中沢「僕が欲しているのは………知識だ」 (144)

見滝原中学校

一年クラス

先生「よーし、じゃあこの物体A、B。どっちが速く転がるか」

先生「じゃあ、中沢!」

中沢「はっ、はい!」

中沢「ええっと……どっちも同じ……?」

先生「違う!まったく、二択問題だぞ?」

クスクス

中沢(………うう)

青髪の少女「いやー、まさかどっちもなんて答えがきけるなんてねー」アハハ

ピンク髪の少女「さ、さやかちゃん……きこえちゃうよ……」

中沢(くそう……僕が……僕が何も知らないばっかりに馬鹿にされる!)

中沢(こんなんじゃダメだ!僕はもっと知らないといけない)

中沢(そう、全てを知るんだ!!)

そして、中沢少年は必死になって勉強をした。

決心をしたその日から市内の図書館に篭り切り、あらゆる本を読み漁った。

最初は辛かった、こんなことして何になる。
もっと友達と遊びたい!

だが、中沢少年は諦めなかった。
友達と遊ぶよりも、誰かに馬鹿にそれることが遥かに嫌だったのだ。

一日百冊。

それが中沢少年が自分に課したルールだった。
当然最初の頃は読み切れるはずもなかった。図書館にこもれるのも限度がある。

読み切れなかった本は借りて家で読んだ。
徹夜したことだってもう数え切れないほどある。

しかし、ある日。
中沢少年は気がついた。

一日百冊読んでも図書館にいる!

そして同時に、中沢少年は知識を吸収することに喜びを感じた。

感謝の正拳つき

まだまだ、僕は全てを知らない!
もっと、もっと知識を!!

勉強だって疎かには出来ない。
読書を中心として必ず予習復習をした。


楽しい。
学ぶことがこんなに楽しかったなんて!!


中沢少年は一問問題を解くごとに、その快感に酔いしれた。


そして市内の図書館の全ての本を読み切った時、気がつけば一年が経っていた………

ネテロ 46歳 冬
己の肉体と武術に限界を感じ悩みに悩み抜いた結果
彼がたどり着いた結果(さき)は
感謝であった
自分自身を育ててくれた武道への限りなく大きな恩
自分なりに少しでも返そうと思い立ったのが
一日一万回 感謝の正拳突き!!
気を整え 拝み 祈り 構えて 突く
一連の動作を一回こなすのに当初は5~6秒
一万回突き終えるまでに初日は18時間以上を費やした
突き終えれば倒れる様に寝る
起きてはまた突くを繰り返す日々
2年が過ぎた頃 異変に気付く
一万回突き終えても 日が暮れていない
齢50を越えて 完全に羽化する
感謝の正拳突き 1時間を切る!!
かわりに 祈る時間が増えた
山を下りた時 ネテロの拳は
音を置き去りにした
弟子A(気の…せいだよな)
弟子B(一瞬…消えて)
弟子C(音が後から…) 「館長……?」
館長「か…観音様が………!!」
ネテロ「さて…看板かけて闘るかい?」
館長(看板は差し上げまする) 「是非私めを弟子にしていただきたい……!!」
怪物が誕生した
ネテロ「いいよ飯おごってくれたらな」
60年以上昔のことである

先生「それでは、転校生を紹介します!」

ほむら「暁美ほむらです。よろしくお願いします」

先生「暁美さんは心臓の病気で~~~~」

ほむら(今度こそ、まどかを……!)

___________

ほむら「保健室に、連れて行ってもらえるかしら?」

まどか「えっ……?あ、うん……」

ほむら「鹿目まどか。あなたは自分の人生が尊いと思う?家族や友達を大切にしてる?」

まどか「え、えっと、わ、わたしは、大切、だよ。家族も、友達のみんなも、大好きで、とっても大事な人達だよ」

_____________
保健室

ほむら(まどかとの接触に成功……あとは)

「あの害虫を駆除するだけ、かい?暁美ほむらさん」

ほむら「っ!?」バッ!

