魔王「ふふふ、よくぞ来た、勇者よ!」 猫「にゃー」 魔王「え?」(187)

魔王「え、ちょ、お??」

猫「ふしゃー!」

魔王「うっわすげえ威嚇してる。だ、大丈夫だよー私いい子だよー?」

猫「しゃー!」

魔王「いってぇ!引っ掻いた!こいつ引っ掻いたぞ!おい、大魔導!大魔導!!」

シーン…

魔王「こんなときにあいつ何やってんだよど畜生!」

猫「ふしゅー!」

魔王「ふん、猫ごときに本気を出すと思ってるのか?貴様はおろか、人間ですら我が超魔力の前では」

猫「ふしゃしゃー!」

魔王「いてぇいでぇっ!!!!マジでいてぇから!!!」

魔王「ったく、どうしろってんだよ…。あ、待てよ」

猫「にゃ?」

魔王「そうだ、そういえばサーベルタイガーがいたじゃないか。要はネコ科だからあれと同じだ」

猫「にゃー!」

魔王「くくく、猫というのは初めて見るが、あれと比べれば大したことはないな」

---------------------------

魔王「サーベルタイガーか、見事な牙だな」

大魔導「はい、これならば狩猟モンスターとしては最適かと」

魔王「ふふふ、よく見れば可愛いではないか。ほれ、お手」

サベ「ガアアアア!!!」

魔王「いでぇ!!こいつ噛んだ!噛んだってばよ!おい!

----------------------------

魔王「…」ギロリ

猫「!?」ビクゥ

魔王「そういえば大魔導が連れてくるモンスターはろくなのがいなかったな。全く、しかも私の婚約者も見殺しにするし…ブツブツ」

猫「……」

魔王「あぁ!?何見てんだよ!」

猫「にゃぁ~」

魔王「そんな甘えた声出してもだめ!」

猫「…ふにゅ」

魔王「お前にはわからんだろう。魔王の気持ちが。手下からは馬鹿にされ、不始末は全部私に負わされ、多数のモンスターの生活を背負った私の立場がな」

猫「にゃ?にゃにゃ?」

魔王「はいそこ、不憫な中間管理職を憐れむような目で見ないの!」

猫「にゃにゃー♪」

魔王「笑うな!ちくしょう!」

魔王「しかもなぁ、聞いてくれよ」

猫「にゃ?」

魔王「魔王というのは基本的に指揮官なのだ。故に、私自ら前線に赴くことはあまり多くない。ていうか今まで一度もない」

猫「にゃっ」

魔王「で、何をするかといえばさっき言った部課長みたいなこととか、あとはこうして勇者が来るのを待ってずーっとず~~~~っと玉座に鎮座して待っているわけよ。そんで来たら来たでサブタイ通りセリフを言わなあかんのやけど」

猫「……にゃ?」

魔王「来たのがお前じゃねーかぁ!この待ちぼうけどーしてくれんだよぉぉぉぉ!魔王一世一代の大見せ場なんだぞおおおお!」

猫「……にゃぁ」

魔王「だから憐れむような目で見ないでくれ…寂しい」

猫「にゃぁ…」ぽんぽん

魔王「(猫に慰められた。もうダメだ、魔王としておしまいだ…)」

猫「……?」

魔王「(いやいや!猫が来たってだけで、まだ私の出番は早いということもかもしれん。ならばこれは決戦までの余興!?そうだ、そういうことにしよう!そういう余裕を見せつけるのも、魔王の役目だ!ふはははは!我が発想には常に驚かされるな!!)」

魔王「よーしよーし、そうだ、そういうことだ、猫よ」

猫「??」

魔王「どうだ、しばらく私と遊ばないか?」

猫「にゃ!?」

魔王「(あ、あれ?)ど、どうした?私のことは嫌いか?」

猫「ふしー!!!!!」

魔王「(え、えぇ…私ってそんな人望ないのぉ…?うっわ、私の信頼度、低すぎ!?)」

猫「しゃー!!!」

魔王「いでぇ!今目ぇ狙った!目ぇぇ狙っただろ!!!!」

猫「しゃしゃー!」

魔王「いでぇ!耳やめて!噛むな!ちょ!痛い!アッー!!!!!」

猫「ふしゅー……」

魔王「……ふ、ふはははは、そうかそうか……やりやがったなこんちくしょーーーーー!!!!」

猫「にゃ!?」ササッ

魔王「……」

猫「…」チラッ

魔王「ふん、猫如きに何を本気にしているというのだ、私は」

猫「…にゃぁ?」

魔王「思えば、直接手を下したわけではないが、人間も同じように苦しい想いをしてきたのだろう。
それも、この程度の痛みではなくな。私の命の元、幾人の人間が生命を落としたか。勿論、我が同胞もな」

猫「……」

魔王「お前がその人間の飼い猫であるなら、その怒りもわからんでもない。所詮貴様は猫だ。だが猫にも猫なりの感情というものがあるのだろう?」

猫「にゃぁー」

魔王「私を引っ掻いて気が済むのなら好きにするがいい。あ、痛いのはなしでね」

猫「……」

魔王「(ふっ、魔王としての威厳、完璧だ!ふふふ、さぁ猫よ、この偉大なる私を好きにするがいい!あぁ、私かっこいいなぁ!)」

魔王「……ん?なんかあったけぇ、あったけぇ…」

猫「ゴロゴロ」

魔王「…なんだよ、好きしろとは言ったが、添い寝しろってのは想定外だったぞ」

猫「くぁぁぁぁ~……Zzz」

魔王「まったく、仮にも魔王である私に無防備な姿をさらけ出すとはな。これが可愛い女勇者だったら、ムフフな展開になるのに」

猫「…!!」ギロ

魔王「なんでもないですごめんなさい」

猫「…♪」スヤスヤ

魔王「(…結局、これでいい、のかな…?)」


そして よが あけた!

