女騎士「私は最初っから最後までクライマックスだぜえ!!」 (1000)

≪過去スレ≫
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≪あらすじ≫
「おまえたちの言う『丘の向こう』なんざ、とっくに私が焼いてやったわ!!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1386173838

女騎士「そもそもよぉー、こんな衆人環視の中でケンカ売ってきたのはこのガキの方なんだぜえ? イカレてんじゃねーのか?」

敵兵「そ……れは……!」

女騎士「いわば私は被害者なんだよ……おたくんトコのガキはどういう教育してやがるんだ?
刃物ブンブン鼻水ダラダラ、オラは勇者だじょーwwwwwwとか、一般の皆さんに迷惑だからカギ付のお部屋にぶち込んどけ、な?」

賢者「中尉、こちらで援護を……!!」

敵兵「ダメだッ!! ただでさえ先の事件があったのに、ここで魔術なんか使う訳にはいかないッ!!」

賢者「しかし……!」

女騎士「どうすんだよ童貞、死ぬのか死なねーのか……おうい、インチキ勇者の金魚のフンども」

戦士「お、俺達の事かよ……!」

女騎士「テメェらがこの童貞を殺すんでもいいんだぜぇー? その斧でも杖でも使って頭カチ割れや」

賢者「クズ女……地獄に落ちろ!」

女騎士「早くしろやグズども……こっちゃ叩き売れそうな古くせえ剣とクサレ東方人一匹の命で手打ちにしてやるっつってんだぞ?
どんだけ強欲なんだよ魔王軍ってのは。善良な人間から搾れるだけ富を搾り取る、まさに悪魔の集まりだなァ……」

敵兵「てめ……てめえッ……!! この人たちは、そんな……」

女騎士「そぉだよなぁー、テメェを大事にしてくれる聖人揃いだから、命も惜しくないよなぁー。
って事ァ、このクソ勇者も正義の為に殉職する覚悟はできてるよなぁー。あ、なんだ。じゃあ別に殺してもいいのか、ハッハー!!」




レギンレイヴ「……あのう、ほ、本当に行けば殺さないんですね? ね?」

娘「さっきからそう言ってんじゃねェか……やれ」

レギンレイヴ「は、はひっ……あのッ、私の事は北部神族のレギ……」

娘「知らねえよ、さっさと行け。泥沼になって困るのはお互い様だろ……ミスったら殺すぞ」

レギンレイヴ「了解であります……うへへへ……」

レギンレイヴ「おゥらァァァァァッ!!」

敵兵「なっ……!? ぐあッ……!!」

レギンレイヴ「その首もらった連合人んんんんッ、はははははっ!!」

戦士「な、何だあいつッ!?」

賢者「北部神族!? ワルキューレがどうして共和国にまで……!」




女騎士「何だ、今の……え?」

娘「お母様、やりましたわ!! あの男、もう生きてはいますまい!! 撤退いたしましょう!!」

女騎士「お……お? おう……おう?」

娘「魔物どもの仲間割れにございます! あの死神、少し脅したらころりと寝返りました!
今のうちに撤収しましょ……そんな血で汚れた男なんて放って、さあ!」

女騎士「……ふん、あんたが言うなら、まあ良かろ。今日はこれっくらいにしといてやらあ、次はもっと面白いもん持って来いよなぁー」




敵兵「がはっ……げっほ……あ、あんた……」

レギンレイヴ「へ、へへへ……い、いやァ……ア、アタシャただ脅されただけなんですよォ……しょ、しょうがないっしょ」

戦士「……今はお前なんかに構ってるヒマはねぇんだ、この場を納める事の方が先決だ」

賢者「救護班編成急げ!!」

レギンレイヴ「ふ、ふへへへ……」

敵兵「……」

レギンレイヴ「(アタシの立場的に、この東方人をマジにブッ殺すのもマジィんだよねぇ~……何事も臨機応変にってねぇ。
かと言って、あの場はドラグーンのガキに従っとかないと命がヤバかったし……いやぁ、生きてるって素晴らしいですオーディン様)」

息子「お母……様ぁ……」

女騎士「ん、何さ」

息子「……」

女騎士「あー、さっきの事? わりーなwwww痛かった? めんごめんご」

息子「……」

娘「お兄ちゃん、まだ痛む……? もうすぐアルヴライヒだから、頑張って……」

息子「ううん、大丈夫……ありがとう」





息子「北西諸島……お母様の後輩の方の言った通りだ……お母様の意思を、あそこまで歪な形に捻じ曲げる魔王軍……」

息子「お母様に……あんな事をさせるなんて……」

息子「皆殺しだ、魔王軍も、勇者に与する存在すべて……!! バラバラにしてやってもまだ足りない、焼き尽くして滅菌してやる……」

息子「お母様が、もう誰も傷つけず……誰にも傷つけない世の中に、あいつらは必要ない……!!」

息子「勇者……そして、連合にいたとかいうあのクソ男ッ……!! 楽には殺さないからな……!!」

騎士ほ「……はじめまして、ディナダン卿」

ディナダン「あら、まあまあ……ごきげんよう、はじめまして。今朝まで共和国にいたんですって? 大変ねえ……」

騎士ほ「いえ……円卓の皆々様方に比べれば。どうか、卿も私どもを存分にお使いくださいまし」

ディナダン「おばあちゃんには孫の手が一本あれば十分よ、若い子は私なんかに構う事ないわぁ」

騎士ほ「ご謙遜を……」

ディナダン「おばあちゃんは、裏方でコソコソいじわるでもさせてもらうから、ねえ」

騎士ほ「……して、本日は私めに何用でございましょうか」

ディナダン「何用……そうねぇ、それじゃあ単刀直入に、あなたに聞かせてもらおうかしらぁ」

騎士ほ「(クソババア……やはり、何か腹に一物忍ばせているか。わざわざ竜騎兵長の名を使って、小賢しいマネを……)」

ディナダン「私が、極東皇国の幕府と繋がりがある事は知っているわよね?」

騎士ほ「……ええ、もちろん存じております。夫を失い、竜騎兵を志願する上での目標である卿の事は、それはもう」

ディナダン「あらぁ、お世辞かしら?」

騎士ほ「拙い世辞ですが、ぜひお受け取りくださいまし。
両国との間に結ばれた修好通商条約、幕府側の不平等改善に尽力なさっている卿のお志、まさしく騎士の鑑にございます」

ディナダン「悪い気分ではないわねぇ……それじゃあ……」

騎士ほ「……」

ディナダン「幕府のおチビさんを通して、アジ=ダハーカの腹の内を探っていた事も御存知かしらぁ?」

騎士ほ「!?」

ディナダン「共和国の演説……さぞご立派だったみたいねぇ……6年も前だから忘れちゃったかしら? 実行犯さん?」

騎士ほ「(この……ババアッ……!! わ、私を……探っていやがったのかッ……!? まさかッ……!?)」

第8部 ガリア=ベルギガ編 誤

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第9部 パンとか止めるやつ

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                                     制作・著作 NHK



