結衣「いつもミラクル、信じてミラクル、心は晴れ晴れ満開」(226)

京子「結衣~、ちょっと私の携帯に電話してみて?」

結衣「は?目の前に居るのに?」

京子「いいからいいから!」

結衣「まあいいけど……」ピッ


いつもミラクル、信じてミラクル、心は晴れ晴れ満開♪


結衣「……この着信曲がどうかしたの?」

京子「もー、にぶちんだな結衣は……結衣の着信専用の曲をこれにしたの!」

結衣「なんでわざわざ……私のは誰からかかってきても全部おんなじ着信曲だよ」

京子「えー、結衣からかかってきた―って判る方が嬉しいじゃん!」

結衣「……そっか、嬉しいか」

京子「あれあれ、結衣にゃん、ちょっとニヤっとしました?」

結衣「し、してない……」

~半年後~


いつもミラクル、信じてミラクル、心は晴れ晴れ満開♪



京子「……」

あかり「京子ちゃん?携帯鳴ってるよ?」

京子「ああ……うん……」

ちなつ「出ないんですか?」

京子「……出るよ」


ピッ

京子「……もしもし」

『どうしてすぐに出てくれないの?』

京子「ああ、ごめん、ちょっと用事があって」

『私の電話より重要な用事なの?』

京子「……そんな事ないよ」

『じゃあ、すぐ出てよ』

京子「ごめん……」

『今日は、何時頃帰ってくるの?』

京子「……ちょっと補習が入ってから、遅くなるよ」

『何時頃』

京子「判んないよ……」

『……早く帰って来て貰わないと困るよ』

京子「……判った、なるべく早く帰るようにするから」

京子「じゃあ、もう切るね」

『まって、きょう……』


ピッ


京子「……」フー

ちなつ「誰からでした?」

京子「あ……うん、お母さんからー」

ちなつ「そうですか……」

あかり「……あ、じゃあ、ゲームの続き、しよ?」

京子「う、うん、そだね!」

ちなつ「ふふふ、私のルーレットさばきでトップに踊りだしてあげますよっ!」

京子「あはは、そう簡単には負けないぞ~!」


キャッキャウフフ

ちなつ「ううう、結局負けちゃいました……」

あかり「あかり、トベだよぉ……」ウルウル

京子「ふっふっふー、先輩に勝とうなんて100年早いのだよ、キミタチ」

京子「はいはい、敗者の二人は罰ゲーム籤を引いてね?」ドンッ

ちなつ「し、仕方ありません……」ゴソゴソ

あかり「な、何が出るかなあ……」ゴソゴソ

ちなつ「うげっ、勝者にキス……」

あかり「勝者に膝枕……」

ちなつ「ちょっと、京子先輩、これ絶対何か仕組んでません!?」

京子「な、何のことやら~♪」

ちなつ「キスとか、絶対ないですからっ!」プイッ

京子「ええー、ちなつちゃん、酷いよ、罰ゲームなのに!」プー

あかり「はい、京子ちゃん、お膝かしてあげるよぉ」

京子「おー、あかりは優しいねえ……」コロンッ

あかり「えへへ、だって、京子ちゃん、毎日大変だもんね」

京子「……」

ちなつ「……」

あかり「……あ、ご、ごめんね」

京子「いや、いいよ、あかり、気にしないで」

あかり「う、うん……」

ちなつ「……はあ」

京子「ちなつちゃん?」

ちなつ「……」チュ

京子「あ……」

ちなつ「は、はい、髪にでしたけど、確かにしましたから、罰ゲームっ……」プイッ

京子「……えへへ」

ちなつ「何笑ってるんですかっ」

京子「だって~……」


いつもミラクル、信じてミラクル、心は晴れ晴れ満開♪

京子「……」

あかり「京子ちゃん、また、電話だよ……?」

京子「……うん」

ちなつ「……出なくていいんじゃないですか」

京子「ちなつちゃん……?」

ちなつ「だって、この着信音、さっきと一緒って事は、お母さんからなんですよね?」

ちなつ「なら、家に帰ってからでいいと思います」

京子「……うん」

あかり「ちなつちゃん……」

ちなつ「ほ、ほら、京子先輩、あかりちゃん、二回戦、やろ?」

ちなつ「今度は負けませんよ京子先輩っ!」

京子「……よ、よーし、私ももう一回ちなつちゃんからチューして貰うもんね!」

ちなつ「そ、その意気ですっ!」

ごはんいってきますね

ちなつ「はあ……今日は楽しかったですねえ」

あかり「うん、京子ちゃん、久しぶりに部活出来て良かったね!」

京子「おう!2人にはいっぱい元気もらいました!」

ちなつ「もう、京子先輩ったら……」クスクス

あかり「じゃあ、また明日も……」


いつもミラクル、信じてミラクル、心は晴れ晴れ満開♪

あかり「……」

ちなつ「……」

京子「……」


今日も明日も、ごゆるりゆるゆり、いつでもマイペースでいきましょう♪


京子「……」ピッ

京子「もしもし……」

『京子、どうして電話に出てくれなかったの』

京子「……うん、補習中だったからさ」

『それでも、出てよ』

京子「……結衣、無茶言わないでよ」

『……』

京子「もう、帰るからさ、言いたい事があったら家で……」

『……ほんとは、補習じゃないんでしょ』

京子「……」

『ほんとは、あかりやちなつちゃん達と、遊んでたんじゃないの?』

京子「……違うよ」

『ほんとう?』

京子「……うん」

『……そっか』

京子「……」

『ごめんね、京子、変なこと言ってごめんね……』

