唯「カードの切り方が人生だよ!」(215)

演奏:ジャズ研

■部活入部編


タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッ
http://www.dailymotion.com/video/xqbzjo_music


唯「私もついに高校生!」

唯「今までとは違う学校、人、勉強」

  「柔道部に入りませんかー!」

  「茶道部にぜひ!」

唯「行われる部員勧誘。新しい風に誘われる私」

唯「せっかくの高校生活、部活で一花咲かせたい!」


唯「けど一体何をすればいいんだぁー!」

唯「そんなわけでとりあえずけいおん部ってところに入ってみたけど」

和「なんかバンドとかするみたいよ?」

唯「ええー私ギターとか弾けないよ……やっぱりやめますって言いに行こう」

唯「やってきた音楽室。この扉の向こうに」

  「ああん? やめたいだとぉ!?」

唯「俄然弱気になる私」

律「何やってるの?」

唯「はっ!?」

律「あなたが平沢唯さん? 入部希望の?」

唯「は、はいっ」

律「ギターがすっごく上手いんだよね!?」

唯「は……えっ!?」


タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッ
http://www.dailymotion.com/video/xqbzjo_music


律「みんなー入部希望者が来たぞー!」

澪「本当か!?」

紬「まぁ!」

唯「あらぬ尾ひれに期待の眼差し! でも言わなきゃ!」

唯「あのっ! 申し訳ないんですけどっ、実は入部するのやめさせて下さいって言いに来たんです!」

紬「クッキーとマドレーヌもあるの!」

唯「言ってみたものの案の定引き留められる私!」

唯「どうするの……どーする?」

唯「どーすんの!? 私!」

唯「ん? ポケットに何か入ってる……」


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┃      ┃┃      ┃┃      ┃
┃..LIFE ┃┃..LIFE ┃┃..LIFE ┃
┃.カード..┃┃.カード..┃┃.カード..┃
┃      ┃┃      ┃┃      ┃
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ペラッ

唯「何か書いてある……?」

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┃      ┃┃      ┃┃      ┃
┃  謝  ┃┃  逃  ┃┃  交  ┃
┃  罪  ┃┃  走  ┃┃  渉  ┃
┃      ┃┃      ┃┃      ┃
┗━━━┛┗━━━┛┗━━━┛



律「どしたの?」

唯「いや、あの……」

唯「どーするの? どーするのよ!?」

唯「……」

ペラッ

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┃      ┃
┃  土  ┃
┃  下  ┃
┃  座  ┃
┗━━━┛


唯「……ほ」

唯「本当に申し訳ございませんでしたァーー!」ぐわっ

律「ちょ……!」

澪「わ、わああ悪かった! 私達が悪かったからぁ!」

紬「顔を上げて下さいっ! ね?」

唯「本当に……本当になんとお詫びをしていいやらァ!」ごりごり

律「わかったから! もう無理に誘わないから!」

澪「平沢さんは悪くないよ!?」

紬「顔を、顔を上げて下さい!」

唯「何卒! 何卒許してはいただけないでしょうかァァ!」

律「そもそも怒ってないから!」

ガチャ

さわ子「ごめんなさいね、譜面台を取らせて……え?」

唯「何でもしますから! 何でもしますから許して下さい!」

さわ子「ちょ、ちょっと何してるのあなた達!! まさかいじめ……!?」

澪「い、いやこれは……!」

紬「違うんです!」

唯「違うんです私が悪いんですぅぅ!!」

さわ子「全員職員室に来なさい!!」

律澪紬「違うんですよー!?」

唯「私が悪いんですぅぅぅ!!」


タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッ


┏━━━┓

┃      ┃
┃  交  ┃
┃  渉  ┃
┃      ┃
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唯「うぅ……」

律「ね、おねがぁい!」

唯「ううーん……」

紬「毎日お菓子持ってくるから!」

唯「それはありがたいね!」

澪「それじゃあ……!」

唯「いやでも、うーん……私楽器とか出来ないからなぁ」

律「ゴロゴロしてるだけでいいからっ!」

唯「えっ?」

タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッ

唯「……それはよいですな」

唯「でもなー……寝る場所無いしなぁ」

紬「……ベ、ベッドを持ってくるわ!」

唯「ええっ? いいの?」

紬「も、もろちん!」

唯「それなら」

律「入ってくれるの!?」

唯「……いやでも、私勉強苦手だからなぁ」

唯「部活してたら出来なくなっちゃうかもしれない……『宿題』とか」

律「うっ……よしわかった! 宿題は引き受けよう! 澪が」

澪「いっ!?」

唯「それなら入部……」

律「やったー!」

唯「あっでも――」

1年後


唯「みんなお疲れー! 澪ちゃん宿題よろしく~ムギちゃん今日のお菓子~りっちゃん肩揉んで~」

律「おー唯、お前今日から部活でなくていいよ?」

唯「へ?」

梓「1年の中野梓と言います」

澪「そういう訳だから」

タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッ

唯「えっそんな……あ! 私も楽器始めようかな! ギターとか!」

紬「梓ちゃんギターなの~」

唯「……み、みんなの宿題手伝っちゃうぞ!」

律「赤点常習犯の唯が?」

唯「う、うまい棒あげるから……」

紬「ケーキと紅茶があるし」

唯「あ……」

唯「……」

唯「……か」

唯「肩を揉ませては頂けないでしょうか」

律「えー」

澪「どうしようー」

紬「かなー?」


http://or2.mobi/index.php?mode=image&file=31797.jpg

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┃      ┃
┃  逃  ┃
┃  走  ┃
┃      ┃
┗━━━┛



唯「……あ、あの、その」

唯「あーー!! そこの棚の上にカメみたいな何かがいる!!」

律澪紬「えっ!?」

律「どこ!?」

澪「ひいいい!」

紬「カメっ? かめ?」

律「何処にもそんなのいないけど……あれ、平沢さんは?」

澪「え?」

紬「あら?」

律「逃げられたか……」

2年後


唯「和ちゃーん一緒に帰ろ……と思ったけどこれから生徒会だったっけ?」

和「ええ」

唯「会長だもんね。すごいなー和ちゃん」

和「別にすごくなんてないわよ。それじゃ」

唯「ばいばーい」

唯「……」

唯「帰ろうかな」

唯「今日はどうしようかなー」

唯「コンビニで立ち読み……はもう飽きたし」

唯「ひとりファーストフード……お腹空いてないや」

唯「……」

唯「ただいま」

唯「……夕飯までお昼寝しよう」

唯「おやすみ……」

私は結局どの部活にも入らなかった。
クラスの子と遊んだりしてそれなりに学校生活を楽しんでいたけど、
言葉で言い表せない物足りなさも感じていた。

……部活に入っていたら違っていたのかな。
どんな部活でも未経験から始める人だっているんだし、私も何かやっておけば。
だけど新しい一歩を踏み出すのが怖くて、そしてどこに一歩を踏み出せばいいのかも分からず結局何もしなかった。

高校最後の年になって今更後悔するなんてね。
今から部活……なんて出来るわけない。
そうやってまた一歩踏み出すのを怖がって、このまま……。

もしあの日、踏み出していたならどんな今日だっただろ。
部室でお喋り?
みんなでファーストフード??
……もう思いつかないや。
だって私には部活がどんなものかわからないんだから。


