ドラえもん「のび太君、これでもう頑張らなくてもいいんだよ」 (409)

 ドラえもん「ねぇパパ、ママ。のび太君はもうそっちに着いたかな」

 ドラえもん「着いたらきっと嬉しがるだろうね」

 ドラえもん「子供のころからあんなに会いたがってたもの」

 ドラえもん「……少し昔話をしてもいいかな」

 ドラえもん「ママたちはまだ知らないところも話してなかったしね」

 ドラえもん「あの後タイムテレビで調べてみたんだ」
 
 ドラえもん「のび太君は十分頑張ってたよ」

 ドラえもん「小学校4年生の夏から必死に勉強して、卒業するころには成績もトップクラスになっていた」

 ドラえもん「運動だって人並みにできるようにもなった」

 ドラえもん「中学校では優しい性格と常に5位以内をキープする成績で
      学級委員や生徒会役員を務めることもあった」

 ドラえもん「一見順風満帆の学校生活を送っているようにも見えた……」

 ドラえもん「そんなのび太君がおかしくなったのは中学2年の中ごろだったかな」


 

 ドラえもん「のび太君そろそろ起きないと遅刻しちゃうよ」

 のび太「………………」

 ドラえもん「ほら起きて」

 のび太「………………」

 ドラえもん「のび太……君?」

 ドラえもん(何かおかしい、この前までは僕が起こされる位に早起きだったのに)


 

 ドラえもん「ママちょっといいかな」

 ママ「何よ朝は忙しいんだから早くのびちゃんを起こしてきて頂戴」

 ドラえもん「その、のび太君が起きないんだ」

 ママ「あら珍しいわね。でもたまにはそんな日もあるでしょう」

 ドラえもん「だけどいつもと何か違うんだ。なんて言えばいいか分からないけど……とりあえず来て」

 ママ「まったくしょうがないわねぇ」



 
 ママ「のびちゃん、早く起きなさい、学校に遅刻するでしょう」

 のび太「………………」

 ママ「パパはもう会社に行ったわよ」

 のびた「………………」
 
 ママ「返事をしなさいのび太!」

 終始無言を貫くのび太君に腹を立てたらしく、ママは布団を荒々しく剥いだ。
 そこで初めて気づいた。
 さっき感じた違和感に。
 
 ドラえもん「……目が、死んでる」

 もちろん実際に心臓が止まり人体の機能が停止した訳ではない。
 正確に言えば虚ろ、という言葉が適切なのだろうか。
 一瞬たじろいだような様子を見せながらもママはのび太君に歩み寄る。

ママ「早く学校に行きなさい!」

 のび太「………………」

 ママ「この子はッ!」

 その後のことはよく覚えていない。
 ママが怒鳴りながらのび太君の腕を掴むのを最後に、僕は部屋から出てしまったからだ。
 目を瞑り、耳を塞ぎ――と言っても塞ぐ耳はないが――その場にうずくまった。
 しばらく経つとママが勝手にしなさいと、はき捨てるように言いながら部屋を後にする。
 実際は数分程度だったと思うが、それはとても長く感じた。

 きっときつく叱られたのだろう、そう思いながらのび太君の様子を確認しようと中を覗き込む。
 部屋の中はいつもとあまり変わらない、しかし寝具が散らばっているのとのび太君があまりにも不自然な姿
勢でありながら全く動こうとしないその様子に僕は唖然とした。

 ドラえもん「のび太君……大丈夫?」

 のび太「………………」

 尚も返事はない。

 ドラえもん「ちょっと、22世紀に行ってくるね……」

 のび太「………………」

 その日、僕は家に帰らなかった。

 ◆


 ――もう嫌だ。

 成績も上位を常にキープし続けている、運動だって頑張ってる。
 学級役員もやって、2年になってからは生徒会役員にもなった。

 けれど何だあのクズどもは。
  
 授業中なのにろくに話も聞かずに居るくせに一人前に権利を主張してくる。
 人の迷惑を好き好んで行うこともあった。
 自分の主張や主観を強引に押し付けるやつさえいる。
 
 そんなやつらの存在にも耐えられた。
 だがなぜ僕は今朝あんなことをしたのか、自分でも分からない。

 ――学校の奴らが気に食わないから。
 違う。

 ――勉強したくないから。
 違う。

 ――家族に反抗したかったから。
 違う。

 ――じゃあ何が不満なの?
 ……分からない。
 けど1つだけ、今朝ママに言われて分かった。
 結局はみんな同じなんだ。

親もいます

現在のほうはドラだけです間違えました

 ◆


 ――もう嫌だ。

 成績も上位を常にキープし続けている、運動だって頑張ってる。
 学級役員もやって、2年になってからは生徒会役員にもなった。

 けれど何だあのクズどもは。
  
 授業中なのにろくに話も聞かずに居るくせに一人前に権利を主張してくる。
 人の迷惑を好き好んで行うこともあった。
 自分の主張や主観を強引に押し付けるやつさえいる。
 
 そんなやつらの存在にも耐えられた。
 だがなぜ僕は今朝あんなことをしたのか、自分でも分からない。

 ――学校の奴らが気に食わないから。
 違う。

 ――勉強したくないから。
 違う。

 ――家族に反抗したかったから。
 違う。

 ――じゃあ何が不満なの?
 ……分からない。
 けど1つだけ、今朝ママに言われて分かった。
 結局はみんな同じなんだ。

書くの遅いのはごめんなさい

何も、考えたくない。
 何も、したくない。

 僕が困ったときはいつもドラえもんが助けてくれた。
 でも今はそのドラえもんにさえも頼る気にならない。
 
 なぜか光に嫌悪感を覚えた。
 おもむろに立ち上がった僕はカーテンを閉める。
 でもまだ明るい。
 そうだ、押入れなら暗いはずだ。
 スペアポケットもある。
 別にドラえもんに迷惑とは思わない。
 ……しばらく、そこに居よう。
 
 僕はその日、押入れから出なかった。

 ◆

 
 先生「野比は今日病欠だそうだ」

 しずか「あら珍しいわねのび太さんが休むなんて」
 
 ジャイアン「まぁそんなこともあるだろう。それよりスネ夫、宿題見せてくんねぇか?」

 スネ夫「またぁ? 仕方ないなもう」

 ジャイアン「ありがとよっ」

 しずか「ねぇ心配だし、私たちでお見舞いに行かない?」

 スネ夫「別に一日くらい休むこともあるでしょ。明日には学校にくるよ」

 しずか「そう……かしら」

 ジャイアン「そうだよしずかちゃん、明日にはいつもの間抜け面した顔が拝めるってもんだ」

 スネ夫「間抜け面っていっても今じゃ学年首席みたいなものだけどね」
 
 しずか「ふふっ、そうよね。明日には元気に登校して来るわよね。明日には」

 その日を境に、のび太さんは学校に来なくなった。

何か原作1話で子孫来たときにお前が誰と結婚しようがどうなろうが俺は生まれる的なことを言ってた気がする




 あれからどれ程の時が流れただろうか。
 最初にスペアポケットを手に入れたのは幸運だった。
 始めに使えそうな道具を取り出せるだけ取り出しておいたのだ。
 出せるだけ出したらポケット自体は捨てた。
 ポケットを通じてドラえもんがこちらに来ることを危惧してのことだった。