幕間の代わりにwikiに概要入れますた
この設定で行くます

女騎士「ごきげんよう息子よぉー、やはり同じ森の中でもエルフどもの国は先進的でいいものだあ」

息子「ごきげんよう、母様」

娘「お兄ちゃん……明後日には包帯が取れるそうですわ、母様」

ほ子「……こんにちは」

女騎士「いやぁー、大した事なくて良かった良かった。今日はこの私が見舞いに来てやりましたよ」

息子「母様……」

女騎士「御大将も本国ほっぽり出してどこで何やってんだか……あなた達はお互いにもっとマトモな金持ちを見つけなさいな」

娘「きっと叔母様とお見合いだわ」

息子「叔母様はマトモじゃないのかな……?」

女騎士「異性とわかれば魔物だろうが両生類だろうが所構わずおっぱじめる、人間の性の乱れを体現した哀れなカタツムリ女なの……」

ほ子「こわい……」

娘「あんなに綺麗な人なのに……」

女騎士「あなた達も気を付けなさいな、美貌はこの私から継いでいるとはいえ……若いうちから勉強に励みなさいね」

息子「勉強……」

ほ子「……べんきょう」

娘「……お母様、お母様はどこでお勉強したの?」

女騎士「は? 学校」

息子「ぼ、僕たち……」

娘「学校……行った事ない……」

女騎士「」

女騎士「えー……学校……行きたいのぉ?」

娘「ほ、北西じゃ小さい子はみんな学校行くんだって、この子が……」

ほ子「おうち、かえったら……また行きます」

女騎士「だって私より読み書きだってできるじゃーん……」

息子「……た、楽しそうですし」

女騎士「面白くねーよあんなとこー、こぞってアホガキとアホ公務員をぶちこんで小便で煮込んだスカンクのゲリ鍋だぞ」

娘「みんなで揃ってご本を読むのよ」

息子「みんなで揃ってフットボールをするのです」

女騎士「あなた達にはこいつらがいるじゃないの」

エルフ近衛兵「若様!! ご本を読みましょう、エルフのヒョロガリじゃなく肉付きのいいケンタウリの女がたくさんですよ!!」

エルフ騎兵「お嬢様!! みんなで揃って遊びましょう!! まず面子を四人集めてください、牌をジャラジャラしましょう!!」

秘書「え、えっと……単位を取る時は極力めんどくさくない講義を選んで……」

息子「……ちょっとちがう」

娘「学校のフットボールでもお金のやりとりするの?」

ほ子「……」

女騎士「不健全な連中だなぁ、私をもう少し見習うがいいカスどもめ。学校生活というのはな……
友達を見つける事に意義があるのです。オーケイ?」

秘書「」

~10年前~
女騎士14歳


バカ女「あー、学生生活は楽しいわ!!」

アホ女「楽しいわったら楽しいわ!! 転校したては楽しいわ!」

クソ女「さっすが田舎!! 女学生ってだけでイモ男どもが寄ってくるのだわ!!」

バカ女「あらー!! 見るだけで目が腐りそうなコミュ障女がいるのだわー!!」


女騎士「……」


バカ女「成績だけはやたらいいけど、人間あーなったらおしまいねー!!」

アホ女「また講義が終わったらブチョブチョのグジョグジョにしてやりましょう!!」

クソ女「そうしましょう!! いつものように奴のカバンをメタメタに荒らしてやりましょう!!」

バカ女「どうせ冴えないボンクラ貴族が、タテマエの為に入学させたに決まっているのだわー!!」

クソ女「どうせ卒業したってアテクシ達中央出身の才女のように上流社会に届きゃしないのに不憫なのだわー!」

アホ女「とりあえず学年シメてやりましょうかー! シメましょうったらシメましょう!」

バカ女「地方のぞうきん女ども、アテクシ達の生気に溢れる力に愚民どもをひれ伏すがよいでしょう!」


女騎士「(また名前書き間違えちゃった……私の名前なんだっけ……)」

ぞうきん女「やめて……もう、もうやめて……」

バカ女「もっとアテクシ達の暴慢なる力を恐れるのだわ!!」

アホ女「もう一発、近所の工廠の近くの川で汲んできたきったねー水を浴びるのだわ!!」

ぞうきん女「きゃあっ!!」

クソ女「背中に近所の川で釣ってきたザリガニをぶちこんでやるのだわ!!」

ぞうきん女「嫌ァー!!」

バカ女「オラァー!!」

ぞうきん女「ぎゃうっ!!」

バカ女「アテクシのこのシャドーボクシングで鍛え上げられた右フックで苦しむがいいのだわ!!」


女騎士「……」


アホ女「あっ、あそこに見えるはガリ勉ですわ!!」

クソ女「たっぷり近所で貰ってきた牛糞をカバンに詰め込んでやりましたわ!! えんがちょですわ!!」

バカ女「ほんと学生生活は地獄ですわァー!!」

クソ女「毎日違うカバンで登校してくるだなんて、精いっぱいのオサレのつもりでしょうが無駄でしてよォー!!」

ぞうきん女「お願いぃ……やめてぇ、許して……」

バカ女「あぁ~、そそりますわぁ!! 特に意味のない暴力というのはこの上なく心地よいですわ!!」

アホ女「この生産性のない不毛な行為はやっぱりやみつきになりますわねぇ~!!」

クソ女「コミュニティの外にいるクズを虐げるのはどうしてこんなに楽しいのでしょう、楽しいわったら楽しいわぁ!!」

ぞうきん女「お願い……か、カバン……あのカバンだけは返してぇ……」

アホ女「きっと今頃地下の汚水に漂っていますわぁ!!」

バカ女「オーホホホ!! 私は知らなくってよー!!」

クソ女「私も知らなくってよー!!」

アホ女「私も知らなくってよー!!」

ぞうきん女「ウソ、ウソよぉ……また……あなた達が……ヘンな事したんでしょう……」

バカ女「オーホホホ!!」

ぞうきん女「私のロッカー……カバンのかわりに、牛糞が詰まってたんだから……!!」

クソ女「オーホホ……ホ……?」

バカ女「あら……楽しい学生生活なのに、彼女は来ていませんの?」

クソ女「先ほど廊下で生徒指導の教官とシスターにフロントスープレックスで指導されてましたわぁ、きっとどこかでヘマりましたのねぇ!!」

バカ女「愚かですこと!! アテクシ達とは所詮共感し得ないゴミでしたのね!! 血筋にオークでもいたんでしょう!!」

クソ女「オーホホホ! 今日も慈善活動に勤しみましょうか!!」


女騎士「……」


クソ女「オーホホホ!! 今日はあの女にアテクシが指導をしてさしあげましょうかぁー!!」

バカ女「では、今日は二手に分かれて活動いたしましょう!!」

クソ女「分かれましょうそうしましょう!!」

バカ女「くそ田舎に最先端の旋風を吹かせてやりましょう!!」


女騎士「……」

シスター「皆さんに悲しいお知らせがあります……親愛なる我らが子羊が、昨日のうちに二人も……二人も……」

バカ女「」

バカ生徒「やだーこわーい」

アホ生徒「きっと変質者よー、女性器を切り取られて釘で壁に打ち付けられてしまうのよー」

バカ生徒「きっと魔王軍のクズどもよー、馬糞を食べさせられながらお尻を瓶で壊されてしまうのよー」

バカ女「……」

シスター「一人は……おうちに火を点けられて……ひどい姿で発見されました……もう一人は、まだ見つかっていません……」

バカ女「」


女騎士「シスター、つまんないのでもっと面白い話してください」

シスター「そうですね、それじゃあ来週のG1の予想でもしましょうか」

バカ女「なっ……」

シスター「どうかしましたか? 席につきなさい」

バカ女「ひっ……人が……し、死んでますのよ……? それに、一人は見つかってないって……あのぞうきんだって、今日は学校に来て……」

シスター「どこかで男の人相手にお小遣いでも稼いでいるんでしょう、席につきなさい」

バカ女「」

バカ女「……」

女騎士「……」

バカ女「カバンがありませんわ……」

女騎士「はあ……」

バカ女「つっ、つまらない報復なんかしやがってッ!! わかってるんですわよ、腹いせにあんたがやったんでしょうッ!!」

女騎士「痛っ、痛い!! 痛い、やめて!!」

バカ女「このアマッ!! 毎日寝る前に腕立て伏せ10回をかかさずこなすアテクシの無慈悲なまでの威力のパンチを食らえ!!」

女騎士「いやっ、助けて……きゃあ!!」

バカ女「床舐めて謝れ!! カバン返せ!! こいつ!!」

女騎士「きゃあー! きゃあー! きゃあー! 死ね!!」

バキューン

バカ女「おぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!」

女騎士「きゃあー! きゃあー、怖いわ! きゃあー!」

バカ女「ちょっ……待っ……!!」

女騎士「ごめんなさぁーい! たすけてぇー!!」

バカ女「じっ……実銃……! が、学校に……あ、あなた……」

女騎士「きゃあーたすけてー。きゃあー」

バカ女「ひっ……!!」

女騎士「……」

バカ女「やっ、や、やめなさい……そ、それ、それしまいなさいよォ!! それえ!!」

女騎士「これはただの水鉄砲ですぅ、変な人に襲われた時の護身用ですぅ、
ちょっと威力が高めで火薬を使って鉛の弾を押し出すタイプの水鉄砲なんですぅ」

バカ女「」

バカ女「(い、いかれてますわ……あ、あの、あのガリ勉女……)」

バカ女「(ま、まさか……まさか、あの女が……アテクシのお友達を……?)」

バカ女「(……い、いくらなんでも……そんな北西の推理小説みたいなことがあるわけ……)」

バカ女「(しかし……見てらっしゃい……きっと、警察も動いてますわ……学校内に捜査の手を何としても……)」

バカ女「(……もしかして、あの女……あの日はぞうきん女のカバンと自分の物をすり替えていたとすると……)」

バカ女「(アテクシがチョッカイかける度に……どこかから……カバンをくすね……)」

バカ女「(ああ、ばかばかしい……早く家に帰ってシャワーでも浴び……)」




ぞうきん女「おひゃひゃひゃひゃwwwwwwwwwwwwwwww」

バカ女「」

ぞうきん女「これから毎日家を焼こうぜ!」

バカ女「(おうちが燃えてますわ)」

ぞうきん女「あばばばばばwwwwwwwwwwwwww」

バカ女「きさまあ!!!!」

ぞうきん女「あぺぺぺwwwwwwwwwwww」

パパ「あっはっは、領主様のご厚意でこんなにいいお部屋を用意していただいたぞぉ」

バカ女「お、お父様ッ……あの、あのぞうきん頭の女は!?」

パパ「んー? パパ仕事で忙しいから家族の事を顧みる暇はないぞぉー? パパ忙しいからなー!」

バカ女「パパァッ!!」

パパ「パパなあ、今日はパパちょっと教皇領の人の接待しなきゃいけないんだー、連合のゴミどもが最近うるさいからなー」

バカ女「パパ、お願い……話を聞いて……」

パパ「ごめんなー、忙しくてなー、あー仕事仕事」

バカ女「パパァ……」

女騎士「……」

バカ女「……何ですの」

女騎士「ち、ちょっと……お話しが……」

バカ女「ア、アテクシにはありませんわ……あっちに行っててくださいまし」

女騎士「で、でも……」

バカ女「何だって言うんです!! ざまあみろとでも言いたいんですか!?」

女騎士「あう……」

バカ女「……ううううっ……!! ぜんぶ……ぜんぶ燃えてしまったんですのよ……全部……全部」

女騎士「燃えちまったんだよ!! 全部燃えちまった!! どうしてくれるんだこの雌豚がよォー!!」

バカ女「」

女騎士「テメェがあんなトコにすーぐ燃えちまうボロ家ブッ建てたりすっから、私の秘密基地が燃えちまったじゃあねーか!!」

バカ女「えっ何それは」

女騎士「しらばっくれてんじゃあねーぞてめー、畑もまるまる焼けちまった……先輩から譲ってもらった大事な畑だったのによぉー」

バカ女「ア、アテクシは家が……」

女騎士「時価いくら分だと思っていやがる!? テメェみてえな貧乏人の家の何軒買えると思ってやがんだビチグソがァー!!」

バカ女「アテクシの……せい!? そんなわけない、放火に遭ったんですのよ!? 放火魔のせいじゃ……」

女騎士「帝都のクソビッチは頭脳がマヌケかあ!? そんなら今すぐ目の前に放火魔連れてこいやゴミが!!
無理だろォ!? したら悪ィのは全部テメェだ!! 私に対して責任を負え!! カネだ、カネ持ってきやがれ!!」

バカ女「む、ムチャ言わないで……」

女騎士「どこがムチャなんだァ? てめー、私が二年ダブってるからってナメてやがんのかァ? 殺すぞマジで。」
火ィ点けられるような事してっからだろォがよォ!! どうしてくれんだ、テメェのせいで私の小遣いがパアだぜ!!
姉貴一晩置いとけば丁度いい稼ぎになる穴場だったのによぉー……講義終わったらまた来るぞ、逃げんじゃねーぜ」

バカ女「」

女騎士「おうテメェ、ジャンプしろや」

バカ女「も、もう、それ以上持ってないわ……」

女騎士「しけてやがんな。こんなんじゃ二日もたねえよ……夕方までに五万な」

バカ女「ゆ……夕方!? あ、明日じゅうじゃ……」

女騎士「夕方だよ……明日じゃ駅前のケーキ屋までエクレア買いに行けねえだろ? あそこ定休日なんだよ」

バカ女「ご、五万だなんて……も、持ってない……」

女騎士「この放火野郎が……てめぇが家燃やされるような事すっから、私の財産まで燃え広がって……」

バカ女「……」

女騎士「聞いてんのかブタ!! カネがねえなら一晩駅前で体でも売ってこいや!! 死にてえのか!!」

バカ女「ひいっ……」



シスター「あらー、お取込み中? ちょっといーい?」

女騎士「……何ですか」

シスター「いつものですよ、いつもの……午後の講義始まるまえに、ね?」

女騎士「あー、申し訳ないんですけどしばらく閉店なんですわ。悪いんすけど」

シスター「え……どうしたの!? バレたの!?」

女騎士「違いますよ……ほら、帝都じゃ違法だけど、ここじゃまだ合法じゃないですか……
例の宿無しのコイツです。コイツが燃やしやがったんです。かくかくしかじか」

バカ女「」

シスター「……チッ」

バカ女「あ、あの……な、何の……話……」

シスター「あなたとは楽しい学校生活が送れそうね。ペッ!!」

バカ女「」

バカ女「(全部……)」

バカ女「(ぜ、全部……あのぞうきん女のせいですわ……)」

バカ女「(ナマイキに……は、反撃のつもり……? 死んだ魚の目ぇしやがって……!!)」

バカ女「(ア、アテクシは……中央の文官の娘ですのよ……? 田舎の領主のガキなんかとは……)」



女騎士「おい」

バカ女「……」

女騎士「あいさつ……何様だてめえ!!」

バカ女「がぉぷ」

女騎士「利子追加。明後日までに二十五万。腹パンとセットな。後で焼却炉こいや、おしおきだ」

バカ女「い、嫌……あ、熱……熱いのは……」

女騎士「葉っぱさん達はもっと熱かったんだぞォー? 私のお財布に入るお金になるはずだったのに……
テメェときたら、二束三文にしかなんねぇクソみてえな貴金属だのしか持ってこねえ。
パパからくすねてくんならアルヴライヒの口座まるごととか持って来いよ、ざけてんのか? あ?」

バカ女「う……ううっ……」


女騎士「やっぱ体で商売しよっかぁ……テメェと一緒にいた三匹のうち一人は、今でもお仕事頑張ってんだぜえ?」

バカ女「は……?」

女騎士「昨日見に行ったんだけどさァ……四つん這いで、豚の餌食ったブタのクソ食ってやがって。クセえのなんのって……
駐屯部隊の便器になったと思ったら、わずか2週間で豚小屋行きだ……軍人ってのはすぐガキ使い潰しちまうんだから……」

バカ女「……」

女騎士「……ま、その件は追々考えるとしてだ。明日から、テメェの住まいは学校の寮だ」

バカ女「え……」

女騎士「……姉妹制度ってさぁ……あるだろ? 知ってる筈だよなァ、先輩後輩が互いに指導し合うってやつだよ」

バカ女「」

女騎士「これからはよぉー……付きっ切りで『指導』してやるよぉ……都会から来たバカって面白そうだしなあー……」

バカ女「あ……う……」

女騎士「ほら、ブタさんになるか、私の妹になるか。どっちがいい? ほら、答えろよ。ブーブー」

バカ女「お……」

女騎士「ぶーぶー」

バカ女「お……姉様……あ……ああああ……」

女騎士「何だよォー、泣くほど嬉しいのかよぉー……クックク……仲良くしようじゃあないか、豚女がよぉー」

バカ女「う……ううああああ……」

女騎士「ククク……すっかり私にホの字ってかあ? 後輩ちゃんは可愛いねえ……ははははは!!」

女騎士「……」

息子「お、終わり?」

女騎士「終わり。飽きた」

娘「ぞ、ぞうきん頭の人は!?」

女騎士「知らねえ。卒業する前に警察に捕まって……死んだんじゃねーの?」

娘「バカ女が……お母様の後輩……この子のお母様なの?」

ほ子「……」

女騎士「苦労したぞお、あのバカを矯正するのには骨が折れた。実際何回か色んなとこの骨をへし折ってやったもんだ」

息子「……なんだか想像できないな」

娘「あの人、すっごく真面目で強そうなのに」

女騎士「私が教育してやったから、あそこまで逞しくマトモに仕上がったのだ。
頭おかしいのは治らないでしょうが、安心しなさい。子供のあなたに罪はありません」

ほ子「……おかあさま、おばかさまだったの」

女騎士「そう、だからあなたが支えてあげなさいな。お馬鹿だから」

ほ子「がんばります、きしさま……」

女騎士「いい? お友達の作り方、わかったでしょ? 分かった人、はーい!」

ほ子「は、はあい……」

息子「学校って、バカばっかりなの……?」

女騎士「気づいたか……別に仕事に就くんだったらコネでも構わんのよ? わざわざ大学通うなんて無駄の極みなの」

娘「む、無駄な事ない……と思います……大学って、専門のすごいお勉強するところなんでしょ……?」

女騎士「このクソデブ見てみろ!! 個人のスペックが足りねえからコネで入ったにもかかわらずニートだぞ!?」

秘書「ひぇ!?」

女騎士「専門の知識なんか身に着いたところでどうする!! 私のように個人が秀でていなければ意味はない!!
私なんぞ読み書きが不自由でもあなた達をこうして産んで相手をしてあげてるでしょうが!!」

秘書「(大卒なめんなくそが!! くそが!!)」

第8.5部 ピカピカのいちねんせい編

                ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                 d⌒) ./| _ノ  __ノ 

女騎士:属性[混沌・悪]

筋力[E] 魔翌力[E] 耐久[E] 幸運[A++] 敏捷[C]
カリスマ[B]
心眼  [B]
仕切りなおし[B]
戦闘続行[A]

こんな感じか

>>277
スパロボかな? 三男坊どうなるんやろ
こういうステ付けはいくつになっても楽しいもんですわ!

4部で一応幕引きしたのに、こんなにいっぱい賛否もらえてうれしょんですわ
題材が題材だけに、否をいかに丸め込めるか考えていきますわ

マスター「令呪をもって命ずる。自害しろ、女騎士」

女騎士「やだ」

マスター「!?れ、令呪をもって」

女騎士「うるせえええ!令呪がなんだってんだよ!てめえの命令なんかで死んでたまるかクソボケが!」

マスター「」

女騎士「絶対に死んでたまるか!絶対にだ!!」



こうなりそうな気がしてならない

騎士ほ「……いやですわ、ディナダン卿。私が……テロリスト? まさか、そんな事が……」

ディナダン「そんな事はない、潔白だと……できれば信じてあげたいけれどねえ……」

騎士ほ「……」

ディナダン「先日……外務省が大々的に指名手配していた男と、偶然知り合いになってしまってねえ。
容疑は……6年前のテロ事件の被害に遭った重要参考人への傷害……殺人未遂」

騎士ほ「(連合の、あの恥知らずめッ……まだ生きているか……!!)」

ディナダン「そして、河川で発見された変死体。これについては、特に妖精族や科捜研が力を入れて捜査していた……」

騎士ほ「……」

ディナダン「幕府側も、あわよくば自分達の思い通りに事が運べばと思っていたみたいでね……各地に捜査員を派遣していたわね。
そして、指名手配犯……いえ、重要参考人へとたどり着き……アジ=ダハーカの懐へついに潜り込んだ」

騎士ほ「(6年間……お姉様不在の間……ずっと疑ってやがったのかッ……このババアッ……!?)」

ディナダン「共和国内のワイナリー占拠、都市部郊外に居を構える犯罪組織の隆盛……所属不明の翼竜の目撃情報もあったと聞きます。
人の口に戸は立てられないとは言うけれど……お金をいくらばらまいても、不自然さは完全には拭えないものなのよねぇ」

騎士ほ「……」

ディナダン「他国でのドラグーン部隊の育成など、未だ本国内で議論が重ねられている議題であるにもかかわらず……
先のドワーフゲットー襲撃に始まる一連の事件、どれにも所属不明のドラグーン部隊が参加していたとの事。
中でも、政庁が陥落する寸前……魔王軍戦力と、あろう事か虎の子のペンドラゴンの姿があっただとか」

騎士ほ「(情報部のゴキブリを追い払った直後かッ……あの下っ端から漏れたのか……!!)」

ディナダン「ワイバーンの養殖。我々円卓、ひいては近衛軍の沽券に係わる大問題と言えましょう。儀典局はカンカンですよ」

騎士ほ「……」

ディナダン「本国でも、エルダーや女王陛下より賜りし翼竜を大陸に横流ししていた不埒者を血眼になって探しています。
円卓では……そうね、血の気の多くて若い子が犯人探しでわあわあ騒いでいるわねえ」

騎士ほ「卿は、私がその不埒者……ですと?」

ディナダン「……さあて。これまでの物証から推測した結果ですよ、早いところ自白した方がいいっていう老婆心です」

騎士ほ「フクク……私が? 私一人で、そんな大それたことができると思って? 買いかぶり過ぎですわ」

ディナダン「何も、役職にある人間が揃ってシロとは思っていませんよ。円卓から一人や二人……クロが出てもおかしくはない」

騎士ほ「……」

ディナダン「組織の自浄作用に期待しようにも、そういったものとは無縁だからねえ……円卓って」

騎士ほ「よほど卿の円卓への期待は薄いようで」

ディナダン「だってえ、究極の縁故採用組織ですもの。何の期待ができましょうか!

