男「何年ぶりかな」 幼馴染「7年くらいだね」 (14)

──時々思い出すことがある

男『幼ー、もう進路は決めた?』

幼『私は実家を継ぐって決めてるから』
  『男君は?』

男『俺は東京の大学に行くよ』

幼『ふーん…』

──あの時の輝かしい日々を

男『今度さ一緒勉強しない?』

幼『良いよ』

男『俺が英語を教えて、幼が数学を教えるってのはどう?』

幼『良いけど、男君とそんなに変わらないよ数学』

男『でも得意だろ?』

幼『まあね』

男『幼ってさ…』

幼『んー…?』

男『好きなやついるの?』

幼『んー…秘密』ニコ

男『ふーん…』

幼『男君は?』

男『俺はね…』

──結局最後まで言えなかった、本当の気持ちを

男『俺さ、大学に行ってもたまに幼に会いに来るよ』

幼『…うん』

男『だからさ、どこにも行くなよ』

幼『うん』

──そして現実は非情だった

男『幼の家が…』

男母『幼ちゃんの家、経営が良くなかったみたいでね』
   『半月くらい前にはもう』

男『そう…』

男母『あんた連絡先くらい聞いてないの?』

男『あいつ携帯持ってなかったから…』

男「あー…講義疲れたー!」

女「お疲れー、男」
  「ほい、これ」パス

男「お、サンキュー」

女「今日は夕飯どうするー?」

男「んー…金無いから俺の家で」

女「オッケー」

男「この缶コーヒー飲んだら行くから」

女「はいよー」

男(あー…そろそろ就活やらねえとな)グビグビ
  「めんどくせー」

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