まどか「ほむらちゃんに意地悪したい」(186)

まどか「ねえ、さやかちゃん」

さやか「んー?なにさ?」

まどか「わたし、決めたよ!」

さやか「え?決めたって…何を?」

まどか「意地悪!」

さやか「えぇ?あたし何かまどかに悪いことしたっけ?」

まどか「えっ?」

さやか「よくわかんないけど、とりあえず謝るわ」

さやか「ごめんっ!」

まどか「違うよ!さやかちゃんは何も悪くないって」

さやか「あ、やっぱり?んじゃ何が意地悪なの?」

さやか「えー…意地悪ってあんた…誰に?あたしは嫌だよ?」

まどか「あっ」

さやか「ん?まどか、どうしたの?」

まどか「………」

さやか「まどかー?」

まどか「………」

さやか「ちょっ…え?もしかして無視?」

まどか「ふーんだ」プイッ

さやか「いやいやいや!なんで無視されなきゃなんないのよ?」

さやか「おかしいよね?あたし、まどかに何かした?」

まどか「うーん…」

さやか「ちょっと、まどか!聞いてんの?」

まどか「やっぱり違うなぁ」

さやか「は、はぁ?」

まどか「ごめんね?さやかちゃん、もう大丈夫だよ」

さやか「…わ、わけわかんないんだけど?」

まどか「今のはちょっとだけ、さやかちゃんに意地悪しようかな。って思っただけだから」

まどか「ごめんねっ?」

さやか「んー…まぁ今のくらいなら別にいいけどさ」

さやか「意地悪なんて良いことじゃないんだから、あんまりしない方がいいよ?」

まどか「えー?でも意地悪はしたいなぁ」

さやか「なっ…え?なんで?」

まどか「意地悪されて困ってる顔が見たいの!」

さやか「は、はぁ…困ってる顔が見たいねぇ…」

まどか「うん!」

さやか「…ちなみに誰に意地悪したいわけ?」

まどか「ほむらちゃん!」

さやか「……まあ、大体の想像はついてたけど。やっぱりほむらなのね」

まどか「困ってるほむらちゃん、絶対可愛いよ!」

さやか「んー、たしかに困ってるとこは見たいかも」

まどか「ねっ?そうでしょ?」

さやか「でもなぁ…あたしはパスするわ、なんか悪いし」

まどか「うん、わたしも初めから一人でするつもりだったよ」

さやか「あっ、そう」

まどか「むしろ、ほむらちゃんに意地悪なんかしちゃダメだよ!」

さやか「えぇ?」

まどか「ほむらちゃんが可哀想だよ…」

さやか「これはあたしが可笑しいのかな?」

さやか「今のあたしには理解できない」

まどか「?」

さやか「?ってまどか、あんた言ってることが無茶苦茶だよ?」

さやか「自分はほむらに意地悪したいのに、ほむらが意地悪されるのは可哀想なの?」

まどか「うん」

さやか「やっぱり可笑しいのはまどかだった」

さやか「可哀想なら意地悪なんてしなきゃいいじゃん」

まどか「そんなのダメだよ!」

まどか「ほむらちゃんに意地悪したい!」

さやか「誰かまどかを助けてあげてくんないかな?」

まどか「もー!さやかちゃんは何もわかってないよ?」

さやか「そんなこと言われてもねぇ…」

まどか「とにかく、今日はほむらちゃんに意地悪するから」

まどか「でも、さやかちゃんまで意地悪しちゃダメだからね?」

さやか「よくわかんないけど、あたしは意地悪なんてしないよ」

まどか「約束だよ?」

さやか「はいはい」

まどか「ほむらちゃん、早く来ないかなー?」

さやか「仁美もね」

仁美「おはようございます」

ほむら「おはよう、まどか、さやか」

まどか「あっ!ほむらちゃん、仁美ちゃん。おはよう」

さやか「おはよー」

さやか「噂をすればなんとやらってやつだね?」

ほむら「何か私たちの噂でもしていたの?」

さやか「ちょっとねー」

仁美「どうしたのですか?」

さやか「あぁ、まどかが可笑しなこと言い出してさ」

まどか「可笑しくなんかないよ!」

さやか「はいはい、そうだね」

まどか「もー」

ほむら「まどか、何か悩みでもあるの?」

まどか「ううん、何でもないよ?」

ほむら「そう、なら大丈夫だけど、何かあったらすぐに話してね」

まどか「うん、ありがとう。ほむらちゃん!」

ほむら「ふふ」

さやか「…?」

仁美「さやかさん?何か…?」

さやか「いや、意地悪するんじゃなかったのかなって」

仁美「意地悪?」

さやか「あ、こっちの話し!仁美は気にしなくていいよ?」

仁美「そ、そうですか…?」

さやか「まぁいいや!ほら仁美、行こ行こ!」タタッ

仁美「あっ、待ってくださーい」タタッ

ほむら「朝から元気ね。まどか、私たちも行きましょう」

まどか「ねえ、ほむらちゃん」

ほむら「何かしら?」

まどか「ほむらちゃんはさ、その…た、玉子焼きって好き…かな?」