「ああ、すまない。驚かせるつもりはなかったんだ」

「自己紹介は必要かな?」

ほむら「……ええ、お願いできるかしら」

「ふぅん。まぁいいだろう」

中沢「僕は中沢。この世界軸では初めましてかな?時間遡行者であり、魔法少女の暁美ほむらさん?」

ほむら(っっ!?)「…々一体、何のことかしら。時間遡行者?魔法少女?」

ほむら「アニメかなにかの見過ぎじゃないかしら、中沢くん」

中沢「おやおや、随分と警戒しているようだね。どうすれば信じてもらえるのかな」

中沢「ああ、そうだ。僕の知っている魔法少女について、話せば信じてくれるよね」

ほむら「……どうぞ。あなたの与太話、少しだけなら聞いてあげるわ」

中沢「ありがとう、暁美さん」ニコッ

中沢「魔法少女とは限られた少女にしか成ることが出来ない幻の存在。願いを一つ叶える代わりに魔女と戦う運命を背負う者」

中沢「願いを叶える存在の名はインキュベーター……キュウべぇと名乗っているらしいけどね」

ほむら「………続けて」

中沢「魔法少女の象徴でもあるソウルジェムは魔力を使うごとに黒く濁ってしまう。その穢れを祓うのが魔女の落とすグリーフシードだ」

中沢「そして、ここからが魔法少女の本当の話」


中沢「魔法少女のソウルジェムが真っ黒になってしまうと、驚くべきことに魔女になってしまうんだ」

中沢「魔法少女が魔女に変わる際のエネルギーを回収し、宇宙の寿命をのばす……これが奴らインキュベーターの魔法少女システムの全容だ」

中沢「………何か質問はあるかい?」

ほむら「………………中沢、あなたは一体……?」

中沢「なぁに、僕はただの一般人さ」



中沢「ちょっと他の人よりも物知りなだけのね」

放課後

ほむら「その様子だと、私の事も知っているのね?」

中沢「鹿目まどかとの出会いをやり直したい、かな。ところで君はもう眼鏡をしないのかい?三つ編みも」

ほむら「………そこまで知っていると不気味を通り越していっそ、頼り甲斐があるわ」

中沢「それはどうも。今回の話し合いは今後のインキュベーター対策とワルプルギスの夜のことだね?」

ほむら「まだ話してないはずなのだけれど……全て知っているのよね、あなたは」

中沢「そんなことはどうでもいい、インキュベーターが鹿目さんと接触をするのはいつも君が転校して来た時だ」

中沢「場所はCDショップの立ち入り禁止区域。そこで巴マミとも接触する」

ほむら「ええ、いままではね。今回はどうなるか……」

中沢「大丈夫、僕には解る。今回も何も変わらない」

中沢「変わるのは、変われるのは君だけさ。暁美さん」

ほむら(中沢くんが言うには今回は魔力の出し惜しみをするな、ということを言われた)

_____________

中沢「あいつは君に傷つけられたことを利用して鹿目さんと接触をした」

中沢「君はグリーフシードを大量に持っている。なら時間停止をしてインキュベーターを生け捕りにするんだ」

ほむら「でもそのあとそこには魔女の結界が発生するわ。そのあとマミも」

中沢「暁美さん、君は少し鹿目さんに目が行き過ぎている。自分の手持ちに何が利用できるかを考えるんだ」

中沢「例えば上条恭介を手持ちに持っていたら美樹さやかとの交渉が楽になるように、佐倉杏子ならお菓子を持って行くように」

中沢「その時、君は何を持っている………?」

_____________

ほむら(いたっ!)カチッ

キュウべぇ「」

ほむら「時間を止めれば生け捕りにするのは容易い」

ほむら「そして恐らくこいつはまどかにテレパシーを送ってしまっている」カチッ

キュウべぇ「っ?君は……魔法少女かい?」

キュウべぇ「おかしいね。僕は君を知らないよ」

ほむら「そう。それでも私はあなたを知っている。あなたを鹿目まどかには近づけない」

中沢『暁美さん。イン……キュウべぇを捕まえたようだね。上出来だ』

中沢『あと一分くらいで魔女の結界が発生するよ。あと、鹿目さんも現れる』

ほむら「そう、わかったわ。引き続き連絡頼むわね」

中沢『言われなくてもわかってるよ』

魔女の結界

さやか「あれ……ここ、どこ……?」

まどか「さ、さやかちゃぁん……」

まどか(結局あの声がなんだかわからなかったし……今度中沢くんに聞いてみよう……)

