杏「いっそ特技はパントマイムってことにしよう」P「何がだ?」(134)

杏「プロデューサー……私にいい考えがある」

P「おう、ろくでもないこと思いついた時の顔だな……話してみろ」

杏「これから先、私が印税生活を送るには知名度を上げないといけない」

P「そうだな」

杏「でも何時間も収録に付き合わされるテレビの仕事はめんどくさい」

P「……おう」

杏「だから、特技をパントマイムってことにするんだ」

P「なんでだ?」

杏「最近はリアルな等身大人形も流行っててね……」

P「アホか」

杏「私は私なりに仕事にまじめに打ち込もうと思った結果なんだけどなぁ」

P「方向性どころか開始点が間違ってるからな?」

杏「ふむ……文化の違いだね、プロデューサー……長い付き合いだったけどお別れした方がいいよ」スタスタ

P「何一つとして話が進んでない、帰ろうとするな?」ガシッ

杏「……ダメ?」

P「ダメ」

杏「ケチだなぁ、週にたったの8回の休暇でいいっていってるのに」

P「休むために限界を超えるな」

杏「私は休むことに対しては常に真摯だよ?」ドヤッ

P「ドヤ顔をやめろ」

杏「まったくもう……それで、プロデューサーは私になにをして欲しいの?」

P「だからテレビ収録だって」

杏「あぁそうだった。 だからね、プロデューサー……それじゃあ人形は諦める

P「おう」

杏「でも、私の特技はパントマイムってことにしておいて欲しい」

P「……で?」

杏「収録開始から一度も起き上がらないっていうパフォーマンスはどうかな」

P「……もしもし、きらりか? あぁ、杏がな……」

杏「ストッープ! うん、しょうがない話を聞こう。ここはいったん落ち着こうじゃないか」

P「ん、いつも楽しいから感謝してるってさ、そう、それだけ……じゃあな」

杏「……今ので次の顔合わせが100倍憂鬱になったんだけど」

P「普段から憂鬱さが限界超えてるんだ、100倍になってもそう変わらないだろ」

杏「はぁ……帰りたい……」

P「今日の仕事はこれで終わりなんだ、あとひと踏ん張りだろ?」

杏「帰りたさに仕事の残量なんていうケチな理由はないよ」

P「……誇り高き戦士の顔をしてるな」

杏「私だって生半可な気持ちで帰りたいって言ってるわけじゃないってことだね」ドヤッ

P「そうか……まぁ、明日からのスケジュールはまた考え直してやるから」

杏「……本当に?」

P「あぁ、俺は約束を違えはしない男だ」

杏「……前、それで『考え直した結果だ』とかなんとかいって仕事増えてたじゃん」

P「あれはCD発売直後で話題性があってなぁ……」

杏「だから信頼ならないんだ……静かにひきこもらせてもくれないし」

P「静かにひきこもらせるに惜しい人材だとも思ってるからな」

杏「だったらもっと給料も高くして、仕事も私に選ばせてくれてもいいんじゃない?」

P「ランクがあがればそうしてやるさ」

杏「前も同じごまかされ方した気がするんだけど」

P「まだランクが低いってことだな」

杏「……はぁ、帰りたい……」

P「まぁまぁ、だからとりあえず今日のいま、ここだけはがんばってくれよ……飴やるからさ」

杏「……ん、しょうがないなぁ……」

P「ありがとう、それじゃあいくぞ」

杏「はいはい……あ、ところでなんの番組?」

P「クイズ番組だ。収録はテッペン超えるかもしれないな」

杏「え?」

P「ん?」

杏「テッペンってさ……12時?」

P「そうだな、業界用語もマスターしたか……杏はポテンシャル高いなぁ」

杏「いや、いやいやいやいや!? だって、まだ夕方だよプロデューサー!?」

P「そうだな、6時に開始だからそろそろ入りたい」

杏「……私、やっぱり急激な腹痛で……」ヨロッ…

P「そうはいかんな」ガシッ

杏「なんでそんなに時間かかるのさ、ありえないでしょ!?」

P「いやぁ、新しく稼働するゲームとかもあるからある程度絵的にも面白くしたいとか」

杏「……やらせもあるってこと?」

P「いや、だからリハーサルも含めて念入りに撮って多少編集入れるとか」

杏「えー、どうせならゲーム中に無理をおして『ここで燃え尽きてもいい』とかいって倒れて病院運ばれたって設定で」

P「帰りたいだけだよな?」

杏「そうだね、帰りたいよ?」

P「うん、自分に正直だな」

杏「帰りたさに嘘はつけないね」

P「すばらしい誠実さだな」