 道具のおかげで現在の押入れは厳重なセキュリティを施され、ネット環境も完備している。
 だが22世紀のロボットも伊達ではないらしく度々突破――音を通すのが精一杯だったが――されることもあり
説得を試みられることもあった。



 ドラえもん『のび太君聞こえてるでしょう! 返事してよ!』

 のび太『ドラえ……もん』

 ドラえもん『そうだよ僕ドラえもん。ママもいるんだ』

 ママ『のびちゃんもういいでしょう早く出てきて』

 ドラえもん『のび太君、君は恵まれているんだよ。世界には学校に行きたくても行けない子、ご飯も満足に食
      べられない子、手や足がない子だっているんだ』

 ドラえもん『それに比べたらのび太君はとっても、とっても恵まれているんだよ』

 のび太『……ドラえもん』

 ドラえもん『何?』

 のび太『植物、育てたことあるかな』

 ドラえもん『あるけど……今はそんなこと関係ないよ』

 のび太『ちゃんと育った?』

 ドラえもん『……よく育った時もあればダメになったこともあった。』
 
 のび太『ダメになった原因って何だと思う?』

 ドラえもん『だから今はそんなこと関係n』

 のび太『何だと思う?』

 ドラえもん『……肥料を与え過ぎたり、水を遣り過ぎたり、かな』

のび太『そうだね。種によって肥料を与え過ぎたり、水を遣り過ぎると枯れたり腐ったりするね』

 のび太『人間にも同じことが言えるよ』

 のび太『恵まれ過ぎた人間はダメになる』

 のび太『僕は恵まれ過ぎた。ドラえもんと言う名の肥料を得た僕はダメになったんだ』

 のび太『ドラえもんが悪いわけじゃない、人間には植物と違って意思がある』

 のび太『やろうと思えば肥料の供給を止める事だってできた』

 のび太『でも僕はできなかった。いや、しなかったんだ』

 ドラえもん『でものび太君は自分で頑張って学校の成績を上げて運動だってできるようになったじゃないか』

 のび太『……ドラえもん。植物をダメにする原因ってね、別にそれだけじゃないんだ』

 のび太『元から種が腐っていたらどんなに肥料を与えても、水を遣っても無駄なんだよ』

 のび太『性質が悪いのは寧ろこっちの方かも知れないね』

 のび太『だって気づくのは途中からなんだから』

ママ『もういいわドラちゃん』

 ドラえもん『ママ……』

 ママ『悪いけどちょっと部屋から出ていってもらえるかしら』

 ママ『のびちゃんと二人で話がしたいの』

 ドラえもん『……分かった』

 ママ『のびちゃん』

 のび太『………………』

 ママ『返事をしなさい』

 のび太『………………』

 ママ『前にも同じようなことをやったわね』

 ママ『私がどんなに言っても何も言わない』

 ママ『のびちゃんがこうなったあの日となんら変わっていないわよ』

 ママ『いいえ、本当は最初から何一つ変わっていなかった』

 ママ『あの時も言ったけどのびちゃん、あなたやっぱり――』

 のび太『うるさい!』

のび太『ママはいつもそうだった! 今も”あの時”も!』

 のび太『僕ね……あの日一日中ママに言われた言葉が頭から離れなかったんだ』
 
 のび太『何度も何度も、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も!』

 のび太『だからさぁ、もう分からなくなっちゃったよ……』

 のび太『最初のころは考えることすらしなかったけど冷静になればなるほど鮮明に思い出せるようになるんだ』

 のび太『そして考えるようになるんだよ』

 のび太『どうして、何で、誰のために、今の僕のためになったんだろうって』

 のび太『これもね、考えているうちに分からなくなっちゃったんだ』

 のび太『何も考えたくない、何もしたくないって思うようになり始めてからはとっても気が楽になったんだ』

>>62 
のび太『どうして、何で、誰のために、今の僕のためになったんだろうって』
ここ間違い
こっち

のび太『どうして、何で、誰のために、今の自分になったんだろうって』

のび太『人に会いたくなくなったらね、また楽になったんだよ』

 のび太『それからは押入れが僕の全てになった』

 のび太『そこにいれば誰も来ない、誰にも会わないんだ』

 のび太『情報ならいくらでも手に入れられた』

 のび太『ドラえもんには感謝するよ。バカ正直にいっつも同じところにスペアポケットを置いておいてくれて
    いるんだから』

 のび太『未来の道具はすごいよ、本当に』

 のび太『ねぇもういいでしょ。僕は誰にも迷惑かけてないし誰かに必要とされているわけでもない』

 のび太『食事だって道具を使えばどうにでもなる』

 のび太『ドラえもんだってもといた押入れよりも広い僕の部屋に移ったんだから文句なんかないさ』

 のび太『だからもういいでしょう? もう……許してよ』

なんだか眠くて誤字脱字とか文がおかしくなったりとか打ち間違えたりしてきた

続きみたいから土日にもっかい立てるんだ

>>70
そうする
とりあえずもう無理寝たいってなるまでは書く

ママ『……間違ってる』

 ママ『あなたは間違ってる!』

 ママ『ちゃんと学校言って、いろんな人に出会っていくの!』

 ママ『それが正しいのよ!』

 のび太『………………』

 ママ『何よまただんまりなの? そうやっていれば大丈夫って思ってるのかしら?』

 のび太『………………ふふっ』

 ママ『ッ! 何笑ってるのよ!』

おれのID>>1と同じだ

このスレまだ残ってたんだ

 のび太『別に、何も』

 ママ『ふんッ、病気よあんた』

 のび太『病気、ね』

 のび太『さっきからママが言ってることは正しいよ』

 のび太『ママがそう思うんなら僕は病気なんだろうね』

 のび太『きっとそれが正しいんだ』

 のび太『正しいんだよ』

 のび太『けど、正しいのはママの中でだけだ』

 のび太『万人が万人その意見を肯定するわけじゃない』

 ママ『やっぱりあんた間違ってる!』

 ママ『間違ってる間違ってる間違ってる!』

 のび太『さっきからそれしか言ってないよ』

 のび太『語彙が少ないのか、それともバカなのか』

 ママ『あんたさっきから親に向かってッ!』

 のび太『ふふっ、僕もさっきから同じようなことしか言ってないね』 
 
 のび太『何度も言ったでしょ。ママは正しいんだよ』


 のび太『人としては正しい。でも何かに於いて間違ってるんだ』

 のび太『時間だ。これでもうしばらく音も通らなくなると思う』

 のび太『ああ、何が間違ってるのかは自分で考えてね』

 のび太『僕みたいに』

 のび太『それとドラえもんに言っておいてよ』

 のび太『ポンコツでありがとうって』

 ◆


 ドラえもん「ここまではママたちも知ってるかな」

 ドラえもん「どこで覚えたのか、のび太君は道具を使って日を追う毎に押入れを強化していった」

 ドラえもん「あの後ママは考えてたのかな」

 ドラえもん「それとも気にせずにいた?」

 ドラえもん「……今となってはどうでもいいことだね」

 ドラえもん「ここからは僕もしらなかったところなんだ」

 ドラえもん「頑張って自分でタイムテレビを改造してやっと最近分かったところ」
 
 ドラえもん「のび太君の、押入れでの生活のところ」

 ◆


 ……今、何時だろう。
 
 相変わらず暗い押入れを起動したまま放置されているパソコンの光だけが虚しく照らす。
 この間ドラえもんがセキュリティを破ったのはどれくらい前だった覚えていない。

 ただ、起きてご飯を食べて寝るだけの生活だったのが最近は一つやる事が見つかった。
 アニメを見ることだ。

 昔はあんなものと思っていたけれど、素晴らしいではないか。
 現実の、あんなクズどもとは違う。
 アニメではどんなにゴミみたいなキャラクターでもちゃんと役を担っている。
 