さやか「くっそ~~こんな時中沢がいたらすぐ教えてくれるのに~~」

中沢「僕を呼んだかい、美樹さん」

まどさや「うわぁっ!!」

さやか「い、いきなり現れないでよ!びっくりしたじゃんか!」

中沢「ははは、ごめんごめん。この場所についてわからないんだって?」

まどか「う、うん。それと……」

中沢「君の聞こえた声の正体だね。大丈夫どちらもすぐにわかるよ」

ほむら「まどか!と美樹さやか」シュタッ

まどか「ほ、ほむらちゃん!?」

さやか「おーい、あたしはついでかよ転校生~」

中沢「暁美さん話している場合じゃないよ。使い魔がやってくる」


使い魔「jpj(jydl_ralmvamdm」ワラワラワラワ

まどさや「ひいっ!」

ほむら「下がってなさい三人とも!」ガチャッ!



バラララララララララララ

中沢「FNミニミか。ストックの形状からして米軍のU.S. M249SAWかな?」

さやか「なにいってんのあんた」

まどか「あっ、変なのがいなくなってる………」

ほむら(キュウべぇとまどかの接触は避けられない。そう彼は言ったわね)

ほむら(ならば先に合わせて対策を練ろうと)

中沢<暁美さん。そろそろ巴さんがやってくる>

ほむら<あなた、テレパシーもできるの!?>

中沢<やり方くらいは知ってるよ。やるのは初めてだけどね>

中沢<巴さんがやってきたら最初はこうだ『魔女を追っていたらキュウべぇが襲われていた。一般人がいたが止むを得ず変身した』ってね>

中沢<特に一般人ということを強調するんだ。巴さんには市民を守る魔法少女のイメージをつけておいた方があとあと楽だしね>

ほむら<………わかったわ>


バラララララララ

コツコツコツ

マミ「………あら、私だけかと思ったら」

ほむら「巴マミ!」

マミ「あら?私あなたとあったことがあったかしら………」

マミ「まあ、それはあとあとお話しましょうか!」パアアアアアア

さやか「す、凄い…………!」

まどか「変身した………」

中沢(さあ、ここからが本番だよ。暁美ほむら!)

キュウべぇ「…………」←ほむらにまだ掴まれてる

マミほーむ
さやか「わあ、素敵な部屋!」

マミ「一人暮らしだから気にしないでゆっくりして行ってね」

マミ「それと、暁美さん……だったかしら?ありがとねキュウべぇを助けてくれて」

ほむら「……礼には及ばないわ。当然のことをしただけよ」

マミ「それに、鹿目さんたちも守ってくれてて……」

マミ「私、なんだかあなたとは仲良くなれそうな気がするの」ニコッ

ほむら「ええ、こちらこそ……」

まどか「でも中沢くんよかったのかなぁ……ついてこなくて……」

マミ「女の子だらけじゃ僕は邪魔だろうから、って中々紳士的じゃない?あの子」

さやか「はぁー、そういうもんですかねぇ」

中沢(本当は僕も行きたかったんだけど、まあ仕方が無い)

中沢(さて、暁美さんが携帯を通話状態にしてるから会話は問題ない)

中沢(僕は今のうちに………)

「ん?誰だよあんた。見ない顔だな」

中沢「それでも僕は君を知っているよ。初めまして、佐倉杏子さん」

杏子「何モンだ、あんた。返答次第じゃ………」

中沢「落ち着いてくれ佐倉さん。別に戦いに来たわけじゃない」

杏子「あ?じゃあなんだってんだよ」

中沢「話し合いだよ。いずれくる超弩級の魔女「ワルプルギスの夜」についてのね」

杏子「………へぇ、男のあんたがなんで知ってるのかは聞かないけどさ、一つだけ聞かせてくれよ」

中沢「なんだい?」

杏子「……あんた、食いもん持ってる?」グゥゥゥ

中沢「………そう言うと思ってたよ」つリンゴ

杏子「わかってんじゃん。あんた」ニイッ

マミほーむ

マミ「………これが魔法少女についての説明よ」

さやか「はー、なんかすごいですね~」

まどか「もう、さやかちゃんったら」

ほむら(……やはりマミが持ってる情報はこの程度。どうする?本当のことを言うべきか………)

中沢<暁美さん、今からそっちに着くよ。巴さんにそのことを伝えておいてくれ>

中沢<懐かしい顔もいる、ともね>

ほむら<……わかったわ>「……あら?中沢くんからメールが。『今からそっちに行くよ。巴さんの知り合いを連れてね』ですって」

マミ「私の知り合い?誰かしら………」

まどか(マミさんの知り合い……どんな人なんだろ)