杏「はぁ……どうせ何言っても無駄だし、家に無理に帰ってもひどい目みるのはわかってるから」

P「やる気になってくれたのか、嬉しいぞ」

杏「やる気はないよ、断言できる」

P「そうか、それでも杏が働いてくれるのは嬉しいぞ」

杏「……できればもう少し仕事が少ないと私も働く気が沸くと思うんだけどね」

P「具体的にはどれぐらいだ?」

杏「10割カットかな」

P「働け」

杏「休息だって仕事のうちっていうでしょ?」

P「お前に言われるための言葉じゃないと思うぞ」

P「おっと……もうスタジオ入りしないとな」

杏「ん……私は不慮の事故で病院に」とてとて

P「はい蘇生したー、いくぞー」ガシッ

杏「わー……はぁ、帰りたい……」ズルズル

P「大丈夫だ、これが今日最後の仕事だからなー」

杏「日付変わるまで働くならそりゃ最後の仕事にもなるでしょ……帰りたい……」

P「なるほど、それじゃあこれからの仕事は全部日付変わるまで突っ込むようにしてもらうか」

杏「……冗談だよね?」

P「さぁどうだろうな、今日の杏のがんばりしだいだ」

杏「ひどい脅迫だ……弁護士を呼んでくれ!」

P「俺が弁護士だ」

杏「無茶苦茶だ……帰りたい、あぁ帰りたい、帰りたい……あ、一句できた」

~~~~~☆偽りの舞台、演じるべき闇(スタジオです!)☆~~~~~

杏「わー、よろしくー」

P「よろしくおねがいします。今回はうちの杏を使っていただいて……」

ディレクター「いやいや、本当にいいね、けだるい感じ! うちの新企画にもぴったりって感じで!」

P「え、新企画ってボールランナーじゃ」

杏「なにその疲れそうな名前! クイズ番組じゃなかったの!?」

ディレクター「大丈夫、今はギャップがうける時代よ! イケるイケる!」

P「そうでしょうか……あまりいい予感がしないんですが……」

杏「ちょっと、プロデューサー?」

P「どうした杏」

杏「クイズ番組じゃないの? 適当な文字書いてれば特に目立たず疲れず終われるんじゃないの?」

ディレクター「いやいや、いまどきただ問題解くだけのクイズ番組なんて数字とれないからねぇ」

杏「……プロデューサー、私が死んだら遺骨は部屋に帰してくれ」

P「ふぁいとっ♪」

杏「……きらりにいいつけてやる……」ボソッ

P「いやぁ、本当はそこまでキツいポジションじゃなかったはずなんだけどな……?」

杏「でも体動かす必要もあるって先にいってくれなかったじゃんか……」グデー

P「まぁまぁ、ちゃんと明日は……」

杏「おやすみ!?」ガタッ

P「……午後からだから」

杏「……日付変わるまで働く予定なのに、明日も働くんだ……あぁ、帰りたい……」ストン

P「まぁまぁ、明日はインタビューだから……」

杏「えー、移動も面倒だなぁ……」

P「きらりに頼めばお姫様だっこで移動できそうだが」

杏「あれはやめて、酔うから……シャレにならないよ?」

P「あぁ、経験済みか……」

杏「人の身体は斜めの揺れに耐えれるようにできてないんだってさ、プロデューサー」

P「ほう?」

杏「あいつ……だっこしてる相手を左右に揺らしながら走るんだ」

P「……ふむ」

杏「で、普通なら人を抱えてダッシュっていってもたかが知れてるけど」

P「……きらりだからなぁ」

杏「うん、縦揺れもすごい。だから……シャレにならない。なんならプロデューサーも頼めば?」

P「さすがに無理があるだろ?」

杏「トイレ入ってたら『おりゃー☆』とかいいながらドアこじ開けられた恐怖、わかる?」

P「……うん、杏……すまんな」

杏「わかればいいよ。私の超貴重な休日に家に来ないようにしつけてくれれば」

P「……家の鍵は?」

杏「無駄そうだからかけてない」

P「そうか……きらりと杏の休日は被らないほうがよさそうだな」

杏「うん、きらりはパワーも有り余ってるみたいだしなんならきらりの休日も私が休めば」

P「ずっと事務所にいれば自宅襲撃される心配はなくなるよな?」

杏「……おっけー、話をしようよプロデューサー」

P「うん、理解あるアイドルを持って俺は嬉しいよ」

杏「私は甘い話に飛び着いちゃった自分のダメさにちょっと嫌気がさしてるよ……っていうかもう本番?」

P「そうみたいだな……いや、割と予想外なのは本当だ。無理はするなよ?」

杏「既に空気が無理っていうのは?」

P「それはダメだな」

杏「……ケチだなぁ」

P「倹約家なんだよ、俺」