 この趣味を持ち始めてからは世界が広がった。
 それまでは押入れだけが世界の全てであり、僕の全てだったんだ。

 僕が無為に過ごしてきた青春時代も補うどころか人並み以上に満喫したと思う。
 自分と同じ位の年齢の作品を見るとそれだけで共感し、満ち足りた気分になった。

 今はしずかちゃんへの好意も醒めて、2次元のキャラクターに好意を寄せることができる。
 この間はとらドラを見て、北村に共感できた。
 ABを見たときはそれだけでしばらくの間何も考えずにいられるほどの気持ちになれたんだ。

 でも同じkey作品でもCLANNADはあまり好きになれなかった。
 あの作品を見ていると自分が惨めに思えて発狂しそうになり、パソコンを何度か壊しタイム風呂敷で修復
することもあったからだ。
 
 数多の作品を見ていくうちに僕はふとこう思った。

 ――アニメの世界に行きたい。

 無理だということはもちろん分かっていた。
 当然だ。
 向こうはアニメーターの書いた画でしかなく、声優が吹き込んで初めてその言葉だけを喋れるのだ。

 でも、未来の、ドラえもんの道具を使えばどうだろうか。

 この日から僕は2次元に飛ぶための研究を始めた。

 ◆


 ドラえもん「この日から、のび太君は現実から身を遠ざけようとする努力をし始めた」

 ドラえもん「だけどのび太君は使えるような道具はほとんど取っていなくてね」

 ドラえもん「初日にポケットも捨てて、使えそうな道具を追加で出せるわけでもなかった」

 ドラえもん「とてもそんな道具を自作できるような環境ではなかったんだ」

 ドラえもん「のび太君だってその時分かってたと思う」

 ドラえもん「分かってたけどやめなかった」

 ドラえもん「その時ののび太君の気持ち分かる?」

 ドラえもん「どんなに頑張っても頑張っても望んだ成果がでない気持ち」

 ドラえもん「僕はわからない」

 ドラえもん「ママたちにだってわかるわけない」

 ドラえもん「でも研究は無駄ではなかった」

 ドラえもん「最終的には2次元に飛ぶことはできなかったけど、幸か不幸か他のことに研究が転じたんだ」

 ドラえもん「あの出来事は偶然なんかじゃなくて必然、のび太君の手によって起こされた必然だったんだよ」

 ◆


 スネ夫「もう、みんな高校生になったね……」

 ジャイアン「……そうだな」

 しずか「のび太さん、今頃どうしてるのかしら」

 3人「「………………」」

 スネ夫「ねぇ、のび太の話は止めない?」

 スネ夫「僕もうこの空気に耐えられないよ」

 スネ夫「中学生のころからずっと、ずっと!」

 スネ夫「もう……忘れようよ。のび太のことは……」

 しずか「スネ夫さん……」

 ジャイアン「スネ夫……」

 スネ夫「ごめん僕が空気重くしちゃったね」

 スネ夫「そうだ僕の家で一緒にDVDでも見ようよ!」

 スネ夫「とっても面白いの買ってきたんだ!」

 ジャイアン「……そうだな。久しぶりに付き合ってやるか!」

 しずか「そう……ね。たまにはいいかもね」

 ジャイアン「それで今度は何のDVDだ?」

 スネ夫「這いよれニャル子さんW!」

 しずか「それ前にも見なかったかしら?」

 スネ夫「違うよ。これは二期でこの間のは一期のほう」

 ジャイアン「まあとっととスネ夫の家いこうぜ」

 スネ夫「それとこのDVD三人用だからのび太はダメな」

 スネ夫「あ……」

 三人「「………………」」

 ◆
 

 分かっていたさ。

 僕が最初に出した道具だけで二次元にいけるような道具を自作するなんて無理なんだ。
 だから僕は考えた。

 僕が二次元に行くのではなく、あっちが僕のところへ来ればいいんだ。

 でもみのりんや朝田さん、わっちのような二次元のキャラクターはこちらに連れてくることはできない。
 それでも、シチュエーションだけなら。
 物語だけならこの大きな球体の粗大ゴミでもできるのではないか。

 幸いこれまでの研究で遠隔操作くらいなら容易く行えそうだった。
 後は操作されているのを本人たちに気づかれないようにすれば完成だろう。
 気づかれないようにするくらいなら数日でできるはずだ。

 完成したらどのようなストーリーを仕立てようかな。
 みんなは今高校生なんだからラノベ枠でも使おうか。
 でも最近は異世界に飛んだり魔王だの勇者だのばっかりであんまり好きじゃない。
 やっぱり自分の好きな作品がいいよね。

