八幡「強くてニューゲーム?」 (881)

神様「そうじゃ」

八幡「いや、俺バトルとか巻き込まれたことないんですけど」

神様「まぁええじゃろうが」

八幡「というか、ここどこですか、そしてあなた誰」

神様「わしは神、そしてここはお主の夢の中じゃ」

八幡「はぁ…」

神様「とりあえずじゃ、お主だって記憶持ったままあの頃に戻りたいと思ったことくらいあるじゃろ?」

八幡「そりゃありますよ」

神様「じゃあ決定じゃ、お主はちと頑張りすぎじゃ、たまの休息として楽しむが良い」

八幡「わかりました」

八幡(ま、どうせ夢なんだろうしな)

神様「どこからがいいのじゃ?」

八幡「そうですね…じゃあ二年の最初、俺が『高校生活を振り返って』を平塚先生に提出したところから」

神様「了解じゃ、じゃあ行ってくるが良い」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1385391474

―――――――――――

――――――――

――――

八幡(……あれ、俺いつの間に学校来たんだ?)

平塚「着いたぞ」

八幡「…は?あれ、平塚先生?」

平塚「何を言っているんだ君は、もうとぼけても無駄だぞ」

八幡「何がです?」

平塚「往生際が悪すぎないか?さっきもヘルニアがどうとかって」

八幡「…」

平塚「ほら、とにかくここに君を連れて着たかったんだ」

八幡「…どゆこと?」

平塚「まだ言うのかね」

八幡「いや、だってここいつもどおりの奉仕部の部室じゃ」

平塚「なに?君はここを知っているのかね?」

八幡「え…?知ってるも何も…あ」

八幡(なるほど、これは夢の中か…それじゃああの自称神様()のおっさんは中々いい夢を見せてくれてるな)

平塚「どうした?比企谷」

八幡「いいえ、なんでもありませんよ」

平塚「…?そうか、では」

平塚「雪ノ下」

雪ノ下「…平塚先生、入るときはノックをと」

平塚「おや、すまない」

雪ノ下「気をつけてください」

八幡(うーん、本当に戻ったみたいだ、セリフが若干違う気もするが…ま、そのへんは多めに見てやろう、誰に言って
   るんだ?俺は)

雪ノ下「…その人は?」

平塚「あぁ、彼は」

八幡「比企谷八幡です、よろしく」

雪ノ下「あ…えぇ、よろしく」

平塚「…どうした比企谷、いつになく明朗ではないか」

八幡「え?そうですかね?」

平塚「まるで君らしくもない」

雪ノ下「…どういう事ですか?」

平塚「いや、私の知っている彼は、なんというか…もっと卑屈で」

八幡「まぁいいじゃないですか」

平塚「う…うむ」

雪ノ下「……」

平塚「まぁ、見ての通り彼の根性は腐って…」

雪ノ下「なんですか?」

平塚「腐って…」

八幡「先生、どうしたんですか?」

平塚「いや…まぁいい、最初に考えてた事を言わせてもらうぞ」

八幡「どうぞ」

平塚「彼の根性は腐っているんだ、そのせいでの孤独を憐れむべきだ」

雪ノ下「そうなんですか?」

八幡「あ…あぁ、まぁ確かに周りからは孤立してる、でも別にそれだからと言って不自由はないんですがね」

平塚「え…あ…えっとぉ…」

八幡「どうしました?先生」

平塚「い…ッ!いいや!なんでもないぞ!とりあえず君にはここの部員になってもらうからな!」

八幡「ま、今までのペナルティってところですかね?」

平塚「…そうだ」

八幡「わかりました、なにをするのかは後で彼女に聞くことにしますよ」

平塚「わかった、それじゃ雪ノ下、あとはよろしく」

雪ノ下「え…ちょせんせ」

ピシャッ!

雪ノ下「…」

八幡「…座っていいか?」

雪ノ下「…ええ」

八幡(凄い、この俺のコミュ力でここまで会話が成立するのか、やっぱりチート、アンサートーカー…違うか)

八幡(ただ…やはり相手が俺の主観では初見で無いところは大きいな、あまりプレッシャーを感じない)

八幡(なにより、今から何が起こるのか、そしてそれをすると何が起こるのか、それがわかるのはとてつもない
   ハンデだな、SERNがタイムマシンをあそこまで欲しがった理由も頷ける)

八幡(しかし、中学生の頃あれほどまでに夢見たことが、まぁ夢の中だけど本当に実現するとはな、素晴らしい・・・・!
   コングラッチュレーション・・・・・・!)

八幡(よし、どうせ夢だ、はっちゃけまくってやる、はっちゃけ八幡ってなんかゴロがいいね)

八幡(とは言え、多分そこまででかい事は出来ないだろうがな、所詮俺なんだし…ま、後々起こる問題なんかもわかってるん   だし、たっぷり時間を掛けて考えて、雪ノ下や由比ヶ浜が一つも文句を言え無いくらいに完璧な解決を見せて
   やるぜ)

八幡(なんたって…夢だしな!)

雪ノ下「…」

八幡「…聞いていいか?」

雪ノ下「何かしら、と言うかいきなりタメ口を聞くのはいささか馴れ馴れしいんじゃないかしら」

八幡「お…おう、すいません」

八幡(しまった、これはキモい)

雪ノ下「…まぁ別にいいわ、なにかしら」

八幡「そうか、そうだよ、名前を聞こうと思って」

雪ノ下「雪ノ下雪乃よ」

八幡「そうか、俺は…まぁさっきも聞いたと思うが比企谷八万だ、よろしく」

雪ノ下「えぇ」

八幡「…」

雪ノ下「…」

八幡「…」

雪ノ下「…なにも聞かないのね」

八幡「あ?あぁ、まぁ本読んでるし、色々言われてもうっとおしいだろ、俺もそうだし」

雪ノ下「そう…」

八幡「おう」

雪ノ下「…」

八幡「…」

雪ノ下「…ゲームをしましょう」

八幡「ゲーム?」

八幡(来たッ!)

>>11 ミス 八万→八幡ね

雪ノ下「そうよ、ここが何部かを当てるゲーム」

八幡「なるほど」

雪ノ下「それではどうぞ」

八幡「うーん、そうだな…」

雪ノ下「どうしたのかしら?」

八幡「そうだな…バスケ部か?」

雪ノ下「」

八幡(あれ、だだ滑った?)

雪ノ下「…ふふ」

八幡「あれ、今お前笑って」

雪ノ下「笑ってないわ」

八幡「でも確かに」

雪ノ下「笑ってないわ」

八幡「…そうですか」

雪ノ下「少しは真面目に答えてちょうだい」

八幡「じゃあ文芸部か?」

雪ノ下「その心は?」

八幡「本読んでるし、部屋にあまりものがない」

雪ノ下「外れね」

八幡「…じゃあなんだよ」

雪ノ下「今あなたとこうしていることがヒントよ」

八幡「はぁ」

八幡(わかってるよ、お前はこの後『あなた、女子と話したのは何年ぶり?』と言う)

雪ノ下「あなた、女子と話したのは何年ぶり?」

八幡(これ言ってみたかったんだよな、やべぇ、超カッコイイ、今はちょっと勇気でなくて無理だったがそのうち
   声に出してみようか)

雪ノ下「…比企谷くん?」

八幡「あ?あぁ、そうだな…中学以来だ」

雪ノ下「そう…つまりそういうことよ」

八幡「…つまりキャバクラみたいな」

雪ノ下「だまりなさい」

八幡「すみません」

雪ノ下「持つ者が持たざる者に手を差し伸べることをボランティアと言うの」

八幡「なるほど」

雪ノ下「困っている人に手を差し伸べるのが仕事よ、ようこそ、奉仕部へ」

八幡(すっげぇドヤ顔)

コンコン

雪ノ下「はい」

平塚「や…やぁ」

八幡「!?」

八幡(平塚先生がノックをしただと!?)

