鳴「未咲」未咲「恒一」恒一「見崎」(339)

代行

病室

未咲「ぐ、ぅ…!」

未咲(苦しい…! 発作が、誰か…!)ハァハァ

未咲「鳴…助け、て――」スッ

ギュ

未咲(え…? だ、れ?)

恒一「しっかりして! 病院の人呼んだから!」

未咲「あなた…は」

恒一「僕の事はいいから! もう少しで先生達が助けてくれるから、それまで頑張って!」ギュ

未咲(あったかい…)ギュ

――――

教室

恒一「東京から来ました、榊原恒一です。その…よろしく」ペコッ

久保寺「では榊原君はあの席に」

恒一「はい」

鳴「…」ボー

恒一(ミサキ・メイ? 同じクラスだったんだ。僕の事覚えてるかな?)

――――

病室

未咲「もうホント怖かったよー! 今度こそ死んじゃうかと思った」

鳴「手術も成功して、すっかり元気だね」クスクス

未咲「人が通りかかってくれなかったら危なかったよ。あの時は名前も聞けず仕舞いだったけど」

鳴「私もお礼言わなきゃ。未咲を助けてくれた恩人だもの」

未咲「朦朧としてて良く覚えてないんだけど、カッコいい人だったなー。この病院に入院してた人らしくてね、榊原恒一って言う私達と同世代の男の子だって看護婦さんが言ってたよ」

鳴「! 実はね、私のクラスに転校生が来たんだけど――」

――――

恒一「――三年三組の呪い…いないもの、か」

鳴「理不尽だと思う?」

恒一「そりゃあね」

鳴「…でも、それで災厄が止まるなら」

恒一「うん。分かってる」

ドタドタ

恒一「? この音…」

鳴「…」

未咲「鳴ー!? 居るー?」ガチャ

恒一「あ」

未咲「へ?」

恒一「見崎、もしかして…」

鳴「うん。この娘が未咲」

未咲「えーっと…お邪魔だった、カナ?」

鳴「未咲。彼が榊原君だよ」

未咲「え?」

恒一「えっと…元気、みたいだね」

未咲「榊原君って…あの時の…」

恒一「あ、覚えてるんだ」

未咲「そ、そりゃ覚えてるよ! あの時はありがとう! あなたが居なかったら私…」ギュ

恒一「いいよ、そんな。君が助かったのは君が頑張ったからで、僕はたまたまあそこに居ただけだから」

未咲「そんな事ないって! 何かお礼を…」

恒一「うーん…じゃあ友達になってくれないかな?」

未咲「う、うん!」

恒一「よかった。よろしくね」ニコッ

未咲「…っ///」ドキドキ

鳴「…」

鳴「それで? 未咲は何しに来たの?」

未咲「あー今日からしばらくおばさん居ないんでしょ? 退院してから全然逢ってなかったから、顔見せとこうと思ってさ」

鳴「中々会えなかったもんね」

未咲「寂しかったよー。でもまさか男の子と逢引してるなんて思わなかった」

恒一「そんなんじゃ――」

鳴「そんなんじゃないよ。今日はたまたま」

恒一(…何か悲しい)ガーン

未咲(ほぉう、これは…面白そう)ククク

鳴「どうしたの?」

恒一「い、いや。なんでもないよ」アハハ

未咲「ねーねー」ギュウ

恒一「へ? な、何で腕に…///」

未咲「? 友達なんだし腕組みぐらいいいじゃん」エヘヘ

恒一「で、でも…」チラッ

鳴「…」グヌヌ

恒一(な、何か不機嫌そうだ)

未咲「榊原君…って呼ぶのは鳴と被るしー。恒一って呼んでいい?」ギュ

恒一「い、いいけど…」

未咲「じゃあ――恒一」

恒一「うん」

未咲「こ・う・い・ちー」ギュー

恒一「あ、あの…痛いよ」

未咲「もう。そこは未咲って、呼び返してくれなきゃ」

未咲「やり直しね。…恒一」

恒一「み、未咲」

未咲「恒一♪」

恒一「未咲」

未咲「んふふー」スリスリ

鳴「…」

鳴「榊原君。そろそろ帰った方がいいよ」

恒一「え? …あ、もうこんな時間。おばあちゃん達心配してるかも」スクッ

未咲「えー。もう帰っちゃうの?」

恒一「何時でも会えるじゃない」

未咲「…じゃあまた明日」

恒一「うん。じゃあ明日ね」ニコッ

未咲「///」

   .:. .::  :::::::::::. :::::::. ::.::::::::::::::::: ::::::::::::::::::::::::: | :::::::::::::::::::::::::::::::::::
  :::: ::::. ::::::::::::::ト、:::::.::::::::::|、:::::::::::::::::::::::::::::::::l、:::::::::::::::::::::::::::::::::

  .::::: ::::::. ::::::::::::::| ヾ:l_:::::::l、:|丶::::::.、:::::::::::::::::::::ハ::\:::::::|::::::::::::::::::
  ::::::. :::::::..:::::::::::::i ̄ヾ\丁:l ̄ヽ::::.゚、::::::::::::l::::| ̄ヾ「ヽ:::「|:::i:::::;:::::
  ::::::::.::::: :::::::::::ト:{.,.ィ巧芸芯弐ミ \:. ゚。::::::::|゙l:| ィ笊云、:|斥|::/!:::::
:. :::::::::::::: ::::::::圦 彳 {iy゚:::::::rv}ヾ  ) ヽ:::::| !| ": l.:.{:.:.:.:}.:.| 洲::::::: 
:: ::::::::゙::::: ::::::::::、:::. ヽ.乂;込多    ´    ゙。|ノ'  :.乂;辷゚夕 "/:::::::
:::.. ::::::::. ::: ::::::::::::` \ `ー--‐ '        丿   `ー -‐"ノイ::::::  榊原君、いなくなったりしないよね?
. ::.. ::::::::. ::: ::::::::::.\`ヽ、:::/::::/:::::        :::/::::/::::/ /:::::::::  未咲が粉かけてきても、私だけの榊原君だよね?