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唯「んひぃぃぃぃぃ!おまめさんきもちいいでつぅぅぅぅぅ(^ρ^)」グチャグチャグチャプシャアアアア
憂「お姉ちゃん!ご飯のときはおまたいじりやめてって何度いえばわかるの!」バッチーン
唯「あーう!ゆいのおまたいじりやまするだめー!うーいわるいこ!しーね!しーね!(`q´)むひょひょぉぉぉぉぉぉぉぉー(^ρ^)」グシャグシャグシャプシャー
憂「言うこと聞けない悪い子はお仕置きだね。お豆さん切っちゃいましょう」
唯「あーう!おしおきだめー!おまめさんだめー!("q")」
サクッ ブチブチブチブチ
唯「あんぎゃああああぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ("q")!!!おまめさんーーーーーー!!!!」ガクガク
憂「穴でオナニー覚えたらこまるから、こっちも閉じちゃいましょう。この『私の恋はホッチキス』でっと」バチンバチン
唯「おぎょおおおおおおおぎょおおおお!!!アガガガガガガゴゴゴゴゴゴ("q")」ピクピク
憂「はい、お姉ちゃん。今日のおかずはお豆さんの丸焼きだよ」
唯「んひぃ、んひぃ…ぁーう…おまめさん…ゆいのおまめさん…("q")」パクッ ブチブチ
憂「食wwべwwたww」
唯「("q")」ピクピク

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┃      ┃
┃  謝  ┃
┃  罪  ┃
┃      ┃
┗━━━┛



唯「……ごめんなさい」

唯「軽い気持ちで入部するなんて書いたから期待させるだけさせて、なんて謝ったらいいかぁぁぁぁぅぇえええん……!」

紬「あ……私達こそごめんなさい」

澪「無理に引き留めて悪かったな……」

律「じゃあっ、せめてあたし達の演奏だけでも聞いていって!」

唯「ふぇぇ……え? 演奏してくれるのっ?」

律「食いついてきた!」

律「ワンツースリーフォー」

レファー ソファミファー ファソー ソファミファー♪

唯「……!」

ドシラシー♪

唯「わぁぁ……!」パチパチパチ

律「えへへ、どうだった?」

唯「何て言うかすごく言葉にしにくいんだけど……あんまりうまくないですね!」

律「バッサリだー」

唯「でも、なんだかすっごく楽しそうでした!」

唯「私……この部に入部します!!」


タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッ
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紬「……!」

澪「お……」

律「バンザーイ!!」

律「じゃあ軽音部活動開始記念にっ!」

澪「あっ私のカメラ」

律「いっくよーん!」パシャ


http://sakuraweb.homeip.net/uploader/src/up183158.jpg

■ステップアップ編


タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッ
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唯「けいおん部に入ってギターを始めた私」

唯「もうすぐ学園祭。初めてのライブ」

唯「俄然盛り上がる部員たち!」

さわ子「で、誰がボーカルやるの?」

澪「私は無理だよぉ!」

唯「ギターボーカルで注目を浴びる私? ファンに囲まれて売れっ子路線!?」

唯「ここはいっちょやってみますか!」

唯「だけどいざ歌ってみると……」

律「ちょっとちょっと、ギター弾きながら歌わないと」

唯「そっかー」

ジャカジャカジャンジャンジャカジャンジャカジャン♪

唯「………………」

唯「うっ……ギター弾きながら歌が歌えない」

唯「このままじゃ私のファンが……注目が……」

唯「とにかく練習しなければ! でもどうやって? 誰かに教わる?」

唯「どうする……?」


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┃      ┃┃      ┃┃      ┃
┃..LIFE ┃┃..LIFE ┃┃..LIFE ┃
┃.カード..┃┃.カード..┃┃.カード..┃
┃      ┃┃      ┃┃      ┃
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さわ子「仕方ないわね、先生が特訓してあげる」

澪「あ、せめて私が教えるくらいは……」

唯「どうしよう」


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┃      ┃┃      ┃┃  武  ┃
┃  教  ┃┃  友  ┃┃  者  ┃
┃  師  ┃┃  人  ┃┃  修  ┃
┃      ┃┃      ┃┃  行  ┃
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唯「ギター経験者の先生に教えてもらう?」

唯「バンドメンバーで作詞した本人の澪ちゃんに?」

唯「それとも……?」

唯「どうする?」

唯「どーすんのよー?」

唯「どーすんの!? 私!」

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┃      ┃
┃  教  ┃
┃  師  ┃
┃      ┃
┗━━━┛


唯「じゃあ……先生お願いします!」

さわ子「まかせなさーい!」

さわ子「それじゃあまず歯ギターの練習からね」

唯「……え?」


タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッ

その後


さわ子「待たせたわね……完璧よ!」

さわ子「さあ唯ちゃん見せてあげなさい!」

唯「……」

ジャッジャ!! ジャガジャギュウウウウウウン!!!!!

律「う、上手くなってる! けど……」

澪「なんで鎧着てるんだ……?」

紬「狂気に満ち溢れた表情……」

唯「ヴァア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛イ!! ギムヴォデルドォオオオオ! ッイヅォオオオア゛ードオオオオギイイイイ!!」

律「デスヴォイス!?」

澪「ひいっ!?」

さわ子「素質あるわよこの子!」

紬「なんの!?」

律「なに教えたんだよさわちゃん!」

さわ子「そりゃあメタルのいろはよ」

律「余計な事を……」

唯「の゛どがぢゃーん゛!!」

和「な、なに?」

唯「わだしだちぃー……殴打後ブラッディダーイム゛!!」

和「あ、ああ、バンド名ね」

澪「私達そんなバンド名じゃないよ!? て言うかバンド名勝手に決めるな!」

さわ子「みんなの分の鎧も作ってあるから!」

律「なんだよこれ……どうしろっていうんだよ」

紬「りっちゃん……多分先に鎖かたびらを着るんじゃないかしら」

律「……あ、うん、そうね、なるほどね」


タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッドン


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┃      ┃
┃  友  ┃
┃  人  ┃
┃      ┃
┗━━━┛