京子「いいよ、別に」

『私の事、嫌いになった?嫌いになったよね?』

京子「嫌いになってないよ……ずっと好きだって言ったじゃん」

『ほんと?ほんとに私の事好き?』

京子「……うん」

『私も、私も京子の事、大好き、大好きだよ……』

京子「ありがと……」

『あはは、両思いだね』

京子「……そだね」

『京子』

京子「ん……?」

『早く帰ってきてね』

京子「……」ピッ

あかり「……」

ちなつ「……」

京子「さ、さーて、私はこっちの道だから、あかり、ちなつちゃん、また明日ね?」

あかり「う、うん、また明日……」

ちなつ「……京子先輩」

京子「ん……?」

ちなつ「……今日、うちに泊りに来ます?」

京子「……え?」

ちなつ「その……親戚の家から林檎がたくさん届いたので、食べるかなと思いまして……」

京子「ちなつちゃん……」

ちなつ「あ、あかりちゃんも、来ない?ほら、娯楽部でお泊り会とか久しぶりだし、ね?」

あかり「あ、あかりは別にいいけど……」

ちなつ「はい、あかりちゃんは決定、京子先輩も、ね?いいでしょ?」

京子「……ちなつちゃん、誘ってくれて、ありがとう」

ちなつ「じゃ、じゃあ、来てくれるんですよね?ね?」

京子「……けど、今日も結衣の家に帰らないと」

ちなつ「……!」

京子「結衣が……待ってるからさ」

あかり「京子ちゃん……」

ちなつ「そう……ですか……」

京子「……じゃ、私は行くね」

~結衣宅~


いつもミラクル、信じてミラクル、心は晴れ晴れ満開♪

今日も明日も、ごゆるりゆるゆり、いつでもマイペースでいきましょう♪

いまミラクル、迷わずミラクル、愛して咲かせて、満開♪

君と毎日、会えるこの奇跡、大好き思いきり伝えるよ♪


京子「……ただいま」

結衣「……京子、帰ってたの」

京子「うん、今ね」

結衣「……どうして電話出てくれないの」

京子「……家が近かったしさ、直接話した方が早いでしょ」

結衣「……電話、ちゃんと出てよ」

京子「……うん」

結衣「……」

京子「……」

結衣「……京子」

京子「ん……?」

結衣「おトイレ行きたい」

京子「……判った」

携帯の着信曲を変更した翌日

結衣は事故にあった

事故にあって、足が動かなくなった

その事実を知った直後の結衣は、かなり荒れていた

家族でさえ、手に負えないほどに

けど、私の前でだけは

普段のままの結衣の姿で居てくれた

だから、結衣のお母さんから、結衣のお世話を頼まれた時

私は即座に「はい」と応えた

結衣は最初、私がお世話をすることに難色を示していた

ただの幼馴染にそんな事をさせられないと

けど、私はそんな結衣にこんな答えを返した


「ただの幼馴染じゃないよ、結衣は私にとってもっと大切な人なんだ」

「好きなんだ、結衣の事を、愛してる、だから」

「結衣のお世話をさせてほしい」


私の告白に、結衣は凄く喜んでくれた

「私も愛しているよ」と応えてくれた

私も凄く嬉しかった

けど

結衣の態度は少しずつおかしくなってきた

私の事を独占しようとしてくるのだ

私が学校に行ったり、部活の仲間や生徒会の皆と遊んでると

凄く怒るようになったのだ


「私の事を置いて、遊んできたの?」

「私には、もう京子しか居ないのに」

「京子が居ないと、おトイレにも行けないのに」

「京子は私を裏切るの?」


多分、結衣は寂しかったんだと思う

だから、私は謝った


「ごめんね、これからは結衣の事を優先するようにするよ」

そんなやりとりが何度も

何度も

何度も

何度も

何度も

繰り返された


そして2カ月が経過した頃には

結衣は、お見舞いに来てくれる娯楽部や生徒会の皆にまで、八つ当たりするようになっていた


「帰って、帰ってよ、京子と私の時間を取らないで」

「私にはその時間しかないんだよ」

「邪魔しないでよ」

そうして半年が経過した今

娯楽部や生徒会では、結衣の話題は禁句となっていた

みんな、思い出したくないのだろう

運動不足で筋肉が衰えたひょろりとした身体に

目だけは異様に大きく爛々としてこちらを睨みつけて来る

結衣の事を

あんな言葉を吐き散らすほど心が歪んでしまった

結衣の事を

京子「……はい、オムツ替え終わったよ」

結衣「あぁ……凄くすっきりした、ありがとう、京子……」

京子「じゃあ、ご飯作ってくるね」

結衣「ん、何時もごめんね」

京子「いいんだよ……」

結衣「うん……」

京子「……」トテトテ

結衣「……京子」

京子「ん?」

結衣「……キスして」

結衣は、最近、こういう要求を頻繁にするようになってきていた

だから、私は何時ものように、結衣の乾いてカサカサになった唇にキスをした


結衣「……ありがと」

京子「……お礼なんて変だよ、だって、私達……」

結衣「そうだよね、恋人同士なんだし、変だよね……お礼なんて……」

京子「うん……」

京子「さて、今日は何を作ろう……」

京子「あんまり偏った物だと、結衣がお腹を下しちゃうし……」

京子「繊維をたくさん取らないと……」

京子(でないと、オムツの周りが汚れちゃった時に掃除するのは、私なんだから)