:::..:::..::::::::. : :::::::::::::::\__:::::/:::::/:::   i    ::/::::/:::__/イ:::::::::::  捨てたりなんかしたら…酷いんだから
.、:::::::::.::::::::.  ::::::::::::∧            `       _ノ‐ァ:::::::::::::   
 \:::::::::::::::.  :::::::::::il|\       _ - 、        /,'::::::::::::::
  __二)::::::::\ :::::/\ \       ̄         .イ /イ:::::::::::::
/li:i:i:iノ")/i:i:i:i\::\ `ー >          イ _,//'::::::ノ;::::::

i:i. Vi:i:i:i:〃:i:i:i:i:i:i:i:\::\     ≧  __  ≦    /:::://イ:::

鳴「…じゃあ私送って行くから」グイッ

恒一「わっ」

未咲「それなら私も――」

鳴「お留守番よろしくね?」ジロッ

未咲「…ハイ」

鳴「…」グイグイ

恒一(な、なんだろう…。さっきから見崎、機嫌悪そうっていうか…)

鳴「…榊原君」

恒一「な、何?」

恒一(も、もしかして…嫉妬されてるとか? うへへ…見崎ってば可愛いとこあるじゃ――)

鳴「未咲は、渡さないから」キッ

恒一「…うん?」

鳴「榊原君に未咲は渡さないよ」

恒一「見崎? えっと…」

鳴「明日からはライバルだね」

恒一「」

鳴「じゃ、明日からよろしくね。さ・か・き・ば・ら・君」タタタッ

恒一(…嫉妬の方向が、逆だった)

翌日

恒一(…昨日は全く寝れなかった)

鳴「おはよう榊原君」ポンッ

恒一「うひゃっ!?」ビクッ

鳴「? どうしたの?」

恒一「い、いや、何でもない」

屋上

鳴「どう? いないものの感想は」モギュモギュ

恒一「あんまりいい気分じゃない…かな?」

鳴「だよね。でも我慢しなきゃ」ムシャムシャ

恒一「…見崎は強いね」

鳴「そう?」ゴックン

恒一(いつも通りだな…昨日のって聞き間違いだったり?)

鳴「榊原君のお弁当…美味しそう」ジー

恒一「食べる?」ヒョイ

鳴「あーん」

恒一「!? あ、あーん///」

鳴「うまうま」モグモグ

恒一「美味しい?」

鳴「うん。もっと」アーン

恒一(嫌われては…いないよね。きっと)アーン

鳴「これ榊原君が作ったの?」モグモグ

恒一「うん。前の学校で料理研究部だったんだ」

鳴「ふぅん」ウマウマ

トライアングラー!

恒一「見崎は料理しないの?」

鳴「レトルトぐらいかな。あ、未咲は上手だよ」

恒一「へぇ。食べてみたいな」

鳴「…」

恒一(あ、あれ?)

鳴「未咲の料理は、私の」モグモグ

恒一「え、あ、はい…」

鳴「分かってるよね? ライバルだからね」ゴックン

恒一「あの…別に僕は――」

鳴「榊原君に未咲は渡さない」キリッ

恒一「…はい」ショボーン

見崎宅

未咲「あっ! お帰りー!」ダキッ

恒一「うわっ!?」

未咲「恒一おかえりー! 待ってたよー!」ギュ

恒一「あ、はは…」チラッ

鳴「…」ジー

恒一(どうしろって言うんだよ…)ハァー

未咲「あ。鳴もお帰りなさい」

鳴「ただいま。未咲、離れた方がいいよ。榊原君迷惑そうだし」

未咲「えー。迷惑なの?」

恒一「へ? あ、それは…」

未咲「ぐすん」ウルウル

恒一「…迷惑じゃ、ないよ?」ニコッ

未咲「へへー」ギュー

鳴「…ヘタレめ」ボソッ

未咲「ほーらね。恒一だって私とこうするの好きって言ってるもん」

恒一「言ってないよ!?」

鳴「榊原君のえっち」

未咲「ぬふふー。嫉妬かなー?」

恒一「話聞いてよ…」

未咲「ねねね。恒一の趣味ってなに?」

恒一「読書かな? あと料理も好きだよ」

未咲「へー! 私も料理得意だよ!」

恒一「見崎が言ってたよ。未咲の料理はとっても美味しいって」

未咲「恒一にも食べさせてあげる。恒一も作ってくれる?」

恒一「うん。楽しみにしてるよ」

キャッキャウフフ

鳴「むぅ…」

鳴「未咲未咲」クイクイ

未咲「ん?」

鳴「今日の晩ご飯、私が作るから食べて?」

未咲「ホント? 食べる食べる」

鳴「…」ドヤァ

恒一(何故僕を見てドヤ顔を…)

鳴「榊原君も食べる?」

恒一「いいの?」

鳴「お弁当貰ったから、お腹空いてるでしょ?」

恒一「じゃあ遠慮なく」

鳴「うん」

恒一(帰れって言われるかと思った…)ホッ

休みなのに職場に呼び出された
10時には戻って来るから保守頼みますん

>>38
恒一「きーみっはっだっれっとキッスをすっるー」
恒一「あーったっし、そっれっとっも」
鳴「アァタァシィィィィィ⁉」

普通に比べたら未咲の圧勝な気が

童貞が何言ってんだか・・・

http://i.imgur.com/T5CpY.jpg

>>82
エロ中尉

まだか

                     ,ゝ  ̄ `´ ヘ、
                      彡巛ミミミ ヾ ヽヽ
                     ソ/    \ミミミソゝ

                     Yこ` ´ヽ  ヽミノヾ)

                     /.`゚´ノ ´゚ヽ  )ミ))))
                     | < っ    》ミ`)
                     .|<エェ、    ノ8/
                     ヽ     _ノ|ミ
                  _  .ノ` = イ |
               / ̄/ / ̄| ヽ   ノゝヽ 
              //⌒y´::(//∠ヽ/ .丿|:::`=、_

