してこれたもんだよなぁ!?」

妻「っ……い、今は違う!!」

兄「そうかもね。けど俺も今はそんなにアンタの事嫌いじゃないよ。どうでもいいもん」

妻「ど、どうでも……いい……?」

兄「そうだよ。有る意味時や感謝してるけどね、父さんと出会えた訳だし……」

妻「……」

兄「ねえ、母さん気付いてるだろ? もう、俺が何してるのか、とかさ」

妻「い、嫌だ! 言うな!」

兄「ふんっ、今更じゃないか。今更ビビってどうすんだよ。俺は、父さんと……」

妻(それを聞いたら、全部、全部壊れちゃう!)

兄「セックス、してるよ」ボソッ

妻「あ、あ……」プルプル

兄「もう、何度も何度も何度も……肌を重ねた。父さんの暖かさ、多分母さん異常に知ってるよ」

妻「ぅぅぅぅぅ」ズキズキ

兄「どこが気持ちいいのかも知ってるし、どんなことがすきなのかも知ってる。体だけじゃないよ。料理だってそうだし」

兄「俺はなんだってできるよ。父さんに。父さんも俺を愛してくれてるもん」

妻「……」プルプル

兄「なんだよ、はっきり言わないとわかんないのかよ。お前、邪魔なんだよ」

妻「……」ジッ

兄「女なんて、ただ子供が産めるだけの癖に、調子乗ってんじゃねえよ。うぜえんだよ、死ねよ」

妻「う、うああああああ!!!」バッ

兄「ぐっ!?」

妻「お前なんか! お前なんか!!!」グググ

兄「な、なんだよ……く、首っ……締めるの? 息子の?」ニヤニヤ

妻「死ね死ね死ね死ね死ね!!  あんたがいなければ! 私は、幸せになれたのに!!」

兄「……殺せよ、ほら……ゴホッ……早くっ……」

妻「あんたなんか! 産まなきゃ良かった!」

兄「っ……」プルプル

妻「死ねええ!!」ググググ

夫「お、おい! なんの騒ぎだ!?」バンッ!!

妻「!?」

兄「と、父さん……た、たすけてっ……」

夫「な、なにしてんだよ!! その手を離せ!!!」ドンッ

妻「きゃっ!」ドサッ

兄「ごほっ!! ゴホッ!! げほっ、ゲホッ……」

夫「大丈夫か? 怪我はないか? 苦しくないか?」

兄「ん……大丈夫、だよ……ごっほ、げほっ……」ハァハァ

夫「良かった……お前、何してるのか、わかってるのか?」

妻「ぁ、ぁ……」

夫「この、人殺し! 警察に通報するぞ!!」

妻「わ、私より……その子を、優先するの……?」

夫「当たり前だろ!!」

妻「ぁ、ぁぁぁ……」ガタガタ

夫「大丈夫か?」ギュッ

兄「うん……小さい頃を思い出して、怖くて……反抗できなかった……。でも、良かったあ……父さんが居てくれて」

夫「大丈夫だからな。俺が、ちゃんと守ってやるからな」

兄「それに、良かったよ。たまたま、本当にたまたまボイスレコーダー持っててさ」

妻「え?」

兄「首締められてから、録音できたから。きっと証拠になるよね」ニヤニヤ

妻(最初から、私を……そのつもりで……)

