ナナミ(バグってモノケモノになっちゃったよ) (227)


ナナミ(どうしよう…これじゃみんなと会わせる顔がないよ)

ナナミ(しかも攻撃力のない一番のザコキャラだよ)

ナナミ(難易度高いなー)

ナナミ(しかもなんか他のモノケモノが私に攻撃してくるし…)

ナナミ(痛くもかゆくもないからいいけどちょっとうっとおしいなぁ)

ナナミ(とりあえずウサミのところに行けばこのバグ直してもらえるかな?)



※2のネタバレありかも
※アイランドモードだと思うよ



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1385953219


ナナミ(…今思ったけどこれじゃあ喋ることできないんだよね)

ナナミ(こんな手じゃペンも握れないし…困ったなぁ)

ナナミ(こんな状態でウサミに会いにいったらデリートされかねないよ)

ナナミ(うーん、困った…あれ?ウサミがやってきちゃった)

ウサミ「あっこんなところにモノクマが残していったウイルスがいたでちゅ!」

ナナミ(違うよ、私は七海千秋だよ?やっぱりわからないのかな?)

ウサミ「成敗してやるでちゅ!えーい…」

ナナミ(私このままデリートされちゃうのかな…?)

ナナミ(せめてみんなとちゃんと別れのあいさつしたかったな…)

ソニア「あっ、あれはマカンゴです!」

日向「なんだって!?あれが…マカンゴなのか?」


ウサミ「皆さん!あれはモノクマが放ったウイルスでちゅ!危険だから近づかないでくだちゃい!」

日向「何言ってるんだ?ウイルスがあんなでかいわけないだろ」

ソニア「日向さんの言うとおりですよ。動物虐待はわたくしが許しませんわよ!」

ナナミ(…日向君たちに助けてもらおう)ピョコピョコ

ウサミ「あ、危ないでちゅ!逃げてくだちゃい!」

ソニア「まあ!この子人懐っこいですよ!」ナデナデ

日向「ははは、これがマカンゴか…可愛いじゃないか」

ウサミ「あれれ?おかしいでちゅね…モノケモノはもっと凶暴なはずなんでちゅけど」

ソニア「日向さん、わたくしたちでこの子を育てましょうか!」

ウサミ「だ、駄目でちゅよ!このモノケモノはあちしが成敗しまちゅ!」

日向「…!見損なったぞウサミ!なんでコイツをいじめようとしてるんだよ!」

ソニア「そうですよ!それに修学旅行のシオリにも書いてあるじゃないですか!」

ソニア「この島での暴力は禁止…それから自然と共存共栄しましょうとのことでしたよね?」

ウサミ「うう…それを言われると困るでちゅ…」


日向「そういうわけだからコイツは俺たちが保護するぞ」

日向「放っておいたらオマエがいじめかねないからな」

ウサミ「しかたがないでちゅね…でもそのモノケモノが悪さしないよう注意するんでちゅよ」

ナナミ(助かった…のかな?ひとまず安心だね)

ソニア「それにしてもこんな南国にマカンゴがいるなんてインド人もびっくりですよ!」

日向「まさか本当にマカンゴなんて生物がいるとはな…」

ウサミ「…ところで七海さんは見つかったんでちゅか?」

日向「それがまだ…いったいどこに行ったんだか」

ソニア「何か事故に巻き込まれてなければよいのですが…」

ウサミ「一昨日の夜からずっといないでちゅからね…先生は心配でちゅ…」

ナナミ(私ならここにいるんだけどな…なんとかして伝える方法はないかな?)


→レストラン

田中「な、なんだその魔獣は!?この俺様でさえ初めて見るぞ!」

花村「僕もその生き物は調理したことないなぁ」

西園寺「きゃー!可愛いー!踏み潰してもいいかなー?」

罪木「だ、駄目ですよぉ。可哀そうじゃないですか」

西園寺「えー?可愛いから踏み潰したいのにー」

罪木「え…じゃあもしかして西園寺さんがいつも私を踏みつけるのは…」

西園寺「はあ?何キモイ妄想しちゃってんの?ゲロブタのくせに調子にのるんじゃねーよ!」

罪木「ふぇええ!?す、すみませぇーん!」

小泉「ちょっとあんまりいじめちゃだめじゃないの、動物虐待は駄目だよ」

西園寺「ちぇー、小泉おねぇがいうならしかたがないか」

辺古山「……」ウズウズ

澪田「それにしても奇妙な生き物っすねー!もしかして千秋ちゃんの本当の姿っすか!?」

日向「違うって、七海を探してる時にウサミにいじめられそうになってたから保護したんだ」

ソニア「結局七海さんは見つからずじまいですわ」

ナナミ(うーん、今惜しいとこまで来てたんだけどやっぱり気付いてもらえないか)


狛枝「それは困ったね…この島から出られるわけもないしどこかにいることは確かだと思うんだけどね」

左右田「おいおい、まさか海に流されちまったんじゃねーよな?」

弐大「ウサミのヤツはそれはないと言っておるが…全員で島中探しても見つからんとなると…」

十神「ここで話し合っていてもしかたがあるまい…明日こそ必ず見つけるぞ!」

終里「そうだな、今日はもう飯食って寝ちまおうぜ」

九頭龍「あっ、ちょっと待ってくれ!そういや七海の手がかりを見つけたんだったぜ」

十神「なんだと…!手がかりがあるというならさっさと言え!」

九頭龍「第2の島に遺跡があんだろ?あそこに携帯ゲーム機が落ちてたんだ」

辺古山「だから私と九頭龍はあの周辺を探してみたのだが…七海を見つけることはできなかった」

十神「もしかしたらあの遺跡の中にいるのかもしれんな…」

九頭龍「だけどよぉ…あの遺跡はウサミのヤツにも開けられないみたいなんだ」

辺古山「遺跡を開けるパスワードがこの島のどこかにあるみたいなのだが…それもわからんのだ」

小泉「そ、それじゃあ一刻も早くそのパスワードを探さなきゃ!」

十神「待て、もう外は暗い…闇雲に探しても見つからないだろう」

十神「七海がまだ無事だということを信じ、今日はもう休んで明日探すべきだ」


ソニア「しかたがありませんわね…では七海さんの捜索はまた明日の朝から開始にします!」

小泉「千秋ちゃん大丈夫かな…無事だといいんだけど…」

ナナミ(うーん…今のこの状況は無事っていえるのかな?)

狛枝「ウサミにもわからないパスワードか…もしかしたら…あそこにあるかな」

日向「なにか言ったか、狛枝?」

狛枝「いや、なんでもないよ」

日向「そうか…そういえば田中はこの生き物の詳細はわからないんだよな?」

田中「おそらくこの島特有の新種だろう…どちらかというとウサミのようなヌイグルミにも見えるが…」

日向「そうか。ソニアはこの生き物…マカンゴについては知ってるんだよな?」

ソニア「余裕のよっちゃんです!この子の世話はわたくしにお任せください!」

左右田「そういうことなら俺も手助けしますよ」

田中「マキナしか操ることのできん貴様の出る幕はない…俺様はたとえ未知の魔獣であっても手懐けることができるがな!」

ソニア「よろしくお願いします、田中さん」

左右田「そんなっ!俺は完全にスルーですか!?」

左右田「たしかに田中の専門分野かもしんねえっすけど俺だって手伝いくらいできますよ」

日向「俺も手伝うぜ」

ソニア「ありがとうございます、日向さん。マンモスうれピーです」

左右田「ちくしょう…俺が何をしたっていうんだ…」


――翌朝


辺古山「な、なぁ…その動物…私も触ってみていいか?」

ソニア「モチのロンです!どうぞ!」

辺古山「おお…私を怖がらない動物なんて初めてだ」ナデナデ

ナナミ(へぇ、辺古山さん動物好きなんだ)

九頭龍「ちっちゃい割りにキモすわってんだな、ソイツ。それとも何も感じてないのか?」

田中「いや、マカンゴという生き物は知的な生き物のようだ。おそらく我等の言語を理解しているだろう」

弐大「言語を理解じゃと…?どれくらい理解しとるというんじゃ?」

田中「そうだな…問いに対してイエス・ノーで答えるくらいはできるだろう」

澪田「マジっすか!?それってすごすぎじゃないっすか!?」

日向「案外字の読み書きも出来たりしてな」

左右田「さすがにそりゃ無理だろ」

ナナミ(…字を読むことくらいできるけどね)


花村「やあ、おはよう。みんな」

終里「おっ!飯の準備が出来たのか?」

花村「うん!バッチリだよ!…それはそうとその生き物も人間と同じ食べ物を与えて大丈夫なのかい?」

田中「ああ、どうやらコイツは雑食みたいでな…俺様と同じく人間と同じ食べ物を食べても大丈夫だ」

日向「ふーん、じゃあ一緒に食事にするか」

ナナミ(一応食べることはできてよかったよ…箸もフォークも持てないけどね)

ソニア「はい、あーん」

左右田「ソニアさんに食べさせてもらえるなんてうらやましいぜ」

辺古山「わ、私もやっていいか…?」

罪木「ふふふ、可愛いですねぇ」

小泉「写真撮ってもいいかな?こんな珍しい動物撮る機会なんてそうそうないし」

澪田「モテモテっすね!唯吹も可愛がるっす!」

ナナミ(…この体もなかなか悪くないかもね)

ナナミ(それにしても…いつになったら私の捜索に行くんだろう?)


ソニア「そういえばこの子ゲームもできるんですよ」

九頭龍「ゲームだって?そんなことできるわけないだろ」

ソニア「そんなことないですよ。昨日この携帯ゲームに興味を抱いていたようなので貸してみたらプレイしはじめたんですから」

狛枝「それは驚いたね…まさかこの…」

日向「どうしたんだ狛枝?」

狛枝「…この子に名前はつけてないのかい?いつまでも名前がついてないと呼びづらいよね」

ソニア「名前ですか…そうですね、名前をつけてあげましょうか」

澪田「マカンゴだからマガンゴちゃんとかどうっすか?」

田中「魔眼冴か…なかなか悪くないな」

左右田「いやいやいやいや、禍々しすぎんだろーが!」

ナナミ(…そういえばこのゲームは主人公の名前を自分で入力できるんだよね)

ナナミ(もしかしたら私の名前を入力すれば私のこと気がついてもらえるかも?)


ナナミ(えーと…ナナミチアキっと)ピコピコ

辺古山「もっとシンプルにマーちゃんでいいのではないか?」

西園寺「ツミキとかいいんじゃないかなー?」

罪木「それって私の名前じゃないですか!?なんで私の名前を!?」

西園寺「ええー?あんたの名前はゲロブタじゃん」

罪木「違いますよぉ!私の名前は罪木蜜柑ですってば!」

ソニア「うーん、どれがいいかマカンゴさん本人に聞いてみましょうか」

日向「…あれ?本当にゲームをプレイしはじめたぞ」

九頭龍「マジかよ…」

澪田「名前を入力してるみたいっすね!」

狛枝「まさかボクたちの話を聞いて、自分の名前を教えてくれようとしてるのかな?」

日向「えーと、ナナミ…チアキ…?」

弐大「まるで日本人みたいな名前じゃのぉ」

小泉「でも可愛い名前じゃない。これで決定でいいんじゃないの?」

ソニア「そうですわね、マカンゴさんの名前はナナミチアキで決定です!」

ナナミ(…?あれ?どういうことだろう?)


――――
――


ウサミ「おかしいでちゅね…七海さんがどこにもいないでちゅ」

ウサミ「今あの遺跡を開けるわけにはいかないでちゅから開けられないと言いまちたが…」

ウサミ「やっぱりあの遺跡の中にいるんでちゅかね…」

ウサミ「そんなわけないはずでちゅが…何か起こってるんでちゅかね?」

ウサミ「そういえばなんだか最近モノケモノが増えているような気がするでちゅ」

ウサミ「モノクマのやつはボコボコにしたからもうこの世界では力なんて持ってないはずなんでちゅが…」


モノケモノ「「「「「ワラワラ」」」」」


ウサミ「またモノケモノが現れたでちゅ!」

ウサミ「成敗でちゅ!えーい!」


ウサミ「…ふう…やっと全部倒したでちゅ」

ウサミ「それにしてもどこからこんなに湧くんでちゅかね?」

ウサミ「モノクマが現れたことといい最近おかしなことが起きすぎでちゅよ」

ウサミ「もしかしてモノクマウイルスが進入したことによってバグでも起きてるんでちゅかね」

ウサミ「少しくらいのバグならアルターエゴがなんとかしてくれるはずだと思うのでちゅが…」

ウサミ「七海さん…どこいっちゃったんでちゅか…?」

ウサミ「何か手がかり見つけてるかもしれないでちゅし、いったんミナサンのところに戻りまちゅかね」


――――
――


ソニア「今日はナナミさんも連れて砂浜で泳ぎにいきましょうか」

左右田「いいっすね、自分もぜひお供させてもらいます!」

田中「仕方がない…貴様たちだけではその魔獣を飼いならすことはできないだろうから俺様も付いていってやろう」

西園寺「わーい!罪木とナナミを砂に埋めて遊ぼー!」

罪木「いいですねぇ、私埋められるの得意なんですよ」

九頭龍「はん、埋められる覚悟はできてるってことだな」

澪田「冬彦ちゃんがそういう台詞吐くとシャレにならねーっすよ!」

十神「おい、お前たち!浮かれるのもいいが何か忘れてないか?」


ナナミ(そうそう、私のことを忘れるなんてみんな薄情だよね)

辺古山「何か問題でもあっただろうか?」

弐大「十神の言うとおりじゃぁあああ!!海に入る前には準備体操をせんといかんぞぉおお!!」

終里「はぁ?んなめんどくせーことやってられっかよ」

弐大「なんじゃとぉ?じゃあお前さんにはもうアレは必要ないってことかのぉ」

終里「なっ、ま、待ってくれよ!オレはもうアレなしじゃ生きていけねえよ」

弐大「じゃあしっかりと準備運動することじゃな」

終里「し、しかたがねえなぁ。わかったよ」

左右田「おい、日向。アレってなんのことだと思う?」

日向「さあ…どうせマッサージとかってオチだろ」

ナナミ(うん、そのとおり。それより早く私のこと思い出して欲しい…かな)

十神「いつまでくだらん話をしている?これだから愚民は…」

十神「砂浜でやることといったらバーベキューに決まっているだろうが!」


ナナミ(それは違うよ!本当に皆忘れちゃってる?)

花村「なるほど、十神君はバーベキューをご所望というわけだね。それなら僕にまかせてよ」

狛枝「砂浜でバーベキューか…いいね、ボクも手伝うよ」

日向「じゃあ俺も…」

狛枝「いいよいいよ、皆はこころゆくまで遊んでてよ」

日向「そうか?悪いな、狛枝」

九頭龍「じゃあ俺は海釣りでもして食料を調達してやるよ」

辺古山「うむ、では私も食料調達を手伝うとしよう」

左右田「よっしゃ!どうせなら誰が一番釣れるか勝負しようぜ!」

田中「おもしろい…この俺様の秘められし力を解放するときが来たようだな」

十神「ふっ、せいぜい頑張るがいい。期待しているぞ」

西園寺「めんどくさいことはアイツラにまかせてアタシたちは遊ぼうね、小泉おねぇ」

小泉「そうね、私たちは私たちで遊びましょうか」

澪田「何するっすかねー!泳ぐっすか?埋めるっすか?砂浜を駆けるっすか?」

罪木「あ、あの…私は砂のお城とか作ってみたいな…なんて」

ソニア「全部やりましょう!ナナミさんは何かしたいことありますか?」

日向「おいおい、さすがにナナミは喋ることできないだろ」

ナナミ(本当に私のこと記憶にないみたい…だね)

ナナミ(これもバグの影響なのかな?これは困ったよ)


→ビーチ

ナナミ(これがただのバグならその内お兄ちゃんが直してくれると思うんだけど…)

ナナミ(今の私にはできることないし…このままみんなと遊ぼうかな)

ソニア「ところでナナミさんって泳げるんでしょうか?」

日向「試しに浮かべてみるか?ほれ」

ナナミ(おおう、日向君が私を抱えてるよ。これはちょっと恥ずかしいかも…)

ナナミ(それにこの体だと泳げないっぽいよ)

日向「んー?ナナミは泳げないんじゃないか?」



澪田「埋りぐあいはどうっすか?蜜柑ちゃん」

罪木「えへへ、気持ちいいですぅ」

西園寺「ねーねー?準備できた?」

澪田「バッチリっすよ!」

罪木「ふゆぅ…な、なんの準備ですかぁ?」

西園寺「よいしょっと…罪木の横にスイカを置いてっと」

罪木「!?え、え?なにしてるんですかぁ!?」

西園寺「うるさいなー、スイカ役はちょっと黙っててよ」

罪木「スイカってなんですかぁ!?」

真昼「ねえ、本当にアタシがやるの?目隠しすると何も見えないからちょっと怖いわね」

澪田「真昼ちゃんなら大丈夫っすよ!ちゃんとスイカ割のサポートするから安心するっす!」

罪木「スイカ割りってなんですか!?」

西園寺「スイカ割りというよりはミカン潰しかな?きゃはは」

罪木「ちょ、ちょっと待ってくださいよぉ!」


九頭龍「それじゃあ海釣りでもするか」

左右田「どうせ勝負するなら罰ゲームとかもうけてみるか?」

弐大「そうじゃのぉ…一番釣ったのが少なかったものが一番多かったものの命令を一つ聞くというのはどうじゃ?」

終里「へへへ、おもしろそうじゃねえか。腕が鳴るぜ」

田中「良いだろう、どうせ勝つのは俺様だからな」

辺古山(もし私が勝ってぼっちゃんが負けたら……本気だしてみるか)

左右田「あれ?そういやソニアさんと日向はこっちにいないのか?」

九頭龍「アイツラならあっちでナナミと泳いでるみたいだぞ」

左右田「な、なんだって!?じゃあ俺も…」

田中「ほう…敵前逃亡か?だがしかたがあるまい。力のないものから消えていくのは神々の配した箱庭の因果律の導く涯だからな」

左右田「はあ?おまえなにいって…」

左右田(そういや、コイツってやたらソニアさんといること多いんだよな)

左右田(ここでコイツを負かしてソニアさんに近づかないよう命令してやるか)

