律子「プロデューサーと子ども作りたいなぁ……」 P「」(208)

  ∧,,∧
 ( `・ω・) ようこそID腹筋スレへ!
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 しー-J

ここはsageずに書き込み、出たIDの数字の回数だけ腹筋をするという、
硬派なトレーニングスレです。

例1 ID:wwh7KM12 の場合 7×12=84 なので84回頑張りましょう。
例2 ID:bicycle. の場合 数字がないので今日は一休み。


さあ、存分に腹筋するがよい。↓


P「じゃあちょっとついてこい…」

律子「えっいいんですか?それじゃあ遠慮なく…ってキッチンじゃないですかココ」

P「あぁ、俺が小麦粉つけるから律子は卵とパン粉を頼むわ」

律子「えっ?ちょ、ちょっとプロデューサー?」

P「そして180度の油でカラッとあげれば…」

律子「わぁ~い私にそっくりな子供がたっくさん…ってこれはエビフライやがな!」ドンッ

P「もういっぱいいっぱいだわ」

なお、審議は拒否されるもよう

律子「子供…ですか?」

小鳥「はい、友人に赤ちゃんが生まれまして」

子供、ね…。私の友達にも結婚した人は何人もいるけれど、子供を生んだ人は、まだ見たことがない

小鳥「女の子だったんですけど。これがもうとても可愛くって、私も欲しくなっちゃいました」

小鳥「律子さんは、男の子と女の子、どっちがいいと思いますか?」

満面の笑みでこちらに問い掛ける小鳥さん。子供を作る算段について触れない辺り、軽く現実逃避しているのが分かる…

こんな感じでどうよ?