平塚「どうだ?雪ノ下」

雪ノ下「どう…とは?」

平塚「比企谷のことだ」

雪ノ下「なるほど、そうですね…」

平塚「…」

雪ノ下「正直、なぜ彼がここに来たのかがわかりません」

平塚「やっぱりそうだよなぁ…」

八幡(勝った)

雪ノ下「先ほど彼に最後に女子と会話したのはいつか、という質問をしたのですが」

平塚「うむ」

雪ノ下「彼は中学生の時だと答えたのですが、コミュニケーション能力に致命的とまで言えるような欠陥は
    見つかりませんでした」

平塚「なるほど、他には?」

雪ノ下「そうですね…おそらくですが、彼なりに空気を読んだのでしょう、最初私が本を読んでいる時に話しかけて
    来るような事はしませんでした」

平塚「それは単純にめんどくさかっただけだと思うが」

八幡(仰るとおりで)

雪ノ下「かと思えば、こちらから質問したらレベルの低いジョークを言ったり」

平塚「なん…だと?」

八幡「いや、俺は本当にバスケ部かと」

平塚「本当にどうしたんだ比企谷!」

八幡「いや、近いですよ、それに別にいつもどおりですって」

八幡(しまった、このまま奉仕部を外れて戸塚とイチャイチャするのもいいが…というかここに居ないと戸塚と
   会えないじゃん…ま、そういうのも含めてここに入れないと暇になるんだ、黙っておこう)

今日は終わりにする

それじゃあ読んでくれた人、ありがとう、おやすみ

どうも>>1です

それじゃあ少し書く

平塚「うーむ…」

雪ノ下「…」

八幡「…」

八幡(沈黙が重い)

平塚「…よし」

雪ノ下「…?」

平塚「やはり最初に考えていたとおり比企谷にはここにいてもらう」

雪ノ下「いいのですか?」

平塚「なに、どうせ彼のことだ、数日たったらまたいつものように戻るさ、そうなってからまた連れてくるのも
   面倒であるし、なにより部員補充という面では彼は適任だろう」

雪ノ下「まぁ…そうですね」

平塚「比企谷もそれでいいな?」

八幡「あえ?は、はい、いいですよ」

八幡(まさか確認されるとは…いつも俺の意見なんか聞かな聞かなかったくせにどういうわけだよ)

平塚「そういうわけだ、雪ノ下、よろしくしてやれ」

雪ノ下「了解しました」

平塚「それでは今日はもう遅いから解散だ、雪ノ下、鍵はここで預かろう」

雪ノ下「はい、それでは」

平塚「うむ、気をつけて帰りたまえ」

八幡「…」

平塚「どうした比企谷、君も帰っていいんだぞ?」

八幡「あっ、わかりました、それじゃあ」

平塚「うむ、また明日」

―家―

八幡「ただいまー」

小町「あ、お兄ちゃんお帰りー」

八幡「小町、飯は?」

小町「あー、小町も今帰ってきた所だからまだ用意してないんだよねー」

八幡「そうか、なら俺が作るよ」

小町「え?珍しいねー、お兄ちゃんなんかいいことあった?」

八幡「いや、別にいつもどおりだよ」

小町「そっか、どういう風の吹き回しかはわかんないけど、じゃあお願いしよっかな」

八幡「おう」

小町「でもお兄ちゃん、どうせチャーハンでしょ?」

八幡「まぁ、そんなとこ」

小町「だと思った、でもそれだけだと寂しいから小町もなんか作るよ」

八幡「そうか、すまんな」

小町「なに食べたい?」

八幡「小町が作るものならなんでもいいよ」

小町「うっ…も、もぉばかぁ!そういうこと言ってぇ!」

八幡「なんだよ、じゃあ北京ダックって言ったら出てくるのか?」

小町「あ、そーゆーことね、はいはい」

八幡「…ま、強いて言うなら玉子焼きとかかな」

小町「おっけ!小町お兄ちゃんの為に頑張って作るね?あ、今の小町的にポイント高い!」

八幡「お兄ちゃん的にもポイント高いぞ」

小町「だからそーゆーこと言うなってばぁ!」

八幡(カワイイのう)

八幡(…で)

小町「いっただっきまーす」

八幡「いただきます」

小町「…うん、まぁおいしい」

八幡「そりゃよかった」

小町「…」

八幡「…」

小町「…」

八幡「…」

小町「ねぇねぇお兄ちゃん」

八幡「ん?」

小町「玉子焼き美味しい?」

八幡「うん、世界一おいしい」

小町「そこは適当に言ってよ!」

八幡「いや、だってうまいから」

小町「ほんとなんか変なお兄ちゃん」

八幡「なにがだよ」

小町「んーとね?なんていうか、『俺は全てお見通しだぜ』みたいな態度というか…」

八幡(鋭い!なにこの妹、本当にエスパーなんじゃないの?)

小町「すっごい余裕持ってる感じがするんだよね」

八幡「…ま、別に余裕なくなるほど頑張ってないしな」

小町「そっか、ならいいや」

八幡「おう」

小町「ごちそうさま!小町勉強するからもう戻るね?」

八幡「おう、皿は洗っとく」

小町「ありがと、じゃね」

八幡「頑張れ」

―自室―

八幡(なんてすらすら進むんだ、とっても楽しい)

八幡(特にあの先生と雪ノ下の動揺っぷりったらなかったな、ニアにはめられた時の月くんくらいはビビってんじゃ
   ないの?)

八幡(しかし、なんか眠くなってきたな、寝るか)

八幡(…ん、待てよ?これ、夢なんだから寝たら覚めちゃうんじゃないの?」

八幡(うーむ、すっげぇもったいない気がするが…まぁいいや、楽しかったし)

八幡「…あれ」

八幡(これは…戻ったのか?)

小町「お兄ちゃーん?起きてるー?」

八幡「あ、あぁ、起きてるよ」

小町「時間ないからね、早く降りてきてよ」

八幡「おう」

八幡(そうだ、カレンダー…あ、戻ってない、と、言うことは…)

八幡「まだ夢の中じゃん、ラッキー」

八幡(じゃあ二度寝しても…いや、夢の中とはいえ小町を待たせるわけにはいかんな)

八幡(さっさと着替えて行くか)

―学校―

八幡(ふぅ、間に合った)

由比ヶ浜「あ…」

八幡「ん?おう」

由比ヶ浜「あ、うん、おはよう…ってえええええええええええええええええええええええ!?」

八幡「んだよ…あ」

八幡(しまった、またやってしまった)

由比ヶ浜「ヒッキーが挨拶してくれた…しかも自分から…」

八幡(あー…ほっとくか、ここで色々話すと後がめんどくさそうだ)

八幡「それじゃあ」

由比ヶ浜「あ、うん…」

八幡(まだ固まってるし、どんだけビビってんだよ、アイツ)

由比ヶ浜「…」

八幡(…で)

八幡(由比ヶ浜の視線が凄い)

由比ヶ浜「…」

八幡(何?勘違いしちゃうじゃんか…そうか、そういや夏休みにアイツ)

八幡(…あれどうすっかな、多分少し早く会場出れば最後まで言わせることも可能だろうな)

八幡(しかし、夢の中とはいえ、わかってると緊張してくるな)

由比ヶ浜「…あ」

八幡(迷うな、別に夢なんだからいいじゃないか、と割りきって遊ぶのも、まぁそれはそれでいいんだが
   目が覚めた時にメチャクチャ死にたくなる危険があるからな)

八幡(つーか、これ本当に夢なのか?いくらなんでもリアルすぎるというか…考えもびっくりするほど冴えてるし
   な、まさか…)

八幡(なんてな、そんなことあるわけがない)

由比ヶ浜「あ…あのさ」

八幡「え?…うおっ」

八幡(ビビったぁ…考えてる時に来るとか、それなんてギャルゲー?)

由比ヶ浜「ヒッキー、今朝さ」

キーンコーンカーンコーン

八幡「チャイム、なったぞ」

由比ヶ浜「あ…うん」

八幡(按ずるな、お前はどうせ今日の放課後にうちの部室に来るんだ、話はそれからでも遅く…ん?)

八幡(それ、たしか由比ヶ浜が誰かにクッキー焼くからうまく作りたいって依頼だったよな、もし今の話が
   …可能性は極々低い…うん、低いと思うがその話だったらどうなってたんだ?)