左右田「はっ!誰が逃げるかよ!やってやるぜ!」

弐大「決まりじゃな、じゃあ昼までに誰が一番獲物を獲れるか勝負じゃぁああああ!!」


→厨房

狛枝「へえ、バーベキューって切った肉や野菜を串に刺して焼くだけのものだと思ってたけど以外と仕込みもするんだね」

花村「ふっふっふ、そりゃあ超高校級のシェフの僕が用意するんだから最高のバーベキューにしないとね」

花村「ちなみにバーベキューを料理する人のことをピットマスターと呼ぶんだ」

花村「僕のこともそう呼んでくれたまえ」

狛枝「ピットマスターか…なかなかカッコイイ呼び名だね」

花村「僕に惚れちゃったならいつでも僕の部屋においでよ、ベッドの上で待ってるからさ」

狛枝「ボクなんかが超高校級に惚れるなんておこがましいにもほどがあるよ」

花村「ふふふふ、狛枝君は恥ずかしがり屋さんだなぁ」

狛枝「あははは…ええと、こっちにあるものはもう運んでもいいのかな?」

花村「うん、オッケーだよ!よろしく頼むねぇ」

狛枝「任せてよ。ボクにできることなんてこれくらいしかないからね」

花村「ナイフやなんかもあるから扱いには気をつけてね」

狛枝「大丈夫、机の下とかには隠したりしないよ」

花村「…え?どういうこと?」

狛枝「ごめんごめん、ただの冗談だよ。…あれ?ウサミじゃないか、どうしたの?」

ウサミ「………」


ウサミ「どうしたの?じゃありまちぇん!七海さんの捜索はどうしたんでちゅか!」

花村「ナナミ…?それならみんなとビーチのほうで遊んでるじゃないか」

ウサミ「…へ?見つかったんでちゅか!?良かったでちゅ!」

狛枝「あれ…?でもどうしてウサミがナナミのこと知ってるの?」

ウサミ「…えーと、どういうことでちゅか?どうしても何も七海さんはあちしの生徒でちゅからね」

狛枝「ふーん、いつのまにかナナミはウサミの生徒になってたんだね」

ウサミ「…?よくわからないでちゅけどとりあえず七海さんは無事でビーチにいるんでちゅね?」

狛枝「うん、そのはずだよ」

ウサミ「じゃあさっそくビーチに行ってくるでちゅ!」

花村「あっビーチに行くならついでに食材運ぶの手伝ってくれないかな」

ウサミ「…しょうがないでちゅね、先生が手伝ってあげまちゅよ」

狛枝「あははは、助かるよ。こんなタイミングでウサミが来てくれるなんてボクは本当についてるな」

花村「それじゃあよろしく頼んだよ!あとは僕一人でも大丈夫だから狛枝君も遊んできてよ」

狛枝「じゃあそうさせてもらおうかな。行こうか、ウサミ」

ウサミ「はいでちゅ、それにしても七海さんが見つかって一安心でちゅ」


→ビーチ

日向「ん?ナナミは泳げないんじゃないか?」

ソニア「そんなこともあろうかと西園寺さん用の浮き輪ボートを用意しましたよ」

日向「おいおい、本人が聞いたら怒るぞ」

ソニア「よいしょっと…どうですかナナミさん?」

ナナミ(おお、これはいいね。程よい波が眠気をさそうよ)

ソニア「あ、眠っちゃいましたね」

日向「ははは、相変わらず七海は寝てばかりだな」

ソニア「相変わらず…ですか?」

日向「…あれ?ナナミってなんだか寝てばかりっていうイメージが浮かんだんだけどどうしてだろう…?」

ソニア「うーん…たしかにそういう雰囲気はありますよね、ナナミさんって」

日向「ああ…ナナミのことは数年前から知ってるかのような感覚だよ」

ナナミ(zzz…)





――――
――



七海「っていう夢を見たよ、日向君」


日向『それは違うぞ!なぜなら今見てるのが夢だからな』

七海「なんと!そうだったのか!」

日向『それにしても七海は変わってるよな』

七海「そうかな?みんなも十分変わってると思うけど」

日向『本当に変わったよ…まさかプログラムになったりモノケモノになったりするなんてな…』

七海「日向君…?」

七海『おおー!これがもうひとりの私かー』

不二咲『七海さんのアルターエゴだよ。どうかなぁ?』

七海「…お父さん?それに私…?」

七海『本当に私そっくりだね。すごいよ、不二咲君』

アルターエゴ『僕の妹にあたるのかな?なんだか不思議な感覚だよ』

不二咲『えへへ、それから七海さんがデザインしたウサギのマスコットもできたよぉ』

七海「…お兄ちゃん?ウサギのマスコット?」

ウサミ『あちしは魔法少女☆ウサミでちゅ!』

七海『わあ、自分の考えたキャラが実際に喋ってるのをみると嬉しくなるね』

七海「えーと、これってどういうことだろう?」


七海「日向君はこれがどういうことかわかる?」

日向『俺には才能がなかった』

七海『そして私はいなくなった』

七海「…え、えーと」

日向『…だk・oれは・尉髪gurarにな…」

不二咲『…僕は弱かった、何もできなかった』

カムクラ『……』

七海「…日向君」

カムクラ『僕は君のことを覚えていない。もはや興味もない』

不二咲『そして僕もいなくなった』

七海「……」

ウサミ『そして絶望に堕ちたミナサンがやってきまちた』

七海『そして私はまた日向君たちと出会う』

七海『今度はみんなを助けるために』



――――
――



狛枝「やあ、みんな。楽しんでるかい?」

ウサミ「七海さんはどこでちゅか?」

十神「なんだウサミも一緒か。ナナミならあそこで日向たちと遊んでいるぞ」

ウサミ「…見当たりまちぇんけど?」

狛枝「ああ、ここからだとちょっとわかりずらいかもね。あの浮き輪ボートの上にいるのがそうじゃないかな?」

ウサミ「ボートの上にはモノケモノしかいないように見えまちゅが…」

十神「何をいってるんだ、あれがナナミだろう」

ウサミ「…ほえ?何言ってるんでちゅか!?」

狛枝「あれ…、もしかしてウサミが言ってるナナミって別のなにかだったの?」

ウサミ「七海さんは七海さんでちゅ!ミナサンどうしちゃったんでちゅか!」

狛枝「まったく…どうかしてるのはウサミの方だよ」

十神「その通りだ。あの生き物が自分でナナミチアキだと名乗ったんだぞ」

狛枝「ゲームを使ってね」

ウサミ「ええ!?それは本当でちゅか!?も、もしかして本当に…?」

狛枝「嘘なんか言わないよ。まあボクみたいなクズの言うことは信じてもらえなくて当然かな…」

ウサミ「た、大変でちゅ…早く魔法で戻さなきゃいけないでちゅ…」

夢オチだったら良かったのに…
なんでモノミがモノケモノになるとかいう謎のバグが発生するんだよ…
天のお告げではこのSSが完結する頃にはバグが治ると出てるべ、とりあえず今日はここまで


日向「あれウサミじゃないか?こっち向かってくるぞ」

ソニア「本当ですね、仲間に入れて欲しいのでしょうか」

ナナミ(zzz…)

ウサミ「七海さーん!大丈夫でちゅか!?」

日向「待てよ、今七海は寝てるんだから起こすなって」

ソニア「そうですよ、昨日はあんなにいじめてたのに今日はどうしたんですか?」

ウサミ「…やっぱりミナサンは七海さんのこと覚えてないんでちゅね」

日向「なんのことだよ?」

ウサミ「でもかまいまちぇん!今魔法で戻してあげるでちゅ!」

ソニア「な、なにをするつもりですか!?」

ウサミ「ちんぷいちんぷい、ちちんぷいぷい、ちんちんぷいぷーい」

ウサミ「ていやー、七海さんよ元の姿にもーどれ」

日向「……」

ソニア「……」

ナナミ(……ふぁ、変な夢見ちゃったよ。…あ、ウサミだ)

ウサミ「あ…あれ?戻らないでちゅ」

ナナミ(…?もしかしてウサミは私のこと気がついてる?)


ウサミ「お、おかしいでちゅね…あちしの魔法が効かないなんて…」

日向「おかしいのはおまえだろ」

ソニア「びっくりしたじゃないですか。冗談はよしこちゃんですよ」

ナナミ(魔法が効かない?…ウサミでもどうにもならないなんて難易度高いよ)

日向「ほら、ナナミが起きちゃったじゃないか」

ウサミ「ご、ごめんなさいでちゅ。…確認でちゅがあなたは本当に七海千秋さんでちゅか?」

ナナミ(うん、そうだと思うよ)コクコク

ソニア「ほら、ナナミさん自身もそううなずいてるじゃないですか」

日向「そういえばなんでコイツの名前を知ってるんだ?」

ウサミ「え、えーと…あちしはナナミさんと友達でちゅから」

日向「そうなのか?ナナミ?」

ナナミ(うん、その通りだよ)コクコク

ソニア「じゃあ昨日のはいじめてたわけではないのですか?」

ウサミ「あ、あちしが七海さんをいじめるわけないじゃないでちゅか」

日向「でも昨日成敗とかいってなかったか?」

ウサミ「あ、あれはそういう遊びだったんでちゅよ」

ソニア「そうなんですか?ナナミさん?」

ナナミ(うん、それに同意しておくよ)コクコク

日向「なんだそうならそうと言えよ。ごかいしたじゃないか」

ウサミ「ごめんなさいでちゅ。…でも一応七海さんは見つかってよかったでちゅ」

ナナミ(うーん、とりあえずウサミに気付いてもらえただけよかったかな)


――――
――


左右田(…まずいな、今のところみんなほとんど互角だぞ)

九頭龍「もうすぐ昼だな…このままだと決着つきそうにねえな」

田中「………」

弐大「ふむ…しかし目的はあくまで食料の調達じゃからな。目的は十分果たしたといえるのぉ」

辺古山「そういえば終里の姿を見かけないがどこへいったんだ?」

左右田「…おいおい、あれ終里じゃねえか?」

終里「獲ったどぉおおーーー!!」ザッパーン

九頭龍「アイツ海にもぐって直接獲ってたのかよ…」

弐大「終里のヤツもワシらと同じくらいの収穫じゃな」

左右田「素手で獲って俺らと一緒の量って…」

終里「おう!どうよ!たくさん獲ってきたぜ!」

弐大「なかなかやるのぉ、じゃが勝負がここからが…」

花村「おーい!みんなー!バーベキューの準備が出来たよぉ!」


辺古山「…どうやら勝負はこれで終わりのようだな」

九頭龍「結局引き分けか…じゃあ罰ゲームもなしだな」

左右田「いや、よく見てみろよ。田中のヤツ俺らより少し少ないぞ」

田中「………」

弐大「本当じゃな、つうことは…」

終里「田中除いた俺らの勝ちってことか?」

辺古山「そうなるな」

左右田「くっくっく、これは最高の展開だぜ!オメーは今から俺らの奴隷だ!」

終里「何命令してもいいのか?」

九頭龍「悪く思うなよ、これはルールなんだからちゃんと守ってもらうぜ」

田中「…人間風情が何を勘違いしている?」

左右田「ああ?まさかオメー約束守らねえきじゃねだろうな?」

田中「俺様が捕獲した獲物がこれだけだと思ったら大間違いだ!」

田中「出でよ!ジャンP!マガG、サンD!チャンP!」

破壊神暗黒四天王「「「「チューチュー!」」」」

九頭龍「ハムスターが魚を獲ってきてやがる…ありえねえだろ」

左右田「っだー!!んなのありかよっ!?」


田中「フハハハハハ!恐れ戦くがいい!これが俺様の“力”だ!」

弐大「ぐぐ…ワシらも道具を使ってつっていたわけじゃし文句はいえんのぉ」

辺古山「まさか田中の一人勝ちとはな…」

終里「っち、負けちまったか。だけど俺の獲物は渡さないぜ!」

九頭龍「テメーは本当にルールを理解してんのか?」

左右田「気にくわねえが、しゃあねーか…で、どんな命令するつもりなんだよ」

田中「…それは後の楽しみにしておこうか。せいぜいその時まで震えて過ごすがいい」

花村「えーと、こっちはもういいのかな?それにしてもみんな良い食材を獲ってきてくれたねぇ」

花村「僕も腕の振るいがいがあるってもんだよ!」

終里「お!飯食えるのか!さっさと食おうぜ!」

弐大「がっはっは!相変わらずお前さんは飯のことしか頭にないのぉ!」

九頭龍「じゃあさっさと行くとするか」


→ビーチ

十神「ふん、ようやくやってきたようだな」

九頭龍「最高の食材を獲ってきてやったぜ」

澪田「ウッヒャー!すごいっすね!大量っすよ!」

罪木「うふふふ、私たちはスイカも用意しましたよぉ」

左右田「ウッギャー!!血塗れじゃねーか!!」

小泉「そのスイカの汁流してきたほうが良いんじゃない?」

西園寺「本当にゲロブタは見苦しいよねー」

罪木「ふゆぅ…すいませぇん。流してきます…きゃあ!」

花村「ふおおおおお!!罪木さんがありえない転びかたして水着がはだけた!」

花村「しかも水着が絡まって[らめぇぇっ!]で[らめぇぇっ!]な格好に…」

花村「大事なところはしっかり砂で隠れてるけど[らめぇぇっ!]で[らめぇぇっ!]なことに」

花村「すごく…エロいです。ごちそうさまでした」

小泉「ちょっと男子はあっち向いてなさいよ!大丈夫?蜜柑ちゃん?」

罪木「だ、大丈夫じゃないですぅ…」


日向「ん?お前らなにやってるんだよ」

左右田「お、日向じゃねえか。魚獲ってきてやったぜ!」

ソニア「大量ですね。さすが田中さんです」

田中「フハハハハ!俺様の力を使えばこれくらい造作でもない」

左右田「くそ…たしかに田中のヤツが一番獲ってきたのは事実だけどよ…ん?」

ウサミ「どうかしたんでちゅか?」

左右田「そ、ソニアさん…その首筋のアザはなんですか?…ま、まさかキスマーク!?」

ソニア「無礼者!お黙りなさい!」

日向「たしかにアザができてるな…虫にでも刺されたのか?」

ソニア「そ、そうかもしれませんね…油断してました」

左右田「ソニアさんの血を吸うなんて…なんてうらやましいことを…」

日向「……」

ソニア「……」

左右田「ち、違うんです!誤解です!自分が興味あるのは血じゃなくて鎖骨やらなんやらで…」

ナナミ(もう左右田君は喋らないほうがいいんじゃないかな)


十神「ようやく全員揃ったようだな。さっそくバーベキューをはじめるぞ!」

小泉「なんで何もしてない人が仕切ってるんだか」

花村「さあ、じゃんじゃん焼いていくから、じゃんじゃん食べてよ」

終里「よっしゃー!食うぞー!」

日向「ほら、ナナミ食えるか?」

ナナミ(もぐもぐ…この体になっても食べ物はおいしいね)

罪木「それにしてもナナミさん可愛いですねぇ」

日向「それに同意だ!ナナミはすごく可愛いぞ!」

辺古山「そうだな、ナナミは私のことを怖がらないでくれるしな」

ナナミ(…私モテモテだね)

西園寺「えー、でも私はこの子好きじゃないなー。日向おにぃには懐くのに私には懐いてくれないんだもん」

日向「そりゃあ、お前が普段から小動物いじめてるからだろ」

ナナミ(うーん、この姿だと西園寺さんは少し怖いんだよね)

田中「うむ…しかしその魔獣が一番懐いているのは日向であることは間違いないだろうな」

ソニア「ガッデム!どちくしょうっ!!…少し嫉妬しちゃいますね」

左右田「へ…?そ、ソニアさん?」


ソニア「あら、嫌ですわ。わたくしってばなんて言葉を…」

左右田「あははは、びっくりしましたよ」

ソニア「童貞臭いゴミ虫は黙っててください」

左右田「」

弐大「なんだ今日は随分と辛辣じゃのぉ!がっはっは!」

ソニア「ふふふ、クソみたいな人間しか育てられないクソ製造機は口臭もクソみたいな臭いがするんですね」

弐大「な、なんじゃとぉおおおおおおお!!」

小泉「ど、どうしたの?ソニアちゃん?」

日向「いくらなんでもひどすぎるんじゃないか?」

西園寺「もしかしてわたしの真似のつもりかなー?全然似てないんですけど?」

ソニア「そうですね…西園寺さんみたいにクソ口臭以下のゲロ臭を撒き散らすことはわたくしにはできませんね」

西園寺「な、なによそれ…うわああああああああああああん!!」

小泉「ちょっとちょっと!言いすぎだよ!やめなって!」

澪田「なんかソニアちゃんの様子がおかしいよ!?何が起きてるっすか!?」

ウサミ「ま、まさか…これもバグの影響でちゅか…?」


(アルターエゴ「テレパステレパスるるるるるー」)

ウサミ「はっ!?なんか脳内に直接声が聞こえるでちゅ!」

ナナミ(お兄ちゃんの声が聞こえる…まさか脳内に直接?)

(アルターエゴ「遅れちゃってごめんねぇ。千秋ちゃんのバグについてようやくわかったよ」)

ウサミ「本当でちゅか!?じゃあ七海さんは直るんでちゅね?」

九頭龍「おいおい、ウサミまで変なこと言い始めたぞ」

(アルターエゴ「とりあえずバグのことは後で話すとして…今はソニアさんだよ」)

(アルターエゴ「ソニアさんは今モノクマウイルスが最後に放った絶望病にかかってるんだ」)

ウサミ「絶望病!?なんでちゅかそれは!?どうしたら治るんでちゅか!?」

(アルターエゴ「ソニアさんがかかってるのはおそらく毒舌病だよ、毒舌を吐くだけだからたいした問題はないんだけど…」)

(アルターエゴ「問題は絶望病は感染するってところなんだ。だからソニアさんをみんなと隔離して欲しいんだ」)

ナナミ(それで…どうやったらその病気は治るの?)

(アルターエゴ「その病気を治すワクチンは今作ってるところだよ…明日にはできると思う」)

ウサミ「わかりまちた!明日までソニアさんを隔離すればいいんでちゅね!」


ウサミ「ミナサン!ソニアさんは今病気にかかっているみたいでちゅ!」

日向「病気だって?大丈夫なのか?」

ソニア「あら、ブタとウサギが混ざったような気色悪い生き物がなにか喋っていますね」

ウサミ「うう…ひどいでちゅ…」

小泉「ほら、メソメソしてないで説明してよ」

ウサミ「どうやらソニアさんは絶望病という感染病にかかってるみたいでちゅ」

左右田「か、感染病だって!?じゃあ病気が伝染る可能性があるのか!?」

ウサミ「だからソニアさんは明日まで病院に入院してもらうでちゅ!」

ソニア「まあ!それはいけませんわ!よろしくお願いします、モノミさん」

ウサミ「あ、そこは素直なんだ…あちしはモノミじゃないでちゅけどね」

日向「お、おい!本当に大丈夫なのか?」

ウサミ「任せてくだちゃい!明日にはソニアさんと共に戻ってきまちゅ!」

ソニア「そういうわけみたいなので何の才能も感じられないゴミクズさんにナナミさんをお任せしますね」

日向「ああ、わかったよ。ナナミは俺が預かろう」

ウサミ「ミナサンはこのままバーベキューを続けてくだちゃい!くれぐれも第3の島には来ないでくだちゃいね」

ナナミ(…およ?もしかして今日私は日向君のコテージでお泊りなのかな?)


――――
――


→ヒナタコテージ


日向「今日は散々なバーベキュー大会になっちまったな」

ナナミ(うん、そうだね…ソニアさん大丈夫かな)

日向「ソニアのヤツ大丈夫かな…まあ、明日には治ると言ってたし心配してもしょうがないか」

日向「そういえばナナミがここに泊まるのは初めてだよな…あれ?」

ナナミ(…どうかしたのかな?)

日向「昨日はソニアのとこに泊まってたけどその前はずっと自分のコテージで泊まってたよな?」

ナナミ(…!私を拾った日の前の私を覚えてる?)

日向「ひとりじゃドアの開け閉めもできないだろうにどうしてたんだったっけ?」

ナナミ(なんだ、やっぱり私はモノケモノとして認識されてるのか)

ナナミ(でも拾われた前の日の私をモノケモノとして認識してるってのはどういうことなんだろう?)

日向「今日はもう疲れたしシャワー浴びて寝るか」

日向「ナナミも一緒に入るか?」

ナナミ(…お?)


→シャワールーム

日向「おいおい、暴れたら洗えないだろ」

ナナミ(これは思ってたより恥ずかしい…日向君全裸だし…)

日向「そういえばナナミってメスなんだろうか…名前からすれば女の子っぽいけど」

ナナミ(せめて前をタオルで隠して欲しいな…気になってしょうがないよ)ハァハァ

日向「よし、捕まえたぞ。ちゃんと洗わないと臭くなるからな」

ナナミ(待って、無理無理やっぱこれ恥ずかしいよ)

日向「ちゃんと耳から尻尾まで洗わないとな」

ナナミ(あ~れ~)


~~~~入浴中入浴中~~~~


~~~入浴終了入浴終了~~~


日向「ふう…スッキリしたな」

ナナミ(日向君ってば…大胆すぎるよ…)

日向「今日はもう寝るか…そういえばナナミを寝かせるときは添い寝してるとソニアが言ってたな」

ナナミ(…!まさか日向君は私と一緒に寝るつもりじゃ…)

日向「ほら、来いよ。一緒に寝ようぜ」

ナナミ(でも添い寝くらいならいい…かな?)

