幼馴染「男君はいっつも損してる…」 男「そうかな?」(113)

男「友は女さんのこと好きなんだよね?」

友「え…まぁそうなんだけど…」

男「そっか」

友「なんだよ?」

男「いや、何でも無いんだ」

男(女さんは今彼氏はいなかったはず…)
  「あの、女さん」

女「ん? 何男君」

男「今度、友と一緒に遊びに行かない?」

女(男君が誘ってくれた)ドキ
  「うんいいよ」
  「でも急にどうしたの?」

男「ん、ちょっとね」ヘヘ

男「というわけなんだ」

幼「ふーん」

男「協力してくれないかな?」

幼「…いいけど、男君って女さんのこと…」

男「ん?」

幼「…何でもない」ズキ…
  「じゃあ、一緒に遊びに行けばいいのね」

男「うん、よろしくね!」

デート当日

幼「ねえ、男君」

男「ん?」

幼「本当に良いの?」

男「何が?」

幼「…」
  「あ、友君来たよ」

友「すまん遅れちまった」
  「あれ、女ちゃんは?」

男「女さんはもうすぐ来ると思うけど」


女「ごめんねー、ちょっと迷っちゃった」

幼(すごく気合入ってる格好)

友(うお、女ちゃんかわええ!)

男「じゃあ、行こうか」



男「幼ちゃん…」ボソボソ

幼「ん?」

男「そろそろ…」ボソボソ

幼「うん…」

男「あ、駅に携帯置いてきたかもしれない!」(棒)

女「え? 大変!」
  「一緒に取りに行こうか?」

幼「もう、男君は手が焼けるね…」
  「私が一緒に探しに行くよ」

友「男だけで行くよりは大丈夫だけど…」

男「ごめん、二人は先に行ってて!」
  「行こう、幼ちゃん!」グイ

幼(あ… 手が…)ポ

男「…上手く行ったね、幼ちゃん」

幼「そうだね」

男「これで友がバッチリアプローチできる」

幼「ねえ、男君… これでよかったの?」

男「え?」

幼「だって、男君女さんのこと…」

男「良いんだよ… 友の方がずっと好きだったみたいだし」

幼「…そっか」

男「僕は、友達が幸せになってくれる方がずっと嬉しいんだ」シュン

幼「……」
  「時間もまだかなりあるし、今日は私の買い物に付き合ってもらおうかなー」
  「ね、男君」

男「う、うん」

男「こっちの方が幼ちゃんに似合うよ」

幼「そうかな… こっちはどう?」

男「良いと思う!」

幼「あ、やっぱり?」
  「じゃあこれにしよう!」
  「男君は何か買わないの?」

男「僕は良いんだ」

幼「もう! 男君はいっつもそうなんだから」
  (そこが良いところでもあるんだけど…)

男「友、上手くやってるかな?」

幼「大丈夫だよ、友君人としゃべるのだけは上手いから」

男「何気に酷いこと言うね…」
  「でも、今日は協力してくれてありがとう」
  「幼ちゃんが友達で本当に良かった」

幼「…そっか」ズキ
  「また何かあったら言ってね」

男「じゃあね、幼ちゃん」

幼「じゃあ」

───

幼「はぁ… 今日もはっきり言えなかったな…」
  「でも… 男君、女さんのことまだ諦め切れてないんだろうな…」

幼(確か小学校の頃も同じような事あったなぁ)
  (あの時は男君わざとケンカしたんだっけ…)

男「はぁ…」
  (友、大丈夫だったかな…)

男「…女さん可愛かったな」
  「……友にどうだったか聞いてみよう」
  『今日はどうだった?』カチカチ

友『女ちゃんとメチャクチャ話せた! 携帯見つかったみたいだな』

男(そっか…)
  『おかげさまで、見つかったよ。 頑張れよ友』

幼(あれ、明りがついてる)
  「…男君まだ起きてるのかな?」

───

男「…はぁ」

コンコン

男「ん? 幼?」

幼「男君、起きてる?」ガラ

男「どうしたの? こんな遅くに」

幼「男君、へこんでるんじゃないかと思ってね」エヘヘ

男「そんなことないよ」ハハ…

幼「…嘘つき」

男「…」

幼「男君、小さい時からそうやって笑う癖直ってないよ?」
  「辛い時に小さく笑うの」

男「うん…」

幼「わ、私がいつでも傍にいるよ…?」カァ
  「それじゃダメかな…」ジィ

男「嬉しいよ」

幼「え?」

男「やっぱり幼ちゃんは最高の友達だ」

幼「…もう…バカ」ボソ

次の日
友「女ちゃん、飯一緒に食わない?」

女「良いよ、友君パン?」

友「そうなんだよオカンが───」


男「…」ジー
  「上手く行ってるみたいだね」

幼「そうだね」モクモク
  (もう、男君女さんの方ばっかり見て)

男「ところで幼ちゃん」
  「幼ちゃんって」

幼「ん?」

男「好きな人いるの?」

幼「え…?」ドキ
  「なんで?」

男「うーん、ちょっとね」

幼(もしかして…男君?)

───

男「幼ちゃん、一緒に帰らない?」

幼「うん良いよ」

男「何か久しぶりだね」

男「それにしても暑いね…」
  「アイス食べて行かない?」

幼「アイスかー」

男「いや?」

幼「ううん、良いんだけど」
  「男君って大抵…」

男「?」


男「二つください」

店員「はいどうぞ」

男「はい、幼ちゃん」ス

幼「ありがとう」ニコ

男「♪」
  「…?」ドン

少女「あ…」

男「わわ…」

幼(やっぱり…)

少女「…ごめんなさい」グス

男「…大丈夫だよ」
  「君はケガは無かった?」

少女「…うん」グスグス

男「……」
  「良かったら僕のを」…ス
  「まだ口を付けてないんだ」

幼「…」

少女「でも…」

男「遠慮しないで、ね?」

少女「…ありがとう、お兄ちゃん!」

男「…」ニコニコ

幼「男君はいっつも損してる…」

男「そうかな?」

幼「いつも自分の何かをあげてる」
  「自分は何も貰ってないのに」

男「良いんだよ、それで…」
  「貰うよりもあげる方が僕の性に合ってる」

幼「…女さんもそうだったの?」
  「自分の気持ちは二の次で、友君を優先したの?」

男「そうかもね…」ハハ…

男「いいんだよ…それで」

幼「それでいいの?」イラ

男「…ごめん」

幼「…私先に帰るね」ス

男「お、幼ちゃん…!」

男「幼ちゃん怒ってたな…」
  「僕のせいだ…」
  「明日謝ろう…」

────

男「…はぁ」

友「よう男、冴えない面してどうしたんだよ?」

男「友は相変わらず元気だね…」

友「へへ、まあな 女ちゃんとも最近よく話すし」

男「そっか…」ズキ

友「んで、何で元気ないんだ?」

男「幼ちゃんとケンカしちゃってね」
  「僕が悪いんだけどさ…」

友「はぁ… お前はいつでもウジウジしてて駄目だな」

男「はは… そうかな…」

友「そうだよ」
  「たまには男らしいところ見せろよ」
  「本当に幼ちゃんに嫌われるぞ?」

男「うん…」

男「男らしくか…」

───

幼(…男君に会いたくないな…)ハァ…

?「幼さん?」

幼「あれ… えと…」

?「あれ忘れちゃった?」

幼「ごめんなさい… えと」

先輩「先輩だよ」
   「去年の学際で結構話したんだけどな…」

幼「あ、今思い出しました」



男「ん…あれって…」

男(そっか… 先輩直接行くことにしたのか)


男[先輩それでお話とは?]

先輩[いや、幼さんのことなんだけど]

男[幼ちゃんがどうしました?]

先輩[君幼さんと仲良かったよね?]

男[小さい時から一緒にはいますけど…]

男「…」


先輩「元気ないみたいだけど、どうしたの?」

幼「そんなことないですよ」

先輩「そうなの? 何か心配だな」

幼「先輩って見かけによらず優しいんですね」フフ

男「…これで良いんだ」
  (でも……何だろう……この気持ち)

女「男君?」

男「うわあ!」ビク

女「どうしたの男君?」

男「な、何でも無いんだ」

女「男君最近元気ないよ?」

男(…女さん、僕は)

女「もし何かあるなら相談して?」
  「男君が元気ないと、私寂しいから」

男「え…?」ドキ

男「…女さんはああ言ってくれてたけど…」


幼「そうなんですか?」エヘヘ

先輩「うんうん」


男「これで良いんだ…」

教室

男「幼…あの昨日は…ごめん」

幼「何で男君が謝るの?」プイ
  (! …こんなこと言うつもりなかったのに)

男「…」

幼「…」

昼休み

男「…」モクモク
  (幼ちゃんいないな… 先輩のところかな?)

女「男君」

男「女さん、どうしたの? 友は?」

女「一緒に良いかなって思って」
  「友君は委員会の仕事でいないよ」

女「…」

男「…」

女「幼ちゃんのことでしょ?」

男「え?」

女「元気ないの」

ごめん寝る
明日残ってたら書く

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