ピンポーン

マミ「あら、中沢くんかしら。ちょっと見てくるわね」


ダカラアタシハイヤダッテマアマアリンゴダイダトオモッテチクショウ………

マミ「中沢くん、いらっしゃい………って、あら?」

杏子「げっ、マミ……」

中沢「さて、その様子だと魔法少女についての説明は終わってるみたいですね」

マミ「ええ……それより、なんで佐倉さんがここに?」

杏子「別に……こいつに連れられてきただけだ。で、何をすんだよ」

中沢「それじゃあ暁美さん。いいかい?」

ほむら「!まさか、あなた………」

中沢「そう、話すんだ全てをね」

マミ「そ、そんな…………」

杏子「今の話全部本当なんだな、キュウべぇ」

キュウべぇ「そうだね。特に訂正するところはないよ」

キュウべぇ「むしろ僕としてはなんでこの二人がそんなことを知ってるかなんだけど………」

ほむら「そんなことは今、どうでももいいことね」ファサッ

さやか「中沢も、なんでそんなこと知ってんのよ………」

中沢「読書をして知識の吸収をすればいいだけさ」

マミ「…………」

まどか「ま、マミさん……」

マミ「…………いずれ、みんな魔女になっちゃうなら……」

杏子「お、おい!マミ!!」

マミ「みんな死ぬしか無いじゃない!!」

ガチャ!

