千早「……で、どうするのよ春香」

春香「決まってるよ千早ちゃん。巨人たちをやっつけるんだよ！」

千早「春香ならそう言うと思っていたわ」

春香「そういう千早ちゃんだって、こんな所まで付いてこなくてもよかったんだよ？」

千早「あなたを一人にしたら、早死にしそうだもの」

春香「千早ちゃんひどい！！」

千早「ふふ。でも、今はこの状況をどうにかしなければ」

春香「そうだね。ウォールローゼ奪還作戦中、巨人に二人っきりで囲まれているんだもんね」

千早「詰み、かしら」


小型巨人「オオオオオ」

中型巨人「アアアアア」

千早「ところで春香」

春香「なあに？」

千早「いい加減、地理をちゃんと覚えなさい。ここはウォールマリアよ。ローゼは中間にある壁。ちなみに、シーナが一番内側ね」

春香「あ、あれ？　そだっけ？」

千早「こんな状況なのに呑気なものね」


巨人「」

巨人「」


春香「わわわ！　パンチしてきた！」

千早「立体起動装置のガスは残っているの？」

春香「えへへ、実はあとちょっと」

千早「奇遇ね、私もよ」

春香「どうしよっか」


巨人「」

巨人「」


春香「補給部隊、なんで来ないんだろうね」

千早「春香はここにいなさい」

春香「千早ちゃん？」

千早「私が、あいつらを倒す」

春香「で、でも！」


巨人「」


千早「っ！！……どうもあいつらは待ってくれないみたいねっ」

春香「うわあ！」


巨人「」


千早「春香、あなたは私が守る！！」

春香「待って千早ちゃん！！」

千早「じゃあね、春香……」ﾊﾞｼｭﾝ

春香「い、行っちゃだめえ！！」


巨人「　　　　　　」

千早（いつ見ても大きいわね。こんな図体で、蒼い鳥と呼ばれた私を捕らえられるものかしら！！）

巨人「　　　　　」

千早「遅い！！」

千早（うなじ！！そこね！！）

千早「はああああ！！」

巨人

千早「一体撃破！！　次！！」

巨人「」

巨人「」

巨人「」ﾆﾏｧ

千早「……うそ、でしょ。こんなに？」

千早「……でも、私は諦めない！」

千早「————っ！！ﾊﾞｼｭﾝｯ

千早（とにかく動き回らなくちゃ）

千早（ぼーっとなんてしていたら、こいつらのいい餌よ！）

巨人「　　　」

千早「え？」

千早「しまっ！！足が！！」

巨人「　　　」ｸﾞｸﾞｸﾞ

千早「い、痛い！！　やめて！！　折れる！！」

巨人「　　　」ﾆﾏｧ

千早「くっ！」

？？「そこまでなの！！」

ｻﾞｼｭ

巨人

千早「巨人が！　た、助かったわ！」

美希「相変わらず千早さんは春香を守ろうとするときは、猪突猛進なの！　もっと気を付けた方がいいってミキは思うな」

千早「美希！！」

美希「状況はどうなってるの？」

千早「よくないわね。ガスももう切れそうよ」

美希「……そっか」


巨人「」

巨人「」


美希「まだ湧いて出てくるの」

千早「どこから生まれてくるのかしらね」

美希「撤退命令はまだなの？」

千早「まだ、みたいね」

巨人「　　」

美希「一旦上へ逃げるの！！」

千早「そうね！」



美希「あ、あはっ。どこまでも追いかけてくるね」

千早「そうね……。っ！　春香！！」

美希「春香はどうしたの千早さん？」

千早「背の高い建物に避難させているわ！」

美希「相変わらず春香は役に立たないね」

千早「美希！」

美希「怖い怖い。千早さんって本当、春香のことになったら人が変わるんだね」

春香「……怖いよ、千早ちゃん」

巨人「　　」　

春香「え？」

巨人「　　」ﾆﾏｧ

春香「や、いやあ！！」

ｻﾞｼｭ

巨人

真「はあはあ！　ぶ、無事だった春香！？」

雪歩「春香ちゃん！」

春香「ま、真……雪歩？」

真「よかったー！　安心してね、僕がきたからにはもう百人力だよ！」

雪歩「わ、私も微弱ながらお手伝いするね真ちゃん！」

春香「も、もうね！　立体起動装置のガスも切れそうだったし、千早ちゃんもいないしでね！？」

真「いいから落ち着こうよ春香」

雪歩「あ、あうぅ、こういうときにお茶を用意できればよかったんだけど……私なんか穴掘って埋まってますぅ〜！」

真「雪歩も落ち着こうね！？」

春香「二人は平気だったんだ！」

真「へへっ！　ボクら二人のコンビネーションがあればへっちゃらだよ！」

雪歩「でも、私たちもそろそろガスが……」

真「……」

春香「そうなんだ……。もう、だめなのかなぁ」

真「そんなことないよ！　諦めちゃだめだ！」

雪歩「そうだよ春香ちゃん！　あの日、調査兵団に入るって決めたとき、約束したよ？」

真・雪歩「「心臓を捧げよ！！」」

春香「二人は、強いね……」

真「春香だっていっしょにここまで頑張ってきたじゃないか！」

春香「もう、無理だよ。あんな化物相手に勝とうなんて考えがおかしかったんだよ」

雪歩「どうしてそんなこと言うの春香ちゃん！」

春香「だって……」

？？「んっふっふ〜。なんだか青春してるねー君たちー」

？？「立体起動のガスならここにあるんだじぇー！」

真「亜美！」

雪歩「真美！」

春香「二人とも！？」

亜美「袋に抱えて持ってくるのチョ→大変だったかんね！？」

真美「でも、これでまだ戦えるっしょ→！」