京子「私が誘い受けだという風潮」(90)

~娯楽部~

京子「おかしいよね、そういう風潮」

結衣「そうかなぁ?」

ちなつ「別におかしくないと思いますよ?」

あかり「京子ちゃん、可愛いからそういうイメージがついちゃうんだと思う」

京子「けど実際には違うでしょ?私って何処からどう見ても攻めだよね?」

結衣「それは無い」

ちなつ「それは無いです」

あかり「それはないかなぁ」

京子「!?」

京子「い、いや、おかしいよみんな!」

京子「私、普段からガンガン攻めてるじゃん!」

京子「千鶴にも!」

千鶴「……」チッ

京子「綾乃にも!」

綾乃「な、なによっ///」

京子「ちなつちゃんにもっ!」

ちなつ「……じゃあ、試してみます?」

京子「ほえ?」

ちなつ「今から、私の事を攻めてみてください」

ちなつ「ちゃんと攻め通せるなら、京子先輩の主張を認めますから」

京子「え、い、いいの?」

ちなつ「はい、今回だけは、全力で来て貰っても構わないです」

京子「や、やった、合法的にちなつちゃんを攻められるっ!」

京子「ちなつゅっちゅー!」ピューンッ

ちなつ「……」

京子「ちなちゅ!ちなちゅー!」ギュッギューッ

ちなつ「……」

京子「……ちなつちゃん?」

ちなつ「……」

京子「ちなつちゃん、どうしたの?抵抗しないと、本当に押し倒しちゃうよ?」オロオロ

ちなつ「……」

京子「ち、ちなつちゃん……?」ソーッ

ちなつ「……てやっ」トンッ

京子「ひゃっ……」


コローン

京子「も、もう、突然押さないでよ、ちなつちゃ……」


ガシッ


京子「え……」

ちなつ「京子先輩、どうします……?」

ちなつ「こうして、上に乗っちゃえば、京子先輩、抵抗できませんよね……」

京子「ち、ちなつちゃん……?」

ちなつ「どうしたんです?攻めないんですか……?」

京子「わ、私の方が二年生なんだよっ、上に乗られても、力づくでっ……」グッ

ちなつ「……」フーッ

京子「ひゃっ///」

ちなつ「ほら、首に息吹きかけられただけで、身体がびくってなって力が入らなくなっちゃうじゃないですか……」

京子「そ、そんな事ないっ///」

ちなつ「もう、受けの癖にそんなに強がり言って……京子先輩は本当に仕方ないですねえ……」

京子「だから、受けじゃないってっ!」


フーッ


京子「ふにゃっ///」

ちなつ「受けじゃないなら、ちゃんと攻めてください……」


フーッ


京子「ふぁっ///」


フーッ


京子「んくぅっ///」


フーーーッ


京子「ご、ごめんなさーいっ///」

京子「はぁ……はぁ……さ、流石、ちなつちゃん、1年最強の攻め師……」グッタリ

ちなつ「だ、誰が1年最強の攻め師ですかっ」

京子「もー、そんな子に勝てるはずないよぉ」ゴローンッ

ちなつ「……じゃあ、誰なら勝てるんです?」

京子「え?」

ちなつ「100歩譲って私が1年最強だから勝てないんだとして、誰を相手になら攻めでいられるんです?」

京子「ううーん……あかり……」

あかり「え?あ、あかり?」

京子「はガチ受けだから買っても攻めの証明にはならないんだよねぇ……」

あかり「ひ、ひどいよっ!」ガーンッ

京子「……千鶴」

千鶴「!?」

京子「そうだ、千鶴になら最後まで攻めでいられる気がするっ!」

京子(だって、千鶴いっつも私の攻めから逃げてるもん)

京子(あれは、実は私の攻めが怖いからだと見たっ!)

ちなつ「池田(妹)先輩、お願いしますっ!」

千鶴「……」ハァ

京子「千鶴、私の挑戦を受けられるかなあ?」ニヤニヤ

千鶴「……歳納なんたらが周りからどう思われようと関係ないが、逃げたと思われると癪だ」

千鶴「いいだろう、かかって来い」スッ

京子「あ、あの、千鶴さん?喧嘩じゃないよね?チョップとかしないよね?」

千鶴「……直接的な暴力は使わない、それでいいだろう」

京子「ふ、ふふ、それなら私の勝ちだね!千鶴!」

京子「ちっづりゅー♪」ピョーンッ



ガシッ


京子「え、受け止められた……?」

千鶴「……私がどうしていつも歳納なんたらから逃げ回ってたか、判るか?」

京子「え、そ、それは、私の超絶攻めテクが怖いからじゃ……」

千鶴「違う……歳納なんたらの受けオーラが凄過ぎて、あまり密着され続けると我慢できなくなるからだ……」

京子「え……?」

千鶴「けど……我慢しなくていいって言うのなら……」ガバッ

京子「ひゃっ!?」

京子(ち、千鶴に背後を取られた!?)