中沢「暁美さん!!」

ほむら「ええ……ッ!」カチッ


ほむら「…………やっぱりマミに話すのは早すぎた……」

中沢「いや、そうでもないよ。全てシナリオどおりだ」

ほむら「っ!?あなたどうやって」

中沢「こんなこともあろうかと君の脚にリボンをつけておいたのさ」

ほむら「本当に抜け目がないわね」

ほむら「それより、シナリオどおりってどういうこと?」

中沢「すぐにわかるさ。さあ、巴さんを抑え込もう」つ紐

マミ「っは!」

さやか「ま、マミさんが!」

杏子「ボンレスハムみたいにぐるぐる巻になってやがる!」

マミ「誰がボンレスハムよ!それより、暁美さん?」

ほむら「話は最後まで聞いて頂戴。巴マミ」

中沢「さて、これからは僕の考えを聞いてもらおうか」

杏子「……そのために私らを集めたのか?」

中沢「そうだよ。君たちを魔法少女システムから解放する。その作戦を教えよう」

一同「っ!?」

キュウべぇ「へぇ、なかなか興味深いね。一体どうするんだい?」

中沢「簡単なことだよ。魔法少女のことなら魔法少女を使えばいい」

キュウべぇ「つまり鹿目まどかに契約してもらうのかい?確かにまどかの素質ならそんなことは造作もないだろう」

キュウべぇ「でもそんなことをしてまどかがただで済むと思っているのかい?」

中沢「話は最後まできくものだよ、キュウべぇ。いや、インキュベーター」

中沢「仮に鹿目さんにそんなことで契約したら恐らく人ではなくなるだろうね。そうだな、魔法少女という奇跡の産物の救済……まあ、ほぼ確実に概念体になってしまう」

中沢「希望とか救済とか理のような、ね」

杏子「もったいぶらずに教えろよ、中沢」

中沢「ああ、そうだね」

中沢「今回のこの件についての鍵は暁美さん。君だよ」

ほむら「えっ!?」

さやか「ちょ、ちょっとまってよ!」

さやか「もうほむらは願いを叶えちゃってるんでしょ!?まどかとの出会いをやり直すって」

マミ「そうよ中沢くん。一体どういうこと?」

中沢「そこなんだよ問題は」

中沢「暁美さんの願いは『鹿目まどかとの出会いをやり直す』ことだ。それじゃあおかしいんだよ契約が」

中沢「やり直すから時間遡行能力、そこまではわかるさ。問題はその後だ」



中沢「ならば何故、暁美ほむらはまどかとの出会いをやり直されていないんだ?」

すまん。用事が入った。

できるなら保守してくれ。

一~二時間くらいかかるかも。
落ちたらまあ、仕方が無い。

すまん、ただいま。

ちょっち飯喰らうからもうちょい待ってて

再開

キュウべぇ「?何を言っているんだい?時間を巻き戻しほむらは見事、まどかとの出会いを果たしているじゃないか」

中沢「だから違うんだって。暁美さんの願いは正確には『まどかとの出会いをやり直したい。守られんじゃなくて守れる自分になりたい』なんだよ」

中沢「この願いが叶えられているならば既に鹿目さんは暁美さんに守られている、つまり時間遡行は一回で済むはずなんだ」

一同「!!!」

中沢「なのに暁美さんは何度も時間遡行を繰り返している………これは重大な契約違反なんじゃないかな?インキュベーター」

キュウべぇ「………成る程、確かにそれは契約違反と言える」

キュウべぇ「それじゃあ僕は一体どうすればいいんだい?ほむらを元の人間に戻すかい?他の魔法少女を置き去りにして?」

中沢「………もう一度暁美さんの願いを一つだけ叶えるんだ、インキュベーター」

杏子「もう一度」

マミ「暁美さんの」

まどか「願いを…」

さやか「叶えるぅ?」

キュウべぇ「僕は別にそれでも構わないよ暁美ほむら。これは紛れもなく僕たちの失態だ。寧ろこれだけで済むなら安いものさ」

ほむら<どういうこと、中沢くん!>

中沢<僕はただ君への選択肢を無限に増やしただけだよ暁美さん>

中沢<このままだったら「インキュベーターの都合のいい希望」を選ばされるところだった。本当に抜け目ないやつだよ、即座に魔法少女から人間に戻れるという提案をしてくるなんて>

中沢<さっき魔法少女は人間ではないという説明をしたばかりなのにそんなことを言うなんてね。魔法少女から人間に戻したところでインキュベーター側にとっては痛くも痒くもないが普通なら飛びつくような美味しい提案だ>

中沢<でも暁美さん。君の願いはそんなことじゃないだろう?>

ほむら<……ええ、ありがとう中沢くん。私ならここまでキュウべぇと対等に交渉なんてできなかった……>

中沢<お礼は全て終わってからさ、暁美さん>

ほむら(でも、何故彼は願いを叶えるようにしたの……?今ならキュウべぇに全ての魔法少女を人間に戻す、ということを聞かせることも出来たのに)

ほむら(キュウべぇが失態を認めている以上こちらにデメリットがあるような叶え方はしないはず。………はっ!)


ほむら「………キュウべぇ。別に願いを叶えるのは今じゃなくてもいいわよね?」

キュウべぇ「ああ、まあ出来るだけ早くして欲しいのが本音だけどね。僕たちの失態を晒し続けるわけにもいかないからね」

ほむら「……そう」

中沢「気付いたみたいだね、暁美さん」

ほむら「ええ、今までにないことが起こりすぎてすっかり忘れていたわ。目の前の出来事にね」

さやか「目の前の出来事?なんのことだよ転校生」

ほむら「ええ、心して聞いて頂戴。特に佐倉杏子と巴マミはね」

杏子「は?なんだよ」

マミ「どうしたの暁美さん」

ほむら「………一週間後、この街にワルプルギスの夜がやってくるわ」

マミ杏「!!!」

マミ「それは、本当なのね?暁美さん」

ほむら「ええ、あの魔女のせいでまどかは何度も契約してしまった」

杏子「ワルプルギスの夜ときいちゃあ、黙ってはおけねぇな」

さやか「ちょ、ちょっと。話勝手に進めないでよ!なにさ、ワルプルギスの夜って!」

ほむら「やがてこの街にやってくる超弩級の大型魔女よ。そこらの魔女じゃ足元にも及ばないでしょうね」

まどか「そんなのにほむらちゃん達が戦うのに私たちは見てるだけって……いいのかな」

ほむら「まどか、美樹さん。あなた達が望むなら魔法少女になりなさい」

まどさやマミ杏「…………えっ?」

ほむら「ワルプルギスの夜まで一週間ある。その間巴マミか佐倉杏子に指南してもらいなさい」

さやか「ちょちょちょ!あんたはまどかを魔法少女にさせないようにしてきたんでしょ!?なんでそんなことを!」

キュウべぇ「………成る程ね暁美ほむら。いや、これを考えついたのは中沢かな?」

中沢「ん?なんだいインキュベーター。まるで罠にはまった様な顔をしているよ?」

マミ「………あっ!」

杏子「そういうことね。かぁーっ!性格わっるいねぇ!」

まどか「すごいね、中沢くん……」ティヒヒ

さやか「え?え?」

ほむら「理解できてないのはあなただけのようね、美樹さやか」

ほむら「………あなたはどこまで愚かなの?」ファサッ

さやか「きぃぃぃ!悔しい~~!」

ほむら(その後美樹さやかは幼なじみの上条恭介の手を治すことで魔法少女となった)

