雪ノ下「父親の会社が倒産してしまったわ……」 (93)

雪ノ下「今住んでるマンションも明日には出て行かなければならないの…」

由比ヶ浜「ゆきのん、学校辞めたりはしないよね?」

雪ノ下「えぇ、幸い父は県議会議員も兼務してるからそちらの収入があるうちはしばらくは大丈夫だと思うわ」

比企谷「でも議員だったら次の選挙で落選すれば無職になるわけだ」

雪ノ下「そうね……でも高校卒業までは選挙もないから大丈夫だわ……由比ヶ浜さん心配かけてごめんなさい」

由比ヶ浜「ゆきのん、新しく住む所見つかるまでは私の家に泊まってくれてもいいんだよ?」

雪ノ下「それは由比ヶ浜さんのご家族にも迷惑をかけてしまうから……」

比企谷「じゃあ明日からお前はどこで寝泊まりするんだ?」

雪ノ下「学校から歩いて通える範囲でホテルがあればそこに泊まる事を考えてるのだけれど……」

比企谷「ホテルに泊まる余裕があるのか?」

雪ノ下「それは…………」

比企谷宅

小町「えっー!それで雪乃さん明日からどうするのよお兄ちゃん」

比企谷「さぁ……あいつの事だ、なんとかなるんじゃないか」

小町「お兄ちゃん!雪乃さんが住む所に困ってるのに心配じゃないの!?」

比企谷「まぁ、何かあったら実家に帰ればいいんじゃないのか…?」

小町「でも雪乃さんわざわざ家から飛び出して一人暮らし始めたんでしょ?今さら実家に戻るのは嫌がると思うよ」

比企谷「まぁしょうがないだろ……俺と雪ノ下は友達ですらないからな、ただの同じ部に所属してる繋がりでしかない、俺がどうにかする問題じゃない」

小町「はぁ……今のお兄ちゃん、ポイント低いよ…マイナスだよ…」

比企谷「じゃあどうすればいいんだ?何かいい案でもあれば言ってみろ」

小町「…………………うちにきてもらおうよ」

比企谷「えっ、なんだって?」

小町「しばらくの間うちで泊まってもらうの!お兄ちゃんの部屋はしばらく雪乃さんに使わせるから!」

比企谷「いやそれは…

小町「口答えなし!お兄ちゃんが悪いんだよ、雪乃さんの事何も考えてやらないで、しばらくの間お兄ちゃんはリビングで過ごしてね!」

比企谷「それはあんまりだ………」

ピンポーン  ガチャッ

小町「あっ!雪乃さんお待ちしてました!ささ、あがってください」

雪ノ下「お邪魔します……ほんとにここに泊まらせてもらってもいいの…?」

比企谷「まぁ…いいんじゃないの、うちの両親も小町も良いって言ってるし、この家じゃ俺の意見なんか全て無視されるからな」

小町「こんな事言ってますが、雪乃さんが泊まりにきてくれるって知ってお兄ちゃんすごい喜んでましたよ!」

比企谷「ばっか言え、俺はそんな事……」

雪乃「小町さんありがとう…………それと比企谷くんも/////」

比企谷「お、おう………とりあえず俺の部屋は自由に使ってもらって構わない…何か困った事あったら言えよ」

小町「ここが雪乃さんの家だと思って遠慮せず過ごしてください!もうこのままここで一生過ごしてもらっても、小町的には全然OKですっ」

雪乃「しばらくの間お世話になります……」

雪ノ下「ここが比企谷くんがいつも過ごしてる部屋………」

比企谷「お前の住んでたマンションに比べると狭っ苦しいだろうけど、しばらくの間は我慢してくれ」

雪ノ下「いえ、部屋を貸してくれるだけでもとても助かるわ………比企谷くんはどうするの……?」

比企谷「俺はリビングで適当に過ごすよ、どうせ部屋にいても本読んだりゲームするだけだからな、リビングにいてもやる事は同じだ」

雪ノ下「私は一緒に部屋で過ごしても構わないのだけれど……」

比企谷「女と男が同じ部屋にいるってのは……いろいろまずいだろ…」

雪ノ下「そうね………追い出す形になってごめんなさい………ありがたく使わせていただくわ」

小町「お兄ちゃん~晩御飯カレーにしようと思ってるんだけど材料が足りないみたい、今から買ってきてくれない?」

比企谷「メモした紙くれよ、買ってくるから」