日向「じゃあ、おやすみ。ナナミ」

ナナミ(…おやすみ、日向君。…zzz)





――――
――



七海「…ここは夢の中かな?」

間違えた【ナナミ「…ここは夢の中かな?」 】です

黄色いヤツですね
参考画像
ttp://www.geocities.jp/capri_alta/img/alta120726.png


アルターエゴ「それは違うよ。ここは僕が一時的に作った仮想空間なんだ」

ナナミ「あ、お兄ちゃん」

ウサミ「あちしもいまちゅよ」

ナナミ「そういえばここだと普通に喋れるね…相変わらずモノケモノのままだけど」

アルターエゴ「えーと…いろいろと話さなきゃならないことがあるけど、まずはモノクマウイルスについてから話すね」

アルターエゴ「どうやらモノクマウイルスは外部から持ち込まれたウイルスみたいなんだ」

ナナミ「でもこの島に来たのって日向君たちと苗木君たちだけだよね?」

アルターエゴ「みんなの中にウイルスを入れた人がいたということになるね」

ウサミ「そ、そんな…ミナサンの中に犯人がいるなんて…」

アルターエゴ「でももう大丈夫。モノクマは僕が完全に削除したからね」

アルターエゴ「弱っていたわりに手ごわかったけど…もうモノクマの心配はしなくていいよ」

ナナミ「そっか…とりあえずこれ以上モノクマの脅威はないってことだね」

アルターエゴ「ただモノクマが残していった傷跡は残ってる」

ウサミ「七海さんのバグと絶望病でちゅね」


アルターエゴ「うん。とりあえず絶望病についてはワクチンが完成したから解決だよ」

ウサミ「よかったでちゅ。ソニアさんには散々悪口言われてずいぶんとへこまされまちたから…」

ナナミ「それで私の体は元に戻るのかな?」

アルターエゴ「それも大丈夫…だと思うよ。千秋ちゃんの体がモノケモノになっちゃたのは偶然生まれたただのバグが原因だったからね」

ナナミ「そっか…でもなんだか自信なさげだね」

アルターエゴ「実は千秋ちゃんの体のデータは完全にこの世界から消えちゃったんだ…」

ウサミ「じゃ、じゃあ七海さん体はどうなっちゃうんでちゅか!?」

アルターエゴ「この世界には残っていない…でも島の外にデータがあるはずなんだ」

ナナミ「島の外に…?」

アルターエゴ「うん、今それを苗木君たちに取ってきてもらってるところなんだ」

ウサミ「そうでちゅか、それなら安心でちゅね」

ナナミ「……」

アルターエゴ「なんだか浮かない顔してるけどどうかしたの?」

ナナミ「変な夢を見たの…もうひとりの私が出てくる夢」

ウサミ「…!そ、それがどうかしたんでちゅか?」

ナナミ「私ってお父さんが作ったオリジナルな存在だと思ってたけど…」

ナナミ「もしかして私のモデルとなった人物がいるんじゃないのかな?」


ウサミ「そんなわけないじゃないでちゅか。七海さんは正真正銘七海さんでちゅよ」

ナナミ「そういえばもうひとりの私はウサミをデザインしたとも言ってたかな」

ウサミ「ええ!?…そ、そうなんでちゅか。でもそんなことないはずでちゅ…よ」

ナナミ「本当に?何か隠してるんじゃないのかな?私には言えないことなの?」

ウサミ「え、えーと…」

アルターエゴ「千秋ちゃんにはその記憶はないはずなんだけど…そんな夢を見ちゃったのはバグの影響なのかなぁ?」

ナナミ「…やっぱり七海千秋は実在する人物なんだね」

アルターエゴ「…そうだよ。ただし1年以上前に死んでいるけどね」

ウサミ「ま、待ってくだちゃい!それを七海さんに言うのは…」

アルターエゴ「…千秋ちゃんなら大丈夫だよ。それに実在したとはいっても本人とアルターエゴはまったくの別人なんだからね」

ナナミ「うん、その辺は私もわりきってるから大丈夫だよ」

ウサミ「ええと…そういうこととはちょっと違って…この話を聞くのは七海さんにとって非常につらいのではないかと…」

アルターエゴ「いや…何も知らずにこのままみんなを更正させて記憶を消すほうが良くないかもしれない」

ナナミ「私なら大丈夫だよ。何があっても自分の役割はこなすから」

ナナミ「私は知りたいの…私と日向君たちと過去になにがあったのか…だからお願い」

ウサミ「…わかりまちた。七海さんがそういうなら先生も覚悟を決めるでちゅ」

アルターエゴ「この話を聞いたら千秋ちゃんはつらい思いをすることになると思う…それでも聞かせて欲しいんだね?」

ナナミ「…うん」

アルターエゴ「じゃあ話すよ…あれは今から2年くらい前、日向君たちが入学してから1年ちょっとたったくらいの頃だね」



――――
――


とりあえずここまで
やっと前半終わったくらいかな


日向「…俺は何やってるんだろう」

日向「憧れの希望ヶ峰学園に入学したもののやってることは前にいた高校となんの変わりもない」

日向「くそっ、なんで俺にはなんの才能もないんだ?」

日向「どっかから才能でも降ってこないかな…」

日向「こうやって空を見上げながら歩いてると空から女の子が降ってきたりとかしないかな…」ムギュ

日向「ん?何か踏んづけちまったぞ…え、女の子?」

七海「……」

日向「た、大変だ!女の子が倒れてるぞ!君、大丈夫!?」

七海「う、うーん…ねみぃ…」

日向(…!本科の制服を着てるってことは超高校級の才能を持つ生徒か?)

七海「ふあぁ……おはよう…」

日向「…どうやら大丈夫そうだな。俺はもう行くよ」

七海「あっちょっと待って」

日向「なんだ?まさか俺がお前を踏んだことにいちゃもんでもつけるつもりか?」

日向(今は本科の生徒とは関わりたくない…適当な理由をつけて逃げるか?)

七海「ううん、違うよ。私をおぶって病院まで連れてってくれないかな?」

日向「…は?まさか今ので怪我でもしたのか?」

七海「いや、私って元々病弱なんだ。さっき力尽きて倒れてたところなの」

七海「助けてはくれないかな?」

日向「…しょうがないな。病人を放っておくわけにもいかないしな」


日向「ほら、落ちないようにちゃんとつかまれよ」

七海「zzz…」

日向「もう寝てやがるぞこいつ…おい、起きろ」

七海「ふあぁ…あ、おはよう」

日向「お前本当は楽したいからおぶさってるだけじゃないだろうな?」

七海「うーん…君は私のことを疑っているのかな?」

日向「そういうわけじゃないけどさ…」

七海「そういえば自己紹介がまだだったね」

七海「私は"超高校級のゲーマー"七海千秋だよ。君は?」

日向「…俺の名前は日向創だ」

七海「日向君だね…君も希望ヶ峰学園の生徒だよね?」

日向「ああ、そうだ…ただし予備学科だけどな」

七海「予備学科…?そんなところがあるんだ」

日向「…っち、本科の生徒様は予備学科のことについては知らないってか」

七海「ごめんね、私って病院に篭もりがちだから学園のことよく知ってるわけじゃないんだ」

日向「じゃあおとなしく病院で引きこもってれば良いだろ」

七海「うーん、でも今私はとあるプロジェクトに参加してるところだから…」


日向「あるプロジェクトだって?なんだよそれ?」

七海「あまり詳しいことは話せないんだけどね、あらゆる可能性を秘めたゲームを作ってるんだよ」

日向「ゲーム?なんだゲームか」

七海「ふっふっふ、ただのゲームじゃないんだよ」

日向「どういうゲームなんだ?」

七海「えーとね、そのゲームでは人間が仮想世界に入ることができるんだよ」

日向「仮想世界?SF小説なんかでよくあるようなやつか?」

七海「ス○ーオー○ャン○みたいなね」

日向「お、おおう。そうか…でもそんなSFじみたもの本当にできるのか?」

七海「実はシステム自体はもうほとんど完成してるんだよ」

七海「今年希望ヶ峰学園に超高校級のプログラマーが入学してきたことであっという間に進んだからね」

日向「…やっぱり本科の生徒はすごいな」

七海「そうだね…とはいっても私はほとんど何もしてないんだけどね」

日向「七海はどんな形でプロジェクトに協力してるんだ?」

七海「私はテストプレイヤーだね。私は病人でもあるからちょうど良いのかも…」

日向「病人だったら余計まずいんじゃないか?」

七海「…このゲームはね、医療関係にも応用できそうなんだ」

日向「医療関係?」

七海「うん、たとえば…怪我のリハビリや精神疾患の治療なんかにね」

日向「そうか…ところでこのプロジェクトのこと俺に話してよかったのか?」

七海「本当はあまり良くないんだけど…ついつい話ちゃったよ」


→病室

七海「ふう…わざわざ病室まで運んでもらって悪いね」

日向「いや、気にするな。俺もお前のこと踏んづけちまったしな」

日向「俺はもう帰るよ、じゃあな」

七海「…あの、日向君」

日向「どうした?」

七海「今日は楽しかったよ…また来てくれないかな」

日向「………」

七海「…駄目…かな?」

日向「…気が向いたらな」

七海「ありがとう、日向君」

日向「…じゃあな」

罪木「ああ!七海さん戻ってたんですね…きゃあ!」ドンッ

日向「うわあ!」ドンッ

罪木「ふゆぅ…転んじゃいましたぁ」

日向「む、むぐぐぐぐぐぐぐ」

七海「……わーお」


日向(な、なんだ?やわらかいものにぶつかったと思ったら目の前が急に真っ白に…真っ白?)

罪木「あれ?誰か下にいるような…きゃ、きゃあああああああああ!!」

日向「む、むぎゅう…苦しい…どけてくれ…」

罪木「す、すいませーん!今どけますぅ!」

七海「駄目だよ、罪木さん。病院内で大声だしたら」

罪木「ふゆぅ…ごめんなさい」

日向「まったく…いったいなんなんだよ」

罪木「ううううぅぅ…すいません」

七海「日向君、こちらは同じクラスの罪木蜜柑さんだよ」

罪木「あ、あの罪木蜜柑です」

七海「それでこっちは日向創君。私が倒れていたところを助けてくれたんだ」

罪木「そうだったんですか…日向さんありがとうございます」

日向「いや、それに関しては俺も悪かったから…」

罪木「日向さんも同じ希望ヶ峰学園の生徒さんなんですか?」

日向「お、俺のことはいいだろ。それよりも同じクラスって事はお前も超高校級の才能があるのか?」

罪木「はい、私は超高校級の保険委員です」


日向「保険委員か…それでこんな所に…?」

罪木「はい、本当は私が七海さんの世話をさせていただくつもりだったんですけど…」

罪木「七海さんってば私から逃げ出しちゃうんですから困っちゃいますよねぇ、うふふふ」

七海「だって罪木さん、私がゲームしようとすると取り上げちゃうんだもん」

罪木「それは七海さんが徹夜でゲームしようとするからですよぉ」

日向「お、おまえそんな理由で病院を抜け出してたのか!?」

七海「そんな理由ってひどいなぁ。私にとってはゲームは人生同然なのに」

日向「人生同然って…少し大げさだろ」

七海「ううん、そんなことない…と思うよ」

七海「私ってさ、小さい頃から病弱で友達とかいなかったんだ」

七海「家の中でできることなんてゲームくらいしかなかったから…ゲームが友達みたいなものだったんだ」

七海「まあそんな私だからこそ超高校級のゲーマーになれたんだろうけどね」

罪木「七海さん…少なくとも私は七海さんのこと友達だと思ってますよ」

七海「ありがとう、罪木さん」

日向「………」


罪木「私も同じです…小さい頃からいじめられてばっかりで…」

罪木「それで自分より弱い人を見つけてはお世話して…気付いたら超高校級の保険委員になってたんです」

罪木「あ、でも七海さんは弱いからとかじゃなくて友達だと思ってるからこうしてるんですよ」

七海「うん、わかってるよ」

日向(…は?なんだよこれ…なんでこんな話をいきなり始めるんだよ)

日向(こんな話を聞いたらただ本科の人間に対して嫉妬してる俺が馬鹿みたいじゃないか)

日向(………)

罪木「あのぉ…日向さんどうかしましたか?」

日向「…俺も」

七海「…?」

日向「俺もお前ことを友達だと思ってるぞ、七海」

七海「……」

罪木「……」

日向「な、なんだよその反応は!」

七海「…日向君って以外と単純なんだね」

日向「なっ!?」

七海「だって急に友達とか言い始めるんだもん。びっくりしちゃったよ」

日向「べ、別に良いだろ!俺はお前に気を使ってだな…」

七海「ありがとう、日向君」

日向「…!お、俺はもう帰るぞ」

罪木「あ、また来てくださいね」

七海「待ってるね」

日向「ああ、またな」


日向(俺はなんで急にあんなこと言っちまったんだ?)

日向(ついアイツラにつられて…でも…)

日向(もう一度くらいなら会いに行ってもいいかな…)

日向(それにしても…だ)

日向「ここはどこなんだ?ついて慌てて病室を抜け出してきたが変なところに来ちまったぞ」

日向「さすが希望ヶ峰学園付属の病院なだけあるな…広すぎて自分がどこにいるのかわからないぞ」

日向「あっちの方から声が聞こえる。ちょっとここがどこか聞いてみるか」

日向「…あれ?もしかして会議中か?思いっきり会議の内容がもれてるみたいだが…」


→???

「カムクライズルプロジェクト…その被験者を探さなければならない」

「予備学科の生徒で良いのではないですかな?なんの才能もない人間こそがこの計画にふさわしいからな」

「しかし…自分から被験者になろうというものがいるかどうか」

「本科に入れると唆してやれば被験者になりたがる生徒はいますよ」

「だが最終的にはこの学園でもっとも才能を持つ存在になるかもしれん…騙されたと知れば何をするかわかりませんぞ」

「そうだな…なんせ才能獲得のためには邪魔となり得る思考や感情、感性や趣味、更には記憶を封印しなければなりませんからな」

「やはり自分から進んで被験者になりたがる生徒を探さねばな…」

「でもこのプロジェクトをおおやけにするわけにはいきませんぞ、どうやって探すつもりですかな?」

「とりあえず目ぼしい生徒にでも声をかけてみますか?」

「目ぼしいねぇ…予備学科の生徒ごときに目ぼしいのがいればいいですけどね、ははは」


日向「カムクライズルプロジェクト…?なんだそれは?この学園でもっとも才能を持つ存在?」

日向「もしかして人工的に才能を作りだすのか?だけど感情やら記憶を封印しなくちゃならないようだな…」

日向「さすがに自分を捨ててまで才能を得たいと思うやつはいないだろうな…」

日向「それにしてもこんな話を人に聞かれるような場所で話すなんてアイツラよっぽどの馬鹿の集まりなんだろうな」

日向「なんにしても俺には関係のない話だな」








???「あれ…盗み聞きしようとしてここまで来たときに通路を開きっぱなしにしてたせいか変なのが紛れ込んでるね」

???「それにしてもムクライズルプロジェクトか…おもしろくなるかも…」

とりあえずここまで
回想?は欝展開とかになるかもなので注意


――――
――


→病室

七海「おや、来てくれたんだね。日向君」

日向「ああ、また来ると言っちまったからな」

罪木「ふふふ、今日は私もいますよぉ」

七海「zzz…」

日向「いきなり寝た!?」

七海「ああ、ごめんごめん。つい眠くって」

罪木「もしかして昨日も徹夜でゲームをしてたんじゃ…」

七海「いや、昨日は悪夢を見たんだよ」

罪木「またゲームの夢ですか?」

日向「夢までゲームの話か…」

七海「ゲームの夢…なのかな?たしかにゲームの世界みたいだったけど…」

七海「そこには日向君ともうひとりの私がいたんだよ…それから不二咲君にウサミも」

日向「不二咲にウサミ?ゲームのキャラか?」

七海「ひとりはそうかな…もうひとりは…その内紹介することになるかも…」

罪木「私はいなかったんですね」

七海「まあ悪夢だったから出てこなくて良かったんじゃないかな」

日向(でも俺はでてきたんだよな…)