夫「え? お前……?」

兄「だって、明らかに敵意のある目で見てたからさ、俺怖くて……一応かっといたんだよ。良かったぁ~」

妻「畜生、畜生っ」ポロポロ

兄「でも、警察に突き出すのも可哀相だし、さ。ねえ母さん」

妻「うっ、うっ……」グスグス

兄「この家から出てってくれれば……許してあげる。勿論、離婚して……養育費と慰謝料も払ってよね」ニコッ

妻「鬼……鬼畜ッ、外道! やっぱり、あんたなんか産まなきゃ良かった!!」

兄「産んでくれてありがとう、おかーさん……ふふ、あははは!! あはははははは!!!」

兄「父さん」クルッ

夫「お、おう?」ビクッ

兄「しよ、セックス」

夫「は!? えっ、ええっ!?」バッパッ

兄「見せつけようよ、俺達の……愛……って奴。あはは、なんか恥ずかしいな」

夫「え、いや……だって……んむっ」

兄「んっ……ちゅっ……んふぅ……ぷはっ……ねえ、しようよ……」チュッチュッ

夫「ぁ、ぁぁ~……駄目だって……」ハァハァ

兄「ふふふ、こここんなに硬くしてるくせに、よく言うよ」ナデナデ ニヤニヤ

夫「そ、それは……そのぉ……」チラチラ

兄「分かってる分かってる。いつもみたいに、しゃぶってあげるから……」カチャカチャ

夫「う、や、やっぱりやめよう? な?」

兄「なんだよ、なんで? 良いじゃん別にさ。何も、悪い事じゃないだろ……?」パクッ

夫「うぁぁ」ビクッ

兄「ん……じゅぽ……じゅぽじゅぽっ……ぷはっ。あはは、ちょっ~としゃぶっただけでこれだもんなぁ」レロレロ

夫「うぅ……」チラッ

妻「……」ブツブツブツブツ

兄「ぁぁ、父さんのチンポ美味しい……裏筋、気持ちいい?」レロレロ...チュゥゥ

夫「あぁ、気持ちいい……」

兄「はい、ストーップ」ピタッ

夫「えっ」

兄「父さん、溜まってるよね? 二週間……相手してあげなかったし」

夫「そ、それは……まぁ」

兄「オナニーとか、他に手出したりも……してないよね?」

夫「も、勿論……い今の所はだけど」

兄「ん……まぁ、どっちにしろそれはヤればわかるんだけどさぁ~。イクのは、俺の中にしてね、今回は」ピトッ

夫「えっ」

妻「……」ブツブツブツブツ

兄「母さん!」

妻「ひっ」ビクッ

兄「ほら、ちゃんと見てよ。あんたの息子と……夫がセックスするとこ」

妻「や、やめてっ」

兄「見えるだろ? 父さんのチンポ……普段は寝バックでするんだけど……今日は良く見えるように騎上位にするよー」ニコニコ

夫「な、なぁ……」ドキドキ

兄「あ、ごめん。父さんも妻の目の前でセックスするのに興奮して、早く入れたいんだよね」

夫「そ、そういうわけじゃ!」

兄「はいはい……」

兄「ほら、母さん。ちゃんと見て。ほらっ……!」ズプッ

妻「ひ、ぃぃい」

兄「あっ、ああぁっ……父さんのチンポ……俺の……中に入って来る……」ヌプププ

妻「いいいいいいいい」

兄「ん、は、ぁぁ……んぅ……入った……」プチュンッ

夫「う、な、なぁ……動いても良いか?」ハァハァ

兄「いいよ、俺のお知りから、父さんのチンポが出入りするの見せよ! 俺達が愛し合ってるの、見せ付けよっ!!」パチュッパチュッ

夫「う、ぁぁ……気持ち良い……」パンッパンッ

妻「ぁぁぁぁぁぁ……」プルプルプル

夫「はぁっはぁっ……も、もう……イキそう……」パンッパンッ

兄「いいよっ……な、中っ……んぁ……」

夫「う、い、イクッ……!」ドピュッ ビュクッビュクッビュクッ.....

兄「んっはぁ……んぅ……凄いね、いつもより……ずっと……」チュッ

夫「はぁ、はぁ……」ヌポンッ

兄「あっ、もう……奥に出したら……見せれないじゃん。中だしされたの、母さんにさ」

夫「ご、ごめん」

兄「でもいつもより早かったね。見られて興奮したの? 変態だよなね父さんって」

夫「そ、そういう訳じゃない! た、溜まってたから……その……」ゴニョゴニョ

兄「あはは、わかったよ。でも、俺も凄い気持ち良かった……ねえ、一人で満足しないで俺もイカせてよ……」

夫「ああ、すぐに気持ちよくさせてやるからな」シュコシュコ

兄「あ、ああっ……」ビクンッ

夫「気持ち良いか?」クヂュッグチュッ

兄「イキそうっ……と、父さん……好き、好きだよ、好き、好き……」ハァハァビクビク

夫「俺も、愛してるよ」グチュグチュッ!

兄「ぁあぁあっ!」ビクンッ ドピュッ ドピュッドピュッ...ドピュッ....

