P「世にも奇妙なアイドルマスター」(415)

いくつか思いついたんで投下。何回もスレ立てるのもあれだから、そろそろ終わらせたい。

P「古代ギリシアのオリンピアの祭典をもとに開催する事を19世紀末にソルボンヌ大における会議でフランスのクーベルタン男爵によって提唱、決議されたもの、それがオリンピックです」

P「アスリートたちがしのぎを削り、国の代表として頂点を目指す、スポーツの祭典です。今年もロンドンでありますね」

P「それにちなんで、オリンピックと名のつく物はたくさんあります。数学オリンピック、情報オリンピック。そのいずれも、その分野の頂点を決めます」

P「この物語の主人公も、あるオリンピックに出ることになります。一体、何で頂点を決めるのでしょうかね?」

どんがらがっしゃーん

P「あらま」

スタジオ

春香「天海春香、アイドルやってます! ってうわぁ!!」

どんがらがっしゃーん

天海春香 765プロ所属

春香「いたたた……」

P「おい、大丈夫か?」

春香「いつものことですよ~」

P「そうだがな、なんで毎日転ぶんだ? ノルマでも強いられてるのか?」

春香「そんなんじゃないですよ~。私だって好きで転んでるんじゃないのに」

P「そうか? そこまで来ると職人技だと思うぞ。それにだ。なんで下ジャージをはいてるんだ?」

春香「あはは……、本を読もうとして、ペンキ塗りたてのベンチに座っちゃいまして」

春香「しかもその本前に買ってたやつなんですよ」

P「布教用か? 春香は本当にドジだよな。まあそこが良いんだが」

春香「ドジならだれにも負けてませんよ!」

P「いや、ドジの時点ですでに負けてると思うのは俺だけか?」

春香「それは言わないでください!!」

P「でも確かにドジの頂点を決める大会が開かれたら、春香はいいとこまで行くかもな」

春香「全然嬉しくありません! それに世界は広いんですよ? もしかしたらドジって、電気点けようとして、間違えてミサイルのボタンを押したぐらいの猛者がいるかもしれませんよ?」

P「嫌だな、そんな猛者」

春香「本当にどうしたら治るんでしょうか?」

P「治そうと思って治る物でもないだろ?」

春香(好きでドジなわけじゃない。ただ単に歩いているとなぜかこけてしまうだけ。おかげで受験生からは縁起の悪い存在として扱われてます)

春香「はぁ……、今日もこけちゃったよ。しかも歌詞を間違えるし、ダンスで美希の足を踏むし、千早ちゃんと壁を見間違えるし……」

春香(番組でも一種の名物として扱われてるけど、ドジなんて私は望んでない。なんか真の気持ちがわかる気がするな)

春香「ただいまー」

春香パパ「おかえり! 春香!!」

春香ママ「おめでとう春香!!」

春香「うわぁ! いきなりクラッカー!? どうしたの急に? 誕生日はとっくに過ぎてるけど」

春香パパ「いやぁ、俺たちは鼻が高いぞ」

春香ママ「ドジでのろまな亀だった春香がこれだけ出世する日が来るなんてねぇ……。お母さんもう涙が止まらないわ……」

春香「ド、ドジでのろまな亀って……。えーと、なんのこと? オーディションに受かったとか? でもそれじゃあ事務所に来るよね」

春香パパ「ああ、受かったんだ! オリンピックに!」

春香「へえ、オリンピックか。それは凄いな……。ゴメンお父さん、今何って言った?」

春香パパ「オリンピックだ!!」

春香「そうそうそれそれ! なに、私たちロンドンにまで見に行くの? 猫ひろし見るの?」

春香ママ「いいえ、あなたが出るのよ」

春香「あっ、そっかぁ。私が出場するんだ。まあオリンピックって参加することに意味があるし……」


春香「パードゥン?」

春香ママ「出場するのよ! オリンピックに!」

春香「誰が?」

春香パパ「お前が」

春香「私が、何に?」

春香ママ「オリンピックに!!」

春香「私がオリンピックに……。へえへえ、金メダル狙わなくちゃ……」

春香「のヮのつ」





春香「えええええええええ!? 私が出るの!? オリンピックに!!」

春香ママ「ええ、そうよ。今日うちにこんなのが来てたの」

春香「えーとなになに、IOCから……。ってIOC!? それって国際オリンピック委員会のことじゃん!」

春香ママ「そうよ、天下のIOCよ! 流石由伸と同じ誕生日なだけあるわ!」

春香「貴君は……、うわぁ、ホントだ。出場って書いてある。何に出場かは書いてないけどね」

春香パパ「なぁ、凄いだろ!?」

春香「でも一体何の……。ん、あれ?」

春香パパ「どうした、春香」

春香「ねえ、このアルファベット3つを順番に言ってみて」

春香ママ「I」

春香パパ「O」

春香「C。なんだよね?」

春香パパ「当然だろう!」

春香「でさ、このOなんだけど……」

春香「これ、よく見たらOじゃなくてDじゃない?」

春香パパ「へ? IDCってこと? 母さん知ってるか?」

春香ママ「聞いたことないわよ……」

春香「IDC……。検索わっほい」

春香パパ「どれどれ?」

IDC  International Dojilympic Committee

春香「インターナショナル」

春香パパ「ドジリンピック」

春香ママ「コミッティー……」

春香「え、えーと……。ドジリンピック?」

『ドジリンピック2012』 天海春香

春香(ドジリンピック……。それは世界一の『ドジ』を決める、言うなればドジっ子オリンピック。私はそれに、日本代表として選出されたのだ。)

春香「って意味が分かりません! 何で私なんですか!?」

P「そりゃあ、ねえ……」

委員「はい、我々日本ドジリンピック普及委員会がなぜ天海さんを選んだのか、それにはいくつか理由があります」

春香(日本ドジリンピック普及委員会――。その代表が765プロまで来てくれました)

春香「理由ですか?」

委員「はい、まずは誰よりもドジであること。国民に転倒と言えば尋ねると、真っ先にあなたの名前が出ます。今井メロよりも有名です」

春香「うわぁ、全然嬉しくないや」

P「今井メロなんて名前、今年に入って初めて聞いたぞ」

元ネタがあるのか?

委員「次に、あなたはアイドルという、人に夢を与える仕事についています。私たちはそれに着目しました」

春香「アイドルだからってことですか?」

委員「ええ。毎日カメラがあろうがなかろうが、あなたはこけています。養殖ものではない、天然のドジです」

春香「て、天然のドジって……」

委員「純度100%です」

P「伊織が好きそうだな」

春香「言い直さなくても!!」

委員「それがあなたを選んだ理由です。そして、国際ドジリンピック委員会も、天海さんのエントリーを承認しました。ゆえに天海さん、あなたはこの国の代表として、ドジを競ってもらいます」

春香「わ、わけがわかりません」

委員「ではこれが、選考対象となった映像です」

春香「あっ、これ前の生っすか!?だ」

春香『いだっ!!』

春香「……ゆうパック事件?」

>>23 今回はオリジナル……、なはず。

委員「はい、生放送という緊張の中、あざといぐらいの大ドジをやらかしたことが評価されました。それだけではありませんよ?」

春香「ま、まだあるんですか?」

委員「297,840」

春香「はい?」

委員「あなたがこれまでに、転んだ回数です」

春香「約30万!? 何でわかるんですか!?」

委員「ある日の転倒回数をもとに割り出した数字です。恐らく大きくは外れてないかと。これはギネスレベルです。もっとも、ギネスはそんな記録を作る気はないようですが」

春香「そ、そんなに……」

委員「つまり、あなたは世界と戦えるドジなのです!!」

春香・P『な、なんだってー!!』

委員「詳しい連絡は追っていたします。それでは」

春香「あっ、ちょ!」

P「春香、なんか凄いことになってきたな」

春香「凄さがいまいち分からないんですけど……」

P「ああ、俺もいまいち知らなかったから、いろいろ調べたんだ」

春香「調べたんですか?」

P「気になったからな。で、これは知らなかったんだが、ドジリンピック自体はかなり長い歴史を持っているんだ。第1回がアテネから始まり、その後も4年おきに各地で行っているみたいだ」

春香「でも聞いたことないですよ?」

P「それなんだが、実はうちの国のテレビでも放送プログラムを組んでいるらしい」

春香「そうなんですか!? でも見たことも聞いたこともないですね」

P「だが、いつも何らかのドジで放送されないんだ。前回は配線ミスで見れなかったんだとさ」

春香「ドジですね……」

P「ああ、ドジだな。だからイマイチメジャーになれないんだろうな」

春香「それでアイドルの私がってことですね」

P「そうかもな。知名度のある人間が出ることで、世間の関心を集めることが目的だろう」

春香「そんな大仕事、私に勤まるんでしょうか?」

P「ああ、お前にしかできないよ。自信を持て」

春香「プ、プロデューサーさん……」

P「だって今お前、服が前後逆だぞ?」

春香「そんなぁ」

P「ははは! その調子なら金メダルも夢じゃないな!」

春香「それはそれは……。心から不必要です!!」

春香(でも日の丸を背負うってことだよね。それって凄いことじゃないかな……)

春香(そして私は、ロンドンへ旅立つのでした)

千早「春香! あなたなら出来るわ!」

真「春香! 頑張ってドジってきなよ!!」

雪歩「頑張ってください!」

伊織「うちの系列がスポンサーについてるわよ」

やよい「うっうー! 春香さん凄いです!」

亜美「いってら~」

真美「やってら~」

あずさ「あらあら~。ここはどこかしら~」

律子「あずささん! そっちに行ったらだめですよ!」

美希「よく分からないけど、春香なら優勝できると思うな」

響「自分の分も頑張るさー!」

貴音「ええ、栄冠はあなたの手に」

小鳥「行ってらっしゃーい!」

社長「私たちも見に行くぞー!!」

春香「私、頑張ります! ってあれ?」

プロデューサー「どうした、春香?」

春香「パスポート忘れた……」

小鳥「いきなり高レベルなドジが発動したわ!」

P「そんなこともあろうかと用意しておいたぞ」

伊織「流石扱いに長けてるわね」

律子「もはや夫婦よ」

美希「それは嫌なの!」

春香「行ってきまーす! ってうわぁあ!」

どんがらがっしゃーん

春香「痛たたたた」

P「体持つのか、これ」

春香「プロデューサーさん! ロンドンですよ、ロンドン!!」

P「ああ、ロンドンだな」

春香「ホント霧の都って感じですよね! 特に美しい川々が……。あっ、鹿がいますよ! こんにちわー!」

P「ああ、鹿がいるな。まさしくここはロンドンだ」

春香「ホント、ロンドンですよね!」

P「これ以上なくロンドンだな」

春香「……いや、分かってはいるんですよ? 自分たちが無理していることぐらい」

P「そう、ここは紛れもなくロンドンだ。しかし、1つ補足するなら……」



P「ここ、カナダのロンドンなんだよね」


P「そのドジを働いたのは、お前だぞ?」

春香「ロ、ロンドンなんてどこだって同じじゃないですか! 飛行機が悪いんです! 紛らわしいんですよ!」

P「まさか会場に着く前に終わってしまうとは……」

春香「これじゃあ世界中の笑いものですよ~! 帰ったらみんなに何言われるか……」

P「アイドル辞めて芸人に転向するか? 考えても仕方ない。開き直って観光でもするか」

春香「あれ? あの人こっちに向かってきてません?」

P「おっ? なんかいかにもな黒人さんだな」

外人「ヘイ! アーユードジリスト?」

春香「ド、ドジリスト?」

P「ドジな人間のことじゃないか?」

春香「じゃ、じゃあイエスアイムドジリスト! マイネイムイズハルカアマミ、アイムアイドル!」

外人「HAHAHAHA! ユーアーアイドル? オーケー! ゴーカクデース! オメデトーゴザイマ-ス」

春香「へ?」

外人「イチジヨセンツーカデース!」

春香「え? そ、それどういうことですか?」

委員「春香さん! お待ちしておりましたよ!」

春香「あれ、委員の人」

委員「おめでとうございます。ドジリンピック1次予選通過です」

春香「え?」

委員「ドジリンピック1次予選通過です」

春香「いや、2回言わなくても」

P「つまりどういうことだってばよ?」

春香「私が知りたいんですけど……」

委員「いえ、実はロンドンに行くことから既に予選が始まっていたんです。普通の人は、イギリスのロンドンに行きます。しかし、本当にドジな人は」

外人「キャナダニキマース!」

春香「ってことは開催地って……」

外人「ココ、ロンドンデース!」

春香「えええ!?」

P「それは……」

天海春香 一次予選突破!!

P「おめでとう春香! いや俺は最初からこうなるんじゃないかと思ってたね!」

春香「こ、これがドジリンピック……。既にドジバトルは始まっていたなんて……」

委員「ええ、この予選において、多くの選手がイギリスのロンドンに到着しました。残念ですが、彼らは皆失格です」

P「つまりこの先は」

春香「本物のドジしか生き残れない!!」

P「そのようだな」

委員「ええ。各国名だたる選手が出場しています。例えば、KGBの国家機密を酒の席でうっかり喋ってしまったスパイ、眼鏡を頭にかけたまま4年間気づかなかった者、コーラを溢して核戦争を起こしかけた軍人。
かなり厳しい戦いになると思いますが天海さん、日の丸を背負って頑張ってくださいね」

春香「はいっ!!」

P「春香、日本人のドジっぷりを見せてやれ!!」

春香「日本に金メダルを持って帰ります!」

委員「ははっ、みんな期待していますよ?」

春香(そして、4年に一度のドジの祭典、ロンドン(カナダ)ドジリンピックの幕が上がりました)

ドジリンピック第2次予選(ドジスゴロク)

春香「えいっ! ってうわぁ!!」

どんがらがっしゃーん

P「さっきから1マスずつしか動いてないぞ!! なんて不運なんだ!」

春香「す、好きで出してるんじゃ……、しかも3マス戻る!?」

P「さ、先に進めないぞ……」

春香「ゴールが見えませーん!」

委員「いえ、これが正しいのです」

P「ってことはまさか……」

委員「第2次予選はゴールしてはいけないスゴロクなのです」

春香「ふ、複雑な心境です」

P「しかしダントツ最下位だ!」

委員「このまま行けばいいんですが……」

??「負けられないネー」

2回戦突破!

ドジリンピック第3予選(実技)

春香「お客様、お飲み物をってうわぁ!」

どんがらがっしゃーん!