ほむら「ええ、好きよ」

まどか「そ、そっか!良かった…」ホッ

ほむら「?」

まどか「じゃ、じゃあ…タコのウインナーも好き?」

ほむら「そうね、タコさんウインナーも好きだわ」

まどか「!」

ほむら「それがどうかしたの?」

まどか「ううん、何でもない!」

ほむら「そう…」

さやか「2人ともー!早くしないと遅刻するよー?」

まどか「あっ、さやかちゃんが呼んでるよ?」

まどか「ほらっ、行こうよ」

ほむら「そうね」

まどか「……ほむらちゃん」

ほむら「まどか?」

まどか「何かあったら、わたしを頼ってね!」

ほむら「?」

まどか「わたしが力になるから!」

ほむら「ふふっ。ええ、わかったわ」

まどか「ありがと!それじゃ、行こっ」タタッ

ほむら「…変なまどかね」クスッ

まどか「ほむらちゃーん、早くー」

ほむら「ええ、今行くわ」

学校

さやか「ねー、まどか」

まどか「なあに?」

さやか「やっぱり意地悪するのは止めたわけ?」

まどか「ううん?今からするよ?」

さやか「えっ?そ、そうなの?」

まどか「うん。仁美ちゃーん」

仁美「何かようですか?」

まどか「ちょっと、ほむらちゃんと廊下で話しててくれないかな?」

仁美「廊下で…でしか?」

まどか「うん、5分くらいでいいから。お願い」

仁美「私は構いませんが…」

まどか「それじゃ、お願いね」

仁美「はい」

さやか「あはは…仁美も大変だね」コソッ

仁美「まどかさん、何か企んでるようですわ」コソッ

さやか「あっ、気づいたんだ?」

仁美「はい、今朝の意地悪ってこのことですのね?」

さやか「うん、何か変なこと考えてるみたいでさ」

仁美「ふふ、どんな意地悪をするのでしょうね?」

さやか「まっ、まどかのことだから大したことはしないだろうけどね」

仁美「そうですわね」

まどか「仁美ちゃん?早くほむらちゃんを…」

仁美「あっ、そうでしたわね」

ほむら「私がどうかしたの?」

まどか「あっ、ほむらちゃん!仁美ちゃんからお話があるんだって」

ほむら「仁美が?何かしら?」

仁美「ふふっ、少しお話がございますの。向こうでよろしいですか?」

ほむら「ええ、構わないわ」

仁美「では、行ってきます」

まどか「いってらっしゃい!」

さやか「んで?何すんの?」

まどか「ほむらちゃんの教科書を隠すの」

さやか「へっ?」

まどか「よーし、今のうちに…」

さやか「ちょっと待って?それって苛めじゃないの?」

まどか「ううん、これでいいの」ガサゴソ

まどか「えっと…わたしのカバンにしまっとこっと」

さやか「な、なに考えてんのさ?それじゃほむら授業受けられないじゃん」

まどか「それは大丈夫、ちゃんと考えてるから」

さやか「は、はぁ…」

和子「そろそろチャイムが鳴りますよー」

さやか「えっ?もうそんな時間?」

まどか「さやかちゃん、席につかなきゃダメだよ?」

さやか「わかってるわよ!もぉ…あたし何かあっても知らないからね?」

まどか「大丈夫、任せてよ」

さやか「なんだかなぁ…」

仁美「では、ほむらさん。また後ほど

ほむら「そうね、わかったわ」

まどか「おかえり、ほむらちゃん」

ほむら「ただいまどか」

まどか「今から英語の時間だね、準備しなきゃ」

ほむら「え、ええ…」

ほむら(なんで棒読みなのかしら?)

まどか「ほむらちゃんも準備しなきゃ授業始まっちゃうよ?」

ほむら「そうね」スッ

ほむら「……」ガサゴソ

ほむら「あら…?」

まどか「ほむらちゃん、どうしたの?」

ほむら「いえ…教科書が見当たらなくって…」

まどか「えー?大丈夫なの?これじゃ授業受けられないよ!」

ほむら「う、うん…」

まどか「家に忘れて来ちゃったの?」

ほむら「…それはないと思うわ。きちんと出る前に確認したもの」

まどか「じゃあどうして…隠されちゃったのかな?」

ほむら「…!」

ほむら「…そう…隠されてしまったのね」

ほむら「……」シュン

まどか「ほむらちゃん…」

まどか(お、思ってた以上に落ち込んじゃった?)

キーンコーンカーンコーン

和子「それでは授業を始めます」

ほむら「………」

まどか「わわわ…」

まどか(ど、どうしよう…ほむらちゃんずっと下向いてる…)

まどか(絶対落ち込んでるよ…)

まどか(で、でも!これでいいんだよ!)

さやか「んー」チラッ

ほむら「………」

さやか(やっぱり落ち込んでるなぁ…そりゃ教科書隠されたんだもんね)

さやか(まどかのやつ、なに考えてんだか…)

和子「はい、では教科書128ページの訳を…」

ほむら「はぁ……」

まどか(よ、よーし!今だよ!)

