穂乃果「もうすぐクリスマスかぁ…」 (32)

穂乃果「海未ちゃん宿題教えてー」

海未「いいですよ。どこです?」

穂乃果「んーっとね、ここと、ここ。あとここもなんだけど」

海未「……全部じゃないですか!」

穂乃果「あははー……面目ない」

海未「ここは授業で解説があったはずですよ?聞いていなかったのですか?」

穂乃果「授業は、その……居眠りしちゃってて…」

海未「居眠り、ですか」

穂乃果「お恥ずかしい……」

海未「珍しいです。穂乃果が居眠りだなんて」

海未「そういえばこの前も授業中うつらうつらしていましたよね。

……また何かに頑張りすぎていたり、しませんよね?」

穂乃果「そそそそんなことないよっ?」

海未「……まぁそれについては後で聞きます」

穂乃果「ごめんねっ。忙しいなら無理に教えてくれなくても……」

海未「大丈夫ですよこれくらい。勉強会は私の家ででいいですか?」

穂乃果「ほんと?ありがとう海未ちゃん!」

海未「ついでに来週のテストに向けての勉強もみっっっちりやります。

私の家で。私の部屋で。泊まり込みで。くんずほぐれつで。」

穂乃果「う、うみちゃん顔がなんだか怖いよ?」

園田家宅

カキカキ・・・

穂乃果「うー……もう疲れたー……」

海未「始めてまだ30分も経ってませんよ?もう少しだけ頑張りましょう?」

穂乃果「そうだねー・・・」

海未(……穂乃果は好きなことだとズバ抜けた集中力を発揮するのですが、

苦手な分野だとなかなかスイッチが入らないんですよね……)

穂乃果「ゆきほぉ・・・お茶ぁ・・・お茶ぁ・・・」

海未「……一旦休憩を挟んだ方が良さそうですね」

海未「それじゃあ、この問題まで終わったら休憩にしましょう」

穂乃果「え!ほんと?!

海未「休憩にはおやつも付きます」

穂乃果「わかった!」

カキカキカキカキカキカキカキ

海未(はやっ!)




海未「全問正解です」

穂乃果「えへへ!穂乃果はやればできる子!」

海未「そうですね」(頭ナデナデ

穂乃果「もっと撫でて!えへへー!」

海未(かわいい……)
海未「………そうだ。勉強のやり方を変えてみましょうか」

海未「一問正解するたびに、
このポッキーを一本食べていい、というのはどうでしょう」

穂乃果「え?ポッキー?ポッキーかぁ……」

海未「ポッキーじゃ物足りませんか?」

穂乃「それもちょっとあるけど、

なんだか犬のしつけみたいであんまり気乗りしないなぁ」


海未「………なんとこちらのポッキー、
ブランド苺「美人姫」をドライフルーツにしたものを大胆に散りばめ、
そしてホワイトチョコソースにはあのゴディバを採用!
今年グリコがみなさんにお贈りする期間限定の新製品!
クリスマス仕様のイチゴ味ポッキー!
一箱お値段、ちょっぴり大人な700円!」


穂乃果「っ!!!(ごくり)」

海未「シンプルイズザベスト・原点回帰をモットーに作られたこのポッキー、
食べてみたくはありませんか?」

穂乃果「た、たべたい…!」

海未「それじゃあ勉強を再開しましょう」

穂乃果「わかった!」

海未「ぜ、全問正解!」

穂乃果「ポッキーはやく!ポッキーはやく!」

海未「ちょっぴりいじわるして難しめの問題をだしたのですが全問正解とは・・・

すごいです穂乃果!」(ナデナデ

穂乃果「ポッキーどこ?ポッキーどこなの?!」

海未「驚きを通り越して呆れてしまいそうです。ほんとにすごい!」 (ナデナデ

穂乃果「ポッキー!ポッキー!」

海未「やはりやればできる子ですね穂乃果は!偉いです!」(ナデナデ

穂乃果「ポッキーはぁ・・・?(涙目)」

海未「ごめんなさい、今のはわざといじわるしました」 ナデナデ

穂乃果「うぅ・・・ポッキー・・・」

海未「そんな泣かなくても・・・

約束はちゃんと守りますよ?」

穂乃果「やった!はやく!はやく!」

海未「オーバーなんですから、もう・・・。

はい、どうぞ」

穂乃果「太い!見るからに高級ポッキー!!それじゃあ、いただk」

海未「…………まて!」

穂乃果「っ!?は、はい!」

海未「……………」

穂乃果「………っ!………っ!」

海未「……………お手」

穂乃果「わん!」

ポテッ

海未「おかわり」

ポテッ

穂乃果「わん!わん!」

海未(素直でかわいい)
海未(……………)
海未「……………ち、ちんちん!」

穂乃果「なに言ってるの海未ちゃん」

海未「きゅ、急に素にもどらないでくださいよっ」

海未「たべたい?」

穂乃果「たべたい!」

海未「わかりました。
・・・ほうほ?」(どうぞ?)