実況「天海、華麗なる転倒30連発です! そして彼女の持っていたコーヒーは宙を舞い、」

客「あっづあああああ!! じんじゃううううう!!」

実況「ダイレクトアタック! これは点が大きいか!?」

春香「わ、私ったらアイスコーヒーと間違えてお汁粉を溢してしまいました!!」

客「んぎゃあああ!!」

審査員A「ビューティフォー!! スバラシイドジデース」

審査員B「この5分間で30回の転倒、10秒ごとにこけ、そしてその全てが芸術のように美しい!」

P「は、春香! 見えてるぞ!!」

春香「え? きゃっ、私ったら勝負下着と間違えて褌はいてました!!」

実況「怒涛のドジは終わらない! まさかの褌! この国の誇りをかけて、天海身を削ります!」

審査員A「ジャパニーズヒストリックラグジュアリーデース!!」

審査員B「世界一嬉しくないパンチらだ、しかし見事なドジだ!!」

P「お、女捨ててないか……」

春香「い、今すぐ作り直してきます! ってうわぁ!!」

P「31回目……、だと……」

委員「天海さん、いいペースですね!!」

春香「うう、嬉しくないですよ……」

実況「さあ点数が出そろいました。果たして、転倒のスペシャリスト、天海は次へ駒を進めることが出来るのか!? 結果は――」

3回戦突破!!

春香「わっほい!」

P「見事だ春香!!」

P「そうですか、それは残念ですね。多分動画サイトに上がってるんじゃないかと……」

春香「誰と話してたんですか?」

P「ああ、社長とな。日本での放送状況を確認したら、どうやら放送局のドジで、ひたすらズッコケ三人組が流れてドジリンピックが放送されてないみたいなんだ」

春香「が、頑張ってるのに報われない……」

P「ま、まあ少しずつドジリンピックの知名度も上がってきたみたいだし、決勝に行く頃には春香はヒーローになってるよ」

春香「それは頑張らないと! 私は自分の部屋で寝ます。おやすみなさい」

P「ああ、お休み」

春香「あっ……」

P「どうした、春香」

春香「カードキー部屋に入れっぱだ……」

P「お、おう……。この部屋で寝るか?」

春香「そうします!!」

P「わっ! 急に元気になったなおい」

春香(ドジもいい結果につながることがあるんだね!)

春香「明日も頑張ります!!」

春香(そして私は、ドジにドジを重ね、熾烈な戦いを経て、順調にコマを進めました)

ドジ自慢コンテスト

相手「んふっふ、私はねぇ、ボタンを押し間違えてミサイルを発射しちゃったんだよ。いやぁ、あれはドジったなぁ」

春香「いいえ、人を不幸にするのはドジとは言いません」

相手「なに?」

春香「私の最大のドジは、生まれた時から始まっています!!」

相手「こ、これは!?」

春香「出産予定日よりうっかり1ヶ月早く生まれちゃいました! イエイ!! あっ、その時の写真見ますか?」

相手「ぐはぁ! う、生まれつきのドジリストだと……。なんて笑顔だ! 勝てるわけがない!!」

春香「ドジは笑顔を生まなきゃいけないんです。誰かが悲しむなんて、それはドジといいません!」

P(俺奈落に落ちたんだけどなぁ……)

4回戦突破!!

春香(そしてドジリンピック決勝へ――)

前夜

春香「みんな! 来てくれたんだ!」

千早「ええ、応援に来たわ」

やよい「ファイトですよー!!」

伊織「テレビで活躍を見てたわ」

美希「すっごく輝いてたの!」

律子「今春香は、日本全国のドジっ子の憧れなのよ!!」

社長「うむ、ドジっ子アイドルの時代の始まりだ!!」

春香「私の……、時代……」

春香(想像してみよう、私の時代……。みんなリボンでどんがらがっしゃーん!)

春香「リボンと傷薬の売り上げがすごいことになりますね!」

律子「ええ、ハンカチ王子の時と同じ現象よ。今春香のリボンが売れに売れてるの。街を歩けばそこら中に春香がいるわ」

真「ハルラーって言うんだってさ!」

社長「うむ、故に私たちもつけているのだよ!」

春香「しゃ、社長まで……」

律子「侮っちゃだめよ? 今男だってリボンを付けるのよ。ジュピターだって付けてるわよ」

春香「それだけは想像したくないな……」

社長「黒井もつけてるぞ」

春香「うへぇ」

P「いま日本は春香に夢中なんだ。著名人からも応援の声が届いているぞ!!」

N田『天海さん、あなたのドジで私も勇気づけられました。これからも総理として世間の声に負けず頑張っていこうと思います』

O沢『秘書のドジで捕まりそうになった私ですが、検察側のドジで何とか生き延びることが出来ました。ドジは人を傷つけ、救うもろ刃の剣。天海さん、あなたが世の中のドジを正しい方向へ導いてください』

S谷『ドジで二人の彼女に愛想付かされちゃって、自分のドジさ加減を恨みましたが、天海さんのようなドジを目指して、シュシュっと頑張っていきます! 』

伊織「ロクな面子じゃないわね」

春香「私のドジが、みんなを救っているんだ……」

P「ああ、もう誰もお前のことを無個性だとかリボンが本体と馬鹿にしないよ」

春香「日本のため、みんなの笑顔のため、私、金メダルを持って帰ります!!」

P「帰ってきたら凱旋コンサートだ!」

春香「頑張っちゃいますよ!!」

O沢のセリフミスっちょる
『――天海さん、あなたのドジをで、日本を正しい方向へ導いてください』
です。まあモノホンは言わないだろうけど。

実況『さあ、世界一のドジを決めるドジリンピック2012、美しい自然に包まれたカナダのロンドンから数日間に渡ってお届けしました』

実況『そして今、頂上決戦が始まります。世界一のドジは誰か? 果たして我らが天海は金メダルを得ることが出来るのか?』

実況『それとも、中国代表楊が勝つのか!?』

春香「ここまで来たら銀メダルだなんて言いません! 金メダルですよ、金メダル!」

楊「そういうわけにもいかないヨー! 国にもって帰るネ!!」

実況『それでは、決勝スタートです!!』

春香「うわぁ!」

どんがらがっしゃーん!

P「いいぞ、完璧な転倒だ! パンチラもさりげなくてグー!!」

委員「いや、あれを見てください!!」

相手「イヤー!」

鈍柄合社杏!

春香「そ、そんな!? 私のこけ方とまるで同じ!?」

P「どういうことだ!!」

委員「同じドジリスト同士の戦い!? いや、違う。ドジリストが100人いれば、100人とも違うドジを見せる。だからドジが被るなんてあり得ない……」

P「そ、それじゃあまさか!」

委員「ええ、恐らく彼女は天海さんのどんがらを完全にコピーし、それ以上に昇華させているんです」

P「な、なんということだ……」

楊(フフフ、菲○の国コピー得意ヨー! もう劣化製造機なんて言わせないんダヨー!)

春香「で、でも! 私のドジは17年間付き合ってきたもの! それをパッと見のあなたなんかに……」

楊「ドジは量じゃなくて質ダヨー! 中国4000年の(ねつ造の)歴史、食らっちゃえ!」

春香「ド、ドラゴン!?」

楊「青龍ダヨー。そう、菲○の国の守り神ダヨー!」

P「春香は何に怯えてるんだ!?」

委員「いま、私たちには理解できない世界が繰り広げられているのでしょう」

春香「ド、ドジが怖い!!」

楊「ずっとびびってるが良いヨー!」

春香「こ、ここまでなのかな……」

P「あきらめるな春香! 日本のみんなは、お前にかけているんだぞ!」

春香「で、でも」

P「ドジを怖がるな! 誇りを持つんだ!!」

春香「プロデューサーさん……」

P「これは決勝が終わったら言おうと思ってたんだが……」

春香「え?」

P「この戦いが終わったら、2人でどこかに旅行に行こう。金メダル記念にな」

委員「そ、それは死亡フ……」

P「お前のドジなら、なんだって越えられる! お前はドジと言う翼で、世界を包むんだ!!」

春香「ドジの翼……」

春香『天海春香、アイドルやってます! ってうわぁ!』

どんがらがっしゃーん!

春香(そう言えば、生まれた時からこけたんだっけ。通算30万回だっけ? 17歳でそんなにこけるって、呪われてるのかな?)

春香(ドジな自分を恨んだこともあるけど、それでも誰かを笑顔にできた)

楊「アイヤー?」

春香(そして、私がこけた時、いつもみんなが傍にいてくれた……!!)

春香(千早ちゃん、雪歩、真、やよい、伊織、亜美、真美、律子さん、あずささん、美希、響ちゃん、貴音さん、小鳥さん、社長……)

春香(お父さん、お母さん……。そして、大好きなプロデューサーさん)

春香(迷惑ばっかりかけてごめんなさい。そしてこれからもきっと……)

P「は、春香の様子が変だぞ!?」

春香「You still have lots more to work on・・・(まだまだですよ、まだまだ!)」

P「春香、なのか……?」

春香「Now, let's go.(さあ、行きましょう)」

委員「あ、あれは……20年に一人現れるという、選ばれしドジのみが到達できる、ドジの境地!!」

P「な、なんですかそれは!?」

委員「私も始めてみました……。しかし、覚醒した天海さんを止めることはできません!」

春香「Uwaxtu!」

DONGARAGASSYAAAAAN!!

楊「こ、こんなの聞いてないネ!!」

鈍柄合社杏!!

P「い、いいぞ! 春香が優勢だ!!」

委員(今更だけど、これの採点基準がわからない件について)

楊「み、認めないネー!! 中国4000年の青龍……」

春香「This way…(こっちだ…)」

楊「な、なな……」

P(その時俺は目を疑った。まるで春香の背中から、大きな羽が生えて、世界を包んだような……)

楊「こ、これがドジの境地……」

楊「天衣無縫の極みアルか!?」

楊「ま、負けたヨー」

春香「あれ? 私何してたんだろう?」

P「春香ぁ!!」

春香「うわっ! プロデューサーさん! 何がどうなったんですか!?」

P「ああ、お前の勝ちだ」

春香「え?」

P「春香、お前がナンバーワンだ!!」

春香「ってことは……」

審査員「楊菲○試合続行不能! よって2012ドジリンピックを制したのは、」

委員長「ジャパニーズアイドル、ハルカアマミ!!」

観客『わあああああああ!!』

春香「よ、良く分からないけど……」

春香「わっほい!!」

P「日本が……、最強のドジだ!!」

実況『金メダルは我らが代表天海! さあ、長きにわたってお届けしてきたドジリンピックもフィナーレを迎えようとしています』

観客『春香! 春香! 春香!!』

実況『それでは、授賞式に移ります』

春香(お父さん、お母さん、みんな……。わたし、やったよ! 最強のドジだよ!!)

P「春香」

春香「あっ、プロデューサーさん! 約束、覚えてますよね?」

P「ああ、今度は2人で、ロンドン五輪を見に行こうか」

春香「はい!」

実況『今受賞台に上がる天海……』

春香「うわぁ!」

どんがらがっしゃーん!

P「なはは。やっぱり春香は春香だな」

観客『春香! 春香! 春香!!』

春香(ドジな私を、好きになってよかった!)

委員長「アマミハルカ、アナタハメイヨアル……」prr prr

委員長「シツレイ、ケイタイノデンワキリワスレテマシタ……」

委員長「キヲトリナオシテ、アマミハルカ……」prr prr

春香「あのー、またかかってますよ?」

委員長「ああ!? なんやこちとら忙しんじゃい!」

春香「関西弁!?」

委員長「今授賞式中ってゆうてるやろうが! あぁ? な、なんやて……、それ、ホンマかいな……」

春香「?」

委員長「アマミサン」

春香「いや、日本語喋れるならわざわざ片言じゃなくても!」

委員長「いやな、言いにくいんやけど……」

春香「なんですか? まさか服が逆とか……」

委員長「あんた、銀メダルや」

春香「そうですか、銀メダル……」

春香「のヮの……」

観客『のヮの』

委員長「のヮの」

春香「ってえええええ!? 私決勝で勝ったじゃないですか! ドジの中のドジは私ですよ!!」

委員長「それがやなぁ……」

??「あれー? 今日が開会式じゃありませんでしたっけ?」

春香「」

委員長「ギンメダル、オメデトウゴザイマス」

P「勝負は時の運、誰が最初に言ったのでしょうか? どんなに劣勢でも、諦めなければ最後の最後に奇跡を起こすことが出来ます」

P「勝ってた方からしたら、それは不運以外の何物でもありませんけどね」

P「さて、今回はどれだけメダルを貰えるのでしょうか? 楽しみです」


世にも
奇妙な
アイどんがらがっしゃーん

春香編終了。いきいきデーとかJANKENみたいなの書こうとして滑った感が否めませんが、オチだけはちゃんとできたかと。
次は小鳥さん編を書こうと思いますが、少し休憩します。
それと亜美と真美は別々で書いた方がいいんですかね? 一応セットで簡単な流れは作りましたが、別の方がいいなら考えます。

即興になるからかなり遅くなると思う。寝ないように頑張ります・

P「居なれた場所でも、1人でいると心細く感じます」

P「そんな時、不安を煽るようなものを見つけてしまったら?」

P「これは、そんな空間に1人留守番するだけの物語です」


小鳥「黒子×火神……、ホモホモしいわぁ」

小鳥「……飽きちゃった」

小鳥(いつもは騒がしくて狭いはずの事務所も、みんながいないと寂しいものね。こんなに広かったかしら?)