日向「それでどんな夢で俺はどうなったんだ?」

七海「えーと、私と不二咲君は死んじゃって日向君は改造されて絶望、もうひとりの私はウイルスになってたかな」

日向「………」

罪木「………」

七海「まあ所詮夢だから」

日向「ははは、それが正夢にならないことを祈るよ」

七海「それよりもね、今日は3人でゲームをしようと思っていろいろと用意しておいたんだよ」

罪木「わざわざゲーム用に大型テレビまで用意したんですよぉ」

日向「やっぱりゲームなんだな…」

七海「もちろんだよ、今日は私が力尽きるまで付き合ってもらうからね」

罪木「駄目ですよぉ!七海さんが力尽き前に止めますからね!」

日向「…まあ七海が力尽きない程度に遊ぼうか」



――――
――


日向「…あれから数日、放課後に七海に会いにいくのが日課になっちまったな」

日向「罪木とも随分仲良くなったな」

罪木「あ、日向さーん。今そちらに行きますね」


澪田「おや、もしかしてあれは蜜柑ちゃんの彼氏っすか!?」

西園寺「はあ!?罪木に彼氏!?なにそれ生意気なんだけど」

罪木「ち、違いますよぉ。ただのお友達です」

小泉「本当に?正直に告白しちゃいなさいよ」

罪木「本当にただの友達ですってば。それに日向さんとは七海さんを通して仲良くなったんですから」

澪田「じゃああれは千秋ちゃんの彼氏っすか!?ギガうらやましいっす!」

罪木「いえ、七海さんともまだ友達ですよぉ」

小泉「まだ…ねえ。そういえば千秋ちゃんの様子はどうなの?」

罪木「最近は随分調子いいんですよ、日向さんが来てくれてるかもしれませんね」

西園寺「そういえば最近罪木もよく調子にのるようになったよね。新しいお友達ができたせいなのかな?」

罪木「えへへ、たしかに私も最近調子がいいかもしれませんね」

西園寺「そういうところが調子にのってるっていうんだよ。ゲロブタのくせにさぁ」

罪木「えへへ、ありがとうございます」

西園寺「な、なによそれ!…ふーんだ!罪木なんてもう知らないんだから!」


罪木「ふふふ、西園寺さんってば可愛いですねぇ」

西園寺「…本当に気持ち悪いよ、小泉おねぇ」

小泉「そうね、これは重症かもしれないわね」

澪田「蜜柑ちゃんが青春を謳歌してるよ!唯吹もらーぶらーぶしたいっす!」

罪木「えへへ、日向さんも待ってますので行って来ますね」

澪田「千秋ちゃんによろしくっす!!」

小泉「…行っちゃったわね」

澪田「あ、手を繋ぎはじめたっすよ」

西園寺「あーあ、つまんないな。前はもっといじめがいがあったのに」

小泉「蜜柑ちゃん随分うれしそうだったよね」

澪田「……でもいいんすかね?」

西園寺「なにがー?あんなのもうほっとけばいいじゃん」

澪田「千秋ちゃんのことっすよ。あれが千秋ちゃんの余計な負担になんなければいいんすけど…」

小泉「んー、でも病は気からっていうし友達ができるのはいいことなんじゃないの?」

澪田「それだけで済めばいいっすけどね…もし三角関係なんてことになったら…キャッハー!」

西園寺「ないない、あのゲロブタに限ってそんなことありえないって」

小泉「そんなに心配なら明日にでもお見舞いに行きましょうよ。いろいろと話も聞きたいし」

澪田「そうっすね!それに同意っす!」


→病室

七海「あ、日向君オッスオッス」

日向「よっ、今日も来たぞ」

七海「あのね、日向君。今日は君に会ってもらいたい人がいるんだ」

日向「会ってもらいたい人?まさか親を紹介するとかじゃないだろうな」

七海「そのまさかってやつだよ。日向君には私のお父さんに会ってもらいたいんだ」

日向「!?」

罪木「ええ!?日向さんと七海さんってそういう関係だったんですか!?」

七海「…冗談冗談。前にちらっと話した超高校級のプログラマー…」

七海「不二咲千尋君に会ってもらいたいんだ」

日向「超高校級のプログラマー?どうして俺が…」

七海「…前に言ったよね、私があるプロジェクトに参加してるって」

日向「ああ、たしかに言ってたが…」

七海「日向君にも付き合って欲しいんだ」

日向「え…なんで俺なんかが…?」

七海「うーん、それは私の我侭みたいなものかな」


七海「あのね、今度の日曜日に本格的にテストプレイすることになったんだ」

日向「そうか…ついに完成するんだな?」

七海「完成…とは言えないのかもしれないけどほとんど出来上がっていることは間違いないね」

罪木「そ、それって大丈夫なんですか?」

七海「大丈夫…だと思うよ」

日向「そこは大丈夫だとはっきり言ってくれよ」

七海「…正直私も不安なんだよね」

罪木「じゃ、じゃあテストプレイはもう少し先まで延ばしてもらった方が…」

七海「一応安全テストはこれでもかっていうくらいやってるんだよ…人間のテストプレイはまだだけどね」

日向「なるほど…それで俺にも付いてきて欲しいというわけだな」

七海「その通りだよ。…やっぱり駄目かな?」

日向「…いいだろう。七海が俺についてきて欲しいというなら付き合うぞ」


七海「ありがとう、日向君」

日向「だけど本当に俺なんかで大丈夫なのか?今度の日曜日っつたらもう時間もあまりないだろう」

七海「それなんだけど…今日からその検査を始めなきゃいけないんだよね」

日向「おいおい、ずいぶん急な話だな…それでその不二咲とかいうヤツと会わせたいってことだったんだな」

七海「うん、それと検査が始まったらテストプレイが終わるまではずっと拘束されるけど大丈夫かな?」

日向「あ、ああ。大丈夫だが…本当に大丈夫か?」

七海「ごめんね、本当は私ひとりでテストプレイに望むつもりだったんだけど…少し怖くなっちゃって…」

日向「気にするな…俺なんかでも協力できることがあるならいつでも協力してやる」

七海「日向君…」

罪木「あ、あのーそのテストプレイなんですけども…私も参加できないですか?」

日向「罪木…まさかお前も参加するつもりなのか?」

罪木「どうなんでしょうか…七海さん」

七海「えーと、怒らないで聞いてほしいんだけど…それは無理なんだよね」


罪木「ふゆぅ…やっぱり私なんかじゃ駄目ですよね…」

七海「ううん、本当はクラスの何人かにも参加してもらえないか頼んだんだけど…」

罪木「……」

日向「…だけど…なんだ?」

七海「才能ある生徒をテストプレイに付きあわせるわけにはいかないってお偉いさんが…」

罪木「ええっと…それってつまり…」

日向「…そうか、じゃあしかたがないな」

七海「ごめんね、別にそういう意図があって日向君を選んだわけじゃないんだよ」

日向「わかってるから謝るなって」

七海「…うん」

罪木「じゃあ私は七海さんと日向さんをサポートすることに全力を注ぎます」

七海「罪木さん…ありがとう」

日向「そうと決まったらさっそく不二咲に会いにいこうぜ。こうしてる時間も惜しいしな」


→研究所?

日向「これが例のゲームか…本当にSFの世界に出てくるようなマシンだな」

七海「すごいよね、今からワクワクが止まらないよ」ハァハァ

不二咲「こんにちは、君が日向君だねぇ」

日向「はい、俺が日向創です。…えーともしかしてあなたが不二咲…さん?」

不二咲「うん、僕の名前は不二咲千尋っていいます。よろしくねぇ」

日向「ああ、よろしく。七海が君付けしてたからてっきり男だと思ってたんだけど女性だったんだな」

不二咲「ええ?七海さんが?」

七海「ああ、めんごめんご」

日向「……?」

不二咲「…まあいっか。それよりも日向君にはいくつか聞きたいことがあるんだ」

日向「聞きたいこと…?俺に答えられることならなんでも聞いてくれ」

不二咲「うん…その前に七海さんには席をはずしてもらっていいかな?」

七海「わかったよ。頑張ってね、日向君」

七海「…私もこれからいろいろと忙しくなるから今度会えるのはテストプレイの日になると思うんだ」

日向「そうなのか?」

七海「うん、日曜日にまた日向君と会えることを信じてるよ」

日向「ああ、日曜日必ず会おう」

七海「またね、日向君」

とりあえずここまで
回想なのに本編より長くなりそうな予感


不二咲「さて、まずは僕の自己紹介からするね」

不二咲「名前は不二咲千尋、今年超高校級のプログラマーとして希望ヶ峰学園に入学したんだ」

不二咲「今年入学したといってもこのプロジェクトには1年以上前から参加してるんだけどね」

日向「そうなのか?じゃあ七海とも1年前から知り合いだったということか」

不二咲「うん、七海さんはただのゲーム開発の仲間というだけじゃなくて僕の大切な友達なんだぁ」

不二咲「だからね…日向君に聞いておきたいんだ」

日向「……」

不二咲「どうして今回プロジェクトにテストプレイヤーとして七海さんに付き合おうと思ったのか」

日向「そりゃあ、七海は友達だから協力したいと…」

不二咲「本当はね…テストプレイなんて今から検査したくらいじゃ安全だとはとても言えないんだ」

日向「…え、そうなのか?」

不二咲「うん、1年以上前からこのプロジェクトに参加してる七海さんだって絶対安心というわけじゃない」

不二咲「それなのに今まで何も準備してなかった日向君が今から数日後にテストプレイなんて本来なら絶対にありえないことなんだ」


日向「…じゃあなんで今回はそんな特例が許されたんだ?」

不二咲「まだ許されたわけじゃないよ。これから受ける検査にすべて合格してようやく許されるんだから」

日向「そ、その検査って難しいのか?」

不二咲「難しいなんてものじゃないよ。テストプレイヤー候補はたくさんいたけど…」

不二咲「今のところテストプレイヤーとして合格したのは病人である七海さんただ一人だけなんだから」

日向「なっ…じゃあそんなの俺には無理なんじゃ…」

不二咲「それは日向君次第かなぁ」

日向「俺次第…だって?」

不二咲「うん…日向君は七海さんのために自分を犠牲にできるだけの覚悟はあるかな?」

日向「自分を犠牲に…?どういうことだよ」

不二咲「そのままの意味だよ。今回どうして七海さんが誰かと一緒にテストプレイを受けたいなんて言ったと思う?」

日向「七海は少し怖くなったと言っていたが…」

不二咲「そのとおりだよ、もしかしたら何か不具合が起きて一生仮想世界に閉じ込められるかもしれない」

日向「なっ…そんなこと…」

不二咲「それだけじゃないよ、もしかしたら記憶をすべてなくすかもしれない、一生目覚めることがないかもしれない」

日向「……」

不二咲「首から下が動かなくなる可能性だってある、仮想世界で今まで経験したことのないような苦痛をうける可能性だってある」

不二咲「もちろん、死ぬ可能性だって0%じゃない」


日向「そ、それでも俺はやってやるさ」

不二咲「…はっきり言って僕は君に参加して欲しくないんだよねぇ」

日向「な…なんだって…」

不二咲「もし…もし仮想世界で2人のどちらかしか現実世界に戻れなくなったとき君は七海さんを助ける覚悟はある?」

不二咲「もし七海さんを助けるために君が死ななくちゃいけなくなったら命を差し出す覚悟はできてる?」

日向「も、もちろんできるに決まってる!覚悟ならあるぞ!」

不二咲「そんなの口ならいくらでも言えるよねぇ?僕にとって七海さんは本当に大切な友達なんだ」

不二咲「だから君に七海さんを任せるような真似はしたくないんだぁ」

日向「……」

不二咲「怖くなっちゃったかな?今ならまだやめることはできるよ」

不二咲「きっと七海さんも君のことをせめるような真似はしないと思うよ」

不二咲「むしろ七海さんが自分でこの話をしなかったのは日向君なら断りたくてもそれを言えないと思ったからじゃないかな?」

不二咲「だからね…正直僕は今からでも君にはやめて欲しいとおもってるんだぁ」

不二咲「どうかな?テストプレイはあきらめてくれないかな?」


日向「…それでも俺は七海のことを信じる」

不二咲「七海さんを…信じる?」

日向「七海は俺に会えることを信じると言ってくれた」

日向「それって俺がこの話を聞いてもなお覚悟を決めると信じてくれてるってことだろ?」

日向「俺はそれを裏切るようなことは絶対にしたくない」

不二咲「……」

日向「たしかに俺と七海は最近会ったばかりでお前たち以上に時を過ごしたわけじゃない」

日向「でも俺は誰よりも七海のことをかけがえのない友達だと思ってる!」

日向「だから俺はあきらめない!なんだってやってやるぞ!」

不二咲「…ふーん、怖くはないの?何かあったら真っ先に日向君を犠牲にするつもりだよ?」

日向「…もちろん怖いさ。でもそれは七海だって同じだ」

日向「それなら俺は七海と一緒にそれに立ち向かってやるさ」

不二咲「……決意は変わらないんだね」

日向「ああ、俺は七海を信じているからな」

不二咲「…やっぱり、七海さんの言ってたとおりだねぇ」

日向「……?」

不二咲「よかったぁ、日向君がこの話を聞いてもやってくれると言ってくれて嬉しいよ」

日向「…は?」


不二咲「実はね、七海さんにこれでもかってくらい日向君を脅かせって言われてたんだぁ」

日向「は…はぁ!?なんでそんなことするんだよ!?」

不二咲「えーと、理由はなんとなくわかるんじゃないかな?」

日向「…俺の覚悟を確かめたかったってことか?」

不二咲「うん…本当はそこまで危険なことにはならないだろうしね」

日向「なんだ、そうなのか…少し安心したよ」

不二咲「それにしても日向君って本当に単純で変なところで熱血なんだねぇ」

日向「え?」

不二咲「だって今日いきなりこんな所に連れて来られてこんな重い話されたにも関わらず即答で引き受けちゃうんだもん」

日向「お…お前…!」

不二咲「あ…ご、ごめんねぇ。でも七海さんが日向君のことをそんな風に言ってたんだぁ」

日向「七海のヤツ…俺のことそんな風にいってやがったのか」

不二咲「ふふ、日向君のこととても信頼してたみたいだよぉ」

日向「…そ、そうか」

不二咲「日向君になら七海さんのことまかせても大丈夫だねぇ」

日向「そこまで持ち上げられると困るけどな」

日向「…ちなみにさっき言ってた不具合の可能性ってどれくらいのものなんだ?」

不二咲「うーん、すべての可能性を含めても5%くらいかなぁ」

日向「じゃあほとんど大丈夫なんだな。心配することもないのか」

不二咲「……あのね、日向君。一応言っておきたいことがあるんだ」

日向「…なんだ?」

不二咲「さっき僕が言ったことの半分以上は本心なんだよ」

日向「…!」


不二咲「どんなに可能性が低くてもね、事故の可能性は0じゃないんだ」

不二咲「日向君に犠牲になれっていうわけじゃないんだけどね…これだけは約束して欲しいんだ」

日向「…約束?それっていったい…?」

不二咲「何があっても七海さんを守ってあげて欲しいんだ」

不二咲「それが約束できないなら日向君を認めることはできないよ」

日向「…わかった、約束する。必ず七海を守ってみせるよ」

不二咲「ありがとう、日向君」

不二咲「あ、でもおおげさなこと言っちゃったけど安心してねぇ」

不二咲「ちゃんと2人のサポートは僕たちがするからね」

日向「…僕たち?」

不二咲「うん、ゲーム開発は僕ひとりだけじゃなくて他にも大勢の人が関わってるからね」

不二咲「日向君にはこれからその全員に会ってもらうよぉ」

日向「ぜ、全員?」

不二咲「みんな七海さんのこと大切にしてるから僕以上のこと言われると思うけど頑張ってねぇ」

日向「な…なんだって…」

不二咲「それから今日からテストプレイの日までは時間がないから…」

不二咲「1日16時間みっちり仮想世界の疑似体験と講習をうけてもらうよ」

日向「16時間!?ちょっとやりすぎじゃないのか?」

不二咲「それから寝てるときもきっちり検査を受けることになるからねぇ」

日向「…マジかよ」





――――
――


七海「次の日」


澪田「イヤッホォーーーーー!!見舞いにきたっすよ!」

罪木「澪田さん!大きな声あげちゃ駄目ですよぉ!」

小泉「久しぶり、千秋ちゃん」

七海「あれ?みんな?ひさしぶりだね」

ソニア「来ちゃいました」

終里「へへ、思ったより元気そうじゃねぇか」

七海「うーん、そうかな?」

小泉「いきなり押しかけてごめんね、大丈夫だった?」

七海「うん、みんなが来てくれて嬉しいよ」

西園寺「お花持ってきてあげたよ。七海おねぇは体のどこに刺して欲しいのかな?」

七海「花って体に刺すものだっけ?難易度高いね」

罪木「うふふ、今花瓶もってきますねぇ」

七海「ありがとう、ところで今日はみんなどうしたのかな?」

小泉「やだなぁ、ただ友達に会いに来ただけじゃない」

西園寺「七海おねぇに彼氏ができたって聞いたからちゃかしにきたんだよー」

澪田「その辺どうなんすか?やっぱり彼氏なんすか?2人は付き合っちゃてるんすか?」

七海「彼氏…?もしかして新作のゲームの話とか?」


ソニア「これはもしかして今はやりの私の嫁はゲームキャラってやつでしょうか?」

辺古山「相変わらず深刻なゲーム脳のようだな」

小泉「えーと…名前はなんて言ったかな…ひなんとかって名前だったと思うけど」

終里「ひよことかか?」

西園寺「終里おねぇは相変わらず馬鹿だねー。一度脳の検査してもらった方がいいんじゃないかな?」

七海「…ああ、もしかして日向君のことかな?」

小泉「そうそう、その日向ってヤツ!最近毎日会ってるって聞いたけどそこのとこどうなの?」

澪田「そもそも病院暮らしの千秋ちゃんがどうやってその男の子と出逢ったんすか?」

七海「質問攻めだね…じゃあ日向君と出会ったところから話そうかな…」

罪木「うふふ、花瓶持ってきましたよぉ…きゃあ!」スッテン

終里「おっと危ねえ!…花瓶が割れるところだったじゃねえか」

罪木「あ、ありがとうございます。てへへ」

ソニア「そういえば罪木さんもその男の子と仲がいいそうですね」

罪木「え、え?どういうことですか?」

西園寺「ゲロブタも問い詰めないといけないね。どんな風に痛めつけたら吐いてくれるのかな?」

罪木「な、何の話ですかぁ!?」



――――
――

七海「そんなこんなで私と日向君は出会って今に至るというわけなんだよ」

澪田「運命的な出会いっすね…青春っす…」

小泉「ふーん、ところで千秋ちゃんはソイツのこと好きなの?」

七海「うん、好きだよ」

罪木「!?」


七海「日向君は私の大事な友達だからね」

罪木「な、なんだそういうことですかぁ」

辺古山「いや、今のはそういう意味で聞いたのではないと思うが…」

七海「そういう意味?どういう意味だろう?」

辺古山「そ、それは…だな…」

七海「もしかして辺古山さんが九頭龍君に抱いてる気持ちみたいな?」

辺古山「ま、待て!私は別に九頭龍とはそういう関係ではないというかなんというかそれはそのひじょうにあれであれな問題で…」

澪田「おやおや?ペコちゃんが珍しく慌ててるっすね!」

西園寺「あーやだやだ。これだから彼氏持ちはウザいんだから」

辺古山「違うぞ!別に九頭龍とは彼氏とか彼女とかそういう関係ではなくただの幼馴染であってだな!」

終里「なんだぁ?オメー顔が真っ赤かだぞ」

ソニア「ふふふ、わたくしには幼馴染さんがいないのでうらやましいですわ」

小泉「さっさと付き合っちゃえばいいのに」

辺古山「い、いいかげんこの話はやめにしないか?」

七海「でも私はみんなのこともっとよく知りたいな」

罪木「それで九頭龍さんとはどうなんですかぁ?」

辺古山「うぐ…それは…」

七海(…まあ本当はみんなが聞きたがってることはわかってるんだけどね)

七海(でも私は恋愛なんてしたことないし…自分の気持ちもよくわからないんだよね…)


七海(そういえば日向君は大丈夫かな…)

七海(不二咲君にはいろいろと頼んじゃったけど、きっと日向君なら乗り越えてくれるよね)

七海(日向君なら無茶なこと言われてもやってくれる気がするし…)

七海(いや、これは私の願望かな…日向君に対する…)

七海(もしかしたら私本当に日向君のことが…)

罪木「七海さん!七海さんってばぁ!」

七海「……」

罪木「七海さぁーん!!」

七海「……はっ、どうしたの?罪木さん」

罪木「そろそろ検査の時間になりますよぉ」

小泉「え、もうそんな時間なの?」

ソニア「残念です…もう少しお話したかったのですが…」

七海「…そっか、今日はみんな来てくれてありがとう」

辺古山「いや、私達も会えて楽しかったよ」

澪田「心惜しいっすがもう帰るっすかね。…会いたくなったらいつでも駆けつけるっすよ」

西園寺「今度来るときまでにゲームオーバーにならないように気をつけるんだよー?」

七海「うん、わかってるよ。みんな…またね」

とりあえず今日はここまで
明日か明後日までには回想終わらせたい


日向「……ふ」

日向「ふふふふふふふふふふふふ」

日向「まさか七海のヤツがこんなに過酷なことをしていたとは思わなかった…」

日向「正直テストプレイとかいうのを舐めてたぜ…」

日向「短期間で詰め込んでるからつらいってのもあるだろうが…」

日向「それでも一朝一夕ではいかないぞ…こんなの…」

日向「超高校級の名は伊達じゃないってことか…」

日向「少し休憩したらまた行かなきゃな…」

日向「…あれ?あそこにいるのは罪木か?」





終里「なんだか思ってたより元気そうでよかったな」

ソニア「そうですわね、今日は貴重なお話も聞くことができましたし」

澪田「そうそう!ペコちゃんのらーぶらーぶな話とかっすね!」

辺古山「私のことはもういいだろ…そ、それより罪木の話とかどうだ?」

小泉「そうねぇ、結局さっきは聞きそびれちゃったけどさ蜜柑ちゃんはどうなのよ」

罪木「えっ、何のことでしょうか…」

澪田「もちろん例の彼のことっすよ!」

澪田「千秋ちゃんは特に興味なさそうだったっすけど…蜜柑ちゃんはどうなんすか?」

罪木「わ、私は別に日向さんとはそういう関係ではないですよぉ」

西園寺「そりゃそうだよ、罪木なんて見た目も性格もブサイクなんだから」

罪木「やっぱりそうですよねぇ…」

西園寺「あー、でもでも逆にゲロブタと予備学科ならちょうど釣りあうしお似合いかもね」

罪木「ふえぇ?私と日向さんが…?」


小泉「まったく日寄子ちゃんももう少し素直に応援してあげればいいのに」

西園寺「ち、違うってば!別にそういう意味で言ったんじゃないって!」

罪木「西園寺さん、ありがとうございます」

西園寺「だーかーらー!違うっての!バカ!アホ!罪木なんてさっさと振られろ!」

罪木「えへへ、私と日向さんがお似合い…えへへ…」

終里「なんだオメー、そのひなちゃんとかってヤツが好きなのか?」

罪木「…そうかもしれませんね。私は日向さんのことがす…」

日向「よっ、罪木!こんなところでなにしてるんだ?」

罪木「……」

日向「…罪木?」

罪木「ひひひひひひ日向さん!?いつからそこにいたんですか!?」

日向「いや、ついさっきだけど」

罪木「もしかしてさっきの話聞いてましたか!?」

日向「いや、何も聞いてないぞ…俺に聞かれちゃまずい話でもしてたのか?」

西園寺「それはねぇ、罪木のヤツが…」

罪木「だ、駄目ですよぉ!!言っちゃ駄目ですってばぁ!」


小泉「へぇ、これが日向君ねぇ。近くで見ると…やっぱり普通ね」

日向「えーと、君達は罪木の友達か?」

澪田「そうっすよ!罪木ちゃんのクラスメイトの唯吹っす!」

ソニア「わたくしはソニア・ネヴァーマインドと申します。あなたは日向創さんですよね?」

日向「ああ、俺の名前は日向創。よろしくな」

小泉「アタシは超高校級の写真家の小泉真昼よ。あ、どうせだから写真撮ってあげよっか?」

日向「いや、悪いけど俺はもう行かなきゃいけないから…」

小泉「いいからいいから、すぐ終わるからさ。蜜柑ちゃんとツーショット撮ってあげるよ」

罪木「ふゆぅ…私もですかぁ?」

小泉「ほらほら、そこに並んでよ!」

罪木「あ、ちょっと待ってください…きゃあ!」ドテ

日向「うわ!」バタ

澪田「おお!創ちゃんが蜜柑ちゃんを押し倒す感じに!」

西園寺「相変わらず罪木はどんくさいねぇ、ぷぷぷ」

小泉「これはシャッターチャンスね」パシャ!