律子「はいはい小鳥さん。作る当てもないのに妄想はやめましょう。仕事に戻ってください」

小鳥「うっ…。…律子さん、最近私の扱いが酷くなってません?」

律子「そりゃあね、仕事中に掲示板にスレを立てたり」

小鳥「うっ…!!」

律子「薄い本をデスクの中に隠し持ってたり」

小鳥「ううっ…!!」

律子「あまつさえアイドルの娘達にあることないこと吹き込んだりしてればねぇ…」

小鳥「うぐぅぅっ!!」

まずい、少し虐めすぎたかな? と思って小鳥さんの顔を伺う。すると

小鳥「り、律子さんの馬鹿ぁぁぁぁ!!」ドタドタ

と言って事務所を飛び出して行った…
…馬鹿ぁって、あの人ちょっとは自分の年を考えた方がいいんじゃないだろうか…

まぁ小鳥さんはそんな所が魅力的であり、年以上の虚勢を張ってきた自分にとっては、羨ましくもあるけれど…

律子「妄想を止めれば、すぐに相手も見つかると思うのに…」

きっと恋愛漫画の読みすぎで、現実の認識能力が落ちてるんだろう…だから周りの好意に気付かないのだ

小鳥さんについてそう評価を下すと、彼女が帰ってくるのを気長に待ちながら、私は書類を片付けることにした

―――――

――――

―――

律子「……」カリカリ

律子「あ…、また間違えた…」
…駄目だ。さっきから、全然集中出来ない…

理由は…、何となく分かってる。さっき小鳥さんが言った、あの言葉…

『律子さんは、男の子と女の子、どっちがいいと思いますか?』

とっさに誤魔化してしまったけど、あの質問を受けたとき、正直、心を突かれたような気がした…。
だってそれは、あまりにも想像の上を行く質問だったから…

律子「結婚の、先…」

そんな選択肢があるなんて、思いもよらなかった

自分は、結婚をするなんてことは、今は1ミリだって考えていない。

竜宮小町のプロデュースをして、765プロをもっと大きくして、アイドル達をもっともっと上のステージへと押し上げる

…それが秋月律子の目標であり仕事なのだと、胸を張って言えるし、それを邪魔する結婚なら、こっちからお断りだと思っていた

律子「でも、そっか…子供…」

そうだ。今まで考えてもみなかったけど、結婚したら、普通は子供を作るのだ

律子「子供ね…、何だかんだ言って、私も欲しいのかも…」

これまでの恋愛では、自分と相手が居ればそれでよかったし、別れる時も2人の間で完結していた

けど、この年齢になってくれば、違う

律子「流石に、10年後もこのままってことはないわよね…?」

……出来る。どんどん仕事にのめり込んでいって、女を捨てて働く未来の自分の姿が…

多分、遅かれ早かれ思い至ることだったのだ…

一度でも子供を産むという、『あり得たかもしれない』未来を想像してしまったら、もし仕事を選んでも、ずっと迷いを抱えることになる…

律子「アイドルを辞める時、覚悟したつもりだったのにな…」

こうも早く、それも想像の外から、あっさりと決意を崩されるとは予想していなかった



……要するに、私はまだ子供だったのだ

律子「はぁ…、やめやめ」

かぶりを振って、気持ちを切り替える。これは、この業界で働く上で身につけたスキルの一つだ

今度は前向きに検討してみる。子供を作って、プロデュースもバリバリやる!ってのは無理にしても…、
幸せな家庭を作る!くらいは想像してみたっていいだろう
生まれたての我が子を抱える私と、それを見守る旦那…



……旦那?

律子「というか、私、誰の子供が欲しいんだろ…?」

律子「旦那ってことは、結婚する相手よねぇ…?」

その言葉のあまりの現実味のなさに、我ながら意味不明なことを口走る。

律子「結婚したい相手、相手…」

仕事で知り合った男性達が次々と頭へ浮かんでは消えていく…

……駄目だ、1人もいない。だってこんな業界の人達だからか、ビジネスの相手だからか、皆が皆、

律子「不誠実そうなのよね…」
はぁ、と本日で一番大きなため息をつく

律子「こんなんじゃ、作ろうと思っても相手が見つからないわね…」

所詮無駄な徒労だったかと、椅子の背もたれによりかかって伸びをした

ぼうっと事務所の天井を眺めていると、ふいにプロデューサーの横顔が浮かんできた

ちょっと頼りなさげで、だけど暖かみのある、そんな横顔……


……なんでそう思ったのかは分からない。けれど、いつも間近で見てきた彼の表情を幻視している内に、私は一生の不覚とも言える言葉を、口走っていた

律子「プロデューサーとなら、子供作りたいなぁ…」

がしゃん!!



アイドル達も出払って閑散としていた事務所に、突然積み木が倒れたかのような音が響き渡る

律子「えっ? 何っ?」

驚いて後ろを振り返る。そこには前のめりで固まるプロデューサーと、その足元で盛大にぶちまけられたアクセサリーのボックスがあった

……なんだプロデューサーか…。泥棒かと思ったじゃないですか、全く人騒がせなんだから…

条件反射的に小言の1つでも言おうと構えていると、驚きのあまり霧散していたさっきまでの思考が元に戻ってくる…

ちょっ、ちょっと待ってよ…


……プロデューサー? ウソでしょう?!
も、ももももしかして…!!