小鳥「いいなぁ、旅行」

『お留守番』音無小鳥

小鳥「あっ、765プロです! いつもお世話になってます!」

小鳥「えっと、今社長も事務所にいなくて……、こちらから連絡しておきます。今後とも765プロをよろしくお願いいたしますね」

小鳥「……社長まで行くことないじゃない」

小鳥「仕事はあるけど、暇ね……」

小鳥「こういう時は、ネット循環しちゃおっと! 今日も元気にステマをするわよ!」

小鳥「えーと、この曲良いよね。同じ日に発売した天海春香の歌もいいけどね……、完璧ね! これでステマとバレルわけがないわ」

小鳥「ふぅ……。暇ね」

小鳥「あら、着信。メールかしら?」

小鳥「あら、楽しそうね。水着でハッスルしちゃって。私なんか見せる相手も……」

小鳥「ちくしょー!!」

小鳥「みんなしてわがままボディを見せちゃって! BBAに対するあてつけ!? いや、BBAじゃないけど」

小鳥「はぁ……、することないわね。なーんか面白いことないかしら?」

小鳥「目をつぶって音無小鳥17歳って打ってみよっと」

小鳥「オトンSSぢ子予知28D氏」

小鳥「これは酷い」

小鳥「でも暇で仕方ないわ。いつもはアイドル達で妄想世界に飛び込めるのに、その餌……、じゃなくてアイドルもいないし」

小鳥「アイドル達がいなくて出来ること……」

小鳥「……折角だしロッカー見てみましょうか」

小鳥「って待ちなさいよ小鳥! それはさすがに犯罪じゃないの!? いくら暇だからってアイドルの私物を覗くなんて……」

小鳥「すごく面白そうね」

おい「ロッカー」はやめろ

小鳥「こ、これはあれよ! 抜き打ち持ち物検査よ! 万一大麻君みたいになんか持ってたら洒落になんないしね! 大人の女としての責務よ! ノブオリよ!」

小鳥「べ、別に売ろうなんて思ってないしね! それじゃあ、チェックしましょうか」

小鳥「まずは春香ちゃん! あの子のロッカーは同じ色のリボンが大量に出てきそうだけど……」

小鳥「……鍵がかかってるわね」

小鳥「そりゃそうね。諦めましょう……」

小鳥「テレビでも見て過ごしましょうか。2時間ドラマかしら?」

F越『ちっ、鍵がしまってやがる。あんましたくねえが……』

小鳥「あら、ピッキング。F越さん泥棒の役なのかしら?」

小鳥「ピッキングか……」

小鳥「えっと、ピッキング、やり方……」

>>97 織田裕二のは怖かったな

小鳥「それじゃあ第一回、アイドルのロッカー確認大会!! わー!」パチパチパチパチ

小鳥「それじゃあ春香ちゃんのを……」

小鳥「えっと、これを回して……」

小鳥「開いたわ! それじゃあ中身ちぇーっく!」

ドサドサドサ!!

小鳥「ってきゃああ!!」

小鳥「な、雪崩の如く写真が……」

小鳥「ん? これも、あれも、あれも……」

小鳥「プロデューサーさんのばっかりじゃない!」

小鳥「確かに春香ちゃんはプロデューサーさんが大好きだけど……。でもこれじゃあストーカーじゃ……」

P『ん? おかしいな。背後から気配がするぞ……』

春香『ええ、ずっといますから! プロデューサーさん?』

小鳥「こわっ! 全部後ろからとってたなら滅茶苦茶愛が重いじゃない!!」

小鳥「こんなに人のロッカーが精神的に来るものだったんんて……」

携帯『繋ぐレインボー!』

小鳥「うひぃ! な、なんだ私の携帯か……」

小鳥「もしもし? あっ、春香ちゃん!? どうしたの? えっ、録画してほしい番組がある? えっと、どの番組かしら?」

小鳥「ふぅ……、まさかロッカーを見てるのがばれたかと思ったわ。次は……」

小鳥「千早ちゃんね。千早ちゃんなら、音楽関係の雑誌かしら? それとも……、胸関係かしら」

小鳥「千早ちゃんのロッカーも青色なのね。一応黒髪だけど、青にちなむことが多い子よね」

小鳥「えっと、これをこうして……」

小鳥「御開帳~」クパァ

小鳥「中は整理されてるわね。と言うより、荷物が少ないだけか」

小鳥「著名なオーケストラのCD、有名なオペラ歌手……。あら、こっそりやよいちゃんのCDもあるわね」

小鳥「ん? 紛れ込んでなにも書いてないCDがあるわ。PCで見れるタイプね、何を入れてるのかしら?」

小鳥「私、気になります!!」

小鳥「……折角だから見ちゃいましょう!」

小鳥「あの機械音痴な千早ちゃんがわざわざPCで見るぐらいなんだから、一体何が入ってるのかしら?」

小鳥「ファイル名、Yuu? 事故で亡くなったって言う優君のことかしら?」

小鳥「一気に重くなってきたわね。見ちゃっていいのかしら?」

小鳥「そうよ、この好奇心を抑えたままじゃ後悔するだけよ!」

小鳥「いんすとーる」

小鳥「さて、何が出てくるか……」

小鳥「? この子が優君? 千早ちゃんと髪の毛の色が違うのね」

小鳥「あれ、今度は違う子が出てきたわね。さっきのこと同じぐらいの子だけど」

小鳥「ま、また違う子が……。こ、これってもしかして……」

子供『キャッキャ!』

千早『ね、ねえ……。そ、そこの君ぃ?』

子供『え? なぁに?』

千早『お、お姉ちゃんって言ってくれるかしら?』

子供『お姉ちゃん?』

千早『そ、そうよぉ! もっと心を込めて! ビックリマンチョコあげるら!』

子供『ほんと、お姉ちゃん!?』

千早『ユニバーーーース! お姉ちゃん頂きましたー!!』

子供『ママー!』

千早『んあー!!』


小鳥「いやいやいや! 優君にシツレイでしょ! 何個人を馬鹿にするような妄想をするのよ、私! そんなの妄想じゃないわ!」

小鳥「しかし千早ちゃん、まさかショタっ気があるとは……。見たくないもの見ちゃったわ」

携帯『繋ぐレインボー!』

小鳥「ぴよっ! ち、千早ちゃんから着信が……」

小鳥「えっと、音無ですけど千早ちゃん? どうしたの? えっ、録画してほしい番組がある? はじめてのお使いね。分かったわ」

小鳥「ちょっと、これはガチなんじゃ……。録画しないと殺されそうね」

小鳥「もうやめた方がいいかしら……」

小鳥「私、気になります! ……誰よ、無茶するなって言うのは」

小鳥「気を取り直して、次は平和そうなやよいちゃんを!!」

小鳥「うちの事務所の癒しだし、これまでみたいなえげつないのが来るなんてこと……」

小鳥「オープンザロッカー」

小鳥「用途に分けてきれいに纏められてるわね。やよいちゃんらしいかな」

小鳥「あら? なにかしらこれ。宝くじ? 最近の奴ね。夢を買うって言うのかしら? ギャンブルなんかしなさそうなのに意外ね」

小鳥「番号は……7753150。菜々子最高? どこの番長よ」

小鳥「交換期日はまだ先ね。でもそろそろ当選が発表されてるんじゃ……」

小鳥「ググってあげましょう!」

小鳥「~♪」

小鳥「7753150っと」

小鳥「どれどれ、2000万円の当たりくじ、盗まれる――」

小鳥「ふぇ? 当たりくじ盗まれた?」

小鳥「ば、番号が一致した……?」

小鳥「じゃ、じゃ、じゃあ! この当たりくじって……」

やよい『うっうー! 命が惜しけりゃ金をよこすですー!』

被害者『か、金目のものなんて何も……』

やよい『じゃあ高価なものよこしやがれです!』

被害者『じゃ、じゃあ宝くじの当たり券を……』

やよい『うっうー! そんな紙切れ……。2000万円の価値があります! 毎日もやし祭りが出来ます!!』


小鳥「うわっ、ちょっと萌えた」

小鳥「じゃなくて! あのやよいちゃんに限ってそんなことはないと思うけど、この宝くじを持ってたら、」

小鳥「泥棒ですよ、泥棒!!」

携帯『つが』

小鳥「ひゃい、音無です! あっ、876プロの。どうかなさいましたか? はい、分かりました。また本人に連絡します」

小鳥「ふぅ、ここでやよいちゃんから電話がかかってくると思ったけど、そんなことなかったわね」

小鳥「それじゃあ次は誰を……」

小鳥「そうね、まだマシそうな伊織ちゃんにしましょう」

小鳥「ロッカー一つにしても、妙に高価そうね。金持ちはロッカーにも力を入れるのかしら?」

小鳥「うげっ、ここでまさかのセキュリティ、パスワードなんかわかるわけないじゃない!」

小鳥「ためしに誕生日を……0505っと」

小鳥「あっ、開いた。なんか拍子抜けしたわね……」

小鳥「ふむふむ、ウサギちゃんの服まで置いているのね。なんというか、意地っ張りだけど可愛いわね」

小鳥「まぁ流石に伊織ちゃんは……、あら? 何かしらこの手帳。黒皮?」

小鳥「もう嫌な予感がプンプンするんだけど……」

小鳥「えっと……。O沢、H山……。政府の用人と、隣に日時が書かれてるわね」

小鳥「あら? 今ちょうどO沢の時間ね。何が……」

テレビ『緊急ニュース速報』

小鳥「え? 地震かしら?」

テレビ『逆転無罪のO沢氏急死。原因は不明』

小鳥「ぴ、ピヨヨ……」

伊織『リュ○ク、見てなさい』

死神『んほっ? なんだ?』

伊織『今の世の中は腐っているわ。自分本位な政治家、二股する忍者、クラスで6,7番目ぐらいに可愛い女子×48のごり押し……。だから私は、世界を変えるの』

伊織『この、DEATH N○TEでね』

死神『人間って、面白!』

える(千反田)『キラが誰か、私気になります!!』

小鳥「んなわけないよね! ね!?」

携帯『つ』

小鳥「ひゃあ!」

小鳥「い、伊織ちゃん……。どうしたの?」

小鳥「え? お土産は何がいいかって? そうね……、何でもいいわよ。ありがとうね」

小鳥「ふぅ。まさか触った者も殺されるなんてことがあったらどうしようかと思ったけど……」

小鳥「死神も見えないし、これは気のせいよね、うん!!」

小鳥「さて次ぐらいで最後にしましょうか。もうメンタルがやばいわ。全部見ないのかって? それならそれでスレ立てるわよ!!」

小鳥「最後は……、そうね、プロデューサーさんのロッカーを見ましょうか」

小鳥「まぁあの真面目好青年プロデューサーさんのことだから、特に怪しいものはないと思うけど……」

小鳥「いや待てよ? こんなに美女、美少女に囲まれてるんだから、もしかしたら出来心で……」

小鳥「私の写真もあったりして?」

小鳥「それじゃあプロデューサーさんのをグイグイっと入っちゃうわよ!」

小鳥「あれ? なかなか開かないわね……」

小鳥「んしょ、んしょ……。えいっ!!」

ドサッ

小鳥「きゃっ!! な、なにか落ちてきた……」

小鳥「え? ……首?」

小鳥「きゃあああああああああ!!!」

小鳥「だ、誰の!? 誰の首なの!?」

小鳥「こ、これ……」

小鳥「私の顔?」

小鳥「う、ウソよね! そんなわけ……。あれ? これって、マネキン?」

小鳥「はぁ……、マネキンと死体を間違えるなんて、どうかしてるわよ」

小鳥「でも、どうして私の顔なの? 凄く似てるけど……。なんでかしら? 違和感があるのは」

小鳥「鏡に映る私とマネキン。歌のタイトル?」

小鳥「似てるけど……、マネキンの方が若いかしら? まるで私が現役のころみたい」

小鳥「ってそうじゃなくて!  なんでプロデューサーさんのロッカーから私の首だけのマネキンが出てくるの?」

小鳥「あれ? このロッカーも少し変ね」

小鳥「奥にまだ、何かあるのかしら?」

小鳥「叩いたら空洞があるみたいなのよね……」

小鳥「壊してでも開けるべきかしら……。い、いや気のせい……?」

小鳥「何もなかったら、どう言い訳したらいいか分からないし……」

小鳥「でも気になるというか……。旺盛な性欲と好奇心は止まらないというか……」

小鳥「こ、これは正当防衛よね! うん、きっとそうなるわ!」

小鳥「ロッカーを移動しようとしていたら、落としてしまって偶然開いた! そのプランで行きましょう!!」

小鳥「そうと決まれば、あちょー!!」

ドンっ!

小鳥「はぁ……、はぁ……。ロッカーが壊れちゃいましたね。さあ、一体何があるのか……」

小鳥「み、見ますよー」

小鳥「やっぱり奥にまだスペースが有ったんだ。手首とか落ちてませんよね?」

小鳥「え、えっと……。これは、アルバム?」

小鳥「み、見ていいよね……」

小鳥「こ、これって……」

小鳥「私のアイドル時代の、写真?」

?「そうですよ、小鳥さん」

小鳥「ぴよっ!! ぷ、プロデューサーさん!? ど、どうして……」

P「急いで帰ってきました。だって小鳥さん、暇そうだったし、みんなのロッカー見てたからさ」

小鳥「ど、どうしてそれを……」

P「ああ、隠しカメラって便利ですよね。ずっと見てたんですよ? この子がね」

小鳥「ま、マネキン……」

P「ええ、目にカメラが入ってるんです。アイドルのみんなには、忘れ物をしたって言って戻ってきました。意外と遠くないですよね、海から」

小鳥「こ、このマネキンはいったい……」

P「それですか? そっくりでしょ?」

小鳥「そういうことを聞いてるんじゃ!」

P「おれね、この業界に入ったの、小鳥さんが理由なの」

小鳥「え?」

P「俺ずっとファンだったんだ。だからこんな風に一緒に仕事できてうれしかった」

P「でも、悲しいことに気づいちゃったの」

P「小鳥さん、どんどん歳を取ってくの」

小鳥「え?」

P「俺が好きだった、アイドル小鳥さんは、その辺のおばさんと同じように、劣化していくのが見えたんだ」




P「それが赦せなかった。俺の大好きな小鳥さんは、もっと若々しかったから」

小鳥「い、いやぁ……」

P「でもさ、まだ今なら大丈夫かな。このまま小鳥さんの時間を止めたら、きっと……」

小鳥「こ、来ないでください……」

P「一人ぼっちのお留守番で寂しかったでしょ? でも大丈夫。今日から小鳥さんは、」

P「ずっと俺の家にいるんだから……」

小鳥「きゃあああ!!」

P「ずっと、美しくかわいい小鳥さんのままで……。他の誰にもあーげない」

小鳥「」

P「俺たちは、永遠になるんだから」

社長「ううむ……」

律子「小鳥さんとプロデューサーがいなくなってから、どれぐらい経ったんでしょうね。警察も必死に探してるみたいですけど……」

社長「忘れ物を取りに行くと言っていたが、あの後なにが起きたというのだ?」

美希「あっ、律子」

律子「律子さん、でしょ」

美希「律子、さん。これ見て欲しいの」

律子「なによこれ、結婚式場のカタログ?」

美希「うん。それでね、このマネキンだけど……」

美希「そっくりじゃない?」


P「好奇心は猫をも殺す」

P「あなたが普段使っているロッカー、その隣には、何が入っているのでしょうか?」

P「いや、もしかしたらこの世界じゃないどこかと……」

世にも
奇妙な
アイドルマスター

申し訳ありません。小鳥さん編は構成を大幅にミスって、一貫性のない、急展開になってしまいました。
本当はもっと理不尽なホラーのつもりでしたが、上手くいきませんでした。難しいです。
楽しみにされていた方、すみません。このまま続けて書く気力も残念ですがないので、寝ようと思います。
頑張って9時~10時ごろには起きて亜美真美セット編を書いていこうかなと思ってます。
それでは、読んでくださった方、支援くださった方、ありがとうございました。