唯「澪ちゃん頼める?」

澪「もちろん。……ごめんな、ギターを始めたばかりの唯に負担かけちゃって」

唯「全然大丈夫だよっ。むしろ歌いたいから気にしないで!」

澪「唯……!」


澪宅


澪「声を出すところとギターを鳴らすところを一つの動作として覚えていくんだ」

澪「例えばこんな感じで……キミを見てると~いつもハートDOKI☆DOKI♪」

唯「おお~澪ちゃんすごい! それに歌上手いね!」

澪「そ、そんなことないよ////」

唯「ほんとに上手いよ~。歌詞もすっごくいいし!」

澪「ふぇっ////」

唯「やっぱり澪ちゃんが歌った方がいいんじゃないかな」

澪「それは無理だよおっ! 恥ずかしい……」

唯「そっか。じゃあ私が澪ちゃんの分までちゃんと歌えるようにならなきゃ! 澪ちゃんの歌詞をみんなに聞いてもらえるようにねっ」

澪「ゆい……!」

唯「それに勉強もギターも澪ちゃんから教えてもらって、今もこうやって教わってるけど少しでも恩返しできたらいいなって思ってたんだ」

澪「べ、別にそんな大した事は教えてないよ////」

唯「ううん、すっごく助かってるんだよ」

唯「いつもありがとね澪ちゃん」

澪「っ……う、うん」

澪「……あ、あのあの、あのな」

唯「どしたの澪ちゃん、顔が近いよ?」

澪「私は唯が、その……」

唯「私何かしたっけ? 顔が近いよ?」

澪「つまりだな……唯が、好きになっちゃた、かも」

唯「へぇ~…………え?」

タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッ

ライブ後


澪「大成功だったな! 唯のギターボーカル今までで一番よかったぞ!」

唯「う、うん、ありがと」

澪「今日は二人でパーティしよう!」

唯「えっと、みんなも一緒に……」

澪「唯は私と二人っきりなのが嫌なのか!?」

唯「そうじゃないよ? そうじゃないんだけど」

澪「なら決まりだな。場所は私の家で。美味しい料理たくさん作るから!」

澪「それから……その……」

澪「今日……親、いないんだ////」

唯「いやぁ……お、おぉん……う、ううん……」

澪「言ってる意味、分かるよな?」

唯「いやぁ……うすうす分かるっていうか……いやぁ……いやー……」

タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッドンッ

http://i.imgur.com/j1zjM.gif

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┃  武  ┃
┃  者  ┃
┃  修  ┃
┃  行  ┃
┗━━━┛


PM 7:20 駅前


唯「一応ギターボーカルの練習はしてみたけど……後は実践で腕を磨くしかない」

唯「つまりストリートミュージシャン!」

唯「練習中の身ですがよろしくお願いします!」

  「あっ弾き語り」

  「へえーこんなとこでめずらしいね」

  「ちょっと見て行く?」

ジャカジャカジャンジャンジャカジャンジャカジャン

唯「きみをみてるとーーーーーーいつも……ハー……どっ」

ジャカ……ジャ……

  「」ガクー

唯「やっぱり歌いながら弾くのって難しいよー!」

  「……そろそろライブハウスいこっか」

唯「ライブハウス!? あのっもしかしてバンドとかやってたりしますか?」

  「あ、うん。私達3人でバンドやってるんだー」

唯「ギター弾きながら歌うコツとかないですかね……?」

  「シホ教えてあげなよ」

  「うーん……まずは一音一音確認しながらゆっくりやっていくのがいいかなぁ」

唯「なるほど!」

ジャカ、ジャカ、ジャン、ジャン……

唯「さっきの子達のおかげで少しコツを掴んだかも!」

  「……」

唯「おっ可愛い子がこっち見てる! よーしがんばっちゃうぞ!」

ジャカジャカジャンジャンジャカジャンジャカジャン

唯「きみをみてるとーーいつもはーとどきどきー」

唯「ちょっとマシになったけど歌の音程にまで意識が向かない……あ」

  「あ……」

唯「ああっ待って行かないでぇ!」

  「えっ!?」

唯「やっぱりヘタだよね?」

  「いえその……ギ、ギターのリフは独創的だと思います!」

唯「りふ? りふってなぁに?」

  「ええっと、フレーズというか……イントロの部分が良かったなって」

唯「……」

  「あっすみません生意気な事言って……失礼します」

唯「ちょっと待って! もしかしてギター弾ける?」

  「弾けるってほどでは……」

唯「お願いっ! ちょっとだけ教えてくれない?」

  「え」

唯「どうしてもうまくならないとダメなんだよ~!」

  「ええっ……」

唯「何か気になった所とかない?」

  「……さっきのフレーズでミュートした方がいいかなって所が」

唯「みゅーと?」

  「え……」

小一時間後

  「――って感じですね」

唯「おお~ギターうまいねえ!」

  「そんな事ないですよ」

  「さっき言ったようにすればよくなると思いますよ」

唯「おっけ~」

  「後は歌ですね。さっき見本で見せましたけどアクセントが……」

唯「いや、うん、歌は自分で何とかするよ」

  「? そうですか」

唯「あっもうこんな時間! ごめんね引き留めちゃって」

  「いえ、平気です」

唯「それじゃあ本当にありがとう! おかげで上手くなった気がする!」

唯「そうだ! 来週桜高の学園祭でライブするからよかったら見に来てね! ばいばーい」

  「はい」

  「変わった人だったなぁ。桜校か……」


http://i.imgur.com/RNaCa.jpg



■後輩来たる篇


タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッ


唯「春! 私もついに上級生!」

梓「中野梓と言います」

唯「かわいい後輩をねこっかわいがり!」

唯「していたんだけど……」

梓「なんで軽音部なのにいつもお茶してるんですか!」

梓「早く練習しましょう!」

梓「唯先輩そこ間違えてます!」

唯「かわいい後輩がかわいくない!」

梓「唯先輩何やってるんですか! 休憩時間終わりましたよ!」

唯「生意気だしお茶の時間減らすしスパルタだし!」

澪「いやそれは唯が」

梓「ほら、やりますよ!」

唯「どうすんの? どうするの? どーすんの私!?」


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┃      ┃┃      ┃┃      ┃
┃  説  ┃┃  理  ┃┃  罵  ┃
┃  教  ┃┃  解  ┃┃  倒  ┃
┃      ┃┃      ┃┃      ┃
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梓「何ですかそれしまって下さい!」むんず

唯「何すんのキミ!? どーすんのよー!?」

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┃      ┃
┃  説  ┃
┃  教  ┃
┃      ┃
┗━━━┛


唯「あずにゃん、ちょっといいかな」

梓「はい?」

唯「ちょっとこっち来て」

梓「?」

唯「あのね、お茶の時間って大事だと思うんだよね。みんなでお喋りしながら過ごすっていう何気ない日々の積み重ねっていうか」

梓「先輩は部活の時間のほぼ全てをお茶とお喋りに費やそうとしてるじゃないですか」

唯「いやそれは……」

梓「一日で全然練習しない日とかありますけど絶対よくないですよ。部活なんですから」

唯「それは……」

梓「練習したって30分だけとかこんな事が公になったら廃部の可能性だってあるんですよ?」

唯「それはやだ……」

梓「それにスタジオを借りたりしないで練習できるってすごく恵まれた環境だと思うんです。唯先輩家にアンプ無いですよね?」

唯「うん……」

梓「個人練習するにしてもアンプ通してやった方がいいですし」

唯「……」

梓「それに先輩は練習すればもっと上手くなるのにもったいないですよ!」

唯「そ、そうかな?」

梓「そうですよ。今年の新歓ライブも良かったですけど先輩ならもっと上を目指せます」

唯「え、えへへ」

梓「だからもう少ししっかり練習しましょう」

唯「はい!」

梓「よろしい。それじゃあ戻りましょう」

唯「うんっ!」

唯「……あれ?」


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┃      ┃
┃  罵  ┃
┃  倒  ┃
┃      ┃
┗━━━┛


