モバP「とある寒い日のニュージェネレーション」 (39)

―――事務所


P「…………」カタカタ

P「……ん」ムズムズ


P「は……は……っ」

P「ぶえっくしょーい!」


P「うー寒い寒い……」ブルブル

P「ストーブ出そうかな……いや、灯油がないか……」

P「はぁ~……おお、室内なのに息が白い」

P「早く終わらせよ……指がうまく動かん」カタカタ…

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P「うんむむ……」カタカタ


未央「♪」ヒョコッ


未央「ぷーろでゅーさっ☆」ムギュッ

P「にょわっ!? ってなんだ未央か……いきなり抱きつくなっていつも言ってるだろ?」

未央「えへへ、ごめんごめん♪ でもでもー……すりすりすりすりーっ!」

P「ちょ、あはははくすぐったいっ、なんだよ未央っ!」

未央「ふふー、どーよどーよ? あったかい、プロデューサー?」スリスリスリー

P「た、確かにあったかいけど! 背中に当たっちゃいけない柔らかいものがっ」

未央「当ててんのよー♪ それそれそれーっ☆」

P「ああもう、やめいっ!」

未央「えっへへー、プロデューサーもポカポカっしょ?」

P「ポカポカというかドキドキしてんの!」

未央「顔赤いよー? あははっ☆」

P「ったくもう!」

がちゃ


卯月「お待たせしましたー♪ 温かい飲み物ですよー」トコトコ


未央「あ、しまむーおかえりー」

卯月「うん、ただいま未央ちゃん♪ はい、リクエストのホットココアです!」

未央「やった! ありがとー☆」

卯月「プロデューサーさんにはコーヒーですよ、どうぞ♪」

P「おお、さんきゅー卯月……ふー、あったまるなぁ」

卯月「ふふ、よかった♪」

P「ずずず……うん、甘さ控えめで美味しいよ」

卯月「プロデューサーさんの好み、ちゃんと覚えてますからねっ」

P「ありがとな、さすがは卯月だ」

卯月「えへへ、褒められちゃいました♪」

未央「おおー、しまむーってばお嫁さんレベル高いねっ」

卯月「えっ、そ、そんなお嫁さんだなんて! えへ、えへへへ」テレテレ

P「うんうん、未央なんかと比べたらずっとお嫁さんみたいだぞ」

未央「なにおー!? 聞き捨てならーんっ!」

未央「私だってやればできるわー! このこのーっ」ポコポコポコッ

P「いたっ、あいたたた! わ、悪い悪い、冗談だよ冗談!」

卯月「プロデューサーさんと未央ちゃんも、とっても仲良しですね?」クスクス

未央「ふんだ、こんなの知らないもんね!」プイッ

P「こんなのって……未央ー、許してくれよぉ」

未央「つーん!」

卯月「ふふふ♪ ……あれ?」キョロキョロ

未央「どしたのしまむー?」

卯月「そういえば、凛ちゃんは?」

P「ん? 卯月と一緒に給湯室にいたんじゃないのか?」

卯月「私はてっきり、プロデューサーさんたちと一緒にいるのかと……」

未央「うーん、変だね。このあと3人でレッスン行こうって約束してたのに」

P「凛の性格なら勝手に行くなんてしないだろうしなぁ」

未央「おーい、しぶりんやーい!」

卯月「凛ちゃーん、どこー? あったかいココア淹れたよー?」




「……ん」




P「! 今声がしたぞ」

未央「ホントっ? しぶりんいるのー?」




「…………なに?」




卯月「こっちから声が――あ!」

P「見つけたか卯月!」

未央「しまむーお手柄☆」

卯月「見てください、ソファーのところっ」




毛布「…………」コンモリ




P・未央「……えっ?」

卯月「凛ちゃん見ーっけ♪」


P・未央「えっ?」

毛布「…………」

卯月「凛ちゃん、どうしたのこんなところで?」モフッ モフッ

毛布「……ちょっと寒くて」

卯月「そっかぁ、今日は冷えるもんね。えいっ」モッフー



P「未央、なんだあれ」

未央「私に聞かないでよ……」

P「事務所中からかき集めたような毛布の山だな……あれを凛だと認識できる卯月って一体」

卯月「もう、凛ちゃん? どこ行ったのかなって心配したんだから」

毛布「うん。ごめんね、卯月」

卯月「しょうがないなぁ、許してあげます♪」

毛布「ふふ、ありがと」


未央「ええっと……しぶりん? だよね?」

毛布「その声は未央? どうしたの」

未央「いやいや……どうしたのはこっちのセリフなんですけど」

P「凛? そんなに毛布被って……そこまで寒いか?」

毛布「あ、プロデューサー。うん、これでもまだちょっと寒いかな」

P「んな馬鹿な」

未央「と、とにかく……そんな丸まってないでさ、ぐあーっと元気出そうよ!」

毛布「……無理。寒いの苦手」モゾ

未央「寒いのはみんな同じだって! ほぉらぁ!」グイグイ

毛布「ん、んー……せめてレッスンの時間まで……」

未央「もー、この子ったら! 誰に似たのかしら?」

P「なんで俺を見るんだ。父親か俺は」

未央「てへ☆」

卯月「でも凛ちゃん、体慣らさないとレッスン場まで寒いままだよ?」

毛布「う……それもそうかも」

P「とりあえず、顔だけ出してみたらどうだ?」

未央「寒さにだんだん慣らしてく感じ?」