まどか「ほむらちゃ―」

和子「暁美さん、お願いします」

まどか「えっ?」

ほむら「………」

和子「暁美さん?」

ほむら「…すみません、教科書を家に忘れました」

和子「あら?そうだったの?それなら授業の前に連絡しなきゃいけませんよ?」

ほむら「……はい」

まどか「ほむらちゃん…」

和子「ノートもないの?」

ほむら「は、はい…全部忘れました…」

和子「…そう仕方ないわね」

ほむら「ごめんなさい…」

まどか「わわわっ」

まどか(ど、どうしよ!どうしよ!)

和子「なら隣の鹿目さんに―」

まどか「!」

まどか(来たっ!)

中沢「あっ、上条の教科書がありますよ」

中沢「これを暁美さんが使えばいいんじゃないですか?」

まどか「えっ?」

和子「それもそうね、今日は上条くんはお休みですし…」

まどか「あ、あのっ…」

和子「うん、暁美さん?上条くんのを使っていいですよ。先生が許可します」

ほむら「…はい」

和子「でも、学校に教科書を置いて変えるのは厳禁です」

和子「美樹さん?先生の代わりに上条くんに怒っといてください!」

さやか「あはは、はーい!しっかり怒っときまーす」

仁美「ふふっ」

まどか「そ、そんなぁ…」

中沢「はい、暁美さん」

ほむら「…ありがとう」

和子「それじゃ、暁美さん。教科書の訳をお願いします」

ほむら「はい…えっと、みんな…」

まどか「……」

まどか(ダメだよ!こんなのダメだよ!)

ほむら「みんな死ぬしか―」

まどか「先生っ!」

和子「鹿目さん?どうしたんですか?」

まどか「えっ?あ…あ、あ、あのっ…そのっ…」

和子「鹿目さん?」

ほむら「まどか…?」

まどか「えっと…」

さやか「ははーん」

さやか(さてはまどかのやつ、ほむらに自分の教科書見せるつもりだったなぁ?)

さやか(なのに恭介の教科書があってせいで上手くいかなかったってわけか)

まどか「か、上条の教科書は…!その、上条の教科書にはか、書けないから…」

和子「?」

まどか「わ、わたしが教科書を見せてあげます!」

さやか「まどか、思いっきり恭介を呼び捨てにしてるし」

さやか(あたしは幼馴染みの特権だけどね!)

まどか「あ…か、上条くんのは…上条くんの教科書には書けないから…です」

ほむら「書けない?」

和子「どういうことですか?」

まどか「だ、だって…上条くんの教科書だから、勝手に書き込んじゃダメ…だと思うから…その…」

まどか「うぅ…」

ほむら「まどか…?」

まどか「で、でもっ!わたしの教科書にならいくらでも書き込んでいいから…」

まどか「…だ、だから!わたしがほむらちゃんに教科書を見せます!」

ほむら「……まどか」

和子「うーん。でもどの道、暁美さんは自分の教科書に書かなきゃいけないし」

和子「鹿目さんだって、授業が受け辛くなるでしょ?」

まどか「そ、そんなこと…」

和子「だからそのままで…」

ほむら「先生」

和子「暁美さん?」

ほむら「私もまどかの意見に賛成です」

まどか「ほむらちゃん…!」

ほむら「勝手に人のを借りるのはいけないとも思います」

ほむら「それに…忘れたのは私の責任ですので…」

ほむら「だから、やっぱり上条くんの教科書は借りません」

和子「んー…そんなに気にしなくても、上条くんは怒らないと思うけど…」

まどか「で、でもっ!」

さやか「あぁーっ!」

さやか「すっかり忘れてた!恭介って勝手に物使われるとすっごく怒るんだった!」

さやか「やばいよ、このままじゃ恭介がほむらにキレちゃうよー」

さやか(恭介、ほんっとごめん!!)