~~~~☆しゅーろく開始☆~~~~

司会「えー、みなさんはうどぅゆどぅー? お元気ですかー!」

司会「『アタック☆クイズ~流れ星のように~』のお時間です」

司会「毎度おなじみの芸人さん達と、俳優さん、さらにゲストの方もおまねきしてまーす!」

司会「どうぞー!」

\プシュー/

司会「はい、ゲストは新感覚アイドル双葉杏さんです!」

杏「……よろしくー」

司会「杏さんとは……3回目、ですかね?」

杏「そうだね……できれば賞品とかの説明は先にしてね?」

司会「あ、あはは……はい、てなわけでよろしくおねがいしまーす!」

芸人「杏ちゃんめっちゃかわいいよねー!」

杏「まぁねー、それほどでもあるかな」

芸人「もうねー、俺だったらオフの日とかに握手求められたら金とっちゃう。それ許されるぐらいかわいいもん」

杏「え、知ってたの?」

芸人「えっ」

杏「え?」

司会「は、はいはーい! それではですねー、さっそく最初のゲームに移りたいのですが!」

俳優「くじ引きですか?」

芸人「あ、なんだこの怪しい箱わぁ~!」

相方「相変わらずしらじらしいなお前」

司会「はい、丁寧なご説明ありがとうございます! チーム分けのくじです!」

司会「ひとつずつ引いてください、色で振り分けとなっています!」

芸人「んー……緑、こい! あぁ、赤だわぁ」

相方「緑は入ってねーよ! ん、俺も赤です」

俳優「それじゃあ僕も……青ですか」

ギャグ「あ、青ですね! 気が合うんじゃないですか!」

ツッコミ「おい、俳優さん困ってるだろ……お、俺は赤か」

ピン「あー、じゃあこれで……ん、青です」

ソロ「私も……あ、赤です」

杏「じゃあ私は青でしょ? ひかなくても……ん? なにこれ、黒……?」

司会「あ、杏さんがひいてしまったようですね……それは……」

ドン☆\罰ゲームだZE/

杏「えええええええ!? なにもしてないのに罰とかおかしい! 私は帰らせてもらうぞー!」

司会「まぁまぁ……おちついてください……」

杏「聞いてない! 聞いてないよ! ……これは契約不成立で帰宅も許されるべきだと思うよ?」

司会「いやぁ……まさかアイドルの方がひくとは思ってなかったみたいで……」

芸人「ちょっとちょっと司会さぁ~ん! 俺たちも知らないですよ、それぇ!」

ギャグ「ボクたちのおいしいところもってちゃうとか芸人殺しですねぇ杏ちゃん!」

杏「欲しいならあげるよ……あぁ、一気に帰りたくなった……」

俳優「それで、罰ゲームってなんなんですか?」

司会「はい、こちらのダーツを投げていただいて、刺さった部分の罰ゲームを実行していただきます」

司会「……本当は、芸人さんや俳優さん、ギャグさんがひいてのサプライズの予定でしたが……」

司会「すいません杏さん、がんばってください!」

杏「他人事だと思って無責任な……これ、刺さらなかったら?」

司会「一番キツい罰ゲームになりますね……熱湯風呂です」

杏「えぇぇ……はぁ、仕方ない……やるよー」

\キャーアンズチャーン ガンバレー ウゾダドンドコドーン ハズセー/

杏「ふー……えいっ」ストッ

司会「えーっと……罰ゲームは……免除!?」

杏「ふっ、私が本気を出せばこのぐらい楽勝だよ」ドヤッ

司会「ま、まさか初回でこんな細い免除に刺さるとは……すごいですね……」

ギャグ「いやいやいやー、杏ちゃん本当に芸人殺しだねぇ! スゴいよ」

ツッコミ「いや、素人芸じゃないね……」

杏(まぁ、偶然だけど私に働くなっていう神様からのメッセージだよね)

司会「それでは改めまして、チーム分けを発表しますねー!」

赤:芸人、相方、ツッコミ、ソロ

青:俳優、ギャグ、ピン、杏

司会「この2チームに分かれての対抗戦です。勝者には豪華景品がプレゼントされまーす!」

杏「……ねぇねぇ、まさかゲストが勝つとレギュラーとかじゃないよね?」ボソボソ

司会「あ、あはは……残念ながら違いますよー。景品は旅行です!」

杏「旅行かぁ……家からでないといけないのは面倒だしここは……」ブツブツ

司会「それに、ゲストの方は勝ち上がると欲しいものがプレゼントされるんです!」

杏「なんだって!?」ガタッ

杏(有給休暇をもらおう! 番組の景品なら呑まざるを得まい!)

すまん、飯食ってくる
落とすなら落としてくれていい、9時過ぎには帰ってくる

期待期待

保守の間SS読みたいんだけどモバマスSSでなんかお勧めある?