              イ   ):::|.i;;|/ .|゚ ヘ /.|;;|::::::::::::::::::>
           ゲームっていうのは   ノ .|;;|::::::::::::::::/∨
           暇つぶしのためにあるのであって


                       ,ゝ  ̄ `´ ヘ、
                      彡巛ミミミ ヾ ヽヽ
                     ソ/    \ミミミソゝ

                     Yこ` ´ヽ  ヽミノヾ)

                     /.⌒ノ .⌒  .)ミ))))
                     | < っ    》ミ`)
                     .|<皿ゝ、    ノ8/
                     ヽ     _ノ|ミ
                  _  .ノ` = イ |
               / ̄/ / ̄| ヽ   ノゝヽ 
              //⌒y´::(//∠ヽ/ .丿|:::`=、_

              イ   ):::|.i;;|/ .|゚ ヘ /.|;;|::::::::::::::::::>
          その暇つぶしにお金かけているようじゃ
          この先心配

     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
   /:::|  ___|       ∧∧    ∧∧
  /::::_|___|_    ( 。_。).  ( 。_。)
  ||:::::::( ・∀・)     /<▽>  /<▽>
  ||::/ <ヽ∞/>\   |::::::;;;;::/  |::::::;;;;::/
  ||::|   <ヽ/>.- |  |:と),__」   |:と),__」
_..||::|   o  o ...|_ξ|:::::::::|    .|::::::::|
\  \__(久)__/_\::::::|    |:::::::|
.||.i\        、__ノフ \|    |:::::::|
.||ヽ .i\ _ __ ____ __ _.\   |::::::|
.|| ゙ヽ i    ハ i ハ i ハ i ハ |  し'_つ
.||   ゙|i~^~^~^~^~^~^~

まだー?

こねえ

すいません今帰りました

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!

未咲「あ。じゃあ私も作るよ!」

鳴「え?」

未咲「鳴だけにいい格好させないからね!」

鳴「…」ムムム

恒一「はは…」

未咲「できたー! 未咲ちゃん特制オムライス!」

恒一「おぉ…凄いね。美味しそうだ」

未咲「でしょ? 気合入れちゃった」エヘヘ

恒一「っ」ドキッ

未咲「どうかした?」

恒一「い、いや? 確かに美味しそうだなーって」アハハ
   (な、何で僕、今…)

  ∩ ∧_∧
⊂⌒( ・ω・ ) はいはいわろすわろす
 `ヽ_っ⌒/⌒c
     ⌒ ⌒

〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ・ω・) わろ…
 `ヽ_っ⌒/⌒c
     ⌒ ⌒

|l| ||l| ||l| ||| |
|l| |∧_∧|l| |
⊂( ・ω・)⊃
 /   ノ|l| |
 し―-J|l| |
     __

     \  \
        ̄ ̄

       /ヽ       /ヽ      ┌┐ r‐――‐ 、
       /  \___/  \     | |  | r--- 、 l
     /            \     | | └┘ ノ ノ
    /  ∪            ヽ   | |    i"´/
    .|     ●      ●   |  └┘   └┘
    .| し     (_人_)    /   ┌┐   ┌┐
     \             /     └┘   └┘


恒一「み、見崎は?」キョロキョロ

鳴「いるよ。ちょっと時間かかっちゃった」ドンッ

恒一「唐揚げ?」

未咲「唐揚げだね」

鳴「未咲好きでしょ?」

未咲「好きだけど…量が」

鳴「? 普通じゃない?」

未咲「それは鳴の基準でしょー」

恒一「ま、まぁ頂こうよ。ね?」

未咲「そうだね。んーお腹すいたー!」

鳴「オムライス美味しそう…」ジュルリ

未咲「どう? 美味しいかな?」ドキドキ

恒一「うん。卵もフワフワでご飯も僕好みだよ」モグモグ

未咲「! よかったー!」ニコッ

鳴「未咲、私の唐揚げどう?」

未咲「おいしーよ!」

鳴「そう。ならいいよ」フフッ

もう未咲食べたい

未咲「ほら恒一。あーん」

恒一「え?」

未咲「鳴の唐揚げだよー? 食べてみなって」グイッ

恒一「う、うん。あーん」モグモグ

鳴「…」

未咲「どう?」

恒一「凄く美味しいよ。見崎――」

鳴「…」ムスッ

恒一(…泣きたい)

――――

久保寺「んぃえあ”あ”あ”――!」グサッ

キャー ウワー イヤダー

千曳「皆出なさい! 早く!」

恒一「…」

鳴「ダメ、だったみたいね」

恒一「うん…」

――――

恒一「…」

未咲「どうしたの? 元気ないよ恒一」

恒一「ううん。何でもない」

未咲「…無理、しないでね?」

恒一「――うん。ありがとう」ニコッ

――――

鳴「未咲は私が守るから」

未咲「またそれ? まず鳴は自分を守るのが先でしょー? 危なっかしいんだから」

鳴「危なくないよ」ムー

未咲「この前も恒一に助けられてた癖に」ニヤニヤ

鳴「あ、あれはたまたま」

未咲「偶然が10回も続いたらそれって運命だよ? 鳴は恒一に助けられる運命なのだよきっと」

鳴「なにそれ」クスッ

恒一「いないものが解除されても、結局あんまり変わらないね」

鳴「サボれなくなったのは痛いかな」

恒一「もう…成績とか少しは気にしたら?」

鳴「じゃあ榊原君教えてよ」

恒一「いいけど…授業もちゃんと受けようね」アハハ

鳴「うん」

恒一(二人の時はいいんだけどなー)

イノヤ

未咲「お。来たな我が半身!」

恒一「なにそれ」

未咲「鳴の真似。似てた?」

恒一「うーん…70点かな」

未咲「うわっ。微妙だ。似てると思ったんだけどなー」

恒一「ふふ」

鳴「…」

恒一(三人で集まるとこれだ…)ハァ

恒一(かといって未咲を拒否するなんて有り得ないし。どうにかならないかな、これ)