 ……とりあえず、もう寝よう。

 ◆

 
 スネ夫「(」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー!」

 スネ夫「(」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー!」

 ジャイアン「スネ夫違うだろそれは一期のやつだ」

 ジャイアン「二期は\(・ω・\)SAN値!(/・ω・)/ピンチ!\(・ω・\)SAN値!(/・ω・)/ピンチ!」

 ジャイアン「こうだ!」

 三人「「あははははは」」

 しずか「ふふっ。ねぇもう遅いしそろそろ解散にしない?」

 ジャイアン「それもそうだな。早く帰んねぇと母ちゃんに叱られちまう」

 スネ夫「じゃあ続きはまた今度ってことで」

 ジャイアン「よし、外も暗くなってきたし俺がしずかちゃんを家まで送ろう!」

 スネ夫「よっジャイアン男前!」

 しずか「武さんが送ってくれるなら安心ね。頼もしいわ」

 ジャイアン「よせやい照れる」

 ◆


 ジャイアン・しずか「「………………」」

 しずか「……武さん」

 ジャイアン「な、なんだ?」

 しずか「話したいことがあるんでしょう」

 しずか「スネさんがいると話しづらいことっていうのは分かってるわ」

 ジャイアン「さすがしずかちゃん。学年首席の名前は伊達じゃないってことか」

 しずか「よして、私は学年首席なんかじゃないわ。”次席”よ」

 ジャイアン「……そうだったな」

 ジャイアン「簡潔に言う」

もっといい学校行きました

中学は同じで高校は出来杉違う学校行きました
中学ではクラス別で交流がなくなっていったと言う感じで

 ジャイアン「スネ夫がおかしくなるかもしれない」

 しずか「……武さんも気づいてたのね」

 ジャイアン「ああ」

 しずか「スネ夫さんがアニメに熱中するようになったのが中学二年の終わりから中学三年の頭」

 しずか「のび太さんが学校に来なくなったのが中学二年の中ごろ」

 ジャイアン「かぶるんだよな」

 しずか「ええ、その時期ならストレスが溜まっているはずだわ」

 しずか「そしてストレスのはけ口を模索し始める」

 しずか「スネ夫さん根はいい人だから犯罪なんてことはしなかったけど、代わりにアニメを見始めるようになっ
    た」

 ジャイアン「アニメを見ることは別に悪いことじゃない。受験のときもしっかり勉強していたしな」

 しずか「問題なのはここから」

 しずか「アニメを見るだけでストレスを紛れさせられなくなった時」

 ジャイアン「そうなったら、どうなるんだろうな」

 しずか「わからない。誰にも。スネ夫さん次第だわ」

 ジャイアン「何もできることはないってのかよ……」

 しずか「何か……アニメみたいな出来事でも起きれば、スネ夫さんのストレスも軽くなるんだろうけど……」

 ジャイアン「そんなこと起きるはずもない……」

 ジャイアン「結局、俺たちは黙って友達が壊れていくのを見守っていることしかできないんだ」

 しずか「もう家に着いたわ。ありがとう武さん」

 ジャイアン「……おう」

 ◆


 完成した。

 後は台本を入力するだけでいいんだ。
 どんなストーリーにしようか。

 そうだ********にしよう。

 僕の好きな、僕の思い出の作品。

 主人公はどうしよう。

 主人公がいないと物語りも進みづらいし、設定しないとだめだよね。
 原作の性別も考慮しないといけないし、主人公は***にしておこうかな。

 後はモニターで高みの見物でもさせてもらおう。
 反映は明日からだ。
 
 しばらくは楽しませてよね。

 ◆

 
  
 ドラえもん「ねぇみんな」


 しずか「ドラちゃん! 探してたのよ!」

 ジャイアン「そうだ! スネ夫がいなくなったんだ!」

 しずか「今日学校にも来てなくて家にもいないらしいの!」

 ジャイアン「それでドラえもんに道具を出してもらって探そうと――」

 ドラえもん「そのスネ夫君のことなんだ」

 ジャイアン・しずか「「!!」」

 ドラえもん「裏山に、来て欲しい」

 ジャイアン・しずか「「………………」」

 ◆


 ドラえもん「……あそこ」

 しずか「ッ! 倒れてるじゃない!」

 ドラえもん「多分、そろそろ起きると思う」

 ジャイアン「何でそんなことが分かるんだよ!」

 ドラえもん「よく分からないけど、制服の女の子が来たからじゃないかな」

 ジャイアン「は? 何言ってんだよドラえもん」

 スネ夫「………………ハッ」

 しずか「気がついたのねスネ夫さん!」

 スネ夫「……ここは、どこ?」

 ジャイアン「裏山だ。それよりお前なんでこんなところに」

 スネ夫「裏山? どこの」

 しずか「どこのって……」

 ジャイアン「まさかスネ夫お前」

 ジャイアン・しずか「「記憶喪失……」」

 しずか「記憶がないパターンね、珍しいけど事故とかだったら頭をやられているからありそうだわ」

 ジャイアン「ん? とりあえずスネ夫何か覚えていることはないか?」

 スネ夫「名前は覚えてる。”スネ夫”それだけ」

 スネ夫「それと、”天使”」

 しずか「天使? どういう意味?」

 スネ夫「その前に、君たちは誰なの?」

 ドラえもん「君の味方だよ」

 スネ夫「味方? 友達とか仲間じゃなくて?」

 ドラえもん「言い方はどうでもいいさ。ただ僕たちと君は知り合いってこと」

 ジャイアン「それで”天使”ってどういう意味なんだよ」

 スネ夫「……分からない。ただ、言葉だけが頭の中に渦巻いてるんだ」

 しずか「とりあえず病院にいきましょう」

 スネ夫「……ありがとう」

 ジャイアン「立てるか?」

 スネ夫「……大丈夫」

 しずか「スネ夫さん! そっちは崖よ!」

 ジャイアン「スネ夫!」

 スネ夫「ッ!!」

 ドラえもん「スネ夫君!」

 しずか「……落ち……た」

 ジャイアン「ドラえもん何とかできねぇのかよ! ああなっちまったらもう……もう!」

 ドラえもん「大丈夫だよ」

 しずか「大丈夫って、どうしてそんなことがいえるの!? 崖から落ちたのよ!」

 ドラえもん「なんとなく、かな」

 ジャイアン「なんとなくってなあ! 大丈夫なわけねぇだろう!」

 しずか「………………」

 ジャイアン「しずかちゃん?」

 しずか「……ない」

 ジャイアン「え? 何?」

 しずか「傷一つ、ない」

 ドラえもん「ね、大丈夫だったでしょう」

 ジャイアン「おーいスネ夫ー大丈夫か?」

 スネ夫「……うん」

 しずか「よかった、じゃあ早く病院に――」

 スネ夫「いや、別に今はいいよ。後で自分で行く」

 ジャイアン「でもお前――」

 スネ夫「大丈夫だから、一人にして」

 ドラえもん「分かったよ。二人ともそれでいいね?」

 ジャイアン・しずか「……ああ(うん)」

 ◆


 僕は崖から落ちたらしい。
 でも体は全然痛くない、それどころかさっきより体が軽いくらいだ。

 落ちた瞬間、何か違和感を感じた。
 何かがずれたような、そんな違和感だ。

 だが瞬間というよりも、落ちた後と言ったほうが適切だろう。
 あの時、確かに僕は崖から落ち、そして死んだ――はずだった。

 ――死んだはずなのに生きている?
 そんなはずはない。
 死んだ人間は二度と生き返らないのだ。
 もし生き返らせることが可能でもそれは破ってはいけない絶対の禁忌。

 じゃあ何で僕は今こうして生きているんだろうか。
 ……今何かが思い出せそうだった。
 僕の記憶の中に、記憶喪失になりながらも脳に焼き付いて離れない何かが。

 そうだ思い出した。
 死んだはずなのに活動できる、記憶喪失、この二つのキーワードだけでも十分分かる。
 失っても尚取り戻すほどに僕は好きだったんだ。
 これはあのアニメと酷似している。

 僕の好きな、思い出のあのアニメ。
 ********に。

>>209
死んだはずなのに活動できる、記憶喪失、この二つのキーワードだけでも十分分かる。
間違い
死んだはずなのに活動できる、記憶喪失、天使、この三つのキーワードだけでも十分分かる。

 ああそういうことなら大丈夫だ。
 記憶の取り戻し方も分かる。
 何をすればいいのかも分かる。
 
 でもなぜだろう、まだどこかにもやがかかっている様なすっきりしない。
 きっと記憶を取り戻していないせいだろう。
 だが記憶を取り戻すよりも先にすべきことがある。
 
 天使――ドラえもんへの攻撃。

 ********を思い出せたらもう天使が何なのかはすぐに分かった。
 仲間の――味方の協力が必要なことも。

 作戦、開始。

 ◆


 ――くそがッ!