魔王「…むぅ、朝か。結局あのまま寝てしまったが」

猫「Zzz」

魔王「まだ寝てやがるし。おい起きろ!猫!猫にゃー起きろ!」

猫「…ふにゃ?」

魔王「とりあえずだな、身体に異常がないか調べる。ちょっとバンザイしろバンザイ」

猫「……」

魔王「ん?どうした?一応衛生の問題もあるしな?ここステルス乾燥機入れてるし、私乾燥肌だし一部アレルギーあるからな。病気でも移されたら構わん」

猫「…///」モジモジ

魔王「恥ずかしがってんじゃねー!あぁぁちくしょーーー!(カワイイ!)」

猫「にゃっ」

魔王「よーしよーし、素直でよろしい。ふふふ、私の手は万能でな。内部に異常があるかもわかるんだぞ。すげぇだろ」

猫「……」

魔王「(ほんとなんだけどな…まぁ)とりあえず触るぞ」ペタッ

猫「…にゃっ//」

魔王「ふむ、肌等は問題なし。ただ少し虫がついてるか。内臓器官は…っと」ペタ

猫「にゃうぅ……」

魔王「特に問題はないか。…お前ろくなモン食ってないな。カロリー過多だぞ」ペタ

猫「にゃ…にゃぁ…っ///」

魔王「(いちいち喘ぐなどちくしょーーーーーーーーーーーー!!!)」

魔王「はい終わりっと。カンペ書いておくか」スラスラ

猫「にゃふぅ……」

魔王「(なんだよ、猫にも賢者タイムってあんのかよ。…そういえばあいつ、雌だったな、まぁどうでもいいか)」

猫「にゃぁー」

魔王「ん、どうした?遊びたいのか?」

猫「にゃぁー……」グゥゥ

魔王「ん、あぁ、腹が減ったのか。待ってろ、ちょっと作ってくるから」

猫「……」ジトー

魔王「主夫で悪いかよ!最近繁忙期だったからコック呼ぶ余裕がなかったんだよ!」

猫「wwwww」

魔王「あぁ、俺って魔王なのかな…グスン」

×カンペ ○カルテ

魔王「というのも、料理するのも久しぶりだな。最近はコンビニが多かったしな」カチャカチャ

猫「……」

魔王「あそこのおにぎり、金曜日だけ100円均一なんだよな。なにげにおおぶり鮭にぎりがうまにだよなー」ジュゥゥ

猫「……」ポリポリ

魔王「そこの店主も勇者に倒されちまって、どうしようかと思ったんだっけか」クルッ

猫「……」

魔王「粗暴だけど、面倒見のいいサイクロプスだったな」ポフ

猫「………」

魔王「ほれ、プレーンオムレツ」

猫「…にゃぁ」

魔王「すっげぇ意外そうな目で見るなよ。得意なんだぞ」

魔王「(っていうか猫ってオムレツ食えるのか?猫舌って言葉あるし、熱いのは失敗だったんじゃ…)」

猫「……」モシャモシャ

魔王「(普通に食ってるし。じゃあトーストもいけるな)」 チーン

魔王「ほれ、野菜ジュースにパンだ」トン

猫「にゃにゃ♪」

魔王「ふっ、可愛いヤツめ」ナデナデ

猫「…」モソモソ チュウチュウ

魔王「……すっげぇ平和な光景。あぁ、いいのかなこれで」

猫「にゃー」

魔王「そんなドヤ顔で『完食しました』な表情されてもな」

猫「にゃにゃー」スタスタ

魔王「あ、おいこら!…全く、元気なやつだ」

猫「にゃ?」

魔王「そこは入るなよ。ちょっとあぶねぇから」

猫「??」

魔王「なんでも、私でも手に負えない破壊神を封印している場なんだと。万が一私が敗れたらそいつを使って世界を滅ぼそうってらしい」

猫「にゃー!」

魔王「まぁ待て。それは大魔導が勝手にやっただけだ。だからといって私の立場上、反対もできんしな。あれの封印を解けるのは大魔導だけだし、放っておけばなんでもないちょっと綺麗なイルミネーションだ」

猫「……」

魔王「私だってな、好きで魔王やってるわけじゃないんだよ。人間に直接何かされたわけじゃないしな。…猫のお前にそんなこと言っても仕方ないがな」

魔王「あ、勘違いするなよ?そいつが起動したら私の居場所もなくなるからだぞ、どうでもいいわけじゃないからな?」

猫「…www」

魔王「今鼻で笑ったろ、なぁ笑っただろ!」

猫「…」プイッ

魔王「まぁいい。というのも、魔族と人間は元々共存してたのだ。仲がいいとは言い難いが」

猫「にゃぁ」

魔王「それがな、一人の発狂した魔族が人間を虐殺した事件がきっかけで、こんな事になってしまった。先代、まぁ母なんだが、その先代魔王が謝罪しに行ったたんだが、その場で人間共に返り討ちにされた」

猫「にゃぁ…」

魔王「恐らく母は利用されたのだろう。人間との戦争のためにな。予想通り、それをきっかけに今の戦争が始まった。結局、魔族と人間は相容れない関係だったのかもしれん」

猫「……にゃぁ」

魔王「ま、そういう小難しい話はどうでもいい。私は魔王で、勇者を滅ぼすために存在している。そこはブレてはいかん」

猫「にゃ!