恒一「…ん?」プルル

未咲「携帯?」

恒一「うん。ちょっとごめんね」スタスタ

未咲「早く帰って来てねー」

未咲「んー…先注文してよっか。紅茶でいいよね?」

鳴「…ねぇ未咲」

未咲「うん?」

鳴「未咲は、榊原君が好きなの?」

未咲「…うん。好きだよ」

鳴「…そっか」

未咲「鳴も好きなんでしょ?」

鳴「私? …どうだろ」

未咲「むむ。隠し事とは生意気な」

鳴「隠してないよ。榊原君は友達」

未咲「んー? じゃあ好きな人とかまだ居ないんだ」

鳴「いるよ」

未咲「えぇ!? だ、誰!?」

鳴「未咲」クスッ

未咲「…このー!」コチョコチョ

鳴「きゃっ! ちょ、こんな所で…」

未咲「私をおちょくるなんて10年早いのだー!」

未咲「…このー!」クチュクチュ

鳴「きゃっ! ちょ、こんな所で…あっ!…んんっ…んむっ」チュッチュッ

鳴「…まだくすぐられてる気がする」

未咲「鳴が悪いの」

鳴「もう。…榊原君、長いね」

未咲「まさか女か!? 私と鳴というものがありながら…!」グヌヌ

鳴(他の女の子…赤沢さんとか綾野さんとか…)ズキッ

鳴「? 何か今――」

恒一「ただいま」

未咲「遅ーい! 女か? 女なのか!?」

恒一「違うって。男の友達だよ」

未咲「ほんとにぃ?」

恒一「ホントだって。海に行かないかって言われたんだけど、断っちゃった」

鳴「勅使河原君達?」

恒一「赤沢さん達もね」

未咲「やっぱり女じゃない!」

かわいい

恒一「災厄の手掛かりをって事だったけど、そっちは任せる事にしたよ」ボソッ

鳴「何で?」ボソッ

恒一「…未咲のアレが災厄なら、また似たような事が起こるかもしれないからね。流石に部外者を連れて行くわけにもいけないし」コソコソ

鳴「なるほどね…」コソッ

恒一(…あれ? 怒らないの?)

未咲「無視するなー!」

未咲「もう! 恒一の浮気者め!」グヌヌ

恒一「だから男友達だよ?」

鳴「赤沢さん達もでしょ?」

恒一「それは…その…」

未咲「ぶっちゃけさー。恒一って好きな女の子いるの?」

恒一「へ?」

鳴「…」

未咲「いるの?」ジッ

恒一「…いるよ」

未咲「ふぅん…」チラッ

鳴「…いるんだ」

恒一「じゃあ逆に聞くけど未咲はいるの?」

未咲「恒一だよ?」

恒一「はいはい」

未咲「むっ。何だその態度は…。最近の恒一は私の扱いがおざなりだよね」

恒一「そうかな?」

未咲「そうだよ! これは調教の必要がありそうですなぁ…」

恒一「調教って…」

未咲「ぬふふ…」ワキワキ

鳴「未咲、注文は?」

未咲「あ。そだそだ、注文だったね。すいませーん」

恒一(助かった…)

鳴(…なんかモヤモヤする)

未咲「じゃーね恒一! また明日!」ブンブン

恒一「またね」

未咲「鳴もまたね!」

鳴「うん。気を付けて」

未咲「はーい。じゃねー」

鳴「ごめんね榊原君。送ってもらって」

恒一「見崎は一人だと危なっかしいからね」

鳴「む…榊原君までそんな事言う」

恒一「怒らないでよ」アハハ

鳴「…ねぇ、榊原君」

恒一「ん?」

鳴「榊原君の好きな人って誰?」

恒一「…何で気付かないの…」ハァー

鳴「?」

恒一「赤沢さんだよ」

恒一「あの、力強い感じに惹かれたんだ」

恒一(僕が好きなのは君だー、なんて言ったらどうなるんだろ。驚くかな? 未咲は――)ズキッ

恒一「うん?」

鳴「どうかした?」

恒一(まただ…)

恒一「なんでもないよ。好きな人は秘密かな」

鳴「ふぅん」

恒一(僕が好きなのは見崎…でも未咲も、嫌いじゃない)

鳴「まぁいいか。じゃ、気を付けてね」フリフリ

恒一「うん。おやすみ見崎」

恒一(結局、僕は誰が好きなんだろう…)

恒一「…合宿どうする?」

鳴「行くよ。榊原君は?」

恒一「僕も行くよ。写真はその時でいい?」

鳴「うん。大丈夫。それよりね、未咲がしばらく会えないなら三人でどこか行こうって」

恒一「夏休みだもんね。いいよ」

鳴「良かった。行き先決まったら連絡するね」

恒一「了解。――お互い気を付けようね」

鳴「…そうね」

――――

鳴「榊原君いいよだって」

未咲「やった! いい加減落としてやるぜ」

鳴「…ね。未咲は、私と榊原君。どっちが好き?」

未咲「どしたのいきなり」

鳴「どっち?」

未咲「うーん…どっちも大好きだよ」ニコッ

鳴「そっか」

未咲「鳴は? 私と恒一どっちが好き?」

鳴「…わからないな」

未咲「…もう。いい加減自覚しなよ」ハァー

――――

未咲「もしもし恒一。遊園地と動物園どっちが好き?」

恒一「遊園地かな。でも二人の好きな方でいいよ」

未咲「大丈夫。私も鳴も遊園地派だから」

恒一「そうなんだ。未咲はともかく、鳴は意外だな」

未咲「それどういう意味かな?」

恒一「じゃ、じゃあ楽しみにしてるよ! ばいばい!」ブツッ

未咲「あ! 逃げるなコラー!」

――――

未咲「恒一!」ダキッ

恒一「はいはい」

未咲「むぅ…最近恒一反応が悪いなぁ。可愛くなーい」

恒一「毎日逢う度に抱きつかれたら慣れもするって」

未咲「ぐぬぬ。ならば…鳴!」

鳴「? 何?」

未咲「恒一に熱い抱擁をお見舞いしてやれ!」

恒一「なっ!?」

鳴「…いいの?」

未咲「鳴になら特別に許します」

鳴「榊原君も、嫌じゃないの?」

恒一「い…嫌なわけない、よ」

鳴「…そうなんだ」ドキッ

未咲「はいはい良い雰囲気になってないで早くする!」ドンッ

鳴「きゃっ」フラッ

恒一「見崎!?」ガシッ

鳴「あ…」

恒一「えっと…」

鳴(榊原君の顔…近い)ドキドキ

恒一(見崎、顔赤い。多分、僕も…)ドキドキ

未咲(うひひ…)コソコソ

鳴(ドキドキする。なんでだろ…)