和子「え?あの上条くんが?」

仁美「上条くんにも意外な一面はあるのですわ」

仁美「ねっ?さやかさん」

さやか「仁美…!」

和子「…美樹さんが言うならそうなのかしらね……」

和子「このままじゃ授業も進みませんし…わかりました」

和子「鹿目さん、暁美さんに教科書を見せてあげてください」

まどか「は、はいっ!」

和子「それから、そんなに使われるのが嫌なら教科書は持って帰りなさい!」

和子「…って、伝えておいてくださいね?美樹さん」

さやか「は、はーい!」

まどか「は、はい。ほむらちゃん」

ほむら「まどか、ありがとう」

まどか「ううん、そんな。一緒に頑張ろうね!」

ほむら「うん」

まどか「ほむらちゃん、ノートもないんだよね?」

ほむら「…ええ」

まどか「ならわたしの使ってよ!何書いても大丈夫だから」

ほむら「ありがとう」

和子「それでは授業を再開します」

和子「暁美さん?さっきの続きからお願いします」

ほむら「はい」

和子「…と言いけれど、さっきのは大間違いです!」

ほむら「えっ?」

和子「答えは、いってしまったわ―」

―――

キーンコーンカーンコーン

まどか「♪」カキカキ

ほむら「♪」カキカキ

さやか「よっす、おバカさん二人組!」

ほむら「さやか」

まどか「あっ、さやかちゃん…さっきはありがとう」

さやか「ほんと、フォローする身にもなって欲しいわ」

さやか「今日のまどかは可笑しいよ?」

まどか「だ、だって…」

さやか「ほむらと一緒に授業受けたかったんだろうけどさぁ」

ほむら「…まどか」クスッ

さやか「でも結局、授業受けてないじゃん!」

まどか「えっ?」

さやか「えっ?って…あんたねぇ」

仁美「まあ!ずっとこれを書いていらしたのね」

ほむら「ええ」

さやか「授業ほったらかしで2人で落書きばっかしちゃってさー」

まどか「てぃひひ…バレちゃった」

ほむら「ふふっ」

さやか「そんなんだから、あんな大間違いすんのよ」

ほむら「…うっ」

さやか「ほむら、意外と頭悪かったりする?」

ほむら「わ、悪かったわね」

仁美「でも、楽しそうでしたわ」

さやか「そりゃずっと落書きしてたからね」

まどか「うぇひひ」

さやか「ま、次はないからね?ま・ど・か」

まどか「う、うん…あれはもう止めるよ…」

さやか「だから言ったでしょ?」

まどか「うん…」

ほむら「なんの話?」

さやか「あぁ、ほむらは気にしなくていいよ」

さやか「あたしはまどかと話があるから、ほむらは仁美と向こうに行っといて?」

ほむら「え、ええ」

仁美「ほむらさん、先ほどの続きを話しましょう?」テクテク

ほむら「そうね」テクテク

さやか「いってらー」

さやか「…さーてーと、まどかっ!」

まどか「な、なにっ?」

さやか「あんた、ほむらに意地悪したいんじゃなくてさ」

さやか「ただ単にいちゃつきたいだけなんじゃないの?」

まどか「うっ…」

さやか「ほら、図星だ」

まどか「だ、だけど意地悪したいのはほんとだよ?」

さやか「それはあくまでオマケじゃん」

まどか「ううん、まだ意地悪するよ!」

さやか「えぇ?懲りてなかったの?」

まどか「もう教科書は取らないけど…後で返さなくっちゃ」

さやか「じゃあ何すんの?」

まどか「次はほむらちゃんのお弁当を隠すの」

さやか「……はぁ」

まどか「んっと…あった!」

まどか「…やっぱり、コンビニのお弁当なんだ」

さやか「まぁ一人暮らしだからね」

まどか「これをわたしのカバンの中に隠して…」

さやか「もう大体の予想はついたわ」

まどか「うん、これで大丈夫だよ!」

昼休み

さやか「やっと昼休みだぁー!お弁当食べよ、お弁当!」

仁美「ふふっ」

まどか「ほむらちゃん、食べよう?」

ほむら「うん」ガサゴソ

ほむら「……」ガサ...

ほむら「………」シュン

まどか「ぅ…ほ、ほむらちゃん…」

まどか(やっぱり可哀想だよね…?)

まどか(で、でもっ…!)

まどか「あ、あれー?間違えてお弁当2つ持ってきちゃったー」

ほむら「!」

まどか「も、もぉー!パパったらおっちょこちょいなんだから」

さやか「うわー…」

さやか(あたしより棒読みじゃん、わかりやすっ!)

まどか「どうしよっかなー?2つも食べられないよー」

ほむら「……」

まどか「でも捨てるのはもったいないよねー」

ほむら「……」

さやか(ほむらもなかなか食いつかないな…)

さやか(そりゃ、お弁当隠されたからくださいとは言えないもんね?)

仁美「あら?ほむらさん、まどかさんのお弁当が2つあるそうですわ」

ほむら「そ、そうね」

まどか「わ、わたし一人じゃ食べられないよぉ」

仁美「実は私、今日はお弁当を忘れてしまいましたの」

仁美「まどかさん、よろしければ頂いてもいいですか?」

まどか「え?う、うん…いいよ」

仁美「ふふ、ありがとうございます」

ほむら「っ…」

さやか「仁美?」

仁美「さあ、頂きましょう?」

まどか「…うん」

さやか「うん、そだね」

ほむら「……」

仁美「あら?ほむらさんもお弁当を忘れたのですか?」

ほむら「え…」

仁美「なら、2人で頂きましょうか」

仁美「まどかさんのお弁当を」

ほむら「…!」

仁美「ね?まどかさんも良いですよね?」

まどか「う、うんっ!2人で食べてくれたら嬉しいなぁ…って」

さやか「仁美…!」

仁美「さ、ほむらさん?頂きましょうか」

まどか「た、食べてよ。ほむらちゃん…!」

ほむら「…うん、ありがとう。貰うわ」

まどか「う、うんっ!たくさん食べてね?」

ほむら「うん…」

さやか「よっし、そんじゃ!いただきまーす!」

仁美「いただきます」

まどか「い、いただきます…!」

ほむら「いただきます…!」

仁美「あら?まどかさんのお弁当、何時もより可愛らしいですわね」

まどか「えっ?そ、そうかな?」

仁美「はい、何時もよりも女の子らしいお弁当になってますわ」

まどか「ぱ、パパが…たぶん、気分転換で作ったんだよ!」

まどか「だから何時もと違うんじゃないかなー?」

仁美「ふふ、そうですか」

さやか「…」ジィー

さやか(まどかのパパが作ったのにしては、形が崩れてるような…)

さやか(玉子焼きとかも、ところどころ焦げてるし)

さやか(ウインナーもタコと言うよりは…キュゥべえの耳?みたいになってるよね)