唯「ちょっとあずにゃん!! こっち来て!」

梓「な、なんですか?」

唯「いいから!」

梓「ひぅっ」

唯「あのね、私達はこれで1年間やってきてるの! これで上手くいってたの! なのにどうしてぽっと出の後輩にとやかく言われなきゃいけないの!?」

梓「でも……」

唯「大体あずにゃんは先輩の事舐め過ぎなんだよ!」

梓「そ、そんなつもりじゃ」

唯「いーや舐めてるね。先輩に怒鳴ったり文句言ったり」

梓「文句というわけじゃ……」

唯「うるさいっ! 口答えするな!!」

梓「ひっ」

唯「そんなに練習したきゃ勝手に一人でやってればいいでしょ!? 個人練さえしておけば何とかなるんだよ! わかった!?」

梓「わ、私はただ……先輩達と音楽がやりたくて……ぐすっ」

唯「泣いたってダメなんだからね!? こんな後輩いらないんだから!」

梓「っ! ぐすっ、すみませんでした……失礼しますっ!」ダッ

唯「ふぅ、言ってやったぜ」

律「ばか! 言い過ぎだ!」

唯「まあまあ、明日にはしおらしくて従順なあずにゃんが拝めるよ」

一か月後


律「あれ以来梓来ないな」

澪「そりゃあな……」

紬「せっかくの後輩がいなくなっちゃった……」

唯「ど、どうしよう」

澪「どうもこうも軽音部も私達の代で終わりかな」

唯「そんな……私はなんて事をしてしまったんだろう」


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┏━━━┓
┃      ┃
┃  理  ┃
┃  解  ┃
┃      ┃
┗━━━┛


唯「……そうだよね、あずにゃんの言う通りかもしれない」

梓「え?」

唯「やっぱり部活なんだからやるべき事はやらないといけないよね」

梓「唯先輩……ようやくわかってくれたんですね!」

唯「というわけでこれからはもっと練習しようか!」

梓「はい! それなら普段のお茶の時間は休憩の間だけにしましょう! むしろ撤廃しましょうか」

唯「うん! ……ん?」

紬「え……」

梓「それから休日も活動した方がいいと思うんです!」

唯「えあ……あ、そう、だね! うんそう!」

律「マジ……?」

梓「積極的に活動していきましょう! 学校外でのライブとか!」

唯「そ……そう! それがいいよ!」

澪「ふえっ!?」

梓「私なんだか燃えてきました!」

唯「わ、私もだよ! よーしがんばっちゃうぞ! おー!」

律紬澪「ええ……」

梓「気合いが入ってないです!」

唯「そうだよ! 気合いだよ!!」

律紬澪「お、おおー!」


タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッドンッ


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┃      ┃
┃  こ . ┃
┃ . . ま . ┃
┃  .す .┃
┗━━━┛


唯「あずにゃんちょっとトイレ行こうか」

梓「私は別に」

唯「いいから、ね?」

梓「はあ……?」

唯「それにしてもあずにゃんてギター上手いよね」

梓「いえそんな事は……」

唯「しっかりしてるしけいおん部の事もちゃんと考えてくれてるし」

梓「いえ……////」

唯「何よりかわいいし」

梓「う……いくら煽てても練習はちゃんとやってもらいますからね////」

唯「あずにゃんて髪の毛綺麗だねー」

梓「あの、唯先輩?」

「え、何で一緒の個室に……唯先輩?」

「わぁ!? 何するんですか――むぐぅ!?」

「ン、ンゥゥゥゥ!」

「んぷぁ! な、な、な……!?」

「あァン!? やだっやめ、ッッッ!?」

「んひゃぁぁアァァ」

「ひゃめれぇー」

「んゥッ、ン、む、はぁっ! んぎっ、あうぅぅうっ!」

「ハッ、ふあっ、はぁんっ、んしゅっ、ひふぅぅ!」

「んにゃぁ……あアぁん……ゆいしぇんぱいぃ……♪」

後日


梓「さあ先輩方練習しましょう!」

唯「あずにゃーんその前にお茶しようよ~」

梓「ええっ……」

唯「ね。……いいよね?」

梓「はうっ……はい」

唯「わーいあずにゃん大好き~♪」

律「梓の奴すっかりまるくなったな」

紬「それに梓ちゃんも何だか嬉しそうな表情してる」

澪「何かあったのか?」


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■派閥篇


タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッ


唯「学園祭まであと僅かという時に問題発生」

律「悪かったよ、せっかくの和との楽しいランチタイムを邪魔してさ」

澪「はぁ? そんな事言ってないだろ!!」

唯「大事な時期にケンカ勃発」

梓「にゃあ」

律「大体澪がなあ!!」

澪「律こそ!!」

律澪「ふんっ!」

唯「軽音部分裂? 派閥発生?」

律「大体澪はわかってないんだよ! そう思うだろ!?」

律「唯はわかってくれるよな?」

唯「いやぁ、ええと……うぅん」

澪「律は勝手すぎるんだよいつもいつも! だろう!?」

唯「あぁあん……いや、ええその……」

唯「私を仲間にしようとする二人」

唯「どうするの? こんな時どうすればいいのよ?」


┏━━━┓┏━━━┓┏━━━┓
┃      ┃┃      ┃┃      ┃
┃  澪  ┃┃  律  ┃┃  紬  ┃

┃      ┃┃      ┃┃  梓  ┃
┃      ┃┃      ┃┃      ┃
┗━━━┛┗━━━┛┗━━━┛



唯「ええ~どうしようこれぇ?」

唯「どうする? どーすんの私!?」

┏━━━┓
┃      ┃
┃  澪  ┃

┃      ┃
┃      ┃
┗━━━┛



唯「みーおちゃん。大丈夫?」

澪「おお唯」

唯「酷いよねりっちゃんてばさー」

澪「だよな!」

唯「そうだよーりっちゃんは子供なようで大人のようでやっぱり子供なんだよ!」

唯「それにリズム隊はリズムが命でしょー」

澪「そうだそうだ!」

唯「大体りっちゃん友達多いくせに澪ちゃんがちょっと和ちゃんと仲良くしたくらいで何あの態度は!」

澪「そうだそう……え?」

唯「どんだけ澪ちゃんが好きなんだよって話だよ! 風邪引いたからって甘えてるんじゃねー!」

澪「……」

唯「澪ちゃんもガツンと言えばいいんだよ! りっちゃんのやきもち焼き! 繊細! って」

澪「……ちょっと律のとこいってくる」

唯「うむ! ガツンと言ってくるんだよ!」

翌日


律澪「おはよー」

唯「あれ?」

澪「唯のおかげで仲直り出来たよ。ありがとな」

唯「え!? あ、あー……そっかそれはよかったねうん!」

澪「私がもう少し律の気持ちを考えてあげてればよかったのに」

律「そんな事ないってー私が悪かったんだよ」

澪「いや私が」

律「いーや私が」

律澪「……あははっ!」

唯「うーん? ……まあいっか」


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┏━━━┓
┃      ┃
┃  律  ┃

┃      ┃
┃      ┃
┗━━━┛



唯「澪ちゃんってホントアレだよねーアレ!」

唯「引込思案だし根暗だし暴力振るうし頑固だし」

律「……」

唯「澪ちゃんなんてみんなから嫌われてぼっちになっちゃえばいいんだよ」

律「……」

唯「ていうかりっちゃんがいなかったらどっちみちぼっちだよね~」

律「……」

唯「そして将来ひきこもりだよ!」

バンッ!

唯「」ビクッ

唯「ど、どしたのりっちゃん……?」

律「……」スタスタ

唯「りっちゃーん……?」

【レス抽出】
対象スレ:唯「カードの切り方が人生だよ!」
キーワード:カードを痛める


抽出レス数:0

【レス抽出】
対象スレ:唯「カードの切り方が人生だよ!」
キーワード:ショットガン


抽出レス数:0

え?