今から亜美真美投下します。保守してくださった方、ありがとうございました。

P「秘密と言うのは、親しい人にも話せないでいます」

P「友人、親、兄弟姉妹。打ち明けるのには、少し勇気がいりますね」

P「さてここに双子の姉妹がいます。この2人、腹に何を秘めているか、見てみましょうか」


真美「その……、えっとね……。好きなんだ、兄ちゃんのことが……」

P「ありがとうな、真美。全く、女の子に言わせるなんて、俺は情けないな」

真美「え?」

P「俺も好きだよ、真美」

真美「兄ちゃん!!」

真美「えへへ……」

亜美「ねーねー、真美。最近良いことあった?」

真美「なんでそう思うの?」

亜美「そりゃそんなにやけ顔されたら、誰だってそう思うっしょ」

真美(顔に出てたのかな。さすが我が妹、目ざとい)

律子「亜美ー、そろそろ行くわよ?」

P「真美も行くぞー」

亜美「あっ、待ってよ律っちゃん!」

真美「今いくよー!」

双海真美、双海亜美。恐らく、いま日本で一番有名な双子。思春期に入った姉の真美と、まだ幼さの残る妹の亜美の姉妹は、今日も今日とて収録だ。
納税長者に名が乗るだけはある。

真美「兄ちゃん」

P「なんだ、真美」

真美「呼んでみただけ!」

P「なんだそりゃ」

P「えっと今日の仕事だけど……。あれ?」

律子「プロデューサーと真美? 同じ仕事でしたっけ」

P「そうなのか? 特に聞いてなかったけど……」

真美「亜美と仕事って久しぶりかも」

亜美「そうかもね!!」

P「じゃあこの企画の相手ってのは……」

律子「姉と妹?」

亜美「?」

真美「?」

企画書『暴露コロシアム』


『暴露コロシアム』 双海亜美、双海真美

司会『相手に隠してることって、いっぱいありますよね?』

司会『例えばとあるお笑いコンビ。突っ込みは実はボケに恋愛感情を抱いていた。一体何を突っ込むのか!?』

司会『例えばとある夫婦。夫には節約生活を送らせる一方、自身はホストのジャガー君と毎日遊んでる!』

司会『そんな言いにくい胸の内を、今ここでぶちまけあいましょう!!』

司会『暴露コロシアム! 今宵は、人気双子アイドル、双海亜美、双海真美。互いの口から、どんな爆弾が飛び出るのでしょうか!?』

亜美「ねえ律っちゃん、なに付けるの?」

律子「心拍数を図るやつよ。この番組は、互いに自分の秘密、相手に思っている不満をぶつけ合って、より動揺させた方が勝利みたいなの」

亜美「えっと、暴露大会みたいなの?」

律子「そういうとこね。暴露ネタが攻撃ってとこかしら?」

亜美「良く分からないよ」

律子「まあ秘密を言えばいいんじゃない? ほぼ毎日悪戯してんだから、あんたらたくさんあるでしょ?」

亜美「そうだけどさ~」

律子「それに、向こうは戦闘態勢よ?」


真美「暴露バトルか……」

P「ああ、気負わずに行けば勝てるさ」

真美「ねえ兄ちゃん、真美が勝ったらさ……」

P「ああ、一緒に飯でも食うか」

亜美「……」

律子「亜美?」

亜美「あっ、うん! で、なんだっけ?」

律子「別に何も言ってないわよ」

スタッフ「本番五分前です!」

律子「はーい! じゃあ亜美、行ってらっしゃい」

亜美「なんだかなぁ」

司会『秘密と不満を武器にして、栄冠をつかめ!! 暴露コロシアム、今宵の選手入場です!』

司会『赤コーナー、上から78、55、77……。竜宮小町のロリ担当、史上最強の腕白少女!』

巻き舌『ふぅぅぅぅたぁぁみぃぃぃ、あぁぁぁぁぁみぃぃぃぃぃ!!』

司会『青コーナー、上から78,55,77……。絶賛ソロで活躍中、思春期お姉ちゃん!』

巻き舌『ふぅぅぅぅたぁぁみぃぃぃ、まぁぁぁぁぁみぃぃぃぃぃ!!』

亜美「真美とこうやって戦うって久ちぶりだね」

律子「ちなみに私はセコンドよ」

真美「真美が勝つもんね」

P「俺は真美側のセコンドだ」

司会『それでは、暴露コロシアム。第一ラウンド、ファイト!!』

司会『ここに剣はない! しかし、剣闘士よ! お前たちの武器は、そのマイクだ!! 先行は双海亜美!』

亜美「これで相手に暴露したらいいの?」

律子「みたいね」

真美「どんな暴露もかかってこいやー!」

亜美「じゃ、じゃあ……」

亜美「真美の写真、ピヨちゃんに売ったの、亜美なんだ!」

真美「へ?」

司会『おっと、双海真美! ちょっと動揺したぞ! 心拍数+5!』

真美「ピヨちゃんに売ったって……、なんのこと?」

亜美「実はね……」

亜美『あー、金欠だよー。給料ほとんど貯金されちゃうもんなぁ』

小鳥『あっ、亜美ちゃん』

亜美『ねえピヨちゃん、手っ取り早くお金を稼ぐ方法ないかな?』

小鳥『お金を稼ぐ方法?』

亜美『うん、ちょっと今月ピンチなんだ』

小鳥『そうね……。あっ、良いこと思いついた』

亜美『?』

小鳥『ねえ、亜美ちゃんにお願いがあるんだけど……』

亜美『なに?』

小鳥『真美ちゃんのヌード写真、欲しいかなぁ。なんちゃって!』

亜美『いいよー。でも高くつくかんね!』

小鳥『え?』


真美「ちょ、ちょっとなにしてんのさ!!」

亜美「いやぁ、あのピヨちゃんの笑顔忘れられないよ」

真美「さいてーだよ! 普通姉を売る!?」

亜美「ち、ちかたないじゃん! VITAが欲しかったんだYO!」

真美「真美の裸=VITA!?」

司会『双海真美、妹の裏切りに動揺が隠せません!!』

真美「こ、これが暴露コロシアム……」

P「次は真美の番だ。亜美にお返ししてやれ!!」

真美「う、うん!!」

司会『双海真美の反撃だぁ! 一体どんな暴露が飛び出るのか!?』

真美「え、えーと真美は……」

真美「ネットの掲示板で竜宮に双海亜美はいらないスレを立てました」

亜美「えええ?!」

司会『おっと、とんでもないカウンターが来たぞ! 双海亜美、心拍数が上がっていくぞ!』

真美『はぁ……、退屈だなぁ』

真美『ピヨちゃんみたいにネット掲示板でも見て回ろうかな』

真美『うはぁ、さすが社会の最底辺の集まり。今日も今日とて不毛だね~』

真美『そうだね、真美もスレ立ててみようかな。面白そうだし』

真美『えっと……、何を立てようかな』

テレビ『今週の1位は、竜宮小町! 竜宮と言えば、双海亜美ちゃんのお姉さんもアイドルとして活躍していますね』

真美『い、今真美おまけみたいに言われなかった?』


真美「っていきさつで」

亜美「意味が分からないYO!」

真美「ほらっ、竜宮ってさ、いおりんはリーダー役だし、あずさお姉ちゃんは包容力と歌唱力があるけど、」

真美「亜美である意味ある?」

亜美「ぐはぁ!!」

律子「気を確かにもって、亜美! 私はあんたを入れて正解だと思ってるわよ!!」

P「真美、ホントにそんなスレ立てたのか?」

真美「うん。レベルが足りないとか言われたから、代行してもらったYO!」

P「そこまでして書きたかったのか……」

亜美「あ、悪意しか感じないよ……」

真美「まあそんなスレ立てたら、逆にこっちが叩かれたけどさ。お前真美だろって」

律子「ほらっ! 世間の目も亜美を求めてるわよ!!」

亜美「り、律っちゃん……」

真美「あっ、でもやたらはるるんを推す声があったかな……。しかも同一IDで」

P「その暴露の方がえげつないと思うのは、俺だけか?」

司会『さて、第1ラウンドの結果はこうだ!』

双海亜美 +13

双海真美 +10

司会『第1ラウンドは辛くも双海真美が勝利だ!!』

亜美「うぅ……、律っちゃん……」

律子「よしよし……」

真美「兄ちゃん、第1ラウンドは貰ったよ!」

P「ああ、いい感じだ! って素直にいえないんだよな、うん」

真美「亜美なんか知らないよ! 人の裸売るなんて、どういうつもりさ!」

P「ネットで妹叩く姉もどうなんだ? Lイージとか赤い雪男が頭をよぎるぞ」

司会『それでは第2ラウンド、開始します!』

P「よし、行って来い!」

真美「ストレートで勝っちゃうよ!」

律子「あんたの思いのたけ、しっかりぶつけてきなさい!」

亜美「おうよ!!」

第2ラウンド!!

真美「真美が先行だよ!!」

亜美「な、なんでも来なよ!」

真美「んじゃどうしようかな……」

真美「はいはーい! 実は……」

真美「亜美と間違えて告白してきた先輩に、亜美の代わりにオーケーだしときました!」

亜美「えええええ!?」

司会『おっと! 双海亜美、一気に心拍数が上がったぞ!』

律子「ちょ、ちょっとええ!?」

P「真美、マジなのか?」

真美「あっ、うん」

イケメン『亜美ちゃん! 俺、亜美ちゃんのことが……』

真美『え? 亜美じゃな……』

イケメン『好きなんだ!!』

真美(この人って、学校1のイケメンだよね? 亜美が好きって、ロリコンさん?)

真美『えっと、その……』

真美(亜美が好きなら何で間違えるかなぁ。まあ真美も昔は、自分がどっちだったか分からなくなってたけどさ)

イケメン『だめ、かな……』

真美(あっ、まてよ? 亜美は学校1の人気者、人気者には、人気者の彼氏の方がが映えるよね)

真美『うん、いいよ……』

イケメン『え? マジ!? へへっ、やーりぃ!』


真美「てな感じで」

亜美「てな感じで、じゃないよ! だから最近妙に付きまとってきたのかあの先輩!!」

真美「めーわくだった?」

亜美「当たり前だよ!! しつこくて仕方ないんだから!」

真美「ほら、亜美友達が彼氏出来たみたいなこと言ってたし」

亜美「だからって押し付けないでよ!!」

司会『さて、双海亜美はどんな反撃を見せるのか!?』

律子「落ち着いて、亜美。勝機は必ずあるはずよ」

亜美「ねえ、律っちゃん。あれ、ばらしてもいいかな?」

律子「あれ? ま、まさか!?」

亜美「うん、あれだよ」

律子「あ、あれを暴露したら、あんたはあんたじゃいられなくなるわよ!」

亜美「いいんだよ、もう」

亜美「今の亜美は、修羅だかんね!!」

真美「へえ、亜美もあるんだ」

亜美「うん、これだけは使いたくなかったけど……」

亜美「実は亜美、スリーサイズを詐称してました」

真美「へぇ、スリーサイズを……」

真美「え? 今何って言った?」

亜美「スリーサイズ、実は嘘」

真美「ええええええ!?」

律子「言ってしまったのね、ついに!!」

P「なん…だと…」

真美「う、ウソだよね? 亜美と真美っていつも同じで……」

亜美「んふっふ~。一体いつから、姉と同じって思ってたの?」

真美「え?」

亜美「双子キャラが壊れるー、だとか真美が傷つくかもー、って黙ってたけど、実はさ、亜美の方が大きんだよね」

真美「そ、そんな!? だって温泉回じゃ……」

亜美「それは錯覚なのだ! 亜美は真美と同じぐらい、と言う先入観がそう見せてただけだよ」

亜美「ホントのサイズはね」

双海亜美 80、56、77

真美「ま、負けてる……?」

亜美「亜美の方がせくちぃなのに、ホント、思春期ぶっている真美の姿はお笑いだったよ!」

真美「あ、ああ……」

P「真美! 真美いいいいい!!」

司会『これは勝負あったかぁ!?』

双海亜美 +18

双海真美 +23

司会『第2ラウンドは、双海亜美が勝利だー!!』

亜美「イエイ!」

真美「うそうそうそ……、姉に勝る妹なんて……」

P「真美……」

司会『1対1での第3ラウンドを迎えるが、両者満身創痍だ! 特に双海真美のショックは計り知れないぞ!』

亜美「トーゼンの報いだよ、トーゼンの!!」

律子「あんた結構えげつないわよね……」

亜美「そう? でも真美の方がひどくない!? 勝手に告白うけちゃうんだよ!? そもそも亜美には……」

律子「亜美?」

亜美「い、いや! なんでもないよ!」

律子「そうなら良いんだけど……」

律子(今、何を言いかけたのかしら?)