さやか(これは間違いなく…)

仁美「あっ…いけませんわ、さやかさん」

さやか「ん?」

仁美「お飲み物を忘れてしまいましたの、一緒に買いに行きませんか?」

仁美「私とさやかさんの2人で」

さやか「!」

仁美「…」ニコ

さやか「うん、いいよ。あたしも一緒に行くわ」

さやか「っとことで、まどかとほむらは2人で先に食べててよ」

仁美「私たちは気にしなくていいので」

まどか「う、うん!ありがとう仁美ちゃん」

仁美「あら?何のことですか?」

さやか「ほら、早く行くよ。あっ、念のためお弁当は持っていくわ」

さやか「誰かに食べられたら困るしねー、ほむら?」

ほむら「わ、私はさやかのお弁当は食べないわよ!」

さやか「それもそうか、まどかの食べるんだもんね」

ほむら「…!」

さやか「ほむらはまどかのお弁当を食べるんだもんね!」

仁美「長くなりますので私の分も食べて大丈夫ですわ」

ほむら「仁美…」

仁美「まどかさん、ほむらさんに全て食べてもらってもいいですよね?」

まどか「う、うん!もちろん…!」

さやか「んじゃ、行ってきまーす」

仁美「仲良く食べてくださいね?」

ほむら「…うん」

まどか「い、いってらっしゃーい!」

まどか「…ほむらちゃん、食べよ?」

ほむら「うん、そうだね」

まどか「いただきます」

ほむら「いただきます」

まどか「…」ジィー

ほむら「…?」

まどか「…」ジィー

ほむら「まどか…私の顔に何かついてる?」

まどか「えっ?ううん、何でもないよ」

ほむら「…そう」

まどか「…」ジィー

ほむら「……」

ほむら(まどかは何を見ているのかしら?)

ほむら(…ちょっと食べづらい)

まどか「た…」

ほむら「ん?」

まどか「食べないの…?」ウルウル

ほむら「……」

ほむら(何故かしら?まどかが涙目になっているわ)

まどか(ほむらちゃんが中々食べてくれないよ…)

まどか(難しい顔してるし…見た目が悪いからなのかな?)

まどか(…わたしの手作りなんかじゃ、やっぱり…)

まどか「うぅ…」

ほむら「ぱくっ」

まどか「あっ!」

まどか(ほむらちゃんが食べてくれた…!)

まどか(わたしの玉子焼き!)

                   ___ _
              /.::::::::::::::::::::::::::|

             /.::::::::::::::: _:_:::::::L
      __ ノ ⌒ヽ/.::∧,. . : ´: : : : : : : :`ヽ
     フ    (( ))y'´. : : : : : : : : : : : : : : : \
  ー<        ゝく/. : : : : : : : : /: : : : : : 〃: : :ヽ
    `フ    (  ./: : : : : : : :./:/: : : : : : /:ハ: : : : :'.
     / /    イ: : : ./: :/: /:/: : :/: ://ハ}: : : :.i: }
   イ /     /{: : : :l: : l:.:/Vl: : /:/ノ ̄ ̄`ヽ、ーニ 二
    l/ |/ //ハ: : : l: : l/´ l: /´/ ´`ヽ _  三,:三ー二
    ノ:´: ̄:`ヽ ハ: : :l: : {    ノヽ--/ ̄ ,    ` ̄ ̄ ̄
    {: :_:‐- 、: : :.ミV : : l: :.l   ミ }  ..|  /!
     `ー‐、:ミヽ: : : い: :ト、  ,,,,,,,,_}`ー‐し'ゝL _
   ノ.´: ̄:`ヽ ): : : ノrく ヽ\  _,:ヘr--‐‐'´}    ;ー------
  (:_:_:‐_ 、: : :\_ソノ ,ハ 丶 _ >ノ`ヾ:::-‐'ーr‐'"==-

      `ヽ: : :}  /  ヽ    ̄ノム: : : : : :/
  ,  -‐‐‐‐ )_ノ /     `ー くク〈  ̄ ̄`ヽ:)
 (: : (  ̄  ̄   /  _ _     ヽ_)ヽ
  ヽ: :\_      レ'´    `ヽ    ヽ ))

ほむら「もぐもぐ」

まどか「ど、どうかな…?美味しい?」

ほむら「…ええ」ニコッ

まどか「そ、そう?美味しいの?ほんと?」

ほむら「うん、本当よ」

まどか「やったぁー!えへへっ!」

ほむら「まどか…」クスッ

まどか「これで…あっ?ぱ、パパ!作ったのはパパだから!」

まどか「だからパパも喜んでくれるよ!」

ほむら「そうね」

まどか「甘めに作ったんだけど…どうかな?ちゃんと甘く作れてる?」

まどか「…って!パパが言ってたの!」

ほむら「ふふ、すっごく甘いわ」

まどか「そっかぁー、えへへ」

ほむら「…」クスッ

ほむら(ほんとは凄くしょっぱいんだけどね)

ほむら(でも、甘いのもほんとよ?)

ほむら(だって、あなたが作ってくれたのでしょ?)

ほむら(まどか…!)

