忍「黙るの飽きた」 (18)

学習塾跡


忍野「――――とこういう訳さ。為になったかい吸血鬼ちゃん?」

忍「…………」

忍野「うーん、合いの手が入らないというのは、やっぱり語り手としては寂しいものがあるねぇ」

忍「…………」

忍野「そうだね、じゃあ次の怪異譚は……」

忍「…………」 ギロッ

忍野「おっとっと、そう睨まないでくれよ。元気が良いなぁ、何かいいことでもあったのかい?」

忍「…………」 プイッ

忍野「どうやら吸血鬼ちゃんにはお気にめさなかったようだね」

忍野「うーん……そういえばGW中、障り猫いやさ委員長ちゃんのことでは君と阿良々木君には大分お世話になったね」

忍野「結果として僕の仕事取られちゃったわけだし、いやいや責めているわけじゃないさ。正直あの時の僕は専門家としては型なしだったしね」

忍野「だからこそ行為には行為、好意には好意、または誠意で返さなければいけないと僕は思うんだ。君の心根はどこにあろうともね」

忍野「何が言いたいかというと、そう君にプレゼントがあるんだ。怪異の王としてではなく、最強の吸血鬼ではなく、きっと彼のパートナーになる君に必要な物をね」


* * * * *


忍野「忍」

忍「…………」

忍野「刃の下に心あり。忍、忍野忍。いい名前だろう忍ちゃん?」

忍「…………」

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という訳で暇を見つけてつらつら書いていきます。
時系列としては、GW後の猫物語(黒)直後で化物語のひたぎクラブ前からスタート。
主人公は忍ちゃん、傾物語を見なおして金髪幼女のパラレルを見たくなった。