真美「うう……」

P「真美、自分を保つんだ」

真美「無理だよぉ。あんな核弾頭が来るなんて誰も思わないよ」

P「これから大きくなるさ。なんなら俺がしてやろうか?」

真美「さ、触らないでよ! もう、兄ちゃんのスケベ!!」

P「はっはっは! 良いじゃないか。胸の大きさだって違うんだ、別に真美と亜美が一緒であり続ける理由なんてないだろ?」

真美「あっ……」

P「真美は真美だ。それ以外の何物でもない。例え亜美でも真美になんかなれないさ」

P「行って来い! 暴露コロシアムなんて大袈裟な名前付いてるけど、所詮は姉妹喧嘩なんだしさ」

真美「兄ちゃん……」

P「俺さ、兄弟姉妹いないから、そんな風に喧嘩できるお前たちが羨ましいんだ」

真美「嬉しくないよ? 妹なんていても……」

真美「ははっ、なんか気が楽になって来たや」

真美「兄ちゃんありがとう、行ってくるね?」

P「ああ、負けんじゃねえぞ!」

亜美「なんか真美も覚悟入ったって感じ? じゃあ律っちゃん行ってくるね」

律子「ええ、行ってきなさい。姉妹喧嘩なんだから、負けちゃだめよ?」

亜美「うん!」

司会『さぁ両者立ち直ったようです!』

真美「亜美、こうやって向き合うの久しぶりかも」

亜美「そうかもね。逃げてたんじゃないの?」

真美「んなわけないじゃん!」

司会『さあ、最後のラウンドは同時に秘密を暴露してもらうぞ!!』

亜美「真美、言っとくけどさっきのよりもキツイかんね」

真美「亜美こそ。覚悟しなよ?」

亜美「じゃあ行くよ、真美!」

真美「おう! いっせーのでっ! で行くよ!」

亜美・真美『いっせーのでっ!!』

亜美・真美『兄ちゃんと付き合ってる!!』

亜美「え?」

真美「へ?」

亜美真美『えっ?』


――


置手紙『旅に出ます。探さないでくださいbyP』

世にも
奇妙な
アイドルマスター

はぁ……。本当にごめんなさい。書いていても、初期ほどの内容が思いつかなくなりました。
残ってるのが社長とやよい、締めにPですけど、どうしようかな……。やよいはなんとなく出来てるけど、大人二人をどうするか……。
皆様の期待に沿えず、微妙な出来になってしまい申し訳ございません。付き合ってくださった方、本当にありがとうございました。

えっとですね、昼から少し用事で出るんですよ。帰ってくるのが16時か17時ぐらいですので、それまでかけません。iphoneじゃ書き込めないので、落ちちゃうかもしれません。
そうなったら後日立て直します。一応それで最後になるかなと。

保守ありがとうございました。ちびちび書いてきます。

P「人生には思わぬ転機があります。ゲームを起動したら、プロデューサーに誘われた、良くある話です」

P「しかし、その転機はいつどこで起きるか分かりません」

P「もしかしたら、今この瞬間にも、訪れるのかもしれませんよ?」

社長「ふぅ。事務所内ではタバコを吸えないからな、喫煙者には辛い世の中になったものだ」

P「あっ、お疲れ様です。社長」

社長「おや、君もタバコを吸うのかね?」

P「いえ、そうじゃなくて、社長にお会いしたいという方が来られまして」

社長「私に金?」

P「ええ」

社長「私にかね?」

P「ええ」

??「初めまして高木さん。私、芸能事務所OGプロの者なんですが……」

社長「ふむ……、なかなか大きな事務所ではないか。OGプロの方が私に何用で……」

OG「ええ。実は……」

OG「高木さんをプロデュースしたいと思いまして」

社長「はっはっは、私をプロデュースかね? なかなか面白いことを言うじゃないか、君」

OG「いえ、これは冗談でもなんでもないんですけど……」

社長「へ?」

OG「高木さん、あなたをわが社のオジドルとして、プロデュースさせてください!!」

社長「お、オジドル?」

『社長アイドル』 高木順ニ郎

OG「今の世の中、ゆとり教育だとか、年金だとか、不安な社会です」

OG「そんな中、若者たちに元気を与えようと、オジサマオバサマ方にもう一度輝いてもらおうという主旨で、オジドル……OYG40肩を企画しました」

社長「お、オヤジ40肩……」

P「ちょ、ちょっと待ってくださいよ! 社長がアイドルになるんですか!?」

OG「ええ、そうなりますね」

社長「き、君! もう少し冗談はリアリティがある方が……」

OG「冗談ではありません。現に私たちはすでにプロジェクトを進めています」

P「これは?」

OG「候補者リストです。」

社長「これは……っ」

P「名だたるビッグネームが並んでますね」

OG「ええ、今の社会において、年よりの発言は老害と揶揄されます」

P「まあ実際そんな人もいますけどね」

OG「今の社会、若者が目上の方を敬っていない、それもこの国の衰退の原因の一つでしょう」

P「しかしですね……」

OG「しかし私たちは、65歳以上を殺すようなビデオも見せませんし、平和的、かつ革新的な手段で、オジサマ方の威光を取り戻そうとしているのです」

社長「それが……、オジドルというのかね?」

OG「はい。このアイドル絶対社会、31歳のアイドルだってデビューするんです。ナイスミドルな皆様がデビューしちゃいけない決まりがありますか!? いや、ない」

P「ですが、社長は多忙で……」

OG「そうでしょうか? 朝に流行情報を提供して、夜に結果報告をするだけの、簡単なお仕事に見えますが」

P「見えないところで頑張ってんです!」

P「どうかしてますよ。社長も一つ言って……」

社長「私が、アイドルになれるのかね?」

P「えー、社長?」

OG「はい。全力でプロデュースいたしますよ」

P「あ、あれ? この流れってまさか……」

社長「もう1つ、なぜ私を選んだのか、教えてくれないか?」

OG「そうですね、アイドル事務所経営者としてのノウハウもなんですが、何より」

OG「ティンときました」

社長「そうか! ティンと来たか!」

OG「ええ、ティンと!!」

社長「私も君にティンと来たよ!!」

P(ティンティンうるせーよ)

社長「君、私はデビューするよ!!」

P「ああ、そうですか……。っては?」

社長「その間、事務所の経営は君に任せよう」

P「ちょちょちょ! 何言ってるんですか社長!?」

社長「オジドルとしてデビューすると言っているのだよ」

P「はああああ!? どうかしてますって!! 大体年を考え……」

社長「どっせーーーーい!!」

P「ごふぅ!」

社長「君! 夢はな……、夢ぐらいは……」

社長「おじさんになっても見てるものなのだよ!!」

P「!?」

社長「そもそもだ、私が芸能プロダクションを設立したのは……」

社長「私がアイドルになりたかったからなんだ」

P「えー」

社長「かつて私は、みんなと同じようにアイドル候補生だった。しかし、目が出るまもなく終わってしまったよ」

社長「ただ私の人を見る目は正しかったらしく、アイドルを辞めても、事務所に残って数年間スカウトを行っていたよ」

社長「そして独立した。今は娘のようなわが社のアイドル達の活躍を楽しみにする一方で、私の中の夢は燻ったままだった」

社長「しかし今! 最後の転機が来たのだよ! 形式も目的も何でもいい! あのころの夢をかなえるためにも私は……」

P「社長……」

社長「アイドル達には、最後の最後で迷惑をかけてしまったな。しかし、これだけは譲れない夢なのだよ……」

社長「すまない……。みんなには、私から説明しよう」

??「その必要はありません!」

P「この声は!?」

春香「社長にもそんな夢があったなんて、親近感わきますね」

P「お前たち……」

律子「社長、私たちはみんな社長の夢を応援しますよ」

やよい「がんばってください!」

社長「き、君たち……」

春香「当然ですよ! だって私たち、」

社長「仲間だもんげ!!」

P(あんたが言うんかい)

OG「ははっ、皆様、理解が早くて助かります」

社長「ああ、自慢の娘たちだよ」

社長(こうして、私は社長から、プロデュースされる側、オジドルへと転向した)

社長(しかしそれは、老体に鞭を打つような、厳しくしんどい日々の始まりでもあった)

トレーナー「はい、ワンツーワンツー! 高木さん、ハンテンポ遅い! 黒井さんは動きが違います!!」

社長「ぜぇ……、ぜぇ……」

黒井「はぁ……、はぁ……」

社長「黒井よ、今日もいい汗をかいたな……」

黒井「ふ、ふん! これぐらい、私にとってはウォーミングアップにもならんわ!!」

トレーナー「そうですか、じゃあ黒井さんと高木さん、もう一周しましょうか」

黒井「なに!? 貴様、私を誰だと……」

トレーナー「アイドルでしょう? 芸能プロダクションの社長だろうが、ホームレスだろうが、ここにいる限りは平等であり続けますよ? はい準備して! ワンツーワンツー!! 今度は早い!!」

高木「ぜぇぜぇ」

黒井「コヒュー」

社長(しかし辛いことばかりでもない。私もよく知る顔が、同じくプロジェクトに参加していたのだ)

黒井「げ、限界だ……」

社長(961プロ社長、黒井崇男。根は悪い奴ではないが、やることなすことが度を過ぎており、幾度もわが社に迷惑をかけてきた旧友だ)

社長「まさかこんな形でお前と組むことになるとはな」

黒井「組む? 甘ちゃん弱小事務所はこれだから困る! 誰も組んだとは言っておらん! 周りにいるやつ全員が、蹴落とすべき敵だ!!」

社長「その通りかもしれんが……、だんとつ落ちこぼれのお前には言われたくないだろう」

黒井「お、落ちこぼれじゃないもん! 少しペースがつかめないだけだもん!」

社長(昔から運動はダメ、歌もダメ、ビジュアルは普通より上ってぐらいだからな。その割にプライドが高いのがこいつの悪い癖だ)

黒井「い、今に見ておれ! 私が頂点に立ち、貴様ら全員を見下してやるわ! ふーっはっはっは!!」

社長「まあ元気そうで何よりだな」

社長「ふむ……」

テレビ『~♪』

社長「なるほど、このよう表現があるのか!!」

社長(アイドルと言う立場になって見えて来たものもある。それは、私たちの娘、765プロのアイドル達のポテンシャルの高さだ)

黒井「ふん! 1人では何もできない小娘どもが群れているだけではないか!」

社長「確かに、1人1人は弱いかもしれない、しかしだ。それを正しく導く者と、彼女たちを向かいいれる場所、そして絆があればどんな困難にも立ち向かえるのだよ」

黒井「下らん理想論を! 私はもう寝るぞ!!」

社長「そうか、お休み」

黒井「高木」

社長「なんだ?」

黒井「枕が違って眠れない……」

社長「修学旅行の女子かね?」

トレーナー「それじゃあボーカルレッスンしますよ!」

社長「~♪」

トレーナー「高木さん、しっかり音程は取れてますね。しかしもう少しこうした方が……」

社長「ふむ、勉強になるな」

トレーナー「つぎ、黒井さん」

黒井「俺はガムリン 格好いい軍人 見上げれば俺の乗った 黒いヴァルキリー♪」

トレーナー「黒井さん! 無理に歌わないでください! それと音程が滅茶苦茶ですよ!」

社長「お、おう……」

黒井「くそっ! なぜだ! なぜ私は音痴なのだ!! こうなったら地獄のカラオケ……」

社長「くだらないぞ、そんなもの」

トレーナー「はぁ……。黒井さん、あなたは確かに指導者としては光るものがあるかもしれません。しかし、プライドを捨てなければ……」

黒井「う、うるさいうるさいうるさい! もうやってられるかバーカバーカ! お前の母ちゃんでべそー!!」

トレーナー「黒井さん! 行っちゃった……」

恐怖のカラオケ歌合戦?

社長「すみません、あいつはこんなやつなんです。呼び戻してきますので、気になさらずレッスンを続けたまえ」

トレーナー「は、はぁ……」

社長「黒井よ……。お前はまた逃げるのか……っ?」

トレーナー「行っちゃった……。んじゃ次は、菊地真一さん」

社長「黒井……、お前のことだ。あの日のままのお前でいたならば……」


子供「見ろよー、おっさんがブランコ漕いでるぜ」

子供「ぎゃっはははは! 負け犬って言うんだぜ!!」

子供「やーい負け犬ー! ティンティンしろよー!!」

黒井(そうだ……、私は負け犬と同じじゃないか! 高木に勝っていたつもりでも、常に世間は765プロの味方だった。正しいのは力だろうが!!)

社長「ぜぇ……、ぜぇ……。やはりここにいたか、黒井……」

>>230 正式名称そんなんだったっけ? かなり昔のだからあまり覚えてないや。

黒井「高木か……、私を笑いに来たのか?」

社長「笑うものか。後で何されるか分かったもんじゃないからな」

黒井「ふん、言ってくれる」

社長「お前のことだ。どうせこの公園に来ると思ってたよ。こうやってブランコに乗るのも久しぶりだな。あの頃はおとな」

黒井「過去のことはもういい!! あれは……、もう終わったことだ!」

社長「ああ、悲しいがな。しかし、彼女は私たちを恨んでなどいない。うちで事務員しているぐらいだからな」

黒井「全く、物好きな女だ」

社長「しかし彼女は幸せそうだ。少なくとも、あの頃よりはな」

社長「黒井よ……、戻らないか?」

黒井「ふん! 今更戻れるか! あんなもの、私に何のメリットもない! 下らん!」

社長「じゃあ何で来たんだ?」

黒井「貴様がいたからな……。貴様の邪魔を徹底的にするのも悪くないと思ったが、思ってた以上に状況が悪かった。それだけだ」

社長「世間では、ツンデレと言うんじゃないのか?」

黒井「断じて違う!」

社長「まあ何でもいい。とにかく、トレーナー君を待たせてるんだ。社長がレッスンを逃げるなんて聞いたら、961のスタッフはどう思うかね?」

黒井「クッ……」

社長「やれやれ、かつて一緒にデビューしようと言った男はどこへ行ったのやら」

黒井「貴様が変わっていないだけだ! 数十年もあれば、心境の変化の一つや二つ起きる」

社長「そうかもしれんな……」

社長(レッスンに戻った私たちは、これまでの遅れを取り戻そうと必死に頑張った)

黒井「~♪」

トレーナー「良いですよ黒井さん! 今のは音程もリズムも表現も完璧です!」

黒井「当然だ!! 今までのは手を抜いていただけだ」

社長「黒井……」

社長(1人カラオケに通っていたって言うのは黙っておくか)

OG「それじゃあOYG40肩のお披露目ライブの日にちを発表します!!」

社長(ライブは1か月後……。それまでに歌と振付をマスターしなければ!!)