思考が一気にクリアになるのを感じながら、急いでプロデューサーの方に向き直る

…この時の私を傍から見たら、それはそれは人間離れをした動きに見えただろうし、その顔はとっておきのマヌケ面を晒していたに違いなかっただろう…

……プロデューサーは、先程の姿勢から微動だにしていなかった…

律子「ぷろ、デュ…サー」

アイドル時代も竜宮のライブに出た時も比ではないほどに、私の口の中は渇ききっている

その懇願を込めたような呼び掛けに、プロデューサーは気まずそうに目を向けた



ああ……聞いたんだ………



私は、目の前が真っ暗になるというのが、決してオーバーな表現ではないということを、この日学んだのだった……

ようやくプロデューサーが出てきた…。いつの間にか空が明るいし…
ヤバい、かなり長くなるわこれ

ヤバい…ヤバ過ぎる。何がヤバいって、私の立場その他諸々全てだ

今の状況をプロデューサーの立場から見てみれば…

1、同僚の色気皆無の眼鏡女が

2、誰もいない薄暗い事務所で1人

3、あろうことか自分の子供が欲しいと呟いていた

…………

うん、ドン引きするわね……。

そういえば最近って女にもセクハラとか適用されるんだったかしら? 最悪捕まるわね。ふふふ



……死ぬ……いっそ殺して……

P「営業…」

律子「ぴ、ひゃい!?」

ついに一言も発しなかったプロデューサーが口を開いた
…恥の上塗りをした気がするが、最早どうでもいい

P「営業から、ただいま帰りました」

律子「……」

そっか。流石プロデューサー殿です。『なかった』ことにするんですね。大人のやり方を心得ておられます。
それが一番いいですね

律子「はぃ、ぉ疲れ様です…」

プロデューサーの与えてくれた逃げ道の前に、私は、そう返事をするしかなかったのであった…



律子「っていいワケあるかぁーーー!!」



第一部・完

いかん、地の文いれたらよく分かんなくなってきた。おもしろいのかこれ?



ちょっと飯悔いながら話考えてくる。残ってたら後半書きます

マジで? そんなに下手?

律子「はい、お疲れ。良かったわよ今日の収録」

そう言ってドリンクを竜宮のメンバーに手渡すと、真っ先にそれを手にした伊織がつぶやく

伊織「当然よ。こんなローカル番組の収録くらい、こなせて当たり前なんだから!」

こんな、って…結構取ってくるの大変だったんだけど…
私の思いを知ってか知らずか、あずささんがそれを窘める

あずさ「伊織ちゃんダメよ~、そんな言い方しちゃ」

律子「そうそう。まぁ、自信を持ってるのが伊織の良いとこだけど」

亜美「そんなことよりりっちゃ~ん。今日の仕事これで終わりでしょ→? 早く帰ろうYO→!」

1人会話に参加せずにいた亜美は真美との約束があるらしく、私達をせかし出した

律子「はーい。車ならすぐ乗れるよう下に用意してあるから、そんなに急がないの!」

亜美「流石はりっちゃん! 備えがいいですなぁ→!」

事務所に戻る用意があると分かると、途端にはしゃぎ始める亜美。まったく、子供は気楽でいいわよね…

律子「はぁ…」



伊織「……」

律子「じゃあ、皆忘れ物ないわねー? 荷物持ったら乗り込んでー!」

車を回して運転席から叫ぶ。私が免許を取ってからは、お馴染みの光景だ

伊織「ふぅ、よいしょっと」

ただ、その日だけは助手席に乗り込んでくる相手が違っていた

律子「伊織? ……珍しいわねあんたが助手席なんて」

伊織「別に? たまにはこっちからの眺めもいいと思ったのっ」

そう言って彼女はそっぽを向いた。
…今の会話のどこに拗ねる要素があったのかしら?伊織の性格は把握してるつもりだけど時々不安になる

ミラー越しに後部座席を覗くと、亜美とあずささんが昔よくやった指遊びをしている。…何て名前だったかしらね、あれ?