ほむら「次はこのタコさんウインナーを貰ってもいい?」

まどか「う、うんっ。どうぞ!」

ほむら「ぱくっ」

まどか「お、美味しい?」

ほむら「うん、美味しいわ」

まどか「ほんと?えへへ…ちゃんとタコさんの形に切れてるかな?」

ほむら「うん、タコさんよ」

まどか「てぃひひ!よかった…!」

ほむら「ふふっ」

さやか「いやー仁美は将来良い女優になるわ」

仁美「まぁ、ふふっ。どうしてですの?」

さやか「ほんとはお弁当持ってきてるのにあんな事言っちゃってさ」

仁美「ふふ、演技ですもの」

さやか「中々良い演技するじゃん、あたしやまどかと比べたら全然凄いって」

仁美「たしかに、まどかさんの演技とても演技とは言えませんものね」

さやか「ほんとほんと、見てて可笑しくなるわ」

仁美「でも、まどかさんらしくて可愛いですわ」

さやか「かもね」

仁美「でも、まどかさんは演技ではなく…あら?」

さやか「ん?どったの?」

仁美「あの方は…泣いてますの?」

さやか「えっ?」

杏子「ぐすっ…」

さやか「………」ジトー

仁美「大変ですわ!」

さやか「……いや」

仁美「あの、どうなさいましたの?」

杏子「うぅ…あたしのお菓子がねぇんだ…隠された…」

仁美「まあ!」

さやか「いやいやいや」

さやか「なんで部外者のあんたがここにいんのよ」

杏子「さやかぁ…聞いてくれよ」

さやか「…まぁ一応聞いたげるわ」

仁美「私も聞きますわ!」

杏子「あのな?暇だったからここに遊びに来たんだよ」

さやか「う、うん」

杏子「んで収穫しといたお菓子をここに隠してたんだ」

杏子「そしたらさ…お菓子の変わりにこれが置いてあって…」

仁美「メッセージカード…ですわ」

さやか「どれどれ?」

紅の聖女へ

あなたのお菓子はいただいたわ

返して欲しければ屋上に来なさい

待っているわ

黄昏の閃光

杏子「ちくしょう…紅の聖女とか黄昏の閃光とか全然わかんねぇ…」

杏子「一体なんのことなんだよ…?」

杏子「うぅっ…お菓子…」

さやか「うわぁ…」

仁美「大変ですわ!早く屋上に行かなきゃ」

杏子「ちくしょう…わけわかんねぇ…」

マミ「……」

マミ「…まだかしら?」

マミ「来ないなぁ…」

マミ「せっかく一緒にお昼食べられると思ったのに…」

さやか「おーい、マミさーん!」

マミ「あら?美樹さんじゃない。どうしたの?」

さやか「マミさんこそどうしたんですか?あんなの書いて!」

マミ「えっ?見たの?」

さやか「杏子に見せてもらったよ」

マミ「そう」

さやか「そう…って、マミさんは何がしたいんですか?」

マミ「佐倉さんと一緒にお昼を食べたいの」

さやか「それならそうって言えばいいじゃん!」

マミ「無理よ…恥ずかしくて素直には言えないわ」

さやか「たぶん、つーか絶対、素直より恥ずかしいこと書いてるよ」

マミ「?」

さやか「…はぁ、マミさんもまどかと一緒かぁ」

さやか「回りくどいことしないで、素直に言えば良いのに」

仁美「やっぱり、そうですよね」

さやか「でしょ?2人とも素直に行けないもなのかな?」

杏子「あれ?どうしてマミがここにいるんだ?」

マミ「佐倉さん!」

杏子「あたしは黄昏の閃光をブッ潰しに来たんだ!」

マミ「えっ?」

杏子「よくもあたしのお菓子を奪いやがって…」

杏子「あたしは怒ったぞー!でてきやがれ、黄昏の閃光ー!」

マミ「わわわっ?」

杏子「マミも手伝ってくれよ!」

マミ「え?」

杏子「一緒に黄昏の閃光ブッ潰して、2人でお菓子食おうぜ」

マミ「…えっと」

杏子「なっ?マミ!」

マミ「そ、そうね…」

杏子「黄昏の閃光ー!でてきやがれー!」

マミ「た、黄昏の閃光ーでてきなさーい」

仁美「ふふっ、賑やかですわね」

さやか「ねえ仁美、あたし…わかったよ」

仁美「えっ?何がですか?」

さやか「まどかは演技とか意地悪とか回りくどいことはしないで」

さやか「素直にほむらに接するべきだってね」

仁美「…やっぱりそうですよね」

さやか「仁美はどう思う?」

仁美「私も同じですわ、今のまどかさんのやり方では…」

さやか「うん、あたしも同じ。このままじゃダメだよね


さやか「だからさ…!」

放課後

まどか(結局、ほむらちゃんにお弁当と教科書返せなかったなぁ…)

まどか(ちゃんと返して、謝らないといけないのに)

ほむら「…カバンが軽いわ。荷物が殆どないからね」

まどか「ほむらちゃん…」

まどか(今だよ、謝らなきゃ…)