騎士ほ「……今日は、私を捕らえて……その縁故採用団体への手土産にするおつもりですか?」

ディナダン「そんな事になれば、あなたはおろか竜騎兵長にまで責任を負って路頭に迷う羽目になるわねぇ」

騎士ほ「然るべき場所で糾弾するのが先では? 正統な裁きにならば、私は従いますわ」

ディナダン「……」

騎士ほ「(……身一つでエクスキャリバーに挑むわけにはいかんか。このババアの首を取る為には……!!)」

ディナダン「そう警戒しないで……仮にあなたが事件の当事者だとして……
そうね、責めるなというのは難しいけれど……できるなら、波風を立たせずに事を収束させたいとは思っています」

騎士ほ「(なに……?)」

ディナダン「……」

鴉「……あの黒髪……本当にヤツが、先の戦乱の首謀者に繋がっていると?」

木の葉「騎兵奉行の彼女からの報告が事実ならな。陰陽寮の連中や松山の鬼どもは、まんまと寝返ったようだが」

鴉「また京の鞍馬坊の胃に穴が空くな。関東の我らと同じく、天狗として人に尽くしてきたと思えば、今度は鬼に手を噛まれると来た」

木の葉「それで……首謀者ってのは、どんなヤツだったのかね」

真神「……ひどく……前向きで……どうしようもなく……どうしようもないヤツであったな……」

鴉「まだ頭に星でもちらついてやがるのか。せっかくオレ達本隊が遥々来てやったというのに」

木の葉「……エルフに鬼……松山の狼藉者を公の場から叩き出すに相応しい場が既に用意されていたわけだな」

鴉「ちょうどいいじゃあねえか。オレ達のオカッパ御大を取り返したら、えるだーとかいう連中と一緒にブッ潰してやろうぜ」

木の葉「それも、円卓のディナダン卿の立ち回り次第、だな」



騎士ほ「正気……でして?」

ディナダン「まだ耄碌してはいませんよ。どういたします?」

騎士ほ「……」

ディナダン「ここで身元を明かすリスクを負って、より戦力を強めるか……それとも、私からの誘いを蹴るか」

騎士ほ「(わざわざ私に直接接触して来た事を考えれば……卿は、私が円卓の騎士と結託している事は断定できても、
メンバーのうちの誰かというところまでは探れていない筈。ワイバーンとヴォーパル鋼を流しているのがモルドレッド卿という事は、まだ……)」

ディナダン「さ、どうなんです?」

騎士ほ「……それは、アジ=ダハーカを……連合王国の自浄に協力させるという事でしょうか?」

ディナダン「……」

騎士ほ「幕府の案を呑み、エルダーを完全に平定、服従させる……アジ=ダハーカの持つ影響力を使って……!」

ディナダン「……アジ=ダハーカの一団は、エルダーに対抗しうる力を有しています。適材適所と言いましょうか」

騎士ほ「いかにこれまでの電撃戦には勝利しているとしても……相手は神格、それも神竜に匹敵する存在も確認されていましょう……!」

ディナダン「それをどうにかできうる力が、そちら側にある……そう聞いていますが?」

騎士ほ「……?」

ディナダン「五柱の勇者に、聖剣デュランダル。アジ=ダハーカ本人が、現在は有しているとか……」

騎士ほ「お姉様がッ!?」

ディナダン「……」

騎士ほ「(し……しまったッ……!!)」

ディナダン「聖剣デュランダル、司るは『不滅』。使い手を阻む障害全てを斬り払う魔剣……」

騎士ほ「しかし……それは、それは勇者が……魔王軍の手にあるものなのでは?」

ディナダン「つい先日だったかしら。共和国でのデモ中に発生した騒動……そこに居合わせた勇者本人と、アジ=ダハーカ……
あなたの『おねえさま』が、その騒動を制しデュランダルを手に逃げおおせた。当事者からの、確かな情報です」

騎士ほ「お姉様が……」

ディナダン「五柱の勇者が魔王軍の側にいる以上、エルダーの討伐は不可能。
しかし、どの勢力からも敵視され、そして黙認されている都合のいい勢力ならば、或いは……」

騎士ほ「(お姉様が……ジョワユーズに加え、あのデュランダルまで……!?)」

ディナダン「とはいえ、『おねえさま』本人に先陣を切ってもらう事は……まあ、一部を除きないでしょう。
あくまでも、平和的に……エルダーを屈服させる事が出来ればよいのですから……」

騎士ほ「……容疑を認めろ、と。フックック……これはこれは、たちの悪い老害ババアですこと……フクククク……!!」

司教「どうもぉー!! こーんにーちはー、あなたの街のステキな正教会からやってまいりましたー!!」

秘書「ひゃあ」

エルフ騎兵「めんどくせぇ……」

エルフ近衛兵「生憎、今大将いねェから払えるものも払えねェっすよ。帰ってどうぞ」

司教「えーっとぉー、でもでも、お得意さんにお呼ばれされちゃったんですけれどもぉー」

秘書「お、お得意さん?」

エルフ騎兵「あの黒髪でモリモリの人ですよ」

エルフ近衛兵「とりあえず、騎士様に話通してみますんで……例の剣の事ですよね。その辺の地べたでも舐めて待っててください」



秘書「ど、ど、ど、どなたですか、どちらからいらしたんですか……!」

エルフ騎兵「教皇領の回し者ですよ、どこにでも現れやがる」

エルフ近衛兵「今日はどうせあれでしょう、被災地支援の為の投機口座の中身に手でも突っ込みに来たんじゃないですか」

秘書「横領っ!! あの人シスターでしょ!?」

エルフ騎兵「来るたんびに何かせびっていきやがる……魔王軍にも連合の駐屯部隊にも似たような事してるって聞きますからね」

秘書「」

女騎士「ぶらんぶらーん」

司教「あれ、ゴキブリ喪女は……」

女騎士「上司にお呼ばれされてたから今日はいねぇよー」

司教「ちっ……呼びつけておいてこれかよ、あのクソ女……」

女騎士「そんなカッカすんじゃねーよ生臭坊主ー」

司教「失礼……して、例のモノはいずこに?」

女騎士「んー……ん?」

司教「騎士様が手に入れられたという、あの聖剣でございますよ」

女騎士「どこやったかなー……覚えてねぇなー……」

司教「」

女騎士「……ハンモック降りたくねぇんだけどなあ。誰かー!! だーれーかー!!」

娘『はーあーいー』

女騎士「あの剣! あの剣持ってきてー! だーれーかー!!」

娘『はーあーいー』

司教「(ダレてんなぁー)」

レギンレイヴ「いたいっ!! いたいですっ!! な、縄……縄ほどいてッ、ひきずらないでッ!!」

娘「はい、おかあさま。これ?」

司教「」

女騎士「あー、そうそう、このきもちわりー剣だよ、これこれ……それで、何やってたの? お母様のお部屋が血腥くなっちゃうけど」

レギンレイヴ「ひいいいい」

娘「えっと……こ、この前、そのまま逃げられるのもあれだし……共和国のはの字さんとちの字さんにつかまえてもらったんです。
敵前逃亡と命令無視で身柄を拘束されてたらしくて、そこを……」

レギンレイヴ「お母様でいらっしゃいますか!? お子様の教育が実に高水準でわたくし感心してしまいます、つきましては我々北部神族の」

女騎士「ウザッ、早く持って帰んなさい」

娘「はあい」

司教「(何度来てもここのメンツは濃いなあ……にしても……)」

女騎士「スポーンとか抜けたし、あんま聖剣っぽくねえよなあ」

司教「ジュワユーズ……これが……」

女騎士「そうだ、そんな名前だ。古くせえなりに、私に流れる高貴なる血のチカラに呼応したのかどうか知らんが……
にっくきあのクソ勇者を捌いてくれおったわ、やはり正義は勝つわけだなぁ」

司教「……重ッ、これ……持ち上がらない……!!」

女騎士「みんなそう言うんだよー、そういう冗談まじでやめて欲しいのに……きもちわりーな、まったくよー」

司教「そ、そういえば……さ、さっきのガキ……こ、これ……片手で持ってきてましたよね……」

女騎士「親目の前にしてガキとはいい度胸じゃねえか尼さんよぉ」

司教「えっ」

司教「使い手を剣の側が選ぶという、逸話通りの現象……まさしく、この剣は伝承の聖剣であるとお見受けいたしますわ……」

女騎士「マジか……マジモンか……」

司教「評議会での認定が得られれば、間違いなく聖遺物の現物として崇められる代物ですわ……騎士様の威光もようやく……!」

女騎士「……じゃあさ、じゃあさ、これもそうなん? これこれ」

司教「……?」

女騎士「この剣もそうなん? 見てみてよ、ほら」

司教「うわっ、ちょ……な、投げないでください、危ないオギャアアアアアアアアア肩があああああああああ」

女騎士「うるせーな、大げさに騒ぐんじゃねーよお!」

司教「痛っ、いたい!! 肩っ、肩折れたっ!!」

女騎士「後で病院連れてってやるから!! 今はこれ見ろこれ!! 勇者の奴からぶんどってきてやったもんなんだが……」

司教「ゆゆ、ゆ……ゆうしゃ……!? で、でで、では、これが……これが、デュ、デュランダル……ですか……?」

女騎士「おいおい、察しがいいな。そこは私がジャジャーンって感じで暴露したかったのに」

司教「(ンなもんちょっと見りゃわかるわ……! 今さっき魔王軍のケツ叩いてきたばっかりだからな!!)」

~今さっき~

将軍丙「失礼……お待たせいたしました、資料の請求に手間取りまして」

司教「失礼だって思うんなら待たせないでくださいよォー、私もヒマじゃあないんですからぁー」

ティタニア「申し訳ない……」

司教「あーあーあー、もういいですよぉ……そんな下っ端に書かせたであろう便所紙なんか見ないでもわかりますんで。
おたくんとこのバカの不祥事で重役が死亡……民間人にも被害が出る結果にあらあら相なってしまいましたとさ、とほほ」

ティタニア「言葉も出ないわぁ……」

司教「挙句の果てに!! 不滅の聖剣デュランダルを損失!? なぁぁぁぁぁぁーーーーーーにやってんですかねぇーーー!?」

将軍丙「……」

司教「魔物さん魔物さん魔物さぁーん。あなたの頭はどうしてスカスカなのぉーーーーー!?
あれさぁーーー、大事な大事なもんだってわかってるよねぇーーーー!? わかるぅ? 聖剣ってしってるぅ!? ねーえ!?」

ティタニア「今回の件は、完全にこちらに落ち度があるわぁ……各常任理事の方からも対応を……」

司教「イラネェーよそんなもん、大体どーしたんだおたくの魔王様は。風邪でもお召しになられましてぇーーー!?
上の者が尻拭いすんのは当然だと思うんですがねぇーーーーー!! 顔すら見せねぇで、組織としても三流ですわ三流!!」

将軍丙「陛下は……現在、本国で各氏族への対応の説明に当たっています」

司教「こうして6年前から面倒見てやってる私にワビの一つもねェーってのはどういう事だよ。あ!?」

将軍丙「す、すでに教皇領での会談は済ませておりますが……」

司教「あ、そう? そうなの? そんなんはどーでもいンだよ、おたくらの誠意が見たいんだよこっちは」

ティタニア「(このクソ尼……)」

司教「勇者様をしっかりサポートしてくださいねって、私言ったよォ? あんたら魔物に聖人を託したんだよォ?
恩をあだで返しやがって。どうしてくれんだこのダボが!! 連合にケツ振ったと思ったらこれだ!! 聞いてんのか、よお!!」

将軍丙「……」

司教「おい、どうすんだよ。どうすんだって聞いてんだよ!! どう落とし前付けんだ? お?」

将軍丙「取り……返します……」

司教「聞こえねェーーーよ!! ブン盗ってったアジ=ダハーカをどうすんだあ!? ブッ殺すのか!?
おーしいいだろ、今回だきゃ大目に見てやる。いいな、必ずだぞ。来期の西欧会議……じゃダメだ。
半年以内にデュランダル持って来い。勇者サマと揃えて、私の前に連れてきやがれ。いいか? わかったのか?」

ティタニア「……」

司教「わかったかって聞いてんだよ魔物野郎どもが!! 潔く絶滅しときゃよかった異教徒風情がなめやがってよお!!
テメーらなんかアタシらの温情がなきゃ大陸じゃ何もできねえゴミなんだよゴミィ!! 弁えて行動しろよボケどもがよぉー!!」

司教「(この女……マジにデュランダルかすめ取りやがったのかよ……しかも……)」

女騎士「おい見ろよー、これりんご剥けるぜー。しょりしょりしょり」

司教「(しかも……勇者の聖剣を振るってやがる……!! こんなバカの代名詞クレイジーブロンドビッチが……)」

女騎士「腋の毛とか剃れるかね。今度あの子に剃らせよう」

司教「(五柱の……勇者……!?)」



司教「(……この女が聖人とあらば……わざわざ魔王軍の方に嫁いでいったガキの面倒は見なくて済むわけか。
面倒だったなあ、6年もくっさいくっさい魔物どもの所まで出向いていっておべっか使って……うざかったー)」