夫「おお、若いだけあって、相変わらず勢いが良いな……」

兄「ん……はぁ……折角最近お尻でイケるようになったんだから、見せ付けたかったんだけどね……まぁ、いいか」チュッ

夫「あ、いたんだっけ……」チラッ

妻「……」

兄「それじゃ、もう良いよね。十分、見せれたし……」

夫「それでいいのか?」

兄「何言ってんだよ。目の前でセックスしたんだよ? 今更だろ?」クスッ

夫「そ、そうだよな……」

兄「じゃあ、さよなら。もう二度と会う事も無いだろうね」

妻「……」フラフラ

兄「あ、待って。弟、連れて行ってよ」

夫「えっ!?」

妻「……」

兄「邪魔だからさ」

夫「な、何言ってんだよ!?」

兄「何が? だつて、邪魔じゃないか。俺達の生活にさぁ」

夫「兄弟だろ!? 家族だろ!?」

兄「ねえ、父さん。俺がさ、大きくなったら、さっさと見切りつけてさ……弟に手出そうとか、考えてんだろ?」

夫「えっ!? そ、そんな事考えなんかっ」

兄「バーーカ!! 甘いんだよ! お前ら、皆さぁ!!! させるかよ、そんな事!!」

夫「っ……!?」

兄「俺が今まで、なーんもしなかったとでも思ってるのかよ。警察に出せば捕まっちゃうような物、俺沢山持ってんだよ?」

夫「え……?」

兄「俺の分も、弟の分も。ちゃーんと、あるんだからさぁ……」

夫「う、嘘だろ……?」

兄「嘘ついてどうすんだよ。だから、父さん……そんな事、しちゃ駄目なんだよ? できないんだよ? 分かった?」

夫「う、あ、ぁ……」

兄「あはは、良い気分だったろうな。天国だったのかなぁ……でもさ、その実縛られてるのあんたなんだよね、父さん」

夫「じ、冗談だろ……冗談だと言ってくれよぉ……」

兄「冗談で、こんな事できるかよ」

夫「あ、ああ……ぁぁぁ……」ガクッ

兄「なぁ、父さん。あんた、もう俺から……逃げられないよ……?」ニィ...

兄「ほら、早く行った行った! 弟がまだ寝てる内の方が、移動も楽だろ」

妻「……」ガチャ バタンッ

兄「ん。これで、もう邪魔者は消えたんだよな」

夫「……」

兄「ねえ、父さん。愛してるよ」ダキッ.... チュッ

夫「お、俺も愛してるよ」

兄「……うん、信じてるよ……だから、裏切らないでくれよな」

夫「う、裏切らないよ」

兄「……ふふ、好きだよ。父さん……好き、好き……」

妻「……」スタスタ

弟「んぅ……どうしたの、ママぁ……」

妻「……」スタスタ

弟「ま、待ってよぉ……あ、歩くの速いよ……あぅっ」ドテチッ

妻「……」スタスタ

弟「いたた……うええー……足痛いよぉ……」グスグス

妻「……」クルッ ピタッ

弟「ママ……」

妻「歩けよ、糞ガキ!」ゲシッ!

弟「ぐふっ!?」

妻「立てよ、蹴るぞ」

弟「ぅぁ、ぁ……」ビクビク

妻「……」スタスタ
 
弟「うぇえぇぇぇん……痛いよぉ……」トボトボ

妻「……」スタスタ

弟「帰りたいよぉ……パパぁ……」グスグス

妻「帰らせねえよ!」ガッ

弟「ひぃっ!」ビクッ

妻「お前は、あたしの玩具なんだよ!! そうだよ、返してたまるか!! この汚いガキだからこそ!」バシッバシッ!

弟「いたいよっ痛いょぉっ!! やだよ、やめてよっ!!」

妻「あははは!! お前はずーっと!! 私のストレス発散の道具なんだよ! あはは、アハハハハ!!!」バシッバシッ

弟「……ただいま……」ガチャ

妻「どこ行ってたんだよ。こんな遅くまで、子供が」

弟「ひっ……」ビクッ

妻「お仕置きしないとなぁ!? 駄目だよねえ!?」パンッ!

弟「ひぎぃっ! ご、ごめっ……」バキッ バキッ

妻「あはは、あははは!! 楽しい、楽しい! 私の玩具!! あははは!!!」ガスッ ゴッ

弟「ひっ……ぐっ……ぅ……ぎぃ……」プルプル

弟「……」

妻「はあ、つまんない。飽きた」

弟「……」

妻「寝よ……」ゴロンッ

弟「……」

妻「ぐぅ……すぅ……」

弟「……」モゾモゾ

弟「ひっく、痛いよ……死んじゃうよ……助けて……」グスグス

弟「ひっく、ひっく……」

弟「……」ギィッ ギィ.....