恒一(…好きだ。見崎)

未咲「どーん!」ダキッ

恒一「うわぁ!?」

鳴「未咲!?」

未咲「二人で盛り上がってずるい! 私も恒一に見つめて欲しい!」グイッ

恒一「うっ」

未咲「ほーら」ジッ

恒一「…」ジッ

未咲「…恒一ってさ。キスしたことある?」

恒一「ない、けど」ドキドキ

未咲「私もなんだ。…してみようか」

恒一「え?」

未咲「んっ」スッ

恒一(眼瞑って…これってそういう事、だよね?)ドキドキ

未咲(さぁ来い!)ドキドキ

恒一(ヤバい…僕、未咲も好きだ)ドキドキ

鳴「…」ツネリ

恒一「痛ったぁ!?」ビクッ

未咲「へ?」パチクリ

恒一「み、見崎痛いよ」

鳴「なにが?」ギュー

恒一「お尻抓ってるのがだよ!」

鳴「な・に・が?」ギュウ

恒一(うう…最近はこういうのも無かったのに…)シクシク

未咲「…ちぇ」

恒一「今日も霧果さんいないの?」

鳴「うん。ご飯は店屋物でいいよね?」

未咲「作るの面倒だしね。私はいいよ」

恒一「僕も――そうだ。僕作ろうか?」

鳴「え?」

未咲「マジで?」

恒一「この前ごちそうしてもらったしね。未咲とも約束してたし」

未咲「やった! 私ハンバーグ食べたい!」

恒一「ハンバーグね。見崎は食べたいものある?」

鳴「…卵焼き。甘いの」

恒一「好きだもんね。一杯作るよ」ナデ

鳴「うん」ニコッ

未咲「よーし! 買出し行こう買出し!」グイッ

恒一「分かってるから、引っ張らないでよ」ハハ

未咲「早く早く!」

恒一「もう…。ほら見崎、行こう」スッ

鳴「…うん」ギュ

恒一「出来たよー」

未咲「はーい。…おお、美味しそう」ゴクリ

鳴「じゅるり」

恒一「口に合えばいいけど」

未咲「いっただきまーす!」モグモグ

鳴「いただきます」モッシャモッシャ

未咲・鳴「うまー」

恒一「良かった。デザートもあるからね」

未咲「いたせりつくせりだねぇ…。恒一ウチにお婿に来てよ」

恒一「普通逆じゃないの?」

未咲「それって俺の嫁になれって事?」ニヤニヤ

恒一「だったら?」

未咲「ほえ?」

鳴「…え」ピタッ

未咲「え、え? いいの?」

恒一「…冗談だよ。いつものお返し」クスッ

未咲「ぶっ飛ばすぞ!」ムキー

鳴(よかった…)ホッ

ご飯食べさせてくだしい

恒一「未咲泊まっていくの?」

未咲「うん。おばさん帰って来るから、明日の朝イチで帰るんだけどね」

恒一「でも何でそんなに霧果さんは…」

未咲「ごめん。それは鳴から聞いて? 私が話していいことじゃないから」ギュ

恒一「未咲?」

未咲「…恒一、好きだよ」

恒一「えっと…」

未咲「ごまかさないでよ。いい加減怒るよ」

恒一「…」

未咲「返事は、今度で良いから。遊園地行く時に、ね?」

恒一「――うん」ギュ

未咲(鳴に悪い事しちゃったかな…でも…)

鳴「お風呂上がったけど…」ペタペタ

恒一・未咲「!」バッ

鳴「?」

恒一「じゃあまた明日ね見崎。合宿なんだから、遅刻とか駄目だよ?」

鳴「わかってるよ。榊原君こそ、寝坊しないように」

恒一「朝迎えに来るから」

鳴「うん…」

恒一「? どうかした?」

鳴「あのね、聞いて欲しい事があるの。明日、言うから。聞いてくれる?」

恒一「! う、うん!」

鳴「未咲にも、きちんと話した事はないんだけどね。この眼のこと」スッ

恒一(ですよねー)ガックリ

鳴「それじゃあおやすみ」フリフリ

恒一「おやすみ」バイバイ

恒一(やっぱハッキリ言わなくちゃダメか。でも未咲が…あぁあああ…どうしよう)

未咲「…ねぇ鳴」

鳴「なに?」

未咲「私ね、恒一が好き。大好き」

鳴「…うん」

未咲「でもね。鳴も同じぐらい好き」ギュ

鳴「私も好きだよ」ギュ

未咲「…もし、恒一が鳴を好きって言ったら、どうする?」

鳴「え?」ドキ

未咲「も、もう寝るね。ごめん」

鳴「あ…」

鳴(未咲は榊原君が好き。私は未咲を榊原君に取られたくなくって…じゃあ榊原君は? 榊原君の好きな人って…誰? 未咲? 私? それとも――)

――――

未咲「あー…二人は今頃合宿かー。私も行きたかったなぁー」

未咲「まっ。帰って来たら遊園地だし。こ、告白の返事も、あるし…///」

未咲「うわああああ! 今更恥ずかしくなってきた!」ゴロゴロ

オイウルサイゾー

未咲「っとと。落ち着け落ち着け」フー

未咲「こうなったらなるようになれだ。…暇だなー」ゴロゴロ

ここからスクールデイズのような展開だな

――――

杉浦『殺せぇえええええええ!』

シシャヲシニ シシャ ミサキヲ

鳴「っ」

恒一「違う!」

鳴「榊原君…」

恒一「見崎じゃない! 見崎は生きてる! 生きてここに居る!」

鳴「…」ギュ

恒一「見崎…」

鳴「行きましょ」

恒一「――うん」ギュ

――――

恒一「…僕がやる」スッ

怜子「恒一くん!? 何を…」

恒一(僕は見崎を、信じる。だからごめん怜子さん。…おかあさん)