>>56
最近の楓さんのSS二つと凛と同棲するやつがよかったよ

楓「プロデューサー、今夜飲みにいきません?」
P「こんなこと言えるの、楓さんしかいません」
たしかこんなスレタイだったはず

杏「ふっふっふ……本当ならやる気が出ないけど」

杏「今回に限って、この私が全力でやってあげよう!」

俳優「ん、がんばろうね杏ちゃん! よーし、僕もやる気だすぞー」

杏「よーし、がんばれ! 作戦部長に任命してあげよう」

ピン「あたしだって身体はってやるよー!」

杏「肉体労働はまかせた!」

ギャグ「おっしゃあ! ボクはうしろで賑やかします!」

杏「よーし、士気は大事だからがんばってね!」

俳優「……あれ?杏ちゃんは?」

杏「私? 私はマスコットとしてみんなのことを優しく見守るから」

ピン「あ、はい」

司会「作戦会議はできましたかー? それでは最初のクイズです」

杏「……ルームランナー?」

司会「はい、『はしって☆GOGO』はマラソンとクイズを合わせたまったく新しいクイズです!」

杏「もう名前からしていやな予感しかしないんだけど……」

司会「画面上のキャラはルームランナーと連動しています。障害をよけながら繰り出されるクイズに答えてください!」

杏「なるほどなるほど……じゃあ、あとは頼んだ、ピン!」

ピン「よっし、まかせろー! って、杏ちゃん、あたし一応先輩なんだけどー!?」

杏「えー、ほら持ちネタで『細かいことは気にするな』って」

ピン「それあたしじゃないよ! 似てるって言われたけどー!!」

ツッコミ「じゃああの、影薄いって言われてるんで俺いきます」

芸人「おいおいおいそんな理由でいいのかよおぉぉぉ! あ、俺は走る気ないんですけどね?」

相方「……らしいのでうちからはツッコミさんで」

司会「はい、エントリーメンバーの方は決定ですね?それでは、ヘルプメンバーをくじ引きで」

杏「へっ? なにそれ……」

司会「あらら、説明してませんでした……すいません!」

ソロ「もー、怒っちゃうゾ☆ ぷんぷん」

杏「……」

司会「は、はい! これもくじ引きで決めていただきます!問題がわからない時に質問することが許される相手です」

俳優「へぇ……僕結構自信あるんでいきたいですけどね」

司会「誰が出るか、も大切なポイントですね! それと注意点がひとつ」

芸人「ほほほう?」

司会「質問するときは、質問する相手が同じ速度で走っていないといけません!」

相方「なるほど、進む速度を落とさずにいくにはこっちも走りながら待機しないといけないんですか」

司会「そうなりますね! 問題が出てもしばらくは走行状態ですから……」

ワイノワイノワイルドワイバーンヤ

杏「……いやいや、めんどくさいことは避けろってさっき神様も言ってたもんね、ないない」

司会「それではくじ引きの結果でーす!」

赤ヘルプ:芸人

芸人「がんばりまーっす! 小学生の算数ならいけますよ!」

相方「いや、誇らしげにいうなよ」

青ヘルプ:杏

杏「……負けてもいいから帰りたい」

俳優「まぁまぁ、がんばって! 今日は勝ちたいんでしょ?」

杏「はぁ……他人をこき使って自分は一切干渉しない作戦だったのに……」

ギャグ「あ、杏ちゃん? 漏れてる漏れてる、いろいろ漏れてる!」

司会「あ、あはは……杏さんもぶれませんね! さぁここからどうなるんでしょうか……まもなく始まります!」

先攻:赤チーム

ツッコミ「ッハッハッハッハッハ……た、たぬき!……ッハッハッハ……ヘ、ヘルプ!」

芸人「助けてだって! 機械止めないと!」

ツッコミ「走れよぉ!」

芸人「あ、俺のことね? えーっと……あ、それアレじゃん、一昨日の!」

ツッコミ「一昨日ってなんですかぁ!」

芸人「いや、俺が一昨日食べたアレだって、アレ!」

ツッコミ「メニュー名! な・ま・えぇぇぇ!」

芸人「名前?俺芸人」

ツッコミ「っだぁぁあぁ!」

芸人「あ、そうだチャンプルーねチャンプルー」

ツッコミ「チャンプルー!」ブッブー

ツッコミ「違うじゃねーかぁ!ハッハッハッハ……」

芸人「あ、間違えると俺も走らないといけないの? まじで? うわぁ……」

司会「えーっと、ただいまのタイムと成績を合わせまして……60ptでーす!」

杏「それって高いの? 低いの?」

司会「うーん、一応こちらの想定した平均ポイントどおりですね」

ツッコミ「疲れた……ものすっごい疲れた……もうやだこの人ぉ……」

芸人「いやー、いい汗かいたわー!」