翌日


律澪「おはよー」

唯「あれ?」

律「まったく昨日はまんまと唯に乗せられちゃったぜ」

唯「え?」

律「ほら唯が澪の悪口言いまくってたじゃん。あれのおかげで仲直り出来たよ」

唯「へ……あ、あー! そ、そうね! そうなんだようん! まんまと乗せちゃったよ~!」

律「何て言うか昨日の唯の言動がやけにリアルでさーケンカしてたはずの私も思わず怒りたくなるくらいで」

唯「いやあっ、や、やっぱりリアルさを出さなきゃいけないと思ってね!」

律「とにかくありがとな!」

唯「いいってことよ! はは、ははは……ふぅ」


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┏━━━┓
┃      ┃
┃  紬  ┃
┃  梓  ┃
┃      ┃
┗━━━┛


律「なんだよー!」

澪「このー!」

唯「ムギちゃんあずにゃん、もう帰ろ」

紬「えっでも……」

梓「そうですよこのままなんて」

唯「いいからいいから」

唯「それじゃ私達帰るからー。勝手にケンカしててくださーい(笑)」

唯「どこか寄ってく?」

紬「でも……」

唯「大丈夫大丈夫! それよりアイスでも食べに行こうよ」

梓「やっぱりフォローした方が……」

唯「いーのいーの! あんなめんどくさい事に関わってもろくな事ないって(笑)」

紬梓「……」

数日後


律澪「ご迷惑をおかけしました」

紬「仲直りしてくれてよかった~」

梓「はい!」

唯「二人とも迷惑かけないでよね~」

律澪紬梓「……」

唯「あれ?」

澪「ムギと梓に説得されなかったらまだケンカしてたかもしれないよ」

律「ほんとムギと梓には感謝だな!」

唯「ムギちゃん達そんな事してたの?」

紬「やっぱり仲間がケンカしてたら放っておけないもの」

梓「そうですよ。大事なメンバーですし」

澪「ムギ……」

律「梓……」

紬「でも唯ちゃんにはちょっとがっかり」

唯「え」

梓「もっと友人を大事にする人だと思ってたのに」

唯「いや、あのね、あれは二人っきりにさせて仲直りさせる作戦で……」

紬「めんどくさい事に関わってもろくな事ないって言ってた」

梓「はい」

澪「悪いのは私達だけどさ……それは」

律「うん……」

唯「え……ええー……あっほら! 練習しようよ練習! ライブに向けて張り切っていこー!」

律澪紬梓「……」


http://lyricalnanoha.moe.hm/nijiup/upfiles/niji15809.jpg

■恋愛篇


タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッ


唯「学園祭も終わって冬も間近のこの頃」

梓「あのっ……私新歓ライブで見た時から唯先輩が好きだったんです! 付き合って下さい!」

唯「二人きりの部室で突然後輩からの告白! 舞い上がる私!」

ガチャ

澪「お疲れー」

梓「あっ……唯先輩、返事は今度聞かせて下さい」

唯「う、うん!」

澪「唯、ちょっといいかな。ここじゃあれだから外で……」

唯「? うん」

澪「わっわた、わたし……ゆいのことが、す、す、すっ、好きなんだっ!」

唯「ええーーー!?」

唯「不幸にも重なってしまう幸運! 決断を迫られる私!」

澪「あ、あ、答え……まってるから……それじゃ!」

唯「勉強に部活に恋! 願ったりかなったりだけど……」

唯「かわいい後輩? 頼れる友人?」

唯「どっちも好きだけどさぁ! どーするのよ!」


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┃      ┃┃      ┃┃      ┃┃      ┃
┃  後  ┃┃  友  ┃┃  保  ┃┃  調  ┃
┃  輩  ┃┃  人  ┃┃  留  ┃┃  整  ┃
┃      ┃┃      ┃┃      ┃┃      ┃
┗━━━┛┗━━━┛┗━━━┛┗━━━┛


唯「どうすんの? どうする私?」

唯「どーすんのよー!?」


 カクカク  ,ィヘ⌒ヽフ _ブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒブヒ!!
    / ( ・ω・))-=3\
 ε//   し  l(itノヽヽヽl  ドッピューーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
  ( (  _,.ノ ノリ(l| ´ q `*ノi -=3 ぶたさんのちんちきもちいいれす
   し しー し─J      んひ(*´p`*)んひぃいいい(*´p`*)



一週間後…

    ____
  /      \   んひぃー、いちゃいいちゃい("q")
  l  (itノヽヽヽヽl
 ノリ(l|  > q<  ノi  おまたからいっぱいぶーぶ、でてきたれつ!!
 ⊂ ( . ) ( . ) つ
  (______)
  (______)

  (ヽ__《》__ノ  
    ∪   l l ∪
         ,lノl|
       人i   ブバチュウ!!チュドーン!ビッチィヤァァ!

  ε⌒⌒ヘ⌒ヽフ
   (   (  ^oo^) ブーブー
   しー し─J

 ε⌒⌒ヘ⌒ヽフ ε⌒⌒ヘ⌒ヽフ 
  (   (  -oo-)(   (  `oo´) ブヒーブヒー
   しー し─J   しー し─J 

┏━━━┓
┃      ┃
┃  後  ┃
┃  輩  ┃
┃      ┃
┗━━━┛


唯「私もあずにゃんの事好きだよ。付き合お」

梓「唯先輩っ……」

唯「あはは、どうして泣くの? ほらいーこいーこ」

梓「ふえぇ……」

唯「これからずっっと一緒だよ」

梓「はいっ! さっそく私の両親に挨拶しに行きましょう!」

唯「早くない!?」

梓「お父さん! この人が平沢唯さんだよ」

唯「あわわわ心の準備が……よ、よろしくおねがいしま……」

国「さっそくだがお嬢さんがどれほどの腕前か見せてもらおう」

唯「へぁ?」

梓「唯先輩頑張って! お父さんとのギター対決で勝てば認めてくれるから」

唯「何それ!?」

国「さあどこからでもかかってきなさい」

唯「よくわかんないけどやるしかない……よね」

ギュアアアアアン!!

国「見事だ……貴女なら梓を任せてもいいだろう」

梓「やったー!」

唯「これでようやくあずにゃんと恋人同士か……」

梓「ちょっ//// なんですか恋人って////」

唯「なんですかってんも~恥ずかしがっちゃって」

梓「そういう冗談いりませんから」

唯「……え、と、あずにゃんさん? 私達付き合うんだよね?」

梓「そうですよ、これからデュオを結成して音楽界に殴り込みです!」

タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッ

唯「……んふ? ん?」

梓「だから言ったじゃないですか」

梓「新歓ライブで見た時から唯先輩(の演奏)が好きだったんです! (デュオとして)付き合って下さい! って」

唯「えーーーー!?」


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┏━━━┓
┃      ┃
┃.. お  ┃
┃  嬢  ┃
┃  様  ┃
┗━━━┛