彼女達を疑っている訳じゃないけれど、実際に仲良くやってるのを見ると安心する…やっぱりこのメンバーをユニットに選んだのは、間違いじゃなかったんだって

そうして半ば自己満足とも言える感慨に浸っていると、前の車の動きが鈍くなった

律子「あれ? なんか普段より道が混んでるような…」

あずさ「本当ですね~、イベントでもあったのかしら…」

亜美「え→、ホント→?! 事務所まで時間掛かる?」

律子「っ、そうね…。亜美達の約束に合わせるのは、厳しいかも…」

亜美「そんなぁ~~…」

よほど楽しみにしていたのか、亜美の声がみるみる内にしぼんでいく
しまいには半泣きになってしまった亜美に内心慌てるが、あずささんが何とかフォローしてくれた

…亜美も大分プロらしくなったとはいえ、またまだ中身はそこらの中学生と変わらないのだ

あずささんに頼るだけでなく、私も竜宮小町のプロデューサーとしてしっかりしなければと反省する…

しかし今の私には、他にも気掛かりがあった


……今日は事務所にプロデューサーがいる……


『あの日』以来、私はなるべくプロデューサーと顔を合わせないようにしてきた。幸い竜宮小町に付きっきりな私は、朝の打ち合わせに会話をするだけで済んでしまうのだ

けれどそんな幸運が続いたのも昨日までのことだ…

今日は週に一度、社員同士で情報をやりとりする場を設けている日なのである


…確実に二人きりになる……


その事実は朝からずっと私を憂鬱にさせてきたし、事務所へと少しずつ進んでいくこの道は、さながら一三階段にも思えていた

律子「……どうしよう」

伊織「……ねぇ、律子」

律子「ん? どうかした伊織?」

伊織は窓の外に目を向けたまま続ける

伊織「アンタ最近、何か隠してるでしょ?」

律子「へ? 何のこと?」

伊織「こっちは分かってるんだから。事務所に行きたくないってことぐらい」

まさか、この子…。助手席に乗ったのは、最初からこの話をするため?

律子「そんなことないわよ…」

隠していたつもりの本心を言い当てられて、自然とハンドルを握る手に力が入る

伊織「当ててあげましょうか? プロデューサーのことでしょ?」

……うん、そうくると予想してたわ
私をあんまり舐めない方がいいわよ? 冷静を装えばこんなの……

律子「はぁ、何を根拠にそんなことを…」

伊織「あら違うの? プロデューサーにそう聞いたんだけど」

律子「ぶふっ!!?」

律子「えっ、ちょ、ちょっと伊織! どこまで聞いたのよ?!」

伊織「う~~ん、どこまでかしら?」

そう言って小首を傾げる伊織は、小悪魔系アイドルとして今すぐ売り出せる程充分な魅力を持っていた
……が、今はこの小娘を殴りたいわ……

というか、あれだけ何もなかったフリをしておいて、伊織に喋ったんですかプロデューサー!!!?

伊織「……にひひっ、その様子だと、私の予想は当たってたみたいね!」

律子「へ…、あ! まさかあんた!」

伊織「そうよ、プロデューサーに聞いたのなんて、真っ赤なウソ!」

やられた…。こんな子供相手に、カマをかけられるなんて…

律子「この子ったらどこでそんなこと覚えて…!」

伊織「私は水瀬財閥の令嬢よ? この程度の駆け引き、朝飯前なんだから!」

律子「くぅぅぅ…」

してやったりという笑みを浮かべて、会心のポーズを決める伊織

……私決めたわ、この子は絶対この路線で売るって……

伊織「それで? 一体何があったのよ? この伊織ちゃんが相談に乗ってあげる!」

律子「い、いやその…」

伊織「安心しなさい。誰にも言ったりしないから」

……あんなこと伊織にだって言いたくないわよ!! あぁもう、こうなると知ってたから皆にも隠してたのに……

うっ、思い出したらまた顔が熱くなってきた…

律子「う、あぁ…」

伊織「律子……、アンタ本当に何されたのよ…」

律子「ち、違うから! …されたとかじゃなくて、しちゃったっていうか…」

伊織「な、何ですって…?」

亜美「何何→? なんの話→?」

……また厄介なのが増えたわ…。もうケロッとしてるみたいだし……

伊織「律子が…プロデューサーに、し、したって……」

亜美「え! もしかしてりっちゃん、兄(c)にイタズラでもしたの~?」

あずさ「…い、イタズラ……?」

あずさ「律子さん…?」

亜美「ねぇねぇ、何したのさ!? どっきり? トラップ系?」

律子「い、イタズラとかじゃありません! やめてよ思い出すのも恥ずかしいんだから……」

あずさ「あ、あらあら…」

こうやって騒がれると、ますます後悔の念が襲ってくる
もう…本当になんであんなこと口にしたのかしら…

……本当になんで……

亜美「? イタズラじゃないの? あずさお姉ちゃんはなんだと思う?」

あずさ「………」

亜美「あ…うん、何でもない」

亜美「い、いおりんいおりん! あずさお姉ちゃんの様子が変になっちゃったYO→!!」

伊織「そんな……、律子が、積極的に……?」

亜美「ふ、2人ともどうしちゃったのさ→!?」

亜美「りっちゃんもりっちゃんで俯いたままだし…」



亜美「うわーん、助けてよ真美ぃ→!!」



第二部・完

律子「ふぅー、いつの間にやら着いてるし…」

結局あれからどうやって事務所までたどり着いたのか、よく覚えていない…

前の車に反応して車を動かし、ひたすらナンバープレートを見つめていたのを朧気に思い出す…
ただ居たたまれない車内と、遅々として進まない渋滞が、私にとって地獄だったのは確かである

……あらぬ誤解を受けたみたいだったけど、本当のことを言うよりマシよね……?