男(あの子、いつも遅くまで一人でブランコのってるな……)

弟「……」ギィ...

男(怪我だらけに見えるし……)

男「ねえ、君」

弟「ひっ」ビクッ

男「こんな遅くまで、何してるの? お母さん心配してるよ」

弟「……」ギィッギィ

男「……あ、そうだ。おなか減ってない? 肉まんあげる」

弟「……」ボーッ

男「じゃあね」ニコッ

男(あ、またあの子だ)

弟「……」ギィ...

男「よっ」

弟「……」

男「また一人? はい、肉まん。食べるだろ?」

弟「……」ジッ

男「じゃあね」

弟「あ、あのっ!」

男「ん?」

弟「に、肉まん……ありがとう……美味しかった」ニコッ

男「うん。じゃあ、また明日」ニッ

妻「あああああ!!!! 畜生ぉぉぉ!!!!」

弟「ひっ……」

妻「なんなんだよ、なんで!? なんで私の人生だけ!? こうなの! 意味がわからない!!!」

弟「……」ビクビク

妻「クソッ、クソックソックソッ!!!!! クソがっ!! おい! なにコソコソしてんだよ!!」

弟「ひっ……ご、ごめんなさい……!」

妻「ムカツクんだよ、お前の顔見ると、思い出すんだよ! 玩具の癖に!!! 玩具の癖に!!!」ガッ!

弟「げひゅっ……!」

妻「ああああ!! 死ね死ね死ね!! あああああああ!!!!」ガッガッ

弟「ぅうぅぅぅぅ……」グッ

妻「はぁっ……はぁ……はぁ……」

弟「……」

妻「ふう、少しは、すっきりした……」

妻「寝る。邪魔だ、どけ」

弟「……」ノソノソ

妻「チッ……」ゴロン

弟(痛い……苦しい……けど……)

弟(行かなきゃ、きっと、また今日も待っててくれてる……)

弟「会いたい……」ヨロヨロ 

男(今日は遅いな……っていうか、今日は来ないのかな。まあ、そんな日も……あるか)

弟「……」ヨロヨロ

男「!? ど、どうしたんだ!? その傷!」

弟「ま、まだ待っててくれたんだ……えへへ、ありがとう。嬉しいな」

男「そ、それより……その傷……」

弟「大丈夫だよ、全然。それよお話しようよ……」

男「大丈夫じゃないだろ!? どうしたんだよ……?」

弟「……お母さん、すぐ僕のことぶつから……でも、いつものことだから大丈夫だよ」

男「……そ、そっか……とりあえず、病院行くから……ほら、おんぶしてやる」

弟「え……でも……」

男「いいから、ほら」

弟(あったかい……安心する……)ウトウト

男「俺も、同じようなけ意見あるからさ……本当に後悔してるし。自分はどうかしてたと思う……」

弟「ん……」ウツラウツラ

男「だから、今は……少しでも、手助けになるようなことしたくて……って、寝てるか」

弟「すぅ、すぅ」

男「……とりあえず、このまま病院行くか」

男「やあ。はい、肉まん」

弟「ありがとー」モグモグ

男「怪我、大丈夫?」

弟「うん。また、お母さんにぶたられたけど、大丈夫だよ。今日は軽いもん」

男「辛いよなぁ……ごめんなぁ……俺も、息子に暴力あるってた事があるんだ……」

弟「大丈夫だよ、今のお兄さんはもう言い人だもん」

男「ごめんなさい……ごめんなさい……」グスグス

弟「いいよ、僕が許してあげるよ! お兄さん、良い人だよ。僕、お兄さんと話してると、楽だよ。楽しいよ」

男「ありがとう、ありがとう……」

弟(今日も、殴られるのかな……)

弟(でも、お兄さんが居てくれてるから……僕まだ頑張れる……)ガチャ

弟「た、ただいま……」シーン

弟「……?」キョロキョロ

弟「お、お母さん……? ひっ!?」

妻「……」ダラーン

弟「え、こ、これって……く、首っ……首吊り……」

弟(も、もう殴られないで済むんだ……)