唯「好きですっ!」

紬「ええ~私っ?!」

唯「うん。二人に告白されてから改めて考えてみたの。私の本当に好きな人は誰なのかなって」

唯「確かにあずにゃんも澪ちゃんも好きだけど、一番好きなのはムギちゃんだったんだ」

紬「唯ちゃん……」

唯「でね、よかったら付き合って欲しいな~って……」

紬「嬉しいわ……私唯ちゃんの事諦めてたけどもう我慢しなくてもいいのよね。ありがとう唯ちゃん」

唯「ムギちゃん!」

紬「唯ちゃん!」

唯紬「大好きっ!」

――――

紬「唯ちゃんに似合いそうな服がいっぱいで買いすぎちゃった♪」

唯「おわー! 一人アウトレットが出来る量だよムギちゃん!」

紬「だって唯ちゃんてば何を着ても似合うし可愛いんだもの~」

唯「やだなあ照れちゃうよ//// それにムギちゃんだって可愛いよっ!」

紬「わっ////」

――――

唯「ええーこのスイーツ全部食べていいの!?」

紬「もちろん♪」

――――

紬「唯ちゃんが入りたがってたお札風呂よ~」

唯「ほあああああ……!」

――


紬「唯ちゃん……家建てちゃった////」

唯「ムギちゃんそれって……」

紬「二人だけのマイホーム~。えへ」

唯「すごいよムギちゃん! こうなったらもう結婚しよう!」

紬「えっ!? いいの? こんな私で……」

唯「ムギちゃん以外考えられないよ!」

紬「嬉しいっ! 私唯ちゃんと結婚します!」

唯紬「わーい♪」


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┏━━━┓
┃      ┃
┃  部  ┃
┃  長  ┃
┃      ┃
┗━━━┛


唯「りっちゃん! 私りっちゃんの事が好きかも!」

律「なっ!?」

唯「付き合って下さい!」

律「何言ってんだよ! て言うか澪に告白されたんじゃないのか!?」

唯「りっちゃんどうしてそれを」

律「澪から相談受けてたから」

唯「そうだったんだ」

律「なのにお前は私に……そんなことされたら……」

唯「りっちゃん?」

律「我慢出来なくなっちゃうだろぉ……!」

唯「りっちゃんそれって」

律「そうだよ、本当は私も唯が好きだったんだ」

唯「じゃあ!」

律「だめだ唯とは付き合えない。澪を裏切るような事出来るわけないだろ。唯は好きだけど澪も好きだし大事な奴なんだ」

律「澪の事だって好きなんだろ? 澪と付き合ってやれよ……」

唯「りっちゃん……。わかった、私澪ちゃんと付き合う」

律「……そうか」

唯「ただし」

律「え?」

唯「りっちゃんも私と付き合ってくれるならね」

律「な、え……どゆこと?」

――――

澪「律……唯から聞いたよ。お前も唯が好きだったんだな。それなのに私は律の気持ちも知らないで……」

律「ええー言っちゃったの!?」

唯「うん」

律「ちょっこれどうするんだよ!?」

澪「それでな、唯と二人で話し合ったんだけど」

律「何故私を省いた」

澪「唯と律と私の三人で付き合おう」

律「……ほへ?」

澪「程度の差はあるかもしれないけど私は唯も好きだし律も好きだ。唯も律と私を好きで律は唯の事が好き」

澪「私の事も……その、大事な人って思ってくれてるんだろ? 唯から聞いたよ////」

律「いやぁ……確かに澪の事は大事だし好きだけどそれは――」

唯「やったよ澪ちゃんこれでみんな幸せになれるよ!」

澪「律っありがとう!」

律「え゛っ!?」

――――

唯「ただいま~」

律「お、おかえりっ!」

澪「は、早かったな!」

唯「そういう二人の方が早く帰ってきてるじゃん」

律「そ、そうだなーははは!」

澪「それより今夕ご飯作ってたとこなんだ。今日は律と二人で作ったの」

唯「おお~美味しそうだね!」

律「だしょ? 早く食べようぜ」

唯「その前に……二人ともなんか服が乱れてない?」

律「なっなにをおっしゃるたまたまだよ!」

澪「そうそう!」

唯「りっちゃんのスカートぽーい!」

律「きゃあ!?」

唯「相変わらずりっちゃんは可愛いなー。それでどうしてりっちゃんはパンツ履いてないのかな?」

律「そ、それはぁ……////」

唯「澪ちゃんもスカートめくってみそ」

澪「わ、私はちゃんと履いてるぞ! ま、まったくーパンツはきわすれるなんてりつはおっちょこちょいだナー」

律「お前が脱がしたんだろ! ……あ」

唯「んもー二人ともずるいよ! 私も混ざりたかったー」

律「いやぁつい」

唯「二人とも今夜はおしおきだからね。おっとその前にご飯食べよっか!」

澪「はーい////」

律「……しかしこの生活がこんなにしっくりくるとは思わなかったな」

唯「りっちゃん早くーごはん冷めちゃうよー?」

律「わかってるってー」


http://i.imgur.com/XCfzT.jpg

┏━━━┓
┃      ┃
┃  保  ┃
┃  留  ┃
┃      ┃
┗━━━┛


一か月後


唯「ぐああどうしよう……どっちと付き合えばいいんだぁぁ……」

梓「あの……唯先輩」

唯「あずにゃん!? あのね、もうちょっとだけ待っててほしいの!」

梓「……」

唯「もうあずにゃんに決めるか……? でも澪ちゃんを捨てるなんて出来ない……」

澪「なあ唯」

唯「うおっ!? 澪ちゃんもう少しだけ時間をちょうだい!」

澪「……」

さらに一か月後


唯「ええいもうあずにゃんでいいか!」

唯「あずにゃん!」

梓「あ、唯先輩」

紬「あら唯ちゃん」

唯「あれムギちゃん?」

梓「あの、実は私達付き合う事になったんです」

唯「…………はい!?」

タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッ

梓「だから唯先輩もこれ以上悩まなくていいんですよ」

唯「いや私は……って今更言えない」

唯「……となれば澪ちゃん一筋だね!」

唯「澪ちゃん! ……とりっちゃん」

澪「あ、唯……。あのな、私……」

唯「みなまで言わないでいいよ。何となくわかってたから」

唯「……」

唯「ふぇぇ……すっぱり決めておけばよかったよぅ」


http://i.imgur.com/daq16.jpg

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┃      ┃
┃  調  ┃
┃  整  ┃
┃      ┃
┗━━━┛