京子「……」


最近、私は結衣への愛情よりも「効率」の事を考える事が増えてきていた

どうすれば効率良く結衣のお世話が出来るのか

なるべく結衣の機嫌を損ねないように

なるべく汚くならないように

なるべく臭くならないように

なるべく結衣から電話がかかってこないように



そればかりを考えるようになってきていた

京子「はい、結衣、ご飯出来たよ」

結衣「ありがと、京子……ん」

京子「どうかした?」

結衣「……また、野菜ばっかりだね」

京子「あ……うん、お医者さんから、こういう料理の方がいいって聞いてるから」

結衣「……たまには、お肉をいっぱい食べたいなあ」

京子(お肉沢山食べると、排泄の時に臭いからやだ)

京子「……今度、作ってあげるね」

結衣「うん、宜しくね……楽しみだなあ」

結衣「んー……おなかいっぱい……」

京子「お粗末さまでした」

結衣「うん、もう下げてもいいよ、京子」

京子「……」カチャカチャ

京子(あとは、結衣の身体を拭いてあげたら、解放される)

京子(そうしたら、お風呂に入って、漫画でも読んで、ゆっくりしよう)

結衣のパジャマを脱がせて、タオルで拭いてあげると

結衣の機嫌は少し良くなる

けど……結衣の身体は、本当に痩せてしまっている

ガリガリのガリ子さんだ

まあ、そんな事は結衣には絶対に言えないけど

しょうじき、力を入れ過ぎると折れてしまいそうで、怖い


結衣「……京子」

京子「あ、ごめん、擦るの強すぎたかな?」

結衣「ううん、気持ちいいよ……京子」スリッ

京子「……」


私の手に頬擦りする結衣を見て

私は嫌な想像をしてしまった


京子(まるで、生者にしがみつく亡者だよね)

~お風呂~


ジャバー


京子「ふー……」

京子「生き返るなあ……」

京子「……」ブクブクブク

京子(はぁ……)

京子(このまま、寝ちゃいたい……)