ほむら(まどかはまだ願い事が決まらないから、とまだ魔法少女にはなってない。別にならないらことに越したことはないのだからそこは別にいい)

ほむら(中沢くんはやることがあるからとしばらく顔を見ていない)

ほむら(そして今は……)

お菓子の魔女「jupmmv@tmpg!!!!!」

さやか「マミさーん!どうでしたかー!」

マミ「そうねぇ、まあ及第点ってところかしら」

杏子「まだまだ隙が多いぞさやか!接近型なんだからもうちょっと小回りをだなぁ………」

ほむら「………ものすごい順調ね……」

ほむら(マミも死なない、美樹さやかもだいぶ力をつけてきた……このまま、ワルプルギスの夜まで行くことは今までになかった!)

ほむら(今回は……勝てる!)

一週間後________
ほむら「そろそろね」

さやか「ううーーー、緊張してきたぁ……」

マミ「大丈夫よ美樹さん。いままでやってきたことは無駄じゃないわ」

杏子「危なくなったら後ろに下がってなよ?」ニヤニヤ

さやか「べーっだ!あんたこそ!」フンス

ほむら(それにしても、中沢くん……あれから一切の連絡がないわ。まさかインキュベーターに……?)

中沢「安心しなよ暁美さん。インキュベーターは僕に手を出すことは出来ないさ」

ほむマミ杏さや「きゃあああっ!!!」

ほむら「驚かせないで!」

中沢「あはは、ごめんごめん。ちょっとみんなを連れてくるのに時間がかかっちゃってね」

杏子「みんな?誰だよ」

中沢「全魔法少女の為に戦ってくれてる四人の魔法少女のことを話したらきてくれた娘たちだよ。居場所と電話番号は全員知ってたから説得だけだけどね」

中沢「それじゃあ、みなさん。ワルプルギスの夜をやっつけましょう!!」

魔法少女「「「はいっ!!」」」×100

ほむマミ杏さや「」

マミ「えええええっ!?!?」

杏子「ちょっ、何人いるんだよ!!」

さやか「中沢、あんた本当に何者!?」

ほむら「……驚いたわね」

中沢「まあ、日本のそれも見滝原市に一人で来れる子達だけをピックアップしたけど……実力は折り紙付きだよ」

中沢「中にはマミレベルのベテランもいるから、友達になれるんじゃないかな?」

マミ「えっ!」キュンッ!

魔法少女A「それじゃあ暁美さん!!」

魔法少女B「そろそろ来ると思いますから、カウントダウンよろしくお願いします!」

ほむら「え、ええわかったわ」

5________

4________

ほむら「それじゃあ、いくわよ!」ガチャッ

全員「うおおおおおお!」ジャキンッガチャッスチャッ

1________

ワルプルギスの夜「キャハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!」

ほむら「攻撃ーーー!」ダッ!

全員「てやああああああああ!!!」ダダダダダダダッッッッ!!