唯「あずにゃん、来週の日曜日楽しみだね♪」

梓「あれ、デートは土曜日でしたよね」

唯「ああっとそうでした! 土曜日楽しみだな~」

梓「もう唯先輩ったら」

唯「それじゃあまた明日ね!」

梓「はい!」

ピンポーン

澪「おお唯! 遅かったな」

唯「いやーちょっとね。おじゃましまーす」

唯「ごめんねーわざわざ勉強教えてもらって」

澪「気にするなよ。それより忘れてないよな?」

唯「もっちろん! 来週の日曜日にデートでしょ?」

澪「こら、再来週だってば」

唯「あ、ああーそうだったそうだった! 再来週の日曜日だね!」

澪「まったく、しっかりしてくれよ」

唯「ごめんごめん」

プルルルル

唯「あら電話だ、ちょっとごめん」

唯「もしもーし」

律「ゆーいっ♪」

唯「お、おおぅやっほー」

律「なーんだよっ、ノリ悪いゾッ♪」

唯「ごめんごめん」

律「今度のデートの事なんだけどさ」

唯「わかってるって、来週の日曜でしょ?」

律「ど、よ、う! もー唯タンは忘れっぽいからなーもぅ」

唯「土曜!? あー、あ、うんごめんごめん大丈夫だって~」

律「それじゃ……好きだぞっ! きゃっ♪」プツ

唯「ふう……ってあれ? もうこんな時間!?」

唯「澪ちゃんごめん! 勉強はまた今度教えてね!」

澪「えっ唯!?」

唯「ただいま~」

憂「おかえりのぎゅ~」

唯「甘えんぼさんだな~」

憂「えへへ~」

唯「そうだ憂、今度のデートなんだけど」

憂「来週の土曜の?」

唯「来週の土曜!? だったっけ?」

憂「も~ひどいよお姉ちゃん」

唯「ご、ごめんごめん! その日なんだけど急用が入っちゃってさ」

憂「急用って何?」

唯「いやー大した用じゃないんだけど」

憂「なら土曜がいいな」

唯「……うん、そうだよね、ちょっと待っててね」

プルルルル

唯「もしもしあずにゃん? あ、うん、その事なんだけどさ」

唯「他の日に……え、無理? どうしても?」

唯「あー……じゃあ夜からにならないかな? そうディナー」

唯「うん、OK? ありがと~それじゃそういう感じで」

唯「うい~時間遅くならなければ土曜日大丈夫だから!」

憂「よかったぁ~」

プルルルル

唯「ムギちゃんからだ、もっしー?」

唯「うんうん! もちろん覚えてるよ~来週の日曜日でしょ?」

唯「……え、都合が悪くなったから土曜がいい? いやぁ……土曜日はちょっと……」

唯「いやいやそんな事ないよ? 好きだよ? うん」

唯「でもどーーーしてもその日は……あっあっ泣かないで!」

唯「じゃあ……うん、午前中とかどうかな? ね?」

唯「うんうん、そういう感じで! それじゃーねー」

唯「ういちゃーんほんと申し訳ないんだけどね、土曜日のデート午後から夕方までって感じでもいいかな……?」

憂「え~やだ」

唯「だよねー私も嫌なんだよ~! でもどうしても外せない用事が出来ちゃってね……なんとか……なりませんかね……」

憂「……じゃあ、再来週の日曜日もデートしてくれる?」

唯「もっちろん! ほんとごめんね憂~」

唯「……ふぅ」

唯「…………再来週の日曜?」

唯「……」

プルルルル

唯「あ、もしもし澪ちゃん? 再来週の日曜の事なんだけどね、再々来週にできないかなーって」

唯「……あ、無理? ですよねー。うーんとえーっと……」


http://i.imgur.com/MPeM8.jpg

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┃      ┃
┃  友  ┃
┃  人  ┃
┃      ┃
┗━━━┛


唯「澪ちゃん、私も……あ、一つ確認なんだけど好きっていうのは私の事が好きで交際したいっていう意味の好きだよね?」

澪「う、うん//// ていうかそれ以外なんてないだろ」

唯「ですよね。澪ちゃん、私も好きだよ」

澪「ゆい……!」

唯「澪ちゃん……!」


――――

――――――――

――――――――――――


唯「ふふ……」

澪「ん?」

唯「ああ澪さん」

澪「どうかした?」

唯「いえね、昔の事を思い出してたんですよ。高校の頃」

澪「へえ懐かしいなぁ」

唯「同じ大学へ行くために二人で受験勉強したね」

澪「したした。唯に教えるの大変だったんだよ」

唯「そうでしたっけ?」

澪「そうだよ。まだ何となく覚えてる」

唯「大学出てから一緒に住みだして」

澪「唯のだらしない生活に頭にきたっけ」

唯「あはは、昔の事だよ」

澪「さっき牛乳パック出しっぱなしでしたよ」

唯「あれま、いやーもう頭がボケてきちゃって」

澪「昔からだろ」

唯「えーそれはひどくない?」

澪「それとも本当にボケちゃったのか?」

唯「大丈夫だって。今日は澪さんと一緒になってからちょうど50年ですからねえ」

澪「覚えてるんじゃないか」

唯「やだねえ当たり前ですよぉ」

澪「唯」

唯「澪さん」

  「これからもよろしく」


http://i.imgur.com/Ag8Ll.jpg

■転機到来篇


タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッ


唯「HTTのライブが大成功。そこへ現れる謎の人物」

  「少しお話よろしいですか。私こういうものですけども」

唯「レコード会社の名刺!? これってもしかして……」

  「うちのレーベルからデビューしてみませんか?」

唯「きったーーー! HTTも遂にメジャーデビュー!?」

  「ただし、我が社としてはあなたに興味がありまして」

唯「……つまり?」

  「デビューするのは平沢唯さんだけ、という事になります」

唯「なんですと……」

唯「目の前に現れたスターへの階段。私もレッドカーペット勢に仲間入り?」

唯「だけど放課後ティータイムのみんなと一緒じゃない」

唯「だけどデビューすればバラ色の人生が私を待っている……」

唯「どうする?」


┏━━━┓┏━━━┓┏━━━┓
┃      ┃┃      ┃┃      ┃
┃  即  ┃┃  相  ┃┃  辞  ┃
┃  決  ┃┃  談  ┃┃  退  ┃
┃      ┃┃      ┃┃      ┃
┗━━━┛┗━━━┛┗━━━┛


唯「どうするの、私?」

唯「どーしちゃう?」

唯「どーしたらいいのよー!?」

┏━━━┓
┃      ┃
┃  相  ┃
┃  談  ┃
┃      ┃
┗━━━┛


唯「……少し考えさせてもらってもいいですか?」

  「ええ。いい返事を待ってます」

唯「……」

唯「どうしよ」


翌日

梓「お疲れ様です」

律「おつかれー」

澪「おつかれ」

紬「おつかれ」

唯「……はぁ」

梓「唯先輩はどうしたんですか?」

律「朝からずっとこの調子なんだよ」

唯「……あの、みんなに聞いてほしい事があるの」

律澪紬梓「えーーーー!?」

律「唯がデビュー!?」

紬「すごーい!」

唯「……あ、あれ? 怒らないの?」

梓「何言ってるんですかすごい事じゃないですか!」

唯「でも私だけなんて……」

澪「それは本当に残念だけどさ、悩んでるって事は挑戦してみたいんだろ?」

紬「私達の事を気にしてずっと悩んでいたんだよね」

梓「唯先輩と一緒にバンドやれないのは寂しいですけど……唯先輩が大勢の人の前でライブするところを見てみたいです」

律「ま、そういうこった! 唯のやりたいようにやってみろって。私達は応援するぞ!」

唯「みんなぁ……!」

数年後


  「唯さーん!」

唯「はいはーい! みんな揃ってるね?」

唯「では……」

唯「今日は念願の初武道館です。ここまでこれたのもみんなやファンのおかげです!」

唯「気合い入れて成功させるぞーーーー!! ファイッ!!!!」

  「おーーーー!!!!」

唯(みんな……遂にここまで来たよ)

唯(辛い時も苦しい時も頑張れたのは背中を押してくれたみんながいたから)

唯(放課後ティータイムの一員として恥のないライブにするよ)

唯(だから……私の事、ちゃんと見ててねっ!)