いつもミラクル、信じてミラクル、心は晴れ晴れ満開♪

京子「……」


今日も明日も、ごゆるりゆるゆり、いつでもマイペースでいきましょう♪



京子「はぁ……」ザバー

京子「……」ペタペタ


ガラッ



京子「結衣ー、どうかしたのー?」

結衣「うん、ちょっとテレビのチャンネル変えてほしいなって」

京子「……」トコトコ


ピッピッピッ


結衣「あ、ストップ、そのチャンネル」

京子「……」

結衣「京子も、一緒に見ようよ、このアニメ、面白いよ?」

京子「……結衣」

結衣「ん?」

京子「私、まだお風呂入ってる途中だから」

結衣「あ、そっか……じゃあ、もう戻ってくれていいよ」

京子「それとね」

結衣「んー?」

京子「……同じ家に居るんだから、携帯鳴らさなくてもいいよ」

結衣「だって、私が呼んでも聞こえてない時があるみたいだからさ」

京子「……なるべく耳を澄ませるようにするから、携帯は鳴らさないで」

結衣「……うん」

京子「……じゃ、お風呂戻るから」

結衣「あはは、このアニメ、面白いなあ、面白いよ」

半年前までは

あの着信曲が流れると、凄くドキドキしていた

けど、今は

あの曲が携帯から流れると、凄く気分が沈む


結衣が私の携帯に電話してくるのは

「何かの要求」がある時だからだ

言ってみれば、使用人を呼ぶベルの音みたいなものだ


けど、私は結衣の使用人ではない

使用人ではないのだ

だから

京子「結衣」

結衣「あ、京子、お風呂上がったの?」

京子「うん」

結衣「じゃ、一緒にテレビ見よう?」

京子「うん」


コンシュウノ、ヨウガゲキジョウハ


京子「結衣」

結衣「ん?」

京子「私ね、明日も補修があるんだ」

結衣「……そっか」

京子「だから、帰るの遅くなるから」

だから、私は結衣に嘘をつく

そうすることで、自分は結衣の使用人ではないのだと

証明するのだ

~翌日~

~生徒会室~


京子「たのもー!」ドーン

綾乃「なっ、と、歳納京子!?」

京子「えへへ、プリンたかりに来ましたぁ~♪」

綾乃「こ、この、良くも臆面もなく堂々とっ……!」

京子「えー、いいじゃん、半分あげるからさあ」

綾乃「元々は全部私のなのよ!」

京子「ど・け・ち!」

綾乃「ど、どうしても食べたかったら、私とゲームしなさい!勝ったらあげるわ!」

京子「ほほう、受けて立とう!」


いつもミラクル、信じてミラクル、心は晴れ晴れ満開♪

綾乃「……歳納京子、携帯鳴ってるわよ?」

京子「え、鳴ってないよ?」


今日も明日も、ごゆるりゆるゆり、いつでもマイペースでいきましょう♪


綾乃「鳴ってるわよ」

京子「鳴ってない」

綾乃「い、いやいやいや……鳴って」

京子「綾乃っ」グイッ

綾乃「ふ、ふえ!?」

京子「お願い、綾乃、鳴ってないって、言って……」

綾乃「と、歳納京子……?」

京子「お願い……お願い、だから……」

綾乃「……」

京子「……」プルプル

綾乃「……そうね、ごめんなさい、私の勘違いだったみたい」



いまミラクル、迷わずミラクル、愛して咲かせて、満開♪



綾乃「携帯は、鳴ってないわ……」ナデナデ

京子「……うん、ありがとう、綾乃」

この日は、綾乃や生徒会の子達といっぱい遊んだ

途中で、あかりやちなつちゃんも乗り込んできた

凄く楽しかった



結衣からの着信は、全部無視した

凄く楽しかった

~結衣宅~


京子「ただいまー」


いつもミラクル、信じてミラクル、心は晴れ晴れ満開♪


京子「ただいま、結衣」

結衣「……」


今日も明日も、ごゆるりゆるゆり、いつでもマイペースでいきましょう♪


京子「帰ってきてるんだから、もう携帯止めてよ」

結衣「……」


いまミラクル、迷わずミラクル、愛して咲かせて、満開♪

結衣「……どうして出てくれないの」

京子「ん?今日は補習だって言ったよね?」

結衣「……帰り道とかでなら、出れたでしょ?」

結衣「どうして、出てくれないの」

京子「今日の晩御飯、何がいい?」

結衣「京子」

京子「一応、お肉をちょっとだけ入れた野菜炒めを……」

結衣「京子!」

結衣「どうして、どうして、出てくれないの」

京子「……」

結衣「私の事、嫌いになった?」

結衣「もう、いやになった?」

結衣「好きじゃなくなった?」

京子「……そんな事ないよ」

結衣「じゃあ……じゃあどうして出てくれないの!」ドンッ

京子「……ごめん」

結衣「……駄目、許さない」

京子「……」

結衣「ねえ、京子、私許さないよ」

京子「……」

結衣「許してほしい?京子、許してほしい?」

京子「はぁ……」

結衣「京子?」

京子「……どうしたら、許してくれるの」

結衣「……じゃあ、私と、えっちな事して」

結衣「ね、してよ、京子」

結衣「わたしね、ずっとこの部屋に居るから、携帯で一杯ネット検索して」

結衣「いっぱい気持ち良くなる方法、調べたんだ」

結衣「それを京子にしてあげるから」

結衣「ね?」

結衣「京子も気持ちいいの、好きでしょ?」

結衣「私の魅力でメロメロにしてあげるから、そうしたら、また京子も携帯に出てくれるようになるよね」

結衣「そうすれば、解決だよね、ね?」

京子「……台所で晩御飯、作ってくるから」

結衣「京子?」

京子「何かあったら、声掛けてね」テクテク

結衣「京子!」

京子「……」

結衣「京子、ねえ、京子」

結衣「気持ちいいこと、しよう?2人で、ね?京子」

結衣「きょうこっ!きょうこっっ!」

京子「……」


いつもミラクル、信じてミラクル、心は晴れ晴れ満開♪

「きょうこっ、きょうこぉぉぉっ!」


京子「……」


いつもミラクル、信じてミラクル、心は晴れ晴れ満開♪


京子「……」


「きょうこっ……ねえ、きょうこ、きょうこ、きょうこ、きょおこぉぉぉぉ」


京子「……さい」


いつもミラクル、信じてミラクル、心は晴れ晴れ満開♪

京子「……うるさい」


「きょうこ、ごめん、あやまるから、へんじしてよ、きょおこぉぉぉぉぉ」


いつもミラクル、信じてミラクル、心は晴れ晴れ満開♪


「わたし、きょおこにみすてられたらぁぁぁ、いきていけないのぉぉぉぉ」


いつもミラクル、信じてミラクル、心は晴れ晴れ満開♪


「きょおこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」


いつもミラクル、信じてミラクル、心は晴れ晴れ満開♪

京子「うるさい、うるさいうるさいうるさいうるさいっ」

京子「もういや、もういや、もうあんな結衣見たくない、見てられない」

京子「あんなの結衣じゃない、ばけものだよ、ばけもの」

京子「私にとりついてるばけものなんだ、ばけものだ」

京子「きっと、結衣は途中で乗っ取られたんだ、あのばけものに」

京子「ゆい、ゆいゆいゆいゆいゆい、ゆいっ……」

京子「たすけてっ……」

気が付いたら、私は公園に立っていた

私を呼びとめるあの声を振り切って、逃げて来たらしい


京子「……」


ブランコに、腰かける


京子(もう、帰りたくないな……)

京子(あんなばけものが居る部屋には、帰りたくないな……)


少しずつ、ブランコを漕ぎ始める


ぶらん

ぶらん

ぶらん

京子(そういえば、小さい頃は、この公園で良く遊んだよね)

京子(私は、怖くてブランコ殆ど漕げなかったけど)


「ほら、京子ちゃん、こうやって漕ぐんだよ~」

「もう、京子は泣き虫だなあ、私がお手本見せてあげる!」

「うわあ、結衣、すごいっ!」

「えへへ、ほら、京子、私が背中押してあげるから」

「う、うん、ゆっくりね?ゆっくりね?」

「大丈夫だよ、京子」

「京子」

「きょうこ」

「きょおこ」


京子「……」

京子(結衣は、ずっと私を呼んでいてくれた)

京子(私が辛い時も、悲しい時も)

京子(なのに、私は、結衣が辛い時に……結衣を呼んであげられなかった)

京子(結衣の呼び声を聴いて、逃げ出しちゃった……)

京子(最低だ……わたし……)ウルッ

京子(さいていだ……)グスッ



いつもミラクル、信じてミラクル、心は晴れ晴れ満開♪


京子(結衣からの、着信……)

京子(……そうだ、謝ろう)

京子(逃げてごめんって謝ろう……)

京子(電話でなくてごめんって……)

京子(そうすれば、そうすれば、もう一度、やり直せるよね……)