相方「お前は本当に人の迷惑考えないな?」

俳優「……らしいから、がんばってねピンちゃん」

ピン「うっし、まかせといてください! ……クイズは微妙なんですけどねー」

杏「う、そんな私をアテにしないでよ……はぁ、でも勝たないと有給が……」

すまん風呂
10時までには帰ってくる

保守ありがとうございました
何度も席をたってすみません、もう大丈夫です

後攻:青チーム

ピン「よっしゃはしったるぞー! ……ハァハッハァッハァッ……キジ! ……んぇ!? なにこれ! ヘルプ!」

杏「え、私? 走るの? アイドルだから速度制限とか……ない? えー……」

ピン「杏ちゃああん! 走ってぇぇぇ!」

杏「えぇぇ……あー……」ダラダラ

ピン「んのおおおおおう!」

杏「……あ、そうだ、ピンさんも止まれば?」

ピン「え?」

杏「おんなじ速度で走ってたら、ってことはそっちが止まれば私走らなくてもいいんじゃない?」

ピン「え、それあり?」

杏「バレなきゃイカサマじゃないんだよ」

司会「バレてますよー! ……え、ありなんですか? いいんですか?……ありだそうでーす!」

ツッコミ「ちょ、えええええええ!?」

ピン「ッフゥ……あ、杏ちゃん答えわかる?」

杏「これ? たぶん『紫』」

ピン「信じるよ……『紫』! おぉ正解! あぁまた速度のるまでが長い……ッハァハァハァッハァハァハァ」

杏「がんばれー」

………………
…………
……


司会「走りたくない杏さんを抱え、斬新な手段で乗り越えた青チームのポイントは……80pt!」

杏「おぉ、勝ってる勝ってる」

ピン「ッゼェ、ゼェ……あぁー疲れた!」

杏「おつかれさま、努力賞で飴をあげよう」

ピン「あ、ありがと……あぁー、これ結構キツいですわー……」

司会「お疲れさまでした、現在は青チームのほうがリードしています! 少し休憩をはさんで次のゲームへ参りましょう!」

ツッコミ「いや、つらいですよぉ芸人さん!」

芸人「またまたー、そんなこと言って次もいきたいんじゃない? どう?」

ソロ「その……私、いいですかね?」

相方「……そういえばほとんどはじめてしゃべったんじゃないの? 1ゲーム目とか映ってた?」

ソロ「ガヤを少々……」

芸人「だめだよー、うつりにいかなきゃ! ねっ!」

ソロ「は、はい……」


俳優「次は……そうだね、僕いこうかな」

ギャグ「ボクもがんばりますよ!」

杏「じゃあ私が……なんていわないから、がんばってねー」

ピン「あ、あたし次は無理です……」

俳優「うん、お疲れ様……ギャグくんがいく?」

ギャグ「あー、向こうのメインにぶつかると自信ないですしここでいきますかね」

俳優「よし、任せたよ」

杏「……ん?」

杏「なにそれ?」

俳優「ん? いや後半のゲームのほうがポイント高いからね。出れる回数も決まってるし」

杏「……ってことは私も出ないと責任重大でさぼれないところになるの!? 聞いてないよ!」

ギャグ「杏ちゃん、番組みてよぉ……」

杏「ならさっさと私出場権使っちゃいたいから次いくよ」

俳優「大丈夫?」

杏「大丈夫大丈夫、無理なら適当なところでリタイアするから」

ギャグ「ははは、頼もしいね……」


司会「そろそろ休憩おわりまーす! 出場選手は紙に書いて投票してくださいねー」

司会「それでは2回戦のゲーム……な ん で す が !」

芸人「おぉっ!?」

司会「ボーナスゲームでーす! わーい!」

杏「え、えぇぇぇ!?」

司会「得点が非常に稼ぎやすいところですので、がんばって相手に差をつけたいですね!」

司会「注目の選手は……赤、ソロさん!青、杏さんでーす!」

杏「2問目でボーナスゲームとか構成がおかしい……あぁ、責任重いし、投げると休暇が……帰りたい……」

ソロ「がんばりますっ」

司会「杏さんもやる気十分ですね? ……です、よね? ではゲーム内容の説明に参ります」

杏「せめて、疲れないのがいいなぁ……」

司会「『れっつ・ぐらいんど』! 不安定な足場でおちないようにしながらのクイズです」

杏「あんまり疲れなさそう……かな?」

ソロ「がんばりまーっす、やっちゃうぞー、ぴーす!」

杏「……」ポンポン

ソロ「ん? なにかようかな?」

杏「……キャラでやるなら、甘すぎるよ。 うちの事務所には本物とプロ両方いるから」ボソッ

ソロ「!?」

杏(ささやき作戦。相手の戦力を落として苦労せずに勝つ……うん、多少は楽できそうかな?)

先攻:青チーム

杏「……結構不安定かな」

司会「それでも一応ロック状態です、クイズが始まると揺れますから気をつけてくださいねー!」

杏(……あれ? これで不安定さと戦いながら崩れ落ちたことにすれば家に……痛そうだからやめとこ)

司会「下にはちゃんとクッションがありますのでご心配なく!」

杏(さすがにそんなおいしくないかぁ……あぁ、でも勝てばきっと休暇が……休みが……でも今すぐ……)

司会「開始しまーす!」

杏「って、うわっ!……4……犬?……しょうゆ……あめ……なんだこれ? たけ? あー……あ、結構揺れてる」

司会「おっと? 杏さん意外なバランスを発揮! すごいですね!」

杏「私はどこでもだらけるために、自然と力を抜いたバランスをとれるようになってるんだ、ピピン板橋!」

杏「う、わ、と……ふっ、私を動かしたいのなら重機でも持ってくるんだね」ドヤッ

司会「おーっと! かなりの問題を正解しています!」

杏「明日から本気だす……明日って、今さっ! ってうわ」ドサッ

司会「お疲れさまでした! ただいまのポイント……150!? 150ptでーす!」

杏「ふぅ、がんばったから帰ってもいいよね?」

司会「あ、あはは……最後まで楽しんでいってくださいね!」

杏「……やっぱりダメかぁ、はぁ……」

杏(そのあと? 見てない、疲れたし……たしかそんなに高くなかった気がする)

杏(キャラとしてやるならアベナナ級のぶっとびぐらいみせてみればいいのに)

杏(あいつならたぶん別ゲーム用のワイヤー使って『お空を飛びたくなってしまいました、ビビビッ!』のひとつぐらいいう)

杏(天然? それならたぶんきらりみたいになってるはずだ)

杏(あいつなら……よそう。まったく問題なく平然と立ち続けてテレビ的においしくないとかで……あ、帰れる?)

杏(……きらりならおちないだろうけど、私には無理だから帰れないか……あぁ、帰りたい)


ソロ「……ッチ、なんだよあいつ調子乗ってるんじゃねーよ」

杏(そのあとは若干相手チームリードでゲームが進み続けたけどこっちの最初のリードが大きく)

杏(まぁ私は割と適当にやりながらもこっちリードで最終ゲームにのぞむことになった)


杏「なんやかんやで最終ゲーム……ああもう帰りたい」

俳優「あはは、杏ちゃんがんばってくれたもんね……まさかヘルプ3回とは」

杏「いっぱい働かせたんだから慰労手当とかだしてくれてもいいと思うよ?」

司会「お疲れ様です、すごいですね……結構な接戦ですよ!」

赤:820pt 青:840pt

杏「よーし、このままテッペンまわる前に終わって帰ろう!」

ピン「おぉ、やる気でたのね!」

杏「ううん、これっぽっちも!」

俳優「ははは……」

司会「最終戦は全員参加のリレークイズです!」

杏「……リレー?」

司会「はい!」

杏「……ねぇねぇ、リレーって受け渡すって意味だよね」

司会「はい!」

杏「……次のリレーの相手が遠くに見えるのはなんで?」

司会「リレーですからね」

杏「えっ」

司会「えっ」

ソロ「……杏ちゃーん、走って渡すんだよー??」

杏「あ、やっぱり? ……そのままの勢いで帰っちゃだめ? あ、だめか……」

ソロ「……ッチ」

杏「ん?」

ソロ「なんでもないよーっ??」

司会「途中のクイズ・仕掛けを乗り越えてゴールしてくださいね! 区間ごとの記録と全体記録でptがつきます!」

司会「私、次のエリアにも説明しなくてはいけません! 説明してから解散しろって話ですよね!」

司会「司会者も大変です……それでは、スタートの合図まで待ってくださいねー!」

杏「はいはーい、がんばれー」

ソロ「……ねぇ杏ちゃん?」

杏「ん、なぁに? サインなら500円……同業者だし100円でいいよ?」

ソロ「さっきはアドバイスありがとうね」

杏「アドバイス……? あぁ、無理なキャラならやめればいいのにって話?」

ソロ「そうそう、それそれ」

杏「まぁね、だってもっとアレなのがうちにはいっぱい」

ガァン!