OG「世間の関心も集まっているので、思っている以上にお客さんが来るかもしれません。ですが、皆様の年の功を見せつけてやってください!」

OYG『うっす!!』

テレビ『今話題のOYG40肩! 今日はそのレッスン風景に密着取材です!!』

春香「あっ、社長だ!」

P「レッスンが厳しいのか、ちょっと痩せたか?」

伊織「黒井社長もいるじゃない」

小鳥「あら……。社長、夢が叶ったんですね」

P「そうですね」

テレビ『OYG40肩、まだまだ若者には負けていません!!』

社長『はっはっは、私もまだまだ現役だよ』

黒井『当然だ!!』

やよい「仲良さそうです」

小鳥(仲直りできたんだ)


社長(そして……、ライブの日が近づいてきたある日のこと……)

社長「どうした黒井、顔色が悪いぞ」

黒井「ふん、顔が黒いのはもともとだろうが! そんな気になるほ……」バタッ

社長「お、おい……。黒井?」

黒井「ど、どうしてだ? 体が動かな……」

社長「黒井! すみません、救急車を!!」


医者「ふーむ、無理な運動が祟ったみたいですね。命には別段影響は有りませんよ。ただ、本番は遠慮しておいた方が……」

黒井jr「そうだよオヤジ! 馬鹿じゃねえの!? タバコ吸って酒飲むくせに、無理してアイドルの真似事なんかしちゃってさ!」

社長「武人君!」

武人「大体おっさんなんかにそんなの無理に……」

社長「どっせーーーい!!」

武人「なはぁん!!」

黒井「た、高木……」

武人「殴ったね! オヤジにもなぐら」

社長「人の夢は、終わらないのだよ!!」

武人「!?」

社長「武人君、君は知っているか知らないが、私と黒井は昔アイドルだったんだ」

武人「オヤジがぁ!? こんな悪人笑いしかできないのに!?」

社長「それでもだ! 夢は叶わなかったが、私たちは同じ夢を後進に託し、アイドル事務所を設立した」

社長「そして今! 私たちにもう一度チャンスが来たんだ! それを……」

社長「奪う資格は誰にもない!」

医者「し、しかし……」

黒井「私は滅びぬ! 何度でもよみがえるさ!」

黒井「ここで逃げたら、ずっと後ろ指差されそうだ。それは不愉快極まりない」

社長「黒井……」

黒井「高木、貴様に譲れないものがあるように、私にもある。それだけだ。武人」

武人「な、なんだよオヤジ……」

黒井「オヤジは何も出来ないかどうか、その目にしっかりと焼き付けるのだな」

社長「そういうことだよ。殴ってしまって悪かったね」

武人「クッ、好きにしろよ!」

黒井「ふん! 一体誰に似たんだか」

社長(お前以外にだれがいるよ)

黒井「そういうわけだ、俺はライブに出るぞ。そして馬鹿にしてきたやつの鼻をあかしてやる!」

社長「うむ、私も若い者に何かを伝えることが出来ればよいのだが……」

そしてライブ当日

P「凄い客だな……」

律子「あれだけバンバン宣伝してましたからね」

真「父さん大丈夫かな……」

雪歩「真ちゃんのお父さんもオジドルになったんだっけ?」

真「そうだよ。ホント、無茶しちゃってさ。この前なんかボクにダンスを教えてくれなんて言うし……」

P「おっ、舞台の幕が開くぞ――」



社長「OYG」

全員『40肩!!』

P「これ、AKBじゃ……」

律子「大丈夫です。秋元氏も踊ってますから」

♪♪ 親父REST@RT ♪♪

四十までの生き方を否定するだけじゃなくてこれから進む道が見えてきた
口だけの男より我慢とか加齢臭がしてもカッコつけた自分が好きだから

今すぐ心のドアちょっと開いて旅に出てみたい気分
ぼやぼやしてると大切なチャンス逃してしまいそう

輝いたステージに立てば最高の気分を味わえる
すべてが報われる瞬間いつまでも続け夢なら覚めないでいて

大空を飛ぶ鳥のように翼を広げて羽ばたきたい
どんなに遠くても行こう 憧れの世界 夢だけでは終わらせたくない

P「殆ど原曲ママじゃねーか!」

P「でも、みんな」

美希「すっごく輝いてるの!!」

伊織「新堂、やるじゃない」

真「へへっ、父さん、ダンスちゃんとできてんじゃん」

武人「オヤジ……」

P「社長、今のあなたを俺は尊敬しますよ……」


輝く舞台に、最後の花火を打ち上げよう。笑われたってもいい、それでも大きな夢を見たい。
まだ死んじゃいないんだ、いつだって新しい自分へと変われるんだから――。

社長『ドキドキで壊れそう』

一同『1000%ラブ!』

キャスター「次のニュースです。今世間では元気なオジサマ方が大活躍! 暗い話題で落ち込んだ日本を、盛り上げていっています!」

社長「すまないね、今日はサーフィンに行くんだ。頑張ってくれたまえ、新社長」

黒井「当然! 私もだ!」

P「な、なははは……」

武人「なんで俺が社長に……」

社長「そうそう、今日は秋元も来るんだ」

黒井「秋元の奴、前回のボーリングでの恨みを晴らしてやるぞ!!」

P「なーんか、元気になったな、あの人たち」

小鳥「ふふっ、なんか若返ったみたい!」

P「小鳥さんもアイドルになれば若が……」

小鳥「あぁ?」

P「ひっ! なんもないですよ!」

社長「黒井、車まで競争だ!」

黒井「負けるか!!」

P「今日も今日とて平和だなぁ」

P「夢を見るのに制限はありません。もしかしたら、永久の眠りについた者も夢を見るのかもしれないのですから」

P「このオジサンたちは、機会がありました。皆様も、周りを見たら落ちているんじゃないでしょうか?」

P「歳をとっても、いつまでも心だけは若くありたいですね」

世にも
奇妙な
アイドルマスター

はい、ややカオスな社長編終了。晩御飯食べてから、やよい編に行こうと思います。恐らくこのスレで全部終わりますね。

それでは再開。P編はエピローグ的な感じでいたけど、ダメかしら

P「ある日急に死神に出くわし、人生の残り時間を知らされたら、あなたはどうしますか?」

P「運命を変えるために奔走する、残された時間で精一杯の贅沢をする。それは人それぞれでしょう」

P「さて、彼女の場合はどうなんでしょうか?」



やよい「今日はお肉が安いです!」

肉屋「おっ、やよいちゃん! 今日はおじさん機嫌が良いから、やよいちゃんには半額で売っちゃうよ!」

やよい「ほんとですか?」

奥さん「あんた! 何勝手なこと言ってんだい! ごめんねやよいちゃん、半額には出来ないけど、ちょっと安くしとくわよ?」

やよい「ありがとうございます!」

??「ふむ」

やよい「お肉買っちゃいました! 今日のもやし祭りはお肉つきです!」

??「ちょいちょい、そこの君」

やよい「うん?」

??「そうそう、君だよ君」

やよい「あれ? プロデューサー?」

??「プロデューサー? なんだそれ……。って成程、この体の持ち主がプロデューサーとやらなんだな。ってことは知り合いか?」

やよい「どうかしました?」

P?「ああ、ごめんごめん。えーと……、ゴメン、誰だっけ?」

やよい「高槻やよいですよ~。プロデューサーもしかして記憶そーしつですか?」

P?「そう言うわけでもないんだけど……。高槻やよいちゃん?」

やよい「はい」

P?「うーん、気を失わずに聞いてほしいんんだけど……」

やよい「?」

P?「君さ、残り人生24時間なんだよね」

やよい「え? それどういう……」

P?「あっ、実はわたくしこういう者でして……」

やよい「えっと、読めません!」

P?「ありゃ、日本語に変えるの忘れてたか。信じてくれるかどうかは分からないけど、」

P?「俺、死神なんですよね」

やよい「死神?」

死神「そう、そしてやよいちゃんの寿命は」

死神「残り24時間です」

『24時間』 高槻やよい

やよい「えーと、意味が分からないんですけど……」

死神「まあそうですよね、だから簡単に説明します。残された時間を無駄に使わせるのは趣味じゃないし」

死神「さて、俺は死神です」

やよい「死神ってあの鎌とか持ってるやつですか?」

死神「ああ、そうなりますかね。でもまあ実際は普通ですよ、普通」

やよい「じゃあなんでプロデューサーに?」

死神「ああ、この人ね。さっき事故ったんですよ。でまだ一命は取り留めてんだけど、俺が間借りしてるわけです。
死神って人の目じゃ見えないから、こうやって人間の体レンタルするしかないんですよね、はい」

やよい「で私の寿命が……」

死神「うん、残り23時間54分3秒。まあ今53分になったけどさ」

やよい「ど、ど、どうして死んじゃうんですか?」

死神「あー、それは俺も知らないわ。事故に遭うかもしれないし、心臓麻痺で死ぬかもしれない。でも逆に言えばこの24時間は死ぬことないんだよね」

やよい「そうなんですか?」

死神「そうなんじゃない? だって死ぬ時間がすでに決まってるし。気になるならトラックにでも突っ込んだら?」

やよい「痛いのはいやです!」

死神「普通死ぬと思うけどなぁ。まあいいや、で俺たち死神は、元来忌み嫌われる存在なんだけど、実際はそんなことないんだよね」

やよい「?」

死神「そりゃ昔は気まぐれで魂刈ってるのもいたけど、最近は死神のイメージアップを図って、死神協会日本支部では、対象の死ぬ24時間前に案内を出して、残された時間を有意義に使ってもらおうと決めました」

やよい「それで私のところに?」

死神「そういうこと。死神のノートみたいなのが流行ってるみたいだけどさ、あれ嘘っぱちだからね。死ぬにしても、ちゃんと準備期間はあるよ」

やよい「……」

死神「ああ、やっぱり信じれませんよね。もうすぐ自分が死ぬなんて、急に言われても」

やよい「なんで……、私なんですか?」

死神「それは……、返答に困るな。こればっかりは俺たち末端の人間には口出しできる範囲じゃないし」

死神「伝えたいことだけ伝えて、混乱させて申し訳ないけど、俺たち死神協会日本支部は、やよいちゃんが天寿を全うするまで、最善を尽くすよ」

やよい「……」

死神「えっと、凄い聞きにくいんだけど、質問ある?」

やよい「これって他の人に言ったら……」

死神「それはイエローカードなんだわ。言ったところで信じるかは知らないけど、死神協会は変に硬いからなぁ。基本的に死にゆく者の前しか姿を見せないんだよ」

やよい「イエローカードって……」

死神「レッドカードになると強制終了。その場でお陀仏、来世は……。たぶん人じゃないよ」

死神「だから、死神に会ったなんてことを言う人いないでしょ? あってもそれは守秘義務があるし、死人に口なしってとこで」

やよい「分かりました……」

死神「おっと。残り23時間46分34秒。どうか後悔のない余生を……」

やよい「えっと、プロ……、じゃなくて死神さん!」

死神「イエローカード!」

やよい「あっ……」

死神「ってのは冗談で、あんまり俺のこと死神って言わない方がいいよ? 俺がいなくなったとき、この体の持ち主は死神と呼ばれ続けることになるし」

やよい「じゃ、じゃあプロデューサーで」

死神「じゃあプロデューサーか。本名知らないの?」

やよい「あっ、じゃあはいらないです。本名は……、なんでしょう?」

死神「さあ、それは俺に聞かれても。で何の用事?」

やよい「えっと、その……」

やよい「もやしパーティに来ませんか?」

死神「もやしパーティー? もやし党っていう政党があるのかい?」

やよい「?」

死神「ああ、今のはパーティーと政党の英語のパーティを……。自分で解説するのは寂しいな」

やよい「まだ習ってません」

死神「そうなの? まあいいや。面白そうだし行こうっと」

やよい「あっ、でもプロデューサーさんの体は……」

死神「心配ご無用。死神ってさ、軽くなら相手に命を与えれるんだわ。それで今プロデューサーは生きてはいる。
全部が終わったら責任を持って病院まで送るよ」

やよい「プロデューサーと過ごせないのは淋しいです」

死神「そうだなぁ。俺が入ってる時点で、君の知るプロデューサーじゃないしな。どうしたものか」

やよい「でも死……じゃなくてプロデューサーも来てください。たくさんいる方が楽しいですから」

死神「んじゃ、お言葉に甘えちゃおうかな。プロデューサーとやらの分も楽しまないとな」

残り22時間13分 高槻家

やよい「うっうー! みなさんいらっしゃい!!」

春香「やっほー、やよい来たよー! ってプロデューサーさん!?」

死神「ん? 」

春香「どうしてやよいの家に? ってどうかしました、固まっちゃって」

死神「……え、閻魔の娘!?」

春香「へ?」

死神「なんで閻魔の娘がここぶふっ!」

やよい「プロデューサー、ちょっと来てください」

春香「え、閻魔の娘?」

千早「そんなニックネーム付けた覚えないわよ」

伊織「それ他作者のネタでしょ!」

貴音「はて、面妖な」

響「貴音はいつもそれだぞ」

やよい「死……、プロデューサー! 閻魔の娘ってなんですか?」

死神「あー、うん。あのリボンの子が、地獄のボスの閻魔の娘そっくりでさ。リボンが角に見えたぜ」

やよい「違いますよー。春香さん達は私の仲間です!」

死神「ああ、それなんだけどさ。俺誰が誰か分からないんだよね」

やよい「あっ、そうですね」

死神「だからさ、誰が誰って教えてくれたらそれはとっても嬉しいなって」

やよい「えっとですねー……」


死神「なるほど、個性の宝庫だな」

やよい「間違えないでくださいね?」

死神「大丈夫だって。俺仕事柄人の顔と名前覚えるの得意だし」

やよい「お待たせしましたー! もやし祭り開催ですよ!」

高槻家『Uryyyyyyyyy!!』

貴音「すでにおいしそうな匂いが……。じゅるり」

響「すっごく美味しいんだぞ!」

伊織「そうよ! 特にこのたれが絶品で……」

死神「うん、美味い」

伊織「プロデューサー?」

死神「え? なに?」

伊織「なにタレをダイレクトで飲んでるの?」

死神「あれ、これってそういうものっじゃ……」

やよい「プロデューサー、それコーラじゃありませんよ?」

死神「え? へ? あっ、はい」

春香「プロデューサーさんドジだなぁ」

美希「春香だけは言っちゃダメなの」

やよい「気を取り直して、もやし祭り開幕です!」

真「これもーらいっと!」

響「そうはいかないぞー!」

あずさ「あらあら、漁夫の利ですね~」

伊織「あんた達もっとエレガントに食べなさいよね。こうやって」

亜美「もーらい!」

真美「げっちゅー!」

伊織「ちょ、あんたら怒るわよ!!」

貴音「美味でございます」

死神「そうだな、みんな楽しそうだ」

やよい「おかわりも有りますよー!」

長介「姉ちゃんも食べなよ?」

やよい「うーん、私はあんまりお腹すいてないかなー。みんなが食べてるだけですっごく幸せだよ!」

千早「高槻さん、天使ね……」

死神(そして俺は死神)

やよい「じゃんじゃん食べちゃってください!」

一同『Uryyyyyy!!』


残り21時間2分

律子「あー、食べたわね」

あずさ「ダイエット頑張らないと……」

雪歩「お肉美味しかったですぅ」

春香「雪歩肉ばかり食べてたよね……」

やよい「みなさん今日はありがとうございましたー!」

春香「ううん、こっちも楽しかったよ!」

響「また来てもいいか?」

やよい「は……、はい」

美希「どうかしたの、やよい」

やよい「え? ううん、何でもないですよー!」

貴音「いいえ、やよい。私たちに何かを隠してはいませんか?」

やよい「な、なんもないですよー!」

死神(嘘つくの下手なんだな、この子……。仕方ない、ちょっと助け船を)

死神「ああ、隠してるんだ」

やよい「プロデューサー!?」

貴音「あなた様、それはなにを……」

死神「実はな……」

チュッ

やよい「プ、プ、プロデューサー……」

春香「!?」
あずさ「!?」
美希「!?」

死神「まあ、そういうことだ、うん」

春香「死ーん」
あずさ「死ーん」
美希「死ーん」

伊織「う、うわ大胆……。ってそうじゃなくて! あんたやよい何歳だと思ってるのよ!」

死神「え? 享ね……」

やよい「プロデューサー!」

死神「あっ、ごめんなさい」

死神「でもな凸ちゃん」

伊織「凸ちゃん言うな!」

死神「俺たちは愛し合ってるんだよ、なあ、やよいちゃん」

伊織「やよいちゃん?」

死神「え? 名前合ってるよね?」ボソッ

やよい「プロデューサーは私のこと呼び捨てです」ボソッ

死神「あっ、そうなの?」

伊織「怪しいわね……。あんたホントにプロデューサー?」

死神「な、何言い出すんだよ! 俺ほどのプロデューサーがこの世に……」

律子「なーんかいつものプロデューサーと違うのよね」

春香「なんでだろ……」

美希「宇宙人がハニーに擬態したみたいなの。ってハニーはどこ!?」

死神「うおっ!」

美希「ハニーをどこへやったのこの偽物!!」

死神「お、俺がハニーだっての!」

死神(なんだなんだこの金髪! 中身は閻魔娘じゃないか!!)