ピッ

京子「ゆ、結衣?わたし……」

『しね』

京子「……ゆい?」

『しね』

京子「あ、あの、結衣、さっきは……」

『しね』

京子「ごめんって……」

『しね』

京子「言いたくて……」

『しね』

『良くも私を見捨てたな』

『絶対許さない』

『京子の事を許さない』

『一生』

『私には京子しか居ないのに』

『京子の事がずっと好きだったのに』

『京子は、これからずっと私の奴隷だよ』

『それが罰だよ、私を見捨てた罰』

『もし逃げたりしたら、私自殺するから』

『京子への恨みを綴った遺書を書いて自殺するから』

こうして

私は、使用人から奴隷に格下げされた

毎日、結衣から奴隷のような扱いを受けた

殴られたり、物をぶつけられたりすることもしょっちゅうだった

特に嫌だったのが、性処理の道具にされることだ

結衣「京子、ほら、今日もお願い……」

京子「……うん」チュッ

結衣「……ん、そう、そこ……」

京子「……」ペロッ

結衣「そう、いいよ……京子、上手いね……」ナデナデ

京子「……」チューッ

結衣「んっ……んっ、あっ……」ビクッ

京子「……」クチュ

結衣「京子、京子大好き、京子っ……」ビクッ

結衣「あっ……京子、私の事、好き?」

京子「……うん」チュ

結衣「私も、私も大好き……んっ……」

結衣「私に好きって言われて、嬉しい……?」

京子「……うん」レロ

結衣「うん……うん……そうだよね、私達、恋人だもんねっ……」

京子「……うん」クチュ

結衣「んっ……ふあっ……あああっ……!」ビクビクビクー

京子「……」

~娯楽部~

ちなつ「え、今日ももう帰っちゃうんですか?」

京子「うん……」

あかり「京子ちゃん、あの、今日くらいは、あかりが代ろうか?」

京子「……なにを?」

あかり「あの……結衣ちゃんをお世話を」

京子「……だめだよ、あかりじゃ、無理」

あかり「そ、そんなことないよ、あかりだって……」

京子「無理だから、やめて」

あかり「京子、ちゃん……」

京子「お願い、あかりを、今の結衣には会わせたくないの……」

あかり「……うん」

ちなつ「……」

いつもミラクル、信じてミラクル、心は晴れ晴れ満開♪

ピッ

京子「はい、もしもし」

京子「うん、今から帰るよ、あと10分だけ待ってて」

京子「……うん、判った」

京子「判ったよ、判ったから怒らないで……」

京子「……うん」

京子「私もだよ、結衣、愛してるから……」


ピッ

~結衣宅~


カチャ


京子「ただいま……」

ちなつ「お邪魔しまーす」ボソッ

京子「!?」

ちなつ「結衣先輩は、奥ですか?」

京子「ち、ちなつちゃん!?何時の間に!?」

ちなつ「すみません……気になってきちゃいました」ボソボソ

京子「……帰って」

ちなつ「……いやです」

京子「お願い、結衣にばれたら、結衣凄く怒るから……」

ちなつ「そんなの、おかしいです、久しぶりにお見舞いに来たのに怒るなんて」

京子「ちなつちゃん……!」

ちなつ「京子先輩、凄く無理してますよね、気付かないと思いました?」

京子「……」

ちなつ「結衣先輩、少し我儘過ぎます……私が、お世話しようとした時は追い出した癖に……」

ちなつ「京子先輩にばっかり負担を背負わせて……」

京子「けど……それが私の選択した道だから……」

ちなつ「そんなのっ……!」


いつもミラクル、信じてミラクル、心は晴れ晴れ満開♪

京子「……」

ちなつ「京子先輩、出ないでください」

京子「そういう訳には、行かないよ……」


今日も明日も、ごゆるりゆるゆり、いつでもマイペースでいきましょう♪


ちなつ「京子先輩っ!」ガッ

京子「あ、ちなつちゃん返してっ!」

ちなつ「いやです、駄目です、もうこんな物に縛られないでくださいっ」

京子「だ、だめだって!」


「きょおこぉぉぉぉ」


京子「……!」

ちなつ「……」

「きょおこぉ、誰か来てるの?」


京子「……誰も来てないよ」

ちなつ「ゆ……」

京子「……!」ガシッ

ちなつ「んっ、んぐむぐ……」


「どうして電話出ないの?家の中でも出てって言ったよね」


京子「ちなつちゃん、携帯返してっ」

ちなつ「んぐー」ブンブン

京子(だ、駄目だ、ちなつちゃんの口を手で押さえながらだと、携帯を取り戻せない……)

京子(ど、どうしよう、どうしたら……)

ちなつ「ぷはっ……」

京子(あ、しまった、手が……)

ちなつ「ゆ、ゆいせん……」

京子「……!」ギュッ

ちなつ「え?」

京子「ちなつちゃん、ごめんっ……」


ブチュー


ちなつ「んぐっ……!」

言いわけをさせてもらえば

別に他意は無かった

両手で携帯を取り戻しつつ、ちなつちゃんが叫ぶのを防ぐには

口で塞ぐしかなかったのだ


けどちなつちゃんの唇は、凄くぷるぷるしていて

気持ち良かった

結衣のカサカサの唇とは大違いだった

ちなつ「んんー、んぐー///」

京子「……んっ……んぐっ……」チュ

ちなつ「んふっ……」


「きょうこぉ、どうして電話に出てくれないの、きょうこぉぉぉ」


あまりに気持ちよさに、私は我を忘れてちなつちゃんの唇を貪った

結衣の性処理道具として色々としたことはあったが

自分は一度もイッた事は無かったので

多分、色々と溜まっていたのだろう

それを全部、ちなつちゃんにぶつける形になってしまった

ちなつちゃんも、抵抗しようとすればできたはずだけど

強くは抵抗しなかった

そのうち、ちなつちゃんの方から、舌を絡めてきた


京子「んっ……ちなつ、ちゃん、ちなつちゃんっ……可愛いっ……」チュッチュッ


いつもミラクル、信じてミラクル、心は晴れ晴れ満開♪


ちなつ「きょうこ、せんぱいっ……んっ……あっ……」レロッ


今日も明日も、ごゆるりゆるゆり、いつでもマイペースでいきましょう♪

京子「ちなつちゃん、わたし、わたしもう……」ウルッ


いまミラクル、迷わずミラクル、愛して咲かせて、満開♪


ちなつ「いいですよ、京子先輩、いいんです、全部私にぶつけてください……」ギュ


君と毎日、会えるこの奇跡、大好き思いきり伝えるよ♪


京子「ちなつちゃんっ……」ギュッ

ツンツン、デレデレ、鼻血がドバドバ♪

妄想モードに突入よ♪

ムラムラ、ホラホラ、脱いだらすごいの♪

お色気勝負はだめですよ♪

失敗ばっかり、ガッカリ、しょんぼり♪

めげずにせ のでいきますよ♪

つっこみ、追い込み、剃り込み、盛り込み♪

主役はやっぱり私ですっ♪


京子「ちなつちゃんっ……ちなつちゃんっ……」

ちなつ「あっ……京子先輩っ、上手ですっ、すごいですっ……んっ……」

京子「ふにゃあ……」グッタリ

ちなつ「はぁ……はぁ……」グッタリ

京子「……ごめん、ちなつちゃん」

ちなつ「い、いいですって……私は、その、京子先輩を励ましに来たようなもんですし……」

ちなつ「これで京子先輩が元気になってくれるなら……」

京子「……ありがと」チュ

ちなつ「んっ……」


ひとりじゃやっぱりつまんない、みんなで集まれレッツゴー♪

京子「……」ピッ

京子「はーい、もしもし、京子ちゃんですよ~」

ちなつ「……ぷっ」

『……京子』

京子「なんでちゅか、結衣ちゃん」

『……ふざけないで』

京子「ごめんごめん、それで、何の用かなお姫様」

『ちなつちゃん、そこにいるんでしょ』

京子「いないよ?」

『嘘』

京子「いないって」

『嘘だよ、だって、ちなつちゃんの声、聞こえてきてたもん、気持ち良さそうな声、聞こえてきてたもん』

京子「んー……」

『京子、正直に言って、ちなつちゃんと、そこでえっちな事したの?』

『私とやったみたいに、えっちな事をちなつちゃんにしてあげたの?』

京子「……してないよ、って言うか、ちなつちゃんはここにはいないから」

『そんな嘘を……!』

京子「嘘だというなら、確かめに来ればいいじゃん」

『……!』

京子「たったこれだけの距離なんだから、結衣がその気になれば這ってでも確かめに来れるでしょ」

『……』

京子「それくらいの事もしないで私の事をうそつき呼ばわりするなら……もう、私は知らない」

『きょうこ……?』

京子「私を信じてくれないなら、結衣の事はもう知らない」

『……京子、私前に言ったよね』

『私から逃げようとしたら、自殺するって』

京子「逃げようとしてるのは、結衣だよ」

『……何を』

京子「だって、私はちゃんと結衣の質問に答えてるもん、その答えを信じられずに駄々こねてるのは、結衣でしょ」

『だって、だってそれは……』

京子「部屋から出て来て確かめる気がないなら、私の言う事は全部信じて」

『……』

京子「それで納得できないなら、自殺でも何でもして」

『……』

京子「……」

ちなつ「……」ソワソワ


『……きょ、京子』

京子「なあに、結衣」

『今日の晩御飯は、お肉がいい』

京子「……うん、じゃあ、ちょっと奮発して焼き肉にしようか」

『や、やったっ……』




結局のところ、結衣に自殺する勇気なんて無かったのだ




~数日後~

~結衣宅~


綾乃「ほ、ほんとにお邪魔しても大丈夫なの、歳納京子」ボソボソ

京子「うん、大丈夫だよ」


「きょうこおぉ、帰ったの?」


綾乃「……!」ビクッ

京子「うん、ただいま~」

綾乃「と、歳納京子、わ、わたしやっぱり……」

京子「えー、帰っちゃやだ、綾乃……」クイッ

綾乃「け、けどっ……」


「きょうこおぉ、誰か居るの?」

京子「誰も居ないよ、私だけ」

綾乃「歳納京子?」


「ほんと?綾乃の声が聞こえた気がするんだけど」


京子「あはは、綾乃なんていないよ」

綾乃「ちょ、ちょ、ちょ、ちょ……」

京子「綾乃、しーっ」

綾乃「け、けど……」

京子「綾乃、私を元気づけたいって言ってくれたよね?」

綾乃「え、ええ、言ったけど……」

京子「どれくらい、私の事を元気づけてくれるの?」

綾乃「そ、それは、その……いっぱいよっ///」プイッ

京子「んー、綾乃は相変わらず可愛いなあ……」

綾乃「な、なにいってんのよっ///」


いつもミラクル、信じてミラクル、心は晴れ晴れ満開♪

綾乃「と、歳納京子、電話が……」

京子「気にしなくていいよ、綾乃は、私の声だけ聞いてくれてればいいの……」スッ

綾乃「あ……」

京子「綾乃、何時も髪綺麗だよね……」サラサラ

綾乃「あ、あ、あ、ありがと……///」


今日も明日も、ごゆるりゆるゆり、いつでもマイペースでいきましょう♪

京子「それで、さっきの返事を、聞かせてほしいな……」スーッ

綾乃「へ、返事って……///」

京子「どこまで、してくれるのかなって……」スーッ

綾乃「ど、どこまで……///」

綾乃(歳納京子、顔が近いわ……///)