小町「おっけー、人参とたまねぎと………」 カキカキ

雪ノ下「あの………よかったら私も買い物に付き合うわ…」

比企谷「いいよ、俺一人で十分だ」

小町「お兄ちゃん!ちょっとこっちきて」

ーーーー

比企谷「んだよ…………」

小町「雪乃さんがせっかく自分も行くって言ってるんだから一緒に行ってあげなよ!」

比企谷「俺一人で自転車に乗っていった方が早いだろ」

小町「お兄ちゃんほんとわかってないな……雪乃さんの性格だとタダで住まわせてもらう事に負い目を感じてるはずだよ
    少しでも家の手伝いをして役に立とうと頑張ってるんだからお兄ちゃんもその事考えて行動してよね!」

比企谷「わかったよ…」

ーーーー

比企谷「雪ノ下……一緒に買い物行くか」

雪ノ下「えぇ…」

雪ノ下「こうしてあなたと一緒に買い物に行くのも久しぶりね………」

比企谷「そうだな…前は確か由比ヶ浜の誕生日プレゼントを買いに行った時だったか」

雪ノ下「そうね……あの時はあなたがいてくれて本当に助かったわ……」

比企谷「俺は別に何もしてないんだがな……」

雪ノ下「それに嬉しかった………」

比企谷「もしかしてパンさんのぬいぐるみの事か?あれはお前のだした金で手にいれたわけだから、
     俺に感謝する必要もないと思うぞ」

雪ノ下わ「私ならそのまま諦めたと思うわ……、あなたはいつも人の予想を裏切る方法を思いつくから……」

比企谷「褒めてるのか貶してるのか………」

比企谷「人参…玉ねぎ……」

雪ノ下「隠し味にリンゴなんてどうかしら……美味しくなると思うのだけれど」

比企谷「お、おう、それじゃリンゴも買うか」

雪ノ下「普段は料理したりしないの?」

比企谷「大体飯は小町が作ってくれるが、俺もたまに作ったりするぞ…簡単なものならな」

雪ノ下「そう……今でも専業主夫は諦めてないのかしら?」

比企谷「そりゃ働かずに暮らせるにこした事はないだろ、いつか俺を養ってくれる人が現れる日を待つ」

雪ノ下「そんな都合の良い人、本当に現れるのかしらね……」

比企谷「さぁな」

ガチャッ

比企谷「買ってきたぞ小町」

小町「あっ、お兄ちゃん、雪乃さんおかえりです」

雪ノ下「ただいま、小町さん」

小町「お兄ちゃん雪乃さんとの買い物どうだった?」 ニヤニヤ

比企谷「別に…普通に買い物しただけだよ」

小町「またまた~、それじゃ夕御飯作るからお兄ちゃん達はソファーでくつろいでて」

雪ノ下「小町さん、私も手伝うわ」

小町「ほんとですか!非常~に助かります!お兄ちゃんもお皿くらいは用意してよねっ」

比企谷「わかってるよ…」

小町「どう?お兄ちゃん」 ニヤニヤ

比企谷「いつも食べるカレーより美味しく感じるな……」

小町「そりゃそうだよ、ほとんど雪乃さんが作ったんだからねっ!」

比企谷「そうか…小町が作るカレーもうまいが、やっぱ雪ノ下の作る料理はレベルが違うな」

小町「だそうですよ、雪乃さん」 ニヤニヤ

雪ノ下「えぇ…そういってもらえると嬉しいわ……////」

小町「ほんと雪乃さんにはずっとここにいてもらいたいくらいですよ、ねぇお兄ちゃん」

雪ノ下「ここにずっとお世話になるわけにもいかないわ……私もすぐにでも部屋を探さないと……」

比企谷「まぁ……お前がいる間はこんなにうまい飯が食えるだから、こっちもありがたいけどな…」

雪ノ下「そう………」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年12月18日 (水) 15:10:14   ID: 9qDSB82J

ありそうでなかったSSに、情熱が止まらないな。

2 :  SS好きの774さん   2015年07月25日 (土) 12:49:42   ID: YuvpYt4C

ゆきのんが素直すぎる

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