基本時系列にそって書いていくつもりだけれども、ところどころで行動安価を入れるので
そこで忍ちゃんや他の登場人物の行動を決めてください。

原作の怪異の説明とか掛け合いは台本形式の形式上かなりすっ飛ばすことになるので注意



忍野「やあ阿良々木くんやっと来たのか」

阿良々木「ああ、ちょっとお前に頼みたいことがあってな。こいつ――」

戦場ヶ原「こいつ呼ばわりはやめて」

阿良々木「じゃあ、何て呼べばいいんだよ」

戦場ヶ原「戦場ヶ原さま」

阿良々木「……センジョーガハラサマ」

戦場ヶ原「片仮名の発音はいただけないわ。ちゃんといいなさい」

阿良々木「戦場ヶ原ちゃん」

グサッ

阿良々木「失明するだろうが!」

戦場ヶ原「失言するからよ」


* * * * *


戦場ヶ原「それで忍野さん。何よりもまず、私としては一番最初に聞いておきたいのだけれども」

戦場ヶ原「ところで、あの子は一体、何?」

忍「…………」

阿良々木「ああ、あれは―――」




忍は喋る?喋らない?
下2

忍は喋る?喋らない?
下2
喋る


阿良々木「ああ、あれは気にしなくても――――」

忍「―――あれ、扱いとはまた随分な仕打ちだのう」

阿良々木「…………」

忍野「…………」

戦場ヶ原「?」

阿良々木「…………えっ? あれ今、お前、え?」

忍「かかっ、どうしたどうしたお前様よ。何をそんなに取り乱しておる。儂はただ喋っただけじゃぞ。何も初めてという訳でもあるまい」 ニヤニヤ

忍野「へぇ……こりゃまた」

阿良々木「し、喋っただけって……で、でもお前どうして、その僕に……」

戦場ヶ原「ねえ、阿良々木くん? 急にどうかしたのかしら、なんだか顔が悪いようだけれども?」

阿良々木「ん、ああ悪い。って、戦場ヶ原、顔が悪いってなんだよ! そこは顔色が悪いだろ!?」

戦場ヶ原「あら、ごめんなさい間違ってしまったわね」

阿良々木「まあ間違いならいいけどさ」

戦場ヶ原「顔色も悪いわね」

阿良々木「否定してない!?」

回線が不安定なのでころころIDが変わると思いますのでご注意を

戦場ヶ原「はぁ、まったく少し落ち着きなさい阿良々木くん」

阿良々木「いや、落ち着けって、お前な」

戦場ヶ原「だまらっしゃい。それとも、今から続けるそれは、話の腰を折ってまで続けるに値するものかしら?」

阿良々木「む……ああそうだな。悪かったよ、僕は確実に悪くないけど悪かったよ」

戦場ヶ原「それに……そんな無関係なアカの他人の話なんてどうでもいいじゃない。何息巻いているのよ」

阿良々木「無関係じゃない!? 僕! 僕阿良々木暦くん本人のことですよね! どうでもよくないよ!?」

戦場ヶ原「それで結局あなたは誰なのかしら?」

阿良々木「ああ、もう流されるんですね」

戦場ヶ原「もう日は落ちかけだし、幼女がいつまでも起きている時間じゃないわよ」

忍「…………」

阿良々木「いやまだ日も落ちてないし、今日び幼稚園生でももっと夜更かしするだろ」

戦場ヶ原「あら、そうだったかしら。ところでまだ答えを聞いてないわよ」 ギロッ

阿良々木「なんで喧嘩腰なんだよ……なあお前さ、どうして今日はこんな急に」

忍「ふーむ、儂が誰かか。のうお前様よ?」

阿良々木「お前様って、ひょっとして、さっきからそれって僕のことか?」

忍「ひょっとしても、もしかしてもお前様はお前様じゃ。我があるじ様よ」

阿良々木「まあ、それはそれでいいよ。」

忍「しかしのお前様、さっきからそこの娘御が儂のことを聞いておるじゃろ。いい加減教えてやったらどうじゃ?」

阿良々木「教えるって何をだよ」

忍「なに別に難しいことではなかろう。いつものように儂の名を呼んでくれればいい」

阿良々木「な、名前って、でもそれは……」

忍「なんじゃたかが名前じゃろう。何か答えにくい訳でもあるのか? それとも儂の名など覚えておく価値もない忘れ去ったと、そうお前様は言うのか。のう?」

阿良々木「そ、そんなことねえよ! わ、わかったよ、キ、キス――――」


パンパン


忍野「はいはい、そこまでそこまで。忍ちゃん、お愉しみのとこ悪いけどさ、阿良々木くんイジメはそこまでにしておいてくれるかな」

忍「おい小僧、良いところで邪魔するでないわ」

忍野「まあそれはわかってるんだけどね。ほら今日はお客さんもいるとこだし、ね?」

忍「ふん、まあよい。こんなのは所詮ただの戯れじゃ」

阿良々木「忍?」

忍野「ああ、そうそう。名前を昨日付けてやったんだよ。彼女、ゴールデンウィークにはよく働いてくれたしね。
   それに名前がないってのはやっぱり不便だ」

戦場ヶ原「……」

忍野「忍野忍、と名づけてみた。刃の下に心あり、韻を踏むとは違うけど彼女に相応しい名前だろう? 苗字は僕の流用だけどね」

阿良々木「そうか、いいんじゃないのか?」

忍「かかっ、どうでもよさげだのう。儂としても不満がない訳ではないが、まあよいわ」

阿良々木「軽いななんか、それでいいのかお前は」

忍「うん、正直前の長ったらしい名前とかよく忘れたりしたし、短くなって逆にありじゃね、みたいな?」

阿良々木「そこは忘れるなよ! あれか三十歳以降の成人が罹る割と深刻な障害かお前は!?」

忍「今日は何食べたんじゃったっけなあ……」

阿良々木「もっと深刻だったよ!」



忍野「とまあ、そういう訳で影も形、それに存在もない彼女は、忍野忍ちゃん。お嬢ちゃん、君の疑問の答えはそれでいいかい?」

戦場ヶ原「ええ、まあいいでしょう」 ピポパ

阿良々木「おい戦場ヶ原、その手に持った携帯でどこに連絡しようとしてる? 通報か、さては通報する気だなお前!
      悪いのはすべてそこの中年アロハです。僕は無罪です!」

忍野「はっはー、ひどいなー阿良々木くーん」

戦場ヶ原「通報? そんなことはしないわよ。それより霊柩車の手配は119番で受け付けていたかしら?」

阿良々木「既に死刑執行後!? 三権分立はどこいった!? 弁護士を呼べ!」

戦場ヶ原「私がルールよ」

阿良々木「無駄に格好いいなお前……」





忍野「よし、じゃあ無事に阿良々木くんに沙汰が下ったところで、そろそろ本題に入ろうか」

戦場ヶ原「そうですね。はぁ、まったくとんだ邪魔が入ったものだわ」

阿良々木「…………」 イジイジ

忍「何イジケておるのじゃ、うざ」

戦場ヶ原「それで私を助けてくださるって、聞いたのですけれど」

忍野「助ける? そりゃ無理だ」

戦場ヶ原「……」

忍野「君が勝手に助かるだけだよ、お嬢ちゃん」

戦場ヶ原「……私に向かって同じような台詞を吐いた人が今まで5人いるわ。その全員が詐欺師だった。
      あなたもその部類なのかしら? 忍野さん」

忍野「はっはーお嬢ちゃん。随分と元気がいいねえ。何かいいことでもあったのかい?」

阿良々木「おいおい、はははっ……ちょっと落ち着けよ」

戦場ヶ原「阿良々木くん、余計なことをすると[ピーーー]わよ」

阿良々木「……」

忍野「ま、何にせよ、話してくれないと先に進まないよね。僕はお喋りが好きだしね。
    とはいえ勿論、秘密は厳守するよ、平気平気」

戦場ヶ原「……」

阿良々木「じゃあ、えっっと僕から説明するよ――――」

忍「お前様」

戦場ヶ原「いいわ、阿良々木くん。自分でするから」

阿良々木「戦場ヶ原――――」

戦場ヶ原「自分で、できるから」



~ひたぎ説明中~



戦場ヶ原「こんなところでいいですか」

忍野「なるほどねえ……………」

戦場ヶ原「……」

阿良々木「……おい忍野―――」

忍野「……おもし蟹」

戦場ヶ原「おもしかに?」

忍野「そう、おもし蟹。なに九州の山間あたりの民間伝承だよ。地域によって説や細部に違いはあるけどね。
   共通してるのは人から『重み』を失わせるってところだね」

忍野「下手な遭い方をすると存在感が希薄になる、そうだともね。
    存在感どころか、存在が消えてしまうといった物騒な例もあるがね」

阿良々木「蟹って、あの蟹か?」

忍野「そう、クラブのほうさ。楽しい楽しい倶楽部じゃないよ。
    お嬢ちゃんが2年前に行き遭ったのが蟹だっていうのなら今回は蟹なんだろう」

戦場ヶ原「なんなんですか、それは。
      まあ、名前なんてそんなのは何だって構いませんけれど――――」

忍野「そうでもない。それに本質的な問題はそこじゃない」

戦場ヶ原「どういうことですか」

忍野「蟹と言うが、元は神じゃないのかってことさ。おもいし神から、おもし蟹って具合にさ。
   ま、この説は僕のオリジナルだけどね」

戦場ヶ原「でも、そんな化物のことは知りません」

忍野「知らないってことはないだろう」

戦場ヶ原「……」

忍野「だって、遭っているんだから。
   そして、『今だって底にいる』」

戦場ヶ原「何か――『見える』っていうんですか」

忍野「見えないよ。『僕には』何もね」

忍「……ふん」

>>17訂正

忍野「だって、遭っているんだから。
   そして、『今だって底にいる』」



忍野「だって、遭っているんだから。
   そして、『今だってそこにいる』」

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