俺「自殺する」神「チャンスをやろう」 (64)

俺「もうダメだ。自殺するしかない」

俺「高校を退学処分になってから、もう2年が経つしな」

俺「俺を罠に嵌めた犯人も卒業して大学進学か…クソ!」

俺「かーちゃん、とーちゃん…ごめんよ」睡眠薬グビグビ

俺「うっ…く、くるしいぃ…」

俺「……ぁ ……  …」

神「俺よ…チャンスが欲しいかね?」

俺「あれ?俺は…死んだはずじゃ?」

神「左様。お前は死んだ。だがあまりにみじめなのでお前にチャンスを与えることにした」

俺「チャンス?」

神「左様。しかし期限は一週間。しかもほんの短い時間の間だけだが、過去に戻らしてやろう」

俺「な、なんだってー」

神「戻りたい時を言うがいい」

俺「じゃ、じゃあ… 2年前の文化祭の少し前に戻してくれ!!」

神「いいじゃろう。では健闘を祈る」

俺「う、うわああああああああ」グルグル

俺「こ、ここは?俺の部屋か?とりあえず電気をつけるか」ポチ

俺「制服がかけられてる? テレビは…」ポチ

ある晴れた日のこと~♪

俺「!? ハルヒだと… しかも再放送じゃない… 本当に2年前なのか」

俺「日付は… 2004年10月2日か。文化祭の4日前だな」

俺「しかし、いきなり2年前に戻されても、どうすりゃいいのか分らんな」

俺「う、意識が…う、薄れて、い、く……」バタ

俺「う、なんだ?俺はたしか…そう急に意識が薄れて倒れたんだ」

俺「今何時だ? 10月3日の… あれ? 24時間近く時間が経過している…!? ということは俺は丸一日部屋で倒れてたっていうのか?そんなアホな」

俺「そうだ、母さんに確認すれば…」

俺「母さん、何で俺を起こしてくれなかったんだよー、おかげで学校いけなかったじゃないか」

母「? 何言ってんだいアンタ。今日は学校いったじゃないか」

俺「なん…だと?」

俺「どういうことだ… は!? ま、まさか…」

俺(疑問には思っていたんだ。俺の意識がこの時代に戻るということは、元々あった俺の意識は上書きされて消えることになるんじゃないかって。だが違ったようだ…)

俺「俺はどうやら、この時代の俺の2つ目の新たな人格としてタイムリープしたらしい…」

俺「だが、そうだとしたらまずはこの時代の俺とコンタクトをとらなくては…」

俺「とりあえず、部屋にメッセージを残しておくか」カキカキ

俺「よし、これを机の上に置いてっと… う、また意識が…」

――3日目の朝

過去俺「うーん、よく寝た。そろそろ文化祭かー 楽しみだな!」

過去俺「ん?机の上になんか書いてあるな?なになに」

過去俺「 「俺はお前のもう一つの人格だ。お前を救うために未来からやってきた。とりあえず確認したら返事をよこせ」 だって?なんだこれは」

過去俺「でもまぎれもなく俺の字だし… 寝ぼけて書いたんだろうか?おっといけない、遅刻遅刻」

A「おう、遅刻ギリギリじゃねーか」

B「どうせ文化祭が楽しみで眠れなかったんだろ」

過去俺「ち、ちげーよ」

C「まぁ、俺も楽しみだけどな」

――3日目の深夜

俺「う、また翌日の夜か… そうだ!筆談の結果は」

俺「こ、こいつ。丸めてゴミ箱に捨ててやがる… 確かに俺ならあんな手紙信じないな。ならどうしたら… おっアレを使えば」

――4日目の朝

過去俺「ふー、朝か。ん?また机に手紙が置いてある?今度はなんだ?」

過去俺「 「未来から来たことを証明するために、ジャンプのネタバレをする。黄金ライフル、月牙天衝、螺旋丸、ジャジャンケン。どれも今日発売のジャンプで初出の新技だ」 だと…?」