P「そうそう。やってみな、凛」

毛布「……ん。分かった」

卯月「頑張って凛ちゃん!」

毛布「んー……」モゾモゾ

凛「ぷは」

凛「…………っ」ブルッ

毛布「無理」


未央「はやっ! 2秒くらいだったよ!?」

P「モグラかお前は!」

毛布「……ぅ~」

卯月「凛ちゃんファイト! 私もついてるから!」

P「大丈夫かなこれ……」


凛「…………っ」

毛布「はふ……休憩終わり」

凛「ふ!」

凛「…………」ブルブル

毛布「……ぬくぬく」

毛布「……よし」

凛「っ!」

毛布「…………」


卯月「…………」ウズウズ

P「卯月?」

卯月「ピコピコハンマーってありましたっけ?」キラキラ

P「卯月、落ち着こうな?」

未央「あーもーじれったーい! ……よぉし、こうなったら!」

P「なにかいい手があるのか?」

未央「しまむー、プロデューサーにハグ! むぎゅっと!」ビシッ

P「は!?」

卯月「え、こう?」ムギュ

P「ちょ、卯月も少しは躊躇ってくれよっ」

卯月「えへへ、あったかいですね♪」スリスリ

未央「おっけー! そしたら私もぎゅーっ☆」ダキッ

P「なぁあ! なんなんだよ!」

未央「わはー、あったか~! 寒いときはやっぱりおしくら饅頭だよね!」

卯月「これならすぐあったまりますよ! せーの、おーしくーらまんじゅー♪」ムギュムギュ

未央「押ーされーて泣ーくなーっ☆」ムギュー

P「俺を巻き込むなよー!」


毛布「…………」

凛「…………」チラッ

未央「ほら見てプロデューサー、しぶりんがこっち見てるよっ」ボソッ

P「え、あぁ……そういうことか」


凛「…………」チラチラ

卯月「凛ちゃんも一緒にあったまろうよ♪」

毛布「べ、別に……」モフッ

未央「しぶりーん? 意地張らないで来なってば!」

凛「い、意地なんて!」モゾッ

毛布「……張ってないし」モフ…

毛布「…………」


P「はぁ……まったく」

P「ほら、凛」

毛布「!」

P「こっちおいで。卯月と未央が、お前を暖めてやりたいってさ」

毛布「…………」

卯月「ふふ♪」

未央「えっへへ☆」


毛布「…………うん」

凛「分かった。そっち行くから」

凛「んしょ」パサッ

凛「う……」ブルッ


とてとてとっ


凛「んっ」


むぎゅっ


P「ほい、ようこそ」

凛「……ん」ギュ…

うづみお「いらっしゃーいっ♪」

凛「きゃ!」

未央「来るの遅いぞしぶりーん☆ それそれそれー!」スリスリスリーッ

卯月「凛ちゃん凛ちゃん凛ちゃーんっ♪」スリスリスリスリ

凛「ん、んぅぅぅ! だ、だからほっぺたすりすりするのやめてってばぁ……!」

P「あはははっ」

凛「わ、笑ってないで助けてっ」

P「いやー無理だ、俺もふたりに腕を抱えられてるからなー」

凛「そんなぁ……」

卯月「ねっ、あったかいでしょ凛ちゃん?」

未央「うりうりうりー、情熱パッションを分けてやるー!」

凛「んん……もう」

P「どうだ? たまにはいいだろ、こういうのも」

凛「…………ふふ」


凛「……うん。まぁ、悪くないかな」ニコ

未央「えへへ、しぶりんがデレた☆」

凛「んなっ、で、デレてない! 変なこと言わないでよ未央っ」

卯月「ふふふっ、凛ちゃん可愛い♪」

凛「う、卯月まで……も、もうやだ! 離してよっ!」ジタバタ

うづみお「むーりぃー♪☆」

凛「う、うぅぅ……!」カァァッ

P「ほらほら、もうすぐレッスンの時間だぞ。凛も困ってるし、離れた離れた」

卯月「あっ、ホントですね。もう行かなきゃ!」パッ

未央「ちぇー、これからが本番なのになー」パッ

凛「もう絶対こんなことしない……絶対……絶対……!」ヨロヨロ


P「よっし、暖まったし! アニバーサリーLIVEに向けて、頑張っていこう!」

うづみお「おーっ!」

凛「……おー」

未央「って、ちょいとしぶりん? 元気ないよ?」

凛「……なんでかな。あはは……」

卯月「大丈夫? もう一度おしくら饅頭する?」

凛「い、いらないから! ほら行くよ、いってきます!」タタッ

卯月「あ、待ってよ凛ちゃーん! いってきまーす!」

未央「あは、しぶりん照れ屋ー☆ いってくるねっ!」

P「はいよ、いってらっしゃい」


がちゃ、ぱたんっ

P「……ふぅー。はは、いつも騒がしいんだから」

P「さて、あいつらが戻ってくるまでに灯油買ってこようかな」

P「コートどこやったっけ……」


ごそごそ……


P「…………毛布の山に混ざってた」

―――


卯月「ふふっ、手を繋いでるとあったかいね」

凛「このくらいがちょうどいいよ」

未央「しぶりんもあんまり恥ずかしがらないしね、えへへっ」

凛「…………」ギューッ

未央「痛い痛い痛ーい!?」

卯月「あはは、ダメだよ喧嘩しちゃ♪」

凛「……ふんっ。未央のバカ」

未央「許してしぶりーん!」



おわり

というお話だったのさ
アイプロみんな可愛くて死にそう

一応このSSでは普通なしぶりんだよ
コートは手当り次第ひったくってった結果だよという意味のない補足

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