まどか「ほむらちゃん、わたし―」

さやか「まーどか」

まどか「さやかちゃん?どうしたの?」

さやか「話があるんだ、ついてきて」テクテク

まどか「えっ?う、うん…」テクテク

ほむら「……」

さやか「……」

まどか「さやかちゃん、どこに行くの?」

さやか「……」

まどか「さやかちゃん?」

さやか「ふーんだ」

まどか「…え?ど、どうしたの?」

さやか「……」

まどか「も…もしかして無視…してるの?」

さやか「……」

まどか「うぅ…なんで?嫌だよぉ…」

まどか「さやかちゃん、無視しないで…」

さやか「……」

まどか「さやかちゃん…」

さやか「嫌でしょ?」

まどか「えっ?」

さやか「人から意地悪されるのはさ、誰だって嫌なんだよ」

まどか「さやか…ちゃん…」

さやか「あたしだって、今朝まどかに無視されたのは嫌だったんだよ?」

まどか「あ、あれは…本当に無視しようとしたんじゃなくって…」

さやか「それでもだよ、嫌なものは嫌なの」

まどか「うぅ…」

さやか「そして一番辛い思いをしたのは、ほむらだよ?」

まどか「…ほむらちゃん」

さやか「突然お弁当や教科書を隠されてさ…」

さやか「口には出してなかったけど、きっと辛かったはずだよ」

まどか「……」

さやか「今日のほむらに元気がなかったのはそのせいだからね」

さやか「まどかと一緒にいる時は嬉しそうにしてたけど」

さやか「まどかがいない時はずっと俯いてたの知らないでしょ?」

まどか「そ、そうなの…?」

さやか「そうだよ、そして犯人はまどか」

さやか「あんただからね?」

まどか「…ぅ」

まどか「で、でもっ!あれはほむらちゃんが嫌いだからしたわけじゃないよ!」

さやか「あんたはそのつもりでも、ほむらからすれば辛かったって話だよ」

まどか「………」

さやか「まどかはさ、ほむらが好きだからあんなことしたんでしょ?」

まどか「…うん」

さやか「ならもう二度とあんなことしちゃダメだよ」

さやか「ほむらと一緒に勉強したいならそう言えばいいの」

さやか「ほむらにお弁当作ってあげたけれざそう言えば良いんだよ」

さやか「簡単なことでしょ?」

まどか「…でも、恥ずかしくて……」

さやか「恥ずかしかったら意地悪してもいいの?違うよね?」

まどか「…う、うん」

さやか「だからさ、今日のことはちゃんとほむらに謝ること」

さやか「わかった?」

まどか「そ、そうだよね…」

まどか「謝らなきゃいけないよね…?」

まどか「ううん、ほむらちゃんに謝る…!」

さやか「うん、そしてその後もわかるよね?」

まどか「…うん、ほむらちゃんに正直に話すよ」

まどか「もう意地悪なんてしない…!」

さやか「うんうん、わかればいいんだよ」

さやか「あたしの話はこれで終わりかな、行ってきなよ」

さやか「ほむらのところにさ」

まどか「うん…!」

教室

まどか「ほむらちゃんっ!」

ガラッ

まどか「…あれ?いない?」

仁美「ほむらさんなら屋上に行きましたわ」

まどか「仁美ちゃん…」

仁美「行くのですよね?」

まどか「うんっ」

仁美「ふふっ、頑張ってくださいね」

まどか「ありがとう、仁美ちゃん」

まどか「…わたしも荷物をまとめて屋上に行かなきゃ」

まどか「……あれ?」

まどか「ない…」

まどか「わたしのカバンや教科書がない…」

まどか「ひ、仁美ちゃんどうしよう…みんななくなっちゃったよぉ」クルッ

まどか「あれ…?仁美ちゃん…?」

まどか「い、いなくなっちゃった…?」

まどか「うぅ…」

まどか「…ほむらちゃんは屋上にいるんだよね?」

まどか「……行こう」

まどか「………」トボトボ



さやか「……」

仁美「……」

屋上

ほむら「……」

まどか「あっ、ほむらちゃん…!」

ほむら「…まどか」

まどか「ほむらちゃん、あのね?わたし、ほむらちゃんに…」

ほむら「さやかから聞いたわ」

まどか「えっ?」

ほむら「私の教科書を隠したのはまどか、あなただったのね」

まどか「…う、うん」

ほむら「そして私のお弁当を隠したのも、あなた」

まどか「………」

ほむら「正直に話すとね、まどか…私は辛かったわ」

まどか「……」

ほむら「何時かは自分が苛められるんじゃないかって、心のどこかでそう思ってた」

ほむら「そしてその日が来たと思ったわ」

まどか「……」

ほむら「そして犯人はまどかだった」

まどか「っ…」

ほむら「……まどか、あなたのカバンや教科書がなくなっていたでしょう?」

まどか「……」コクッ

ほむら「それを隠したのは私よ」

ほむら「まどか…無視されたり、物を隠されるのは嫌でしょう?」

まどか「…うん」

ほむら「なのに、どうしてそんなことをしたの?」

まどか「それは…」

まどか「…ほむらちゃんに意地悪したかったから……」

ほむら「……」

ほむら「…まどかのバカ」プイッ

まどか「ほむらちゃん…」

ほむら「……」

まどか「ごめんなさい…傷付けるつもりはなかったの…」