魔王「でなければ、勇者が来るまで散って行った同胞に申し訳がなかろう?勇者だって人間の希望の元、魔王を倒すのだ。お互い似たような境遇にいるのだよ」

猫「……」

魔王「いいか、猫であるお前にこんなことを話したのは、単なる気まぐれだからな?いいか、ほんとだぞ?」

猫「……wwwwww」

魔王「だから笑うなっつーのー!!」

猫「…」スタスタ

魔王「あ、おい!…ったく、猫ってほんっと気まぐれだな」

猫「にゃ?」

魔王「ん?それがどうかしたか?」

猫「……」

魔王「それはな、歴代の魔王のレリーフだ。母は人間に尻尾を振ったということで彫ってもらえなかったがな」

猫「にゃぁ」

魔王「たまにな、激務の中でこれを見るんだ。これまで魔族を束ねてきた先達者達の姿をな。彼らのように、私も名を残すような魔王になれるか、と思いを馳せながらな」

猫「にゃ~」

魔王「だが、人間との戦争は初代の魔王以来だという。だからこのレリーフは、恐らくは平和ボケした魔族共が勝手に作ったのだろう。そうは思うものの、感慨深いものを感じないか?」

猫「……」プルプル

魔王「ははっ、所詮は猫だな。…私も、ここに入ることができるかな」

猫「にゃっ」

魔王「彫ってもらうときは、こう、男前なかんじでな(キリ」

猫「wwwwwwwwwww」

魔王「…今のは笑っていいよ」

猫「にゃー」グゥゥ

魔王「とかなんとかやってたらすっかり昼か。はぁ、なんか最近暇だな。連絡係りのガーゴイルも消息がつかめんし」

猫「にゃーにゃー!」グイグイ

魔王「おいこら!COMME C● ISMのコート引っ張るな!高かったんだぞこれ!」

猫「にゃああああ」ガジガジ

魔王「うわあああああわかったわかった!飯を作ればいいんだろ!…ったく、ちょっと待ってろ」ゴソゴソ

猫「にゃーにゃー♪」

魔王「うぅむ。食用ベリアルの肉が余ってるな。今日はこれのステーキにするか」

猫「にゃっ!にゃああああ」

魔王「な、なんだよ?肉好きなのかお前?テンション高すぎておらちょっとビクビクしてきたぞ!」

魔王「ふふ、出てこい、魔剣フロッティよ!」ブゥン

猫「にゃ!?」

魔王「セイセイセイセイセーーーィ!!!!」ダダダダダ

猫「にゃーー」

魔王「ははは!さすが魔剣の切れ味は一味違うな!あの鉄よりも硬いベリアル肉がこうもあっさりと細切れに!」バァーン

猫「にゃー…」

魔王「まぁ、フレイドマルには悪いけどな。あいつ中盤で戦死したって聞いて、好きに使わせてもらってるし」

猫「……」

魔王「な、何?」

猫「…」テクテク

魔王「あいつ、人間だったら絶対家事しない主婦になるな。ぜえったいそうだ」

猫「ふしゃー!」バリバリ

魔王「あほぉぃ!!?」

魔王「さて、付け合せはどうするか。セロリとほうれん草が余ってるが」ゴソゴソ

猫「……」ポイ

魔王「ん?おぉ、これはモリュじゃないか。どこで拾ってきたんだ?」

猫「にゃっ」

魔王「あぁ、そういや大魔導、最近ガーデニングにはまったって言ってたな。香草では結構高級なんだよなこれ。よし、使わせてもらおう」ポイ

猫「にゃふー♪」

魔王「これは…精力がつきそうな感じだな…にんにくっぽい。とりあえず焼くか…ブツブツ」

猫「……?」

魔王「ムスペルヘイム!」ボォゥ

猫「にゃにゃ!?」

魔王「あぁ、だいじょぶだいじょぶ。料理用に調整してっから。本気出せばこの城全焼しちゃうし。ちょっと待ってろよー」ジュウジュウ

魔王「さーって、仕上げにこいつを」トポトポ

猫「にゃ?」

魔王「あ?オリーブオイルじゃねーし!ただのエーテルだし!勘違いすんじゃねーし!」

猫「……」フゥ

魔王「(呆れられた…猫に『こいつ何言ってんの』みたいな顔された…まぁいいや、見てろよ)」


ボワアアアアアアアッッ

猫「にゃああああああ;;」

魔王「はははは!笑った罰だ!はははははは!!!!」

猫「ふしゃああああああ!!!!」ガリガリ


魔王「にぎょえええええあああ!!!」

魔王「ほれ、出来たぞ」ドン

猫「……」バクバクモシャモシャ

魔王「食うの早っ!猫舌とは一体何だったのか」

猫「…にゃふぅ」ポンポン

魔王「食い終わるのも早ぇ!食い意地張ってるなこいつ…」

猫「にゃ!?」ギロッ

魔王「なんでもないですいいたべっぷりですほれぼれします」

猫「にゃ、にゃあ…///」ポッ

魔王「いや、そこで照れられても。って、私の分がない…」

猫「Zzz」

魔王「全く、一緒に居て暇しない猫だ」ナデナデ

猫「Zzz」

魔王「…勇者との戦いになったら、世界はどうなるのかな。本気を出し合えば、きっと世界もろとも…まだ早計かな」

母魔王「魔王、私はこれから人間達にご挨拶に行って参ります」

魔王「母さま…」

母魔王「大丈夫です。魔族がしたことは取り返しがつかないことです。ですが、人間は優しいのです。誠意をもって言葉をかわせば、きっとわかってくれます」

魔王「ほんとう?ほんとにほんと?」

母魔王「えぇ。ですから、何も心配はいりませんからね。では行きましょう、大魔導」

大「はっ!」

母魔王「(魔王…さようなら。強く、強く生きるのですよ、そして…決して人間を恨んではいけません。絶対に。憎しみは悲しみしか生まないのですから…)」