弟「よ、良かったぁ……痛い思いしなくて、すむんだ……」ホッ ヨロヨロ ドサッ

「身寄りもないらしいし……まだ若いのに、大変だねえ」

「それよりこの子の方が…・…まだ小学生だし……」



弟「……」ボッー

男「やあ。今日は早いね」

弟「あ、僕ね。もう会えないかも」

男「え? どうして?」

弟「お母さん、死んじゃったから。施設? で暮らすんだって」

男「え、そ、そうなんだ……寂しくなるな……」

弟「……僕、お兄さんと暮らしたい……」

男「……できないよ……」

弟「なんで? やっぱり、僕はいらない子なの?」グスン

男「お、俺だって……できるなら……けど、俺には……離婚経験があるから……」

弟「僕もお願いするよ、だからお願い!」

男「……確かに、離婚は不倫でそうなったし……DVとかはなんでか……言われなかったけど……」

男「仮に出来ても……俺じゃ、君を……幸せにできるかどうか……虐待したりしたら……」

弟「それでもいいよ。僕、お兄さんと……暮らしたいよ! やだよ、お別れなんて!」グスッ! ズビッ

男「……分かった。やれるだけ、やってみるよ……ありがとな」

男「今日から、ここがお前の新しい家だぞ」

弟「わぁーい!!」

男「あはは、狭いけど……まぁ、なんとかなるだろ」

弟「ねえ、僕なんでもするよ! 家事も頑張る!」

男「うん、頼んだぞ~」ナデナデ

弟「にへへー」

男「ああ、今度はもう……絶対間違えたくない……」ギュッ

弟「あ……ん……ぉ、お父……さ、ん……」テレテレ

弟「お父さん今日僕がご飯作ってみたよ! どう?」

男「ん……ま、まぁ……食べれなくはないな」モグモグ

弟「にへへー! やった!!」

男「ははは。うん、美味い美味い」モグモグ

弟「よーし、もっと美味しいの作るぞー!」

男(ああ、良かった……この子と生活できて……)

弟(楽しいな……お父さんと、暮らせてよかった)

男「……うぃ~……ただいま」バタンッ

弟「お父さん……またお酒飲んだの?」

男「なんだよ、なんだよ! なんか文句でもあるのかよ!!」

弟「……ううん、ないよ。けど、体に悪いよ……」

男「うるせえよ! お前に、何が分かるってんだよ!! 畜生っ!!」ガッ!

弟「ぎゃっ……!」

男「畜生っ、畜生!! 逆らうなよ! 畜生がっ、俺の事なんかゴミみたいに思ってんだろ! お前も、お前も!!」ゲシッゲシッ!

弟「ぅぐっ……ぐぅう……」ジッ

弟「思ってないよ……」

男「嘘つけ、嘘つけ嘘つけ! 皆、皆原の中じゃ、俺の事馬鹿にしてんだろ!」

男「畜生、畜生……うぁぁぁぁぁぁ……もう駄目だ、俺は……俺は……」グスグス

弟「お父さんは悪くないよ……大丈夫だよ……」フラフラ

男「あああ、うぁぁぁああぁぁ……」エグエグ

弟「僕はお父さんの味方だよ……大丈夫だよ……」ギュッ

男「ぁぁぁぁ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……痛かったよなぁ……ごめんなぁ……ごめんなぁ……」ヒグッエグッ

弟「痛くないよ、お父さんに比べたら全然大丈夫だよ。だから、ほら。ご飯食べようよ、待ってたよ」

男「愛してるよ、ごめんな。殴ったり、蹴ったりして、ごめんな。ごめんなさいごめんなさい」グスグス

弟「……いてて」

弟(朝か、用意しなきゃ……まだ昨日蹴られた所が痛いな……)