ドスッ

恒一「…ぐっ」

鳴「! 榊原君!?」

恒一(肺が…っ! また、か…!)ドサッ

鳴「榊原君!? しっかりして! 榊原君!」ポロポロ

恒一(あー…駄目だ。苦しい…意識が、消えt――)

――――

病院

未咲「恒一!」バーン

鳴「…未咲」

未咲「鳴! 恒一が倒れたって…!」

鳴「どうしよう…榊原君、どうしよう…」オロオロ

未咲「しっかりして! 恒一は無事なの!?」

鳴「ぐすっ…」コクリ

未咲「…よかったぁ」ホッ

鳴「私が、悪いの…。榊原君、怪我もして…」

未咲「…とりあえず落ち着いてよ。その後、ゆっくりでいいから説明して?」

鳴「…うん」グスッ

未咲「――三年三組の呪い…か」フーム

鳴「4月に未咲が危なかったのも、多分災厄だと思う」

未咲「あー…なるほどね。で? 鳴は大丈夫なの? 怪我とか…」

鳴「少し打撲があるぐらいで平気。…榊原君が、守ってくれたから」

未咲「…恒一、意外と頑丈だから大丈夫だよ。すぐに起きて、笑ってくれるよ。ね?」ギュ

鳴「…うん、うん」ギュウ

未咲「泣いてると、恒一に嫌われちゃうよ?」

鳴「…うん」クスッ

未咲「よし! 手術終わったらお見舞い行かなきゃね。遊園地はおあずけかー」

鳴「榊原君が良くなれば、いつでも行けるじゃない」

未咲「そうなんだけどねー…」アハハ

鳴「?」

未咲「…あのね、鳴。実は私、恒一に告白したんだ」

鳴「え?」

未咲「それで、遊園地で答えを――ってね」

鳴「…そうなんだ」

未咲「鳴は、どう?」

鳴「なにが?」

未咲「恒一の事。まだ友達? それでいい?」

鳴「…」

未咲「ごめんね…こんな時に。でも、ちゃんと考えて、素直に伝えた方がいいよ」
   「じゃ、私戻るね。また」タタタ

鳴「素直、に…」

病室

未咲「お、お邪魔しまーす」ソローリ

恒一「あ。久しぶり」

未咲「起きてたんだ。大丈夫?」

恒一「うん。手術も成功して、すぐに退院できるってさ」

未咲「そ、そうなんだ。本読んでたの?」

恒一「未咲も読む?」

未咲「またホラーでしょ? パス」

恒一「面白いんだけどなぁ…」

恒一「今日は一人?」

未咲「…うん。鳴、恒一の顔も見たくないってさ」

恒一「…傷付くよ?」

未咲「ごめんごめん。何か考え事してるらしくてさ。明日は連れて来るから」

恒一「無理しないでいいよ」ハハ

未咲「…無理してるのは恒一でしょ」ボソッ

恒一「え?」

未咲「体弱いくせに…カッコつけるな馬鹿ぁ!」ダキッ

恒一「ぐぇ!?」

未咲「恒一が死んだら…私…」グスッ

恒一「(痛ってぇ)未咲…」

未咲「倒れたって聞いた時、心臓が止まりそうだった。苦しそうな恒一なんて見たくなかった」ギュウ

恒一「…ごめん」

未咲「もうしない?」

恒一「鳴と未咲が危ない事しないなら、僕もしないよ」

未咲「…じゃあ、約束ね」

恒一「うん。約束」

未咲「へへー。駄目だなー私。元気づけるつもりだったのにこれじゃあ逆じゃない」

恒一「僕は未咲が来てくれただけで嬉しいよ」ニコッ

未咲「も、もうコイツめー///」バンバン

恒一「痛い痛い!」

未咲「あ、ごめん」タハハ

恒一「もう」

さるった

翌日・病室

未咲「おはよー」

恒一「おはよ。見崎は?」

未咲「あれ? …ちょっと鳴。何で隠れてるの。ほら、いいから来る」グイッ

鳴「ちょ、待って――あ…」

恒一「…久しぶり。良かった、元気そうで」

鳴「…うん。榊原君も」

恒一「その、怪我とかは?」

鳴「痣もないよ。榊原君が守ってくれたから」

恒一「見崎が隣に居てくれなかったら、僕も全部諦めてたかもしれない」

鳴「でも、私が居たから…」

恒一「見崎。怜子さんの事も、クラスの事も、怪我の事だって君のせいじゃない。だからそんな顔しないで?」

鳴「榊原君は優しいね」ニコッ

恒一「そ、そうかな? そういう風に言われると照れくさいよ」

未咲「あー。恒一顔赤ーい」ニヤニヤ

鳴「余計な事言わないの」

未咲「ぬー。おねーさんぶるなー!」

恒一「あはは」

鳴「ふふ…」

未咲「…ま、二人ともお疲れ様」

恒一「うん。色々あったけど、これから少しづつ忘れていくのかな?」

鳴「榊原君は忘れたくない? ずっと覚えていたい?」

恒一「…どうだろ」

未咲「さーさー! 湿っぽいのはそれぐらいにして、遊園地の事でも考えようよ!」

恒一「その前に、未咲。今いいかな?」

未咲「あ…えと、うん」

鳴「…私は外した方がいいよね」

恒一「ううん。見崎にも――鳴にも聞いてほしい」

鳴「え?」

恒一「僕、ずっと考えてたんだ。好きな人が誰なのか」

未咲「…」

鳴「…」

恒一「正直に言うね。僕の好きな人は――」

鳴「…待って」

恒一「鳴?」

未咲「恒一。聞いてあげて」

鳴「私は、未咲が好き。でも未咲は榊原君が好きで、このままじゃ榊原君に未咲を取られちゃうって思った」

