恒一「イジメられる者?」(128)

ー病院ー

赤沢「――と、言うわけで夜見山北中学校では3年になると毎年クラスメイト一人を"イジメられる者"にしているの」

恒一「…へぇ」

赤沢「今年の"イジメられる者"は…まぁ教室に来てみればどの子か分かると思うわ」

恒一「それでイジメ係って言うのは?」

赤沢「"イジメられる者"の選出やイジメの計画・実行をする係よ」
  「そして何を隠そう私は超有能イジメ係の赤沢泉美ちゃん!」

恒一「そ、そうなんだ…」

赤沢「それで、学校に来れるのはいつ頃になるかしら?」

恒一「GW明けくらいになるかな…」

赤沢「そう、分かったわ。これからよろしくね、恒一君」

ー夜の病院ー

恒一「受験勉強によるストレスを発散させるためのイジメ制度かぁ」
   「色々と問題ありそうだけど先生達も協力してくれてるらしい…」
   「それに千曳って人が警察とかにも手を回してくれるから何かあっても大事にはならないとか」
   「変わった学校だな……田舎の学校では普通なのかな…?」
   「おっと、エレベーターが閉まっちゃう」タタタッ ガコン

恒一「ふぅ…」

見崎「……」

恒一「うわっ!?す、すいません!」
   「(人居たのかよ…)」

見崎「……」

恒一「(なんだこの子…眼帯なんかしちゃって)」
   「(よく見たら変な人形持ってるな…てか肌白っ)」
   「(…って、あれ?あの制服は夜見北の?)」

恒一「え、えっと…キミって夜見北の生徒?」

見崎「……」コクリ

恒一「(何か喋れよ!)」
   「…地下2階に何か用事が?」

見崎「…そう」

恒一「だ、だけど地下2階ってさ…」

見崎「届け物があるの」
   「待ってるの…可哀そうな私の半身がそこで」

恒一「そ、そうなんだ…」

ー翌日ー

恒一「――って事がありましてね」
  「もしかしたらアレは幽霊かも知れませんよ」

早苗「ほほぉ…って幽霊なんて居るわけ無いでしょー」

恒一「あんな夜中に霊安室のある地下2階に消えていったんですよ?それにあの真っ白な肌…」

早苗「でも夜見北の生徒って言ってたんでしょ?」

恒一「在学中に死んだってことじゃないですか?」

早苗「考え過ぎだってばー、らしく無いなぁ都会少年♪」

恒一「……」
   「(やっぱり考え過ぎなのかなぁ)」
   「(でも、あんな変わった子が本当に居たらイジメられそうだよね)」
   「(もしかしてあの子が"イジメられる者"だったりして…?そんな偶然無いか)」

ー登校日ー

恒一「東京からきました、榊原恒一です」

キャーイケメン フェアジャナイケドニクメナイ カンゲイナラマカセロー ミカミセンセイテラビジン

恒一「(このクラスの女子はレベル高いなー)」キョロキョロ
   「(ん!? あの隅っこの席の子って病院で会った子じゃないか!)」
   「(机もボロボロだし本当にあの子が"イジメられる者"だったんだ!)」

赤沢「どうやら気付いたみたいね、恒一君」ズイ

恒一「やぁ、えっとキミは赤沢さんだっけ」

赤沢「覚えてくれてたのね、嬉しいわ」
   「そう、私は超有能イジメ係の赤沢泉美ちゃんよ」

恒一「ははっ…」

赤沢「イジメに関しては初めは慣れないかもしれないけど…皆を見ていればすぐに慣れてくると思うわ」

恒一「東京の学校ではイジメなんて無かったからね、楽しみにしてるよ」

ー休み時間ー

綾野・小椋「今週のお小遣いちょ~だい、メーちゃん♪」

見崎「あ、あぅ…」

綾野「早くちょ~だいよぉ、たった10000円くらいどうって事無いでしょ」

小椋「アンタの家が金持ちだって事は知ってんだよ!」ガッ

見崎「ひぃ!?」

小椋「さっさと寄越せ!」

見崎「うぅ…」 つ[10000]