杏「……へっ?」

ソロ「調子乗るなよ新入りが……」

スタッフ「どうしましたー?」

ソロ「なんでもないですー、ちょっと転んじゃいました、えへへー!」

スタッフ「そうですか? ……すいません、ちょっとセットの調子が悪くて確認しないといけなくて……」

ソロ「こっちは杏ちゃんと仲良くやってるから大丈夫ですよー、がんばってください、ふぁいとっ」

スタッフ「あはは、ありがとうねー」


ソロ「……ふぅ、おっさんはちょろいよな」

杏「……」

ソロ「人にケチつけてくれちゃってさぁ、調子のってんじゃないの? ひきこもりニートのくせに」

ソロ「偉そうなこというけどさぁ、一人じゃなんもできねーだろ? ぼっちはぼっちらしく帰れよ」

ソロ「ちゃんと説明しといてやるからよぉ……ほら、帰れよ、帰りたいんだろ?」

杏「……」プルプル

ソロ「あ? なに泣くの? きもちわるっ! ひきこもりはひきこもりらしく」

杏「あっはっはっは! 無理、もう無理! 笑い抑えられない!」バンバン

ソロ「なっ!?」

ソロ「てめっ、なに笑ってるんだ!?」

杏「いやー、そっち方面でももっと怖いのいるし見慣れてるし……あはははっ」

ソロ「な、なめた口きいてると」

杏「どうするの? いてこますの? 生でそんなのいうやつははじめてかも、ぷっ、あはははは!」

ソロ「……んの」バッ

杏「あとさ」

P「なにしてるんですか?」ガシッ

ソロ「えっ?」

杏「持つべきものは使えるバカだよね」

ソロ「な、え、いつから!?」

P「『なんでもないよーっ??』ぐらいから?」

杏「あなたが私にすごんでる間うしろの方で同じ動きしてたんだよ? きづかなかった?」

ソロ「はなっ……いたたたっ!?」

杏「あ、抵抗は無駄だよ……レディースの特攻隊長を身体ひとつで引き抜いて、きらりに抱きつかれて生きてる男だから」

ソロ「……なんだよ、なにがしたいんだよ」

P「いやー、俺はアイドルにケガされると困るなーって思っただけで」

ソロ「……」

杏「私もあとちょっとで仕事終わって帰れるのにめんどくさいのが嫌なだけだから」

杏「邪魔しないでよ、誰かに話すとか状況説明とか面倒だし……」

ソロ「……ッチ、離せよ」

P「あいさー」

ソロ「……んだよ……」

杏「まぁキャラでやるにしてももう少し統一感持った方がいいんじゃない?」

P「あ、2面性のある女性として俺がプロデュース」

杏「……プロデューサー、ちょっと空気読めない?」

P「すいません」

杏「はぁ……私はこのおバカプロデューサーに騙されてこの世界に入ったんだけどさ」

杏「休みは少ないわ、言われてた印税生活には程遠いわ」

杏「正直いって投げ出したいんだけどさ……少し、ほんの少しぐらいは」

杏「……事務所のみんなとおしゃべりするのも楽しいかなとか思って」

杏「この生粋のひきこもりの私がちょっとだけでもそう感じるんだから……あなただってこの世界になんか思うこともあるんじゃないの?」

ソロ「……っ、私は……!」ダッ

タッタッタッタッタ……

P「……追う?」

杏「いや、私と違って帰ったりしないでしょ……たぶん」

P「杏なら帰ってる状況だな、確かに」

杏「そこはさー『杏もプロなんだ、そんなことはしないだろう! それより明日は休みにしよう!』とか」

P「いや、それは言い切れないかな」

杏「……私の信用ってそんもんなの?」

P「個人的にはもう少し信頼したいな」

杏「じゃあ私を信じてなにも言わずに週休8日、せめて5日を」

P「そこが問題だっての」ビシッ

杏「あてっ! アイドルの頭を叩くとか信じられない! これは精密検査が必要だね、明日からしばらく入院を」

P「費用は自腹でキャンセル料は給料から天引きな? 足りない分は入院中に私物を売却して」

杏「ヨーシアシタモガンバロー」カクカク

P「まぁ……あの子も、昔は純粋だったと思うんだ」

杏「……ふーん?」

P「こんな業界だから……望まないことでもやらなきゃいけないってことがたくさんあるんだよ」

杏「……へぇ、私なら無理にでも投げ出すけどなぁ」

P「そうはいかないんだよ、大人だからな……」

杏「えー、めんどくさい……私やっぱり子供のままで一生だらだらしてたい……」

P「誰だってそう思ってるよ、でも……な」

杏「……?」

P「……まぁ、うちの事務所はアイドルがしたくないことをさせないでいこうってがんばってるから大きくならないんだよ」

杏「私を働かせておきながらよくいうね」

P「そういうプレイが好きなんじゃなかったか?」

杏「うわぁ……バカなプロデューサーだとは思ってたけどその上変態かぁ……救えないね……」

P「ひ、ひどい言われようだな!?」

杏「今の録音しておいたら強請る材料として一生働かなくてもよかった気がする……」