……あぁー。なんだかんだでこの時が来てしまった……

事務所の階段が遠く感じる…

律子「いるのよね…。あの先に」

扉の向こうを見据えて一歩を踏み出すと、不思議なことが起きているのに気付いた

……震えてる? なんで…?

恥ずかしさや緊張とも違う、恐怖という感情……
私は気付かない内に怖がっていたのだろうか? プロデューサーを…?

…いや、この一週間、自分の抱えていた気持ちがなんなのかくらいは分かる

律子「ううん、そうじゃない…私は」


……プロデューサーに嫌われるのが、怖い……


…初めて出来た仕事仲間で、共にいくつものライブを成功させて来て、頼ったり、頼られたり…。
そして、プロデューサーとしての心構えを教えてくれた、尊敬する私の目標……

そんな人との関係が変わってしまうのが、怖い

律子「でも、それなら尚更話をしなくちゃ…」

……大丈夫! 落ち着けば言い訳の一つや二つは考えつくわよね。プロデューサーならきっと分かってくれる……



そうして私は、事務所の扉を開けたのだった

―――――

――――

―――

P「よし、これで定例会議は終了だな」

律子「はい、バッチリです」

…謝ると覚悟してしまえば後はなんのことはない、単純なものだった

プロデューサーとだって会話は普通に出来るし、しこりがあるようにも思えない

……だからこれからすることは、ほんのちょっぴり、不安の種を取り除くだけ……

P「律子、俺らにとってはアイドル達が大事な子供みたいなもんだろ!」
P「まぁ年上もいるけど…」

律子「あ、あの…!」

P「そういえば律子、この後空いてるか?」

律子「はっ? え? ええ、まぁ…」

P「そっか。なら久しぶりに飯でも食いに行かないか?」

律子「それは…」

…もしかしてプロデューサーも、あの件のこと気にしていてくれたんだろうか?
私の為に、わざわざ誘って…?
律子「は、はい! ぜひお願いします」

P「なんだよ。そんなに意気込むことでもないってのに」

律子「ふふっ、そうですね。それじゃ支度して来ます」

律子「……」

更衣室で、身支度を整える。

……ここでは言えなかったけど、食事の席についたら最初に言ってしまおう。そしたらプロデューサーが笑って許してくれて、楽しく食事が出来る……よし!

私は幾分か軽くなった気持ちを抑えつつ、バックを取ってプロデューサーの下へと向かった……

―――――

――――

―――

律子「ここが、そのお店ですか?」

P「ああ。居酒屋はアレだし…そこまで高いとこでも窮屈だろ? リラックスした所がいいと思ってな」

そんな会話をしつつ入ると、中から店員が出て来て、奥へと通される

律子「ふーーん…、個室になってるんですね…」

プロデューサーの言ったとおり、ゆったり出来る構造のようだ

……料亭というよりかは、食事処といった感じかしらね……?

P「あぁ、ゆっくり話も出来ると思う」

……やっぱり、プロデューサーも話をしに来たんですね……

案内された席に座りつつ、息を整える

P「律子は? 何にする?」

律子「は、はい。私は…」

下手じゃないけど、最初の方で昔の男の影をチラつかせた意味が良くわからん
なんかの伏線?

>>128
清廉潔白で手もつないだことありませんって方がいいの?

P「じゃあこの○○を二つで」

店員「はい、畏まりました」

店員がパタパタと手際よく去っていくのを見送る

…よし言わなきゃ、言うなら今がチャンス…

……ってあれ? どうやって切り出せばいいんだろう……一週間前の話? それとも子供がどうとか…

……そんな直球っていうのもどうなのかしら……?

P「…律子」

律子「はいぃ! 何ですかプロデューサー!」

P「この前の子供がどうとかって話なんだけどさ……」

……さ、先を越された…。あぁもう! チンタラしてるから!


……ていうか、直球でよかったんだ……

律子「は、はい。えっと…」

P「あの時はさ、パニックになっててうやむやにしちゃったけど…」

P「律子…………俺となら、子供が出来てもいいって、言ってたよな……?」

律子「そっ、そうですね…」

……分かってたことだけど、改めて言われると恥ずかしすぎる……
プロデューサーの顔をまともに見れない…

P「それってさ、俺の自惚れじゃなければ……」

……あれ? この流れって……

P「律子は俺を好き、ってことで、いいのかな?」

こ、これって…私の気持ちを聞くってことは多分、そういうこと、なのよね……?

P「……」

律子「私……」

…言わなきゃ、私の気持ちを…

律子「私……」







律子「……よく分からないんです……」

P「えっ」







P「………えっ?」

律子「わからないんです、子供の作り方が」

>>131
そもそも、「清廉潔白」とか「それなりに数をこなしている」という事を描写する必要がある内容なの?って事
原作でもアニメでも言及されていない設定を付け加えるって事は何か意図があるのかなと思っただけ

>>141
ただ単に子供が欲しいって描写に説得力持たせたかったんじゃない?

P「ええぇっ? すすす好きじゃないの?!」

律子「違うんですプロデューサー!」

律子「私……プロデューサーになるって志してからずっと、仕事の為に生きてきて、それで幸せだったんです」

律子「だけど、先日小鳥さんから子供の話を聞いて、そういう幸せもあるのかなって…。でも、仕事を辞めるのも違う気がして…」

律子「けど、プロデューサーの顔が浮かんで来たら」

律子「プロデューサーとの子供なら、いいかなって思えたんです」

P「そうだったのか…」

手の甲を見続けながら、本心をぶちまける。プロデューサーの声からは若干の困惑の色が窺えるけれど、彼ならちゃんと聞いてくれるという安心感があった

>>141
>>142の理由と、恋愛を捨てて仕事に走る感が欲しかったから書いた

非処女って描写な訳じゃないからいいと思ったけど不快になる人がいたかもしれん
すまんかった

P「でも普通はさ、好きな人が出来てから子供が欲しいって思うんじゃ…」

律子「私も、そう思います…」

律子「けどそれに気付いたら、プロデューサーへの気持ちが、分からなくなってしまって…」

律子「わ、私、仕事をしてるプロデューサーが好きなんです!」

私は熱に浮かされながら、素面だったら赤面ものの台詞を、次から次へと口に出していた…

……なに喋ってるんだろ、私…声も上擦ってる……

……でも、あぁ、そっか……

律子「だけど、今のままの私じゃ、半人前で、プロデューサーの横に居れなくて」

これが私の、本当の気持ち、なんだ…

律子「だから、恋人になってしまったら、もうパートナーじゃなくなる気がして…」

>>145
そもそも“結婚を1ミリも考えてない”わけじゃん?でも小鳥さんの話を聞いて
結婚とその後の子作りまで意識し始めたわけだから、仮に清廉潔白であろうと話通じると思うのな

で、恋愛に関しても「業界人は不誠実っぽい」と言ってるし仕事に打ち込んできたとの事だから
おそらく学生の頃の恋愛だろ?そういう恋愛が結婚とか子供が欲しいみたいな意識に説得力を持たせるかね

バンバン不誠実な業界人と遊んでて酸いも甘いも吸い尽くした律子が「いや、結婚は誠実そうな男とでしょ。遊び人の子とかいらないわ」
っていうならそれまでの遊びの恋愛と結婚との差みたいな形で説得力あるかも知れないけどそういう描写があるかというとそうでもないし

リアルさを演出しようとして大上段に振りかぶってる風に見える。「俺はそこらへんの夢見がちな奴じゃありませんよ」っていう。
「女ってこういうもんだろw」的な意識と地の文の臭さが相まって物凄くアレな感じ