 このポンコツのせいで構成が破綻しているじゃないか。
 スネ夫のやつはもう勘付いたようだし、ドラえもんにいたってはおかし過ぎる。
 仕方ない、ほとんどシナリオが崩れてしまうが飛ばし飛ばしで強制的に進行させよう。

 僕の好きな********とは程遠くなるが、我慢だ。
 もっと精度を高めていけば原作に近づけるはず。

 それまでの辛抱だ。
 今回はもう終らせる。
 今日、できなければ明日以内に。

 生身だときついかも知れないけどせいぜい頑張ってね。


 ――スネ夫。

 ◆

 
 まずはジャイアンたちと連絡を取らないと何も始まらない。
 ドラえもんを帰すためとはいえ二人とも帰したのは痛手だった。

 スネ夫「う……なんだ……」

 頭が、割れるようにいたい。
 体中が火照っていく。
 僕は耐え切れずにその場に倒れこんだ。
 頭痛がなくなると、ある変化があった。

 スネ夫「……記憶が戻っている」

 おかしい。
 僕が知っているものと同じストーリーなら記憶はまず催眠術によって中途半端に思い出し、心臓の鼓動で全て
を思い出すはずだからだ。

 でもこれはこれで好都合といえるだろう。
 やるべきことが一つ減ったのだから。

 ……ジャイアンたちへの連絡は公衆電話でできるだろうか。
 しずかちゃんはいつも携帯電話を持っているからいいのだが、ジャイアンは日頃携帯電話を携帯していないから心配だ。
     
 幸い小銭は持っていた。
 
 ジャイアンとしずかちゃんの電話番号は記憶している。
 小銭を横に置いていつでも追加で入れられる準備をした僕はすばやく番号を打ち込み電話をかけた。

 スネ夫「あ、しずかちゃん? 僕だよスネ夫」

 しずか「スネ夫さん? もう病院には行ったの?」

 スネ夫「ああうん。でも一時的な記憶障害ですぐに記憶が戻ったんだ」

 嘘だ。
 病院などには行っていない。

 しずか「よかった。心配したのよ? スネ夫さんがストレスでどうにかなっちゃったのかと思って」

 スネ夫「ストレス? 今の僕は別にストレスなんか感じてないよ」

 寧ろこのような状況になって快感すら覚えている。
 誰だか知らないが今のようにしてくれた人には感謝しよう。

 しずか「そう、だったらいいんだけど……無理はしないでね」

 スネ夫「ありがとう。それよりちょっと話があるんだ」

 しずか「話?」
 
 スネ夫「そう、裏山にジャイアンと一緒できてもらえると助かる」

 しずか「いいけど……ドラちゃんは?」

 スネ夫「ドラえもんには、ちょっと話しづらいこと何だ」

 しずか「そう……わかったわ。武さんと一緒に裏山に今から行くわね」

 スネ夫「じゃあ一本杉の所に来て」

 スネ夫「っとごめんそろそろ切れそうだ」

 スネ夫「また後で」

 ◆


 ジャイアン「おうスネ夫聞いたぞ記憶戻ったんだってな。まあそれより話ってなんだ?」

 しずか「ドラちゃんには言いづらいことって何?」

 スネ夫「見てもらったほうが早いかなって思ってね」

 ジャイアン「は? お前一体何を言って――ッ!」

 僕は背後からおもむろに鉈を取り出す。

 スネ夫「そんなに驚かなくてもいいよ。別に二人をどうこうしようって訳じゃない」

 しずか「……じゃあ早くその刃物をしまって」
 
 スネ夫「二人をどうこうしなくても、自分にはどうこうするんだよ」

 言い切る前に僕は右手に持つ鉈で自らの左腕の肘から先を切り飛ばした。

 しずか「きゃっ!」

 ジャイアン「スネ夫お前とうとう気でも狂ったか!」

 ジャイアン・しずか「「………………えっ?」」

 二人の視線が僕の左腕に集中する。
 腕が切り飛ばされたからではない。
 もっと不自然な光景に見るような目で見ている。
 それもそうだ、だって僕の左腕は――
 
 ジャイアン「お前その腕……」

 しずか「戻ってる……ちゃんと、腕がある……」

 ――僕の左腕は元に戻っているのだから。

 スネ夫「話しても信じてもらえないだろうから見てもらったんだ」

 しずか「えっと、切られた腕が再生した、ということかしら」

 スネ夫「さすがしずかちゃん、察しがいいね」

 ジャイアン「待てよスネ夫そんなのありえないだろ。切られた腕が戻るなんて」

 しずか「手品か何かでしょうスネ夫さんたらいたづらが好きなんだから」

 スネ夫「ん~まだ信じてもらえていないみたいだね」
 
 その後僕は自分の体を鉈で何度も切った。
 切っては再生されるのを何度か見せながら僕が今いる状況を簡潔に説明する。
 ********と違って再生速度が速いのが今回は好都合だった。

 ジャイアン「ということは今お前はそのアニメの主人公と同じ立場にいて、エンディングを迎えればいいんだな」

 スネ夫「そう。しずかちゃんも分かった?」

 しずか「ええ大体は」

 スネ夫「よかった」

 スネ夫「じゃあまず僕たちは天使――ドラえもんに攻撃を加える」

 しずか「ドラちゃんに!?」

 スネ夫「そう、あのドラえもんを相手にしなくちゃならない」

 ストーリーの大まかな構成は話したが、少し嘘も混ぜておいた。
 最後は僕以外みんな消える、という部分が大半だ。
 二人には悪いが用が済んだらお早めに人生から退場してもらおう。
 今の僕だったら簡単なはずだ。

 ◆


 ドラえもん「みんな~どこ~?」

 ドラえもん「ひどいなあ人をわざわざ裏山まで呼び出しておいて」

 ジャイアン「お~いこっちこっち!」

 ドラえもん「何だ一本杉のほうか」

 ドラえもん「今行くよ~」

 ◆


 作戦はこうだ。
 戦力的に圧倒的に劣っているこちら側ではまともにやりあったらまず勝てないだろう。
 だから油断している一瞬の隙に弱点を突く。
 あとは格闘ゲームのハメ技のように無限コンボを決めればいい。
 まずドラえもんを一本杉の下に呼び出す。
 
 ドラえもん「いや~一本杉のほうが死角になっててわからなかったんだごめんね」

 しずか「別にいいわよそんなこと」

 ドラえもん「それで、話って何?」

 ジャイアン「まあとりあえず一本杉の下に行こうぜ。ドラ焼きも用意してあるんだ」

 ドラえもん「ドラ焼き! ありがとうジャイアン、しずかちゃん!」

 次にドラ焼きを食べながら呆けている奴の頭にジャイアンが石か何かで強攻撃を加える。

 ドラえもん「いったっだっきま~す」

 ドラえもん「ん~ドラ焼きはやっぱりおいしいなあ~」

 ジャイアン「ふんっ!」

 ドラえもん「ッ!!」

 これで時間は十分に稼げるはずだ。
 後はしずかちゃんが奴の尻尾を引けば――

 しずか「ごめんなさいドラちゃん!」

 ――引けば奴の活動は停止し永久コンボの完成、というわけだ。

 ジャイアン「……やったか」

 しずか「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 スネ夫「ありがとう、これでエンディングへ一歩近づいたよ」