やいのやいのやいの

貴音「おやめなさい!!」

美希「貴音?」

貴音「目の前にいるのは、紛れもなくぷろでゅうさあです。私が保証いたします」

真「貴音が言うなら、そうなのかな……」

雪歩「四条さんは絶対ですから!!!!!」

響「貴音が嘘なんか言うわけないぞ」

美希「うーん、なんでだろ……」

死神(助かったのか?)

貴音「長居してもしかた有りませんね。それではまた明日に」

伊織「そうね、あんまりいても迷惑でしょうし」

亜美「じゃあね→」

真美「歯磨けよ→」

雪歩「さようなら」

真「まったねー!」

千早「泊まっていいかしら?」

春香「千早ちゃん!」

響「ケーライー(じゃあなー)!」

あずさ「帰りましょうか」

律子「あずささん! そっちじゃありませんよ!」

美希「じゃあね、ハニー?」

やよい「み、みんなー!」

やよい「ありがとうございましたー!!! また来てくださーい!!」

死神(ありがとうございました、か)

貴音「あなた様」

死神「わっほい! 急に現れないでくれるかな、うん!」

やよい「貴音さん、どうかしたんですか?」

貴音「ええ、少し。あなた様、いえ、ぷろでゅうさあの姿を借りた、また別の存在」

死神「あちゃー」

やよい「貴音さん、分かるんですか!?」

貴音「ええ、終始面妖な気を放っていましたので。恐らくあなた様は……」

貴音「死をつかさどる神、と言ったところでしょうか?」

死神「バレテ-ラ」

やよい「す、すごいです……」

貴音「そしてやよいのもとに現れたということは……」

死神「ああ、こっちからは言えないんだ。察してくれ」

貴音「そうですか……」

やよい「貴音さん……」

貴音「やよい、私にあなたの運命を変える力は有りません。恐らく、ちょっとやそっとでは覆らない運命なのでしょう」

貴音「それは……、誠に心苦しいことです……」

やよい「貴音さん、泣いてるんですか?」

貴音「当たり前です! 大切な仲間が死に行くとわかってるのに、何もできない! 私は無力です!」

やよい「良いんですよ、もう。だから泣かないで下さい。私まで泣いちゃいそうですから」

貴音「やよい……」

やよい「まだ死んじゃうんだって実感は湧かないけど、でもクヨクヨしてたら後悔だけ残っちゃうかなーって」

貴音「あなたは、強いのですね……」

やよい「ううん、今にも泣いちゃいそうです。でも、私誰かがいる前では泣かないって決めてるから。お姉ちゃんだし」

貴音「ふふっ、それはそれは……。私も見習わなければいけませんね」

貴音「あなた様」

死神「あー、俺?」

貴音「残された時間、やよいのために全力を尽くしてあげてください。それだけが願いです」

死神「言われなくてもそうするよ。最後のひと時まで幸せに、それがうちのモットーだ」

貴音「左様でございますか」

死神「ああ、だから俺は、全力でここからいなくなろう。30分ぐらい、な」

貴音「それでは、やよい。今まで、ありがとうございました。そして」

貴音「さようなら……」

やよい「さようなら、貴音さん」

やよい「行っちゃった……。死神さんもいないです」

やよい「うん、我慢したんだよ……」

やよい「泣きたいのずっと我慢してたの……」

やよい「ひぐっ……、えぐっ……」

やよい「わあぁぁぁ! うあぁぁぁぁぁ!」

やよい「怖いよぉ……」

やよい「すごくこわいよ……」



長介「姉ちゃん、何で泣いてるの?」

やよい「泣いてないもん」

長介「でも姉」

やよい「泣いてなんかないもん!!」

長介「嘘ばっかり。姉ちゃんさ、嘘吐くの下手なんだから……」

やよい「何でわかるの?」

長介「家族だから」

やよい「長介の癖に生意気だよ……」

長介「うるさいなぁ! 俺だってさ、男だもん。姉ちゃんが相手でも、泣いている女の子を放っておけないよ」

やよい「かっこつけちゃって」

長介「わ、悪い?」

やよい「ううん、ちょっと安心したかも。長介、背中大きくなったね」

長介「て、照れるな……」

死神(あの空気には入れそうにないな……)

残り 19時間00分

やよい「はぁ……」

死神「やぁ」

やよい「窓から入ってこないでください!」

死神「いや、正面から堂々と入るのもねえ?」

やよい「普通に入ってくださいよ」

死神「次回からそうするよ」

やよい「さっきまでどこ行ってたんですか? 気づいたら貴音さんと一緒にいなくなってましてけど」

死神「ああ、空気を読んだんだわ」

やよい「?」

死神「気にしないで、忘れてくれ」

死神「ん? 何書いてるんです?」

やよい「皆にメッセージを遺そうかなって」

死神「メッセージ? ダイイングメッセージって奴?」

やよい「違うと思います。私が死んだ後に、みんなの手に渡って欲しいかなーって」

死神「明日も会うんじゃないの?」

やよい「みんなバラバラの仕事です。私のために邪魔するのも申し訳ないです」

死神「ほんと、君は良い子だね。ここまでまっさらな人間はは久しぶりに見たわ」

やよい「?」

死神「いいや、親御さんの教育がよかったんかなと思ってね」

やよい「変な死神さんです」

死神「君ってさ」

やよい「なんですか?」

死神「最後の夜って言うのに、特別なことしないよね。俺が見てきた人ってたいてい最後は無茶するのに」

やよい「えーと、例えば?」

死神「時間が来るまで死なないことをいいことに、犯罪に手を出したやつとかさ。あれは上にこっぴどく叱られなっけな……。他には、子供たちに遺産を残したくないから、最後の最後まで贅沢を極めたばあさんとか。人生色々、死も色々だよ」

やよい「人殺しはいけません!」

死神「俺ら死神からしたら、仕事が増えるから面倒な話でもあるんだけど……。にしてもここまでいつも通りを貫く子も珍しいな」

やよい「もやし祭りしました!」

死神「最後の晩餐には、ちょっと味気ないんじゃないかい? まあ好きですけどね、あのタレ」

やよい「でも家ではちょっとした贅沢です!」

死神「そんなものですかね」

やよい「そんなものです」

残り18時間

やよい「夜更かししちゃいました」

死神「まだ0時じゃんか。夜はこれからですよ! これから!」

やよい「夜更かしはいけませんよ?」

死神「えー。金持ちそうな車に花火ぶち込むとかしたかったなぁ」

やよい「死ぬからって迷惑かけちゃダメです! あっ、でも……」

死神「どうしました?」

やよい「死ぬ前に行きたい所があるんです」

死神「ほう?」

やよい「でも少し遠いです。けど車を出せないし……」

死神「車ね、ちょい待ち」

やよい「?」

やよい「これは? 真っ赤なベンツです」

死神「死神界の車だよ。かつてオーストリアの皇太子殺害事件の際に使用され、その後も次から次へと所有者を殺害したという、呪いの車」

やよい「私呪われちゃいます!」

死神「まー、大丈夫だって。最近は事故の話も聞かないし。それじゃあ、目的地まで行きますよ。シートベルト付けてくださいね」

やよい「は、はい!」

死神「んじゃ、やよいちゃんの行きたい所へ行きますかね!!」



やよい「星がきれいです!!」

死神「こりゃ驚いたな。こんなにきれいな星空が、こんな都会で見れるなんてな」

やよい「はじめてのお仕事で、大失敗したときにプロデューサーが連れてきてくれたんです」

死神「へえ、やよいちゃんとこの男にとって特別な場所なんだ」

やよい「はいっ! あの日ここで見た星はもっと凄かったです!」

やよい(本当はプロデューサーとが良かったけど、贅沢なのかな?)

死神(それは一緒に見た人もあるんだろうな。ん?)

死神「え? 起きちゃいました? 良いですけど、あんま長い間やると死にますよ? 2分ぐらいですからね」

やよい「死神さん?」

死神「ちょっと待って頂戴……」

P「こんばんわ、やよい」

やよい「え? プロデューサー?」

P「ああ、プロデューサーだ。といっても半分死神みたいなもんだけ」

やよい「プロデューサー!!」

P「うわぁ!!」

やよい「プロデューサー! 私、私……」

P「く、苦しい……」

やよい「あっ、ごめんなさい……」

P「良いよ、美希よりはマシだし」

やよい「プロデューサーさん、私……」

P「ああ、分かっているよ。ゴメンな、やよいが苦しんでる時に、何も出来なくて……」

やよい「ううん、プロデューサーがいてくれるだけで、私はすっごく安心します!! 手、握っていいですか?」

P「ああ、俺の手なんかで良ければ」

やよい「暖かいです……」

P「そうか? あまり気にしたことがない……けど……」

やよい「プロデューサー?」

P「悪い、時間……ぽい……」

やよい「冷たっ」

死神「そうか、それは勝てるわけがないな……」

やよい「死神さん?」

死神「そうだね。良い空気の仲割り込むのも気が引けたけど、これ以上していたら、プロデューサーの方が先に死んでしまいそうだったし」

やよい「手、冷たいんですね……」

死神「俺たちはこれが普通なんだよ……」

やよい「死んじゃうってこんなことなのかな? 冷たくなって眠る、すごく寒そうです」

死神「火葬は熱すぎるけどね」

やよい「ふぁああ……。ごめんなさい、眠くなっちゃいました……」

死神「ここで寝ちゃダメだって。ありゃま、寝ちゃったか」

死神「家にまで送るかな?」

残り時間 11時間41分

長介「姉ちゃん、おはよう」

やよい「あれ、早起きさんだね」

長介「もう俺一人で起きれるし!」

やよい「あっ、そうだったね」

かすみ「おはようお姉ちゃん……」

やよい「おはよう、かすみ」

死神「おはようやよいちゃん……」

やよい「おはようございます死にが……」

死神「チャオ☆」

やよい「なんでいるんですかああああ!?」

長介「プロデューサーの兄ちゃんじゃん。昨日姉ちゃんとデートしてたんでしょ? 母さんカンカンだったよ?」

死神「俺が怒られたよ……。まあ話せば分かる人で、一緒に酒を飲んでたんだけど……」

やよい「いきなり現れたんでびっくりしました!」

死神「そりゃ寝てたからなぁ。それより、仕事有るんでしょ?」

やよい「なんでそれを?」

死神「そりゃあプロデューサーだしね」

P「ああ、そうだな」

やよい(今、入れ替わらなかった?)

死神「だから朝ごはんを食べたら、事務所に行かないとね」

やよい「あっ、朝ごはんは……」

長介「偶にはさ、俺が作ろうかなって」

やよい「長介?」

高槻家&死神『いただきまーす』

長介「ど、どうかな……」

死神「長介君、君砂糖と塩をま……」

やよい「おいしいよ、長介!」

死神「え? いやでも」

やよい「お・い・し・い・で・す!」

死神「お、おいしいです!」

長介「そ、そうかな……。えへへ……」

やよい「でも調味料を間違えないようにだけ気を付けてね」

長介「さ、さすがにそんなコントみたいなことはしないよ!」

死神(してんだよ、それが)

やよい「あっ、もうこんな時間だ! プロデューサー、行きましょう!」

死神「えっ、ちょ待てよ!」

長介「いってらっしゃーい」

やよい「行ってきまーす!!」

死神「やよいちゃん、良いの?」

やよい「え?」

死神「いや、ナチュラルにスルーしかけたけどさ、残り時間はあまりないよ? 家族に最後のお別れは……」

やよい「あっ……」

死神「もしかして忘れてた?」

やよい「はい。でも、最後のあいさつってのもなんか変かも」

死神「何で?」

やよい「私が死んでも、家族はみんな一つです! 悲しむかもそれないけど、きっとみんなすぐに立ち直っちゃいますから!」

やよい「それに、お別れを言っちゃうと、私まで寂しくなっちゃいそうだから――。メッセージにお全部託しました」

死神「そっか。君が言うなら無理強いはしないよ」

残り時間 9時間56分

やよい「10時間を切っちゃいました」

死神「そうだね……」

やよい「どうしました?」

死神「いや、なんも。こっちで良いのかな、プロデューサー」

P「反対ですって!」

死神「あり? そうなのじゃあ逆走……」

P「道交法違反!!」

やよい「プロデューサーと死神さんでコントみたいです!!」

P「頼みますよ、死神さん」

死神「わ、分かってますって!」

やよい「仲良しです」

残り時間 8時間35分

スタジオ

やよい「高槻やよいと、」

伊織「水瀬伊織の!」

やよいおり『2人はやよいおり!!』

律子「なんかやよい、いつもより気合入ってますね。まるで番組が終わっちゃうから全力を出そうって感じです」

死神「ああ、例えば病に侵された人が、テレビで最後にやよいを見たとき、手抜きのやよいじゃ失礼だろ? だから、全力なんじゃない?」

律子「良い心構えですね。竜宮にも言っておこっと。誰の言葉ですか?」

死神「偉大なる我らの先輩だよ」

律子「?」

??「やよいおりー! お前たちにひとつ物申す!!」

伊織「きゃああ! こっちくんな変態!!」

??「ドーン!」

やよい「伊織ちゃん、頑張れ~!」

残り時間 6時間51分

伊織「はぁ……、なんで私が芸人紛いのことをしなきゃいけないのよ……」

やよい「おつかれさま、伊織ちゃん!」

伊織「お疲れ、やよい。さっきの収録でどっと疲れたわよ……」

やよい「肩揉んであげるね」

伊織「あぁっ……、そこ……ぃぃゎ……」

律子「マッサージ中悪いけど、伊織は次の現場よ」

伊織「うげ……、結構経ってたのね。それじゃあやよい、またね」

やよい「……」

伊織「やよい?」

やよい「う、うん! またね」

やよい(ゴメンね、伊織ちゃん……)