魔王「…む、夢、か。昼寝でディープな夢を見てしまっ。って、あれ?猫は?」

魔王「うぅん、居ないな。猫は気まぐれ、とは言うけど。……途端に暇になったな」

魔王「そんなわけで丸一日が経過した。猫はどこに行ったんだろうか」

魔王「ったく、猫如きでここまで心が落ち着かないとはな。情に流されたかな」

ギィィィ

魔王「ん?誰だ!」

猫「にゃあ」

魔王「おぉ、お前…って、毛色が違う。まさか!はっ!かかかか髪を染めるだなんて、お父さん許しませんよ!」

猫「にゃー」テクテク

魔王「あ、おい!今のはギャグだから!」

猫「にゃっ」フリフリ

魔王「ついてこい…と言うのか?なんとなくそんな気がするな。…仕方ない。変身!」ボワッ

魔王「よし、この姿なら問題ないだろう。さぁ、案内せよ!」

猫「にゃっ」

魔王「って、この先はミルクビズじゃないか。入ったら三日三晩は出られない大森林で…確か魔王研修のとき行ったっきりだな」

猫「にゃー」

魔王「こんなでっけぇ森を普通に闊歩する猫って……あ、ちょ、ちょ待てよ!」


ザワザワ


魔王「むっ?」

ゴブリン「がああああ!」

魔王「ちっ、この姿では致し方ないか!はっ!」バシュッ

ゴブリン「グガガガガ」

魔王「(済まない…数時間経てば目が覚めるだろう)って、やべっ…見失った…どうしよう」

ゴガガガガ

魔王「って、え、ちょ、ええええ!?」

ワーム「ぐわあああああ!」

魔王「うっわー!でかくて早くて糞体力でDQNで扱いにくいやつきたー!」

ワーム「ごわあああああ!」

魔王「うおっ!?あっぶね。魔王だったらなんでもないのに、この姿じゃちょっと骨だな」

ワーム「ずりずり」

魔王「こいつ…本気で私を食うつもりか、ならば!」バッ

ワーム「があああっ!ごああああああ!」

魔王「えええええ風の呪術避けたぁぁーーー!?文献と違うじゃーん!」

ワーム「がうあああああ!」ガブ

魔王「ぐっ!くそ…毒か……うぐっ…めまいが……」

ワーム「ぐうううう……ぐああああ!」

魔王「くっ…手下に食われる末路か…猫に情が移った身としてはおあつらえ向きの最期かもな…」

?「はっ!」ザシュッ

ワーム「ぐごおおおおお!!!」

魔王「…?」

?「大丈夫ですか!?」

魔王「あ、あぁ…そな、き、君は?」

勇者「えっと、勇者です!迷ってたら悲鳴が聞こえたので。間に合って良かった!」

魔王「ゆ、勇者…!?そ、そっか。ありがとう(カワイイ)」

勇者「ここは危険です。この先に私のベースキャンプがあるので、そこに避難しましょう!」

魔王「あ、あぁ(カワイイ)」

勇者「(なんだろう、この人息が荒い…)」

パチパチ……

勇者「というか、一般人がなんでこの森に来たんですか!」

魔王「え、えっと…(い、言えない。猫に引率されたなんて言えないよぉぉ。怒った顔もカワイイな)」

勇者「生命は大事にしないとダメですよ!いいですか!」

魔王「は、はい。ごめんなさい…(カワイイなぁ、怒った声もカワイイなぁ)」

勇者「過ぎたことは仕方ありません。えっと、貴方、名前は?」

魔王「え、えっと………ま、マオです!」

勇者「マオ君ね。ちょっと薪を持ってくるから、待ってて」スッ

魔王「あ、はい(パンツの色は青とピンクのストライプか)」

ドサドサッ

勇者「あ、あれ!?火が消えちゃった…」

魔王「あぁ、そんな一気に置いちゃダメだよ。えっと…」ズリズリ

勇者「ご、ごめんね…今までキャンプとかしたことないから…」

魔王「そして…ふぅ」ボッ

勇者「ひゃわ!」

魔王「ん?どうしたの?」

勇者「あ、ううん!なんでもないよ!それにしても、火起こすの上手だね。私なんて4時間くらいかかったのに」

魔王「えっとそれは…そう、研修で習ったんだ!サバイバル研修!」

勇者「へぇ。たくましいね!私も見習わないとなぁ」

魔王「(魔王研修の最終科目だったな。あれは苦労した。よし、体育座りの正面見せパンゲットだぜ!)」

勇者「(…なんだろう、なんか視線を感じる)」

魔王「ゆ、勇者さんは、魔王を倒すために旅をしてるんでしょ?」

勇者「うん、そうだよ」

魔王「辛くない?苦しかったり、投げ出しそうになったりしない?」

勇者「いつも思うよ。今だってそうだし」

魔王「えっ、そうなんだ」

勇者「でもね、みんな私の帰りを待ってるの。私が魔王を倒して、平和を取り戻すことを。その人達の希望に応えないって思うと、自然と力が出てくるんだ」

魔王「ふ、ふぅん(ガッツポーズもいいなぁ)」

勇者「だから、どんなに辛くて困難なことがあっても、私は絶対に退かない。だってそれが、私の使命であって、私の希望でもあるから」

魔王「そっかぁ(…なるほどな、色々な意味で厄介な存在だ。カワイイけど)」

勇者「さっ、もう寝よう!ほらほら、お姉さんが寝てあげるからさ♪」

魔王「い、いいよぉ!一人で寝る!」ガバッ

勇者「……むぅ」

チュン…チュン

魔王「ふああああああ…あぁ、やっぱり一緒に寝ておくべきだったかな」ムクリ

魔王「あれ、居ない」

猫「にゃぁ」

魔王「あ、お前!どこ行ってたんだよ!猫見つからなかったぞ!まぁカワイイおにゃのこがいたから、半分許すけど!」

猫「にゃ~」スタスタ

魔王「待てよぉ!ったくもう、ほんと猫ってわからんわぁ、ほんま」


猫「にゃっ」

魔王「えっと、ここ私の居城なんだけど…」

猫「にゃにゃ~」スタスタ

魔王「え、帰るの?追わなくていいんだよね私?…結局なんだったんだよ…」

>>68
希望に応えない× 希望に応えないと○

魔王「あ、そうだ、変身解かないと」ボワン

魔王「ふぅ、やはりこの姿が馴染むな…。いいだろう、本気の私を見せてやろう、本当の恐怖も一緒にな!……みたいなかんじで第二形態セリフ言おっかな」

魔王「あ、ドア自分で開けないと。うんとこしょ、どっこいしょっと」

ギィィィ

猫「…ふにゃ」

魔王「ね、猫!猫じゃないか!」

猫「にゃぁ」

魔王「お前、今までどこに……って、これは、モリュ?いや、色が赤い。……あっ、モリュの中でも希少価値の高いレアモリュじゃないか!」

猫「……」

魔王「ネーミングセンスが悪いって目しないでくれ。そういう風にしか聞いてないんだからさぁ…」

猫「…ふにゃぁ」

魔王「ところで、お前、どうしてこんなものを?」

猫「にゃ~」

魔王「猫語がわかれば、いいんだけどな。魔族と人間の言葉はわかるけど、動物はちょっとなぁ」

猫「にゃにゃ~」

魔王「(猫の恩返し…ってことでいいのか?とりあえず、これは飾っておくか。食用じゃないし)」

猫「にゃー」ブルブル

魔王「そういやお前、きったねぇな。どこほっつき歩いてたんだよ」

猫「にゃぅん……」

魔王「ったく、風呂入るぞ風呂」

猫「にゃっ!!!!?」ビクッ

魔王「えっ」

魔王「猫って風呂嫌いだったっけ?あれ?…うーん、wikipediaに書いてあったっけか」

カタカタカタ

魔王「項目多すぎで読む気なくす。まぁいい。ほら行くぞ」ムンズ

猫「にゃあああああ!!!!!!」ギャギャギャギャギャ

魔王「………」バタン

猫「にゃふぅ……」テクテク

魔王「(この私が…猫ごときに…やられるとは……ガクッ」

- 完 -

魔王「って勝手に終わってんじゃねええええええ!」

魔王「猫にやられてはい終わり って!オチとして最悪じゃねえかおい!」

魔王「雌だから照れてるのか?とにかく、あいつ風呂に辿りつけないだろうよ…」


猫「にゃー;; にゃ~?? にゃぅ~~~……」


魔王「……しょうがねぇなぁまったく!むん!」ジジッ

魔王「……うん、うん、えっと、地下3Fか。手間のかかるやつだ。知覚呪術とか神経使うんだからよぉ」

猫「にゃ~~~…;;」

ブーン

魔王「ほいっと」

猫「にゃ!?」

魔王「なんだ、移転呪術が珍しいか。ふふん、私に出来ぬ呪術はないぞ。光呪術だって使えるのだ」ペカー

猫「にゃ~~~」

魔王「(あ、でも猫って暗視なんだから意味ねえじゃん。でも私は暗視じゃないし。ならよし!)」

猫「??」

魔王「お前さ、風呂入りたいんだろ?」

猫「……にゃっ//」

魔王「で、探してたんだろ?」

猫「…にゃん…」

魔王「でも、無駄だぞ」

猫「!?」

魔王「だって、風呂は呪術で発動する仕組みだしな。しかも限られた奴にしか教えてない」

猫「…にゃあああああ」

魔王「いやだってよぉ、あんまり広くないし、手下だっていっぱいいるしさぁ、お湯替えが大変なんだよ。風呂事情わかってくれよ」

猫「…にゃぁ」

魔王「で、まぁ風呂自体はここで合ってる。そこは女…じゃない、猫の勘ってやつか?」

猫「にゃっ」キリ

魔王「ここがそうだ」ガチャ

猫「にゃああああ」パァァァ

魔王「(すっげぇ嬉しそう)で、ここの魔石にちょいちょいのちょいっと」ブウウン

猫「にゃあああああああああ」ウルウル

魔王「(…一応、雌の自覚はあるんだな)」

魔王「そんなわけで、終わったら戻って来い。私はこのへんで待ってっから」

猫「…にゃ」

魔王「ん?なんだ?」

猫「にゃあん…にゃあん」クイクイ

魔王「なんだよ、一緒に入れって?」

猫「……//」コクコク

魔王「入ろうとすれば引っ掻いて終わらせようとするわ、入るときは一緒に入れとか…わがままだなお前」

猫「…ふにゃああ」

魔王「いいか、今回だけだぞ!今後は一人で入れよ!私だって暇じゃないんだからな!」

猫「…にゃ♪」

魔王「(…ったく)」

ザパーッ

猫「にゅう…」プルプル

魔王「ほれ」ザバーッ

猫「うにゅー」プルプルプルッ

魔王「おらよっと」ブクブクブク ワシャワシャワシャ

猫「……にゃっ」

魔王「(案外抵抗しないな)さて、次は前だ、こっち向k」

猫「にゃにゃー!!」バッ

魔王「ちょ、おい!背中OKでなんで前はダメなんだよ!」

猫「………//」

魔王「あのなぁ…じゃあわかったよ、こうするよ、むんっ!」ブゥン

猫「??」

魔王「一時的だが、視覚封印術をかけた。これならいいだろ、ほら」

猫「……にゃっ♪」

魔王「(なんなんすか、このシチュエーション)」ゴシゴシ

魔王「あぁ、終わった終わった。ちょうど封印術も解けたし、お前もぴかぴかだな」

猫「にゃっ」ピカキリ

魔王「ははっ、美人になったな」ナデナデ

猫「…//」テクテク

魔王「からかいがいがあるやつだ」

ピンポーン

魔王「ん?宅配か?ちょっと見てくる」

猫「にゃっ」

魔王「あ、どーも。サインでいいですか?」スラスラ

魔王「全く、大魔導め。こんな世話等不要だと言ったのに。なになに、おぉ!これはフベルゲルミルで醸造した酒じゃないか!欲しかったんだよな~これ!」

猫「にゃ?」

魔王「今宵の酒は、また格別だな」クイッ

猫「……」

魔王「エレガントな夜に猫に酒。ふっ、勇者を出迎えるには良い絵だ。お前もそう思わぬか?」

猫「……」ジロ

魔王「(せっかくかっこよく決めてるのに、そんな目で見んなよ…)ふふ、勇者よ、早く我が元へ来るがいい。お前の血が、この酒の味に深味をもたらすことだろう」キリ

猫「……」ブルブル

魔王「(寒がられてる……うぅ、たまには魔王っぽいセリフもいいじゃん)…むぅ、やっぱり酔いが早いせいか、眠くなってきたな。そういや森に居っぱなしだったし、野宿したし…ふああああああ、寝よ…」

猫「………」

ペロペロ

猫「……っ!」

魔王「うん?朝か。あいつは…またいねぇし。森にでも行ったのか?」

ギィィ

魔王「む、何奴だ!」

勇者「私だ、魔王!!」

魔王「来たな…勇者よ!この日が来るのをどれだけ待ち望んだか!(おっし!いきなりだけど決まったゼ!)」

勇者「魔王よ、覚悟!」

魔王「(猫よ…どこかで見ていてくれ。私は死ぬかもしれん。だが、お前に注いだ気持ちは、決して偽りではないとな)」

勇者「やるな、魔王!」

魔王「そういう者ほど、本気を出していない証拠だ!本気を出せ、勇者よ!」

勇者「…いいだろう。はああああ!!!!」

魔王「(くっ…私の魔力を一回りも強い。これは、私に勝ち目はないな)…だが!」

私の魔力を一回りも強い× 私の魔力より一回りも強い○

魔王「ははは!見くびられたものだな!はああああ!」ゴゴゴ

勇者「なっ!貴様!炸裂呪文を放つ気か!そんなもの使ったら世界は!」

魔王「世界が滅びようとも魔王は滅びぬ!そして私は!世界を作りなおす!忌まわしき想いを消し去ってな!」

勇者「ならば私は、それを止めるだけだあああああ!」

魔王「来い、勇者よ!」

勇者「はああああああ!」

ザクッッ!!

魔王「ぐっ…一歩及ばず、か……」

勇者「き、貴様、最初から撃つ気など、なかったのか…!?」

魔王「ふっ、それよりも貴様のほうが速かっただけのこと。見くびるでない」

勇者「ふ、ふざけるな!どうして、どうして手を抜いた!答えろ!」

魔王「世界を滅ぼす…ふっ、それで全て治まるのかと思ってな。憎しみ合い、戦って、傷つき、それで幸せが来るのか。そう、思ってな」

勇者「……な、なに!?」

魔王「だったら、貴様に討たれ、仮初の平和を授けても良いと思ってな。母も、そうだった。分かり合える。そう信じていた母を、私もまた、信じていた…」

勇者「……」

魔王「さぁ、殺せ。そして凱歌を歌え、勇者よ。平和を取り戻したいのだろう?」

勇者「…しかった…です」

魔王「…なんだ?」

勇者「ベリアルの肉、美味しかったです……」

魔王「…!!」

魔王「ま、まさか、貴様あの時の!?」

勇者「はい、あの時の、猫です」

魔王「ど、どういうことだ!?」

勇者「私は、この魔王城で大魔導を倒した際、呪いをかけられたのです。猫になって無力となる呪いを」

魔王「大魔導め…面倒な手間を」

勇者「ですが、気づいたのです。その呪いは、この城内でしか効果がないと。だが、貴方を討つにはここしかない。そして退くわけにもいかなかった」

魔王「……(だから、ミルクビズでは元の姿でいたのか)」

勇者「貴方は魔王だ。だけど、優しくて、自愛のある魔王だった。貴方を討つことが正しいことなのか、疑問を感じました」

魔王「……」

勇者「魔王といえども、御飯を振る舞っていただいて、その御礼に、あの草を摘んでこようと思ったのです」

魔王「…そうか(とりあえず、あんときの私のことは墓場まで持っていこう)」

勇者「私が元の姿に戻れたのは、恐らくあのお酒のおかげでしょう。ですから、私は元の使命を取り戻すことができた」

魔王「そうか、ならば早くしろ。私は逃げも隠れもしない」

勇者「……恩義はある。だけど、貴方を討つことが私の役目だ。魔王、覚悟!」

魔王「(母さま、今私も、そこへ向かいます。力の及ばない魔王で、申し訳ありません…)」


ゴゴゴゴゴゴ

勇者「な、なんだ、この揺れは!?」

魔王「この揺れは!まさか!」ダダッ

勇者「魔王!くっ、…なによ、走れるんじゃない…」

魔王「やはりか!」バンッ

勇者「魔王、これはまさか…!」

魔王「あぁ。お前に最初に見せた破壊神の発動装置だ。まさか起動しているとは…!」

勇者「どうして!大魔導じゃないと発動できないって!」

魔王「…は、そうか、そういうことか!はははは!これは、これは滑稽だ!!」

勇者「き、気になるから教えてよ!」

魔王「大魔導は最初からこれが目的だったのだ。私と貴様と戦わせ、魔力の衝撃でこの装置を発動させようとした。そう、どっちが勝とうとも、結局はこいつが動いて世界が滅ぶというシナリオだ!全ては手のひらの上で踊らさられたわけだ」

勇者「…私を猫にした理由は?」

魔王「それは作者の好みだな」

破壊神「うごごごごご」

魔王「まずいな、目覚めようとしている。もう手遅れだ」

勇者「……魔王」

魔王「うん?なんだ?遺言でも残したいのか?」

勇者「馬鹿!違うわよ!今だけ、今だけ共同戦線を張りましょう?」

魔王「…どういう風の吹き回しだ?」

勇者「私と貴方、相反する存在だけど、一つだけ共通してる願いがあるじゃない」

魔王「あぁ、そういえばあったな」

勇者・魔王「「世界を滅ぼさないこと」」

勇者「…なんで綺麗にはもったの…」

魔王「いいコンビかもな、この二人」

勇者「……うぅ//」

破壊神「があああああああ」

勇者「いくら破壊神とはいえ、内部を破壊すればひとたまりもないはず。魔王、貴方は呪術で外壁を破壊して。私のその内皮を切り裂くわ!」

魔王「任せろ。はぁっ!」バシュッ

破壊神「があ?」

勇者「ちょっと!効いてないじゃない!弱点とか知らないの!?」

魔王「いや、私開発には関わってないし」

勇者「上司でしょ!環境くらい把握しなさいよ!だから人望がないのよ!」

魔王「ぐうの音も出ねぇ…orz」

破壊神「があ」

魔王「あ、でも動きが鈍ったぞ」

勇者「手当たり次第にぶつけて、弱いところを見つけるかんじね」

魔王「え、それ…私の精神力に負担g」

勇者「何か言った?」

魔王「なんでもありません」

破壊神「がああああああ!!!!」

ズッドーーーーン

勇者「きゃああ!!!」

魔王「くっ!地ならしでこの威力か!破壊神は伊達じゃないな!はっ!」ボウッ

破壊神「があーーーー」

魔王「お?もしかして…額が弱点かも?」

魔王「ならばとっておきの呪術を食らうがいい…はぁ!!」ボシュッ

破壊神「うがああああああ!!!」

勇者「今ね!やあああああ!!!」グサッ

魔王「や、やったか…?」

破壊神「…が?」

勇者「効いてないー!?」

魔王「あ、もしかしたらあれかもしんね」

勇者「あ・ん・た・ねぇ…出し惜しみしないでとっとと教えなさいよぉぉ!」

魔王「痛い痛い痛いあとおっぱい当たってる痛い痛い」

破壊神「うがああああああ!!」

ドンドンッ

魔王「くっ!こっちだ勇者!上から落盤を来る!気をつけろ!」

勇者「ちょっ!手、手つかまないでよ!//」

魔王「来い、魔剣フロッティ!」ブゥン

勇者「それって…調理器具の」

魔王「そう、なんでも切れてこのお値段…ってちげーし!由緒ある魔剣だし!見てよこの黒いフォルム!」

勇者「どうでもいいし。で、なんなの?」

魔王「恐らくは魔剣でなければ奴の装甲は砕けん。貴様がこれを持てるかはわからんが、これを託そう」

勇者「魔王…」

魔王「頼んだぞ」

勇者「刃こぼれしてないよね。これ」

魔王「してねーし!」

破壊神「がー」

落盤を来る× 落盤が来る○

勇者「勇者なのに…魔剣って。あ、持てた」スッ

魔王「あっさりだなおい!それでいいのかよ人類の希望!」

勇者「うっさいわね!さぁ、行くわよ!……えっと、技の名前叫んだほうがいい?」

魔王「…お好きにどうぞ」

勇者「ぐっ…やっぱ言わない!やああああああ!」

破壊神「ぐっがああああああ!!!!」

バシッ


魔王「勇者!」

勇者「……」ガクッ

破壊神「がああああ!があああああ!!!」

ズドン ズドン

魔王「……ダメ、なのか?もう、おしまい…なのか?母さま…私は…」

魔王と勇者がネットで知り合いだったってSS書いてた人か?

勇者「うっ…はぁ…」フラ

魔王「勇者!」

勇者「くぅっ…せ、せかいを…すくわ…ないと……はぁ…はぁ」

魔王「……何が魔王だ」

破壊神「があ!がああ!!!」

魔王「何が魔族の王だ!何が世界を統べる混沌の主だ!何が闇を内包した権化だ!そんな肩書きなんぞいらぬ!」

破壊神「ぐがあああああ!」

魔王「私は貴様を破壊し、世界を救う!誰のためでもない!生きる全ての者のために!」

勇者「ま…おう…」ギュッ

魔王「一緒に行こう。勇者よ。共に死んでくれるか?」

勇者「ば…か。いきて…かえるに…きまって……」

魔王「愚問だったな、忘れろ。……行くぞ!破壊神!!」

>>137
魔王勇者SSはこれが初なので違いますます

破壊神「があああああ!」

魔王「結界よ!」バッ

破壊神「がああああっっ!!」ブチブチ

魔王「数キロにおよぶ隕石すら無効化する結界をひきちぎるだと!?スペックやばすぎだろ!」

勇者「まおう……」ギュッ

魔王「これは…勇者の聖なる魔力。私の魔なる力と融合していく…」

破壊神「がああああああ!があああああ!!!!!」

魔王「フロッティ!奴の額を穿け!」ガガッ

破壊神「うがああああああ!!!があ!がああああ!!」

魔王「内皮を破るには魔剣の力が必要だが、その根源である核は、それを上回る威力であれば破壊が可能だ!去年見たパワポに書いてあった!」

勇者「さっさと…しなさい…」

魔王「喰らえ破壊神!聖と魔の一撃を!!」ガガガガッ

破壊神「がああああああああ  があ が… っっ」プスプス

魔王「や、やった!やったぞ勇者!あ…ごめんごめん、回復呪術忘れてた」パァァ

勇者「…はぁ、はぁ、やるじゃない…ちょっとは見直し…」

破壊神「…っがあああああああ!!!!」

魔王「ええええー!!?」

勇者「ちょ、もう勘弁……」

破壊神「がああああああ」パアアアアアー

魔王「まずい!自爆する気だ!この世界もろとも!」

勇者「だったら!こうするしかない!」ダッ

魔王「勇者!何を!」

勇者「こいつ自体に結界を作って、爆発を抑える!そうすれば!」

魔王「馬鹿!死ぬ気か!やめるんだ!」

勇者「やだ!あとあんたも来なさい!共同戦線でしょ!」

魔王「あ、はい……」テクテク

勇者「ふわわ!あんた!なんであたしの後ろから抱きついてんのよ!」

魔王「お前、魔力は触れ合ったほうが効果上がるの知らんの?常識よ」

勇者「そ、そうなんだ。じゃあ仕方ないわね…//」

魔王「(嘘だけどな)なぁ、勇者」

勇者「な、何よ?」

魔王「その、悪かったな、色々」

勇者「何のことよ?」

魔王「いや、風呂とか、触診とか…さぁ」

勇者「い、いや…別にいいわよ// 仕方なかったんだし…」

魔王「でも風呂は一人で入れたよな?あんときはなんで」

勇者「ちょっと!そろそろ自爆するわよ!喋る余裕を魔力に集中させなさい!」

魔王「へいへい…」

魔王「なぁ、勇者」

勇者「…なに」

魔王「多分、私達、死ぬよな」

勇者「…わかんないよ」

魔王「最期に言わせてもらうが」

勇者「…何を」

魔王「もし生まれ変わったら…」

勇者「うん…」

魔王「お前と…」

パアアアアアアアアアアアアアアア……




勇者「最後まで言いなさいよ…………ばか」

王「国民の皆さん!見事魔王は倒されました!勇者様も行方はわかりませんが些細なことです!さぁ、今宵は盛大に盛り上がろうじゃありませんか!」

国民「おおーーーーーーーーー!!!!」

民A「なぁ、魔王倒して勇者行方不明って、まんまあれじゃね?」

民B「ばっかおめぇ、そこはオマージュだろ。大体勇者ってのはいなくなったほうが伝説じみていいんじゃねえかよ」

民A「だよなぁ。無駄に帰ってきて王位を継ぐ!ってことは勘弁だよなぁ。政治とか素人だろうしよ」

民B「んだんだ。だからいっちばん都合のいい締め方だな!はははは!」

魔族A「魔王様はいなくなった」

魔族B「恐らくは勇者と共に相打ちになったのだろう」

魔族A「これからは、我々が魔界を統治していくのだな」

魔族B「そうだ、世界は我々の手で守るのだ」

魔族A「偉大なる魔王に、敬礼!」

魔族B「(見ていてください、魔王様。魔王様が望んだ平和を、我等の手で必ずや守ってみせます」

子「おかーさん、ただいまー!」

母「お帰り。また猫ちゃんと遊んできたの?」

子「うん!いつものつがいさんだよ!いつもいっしょにいるんだ!」

母「もうここいらじゃ名物になってるわよね。でも、黒いほうはよく落ち込んでるように見えるけど」

子「おかーさんも、おとーさんとあんなかんじだったの?」

母「そうねぇ…それを話すにはまだ刺激が強いから、大きくなったらね?」

子「うん!わかったー!」

父「母さん、昔のことは言わないでくれんか」

母「あらやだ、人聞きが悪いわねぇ」

父「(…あそこの猫も同じかんじなのかなぁ…)」

魔王猫「にゃあ(おい勇者)」

勇者猫「にゃ?(なによ?)」

魔王猫「にゃぁ~(今日の晩飯少なくね?私結構縄張りつけてきたんだけど)」

勇者猫「にゃっ!(あんたはいいじゃない!あたしは余分に取らないといけないんだし)」

魔王猫「にゃふ(さいですか。しかし、なんでお前はとにかく私まで猫になってしまったんだ)」

勇者猫「にゃにゃ(あの自爆の魔力に、大魔導の呪いが移ってたんじゃない?)」

魔王猫「にゃーん(ま、平和に暮らしているからいいけどな。お前ももうすぐ一児の母だし)」

勇者猫「にゃ!?(こるぁ!お腹をさするなぁ!あんた今日御飯抜きよ!?)」

魔王猫「にゃん…(すんません)」

子「あ、いたー!猫さーん」ブンブン

魔王猫「にゃぁ(今日もいるな、あの子供は)」

勇者猫「にゃん?(あんたとあたしの漫才が楽しいんじゃない?)」

魔王猫「にゃにゃ(そこは夫婦漫才って言えよ)」

勇者猫「にゃ!?ふしー!(め!?いい加減にしなさい!)」

魔王猫「ぎにゃー!!!(いでぇ!てめぇ引っ掻きやがったな!)」

勇者猫「にゃん!(自業自得よ)」プイッ

子「あははーーwwまたやられてるーwwwww」

魔王猫「…にゃぁ;;(元魔王なのにorz)」

勇者猫「…にぃ(ねぇ)」

魔王猫「にゃ?(なんだ?)」

勇者猫「にゃにゃぁ(あの時、最後なんで言おうとしたの?)」

魔王猫「にゃ~?にゃにゃ??(え、なに?気になるの?プロポーズの言葉気になるのね?ねぇねぇ??)」

勇者猫「ふしー!(落とすよ)」

魔王猫「…なぁなぁご(お前と共に生きていきたい ですはい。すいません)」

勇者猫「……//」

魔王猫「…(聞いておいて、この反応。まったく、変わらないな)」

勇者猫「…にゃあ(この平和、いつまで続くかな?)」

魔王猫「にゃあん(続くさ。お前となら、きっと………)」


本当に終わり。ありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom