恒一「修学旅行」(178)

災厄が存在しない夜見北3年3組のお話

久保寺「今日は皆さんが待ちに待った修学旅行の班決めと班別の行動計画を決めていただきます」

勅使河原「遂にキター!!!」

中尾「中学校生活最大のイベント!!!」

久保寺「叫びたい気持ちは分かりますがお静かに…」

    「まずは班決めから行いたいのですが、私としても皆さんには修学旅行を楽しんで貰いたい」
    「ですのでクジ引き等は行わず皆さんで話し合い班を組んで下さい」
    「男女3人ずつの班が4つ、男2女4の班が1つ」
    「では今から10分時間を取りますのでどうぞ」

ワイワイ ガヤガヤ

勅使河原「サカキ、望月ー!一緒に組もうぜー」

恒一「うん、いいよ」

望月「僕もいいよ」

綾野「泉美、由美ー!組もー!」

赤沢「はいはい、分かったから大声で呼ばないで」

小椋「彩、はしゃぎ過ぎ」

中尾「赤沢さーん、俺と組んでくれー!」

赤沢「さてと…あとは男子3人ね」

綾野「男子3人組かー」キョロキョロ
   「おっ、こういっちゃん達まだ組んでない?」

恒一「うん、まだだよ」

綾野「じゃあ私達と組まない?」

勅使河原「おっ、演劇部三人からお誘いか?俺はOKだぜ!」

赤沢「勅使河原には誰も聞いてないわよ」

恒一「あはは…僕はいいけど望月は?」

望月「拒む理由も無いし」

修学旅行二年で終わってね?と突っ込むのは野暮か

支援

久保寺「一通り決まったようですね」

A班:榊原/勅使河原/望月/赤沢/綾野/小椋

B班:猿田/王子/風見/松井/金木/桜木

C班:辻井/川堀/米村/有田/中島/多々良

D班:前島/水野/中尾/佐藤/渡辺/杉浦

E班:和久井/高林/藤巻/江藤/三崎/柿沼

久保寺「3組の皆さんは実に仲が良い」
      「私としても助かります」
      「では、次は同じ班の皆さんで集まり行動計画を立てていただきます」
      「観光ガイドブックを各班一冊ずつ用意しておりますのでそれを見ながら話合って下さい」

修正

A班:榊原/勅使河原/望月/赤沢/綾野/小椋

B班:猿田/王子/風見/松井/金木/桜木

C班:辻井/川堀/米村/有田/中島/多々良

D班:前島/水野/中尾/佐藤/渡辺/杉浦

E班:和久井/高林/藤巻/江藤/見崎/柿沼

>>10
災厄の事があったから全員が楽しめるように二年のうちに修学旅行済ませてたんだと思ってさ
災厄なんてあったら旅行なんて怖くて楽しめないし

綾野「んじゃ決定~♪よろしくね、こういっちゃん達!」

中尾「……無視された」ショボーン

前島「はは…」

水野「まぁ元気出せよ中尾」

―――
――

勅使河原「よーし、パパッと決めちまおうぜ!で、修学旅行ってドコ行くんだっけ?」

赤沢「はぁ?そんな事も知らないで計画立てようとしてたの?」
   「夜見北の修学旅行は二泊三日で京都と奈良に行くのよ」
   「一日目と二日目は班毎に計画を立てて行動するの」
   「ただし一日目はあっちに着くのがお昼頃になるから半日しか行動出来ないわ」

小椋「泉美が珍しく有能だ…」

恒一「じゃあ京都と奈良、どっちを二日目にするか決めないとね」

赤沢「そうね、多数決で決めましょうか」

結果:京都4、奈良2

赤沢「じゃあ一日目は奈良、二日目は京都…ということで計画を立てていきましょう」

…2時間後

赤沢「なんとか決まったわね」

綾野「今から楽しみだねー、こういっちゃん!」

恒一「うん、そうだね」ニコ

赤沢「(彩…手強い相手ね…)」
   「(まぁ今に見てなさい…最後に恒一君をゲットするのはこの私よ)」

―修学旅行当日・早朝―

勅使河原「おーっす……」フラフラ

恒一「うわっ、勅使河原元気ないね」

勅使河原「へへっ…楽しみ過ぎて全然寝れなかったぜ……」

望月「…小学生かよコイツ」ボソッ

久保寺「3組は全員集まったようですね」
     「駅までバスで行くので班毎にまとまって乗って下さい」

勅使河原「…さてと、俺は寝るかな……新幹線に乗ってから本気出す…」

赤沢「勅使河原はうるさいからずっと寝ててくれたほうが助かるんだけど」

綾野「由美は昨日ちゃんと寝れたかな?一年の時の林間学校みたいに―」

小椋「うっさい!寝れたわよ!」

望月「ところで榊原君、例のモノ持ってきてくれた?」ヒソヒソ

恒一「ああ、怜子さんの小さい頃の写真ね、持ってきてあるよ」
   「でも意外だな 望月ってただの年上好きだと思ってたんだけど…」

望月「ふふふ、甘いね榊原君 三神先生を愛するという事は三神先生の全てを受け入れるって事なんだよ」

恒一「そ、そっか…」

位置関係とかあまり考えてない


―新幹線―

勅使河原「いやー、良く寝たぜ!」

赤沢「うるさい」

望月「京都駅に着くまで結構時間あるし何かやろうよ 一応UNOとトランプは持ってきたよ」

勅使河原「ふふふ…俺は王様ゲームの用意をしてきたぜ!」

小椋「はぁ?」

綾野「面白そーじゃん、やろうよ!」

勅使河原「そうだそうだ!」
      「んじゃ早速、王様だーれだ!」

恒一「強引に始めた…」

赤沢「はぁ…仕方ないわね」

望月「あっ、僕が王様だ」
   「えっと、じゃあ…②が④の頬にキス」

赤沢「んなっ!?」

勅使河原「望月…最初から飛ばしやがるぜ」

恒一「えっと…僕が④なんだけど…」

綾野「わーい、私が②だよー!」チュッ

恒一「あ、綾野さん///」

赤沢「っく…次よ次!」バンバン

勅使河原「王様だーれだ!」

望月「あれ?また僕が王様か…」

赤沢「(私の番号は③…さぁ恒一君とのキスよ来い…)」

小椋「(泉美が真剣な顔になってる…)」

望月「じゃあね、③が―」

赤沢「(よし!第一関門突破…でも次が重要よ…)」

望月「①にデコピンされる!」

赤沢「」

勅使河原「えっと…俺が①なんだけど…」

赤沢「早く……しなさいよ………」

勅使河原「赤沢…すまん!」ビシッ

赤沢「別に…気にして無いわよ?」ゴゴゴゴゴ…

勅使河原「ひぃ!」

小椋「あはは…もう王様ゲームは終わりにしよ?ね?」

恒一「そ、そうだね…」

・B班

王子「猿田君、バナナ持ってきたんだけど食べる?」

猿田「からかうなぞな!でも食べるぞな!」

松井「杏子ちゃん…///」

金木「亜紀…///」


・C班

川堀「京都や奈良にイイ男居るかな…?」

辻井「変な問題起こすなよ?」

米村「ははは…」

・D班

中尾「畜生…修学旅行をキッカケに赤沢さんと仲良くなろうと思ったのに…」

水野「もう引きずるのはやめて修学旅行を楽しもうぜ?」


・E班

江藤「柿沼さん、本ばっか読んでて疲れないの?」

柿沼「え?うーん、本は読み慣れてるからそれほどでも無いかな?」

江藤「へぇ」

藤巻「アタシなんか1,2ページ読んだだけで頭が痛くなってくるよ」

―なんだかんだで京都駅着―

久保寺「それではここからは班別行動です」
     「18時までに宿泊所に来てください」
     「各クラスの担任・副担任の先生方が有名な寺院等を巡回しているので何かあったら気軽に声を掛けて下さいね」

赤沢「さて、私達はまず電車に乗って奈良まで行かなくちゃね」

勅使河原「うえー、また乗るのかよ」

小椋「せいぜい40分くらいでしょ 我慢しなさいよ」

望月「それにしても大きいね、京都駅」

―移動して奈良公園周辺―

恒一「鹿がうじゃうじゃ居るね…」

赤沢「約1200頭居るらしいわ そして全て野生動物よ」ドヤ

綾野「あ、鹿煎餅売ってるよー」

勅使河原「よーし、ちょっくら買ってくるか」

望月「なんか嫌な予感がするなぁ」

勅使河原「うお!?鹿煎餅買ったら急に鹿が寄ってきやがっ…うわっ、やめ…舐めるな!」

恒一「うわぁ…」

勅使河原「うぅ…煎餅無理やり奪われるし服とかバッグ舐められまくった…」

小椋「うわっベトベトじゃん それに臭い」

綾野「うわー、てっしー臭い」

赤沢「臭いから近付かないでくれる?」

勅使河原「畜生…ひでぇよ……」

望月「なんで鹿煎餅売ってる人達には奪いに掛からないんだろう」

恒一「不思議だね」

―東大寺・大仏殿―

恒一「これが奈良の大仏かぁ、大きいね」

赤沢「東大寺盧舎那仏像ね ちなみに高さは約14.7メートルよ」ドヤ

綾野「ますます由美の小ささが目立っちゃうね~」

小椋「うっさい!まだ中3だし!これから伸びるし!」

望月「三神先生8人…いや9人分くらいかな…」

勅使河原「(臭い落ちないなぁ)」

―興福寺―

勅使河原「あれが五重塔ってヤツかー」

望月「三重塔っていうのもあるみたいだね」

赤沢「五重塔っていうのは仏塔の形式の一つで、層塔と呼ばれる楼閣形式の仏塔のうち五重の屋根を持つモノの事よ」
   「ここ以外にも法隆寺や東寺、室生寺や醍醐寺などにもあるわ」ドヤドヤ

小椋「(最近泉美が図書館や本屋に通ってたのは、こうやって知識をひけらかすためだったのね…)」

赤沢「(ふふふ、奈良に詳しい泉美ちゃん可愛い!さぁ恒一君、食いついてきなさい!)」

綾野「こういっちゃん、あの赤い建物なんだろ?」

恒一「南円堂っていうみたいだね 行ってみようか」

赤沢「」プルプル

―――
――

小椋「さてと、そろそろ帰りの電車に間に合うように戻らないとね」

勅使河原「予定してた所、全部は行けなかったな」

赤沢「勅使河原のバカが鹿と喧嘩なんかしてたからね」ゴゴゴゴゴ…

勅使河原「すいません」

恒一「明日も楽しみだね、綾野さん」

綾野「うん!」

望月「(明日は三神先生に会えるといいな)」

―宿泊所・男子部屋―

勅使河原「うぃー、疲れた疲れた」

中尾「おい、勅使河原!今日の赤沢さんの様子はどうだったんだ教えろ!」

勅使河原「あー、無駄に知識披露したり…あと怒ってたな」

中尾「赤沢さんの持ってる知識に無駄なんて有りはしないだろ!馬鹿かお前は!」

勅使河原「へいへい…」

高林「ゆっくり休まないとね…ただでさえ僕達は体が弱いんだから」

和久井「ははは…そうだね」

風見「(こっそり桜木さんの写真を撮りまくったぞ!これで色々と捗る……明日も楽しみだ)」

川堀「それなりにイイ男居たんだけどなー」

辻井「(川堀は放って置くと危ないな…明日は鎖で繋いでおくか)」

望月「ねぇねぇ榊原君、三神先生の大胆な写真持ってない?」

恒一「持ってないよ…」

中尾「畜生…なんで赤沢さんと同じ班になれなかったんだ…なんで……」

王子「そろそろ入浴の時間だね、準備しないと」

猿田「そうじゃのぅ」

中尾「…」ピクッ
   「そうだ!女湯を覗こう!!!」

―女子部屋―

綾野「歩き疲れちゃったよー」

小椋「結構歩いたからね」

松井「そろそろお風呂の時間だね」

金木「ねー」

赤沢「(明日こそは恒一君を…明日こそ明日こそ明日こそ明日こそ……)」

渡辺「風呂かぁ バカ男子共が覗かないように気を付けないとな」

藤巻「中尾辺りがやらかしそうだな」

杉浦「あぁ、それならさっき浴場の近く通った時に―」

―男湯―

水野「いやー、気持ちいい」

前島「疲れが一気に取れるような気分だね」

水野「それにしてもアイツら…どうしたんだ?」

前島「さあ…?」

中尾・勅使河原・風見「」

勅使河原「(俺達が女湯に侵入しようとした時、ヤツは突然現れた)」
      「(まず最初にやられたのは中尾)」
      「(中尾が『ここは俺に任せてお前らは逃げろ!』と叫んだ直後、ヤツは中尾に重い金的を食らわした)」
      「(そして驚いて動けないでいた俺達の目の前へヤツは一瞬で移動)」
      「(俺の直哉と風見の智彦を掴みそのまま俺達を投げ飛ばした…)」

川堀「アイツら本当に馬鹿だよな 女の何がいいんだか…」

望月「本当だよ 同年代の女の何がいいんだか…」

恒一「(僕はお前らが心配だよ…)」

―二日目―

勅使河原「よっしゃー!張り切って行くぜー!」

望月「朝からうっせぇな…」ボソッ

赤沢「まずは清水寺ね」

綾野「こういっちゃん、今日は手繋ご?」

恒一「えぇ!?///」

赤沢「!?」

勅使河原「お?どうしたサカキ~ 手くらい繋いでやれよ~」ニヤニヤ

恒一「う、うん///」

綾野「えへへ」ギュッ

赤沢「……ふんっ」ガスッ

勅使河原「いぎぃ!?」

綾野「(ふふふ…泉美がこういっちゃんを狙っている事なんてとっくに気付いてるよ…)」
   「(でもこういっちゃんは絶対に渡さない…)」

赤沢「(このままではかなり不利ね…でも負けちゃダメよ泉美!)」ゲシゲシ
   「(今日のために京都についても色々と知識を蓄えてきたわ!)」ゲシゲシ

勅使河原「なんで蹴るんだよ!ちょっ、痛い痛い!」

小椋「……はぁ」

―――
――

赤沢「着いたわね」

勅使河原「坂道長過ぎだろ…まだ6月前だってのに暑い…」

望月「へぇ、ここが清水の舞台か 勅使河原君ちょっと飛び降りてみてよ」

赤沢「残念だけど飛び降りは禁止されてるわ」

勅使河原「禁止されてなかったらいいのかよ…」

恒一「それにしても、よくこんな斜面の上に建ててあるよね」

赤沢「ケヤキの柱を139本使って支えているらしいわ 釘は使っていないそうよ」ドヤ

恒一「へぇ、赤沢さん詳しいんだね」

赤沢「そ、そんな事ないわよ///」
   「(やったー!恒一君に褒められた!)」

綾野「懸造って言う構造らしいよ~」

恒一「そうなんだ 綾野さんも詳しいんだね」

綾野「えへへー」
   「(甘いわよ泉美!)」

赤沢「っ!(彩のヤツ…)」

小椋「(彩と泉美が火花散らしてる…)」

望月「……」ピクッ

勅使河原「ん?どうしたんだ望月」

望月「………来る!!!」

勅使河原「はぁ?」

恒一「…あ、れいk、三神先生」

三神「あら、A班じゃない」

望月「キタ――(゚∀゚)――!!」

赤沢「こんにちは、三神先生」

三神「こんにちは」
   「皆楽しんでる?修学旅行」

恒一「ええ、そりゃもう」

小椋「あ、そうだ 良かったら写真撮ってくれませんか?班の集合写真」

三神「ええ、いいわよ」

望月「三神先生に撮られる…三神先生に捕られる…三神先生に捕らわれる!?」

三神「じゃあ、ほら並んで並んで 撮るわよー」パシャッ

小椋「ありがとうございます」

勅使河原「お、そうだ!三神先生も並んでください、俺が撮りますんで」

三神「あら、それじゃお願いしちゃおうかしら」

勅使河原「んじゃ、望月の隣にでも」

望月「(て、勅使河原君…!)」

勅使河原「綾野はサカキにくっ付き過ぎだぞー」
      「赤沢は綾野睨み付けてないでこっち見ろ!」
      「はい、チーズ!」パシャッ

三神「それじゃあ、私はもう少しここに残るから」

赤沢「はい、ありがとうございました」

望月「勅使河原君…キミってヤツは…」

勅使河原「はは、気にすんなよ!友達だろ!」

望月「見直したよ勅使河原君…これからは小声で悪口言うの控えるよ」

勅使河原「お、おう…」

―鹿苑寺―

恒一「人が多いね」

綾野「あはは、迷子になっちゃいそうだね~ 特に背の低い由美とか……あれ?」



小椋「あぅ…皆と逸れちゃった……」
   「また彩に馬鹿にされる…」

佐藤「あれ?小椋さん?」

小椋「さ、佐藤さん!?」

杉浦「あら小椋さんじゃない 一人?もしかして逸れたの?」

小椋「べ、別に…そういうワケじゃ…」

杉浦「はぁ…確か泉美と同じ班よね おい、中尾!」

中尾「ひぃ!?は、はひ、何でしょうか杉浦様!」

杉浦「今、泉美はどの辺りに居る?」

中尾「赤沢さんの居場所ですか…お任せ下さい」クンクン
   「あ、あっちに居るようです!」

杉浦「そう ほら行くわよ、小椋さん」グイッ

小椋「うぅ…」


赤沢「あら、多佳子じゃない それに由美!」

勅使河原「お?D班じゃねーか」

杉浦「さっきアッチで小椋さんを拾ってね」

綾野「由美ー!心配したんだからー!!!本当に迷子になっちゃうなんてぇ…」ギュー

小椋「別に迷子なんかじゃ……わ、悪かったわよ…」

綾野「えへへー、もう離れちゃダメですからね!」ナデナデ

勅使河原「小椋もサカキと手繋いだらいいんじゃ――ごふっ!?」

赤沢「いい加減にしろよ勅使河原……」ボソッ

杉浦「…んじゃ、私達は次の場所行くから」

中尾「赤沢さん!俺を褒めて下さい!小椋をここまで連れてこれたのは俺が―」

赤沢「うん、ありがとね多佳子」

望月「あはは…それじゃあ小椋さんも見つかったし僕達も行こっか」

恒一「これが金閣かぁ」

勅使河原「やっぱ金ピカなのなー」

赤沢「鹿苑寺の通称『金閣寺』の由来になった建物ね」

綾野「正式には舎利殿って言うらしいよー」

恒一「へぇ、そうなんだ」

赤沢「むっ!………」
   「舎利殿は初層・二層・三層のそれぞれに異なる様式を採用した特異な建築になっているわ」
   「初層は寝殿造風で『法水院』と称していて、中央に宝冠釈迦如来像、向かって左に法体の足利義満坐像を安置、」
   「二層は書院造風で『潮音洞』と称していて、岩屋観音坐像と四天王像を安置、」
   「三層は禅宗様の仏殿風で『究竟頂』と称していて、仏舎利を安置してるらしいわ」ドヤドヤドヤドヤァ

恒一「あはは…凄いね赤沢さん でもさ、もう少し気軽に観光を楽しんでもいいんじゃない?」

綾野「ふっ」ニヤリ

赤沢「んな……」ガクリ

小椋「…まぁまぁ、元気出しなよ泉美」

赤沢「………」
   「ドーシテ!ドーシテ!コウイチクン、ドーシテ!」バサバサ

小椋「!?」

望月「えぇ!?赤沢さん、急にどうしたの!?」

綾野「ちょっと泉美!?」

赤沢「ドーシテ!」バサバサ

恒一「うちのレーちゃんみたいになってる…」

勅使河原「ま、まぁ…疲れてんだよきっと…時間が経てば戻るんじゃねーの?……たぶん」

赤沢「ドーシテ!ドーシテ!ドーーシテ!!!」バサバサ

―北野天満宮―

勅使河原「おっ?なんだこの牛の置物、頭がピカピカだぞ」

恒一「なで牛だね、折角だし頭撫でていこうか」

赤沢「ドーシテ!」バサバサ

恒一「天満宮では牛は神使とされてるからね 撫でると頭が良くなるって言われてるんだ」

勅使河原「そうなのかー んじゃ撫でておくかな!」

小椋「勅使河原は沢山撫でておいたほうがいいかもね このままじゃ高校受験危ないし」

赤沢「ドーシテ!」バサバサ

望月「勅使河原君、テストの点とか結構ヤバイからね…」

勅使河原「牛さん、牛さん…コイツらを見返すくらいの学力を下さい!」ナデナデ

綾野「私もサボったりしてるから結構辛いんだよね~」ナデナデ

恒一「授業はちゃんと受けなきゃダメだよ、綾野さん」

綾野「今度から気を付けます!」ビシッ

小椋「それじゃ、泉美も元に戻らないことだし少し早いけどお土産屋さんにでも寄ってから戻りましょうか」

恒一「そうだね」

勅使河原「八ッ橋買わねぇとなー」

赤沢「ドーシテ!ドーシテ!!!」バサバサ

―――
――

―男子部屋―

中尾「今日こそ女湯を覗く!!!」
   「昨日はあんな事があって俺なんて杉浦に逆らえなくなっちまったが…それでも諦められん!」

風見「君…本気で言ってるのかい?」

勅使河原「懲りねぇな、お前…一人で行ってくれ」

中尾「んなっ!?お前ら冷たいな…まぁいい!俺は行くぜ!!!」マカセロー

その後、中尾順太の姿を見た者は誰一人として居ないという

―女子部屋―

綾野「いやー、泉美が元に戻って良かったよ」

小椋「ホントよね ずっと鳥のままなんじゃないかって心配したわ」

赤沢「え?え?何の事なのよ!?」バサバサ
   「(何故か金閣を見た辺りから記憶が無い…)」バサバサ

綾野「まだ腕を翼みたいに振るのは治ってないけどね~」

―翌日―

恒一「(三日目はとある寺院で坐禅体験をした)」
   「(途中、勅使河原が放屁した事により笑ってしまった人達が次々と直堂さんに警策で叩かれる、等のエピソードはあったが…)」
   「(まぁどうでもいいだろう)」

―帰りの新幹線―

勅使河原「色々あったけどやっぱ楽しかったなー、修学旅行!」

望月「そうだね、三神先生と写真撮れたし僕は満足だよ」

小椋「はぁ、帰ったら受験受験ってうるさい毎日がまた始まると思うと憂鬱ね…」

綾野「こういっちゃん、お菓子食べる?」

恒一「え?じゃあ貰おうかな?」

綾野「はい、あーん」

恒一「あ、あーん///」パクッ

赤沢「……」
   「(彩に随分とリードを許してしまったわ…)」
   「(それに二日目の半日分の記憶、未だに思い出せないし…何があったのか問い質しても誰も教えてくれないし…)」
   「(はぁ…でも私は諦めないわ!まだ半年以上時間はあるのだから!)」
   「(恒一君は私のモノよ!!!)」

―――
――

―勅使河原宅―

勅使河原「たっだいまー!」

てっしー姉A「おかえりー、なおクン~寂しかったんだぞ~」ギュー

勅使河原「ちょ、やめろって姉ちゃん!」

てっしー姉B「ほら、さっさとお土産出しなさい!」

勅使河原「少しくらい待ってくれよ!」

―望月宅―

望月「ただいま」

智香「あら、おかえり優矢」
   「楽しかった?修学旅行」

望月「うん!楽しかったよ」
   「はい、これお土産」

智香「まぁ、ありがとう」ニコ

―綾野宅―

綾野「ただいまー!」

綾野母「おかえりー、随分元気ね 何か嬉しい事でもあったの?」

綾野父「はっはっはっ、元気なのは良いことだ!」

綾野「えへへー」ニヤニヤ

―小椋宅・敦志の部屋前―

小椋「ただいま、兄貴」

敦志『…(何か静かだと思ったら修学旅行に行ってたのか)』

小椋「えっとね、兄貴にお土産買ってきてあるんだ」

敦志『…(お土産ねぇ…)』

小椋「お菓子と交通安全のお守り…ここに置いとくね」

敦志『…(なんで交通安全なんだよ!)』
   『…(修学旅行、か…あれ、目から汗が……)』
   『…(懐かしいな…偶にはどっか出掛けて気分転換するってのも悪くないかもな……)』

―赤沢宅・泉美の部屋―

赤沢「さてと…恒一君をゲットするための彩対策を考えなくては…」

ガチャッ

和馬「よぉ、泉美!帰ってきてたか!」

赤沢「お、お兄ぃ!ノックくらいしなさいよ!」
   「…全くこんな時間までどこ行ってたのよ」

和馬「はははっ、それで俺の分のお土産は?」

赤沢「…図々しいわね はい、これ!」

和馬「サンキュー、じゃあな」バタンッ

―三神宅―

恒一「ただいまー」

理津子「おかえりなさい、恒一」
    「怜子は一緒じゃないの?」

恒一「怜子さんは先生の用事で少し遅くなるって」

理津子「あら、そうなの」

恒一「はいこれ 皆の分のお土産」

民江「あらあら、ありがとね恒一ちゃん」

亮平「恒一は優しいなぁ 良い孫を持ったもんだなぁ」

理津子「後でお父さんにも送ってあげなきゃね」

恒一「うん!」

3組の皆と行った修学旅行は、恒一にとって最高の思い出になりましたとさ

おしまい

鳴ちゃん出さなかったのは災厄が存在しないと恒一と接点が無いっていうのもあるけど、
鳴ちゃんを絡ませると他のキャラが動かしにくかったからってのが大きい

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