 スネ夫「そうそう、一つ謝らなきゃいけないことがあるんだ」

 スネ夫「嘘ついててごめんね」

 そういいながら僕はさっきの鉈でジャイアンの首を宙へ舞い上がらせた。

 しずか「スネ夫……さん? 冗談よね? 私にはそんなことしないわよね……?」

 スネ夫「実はね、この物語は最後に僕以外の人が全員消えないとエンディングにならないんだ」

 スネ夫「しずかちゃんたちには言ってなかったけど」

 しずか「そ……そんな」

 しずか「ふざけるなあああああああああああ!」

 しずか「この畜生めがああああああああああ!」

 スネ夫「本当に良かったよ、しずかちゃんが天使じゃなくて」

 しずか「この! 汚らしい! 汚物が!」

 しずかちゃんは尚も僕を傷つけるが瞬時に傷は塞がっていく。

 スネ夫「こんな醜い人間が天使だったらと思うと僕の天使ちゃんが穢れちゃう」

 飛び掛ってきたしずかちゃんにの首も宙へ舞い上がらせた。

 スネ夫「まあ、こんな青狸が天使っていうのも納得いかないけどね」

 スネ夫「さて、残りを片付けに行くとしようか」

 その日、一晩中僕に関係した人物を消していった。

 ◆


 ふぅ、どうにか明日中にはこの堕落した物語もエンディングを迎えそうだ。
 スネ夫も分かってるじゃないか、天使は最後に消えなきゃいけない。
 今は動けなくなる程度が丁度いい。

 ……待てよ。

 スネ夫の行動が少し不自然じゃないか?

 さっきあいつはなんていった?
 
 スネ夫『さて、残りを片付けに行くとしようか』
 
 スネ夫に関係している今晩中に殺れる人なんて限られている。
 親族以外だったらあいつにジャイアンとしずかちゃん以外に友達なんているはずがない。

 僕はこの厳重なセキュリティに守られているから実質不可能だろう。

 じゃあ……まさか……

 この辺りに住んでるみんなと、その”血縁者”

 つまり、僕のパパやママも含まれている。
 ……知ったことか、あんな親。


 こんなポンコツ、作らなければ良かった。
 
 その日、僕は一生分の後悔をした。

 ◆


 ドラえもん「わかったかな」

 ドラえもん「ママとパパはね、こうやって必然的に死んだんだよ」

 ドラえもん「何で僕が生きているのかって?」

 ドラえもん「それはね」

 ◆


 ……やってしまった。

 直接的ではないにしろ間接的には僕が殺したんだ……
 
 僕が、僕が、パパとママを!

 ……ドラえもんはどうなったかな。
 
 今から行けばまだ間に合うかもしれない。
 スネ夫から、僕の手から救えるかも知れないんだ。

 戸を開けろのび太。
 開ければすぐにでもドラえもんのいる一本杉にまでいける。

 もう後悔はしたくない。

 今思うと僕はどうかしてたんだ。
 自分の好きなアニメのためだけに周りの人を犠牲にして、とうとう自分の親まで手にかけた。

 もういいでしょう。
 もう十分でしょう。
 もう、大丈夫でしょう。

 さぁのび太、戸を開けろ、窓を開け。
 押入れの隅に置いてあるタケコプターでドラえもんのところに飛んでいくんだ。

 それまで山の如く動かなかった戸がほんの少しだけ、自らの手で開くことができた。
 今まで暗い押入れにいたせいなのだろう、月の光でさえ眩しく感じる。

 あとは一気にその手を横に引けばいい。

 ただそれだけで、新しい一歩を踏み出せるんだ。
 ただそれだけで、自分の過ちの一つをなくせるんだ。
 
 ――開いた。
 まるで自分の四肢が他の生物にでもなったかのように動き始める。
 
 自らの意思で動かせるようになったと感じられるようになったのは丁度一本杉に着いたときだった。

 のび太「ドラえもん!」

 発声したのは何年ぶりだろうか。
 そこにはモニター越しに見た通りの光景が広がっていた。
 
 一本杉の下で活動を停止しているドラえもん。
 ジャイアンとしずかちゃんの、死体。

 早くドラえもんの活動を再開させなくては。
 だがここで僕の命運は尽き果てたらしく、後ろから不気味な足音が聞こえてくる。

 スネ夫「あ~のび太~久しぶりだなぁ」

 スネ夫「丁度良かったよ、勢いあまって消しすぎちゃって麻婆豆腐の校歌を歌う人手が足りなかったんだ」

 スネ夫「けど……やっぱりいいや。校歌を歌うのは僕と天使ちゃんだけで十分だ」

 スネ夫「お前も、消す」

 のび太「天使ちゃんて、スネ夫はハナザーじゃなくて大山のぶ代さんがいいのか?」

 スネ夫「仕方ないだろう、天使の役はその青狸なんだ」

 のび太「どっちにしろ僕は君を止める」

 スネ夫「できんのぉ? お前にぃ?」

 スネ夫の言うことはもっともだ。
 僕はここ数年間ずっと押入れに引きこもる生活を送ってきた。
 体力なんてあってないようなものだ。
 それに今のスネ夫は不死身、しかも主人公補正がかかっているはず。

 でも、完全ではない。
 僕の作ったポンコツは完全にはあの作品を踏襲することができなかった。
 ならどこかに抜け穴があるはずだ。
 探すんだ、僕が石に穿った穴を。
 見つけるんだ、僕が作った裏道を。