P「ちょ、ちょっと待ってくれよ杏? そういう意味じゃなくてな」

杏「じゃあどういう意味?」

P「あー……うん……飴いるか?」

杏「買収工作か、汚いねプロデューサー。さすが大人だと思うよ」

P「それを素直に受け取るお前も、もう大人みたいなもんだろ」

杏「働かずに許される大人がいるならそうなりたいんだけどね……」

P「なるために今はがんばらないといけないな」

杏「結局今はがんばれって?」

P「一生働かなくてもいいだけの金を稼げたら引退すればいいんだからな、それまでだ」

杏「それっていつ?」

P「知らん」

杏「無責任だなぁ……もう」

P「嘘はつけないからな」

杏「……まぁいいや。そろそろラストゲーム始まりそうだし」

P「……ん、いつもありがとうな? 杏」

杏「そう思ってるなら休み増やしてよ……」

P「今から駆け上がるところだからな、今日の今は我慢だ」

杏「えぇー……やっぱり帰りたい……」

P「『あとちょっとで終わるのに台無しにするのは嫌』とかかっこいいこと言ってたのに」

杏「よそはよそ、うちはうち……人が邪魔するのと、私が帰るのは別問題だよ」

P「……それはそれでどうなんだ?」

杏「帰宅にもプロ意識を持ってるってほめてほしいな」

P「アーアンズチャンエライネー」

杏「……はぁ、やっぱり慣れないこというもんじゃないよね……あれで帰っておけばよかった」

杏「……そう思わない?」

ソロ「……」

P「……俺は外すよ」

杏「うん、直帰の準備よろしくねー……じゃあ、さっさと終わらせて帰ろう! うん、そうしよう」

ソロ「……勝ったと思わないでよ」

杏「私はもともと勝ってる気なんてしてないけどね?」

ソロ「はぁ?」

杏「だってまぁ、家から出たくないし働きたくないし」

ソロ「なにいって」

杏「自慢のボディはボンキュッボンどころかトントンスーだよ? 正直なんで売れてるか自分でもわかんない」

ソロ「……」

杏「でもまぁ、明日の印税生活のためにもちょっとは……ほんのちょっとだけはね」

ソロ「……あんた頭おかしいんじゃないの?」

杏「うん、でもうちの事務所のほかのメンバーに比べたら私は常識人だと思うよ」

ソロ「……事務所ごと変なの?」

杏「うん、だってプロデューサーはアレだし」

ソロ「アレって……まぁ確かに……」

杏「でしょ? どう考えてもバカってレベルじゃないんだよ……給料は思ってたより少ないし」

ソロ「カネ目当てでこんな業界に?」

杏「そう、あの変態にだまされたんだよ! 本当ならもっと輝かしい布団とともに過ごす日々があったはずなのに!」

ソロ「……っく、はははっ!」

杏「んー?」

ソロ「いや……なんかばかばかしくなっちゃったんだ。なにしたかったんだろうって」

杏「私は最初から決まってるけどね? 『家に帰りたい』」

ソロ「その割にはまじめにやってるんじゃん?」

杏「無理に帰ると家が物理的に無くなりかねないから……」

ソロ「あのプロデューサー、そんなバックがいるの!?」

杏「どっちかっていうとフロントかな」

ソロ「はぁ?」

杏「まぁ……めんどくさいしいやだし帰りたいことも、帰りたいことのほうが多いけど」

杏「悪くない気分だよ?ダラダラする時に……許せる人がそばにいるのも」

ソロ「そっか……さっきは、ごめん」

杏「仕方ないなぁ、許してあげよう……私は心が広いからね」

ソロ「はぁ……焦ってたのかな」

杏「急がば休暇を3日とれっていうでしょ? 休めばいいんだよ休めば」

ソロ「はじめてきいたな、それ……ん」

杏「あ……司会の人、帰ってきたみたいだね」

司会「それでは、ラストゲームいきますよー! ってあれ?杏さーん! ソロさーん!?」



司会「あ、杏さん、ソロさんおかえりなさい……ってどうしたんですか?」

杏「帰ろうとしたらソロに捕まった……」

ソロ「さっきまで道に迷ってたみたいで……さー、最後ですし負けませんよっ!」

杏「負けてもいいから帰りたい……」

司会「まぁまぁそういわず、さぁラストゲーム……開始です!」


おわり

おまけ


杏(結論からいうと、私たちは勝った)

杏(これで私が望んだ、無限有給休暇をもらえる!)

司会「あ、そういえば杏さん……欲しいものはプロデューサーのかたにお渡ししておきましたよ!」

杏「権利を認める気になったか……ふっふーん、これでどうどうと休日を」

ドサッ

杏「……なにこれ」

P「え? 賞品の飴1年分だけど?」

杏「」

正直迷走しすぎたすまんかった
エセシリアスはいらんな……今度はできる限り中身もなく、他のアイドルも絡む話にするよ

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