P「そっか……そうだったんだな……」

…あ、いつもの声に戻ってる。優しくて、私のことを包んでくれるような……

知らぬ間に泣きべそをかいていた私の頭に、彼の手が触れた…

……撫でられるのって、こんなに気持ちがいいんだ……

P「だったらさ、俺は待つよ」
律子「え…?」

P「律子が一人前になるまで待つし、俺のことを好きになってくれるまで待つ」

律子「そんなの…プロデューサーが……」

P「いいや、俺はずっと律子の側にいる! プロデューサーとしても、男としても!」

P「だって、俺は律子のことが好きだから」

律子「で、でも! そんなこと簡単に約束しちゃっていいんですか?」

P「そうかな? 俺は悪い賭けじゃないと思うけど…」

P「だっていつか俺の子供を産んでくれるんだろ?」

律子「なっ、あ…、もう!」

P「ははは…」

……あれだけの告白をして、人前で泣き顔を晒して、それでもまだ顔が熱くなるなんて思わなかったわよ……でも

プロデューサーが笑って認めてくれたなら、この気持ちも大事に出来る気がする……
だから……



律子「私をずっと側に置いて下さいね? プロデューサー♪」

END

後日談はよ

>>172
ちょっと待ってて

~数年後~

P「765プロも随分と大きくなったなぁ」

律子「そうですね、社長」

東京の一等地に建てられた巨大なビルの前で、感慨に浸る彼…
寄り添うようにその手を握ろうとすると、彼が高木社長から譲り受けた時計と私の指輪が、カチリと鳴った

P「アイドル達も皆大きく羽ばたいていった…」

律子「皆、社長が育てたからですよ」

P「いや、俺は律子のおかげだと思ってる」

律子「私ですか? 私は全然…」

P「いや、本当に律子には助けられたよ。律子は凄く気がきくし、経営の腕だってある」

P「会社を継ぐ時だって俺を支えてくれた。俺一人じゃこの会社を回せなかったさ」

P「それになにより、律子との約束を破らないように必死だったんだ」

律子「約束って…側にいるっていう?」

P「ああ、俺が諦めても律子は諦めなかったからな。側にいるのは大変だったよ」

律子「ふふっ、そうですか…」

自然と笑みが零れる。私は彼の気を引くように前にでた

律子「社長! 私、頑張れましたか?」

P「? …ああ、律子は本当によく頑張ったよ」

……ふふっ、頑張ったって、認めてもらえたよ……

私はまだお下げだったあの頃の自分にエールを贈るように、心の中で呟いた

律子「……社長。私、プロデュース業から降りようと思うんです」

P「え? 律子が?」

P「そんな…折角夢が叶ったのに…」

律子「別に全部の仕事を辞めようって訳じゃありませんよ」

律子「経営の方に回ろうかと思ってるだけです。プロデュース業は育ってきた若手に任せます」

律子「それに…」

…経営の仕事なら、座ったまま出来るしね

P「そっか、そういうことなら分かったよ。律子を信じる」

律子「それで、社長には私のもう一つの夢を叶えて貰ってもいいですか?」

こう言うと彼はあの顔をするに違いない、…ほら

P「え? もう一つの夢? そんなのあったっけ…? アイドルは育てたし、会社もビッグにしたし…」

律子「もう! 忘れてるんですか?」

もうちょっとだけイジワルしてみる、彼の困った表情が見たくて…

律子「まったく、なら今言わせてもらいますからね!」

P「あっ、ちょっと待った! 律子だけじゃ卑怯だろ。俺の希望も聞いてくれ!」

律子「社長の希望…ですか?」

P「そう! それだよそれ! 公私混同はしないって言ったけどさ…、2人っきりの時位社長って呼ぶの止めてくれ…」

律子「ああ、なるほど。分かりました」

…これは今からやろうとしていることに使えるかもしれない
彼の慌てようを考えると、今から少し笑ってしまいそうだ

私は彼を正面から抱きしめ、耳元に口を寄せた

……この言葉を聞いたら、彼はおそらく色んな表情をするだろう
だけど見る必要はないのだ

彼が最後に浮かべる表情は、きっと私が大好きなあの笑顔に違いないのだから……







律子「私に子供をください、あなた♪」

TRUE END

終わった……
軽い気持ちで書くんじゃなかったな…
投下に半日近く掛かったり色々と不甲斐なくてすまん

保守、支援には本当感謝する

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