日向「痛てて…大丈夫か?」

罪木「大丈夫です…うう、すいません」

日向「そういえば最初に会ったときもこんな感じだったな」

罪木「えへへ、そうでしたねぇ」

辺古山「…おい、いつまでそうしてるつもりだ?」

日向「え…あ、す、すまん!」

罪木「あ、いえ、私はこのままでも…えへへ」

日向「そうだ!俺はもう行かなくっちゃいけないんだった!」

ソニア「もう行かれるのですか?」

日向「ああ、すまん!またな!」サッ

澪田「ありゃりゃ、もう少し話したかったんすけどね」

西園寺「なんだか冴えないヤツだったよねー」

終里「そうだな…アイツからは強さはまったく感じなかったぜ」

小泉「そうねぇ…蜜柑ちゃんはアイツのどこがいいわけ?」

罪木「えへへ…日向さんに…ふふふ…」

辺古山「…これは大丈夫なのか?」


――――
――



―――テストプレイ前日

→病室

七海「…いよいよ明日だね。日向君の方は順調なんだよね?」

不二咲「うん、七海さんのために頑張ってるよぉ」

七海「そっか…日向君にはちょっと悪いことしちゃったかな…」

不二咲「日向君はそんな風に思ってないんじゃないかな」

七海「そうかな?今回日向君を巻き込んだのなんてほとんど私のわがままみたいなものなんだよ?」

不二咲「でも日向君は七海さんの力になれるなら嬉しいと言ってたよぉ」

七海「…日向君はなんだかんだで優しいからなぁ。ついつい甘えちゃうんだよね」

不二咲「大丈夫だよ。七海さんが思ってるほど日向君は気にしてないからね」

七海「…ねえ、不二咲君」

不二咲「…なにかな?」

七海「不二咲君って好きな人とかいる?彼女さんとか彼氏さんとかいないの?」

不二咲「ええ!?突然どうしたの!?」

七海「いや、私って恋愛とかしたことないから誰かに聞いてみたくて」

不二咲「ぼ、僕も恋愛とかはちょっとよくわからないかな…ごめんねぇ」


七海「うーん、やっぱり難しいよねぇ」

不二咲「そうだねぇ…でも七海さんは恋愛ゲームとか得意じゃないのぉ?」

七海「ふっふっふ、リアルとゲームを一緒にしちゃ駄目だよ」

不二咲「…ゲーム脳の七海さんがそれをいうんだね」

七海「まあ、恋愛ゲームも苦手なんだけどね」

不二咲「リアル…てことは七海さんは今恋でもしてるの?」

七海「…うーん、よくわからないかな」

不二咲「七海さんが考えてる相手って日向君のことだよね?」

七海「…うーん、どうなんだろうね?」

不二咲「…本当に自分でもよくわかってないんだね」

七海「ゲームだったらここで選択肢がでるかはっきりとルートが分かれるはずなんだけど…」

不二咲「そんなに焦って答えを出さなくてもいいんじゃないかな」

七海「…?」

不二咲「僕が偉そうに言える事じゃないかもしれないけど…」

不二咲「すぐに答えを出そうとするときっと間違えちゃうから…」

不二咲「もっと悩んで悩んで悩んだすえに答えを出してもいいんじゃないかなぁ」

不二咲「きっと七海さんにとっては大事な問題だと思から、時間をかけて悩んだほうが納得できるのかもしれないと僕は思うよぉ」


七海「…なんか不二咲君がすごく難しいことを言ってるよ」

不二咲「ええ!?ごめんねぇ」

七海「でも悩みがひとつ解決したような気がするよ」

七海「私ってこんな体だしいつ死ぬかもわからないから…焦ってたのかもしれない」

不二咲「七海さん…」

七海「ありがとう、なんだかすっきりしたよ」

不二咲「うん、どういたしまして」

七海「明日はよろしく頼むよ。私と日向君の命運は不二咲君たちに任されてるんだから」

不二咲「まかせてよ!こちらこそよろしくねぇ」

七海「ふあぁ…安心したら眠くなってきちゃったよ」

不二咲「じゃあ、僕はもう帰るねぇ」

七海「うん、また明日ね」


七海「…明日、日向君に会える」

七海「日向君に会ったらなに話そうかな?」

七海「数日しか会ってないはずなのに話したいことがたくさんあるよ」

七海「…早く会いたいなぁ」

七海「さて、考えてたら眠れなくなっちゃうからもう寝ようかな…」

七海「…あれ?なんかドアの隙間に挟まってるぞ」

七海「なんだろう?…写真?」

七海「これって日向君と…罪木さん?」




――――
――

とりあえずここまで
回想明日で終わる気がまったくしない、でも急に終わるかもしれない


――――テストプレイ日

→研究所?

七海(…昨日ドアに挟まってた写真はなんだったんだろう?)

七海(もしかして日向君と罪木さんて付き合ってるのかな?)

七海(なんだか胸が少し痛いよ…)

七海(いや、でも私ってしょっちゅう胸痛くなることあるよね。こう見えて病人だし)

日向「あ、七海じゃないか」

七海「日向君。久しぶりだね」

日向「ああ、まさかこんなことになるとは思ってなかったけどな」

七海「ごめんね…急にこんなことにつき合わせちゃって…」

日向「気にするな、俺は好きでやってるだけなんだからな」

日向「それにお前のことも少し理解することができた気もするしな」

七海「私のこと…?」

日向「七海ってただのゲームオタクだと思ってたけど…」

日向「お前って凄いヤツだったんだな…正直少し見くびってたよ…」

七海「え?急にどうしたの?そんなこと言われると照れちゃうな」

七海「日向君もなんだか覚醒したように見えるよ」

日向「ああ…まあいろいろとあってな…」

七海「…?」


罪木「おはようございます。七海さん、日向さん」

七海「おはよう、罪木さん」

日向「おはよう、罪木。今日はお前も一緒なんだな」

罪木「えへへ、七海さんの付き添いとして特別にいさせてもらったんですぅ」

七海「罪木さんは超高校級の保険委員だからね、いざという時のために同行してもらってるんだよ」

日向「さすがだな。やっぱりみんな超高校級の才能を持ってるだけのことはあるよ」

罪木「そんなことないですよ、日向さんだって頑張ってたじゃないですかぁ」

日向「いや、俺が頑張れたのはお前達のおかげだ」

罪木「ふふふ、そんなことないですってばぁ」

七海(うーん…やっぱり罪木さんと日向君は仲良さそうだな)

七海(そういえば日向君が最初に病室に来たときも罪木さんが来てから…)

七海(もしかして今回参加してくれたのも罪木さんのためだったり…?)

七海(あ、昨日考え事して眠れなかったせいか、すげぇねみぃ…)

七海(……zzz)

日向「なんだまた寝てるのか?よく立ったまま眠れるな」

七海「…zzz」

罪木「きっと昨日は緊張して眠れなかったんですよ」

七海「…zzz」





――――
――



七海「きっとこれで最後だね」


ナナミ『最後?最後ってなんのことかな?』

七海「本来出会うはずのない私達がこうして夢の中で話することだよ」

ナナミ『そっか、これで最後になるんだね』

七海「うん、だから君にお願いしたいことがあるんだ」

ナナミ『お願いしたいこと?なにかな?」

七海「もちろん日向君のことだよ。私はもうすぐいなくなっちゃう…と思うからね」

ナナミ『…でもこのままいけば日向君はちゃんと更正できると思うよ』

七海「うん…それならいいんだけどね…」

ナナミ『何か心配なことがあるの?』

七海「もしかしたら…日向君は…乗り越えられないかもしれない」

ナナミ『……』

七海「だからもし日向君がつまずきそうになったら背中を押してあげて欲しいんだ」

ナナミ『わかったよ、日向君のことはまかせて。もちろん他のみんなもね』

七海「ごめんね…きっと君にとってはつらい選択だと思う」

ナナミ『いいの、私は誰かに言われてそれをしたいと思ったわけじゃないから』

ナナミ『私が自分で選んだ選択だから、きっと後悔はしない…と思うよ』

七海「…ありがとう、日向君をよろしくね」

七海『うん、後は任せてね』




――――
――



七海「…は、もしかして私今寝てた?」

日向「もしかしなくても寝てたぞ」

罪木「寝顔可愛かったですよ、ヨダレたらしてて」

七海「ありゃりゃ、恥ずかしいなぁ」

不二咲「みんな、おはよう」

七海「ふあぁ…おはよう、お父さん」

不二咲「お父さん…?」

罪木「七海さんてば完全に寝ぼけちゃってますねぇ」

日向「先生をお母さんとか言っちゃうあれだな」

罪木「でも普通お父さんじゃなくてお母さんと間違えますよね」

七海「ああ、それは…」

不二咲「そ、その話はもういいんじゃないかなぁ」

不二咲「それよりいよいよ今日はあのゲームをプレイしてもらうよぉ」

日向「ああ、準備はバッチリだ。いつでもオーケーだぞ」

七海「私もオッケーだよ」


不二咲「…よし、これで準備完了だよ。2人とも覚悟はいいかな?」

日向「…大丈夫。いつでもやってくれ」

七海「………」

日向「どうした?怖いのか?」

七海「…うん、怖いよ」

日向「心配するな。いざとなったら俺がなんとかしてやるって」

七海「…そうだね、じゃあその時はよろしくね」

罪木「頑張ってください、私は無事シミュレートが終わることを祈ることしかできませんけど…」

罪木「精一杯応援します!あ、なんなら願掛けに脱いだほうがいいですか!?」

日向「いや、やめてくれ。心の中で応援してくれればそれでいい」

罪木「はい!これが終わったらクラスのみなさんも誘って打ち上げでもしましょうね」

七海「うん、行ってくるね」

不二咲「じゃあ、始めるね。……」

七海(ついに始まるのか…日向君たちのことも気になるけど今はこっちに集中しなくちゃね)

七海(あ…なんだか…急に…目の前が…)


→????


日向「七海…大丈夫か?…七海?」

七海「………誰?」

日向「…!お前まさか記憶が!?」

七海「…なんだ日向君か。おはよう」

日向「お前…びっくりさせるなよ」

七海「めんごめんご…どうやらちゃんと仮想世界に来れたみたいだね」

日向「そうだな…確かまず最初に希望ヶ峰学園の教室に来るはずだったな」

七海「ここがそうだね…ふふふ」

日向「どうしたんだよ」

七海「この後は案内役の教師が来るよね」

日向「ああ、たしかブサイクなウサギのぬいぐるみだったか…」

七海「……」

日向「どうしたんだよ?」

七海「…ウサミのデザインを考えたのは私なのに」

日向「え、そうなのか?それは初耳だぞ」

七海「もう日向君なんて知らない」

日向「そんなに拗ねるなって…」

ウサミ「あれれ?喧嘩でちゅか?」

ほとんど進まなかったけど今日はここまで


七海「あ、君がウサミだね」

ウサミ「そうでちゅ!あちしがミナサンの案内役のウサミでちゅ!」

日向「お前がウサミか…よろしくな」

七海「よろしくね、ウサミ」

ウサミ「はい、よろしくでちゅ。2人ともすでに説明は受けてると思いまちゅがあらためて説明するでちゅ」

ウサミ「あ、間違えたでちゅ。説明役はアルターエゴがしてくれまちゅ」

日向「アルターエゴ…たしか人工知能プログラムのことだな」

七海「実は私をモデルにしたアルターエゴも開発中なんだよ」

日向「モデル…?つまりゲームに特化したアルターエゴってことか?」

七海「それは違う…と思うよ。実際にアルターエゴを見ればわかるかな」

ウサミ「もうすぐ来ると思うんでちゅが…」


ジ…ジジジ…ジジ……


七海「どうやら来たみたいだね」

日向「…え?不二咲じゃないか…不二咲もここにログインしてきたのか?」

アルターエゴ「僕はアルターエゴ。不二咲千尋は僕を作ってくれたご主人タマだよ」


日向「てことは不二咲じゃないのか?」

アルターエゴ「うん、僕はご主人タマをモデルに作られただけで不二咲千尋本人ではないんだぁ」

七海「久しぶりだね、あるたん」

アルターエゴ「うん、こうして仮想世界で会うのは初めてだけどね」

七海「それにしてもこうして見ると本当に不二咲君そっくりだね」

日向「これがアルターエゴか…七海のアルターエゴもこんな感じなのか?」

七海「たぶんこんな感じになるはず…だと思うよ」

ウサミ「さて、これで全員揃いまちたね!じゃあこの世界についての説明をお願いするでちゅ!」

アルターエゴ「うん、まずは…ここがゲームの世界ってことはもうわかってるよね」

アルターエゴ「僕はこのゲーム世界の管理人ってところかな」

アルターエゴ「あくまで僕の役目は管理だからみんなと一緒には歩いて回ることはできないんだけど…」

アルターエゴ「変わりにウサミが教師役として案内してくれるよ」

ウサミ「よろしくでちゅ!」


アルターエゴ「この仮想世界の舞台は希望ヶ峰学園になってるんだ」

アルターエゴ「2人にはこれからこの学園内を散策してもらうよ」

アルターエゴ「学園内を一通り回ったらそれで終わり。最初のテストプレイは終わりだよ」

日向「散策か…一応学園内の物は自由に触ることができるんだよな?」

アルターエゴ「うん、ただここで自分に起きた事象は現実世界にいる自分にも影響がでる可能性があるから気をつけてね」

アルターエゴ「特に七海さんは無理は絶対にしないこと。…といっても現実世界と体は変わらないと思うから大丈夫だとは思うけどねぇ」

七海「なるほど…たしかに仮想世界とかではありがちなゲーム世界では病気が治ってるとかそういうのはなさそうだね」

日向「そうなのか?どっちにしろ無理はしないようにしろよ」

七海「うん、いざとなったら日向君におんぶしてもらって散策するから大丈夫だよ」

日向「お、おう。まかせとけ」

アルターエゴ「いざというときはいつでもログアウトできるから本当に無理だけはしないでね」

アルターエゴ「それと2人には電子生徒手帳を渡しておくね」


日向「これが電子生徒手帳か…」

アルターエゴ「これには学園内のあらゆる情報が入ってるよ」

アルターエゴ「それからそれを使えば僕やウサミを介さなくても自力でログアウトできるはずだから覚えておいてね」

日向「ああ、わかったよ」

アルターエゴ「僕からはこれくらいかな…2人とも講習はしっかり受けてきたと思うし…」

七海「うん、あとはまかせてよ」

アルターエゴ「そうだね、じゃあ後はウサミの指示に従って行動してね」

アルターエゴ「僕は管理に戻るけど…いつでも見てるからなにかあればすぐ駆けつけるよ」

アルターエゴ「それじゃあ、またね」


ジ…ジジジ…ジジ……


ウサミ「さあ、2人とも準備はよろしいでちゅか?さっそく行きまちゅよ!」

七海「準備オッケーだよ」

日向「俺も準備万端だ」

ウサミ「先生の後をしっかりついてくるんでちゅよ!はぐれても電子生徒手帳を使えば通信できましゅからね!」

とりあえずここまで


――――
――



七海「本当に希望ヶ峰学園そのものだね…何も言われずにこの世界に連れてこられたら仮想世界だってことに気がつかないんじゃないかな」

日向「そうかもしれないな…自分の体もまるで本物のように感じる」

七海「視覚、聴覚、触覚、嗅覚…味覚はちょっとわからないけど五感までリアルそのものだよ」

日向「ここで起きたことが現実の自分にも影響するというのは本当っぽいな」

七海「だからこそいろいろな可能性があるんだよ…怖くもあるけどね」

日向「これをゲームとして使うなら現実の自分に影響がないようにしなきゃいけないよな」

七海「うん、今のままだと剣や槍で一突きされるだけで死んじゃうし改良が必要だよね」

日向「いや、俺が言いたいのはそういうことじゃないんだが…」

七海「魔法とか使えるようになるといいよね、できればステータスが数値化されてると嬉しいな」

ウサミ「一応ミナサンのデータは数値化してありまちゅけどね」

日向「ステータスか…それってどれくらい数値化されているんだ?」

ウサミ「そうでちゅね…身長、体重はもちろんその他…」

七海「待って、そうやって日向君は私のデータを探ろうとしてるんだね」

ウサミ「ええ、そうだったんでちゅか?女の子の秘密を探ろうとするなんて駄目でちゅよ」

日向「それは違うぞ!」


日向「いや、興味ないことはないが別に今のはそう意味で聞いたんじゃないぞ」

七海「え、冗談で言ったのに本当に興味あるの?」

日向「そ、それは…ところでゲームの中ではお前眠くないのか?」

ウサミ「ひどい誤魔化し方でちゅ」

日向「い、いいだろ、別に」

七海「…眠いけど寝るわけにはいかないからね」

日向「ま、そうだよな。あはははははは」

七海「ところでさっきの話に戻るけど…」

日向「それは違うぞ!ところで七海って…」

ウサミ「2人ともらーぶらーぶするのもいいでちゅが次の教室に着きまちたよ」

日向「ほら、次の教室だそうだ」

七海「……」

ウサミ「じゃああちしの後を着いてきてくだちゃいね」スッ

日向「情報処理室か…七海はここに入ったことあるか?」

七海「私はないかな…はじめて入るよ」

日向「そうか…とりあえず入ってみるか」

七海「…うん」


→◇情報処理室?◆

日向「……」

七海「……」

日向「ここって本当に情報処理室なのか?モノクロタイルで敷き詰められた床と壁しかないぞ」

七海「うーん、おかしいなぁ。ウサミもいないよ」

日向「…!おい!さっき入ってきた扉がなくなってるぞ!」

七海「もしかして変なところに迷い込んじゃったのかな?」

日向「とりあえず電子生徒手帳で状況を確認するか……?」

七海「画面が表示されないね…これは困ったよ」

日向「これじゃあログアウトもできないんじゃ…」

七海「ウサミと通信することもできないね」

日向「と、とりあえず出口を探すぞ!もしかしたらどっかから抜けられるかもしれない」

七海「うん、そうだね…」

日向「大丈夫だって、きっとこの異変にみんな気付いてくれてるはずだ。すぐに出られるさ」

日向(いったい何が起きたんだ?とにかく七海は俺が守らないと…!)