綾野「メーちゃん、やっさしい~♪」

小椋「ったく、さっさと出せよな」

恒一「…」

赤沢「ねぇ、見崎さん」

見崎「な、なに?」ビクビク

赤沢「貴女…何でいつも眼帯してるの?」

見崎「え?」

赤沢「病気や怪我かしら?」

見崎「…」フルフル

赤沢「え?じゃあ何?カッコイイとか思って付けちゃってるの?」

見崎「ち、違う!」

赤沢「へぇ、じゃあ外してみなさいよ」

見崎「…いやだ」

赤沢「なんでよ、病気でも怪我でも無いなら問題無いでしょ」

杉浦「あら、どうしたの?」

赤沢「多佳子ぉ…この子がね、眼帯をね、外したがらないの…」

杉浦「へぇ、泉美は眼帯の下が気になるんだ?」

赤沢「うん!」

杉浦「……」ジーッ

見崎「あぅ…」ビクビク

杉浦「はずせぇぇぇぇぇ!!!!!!!」グイッ

見崎「ひぃ!?」

赤沢「ナイス多佳子!ほら目開けなさいよ!」

見崎「いやぁ…」パチリ

赤沢・杉浦「!?」

赤沢「え?何?オッドアイ?」

見崎「うぅ…ぎ、義眼なの……」

赤沢「へぇ…でも眼帯付けてるならこんな物要らないわよね」キュポンッ

見崎「あぁ…!?霧果が作ってくれた義眼なの……返してよぉ」オロオロ

赤沢「うわぁ、ヌルヌルしてて気持ち悪っ」
   「おい中尾!」ポイッ

中尾「はっ!何でしょうか赤沢さ…んん!?」パクッ ゴクンッ
   「…えっと今の何でしょうか?もしかして赤沢さんの手作りオニギリとか!?」

杉浦「それ見崎さんの義眼よ」

中尾「え、義眼………?眼帯オバケの………?オエェェェェェェ」ビシャァ

見崎「私の義眼がぁ…」ポロポロ

中尾「あ…ごぼぉ……」バタッ

杉浦「中尾…」

赤沢「見崎さん!中尾君がこんなになったのは貴女のせいよ!謝罪を要求するわ!」

見崎「そ、そんな…」ポロポロ

恒一「……」

桜木「ねぇ智くぅーん」トテトテ

風見「どうしたんだい、ゆかり?」ニコニコ

桜木「最近ね、見崎さんが私のこと睨んでくるの」

風見「なんだって!?」ガタッ

見崎「(…え?)」

風見「皆聞いてくれ!」バンッ

ドーシタ ナンダナンダ フェアデハナサソウダネ ミカミセンセイノハナシカナ

風見「最近見崎さんが僕のゆかりを睨み付けてるらしいんだ!」

桜木「こわいですぅ」

ナンダッテ ミサキサンサイテー アヤマレ

風見「見崎さん、どういう事かな?」

見崎「に、睨んでなんかない…」

風見「はぁ!?じゃあ何だ、僕のゆかりが嘘を吐いてるとでも言うのか!!」

桜木「酷い…」グスグス

見崎「……」

風見「見崎さん、僕のゆかりに謝って貰おうか…」
   「それと中尾君を瀕死にした事もね」

赤沢「そうよ!超有能イジメ係の私が命じるわ!」

見崎「……」

風見「何をやってるんだい?早く謝れよ」

見崎「…っ」ガタッ タタタッ

ニゲヤガッタ フェアジャナイネ ミカミセンセイペロペロ

恒一「………」

ー屋上ー

見崎「……はぁ……もう嫌だよぉ……」グスグス

ガチャッ

見崎「!?」ゴシゴシ

恒一「や、やぁ…」

見崎「貴方は確か…榊原君?どうしてここに?」

恒一「さっきの様子を見ててちょっとね…」

見崎「?」

恒一「イジメなんて間近で見たことないから面白そうだな って最初は思ってたんだ」
   「でも考えが変わった こんなのは間違ってる!絶対に許してはいけないことだ!ってね」

見崎「……気持ちは嬉しいけど、これは決まり事だから」

恒一「決まり事がなんだってんだ!」
   「僕はキミを助けるためなら先生達だってクラスの皆だって千曳って人だって敵に回すつもりさ」

見崎「…そんなの無茶よ」

恒一「2人で力を合わせれば何とかなるさ」

見崎「……榊原君」

これは上げて落とすパターン

恒一「放課後にさ、これからどうするか一度ゆっくり話そうよ」

見崎「……分かった」

恒一「じゃあ待ち合わせはここでいいかな?」
   「…それと今から教室に戻るのは辛いと思うし保健室にでも行って休みなよ」

見崎「…うん」

恒一「じゃあ授業始まっちゃうし僕は戻るね」ガチャッ タタタッ

見崎「……ありがとう」

ー放課後・屋上ー

ガチャッ

恒一「やぁ、見崎さん」

見崎「もう来てたのね」

恒一「あはは、ちょっと準備でね」ニコニコ

見崎「準備?」

ガシッ ガシッ

見崎「!?」

綾野・小椋「メーちゃん捕まえた~♪」

恒一「タイミングばっちりだよ! 綾野さん、小椋さん」ニコッ

綾野・小椋「えへへ♪」

見崎「…ど、どういう事?榊原君…?」

恒一「あはは、それ聞いちゃうの?」
   「キミが保健室で寝てる間、皆と会議をしてたんだ」
   「『ぼくのかんがえたさいきょーのイジメ』についてね」
   「キミが素直な子で良かった 僕が言った通りここに来てくれて嬉しいよ」