過去俺「何てネームングセンスだ! そんなん当たるわけなよ ははは」

――30分後

過去俺「なん…だと? あの手紙の通りだった… まさか本当にもう一人の僕なのか?」

――4日目 深夜

俺「… また夜12時か。活動できるのは深夜と決まってるようだな。しかも30分ぐらいしか意識がもてないのか」

俺「お、机の上に俺からの返事があるぞ。どれどれ…」

俺「 「未来の僕へ あなたの存在を信じることにします。でも救いは必要ありません。なぜなら、僕には彼女はいませんが、友達には恵まれているからです」 か…」

俺「悲しいな… だが、早くこのことを俺に伝えてあげなくては…」カキカキ

――5日目 朝

過去俺「未来の僕からの返事だ! なになに…」

過去俺「 「文化祭当日、お化け屋敷の暗闇に乗じて痴漢事件がおきる。そしてお前はその容疑者として起訴され、学校を去ることになる」 だって!?」

過去俺「そ、そんな馬鹿な… でもジャンプの予言はあたったし…」

過去俺「それに文化祭は今日じゃないか!? どうすれば…」

――5日目 学校

担任「今日は俺君が風邪でお休みだ」

A「マジかよ!?」

B「あーあ、あいつ楽しみにしてたのに…」

C「じゃあ代わりに誰かがあいつの役割もやらないとな」

――5日目 昼 自宅

過去俺(ごめんな、みんな… 少しオカルトじみてるが怖いんだよ)

――5日目 深夜

俺「 「今日は学校を休んでいて正解でした。本当に痴漢事件があったみたいです」 そうか… 良かったぁ」

俺「これで少なくとも俺を退学にするための卑劣な罠ではなかったと証明された」

俺(俺に恨みのある奴の犯行だと思って、この2年間、人間不信になっていたからな)

俺「だが… 一体誰が犯人なんだ?」

俺「まだ残り2日ある。この事件の謎は俺がすべて解き明かして見せる!」

俺「自宅警備員の名に懸けて!!」

――6日目 朝

過去俺「 「情報が欲しい。犯人を見つけるためにも、みんなのアリバイを聞いてこい」 … え、偉そうに!!」

過去俺「だが、犯人を知りたいのは僕も同じだ。協力するか…」

――6日目 教室

C「ふざけんな!! 誰がお前みたいな女の尻なんか触るか!?」

女「し、失礼ね!! どうせアンタがやったんでしょ!?」

A「でも待ってくれよ。そもそもあの部屋は暗すぎて、どこに誰が何人いるのか、男か女かも判別つかないぞ」

B「確かにそうだ! あれはさすがに暗すぎたよ。お化け役が弱い照明に照らされてるだけだったし」

女「じゃあ、だれがやったって言うのよ? やっぱりアンタでしょ?」

C「だから、僕はやってない!!」ダン

先生「C君!落ち着きたまえ」

担任「そうだぞーC。とりあえず指導室に行こうな。警察の方もいらっしゃってるし」

C「く、くそぉ…」

過去俺(… Cが容疑者として連行された)

過去俺(でもあいつがそんなことするわけない。何としても真犯人を見つけなくては…)

A「おお、俺… なんだか大変なことになっちまったな…」

B「お前昨日来なくて正解だったな」

過去俺「… 俺、昨日いなかったからさ… 詳しい状況知らないんだ。教えてくれないか?」

A「ま、まるで探偵だな。 まぁいいぜ」

B「…」

――6日目 深夜

俺「!? Cが容疑者に!? そうか、俺の代役をやったばっかりに…」

俺「おっ、これが調査結果か」

俺「とりあえず、嘘や勘違いを言っている可能性を除外して考えてみよう」

――――――――――――――――――――――――――――
A「午前午後両方で甲冑役やった。俺君が休んだ分もやったから大変だった」
B「午前に怪人役やった。午後は友達と一緒に周った」
C「午後に怪人役やりました。午前は一人で遊んでました」
女「3時ごろ入店した。目の前に甲冑役がいた時に痴漢にあった。だから、私の後ろにいた怪人役は痴漢できたはずだ」
――――――――――――――――――――――――――――

俺「ふむふむ… 俺が出た文化祭とは状況に違いがあるな」

俺「思い出せ… 俺の出た文化祭で、誰が、いつ、何の役をやっていたのかを…」カキカキ

――――――――――――――――――――――――――――
俺 午前に甲冑着てた。痴漢はやってない。
A 午後に甲冑役だった。午前はBと二人で周ってた。
B 午後に怪人役だった。午前はAと二人で周ってた。
C 午前に怪人役だった。午後は一人で遊んでたっぽい
女 11時ごろに確か来たな。「目の前に怪人がいた時に痴漢にあった。だから、私の後ろにいた甲冑役は痴漢できたはずだ」とかほざいてやがったな
――――――――――――――――――――――――――――

俺「お化けの役はともかく、女がお化け屋敷に来る時間が午前から午後に変わっている。バタフライエフェクトだとでもいうのか」

俺「これは…!?」

俺「今回の文化祭ではCは確かに犯行が可能だった」

俺「しかし、俺の出た文化祭ではCの犯行は不可能だ」

俺「俺にもそれと同様のことが言える」

俺「俺が休んだお化け屋敷と俺が出たお化け屋敷… この2つで起こった痴漢事件は同一犯のものと考えるのが妥当だろう」

俺「だから、俺とCは犯人ではない? なら、AとBはどうだ?」

俺「そもそも女の自作自演という可能性もあるな」

俺「だが、嘘でここまで騒ぎ立てるとは考えにくい。だから、これはひとまず除外だ」

俺「俺たち4人以外のクラスメートという可能性は?」

俺「いや、役割以外の場所をウロウロしていたら、さすがに目立つだろう。これも除外だ」

俺「お化け屋敷に残って隠れていた客の可能性は?」

俺「1回ごとに点検作業で電気をつけるから、そこでバレてつまみ出されるだろう。これも除外」

俺「………」

俺「導き出される結論は…」

俺「謎はすべて解けた」

――7日目 教室

女「ちょっと!どういうこと!今日は文化祭の振り替え休日なのに!マジあり得ないんですけどー」

過去俺「今日皆さんにお集まりいただいたのは、怪人館痴漢事件の真犯人が分かったからです」

A&B&C&女「「「「!!!!????」」」」

A「し、真犯人って… 犯人はCで決まったんじゃないのか!?」

B「そ、そうだ… 俺はやってないぞ もう終わったことじゃないか!」

C「お、お前らああ」

過去俺「みんな、落ち着け。俺たちはみんな犯人のトリックに騙されていたんだ」

女「トリックですって?」

過去俺「あぁ。簡単な叙述トリックさ」

過去俺「俺たちはボタンのかけ違いをしていたんだ。犯人に致命的な盲点を突かれてな」

過去俺「怪人館痴漢事件の真犯人は…」

過去俺「教室の外で携帯弄りながら女を待ってる男、お前だ!!」

男「!?」ビクッ

女(やっぱりねー 庇って損した)

過去俺「そもそも、考えてもみてくれ。どこの世界に1人でお化け屋敷に来るJKがいるんだ?」

A「あ!!」

B「そこに気づくとは」

C「やはり天才か」

過去俺「おそらく、お前はその腐れビッチと友達以上恋人未満の関係なんだろう」

過去俺「親交を深めようと文化祭デート、そしてお化け屋敷でイチャイチャ」

過去俺「お前はそんな期待を胸に女を連れて俺たちのお化け屋敷にやってきた」

過去俺「そして事件が起きる。そう、お前が女の尻を横から触ったんだ」

過去俺「しかし、おそらくその時、お前は相当ビックリしたはずだ。女は笑って許してくれると思っていたのに激怒していたからな」

過去俺「そこでお前はとっさに自分ではないと主張し、罪を俺たちになすりつけたんだ!」

男「ぐぅぅ!!

C「… ふ、ふざけやがってえええ このくそがああああああああああああああ」

男「ふんっ 別にいいだろ? 元から痴漢しそうな顔なんだしよ」

C「しねえええええええええええ」バキボコドカ

A「ま、まずい!! Cを止めろwww」

B「おうwwwwwwww」

C「く、離せwwwww」

――7日目 深夜

俺「… そうか 上手くいったか」

俺(時間が余ったな。手持無沙汰だ…)

俺「ふっ 人生の先輩として昔の俺にアドバイスでもくれてやるか」

俺「… ダメだ… 引き籠って2chやってただけだから、生産性のある情報が何一つ思い浮かばない!」

俺「はぁ やむをえまい 地道に勉強しろよっと… それから」カキカキ

俺「ルフィが死んでエースが主人公になる&トビの正体はイルカっと…」カキカキ

俺「… んっ、お迎えが来たようだ…」

俺「う、うわあああああああああ」グルグル

電車 がたんごとん がたんごとん

俺「う、こ、ここは… 電車か?」

俺「日付は… 2006年! 戻ってきたのか」

女「俺君、どうかしたの?」

俺「!?」

俺(お、お前は… あの時の糞ビッチ!?)

俺(そうか、思い出した… というより理解した)

女「ハァハァ… 続きを早くぅ///」

俺「ふぅ 俺たちの痴漢プレイはこれからだ!」

――おしまい――

さっき見たやつは寝てろよ、何でまだ起きてんだよ…

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