→現実世界

不二咲「あ、あれ!?おかしいよ?何が起きたの!?」

[ウサミ]「情報処理室に入ろうとしたらなぜか2人が消えたでちゅ」

不二咲「情報処理室?2人とは連絡はつかないの?」

[ウサミ]「それが…まったく反応してくれないんでちゅ」

不二咲「そ、そんな…アルターエゴ、今2人がどうなってるのかわかるかな?」

[アルターエゴ]「ご主人タマ、2人はこの仮想世界の中にはどこにもいないことになってるみたいだよ」

不二咲「どこにもいない…?もしかして2人のデータが消えちゃったってこと?」

[アルターエゴ]「ううん、おそらく2人は無事のはずだよ…もしかしたら僕たちが作った希望ヶ峰学園の中じゃなくて別の空間にいるのかもしれない」

不二咲「そっか…もしかしたらその可能性はあるかもしれない」

[アルターエゴ]「希望ヶ峰学園とはリンクしていないはずの空間データを探ってみるよ」

不二咲「うん、頼むね。とりあえずウサミは学園内を探してくれるかな?」

[ウサミ]「わかりまちた。必ず探し出して見せまちゅよ」

不二咲「さて…僕はプログラムに異常がないか調べなくっちゃ…二人とも待っててね」



――――
――


日向「……」

七海「……」

日向「…俺たちがここに閉じ込められてからどれくらい時間が経ったんだろう」

七海「……」

日向「…七海?大丈夫か?」

七海「…zzz」

日向「…寝てるのか、でも現実世界ではもう夜になってるかもな」

七海「…zzz」

日向「そういえばお腹がすいてきたな…この世界でも腹は減るんだな」

七海「…zzz」

日向「…もしかしてこのまま閉じ込められていると餓死することもありえるのか?」

七海「…zzz」

日向「…いや、そうなる前にここから絶対に出るぞ」

七海「…zzz」

日向「絶対に…絶対にお前のことを守ってやるからな」

七海「…うん」


日向「なんだ起きてたのか」

七海「今、目が覚めたところだよ」

日向「いいから寝てろ、今俺たちにできることはなさそうだし体力を温存しておいたほうがよさそうだ」

七海「もう十分寝ちゃったよ…それよりせっかく2人きりになったんだし少しお話しようよ」

日向「おいおい、こんな時に何言ってるんだよ」

七海「こんな時だからだよ…正直…怖かったんだよ…」

日向「…七海?」

七海「ごめんね…私のせいでこんなことに巻き込んじゃって…」

日向「気にするな、お前のせいじゃないって」

七海「違うんだよ…私のせいなんだよ…私のわがままのせいで…」

日向「……」

七海「私ね…いままでは自分が死ぬこととか怖いと思ったことなかったんだ」

七海「いつ死ぬかもわからない体だし…いつ死んでもいいかなって…」

七海「でもね、最近それがすごく怖くなって…なんでかな?」

七海「ねえ、日向君は“生きること”ってどういうことだと思う?」

日向「生きること…?」

とりあえずここまで
書くのがつらいから明日こそ回想終わらせる

ハッピーエンドかどうかの判断は人によるかも
バッドエンドではない


七海「そう、生きること。生きてるってどういうことなのかな」

日向「…あまり深く考えたことはないな」

七海「アルターエゴに似たようなことを聞いたことがあるんだ」

日向「似たようなこと?」

七海「現実世界に生きてる私たちとアルターエゴやウサミのようなプログラムってどう違うのか」

日向「人間とプログラムだったらいろいろと違うんじゃないか?」

七海「でも日向君も見たでしょ?あるたんやウサミを」

日向「たしかに一見すると本当に生きてるようにも見えるが…」

七海「人工知能プログラムも私達と同じように自分で考えて行動することができるらしいよ」

日向「…俺たちもアイツラもそんなに変わらないってことか?」

七海「うーん、そうだといいんだけどちょっと違うんだよね」

七海「人間はね、0からでも何かを生み出せる…つまり未来を創ることが出きるんだって」

日向「でもそれはアイツラだって同じじゃないのか?」

七海「プログラムはある程度決められたことしかできない…自分で考えて行動するといっても与えられた選択肢の中から選ぶことしかできないんだってさ」

日向「そういうものなのか?よくわからないな」

七海「私もよくわからないんだけどね」

七海「とにかく生きるってことは未来を創っていくことなんじゃないかなって思うんだ」

日向「未来を創る…か。でも未来ってなんなんだろうな」

七海「それはこれから考えていくしかないかな…でも私のせいでそれもできないかもしれないよね」

七海「だから…こんなところに日向君を無理やり連れてきちゃって…ごめんね」


日向「…それは違うぞ」

七海「……」

日向「俺がこのプロジェクトに参加したのは俺自身が決めたことだ」

七海「…でも」

日向「この際だからはっきり言うぞ。俺は七海のことが好きだ」

七海「…え?ど、どういうことかな?」

日向「だから俺は七海のことが好きだから…七海の役に立ちたいと思ったから参加しようと思ったんだ」

七海「……あ、そうか。うん、私も好きだよ…友達として」

日向「いや、そうじゃなくてだな…その…」

日向「俺は…お前のことを…その…」

七海「…?」

日向「その…一人の女性として好きだ」

七海「……?…?」

七海「……!?え?もしかして私のこと?」

日向「そうだよ、お前のことが好きだ」


七海「で、でも日向君は罪木と付き合ってるんじゃないの?」

日向「罪木と?いや、そんなことはないが…」

七海「でも私は証拠写真をもってるんだよ。日向君が罪木さんを押し倒してる写真をね」

日向「俺が…?ああ、それは違うんだ」

七海「違う?違うって何が違うのかな?」

日向「あ、あれは事故だったんだよ。罪木のドジっぷりはお前も知ってるだろ?」

七海「じゃあ本当の本当に罪木さんとは何もないの?」

日向「当たり前だろ。俺が好きなのはお前なんだから」

七海「……そ、そっか」

日向「で、どうなんだよ?」

七海「え、えーと、ちょっと待って。心の整理がつかないというかなんというか…」

日向「………」

七海「………」

日向「………」

七海「……うん、私も日向君のこと好きだよ」


七海「日向君て以外と単純で変なところ熱血でだけど少し弱いところもあって…」

七海「そしてこんな私にも優しくしてくれて…そんな日向君のことが好きだよ」

日向「七海…俺もお前のことが好きだ」

日向「いつも寝てばっかりでゲームが大好きでなんでもゲームに結びつけて考えたりして…」

日向「でも俺が持っていないような才能や強さも持っていて…正直嫉妬もしたりするけどそんなところを尊敬してる」

日向「そんなお前のことが好きだ…だからここから必ず2人一緒に出るぞ」

七海「…うん、ありが…と…日向…く……」

日向「…!?どうした!?大丈夫か!?」

七海「なん…か…告白しちゃったら…すごく…疲れちゃった…みたい…」

日向「そうか…あとは助けが来るまでしっかり休んだほうがいい」

七海「…眠い…なんだか眠いよ…」

日向「七海…?」

七海「………」

日向「七海?なんだか顔色が悪いぞ、本当に大丈夫なのか?」

七海「………」

日向「七海!しっかりしろ!」

七海「………」

日向「七海、もうすぐ助かるはずだ!だからそれまで…」












[七海千秋、日向創の両二名を発見。ただちにログアウトを開始します]




――――
――


→???

日向「……ん…ここはどこだ?……!七海はどこだ!?」

罪木「あ…日向さん!目が覚めたんですね!」

不二咲「本当に!?よかったぁ」

日向「えーと…お前は本物の不二咲か?罪木もいるってことはここは現実世界なのか?」

不二咲「そうだよ、現実世界に戻ってきたんだよ」

日向「…七海は?七海は無事なのか!?」

罪木「そ、それが…まだ目を覚まさなくって…」

日向「なんだって?ちゃんとログアウトはできたのか!?」

[アルターエゴ]「うん、ログアウトは成功したはずだよ」

日向「アルターエゴ…じゃあなんで七海はまだ目を覚ましていないんだ!?」

[アルターエゴ]「ご、ごめんね。たしかに現実世界に意識が戻ってるはずなんだけど…」

日向「くっ、七海はあそこか!俺が今すぐ起こしてやるぞ!」

不二咲「あ、待って!日向君!」

日向「何悠長なことを言ってるんだ!早く起こさないと七海が…」

不二咲「で、でも無理に起こそうとすれば何が起きるかわからないんだ…七海さんが自然に目を覚ますのを待つしかないよ」

日向「うぐ…俺には何もできないのか?」

七海「……」

日向「七海、起きてくれ。2人で一緒に戻ると約束しただろ」

七海「……」

不二咲「日向君…七海さん…」

日向「頼む…頼むから起きてくれ…」

七海「……ふあぁ」


日向「…七海?」

七海「ねみぃ…あ、日向君。おはよう」

日向「七海…!無事だったのか、よかった」

七海「うん、2人で戻るっていう約束だったもんね」

不二咲「よ、よかったぁ…一時はどうなるかと思ったよ」

罪木「本当に心配しましたよぉ…うう…よかったですぅ…」

七海「心配させてごめんね…もう…大…丈夫…だから…」

日向「…七海?」

七海「あ…これまずいかも…しれな…」バタッ

不二咲「七海さん!?大変だよ!今すぐ病院に運ばなくっちゃ!」

日向「七海!しっかりしろ!」

七海「………」

罪木「今連れて行きます!七海さんのことは私にまかせてください!」

日向「待ってくれ!俺も付いていくぞ!」

罪木「だ、駄目です!日向さんも帰還したばかりなんですから無理はしないでください」

日向「でも…俺が付いてやらないと…」

罪木「いいから私の指示にしたがってください!七海さんのためです!」

日向「く…わかった、七海のことはお前にまかせたぞ」

罪木「はい!それじゃあ行きますよ、七海さん」

七海(……ああ、私もしかしてこのまま死んじゃうのかな?)

七海(日向君ともう一度お話したかったな…)

七海(ごめんね……日向君……)







――――
――


日向「…七海が死んだ」

日向「結局七海が病院に運ばれた後一度も意識を取り戻すことはなく亡くなった」

日向「どうしてこうなったんだ?俺は七海のことを守るって決めたのに…」

日向「どうして七海のことを助けることができなかったんだ?」

日向「結局仮想世界で起きたことの原因もわからずじまいだった…」

日向「もしかして俺が原因なのか?俺なんかが関わったばっかりに…」

日向「…そうだよな。元はといえばすべて俺のせいなんだよな」」

日向「特別才能を持ってるわけでもない俺なんかが関わったせいで…」

日向「もし俺が才能を持ってたらこんなプロジェクトに関わることもなかったし七海を助けることができたかもしれない…」

日向「………」

日向「…そうだ…あるじゃないか。才能を手に入れる方法が…」

日向「七海の死を無駄にするわけには行かない…だから才能を手に入れて未来を創るんだ」

日向「たとえ俺が俺じゃなくなってもかまわない…」

日向「才能さえ…才能さえあれば…」


――――


「ああ、みんな私のまわりからいなくなっちゃいました」

「七海さんは死んじゃって日向さんも自主退学したそうですし…」

「私になんの相談もなく自主退学したってことは私なんてどうでもいい存在だったってことですよね」

「…結局私は誰からも愛されていなかったんですね」

「でもそんなの知ってましたよ。だって私っていつもそうなんですから…」

「何の理由もなくいじめられて…誰かに尽くしたところで返ってくるのは偽りの感謝ばかり…」

「こんな思いをするくらいなら…」

「私はもう誰も信じない…」


――――


――――


「七海の病室に写真が置いてあったらしいぜ」

「写真…?」

「それって小泉が撮った写真じゃないのか?」

「そんな…もしかして千秋ちゃんの容態が悪くなったのって…」

「千秋ちゃんは創ちゃんのことが好きだったのかもしれないすね」

「い、いや…アタシのせいで…?アタシのせいで千秋ちゃんが?」

「小泉おねぇは悪くないよ。それにその写真…盗まれてたんでしょ?」

「盗んだって誰が盗むんだよ?」

「それもその写真をわざわざ七海の病室においていったってことだろ?」

「あ、ありえません!そんなことする人がいるなんて…」

「いったい誰がそんなことしたんだよ!どうせオマエラの中にいるんだろ?」

「はあ?お前がふざけ半分でやったんじゃねぇのか?」

「わたしが小泉おねぇの写真を使ってそんなことするわけないじゃん」

「待ってよ、こんなことで争うなんて希望の象徴であるキミたちらしくないよ」

「そのとおりですわ、誰かを疑うなんてやめましょうよ」

「そうだよ、僕たちは七海さんの死を乗り越えてより希望を輝かせなくちゃいけないんだから」

「…テメーなにいってんだ?言いたいことはわからなねぇでもねーがもう少し空気読んで喋れや」

「え?ボクなにか変なこと言ったかな?それよりいつまでも死んだ人間のことでくよくよしてちゃ駄目だよ」

「…おい、そんな言い方はないだろう」

「いやいや、おかしいのはキミたちだよ。この絶望を乗り越えてこそ希望は輝くんだからね」

「あははははははははははは!」

「おいおい、コイツこんなヤバいヤツだったのかよ」

「うわあああああああああああん!」

「お、お願いだからもうやめてよ…」

「唯吹があの時気付いてあげられたら…」

「なんでこんなことになっちまったんだよ…」


――――


――――


「…たった一人の死という絶望が連鎖して新たな絶望を生む」

「ちょいっと絶望の後押しをしただけでこんな風になっちゃうなんて思わなかったよ」

「本当は計算どおりですけどね」

「高みにいる雑魚どもは簡単に堕とすことができてつまらねーぜ」

「でもでもー、そんな迷える子羊ちゃんたちが困らないようにしっかりと導いてあげなくっちゃねー」

「私様がしっかりと絶望という絶望の底に導いてやろうぞ」

「…ああ、なんて絶望的なんでしょうか…最高に絶望的です」

「本当に楽しくなってきたよねぇ、うぷぷぷ」


――――


――――


不二咲「…僕が弱かったせいで七海さんは死んだ」

不二咲「でも、彼女が残してくれたものはたしかに存在する」

[アルターエゴ]「ご主人タマ…」

不二咲「七海さんは死んでしまったけどこの新世界プログラムはきっと完成させる」

不二咲「きっと彼女もそれを望んでいると思うんだ」

[ウサミ]「その通りでちゅ。あちしもできる限りの協力をするでちゅよ」

不二咲「…そうだね。それに新しい仲間もできるよ」

[ウサミ]「新しい仲間…でちゅか?」

[アルターエゴ]「それってもしかして…」

不二咲「うん、君の妹にあたる存在だよ」

[ウサミ]「もしかして七海さんが復活するんでちゅか!?」

不二咲「復活とは違うんだ。七海さんとは別の存在だから…」

不二咲「だからその子には本物の七海さんのことは黙っておこうと思うんだ」

[アルターエゴ]「…そうかもしれないね。そのほうがその子のためにもなるかもしれない」

[ウサミ]「わかりまちた。それが良いというならあちしは黙っていまちゅよ」

不二咲「うん、ありがとう。じゃあさっそく呼ぼうかなぁ」

不二咲「さあ、出ておいで。千秋ちゃん」

[七海]「……zzz」

[アルターエゴ]「寝てるねぇ」

不二咲「ほら、起きて。千秋ちゃん」

[七海]「……ふあぁ、おはよう。そしてはじめまして」

[七海]「七海千秋です。超高校級のゲーマーという設定だよ。よろしくね」


――――

これで回想終わり
あとは後半を書くだけ


――――
――


アルターエゴ「…今のが七海さんや日向君たちの記憶を元に再現した話だよ」

ナナミ「……なるほど」

ウサミ「いろいとと黙っていてごめんなさいでちゅ」

ナナミ「いいんだよ…私のことを思ってのことでしょう?」

ナナミ「それに私なら大丈夫だよ…たとえ今の記憶をすべて消すことになってもね」

ウサミ「七海さん…」

ナナミ「きっとそのことを心配してくれたんでしょう?」

ウサミ「はい、そうでちゅ。このまま計画を進めていけば七海さんとの記憶を消してすべてなかったことしなくちゃいけないんでちゅ」

ナナミ「…それは違うよ。たとえ記憶がなくなってもなかったことになんてならないよ」

ナナミ「だって七海さんが残してくれたものはこうして残って…日向君たちを救ってくれている」

ナナミ「だからすべてなかったことになんてならないんだよ」


ウサミ「七海さん…うう…ぐすっ…」

ナナミ「あ、たとえ私にモデルがいたとしても私はお父さんの娘だしお兄ちゃんの妹であることは変わりないからね」

アルターエゴ「千秋ちゃん…」

ナナミ「ところで私の体はいつごろ戻るのかな?今データを取りに行ってるところだよね?」

アルターエゴ「ええと…次の日の朝には体を元に戻すことができると思うよ」

ナナミ「そっか…じゃあこの体を楽しめるのもあと1日ってわけだね」

ウサミ「あ、一応その状況を楽しんでたんでちゅね」

ナナミ「ウサミに削除されそうになった時は本気で覚悟を決めたけどね」

ウサミ「そ、それはごめんなさいでちゅ」

ナナミ「あと1日はどうやって過ごそうかな…といっても日向君たち次第なんだけどね」

アルターエゴ「…そろそろ僕は行くね。ウサミ、ソニアさんのことよろしくね」

ウサミ「わかったでちゅ!」

アルターエゴ「千秋ちゃん、日向君たちをよろしくね」

ナナミ「まかせてよ。お兄ちゃんもよろしくね」

アルターエゴ「それじゃあ、戻るね」




――――
――



ナナミ(…戻ったみたいだね)

日向「…zzz」

ナナミ(そういえば日向君と一緒に寝てたんだったね)

日向「…ななみ…zzz」

ナナミ(…戻ってきたすぐあとにこんなベタベタな寝言を言うなんてやるね)

日向「…zzz」

ナナミ(さて、私ももう寝よう…おやすみ…)

ナナミ(………)

ナナミ(…なんだろう?なんだか体に変な違和感を感じる?)

ナナミ(…日向君に変なことされちゃったかな?いや、なんか違うかな…?)

ナナミ(なんか体が熱いような…変な気分…)

ナナミ(ねみぃ…たぶんねたら治るよね…)

ナナミ(…zzz)


―――翌朝


日向「…もう朝か、よく寝たな」

日向「あ、そういえばナナミも一緒に寝てたんだったな」

日向「おーい、ナナミ、起きろ」

ナナミ(………)

日向「ナナミ?どうしたんだ?眠いのか?」

ナナミ(………)

日向「ナナミ?様子がおかしいな…どれ……!」

日向「ね、熱があるぞ!大変だ!ウサミに見せないと!」

ナナミ(なんかふらふらする…意識が…)

ナナミ(なんか日向君が…焦ってるみたいだよ…)

ナナミ(どうしたんだろう…?…もしかして…私のせいかな?)