司教「(だが……デュランダルをこの女に奪われたのは、恐らく連中にとっても相当なイレギュラーであった事は間違いない。
こちら……アジ=ダハーカ側も、小規模とはいえ戦力は侮れないものと言っていいわけだ)」

司教「(既に魔王軍側は焚きつけた……あのゴミども、躍起になってデュランダル探すんだろォなぁ……
片手間に災害支援で人手を割かれ、連合の蛮族には上から小突かれ……あーカワイソ、異教徒カワイソー!!)」

司教「(んまぁ……どっちが勝とうが負けようがどうでもいいんですけどねぇー……
魔王軍が勝ちゃ、勇者信仰は元通り……こっちが勝ちゃ新たな勇者が誕生……連合と北西の仲はどうなるか知らんけど……
少なくとも教皇領……こっちのハラは痛まねえ。向こう数十年は東西で小競り合いやっててくれるはずだからなァ……)」

女騎士「不滅の剣ねぇ……縁起はイイじゃあねーか、もらっといてやる」

司教「さいですか……いずれは持ち主と共に教皇領までご足労をお願いいたします」

女騎士「あいよ。そんでさ……こっちの剣にはそういうカッチョイー座右の銘みたいなのはねえの?」

司教「こっち……ジョワユーズですか?」

女騎士「そうそう、なんかねぇの?」

司教「ジョワユーズ……メシアを貫いた槍の逸話を引き継ぐものとして語られている聖剣と聞きますが」

女騎士「は?」

司教「……ここから先はオフレコでお願いしますね。教皇領の上層部にも、聖剣の存在を信じておらず、
その上権力だけを求めたがる不心得者はいます。そんな者にジョワユーズを知られぬ為にも。中には魔王軍の存在すらアヤフヤな者も」

女騎士「お、おう。私なんかはクソ敬虔だからジョワ公もデュラ公も愛してるぞ」

司教「……ジョワユーズの天威、それは『聖滅』でございます。能力の程度こそ不明ですが……」

女騎士「聖滅……?」

司教「メシアの昇天を拠り所にした伝承の通り、勇者を始めとした聖人……または、神性を有する神獣、
聖遺物に因る認識結界に対しても、絶大な効力を発揮する能力と言えます」

女騎士「スゲーの?」

司教「騎士様が勇者と打ちあって勝利したのは、その聖滅の能力の賜物かと」

女騎士「……」

司教「本来、聖剣と聖剣で打ちあうような事態は想定されていなかったのでしょう……
推測ですが、勇者が持つデュランダルの、使い手を守る自衛機能以外の能力は……聖滅に押し負けてしまったのだと思います」

女騎士「(ほんと尼ってキモチわりーな……長々とわけのわからねー聖書設定語り出しやがって……)」

女騎士「そうだ、ちょっと気になるところがあるんだけど」

司教「はい?」

女騎士「この聖剣ってやつはさあ、聖人しか持てねえって話やろ?」

司教「はあ……」

女騎士「高貴すぎて他の下賤の民がカマドウマに見えちゃうくらいの私が持てるのは当然だとしてよぉー……
このジョワ公が聖滅だっけか? お前らの信じるカミサマ由来のモノを一網打尽にできちゃうのはなんでだ?」

司教「なぜ……?」

女騎士「ジョワ公だって聖剣……伝承じゃカミサマ由来の一品なわけだろ?
じゃあ何か? カミサマはケンカさせる為にジョワ公を遣わしたのか?」

司教「(そんな事私が分かるわけねーだろボケ)」

女騎士「お前、聖剣同士でぶつかるケースは想定してないって言ってたよなぁ。じゃあこいつの持ってる聖滅って何だよ?
ほんとにジョワ公って聖剣なのか? なんかキモチわりーモンでも詰まってんじゃねーだろうな」

司教「……」

女騎士「(ガリア=ベルギガなんつーパンドラの箱、その一番奥のカタコンベ。そんなところにあるもんが聖剣だあ?
そんなもんが聖剣だったら、このバカどもの信じてるカミサマは何様だってんだよきめぇ。このアマ、何か知らねえのかよ?)」

司教「(聖書の設定なんか真に受けてんじゃねーよ低能クソビッチが……誰かがそう決めたからそうなんだろ……)」

騎士ほ「……」

ほ子「お、おかえりなさい……」

息子「騎竜での長旅、御疲れ様です……どうかなさいましたか?」

騎士ほ「何でもございませんわ、若様……そうだ。あなた達、後で湯浴みでもどうかしら……」

ほ子「みんなで……?」

魔子「わ、みんなでおふろですよ! わかさま!」

息子「ぼ、僕は一緒には入れないでしょう……」

騎士ほ「フクク……ご心配なく。私が見つけた浴場は混浴でして」

ほ子「お母様……おふろ、好き?」

騎士ほ「ええ、それはもう……あなたのひいおじい様は南部の人間なのよ。それはもう、肩まで浸かる浴槽が好きな民族で……」

息子「南部……そのすてきなブルネットも、きっとおじい様からのものですね」

騎士ほ「フクク……肌こそ帝国人の父のものですけれどもね……それでは、準備を整えたら向かいましょう。若様も、ほら」

息子「は、はい……」

騎士ほ「御背中、きれいにお流しいたしますわ……」

ほ子「おながしいたします」

息子「だ、だから……男女で分かれてますよね?」

騎士ほ「正教の布教以前の形態を忠実に再現した浴場ですのよ……アルヴライヒの奔放さならではの混浴形式ですわ、ささ……」

息子「」

女騎士「北西にケンカ売れってのか?」

騎士ほ「は。エルダーとの交渉に介入して欲しいとの要請が入っております。作戦には共同体と北部神族の戦力が……」

女騎士「……何でそんな事をせにゃならん? 見返りは何だ」

騎士ほ「……」

女騎士「ほの字よぉ……ダンマリはなしだぜ、懇切丁寧にお話しなさい」

騎士ほ「……斯く斯く然々、そうした状況にございまして」

女騎士「……」

騎士ほ「円卓内の古き慣習を一掃するとの名目で、女王に並ぶ高等竜種を為政の座から引きずり下ろす……
正確には、北西の片半分にケンカを売る事になりましょう」

女騎士「ベットする時点でヤケドしそうだな。クソババァ、私らを脅しに来たってわけか」

騎士ほ「……無碍に断れば、ドラグーン隊の維持が困難になるほか、共和国内でのガサ入れが行われる恐れがあります」

女騎士「ウゼーな……証言からして、魔王軍とも繋がってそうなところがますますうぜえ」

騎士ほ「お姉様……」

女騎士「ブッ殺す」

騎士ほ「……」

女騎士「エルダーぶっ殺す。皆殺しだ。恨みはねえが、人間様相手にでけえツラしてんのが気に入らん、棲家まるごとガリアのようにしてやる。
次にババァをぶっ殺す。魔王軍とまとめて焼き殺してやる。くだらねえ回り道させやがって……魔王のヤツを殺さにゃならんのに……!」

騎士ほ「お姉……様……」

女騎士「最後にはあの童貞殺さな……何だよぉ」

騎士ほ「お姉様っ、私は……私とあの子を見捨てないでくださいましっ、お願いでございます、お願い……
お姉様から見れば、私はあの青二才のモル公とクソババァどもと同じ穴の貉……疑うに足る不審人物でございます、しかし……」

女騎士「お、おう……」

騎士ほ「私は潔白にございます、確かに6年前……お姉様には内密のまま北西に渡りましたが……
それはお姉様への忠義から来る行為なのでございます、信頼を勝ち取らんが為に、こうして北西の技術を……」

女騎士「お、おう」

騎士ほ「恩着せがましいと、ぜひぜひ非難を浴びせてくださいまし……私は浅ましく卑しい下賤なお姉様の妹でございます……
しかし、私は……お姉様からの寵愛と加護、そして信頼を得る為になら、何を犠牲にしても受け入れる所存でございます……
ああ、ああ……ああ、ほら……ご覧になって……お姉様に付けて頂いた焼印……まるで聖痕のように、じくじくと燃え上っておりますわ……」

女騎士「(キモいキモいキモい血がキモい、何でだよそれ10年以上前の根性焼きだろ)」

女騎士「わかった、わかったから……床やらシーツやら血だらけじゃねえか、よせよせ」

騎士ほ「も、申し訳ございません……ですが、ですがお姉様……」

女騎士「いーから、もういいってば……チビッ子と浴場にでも行くんだろ、ちゃんと止血してから行けよ」

騎士ほ「はい……」

女騎士「あー、なんだ。少なくとも……私の場合は、血のつながった妹があのザマだからな。あれよりかは信用してるぜ」

騎士ほ「!!」



騎士ほ「(ああ、ああしかし……わたしは、わたしは……6年間……そう、この6年間……)」

(何てザマだ、肝心な時に側にないで)
(それでお姉様の妹?)
(お姉様の所在すらわからず)
(これでお姉様の竜騎兵?)



妹 失 格 ! ! !

―ほの字の忠誠心は、その強さゆえの脆さを併せ持つ。絶対的な理想が先にあり、修正が利かない―

息子「(み、みんなといっしょ……ほんとに混浴なんだあ)」

騎士ほ「フクク……フク……ククク……クフフ……」

息子「(……具合が良くないのかなあ)」

騎士ほ「お姉……わたしを……信用……クフフフ……嬉……」

息子「あ、あのう……体調、だいじょうぶですか」

騎士ほ「は、はい、若様。何でしょう」

息子「のぼせちゃったのかな、だとか……思ったんですが……」

騎士ほ「ああ……心配してくださったのですね、お優しい若様……すてき……ああ……」

息子「……」

騎士ほ「さあ、次は前を向いてくださいまし……恥ずかしがらないでえ……」

息子「は、はい……」

騎士ほ「はぁ……可愛……肌……クフフ……綺麗……お姉様……」

息子「(すっごい腹筋……かっこいいなあ……ふっくらした三角筋、盛り上がった上腕二頭筋……広背筋から繋がる腋窩……)」

騎士ほ「はい、ざぶーん……おしまいでございます……湯船をどうぞ……さあ、お嬢様の番ですわ……」

息子「(……もどかしい)」

少子化が加速するな

誤爆やで(^ω^;)

少子化ネタを作れとの神からのお達しだな

ゴミクズせんせー投下はよ

息子の性の興味は竜人みたいな半トカゲにも向いてるから意外と節操ないで(^ω^;)

>>517
エルフの連中は傭兵と一緒に娼婦も輸出してるから、仕事先でのラテックスタイプの避妊具の消費量も半端ないと思うで
近代化と武装中立の宣言で国内乳児死亡率は下がっても、元来からの出生率の低さと相まってこれ以上少子化したらヤバイ
基本的に猿人より柔軟性や骨密度を見ても頑丈なもんで、ケンタウリ相手にデキちゃってそのままひぎぃしても後遺症なしで
現役娼婦とかザラ、もっとも純エルフはカネだけはあるから貧困に喘いでる層ってのは国外から流れてきた人間くらい。
避妊に対する意識は諸国より高いもんだから女性が家に着かない+育児1人当たりの費用が爆増して絶賛お子様減少中
ハイエルフの場合は神性に傾きすぎてるもんで、妖精と同じように金属に触れないという種族まるごと過敏症・拒絶反応全開。
麻酔なんか使ったらそのまま死亡なんてケースもやたら多かったりして、出産のリスクがどの形態に比べてクソ高。
信教は本国の旧教ベースじゃなく、むしろ現代のアーミッシュに近い形態で信仰してるんだと思うます

>>518
明日の夜中くらいに時間あったら書くで(^ω^;)

妖精って金属に触れないの?
風上から重金属粉末散布すれば土地ごと殲滅できそうだね(ニッコリ)

>>521
子盗りだとかフェアリーサークルの伝承から子供を守るために、そういう金属に頼る逸話があったりなかったり。
そこで一方的に負かされるのも妖精さん的に面白くない、防塵マスクの開発等々は帝国を始めとした各地で行われてたもんで、
その構造を流用して妖精のサイズに合わせたマスクだとかも現在では配備されてたりするとかしないとか。
疫病予防にと信じられた香料マスク被って、ベルセルクの処刑人みたいなカッコした妖精がクロスボウかついで警戒任務してるとか。
もちろん翅を剥き出しにするわけにもいかず、飛行隊は銃も持てないという無様な有様。硝煙が翅にくっついて体調不良でぶっ倒れる

みたいな

久々にwiki除いたら主要キャラの本名追加されてて吹いた
敵兵さんはいまや雑兵みたいなもんだから名前はおろかwikiからもハブられてるんスね・・・

>>550
もう敵兵いなくても話にほぼ影響ないからな
女騎士とのボケとツッコミだった頃が一番輝いてた

女騎士とかいう雑魚持ち上げてる奴はなんなの?

>>566
それがデュラやジョワのおかげで雑魚じゃなくなったんだな
代わりに勇者様が雑魚化しましたけどねーwww

wikiで敵兵更新されてるwww
忘れてたくせにwww所属も6年前のままwww

案外敵兵が最初から持ってる剣が実はウルスラグナだったとかないかな
立場としては弱くても実際の戦闘で負けた事はないはずだし
動くたび状況をどんどんややこしく悪化させてて「すべての円滑な和解から遠ざける」とかまさにぴったり

>>589
敵兵って剣なんて持ってたっけ
装備は自動拳銃&自動小銃じゃなかったっけ
最初期はリボルバーだったけど

敵兵は大泉洋だって決まっただろ!

勇者vsモリマンなんかやってるの見ると、勇者の中の人は相当ノリのいいイケメンなんだろうな

敵兵、タイキック~

敵兵「ちょっ待って待ってア”ウ”ッ!!」

女騎士騎士ほ大将勇者「wwwwwwwww」

>>608
敵兵「おおい、女騎士くぅん!俺は君の肉親をどんどんおみまいしていくぞぉ」
女騎士「家族に手出すなよ!?」
敵兵「どーもお父さん。知ってるでしょう?敵兵でございます。おい、パイ食わねえか?」
敵兵「双子もおいでー!おい、パイ食わねえか?」
敵兵「辛いかーい?おじさんはねえ、君たちのお母さんにもっと辛いものを食べさせられていたんだぞお」

勇者「いやだ!死にたくない!なんでもするから!」

女騎士「おうじゃあこいつ始末してみせろや」

魔王「……」ゴロン

勇者「」

こうですかわかりません

勇者「魔王はいまだ健在だ! その証拠にこの場にきている!」

魔王「ドーモ マオウ デス。 アジ=ダハーカ ハ ゼンメツダ!」ウィーン ガシャン ウィーン

女騎士「ロボじゃねぇかぁッ!」フザケンナ!

魔王ちゃん各氏族への対応とか天界との交渉とか大変そうだな

表に出て来れない、情報すら中々出ないという事で
既に勇者によって囚われの身もしくは亡き者という説がよく出るが
ひょっとしたら交渉の内容が性交渉(ry

再登場の頃には多分ちゃん付けなんて出来ない体に

設定厨による食の好みが面白過ぎる
勇者「ワッフルワッフルwwwwwwww」
魔王「」

ディナダン「おこんばんはー」

敵兵「うげゃあ」

ピクシー「ババアが窓から!!」

ブラウニー「この夜更けにババアが窓から!!」

ディナダン「お邪魔致しますね、よっこら」

鴉「失礼いたしまする」

木の葉「この度は我々幕府の人材を迎え入れてくださる事、真にかたじけのうございます」

ピクシー「トリ頭だ!!」

ブラウニー「トリ仮面だ!!」

敵兵「お願いしますから正門から入ってきてくださいよァ!!」

ディナダン「上手い事建造されてるものねえ、要塞聖堂の塔からここまで簡単に伝って来れましたわ」

木の葉「ご老体とはとても思えぬ見事な跳躍でございました」

鴉「天空を自在に飛行する我らに引けを取らぬ迅速さ、感服いたしました」

敵兵「」

ディナダン「その後はどうかしら、何か進展はあって?」

敵兵「進展……と言える進展は、今のところはないですね……」

ブラウニー「私ら下っ端が目に見える進展に携われるわけでもなし」

ピクシー「かーなーり不利な立場にいるのは明白なもんで……皇族奪取から向こうずっとこうですから」

ディナダン「加えて……例のカレがおいたをしてしまったと」

敵兵「……さすが、もうそちらの耳に届いていますか」

ディナダン「数年とはいえ、稽古をつけてあげた愛弟子でもありますから……確か、現地で二人を殺めてしまったと」

敵兵「こればっかりはもみ消しに尽力するほかありませんからね……まさか、あんな街中であの女とかち合わせるなんて」

ブラウニー「……市街地における突発的特別戦闘行為時に発生した死傷者として処理するしかないわけです」

ピクシー「ただですねー、公にはウヤムヤにしていようが、今回の件で元老執務室から常任氏族理事会まで大荒れなのですよー」

ブラウニー「表沙汰にはなってないんですが、氏族代表がおひとり犠牲になってます。
理事会には次回よりハデス閣下が奥方を連れてわざわざいらっしゃるようで……拝火神族がどう不手際を処理するか様子を見に来るんでしょう」

ディナダン「でもまあ……あの亡きグレンデル王が乱心するよりかは荒れずに済むのではなくて?」

ブラウニー「……そ、それ城塞の外でいったらめっちゃ反感買いますよ」

ディナダン「うふふ……いやあね、私達年寄なんてアヴァロンに片足突っ込んでるようなものなんだから。
ある程度生きたら、すっぱり未練は断ち切ってリタイアするのが筋じゃないかしらねぇ。巨人族もいい加減乳離れを……」

敵兵「(どっか怖いんだよな、このばあちゃん……)」

ブラウニー「更に、ガリア遠征に幻獣族と北部神族の一部が無許可で随伴していた件も蒸し返されているようで」

敵兵「あのガラの悪いワルキューレと……でっかい犬さんか……」

ディナダン「あわよくば勇者くん……拝火神族の弱みを握ろうと画策していたとでもいうのかしら」

ピクシー「レギンレイヴ理事は共和国施設より逃亡、ケルベルス理事はお亡くなりに……」

ディナダン「よその事を言えた義理ではないけど、一枚岩どころじゃあないのね。まあ大変」

敵兵「……で、我々は西帝への支援活動の合間を縫って、先の事件の火消しに東奔西走。
ガリア捜索どころでは正直なくなってしまったわけですよ……ネキリの調査もありますし」

ディナダン「して、勇者くんはどちら? こちらにまだいるのでしょ、共和国に置いておくわけにもいかないでしょう」

敵兵「え、ええ……そ、そもそも卿はこんな遅くに何を……」

ディナダン「そうねー、とりあえず愛弟子にお説教というのが一件。もう一件はー」

鴉「鬼を討ち果たした我らが頭目を引き取りに参上仕った次第であります。が……」

敵兵「頭目って……お、おたくら幕府の人……ヒトって言うか、ハーピィ……鳥人……?」

木の葉「皇国幕府陸軍飛行隊から参りました、我らは天狗の氏族の血統にある集団で構成されている戦隊であります」

ディナダン「魔王軍と同じように、幕府も松山と仲がいいとは一概に言えたものでもないらしいのねえ。
幕府の天狗さん達は、こうして同胞をわざわざ連れて帰りに来るというのに」

敵兵「連れて帰るとは言っても……彼らは知っているんですか、彼女の容体を……」

鴉「一連の事実については存じております、女を連れて共和国へ逃げのびた犬ころからメリフェラの事も」

木の葉「……金長から、京の茨木に何か術を施された事も聞いておりますゆえ」

ディナダン「それをどうにかできないかと思ってねえ。これを持ってきたわけ」

敵兵「これ……これって……」

ピクシー「……これってあれですよね、あのまじすごい……エクスキャリバーって剣……?」

鴉「何かの丸薬を飲まされた、そうして頭目は奇怪な変貌を遂げるに至った」

木の葉「変化の忌憚というものは、極東でもそう珍しいものではございません。鬼の連中がその手を使うなど、常道と言っていいでしょう」

ディナダン「あれ以降は実際に会ってないからどうとは言えないけれど……担当医からの資料を斜め読みしてね、
運が良ければどうにかなるんじゃないかなーって。レプリカとはいえ聖剣、このエクスキャリバーならー」

ブラウニー「アバウトですなあ」

敵兵「ちょ……ちょっとあの……あの、エクスキャリバーって……そ、そんな伝承の剣が……」

ディナダン「真横で勇者くんがデュランダル振るうのを何度か見ているでしょう? そんなに驚く事かしら」

敵兵「い、いやっ、それ以前に……あの、あの容体が何とかなるって言うんです!? その、エクスキャリバーで!」

ディナダン「さあ……試してみない事には始まらないし。鴉の彼との推察で産まれた空論でしかないのよお」

鴉「そうですな……ぴんと来たのは、排泄物……ひいては分泌成分の変容です。
身体の穴という穴から分泌される液体が、総じて無色透明の、いわば麻薬にほど近いものに変化している事。
きつい刺激臭を伴い、味はこれまたノドが焼けつくような甘味。神経系に後遺症が残る程の刺激を伴う劇薬とも言えましょう」

ピクシー「……あの、あのオカッパ頭のおチビさんの事ですよね……そんな事になっちゃってるんです?」

敵兵「……」

鴉「性的興奮を喚起させる甘露を垂れ流すあやかし。しかし、穿って見るならば……頭目の、彼女の中の秩序が乱された事に拠る現象と言えましょう」

敵兵「秩序?」

木の葉「我が国のみならず、建国神話には混沌へ秩序を与える事で歴史が開拓されてゆくという逸話が数多く存在します。
多くは、殺害された地神の遺骸が豊穣の土地、稲や芋、穀物へと転じていったというようなものです。
これは手の加えられていない山野に、人々の知恵からなる秩序が混ざり合った結果、稲作や畑作と言った法則性……
無秩序に食物を排泄するという原初的混沌が叡智によって改められ、人間による作物の計画的生産が実現された」

鴉「この場合の混沌とは、彼女に投与された何か……茨木の奴が拵えた黄泉の逸物。それに蝕まれた彼女そのもの」

ディナダン「それならば規則性……叡智を与えてやればいい。この秩序の具現たるエクスキャリバー……役不足ではないでしょう?」

ディナダン「エクスキャリバーに用いられているヴォーパル鋼、精錬法冶金法諸々はドワーフや魔王軍が専門だけれど……
聖書の定める成聖……叡智の布教の概念に近い効力を発揮するというのが、技術省の公式見解。
純度の低い騎竜鎧でさえ、じゃじゃ馬のワイバーンやペンドラゴンをあそこまで慣らす事ができるのだもの。使えそうでなくて?」

ピクシー「……はあ」

敵兵「そ、その……エクスキャリバー、一体……どう使うって言うんです?」

ディナダン「もちろん一気に突き刺します。メシアの昇天のごとく……もちろん、死なないようには配慮しますが」

敵兵「」

鴉「採血を何度か行ったらしいのですが、白い薄皮一枚隔てて、先ほど説明した透明の劇薬がぱんぱんに詰まっているそうで。
触ればゴムのように柔らかく、針を突き立てれば劇薬が看護師にしぶく……」

木の葉「言うなれば昆虫の蛹。繁殖と理性がないまぜになったあやかしもどき……」

敵兵「……」

ディナダン「打つ手もほとんどなし、被害が出る前に強硬策を施す事にしたの。おわかり?」

ブラウニー「(さすが聖人もどき……ぶっとんでますなぁ)」

敵兵「上手く行ったらお慰み、ですか……ですが、どうしてそこまで卿が彼女に入れ込むのか……」

ディナダン「んもう、わかっているくせに。ひとつしかありませんでしょう?」

ピクシー「あーそっか、ひとつしかないですよねー……」

敵兵「(やっぱり……ネキリの正確な運用方法目当てか……!)」

クシャスラー「おや、お久しぶりでございます、ディナダン卿」

ディナダン「……ごきげんよう」

クシャスラー「二人は……そう、そこの突き当りを曲がった医療棟です。どうか、勇者様を元気づけてあげてくださいましね」

ディナダン「ええ、そのつもりでここまで足を運びましたので」

クシャスラー「いやはや……御疲れ様でございます。何年ぶりですかな、先の東西戦争ではお会いになれませんで……」

ディナダン「ほほほ、そちらは私がひよっ子の頃からまったくお変わりがないようで」

クシャスラー「拝火の天使が老いさらばえては仕方ありません……卿は老いてなおお美しい」

ディナダン「ふふふ……」

クシャスラー「そうだ。ヴォーパル鋼はお役に立っているでしょうか、あれから6年ですが……」

ディナダン「おかげさまで、ドラグーン実用化から儀典局のご機嫌取りに労力を割かずに済んでおりますわ……」

クシャスラー「それは良かった……秩序を育み真魔を滅する自律の輝き……これからも、あなた達を導く事でしょう」

ディナダン「……」

ディナダン「……面会謝絶ぅ? あら、ついてないわぁ。ねーえ、運が無くて困ってしまうわあ」

魔王「……」

ディナダン「ふふ……どうでした? 勇者の彼の具合は」

魔王「……」

ディナダン「一命は取り留めた、されど心的負荷の影響で心身ともに不安定に、だとか」

魔王「非のない三人を殺したと言っていた。自分は、もう秩序の内にいるべき人間ではないと言っていた」

ディナダン「しばらく見ないうちに、ませた事を言うようになって……」

魔王「アジ=ダハーカを殺したら、自分もまた死ぬべきだ……そう言っていた」

ディナダン「……」

魔王「こうして生き長らえているだけで辛い、消えてしまいたいとな。私には語ってくれた」

ディナダン「おガキ特有の心の病気ねえ。客観的にものごとを考えきれていない、まだどこかで自己中心……
やっぱり、あなたは勇者だって突きつけてはいけないわね。未熟な少年の理性を不完全なかたちで偶像化させてしまう」

魔王「……利用しているという自覚はいつもあった、しかし……彼のこうした姿を見るのは、やはり辛いものだ……
なぜ、彼が苦悶の中にいる時に、そばにいてやれなんだか……まだ幼い彼の傍に……」

ディナダン「(少なくとも……共存を謳う二人が一緒にいたら、今より惨い結果になっていたでしょうねぇ)」

魔王「……」

ディナダン「まあ、会えないなら仕方ありません……日を改めてまた参りますわね。
次に会うときは……そうですね、少しは周囲を慮れる人間になっている事を祈りますわ。もちろん、あなたも含めて」



魔王「私も……?」

ディナダン「あなた達は責を負っている。魔王軍という括りに属する全ての生命に対して共存を掲げた。
……一人二人を手にかけたからどうだと言うのです。旧魔王軍とは行かずとも、6年前に何人が東西戦争で命を落とした?」

魔王「……」

ディナダン「金より軽いと言われる人間の命、それに固執して身を滅ぼしてはしょうがありません。
身体に刃が刺さったままで目標が達成できますか? 邪魔する者は踏んで砕く以外にありますまい」

魔王「何度もそれは言われてきた……内外から、こんにちまでずっとな……」

ディナダン「あなた達の人柄に惹かれて仇敵が改心してくれるなら、苦労はしませんでしょうねぇ。
実際どうなんでしょう、あなたの前にアジ=ダハーカが現れたとしたらどうでしょうか?」

魔王「私の……」

ディナダン「血まぶれの手を持つアジ=ダハーカを、あなたは懐柔できますか?」

魔王「……」

ディナダン「共和、共存とは受動的なものでは無い。相互理解を伴う能動的なものでなければ意味がありません。
受動的な共和とは、いわば制圧であり征服。さて、それではこれに拠らぬ共栄とはどうすればよいでしょう?」

魔王「……」

ディナダン「それもやはり、障害を排除した上で実現するほかあり得ない。武力を伴わぬ達成はありません。
手放しに褒められはしないものの……少しは彼の主張を汲んでやるのもひとつの手段だと思いますわ」