穂乃果「………え、えーっと……なんで海未ちゃんがポッキー咥えてるの…?」

ポリポリポリポリポリポリ…

海未「(ゴクンっ)……私が咥えたポッキーを、
穂乃果が端からポリポリ食べていくんですよ」

穂乃果「な、なんで……?」

海未「穂乃果とイケナイ・ポッキーゲームをしたいからです」

穂乃果「真顔ですごいこと言うなぁ……」

穂乃果「私もポッキー食べたいよぅ……」

海未「ほははひだは」(はい、どうぞ)

穂乃果「い、いくらなんでも恥ずかしいよ!私たち女の子同士だよ?!」

海未「ん?ふぁへない?ほひひら?」
(食べないの?なら私が食べますね)

ポリポリポリポリっ!

穂乃果「あ!あぁ……ほのかのポッキーがどんどん減っていく……」

海未「……ゴク。おいしいです。セレブの味です」

海未「穂乃果は食べなくていいのですか?」

穂乃果「食べたいけど……」

海未「ふほ?」(どうぞ?)

穂乃果「普通に食べたいなー……なんて」

海未「ふぁめ」(だめ)

穂乃果「は、恥ずかしすぎるっ………」





海未「美味しいですか?」

穂乃果「甘酸っぱかった……」

海未「そうですね。さすがブランドイチゴです」

穂乃果「今日の海未ちゃんはなんだか男らしすぎるよ………」

海未「深夜になると目を覚ます私の中の獣が、私を荒野へと駆り立てるんです」

穂乃果「なにいってるかよくわかんないし……」

海未「さ、次の問題にいってみましょう」

穂乃果「う、うん」

海未「まずは九九から始めましょうか」

穂乃果「ええっ?!穂乃果をバカにしすぎだよ!」

海未「それでは、最上級の難しさを誇る7の段からどうぞ。しちろく?」

穂乃果「しじゅうに!」

海未「すごいです穂乃果!」

穂乃果「ねぇ、ふざけてないで勉強はじめよ?はやく勉強がしたいよ」

海未「『勉強がしたい!』
……よく言いましたね、穂乃果。その言葉を待っていたんですよ私は」

穂乃果「なんか偉そうだな」

海未「それでは再開しましょうか」

穂乃果「もう一度休憩を挟んで欲しい気分だよ……」






海未「………はっ!眠ってました!」

海未「ごめんなさい穂乃果!問題は全部おわり……ました?」

穂乃果「ぐがぁー………お饅頭……お饅頭がぁ……」

海未「眠っているようですね……」

穂乃果「………お饅頭こわいお饅頭こわい……
………わぁ!ちがうちがうっ……饅頭こわくないぃ……」


海未(かわいい寝顔です……)太腿スリスリ

穂乃果「むにゃむにゃ・・・」

海未(そういえば、穂乃果はどうして授業中に居眠りなんてしていたのでしょう

普段は居眠りなんてしないのに…。)

穂乃果「ふにゃぁ・・・」

海未(ふふっ……口元にお菓子のカスがついたままですよ?)

穂乃果「………うみちゃぁん……すきぃ……」

海未(私が…取ってあげますね……)





そして翌朝
穂乃果「うみちゃん急いで!学校遅刻しちゃう!」

海未「は、はい!」

海未(昨日はあの後色々しすぎたせいであまり眠れませんでした……)

海未「はぁ………」

海未(でも昨日は楽しかったなぁ……)

穂乃果「にやにやしてる場合じゃないよ?!海未ちゃん鞄持って!」

海未「ニ、ニヤニヤなんてしてません!」

穂乃果「………あ!そうだ!
忘れるところだった!海未ちゃん!」

海未「はい?なんでしょう」

穂乃果「はいこれ!」

ファサァ……

海未「こ、これは」

穂乃果「ふふっ、あったかいでしょ」

海未「すごく、あったかいです……でもこれ、どうして……」

穂乃果「えー?だって今日はクリスマスだよ?」

海未「そう、でしたね。」

穂乃果「ふふ、知ってたくせにー」

海未「………」

穂乃果「今年も海未ちゃんと二人でクリスマス過ごせてよかったよー」

海未「そ、そうですね……」

穂乃果「あれー?昨日の勢いはどこいったの?」 (ナデナデ

海未「不意打ちすぎるんですよっ。穂乃果はいつもっ……

あっ、もしかしてこのマフラーを編んでたせいで寝不足に……?」

穂乃果「とりゃ!デコピン!」

海未「い、痛いです穂乃果」

穂乃果「私がしたいからしたの!
海未ちゃんは変なこと気にしなくていいからね?」

海未「………」

穂乃果「そういえばこのマフラー編み間違えて
長くなっちゃったんだよねー。どうする?」

海未「………ほのかも一緒に巻けばいいんじゃないですか?」

穂乃果「えへへ、ありがと」


(完)

1おつ!名作でした!

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