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┃      ┃
┃  即  ┃
┃  決  ┃
┃      ┃
┗━━━┛


唯「お願いします!!」

  「わかりました」

唯「こんなチャンスを逃すわけにはいかないもんね」

唯「みんなには悪いけど私は羽ばたくよ!」

  「それでは早速デビューに向けて打ち合わせしましょう」

唯「はいっ!」

紬「最近唯ちゃん来ないね……」

澪「もうすぐ新歓ライブなのに何やってるんだ」

梓「みなさん大変です! これ見て下さい!」

律「なにこれ」

梓「CDショップで貰える新譜情報が書いてあるチラシです! ここ見て下さい!」

澪「何々……ゆいーぷにゅぷにゅファーストSINGLE『ごはんたべる』? ってこの写真!」

紬「唯ちゃん!?」

律「嘘だろ!? あいつCD出すなんて一言も言ってなかったぞ!」

梓「私達に黙って歌手になっていたなんて……」

数年後


唯「あのー、この路線やめにしませんか? 私ギター弾いたりしたいんですけど……」

  「その事なんだけどね」

唯「はい!」

  「CDの売れ行きも良くないしライブもチケット全然売れないから契約解除って事で」

唯「はい! ……え!?」

  「そういうわけだから」

唯「ちょっまっ!?」

唯「……」

唯「はぁぁぁこれからどうしよう」

唯「そうだ、自分でCD買って売り上げ伸ばせば考え直してくれるかもしれない!」

唯「すみませんこのCD在庫含めてあるだけ売ってください」

唯「重っ!? どんだけ売れてなかったんだろう……」

唯「はぁ……家まで持ち帰るのも一苦労だよ。ちょっと休憩」

唯「あ、新譜のチラシが入ってる。最近こういうの見てなかったなぁ」

唯「どれどれ……放課後ティータイム待望のメジャーファーストシングル発売……へぇ」

唯「……」

唯「えエエェェッ!!!?」

唯「……」

唯「ファーストシングル発売にあたりメンバーのインタビューを掲載……」

唯「『ゆくゆくは武道館でライブがしたい。とある悔しさをバネにここまでやってきた』」

唯「『いまの放課後ティータイムをもっともっとたくさんの人に見てほしいです』」

唯「『ある人を見返したくて頑張りました』」

唯「『ほ。裏切るより裏切られる方がいい。だってその方が傷つかないから』……これは澪ちゃんだな」

唯「ちゃんとバンドとしてデビューしたんだ……いいなぁ」

唯「いまさら戻れないし……くそぉぉぉなにやってるんだ私」


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┃      ┃
┃  辞  ┃
┃  退  ┃
┃      ┃
┗━━━┛


唯「ありがとうございます」

  「それでは……」

唯「だけど、私にとっての音楽は放課後ティータイムなんです」

唯「放課後ティータイムだから楽しくて、素敵な音楽が出来るんです」

唯「私だけデビューしても意味がないんです」

唯「だから……ごめんなさい」

  「そうですか、わかりました……」

唯「……」

律「あーあーもったいねー」

唯「りっちゃん!?」

梓「そうですよ。プロへのお誘いが欲しい人は沢山いるんですよ?」

唯「あずにゃん……みんな聞いてたの?」

澪「悪いとは思ったんだけど、つい」

紬「でも私感動しちゃった! なんだかすっごく嬉しい!」

唯「ムギちゃん……」

澪「確かに放課後ティータイムだから楽しいんだよな。私もだよ」

唯「澪ちゃん」

律「やっぱり放課後ティータイムでなきゃな!」

唯「りっちゃん」

梓「……わ、私も唯先輩と一緒にバンド出来ないなんて嫌です」

唯「あずにゃん……!」

律「なんだよー私達とは一緒じゃなくてもいいのかー?」

梓「ち、ちがいますっ! そういう意味じゃなくて!」

紬「酷いわ梓ちゃん!」

梓「もうっ!」

唯「あはは」

澪「ちょっとだけもったいない気もするけどな」

唯「いいんだよ~澪ちゃん。だって私達は放課後ティータイムなんだよ?」

唯「私達はいつまでも放課後なんだから!」

澪「はは……まあ言いたい事は何となくわかったかな」

唯「みんなの想いも確認出来た事だしさっそく! ……さっそく! ……ほれ、あずにゃん」

梓「へ? ……ああ」

梓「練習ですか?」

唯「お茶だよ~♪」

梓「はいはい」

紬「やっぱりこれが放課後ティータイムよね♪」

唯「そうそう! ノーHTT、ノーライフ!」


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■卒業篇


唯「私達も卒業だねぇ」

律「なんかあっという間だったよなぁ」

澪「そうだな」

紬「お茶入りました~」

律「サンキュー」

ガチャ

澪「お、梓」

梓「すみません、今日くらいは私がお茶入れようと思ったんですけど」

律「あーずさっ、こっちこっち」

唯澪律紬「……」

律「なあ、梓」

梓「っはい」

律「これからの事なんだけど……」

梓「大丈夫です!」

唯「でも、私達今まであんまり……」

梓「本当に大丈夫ですから! 新入部員ビシビシ勧誘しますし、絶対絶対ぜっったい廃部にはしません!」

紬「梓ちゃん……」

梓「それよりっ、今まで私ちゃんと先輩方にお礼を言ってなかったような。だから、お礼の手紙を書いて……さっきまで書いてたんですけど……」

梓「律先輩、澪先輩、ムギ先輩、唯先輩」

律「サンキュ」

澪「ありがとう」

紬「ありがとう」

唯「ありがとー」

梓「先輩方っ、ご卒業おめでと……っ」

梓「……」

唯「どしたの?」

澪「梓?」

梓「……卒業しないでください」

律「梓?」

梓「もう部室片づけなくても、お茶ばっかり飲んでても叱らないから……」

梓「卒業、しないでよ……ふえぇぇえぇん……!」

唯「あっ、あずにゃん……!」

梓「すみません……あのっ、泣かないつもりだったのに……ひっく」

梓「笑って、見送ろうと……ぐすっ」

唯「うん」

梓「私だいじょぶですっ、ちゃんとけいおん部続けて、あの、トンちゃんもいますし……」

唯「これをあげよう」

梓「ふぇ……」

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┃      ┃┃      ┃┃      ┃
┃..LIFE ┃┃..LIFE ┃┃..LIFE ┃
┃.カード..┃┃.カード..┃┃.カード..┃
┃      ┃┃      ┃┃      ┃
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梓「……なんです、これ?」

唯「ライフカード。この先あずにゃんが大事な事を決める時にきっと役に立ってくれるよ」

律「なーにかっこいい事やってんだよっ」

紬「唯ちゃんずるい~」

唯「えへ~」

澪「梓、聞いて欲しい曲があるんだ」

律「んなっ!? 澪まで~!」

唯「あずにゃんの為に作ったんだよ」

紬「唯ちゃんそれは私の台詞っ!」

梓「……うふふっ」

梓「ありがとうございます」

唯「いいんだよ~。あずにゃんがあずにゃんの一歩を踏み出せるように」

唯「軽音部はあずにゃんに任せた! あずにゃんがつくるけいおん部楽しみにしてるね!」

梓「はい、私頑張ります!」

唯「それと……最後にこの言葉をあげよう」



唯「カードの切り方が人生だよ!」



タンッスタンッタタンッスッタタンッタンッタンッ
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梓「ライフカード……何が書いてあるんだろ」

ペラッ


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┃  留  ┃┃  留  ┃┃  留  ┃
┃  年  ┃┃  年  ┃┃  年  ┃
┃      ┃┃      ┃┃      ┃
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梓「」

梓「ちょっこれ……唯先輩?」


梓「あれ、唯先輩は?」

律「逃げた」

梓「え!? そういえば私まだ曲聞かせてもらってないですよ!」

紬「梓ちゃん、これ唯ちゃんから」

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┃      ┃
┃..LIFE ┃
┃.カード..┃
┃      ┃
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梓「う、またライフカード……」

ペラッ

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┃      ┃
┃ END. ┃

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┃      ┃
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梓「もおおおおおお!」



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