京子「いやなら……言ってね……」スーッ

綾乃「としのう……きょうこ……」


チュッ


いまミラクル、迷わずミラクル、愛して咲かせて、満開♪

京子「ふふ、綾乃の唇、美味しかったよ」クスッ

綾乃「あ……」

京子「ん?もう一回したいの?」

綾乃「そ、そんなわけっ……船見さんも、この家に居るのに……」

京子「結衣の事は気にしなくていいよ……だから、ね?」ギュ

綾乃「としのうきょうこ……」

京子「わたしに、いっぱい、元気をちょうだい……」ンーー


チュー


君と毎日、会えるこの奇跡、大好き思いきり伝えるよ♪

いつもミラクル.……妄想中♪


朝からギリギリ、朝飯モリモリ、髪型なんて気にしない♪

棚ぼた、ぼたもち、餅つき、餅つけ、食いしん坊でいきますよ♪

いきなりむちゃぶり、ちゃっかりねたふり、うけないくらいじゃくじけない♪

ちょっぴり強がり、なんでもアリアリっ♪

根拠はないけど大丈夫♪

寂しい時はすぐ 会いにいくから、隠し事はなしだよ♪

ひとりじゃやっぱりつまんない みんなでいこうよレッツゴー♪

いつもミラクル、信じてミラクル、心は晴れ晴れ満開♪

今日も明日も、ごゆるりゆるゆり、いつでもマイペースでいきましょう♪

いまミラクル、迷わずミラクル、愛して咲かせて、満開♪

君と毎日、会えるこの奇跡、大好き思いきり伝えるよ♪



ツンツン、デレデレ、鼻血がドバドバ♪

妄想モードに突入よ♪

ムラムラ、ホラホラ、脱いだらすごいの♪

お色気勝負はだめですよ♪

失敗ばっかり、ガッカリ、しょんぼり♪

めげずにせ のでいきますよ♪

つっこみ、追い込み、剃り込み、盛り込み♪

主役はやっぱり私ですっ♪

足りないことばかりいつでも妄想、止められないくらいに♪

一に妄想、二に妄想、三四はなくて五に妄想♪

そうよ、ミラクル、くじけずミラクル、恋して夢みて全開♪

ずっとずっとね、まったりゆるゆり♪

一緒にマイペースでいきましょう♪

ほらミラクル、キタコレ、ミラクル、愛してばっちり、満開♪

君にドキドキ、この胸溢れる、想いを伝えてもいいですか♪

さみしい時はすぐ、会いに来てよね、隠し事できないよ♪

ひとりじゃやっぱりつまんない、みんなで集まれレッツゴー♪

いつもミラクル、感じるミラクル、ほんとに大事な存在♪

今日も明日も、ごゆるりゆるゆり♪

一緒にマイペースでいきましょう♪

いまミラクル、迷わずミラクル、愛して咲かせて、満開♪

君と毎日、会えるこの奇跡、大好き思いきり伝えるよ♪


京子「……ぷはっ///」

綾乃「……ぷはっ///」




結衣「ぷはっじゃ、ねええぇぇぇ……」ハァハァ



綾乃「ふ、船見さん!?」

京子「結衣、這ってきたの?」

結衣「や、やっぱり綾乃いるじゃないかっ……!」

京子「うん、居るよ、ごめん、嘘ついてた」

結衣「……っ!」ギリッ

京子「ほんっと、ごめん」ペコッ

結衣「……学校とかでも、そういう事、してるんでしょ」

京子「うんん、してないよ」

結衣「うそっ!」

京子「してないって、ね?綾乃」

綾乃「あ、え、ええ、あの……して、ないわ///」




結衣「完全にしてる顔だろぉぉぉ!!」



京子「いや、ほんとだよ、結衣、してないしてない」

結衣「……もう、いい」

京子「え?」

結衣「……もう、京子の言う事は信じないから」

綾乃「船見さん……?」

京子「私を信じないなら、どうする?また自殺でもしまちゅか?」

結衣「……」ブチッ

結衣「誰が自殺なんてするか!」

京子「自殺もしない、私も信じない……それじゃあ、どうするの?」

京子「私が居ないとなーんにも出来ない、トイレも出来ないんだ~って叫んでた結衣ちゃんはどうするのかなぁ?」

結衣「……京子なんかの世話にならなくても、自分の事は自分で出来る!」プルプル

結衣「京子が嘘つきだって事も、自分で学校行って確かめる!」プルプル

京子「這ってここまで来るのだけでもハァハァ言ってる結衣が、そんな事出来る訳ないじゃん」

結衣「……」ピキピキ

綾乃「と、歳納京子、あの……」

京子「あー、綾乃は気にしなくていいよ、もうすぐ結衣は自分の部屋に戻るだろうから、そうしたら続きを……」

結衣「……」スーッ

綾乃「あ……」

京子「……ん?」




結衣「いいからこっから出ていけこのレズビッチがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」ブンッ



京子「い、いたっ……結衣、今、お茶わん頭に当たったよ!?」

結衣「煩い!さっさと出てけ!この嘘つき!裏切り者!」ブンブンッ

綾乃「ふ、船見さん、落ち着いてっ……!」

結衣「綾乃も!出てって!」

綾乃「と、歳納京子、取りあえず出ましょう?」

京子「やーい、結衣の癇癪持ち!えろがっぱ!さんざんえっちな事してあげたのに、私の指さばきを忘れられるのかなあ?」

綾乃「ちょ、挑発しないでっ!」

結衣「このっ……このっ……!」ブンブンッ

綾乃「ふ、船見さんも、色んなもの投げつけないでっ!」

結衣「はぁ……はぁ……やっと、出てった……あのビッチが……」