鳴「未咲を取られたくない。でも、でも…榊原君を未咲に取られるのも――嫌」

鳴「好きだから…私は、榊原君が、未咲と同じぐらい、好きなの」

鳴「それだけ。言わないまま、榊原君と未咲が付き合うのは嫌だったから言っただけ」

鳴「…ごめんね榊原君。勝手にライバルなんて言って、酷いこと…ぐすっ…して」エグエグ

恒一「見崎」ギュ

鳴「へ?」グスッ

恒一「一回しか言わないから、良く聞いてね」


恒一「ひと目見た時から、ずっと好きでした。僕と付き合ってください」

鳴「へ…へぇ!?」

恒一「ダメ…かな?」

鳴「え? で、でも…」

恒一「ダメ?」

鳴「――っ! だ、駄目じゃない! 私も好き!」

鳴「好き…大好き…!」ギュ

恒一「うん。僕も大好きだよ」ギュウ

未咲「…やったね鳴。おめでとう」ニコッ

鳴「未咲…」

未咲「じゃ、じゃあ私、えと…帰るねっ。若い二人の邪魔になるだろうし? あは、あはは…」ポロポロ

鳴「ま、待って未咲!」

未咲「だ、大丈夫! ほら、私おねぇちゃんだから! こ、今回は…っ…鳴に…」ポロポロ

恒一「待って」ダキッ

未咲「はぇ?」

恒一「まだ未咲に返事してないよ?」

未咲「っ! 放してよ! もう答え出でんじゃん!」

恒一「未咲」ギュウ


恒一「君が好きだ。僕と付き合ってください」

キタ━━(゚∀゚)━━!!

これは3人でインド国籍を取るしかないな
インドなら一夫多妻があるからね

親父がインドへ行ったのは伏線だったってことだ

>>259
成る程、そんな解釈が出来るとはお前天才か⁉

未咲「へ?」

鳴「ん?」

恒一「未咲の笑顔が大好きなんだ。僕が辛い時、ずっと励まされてた。いつの間に好きになってた。だから…」

未咲「ちょ、ちょっとストーップ! 嬉しいけど! ストップ!」

鳴「どういう事なの?」

恒一「考えたって言ったよね?」

鳴「うん」

恒一「…でさ、凄く勝手な答えなんだけどね」

未咲「…」

恒一「鳴も未咲も好きで、どっちかなんて選べないから――」


恒一「どっちも、僕の女にしようと思ったんだ」

素晴らしい

鳴「僕の…」ドキドキ

未咲「オンナ…」ドキドキ

恒一「あ。その、そこは聞き流して! とにかく、二人とも幸せにしたいって、そう…思ったんだ」

鳴「…」

未咲「あの…と、とりあえず放してくれる、カナ? は、恥ずかしいって言うか…///」

恒一「う、うん」

エロはありますか?

鳴「はぁ…どう思う?」

未咲「まぁ、凄い事言われたって言うか…」アハハ

鳴「正直…私はいいと思う」

未咲「マジ?」

鳴「それなら未咲とずっと一緒って事だし」

未咲「でも…」

鳴「未咲が言ったんだよ? 自分に素直に、って。私は榊原君とも未咲とも一緒がいい」

未咲「…そりゃあ、私だって」

鳴「榊原君、意外と逞しいから。二人とも愛してくれるよ?」

未咲「くっ…なんだよその余裕! あーもー! 恒一!」

恒一「はい」

未咲「大好き!」ダキッ

未咲「馬鹿! 好き!」ギュウ

恒一「うん。僕もだよ」

鳴「私は?」ダキッ

恒一「鳴も大好き」

未咲「私も鳴が好き!」

鳴「私も」

恒一「絶対、二人とも幸せにするから」ギュ

鳴「当然」

未咲「絶対に絶対だよ?」

鳴「まずは遊園地ね。そこで榊原君のテストです」


恒一「落ちたら?」

未咲「それは…ねぇ?」ニヤニヤ

鳴「ふふ。霧果特性の調教セットがある」

未咲「覚悟しといてね?」

恒一「う、うん」

鳴「…絶対放さないから」ギュ

未咲「もう逃がさないよー」ギュ

恒一「僕も、ずっと一緒だから」ギュウ

鳴・未咲「――大好き!」ニコッ

遊園地

恒一「へぇ…意外とちっちゃいんだね」キョロキョロ

未咲「でも楽しいよ! えっとまずはー…」ギュ

鳴「ちょっと未咲。独り占めは相手の同意を得てからだよ。今日はデートなんだから」ギュ

恒一(なんて言って鳴も腕にしがみついてる…)

未咲「はーい」ギュウ

鳴「もう…」ギュウ

恒一「とりあえず適当に歩こうよ。ね?」

鳴・未咲「うん!」

恒一(かわいい…)

ジェットコースター

未咲「恒一の隣は私!」

鳴「私。これは譲れない」

未咲「鳴が先に告白されてズルイ! だから今日は私!」

鳴「未咲だって先に告白した。だから今日は私」

未咲「私の方がおねぇさんなんだぞー!」

鳴「先に生まれた方がおねぇさん。未咲は妹」

未咲「ぐぬぬ」

鳴「むむ」

係員「あ、あのー…」

恒一「二人並んで座りなよ、もう…」

未咲「うっひょーい!」バンザイ

鳴「もう…危ないよ?」

未咲「落ちそうになったら恒一が助けてくれるもん! ね?」

恒一「え? 何聞こえない」

未咲「おっけーだって! ほら鳴も!」

鳴「ちょ、怖いから…!」

未咲「いーからいーから!」

鳴「ば、ばんざーい///」

未咲「ひゃっほーい!」

恒一(僕もしようかなー)