 考えろ、考えろ。
 
 のび太「待て」
 
 のび太「お前にとっていい話があるんだ」

 のび太「お前にとっていい話があるんだ」
 
 スネ夫「僕にとっていい話?」
 
 のび太「ああ」

 のび太「スネ夫、さっき『仕方ないだろう、天使の役はその青狸なんだ』っていったよね」

 スネ夫「それがどうした」

 のび太「本当はもっと完璧な作品を楽しみたいんじゃないの?」

 スネ夫「そりゃそうだよ。中の人だって同じほうがいい」

 のび太「……したら」

 スネ夫「え? 何聞こえないよ」

 のび太「僕がもっと完全な作品にするとしたら」

 スネ夫「……ああそういうことか」

 スネ夫「僕の今の状況、お前の仕業だったのか。そうかそうか」

 スネ夫「なんというか、ありがとう」

 スネ夫「僕は今このときを楽しくやってるよ」

 活動を停止したドラえもんのポケットから道具を出す。
 ドラえもんの道具を使えば家の押入れから機械を持ってくることなど容易いことだった。
 
 取り出した道具に台本を打ち込む。

 のび太「なあスネ夫」

 スネ夫「何だよ」

 のび太「何で武器をハルバートじゃなくて鉈にしたの?」
 
 スネ夫「僕じゃ片手でハルバートを振舞わせないし、長ドスは趣味じゃないんかったんだ」

 スネ夫「だからレナの使ってた鉈にした」

 のび太「そう……」

いれ忘れてた>>292のあとにこれはいる

 スネ夫「で、話を戻すけどお前が完全な作品にできるのか?」

 のび太「うん。最初は僕がアニメを現実にしようとして作った道具なんだ」

 のび太「今回のことを踏まえれば多分今よりもっと完全な作品になる」

 のび太「うまくいけば、中の人だって同じにできるかも知れない」

 スネ夫「どれくらいだ」

 のび太「え?」

 スネ夫「時間はどれくらいかかる」

 のび太「……機械を動かせれば、10分以内に」

 スネ夫「そうか、それくらいなら待てる。今すぐ機械をこっちに持ってこい」

 のび太「分かった」

 のび太「スネ夫、今度は僕みたいなやつに邪魔されないようにしたいでしょ」

 スネ夫「そりゃそうだ、僕はみんなと一緒に楽しくあの世界で過ごすんだ。お前はいらない」

 のび太「それは良かった」

 のび太「……できたよ」

 のび太「あとは操作一つで君を完璧なあの作品の主人公になれる」

 スネ夫「なら早くしろ!」

 スネ夫「僕は今すぐにでもあの世界に、あの作品にいきたいんだ!」

 のび太「じゃあその一歩は自分で踏み出そうか」

 のび太「このボタンを押せば、君は完全に作品の虜囚になれる」

 スネ夫「どけええええええええええええええええええええええ」

 スネ夫「どこだ! どのボタンだ!」

 のび太「……エンターキー」

 スネ夫「これだ! このボタンを押せば僕は! 僕はあははははははははは!」

 押した。
 スネ夫は確かに押した。
 自らの欲望のなすがままに。
 他人に頼り、自分ではなにもせず。
 最後まで、そういう人間になってしまった。
 せめてもの供養だ。
 君の好きな作品に送ってあげるよ。

 のび太「スネ夫はさ、パソコン使わないほうがいいな」

 スネ夫「これで、これで僕はああああああああああ」

 のび太「多分ワンクリ詐欺に引っかかるよ」

 スネ夫「あの世界にいいいいいいいいいいいいいい」

 のび太「画面……よくみなよ」

 スネ夫「行けるんだあああ……は?」

 そこには僕が打ち込んだ台本の題名が表示されている。
 
 のび太「スネ夫、この作品も好きだろう」

 のび太「不死身じゃたおせない」

 のび太「だから僕は君を別の場所に送るんだ」

 スネ夫「のび太ああああああああ! 貴様あああああああああ!」

 のび太「分かってたよ。スネ夫がハルバートでも長ドスでもなく鉈を持ってる時点で」

 スネ夫「これは俺の行きたい世界じゃない! これは、これはああああ!」

 のび太「ひぐらしの鳴く頃に」

 のび太「スネ夫、多分レナが好きなんだろうな」

 のび太「でも、僕は双子のほうが好きなんだ」

 スネ夫「ふざけるな! 俺が行くのは”エンジェルビーツ”だ! ひぐらしじゃない! 」

 のび太「そういいながらも名シーンを再現してるじゃないか」

 スネ夫「止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ」

 スネ夫「黙れニワカ! ひぐらしは”鳴く”じゃなくて”なく”なんだよひらがな表記なんだよ!」

 のび太「そうだね、けどもう時間だ」

 のび太「逝ってらっしゃい。エンジェルビーツではなくひぐらしの鳴く頃に、へ」

 のび太「大丈夫、今度は誰の邪魔も入らないよ」

 のび太「そう設定しておいた」

 のび太「安心するといい」

 のび太「世界は改変する」

 スネ夫「貴様ああああああああああ! だから”なく”だあああああああああああああ!」

 のび太「………………」

 のび太「……今度は別の世界線で会いたいものだね」

 のび太「さぁドラえもん起きて、もう日が昇るよ」

 ドラえもん「……ん」

 ドラえもん「のび太……君?」

 のび太「そうだよ。のび太だよ」

 ここで僕は一つ重大なミスを犯していた事に気づいた。
 僕としたことが目先の敵にばかり注意がいって後のことを考えていなかったのだ。

 ドラえもん「のび太君これ……君がやったの」

 ドラえもんの目には怪しい機械とジャイアンとしずかちゃんの死体がうつったはずだ。
 この状況なら誰もがこう思うだろう。

 今目の前にいる人間があの怪しい機械でそこの二人を殺した――と。 

 でも、ドラえもんは違かった。
 
 のび太「ドラえもん……これは」

 ドラえもん「何も言わなくていいよ」
 
 ドラえもん「仕方なかったんだよね。きっと仕方なかったんだ」

 のび太「ドラえ……もん……」

 僕は今までの自分の所業を激しく後悔した。
 アニメの世界にだってそうそういない、僕の一生の友達。
 気がつくと、僕の瞳から溢れた出した水分が頬を伝っているのを感じる。
 朝日に照らされるドラえもんの姿は神々しく、まるで神様のようだった。
 そしていつものあの優しい微笑で僕に語りかけるのだ。
 
 ドラえもん「でものび太君はこれから償わなくちゃいけない」

 ドラえもん「例えそれが理不尽なものでも、受け入れなくてはいけない」

 ドラえもん「じゃあ、家に帰ろう」

 のび太「……うん」


 数日後、ニュースでは住宅街無差別大量殺人事件とされ犯人はいまだ捜索中という報道がされた。

 ◆


 のび太「……ドラえもん」

 ドラえもん「何のび太君?」

 のび太「やっぱり……いい」

 ドラえもん「なんだい水臭いなぁ言いたい事があれば遠慮せず言っちゃいなよ」

 のび太「……ごめん」

 最近のび太君の様子がおかしくなった。
 前のようにどこかに閉じこもるというわけではなくなったが、また違った方向で様子が変だ。

 ドラえもん「のび太君、悩みがあったらいつでも相談にのるよ?」

 のび太「うん、ありがとう……」

 あの事件のことはまだ何も聞いていない。
 僕も自分から聞こうとは思っていないし、のび太君から話してくれるのが一番いいと思ってる。

 ドラえもん「のび太君……」

 パパとママがいなくなった今居間が僕の部屋だ。
 のび太君は僕がいた部屋――つまりはのび太君の最初の部屋にいる。

 けど、そろそろケジメをつけなければいけないとも最近思い始めた。

 ドラえもん「のび太君、入るよ」

 久しぶりに入ったのび太君の部屋に僕は一瞬目を疑った。
 その部屋は、壁から本棚にいたるまでほぼ一面に何かの設計図やら理論が書かれていたのだ。
 そしてのび太君は僕が部屋に入ったのも気づいているのかいないのか分からないほどに集中してそれを書き続けている。

 ドラえもん「のび太君……これ、何?」

 ドラえもん「ねぇのび太君ってば!」

 僕が怒鳴って初めて気づいたような様子でのび太君はその重い口を開いた。

 のび太「……償い」

 のび太「罪の……償い」

 のび太「僕はどんなに理不尽な償いでも受け入れる」

 のび太「そう決めた」

 のび太「例えそれが絶対の禁忌に触れようと」

 そう言われてはじめて気づく。
 のび太君いう償い――生物の蘇生。

 蘇生というだけでもそれは人類の禁忌、どの時代であろうととめられた行為。
 それを今目の前にいるこの野比のび太という二十歳にも満たない少年はやろうとしているのだ。

眠けどそろそろ終りそうだから眠れない
そういう状況なのです

 無理だ――蘇生など現代科学では到底できるわけがない。
 そのことは当の本人が一番良く分かっているはず。
 いや、分かっているからこそやめられないのだろうか。
 どんなに理不尽な償いも受け入れる、僕はのび太君にそう言い、自分でもさっき同じことを言った。