日向「待ってろ!今すぐウサミを連れてきてやるからな!」

ナナミ(ああ、日向君が行っちゃう…)


→レストラン

ウサミ「ミナサン!なんとソニアさんの絶望病が無事治りまちた!」

ソニア「ご心配かけて申し訳ありません。でももう余裕のよっちゃんですよ!」

左右田「おっしゃー!よかったぜ!ソニアさんが戻ってきてくれて嬉しいっすよ!」

小泉「一時はどうなるかと思ったけど治って本当によかったわ」

西園寺「本当に治ったの?また変なこと言い出すんじゃないでしょうねー」

ソニア「もう大丈夫ですよ。正直その…絶望病?にかかってた時の記憶はありませんがちゃんと治ってますよ」

弐大「がっはっは!覚えていないなら何よりじゃぁ!お前さんらしくないことを言いまくってたからのぉ!」

ソニア「ええ!?わたくしがそんなに変なことを言ってたんですか!?」

西園寺「クソとか童貞だとかゲロとかって言葉を連発してたよねー」

左右田「いやーでも俺はそのくらい気にしてないっすよ」

ソニア「そんな!?申し訳ありません!どうお詫びしてよいのやら…」

辺古山「そんなに気にするな。病気だったんだからしかたがないことだ」

ウサミ「そうでちゅよ。病気のことは忘れてらーぶらーぶしましょうよ」

日向「ウサミはいるか!?大変なんだ!病気になったかもしれない!」


ウサミ「いきなりどうしたんでちゅか!?ソニアさんの病気なら治りまちたよ!」

ソニア「も、もしかしてわたくしの病気が日向さんに伝染ってしまったのでしょうか!?」

左右田「おいおい、マジかよ。テメーこっちくるんじゃねーよ!」

日向「ち、違うぞ!俺じゃない!ナナミが病気かもしれないんだ!」

ウサミ「それは本当でちゅか!?大変でちゅ!もしかしたら絶望病かもしれないでちゅ!」

九頭龍「それってマズいんじゃねーのか?」

十神「ふむ、ナナミは昨日ソニアと一緒に行動をともにしていたしありえないことではないな」

澪田「それなら創ちゃんもヤバいんじゃないっすか!?」

罪木「そういえば昨日はナナミさんと一晩中一緒にいたんですよね?」

田中「貴様…どうなのだ?熱はないのか?」

日向「え…いや、俺は大丈夫だと思うが…」

ウサミ「日向君も一緒にナナミさんのところに行くでちゅ!ミナサンはとりあえずここで待機してくだちゃい」

花村「しかたがないねぇ…こっちのことはぼくたちにまかせておいてよ」

狛枝「絶望病か…死んでもかかりたくない病気だね。感染者が2人も出るなんて本当に絶望的だよ」

ウサミ「さあ、日向君、行きまちゅよ」

日向「ああ、ナナミは俺のコテージにいる。よろしく頼むぞ」


→日向コテージ

日向「ナナミ、大丈夫か!?」

ナナミ(…あ、日向君が戻ってきたよ)

ウサミ「むむむ、たしかに熱がありまちゅね…幸いワクチンはあるのでそれを投与すればたぶん大丈夫だと思うのでちゅが…」

日向「ワクチンがあるならさっさとやってくれよ」

ウサミ「でちゅがあれは人間用であって今のナナミさんにも効くかどうかわからないでちゅ」

日向「そうなのか?じゃあどうすればいいんだよ」

ウサミ「ちょっと待って欲しいでちゅ…今連絡をとってみるでちゅ…」

日向「れ、連絡?誰にだよ?」

ウサミ「いいから少し待ってて欲しいでちゅ」

日向「あ、ああ、頼むぞ」

ウサミ「………」

(アルターエゴ「テレパステレパスるるるるるー」)

(アルターエゴ「ウサミ、聞こえる?」)

ウサミ「聞こえまちゅよ。いったいナナミさんの身になにがおきてるんでちゅか?」

(アルターエゴ「実は…ちょっとまずいことがおきてるみたいなんだ」)

ウサミ「まずいこと…?絶望病じゃないんでちゅか?」


(アルターエゴ「絶望病は関係ない…千秋ちゃんの身に起きたバグが影響してるんだ」)

ウサミ「バグ…でちゅか?」

(アルターエゴ「うん、バグの影響で最初から千秋ちゃんはモノケモノだったということになりつつあるんだ」)

ウサミ「それってどういうことなんでちゅか?」

(アルターエゴ「千秋ちゃんの精神までモノケモノになりつつあるということだよ」)

ウサミ「なんでちゅって!?どうすれば治るんでちゅか!?」

(アルターエゴ「落ち着いてウサミ。完全にモノケモノになる前にバグを治せばそれで解決だよ」)

(アルターエゴ「でも早くても明日の朝までかかる…それまで誰かが千秋ちゃんに付き添ってあげれば大丈夫だと思う」)

ウサミ「わかりまちた。あちしがそれまで付きそうでちゅ」

(アルターエゴ「…バグの影響はもうすでに出てる。日向君たちが千秋ちゃんのことを覚えていないのもこのバグのせいなんだ」)

ウサミ「そうだったんでちゅか…」

(アルターエゴ「自分でも気がついてないかもしれないけどウサミにもその影響が出つつある」)

ウサミ「ええ!?あちしにも!?」

(アルターエゴ「だからこそウサミ自身が気をしっかり持って欲しいんだ」)

(アルターエゴ「まわりの人間が全員千秋ちゃんのことをモノケモノと認識しちゃったらもう戻れないかもしれないからね」)

ウサミ「わ、わかったでちゅ!あちしにまかせるでちゅ!」

とりあえずここまで


日向「な、なあ…ナナミは大丈夫なのか?」

ウサミ「…とりあえずは大丈夫でちゅよ。少なくとも明日の朝には治るでちゅ」

日向「そうか…それはよかった…」

ウサミ「ナナミさんは明日の朝まであちしと一緒に病院で入院でちゅ」

日向「ちょっと待ってくれ、それなんだけど…俺も付き添ってもいいか?」

ウサミ「え…それは…」

日向「なんでだかわからないけど…今俺が付き添ってやらないと駄目な気がするんだ」

日向「もう…後悔なんてしたくないから…」

ウサミ「日向君…?もしかして…」

(アルターエゴ「…日向君にも付き添ってもらったほうが千秋ちゃんにとってもいいかもしれない」)

ウサミ「え、そうなんでちゅか?」

(アルターエゴ「うん、千秋ちゃんが少しでも長く自我を保つためにはプログラムである僕たちより日向君が付き添ったほうが効果的かもしれないね」)

ウサミ「…わかりまちた。じゃあ日向君も付き添いお願いするでちゅ!」

日向「ありがとう、ウサミ」

(アルターエゴ「ウサミ、僕はこれからバグを治すのに忙しくなる。完全に治るまではそっちにかまうことができなくなるからよろしくね」)

ウサミ「わかりまちた!さあ、ナナミさんを連れて病院にいきまちゅよ」


→病院

日向「ナナミ、大丈夫だ。俺が付いてるからな」

ナナミ(…日向君。今のこんな姿の私に付き添ってくれるなんて嬉しいよ)

ウサミ「明日の朝には治りまちゅから頑張るんでちゅよ」

日向「治るまではずっとここにいるからな。安心しろよ」

ナナミ(…あう。苦しいけど…こうやって心配してもらえるのも悪くないかも)

日向「…結局ナナミは絶望病じゃないんだよな?」

ウサミ「はい、そうでちゅ。…まあただの風邪みたいなものでちゅ」

日向「そうか…風邪…か」

ウサミ「なにか心配事でもあるんでちゅか?」

日向「いや、なんでもない…ただ病室にいると…」

ウサミ「……」

日向「やっぱりなんでもない。俺の気のせいだ」

ウサミ「そうでちゅか。でもそんなに心配しなくても明日には治るから大丈夫でちゅよ」

日向「ああ、そうだな…」

ナナミ(……?)




――――
――



―――夜

ナナミ(…zzz)

日向「コイツもよく寝るな…ゲーム好きだし…よくわからない生き物だよな」

ウサミ「うふふ、そんなことありませんよ。ナナミさんはミナサンと同じ仲間なんですから」

日向「そうだな…よく考えたら個性的なヤツばっかだもんな。ナナミは普通のほうかもな」

ナナミ(…zzz)

ウサミ「さあ、あとは先生にまかせて日向君も寝たほうがいいでちゅよ」

日向「いや、俺は朝までナナミと一緒にいるぞ。かまわないだろ?」

ウサミ「…でも無理はしないでくだちゃいね。ナナミさんもそれは望んでいないでちゅから」

日向「わかってるさ…。……?それより何か変な音が聞こえないか?」

ウサミ「あれ…本当でちゅね。この音はミナサンのコテージがある島からでちゅね」

日向「これは車か何かが移動してる音か?それにヘリが飛んでるような音まで…」

ウサミ「な、なにか嫌な予感がするでちゅ。日向君、ちょっと様子を見てくるのでナナミさんのことをまかせるでちゅ」

日向「ああ、わかった。気をつけろよ」

ウサミ「はいでちゅ、じゃあ行ってくるでちゅ」ダッ

日向「…いったい何なんだろうな。……?」

日向「あ、あれ…なんか急に眩暈が…おかしいな…」バタッ

ナナミ(…zzz…むぎゅ)ボスッ

ナナミ(……ん?なんか急に重いものが…日向君?)

日向「…うう」

ナナミ(…?…あれ?なんだか日向君がとても熱っぽいような…)


――――
――



→レストラン


ソニア「ナナミさん大丈夫でしょうか…それに日向さんも付きっきりだそうですし」

左右田「そんなに心配することないっすよ。明日には治るって言ってたじゃないっすか」

十神「ここで心配していてもしかたがあるまい。もう夜時間になるしさっさと寝るぞ」

澪田「…ん?ちょっと待つっすよ……なんか変な音が聞こえるっすよ」

終里「……本当だな。なんの音だ?」

弐大「だんだん大きくなってるのぉ。こっちに近づいておるのではないか?」

左右田「…この音はヘリっぽいな。それから…?トラックか?」

九頭龍「見に行ってみりゃわかんだろ」

辺古山「では私が見てこよう」

田中「うむ、では俺様も行くとするか」

狛枝「…いや、ここはみんなで行ったほうがいいんじゃないかな」

西園寺「えー、めんどくさいからやだよ」

狛枝「うーん、でもここにいたら危険かもよ」

花村「危険?それってどういうことだい?」

狛枝「この音…もしかして軍事施設にあったヘリや戦車の音じゃないかな?」

左右田「はあ?そんなわけねーだろ。俺が確認したかぎりでは使えたもんじゃなかっ」


ドゴオオオオオオンン!!


小泉「きゃあああ!な、なんなの!?」

十神「まさか本当に戦車が動き出しているというのか!?」

九頭龍「と、とりあえず外に出るぞ!」


罪木「な、なんですかあれは?」

澪田「ほ、本当に戦車とヘリが動いてるっすよ!?」

ソニア「…あれと戦っているのはもしかしてウサミさんではないですか?」

狛枝「そうみたいだね」

ウサミ「あ、ミナサン!危険でちゅ!下がっていてくだちゃい!」

十神「おい、ウサミ!これはどういう状況だ!?」

ウサミ「あちしにもわからないでちゅよ!変な音がするから来てみたら戦車とヘリがこちらを攻撃しようとしてたんでちゅ!」

田中「貴様の仲間ではないのか?敵の正体はいったいなんだというのだ!?」


???「おや、そんなにボクの正体が気になるのかな?」


ウサミ「そ、その声は!?」

???「うぷぷぷ、もしかしてボクは出てこないとでも思ったのかな?」

???「でも残念でした!やっぱりボクは最後に登場するのです!」

ウサミ「ありえないでちゅ!アンタは完全にやっつけたはずなのでちゅ!」

???「うぷぷぷ、ヤツは我ら四天王の中でも最弱…オマエラはその1体を倒したにすぎないんだよ」

ウサミ「じゃ、じゃあアンタの正体はやっぱり…」

???「その通り!ボクの正体は…」

モノクマ「ジャジャジャジャーン!絶望の使者!モノクマ参上!」

よくわからない展開になってきたからとりあえずここまで
あと少しで終るかな


モノクマ「いやー大変だったよ。なんせオマエにボコボコにされてからちっとも力が出ないんだからね」

モノクマ「でもオマエラが遊んでいる間にもボクは必死に努力して強くなったんだよ!」

ウサミ「うるさいでちゅ!アンタが出したモノケモノや絶望病のせいでひどいめにあったんでちゅよ!」

モノクマ「うぷぷぷ、そうそうボクが生み出したバグのおかげでことがうまく進んだよ」

ウサミ「嘘でちゅ!バグはただの偶然だったはずでちゅ!」

モノクマ「そんなことはどうでもいいんだよ。どっちにしろアレのおかげでボクが戦車やヘリを整備するだけの時間ができたんだからね」

モノクマ「それに今ならアルターエゴのヤツも忙しくて手を出せないからね、やりたい放題だよ」

ソニア「あ、あの、さっきからバグとかアルターエゴとかなんのお話をしてるんでしょうか?」

モノクマ「そんなことオマエラ雑魚は気にしなくてもいいんだよ」

終里「ざ、雑魚だって!?ふざけたこといってんじゃねーぞ!」

モノクマ「だって雑魚じゃん。オマエラがどうやってボクに勝つつもりなのさ?」

ウサミ「アンタなんかあちしがやっつけてやるでちゅ!」

モノクマ「うぷぷぷ、たしかに戦闘スペックはオマエのほうが上だけど…」

モノクマ「はたしてこの雑魚どもを庇いながらボクをやっつけることができるのかな?」

ウサミ「な、なんてゲスいことを…やってやるでちゅ!」

終里「よっしゃ!やってやるぜ!」

弐大「やめんかい!お前さんが向かったところで戦車とヘリは倒せんぞ!」

モノクマ「そうだよ!オマエラ雑魚が立ち向かったところでボクにはかなわないからね」

ウサミ「ミナサンは下がっていてくだちゃい!ここはあちしにまかせるでちゅ!」

モノクマ「うぷぷぷ、いつまでもつのか楽しみだよ!」




――――
――


日向(頭が痛い…なんだ…?体が熱い…)

日向(駄目だ…今は七海のことを見てやらないと…?)

日向(七海…?おかしいな…七海って誰だ?ここにいるのはナナミだし…)

日向(七海…ナナミ…七海…?あれ…俺はずっと前からナナミのことを知っていたような…)

日向(何か…何かもうすぐで思い出せそうだ…)

日向(なんだろう…このモヤモヤした気持ちは…)

日向(俺はこの記憶を思い出してもいいのか…?)

日向(そうか…俺は…俺は予備学科で…でもそれだけじゃない…)

日向(七海…やっぱり七海とはずっと前から会っていたんだ…)

日向(七海…?でもここにいるのはナナミであって七海じゃなくて…)

日向(なにかがおかしい…でももうすぐ思い出せそうだ…)

日向(すべて…すべて思い出したら…俺は…)




――――
――


戦車モノクマ「ぶひゃひゃひゃひゃひゃ!少しはこっちを攻撃したらどう?」

ドゴオオオオオオンン!!

ヘリモノクマ「まあ、こっちに手を出してきたらあっちが雑魚どもを攻撃するけどね」

ズガガガガガガガガガ!!

ウサミ「うるさいでちゅ!今に弾切れをおこすはずでちゅよ!そうなったら一気に倒してやるでちゅ!」

戦車モノクマ「うぷぷぷ、弾切れ?そんなのおこすわけないじゃん!」

ドゴオオオオオオンン!!

ヘリモノクマ「だってこれはゲームなんだから!ちょいと設定をいじれば無限弾薬だってできるんだよ!」

ズガガガガガガガガガ!!

戦車モノクマ「このままオマエは一方的にボクたちの攻撃を受け続けていればいいんだよ!」

ドゴオオオオオオンン!!

ヘリモノクマ「オラオラオラオラオラオラ!」

ズガガガガガガガガガ!!