結衣「というか……めちゃくちゃ疲れた……こんなに動くの、久しぶりだ……」ハァハァ

結衣「……めちゃくちゃ、鈍ってるな、私の身体……」ハァハァ

結衣「……」

結衣「……携帯は、私の部屋か」ハァー

結衣「……」ズルズル

結衣「……くっ」ズルズル

結衣「……はぁ……はぁ……」ピッピッ


トゥルルルー


カチャッ


結衣「……あ、お母さん?」

結衣「……そんなびっくりしないでよ、うん、まあ、何とか生きてる」

結衣「……あのね、前に、リハビリの話してたでしょ」

結衣「あれ……受けてみようかなって」

綾乃「と、歳納京子、船見さん1人で大丈夫なの!?」

京子「うん、世話してて判ったけど、肉体的には大丈夫だよ、両足が動かないだけだし」

京子「あとは、まあ、心の問題だけど……」

京子「ダイジョーブなんじゃない?自分から部屋出てきてあんだけ騒げるんなら」

綾乃「……歳納京子、貴女もしかして、わざと……」

京子「まあ、これで結衣から電話がかかってくることはもう無いだろうし……綾乃やちなつちゃんと存分にちゅっちゅ出来る訳ですっ!」キシシ

綾乃「……はぁ」

京子「ん、どったの、綾乃」

綾乃「……頭から、血、出てるわよ」

京子「え、え、マジで?」

綾乃「マジで」

京子「ゆ、結衣めぇ……あんだけ思いっきりお茶わんぶつけるから……!」ウルッ

京子「あ、綾乃、傷見て、傷っ」グイッ

綾乃「んー、ちょっと切れてるけど、そんなに深くは無いわ」

綾乃「ハンカチ当てといてあげるから、手で押さえておいて?」

京子「ん、ありがと、あや……」


チュー


綾乃「……ぷはっ」

京子「あ、あ、あやの……///」

綾乃「さっき、言ってくれたわよね?船見さんが居ない所で、続きをやろうって」

京子「あ、けど、その、ここはお外だし……///」

綾乃「だーめ……」ギュ

京子「え、あ、ちょ……」


チュッチュッチュー

その日以降、結衣の部屋に行くことは無かった

それからの私は、あかりやちなつちゃんや綾乃や千鶴やひまっちゃんや櫻子ちゃんやりせちゃんといっぱい遊んで過ごした

今まで溜まっていた鬱憤を晴らすかの勢いで遊びまくった

めちゃくちゃ楽しかったし、一部の子とは気持ちいい事もした



そして半年後……

京子「さーて、今日は誰とデートしようかなあ♪」

京子「昨日はちなつちゃん、可愛かったなあ……」ウフフフ


キュルキュルキュル


京子「今日はツンデレ繋がりで千鶴とあそぼっかな!」


キュルキュルキュル


京子「そうと決まれば、携帯で連絡を……」




いつもミラクル、信じてミラクル、心は晴れ晴れ満開♪



京子「……」


今日も明日も、ごゆるりゆるゆり、いつでもマイペースでいきましょう♪


京子「やーっとリハビリ終ったの?えろがっぱ」


いまミラクル、迷わずミラクル、愛して咲かせて、満開♪


「うん、今日終わったから、その足で学校に来たんだよ、レズビッチ、まあ、車椅子だけど」


君と毎日、会えるこの奇跡、大好き思いきり伝えるよ♪


京子「じゃあ、まあ、今のうちに謝っとくね」




京子「半年前、学校では綾乃達とえっちな事してないって言ったけど……あれ嘘、めんご」



謝りながら振り向いた私の前には

1年前の結衣がいた

車椅子には乗ってるけど

可愛くて綺麗で、私が尊敬していた

結衣がいた

結衣「うん……知ってたよ」

京子「許してくれまちゅか?」カクン

結衣「……もう、しょうがないなあ、京子は……」ハァ

京子「あ、許してくれるんだ?」

結衣「まあ、私もさんざん迷惑かけたしね……」

京子「だよねえ、私にさんざんえっちな事させたしね、えろがっぱ」

結衣「私が教えてあげた指使いで、色んな子を誑しまくってるんでしょ、レズビッチ」


グヌヌヌ

結衣「……ま、取りあえず今日の所は見逃してあげるよ」

京子「今日の所は?」

結衣「うん、明日から、私のこの学校に復帰するから」

京子「……へえ」

結衣「1年留年だから、あかり達と同じ学年になるかな」

京子「……!」

結衣「だから、まあ……ちなつちゃん達と仲良くさせてもらうよ」

京子「ち、ちなつちゃんは私んだからね?取っちゃ駄目だよ?」

結衣「さあ……どうなるのかなあ」クスクス

そう言って、悪戯っぽく笑う結衣は、凄く魅力的だった

こんな笑顔を向けられたら、私に傾倒してるちなつちゃんも、コロっと行ってしまうかもしれない

そんな危機感を覚えながらも

私は、少しわくわくしていた


私と結衣が、以前の「幼馴染の関係」に戻るのは無理だろう

それだけの物を、私達はぶつけあった

憎しみ合い、罵倒しあった


けど

だからこそ

この先、私達は新しい関係を結ぶことが出来る

今までにない関係を結ぶことが出来る


だから、改めて、結衣に伝えよう

今の私の気持ちを

満開の気持ちを




京子「結衣、おかえり」

結衣「……ただいま、京子」




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