弟「お父さん、おきて。朝だよ」

男「う、ん……今日は休みだよ……」

弟「あれ? そうだっけ……本当だ。じゃあ、もうちょっと寝てよ……いつっ」ズキッ

男「……? どうした……?」

弟「な、なんでもないよ」

男「もしかして、痛むのか? 俺が……暴力振るったからだよな……ごめんな……」グスッ

弟「大丈夫だよ。ちょっとくらい。でも、お父さんに撫でて欲しいな、痛い所」

男「なんでもするよ、ごめんな。今日はどこか行きたい所行こうな」ナデナデ

弟(お父さんになら、ぶたられてもいいや……痛いけど、苦しくも辛くもないもの……)ウトウト

男「なぁ……」

弟「なぁに、お父さん」

男「休日はいつも家にいるけど、友達と遊んだりしなくていいのか?」

弟「うん。だって、お父さんもいつも家にいるじゃん。お父さん僕と一緒じゃ嫌なの?」

男「いやじゃないよ! 全然、嬉しいよ。でも、いいのかなぁって……まさか、友達がいないわけじゃ……」

弟「ううん。いるよ。お父さんと暮らして、友達も出来たし! でも僕もお父さんと一緒にいたいもん」

男「そっか。ありがとう」ナデナデ

弟「僕お父さんと一緒がいいよ。あ、そうだ。今日は肉まん食べようよ!」

男「そうだな、久し振りに……あの公園で食べるか」

弟「美味しいね、お父さん」ニコニコ

男「そうだな」ニッ

弟「あの頃を思い出すなー。お父さんと出会えて、僕良かった。本当に!」

男「俺も。幸せだよ……辛い思い、させちゃってるけど……」

弟「平気だよ。こういったらあれだけど、慣れてるし……お父さんになら、されても苦しくないよ。それに、ちゃんと愛してくれてるもん」

男「……ありがとな、本当に……」ナデナデ

弟「えへへ……僕撫でられるの好き」テレテレ

男「ふふ。あ、そういえば……この近くに、一応無縁仏だけど……母親の墓があるんだよな」

弟「……」

男「あ、ごめん」

弟「一応見てみよーかな」

男「確か、ここらへんに……」

弟「あっ」

兄「……ん?」

男「ぁ……あ、あ……」

兄「……」ジロッ

男「っ……」フイッ

弟「お兄ちゃん……」

夫「おーい、勝手に行くなって……あ……」ビクッ

兄「……久し振りだね。忘れないよ、その顔」

男「ご、ごめんなさい……」

兄「なんだよ、何謝ってるんだよ。謝れば済むと? そうだよなぁ、謝ればそれで一旦区切りがつくもんな。あはは、屑だよな、お前」

男「……ごめんなさい、本当に、ごめんなさい……」

兄「ふん、バーカ。死ねよ。ま、俺にはもうあんたなんか関係ないから、どうでもいいんだけどね」

男「……ごめんなさい……」

兄「本当に悪いと思ってんなら、死ねばいいのにな」ペッ

夫「……弟……」

弟「……」

夫「その……元気に、してるか?」

弟「……」

夫「……何か、辛い事があったらパパの所へこいよ。ほら、これお兄ちゃんには内緒だけど電話番号……」スッ

弟「いらない」

夫「え、な、なんで……?」

弟「お母さんにぶたれてても、お母さんが死んでも、助けに来なかったくせに」

夫「……」

弟「僕を助けてくれたのは、お父さんだけだよ。僕のお父さんは一人だけだ。お前なんか知らない!」

兄「よ、元気にしてたか?」

弟「うん」

兄「ふぅん。俺も、父さんと愛し合ってるよ」

弟「僕も、お父さんにいっぱい愛してもらってる。幸せだよ」

兄「あははは、そっか。それは良かったじゃん。今日は何しにここにきたんだ?」

弟「別に……お父さんが言ったから。行ってみようかなって思っただけ」

兄「ふぅん……」

弟「お兄ちゃんは?」

兄「俺は死んだって聞いてさ。しかも自殺だろ? あははは、笑えるよな。本当に面白くて。笑いついでに唾でも吐きかけてやろうかなってさ」

兄「まぁ、それなりに幸せにやってるみたいだな」

弟「うん。でも、唾吐きかけるのは……どうかと思う」

兄「あははは、何を遠慮すんだよ。あんな女に。まぁお前もその内分かるよ。女なんて屑ばっかりなんだってさ」

弟「なんとなく分かる気がする……でも、間違ってると思うよ」

兄「そうかもな。けどね結局は愛してくれる人が一番なんだよな……そういう人と、ずぅーと一緒に……」

弟「うん、僕もそういう人と一緒にいたいと思うもん。どんなに大変でも我慢できるもん」

男「おーい」

夫「そろそろ行くぞー」

兄「あははは。まぁそれじゃ……もう二度と会う事はないだろうな」

弟「うん、じゃあね」

 「さよなら」

                   おしまい

まさか保守してて残ってるとは思わなかった
お前ら乙

最後のさよならはお互いの過去に的なね
そんな高尚なもんじゃないけど、それを言いたかっただけですすいませんでした
それではあでぃおす

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom