龍之介「割とマジで聖杯を取りに行く」(89)

キャスター召喚直後

子供「」ビチャビチャ

キャスター「恐怖には鮮度があります」

龍之介「クール!超クールだよ!」

キャスター「貴殿のように理解のあるマスターを得られるとは私も幸先

龍之介「でも旦那」

キャスター「はい?」

龍之介「魔力の無駄遣いは今後控えてほしいんだ」

キャスター「えっ」

龍之介「俺は魔術師ですらない素人なんだって。
他のマスターには大きく水をあけられてるんだよ」

キャスター「し、しかし龍之介。
我が宝具は

龍之介「あー、わかってるって。
さっきあの化け物を召喚したときから分かってたさ。
俺たちの魔力回路は使われていない。
その宝具はおおかた旦那専属の召喚魔術師ってとこかな」

キャスター「お、おぉ・・・なんという慧眼。
このジル・ドレ、感服いたしました」

龍之介「いやいや照れるって。
実力が追いつかない分、知識くらいは追いついとかないと。
いつ殺されてもおかしくないんだぜ旦那」

龍之介「俺も旦那も聖杯で叶えたい願いがあるからここにいる。そうだろ旦那?」

キャスター「如何にも」

龍之介「なら勝ちに行くしかないってこと。
旦那はキャスターのクラスなんだろう?
まずは工房作りから始めてみよう」

キャスター「しかし・・・龍之介・・・」

龍之介「わーってるよ旦那!
俺だって我慢なんてできない」

キャスター「おぉ!ということは

龍之介「ああ!
俺と一緒にいっぱい殺そう!
旦那の殺し方、もっと見てみたいんだ」

キャスター「龍之介・・・」

聖杯戦争 1日目
キャスター工房 下水

龍之介「うん、いい工房だよ旦那。
キャスタークラスは戦闘に不向きかもしれないけど陣地防衛においては専門といっても過言ではないらしいんだ。
とりあえずいきなり三代騎士クラスとかそういう連中にやられる心配は

キャスター「龍之介」

龍之介「なんだい旦那」

キャスター「感じます。他のサーヴァントが近づいてきていますッ!」

龍之介「な、なんだって!」

キャスター「近い。どうやらこちらを誘っているようですねぇ」

龍之介「うーむ。しかしなあ。
こっちの工房に入ってきてくれるならまだしも外で戦うのは

キャスター「龍之介ッ!」ガシッ

龍之介「うわ!なんだよ旦那」

キャスター「そんな弱気になってどうするのですッ!
我らは聖杯を掴むと先ほど誓い合ったではありませんか!」

龍之介「しかし旦那ァ・・・」

龍之介「旦那の持つスキルは、精神汚染(精神干渉魔術無効)と芸術審美(低確率で真名看破)だけだし・・・
それに宝具を使うにしたってただでさえ一つしかないのにこんな序盤から相手に宝具がバレるのは・・・」

キャスター「・・・・・・キェーッ!!!!!」

キャスター「見損ないましたぞ龍之介!
龍之介がそのような弱気な態度だというのならば私にも考えがあります!」

龍之介「か、考えってなんだよ旦那」

キャスター「このジル・ドレ。
今から単身、敵サーヴァント討伐へ馳せ参じて参りましょう」

龍之介「だ、旦那!何を言って

キャスター「龍之介。
あなたは魔術師同士の戦いにおいてはほぼ素人に近いといってもいいでしょう」

キャスター「武器といったらその三画の令呪のみ」

龍之介「それは・・・そうだよ。
つい最近まで魔術だなんておちゃらけたもの毛ほども信じてなかったんだからさ」

キャスター「・・・・・・」

龍之介「旦那?」

キャスター「私も条件にしてみれば龍之介と大差はないのです」

キャスター「生前の私は魔術師だったわけでもなく、ただ錬金術を少しかじっていただけ。
それはこの現世でも何らかわりはないのです」

キャスター「わたしは一つの武器である、『螺湮城教本』を携えて戦うしかないのですよ龍之介」

龍之介「あ・・・・・・」

キャスター「あなたもそう。
私という武器を携えて聖杯戦争に身ひとつで挑んでいる。
この事実に何の差異があるというのです」

キャスター「私たちは一蓮托生。
私は龍之介のサーヴァント。
龍之介は私のマスター。
共に目指すところは同じなのです。さあ行きますぞ龍之介」

龍之介「そんなの屁理屈だよ旦那!
第一俺が行ったって何もできやしないさ」

キャスター「学ぶのです龍之介。
我等の勝利のために。魔術師としての振る舞いを、そして、マスターとしての振る舞いを」

キャスター「令呪の使用は任せましたよ」

龍之介「あ、旦那!待ってくれよ!」

聖杯戦争 1日目
河原
(時間的にはランサーがセイバーアイリペアのいる海岸に行く前)

ランサー「これは驚いたな」

キャスター「・・・・・・」

ランサー「聖杯戦争初日ということもあってか、誘いをかけてみても他の奴らは穴熊を決め込んでいたというのに」

ランサー「しかし誘いに乗ったのがキャスターとはな・・・」

ケイネス「かまわん。
三大騎士クラスの力、存分に見せてやるがいい」

ランサー「了解いたした。我が主」

ケイネス「(マスター同伴でのこのこ現れるとは頭の足りん奴らに違いない。
まずは一人、消しておくか」

ランサー「というわけで、キャスター。
俺と勝負してもらうぞ」

龍之介「相手は三大騎士クラスのランサー・・・
こりゃいくらなんでも分が悪すぎるよ旦那!」

ランサー「フィオナ騎士団一番槍、ディルムッドオディナ。参る」

キャスター「アーッッッッッ!!!!!」

ランサー「えっ」

キャスター「名乗りましたか
ならば私も。我が名はジル・ドレ。
キャスターのクラスに現界致しました

龍之介「ぐあー俺様の力を持ってしても無理だったあ・・・」

キャスター「残念でござる・・・」



終わり

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