ウサミ「うう…これじゃあ攻撃を防ぐだけで精一杯でちゅ…このままじゃまずいでちゅ」








澪田「ウサミちゃんすげーっすね…モノクマたちの攻撃を全部防御してるっすよ」

弐大「むうう…しかしあれはまずいのではないか?」

十神「防戦一方だな…いずれやられるぞ」

左右田「そうはいったって俺らにはなんもできねーぜ」

狛枝「逃げようにも退路を防がれているからね…それにあのヘリに追われたら逃げ切れないよ」

終里「くそ…このまま黙ってみてるしかねぇのかよ」

ソニア「せめて戦車を一台でも奪うことができればわたくしが運転できますのに…」

田中「………」


田中「しかたがあるまい…ここはこの俺様が動くしかないようだな」

ソニア「そんな!危険ですよ、やめてください!」

田中「俺様を誰だと思っている!"制圧せし氷の覇王"とよばれた田中眼蛇夢だぞッ!」

田中「…それにこのままではいずれ全員が滅びるだろう。そうなるくらいなら俺様は死ぬこととなっても立ち向かうことを選ぶぞ!」

ソニア「で、ですが田中さんお一人で立ち向かうのは少々無茶が過ぎます」

田中「俺様ひとりではない。左右田、九頭龍、辺古山、弐大、終里…貴様らもにも協力してもらうぞ」

左右田「あ!?なんで俺がオメーに協力しなきゃなんねーんだよ」

田中「貴様…よもや先刻のデュエルにて交わした契約を忘れたわけではないだろうな」

左右田「…まさか釣りの勝負のことを言ってんのか?」

田中「くっくっく…なんだ覚えてるではないか」

九頭龍「でもよぉ…実際問題あんなのどうやって相手にするってんだよ」

田中「俺様には彼奴を倒すため秘奥義がある…しかしそれを発動させるためには一度あの戦車のハッチを開けさせなければならん」

弐大「ハッチを…じゃと?それさえできればなんとかなるんか?」

田中「ああ…数秒でかまわん。一瞬でも隙があればなんとかなるだろう」

終里「おもしれえ…やってやろうじゃねえか」

九頭龍「なんとかこっちに注意を向けてモノクマのヤツに顔をださせりゃあいいんだな」

辺古山「モノクマの注意を向けるか…とにかくやってみるしかないようだな」

左右田「っち、田中のヤツにばっかかっこつけさせるわけにはいかないしな。やってやるぜ!」

最後まで書き溜めるわ
たぶん次回更新で終わりにする
年内に終わるといいな


九頭龍「とりあえず作戦はこうだ」

九頭龍「まずペコと弐大と終里で戦車を一台引きつける」

九頭龍「十分引きつけたら俺と左右田でモノクマの注意を引きなんとか顔を出させる」

九頭龍「あとは田中がなんとかする…それでいいんだな?」

田中「ああ、まかせておけ…俺の秘奥義にかかればモノクマも無事ではすまないだろう!」

左右田「なんかいろいろとあいまいな作戦だけど本当に大丈夫なのか?」

終里「よっしゃ!オラわくわくしてきたぞ!」

弐大「気合じゃぁああああああ!!」

辺古山「ぼっちゃん…本来なら私が付き添ってお守りしなければならないのですが…」

九頭龍「そんなこと気にするんじゃねえよ…俺は俺にできることをするだけだ」

九頭龍「だからお前も今自分ができる最善をつくせ」

辺古山「ぼっちゃん…立派になりましたね」

九頭龍「う、うるせえよ…いつまでもガキ扱いしてんじゃねぞ」

左右田「ちょっと待てよ…この作戦どう考えてもうまくいく気がしねーんだが…」

田中「何が不満だというのだ?」

左右田「オメーの秘奥義ってのが一番不安なんだっつーの!秘奥義ってなんなのか詳しく説明しろよ!」

田中「いや、そんな時間はない…早く行動に移さねばウサミがやられるぞ!」

弐大「終里!辺古山!さっそく作戦開始じゃぁああ!!」

終里「おうよ!」

辺古山「了解だ」


左右田「っだー!だから待てって!こっちはどうモノクマを相手にするかまだ考えてねーんだぞ!」

九頭龍「そんなに心配するんじゃねえよ。俺に考えがある」

左右田「ま、マジかよ…それでその考えってのはなんだ?」

九頭龍「いいか、俺が合図をしたら俺の後について同じ行動をしろ」

左右田「あ、ああ…その作戦は本当に大丈夫なんだよな?」

九頭龍「いいから俺を信じやがれ!テメーだっていい案があるわけじゃねーんだろ?」

左右田「ぐぐ…しかたがねえか。お前のこと信じるぞ?」

九頭龍「ああ…大丈夫だ。それよりアイツラ行動に移したみたいだぞ」






弐大「おい!モノクマ!こっちを向かんかい!!」

終里「オラッ!かかってこいや!」

戦車「………………」ギィィィ

辺古山「…来るぞ!」

弐大「終里!逃げるぞ!」

終里「っち!逃げ回るのは好きじゃねえんだけどな…」

弐大「いいからさっさと走らんかい!素手じゃ絶対勝てんぞ!」

終里「わあってるよ!そこまで馬鹿じゃねーぜ!」

辺古山「ぼっちゃん…まかせましたよ…」


九頭龍「…よし、こっちまでやってきたな」

左右田「それでどうすんだ?」

九頭龍「んなもん特攻あるのみだ!行くぞ!」

左右田「…は?なんだって?」

九頭龍「いいから俺の後を付いて走れ!戦車の目の前に出るぞ!」

左右田「アホかオメーは!?なに考えてんだよ!?」

九頭龍「早くしやがれ!オラ!いくぞ!」

左右田「ば、バカ!ひっっぱんじゃねーよ!」

九頭龍「なにビビッてやがんだ!?こうするしかねーだろーが!」

左右田「ふざけんじゃねーよ!飛び出したところで戦車が止まるわけねーだろ!」

九頭龍「じゃあどうすんだ!?もう戦車が動き出してんだぞ!」

左右田「そ、そりゃオメー………………」

九頭龍「ああん?どうしたんだよ?」

左右田「いや、後ろ…」

九頭龍「後ろ…?後ろに何があるってんだ…よ…」

戦車「…………」


九頭龍「な…もうきてやがったのか…」

ギィィィ…

左右田「あ、あのーモノクマさん?どうしてこちらに砲身を向けていらっしゃるのでしょうか?」

ガキィン…

九頭龍「て、テメー顔を出しやがれ!!卑怯だぞ!」

左右田「ぎにゃぁああああああああ!!い、命だけはお助けをぉおおおおおおお!!」

ガチャ

モノクマ「ふう…やれやれ…」

九頭龍「…!お、おい!テメーふざけたことしてんじゃねーぞ!」

左右田「も、モノクマ様!何でもしますから命だけは助けてください!」

九頭龍「テメーもアホなこと言ってんじゃねーよ!」

モノクマ「うるさいなぁ…ちょっと雑魚は黙っててくれないかな?」

九頭龍「ざ、雑魚だと…!?ふざけんなっ!」

左右田「は、はい!黙っているので命だけは助けてください!」

九頭龍「テメー…この期に及んでなに情けねーことを…」

左右田「うっせ、うっせ!命あっての物種だろーが!無意味に挑発なんてするんじゃねーよ!」

モノクマ「もうオマエラなんてどうでもいいんだよ…そんなことより…」

モノクマ「おーい!ウサミ!こっちを見やがれ!」


ウサミ「…ん?ああっ!?あれは九頭龍君と左右田君じゃないでちゅか!?」

モノクマ「ウサミ!コイツラは人質だよ!今から一方的にオマエのことをボコるからおとなしくしろよ」

ウサミ「そ、そんな…でもあちしが手を出すわけには…」

モノクマ「うぷぷぷ、とりあえずそのステッキを捨てるんだよ!」

ウサミ「うう…しかたがないでちゅ…」ポイッ

モノクマ「よしよし、物分りのいいヤツだよ…そのまま大人しくしてろよ」

左右田「おいおい、状況が悪化してねーか?」

九頭龍「くそ…まさかこんなことになるとは…」

左右田「田中の秘奥義とやらはどうなってんだよ!?」

九頭龍「そんなの知るかよ…どうにかなることを祈るしかねだろ」

左右田「ぐぐぐ…田中の野郎…マジで頼むぞ…」


田中「無事破壊神暗黒四天王は中に入れたようだな…」

弐大「もしかしてお前さんの秘奥義ってあのハムスターのことか?」

辺古山「…は?なんだと?」

終里「ハムスターって食えんのか?」

田中「貴様…破壊神暗黒四天王を食べるだと…?貴様を消し炭にしてやろうか?」

辺古山「そんなことはどうでもいい。本当にハムスターにすべてを任せるつもりなのか?」

田中「ハムスターは仮の姿にすぎん…ヤツラが本気を出せば戦車の一台や二台くらいどうってことないわ!」

辺古山「あ、頭が痛くなってきた…もう…駄目かもしれん…」


→戦車内

モノクマ「いつでも砲弾発射できるよ、うぷぷぷ」

モノクマ「これでウサミも終わりだよ、うぷぷぷ」

チューチュー

モノクマ「ん?なにか聞こえなかった?」

モノクマ「とても嫌な泣き声が聞こえたような…」

チューチュー

モノクマ「…!今の泣き声はもしかして…」

チューチュー

モノクマ「い、今何か小さいものが動いていたぞ!」

モノクマ「も、もしや…ネズミ…?」

チューチュー

モノクマ「い、嫌ぁああああ!!!ネズミ嫌ぁああああ!!」


モノクマ「んん?なんか戦車の中がうるさいなぁ…オマエラなにを…」

モノクマ「「「「い、嫌ぁああああ!!!ネズミ嫌ぁああああ!!」」」」

ダッダッダッダッダッダ

モノクマ「うわ!な、何やってんだオマエラ!勝手に戦車から逃げるんじゃない!」

破壊神暗黒四天王「「「「チューチュー」」」」

モノクマ「た、ただのハムスターじゃないか!オマエラ!戻…」

辺古山「隙あり!!」ズバッ

モノクマ「うぎゃああああ!!な、なにすんだよ!?」

田中「今だ!ソニアよ、戦車を奪うのだ!」

ソニア「合点承知之助です!」

モノクマ「そ、そうはさせないぞ!」

弐大「ふん…戦車のないお前さんなぞ怖くないわ」

終里「今度こそとっちめてやんぜ!」

辺古山「覚悟はいいな?」

九頭龍「よし、ここはあの3人に任せて俺らは戦車に乗り込むぞ」

左右田「はは…なんとかなっちまうもんだな…こうなったらこっちのもんだぜ!」

モノクマ「むぐぐ…このままやられはせんぞ…」

ウサミ「そうはいかないでちゅ!人質がいなければあんたなんか怖くないでちゅ!」

モノクマ「ぐ、ぐぎゃあああああああ!!」






――――
――


ウサミ「…ふう、ギリギリでちたね」

田中「所詮俺様の敵ではなかったということだな…フハハハハハハハハハッ!」

左右田「ハムスターを操ってただけのくせに…」

ソニア「でも田中さんがいなければ危なかったところですわ」

辺古山「そうだな…一時はどうなることかと思ったが…」

弐大「がっはっは!やってみればなんとかなるもんじゃのぉ!」

終里「ああ、モノクマのヤツもボッコボコにしてやったしもう動けねーだろ」

十神「お前たちよくやったぞ、ほめてやろうではないか」

小泉「相変わらず偉そうね、あんたは…なにもしてないアタシがいえることじゃないけど…」

花村「いやいや、むしろあんなの相手にどうかできるほうがおかしいよ」

狛枝「そうだね、さすがは超高校級の才能を持ってるだけはあるよね!とても希望に満ち溢れてたよ!」

西園寺「まーた始まったよ。アンタなんか戦車に突っ込んでも良かったのに」

澪田「案外凪斗ちゃんなら幸運で全部なんとかしちゃいそうっすけどね」

狛枝「それは買いかぶりすぎだよ…たしかにハイジャックにあったときはたまたま隕石とか降ってきて助かったことはあるけど…」

左右田「…最初からコイツを特攻させとけばよかったんじゃねーか?」

ウサミ「まあ、いいじゃないですか。ミナサンが無事ならそれでいいんでちゅ」

罪木「そういえば…日向さんと七海さんは大丈夫でしょうか?」

狛枝「七海さんは熱を出してたんだったね・・・もう熱が引いてるといいけど…」

花村「それにしても日向君がうらやましいよ。七海さんとふたりっきりなんてさ」

ウサミ「…あれ、もしかしてミナサン…七海さんのこと…」





――――
――


日向(…ん?ああ、ついつい寝ちまったのか…)

日向(それにしてもさっき見た夢…夢じゃないよな…)

日向(つまりここは…もしかして…俺は…)

日向(…いや!それより七海はどうなったん…だ?)

日向(あれ…?なんか目の前にやわらかいものが…)

七海「…zzz」

日向「………」

七海「…zzz」

日向「……!う、うわぁああああ!!」

七海「…ふぁぁ。……んん?」

日向「な、なんでお前が俺と一緒のベッドに寝てるんだよ!」

七海「……ぐぅぅ」

日向「寝るな!」

七海「…んん。…ああ、おはよう、日向君」

日向「あ、ああ、おはよう…じゃなくてどうしてお前がここで寝てるんだ!?」

七海「…?いや、私は最初からここに寝てたけど…」

七海「…あれ?というかいつの間にか私の体が元に戻ってるね」

日向「元に…あれ…そういえば確かに七海はここで寝てたよな…」

日向「じゃあ俺のほうからベッドに入ったのか…?」


七海「ああ、それはね…うん、そうだよ」

七海「日向君も熱出したみたいだったから私が寝てるベッドに入ってきたんだよ」

日向「す、すまん!俺も自分で何やってたのかよくわかってなかったんだ」

日向「別にお前に手を出そうだとかそういうやましい気持ちがあったわけじゃなくてだな…」

七海「わかってるって、だいたいその時私はモノケモノだったんだから手を出そうとしてたのなら大問題だよ」

日向「モノ…なんだ?まあいいか…まあ…いい…か?」

七海「…どうかしたの?」

日向「………」

七海「日向君?」

日向「…あのー七海さん。一昨日俺たちは何をしてたんでしょうか?」

七海「一昨日?一昨日はたしか…ソニアさんが絶望病にかかって…」

七海「一緒のコテージに泊まったんだよね」

日向「一緒のコテージに泊まった…そう…だよな…」

七海「…?」

日向「も、もしかしたら俺の記憶違いかもしれないが…たぶんそんなことないような気もするが…」

日向「一緒に風呂に入って一緒のベッドで寝てたりなんかしてたか?」

七海「…ああ、そういえばそんなこともあったね」

日向「うわぁあああああああああ!!俺はなんてことを!!すまない、七海!!」

七海(…ああ、もしかしてこれってあれかな?バグってモノケモノになってたときに私という存在が完全にモノケモノにすり替わろうとしてたけど…)

七海(今は逆にモノケモノ時の記憶が今の私とすり替わってるってことなのかな)

日向「すまん!あの時は俺もどうかしてたんだ!許してくれ!」

七海「……日向君のエッチ。あの時は私も恥ずかしかったんだからね」


日向「うう…俺はどうすれば…」

七海「…冗談だって、私はそんなに気にしてないよ」

日向「で、でも俺はお前の体にあんなことやこんなことを…」

七海「………」

日向「わかった。俺も男だ。責任を取る」

七海「いや、そこまで思いつめなくて大丈夫だよ」

日向「それに思い出したんだ…お前のこと…」

七海「…!それって…」

日向「もしかして俺たちは数ヶ月…いや、数年ほど記憶を失ってるんじゃないか?」

七海「……どうしてそう思うの?」

日向「俺にはお前と会っていた記憶があるんだ…それを少しだけ思い出したんだ」

七海「それってどれくらい思い出したのかな?」

日向「ええと…実は俺は予備学科で…入学して1年ほどしてから七海と会って…」

日向「…………」

七海「…それで?」

日向「七海と一緒に仮想世界に入って…その後七海は…死んだ…?」

七海「……」

日向「…あれ?おかしいよな…だってお前はこうして生きてるもんな…」


日向「なあ…七海はどう思う?これってありえないよな?」

日向「俺の見た…ただの夢…なのか?」

七海「…私が死んだ後のことは覚えてる?」

日向「いや、ありえない…だってその後の俺は…俺は…」

七海「……」

日向「もしかして…今俺たちがいるこの世界は…かつて俺たちが体験したゲームの中なのか?」

七海「えーと…うん、ちょっと待って…」

日向「…?ああ、わかった」

七海「……」

七海(…お兄ちゃん…聞こえる?)

(アルターエゴ「…聞こえるよ」)

七海(少しだけ…少しだけでいいから日向君と制限なしでお話したいの…)

(アルターエゴ「わかったよ。千秋ちゃんが好きに喋れるようにしてあげる。ただ…」)

七海(…?)

(アルターエゴ「…本当にいいんだね?」)

七海(うん…大丈夫)

(アルターエゴ「…そう…うん、もう好きに喋れるよ。頑張ってね」)

七海(うん…ありがとう)


日向「七海…?大丈夫か?」

七海「うん、大丈夫だよ。えーとなんだったかな?」

日向「もしかしたらこの世界はゲームの中なんじゃないかって話だよ」

七海「…うん、そうだよ」

日向「じゃ、じゃあお前はいったいなんなんだ?七海は七海だよな?本当は死んでなかったのか?」

七海「…七海千秋は死んだよ…私は七海千秋のアルターエゴなんだ」

日向「そうか…やっぱり七海は…」

七海「………」

日向「なあ…それでも…七海は七海なんだよな?」

七海「…どういうことかな?」

日向「お前に現実世界の七海千秋の記憶があるのかは知らないが…」

日向「俺はお前のことが好きだった…いや、今もお前のことが好きだ」

七海「………」

日向「さっき責任をとるといったが俺は本気だぞ。俺はお前とずっと一緒にいたいと思ってる」

七海「…うん、ありがとう」

日向「七海は俺のことどう思ってる?もし七海が良ければ…ずっとここで一緒に暮らそう」

七海「…私も日向君のことは好きだよ。ずっと一緒に暮らせたらと心の底から思うよ」

日向「じゃ、じゃあ…!」

七海「でも…いつまでも一緒にはいられない。それは駄目なんだよ」


日向「な、なんでだよ!いいじゃないか!それともやっぱり俺のことが…」

七海「そうじゃないんだよ…あのね、日向君は私に七海さんの影を追っちゃってるだけだと思うんだ」

日向「…!ち、違うぞ!それに七海は七海だろう?」

七海「…日向君、七海さんがいったこと覚えてる?」

日向「七海が言ったこと…?」

七海「生きることってのはどういうことか…」

日向「………」

七海「日向君は現実世界を生きてる人間で私はゲームの中でしか生きられない人間なの」

七海「だから…日向君にはゲームの世界じゃなくて現実に戻って生きて欲しいんだ」

日向「で、でも…俺は…」

七海「私は七海さんの代わりにはなれないんだよ…それに現実世界では日向君を必要としてる人だっている」

日向「ち、違う…七海は…」

七海「これは七海さんの願いでもあるんだよ、日向君」

日向「七海の…?」

七海「七海さんは心配してたんだ…私のせいで日向君が前に進めないんじゃないかって」

日向「………」

七海「だから…お願い、日向君には未来を生きて欲しいんだ」

日向「七海…わかったよ…」

日向「それがお前たちの願いだというなら…俺は現実世界に戻る」


七海「日向君…ありがとう」

日向「…ひとつだけいいか?」

七海「何かな?」

日向「現実世界の人間とゲームの人間とは違うといったが俺はそうは思わない」

日向「俺は七海の影を追ってるわけじゃなくて本当にお前のことを思ってる」

日向「たとえお前がゲームの中でしか生きられないとしても俺たちの仲間であり俺の大切な人であることは変わりない」

日向「だから…待っててくれないか?」

七海「…待つ?」

日向「ああ、俺がここを出て…もっと自分に胸を張ることができるようになったら…」

日向「必ずここに戻ってくる。だからそれまで待ってて欲しいんだ」

七海「…うん、わかったよ。日向君がそういうなら私は待ってるよ」

七海「必ず…戻ってきてね。日向君にはいろいろと教えてもらわなくっちゃいけないんだから」

日向「ああ、もちろんだとも」

七海「ゲームの攻略も手伝ってもらわなくっちゃね」

日向「あ、ああ、まかせとけ…」

七海「特に恋愛ゲームは苦手分野だからしっかり教えてもらわなくっちゃ」

日向「…ああ、そうだな」

七海「それから…」

日向「もうその辺でいいだろ…」

七海「うん…そうだね。あとは日向君が戻ってくるまでに考えておくよ」

七海「だから…絶対戻ってきてね」

日向「ああ、必ず…必ず戻ってくるさ」

七海「うん、待ってるね…」





――――
――


ウサミ「…ミナサン、卒業しちゃいましたね」

七海「うん、そうだね」

ウサミ「本当によかったんでちゅか?」

七海「ウサミ、そんなこと聞くなんて野暮だよ」

ウサミ「そうでちゅね、すみまちぇん」

七海「それに日向君は必ず戻ってくるんだから」

ウサミ「…そうでちゅね、日向君ならもっと立派に帰ってくるはずでちゅよ」

七海「うん、私の大好きな日向君だもん。必ず戻ってくる…そう信じてるよ」

ウサミ「七海さん…」

七海「さあ、ウサミ。私達の役目はこれで終わりじゃないよ」

七海「これからが大変なんだから…この島に残るみんなのサポートもしなくちゃいけないしね」

ウサミ「そうでちゅ!あちしたちはあちしたちでできることをしなければいけませんね!」

七海「うん、いつまでも寝てると日向君に怒られるしね」

ウサミ「さあ、頑張りまちゅよ!」

七海(日向君…私待ってるからね)

七海(だから日向君も頑張って自分に胸を張れるようになって戻ってきてね)



――――
――


日向「しばらくこの島ともお別れか…」

十神「何をしている?もう出発するぞ」

日向「あ、ああ…すまない」

十神「まったく…お前のほうから俺たちに着いて来たいと言ったんだぞ」

苗木「本当にいいのかい?こんなこと言うのもなんだけど君たちの事を憎んでいる人は数知れない…」

霧切「この島に残っていた方が安全であることは間違いないわよ。他の人たちのようにこの島に残りながら復興を支えることもできなくはないし…」

日向「でも俺は決めたんです…一度ここから離れないといつまでも七海に依存してしまうかもしれないし…」

日向「もっと自分に胸を張れるようになりたいんだ」

十神「まったく…誰がお前たちの面倒を見ると思っているんだか…」

日向「それはすまないと思ってる…だけど俺は変わりたいんだ」

苗木「まあいいじゃないか、それより罪木さんも本当にボクたちについてくるんだね?」

罪木「は、はい…私も日向さんと一緒に行きます」

日向「いいのか?たしかにお前がいてくれると心強いが…この島に残ったほうが安全だぞ」

罪木「いいんです、私も決めましたから。それに…七海さんには負けてられませんし…」

日向「何か言ったか?」

罪木「い、いえ!なんでもないですぅ」

霧切「さて、もう行くわよ。準備はいいかしら?」

日向「ああ、大丈夫だ」

罪木「私も大丈夫ですぅ」

日向(…七海、待っていてくれ。必ず俺は戻ってくる)

日向(今度こそ胸を張れる自分になって…)

日向(そういえばまた七海にいいそびれちまったな)

日向(ここに戻ってきたら必ず言おう…)




日向(七海…ありがとう)







~Fin~

とりあえず終わりです
おかげさまで魔法少女ミラクル☆モノミにてモノミがモノケモノになるバグ(実話)は無事に治りました
読んでくれて本当にありがとうございました

今まで霧切さんがカーカーとかえるたそ~とか言ったり、謎の種育てたり
魔法少女やメリーさんやったりするSS書いてたけど次はキラキラちゃんやらせます
しばらくは現行に集中するけどね、HTML化してきます

苗木「クルクルクルクルクルクルクルクル」
かなりゆっくり書いてます
他にもあるけど…まあそっちは微妙なんで…

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年12月18日 (水) 19:22:01   ID: bkgvTknp

続きを期待するよ!

2 :  SS好きの774さん   2014年03月19日 (水) 23:54:28   ID: YH0QB8di

面白かったッス!

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