魔王「アジ=ダハーカの……討伐……」


魔王「……」

魔王「(すまない……本当にすまない)」

魔王「(私の思想を押し着せ、適切な指導を行う事も出来ず……ただ、走る事だけしか教える事が出来なかった……)」

魔王「(見捨てないでくれと言ったな……見捨てるものか、見限るものか……私だけは、最期まで勇者の味方だ……)」

魔王「(……賛同してやれなくて、本当にごめんなあ……勇者……)」

妹「あばばばばばば……いててて」

雷帝「……」

妹「……まっ、ったく……嫌ですわねぇ、魔王軍の魔物どもは乱暴で。人の事を容疑者扱いして、何様だって話ですわぁ!!」

雷帝「ふ、ふふふ」

妹「重要参考人扱いしろって言ってもナシの礫……連合の物事への慎重さを知ってしまうと、やはり所詮は野蛮な獣に見えてしまいますわねぇ」

雷帝「……ネキリの欠片は既に回収いたしましたよ……このままロストしてしまっては事ですので……ふふふ」

妹「やっぱり情報庁は有能でいらっしゃいますわ……さ、早く貸してくださいまし」

雷帝「……」

妹「今度はあの魔王軍ども……白の城塞ごと破滅させてやりますわ、覚悟おし!!」

雷帝「貸……す……?」

妹「そうですわよ!! 私は悪い事なんかさらっさらしてませんのよ!? どぉお思いですかぁ?
お貸ししてくれたら、また大姉様を差し出しましてよ!! ちょっと、聞いてまして!?」

雷帝「自分、立場わかっとんのかワレェ」

妹「」

雷帝「……シャバに出してやってすぐにその口の利き方たぁ、どういう教育受けてきたんじゃボケェ!!
数十万人をブチ殺した戦犯の下手人がナメたクチ利きよって、ここでくびり殺してやってもええんやぞォ!? あァ!?」

妹「は……は?」

雷帝「オメェみてぇなチンピラ一人を魔物どもからカキ出すのにも結構な額使っとんじゃ、
本来やったら両の指ィぜーんぶツメさせてもまだ足りひんのに、言うに事欠いて何様のつもりや!?」

妹「だ、だから……あれは、あれはじ、事故……」

パンッ

妹「ぎゃはっ!!」

雷帝「なーにーさーまーのつもりじゃ言うとんのやボケがぁ!! ここでたたッ殺すぞダラズぁ!!」

パンッ パンッ パンッ パンッ

妹「だうっ……あぎいっ!! ぎゃ、あああああ!!」

雷帝「……大体何が大姉様や。今のオメェにあの人の居場所がわかるんか?
なんもかんもをみーんなまとめて焦土にしくさりよって、お? わかるんか? わかるんかァ!?」

妹「あぐぐぐぐ、あああああ痛っつつ……」

雷帝「年甲斐もないままにサカりよる坊主どもが、よりにもよってバルムンクまで持たせよったんやけどなァ……
オメェのドジに巻き込まれてくたばっとったら、どんだけウチがマイナス被るかわかっとんのかァ?」

妹「バ、バ、バ……バルムンク……?」

雷帝「最低限バルムンクだけは回収せなどうしようもないやろ、聖剣いうくらいやからな。
国境沿いから共和国まで、草の根ぇわけて探す必要あるわけやなぁ」

妹「……」

雷帝「……手ぇ上げぇや、私やりますぅけじめつけますぅくらい言えやドアホ!!」

妹「ひ、ひい!!」

雷帝「こんガキィ、肩書の他ぁなーんも持っとらんのに使うてやっとった恩も投げくさりよって……
どうする、探すんか!? やるんか、やらんのか!? バルムンク探すんか!? どーすんのや!?」

妹「ささ、さが、探っ、探す!! やり、やります、大姉様……さ、探しますう!! やりますう!!」

雷帝「……」

妹「……」

雷帝「はっ……よかろ、チャンス一回だけやろうやないかい。ただ……」

妹「は……」

雷帝「こんだけ人さまにメーワクかけさせといて、何のケジメもナシ言うんは……示しつかへんなぁ……なあ?」

妹「……」

雷帝「……指の一本や二本ツメんと……もらえるチャンスももらえへんよなぁ?」

妹「」

妹「かか、勘弁……勘弁してくだしゃいまし……あ、足……脚ぃ、こんだけ血ィ出てますのよぉ……?」

雷帝「あ?」

妹「すっご……痛いんですぅ、病院、病院連れてってェ……」

雷帝「撃った弾の当たる先にオメェがいたのが悪いんやろが、アタシに非がある言うんかァ?」

妹「は……あ、あううう……」

雷帝「……これや、これ。立派な小刀やろぉ? 前に貸してやった刀とおんなじもんや」

妹「う、ううう……」

雷帝「どや、綺麗やろ? よっく切れんねや、躊躇うと余計辛いでえ」

妹「い、い、やだ、やだ、やだやだ……かんにんして、ゆるしください……」

雷帝「許してやる言うとるやろ? さっさとせぇ」

妹「はっ、はっ、はふっ、はふぅ……うう、うう、無理、無理っ、無理ぃ……」

雷帝「……」




雷帝「……誰かァ、だぁれかー。この子、お医者様に連れて行ってあげてくださいましー。誰かぁー?」

司教「うあー、痛そうだったなぁ……おおこわいこわい」

雷帝「まったく……頭も要領も悪い、何一つ使いどころのないクズですわ」

司教「雷帝閣下をここまでかちキレさせるとは……しかし、これで心を入れ替えてくれることでしょうや」

雷帝「だといいんですがねぇ……」

司教「一応は、あのアジ=ダハーカの実妹です。使いようはありましょう」

雷帝「ククク……あの小刀を持って歩ける事だけは評価の対象です。あれがなかったら……ねえ?」

司教「ハム抜きのハムエッグですわねぇ」

クシャスラー「はあ、あまり血を見るのは好きではありません。ましてやあのような形でなど」

司教「そうぼやかないで……あれで少しはマシになったでしょう、まっとうな人間には程遠いですが」

クシャスラー「ふむぅ……」

雷帝「バルムンクだけは確保したいところです。なるべく、旧帝国側の圧力という体でね。エルフどもに嫌われるのも面白くない」

司教「それで彼女に大仕事を任せるのは、なかなか勇気がいりますねェ」

雷帝「しかし、教皇領からすればデメリットはないでしょう? バルムンクが回収できれば、勇者にもアジ=ダハーカにも劇薬を与える事ができる」

司教「……ククク」

クシャスラー「さて……私はそろそろ行きましょうか。血統だけは確かなようですし、ほんのちょっぴり期待できるのが救いですね」

雷帝「頼みますよお、拝火の天使クシャスラ=ワルヤ……いえ、聖剣ウルスラグナさん?」

ウルスラグナ「わかっております……これもすべては、我らが主の定めたる秩序の為……この身が滅びるまで、ヒトに尽くしてゆく所存ですゆえ」

ダキニ「……」


魔子「きつねさん、こんにちは!」

ほ子「こ、こんにちは……」

娘「ごきげんよう、おきつねさま」

ダキニ「うむ、こんにちは。挨拶のできる利口な童だな」

魔子「えへへー」

ほ子「ふくく……うくくく……」


ダキニ「……」


女騎士「あ……なんか……えらいデカくなったなぁ、なんかあったん?」

ダキニ「……フフ、世には人の思いもよらぬことなどいくらでも」

女騎士「は?」

バキッ

ダキニ「あ痛!! 痛った!!」

女騎士「『おめえになんか教えてやんねー』で済む事をもったいぶるんじゃねーぞイヌモドキがよぉー、
私はそういう喋り方は大っ嫌いなんだよ、覚えとけコンチクショーが。今度はスネ蹴っ飛ばすだけじゃ済まさねぇからな」

ダキニ「……」



ダキニ「やっぱり人間……人間って素晴らしい……ああ、もっともっと……もっと愛してやりたいものだなぁ……」

女騎士「……は?」

ダキニ「いや……いや失礼、つい……感極まってしまってな……はぁぁ……」

女騎士「デカくなったと同時に脳みその容量が反比例してノータリンになっちまったのか」

ダキニ「……あぁ……いいぞお、もっと……もっと妾に話しかけてくれ、妾に構ってはくれんか?」

女騎士「……まじで気持ち悪い、やめて」

ダキニ「フフフ……ウフフフ……」

女騎士「大体よぉー、お前ら極東の妖怪ってぇのは魔物どもと似たようなもんなわけだろ?
役に立つとはいえよぉー、あんま調子こいて私らなめてっと聖剣さんキレるよ? 聖剣さんかちキレるかんな」

ダキニ「なめる……ああ、頬ずりして舐めてやりたい、それくらい好きだ。大好きだ。
昔はたっくさん、それはもうたくさん妾と遊んでくれたのだ。民草揃って、妾の相手をしてくれたし……
妾もたっくさん、それはもうたくさん人間の為に……すこしばかり、豊作を与えてやった。そうすると、それはもう……」

女騎士「はあ……そうですか」

ダキニ「だがなぁ……列島が武将に統一されて、大陸人との貿易が盛んになって、幕府ができて……
……大陸の教会の言う神を信じる教義が流れてきて。そのうち、妾たちの暗闇はガス灯にかき消されていってしまった」

女騎士「自然の摂理だ、滅びてどうぞ」

ダキニ「ああん、汝はつれないなあ……だがなぁ、そうして妾を認識して構ってくれる事自体が、妾にとってこれ以上ないくらい……」

女騎士「(極東ってのはオカシイ奴ばっかり揃ってやがるな……)」

ダキニ「妾とて、鬼どものように人間をいじめ尽くす事が嫌いなわけではない……
だが、だがなぁ……苦悶に歪む顔よりも、快楽で理性が決壊したとろけ顔の方が……可愛らしいではないか」

女騎士「(プリン食べたい)」

ダキニ「秩序というものはだな……隣人の背に刃を突き立てない、そんな程度のタガでいいのだ……
欲望を押しこめて、それで憎悪と悲哀が膨れては仕方なかろう……禁欲主義は悪魔の囁きぞ……」

女騎士「あ、そうですか……」

ダキニ「……もう少し話を聞いてくれたら、このカルメ焼きをくれてやろう」

女騎士「……」

騎士ほ「……北西出向まで一ヶ月弱。それまでに、できればあの大将に戻ってきていただきたいところですわね」

エルフ騎兵「部隊編成は既に完了しています、残るはそれだけですな」

エルフ近衛兵「……まだ西帝国境線の出入国制限が解除されていないのがネックです。やはり、こちらから迎えに行くしか」

騎士ほ「幸い人材には余裕がありますし、それも手ではありますわね。私がクロウクルアッハで出ても構いませんが」

エルフ騎兵「では、早速そのように……ところで、騎士様は……」

エルフ近衛兵「あそこ」


女騎士「……」


エルフ近衛兵「デスクの裏側のハンモック」

エルフ騎兵「……」

エルフ近衛兵「チビっ子とカルメ焼きとかいうお菓子に魅せられて脳みそとろけてるんだと」

騎士ほ「……」

秘書「(筋肉が機嫌悪いですね……)」

エルフ騎兵「(お前人の事そう呼んでたのかよデブ)」

エルフ近衛兵「(最悪ですねデブ)」

秘書「(いや……だってなんか……)」

エルフ近衛兵「(せっかく前日から仕込んでたおやつのバケツプリンがカルメ焼きに負けたから機嫌悪いんですよデブ)」

エルフ騎兵「(察しろデブ、だからデブなんだよデブ。脂身食ってろデブ)」

秘書「(解せぬ)」

息子「あぅ……こ、こんにちは」

娘「こんにちは、ごきげんよう」

騎士ほ「あら……フクク、ごきげんよう。調子はいかがです?」

息子「はい、僕たちは大丈夫です。僕が捜索班、妹は国境線待機班で……」

騎士ほ「では、私と若様が大将閣下をお迎えに上がるのですね……」

息子「えっ……ぼ、僕が……?」

娘「二人きり……?」

騎士ほ「フクク……頑張りましょうね、若様……」

息子「はい……」


息子「……あの、それ……なんですか?」

騎士ほ「……ああ、その……これは……プリンですわ」

娘「プリン……」

騎士ほ「よければ、召し上がってくれませんか? このまま捨ててしまうのも……」

息子「も、もったいないです! す、すごく美味しそうなのに……い、いただきます!」

娘「……いただきます」



娘「(……なんだか、おもしろくない)」

娘「(ほの字さんはすごくいい人なのに……かっこいいのに……つまんない……)」

第9部序 カルメ焼き編

                ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                 d⌒) ./| _ノ  __ノ 

第9部破 プリン編へ

                                       ー- 、 ー-、``/  
                                      _, '  ._, '  \  
                                    -------------------
                                     制作・著作 NHK


おかっぱちゃんが修羅の国にやってきた理由は?→有名な女騎士ちゃんに会うため
女騎士ちゃんが有名になった理由は?→敵兵が女騎士ちゃんを捕らえたから

結論:敵兵が今までの不幸の出来事、全ての元凶(棒

妹「どいつもこいつも……絶対許さねえ……一列に並べて全員ぶち殺してやる……くっそがぁぁ……!! あああ、痛ェェ……」

ウルスラグナ「まあ、なんと過激な……普段の穏やかなあなたにお戻りください、マスター」

妹「(骨董品の癖にベラベラ鬱陶しい奴……! 天使に化けるわ、鞘に収まってるのに喋りかけて来るわ……!!)」

ウルスラグナ「まだ痛みますか? お可哀想に、この寒さも堪えるでしょうに……」

妹「あんたみたいな幽霊国宝に……マスター呼ばわりされるイワレは無くってよォ……!!」

ウルスラグナ「しかし……このウルスラグナの現在のマスターは貴女でございます。これも教皇庁、ひいては我らが父のお導き……」

妹「私のオシャカになった左手指の事もカミサマのお導きィ……? クソッタレがぁ、なぁにがカミだ、手首ぶった切ってやりますわァ」

ウルスラグナ「まあまあご安心を……主はあなたの運命にも等しく慈愛を与えてくれる事でしょう、その為のこの私にございますよ」

妹「魔王軍と教皇領を行ったり来たりのナマクラがあ……今度は私を食い物にする気ですのねェ、わかってますのよ!?」

ウルスラグナ「まさか……あまりこうした事は言いたくありませんが、持ちつ持たれつという事でもありましょうや」

妹「はあぁ?」

ウルスラグナ「おや、雷帝閣下からこのウルスラグナが持つ天威をお聞きにはならなかったのですか」

妹「天威ですってェ……孫の手にもならないナマクラが聖遺物気取りィ? 生憎私はそんなオカルト信じませんのよぉ」

ウルスラグナ「今すぐに、とは言いません。主は信ずる者すべてをお救いになられます……私の天威は、必ずや貴女を幸福へ導くでしょう」

妹「(連合の豚どもがァ……ちょこーっとミスっただけでこんな目付け役持たせやがってぇぇ……
平民が数十万くたばったからって何だってんですのぉ……? 黙っときゃバレやしないのに、あの雷帝とかいうチビガキめぇ……!!)」