赤沢「こんな酷い事を考えるなんて恒一君ステキ! 初日とは思えないわ」ヒョコッ

杉浦「やっぱり都会っ子は一味違うわね」ヒョコッ

恒一「あはは、そんなに褒めないでよ 結構単純でありがちなモノだからさ」

見崎「……最低」ボソッ

赤沢「っ!恒一君になんて事を言うのよ!」バキッ

見崎「…っ!」

恒一「こらこら赤沢さん、まだ手を出しちゃダメだよ」

赤沢「そうだったわね…ごめんなさい恒一君…」

恒一「分かってくれればいいんだよ」ニコッ

杉浦「それじゃ始めちゃおうか 見崎さんヌギヌギしましょうねー」ヌガセヌガセ

見崎「!? な、何するのよ!」

赤沢「中尾!」

中尾「はっ!お呼びでしょうか赤沢さん」シュタッ

赤沢「体はもう大丈夫かしら?」

中尾「はい、吐き出してしまった臓器を戻すのに手間取りましたが…」

赤沢「そう…貴方に命じるわ」

中尾「なんなりと…」

赤沢「見崎さんを犯しなさい」

見崎・中尾「!?」

中尾「いや…し、しかし!私の童貞は赤沢さんに捧げると誓っておりますゆえ…」

赤沢「……はぁ」
   「順太きゅーん♪ 泉美の言う事聞いて? お・ね・が・い♪」

中尾「!!!!」
   「分かりました…赤沢さんの頼みとあらば…」ボロンッ
   「我が愚息よ…今こそ全ての力を解き放て!」ムクムク

見崎「ひぃ!? やめて…お願いだからぁ」ポロポロ

中尾「うおぉぉぉぉ!赤沢さん!赤沢さん!」パンパン

見崎「いやあぁぁ!!」

風見「ゆかりは見ちゃダメだよ」ニコニコ

桜木「えぇー!?私も興味あります!」

風見「そっか…じゃあさ、今日僕に家に来る?」

桜木「?」

中尾「あぁかぁざぁわぁさぁぁぁん!!!!」ドピュッ

――――
―――
――

見崎「……………」
   「ごめんね…ごめんね…」
   「未咲の分まで生きるって決めたのに…それなのに…」
   「こんなの一年間も耐えられそうにないよ…私…」
   「私もそっちに行くよ…未咲……」

ー翌日ー

赤沢「皆さんに重大なお知らせがあります」

ナンダナンダ フェアナシラセカナ マサカミカミセンセイガケッコン!?アアアアアァァァ!!!
ナンデモマカセロ ユルサナイカラ ナンダロネキョウコチャン ナンダロネアキ ソウイエバイインチョウコンビガマダキテナイネ
イズミガシャベルンダカラシズカニシロ カナグシデサスノヤメテ バナナタベル? ゾナゾナ!


赤沢「"イジメられる者"だった見崎鳴がその責務を放棄し自殺しました」

ナンダト フェアジャナイネ ミカミセンセイハボクトケッコンスルンダ

赤沢「これにより新しく"イジメられる者"を決めなくてはなりません」
   「新しい"イジメられる者"……それは――」

おわれ

未咲が死んでるなら災厄が発生中で見崎居無いから三組全滅だな

こんな駄文を読んでくれてありがとね
最近AnotherSSが減ってきてたから勢いで書いてみたんだ

最初はイケメン恒一が見崎を庇う→
クラスの皆が恒一も"イジメられる者"にしようと提案(主に男子勢)→
赤沢はそれを却下し恒一を庇う(下心丸出しで)→
それを良しとしない女子勢が赤沢を標的に…
って所まで考えてたんだけど>>45見て、落とすことにした
お腹痛かったからさっさと終わらせたかったってのもある

>>103
災厄が無い世界
未咲が死んだのは偶然の事故って事で

>>109
まんま前にあったイジメSSじゃね

>>114
その前にイジメSSってのが分からない
何か本当にごめん

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