ワルプルギスの夜「!?!?」

三十分後

ワルプルギスの夜「キャ…………ハ……ハ………」シュウウウウ

ほむら「か、勝った………」

さやか「な、なんか呆気なかったね……」

杏子「そりゃこの人数で攻撃したらこうなるよなぁ……」

ほむら「ところで巴マミは?」

杏子「ああ、マミならあそこで」クイッ

魔法少女J「マミさん!あのティロ・フィナーレ!かっこよかったです!」

マミ「そ、そう?ありがとう////」ティロティロ

魔法少女I「今度一緒にお茶しませんか?マミさんの話もっとききたいですし」

マミ「ええ、よろしくね?」

さやか「っはー、モテモテだねぇ」

中沢「……さあ、暁美さん。そろそろインキュベーターを呼び出そうか」

ほむら「ええ、そうね」

キュウべぇ「まったく、規格外だよ。まさかあのワルプルギスの夜を三十分程度で倒してしまうなんて」

ほむら「ええ、あなたにとって悪夢以外のなにものでもないでしょうね」

キュウべぇ「本当だよ。さて、暁美ほむら。契約違反による特別措置だ。君は一体何を願うんだい?」

ほむら「そうねぇ、なにがいいかしら(棒」

中沢「君が選ぶことだよ僕が口出しすることじゃない(棒」

キュウべぇ「まったく……白々しいね、君たちは」



そしてこの日、全ての魔法少女は人間へと還元された………

その後________

まどか「ほむらちゃん、放課後クレープ食べに行かない?美味しいお店知ってるんだ!」

ほむら「ええ、ぜひ一緒にさせてもらうわ。それと、美k……さやかは?」

まどか「上条君のリハビリに付き合うんだって。アツアツだよねあの二人」ティヒヒッ

ほむら「ええ……そうね」

杏子「おおっと、うまそうな話をしてるじゃねぇか。あたしも連れててってくれよ!」

まどか「杏子ちゃん!うん、一緒に行こう!」

ほむら「杏子。マミはどうしたの?」

杏子「んー?あいつは今日は別の奴とお茶しに行くんだってよ。友達できて毎日楽しいんだってさ」ケッ

まどか「あはは、杏子ちゃん拗ねてる~」

杏子「ばっ!拗ねてなんかねぇよ!この~!!」

ほむら「ほらほら二人とも落ち着きなさい」

中沢(あの後、彼女たちは元の普通の女の子に戻った)カタカタ

中沢(何度も何度も同じ時間を繰り返してきた暁美さんにも、ようやく本当の時間が流れ出したようだ)カタカタ

中沢(そして、僕はというと……)カタカタ

キュウべぇ「中沢。前から気になっていたんだけど、どうして君には僕が見えるんだい?」

中沢「何を言っているんだインキュベーター。魔法少女の素質も持たない、そもそも女の子でもない僕が君を見ることが出来るはずないじゃないか」カタカタ

キュウべぇ「……?わけがわからないよ。現に僕らはこうやって対話している」

中沢「いいや、僕には君は見えてないよ。ただ、僕は君が何をしているか、どこにいるのか、何を話しているのか、何を考えているのかを、知っているだけだ」カタカタ

中沢「僕はそれに合わせて話を合わせているだけさ」カタカタ

キュウべぇ「……君は一体何者なんだい?中沢」

中沢「だから言ったろう?僕はただの一般人だよ。他の人よりもちょっと物知りなだけのね」カタカタッターン

中沢「よし、終了」

キュウべぇ「さっきから君はそのパソコンを使って何をしているんだい?」

中沢「ん?これは君たちの母星にあるマザーブレインを破壊するウイルスさ」

キュウべぇ「!?」

中沢「それにこれはただのパソコンじゃない。僕が分解して改造を加えた超高性能コンピュータだ」

中沢「宇宙にある他惑星との交信、それもそこの住人が身近にいたから解析には半日もかからなかったよ」

中沢「これがなければ君たちは感情をエネルギーに変換できない。母星に帰ってしまったら魔法少女の契約が出来なくなるけど……どっちを優先する?」

キュウべぇ「……急いで帰らせてもらうよ、中沢。まさかこれが君の狙いだったなんてね」

中沢「おいおい、何を言っているんだ君は」

中沢「マザーブレインから君たちの情報は全て抜き取った。まあ、ほとんど知っている内容だったけどね。それに僕は君たちの星も、魔法少女なんかもはっきり言ってどうでもいい。正直、僕は自分の持っている知識をひけらかしたかっただけだ」

キュウべぇ「それなら、君は何を望む?君は全く興味のない物事に関わり何を得た?」

中沢「得たものは新しい知識さ。マザーブレインの中には僕の知らない情報もあった。これには僕も興味がある」

中沢「それと、だインキュベーター。僕が望むことはただ一つ。知識が欲しい」

キュウべぇ「………」


中沢「僕が欲しているのは………知識だ」

途中で用事が入ったりして保守してくれた皆さん、ありがとうございました!

中沢くんは映画でも活躍するなど、とても魅力的なキャラではないでしょうか。ほむほむが見逃せないほどに。

書き溜めなしの即興で誤字脱字、読みにくい部分もあると思いますが楽しんでくれたら幸いです!


それではまた会いましょう!




因みに今書き溜めしている作品が一つ。
ほむら「過負荷……?」
乞うご期待ください!
いつ書き終えるか知らないけどね!
よかったら見てね!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月06日 (水) 05:20:17   ID: 26Y3r5gT

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