未咲「楽しかったー! ね。もう一回乗ろうよ!」

鳴「後でね。次行きましょ」ギュ

恒一「鳴なんか乗りたいものある?」

鳴「メリーゴーランド」

未咲「おっ。いいねー」ダキッ

恒一「じゃあ行こうか」

メリーゴーランド

恒一「鳴って意外とお転婆だよね」

鳴「そう?」ギュウ

恒一「こうやって馬に乗ってるとお姫様みたいだけどね」

鳴「じゃ、じゃあ榊原君は王子様/// エスコートとか、えと、よろしくね?」

恒一「なんなりと、姫」ギュッ

鳴「♪」


未咲「ぐぬぬ…早く終われー」

さる

未咲「この子遅ーい」ペシペシ

恒一「本物じゃないんだから」

未咲「体も治ったし、もっと激しいの乗りたいよー」

恒一「ほら、落ちちゃうから」ギュ

未咲「ふぇ///」

恒一「未咲って攻められると弱いよね」ニヤニヤ

未咲「うぅ…///」スリスリ

恒一「ちょ、ホント落ちちゃうって!」


鳴「まだかな…」モグモグ

恒一「んー…じゃあ次は」

未咲「あ! 私あれ! コーヒーカップ乗りたい!」

鳴「私あれ。カート乗りたいな」

未咲「む?」

鳴「ん?」

未咲「カップ」

鳴「カート」

恒一「はいはい。近い方から順番にね」クスクス

広場

未咲「ふぃー。疲れたー」

鳴「もうお昼も過ぎてるしね。ご飯どうしようか」

恒一「お弁当でも持ってくればよかったね。売店で何か買って食べる?」

鳴「うん」

恒一「未咲はー?」

未咲「あっ! 待って待って私も行く!」

未咲「やっぱりこういう所のって高いねー」モグモグ

恒一「だね。っていうか僕が奢るつもりだったのに」

未咲「そういうのはいーの」ゴックン

鳴「ごちそうさま」ケプ

恒一「早いね」

鳴「少なかった…」

未咲「私達の倍あったじゃない…」

恒一「あはは。デザートでも食べる? アイス売ってたよね? 買って来るよ」

腹へってきた

鳴「ストロベリーとチョコとバニラと抹茶とミントとブルーベリーと」

恒一「一つでね?」

未咲「私バニラがいーな。お金は――」ゴソゴソ

恒一「奢るって」

未咲「でも…」

恒一「初デートの記念に、ね?」

未咲「…うん。ありがと」ニコッ

鳴「うーん…チョコが…抹茶も…」ブツブツ

未咲「恒一って可愛いーよね」

鳴「可愛い、かな?」

未咲「何て言うのかなー? こう、ぎゅーってしたくなる感じ?」

鳴「やっぱり未咲の可愛いは変わってるね」クスッ

未咲「そう?」

鳴「榊原君はどっちかって言うと、カッコいい、って感じだと思うけど」

未咲「ほぅ。ワンモア」ニヤリ

鳴「? だから、榊原君はカッコいいって…あ///」

未咲「なるほどー。いいこと聞いたなー。恒一に教えてあげないと」ニヒヒ

鳴「は、恥ずかしいから止めて!」

未咲「どっしよっかなー」

鳴「み、未咲のも言うよ?」

未咲「どーぞどーぞ」

鳴「ぐぬぬ」

未咲「にひひ。おねーちゃんは強いのだ」

やだ可愛い

恒一「ただいまー」スタスタ

未咲「恒一! 鳴がカッコいい! 結婚して! だってー」

鳴「ちょ、そこまで言ってない!」

恒一「うん。高校卒業したら一緒に暮らそう?」

鳴「ふぇ?」

恒一「結婚かー。楽しみだね」

鳴「あ、ぁう///」

未咲「あ、あのー…」

恒一「もちろん未咲もね。幸せにするから」

未咲「は、はい///」

恒一「ほら、アイス食べよ?」

鳴「結婚、結婚…///」

未咲「幸せ…えへへ///」

恒一「おーい…」

甲斐性あり過ぎや

観覧車

恒一「高いね。夜見山が一望できるよ」

鳴「狭い…」ギュウギュウ

未咲「ダイエットしとけばよかった…」ギュウギュウ

恒一「今日は楽しかった?」

鳴「うん」

未咲「すっごく楽しかった! またこようね!」

恒一「良かった。僕デートとか初めてだったから緊張しちゃって」アハハ

未咲「そうなの? 意外だ」

恒一「前の学校は男子校だったしね」

鳴「榊原君モテそうなのにね」ギュ

未咲「確かに…正直に言った方がいいよ?」ギュ

恒一「ほ、ホントだって」

未咲「ま、今回は信じてあげよう」

鳴「だね」

恒一「もう…」

未咲「…ね。恒一、こっち向いて?」

恒一「ん?」スッ

チュッ

恒一「!?」

未咲「ん…/// はい。これで恒一は私のね///」

鳴「むっ。榊原君、こっち」グイッ

チュッ

鳴「ん、んぅ…ちゅっちゅ。はい。上書き///」

恒一「」

エロかわいいよ

未咲「生意気な…もう一回」

チュ

鳴「未咲こそ…」

チュ

恒一(ここが天国だったのか…)

恒一(係員に見られた…///)

未咲「あー楽しかったー! 絶対また行こうね!」ダキッ

恒一「…うん。行こう」

鳴「三人で、ね」ダキッ

恒一「うん。僕と鳴と未咲で」ニコッ

鳴・未咲「ずっとずっと、一緒にね」ニコッ


いつか終わるかもしれない。そんな道を三人で歩いて行く。
幸せのまま、せめて一瞬でも長くと恒一は祈るのであった。

happy☆end

乙、エロはないのか?

あ、他にSS書いてるんなら教えて
なかなか面白かった

>>319
赤沢「最近いないもののイチャつきが目に余る」とか諸々

エロとかないよ

エロはないのか…(´・ω・`)
でも面白かった乙

おつ

スレ立て代行ありがとうございました

来週はまた鳴ちゃんと恒一君がいちゃつくのでも書くよ

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom