カリーナ「ここがネオヴェネチア・・・」奈々「さ、お仕事お仕事」 (198)

【前編】『その 新しい世界との出会いに・・・』

【一日目・街角】

カリーナ「素敵な街・・・海上都市なんて」

カリーナ「恋人達がゴンドラに乗って・・・」

カリーナ「ウンディーネのカンツォーネを聴くの・・・」

カリーナ「あたしもタイガーと一緒に・・・」///

カリーナ「そうよ。せっかくのネオヴェネチア」

カリーナ「なのに・・・なのに・・・」

キース「うん。素晴らしい街だ。人々の笑顔が溢れているね」

キース「素晴らしい!そして素晴らしい!」

キース「ん?どうしたんだいブルーローズ。難しい顔をしているが?」

カリーナ「どうして私の隣にいるのがあんたなのよ!?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1385784164

※ Tiger & Bunny, ARIA(AQUA)と怪盗アマリリスのクロスSSです。
※ 前編・後編の二部構成です。
※ それでは最後までお付合い頂ければ幸いです。

キース「何を言っているんだい?」

キース「そもそも私が来るのは最初から決まっていただろう?」

キース「なにも不思議なことなんてないじゃないか」

キース「そんな事よりも、私達にはやる事があるじゃないか」

キース「この街に巣食うらしいウロボロスの情報を仕入れると言う使命が!」

カリーナ「・・・それはそうだけど」ハァ

カリーナ(そう・・・これは旅行の姿を借りた犯罪調査)

カリーナ(調査・・・本来ならあたし達ヒーローの仕事じゃないし・・・)

カリーナ(そもそも、私はファイヤーエンブレムの代わりなのよね・・・)

【回想 ― アニエスのオフィス】

ファイヤーエンブレム「と、言うわけであたしが急遽いけなくなったから」

ファイヤーエンブレム「ブルーローズに代役をお願いしてもいいかしらん?」

アニエス「別に構わないわ。BRもそれでいいのね」

ブルーローズ「あ、はい」

アニエス「なら、一応この旅行の目的を説明しておくわね」

アニエス「先日、司法局のユーリ・ペトロフ氏からの依頼があったの」

アニエス「『ネオヴェネチアにウロボロスの構成員がいる可能性があります』」

アニエス「『もろもろの事情で私が情報収集を担当することになったのですが』」

アニエス「『何しろ非NEXT一人では心もとないので、HEROの引率をお願いしたい』」

アニエス「『旅行費用はシュテルンビルト当局が全部持ちます』ってね」

アニエス「まぁ、情報収集はペトロフ氏がメインになるでしょうから」

アニエス「私があなたに言いたいのはただ一つ」

ブルーローズ「は、はい。何ですか?」

アニエス「しっかり営業活動してきなさい」

【回想終わり】

カリーナ(無理でしょ)

カリーナ(こんな、平和を絵に描いた様な街にHEROの出る幕なんてないわよ)

カリーナ(いちおう衣装は持ってきてるけど)

カリーナ(この街にあんな服なんて絶対浮くわ!)ハァ・・・

キース「うん?今度はため息かい?ブルーローズ?」

カリーナ「・・・決めた」

キース「ん?」

カリーナ「こうなったら、さっさとやる事終わらせて!」

カリーナ「この1週間遊び倒してやるんだから!!」

カリーナ「いくわよスカイハイ!」ザッシュザッシュ

キース「・・・あ、ああ」

キース(なんでブルーローズはこんなに発奮しているのだろう?)トコトコ

ユーリ「ふむ、それではMs.フローレンスが知る限りでは」

ユーリ「ここ数年特に大きな犯罪は起きていない。と」

アリシア「はい。少なくとも私達ゴンドラ協会の情報網が伝え聞く限りでは」

アリシア「このネオヴェネチアは平時と何の変わりもありません」ニコ

カリーナ(協会の理事さんって聞いてたから強面を想像していたけど)

キース(・・・・・・・・・)

カリーナ(・・・綺麗な人)

カリーナ(胸は・・・そうでもない)

カリーナ(・・・よし)

キース(・・・・・・・・)

ユーリ「ふむ。ウロボロスはまだ活動を始めていないのかな?」

ユーリ「だとすると・・・、今度は郵便局を当たってみましょうか」

ユーリ「あなた方はどうされますか?」

カリーナ「どうって、私達も行くんじゃないんですか?さっきみたいに」

ユーリ「ゴンドラ協会はネオヴェネチアの日々の生活を広範囲に渡って支えていますので」

ユーリ「先ほどは儀礼的な顔見世の意味合いがあったので同席していただきましたが」

ユーリ「次は郵便局です。こちらは私の方だけでも構わないかと」

カリーナ「そうですか?じゃあどうしようかスカイハイ?」

キース「美しい・・・・・・そして美しい」ブツブツ

カリーナ「」

ゲシッ!

キース「痛いッ!」

キース「な、なにをするんだブルーローズ。痣になってしまうじゃないか」

カリーナ「美人に惚けて人の話をちゃんと聞いてないからそうなるのよ」

カリーナ「で、どうするの?次のところ、私達は同席する義務がないらしいけど」

キース「うむ。だったらペトロフ氏に任せてしまおう」

キース「私はやる事ができたのでね」

ユーリ「・・・・・・・・・わかりました。それでは今夜ホテルでまたお会いしましょう」

カリーナ「私達の方で気になる事があったらその時にお伝えします」

ユーリ「はい。それではまた」

カリーナ「よしっ!自由時間ね!」

カリーナ「・・・で、スカイハイ。早速ちょっと聞いてもいいかしら?」

キース「ん?なんだい?」コレトコレト アトコレヲイッショニ

カリーナ「なんで突然花束を買い始めたわけ?」

キース「ん?・・・そ、それは・・・・・・」ウッテイタダイテ カンシャシマス

カリーナ「まさか、さっきの理事さんに送るとかじゃ・・・」

キース「ははは・・・・・・」ハナタバ ドッチャリ

カリーナ「やっぱり」シラー

カリーナ「でも残念ね。あの人、結婚してるわよ」

キース「!!」

カリーナ「やっぱり指輪に気付いてなかったのね・・・」

キース「悲劇だ・・・そして悲劇だ」

カリーナ「ま、その花は息苦しいホテル滞在の間の清涼剤ね」

カリーナ「で、時間があるからゴンドラに乗ろうと思うんだけど」

カリーナ(タイガーとのデートの下見に)

キース「はは・・・そうだね・・・」ショボン

カリーナ「元気出しなさいよ」

カリーナ「ゴンドラを操るのはウンディーネって人達」

カリーナ「みんな美人らしいわよ」

カリーナ「新しい美人を見て失恋を癒しなさい」

キース「そうだね・・・早く美人を見て癒されたい・・・」

カリーナ「カチーン」

キース「さ・・・寒い」カチンコチーン

カリーナ「結局大手は予約で一杯」

キース「諦めかけていた所を通りかかった女子高生に教えられ」

キース「このARIAカンパニーの水無灯里(みずなしあかり)と言うゴンドラ乗りを勧められたわけだ」

カリーナ「まぁ、奈々ちゃんに案内して貰っちゃったんだけどね」

キース「女性との会話という奴は・・・どうも難しいものだね」ハハ

カリーナ「・・・」イラッ

カリーナ「ともあれ、ここがダメだったら今日は大人しくカフェに居るわ!」

キース「うむ。予約が入ってないといいね」

キース「では!たのも―――」

アイ「あれ?お客さんですか?」カチャリ

アイ「いらっしゃいませ」ペコリ

アイ「でもごめんなさい、今アクアマリンは接客中でして」

アイ「もう少ししたら帰ってくると思うんですが・・・」

カリーナ「え、そうなの?・・・ここもダメか・・・」

キース「残念だったねブル・・・カリーナ」

アイ「申し訳ありません。わざわざ足を運んでくださったのに」ショボン

カリーナ(・・・あ、ちょっと可愛いかも)

キース「見たところ君も水先案内人(ウンディーネ)のようだけど・・・?」

アイ「はい、わたし、このARIAカンパニーに所属しているアイと申します」

アイ「よろしくお願いします」

カリーナ「あなたの方も予約が入ってるの?」

アイ「いえ、わたしは半人前(シングル)でして」

アイ「一人前(プリマ)のウンディーネ同伴でないとお客様を乗せられないんです」

キース「なるほど。で、ここのプリマはみんな出払っていると」

アイ「はい。みんな・・・とは言ってもうちは少数経営で一人ですが」

アイ「現在接客中で不在にしております」

キース「ふむ。しょうがないね」

カリーナ「今日はカフェに行きましょうか」

カリーナ「明日は予約が空いていますか?」

アイ「明日ですか・・・えっと・・・」パラパラ

アイ「はい!明日の夕方でしたらアクアマリンの予定は空いています」

カリーナ「じゃあ、そこにカリーナ・ライルで予約をお願いします」

アイ「はい!二名でよろしいですか?」

キース「ああ。よろしくお願いするよ」

カリーナ「じゃあ、楽しみは明日に回してカフェにでも行きましょうか」

キース「アイくんだったかな?どこかおすすめのカフェはあるかな?」

アイ「おすすめの・・・・・・じゃあカフェ・フロリアンなんていかがでしょうか?」

アイ「ゴンドラ教会の方々も足繁く通うネオヴェネチアの有名店です」

キース「ゴンドラ教会の・・・と言う事はアリシアさんも?」ゴクリ

アイ「はい。アリシアさんも偶に休憩しているみたいです」

アイ「でも、お客様はアリシアさんの事をご存知だったんですか?」

カリーナ「ええっと、一応ここに来る前に観光案内に目を通してはいたから」

カリーナ(・・・さすがにさっき会ってたとは言えないわよね)

キース(もしかしたらまたアリシアさんに会えるのか・・・?)ゴクリ

アイ「そうなんですか~!アリシアさんは有名ですから」

アイ「えっと、それはさておき」

アイ「カフェフロリアンの支配人さんはとても良い人ですから」

アイ「もしも会えたらお話してみてください」

アイ「ちょっと顔が怖いかもですけど」ボソリ

アイ「あと、今から行けばそこで働いてる奈々ちゃんにも会えると思います」

キース・カリーナ「「ん?」」

アイ「私の友達です。私の名前出してみてください」

アイ「もしかしたらクッキーおまけしてくれるかも」エヘ

カリーナ「あの・・・ちょっといいかしら?」

アイ「はい。なんでしょうか?」

カリーナ「その奈々って子、もしかして学生?」

アイ「はい。私と同じで17歳です」

キース(・・・若いな)

カリーナ「もしかして明るい髪色のロングヘアーで?」

アイ「はい。後ろをちょっと高めに纏めてます」

カリーナ「やっぱり」

キース「あの子だね」

アイ「えぇ~、二人とも奈々ちゃんの事ご存知だったんですか?」


カリーナ「ご存知というか・・・」

キース「彼女にこのARIAカンパニーを紹介されたんだ」

アイ「あ、そうなんですか」

アイ「あとで奈々ちゃんにお礼いっとかないと」エヘ

アイ「って、あれ?」

キース「?」

白饅頭「ぷぃにゅ」

カリーナ・キース「「?」」

アイ「アリア社長もお出かけですか?」

アリア「ぷい、にゅ」

キース「アリア・・・社長?」

カリーナ「その・・・猫ちゃんが?」

カリーナ(猫で合ってるわよね???)

アイ「はい。この子がARIAカンパニーの社長。アリア社長です」

アリア「ぷいーにゅ!」

キース「猫が社長?」

アイ「AQUAの水先案内業界では、青い目の猫を社長にする習わしがあるんです」

アイ「どの店にも青い目の社長さんがいらっしゃるんですよ」

アイ「ね、アリア社長」

アリア「ぷいにゅ!」

キース「そうなのかい。じゃあ・・・」

キース「はじめまして。よろしくお願いします。アリア社長」スッ

アリア「ぷぃにゅ」スッ

カリーナ「あ、あたしもあたしも」

カリーナ「はじめまして。アリア社長」スッ

アリア「ぷいにゅ!」スッ

カリーナ「可愛い~」

アリア「!」ザッ

アリア「ぷぃぷぃにゅ!」シュッシュッシュ

カリーナ「?」

キース「アイ君、アリア社長はどうしてしまったんだ?」

キース「いきなりシャドーボクシングらしきものを始めたが」

アイ「あー、それはアリア社長の照れ隠しです」

カリーナ「照れ隠し?」

アイ「はい。可愛いって言われて照れてるんですよ」

アイ「アリア社長は本当は『にゃんにゃんぷぅ』みたいに格好いい雄猫(おとこ)になりたいんです」

アイ「ですよね、アリア社長?」ニコッ

アリア「ぷぃにゅ!」シュッシュッシュ

カリーナ(・・・か、可愛い)

キース「『にゃんにゃんぷぅ』というのは彼ら猫のHEROかい?」

キース「見たところ、人の言葉は理解してるみたいだし、テレビか何かかな?」

アイ「はい。人気のテレビシリーズで、火星猫が主役のヒーローものです」

キース「そうか、アリア社長もHEROになりたいのか」

キース「よしアリア社長、一緒に明日の早朝ランニングをしないかい?」

アリア「ぷぃぷぃぷぃ」チッチッチ

アイ「アリア社長にはそんなもの必要ないって言ってます」

キース「あ、そうなのかい」ショボーン

カリーナ(アイちゃんはなんで今ので分かったのかしら?)

カリーナ「よし」

カリーナ「ほら、しょげてないで行くわよスカ・・・キース」

キース「あぁ・・・そうだな。そうしようか」

カリーナ「アリア社長も途中まで一緒に来ますか?」

アリア「ぷぃにゅ!」

アイ「奈々ちゃんによろしくお伝えしてもらってもいいですか?」

キース「勿論だとも。ではアイ君、また明日」

アイ「はい、明日はよろしくお願いいたします」ペコリ

アリア「ぷぃぷぃにゅ~」フリフリ

【サンマルコ広場】

キース「と、言うわけでカフェフロリアンについたわけだね」

カリーナ「奈々ちゃんは休憩中。なのかしら?」

キース「外も店内も見たけど、いないみたいだね」

カリーナ「とりあえず、外の席に座って待ちましょうか」トン

キース「そうだね。天気もいいし」トン

店員「いらっしゃいませ。こちらがメニューになります」

キース「ありがとう。そしてありがとう」

カリーナ「ありがとう」

店員「それでは、ご注文が決まりましたらまたお呼びください」サッ

?「・・・」ジーッ

?「・・・」ジーッ

キース「それでは私はこれで」

カリーナ「あたしはこれと・・・このケーキをお願いします」

店員「かしこまりました」

キース「奈々君はなかなか現れないね」

カリーナ「もしかして、今日のバイトは終わりなのかしら?」

カリーナ「・・・ところでスカイハイ」ヒソヒソ

キース「・・・うん。先ほどから見られているね」ヒソヒソ

カリーナ「あの少し離れた席の男」ヒソヒソ

カリーナ「スーツに帽子をかぶっているけど」ヒソヒソ

カリーナ「明らかに悪人面よね・・・」ヒソヒソ

カリーナ「もしかしてウロボロス?」ヒソヒソ

?「・・・」ジーッ

キース「いや、人を見た目で判断するのは良くないんじゃないかなブルーローズ」ヒソヒソ

キース「確かに私達が席に着いた時から視線を感じるが」ヒソヒソ

キース「逆に言えばその前は私達に気を配ってはいなかったわけだし」ヒソヒソ

キース「ただ私達が旅行者だから気になってるだけじゃないかな」ヒソヒソ

カリーナ「ならいいんだけど・・・」ヒソヒソ

?「・・・」ジーッ

?「ン?」

カリーナ「あれ、別の方を向いたわ」ヒソヒソ

キース「うむ。妙齢のご婦人が向かってくるね」ヒソヒソ

カリーナ「綺麗な人ね。気品を感じるわ」ヒソヒソ

?「はっはっはっは」

?「フフフ」

キース「どうやら取り越し苦労だった様だね」

カリーナ「そうね」

カリーナ「あの女の人が相席したら、ずっと歓談してるものね」

店員「こちら、ご注文の品になります」

キース「ありがとう。そしてありがとう」

カリーナ「ありがとうございます」

店員「それでは、また何かご注文があればお呼びください」スッ

カリーナ「あ、店員さん。ちょっと質問いいですか?」

店員「はい、なんでしょう?」

カリーナ「このお店で奈々ちゃんが働いてるって聞いたんですけど」

店員「ああ、奈々ちゃんのお友だちですか」

店員「彼女でしたら休憩の時間ですから散歩に出かけてます」

カリーナ「いつ頃戻ってくるかわかりますか?」

店員「そうですね・・・そろそろだと思いますよ」

店員「影追いの時間までには帰ってくる筈ですから」

キース「影追い?」

店員「はい。ああ、ほら戻ってきましたよ」

奈々「椎崎奈々、ただいま戻りました!」ピシッ

店員「はい、お帰りなさい」

店員「友だちが来てるみたいだよ」

奈々「友だち?」チラッ

キース「やぁ」

カリーナ「奈々ちゃんまた会ったわね。覚えてる?」

奈々「んー」

奈々「あ、もしかして午前中にお会いした」ポンッ

カリーナ「そうそう」

奈々「あれ?じゃあARIAカンパニーも予約埋まってました?」

キース「残念ながらね」

カリーナ「でも、明日の予約してきたから」

奈々「そうなんですか。アイちゃんに会いました?」

カリーナ「会った会った。黒髪の可愛い子だよねー」

奈々「そうですよね!アイちゃん可愛いですよね!」

奈々「良かったー、同志がいた!」

奈々「で、でやっぱり、決め手はあのリボ―――」

店員「―――奈々ちゃん先に着替えて来ようね」

店員「お話なら影追いのあとでもできるからね」

奈々「あ、すみません」テヘッ

奈々「じゃあ、ちゃっちゃと着替えてきます!」ダッ

店員「よろしくね」

カリーナ「またすぐにねー!」

キース「ふむ。ところで店員さん」

キース「先ほどの話に出ていた影追いですが・・・」

店員「ああ、それはですね―――」

奈々「終わりましたーッ!」シュピンッ

キース「おおっ!」

カリーナ「は、早い・・・」

奈々「特技は早着替え!」

店員「じゃあ丁度良いから始めようか」

店員「奈々ちゃんはこちらの方の椅子をお願いね」

奈々「ハイッ!」

キース「なるほど。つまり影追いというのは」

キース「一定時間毎に屋外のテーブルと椅子を日陰に移動させる事なんだね」

奈々「はい」

カリーナ「でも、一々移動するなんて面倒じゃない」

カリーナ「日焼けや熱中症対策なら、最初から屋内だけで営業すればいいじゃない」

キース「はぁ、カリーナ。君はわかってないね」

カリーナ「何よキース。なにがわかってないってのよ?」

キース「店内に入ってしまったらこの美しい広場の全体は見えないじゃないか」

キース「この広場まで含めての、カフェフロリアンという事だ」

キース「違うかな?」

奈々「ふふ、そうですねー」ニヤニヤ

奈々「そうなんですか?支配人?」クルッ

?「はっはっはっは」

キース・カリーナ(いつの間にか後ろに!?この男はさっきの!?)

支配人「はい。その答えも正しいといえますね」

カリーナ「あなたがアイちゃんの言ってた支配人だったんですか」

支配人「おや?ARIAカンパニーのアイさんをご存知で?」

カリーナ「はい。彼女が『カフェフロリアンの支配人さんはとても良い人だ』って」

支配人「はっはっはっは」

支配人「それは嬉しいメッセージですな。ありがとうございます」

キース「はじめまして支配人さん。キースと申します」

支配人「はじめまして。支配人と申します。以後お見知りおきを」

キース「はい。ところで、さっきの話に戻りますが」

キース「その答え『も』と言うのは?」

支配人「ああ、その『も』と言うのはですね」

?「そこは私がお話してもよろしいですか?」

カリーナ(あ、さっきの綺麗な人)

カリーナ(近くで見ると思ったより歳だけど、やっぱり綺麗)

支配人「ああ、アマトリシアさん」

支配人「ではアマトリシアさんのお手並み拝見としますかね」

アマトリシア「まぁ、全部支配人さんの受け売りですのに」

支配人「はっはっはっはっは」

アマトリシア「はじめまして、アマトリシアと申します」

アマトリシア「堅苦しい挨拶は抜きにして」

アマトリシア「私が持っている飲み物はなにかわかりますか?」スッ

注※アマトリシアはオリキャラです。(アマランザ+アリシア)÷2ぐらいのイメージで。

カリーナ「赤い・・・透明度のある飲み物・・・ですね」

キース「ワインですか?」

アマトリシア「ええ。この広場のカフェではワインも嗜みますので」

アマトリシア「ワインの味が太陽の光で損なわれないよう」

アマトリシア「影に合わせて一日に何回か店ごと移動するんです」

支配人「今日は4回目ですね」

カリーナ「そんなにですか?」

カリーナ「ワインなんて、学生の私にはわかんないからなぁ」

アマトリシア「そのうちわかるようになりますよ」フフフ

カリーナ「だといいんですけど・・・」

キース「学校を卒業したらだね」

支配人「それはそうとご一緒してもよろしいですかな?」

カリーナ「は、はい。支配人さんがそれでよろしければ」

アマトリシア「よろしくお願いしますね」

支配人「ああ君、お代わりを」キラーン

奈々「はいッ!」

キース「では私も貰おうかな」キラーン

カリーナ「私も!」キラーン

アマトリシア「私もお願いしましょうかしら」キラーン

奈々「はいッ!はいッ!はいッ!」テンヤワンヤ

カリーナ「このカフェラテ、本当に美味しいですね」

支配人「うむ。何杯飲んでも飽きませんぞ」

キース「朝からこちらに?」

支配人「うむ。その通りですぞ」

アマトリシア「今日も昨日もその前も、毎日こちらにいますよね」

支配人「私はなんと言ってもサンマルコ広場を楽しむ達人ですからな」

支配人「飽きたことなど、一度もありませんぞ」

キース「達人ですか」

キース「アマトリシアさんもですか?」

アマトリシア「いえいえ、支配人さんほどではありませんよ」

奈々「嘘ばっかり、ずっといらっしゃってるじゃないですか」

支配人「奈々君、仕事中は私語は控えるものですぞ」

奈々「はいッ!すみませんでした!」

奈々「カリーナちゃん仕事が終わったらお話しましょう!じゃッ!」ビュンッ

カリーナ「うん!もちろん!」ジャアアトデネー

キース「わ、私は・・・」アウトオブ ジョシトーク・・・

アマトリシア「ふふ、でも確かにほぼ毎日足を運んでますね」フフフ

支配人「あなたもこの広場の達人ですな」ハッハッハ

支配人「ところで、お二人は見たところ観光で来られているようですが」

支配人「マンホーム(地球)のどちらからいらっしゃったのですかな?」

カリーナ「いえ、私達はルナワン(月)から来たんです」

アマトリシア「あら、ルナワンから?」

アマトリシア「アクア(火星)でルナワンから来た人に会うなんて珍しいわね」

アマトリシア「私もルナワン出身なのよ」

キース「そうなんですか。奇遇ですね」

アマトリシア「とは言っても、もうルナワンを離れて20年になるのかしら」

カリーナ「20年も!?」

アマトリシア「ええ、懐かしいわ・・・」

アマトリシア「最近のルナワンはどのような感じなのかしら?」

キース「そうですね、ここ20年の変化と言えば―――」

―――――――――
――――――
―――

奈々「カリーナちゃん、お待たせ!仕事終わったよ」

支配人「おや、もうこんな時間ですか」

アマトリシア「時間の経つのは早いものね。すっかり話し込んじゃった」

アマトリシア「ごめんなさいね」

カリーナ「いえ、こちらも私達の知らないころのルナワンの話が聞けましたし」

キース「楽しませていただきました」

アマトリシア「そういって下さると嬉しいわ」

アマトリシア「あとどれくらい滞在なさるの?」

キース「大体一週間程の予定です」

アマトリシア「そうなの。できたら帰る前にもう一度くらい寄って頂きたいわ」

アマトリシア「お話したいものね」

キース「そうですね。是非とも」

支配人「はっはっは。そうして頂けると私も嬉しいですな」

奈々「売上に貢献してもらえますからね」

支配人「はっはっは」

奈々「・・・すみません」メガワラッテナイ・・・

アマトリシア「今度はHEROのお話でも聞かせてくださいね」

アマトリシア「それではまた」

支配人「奈々君、もう気楽にしてよろしいですぞ。それでは」

カリーナ・キース「「はい」」

奈々「はーい!」

奈々「で、何の話しようか?やっぱりアイちゃんの話?」キラキラ

カリーナ「いいわねー。決め手はやっぱりリボン?」

キース「ゴホン」

カリー奈々「「?」」

キース「じ、自己紹介からがいいんじゃないのかな?」

奈々「でね、あたしは今夏休みだからバイト兼ねてるの」

奈々(あとめぼしいお宝を盗む為の下見も兼ねてるんだけどね)

キース(ああ・・・)

カリーナ「えー、いいなー。あたしなんて、夏休みだって仕事してるのに」

キース(これは・・・)

奈々「そうなの?それって大変じゃない?」

キース(いつまで続くのかな・・・?)

カリーナ「大変大変、でも仕事は楽しいし―――」アッ

奈々「楽しいし?」キピーン

キース(ふう・・・広場の前の海も綺麗だな)

奈々「あれあれ?なんでドモるのかな?何か嫌なことでもあるの?」

カリーナ「そ、そんな事ないわよ。楽しいし、やりがいあるし」

キース(おや・・・?)

奈々「やりがいあるし―――気になる人がいるし?」ニヤッ

カリーナ「そ、そんな、そんな事!」

キース(あっちから向かってくる子ども連れはもしかして)

奈々「そんな事、あるけど?」

カリーナ「え、えぇーと・・・」アセアセ

キース(うん、あれはやっぱり)

奈々「そうなんでしょ、そうなんでしょ。言っちゃいなさいよ、このこの」エイエイ

カリーナ「え、えぇーと・・・」///

カリーナ(流石にあったばかりの子と恋話なんて・・・無―――)///

キース「タイガー君じゃないか!」

カリーナ「ふあぁッ!!?」ドキッ!

虎鉄「お!なんだ!スカイハイにブルーローズじゃないか!」

虎鉄「なんでこんな所にいるんだ!?」

楓「キースさん、カリーナさんこんばんは」ペコリ

カリーナ「な、なんでって!こっちの台詞よ虎鉄!」///

カリーナ「ルナワンで仕事してるんじゃなかったの?」ワタワタワタ

奈々(おや?)

奈々(・・・これは)ニンマリ

虎鉄「あれー?言ってなかったっけか?」

虎鉄「俺、今週は家族サービスでお仕事休みなんだ」

キース「そうだったのか。知らなかったよ」

虎鉄「スカイハイも知らなかったのか?」

虎鉄「あ、そっかー。みんな一部リーグだからか」

虎鉄「俺、二部リーグだもんなぁー、ははは」

虎鉄「ファイアーエンブレムには行き先まで含めて伝えてたからみんな知ってると思ったよ」

カリーナ「知らないわよこのバカ!///」

カリーナ「それよりも、その呼び名どうにかしなさいよ!///」

カリーナ「今はみんな仕事服じゃないんだからね!!///」

奈々(これはもしや?)ニヤニヤ

虎鉄「お?おぉー、そうかそうか。わりーなー、カリーナー」ハッハッハ

カリーナ「そ・・・それでいいのよ///」ホンミョウデヨバレタ ドキドキ

カリーナ(それにしても・・・ファイヤーエンブレム・・・)

カリーナ(代役って、つまりあんたこれ知ってたわね・・・)

カリーナ(グッジョブ!・・・って言いたいところだけど)

カリーナ(・・・よくも驚かしてくれたわね・・・帰ったら覚悟しなさい)

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ファイヤーエンブレム「ハックシュン!」

ファイヤーエンブレム(そろそろブルーローズにばれた頃かしら?)

ファイヤーエンブレム(だって、最近のあんたのことだから)

ファイヤーエンブレム(先に話したらタイガーの事ばっかで仕事しなくなるでしょ)

ファイヤーエンブレム(まったく、女心って言うのは罪よね)

カリーナ「と、とにかく偶然ね。こんなところで会うなんて///」

奈々(カリーナちゃんはわかりやすいなぁ)ニヤニヤ

虎鉄「本当だなー。まさか、二人がデートしてるなんて」

虎鉄「こりゃー邪魔しちゃったかなぁ」ハッハッハ

カリーナ「デ、デートじゃないわよ。仕事よ仕事。私はネイサンの代理///」

虎鉄「へー、そうなんか。お疲れさん」

虎鉄「ところで・・・そっちの女の子は?」

カリーナ「え、この子は」

カリーナ(ソウイエバ ナンデサッキカラ ニヤニヤシテルノ?)

奈々「始めまして虎鉄さん、カリーナちゃんの友だちで椎崎奈々っていいます」ニコリ

虎鉄「へー、奈々ちゃんって言うんだ。始めまして」

虎鉄「奈々ちゃんもルナワンから来たの?可愛い子だねー」デレデレ

楓「・・・お父さん」ハァ

奈々「あ、ありがとうございます」デモコノタイミングハ チョットマズインジャ

カリーナ「可愛い・・・・・・・・」ムカッ

バチーン!

虎鉄「あー」ゴホンッ

虎鉄「なるほど。つまり奈々ちゃんはマンホームから観光を兼ねたバイトで来てて」ヒリヒリ

虎鉄「カリーナとは今日知り合ったばかり」ヒリヒリ

虎鉄「と、いう事でよろしいんでしょうか?―――カリーナ様ァ!?」ヒリヒリ

カリーナ「そうよッ!」

楓「ほらー、お父さんが余計な事言うから・・・」

虎鉄(なんで俺殴られたんだ?)

キース「虎鉄君、その右頬の腫れに効く薬がホテルにあるからあとであげるよ」

カリーナ「いらないわよそんなもん!」

虎鉄「おいおいカリーナそりゃ幾らなんでも殺生な・・・」ヒリヒリ

カリーナ「うるさい!」

虎鉄「ひいぃッ!」

奈々「ははは・・・」

楓「ところで、二人はもうゴンドラにのったんですか?」

キース「ん?いや、まだだね。明日の午後にARIAカンパニーのゴンドラに乗る予定さ」

楓「偶然ですね。私達も明日の午後にARIAカンパニーのゴンドラを予約してるんです」

キース「と、なると私達の前か後かな?」

楓「そうかも知れませんね」

奈々「いいなー。ゴンドラ。ウンディーネにカンツォーネ」

奈々「ネオヴェネチアの醍醐味よねー」ハァー

カリーナ「あれ?奈々はもう一週間以上いるのにまだ乗ってないの?」

奈々「バイトの方が忙しくて」テヘヘ

奈々(それと仕事の下準備の方も・・・ね)

カリーナ「えー、じゃあ奈々ちゃんあたし達と一緒に乗ろうよ」

カリーナ「予約って変更できるのかな?」

キース「そもそも奈々君は明日もバイトなんじゃ?」

奈々「明日はオフなんです!」キラーン

キース「なんだ、それなら」

奈々「いやぁ、でも三人で一つのゴンドラって結構ウンディーネさんが大変らしいし」

奈々「あたしはバイトが終わってからも時間あるし」

奈々「あしたはゆっくり徒歩で観光します」

奈々(一日中仕事の下見に使えるしね)フッフッフ

カリーナ「そう?じゃあキースと二人か・・・」チッ

キース「ん?どうしたんだいカリーナ?」

カリーナ「なんでもないわ」

カリーナ「それよりも、奈々ちゃん」

奈々「なに?」

カリーナ「なんでさっきはニヤニヤ笑ってたのかしら?」マサカバレテナイワヨネ

奈々「えー、それっていま答えていい事?」ニヤニヤ

楓「えー、なんか面白いことでもあったんですか?」

カリーナ「ちょ、ちょっと、楓ちゃん―――」アセアセ

奈々「そうそうそうなのよ、よく聞いてくれたわね楓ちゃん」ニヤニヤ

カリーナ「奈々ちゃん・・・ちょっと静かにしてもらえるかしらー?」ニコーリ

奈々「えー、なんでなんで?何か困ることでもあるの?ニコニコ」エガオガコワイヨ?

楓「そうなんですかー?カリーナさん?」

カリーナ「い、いえそうじゃないんだけど」アセアセ

ワイワイ ガヤガヤ

虎鉄・キース「「・・・」」

―――――――――
――――――
―――

【夜】

スカイハイ(ふぅ・・・あの後も何だかんだで話に入れ無かったなぁ)

スカイハイ(まさかタイガー君まで蚊帳の外になるとは・・・)

スカイハイ(女性と言うのはどうしてああも喋り続けることができるのだろうか?)

スカイハイ(だが、同じ女性でも彼女はそこまででも―――)

スカイハイ(あの日を境にいなくなってしまった彼女)

スカイハイ(結局お礼をいえなかったなぁ)ハァ・・・

スカイハイ(いけないいけない!今はパトロール中だ!切り替えないと!)

スカイハイ(ネオヴェネチアは、シュテルンビルトと違って夜は静かだ・・・)

スカイハイ(ここは小島の上空か、確かサン・ミケーレ島といったかな?)

スカイハイ(おや、あそこに女性が二人?ウンディーネと、黒服の女性?)

スカイハイ(いくらネオヴェネチアが平和でも、夜に女性が二人というのは無用心だ)

スカイハイ(ちょっと注意喚起してこよう)

―――――――――
――――――
―――

【翌日―ARIAカンパニー】

カリーナ「こんにちわ。予約したカリーナ・ライルです」

アイ「いらっしゃいませー!お待ちしてましたー」

アイ「ってあれ?昨日の男性は?」

アイ「それに・・・奈々ちゃん?」

奈々「アイちゃん久しぶりー!」

アイ「久しぶりー!え?今日はどうしたの?」

カリーナ「キースの代役で誘っちゃった♪」

アイ「キースさんの代役?そちらの方は?」

虎鉄「予約してた鏑木虎鉄でッす!」

楓「その娘です!」

アイ「いらっしゃいませ!ってでもあれあれ?」

アイ「ちょっと早いような???」

虎鉄「予約内容を変更しにきましッた!」

アイ「え?ええ?」

?「どうしたのアイちゃん?」

アイ「あ、灯里さん」

アイ「お客様がいらっしゃったんですけど」

アイ「ちょっと予約内容を変更したいらしいんです」

灯里「そうなの?」

虎鉄「いやー、実はそうなんです」

灯里「あ、失礼しました」

灯里「いらっしゃいませ、ARIAカンパニーへようこそ」

アリア「ぷいにゅ!」

カリーナ(あ、こっちの人も可愛い系?のちょっと大人っぽい感じ)

―――――――――
――――――
―――

灯里「そうなんですかー、ルナワンからわざわざ」

虎鉄「はいー、そうなんですよ。家族サービスってやつで」

カリーナ(どうしよう、どうすれば・・・)

灯里「家族サービスって事は・・・そちらが娘さんですか?」

楓「はい、鏑木楓です。はじめまして」

カリーナ(今朝スカイハイが突然予定が入ったって言って)

カリーナ(奈々ちゃん誘ったまでは予定通りだったのに)

灯里「それに、奈々ちゃんは・・・アイちゃんの友だちでしたよね?」

奈々・アイ「「そうでーす!」」

カリーナ(タイガーと二人で灯里さんのゴンドラに乗るなんて・・・)

カリーナ(ああ、タイガーの顔が見れない・・・)

カリーナ(併走している奈々の笑顔が・・・)

カリーナ(・・・あとで覚悟してなさい)

奈々「・・・」ニヤニヤ

灯里「そちらの方は・・・アイちゃんの友だちでいいのかしら?」

カリーナ(・・・あたし、今晩は絶対眠れない・・・)

灯里「あのぉ・・・」エート・・・

虎鉄「おい、カリーナ、おい」

カリーナ「は、はいッ!?」

灯里「はひッ!」ビクンチョ!

奈々・楓・カリーナ・虎鉄「「「「!?」」」」

灯里「え・・・えっと・・・///」コホンッ

灯里「カリーナさんもマンホームから?」

カリーナ「あ、あたしは、シュテルンビルトから・・・です」

灯里「あら?」

灯里「じゃあ虎鉄さんのお友だち?」

虎鉄「そうでーす!」ハハハ

カリーナ「・・・」イラッ

カリーナ「アイちゃんと奈々ちゃんとはこっちに来てから仲良くなりました」

灯里「そうなんですかー。出会ってすぐに仲良くなったなんて。きっと素敵なきっかけがあったんですね」

灯里「あ、素敵と言えば、もう一つ。あなたが住んでる街の名前・・・」

カリーナ「シュテルンビルトですか?」

灯里「そうそう。確か中世後期のドイツ語で、意味は―――」

?「恥ずかしい台詞禁止!」

灯里「はひっ!?」

全員「!?」

?「恥ずかしい台詞禁止って言ってるのよ!灯里」

灯里「あ、藍華ちゃん。ま、まだ何も言ってないのに」

藍華「予防措置よ!よーぼーうーそーち!」

藍華「あたしのレーダーにビンビン反応したのよ!」

藍華「あんた、もうすぐ恥ずかしい台詞いうところだったでしょ!」

灯里「は、はひーっ」

?「藍華先輩、でっかいお邪魔虫なんかしてないで、早く行かないと間に合いませんよ」

藍華「わかってるわよ後輩ちゃん。灯里、あんたもあとでくるんでしょ」

灯里「うん、勿論だよ。藍華ちゃん、アリスちゃん」

アリス「でっかいお先に行ってお待ちしています」

藍華「いーい、遅刻なんてしたら『これから1週間恥ずかしい台詞禁止の刑』だからね」

灯里「う、うん。大丈夫、間に合うように頑張る・・・」グッ

灯里「じゃあまたねー。暁さんとアル君とウッディさんにもよろしくねー」

アリス「でっかいお任せください!」

アリス「って藍華先輩?」

藍華「・・・」フッフッフ

藍華(よしっ!今ねっ!)

藍華「それでは、『アクアマリン』のお客様方。お邪魔いたしました」

藍華「もしも彼女の水先案内が終わって充分に満足しておりませんでしたら」

藍華「次は是非ともこの姫屋の『ローゼン・クイーン』こと藍華・S・グランチェスタをご指名下さい」ペコリ

灯里「えぇぇぇ?」

アリス「藍華先輩。でっかい営業妨害です」

他全員「ポカーン」

藍華「こんなの営業妨害にならないわよ」

アリス「何でですか?」

藍華「灯里の接客で満足しない客なんていないからよ///」

アイ「あー、藍華さん、耳が赤くなってますー」

藍華「う、うるさい。この赤リボン!」

アリス「でも、一理ありますね。じゃあ私も」

アリス「次回の観光ではこの『オレンジ・プリンセス』ことアリス・キャロルもご検討下さい」ペコリ

アリス「あ、社名は『オレンジぷらねっと』です」

藍華「なんか締まらないわねー」

アリス「でっかい大きなお世話です」

アリス「それよりも早く行かないと。ムッくんが待ってます」

藍華「はいはい。じゃ、またね、灯里」

灯里「ははは・・・うん。またね、藍華ちゃん。アリスちゃん」

【藍華・アリスside】

トコトコトコ

藍華「ふぅやれやれ」

アリス「相変わらず先輩の突っ込み力にはでっかい目を見張るばかりです」

藍華「うるさいわよ。ところで後輩ちゃんどうおもう?」

アリス「何がですか?」

藍華「・・・あたし達、また出番あるのかな?」

アリス「・・・そ、それは。でっかい>>1さんの気分次第かと・・・」

藍華「・・・むむむ」

アリス「だ、大丈夫ですよ藍華先輩」

アリス「きっとあとで必ずでっかい出番がありますよ!」

藍華「そうだといいけどー」

アリス「さ、行きますよ。コンサートの前にアルさんをでっかい元気付けるんですよね」

藍華「そうだった!よし、行くわよ!後輩ちゃん!」

アリス「でっかい了解です」キュピーン

トコトコトコ

【カリーナ他side】

カリーナ「・・・な、なんだったの今の二人は?」

奈々「なんか賑やかだったねー。灯里さんのお知り合いですか?」

灯里「は、はひっ!」ワタワタワタ

虎鉄「元気があって楽しそうな友だちっすねー」

虎鉄「しかも美人揃いの三人娘か。いいねー」ニヤニヤ

カリーナ「イラッ」

灯里「藍華ちゃんは私にとって始めてのウンディーネの友達なんです」

灯里「アリスちゃんは私にとって始めてのウンディーネの後輩」

灯里「二人とも、昔からの素敵な友だちです」

アイ「灯里さん、私忘れてる。私も灯里さんの友達で後輩!」

灯里「はひっ!ご、ごめんねアイちゃん」

カリーナ(友だちか・・・最近HEROと歌の仕事で学校行けてないなぁ・・・)

奈々(夏休みで二人とも旅行いっちゃってるしなぁ・・・)

アイ「あれ?カリーナちゃんも奈々ちゃんもどうしたの?」

カリーナ「え?ううん、別に全然大した事じゃないの」アタフタ

カリーナ「だから気にしないで」

奈々「そうそう、友だちと会えないからちょっと寂しいなんて」

奈々「これっぽっちも思ってないから大丈夫。うん、大丈夫」

カリーナ「え?」ナナチャンモ?

奈々「え・・・って、カリーナちゃんも?」

アイ「友だちって・・・マンホームと、ルナワンの?」

カリーナ「そ、そうなの。でも大丈夫。帰ればまた会えるし」

奈々「そうそう、夏休み終われば会えるんだから。大丈夫」

アイ「でも・・・」ダイジョウブソウニハミエナイケド・・・

灯里(・・・どうしよう、ここは水先案内人としてどうにかしないと)ウーン

虎鉄「・・・・・・」ボリボリボリ

楓(・・・お父さんが何か言いたそうだ)

楓「・・・お父さん?」

虎鉄「あ?あぁ。なぁ、ブル・・・カリーナ、奈々ちゃん」

カリー/奈々「「なによ?/なんですか?」」

虎鉄「そんなしみったれた顔しなくたっていいだろー」

虎鉄「せっかくのネオヴェネチアなんだぜ」

虎鉄「他にやる事があんだろ、他にやる事が」

カリーナ「そ、そんなの、あんたに言われなくたってわかってるわよ」

奈々「た、確かにあたしにはバイトがありますけど・・・」

虎鉄「あー、違う違う。俺が言いたいのはそうじゃなくって・・・」

カリーナ「じゃあ何だってのよ、早くいいなさいよ虎鉄」

虎鉄(・・・呼び捨てかよおいおい)

虎鉄「遠くの友だち思い出して。(ちょっと言うのが恥ずかしいんだけどな)」ボリボリ

虎鉄「近くの友だちが見えなくなってちゃ意味ないだろ・・・」ボリボリ

カリー奈々「「近くの友だちって?」」

カリー奈々「「あ」」

楓「タイミングばっちりだね」ヘヘヘ

カリー奈々「「あぁ・・・」」オタガイヲ チラチラ

虎鉄「それに・・・」クイッ

アイ「はい!はい!あたしも友だちだよ、カリーナちゃん、奈々ちゃん」

カリー奈々「「・・・」」

カリー奈々「「あははは♪」」

アイカリー奈々「「「あはははははははははははは♪」」」

虎鉄「よし、んじゃウンディーネさん。観光案内の続き、お願いしても・・・いいっすか!?」

灯里「はいッ!」ガンバリマス!

―――――――――
――――――
―――

カ楓虎奈「「「「ありがとうございました」」」」

アイ「本日はARIAカンパニーをご利用いただきありがとうございました」

灯里「このあともネオヴェネチアをお楽しみ下さい」

虎鉄「はーい!」ニヘラ

カリーナ「楓ちゃんはこのあと何か予定があるの?」

楓「うん、お父さんとヴェネチアングラスを見に行くんだ」

楓「おばあちゃんとおじさんへのお土産にするの」

カリーナ「そっかー、いいの見つかるといいね」

楓「うん!」

虎鉄「じゃあ行くか楓。またなカリーナ!」

楓「またねー」

カリーナ「あ、うん。また」

カリーナ「・・・」

奈々「・・・」ニヤニヤ

カリーナ「奈々は?」マタワラッテル

カリーナ「何もなければ少しカフェフロリアンよってかない?」

奈々「あーごめん、今日は前から予定入れてたの」

カリーナ「えー、そうなの」

奈々「ごめんねー。そろそろ行かなくちゃいけないんだ」

奈々(待ちに待った仕事の下見だもんね)

カリーナ「んー残念。だけどしょうがないか」

奈々「じゃ、またねー、カリーナにアイちゃん」

カリ・アイ「「またねー!」」

奈々「さ、お仕事お仕事」

カリーナ「アイちゃんは灯里さんと一緒にコンサートでしょ?」

アイ「んー。この後はARIAカンパニーを閉めるだけだよ」

カリーナ「え、そうなの?じゃあ一緒に行こうよ」

アイ「うん。じゃあアリア社長と先に行ってて」

アイ「あたしも後から行くね」

カリーナ「いいけど、アリア社長ってどこいるの?」

アイ「へへー、実は今カリーナちゃんの後ろにいるの」

アリア「ぷぃにゅ?」

カリーナ「うわぁ!」

―――――――――
――――――
―――

【カフェフロリアン】

アイ「おまたせー、カリーナちゃん」

カリーナ「ううん。全然待ってないよ。大丈夫」

アイ「ってあれ?カリーナちゃんのお知り合いですか?」

ユーリ「ライルさん、こちらの方は?」

カリーナ「あ、彼女の名前はアイちゃんです」

カリーナ「ARIAカンパニーのウンディーネさん」

アイ「アイと言います。はじめまして」ドキドキ

ユーリ「始めまして。ユーリ・ペトロフと申します」

ユーリ「以後お見知りおきを」

アイ「あ、は、はい」ドキドキ

ユーリ「それではライルさん。また明日」

カリーナ「はーい」

カリーナ「ふぅ」

カリーナ「・・・アイちゃんどうしたの?」

アイ「あ、ああ。ごめんね」イスニスワッテ・・・ト

アイ「なんかわかんないけど緊張しちゃって」テヘ

カリーナ「わかるー!」

カリーナ「あたし、知り合ってから結構経つのにいまだになれないの」

アイ「そうなんだー」

アイ(あれ?でもさっきすっごいフランクに返事してたような?)

カリーナ「あの猛禽類みたいな目で見られると緊張するよね」

カリーナ「あんな目じゃ世界中の女が逃げるわよ」

アイ「は・・・ははは・・・」

アイ「でも本当にごめんね」

アイ「来る途中に鏑木さん達に会ってちょっと話し込んじゃって」

カリーナ(!)

カリーナ「そ、そうなの。ふーん」

アイ「うん、そしたらその途中でね、楓ちゃんが怪我した子猫ちゃんを見つけて」

アイ「その手当てをして、お母さん猫を探してたら、すっかり・・・」

アイ「ごめんねー」

カリーナ「う、うん」

カリーナ「そ、それで、結局お母さん猫は見つかったの?」

アイ「うん!楓ちゃんも安心してたみたい」

カリーナ「ふ、ふーん」

カリーナ(タイガーと楓ちゃんと一緒に猫探し・・・)

カリーナ(いいな・・・)

アイ「ところで、昨日一緒にいた男の人は?」

カリーナ「知らない。今朝用事があるってどっか行っちゃった」

カリーナ「まったく、うちの男どもときたら」

カリーナ「あたしを一人で置いてきぼりよ」

アイ「そうだよねー」

アイ「虎鉄さんは楓ちゃんが独り占めだもんねー」

アイ「カリーナちゃん寂しいよねー」ア、カフェラテヒトツ キュピーン

カリーナ「ねぇ、アイちゃん・・・」

カリーナ「どうしてそこで虎鉄の名前が出てくるのよ?」

アイ「どうしてって・・・?」コテン

アイ「カリーナちゃんって虎鉄さんが好きなんでしょ?」

カリーナ「・・・ば!」

アイ「えー、違うの?」

アイ「だって虎鉄さんの事ずっと見てたじゃない」

カリーナ「そ、それは・・・」

カリーナ「・・・ばかッ!そんなんじゃなくって!」

アイ「なくって?」キョトン?

カリーナ「た、ただ、あいつと楓ちゃんのやり取りが微笑ましくて」

カリーナ「あたしもあんな子どもが将来欲しいなって・・・」

アイ「虎鉄みたいな旦那さんも?」キラン

カリーナ「そ・・・それは・・・」

カリーナ「・・・///」

アイ「大丈夫、話す時間はいっぱいあるよ」ア、アリガトウゴザイマス

支配人「うむ。お望みでしたら軽食の準備もさせますぞ」コイバナハイイモノデスゾ

カリーナ「し、支配人さん?」

アイ「夕飯まだたったね」エヘッ

アリア「ぷいにゅ~!」

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―――

【ノーム達の重力制御施設内コンサートルーム】

奈々(そろそろ始まるし、来ててもおかしくないはずなんだけど・・・)

奈々(あ、いたいた)

アマトリシア「灯里さん、ありがとうございました」

アマトリシア「わざわざゴンドラで送っていただいて」

灯里「いえ、たまたま出会えてよかったです」

奈々(よし、ターゲット確認)

奈々(今日は深夜まで付きっ切りよ)

奈々(その為にももうちょっと近くに・・・)

奈々(ってあれ?)

キース「やぁ、アマトリシアさん!」

キース「奇遇ですね。そして奇遇ですね」

アマトリシア「あら、あなたは昨日の・・・」

アマトリシア「そちらのウンディーネさんは?」

?「・・・始めまして。姫屋のアイシスといいます」

灯里「姫屋?じゃあ藍華ちゃんの?」

アイシス「藍華・グランチェスタでしたら弊支店の支店長に・・・なります」

奈々(へぇー、可愛い子じゃない)

奈々(どこで出会ったのか知らないけど・・・)

奈々(今日来なかったのはこう言う理由だったのね・・・)ニヤニヤ

奈々(おっと・・・仕事仕事)

※アイシスもオリキャラです。性格はオリジナルですが、見た目はまんまシスです。

奈々(でもこんだけ固まると近寄り辛いわね・・・)

奈々(って、あれ?)

奈々(みんな別れて・・・)

奈々(別々に座るのかな?)

奈々(それならば・・・)

奈々?「すみません、お隣よろしいですか?」

アマトリシア「あら?はいどうぞ。よろしくお願いします」

―――――――――
――――――
―――

【奈々の宿泊先】

奈々「ただいまー!」

スガちゃん「おかえりなさーい」

スガちゃん「手を洗って、うがいをしてくださいねー」

奈々「はいはい。わかってるわよ」

奈々母「あら、帰ったの?」

奈々「ただいま。歩きとおしで疲れちゃった」

奈々母「お疲れ様」

奈々母「・・・で、首尾はどうなのかしら?」

奈々「・・・ばっちり」グッ

スガちゃん「じゃあやっぱりあの首飾りの中に?」

奈々「うん。コンサート会場では開けなかったけど」

奈々「家に帰って開いてるのを聞いたわ」

奈々母「盗聴器の感度は上々ね」

スガちゃん「鍵か何かを使うタイプなんですか?」

奈々「ううん。開けるのに少し時間がかかってたみたいだから」

奈々「たぶんからくり式ね」

奈々「パパっと盗んで、持って帰ってくれば十数分でなんとかなるでしょ」

スガちゃん「じゃあ次回のコンサートまで待たずに今夜盗んじゃえばいいじゃないですか」

奈々「そうもいかないのよ」

奈々「痩せても枯れても齢を経てもウロボロスの元幹部」

奈々「あの家の警備はそれなりに厳重なのよねー」

奈々「それにここはAQUA。あたし達にはアウェーでしょ?」

奈々「何かあっても嫌だし」

奈々「念には念、ってね」

スガちゃん「はー」

奈々「ってか、あの首飾り職人にはコンタクト取れたの?」

奈々「図面があれば完璧なんだけど」

スガちゃん「あー、なんかいいところまでいってるみたいですよ」

スガちゃん「もしかしたら間に合うかも知れませんねー」

奈々「ふーん。ま、間に合わない方向で準備しよっか」

スガちゃん「はいはい」

奈々「ま、それはそれとして」

スガちゃん「あれですね」ニヤリ

スガちゃん「はいッ!」

スガちゃん「できてますよー!マフィン」ドンッ

奈々「わーい、スガちゃん大好き!」

スガちゃん「はいはい」

奈々母「じゃあ決行は・・・」

奈々「うん、三日後の夕方」

奈々「『セイレーン』のオペラで盗るわ!」ニィッ


【?】

楓「アイさん・・・」

アイ「ん?どうしたの?」

楓「私達はどこにいるのでしょう?」

アイ「さぁ?」

アイ「アリア社長にお任せしてるから」

楓「そうですか・・・」

楓「でも、どうして私とアイちゃんだけ?」

アイ「どうしてかな?アリア社長が他の人には秘密にしてって」

アイ「灯里さんは何か気付いてたみたいだけど」

アリア「ぷいにゅ!」

アイ「あ、着いたみたい」

楓「ここって・・・駅?」

アイ「本当だ。こんな所に駅があったなんて知らなかった」

楓「今は終電の後みたいですね」

アリア「ぷいにゅ~」チッチッチ

楓「え?違うの?でも電車もないし」

アリア「ぷいにゅ!」ヨゾラヲユビサシー

ポオーッ!

楓「えー!何これ?汽車が・・・空を走ってくる?」

アイ「銀河鉄道だ・・・灯里さんに聞いた事がある・・・」

アイ「だったら、あの中には・・・」

アリア「ぷいにゅ!」ビシッ

ポオーッ!

カシューッ!

パタン

アイ「ケット・シーさん!」

シー「・・・」ニコ

アイ「久しぶりです!」

アイ「何年ぶりですか?ずっと会いたかったのに!」ダキツキ!

シー「・・・」ヨシヨシ

楓「・・・大きな、黒猫さん?」

シー「・・・」パタパタ

シー「・・・」スッ

アイ「これは?」

アイ「汽車の切符?二枚ある?」

アイ「一枚は私に?」

シー「・・・」ニコッ

アイ「でも二枚あるって事は・・・」

シー「・・・」ジッ

楓「・・・私の分?」

シー「・・・」ニコッ

アイ「今夜の汽車の?」

シー「・・・」フルフル

アイ「じゃあ、明日の?」

シー「・・・」フルフル

楓「じゃあ・・・?」

アリア「ぷいにゅぅ」バッ

シー「・・・」スッ

アイ「あ・・・、いっちゃうんですか?」

シー「・・・」ニコニコ

?「ミャォ」

楓「あれ?」

楓「今日助けた迷子の子猫さん?」

子猫「ミャォ」

楓「・・・じゃあ、これはお礼?」

子猫「ミャォ」

母猫「ミヤァオ」

楓「あ、お母さん猫も・・・」

シー「・・・」ニコニコ

アリア「ぷぃにゅ」

アイ「じゃあこれって?この親子からの?」

シー「・・・」コクリ

子猫「ミャォ」

母猫「ミヤァオ」

楓「そうなんだ・・・ありがとう!」

ポオーッ!

シー「・・・」クルッ

トコトコ

アイ「あ・・・」

アイ「ケット・シーさん!」

カシャン

アイ「またね!」

楓「あ、ありがとうござ―――」

シー「・・・」ニコッ

ポッポオーッ!

カシュコンカシュコンカシュコンカシュコン

楓「・・・行っちゃいましたね」

アイ「・・・うん」

―――――――――
――――――
―――

【MC】

ブルーローズ「こんにちは!BTBの『オフ日のシャワーは一日5回、オフ日でなくても一日5回』、ブルーローズです」

ブルーローズ「カフェで毎日話すうちにアイちゃん奈々ちゃんとすっかり仲良くなった私」

ブルーローズ「タイガーと楓ちゃんはゆっくりと観光を満喫」

ブルーローズ「でも、私達がオペラを見た日の夜ネオヴェネチアが一変してしまったの」

ブルーローズ「あれ?アマトリシアさんと楓ちゃんはどこへ?」

ブルーローズ「スカイハイ!二人を探すの手伝って!」

ブルーローグ「それでは休憩のあとは後編―Women are born chatterboxes(女三人寄れば姦しい)―よろしくね!」

ブルーローズ「って、このタイトル考えたやつ・・・いい度胸じゃない・・・」







バーナビー「・・・クシュン!」・・・カゼカナ?

前編が終わったので一区切り。今日は終了します。後編は不定期で週に数回の更新予定。

【三日目―カフェフロリアン】

奈々「ちょっと、ちょっと聞いてよカリーナ」

カリーナ「なになにどうしたの?そんなに前のめって」

アイ「なにかあったの?奈々ちゃん?」

奈々「なんと、キースって言ってたけ?あんたの友だち」

カリーナ「キースがどうしたの?」

奈々「デートしてたのよ、デート。可愛いウンディーネちゃんと」

カリーナ・アイ「「ウンディーネとデート?」」

奈々「びっくりだよね」

カリーナ「・・・なぁーんだ、そんな事」ユビアソビ

アイ「・・・へぇー、ウンディーネですか」カランカラン

奈々「あ、あれ?」

奈々「・・・ちょっと、どうして二人とも驚かないの?」

奈々「もしもーし?」

カリーナ「あの天然、今日も人を放っておいて何してるかと思えば」ブツブツ

アイ「キースさんにも彼女が・・・ウンディーネってつまり遠距離恋愛・・・」キップピラピラ

奈々(あ、これ驚きが一週廻って自分の世界に篭っちゃったケースだ)

カリーナ「いいなーデート。あたしも虎鉄とデートしたいなー」

奈々「あれ?」

カリーナ「なによ奈々」

奈々「えっと・・・思い人の名前を隠すのはやめたのかなと」

カリーナ「昨日アイちゃんには話したし」ミルクトポトポ

カリーナ「あんたにもばれてるだろうってアイちゃんから言われちゃったら」クルクル

カリーナ「あんた達の前で隠す気なんかうせちゃったわよ」ゴクリ

奈々(弄るネタが一つ減った!)ガーン

カリーナ「あー、いいなー。デートしたいなー」

アイ「へへー」ニコニコ

奈々「どうしたのアイちゃん?やけにニコニコだけど」

アイ「実はー、商店街の福引でオペラのチケットが当たっちゃって」

カリー奈々「「オペラ?」」

アイ「うん。でね、その主役があの『セイレーン』ことアテネさんなの」

アイ「すっごいチケット取るの難しいんだけど、ペアチケット」

アイ「だからカリーナちゃんと、奈々ちゃんどうかな?って」エヘヘ

カリーナ/奈々「「マジで?/本当に?」」

カリーナ「でもそれってアイちゃんが当てたんでしょ?」

奈々「アイちゃん行かなくていいの?」

アイ「えへへ、あたしその日はもう予定が入ってて・・・」

奈々「ほぅ・・・」

カリーナ「これは詳しく聞くべきかしら・・・」

アイ「え?え?やだなー、彼氏とかじゃないよ」

アイ「マンホームからお姉ちゃんが来るから」

アイ「夕方まで貸切なの」エヘッ

奈々「本当に?」

奈々「でもプリマがついてないとお客さん乗せられないんでしょ?」

アイ「お客さんはね」ニコッ

アイ「お姉ちゃんは家族だから」エヘッ

カリーナ「なるほどね」

カリーナ「じゃああたしは遠慮なく」

カリーナ「奈々も来るでしょ?」

奈々「ごめんねー、その日予定があるの」

奈々(・・・でも仕事で行くんだけどね、どっちにしろ)

カリーナ「そうなのー・・・」

奈々「カリーナなら虎鉄さん誘ったらいいじゃない?」

カリーナ「えぇっ!?」

奈々「どしたの?」ニヤニヤ

カリーナ「いや、その、流石に、そ、それは・・・///」

アイ「はい、奈々ちゃん。チケット」ポン

カリーナ「あ、ありがとう!」

カリーナ(!)

カリーナ(受け取っちゃった・・・)

カリーナ(ど、どうしよう・・・今更いらないなって言えないし・・・///)

アイ・奈々(ニヤニヤ)

アイ/奈々(カリーナちゃん可愛いな~/青春だねー)

―――――――――
――――――
―――

【数時間前】

ユーリ「と、言うわけで。明日マンホームからの定期便が到着します」

ユーリ「その中にウロボロスが狙う郵便物があるようで」

ユーリ「それを狙って明日の夜に彼らが動く可能性が高い」

ユーリ「グッドマンさんには市内の巡回を空から」

ユーリ「ライルさんは私と共に中央郵便局の警備をお願いします」

キース「・・・わかりました。・・・そしてお任せ下さい」ハァ・・・

カリーナ「わかりました・・・」

カリーナ(はぁ・・・チケット使えなくなっちゃったな)

カリーナ(タイガーに渡したら楓ちゃんといってくれるかな?)

虎鉄「すんませーん。遅れましたー」

ユーリ「お待ちしてましたよ」

キース「また遅刻かい?」

ユーリ「・・・時間には遅れないで頂きたい」

ユーリ「・・・と、言っても鏑木さんは休暇中ですし」

ユーリ「私達三人で手数は足りるようにしましたので」

ユーリ「お話だけになりますが・・・」

虎鉄「え?そうなんすか?」

虎鉄「いやいや、またまたー」

虎鉄「ないわけないでしょー?ウロボロスなんでしょぉー?相手?」

カリーナ(・・・何よタイガー、人の気も知らないで・・・)イラッ

ユーリ「まぁウロボロスと言っても、恐らく末端です」

ユーリ「NEXT能力者もいないと思われます」

ユーリ「わざわざ休暇中の方を呼び出すのは我々の側としても気がひけますしね・・・」

虎鉄「そんなー!なんかありますよね?なんか?」

カリーナ「ないって言ってんでしょ。しつこいわね!」

虎鉄「・・・?カリーナ、お前なんか機嫌悪いんじゃねぇか?」

カリーナ「何言ってんの!?バカじゃない!?」

カリーナ「ほらっ!暇なあんたは楓ちゃんとコレにでも行ってなさい」バシーンッ

虎鉄「ん?なんだこれ?」キャッチ

カリーナ「オペラのペアチケット」

カリーナ「いま大人気の『セイレーン』って人のらしいわよ」

カリーナ「楓ちゃんの情操教育にいいんじゃないの?」

カリーナ(本当はあんたと二人で行きたかったんだけど・・・)

虎鉄「ふーん・・・」ボリボリ

虎鉄「なぁ、ペトロフさん」

ユーリ「なんでしょう?」

虎鉄「カリーナの仕事、俺がやっちゃいけないですかね?」

ユーリ「?」

カリーナ「はぁ?アンタ馬鹿なの?」

カリーナ「楓ちゃんと仕事どっちが大事かなんてわかるでしょ?」

虎鉄「カリーナ、わりぃちょっと黙っててくんねぇか?」

カリーナ(!)イラッ

虎鉄「ペトロフさん?どうだい?」

虎鉄「それとも1minしか能力が使えないおっさんには重荷っすかね?」

ユーリ「そんな事はありませんが・・・よろしいのですか?」

虎鉄「ああ、問題ない」

ユーリ「カリーナさんもそれでよろしければ、私の方は構いません」

虎鉄「よし、カリーナ」

カリーナ「何よ?」

カリーナ(絶対オーケーなんて出さないんだから!)

虎鉄「お前、明日は楓と一緒にオペラに行ってくれないか?」ハイッ チケット

カリーナ「え?」ハイ?チケット?

カリーナ「ちょ、ちょっと待ってよ!」

カリーナ「何であたしが?」

カリーナ(タイガーじゃなくて楓ちゃんと?)

虎鉄「そりゃぁ、お前のチケットだからな、お前が使わなくてどうするんだよ?」

虎鉄「それともお前、楓が嫌いか?」

カリーナ「そ、そんな事はないけど・・・」

カリーナ「だからって―――」

虎鉄「―――じゃぁ、いいだろ」

虎鉄「お前にだってきっと役に立つぞー」

カリーナ「え?なんで?」

カリーナ(そ、それはつまり、あたしがタイガーと結婚する為の花嫁修業?///)

虎鉄「だってお前、歌手になりたいんだろ?」

カリーナ「!」

虎鉄「オペラってすげぇ声出すやつだろ?参考になるんじゃねぇか?」

カリーナ「ばっ!///」

虎鉄「ば?」

カリーナ「ばっかじゃないの?あんたなんにも音楽のことわかってないわね!///」

カリーナ「あたしのはオペラとは全然方向性が違うの!///」

虎鉄「ええ?そうなのか?じゃぁ―――」

カリーナ「―――でも・・・・・・何かの役にはたつかも知れないから・・・」

カリーナ「楓ちゃんと・・・行ってあげるわよ」

虎鉄「そうか!じゃぁ、楓の事頼んだぞ、カリーナ」

カリーナ「・・・当然よ///」

カリーナ(・・・娘を頼むって、これ、妻のポジションゲットでいいのよね?///)


キース(・・・)

キース(ふむ、私は完全に忘れられているね。構わないけれど)

キース(ああ・・・アイシス、君はどうして?)


虎鉄「っつーわけで、ペトロフさん。俺が代わりに働きますんで」

虎鉄「説明お願いしまっす!」

キース(独りごちすらさえぎられた!?)

―――――――――
――――――
―――

カリーナ「・・・と、いう事なの」ニヘラ

奈々・アイ「「・・・」」

奈々「これは・・・微妙な線ね・・・」

奈々(カリーナの夢を自分の望みをかなえる為に利用したとも取れる・・・)

アイ「ま、まぁいいんじゃない?」

アイ「虎鉄さん、カリーナちゃんの事も気にかけてるみたいだし」

カリーナ「そうよね!?やっぱりそうよね!?///」

奈々「・・・はいはい、じゃあもうそれでいいわよ」

奈々「末永くお幸せに・・・」ハァ・・・

カリーナ「///」

奈々「それはもう(カリーナちゃんが幸せなら)どうでもいいとして」ハァ・・・

奈々(まぁ、悪いほうには進まなそうだし?)

奈々「ところでさ、アイちゃんにはないの?」

アイ「え?ないの?って何のこと?」

奈々「ほら、あの『アクアマリン』とか『ローゼンクイーン』とか」

アイ「ああ、あれ?二つ名の事?」

アイ「あれはプリマにならないと貰えないの」

アイ「私はまだシングルだから・・・」シュン・・・

奈々「あ、えっと・・・」

奈々「ごめんね」

アイ「・・・」ブンブンブン

アイ「ううん、大丈夫、気にしないで!」

アイ「でもさ、二つ名と言えば、カリーナちゃんも何かあるんでしょ?」

カリーナ「え?な、なんのこと?」ギクゥ!

アイ「ほら、虎鉄さんが呼んでたじゃない、ブルーローズって」

アイ「あれってあだ名なの?」

奈々「あ、それあたしも知りたい」

奈々「凄い中二病っぽいし、誰がつけたのあれ?」

カリーナ「中二病って・・・」

カリーナ「べ、別に大したもんじゃないわよ。単なるあだ名よあだ名」

カリーナ「気にしないで!」

奈々「そうなの?」

奈々「でも、あたしどっかで聞いた事あるのよね、この名前」

奈々「テレビだったかな?」

アイ「え?奈々ちゃん何か知ってるの?有名なのその名前?」

カリーナ「ギクッ!」

アイ「あ、やっぱり何かあるんだ」

奈々「言っちゃうの?言っちゃいなさい」コノコノ!

カリーナ「あはは・・・」

カリーナ「・・・・・・やっぱり無理!」

アイ・奈々「「ええーっ!?」」

カリーナ「だって、恥ずかしすぎる・・・」ボソッ

奈々「・・・ほうほう」

奈々「それはそれは・・・」

奈々「これは聞くしかないわね」

カリーナ「い、嫌よ!何であたしだけ恥ずかしい目にあわなきゃ!」

カリーナ「そうよ!」

カリーナ「奈々!あんたはないの?!中二病なあだ名」

奈々「え"っ?」

カリーナ「それを教えてくれるのが交換条件よ!」

アイ「あー、なんか面白いことになってきたー」

奈々「・・・・・・・・・」

カリーナ「どう?奈々!この交換条件、受ける?」

奈々「・・・・・・・・・ふっふっふっふっふ」

奈々「そんなの交換条件にならないわよ!」

奈々「『ブルーローズ』で検索すればすぐわかっちゃうわよ」ネットバンザイ!

アイ「あ、それもそうだね」

カリーナ「くっ・・・・・・・・・」

カリーナ「あ、あんたのだって、調べればわかっちゃうんじゃないの?」

奈々「どうやって?カリーナは私の二つ名なんて知らないでしょ?」

奈々「あたしの本名から二つ名を探そうなんて」

奈々「ましてや由来を知ろうなんて」

奈々「この太陽系第三惑星マンホームと第四惑星アクアの間にごまんと散らばる」

奈々「宇宙デブリの中からまだ使えるものを探そうってなもんよ!!」

カリーナ「・・・・・・っ」

アイ「あー、これはー」

アイ「奈々ちゃんの勝ちかな」エヘッ

奈々「まぁ、あたしも鬼じゃないから待ってあげる」

カリーナ「?」

奈々「そうね・・・カリーナはいつまで滞在するの?」

カリーナ「今日で・・・四日目だから」

カリーナ「明々後日かな?」

奈々「時間は?」

カリーナ「夜の便ね」

奈々「じゃあ、明後日のお昼かな」

奈々「明後日の夜にあたしが帰るから」

アイ「あ、そうなんだ」

奈々「だから、明後日のお昼に詳しく聞かせてもらいましょうか」フフン

奈々「これからいなくなる人間になら、話したってそんなに恥ずかしくないでしょ」

カリーナ「え"・・・」

カリーナ「そーいう問題じゃないでしょ!」

カリーナ「恥ずかしいもんは恥ずかしいじゃない!」

奈々「アイはどう思う?」

アイ「んー。ちょっと理不尽だとは思うけど」

アイ「でも、ネットで調べれば多分わかっちゃうし」

アイ「あたしはカリーナちゃんの口から直接聞きたいなー」

奈々「決まりね」フフン

アイ「あと、奈々ちゃんのもね」

奈々「え!?」

奈々「なんであたしのも?」

アイ「じゃないと不公平だよー」

アイ「それじゃなきゃカリーナちゃんに言わせるのはなし」

奈々「ぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐ」

アイ「その代わりに・・・」

カリーナ・奈々「「??」」

アイ「あたしの二つ名考えちゃっていいから」

アイ「ねッ?」

奈々「・・・ほほう」

奈々「それはそれで・・・面白そうね・・・」

アイ「じゃ、決まりだね」

カリーナ「え?え?」

アイ「二人とも、あたしのいい二つ名考えといてね」

アイ「その中から灯里さんに選んでもらうから!」

カリーナ「ちょ、ちょっと待ってよ!そんなに簡単に決めちゃっていいの?」

アイ「え?うん」

アイ「結局最後に決めるのは灯里さんだし」

アイ「大丈夫だと思うよ」

奈々「よし、じゃあ楽しいの考えてあげる」

アイ「格好いいのにしてね♪」

カリーナ「・・・明後日なんて来なければいいのに」ユウウツ・・・

支配人(今日はなにやら入り辛い雰囲気ですなぁ)ザンネン・・・

※余裕があったら最後の方でアイの二つ名安価と灯里の判定コンマ安価します。

【五日目―オペラ座前】

奈々(代わりの宝石も準備したし)

奈々(ターゲットの動きがよく見える出口付近の席も確保)

奈々(この前のコンサートと同じ姿だし)

奈々(これなら声をかけても警戒されない・・・)

奈々(あとは、カリーナちゃんと楓ちゃんに見つからないように気をつければOK!)

奈々「さ、お仕事お仕事」


カリーナ「え、そうなんですかッ!?」

カリーナ「あたし、てっきりお付合いされてるのかと!」

カリーナ「すみません・・・」

アマトリシア「あらあら、いいのよ。よく言われる事ですし」

楓「でも、本当に仲いいですよね」

楓「知り合ってからは長いんですか?」

アマトリシア「そうねぇ・・・もう9年くらいになるかしら」

カリーナ・楓「「そんなにー!?」」

奈々(いるしーーーーーーーーーー!!!!)

奈々(・・・まぁいいわ。二人に近づかなければいいだけだものね)

奈々(とりあえず、最初のうちはオペラを楽しみましょう)

奈々(あ、始まった・・・)

奈々(・・・)

奈々(・・・・・・)

奈々(・・・・・・・・・)

ワーワーワー
パチパチパチパチ

奈々「・・・凄い歌声」パチパチパチパチ

奈々(・・・あっと言う間に休憩時間になってしまった!)

カリーナ「凄かったね、楓ちゃん」

楓「ねー。お父さんも来ればよかったのに」

アマトリシア「そうねぇ。今度はお父さんと三人で来たら?」

カリーナ「えッ?!」

アマトリシア「冗談よ、冗談」フフフ

奈々(・・・付け入る隙がない)

奈々(トイレも一緒だし・・・)

奈々(こうなったら・・・)

奈々(遅効性の利尿剤を飲み物に紛れ込ませて・・・)

奈々(公演終了後ね)

奈々(―――)

奈々(――――――)

奈々(―――――――――)

奈々(・・・あっという間に終わってしまった)

奈々(これがセイレーンの歌声・・・)

奈々(正に至宝・・・)

奈々(って!余韻に浸ってる場合じゃないわ!」

奈々「お仕事お仕事」

奈々(・・・・・・・・・よしよし)

奈々(・・・ターゲットをトイレで眠らせて)

奈々(・・・首飾りを偽物と摩り替えた)

奈々(・・・アマトリシアさんへの変身も完璧)

奈々(・・・あとは何食わぬ顔でオペラをあとにすればいい、と)

奈々(楽勝、楽勝)

カリーナ「あ、出てきた」

楓「アマトリシアさーん!」

ナナトリシア「あ、あら?」

ナナトリシア「カフェ・フロリアンでお茶会?」

楓「お父さんがカフェ・フロリアンの近くで待ち合わせって言ってたの」

カリーナ「だから、それまで三人でお話しましょうって」

カリーナ「中休みにお話しませんでしたっけ?」

ナナトリシア「ああ、そうだったわね」アセアセ

ナナトリシア「・・・でもねぇ、ちょっと遅くないかしら?」

ナナトリシア「二人とも楓ちゃんのホテルに行って」

ナナトリシア「そこで待つのはどうかしら?」

ナナトリシア「楓ちゃんのお父さんには携帯で連絡したらいいんじゃない?」

ナナトリシア(下手にカフェ・フロリアンで時間潰してたら)

ナナトリシア(目が覚めたアマトリシアさんと鉢合わせだってありうるもの)

ナナトリシア(くわばらくわばら)

楓「でも、お父さん仕事中だし・・・」

カリーナ「ちょっと面倒な仕事らしいんで、かけないほうが良さそうですし・・」

ナナトリシア(ぐぬぬぬぬぬぬ)

楓「・・・・・・・・・」ジーッ

ナナトリシア「・・・・・・・・・ハァ」

ナナトリシア「そうしましょうか」

【カフェ・フロリアン】

ナナトリシア「ところで、こんな遅くまで仕事なんて」

ナナトリシア「楓ちゃんのお父さんはどんなご職業なのかしら?」

ナナトリシア(カリーナちゃんから聞いただけじゃよく分からなかったし、ついでに聞いておこう)

楓「えーと・・・・・・」

ナナトリシア「あら、どうしたのかしら?」

楓「ちょっと、人にはいいづらいお仕事なんです・・・」

ナナトリシア「そうなの?」

ナナトリシア「何かわけありの仕事なの?」

楓「えーと・・・そう・・・なのかも?」

ナナトリシア「???」

カリーナ「あはは・・・」

ナナトリシア「よくわからないけど、深くは聞かないほうがいいのかしら」

カリーナ「そ、そうしてくれると・・・アリガタイデスー」ナンテ

ナナトリシア「じゃあ、そうね。別の話をしましょうか?」

ナナトリシア「あたしもたまにはルナワンに帰ることがあるの」

ナナトリシア「おすすめの観光スポットとかあったら教えて欲しいわ」

―――――――――
――――――
―――

カリーナ「あ、あたしちょっと化粧室に行ってきます」

楓「あ、いってらっしゃい」

楓「あれ?」

ナナトリシア「どうしたの楓ちゃん?」

楓「いえ、いま何かが岸辺で動いてたみたいで・・・」

ナナトリシア「そうなの?何かしら?」

楓「ちょっと見てきます」トトト

ナナトリシア「危ないわよ!」

ナナトリシア「・・・って、早いわねー」

ナナトリシア「・・・ん?でも本当に・・・何か動いてる」

ナナトリシア「ゴンドラかしら?人が乗ってないのに」

ナナトリシア「岸辺のゴンドラの見えなかった部分が見えてきてる・・・」

ナナトリシア「ゴンドラが・・・浮いてる・・・?」

ナナトリシア「いえ、これは潮が満ちてきたのね」スタッ

ナナトリシア「でも、この速度。早すぎない?」

ナナトリシア「楓ちゃん!潮が満ちてきてるわ!気をつけて」トコトコトコ

楓「潮が満ちてきてたんですね」

楓「それで動いてるように見えたんだ」

ナナトリシア「でも、早すぎるわ」カタトントン

ナナトリシア「もう私達の立ってる高さまできちゃいそう」

ナナトリシア「カフェ・フロリアンの店内二階にでも行きましょう?」

楓「そうですね。誰もいないみたいだし」クルッ パシャン

楓「そう言えば、アマトリシアさん」トコトコ

楓「アクアにはアクア・アルタって言う、家の一階まで潮が満ちる日があるんですよね」トコトコ

楓「実はそれが明日で、今はアクアがその準備をしてるとか」トコトコ

楓「だったら素敵ですねー、明日の朝が楽しみだなー」トコトコ

楓「アマトリシアさんはアクア・アルタの日はどうやって過ごしてるんですか?」チャプチャプ

楓「・・・・・・・・・」

楓「・・・」ピタッ

楓「アマトリシアさん?」クルッ

―――――――――
――――――
―――

Prrrrrrrr

虎鉄「ん?」

ユーリ「どうしましたか、鏑木さん?」グイッ・・・

ユーリ「携帯に着信ですか・・・・・・」ドサッ・・・

虎鉄「あ、いやぁーすんません。切っておくのすっかり忘れちゃってました」

ユーリ「その事は構いませんが、電話に出るのはあとにして下さい」グイッ・・・

ユーリ「まずはこの荷物を動かすのを手伝って下さい」ドサッ・・・

ユーリ「これ以上水位が増すと、郵便物が全て水に浸されてしまいます」グイッ・・・

ユーリ「局員さんを帰してしまった手前、私達でやらねばなりませんので」ドサッ・・・

虎鉄「あ、あぁ、すんません」

虎鉄「まぁ、あとで折り返し連絡すればいいっすよね。すんません」グイッ・・・

カリーナ「・・・電話に出ない」

カリーナ「タイガーやっぱり仕事中なのかな…」

カリーナ「どうしよう、二人が拐われたのに…」

カリーナ「どうして親のあんたがよりによって電話出ないのよ…」

カリーナ「!」

カリーナ「楓ちゃんの携帯のGPS!番号交換してるし!」

カリーナ「ってここルナワンじゃないから使えないよ!」

カリーナ「ああ…どうしよう」

カリーナ「拐われた方角はわかるけど、土地勘のない私じゃ…」

カリーナ「どうせ大海原に出て迷子だし…」

カリーナ「…キースなら空飛べるしなんとかなるかな?」

Prrrrrrrr

キース『もしもしキースです、そしてこちらスカイハイ。どうぞ!』

カリーナ「ちょっとキース、いま何やってるの?」

キース『ブルーローズか、私はいまアイシスと一緒に被害者の救助にあたっている』

キース『君の方は人手が間に合っているのか?』

カリーナ「あたしの方は、周りに逃げ遅れた人はいないけど」

カリーナ「それどころじゃないのよ、アマトリシアさんと楓ちゃんが拐われたの!」

キース『なんだって!?』

カリーナ「拐った犯人は海の方にでてったから、私じゃ追跡が難しいの」

カリーナ「あんただったらなんとかなんない?」


キース『海上に逃げたか…』

キース『それは、もちろん手伝いたいのだが』

キース『こちらには100人以上の人が助けを待っていて』

キース『アイシス達だけでは手に負えないんだ!』

カリーナ「そんな!」

キース『タイガー君にはもう連絡したのかい?』

カリーナ「電話に出ないのよ」

キース『そうか…むむむ…どうすべきか…』

?『もしもし』

カリーナ「え、だ、誰?」

アイシス『キースさんのお友達のアイシスです。話は聞かせていただきました。はじめまして』

カリーナ(ん?お友達?ああ、彼女?)

カリーナ「は、はい。はじめまして」

アイシス『海に詳しい者が必要なのですよね?』

アイシス『でしたら、ウンディーネはどうでしょうか?』

アイシス『私たち水先案内人はその手の事は叩き込まれますから』

アイシス『お力になれるかと』

カリーナ「!」

カリーナ「そ、そうね!」

アイシス『現在姫屋のウンディーネが総出で被災者の救助にあたっています』

アイシス『その中から2~3名そちらに割り振ってもらえるように』

アイシス『当支店長の藍華・S・グランチェスタに頼むことは…』

カリーナ「できるの?!」

アイシス『できなくもない…かも………しれません』

カリーナ『・・・そこは保証しないのね』

アイシス「と、とにかく頼んでみます!」

カリーナ『はい、お願いします』

キース「ちょっといいかな、ブルーローズ」

カリーナ『キース、まだ何か?』

キース「今ちょっと思ったのだが」

キース「アイ君に連絡をとってみるのはどうだろうか?」

カリーナ『そ、そうね!電話かけてみる!』

カリーナ『ありがとうキース。そっちも頑張ってね!』

キース「ああ。すまない。こちらが終わったらすぐに合流する」

カリーナ『うん、じゃあお願いね!』ガチャッ

ツーツーツー

キース「さて、この扉の先が重力制御室なわけか」

アル「はい。突然押し入られたと思ったら締め出されて・・・」

藍華(アル君に怪我がなくてよかった)

キース「わかった。中に犯人がいるわけか」

キース「扉を破壊して押し入るぞ!アイシスはそこの栗毛の子と一緒に放れていてくれ」

アイシス「はい!さ、行きましょう」

巻き子「うぅ~、あたしはただコンサートを聴きに来ただけなのに・・・」

【ARIAカンパニーside】

アイ「はい、大丈夫ですか?」

モブ「あ、ありがとう助かりました・・・」

灯里「それにしてもおかしいわね、この時期にアクア=アルタなんて」

アイ「お姉ちゃん達はなんとかホテルに帰りましたけど」

アイ「逃げ遅れてる人も結構いますね」

Prrrrrrrrrr

アイ「あ、電話。カリーナちゃんだ。灯里さんちょっと失礼します」

灯里「うん」

カチャッ

アイ「はい、もしもし?」

カリーナ『あ、アイちゃん?いまどこ?お願いがあるんだけど』

アイ「いま?スキアヴォーニ河岸の近くで逃げ送れた人を助けてるの」

カリーナ『スキアヴォーニ?』

アイ「カフェ・フロリアンとARIAカンパニーの丁度間ぐらいのところ」

カリーナ『え、近いの?じゃあ早くカフェ・フロリアンに来て!』

カリーナ『二人がさらわれちゃったの!』

アイ「二人?二人って???」

カリーナ『楓ちゃんとアマトリシアさん!』

アイ「え?楓ちゃんにアマトリシアさん?」

カリーナ『海沿いに私もそっちに向かう!途中で落ち合いましょう!』

アイ「う、うん」カチャッ

アイ「灯里さん!」

灯里「うん。アイちゃん。ここは任せて!」

アイ「すみません!お願いします!」ザッ!

カリーナ「アイちゃん!」

アイ「カリーナちゃん!二人が攫われたって!?」

カリーナ「追跡しながら話すわ!こっちよ」トンッ

アイ「うん!」ザッ!

カリーナ「こっち!ARIAカンパニーの方に凄い勢いで海の上を走ってった」

アイ「こっちだと・・・ネオ・アドリア海に通じてるね」

アイ「あのへんは無人島も多いから・・・その中のどっかだったら見つかりにくいかも」

カリーナ「・・・どうしよう。もし見つからなかったら・・・・・・」

アイ「GPSは?」

カリーナ「マンホームのだから・・・」

アイ「どうしよう・・・ネオアドリア海は広いから・・・」

カリーナ「・・・」

カリーナ「あれ?」

カリーナ「アイちゃん、胸元どうしたの?」

アイ「え?」

カリーナ「光ってる」

アイ「え?・・・あ、これケット・シーさんから貰った・・・」スッ

カリーナ「・・・あれ?その紙、一昨日いじってたやつ?」

ポオーッ!

カシュコンカシュコンカシュコンカシュコン

ポッポオー!

カリーナ「な、なにあれ?」




ポッポオー!





アイ「・・・!」

アイ「・・・銀河鉄道」

シー「・・・」ニコリ

アイ「ケット・シーさん・・・」

アイ「でも、どうして・・・?」

カリーナ「え?なに?なに?」

シー「・・・」スッ

アイ「・・・乗っていいんですか?」

アイ「・・・これって、でもどこへ?」

シー「・・・」サッ

アイ「・・・『KAEDE』?」

アイ「!」

アイ「・・・楓ちゃんのところに、連れてってくれるんですか!?」

カリーナ「マジで!?」

アイ「あ・・・でもカリーナちゃんは、切符がないから・・・」

シー「・・・」ニコッ

子猫「ミャォ」 母猫「ミヤァオ」

アイ「あ、一昨日の猫さん」

?「・・・」ツンツン

カリーナ「わッ!」

カリーナ「・・・あ、驚いた。どこから出てきたのこの猫?」

カリーナ「って、なんか咥えてる」

カリーナ「あれ?これも切符?」

父猫「ミヤァゴ」

シー&親子猫「・・・」スッ

アイ「・・・カリーナちゃん」

カリーナ「・・・うん」

アイ・カリーナ「「お願いします」」

カリーナ「・・・凄い」

アイ「本当に汽車が空を飛んでる・・・」

カリーナ「もう、ARIAカンパニーがあんなに小さく…」

カリーナ「楓ちゃん、アマトリシアさん…」

アイ「ネオ・アドリア海の島が見えてきたよ…」

アイ「楓ちゃん、いま助けに行くからね…」グッ

シー「…」

ポッポオ-

アイ「この島にアイちゃんがいるんですか?」

シー「…」コクリ

カリーナ「なんか、秘境って感じね、隠れ家的って言うか」キョロキョロ

アイ「…むかし灯里さんと来たのもこの辺だったかな?」キョロキョロ

カリーナ「分かれて探しましょう」



――――――――――――
――――――――
――――



ダレカー!ダレカイマセンカー!

アイ「あ!声が聞こえた」

アイ「こっちね!」

アイ「確か声はこっちから聞こえて…」

ア、アイチャン、コッチコッチ!

アイ「…えーっと」ガサガサ

?「あ、アイちゃん。来てくれたんだ」

アイ「え?」

アイ「ええ?」

?「どうしたのアイちゃん?助けに来てくれたんじゃないの?」

アイ「え?なんで?」

アイ「カリーナちゃんはあたしの後ろにいたんじゃ…?」

カリーナ?「えへへ♪」

ポンッ!

楓「驚きました?」

アイ「!」

アイ「え、楓ちゃん?でも、今のはどっからどう見てもカリーナちゃんだったのに…」

ポンッ

カリーナ?「これですか?」

アイ「あれ?カリーナちゃん?」

アイ「どうなってるの?」

ガサガサ

カリーナ「アイちゃん、楓ちゃんは見つかったの?」

カリーナ「!」

カリーナ「…あたし?」

カエデーナ「えへへ♪」

楓「…と、いうわけでして」

アイ「人さらいの目的はアマトリシアさんの首の宝石で」

アイ「楓ちゃんは巻き込まれたと」

楓「はい。私が目が覚めたときはアマトリシアさんと犯人が言い争ってたんです」

カリーナ「敵は水を操るNEXTで」

カリーナ「最後に一緒にいた私の能力をコピーしてる筈だと思った楓ちゃんは」

カリーナ「コピーした力で犯人を捕まえようとしたのね」

カリーナ「相性ばっちりそうだしね」

楓「はい、でも」

楓「カリーナさんの能力をイメージしたら」

楓「私、カリーナさんに変身しちゃったんです」

【楓の回想】

誘拐犯「ちょっとまて、誰だお前は?」

誘拐犯「さっきまでいたガキはどこ行った?」

カエデーナ「え?え?え?」

カエデーナ「あれ?なんで私カリーナさんになってるの?」

ナナトリシア「…楓ちゃん、あなた…NEXT?」

カエデーナ「はい。コピー能力のNEXTです…」

カエデーナ「でも、あたしが最後に触ったのはカリーナさんの筈なのに…」オカシイナ

ナナトリシア「…あ、そういう事」アチャァ


誘拐犯「おい、ちょっと待て」

誘拐犯「どういう事だ?」

カエデーナ「どういう事って言われても…」

カエデーナ「私にはさっぱり…」

ナナトリシア「大丈夫、アイちゃん」

ナナトリシア「つまり…こういう事よ!」

ポンッ

アマリリス「えへっ!」

誘拐犯「うぉ!こっちも変身しやがった」

アマリリス「怪盗アマリリス…参☆上!」スタンッ

カエデーナ「え??」

アマリリス「特技は早着替え!」

【楓の回想―終了】

カリーナ「つまり、アマトリシアさんはアマトリシアさんじゃなくて」

カリーナ「アマトリシアさんに化けてた怪盗アマリリスとか言う犯罪者だったのね?」

カリーナ「怪盗アマリリスはNEXTで、能力はオリガミと同じ変身能力」

カリーナ「楓ちゃんはそれをコピーしたってこと?」

楓「はい」

アイ「…怪盗アマリリスって、マンホームだとすごい有名だよ」

アイ「何度もニュースになってる」

楓「そうなんですか…」

楓「奈々さんってそんなに凄い人だったんだ…」

カリーナ「え?」

カリーナ「ちょっと待って、楓ちゃん」

楓「あ、はい」ナンデスカ?

カリーナ「なんでそこで奈々ちゃんが出てくるの?」

アイ「あ、それ私も思った」ナンデー?

楓「え、怪盗アマリリスって、奈々ちゃんですよね?」

カリーナ「そうなのアイちゃん?」

アイ「…そうなのって言われても?」

アイ「あたしは見たことないから…」

楓「絶対そうですよー」

楓「なんか髪の毛短くなってましたけど、顔つきとか体つきとか、あと喋り方とか」

楓「あれ、絶対奈々ちゃんです!」

アイ「そうなんだ」

カリーナ「じゃあ、その怪盗アマリリス、もとい奈々ちゃんは今どこにいるの?」

楓「あ!そうそう!助けに行かないと!」

楓「奈々ちゃんは私を逃がしてくれたんです」

楓「それで、いま誘拐犯相手に一人で戦ってるんです!」

カリーナ「ちょ、ちょっとそれって凄い危ないんじゃ?」

カリーナ「何でのんびり話してるのよ!?」

カリーナ「相手は水を操るNEXTなんでしょ。いくら奈々ちゃんもNEXTだからって」

カリーナ「オリガミと同じじゃ勝てるわけないじゃない」



ソンナコトナイヨー



アイ「あれ?いまなんか聞こえたような…」

アマリリス「『そんな事ないよー』って言ったのよ、アイちゃん」ガサガサ

アイ「奈々ちゃん?」

アマリリス「あ、やっぱりわかる?」

アマリリス「おかしーなー、マンホームの知り合いには絶対バレないのに」

カリーナ「いや、すぐわかるわよ」バレナイナンテ アリエナイカラ

アマリリス「そうかな?」

アイ「楓ちゃんも、奈々ちゃんも無事でよかったー」

アイ「で、えっと、アマトリシアさんは?」

アマリリス「いや、それはあたしが変身してたから」

カリーナ「さっき説明したわよね?」

アイ「あれ?そうだっけ?…ごめんね」ショボン

アマリリス「あ、ううん。別に大丈夫よ」アセアセ

楓「奈々さん、誘拐犯は?」

アマリリス「向こうで伸びてるわ」

カリーナ「そうなの?」

アマリリス「戸沢白雲先生秘伝の『声斬波』を連発してやったら」

アマリリス「対応しきれなかったみたい」

アマリリス「ニブチンねー」アー タノシカッタ♪

---------------------------------------------

スガ「あれ?でも・・・」

奈々母「どうしたの?」

スガ「『声斬波(ミラクル・ボイス)』ってゆかりさんの技じゃありませんでしたっけ?」

奈々母「・・・コミックスを読み返しましょうね。・・・絶版だけど」ナナモ ツカエルノヨ

スガ「じゃあ、Wikipediaにしまーす」

アマリリス「あれ、どうしよう。放っておくの?」

カリーナ「うーん、そうしたいんだけどー」

カリーナ「あたしの立場上、犯罪者は放っておけないんだよね」

楓「そうですね」

アマリリス「なんで?」

カリーナ「あたし、ブルーローズって二つ名で働いてるHEROなのよ」

アイ「HERO?」

アマリリス「あ!それか!わかったわかった!どーりで聞き覚えがある名前だと思ったら」

アマリリス「あたしの天敵みたいなもんじゃん。情報収集してないわけないよ!」

アイ「え?どういう事?」

アマリリス「HEROって言うのは、シュテルンビルトのシステムで」

アマリリス「民間のNEXTで組織された警察みたいなもんよ」

アイ「え?じゃあ奈々ちゃんもカリーナちゃんに捕まっちゃうの?」

カリーナ「現行犯ならね」

カリーナ「でも、奈々ちゃん何もやってないでしょ」

アマリリス「も、もちろん!」

カリーナ「じゃあいいわよ。アクアにはそもそもHEROなんていないし」

カリーナ「でも、流石に誘拐犯が現行犯でってなると」

カリーナ「危険だもんね」

アマリリス「あ、じゃあ捕まえとく?」

カリーナ「うん。案内して」

アイ「この人が誘拐犯さん?」

アマリリス「うん」

楓「すっかり気絶しちゃってますねー」

アマリリス「でもどうすんの?縛るもんとか何もないよ?」

カリーナ「とりあえず手錠と足錠かな」エイッ

ピキキキキ

アイ「えー、凄い。カリーナちゃんの指から氷が出てきた」

カリーナ「こ、これくらい別に普通よ」

アマリリス「そりゃ、HEROにはでしょ」ハハハ

カリーナ「よし、じゃあこいつ引きずりながら帰りましょうか」

カリーナ「氷のソリを作って・・・と」ピキキキキ

カリーナ「こいつを乗せて…と」ヨイショ

カリーナ「じゃ、行きましょうか」

アイ/楓/アマリリス「うん!/はい!/ちょっと待ったぁ!」

アイ・楓「「???」」

アマリリス「カリーナちゃん、なんか忘れてない?」フフフ

カリーナ「え?銀河鉄道の切符ならちゃんと持ってるわよ?」

アマリリス「銀河鉄道?」

アイ「私もー!」

楓「私もです!」

アイ「あれ?でも奈々ちゃんの切符がないね」

楓「本当だ、どうしましょう?」

アイ「ケット・シーさんにお願いしてみようか?」

楓「そうですねー」

アマリリス「そうじゃなくって!」

アマリリス「決め台詞!」

カリーナ「ギクゥッ!」

楓「あ、いまカリーナさん声に出して『ギクゥッ!』って」

アイ「どうしたんだろう」

カリーナ「さ、行きましょ、早くしないと終電がでちゃうわよ」ザッザッザッ

アマリリス「ブルー・ローズの決め台詞!」

アマリリス「犯人逮捕したときの!」

カリーナ「え?なんのことかしら?」ホホホホホ

アイ「えー、カリーナちゃん、そんなのあるのー?」

楓「あ、そういえば」

アマリリス「しかも、ポーズつき!」

アイ「すごーい!」

アイ「聞きたい、聞きたい、見たい見たい!」

カリーナ「・・・それはダメ」

アマリリス「じゃあアイちゃんには見せないけど」

アマリリス「代わりに明日の朝、ネオヴェネチア中にブルー・ローズの等身大写真つきのポスターが本人の写真と一緒に貼られるわよ」フフフフフ

カリーナ「ちょ、ちょっと!それはあんまりじゃないの!?」

アマリリス「ほーら、さっさとやるやる!」

アマリリス「そうじゃないと、アイちゃんに動画で見せちゃうわよ!」

アマリリス「あの破廉恥なの!」

アイ「え!・・・破廉恥?」ゴクッ・・・

楓(・・・ルナワンだと普通だけど、マンホームやアクアだと過激なのかな?)

アマリリス「さぁ!さぁさぁさぁさぁ!」

カリーナ「・・・」

カリーナ「ところで奈々?」

アマリリス「なに?カリーナ?」

カリーナ「なんでアマトリシアさんに変身してたの?」

アマリリス「さぁ?」ギクッ

カリーナ「もしかして・・・なにか悪い事を・・・」

アマリリス「よし、じゃあ行こうか!」

アイ「えー!」

【銀河鉄道】

アイ「見たかったなーカリーナちゃんの決め台詞」

カリーナ「・・・もういいでしょ」

アイ「あとでネットで探そう」

楓「もうネオアドリア海の島々は見えませんねー」

アイ「本当だ!やっぱり早いね」

アイ「奈々ちゃんも乗ればよかったのにー」

楓「迎えが来てましたよね。スガちゃんさんでしたっけ?」

アイ「おすそわけのクッキー美味しかったね♪」

カリーナ「・・・本当に」モグモグ

シー「・・・」モグモグ

アイ「カリーナちゃん、クッキーに嵌った?」

カリーナ「あ、バレた?」

アイ「今度は作り方教えてもらえるといいな」

カリーナ「ねー」

楓「ところでカリーナさん、何を見てたんですか?」

カリーナ「ん?」

カリーナ「何となく外をね・・・」

カリーナ「夜の海って、上から見ると夜空と変わらないのね」

カリーナ「でも、時々波打ってて・・・」

カリーナ「なんか、綺麗よね・・・」

カリーナ「まるで夜空と海とが一緒にゆっくりと踊ってるみたい・・・」

アイ「はい、恥ずかしい台詞禁止!」

カリーナ「・・・なにそれ?」

アイ「覚えてない?藍華さんの台詞。ゴンドラに乗ったときにあった人」

楓「はい!覚えてます!確かローゼンクイーンって二つ名でしたよね!」

カリーナ「ああ、あの人」

アイ「そう、あの人の口癖!『恥ずかしい台詞禁止』よ!カリーナちゃん!」

カリーナ「べ、別に恥ずかしい台詞なんか言ってないでしょ!」

アイ「『まるで夜空と海とが一緒にゆっくりと踊ってるみたい』」ポツリ

カリーナ「・・・そ、それは!」

アイ「『あたしもあの人と踊れたらなぁ・・・』」ポツリ

カリーナ「そ、それは絶対に言ってない!言ってないわよ!///」

楓「あの人って誰ですか?」

ヤイノヤイノ

シー「・・・」


――――――――――――
――――――――
――――

今日はここまで。完結まであとちょっと。

【六日目―――カフェ・フロリアン】

アイ「昨日は楽しかったねー」

楓「ですねー」

楓「誘拐されたかいがありました」エヘッ

虎鉄「かえでー!そんな事言わないでくれよー。お父さん心配したんだぞー」

カリーナ「しつこいわよ、あたしからの電話無視したくせに!」

虎鉄「あ、あれはだってよー、仕事中だったし・・・」

虎鉄「ペトロフさんってちょっと話しづらい人だし・・・」

カリーナ「はいはい。ねぇ、楓ちゃん、次は何を食べましょうか?」

カリーナ「全部お父さんのおごりなんだから、どんどんいっちゃいましょう!」

楓「んー、どうしよう。アイさんとカリーナさんはどうします?」

アイ「わたしはじゃあ、焼き芋にアイス乗せ!」

カリーナ「私はこのさくらんぼパフェにしようかな、あ、でもこっちのハニートーストもいいし」

カリーナ「このフロリアン特製モンブランもいいかも!」

虎鉄「・・・太るぞ」ボソッ

カリーナ「決めた!ハニートーストとパフェにする!」

虎鉄(・・・さ、さみぃ)バッチリホールド

楓「すみませーん、これとこれとこれとこれお願いします!」

虎鉄(ふ・・・懐も寒い・・・)

支配人「ハッハッハッハッハ」

支配人「私にはこの木苺のジェラートを頼みましたぞ」

奈々「はーい!ただいま!」

奈々「大丈夫、午前中だけだから」

奈々「ですよね?支配人?」

支配人「ハッハッハッハッハ」

支配人「そうですね、勤務中におしゃべりをしなければ、ノルマは達成です」

奈々「あ!すいません!すいません!」

支配人「なに、冗談ですぞ」ハッハッハッハッハ

支配人「今日はもう上がりで構いません」

支配人「そろそろ皆さんが来る頃ですしね」

奈々「みなさん?」

ミス。>>178>>179の間にこれを保管で。

奈々「はい、お待たせいたしました!」

アイ/楓/カリーナ「ありがとう奈々ちゃん/いただきます/でもさ、奈々ちゃん」

奈々「え?なにカリーナちゃん?」

カリーナ「今日の夜帰るんでしょ?」

カリーナ「午後までずっとバイトしてるの?」

ゾロゾロ

灯里「昨日は大変な一日でしたね」

支配人「全くですな」

藍華「うちの支店も全員出動だったもんね」

アリス「まぁ、けが人はいなかったのですから、でっかい不幸中の幸いです」

アリシア「楓ちゃんも無事でよかった」

アキラ「誘拐されてたんだって?犯人は捕まえたのか?」

アテナ「今朝、マンホームからNEXT担当の刑事さんが来て尋問してるんですって」

宇土51世「どうしてわざわざマンホームから来てるのだ?」

アル「犯人の全員がマンホーム出身だったそうです。僕の仕事場を襲った人たちも」

暁「お前も災難だったなアル、コンサートの日にウロ・・・ウロオボスなんかに襲撃されるなんて」

波平「ありゃぁ、ウロボロスって言うらしいぞ。ペトロフさんが言っとった」

アイ「あ、みなさんこんにちわ」

アリア「ぷいにゅ!」

姫「・・・」フリフリ

まー「マー!」

ゾロゾロゾロ

キース「いやぁ、昨夜のウロボロスは中々強敵だったね。危なかったよ」

アイシス「・・・キースさん、皆さんの為に頑張って下さいました///」

巻き子「不運な私も助けてもらっちゃいましたー」

ユーリ「私どもの所に来たのはウロボロスとは言っても非NEXTが1人でしたからね」

ユーリ「私だけでも対処できた案件でした」

ユーリ「その節はお父様を拘束してしまい申し訳ありませんでした」ペコリ

楓「別にいいんです。無事だったんですから」

カリーナ「そうですよ、悪いのはそこにいる虎ですから」

虎鉄(・・・はやく溶けねぇかなぁ、この氷)

ゾロゾロゾロゾロ

奈々「なんか、二人の知り合いがいっぱい集まって来ちゃったわね・・・」

奈々(これってもしかして・・・)

スガ「みなさーん!コロッケ持ってきましたよー!食べますか?」

奈々母「支配人さん、うちの奈々が短い間とは言えご迷惑をお掛けしました」

支配人「いえいえ、奈々君は頑張って下さいましたぞ」ハッハッハ

奈々「やっぱり!」

奈々(そして、こうなってくると・・・次は・・・)ンー

ゾロゾロゾロゾロゾロ

兵介「それでですな、アマトリシアさん。あなたが見たのはアマリリスの変装だったのですよ」

奈々(やっぱりー!)

アマトリシア「そうだったのですか?でも、盗まれたものが帰って来たのですから、いまは胸が一杯です」ハァ・・・

海「珍しいですよね、アマリリスが盗んだもの返すなんて」

雛子「素敵な場所ね!ネオヴェネチアって!」

奈々(海まで!・・・まぁ、中にある宝石は盗品だから、盗まれたとは言えないわよね)

奈々(外身だけ返しておけば、被害届は出ない道理)

アマトリシア(最近組織からの脅迫まがいの報せが増えたと思っていたけど、まさか強硬手段にでるなんて・・・)

アマトリシア(私が現役の時に組織からちょろまかした宝石が・・・)

奈々(マァ、ソノハナシハサテオキ)

奈々「はーい、質問です!」

兵介「ん?」

奈々「どうして転警部に婦人、それに海までネオヴェネチアにいるんですか?」

兵介「最近ウロボロス案件との兼任になってな・・・」

海「アマリリスが最近ご無沙汰で、別件手伝わされてんだよ」

海「俺はおじさんの手伝い。アマリリスが出たって連絡が入ってマンホームから飛んできたんだ」ニカッ

雛子「妻は夫の良い手足となって常に側にいるものなのです」ニコッ

雛子「そんな事よりあなた、ここで二回目の新婚旅行しません?」

兵介「ん?あ、ああ・・・」シゴトガオワッテカラハナソウナ・・・

奈々「・・・ははは」

奈々「ええい!もうなんとでもなれって感じ!」

カリーナ「ま、あんたもジェラート食べて落ち着きなさいよ」

アイ「これは・・・支配人さんがお声をかけて下さったんですか?」

支配人「うむ。やはり事件の〆はこうでないといけませんからな」ハッハッハ


ワイワイガヤガヤ
ヤンヤカンヤナンヤノパンヤ
ワイノワイノデテンテンコロリン


アイ「・・・事件の〆!」

アイ「そうだ!」

アイ「カリーナちゃん、奈々ちゃん!こっちきて!」

グッ

カリーナ「な、なに?なに?」

奈々「ジェ、ジェラートが溶けちゃう!」

アイ「ねぇ、カリーナちゃん、あれやろうよあれ」ヒソヒソ

カリーナ「あれ?」ヒソヒソ

アイ「うん。ブルーローズの決め台詞」ヒソヒソ

アイ「昨日ネットで見つけちゃったんだよねー」エヘ

奈々「あぁ、あの『ばっちりホールド』ってやつ?」ヒソヒソ

アイ「うん。そろそろ〆だし、願掛けの意味を込めて」ヒソヒソ

アイ「カリーナちゃんがホールドするのは虎鉄さんのハートね」ヒソヒソ

カリーナ「ええええええええええええ///」

奈々「・・・面白そう」ニヤニヤ

奈々「でも、私達は何にするの?」ヒソヒソ

アイ「それはね・・・」コショコショ

カリー奈々「ふんふん?」ヒソヒソ

奈々「ええっ!」

カリーナ「それ・・・まぁあたしはかかわらなそうだしいいんじゃない?」

アイ「へへー」ニコニコ

カリーナ「奈々、諦めなよ」ニヤニヤ

奈々「・・・うぅう」

アイ「決まり!じゃあカリーナちゃん!」

アイ「お願い!」

カリーナ「よし!」

カリーナ「私の氷はちょっぴりコールド」

カリーナ「虎鉄のハートを―――」

奈々「―――次のお宝も!」

アイ「―――プリマの資格も!」

カリーナ・奈々・アイ「「「ばっちりホールド!」」」

カリーナ・奈々・アイ「「「エイ、エイ、オー!」」」

アリア「ぷいにゅー!」



カリーナ・奈々・アイ「「「おしまい!」」」

【オマケ―――ARIAカンパニー】

灯里「初めてお会いしたみなさんも、私達をご存知だった皆さんも」

灯里「最後までお読みいただきありがとうございました」

灯里「ARIAカンパニーの水無灯里と申します」

灯里「今回はアイちゃんがシュテルンビルトからいらっしゃったお客様を案内いたしました」

灯里「それがまさかあんな素敵な人たちだなんて・・・」ウフフ

灯里「本編では言えなかったのですが」

灯里「どうしても言いたかった事があるのでこの場をお借りすることになりました」

灯里「シュテルンビルトは中世後期のドイツ語で『星座』と言う意味の名前を持つ街です」

灯里「そのシュテルンビルトがあるルナワン(月)は」

灯里「アクア(火星)と同じで星座には載らない小さな存在です」

灯里「でも、星座には載らないこんな私達の世界では」

灯里「みんなが集まって―――星座にも負けない」

灯里「いえ、星座よりもずっと大きくて素敵なお話を紡いでいます」

灯里「私達ひとりひとりは、この小さな世界でキラキラ輝く星のよう」

灯里「そして、その人たちが集まったらきっと・・・」

灯里「星座のように大きな、長い長い、素敵なお話が紡がれるのでしょう」

灯里「・・・ふふっ♪」

灯里「アクアは手づくりの星です」

灯里「今度あなた方がネオヴェネチアにいらっしゃるときは」

灯里「ネオヴェネチアの街角にいる沢山の綺羅星達と」

灯里「そのみんなが紡ぎ作るハンドメイドの物語の中に」

灯里「ARIAの社員一同でご案内いたします」

灯里・アイ/アリア「「それでは、今後もARIAカンパニーをよろしくお願いいたします/ぷいにゅ」」ペコリ



~ La Fine ~

一旦完結です。最後まで見てくださった方が居たのであればありがとうございました。

カリーナがネオヴェネチアで虎鉄相手にワタワタするSSを書きたかったんだけど、
アイちゃんとカリーナにあと一人加えた三人娘の仲良しトークが書きたくなって、
いつのまにかいままでで最長になってしまいました。

次があるとしたら来年やるタイバニ映画版並の敵を出して、もう少しネオヴェネチアを破壊したいです。

あと、怪盗アマリリス、コミック絶版だけど古本屋とか行けば多分あるから探してみてください。
小難しいことは何も考えずに楽しめる作品。あれはエンターテイメント。

安価の件、やるとしたら今夜か明日。もし月曜までageなかったら忘れてください。では。

【ARIAカンパニー】

ピコーン

アイ「灯里さん、カリーナちゃんからメール届きました!」

アイ「すごーい!クリスマスチキンの写真!手作りですって!」

灯里「久しぶりね。ルナワンはもうすぐクリスマス?」

アイ「はい。虎鉄さんの胃袋をばっちりホールドするって言ってます!」

灯里「そうなんだー」ウフフ


アイ「ところで灯里さん、お尋ねしたい事があるのですが?」

灯里「なに?アイちゃん?」

アイ「私がプリマウンディーネになった時の二つ名って、自分で提案してもいいんですか?」

灯里「え?どういうこと?」

アイ「実は・・・ >>119-121 というわけで・・・」

灯里「あれ?そうなの?」


【安価】

アイ「カリーナちゃんが考えてくれた二つ名は『>>196』で」

アイ「奈々ちゃんが考えてくれた二つ名は『>>197』なんです」

灯里「うーん・・・」


【コンマ安価】
>>196 と >>197  のコンマ以下の合計が
00~66 なら カリーナ案採用
67~133 なら 奈々案採用
134~198 なら この話はお流れ


二つ名はエログロ下ネタ系は控える方向で、でもネタは大歓迎。

アイ「今日はクリスマスですね~」

灯里「そうだね~、でもサンタさんはいないわよ?」

アイ「もう、灯里さん!子ども扱いしないで下さい!」

アイ「ベファーナくらい、私だって知ってます!」

灯里「あはは、ごめんごめん。でも、今年もいい子にしてれば、年明けにベファーナからプレゼント貰えるかもね」

アイ「炭だったらどうしよう・・・」

灯里「まぁ、もうすぐ新年だし、ARIAカンパニーで一月一日を待ちましょう」

アリア「ぷいにゅ」

アイ「今日はクリスマスですね~」

灯里「そうだね~、でもサンタさんはいないわよ?」

アイ「もう、灯里さん!子ども扱いしないで下さい!」

アイ「ベファーナくらい、私だって知ってます!」

灯里「あはは、ごめんごめん。でも、今年もいい子にしてれば、年明けにベファーナからプレゼント貰えるかもね」

アイ「炭だったらどうしよう・・・」

灯里「まぁ、もうすぐ新年だし、ARIAカンパニーで一月一日を待ちましょう」

アリア「ぷいにゅ」

灯里「あっ!」

アリア「ぷいにゅっ?!」

アイ「どうしたんですか、灯里さん?」

灯里「え・・・えっと・・・」

灯里「もう新年三日目だね・・・」

アイ「あーーーーーーーーーーーっ!」

アリア「ぷいにゅっ!」

灯里「ははは、きゃり~ぱみゅぱみゅ見てる間に寝ちゃったね・・・」

アイ「灯里さん!」ズッ

灯里「は、はひっ!」

アイ「アウグーリオ!ボナーノ!」

灯里「はひっ?」

アイ「アウグーリオ!ボナーノ!」

灯里「アウグーリオ・・・ボナーノ・・・」

アイ「よしっ、これで終わりよければ全部良しです!」フフン

灯里「ははは・・・良かった・・・のかな・・・?」

アイ「さ、ベファーナが来るまでに家を掃除しましょう!」

灯里「うん。あと三日だね。楽しみだね、アイちゃん」


アリア「ぷいぷいにゅ~」

おしまい

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