ウルスラグナ「我が天威は『勝利』。マスターの人生という名の旅路に、常勝という花道を捧げましょう……」

妹「ちっ……押収倉庫にそれらしいものは無し……事実上は連合が牛耳ってる東帝施設にないとすると、後は共和国か……」

ウルスラグナ「魔王軍が回収しておれば、教皇領の耳にも入るでしょうからね。まだどこにも渡っていないと考えられましょう」

妹「……あのネキリでブッ飛んだって考えるのが普通では無くて?」

ウルスラグナ「仮にもこの私と同じ聖剣であるバルムンク、主やそれに近しい存在のチカラを借りた魔術現象で滅ぼす事はできますまい」

妹「すると、配置したカケラと同じようにどこぞに転がっていると? ああウゼェ……」

ウルスラグナ「部下の方々にも捜索を命じられたようですが……その後はどうなのです?」

妹「北西や共同体へのご機嫌取り……もとい、くだらん救援活動に人手が割かれてますのよお?
まったく、怪我人の捜索なんか無駄無駄、72時間なんかとっくに過ぎたというのに、ご苦労な事ですわねぇ……」

ウルスラグナ「また……強がることはないのですよ、素直に祈っていると告白してもよいのです」

妹「(あー死ね、みーんな死ね死ねカス)」

ウルスラグナ「普通に考えれば、保持者の最後にいた場所の近辺を探れば近道にはなりましょうね……」

妹「あなた、スゴイ聖剣なんだったら同類の転がってる場所くらいわからないんですの?」

ウルスラグナ「お言葉を返すようで申し訳ないのですが、マスターは御兄弟の居場所を千里眼が如くぴたりと見つけられるのですか?」

妹「はぁ!? 使えないガラクタですわね、このクッソ寒い冬空の下に放り出されたか弱くも美しく気高い淑女に対して
衛生観念なんぞ微塵もない物乞いヤクザジャンキーどもの間を潜り抜けつつ自称聖剣のクズ鉄穴兄弟を粉塵とスモッグにまみれて当てもなく探せとぉ!?」

ウルスラグナ「ご心配なく、私にお任……」

妹「冗ぉぉー談じゃあーりませんわ……くだらねぇーくだらねぇーくっだらねぇー!! ザコどもザコどもザコどもがぁー!!
えぁぁぁぁぁー、寒ィィィと思ったら雪ですわ!! うっぜーなザケやがってぇ、私が外歩くときは降るんじゃあねー!!」


市民「うわぁ……」

市民「軍人さんかしら……?」

市民「マッチはいかが……マッチはいかが……」


妹「見てんじゃありませんわ愚民どもぉ!! 散れぇ!! ぶち殺されたいんですのぉ!? 私を誰だと思ってましてぇ!?」

モヒカン「ヒャッハー配給だぁー!!」

肩パッド「2週間ぶりの肉だぜぇー!!」

スキンヘッド「ヒャッハーお湯だお湯だぁー!!」


妹「……」

ウルスラグナ「どうかいたしました?」

妹「不愉快ですわ……不愉快極まりないですわ……なぜ私が……こんな腐臭の漂うドブの底みたいな場所に……」

ウルスラグナ「この国境線沿い、以前までは6年前の停戦からこちら、東西交流の盛んな都市が多く点在していたと聞きますが……」

妹「汚らしい……私がこのポストに就く以前からこんなでしたわよ、そこらじゅう立ちんぼのバカ女とラリパッパでいっぱいでしたわ……!!」

ウルスラグナ「これが民の生活の実態……一刻も早く、教皇領も動き出さねばなりません、多くの人を愛で癒してやらねば」

妹「(大概こいつら含む教皇領の坊主どもも胡散臭いですわね……)」


モヒカン「ヒャッハー一列に並べ並べー!!」

肩パッド「慌てんじゃねーぜ嬢ちゃん!! しっかり全員ぶんあるからよぉー!!」

スキンヘッド「良かったなーババア!! 今日は固形燃料があるぜえ!!」

ドスッ

妹「……あ痛」

モヒカン「おっとぉ!! 悪ぃなおねーちゃん、怪我はねえかい!!」

妹「……」



妹「ひのふのみ……しけてますわね、ブランド財布ちらつかせておいて中身はカラとかヒトをバカにしてますわ……」

ウルスラグナ「」

>モヒカン「ヒャッハー一列に並べ並べー!!」
>肩パッド「慌てんじゃねーぜ嬢ちゃん!! しっかり全員ぶんあるからよぉー!!」
>スキンヘッド「良かったなーババア!! 今日は固形燃料があるぜえ!!」

見た目は世紀末なのに紳士だったでござる
そして妹ちゃん、豚煮込みからSenkaになると良いね!

ウルスラグナ「何という事を……いけません、今すぐあの方に返してくるのです」

妹「うるっさいですわねー、あんたはガヴァネスですの? 糞尼どもが夜な夜なナニに使うような張形の癖に文句言うんじゃありませんわ」

ウルスラグナ「よろしいですか、マスター。お遊びで他人のものをくすねてはいけません……人間は徳を重ねる為に日々を生きねば……」

妹「くすねたなんて、人聞きの悪い、死ぬまで借りるだけですわ。返す気はあるからそこまで悪質に見られるなんて、
アンタの方が下世話で愚鈍で卑劣で淫猥で無知蒙昧の品性愚劣で矮小なディルドもどきなのに、何様のつもりでしてぇ?」

ウルスラグナ「とにかくお返しなさい、今すぐに飢えて死んでしまう程にお金に困っているわけではないでしょう。
荒れ狂う海の上、小さな木の板にしがみつく二人……一人を見捨てねば二人ともがおぼれ死ぬ、そんな時でなければ」

妹「ほーお!! そんじゃ私がゴミ法廷のクソ法曹にそうやって説得すれば済む事ですわね!
お財布落として飢え死にしそうだったんで、やむを得ず生きていても酸素の無駄にしかならないモヒカンクズ男から、
淑女のたしなみを忘れずに同意を得た上で死ぬまでお財布を借りたと証言すれば私の勝ちィー、聖剣さんがそう言ってましたァー!!」

ウルスラグナ「何という事を……このウルスラグナ、悲しいです……」



モヒカン「おれっちの財布がねぇ!! ねぇぞぉ!?」

肩パッド「おめぇはドジだからなぁー、どっかに落としたんじゃあねーのかぁ!?」

スキンヘッド「しょうがねぇなぁー、おめぇら二人でちょっと探してこい!!」

モヒカン「おっかしいぜぇ、向こうから来たさっきのねーちゃんなら知ってるかなぁー……」


妹「」


肩パッド「あれだけ身なりのいい服を着てるねーちゃんだ、きっと警察に届けてくれているはずだぜ!」

モヒカン「入れ違いになってもまずいな!! しっかり礼を言えるように今から追いかけよう!!」


妹「」

モヒカン「」

妹「」

ウルスラグナ「おお我が主よ……」

妹「へ、へへ……お、起き、起きなさい……ちょ、ちょっとぉ……な、なぁにしてんですのぉチンピラぁ」

モヒカン「」

妹「ちょっぴり、さ、先が刺さったくらいで……しし、死んだふりなんかしないでくださいまし、ねえ……ねーえ?」

モヒカン「」

ウルスラグナ「マスター……そこまで不安と衝動に揉まれていたのですね……ウルスラグナ、気づいてさしあげられなくて申し訳がないです……」

妹「起きろクソ男がぁ、さっさと起きろぉ、起きてあれだろォ? 治療費と慰謝料請求するんだろォ……?
そんで、そんでそんで華奢な私を仲間と共に組み伏せて、この路地裏で不衛生な性的発散に勤しむんですのよねぇ……?」

モヒカン「」

妹「わ、わ、ワザとじゃあないですわぁ、こ、この大男が……不穏にもこの私に近づいてくるからですわ……」


肩パッド『おうい兄弟!! そっちにはあったかー!! おねーちゃん見つかったのかー!?』


妹「」

肩パッド「」



妹「こ、こ、今度は……せせせ、正当防衛ですわぁ……クキキ……ひひ……」

ウルスラグナ「……」

妹「ねえナマクラァ!! わ、私から、あああ、あなたを払い落とそうとしたんですもの……あなたは大事な備品ですもの、抵抗もしますわよぉ」

ウルスラグナ「おお、哀れな子羊よ……そんなにも、そんなにも主の救いを求めていたのですね……」

妹「いやいやいや……それにしたって……いやー、私って強い、マジ強いですわぁ……ヤバい強いですわよねぇ」

ウルスラグナ「……」

妹「考えてみりゃあ……天威ってぇのが私には着いてるんですのよねぇ……『勝利』の天威……糞うまいですわぁ……」

ウルスラグナ「わかりました、ウルスラグナは何があっても、貴女のお傍にいる事を誓います……
大丈夫、懺悔ならいつでも聞いてさしあげます……いつかは、いつかは貴女もおこないを悔いる事があるでしょう……」

妹「勝利……そう、そうですわぁ……そもそもぉ、私が誰かに負けるなんてありえませんもの……
その気になりゃあ連合にも魔物どもにもエルフにも、小姉様にだって負けやしない……そう、ぜぇんぶ上手く行きますの……」

ウルスラグナ「……」

妹「ごほっ、げぇぇっ……えっ、ぇぇっ……ぐっ、くっく……くくく、わた、私の敵になった事が運の、つつ、尽きですわぁ……」

ウルスラグナ「限定A解放……起動制限解除、権利クリア……」

妹「最後に勝つのは私でしてよぉ……私が、負ける筈なんてありませんのよぉ……くっく、くくっしょい!!」

ウルスラグナ「……」

妹「クッソ寒ィ……ちくしょうめ……!!」

妹「あぁぁぁー、寒っぶ……さぶい……」

ウルスラグナ「雪の勢いが増してまいりましたね……」

妹「……」


妹「(ぎぼぢわるい……さ、さっき路地で吐いてから、何だって言いますのォ……
頭の……脳みその裏側に、真っ白い長方形がぶわっと広がってるような感覚ぅ……)」

ウルスラグナ「とにかく、どこかでいったん休んではいかがでしょう……」

妹「……」

ウルスラグナ「マスター?」

妹「……こっち、ですわぁ」

ウルスラグナ「はぁ……本当に大丈夫ですか?」

妹「こっち、こっちの道……こっちに、何だか……お、おでこのこの辺でむずむずしてる何かがいますの、何かが」

ウルスラグナ「……」

妹「街道沿い……ここから直進、路地裏通って階段昇って階段下ってパン屋の屋根裏、まっすぐ進んで左折して直進して直進して
右折してまた右手から路地裏通って酒瓶蹴っ飛ばして酒屋の裏口から出て街道突っ切ってまっすぐ進んだその先……その先ぃ……」




妹「その、先にはぁ……」

エルフ三男「なっ……!?」

姉「あらぁ……?」

エルフ三男「(こいつ確か……騎士様の妹ッ!? い、今コイツ……どこから降りてきた、上の窓か! 五階相当の窓だぞ!?)」

姉「あら、あらぁ。お久しぶりねぇ、あなたぁ……お名前は何て言ったかしらぁ。わたしたち、お買いものしにねぇ」

妹「……バルムンク、見ぃぃぃーっつけたぁぁー」

エルフ三男「こいつ……!?」

パンッ


姉「きゃあ……か、閣下ぁ?」

エルフ三男「……」


妹「う、う、うはははは……あ、当たったら、当たったらどうしてくれるんですのぉ、死んじゃいますわよぉぉ!!」

エルフ三男「(剣なんかに……弾かれた!? ウソだろ!?)」

姉「ね、ねーえ閣下ぁ」

妹「あらー、お久しぶりでございます大姉様ァ、お得様がお呼びですわよぉぉ?」

姉「おとくいさま……あの子のところぉ? おじさん達じゃないのー?」

妹「ええ、ですからすぐにお戻りくださいな……私と一緒に来てくださいな」

エルフ三男「動くな、次は額に当てるッ!!」

妹「当てられるもんなら当ててみやがれぇ、ホネカワスジのヒョロガリエルフがよぉー!! 撃てよ、ほらぁ、やってみるがいいですわぁ!!」

エルフ三男「(さっきも殺すつもりだったんだよトンチキがッ!!)」

妹「手癖が良くありませんわねぇー、仮にも貴族の一人である大姉様を攫って逃避行ですのぉ? そういうのは良くない、実に良くありませんわぁ」

エルフ三男「(目的を察するに、十中八九この女が有していた聖剣……! しかも、あいつが手にしている妙な光を放つ剣もまた聖遺物か……!)」

姉「か、閣下ぁ……ねえ、閣下ってばぁ……どうするのぉ、どうすればいいの?」

エルフ三男「……たった一つだけ、残った策がある」

姉「さくぅ?」

エルフ三男「とっておきのヤツがな。あの女の脚を見ろ、マヌケな事に飛び降りた際にどっかしらへし折ったらしい、
気味の悪い事に、徐々に治癒していっているのが分かるが……そこが付け目だ」

姉「ねね、ねーえ……そ、それってなんなのぉ」

エルフ三男「こっちも足を使う」

姉「足ですって! 足をどうやってぇ!」

エルフ三男「逃げるんだよォ!! クソビッチィィーーーッ!! どけーっヤジ馬どもーッ!!」

エルフ三男「クソッ、クソッ、クソッ、クッソォォッ!!」

姉「ひやああああ」

エルフ三男「(連合の差し金か!? 東帝の機関まるごと掌握しているであろう事は予想していたが……
聖剣担いだ刺客、しかもあのダメ妹を向けてくるか!? 何度か東帝の憲兵から聴取は受けたが、そのすぐ次がこれか!!)」

姉「か、閣下ぁ、閣下ぁぁ」

エルフ三男「(あのデュランダルを持つ勇者がどうだか知らんが、今回のヤツの場合は負傷を瞬時に回復する能力を持ち合わせているッ!
自衛能力そのものも脅威ではあるが……ブチ込めばとりあえずダメージは与えられるらしい……隠れ家を悟られぬようにせねばッ!!)」

姉「ひゃ、ひゃ、ひゃうっ」

エルフ三男「買い出しの包みを捨てろっ!! 穴でも空いていれば事だ、ヤツに居場所を教えちまう羽目になったら悔やみきれんぞ!!」

姉「はっ、はっ、はぇい!!」

エルフ三男「(たまに外に出ればこれだっ!! 完全に裏目った!! ちくしょうめっ!!)」

姉「まっ、ま、待ってぇ閣下ぁぁ、手、手ぇ繋いでぇ」

エルフ三男「きさっ、貴様このクソ女!! 僕のトレンチコートの袖にクリームソースなんぞひっつけよってからに!!」

姉「ふぇぇぇ」

エルフ三男「(やってらんねぇやってらんねぇやってらんねぇ……!!
先週はハルマゲドンもびっくりな大災害、直後に聖剣ひっさげたクソ野郎に追い回され、今日はこれかよォ……!!)」

姉「あうー、おててべとべとー」

エルフ三男「なんて日だ!! 今日はなんて日だ!!」

エルフ三男「(考えろ、考えろ考えろ考えろっ……!!)」

姉「ふぁふっ、ふぁふっ、ふぁふっ」

エルフ三男「(時刻は日没後まだ1時間弱……街道沿いは先の隕石による被害を受けているとはいえ、
復旧作業員や現地民は表通りでごった返している筈……だが、雪が先ほどから降り始めた……早急に人ごみに紛れるしか……)」

姉「はふっ、はふっ、はむっ」

エルフ三男「(しかしそれも不安か……! この女……どれだけタッパがある!? 騎士様より背丈はあるぞ、2m近いのか!?
いくら人ごみに紛れたところで狙撃できるほど目立つぞ……フード付きのコートなどオマケではないか……!!)」

姉「はやっ、速いよう、閣下ぁー」

エルフ三男「(後方には……いない!? まさか、建物の屋根の上など走っていないだろうな。馬でも使って裏道から追跡……!!
いや待て待て、そもそもただの一人で尾けていたわけでもあるまい!? 情報部の連中で既に網を張っていると考えた方がいいか!)」




妹「うはははは、はははははっ、見えっ、見える!! すぅっげぇぇー見える!! 何でも見えちゃう、すっげーですわあ!!」

ウルスラグナ「確かに、確認しました……あの女性、バルムンクを所持していました……」

妹「さっきの白紙の長方形……頭の中で、時間を経るにつれて地図が組み上がって行きましたわぁ……
地図というより、同じ縮尺のこの都市が!! 道行く人々にドブ水で溺れる野良ネコまでしっかりくっきり見えちゃいますのよぉ!!」

ウルスラグナ「……さすがでございます、私のマスター」

妹「私っ、私すっげぇぇー!! 私TUEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!」

エルフ三男「(てっとり早い方法としては、聖剣を引き渡してさっさと逃げる事だな……
この女の事には口先で言及していたが、目的はこちらのバルムンクだろう……)」

エルフ三男「(……なぜこんなにも非合理的な事を? 他国に正式に嫁ぐ可能性のある、軟禁状態の入れ食い貴族に聖剣を持たせたのだ……
連合、ひいては東帝内……意思の統率と疎通が完璧ではないのか? 少なくとも、情報庁と東方正教は仲が良いわけではないだろうが)」

エルフ三男「(しかし、こうしてわざわざ回収しに来るという事は、やはり先の大災害は天災だったわけか? 
国境線沿いで会食していた僕と彼女が巻き込まれるであろう事は明白……誰が好んで数十万人を犠牲にする自爆行為をするものか」

姉「ねっ、ねえっ! もぉ追いかけてこないよお、ねえー!」

エルフ三男「……」

姉「か、閣下ぁ……?」

エルフ三男「(バルムンクを引き渡してお帰り頂く? 何をばかな、聖剣引っ提げたヤツが、遥か格下である僕らに交鈔など持ちかけるものか。
こうして直接追って来ないのは……何か計画が別に存在するか、それとも愚かにもこの状況を遊んでいるかだ……!)」


パンッ


東帝憲兵「あばばばば」

姉「ひやあああああ」

エルフ三男「……ちきしょう、後者か。僕たちをキツネに見立てて楽しんでやがる!!」

姉「ひやあああ……閣下すごおい、一発で当てちゃった……」

エルフ三男「あークソ、死んじまった……弾薬だけ頂いて、引き続き逃げますよ。銃は扱え……」

姉「……」

エルフ三男「(ないよなぁ……箱入り娼婦だもんなぁ……)」

エルフ三男「いいですか、ここから国境線駐屯地……兵隊がいる所ならどこでもいい、そこに向かいます」

姉「も、元のおうちはどうするのぉ」

エルフ三男「戻ったところで袋のネズミ、もしくはもうすでにキャンプファイヤーです」

姉「そ、そんなあ……」

エルフ三男「……目下、僕たちを追っている連中に僕だけで対処するのは不可能です。
貴女はそもそもバルムンク……剣はおろか、ナイフや包丁すらまともに振るった事はありませんね?」

姉「こわいもん」

エルフ三男「つまり、逃げの一手です。しかし、一つだけ賭けられそうな望みがあります」

姉「ほ、ほんと?」

エルフ三男「ええ、本当。まずは、駐屯地から信号拳銃……煙弾や照明弾を入手し、国境線待機班に僕らの危険を知らせます」

姉「?」

エルフ三男「先日お話ししましたよね? 出入国制限が解除されるのを待っていたら何もできない、
アルヴライヒ側からドラグーンを派遣してここから出るという強硬策を採用したと。聞いてましたよね?」

姉「ご、ごめんね、むずかしい事、よくわかんなくて。ごめんね」

エルフ三男「……とにかく、まだ内部班は動いていませんが緊急事態です。
何らかの事態がこの国境線沿いで起こっている事を知らせなければいけません……信号弾の奪取と同時に、火事でも起こしてしまいましょう」

姉「あーうー」

エルフ三男「わかりました、なんにもわかってない事はわかりました」

妹「うくく……逃げてる逃げてる、逃げてるなぁ……無駄無駄無駄無駄、ぜぇんぶワカってんのに無駄なんですぅー!」

ウルスラグナ「マスター、我々も動かねば……」

妹「いいーんですわよぉー、上の者がチョロチョロ小間使いやって部下を甘やかしても良い事はないんでしてよぉー?
頭はこうしてエモノの情報を逐次把握、手足は迅速に頭の指令を忠実に守って職務を遂行する……」

ウルスラグナ「……しかし、この地域であまり派手な作戦行動はとれないのでは? 
三国の兵がどこにも駐在しております、情報部の指揮系統下にある憲兵団の行動はかなり制限されるかと……」

妹「ヒョロガリ一匹に乳ウシ一頭ひっ捕らえるのに、大の大人が四苦八苦。さすがにそこまで無能ではないでしょう」

ウルスラグナ「ですが、相手はアジ=ダハーカの庇護にあずかる悪鬼の手先……聖剣のチカラを持つマスターが出ねば……」

妹「……ふん、私ぃ? やっぱり私が出なきゃあダメぇ?」

ウルスラグナ「もちろんにございます。マスターには、この私が力をお貸しします……」

妹「あーーーー、そうですわよねぇーーー、使えない凡人どもには私がついてないといけませんわよねぇーーーー!!
でもいいのかなぁーーー? 人外のはんぱねー能力を凡人どもに使ってもぉー……ここはオトナの対応をしなきゃいけないと思いますわぁ」

ウルスラグナ「オトナの対応とは……?」

妹「私が本気出したらみんな驚きますわ、それはそれはびっくらこいちまいますわぁ。それであんまりビビらせるのも可哀想ですしぃ……
神に選ばれたる勇者であるこの私が!! 不必要にそういう騒動を起こす事も無いと思うんですの!! でしょ!?」

ウルスラグナ「なるほど!」

妹「実力は小出しに小出しに……我慢してちょびちょび使わないとぉ……何といいますの? カタルシスが得られないではありませんか!
そもそもぉ……このチカラを愚民どもが超速理解できるはずもございません……クズどもに合わせてやるのも大切なのですわぁ!!」

ウルスラグナ「さすがは私のマスターでございます……」

妹「あー困っちゃいますわぁー、私は平穏無事な生活を送りたいだけなのに、ある日突然血脈のせいで神のチカラを授かってしまって、
それでも謙虚に謙虚につつましく生きていくのは本当にもどかしくてつらいですわぁー、あーつれえつれえ!!」

しかし童帝どんぐりにはバルムンクの呪いが効いてないのか?
依存してる気配が全くしない

そしてウルスラグナ、こいつは本当にウルスラグナなのか?
持ち主を回復させてるてまるでキャリバーンじゃないか、名前をコロコロ変える剣と
姿をコロコロ変える軍神て似てるよな

≪幕間≫

妹「はい……はい、ごきげんようこんにちは、三女でございます」

姉「どーもみなさん。知ってるでしょう? 長女でございます」

妹「おはざーす」

姉「おぉ、寒っむ、まずいってこれ……」

妹「……今ですねー、我々現在、日本にはおりませーん。カメラはこちら、うちの長女が担当しております」

姉「……」

妹「『おいッ、このバカヤロォ!! よぉく聞けぇ……ここをぉキャンプ地とする』」

姉「あっかっかっかっかっかっかwwwwwwwwwwwwwww」

妹「はい、何と……ロケ史上初の野宿でございます……しかもぉ、ドイツのこんな道端でございます。これ以上北に行ったら私は死にます。
えー、昨日……国外ロケ初日ですね、非常に愚かな選択を我々してしまいまして……レズカップルと間違えられるくらいなら良かったんですが。
どっかのバカとオカッパがですね、先にメシを食いてえメシを食いてえと騒ぐもので……宿が見つかりませんでした。この21世紀の世でですよ」

姉「さすがに今回……わたくしちょっとかわいそうな事をしたと自覚しております。ご覧ください」


女騎士「」


妹「wwwwwwwwwwwwwwwww」

姉「wwww寒wwかったんだねぇwwwwwwwwwww」

妹「二人wwww車ン中wwwww窓が凍っちゃってるものwwwwwww」

姉「あの抱えてるのは……あれは膝ですな?wwwwwwwwwwこっちwwwこっち見てるwwwww」

妹「後部座席のこけし大丈夫かしらwwwwwww」

姉「まんじりともせず起きていやがったか……あんな収録時のカッコまでしちゃって……」

女騎士「寝たら死ぬと思ったんですぅ……半ズボンですよ私ぁ? どうしてだか私ぁこの軽装で北極圏に向かおうとしてるんですよ?
何であんたがたは車のキーまでテントに持ってっちゃうわけ? 後ろのオカッパだって凍えてたんだよ?」

姉「かっかっかっかっかっかwwwwwwwwwwwwwwww」

おかっぱ「何が酷いって……窓が半開きなんだもの……国外撮り終わったら帰れると思ったのにさぁーもぉー」

妹「それwwwwその何だっけ、幕府軍の服それさwwwwそれ確か夏服なんだよねwwwwwwかっかっかっかっかwwwwww」

おかっぱ「あったかそうに見えるけどこれすっげー薄手なの。半ズボンより多分寒いです」

女騎士「あんだとぉ?」

                      -――-  _

                 ,, '"´         \ `ヽ、
                 /          ∧     ヽ  ヽ
                  . '         / ‘.       :,
               /         、____,   :,     、
            /     ノ  / /   ‘        :,     ヽ
            .′  i / .///  .斗==オ     .i-ヘ   :,
           .′ . イ / /    '″ _r心'”,     | ‘.   {
           .′   .斗=''"芯        . : :|     |  .}    、  よこしなさい。小吉をよこしなさい!!
            i     |`、 ゞ'’ /       |     |_,ノ       、  
            |      |,: :     `      , -┐|      |    i     、
            |      | ,      ___. - ニ ',_ノ|    .′         丶 
    ./>''"⌒ヽ .l      |.‘.    └―='"´   |     ′   ′       ヽ
   [,,'"    ‘.∧    Ⅵ ヽ、          |    ′   '       /
   〈  ,,'"   .l.∧.    ‘.  ≧=- .. __ イ´  |   ′  /     ./
   }Y / _,   l ∧    ‘.      _ -}  ′ ./-、  /     /
   '.ヽ.L__ワ   ノ  ∧    ‘.≦心r=ニ  / r ァ   /≦∧/    /
    ー{    {-、 斗、.   ‘.二ニ!   ノ l/   イ二二ハ≦二>x、
     「ヽ   ノ /V.ニニ\  ‘. -┴―< /  /二二二,二二二二心
      ‘.` 二 イ  ‘.>''" \ ‘.       / ./、二二二ア二二二二二ハ.
   | ̄厶        .l孑'"イニ\',二ニ>.//   寸ニア二二二二二二ニ.
二二二>'ヽ     ノ、/二二二二>'ィ'イ二心、 ヽ二二二二二二二二l

   `┬イ⌒ー‐=''"  〈二二二ア/二二二二心 ∨二二二二二二二.ト .,
二⌒7二ノ-‐‐ヘ      〈二二{ {二二二二二二ハ .|二≧=-二二二ニ=≦ニ

 / /  |  ‘.       〈二ニ} }二二二二二二ニⅥ二ニ二二二二二二二
./ /   .|     ‘、       くニ{ {二二二二二二二二二二二≧=----二≦
'/rへ  |      ‘、       `'<}二二二二二二ニl二ニ二二二二二二二二

女騎士「ありがたく思え。絶滅タイムだ」 - SSまとめ速報
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