 今ここで僕がのび太君をとめたらその償いはどうやって果たすのだろう。
 だから、僕が今するのはとめることじゃない。
 押すんだ、のび太君の背中を。
 今にも逃げ出しそうなその背中を、僕が。

 ドラえもん「……のび太君、これ」

 のび太「何?」

 ドラえもん「この箱はね、開ければのび太君にとって必要なものが一つだけでてくるんだ」

 ドラえもん「じゃあ僕はちょっと町を散歩に行ってくるね」

 ◆


 ドラえもんが渡してくれたこの箱。
 曰く僕に必要なものが一つだけ出てくるという。
 必要なもの、今の僕に。
 そんなものあるのだろうか。
 
 自分の親を手にかけ、友達もみんないなくなった。
 こんな僕に、今更必要なものなんてない。

 ……研究に戻ろう。

 自分だって分かってるさ。
 この研究は成功しない。
 例え成功しようともドラえもんはそれを全力で阻止するはずだ。

 そしたら僕はそれなりの報いを受けるだろう。
 これは誰かのための研究などではない。
 自分の、自分に課す罰の研究なのだ。

 ドラえもんだってポンコツではあるがバカではない。
 そんなこと分かっていたはずだ。
 ならどうして、あの箱を僕に与えたのだろう。
 こんなのは百害あって一利なしではないか。

 ――ドラえもんは一体何がしたいんだ。

 こう思うと真相が確かめたくて仕方がなくなる。
 僕の子供の頃からの悪い癖だ。
 人の意図を探りたがる。

 でもたまには人にはめられるのもいいではないか。
 いいよ開けてあげるよ、ドラえもん。
 君が何を意図してこの箱を僕に与えたのかはわからない。
 だから今確かめる。
 さぁ何が入っている。
 今、ぼくに必要なもの、それはなんだ。

 ◆


 ドラえもん「のび太君はもう開けたかな」

 ドラえもん「僕には中身が大体想像ついてるけれど、多分まだ気づいてないんだろうなあ」

 ドラえもん「自分の、本当に必要としているものに」

 ドラえもん「あの研究は逃げだよのび太君」

 ドラえもん「だけど僕は逃がさない」

 ドラえもん「それが、のび太君自身のためだから」
 
 ドラえもん「それが、のび太君の本当に必要とする道だから」

 ドラえもん「あの箱の中身はきっとその道を示す街灯となるはずだよ」

 ◆


 ドラえもんが意図することがやっとわかったよ。
 僕は何を必要としているか、ドラえもんは最初から分かってたんだ。
 分かっていながら直接渡さず、遠まわしにした。

 さすがだよドラえもん。
 今まで散々ポンコツポンコツと言ってきたけれど、僕もどっこいどっこいでポンコツだったようだ。
 
 僕の気持の奥底をさらって行くように見透かしていて、でも僕はそれを否定し続けてずっと押し込めていたんだね。
 君のようなロボットが友達で僕は本当に幸せだよ。

 ◆


 ドラえもん「さて、のび太君ももう箱の中身を使っている頃だし家に帰ろうか」

 ドラえもん「のび太君なら、きっと僕の考えを読み取っているだろうからね」

 ドラえもん「のび太君の最後の友達として、見届ける義務が僕にはある」 
 

 ◆


 ああドラえもんが帰ってきたみたいだ。
 窓のほうかたタケコプターの音が聞こえる。
 ふふっ、本当にドラえもんは僕の気持がよくわかってるなあ。
  
 ドラえもん「のび太君、その様子だともう中身を使ったみたいだね」

 のび太「……うん」

 ドラえもん「じゃあもう時間がない」

 のび太「………………」

 いじわるだなあドラえもんは。
 友達のためだよ。
 もうちょっといいこと言っておこうよ。

 ドラえもん「君のことだ、多分僕の考えていたことは箱を開けて全部わかったんじゃないかな」

 そういうところもさすがだよ。
 
 ドラえもん「いざってなると話すことが浮かばないね」
 
 それもそうさ、僕たちはどれだけ一緒の時を過ごしてきたと思っているんだい?
 そう考えれば今更出る言葉なんて捜す時間のほうが長くなりそうだ。

 のび太「……何も話さなくていい」

 ドラえもん「そう、でもそれもいいかも知れないね」

 ああそれでいいんだ。
 もうそろそろ時間も来る。
 静寂が心地いい。

 のび太「……ドラえもん」

 ドラえもん「なあに?」

 のび太「僕……頑張れた……かな」

 ドラえもん「うん」

 のび太「……ドラえもん」

 のび太「……ありがとう」

 ドラえもん、君は僕の一生の友達だ。

 ドラえもん「のび太君、これでもう頑張らなくてもいいんだよ」

 ドラえもんのその言葉を聞いて、僕は安心して眠りに就いた。

 ◆


 ドラえもん「その時のび太君が開けた箱の中身、やっぱり想像してたような物だったんだ」

 ドラえもん「箱の中身、それは日本でかなり強い睡眠薬――ベゲタミン」

 ドラえもん「あれだけ一気に服用すれば致死量は軽く超えるだろう」

 ドラえもん「それが昨夜の出来事」

 ドラえもん「きっとのび太君もおばあちゃんに会えて嬉しがってるだろうね」

 ドラえもん「なによりも、この現実という名の牢獄から脱獄できたんだ」

 ドラえもん「だけど自分じゃあの牢獄から抜け出すことは不可能に近かった」

 ドラえもん「だから僕が手助けしたんだよ」

 ドラえもん「あの研究は自分の本当の気持から目を背けるためにやっていた」

 ドラえもん「逃げるために」

 ドラえもん「自分ではどうすることもできない現実から逃れたい、そう思っていたんだよ」

 ドラえもん「だからのび太君は自分の身をあの理不尽な研究に投じた」

 ドラえもん「多分僕が止めなければ一生この牢獄でその地獄のような毎日を送っていただろう」

すまんpcの調子悪くなって再起動してた
今残りを投下する

 ドラえもん「のび太君はね。きっと最初から同じだったんだ」

 ドラえもん「ママが最初にのび太君にはき捨てたあの言葉」

 ドラえもん「”あの頃と変わっていない。あのクズみたいな頃と”」

 ドラえもん「ママにとっては中学時代ののび太君がとっても輝かしく見えていたから良かったんだろうけどね」

 ドラえもん「これは僕の推測だけど、あの時のび太君が言ったママがなにかに於いて間違ってるってところ」
 
 ドラえもん「それは多分、ママは人としては正しいんだろうけど”親”としては間違っているってことじゃないかな」

 ドラえもん「のび太君は最初から、成果の出ない努力をし続けていた」

 ドラえもん「自分を認めさせる努力、二次元にいく努力。そして、自らの命を絶つ努力」

 ドラえもん「そうやって、最初からずっと変わらずに努力していた」

 ドラえもん「最後だけは僕がちょっと協力させてもらったけどね」

 ドラえもん「今度はもっといい土産話ができるといいな」

 ドラえもん「じゃあまたね」

 ドラえもん「次にくるときはのび太君にも土産話を持ってくるよ」 


 終わり

なんだかしまりのない終わり方になってしまいましたが読んで下さった皆様ありがろん

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