まどか「わたしはただ…」

ほむら「まどか、目を瞑って」

まどか「えっ…?」

ほむら「いいから」

まどか「う、うん…」

ほむら「今から思いっきりビンタするわ」

まどか「ぇ…」

ほむら「言っておくけど、手加減はしないから」

まどか「そ、そんな…」

ほむら「歯を食い縛りなさい。苛めっ子なまどかは私が修正してあげるわ」

まどか「ひっ…」ブルブル

まどか「ごめん…なさい…」ブルブル

ほむら「………」スッ

まどか「っ…」

ギュッ

まどか「え…?」

ほむら「もう…本当にまどかはバカな子ね」ギュッ

まどか「ほむらちゃん…?」

ほむら「冷たく当たってごめんなさい…」

ほむら「でも、さやかと話して決めたのよ」

まどか「さやかちゃんと…?」

ほむら「ええ、まどかを反省させるってね」

まどか「反省…」

ほむら「まどか、理由がどうであれ意地悪はよくないわ」

まどか「…そ、そうだよね」

ほむら「もっとも、あなたの意地悪は可愛い意地悪だったけどね」クスッ

ほむら「教科書やお弁当を隠すだなんて、まるで小学生みたいなんだもの」

まどか「うぅ…」

ほむら「まどかは優しいから、他に意地悪なんて思い付かなかったのよね?」

まどか「う、うん…」

ほむら「ふふっ、なら無理して意地悪なんて考えちゃダメよ?」

まどか「ごめんなさい…」

ほむら「それに本当は私に意地悪するのが一番の目的じゃなかったのよね?」

まどか「……うん」

ほむら「何なの?良かったら教えて?」

まどか「…授業中もほむらちゃんと一緒にいたかったの」

まどか「そして…」

ほむら「そして?」

まどか「ほむらちゃん…毎日、コンビニのお弁当ばっかり食べてて…」

まどか「だから、わたしがお弁当作ってあげたいって思ったの」

ほむら「そう、それがあのお弁当だったのね」

まどか「うん…実はわたしが作ったお弁当だったんだ」

ほむら「やっぱりね」

まどか「やっぱりって…気付いてたの?」

ほむら「ええ、一目でわかったわ」

まどか「そ、そうだったんだ…」

ほむら「それに、味見しなかったでしょ?」

まどか「あっ、そういえばしてないかも…」

ほむら「ふふ、塩と砂糖を間違えてたわよ」

まどか「えっ?えー?ほ、ほんと?」

ほむら「ええ、本当はしょっぱかったわ」

まどか「そ、そんなー」

ほむら「それにタコさんウインナーもタコさんの形と言うよりは」

ほむら「キュゥべえの耳のような部分に似ていたわ」

まどか「うぅ…それじゃ、大失敗だよ…」

まどか「早起きして作ったのに…」

ほむら「でも、私は嬉しかったわ」

まどか「えっ?なんで?」

ほむら「ふひっ、内緒よ」

まどか「えー?」

ほむら「さて、帰りましょうか」

ほむら「カバンはここにあるわ」

訂正

×ほむら「ふひっ、内緒よ」

○ほむら「ふふっ、内緒よ」

さやか「まどかとほむら、上手くいったかな?」

仁美「ええ、絶対に大丈夫ですわ」

さやか「だよねー?まぁあの2人なら心配するだけ無駄かぁ」

仁美「そうですね」

さやか「まっ、まどかには少しは反省してもらわなきゃいけなかったのは本当だけどね」

マミ「佐倉さん、黄昏の閃光が向こうにいたらしいわ」

杏子「そうか!よっし、今度こそ見つけ出してやる!」

杏子「マミ、行くぜっ!」

マミ「ええ!」

さやか「…まどかまであんな風になったら困るもん」

さやか「って言うか、杏子わざとやってるよね?」

仁美「黄昏の閃光…一体何者なんでしょうか?」

さやか「あはさ…まぁそんなのどうでもいいじゃん」

仁美「そうですか?」

さやか「それよりも、置き勉恭介の見舞いにでも行こうか」

仁美「はい、怒らなきゃならないですものね」



さやか「だねっ。それと風邪らしいし、何か差し入れ買ってく?」

仁美「はい、行きましょうか。さやかさん」

さやか「うんっ」

ほむホーム

ほむら「まどか、今日から2人で料理の特訓よ」

まどか「うん!毎日お弁当交換しようね」

ほむら「ふふ、そうね。毎日が楽しみだわ」

まどか「えへへ」

ほむら「…まどかの料理が上手くなったらね」

まどか「えー?ちょっと酷いよぉ!」

ほむら「だって、今日のお弁当は…ふふっ」

まどか「もぉ!ほむらちゃんの意地悪!」

ほむら「意地悪をしたのはあなたでしょ?」

まどか「うぅ…いいもん、今日から頑張って美味しいお弁当作るんだから」

ほむら「楽しみにしているわね」

まどか「うんっ!」

ほむら「…でも、今日のお弁当が美味しかったのは本当よ?」

まどか「えっ?何か言ったの?」

ほむら「ううん、それよりも特訓よ!」

まどか「うん。頑張ろうね、ほむらちゃん!」

ほむら「ふふっ」


ほむら(私は忘れない)

ほむら(初めてまどかが私に作ってくれたお弁当の味を)

ほむら(まどかの可愛い意地悪をね)

おわり

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