千鶴「……歳納、何時もいい匂いだよな……」ギュッ

京子「え……」

千鶴「髪も綺麗だし、ついつい触ってしまいたくなる……」

京子(い、何時も厳しい千鶴が、こんな優しい言葉を……)

京子(な、なんだろ、凄くドキドキする)

千鶴「歳納?」

京子「は、はいっ///」ドキドキ

千鶴「髪、触っていいか……?」

京子「え、あ、うん……どうぞ///」ドキドキ

千鶴「……ありがとう」

京子「……!」キューンッ

千鶴「ん、歳納の髪、やっぱり触り心地がいい……」サラサラ

京子「あっ……///」

京子(ど、どうしてかな、髪触られてるだけなのに、凄く気持ちいい///)ドキドキドキ

千鶴「……」サラサラサラ

京子「///」ドキドキドキ

千鶴「歳納は、可愛いな……」

京子「ち、ち、ち、ちづりゅ///」

千鶴「その呼ばれ方も、好きだよ」

京子「あ、あうあうあう///」


ちなつ「京子先輩、めろめろで全然攻めれてないじゃないですか……」

京子「だ、駄目だっ、こんな可愛くなっちゃった千鶴を攻めるなんて、私にはできないっ///」

千鶴「としのう……としのう……」スリスリ

京子「ちょ、千鶴っ、首に鼻すりよせないでっ///」

千鶴「仕方ないだろ、歳納の首元、良い匂いがするんだから……」スリスリ

京子「あっ……も、もう、嗅がないでっ///」

千鶴「どうしてだ……」スリスリ

京子「だ、だって、今日体育があったし、汗かいたし……その、まだ身体洗ってないしっ///」

千鶴「ああ、だからこんなに良い匂いがするんだな……」クンクン

京子「ち、ちづるぅ……」ウルッ

京子「わ、判ったから、私の負けで良いからっ///」

千鶴「……だから、なんだ、歳納」スッ

京子「だ、だから、もう、嗅ぐのとか、止めてほしいなって……というか、千鶴、顔が近いから……」

千鶴「判った、もう嗅がない……」スーッ

京子「ちづる、そんなに顔近づけたら……くちびる、あたっちゃうよ……」ポー

千鶴「何時も、ちゅっちゅって言ってるのは歳納だろ……」

千鶴「こうなるから、私は歳納に近づかなかったのに……」

千鶴「それなのに、何時も、歳納は私との距離を詰めてきて……」

京子「ご、ごめん、あやまるから……ちづる……」ポー

千鶴「駄目だ、もうこうなったら、行ける所まで行かないと、止まらないぞ……」

京子「ち、ちづ……」

千鶴「……お前は、うるさい……ちょっと、黙ってろ……」


チュッ


京子「///」プシューッ

千鶴「ふふふ、どうした、歳納、口数が少なくなったけど」

京子「だ、だって千鶴がっ///」

千鶴「私はな、歳納、騒がしいのが嫌いなんだ」

京子「ふえ?」

千鶴「だから、騒がしい歳納を見たら、また大人しくさせたくなる……」スッ

京子「あわわわわ、ち、千鶴待って……」


チューッ


京子「///」プルプルプル

千鶴「ん、大人しくなったな、歳納」

千鶴「これからも、私の前ではそうやって大人しくするんだぞ?」

京子「///」コクコク

千鶴「よし、良い子だ……」ナデナデ

京子「あっ///」

千鶴「撫でられてうれしいか?」ナデナデ

京子「///」コクン



ちなつ「完全に調教されてるじゃないですか……」

京子「ちょ、調教なんてされてないやいっ///」

ちなつ「はいはい……それで、結局、池田(妹)先輩を相手にしても攻められませんでしたよね?」

京子「ぐっ……」

ちなつ「やっぱり、京子先輩は誘い受けなんですよ……誰に対してでも」

京子「そ、そんな事ないっ!」

京子「次こそは、次こそは受けじゃない事を証明してあげるよっ!」

ちなつ「はぁ……じゃあ、次は誰と勝負するんです?」

京子「つ、次は……」チラッ

結衣「……」ニコ

京子(結衣には絶対負けるからパス)プイッ

結衣「……」ショボン

京子(だとしたら、綾乃……?)

綾乃「……」フンフン

京子(うわあ、凄くヤル気になってる……怖いよぉ)

京子(綾乃になら、多分勝てると思うけど……今度負けたら流石に言い訳できないから、パスかな……)プイッ

綾乃「……」ショボン

京子「という事で!」ビシッ

あかり「ふえ?」

京子「ふふふ、あかり、今日こそ勝負をつけようじゃないかっ!」

あかり「あ、あかりと?」

京子「えへへ、あかり、こっちおいで~?」

あかり「う、うん……」トコトコ

京子「たぁーっ」ギュ

あかり「京子ちゃん?」

京子「ふふふ、あかり捕まえたーっ」

あかり「あはは、あかり捕まっちゃったっ」ニコ

京子「あかりのほっぺは相変わらず柔らかいなあ……」プニプニ

あかり「京子ちゃん、くすぐったいよぉ」キャッキャッ

あかり「それに、京子ちゃんのほっぺだって、ほらっ」プニプニ

あかり「凄く柔らかいっ」ニコ

京子「も、もう、あかり、くすぐったいって」クスクス

京子「あかりー♪」

あかり「きょうこちゃーん♪」

京子「えへへ」ツンッ

あかり「もう、京子ちゃんったら~」ツンッ


キャッキャウフフ


京子「ちなつちゃん、どう?」

ちなつ「え、何がです?」

京子「どっち?どっちが勝ってる?」

ちなつ「え、あ、はい……池田(妹)先輩はどう思います?」

千鶴「歳納なんたら可愛い」

ちなつ(この人、冷静そうに見えて駄目になってる……ある意味怖いです、京子先輩が)

ちなつ(それにしても……)

あかり「あ、京子ちゃん、リボン曲がってるよ?」

京子「え、ほんと?あかり直して~」


サッサッ


あかり「はい、これで何時も通りの可愛い京子ちゃん!」ニコ

京子「えへへ、ありがと、あかり」ニコ

あかり「どういたしまして」ニコ


ニコニコニコー


ちなつ(結局、京子先輩って、まだ子供なんだな……)

ちなつ(受け攻めを気にしてるのも、遊びみたいな感じだし……)

ちなつ(多分、理解できてないんだと思う、性的な部分とか)

ちなつ(……まあ、だからこそ、自分好みに染め上げたくなっちゃうんだろうけどね)

キーンコーンカーンコーン


京子「うお、もう最終下校時刻だ」

あかり「あっという間だったねえ……」

京子「結局、私とあかりは互角だったかぁ……」

あかり「あかり、京子ちゃんと互角でちょっと嬉しいなっ」

京子「おおー、あかりは良い子だなあ」ナデナデ

あかり「えへへ」ニコ

ちなつ「はいはい、それくらいにして、後片付けしますよ?」


京あか「「はーい!」」

京子「よーし、後片付けも終わったし、みんなで一緒に……」

千鶴「歳納」

京子「ふえ?千鶴どったの?」

千鶴「……おいで」

京子「……!」

千鶴「ね?」

京子「……うんっ///」トテテ

ちなつ「あ……」

千鶴「……今日は、一緒に帰る?」

京子「///」コクン

千鶴「よし、良い子良い子……」ナデナデ

京子「くぅんっ♪」

千鶴「ふふふ、歳納、わんこみたいだな」クスッ

京子「じゃ、じゃあ、みんな、今日は千鶴と一緒に帰るから、お疲れ様///」

千鶴「……お疲れ」

あかり「京子ちゃん、ばいばーいっ!」

ちなつ(ありゃ、京子先輩、池田(妹)先輩に染められちゃった……)

ちなつ(何か、悔しいなあ……)

あかり「ちなつちゃん?」

ちなつ「え、あ、ごめん、あかりちゃん、ぼーっとしてた」

あかり「……ん、じゃ、あかり達もそろそろかえろっか?」

ちなつ「……うん!」

その翌日から「歳納京子が誘い受けだ」という噂はピタリと止まった

何故かというと……



京子「千鶴ぅっ……」ギュッ

千鶴「こら、歳納、学校では抱きつくなって、昨日言っただろ?」

京子「だ、だって///」モシジモジ

千鶴「これは、お仕置きしてあげないといけないね……」

京子「え、ち、千鶴、駄目だよ、こんな所でっ///」

千鶴「こんな所でオイタをしたのは、歳納の方だろ……」チュッ

京子「あ、やっ、くすぐったいよぉっ///」



「歳納京子と池田千鶴はバカップルだ」という新たな噂が流れたからである!




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