死神「お別れはすみました?」

やよい「はい。もう会えないと思うと淋しいけど、これ以上いたら私が死に切れそうにないから……」

死神「そっか……。そうだ、お昼取りません?」

やよい「お昼ですか?」

死神「晩餐ではないけど、最後のランチってぐらいでさ。高くてもプロデューサーが払ってくれるよ」

P「お前なぁ……」

やよい「え……、でも悪いです……」

P「気にするなって。俺だってやよいに最良の終わりを迎えて欲しいんだ。ホントは、もっと生きていて欲しいんだけどな……」

やよい「プロデューサー……」

死神「はいっ、辛気臭い話はこの辺にして……。折角だからこの辺で一番高い店行きますか!」

P「出来れば、俺の財布事情も考慮してくれよ……?」

残り時間 5時間37分

死神「えーと、本当にここで良いの?」

やよい「はい、十分です!」

死神「ここって、サイ○リアじゃ……」

やよい「でも私あまり入ったことないです」

死神「そうですか……。プロデューサー?」

P「やよい、本当にここで良いのか? 俺に遠慮してないか?」

やよい「してません! 私からしたらすごいごちそうです!」

P「や、やよい……」

死神「残り時間もあんまりないし、ちゃちゃっと頼んじゃいましょうか!」

やよい「はい!」

サイネリア

>>330 誰か言うと思ったよ

残り時間 4時間23分

やよい「美味しかったです!」

死神「ふぅ、この値段でこの味だからなぁ。下界は侮れないや」

死神「さて、この後はどうしますかね……」

やよい「あっ、1つ死ぬまでにやっておきたいこと、見つけました」

死神「といいますと?」

やよい「でーと、デートしてみたいです」

死神「デートか……。よし、プロデューサーさん、出番ですよ」

やよい「え? でも、プロデューサーさんが死んじゃうんじゃ……」

死神「昨日よりかは回復しているからね。なんとかやよいちゃんの最後までは持つだろう」

P「ああ、死神さんの力のおかげで、何とか持ちそうだ……」

やよい「プロデューサー! 無茶しないで……」

P「大丈夫だよ。俺、小さいころから入院しても割とすぐ復帰したし。それに、俺のプロデュースは、墓に入るまで続くんだぞ?」

やよい「もう、プロデューサー……」

死神(後は頼みますよ、プロデューサー)

P「頼まれたぜ」

やよい「プロデューサー、どこ行きましょう?」

P「よし、色々回るか!」

やよい「はいっ!!」


やよい「たこ焼き美味しいです!」

P「おいおい、口元に青のりついてるぞ?」

やよい「あっ、ホントです」

P「あんまりがっつくなよ? 火傷するか熱っ!!」

やよい「プロデューサーも気を付けてくださいね」

P「は、はひ……」

とある撮影スタジオ

やよい「どうですかー?」

P「うーん、色っぽい服なんだけどなぁ……」

やよい「?」

P「素材が可愛いからあまり似合わないな。服に着られてるぞ?」

やよい「えー。じゃあこれは?」

やよい「小悪魔系か。やっぱり可愛い!」

やよい「可愛い服しか似合わないのかな……」

P「ちょっと待ってろ、すみません。ここってあれ、置いてますか?」

やよい「あれ?」

P「ああ、それですそれ」

やよい「それって……、」

P「ああ、ウェディングドレスだ!」

P「そして、花嫁には花婿がいないとな」

P「つうわけで僭越ながら、俺が新郎役だ」

やよい「プロデューサーと、結婚ですか?」

P「あー、嫌だったか?」

やよい「そんなことないです!」

P「おっと、そう言ってくれると助かるよ。それじゃあ着替えてくれ。スタイリストさんが綺麗にしてくれるよ」

やよい「うっうー! 嬉しいです!」

P「ふぅ、結婚できる年齢になる前に死んでしまうんだもんな……。もしそのまま育っていけば、すごく美人になってたんだろうな」

スタイリスト「新郎さん、準備できましたー!」

P「あっ、はーい! 今いきまーす!」

P「お、おう……」

死神(これはこれは……)

やよい「ど、どうですか?」

P「か、可愛い……。可愛すぎるよやよい!!」

やよい「本当ですか?」

P「ああ、今まで見てきた中でも最高に可愛いよ」

やよい「ぷ、プロデューサー!」

P「なんだ、やよい」

やよい「私のこと、お嫁さんに貰ってくれますか?」

P「……」

やよい「だ、ダメですか……?」

P「こちらこそ、俺をお婿さんに貰ってくれ」

やよい「プロデューサー!!」

P「その、指輪なんて洒落たものがなかったからな……。これ、さっきの店のレシートなんだけどな……」

やよい「?」

P「これをこうやって丸めると……」

やよい「指輪になりました」

P「ああ、なんかチープで悪いな」

やよい「安っぽくなんかないです!」

P(チープの意味分かったんだ)

やよい「私、プロデューサーから貰えて、あれ? 何で泣いているんだろ……」

P「や、やよい!? その、気に障ったか?」

やよい「嬉しくて泣いてるんですよ。プロデューサー」

P「なんだ、やよい?」

チュッ

P「え、え……」

やよい「神様ごめんなさい、誓う前にキスしちゃいました!!」

P「や、やよい……」

やよい「えへへ……」

死神(甘くて見てらんないですって!)

やよい「プロデューサー、私もう満足です」

P「やよい?」

やよい「アイドルのみんなには悪いけど、大好きな人と結婚できて、私幸せです」

やよい「だからもう、思い残すことはないかなーって」

P「や、やよい……」

やよい「泣かないでくださいよ。何でみんな泣いちゃうんだろ……。私だって泣きたくなっちゃうよ」

やよい「幸せなのに、寂しいかな……」

残り時間 1時間21分

やよい「あの……、プロデューサー」

P「なんだ、やよい」

やよい「最後に……、あの丘に行きませんか?」

P「あの丘、か……。星が見える時間じゃないぞ?」

やよい「良いんです。私、死ぬなら大好きな場所で、大好きな人に看取られて死にたいから」

P「それは、責任重大だな……。良いのか、俺で。きっと俺はやよいが死んだら、何にも手に着かないぐらい悲しむぞ?」

やよい「大丈夫です。だって、私の大好きなプロデューサーですから」

P「……そっか、分かった。行こうか、やよい」

やよい「はい」

残り時間52分

やよい「プロデューサー、寝転がりませんか?」

P「よっと。いたたた……」

やよい「大丈夫ですか?」

P「ああ、こっちも死神さんの力が薄まって来たのかな……、ちょっとずつ痛みが……」

死神(プロデューサー、やよいちゃんの最期を看取ったら、救急車を呼ぶんだ。プロデューサー自身も事故に遭った怪我人なんだ。
幾分か俺の力で回復したといっても、何日か入院しないといけないぞ)

P「や、やよいの最期を見届けれるのなら、何日でも入院してやるよ……」

やよい「も、もう十分です! だから救急車を……」

P「い、良いんだ、お前の感じた怖さに比べたら、こんなもの屁でも無いぞ!」

やよい「プロデューサー……」

P「なあ、最後の時までさ……、手を繋がないか?」

やよい「……はい」

やよい「やっぱり、プロデューサーの手、安心します」

P「そうか? やよいの手だって、小さいのに体温をしっかり感じる。ずっと触れ合っていたいぐらいだよ……」

やよい「プロデューサーは、お父さんみたいに大きいです。だからかな、安心するのは……」

やよい「だからもう怖くないです。私は死んじゃうんじゃなくて、どこか皆のいない所に引っ越すだけだから……」

P「そうか、なら俺もいつかは行かないとな」

やよい「でも、長生きしてきてから来てくださいよ? そうじゃなきゃ追い返します!」

P「それは嫌だな……」

やよい「だから、出来れば来ないでほしいかなーって」

P「ははっ、どっちだよ……」

やよい「プロデューサー……」

P「なんだ?」

やよい「最後に、あれしましょう」

P「あれ、か。ああ、あれをしたら俺も元気が出そうだ」

やよい「私も怖がらずに逝けます……」

やよい「立てますか?」

P「ああ、何とかね……」

やよい「じゃあ、行きましょう」

やよい・P『ハイ、ターッチ!』

P「イエイ!」

やよい「……」

P「やよい?」

やよい「あり……、う……、だい……なプロ……サー」

P「やよい……」

P「馬鹿野郎……」

死神「すみません、○○丘なんですが……、至急お願いします! プロデューサー、体は返すよ」

P「……」

死神(救急車は呼んでおきました。全く、死神が人命救助ってどういうことだか)

P「……」

死神(だんまりですか。やよいちゃん、最後に君と過ごせて良かったんだと思う。そうでもなきゃ、いくら死に際でもあんなセリフ出ませんよ)

P「死神さん、俺……、どうしたらいいのかな……」

死神(決まってるだろ。長生きしろ、それだけです)

死神「では、またいつかどこかで……」

P「やよ……、い……」

救急隊員「お、おいあんた! 大丈夫か!? おい!!」

数十年後――

社長「それでは、今週の流行情報だ!! 流行は日々変わっていく! 常に注意して、目ざとく過ごしてくれ!」

アイドル『はいっ!』

新人アイドル「あのー、先輩」

先輩アイドル「なぁに?」

新人「どうして社長って、薬指にレシートで出来た指輪つけてるんですか?」

先輩「ああ、あれ? うーん、私もあまり知らないのよねぇ。小鳥のお婆さんなら知ってるかもしれないけど、お婆さんもあんまり話したがらないわね」

新人「謎ですね……。気になります!」

先輩「もしかしたら人に言えないことかもしれないし、そっとしておいてあげなよ?」

??「社長、今日の予定ですけど……」

社長「うむ、いつもすまないね、高槻君」

高槻「もう、私は高槻じゃ無いですよ? 中学2年の娘だっているんですから」

社長「ああ、すまないね。いつもの癖で……」

高槻「もう……」

??「こんにちわー!」

高槻「あら、弥生。どうしたの?」

弥生「えっと、社長さんいる?」

社長「うん、どうしたんだね、弥生君」

弥生「えーと……、ゴメン。お母さん少し外してもらえる?」

高槻「社長にあんまり迷惑かけないでよ?」

弥生「うん、大丈夫だよ!」

高槻「では少し外しますね」

社長「うむ、今日も助かったよ、かすみ君」

かすみ「いえいえ、失礼します」

弥生「出て行ったね……」

社長「どうしたんだい、弥生君。今日はクラブがあるんじゃ……」

???「久しぶりです、プロデューサー!!」

社長「え?」

弥生「その……、言っても信じて貰えるか分からないんですけど……」

???「プロデューサー、私こういうものです――」

社長「そうか……、そうなんだな……。そろそろ社長も長介君に譲らないとな……」

???「えっと、その……。言いにくいんですけど……」

社長「分かっているよ……。どうやら私も、引っ越す時が来たみたいだ――


P「おかえり、やよい」

やよい「ただいま、プロデューサー!」


世にも
奇妙な
アイドルマスター

P「死と言うのは、怖いものです。ですが、それは新たな旅立ちであるともいえます」

P「運命を変えることが出来なくても、クルクルと回る世界で、いつか会えることが出来るのですから」

P「この2人がどうなったか? それは皆様のご想像にお任せします」

エピローグ

P「さて、今私の目の前には、15もの扉があります」

P「パラレルワールド、と言えばいいでしょうか? このどれを選んでも、奇妙な運命に翻弄されます」

P「ある時は、巨乳主義の変態、ある時は迷子探しの鉄人、ある時は芸能事務所の社長、ある時は偏愛主義者」

P「どの扉が、どの私に繋がっているかは分かりません。もしかしたら、私がいない世界にたどり着くかもしれません」

P「奇妙な世界への入り口、それはあなたの部屋のドアなのかもしれませんよ?」

P「おや、まだ1つ開いていないドアがありますね。入ってみましょうか。果たして、どこへ出るのやら……」

P「では、またいつかどこかでお会いしましょう」

ガチャ

??「ようこそ、765プロへ!!」


世にも
奇妙な
アイドルマスター

『道案内』 三浦あずさ
『バストアップ』 如月千早
『私じゃない』(顔を盗まれた、他) 萩原雪歩
『眠れず姫』(そして、繰り返す) 星井美希
『方言禁止令』(ダジャレ禁止令) 我那覇響
『未来同窓会』(未来同窓会、他作者様、ありがとうございました) 天海春香
『プリンセス・シンドローム』 菊地真
『Noblesse oblige』 水瀬伊織
『孤高のグルメ』(ハイヌーン) 四条貴音
『心配な女』 秋月律子
『ドジリンピック2012』 天海春香
『お留守番』 音無小鳥
『暴露コロシアム』 双海亜美、双海真美
『社長アイドル』 高木順二郎、黒井崇男
『24時間』 高槻やよい
ストーリーテラー P

これで世にも奇妙なアイドルマスターをすべて終わらせました。キャラによって出来不出来が激しかったり、手抜きが有ったりと非常に申し訳ございませんでした。
数日にわたって何度もスレを立て、ようやく制覇しました。今まで見てくださった方々、支援、保守してくださった方、
未来同窓会の作者の方、お付き合いいただき、誠にありがとうございました。
また世にものシーズンになれば、876とかも書いてみたいと思っています。
では、またいつかどこかで。

このスレじゃないけど伊織「昨日公園」とかもあったな

>>391 実はそれも1だったり。オチまで同じだったから、いっそのこと開き直って自分で世にものSSを作ってみた。
昨日公園から読んでくださった方も、長い間付き合っていただきありがとうございます。

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