八幡(…なんか変な気分だな)

―放課後―

八幡(さて、部室に行くか)

平塚「比企谷、部活の時間だ」

八幡「知ってますよ」

平塚「まさか帰ろうとなど…え?」

八幡「なんですか?」

平塚「いや…別にわかってるんならいいんだ…ホント…うん」

八幡(先生、その反応かわいすぎます、この人こんなにカワイイよ、誰かマジでもらってあげて)

八幡「…もう行っていいですかね」

平塚「あーあぁ、大丈夫だ、途中で気が変わって帰ろうなどとは思わないように」

八幡「そしたら先生の拳が飛んでくるんでしょう?」

平塚「あえ?…まぁ、そうなるな」

八幡(クク…心のなかを読まれて動揺しているな…ッ!?…なんてな、これも先生が言ってたんですよ)

八幡「それじゃあ」

平塚「う…うむ、雪ノ下の足を引っ張らないように」

八幡「気をつけますよ」

八幡(…)

八幡「うーす」

雪ノ下「あら、来たのね」

八幡「まぁな」

雪ノ下「…」

八幡「…」

雪ノ下「なぜ、何も言わないの?」

八幡「あえ?どうせ言っても答えないだろうが」

雪ノ下「そんなことは無いかもしれないわ」

八幡「あるんだよ、それがお前だ」

雪ノ下「私?…なぜあなたに私の事がわかるのかしら」

八幡「別に、ただの勘だ」

雪ノ下「そう…」

八幡「おう」

八幡(…つーか由比ヶ浜が来ないな…あ、そうだ、まだ俺があのセリフ言ってないじゃん、順番間違えたなコイツ…って
   だから誰に言ってるんだっての)

八幡(まぁ、とりあえず)

八幡「じゃあ一つ聞くけど、お前さ、友達いんの?」

雪ノ下「……そうね、まずどこからどこまでが」

八幡「はい、いいよもう」

雪ノ下「…バカにしているの?」

八幡「してねぇよ」

雪ノ下「なら何故聞いたのかしら」

八幡「あー、俺と友達になってほしかったから」

雪ノ下&八幡「ごめんなさい、それは無理」

雪ノ下「…!?」

八幡(また勝手しまった、敗北を知りたい)

雪ノ下「なぜ…わかったの?」

八幡「いや、お前ならなんとなくそう言うと思ったんだよ」

雪ノ下「…ストーカー?」

八幡「ちげぇよ」

雪ノ下「…そう、あなた、不思議な人ね」

八幡「よく言われる」

八幡(主に最近)

雪ノ下「…いいわ、とにかくあなたと友達になる気はないの、諦めてちょうだい」

八幡「そりゃ残念だ」

雪ノ下「…」

>>43 ミス、勝手しまった→勝ってしまった
それと俺はその神様シリーズの人じゃない、被っただけ、神様シリーズの人、すいません

―翌日―

平塚「まさか君が調理実習に参加するとは」

八幡(呼ばれるの面倒臭かったからいやいややったのに、参加しても呼ばれんのかよ)

平塚「協力は出来たのかね?」

八幡「いいえ、俺は皿洗いだけしたので、それと試食の時はトイレに行って終わるまで戻りませんでした」

平塚「やるなら最後までやったらどうかね」

八幡「先生は他人と同じ釜の飯を食えるんですか!?俺は絶対に嫌だね!誰か知らない奴の唾液が入ったものが
   食えるか!全く話にならない!帰る!」

平塚「おい、逆ギレして帰ろうとするなコラ」

八幡(クッソ、どちらにせよ逆ギレは効かないのか)

平塚「…一応言い訳は聞いてやろう」

八幡「別に自分の仕事はしましたし、それに俺が居なければ班の奴らも食べる量が増えて嬉しいでしょう、小学生の
   ときだって、休んだ奴の分カレーが余ったらみんな喜んでましたし」

平塚「そんな人の喜ばし方はいらん」

八幡「とにかく、今回は呼ばれる必要は無いはずです」

平塚「む…まぁそうなんだが…」

八幡「それじゃあ俺、部室行くんで」

平塚「あぁ、そうか、次は最後までやるように」

八幡「…約束はできませんが」

平塚「全く、中途半端にこなすからたちが悪いな」

八幡「それほどでも」

平塚「褒めてない!」

八幡「うごぉっ…ッ!」

八幡(久々に食らったぜ…)

―部室―

八幡「…」

雪ノ下「…」

八幡(…そろそろだな)

コンコン

八幡(お、来た)

雪ノ下「どうぞ」

由比ヶ浜「し、失礼しまーす」

八幡「…」

由比ヶ浜「あれ?」

八幡(お、悲鳴じゃない)

由比ヶ浜「な、なんでここにヒッキーがいるの?」

八幡「俺ここの部員だし」

八幡(うーむ、やはり一度話してるせいか若干物腰が柔らかい)

八幡「まぁ座んなよ」

由比ヶ浜「あ、ありがとう」

八幡(相変わらず俺紳士)

雪ノ下「由比ヶ浜結衣さんね?」

由比ヶ浜「あ、あたしのこと知ってるんだ」

八幡(何も言うまい)

とりあえずここまで

読んでくれた人ありがとう、お疲れちゃん

渡先生結構強面だね、そしてストロングアイハンティングドッグと一緒にランニングしたい

どうも、>>1です、それでは次レスから↓

八幡(…で)

雪ノ下「つまりクッキーをうまく焼きたいから教えて欲しいというわけね」

由比ヶ浜「うん、そうです」

八幡(おい、なんだその変な言葉遣い…と、そうだった、この時はまだゆきのんじゃなくて雪ノ下さんなんだったな)

雪ノ下「それでは家庭科室へ行きましょう」

由比ヶ浜「はい」

八幡(そういや、俺前は雪ノ下のパシリやったからこの会話知らなかったんだよな)

雪ノ下「…比企谷くん、なにをぼけっとしているのかしら」

八幡「は?あぁ、いや」

雪ノ下「早くしなさい」

八幡「おう」

由比ヶ浜「…ヒッキーさ、やっぱり変だと思う?」

八幡「なにが」

由比ヶ浜「あたしがクッキー焼くとかさ乙女なことするの」

八幡「いや別に」

由比ヶ浜「ホント?」

八幡「あぁ、別にお前が誰に何しようと俺興味ねぇし」

由比ヶ浜「ひどい!つーかその言い方キモ!」

八幡「自分から聞いといて酷いいいようだな…まぁ、本当に興味なきゃ行かねぇよ」

由比ヶ浜「え?」

八幡「んでもねぇよ、行くんだろ?」

由比ヶ浜「あ、うん」

―家庭科室―

八幡(どうやらさっきの一言は中々効果があったみたいだな)

由比ヶ浜「どうかな?ヒッキー」

八幡「は?あぁ、普通にエプロンだな」

由比ヶ浜「そうじゃなくて!…かわいい…とかさ」

八幡(以前は無かったセリフがビュンビュン飛び交うな)

八幡「まぁ、そうだな、かわいくなくはない」

由比ヶ浜「なにそれ、変な言い方」

八幡「まぁ似合ってるってこったよ、ついでに雪ノ下も中々さまになってるぞ」

雪ノ下「…え?」

八幡「なに、俺が褒めたのがそんなに気に喰わないのか」

雪ノ下「え…えぇ、そうね、気持ち悪くて目眩を覚えるほどだわ」

八幡「そりゃすまない」

雪ノ下「…」

由比ヶ浜「…へへ」

八幡「…やんねぇのかよ」

雪ノ下「そ、そうね、それでは由比ヶ浜さん、はじめましょう」

由比ヶ浜「あ、うん、よろしくお願いします」

八幡(うん、そうだな、卵混ぜて小麦粉混ぜて…あれ?おかしいな、以前はここでコーヒーを入れようとしてた
   はずなんだが…)

由比ヶ浜「…?あれ?どうしたの?ヒッキー」

八幡「あ?いや、なんでも」

八幡(…俺が変なこと言ったから未来が変わったのか?それとも夢だから俺が本能的にあの味を拒否した?)

雪ノ下「比企谷くん、やけに静かね」

八幡「あ?…あぁ、俺が騒がしかった時なんてねぇだろ」

雪ノ下「そうね、私ったらうっかりしていたわ、あなたには喋る機会がそうそうあるわけないものね」

八幡「なに?作ってくれんの?その機会」

雪ノ下「まさか、変な深読みはやめておきなさい、気持ちが悪いわ」

八幡「だから一言多いってのに」

雪ノ下「…だから?」

八幡「あぁ、いや、なんでも」

雪ノ下「本当におかしな人ね、一度メンタル・カウンセリングをうけることをおすすめするわ」

八幡「いい医者がいたら紹介してくれ」

雪ノ下「…」

八幡「…んだよ」

雪ノ下「いいえ、なんでもないわ」

由比ヶ浜「雪ノ下さん、形つくったよ」

雪ノ下「それじゃああとは焼くだけね、プレートに乗せてちょうだい」

由比ヶ浜「うん!」

八幡(さて、ムドクッキーが出来上がらなきゃいいが)

八幡(…で)

八幡「うーん」

由比ヶ浜「どう…かな」

八幡「まずい」

由比ヶ浜「即答だ!?」

八幡(まぁ以前よりはマシだ、ドリンクバー全部混ぜとかも基本何入れても飲めるけどコーヒー入った瞬間全てが
   終わる勢いのまずさになるからな)

雪ノ下「理解が出来ないわ……なぜあれほどミスを重ねることが出来るのかしら……」

由比ヶ浜「見た目は普通より少しまずそうなだけなんだけどね」

八幡(わかってるのかよ)

雪ノ下「どうしたらよくなるのか考えましょう」

八幡「砂糖が多い、いくらなんでも甘すぎる、あと多分よく混ざってない、少し粉っぽい、それに焼き時間、
   俺ならあと2分は短くした」

由比ヶ浜「…ヒッキー、意外と凄いかも」

八幡「はぁ?そんなんこれ一口かじればわかることだろ」

雪ノ下「そうね、それにしてもあなた、本当になぜ奉仕部に来たのかしら」

八幡「…知らん、普段の行いが良すぎるから模範生としてじゃねぇの?」

雪ノ下「あまり調子に乗らないでちょうだい」

八幡「すいません」

由比ヶ浜「でもやっぱり難しいなぁ、あたし才能ないし」

雪ノ下「由比ヶ浜さん、今あなた才能がないからと言ったかしら」

由比ヶ浜「え、あ、うん」

雪ノ下「その認識を改めなさい、最低限の努力もしない人間には才能のある人を羨む資格はないわ」

由比ヶ浜「でもさ、最近はみんなこういうのやんないって言うし」

雪ノ下「その周囲に合わせようとするのやめてくれないかしら、ひどく愉快だわ」

八幡(ん…これは止めるべきではない、由比ヶ浜はこれをきっかけに雪ノ下と仲良くなるわけだし)

由比ヶ浜「…じゃあ雪ノ下さんも作ってみてよ」

八幡(そうそう…って、あれ?)

雪ノ下「いいわ、受けて立ちましょう」

八幡(あれ?あれあれ?どうなってるの?)

八幡(おかしい、ここで由比ヶ浜は雪ノ下を尊敬するはずなんだ、しかしこの由比ヶ浜は喧嘩を売るに等しい
   言動を…まさか…いや)

雪ノ下「さぁ、焼きあがったわ、どうぞ」

由比ヶ浜「う…うん、いただきます」

雪ノ下「どうかしら」

由比ヶ浜「うん!おいしい!」

雪ノ下「そ…そうかしら」

由比ヶ浜「すごいね~、雪ノ下さん、なんでこんなに美味しくできるの?」

雪ノ下「別にレシピどおりに作っただけなのだけれど」

由比ヶ浜「へぇ~、でもやっぱり凄いよ」

雪ノ下「ありがとう」

由比ヶ浜「やっぱり、カッコイイな」

雪ノ下「なにがかしら」

由比ヶ浜「言うだけなら誰でもできるけどさ、雪ノ下さんは本当にできちゃうんだもん」

雪ノ下「あなたにだって出来るようになるわ」

由比ヶ浜「ほんと!?」

雪ノ下「ええ、だから才能がないだなんて言って諦めないで」

由比ヶ浜「うん、雪ノ下さん、さっきはごめんね?ちょっと嫉妬しちゃったというか…」

雪ノ下「…?最後のほうがよく聞き取れなかったのだけど」

由比ヶ浜「う…ううん、なんでもないよ、本当にごめん」

雪ノ下「別に構わないわ、気にしないで」

由比ヶ浜「うん、ありがとう!」

八幡「…」

八幡(やはり、俺が少しでしゃばりすぎたからこうなったのか?今回は丸く収まったからいいが、これから
   先もこんな事があったら…)

八幡(ま、別に夢だからいいんだけどな……)

八幡(本当に…夢なのか?)

雪ノ下「比企谷くん」

八幡「は?あぁ、どうした」

雪ノ下「客観的な意見も欲しいの、あなたも私が焼いたものを試食してくれるかしら」

八幡「あ、あぁ、うん」

八幡(別にわかってるんだが)

雪ノ下「…」

八幡「うん、まぁ普通にうまいぞ」

雪ノ下「そうかし…そうではなくて、由比ヶ浜さんにアドバイスを」

八幡「あぁ、あとはこれ食って気づいたが、バニラエッセンスを抑えたほうがいいかもな、匂いがきつかったかも
   しれないし、なにより入れ過ぎると苦くなる」

由比ヶ浜「え?バニラエッセンスって苦いの?」

八幡「うん、かなり」

由比ヶ浜「へー、知らなかった」

雪ノ下「あなたが知っているなんて意外ね」

八幡「あぁ、昔間違えてなめちゃったんだよ」

八幡(あの時は本当にビビった、甘い花には刺があるとはよく言ったもんだ)

由比ヶ浜「それじゃあもう一回」

八幡(…で)

由比ヶ浜「うーん、うまくいかないな」

雪ノ下「なぜなのかしらね」

八幡「…つーかさ、なんでお前らうまいクッキーつくろうとしてんの?」

由比ヶ浜「はぁ?」

八幡「おたくらは本当の手作りクッキーを食ったことがないと見える、10分後にここへ来てください、俺が
   "本当の"手作りクッキーっやつを食べさせてやりますよ」

八幡(僕はキメ顔でそう言った)

雪ノ下「なんですって……上等じゃない、楽しみにしてるわ」

八幡(…行ったか)

八幡(しかし、最初は由比ヶ浜のクッキーをそのまま出そうと思ってたんだがこれが中途半端にうまいから困る、
   かと言ってわざと焦がしたようなものはどう考えても雪ノ下の目を欺けない……その上由比ヶ浜よりも
   うまいのを作ると説得力に欠ける…さて、どうするかな…)

八幡(…よし、頑張って普通に作ろう)

八幡(…で)

雪ノ下「これが本当の手作りクッキーなのかしら、形も不揃いだし、見るからに焼きが足りないわ」

由比ヶ浜「大口叩いた割にはたいした事ないとかマジうけるっ!食べるまでもないわっ!」

八幡(普通に作ったら普通に失敗したんだけど、ある意味ラッキー)

八幡「ま、まぁ、一つ食べてみてくださいよ」

由比ヶ浜「そこまで言うなら」

雪ノ下「いただくわ」

由比ヶ浜「…なんかあんまりおいしくない」

雪ノ下「いえ、まずいわ」

八幡「…そうか、頑張ったんだけどな」

八幡(割りとマジで)

由比ヶ浜「あ、ごめん」

八幡「わり、捨てるわ」

由比ヶ浜「ま、待ちなさいよ」

八幡「なんだよ」

由比ヶ浜「別に捨てるほどじゃないでしょ、言うほどまずくないし」

八幡(ほっ、よかったよかった、しかし、自分で作ったもんまずいって言われると結構くるな、悪い、由比ヶ浜)

八幡「ま、そういうことだ」

由比ヶ浜「は?」

八幡「相手からすれば、頑張って作れば味はどうでもいいんだよ、多分」

雪ノ下「なるほどね」

八幡「それだけだ、それじゃあ由比ヶ浜、あとは努力でなんとかしろ」

由比ヶ浜「あ、うん、ありがとう雪ノ下産、ヒッキー」

>>77 ミス 雪ノ下産→雪ノ下さん

―数日後―

三浦「あーしチョコとショコラにすっから」

葉山「それ、どっちも同じじゃん」

三浦「違うっつーの」

八幡(俺は今、人生の岐路に立たされている)

八幡(由比ヶ浜はこの後、三浦にバッシングを受ける、結局雪ノ下が助けるとはわかっているが、一度言ったように俺はああいう
   奴が気に入らないんだ)

八幡(俺は前回はズコズコと黙って座り込んでしまったんだが…今回は絶対に引き下がらまいと思っている)

八幡(まぁ?どうせヒートアップしても少しすれば雪ノ下も来るし、周りには葉山や由比ヶ浜、それにウザイが良い奴の戸部も
   いるし?絶対止めてもらえるだろうからな)

三浦「あーしら友達じゃん?そーいうさー、隠し事?とかよくない?」

由比ヶ浜「ごめん」

三浦「だーかーらー、ごめんじゃなくて、言いたいことあるんでしょ?」

八幡(ここだっ!!)

八幡「おい、そのへんに」

三浦「るっさい」

八幡(げっ、やっぱり怖い…だが)

八幡「う………うるせぇのはお前のその馬鹿っぽい喋り声なんだよ」

三浦「は?アンタ何いってんの?」

八幡「なにもかにもねぇんだよ、イライラしてくんだよ、なんだ?テメェが言う友達ってのはテメェに忠誠する家来のことを
   言うのか?」

三浦「るっさいって言ってるっしょ?つーかアンタ何様なわけ?」

八幡「何様だろうが関係ねぇよ、一応ソイツは俺の知り合いでもあるんだよ、テメェだけのもんじゃねぇだろうが」

三浦「…ッ!」

八幡(あれ、葉山?由比ヶ浜?戸部?なんで止めてくんないの?ボケっと見てないで止めてよ)

八幡「ちょっと耳に入ってきたから聞いちまったがよ、由比ヶ浜は他の奴と約束してたんだろうが、それをなんだ?テメェは、テメェの
   パシリ断られたからって逆ギレか?」

三浦「ホントキモいんだけど!マジでなんなの!?」

八幡「俺がキモいのと由比ヶ浜をパシるのは全然関係ねぇだろうが、つまり俺が言いたいのは」

雪ノ下「その辺にしておいたらどうかしら」

八幡「あ?」

八幡(雪ノ下さん!)

三浦「…」

八幡「…悪いな、少し言い過ぎた」

三浦「うっさい…」

八幡「お…俺が紅茶買ってこようか?」

三浦「…ッ!1分で行って来い!遅れたら承知しねーから!」

八幡(おぉ、泣いた、三浦かわいい)

八幡「わーったよ、待っててくれ」

―保健室横―

八幡(結局紅茶を渡してさっささと出てきてしまった)

八幡(あぁ、マジで怖かった、本気で)

八幡(しかし、これでまた変わってしまうのだろうか…そうなったら困るな)

三浦「ねぇ」

八幡「は?あっ!」

八幡(なんで!?なんでここに!?)

三浦「…」

八幡「…」

八幡(なぜ無言で俺の横に座るの?)

三浦「…アンタ、マジありえないんだけど」

八幡「あ、あぁ、すいません」

三浦「なにそれ、謝るとか意味分かんない」

八幡「そ…そうですね」

三浦「…あーしさ、今まであんな感じで言われたことなかったっつーかさ、何でもかんでもあーしの思い通りに
   動いたっつーかさ」

八幡「お…おう」

三浦「だーらあーゆー事言われたの初めてだったわけ」

八幡「は…はぁ」

三浦「お陰で隼人とか結衣に泣き顔見られたじゃん」

八幡「す…すまん」

三浦「謝んなよ、むかつくから」

八幡「お…おう」

三浦「まーアンタマジでムカつくけどさ、なんかスッキリしたっつーか」

八幡「そうか」

八幡(さすがカリスマ、まるで少年漫画の番長のような性格だ)

三浦「でも、次なんかあったらあーしがアンタ泣かすから」

八幡「そうですか」

八幡(怖いよ)

三浦「そんじゃ」

八幡「おう」

八幡(ビ…ビビったわぁ…)

―部室―

八幡「うぃーす」

由比ヶ浜「あ…」

雪ノ下「あら、来たのね」

八幡「なんだよ、来ちゃいけなかったのか?」

雪ノ下「いいえ、そうではないわ」

八幡「じゃあなんだよ」

由比ヶ浜「ヒッキー助かったよ、でもちょっと言い過ぎじゃない?由美子は女の子なんだよ?」

八幡「あ…うん、俺もそう思う」

雪ノ下「確かに、聞いていてあなたが間違ったことは一つも言っていなかったのだけれどね」

八幡「以後気をつけます」

由比ヶ浜「というか、ヒッキーって怒らせると結構怖いかも…」

八幡「はぁ?」

由比ヶ浜「ううん、なんでもない…でも助けてくれてありがとね」

八幡「気にすんな、俺は言いたいこと言っただけだ」

八幡(正直、一回食らってなければ無理だった、一歩だって沢村の…おっと、これはなぜか言っちゃダメだめな気
   がする)

雪ノ下「けれど、あなた彼女を的に回して大丈夫なのかしら」

八幡「あぁ、あいつは大丈夫だ」

雪ノ下「そ…そう」

八幡(前はお前が言ったわけだが…いや、ここだと言ってないことになるわけだけど、多分あれは女同士だからお前も
   向こうも必要以上に意地を張り合ったんだ、猫は犬に負けても納得できるが…これも言ってはダメだな、多分
   今期は言わないだろうけど)

八幡(とにかく、男と女じゃ立場が違う、だからいつもは知らんが今回は向こうも退いたんだろう、こっちが正論だったし)

八幡(まぁお前らなら楽勝で食い下がってくるだろうが…それに俺が紅茶を買って来たことにも効果があったんだろう、
   実際それを狙ったわけだが)

八幡「…っと、いい時間だな、俺は帰るわ」

雪ノ下「わかったわ」

由比ヶ浜「私達も帰ろう?ゆきのん」

雪ノ下「だからそれをやめて欲しいと」

八幡(そういえば少し前に由比ヶ浜が雪ノ下と俺にクッキー持ってきたな、そんときに呼び名が変わってました)

>>97 ミス 的に→敵に

ミスが目立つな、少し休憩させてもらうね

あーしさんの名前も間違えてるよ
優美子ね

>>100 ありがとう

それじゃあ再開、次レスから↓

―家―

八幡「ただいま」

小町「あ、お兄ちゃんおかえりー」

八幡「よぉかまくら、元気か」

かまくら「ふんす」

八幡「相変わらずだな、お前は」

小町「お兄ちゃん、小町よりかまくらを…よよよ」

八幡「ちょっと待ってろ、あとで嫌というほどかまってやるから」

小町「いや、いいです」

八幡「ですよね」

小町「小町もうお風呂入ったから、ご飯の前に入っちゃってねー」

八幡「おう、わかった」

かまくら「ふにゃーご」

八幡「珍しいな、お前が俺に擦り寄ってくるなんて」

かまくら「なーお」

八幡「一緒に入るか?」

かまくら「…へし」

八幡(…あっさり行ってしまった)

八幡「ふぃ~…」

八幡(たしか次は材木座、その次がお待ちかね!戸塚の出番だぜ!)

八幡(材木座は適当にあしらって…戸塚はどうしようかな~、へっへっへ(ゲス顔))

八幡(…おっと、いけない、変な笑いを)

八幡(じゃなくて、今日の三浦との対戦だが、戸塚の時にどう響いてくるんだろうか)

八幡(前回はテニスでバトルすることになったが、あれはどちらかと言うと雪ノ下への対抗心からだっただろうし、
   俺の場合は一体どうなることやら)

かまくら「なご」

八幡「お」

かまくら「…ひしゅ」

八幡「風呂の蓋の上、暖かいのか?」

かまくら「…」

八幡「なるほど、どうりで最近たまに体が濡れてると思った」

かまくら「にゃお」

八幡(…一番近い問題は…由比ヶ浜との関係だろうな)

八幡(さて、あれを一体どう攻略するものか)

八幡(…で)

小町「今日はちょっと頑張ってみましたー」

八幡「お、なんだこのごちそう」

小町「いやね?お兄ちゃん最近頑張ってるからさ、小町も頑張ってみた」

八幡「おう、ありがとうよ、お兄ちゃん嬉しすぎてもう小町なしじゃ居られなくなっちゃう」

小町「そんな気持ち悪い兄を受け止めるのがこの小町なのです、あ!今の小町的にポイント高い!」

八幡「はい、オッケーでーす」

小町「うわー、その流しっぷり」

八幡「もう食っていいか?」

小町「うん、いいよ、温かいうちにお食べ?」

八幡「いただきまーす」

小町「どぉ?どぉ!?」

八幡(…ッ!この五臓六腑に染み渡る旨味!シャッキリポンと舌の上で踊るよな食感!)

八幡「最高だ」

小町「ほんと?やったねー!」

八幡「美食倶楽部の板前を務めても良いレベルだな」

小町「いやー、褒め過ぎだってば~…なにそれ」



―数日後―

八幡(材木座の小説はとっとと終わらせた!戸塚の出番だぜ!)

八幡(…だが、その前に)

由比ヶ浜「あれー?ヒッキーじゃん」

八幡「よぉ」

八幡(こいつの事を、先に終わらせておこうか)

由比ヶ浜「何でこんなとこにいんの?」

八幡「普段ここで飯食ってんだよ」

由比ヶ浜「へー、そーなん?教室で食べればよくない?」

八幡「いいんだよ、それより一つ、お前に話しておきたいことがあるんだ」

由比ヶ浜「…え?ヒッキーが?」

八幡「おう」

由比ヶ浜「へへ、なんか変な感じ…でさ、なに?」

八幡「俺、実はお前が部室に来る前にお前と会ってるよな」

由比ヶ浜「え?そりゃそうでしょ、いつも教室で会ってたじゃん」

八幡「いや、そうじゃなくてさ」

由比ヶ浜「え?」

八幡「入学式の日、あの犬の散歩してたの、お前だろ?」

由比ヶ浜「あ…」

八幡「なに、別にどうってわけじゃない、ただそれでお前が俺に気を使って仲を保ってるんならそういうの
   いらねぇってだけだ」

由比ヶ浜「ううん!そういうんじゃないよ!?あたしはただヒッキーと一緒にいたいから…って!何言わせんの!?」

八幡「いいや、別に、それならいいんだ」

由比ヶ浜「…そっか」

八幡「気にすんな、今ここで全部忘れろ、それで俺とお前はあの日お前が部室に来た時初めて出会ったと思え」

由比ヶ浜「…それは…できないよ」

八幡「…なぜ」

由比ヶ浜「だって、あれがあったから、あたしはヒッキーと一緒に居たいと思ったんだもん」

八幡「…」

由比ヶ浜「わかるよ、ヒッキーは誰にでも優しいもんね、でも、命掛けて守ってもらったのに忘れるなんて…やっぱり
     あたしには出来ないよ」

八幡「…そうか」

由比ヶ浜「でもね?別にヒッキーに気なんか使ってないから、言いたいことは言うし、ヒッキーもあたしに言いたい
     ことあったら言ってね?」

八幡「まぁ…わかった」

八幡(…別にいいか、俺の中では一度解決してることだし、どうせ元に戻るって分かってんだ、ならわざわざ関係を
   壊す必要はない)

由比ヶ浜「でもヒッキー、あたしってわかったんだ」

八幡「あ?あぁ、まぁな」

八幡(本当はなんも覚えてないけど)

由比ヶ浜「…パジャマ」

八幡「は?」

由比ヶ浜「あの時、アタシがどんな服着てたか覚えてる?」

八幡「…いや」

由比ヶ浜「そっか、よかった…へへ」

八幡(…そういやあの時は確かこいつ髪の毛黒かったよな、ま、別にどうでもいいけど)

由比ヶ浜「…?ヒッキー?」

八幡「あ?いや、別になんでもない」

由比ヶ浜「そっか…ってあれ、おーい!さいちゃーん!」

八幡(なにぃッ!?)

由比ヶ浜「よっす、練習?」

戸塚「うん、うちの部、すっごい弱いから練習しないと……由比ヶ浜さんと比企谷くんはなにしてたの?」

由比ヶ浜「え…?ま…まぁ、別になんもしてないよ」

戸塚「ふぅーん」

由比ヶ浜「さいちゃん、授業でもテニスやってるのに昼練もしてるんだ、大変だね」

戸塚「ううん、好きでやってることだし、あ、そういえば比企谷くん。テニスうまいよね」

由比ヶ浜「そーなん?」

戸塚「うん、フォームとかすっごい綺麗なんだよ」

八幡「はっはっは、照れるなぁ戸塚」

戸塚「あれ?僕の名前覚えててくれたの?」

八幡「当たり前じゃないか、何言ってるんだい?」

戸塚「うわー、嬉しいなぁ」

由比ヶ浜「あたしの時と全然違う…」

八幡「それより、戸塚こそ俺の名前を覚えてくれていたなんて嬉しいな」

戸塚「うん、だって比企谷くん目立つもん、特にこの前三浦さんと言い合ってた時とか」

八幡「あぁ…見苦しいところを見せてしまったな」

戸塚「ううん?確かに少し怖かったけど、僕には出来ないからさ」

八幡「うん?」

戸塚「僕、見た目は弱そうだし、中身も弱いし…」

八幡「何を言うんだ!戸塚!」

戸塚「…!?比企谷くん!?」

八幡「戸塚はそのままでいいんだ、というか変わらないでくれ!}

由比ヶ浜「ヒッキー…必死すぎ」

戸塚「え?そ…そうかな」

八幡「あぁ!そうだ!」

戸塚「そっか、嬉しいなぁ、ありがとう、比企谷くん」

八幡「いいさ」

戸塚「それじゃあ、僕着替えないといけないからさ、先行くね?」

八幡「あぁ、またあとでな」

戸塚「うん、じゃあね、由比ヶ浜さんもあとでね」

由比ヶ浜「うん、あとでねー」

八幡「…」

由比ヶ浜「なんで一緒に戻らなかったの?」

八幡「…はっ!」

八幡(しまった、同じ失敗をしてしまった、くっそ)

由比ヶ浜「それにしてもさいちゃんかわいいよねー」

八幡「あぁ」

由比ヶ浜「…ヒッキー?」

八幡「あ?なんだ?」

由比ヶ浜「ううん、なんでもないけどさ」

八幡「そうか」

由比ヶ浜「うん…」

八幡「…」

由比ヶ浜「…」

八幡「…お前、パシ…そういやなんでここに来たんだ?」

由比ヶ浜「それはゆきのんとジャン負けして…あ!」

八幡(やはりか)

―数日後―

戸塚「だーれだ」

八幡「戸塚だ」

戸塚「すごい、なんでわかったの?」

八幡「なに、たいした事ないよ」

八幡(そりゃあわかるさ、なんてったって戸塚だしな)

戸塚「あのね、今日はいつもペア組んでる子が休みなんだ、だから……よかったらぼくと、やらない?」

八幡「あぁ、いいよ、俺も一人だしな」

八幡(ちくしょう、また録音しそこねた…神様、今のとこだもう一回だけお願いしていいですか?)

戸塚「じゃあいくよー」

八幡「おう」

戸塚「えいっ」

八幡「ほっ」

戸塚「やっ」

八幡(あぁ、戸塚、なぜ君は戸塚なんだ)

八幡「おっと」

戸塚「あ、ごめん比企谷くん」

八幡「いや、大丈夫、取ってくる」

戸塚「ありがとねー!」

八幡(守りたい、この笑顔)

八幡(…で)

戸塚「比企谷くん、やっぱり上手だねー」

八幡「超壁打ってたからなー、テニスは極めた」

戸塚「…あのさ」

八幡「ん?なんだ」

戸塚「うちの部さ、すっごい弱いし、人数も少ないんだ」

八幡「うん」

戸塚「だから…さ」

八幡「…?」

戸塚「もし、比企谷くんさえよければテニス部に入ってくれない?」

八幡「…う…悪い、それは無理なんだ」

八幡(危ない、今度こそ首を縦に降ってしまうところだった)

戸塚「そっかぁ」

八幡(まぁなんだ、何か方法を考えてみるよ」

戸塚「ほんと?ありがとう!」

八幡「いや、なんてことないさ」

―部室―

雪ノ下「無理ね」

八幡「そうか」

八幡(まぁわかってた)

八幡「まぁそれは別にいいんだ、とりあえずテニス部の件、お前ならどうする?」

雪ノ下「全員死ぬまで走らせてから、全員死ぬまで素振り、全員死ぬまで練習かしら」

八幡「あっそ」

雪ノ下「あなたが聞いたんじゃない」

由比ヶ浜「やっはろー!依頼人を連れてきたよー!」

戸塚「こ…こんにちわ」

八幡「戸塚」

雪ノ下「どうしたの?由比ヶ浜さん」

由比ヶ浜「いやさぁ、あたしも奉仕部の一員じゃん?だからちょっとは働こうと思ったわけ、そしたらさいちゃんが
     困ってる風だったから連れてきたの」

雪ノ下「由比ヶ浜さん」

由比ヶ浜「ゆきのん、お礼とかそういうの全然いいから、部員として当たり前のことしただけだから」

雪ノ下「由比ヶ浜さん、あなたは別に部員ではないのだけれど……」

由比ヶ浜「違うんだ!?」

八幡(…で)

由比ヶ浜「これでいいんだよね」

雪ノ下「ええ、一応」

戸塚「えぇーっと」

雪ノ下「…とりあえずテニス部の強化練習を請け負う…ということでいいかしら」

戸塚「うん、助かるよ」

八幡「まぁ手伝うのはいいんだけどよ、具体的には何をすればいいんだよ」

雪ノ下「さっき言ったじゃない、記憶力が足りないならメモを取ることをおすすめするわ」

八幡「マジかよ」

八幡(マジなんです)

戸塚「ぼく、死んじゃうのかな」

八幡「安心しろ、戸塚は俺が守る」

戸塚「それ、本気で言ってくれてる…のかな」

八幡「ごめん、ちょっと言ってみたかっただけ」

雪ノ下「それでは明日の昼から」

八幡「了解」



今日はここまで、おやすみ

読んでくれた人、ありがとう、おつかれちゃーん

どうも、>>1です

少しだけ書いていく、次レスから↓

―翌日―

八幡(さーて、そろそろ奴らが来る頃だな)

三浦「あ、テニスしてんじゃん」

八幡(来たか)

海老名「あ、結衣たちだったんだ」

三浦「ね、戸塚、あーしたちもここで遊んでいい?」

戸塚「三浦さん、僕たちは別に遊んでるわけじゃ……」

三浦「は?よく聞こえないんだけど」

戸塚「練習だから……」

三浦「部外者も混じって…あ、ヒキオもいんじゃん」

八幡「うす」

八馬(俺はどうあってもヒキオなのね、つーかいつ名前覚えたんだよ)

三浦「あーしらもテニスやりたいんだけど」

八幡「そりゃダメだろ」

三浦「何で?」

八幡「ここは戸塚がお願いして使ってるから」

三浦「は?だから?ヒキオも部外者じゃん」

八幡「ところがどっこい、俺は戸塚に頼まれてここにいるから部外者ではないんだわ」

三浦「意味分かんないんだけど」

葉山「まぁまぁ、あんま喧嘩腰にならないでさ」

八幡(やはり来たな、葉山よ、だが今回はバトルどうこうってのを言わせるつもりはない)

葉山「皆でやった方が楽しいし」

八幡「楽しいのはお前らだけだろうが、なんでお前の価値観で俺やこいつらまで楽しめるとか思っちゃってんの?」

葉山「…え?」

八幡(前回はこいつらのリア充オーラに押されて渋々勝負を受けちまったが、まぁあれは勇者も渋々就職を決意する
   ような時代だからしょうがなかったとしよう)

八幡(だが残念、今回は俺は一度お前らの女王様に勝ってるんだ、交渉のイニシアチブは俺が握っている、わざわざ
   お前らの土俵に上がって勝負する必要はない……ならば)

八幡「こっちは楽しむためにやってるんじゃねぇんだよ、戸塚の男子テニス部が勝つために練習してるんだ」

葉山「それはわかるけどさ」

八幡「大体、お前が言うみんなでテニスをしたら戸塚は勝てるようになるのか?」

葉山「…」

八幡「つーか逆の立場になって考えてみろ、お前が他人に頼んでまで必死こいてサッカーの練習をしてる時に部外者
   がグランドを使いたいと言って横から入ってきたらお前はそれを許せるのか?」

葉山「それは…わかった、俺の言い方が悪かった、だから協力という形で使えないかな」

八幡「…さて、ここで問題だ」

葉山「…?」

八幡「当の本人の三浦は"遊びたがって"いる、一方、ここを最初に使っていた戸塚は"練習をしたがっている"、となると、
   お前が言う協力は本当に成立するのだろうか」

葉山「う…」

八幡「部外者同士、ここで戦って強い方が戸塚の練習に付き合うという方法もあるかもしれん、だがその後お前らは本当に
   戸塚の為に動くのか?」

由比ヶ浜「ちょっと、ヒッキー……」

八幡「三浦がこれからも毎回テニスをしたがるか?答えはどうせノーだ、そうだろ?三浦」

三浦「そんなんそんときになんねーとあーしわかんねーし」

八幡「それじゃあダメなんだよ、戸塚が納得した状態で勝負に挑んでもらわないと奉仕部的にもテニス部的にも、そして
   お前らからしても困るだろうが」

三浦「ちょっと、ヒキオめんどくさいこと言ってないでとっととどけって」

八幡「なんだ?三浦、次は勝負して俺を泣かすんじゃなかったのか?」

三浦「なにそれ!ムカつくんだけど!」

八幡「…ま、最終的な判断は戸塚に下してもらおうぜ、どうなんだ?戸塚」

戸塚「…うん、僕は最初に八幡にお願いしたからさ、僕も毎日は使わないようにするからその時に三浦さんたちに使って
   ほしいな」

八幡「…だそうだ」

三浦「……ッ!もういい、あーし教室戻るから」

八幡(ふぅ、まーた勝ってしまった、ま、答えを見ながら算数のドリル解くのかとか超得意だったし、俺)

かっこいい八幡

戸塚「…比企谷くん、ありがとう」

八幡「なに、こっちこそ空気悪くしちまって済まなかったな」

戸塚「ううん、僕は大丈夫だよ、でも比企谷くんが……」

八幡「気にすんな、嫌われるのは慣れてる」

八幡(うーむ、せっかく最初からやり直してるのにまた同じ方向に進んでる気が……これがシュタインズゲートの選択
   かッ!)

由比ヶ浜「ヒッキー、あたしちょっと優美子のとこ行ってくるね」

八幡「おう」

由比ヶ浜「…またね」

八幡「おう」

由比ヶ浜「あたし…別に優美子たちと戦ってもよかったんだよ?」

八幡「…すまんな」

八幡(…しかし、やっぱり俺の力じゃスマートな解決は望めないのか?どうせならあのおっさんも一つくらい役に立
   つスキルを持たせてくれればよかったのに)

雪ノ下「…どうしたのかしら」

八幡「あ?いや、別になんにも」

雪ノ下「そう、救急箱を借りてきたわ、戸塚くん、これを使ってちょうだい」

戸塚「うん、ありがとう、雪ノ下さん」

八幡(俺は知ってたぞ雪ノ下)

雪ノ下「戸塚くんもケガをしてしまったことだし、今日は終わりにしましょう」

八幡(……なら別に貸してやってもよかったんじゃねぇか)

しまつた、戸塚が>>145で八幡と読んでいるのに>>146では比企谷くんにしてしまった
あの件は省略したからこれからは八幡で頼む

八幡(…あ!)

八幡(しまった!勝負してもらわないとあのイベントが……なんてな、別にいいよ、あんくらい、うん)

八幡(…っと、いつの間にか部室に着いてたな)

八幡「うぃーす」

雪ノ下「あら」

八幡「お前だけか」

雪ノ下「ええ、由比ヶ浜さんは三浦さんたちと遊びに行くと言っていたわ」

八幡「そうか」

八幡(……さて、チャンスだ)

八幡(ここで雪ノ下の件を済ましてしまおうか…いや、それは無理だな、なぜなら俺が気づくきっかけが皆無だったか
   らな、俺はまだコイツんちのハイヤーを見てない)

八幡(だが、暇なので少し雪ノ下をからかってみよう)

八幡「…雪ノ下」

雪ノ下「なにかしら」

八幡「お前意外と優しいとこあんのな」

雪ノ下「唐突に何を言い出すのかしら、あなたは、気味が悪いわ」

八幡「いや、戸塚に救急箱届けてやってたろ、あれはかなり気の利いた行動だったと思ってよ」

雪ノ下「別にどうというわけではないわ、あの場でぼーっとしていても戸塚さんの傷が治るわけではないし、それに
    クライアントが負傷したのだからそれをケアする責任もこちら側にあったはずよ」

八幡「そうか、まぁありがとうな」

雪ノ下「……あなたに礼を言われる筋合いは無いのだけれど」

八幡「別に、俺がやらなかったことをお前がしてくれたんだ、礼くらい言うのが筋ってもんだろ」

雪ノ下「そう…」

八幡「…?なんだ、不満か?なんならジュースの一本でもパシられてやろうか?」

雪ノ下「そうね、それじゃあ『野菜生活100いちごヨーグルトミックス』をお願い」

八幡「はいよ、ちょっと待っとれ」



八幡(…で)

八幡「ほらよ」

雪ノ下「ありがとう」

八幡「どういたしまして」

雪ノ下「…」

八幡「…」

雪ノ下「…」

八幡「…」

八幡(雪ノ下がストローでジュースを吸う音だけが部室に響いている、なんというか…奥ゆかしい)

雪ノ下「…」

八幡「…」

雪ノ下「…あなた」

八幡「ん?」

雪ノ下「本当に何も聞かないのね、友達になりたいと言った割には随分と興味がないのね」

八幡「まぁ別に聞いてもいいなら聞くけどさ」

雪ノ下「そうね、じゃあ一つだけなら質問に答えてあげてもいいわ」

八幡「そうか…」

八幡(さてと…お、いいのを思いついた」

八幡「お前、猫は好きか?」

雪ノ下「ええ、好きよ」

八幡(返答早いな!)

雪ノ下「かわいいものね、猫」

八幡「あ?あぁ、まぁそうだな、うちにも一匹いるし」

雪ノ下「…名前は?」

八幡「カマクラ」

雪ノ下「そ…そう、かまくらね…」

八幡「なに?興味あんの?」

雪ノ下「別にあなたの家の猫だからというわけではないわ、ただ実際に猫を飼っている人と話す機会が無かったもの
    だから」

八幡「そうか」

雪ノ下「種類はなんなのかしら」

八幡「雑種だけど、しっぽと耳の先端が黒い白猫って感じだな」

雪ノ下「珍しいわね、名前の由来は?」

八幡「いっつも丸まってるから」

雪ノ下「なるほど、的確ね」

八幡「そりゃどうも」

八幡(食付きっぷりがハンパねぇ)

雪ノ下「そう、猫…ネコ…ねこ…」

八幡「どんだけ好きなんだよ」

雪ノ下「別にただ他の動物と比べれば好きというだけであってあなたが想像しているようなメルヘンな考えは持ちあ
    わせていないわ」

八幡(いや、お見通しなんですよ、雪ノ下さん)

八幡「そうか、変なこと聞いて悪かったな」

雪ノ下「いいえ、別にかまわないわ、私が許諾したのだし」

八幡「そりゃどうも」

平塚「やぁ」

雪ノ下「…先生、ノックを」

平塚「おっと、すまんな」

八幡「どうしたんです?」

平塚「一つ言い忘れていた事があってだな」

八幡(あぁ、そういやまだ勝負のこと聞かされてなかったな)

雪ノ下「なんでしょう」

平塚「本来ならば彼が入部した時に言うつもりだったんだが、あの時は私が少し動揺してしまって忘れていたんだ」

雪ノ下「はぁ…」

平塚「これから君たちの下に悩める子羊を導く、彼らを君たちなりに救ってみたまえ…とは言え、君たちはもう既に
   いくつかの職務をこなしているようだがな」

雪ノ下「確かに、いまさらという感じではありますね」

平塚「まぁそんなところだ、これからも頼むぞ?ガンダムファイト・レディー・ゴー!」

八幡(それは言うんだ、そして雪ノ下はというと?)

雪ノ下「わかりました」

八幡(はい、断り…あれ、また間違えちゃった、今回は受け入れるのね)

雪ノ下「そういうわけよ、比企谷くん」

八幡「お…おう」

平塚「それでは、今日は解散したまえ、鍵は預かろう」

雪ノ下「わかりました、それでは」

八幡「らす」

平塚「うむ、気をつけるんだぞ」

カマクラは血統書ついてたぜ確か

>>161 すまん、ありがとう

八幡「…」

雪ノ下「…」

八幡「あれ、こっちなの?」

雪ノ下「駅は一つしかないでしょう」

八幡「そりゃそうだ」

雪ノ下「…」

八幡「…」

雪ノ下「由比ヶ浜さんに少し聞いたわ」

八幡「なにを」

雪ノ下「今日の昼休みに何があったかをよ」

八幡「そうか」

雪ノ下「別にあなたが出しゃばらなくても収集は着いたはずよ」

八幡「いいんだ」

雪ノ下「…?」

八幡「俺がやらなくても、同じことをきっとお前がやっただろ、なら誰がやったかの違いだけだ」

雪ノ下「…あなた、なぜそんなに私の考えを見透かしたような発言をするのかしら」

八幡「勘だ」

雪ノ下「…だとしたら、随分と鋭いのね」

八幡「ありがとよ」

雪ノ下「ええ」

八幡「…んじゃ、俺買い物して買えるから」

雪ノ下「ええ、それじゃ…」

八幡「…?」

雪ノ下「また…明日」

八幡(おぉ、まさかもうこれを見れるとは)

またミスっちゃったよ>>162 買える→帰るね

それじゃあ一巻の内容が終わったところで今日はここまで
読んでくれた人ありがとう、おつかれ

なぜか妄言録も@コミックも買ってしまう

どうも、>>1です、少し書こうかな、次レスから↓

――――

――――――――

―――――――――――

神様「おっす」

八幡「うおっ、なんだあんたか、…て、そんなフランクだったっけ?」

神様「まぁええじゃろ」

八幡「つか、あんたがいるって事はこれは夢の中の夢って事になるんですかね」

神様「そうなるな」

八幡「ややこしいな」

神様「しょうがないじゃろ、それにしてもお主、随分とうまく立ちまわれているようじゃな」

八幡「あぁ、まぁそうですね、なにせ答えはわかってるわけですし」

神様「結構じゃ、楽しいかね?」

八幡「はい、それなりには」

神様「そりゃあよかった」

八幡「…で、なんでまた出てきたんです?」

神様「おお、それじゃ、お主が選択を少しずつ変えているせいで結果が変わっているのには気づいておるじゃろ?」

八幡「そうですね」

神様「別にわしは忠告をするつもりはないがの、それなりにこれからの物語も変わってくる事も頭に入れておきなさい」

八幡「わかりました」

神様「それじゃあの、また会うかもしれん」

八幡「はい、お疲れ様です」

神様「うむ」

―――――――――――

――――――――

――――

―自室―

八幡「…は」

八幡(…やけにリアルな夢だったな、まぁ今こうしている瞬間もなんだが)

八幡(迷惑メールは最初から遅らせないようにしたし、川崎も屋上で会った時にスカラシップを勧めたから大志が相談
   してくることもなかった)

八幡(由比ヶ浜の問題も既に解消済だから部の危機もない、夏休みに入るまで暇だな)

ブーブー

八幡「…あれ、珍しい」

八幡「はい」

川崎「あ、私だけど」

八幡「あいにく詐欺の方は取り扱っておりませんので」

八幡(沙希だけに、つまんな)

川崎「アンタ、わかってやってんでしょ、川崎沙希だよ」

八幡「おう、どうした」

川崎「いや、別にどうってわけじゃないんだけどさ」

八幡「じゃあ切るぞ」

川崎「…今日予備校来るわけ?」

八幡「あ?あぁ、まぁな」

川崎「そう、わかった」

八幡「お前もか?」

川崎「そうだよ、そうじゃなきゃ聞かないでしょうが」

八幡「そりゃそうだ」

川崎「そんじゃ」

八幡「おう」

八幡「……」

八幡(…うん、理由は説明するべきだよな)

―数日前―

川崎「これ、アンタの?」

八幡「あ?あぁ、すまん」

八幡(やはりいてくれたか)

川崎「バカじゃないの?」

八幡「悪かったな、専業主夫だって立派な夢だ」

川崎「そうじゃなくて、その顔」

八幡「…へ?」

八幡(しまった、また見てしまった、黒のレース)

川崎「ふん」

八幡(このままでは行ってしまう……別に後で言うのも今言うのも同じなんだが、あそこのジュースちょっと高すぎ
   るんだよ、だからここで終わらせてもらう)

八幡「ちょっと待ってみ」

川崎「…は?」

八幡「どうせ今から行っても授業なんて間に合わんだろ」

川崎「だから?」

八幡「少し暇つぶしに付き合ってくれ」

川崎「はぁ?なんであたしが」

八幡「いいじゃねぇか、一応同じ予備校だろ」

川崎「は?そうなの?」

八幡「知らなかったのかよ」

八幡(俺も知らなかったけど)

川崎「…まぁ、いいけどさ」

八幡「すまんな、平塚先生に怒られるのが怖いんだ」

川崎「あとで行っても怒られんじゃん」

八幡「…お前頭いいな」

八幡(やだなぁ、マジで痛いんだよ、格闘界進出も遠くないとすら思うまである)

川崎「…で、なにさ」

八幡「あぁ、それなんだがな、お前、弟いるだろ?」

川崎「なんでアンタが知ってんの」

八幡「いやな、俺の妹がお前の弟と知り合いなんだ、だから妹の話に出てきた時に気づいた」

川崎「へ…へぇ、なんでアンタがあたしのこと気にしてんのさ」

八幡「別に、クラスで浮いてんのは俺とお前くらいだし、自然と目につく」

川崎「……あっそ、あたしはアンタのこと知らなかったけど」

八幡「そりゃそうだ、俺は誰にも見つからないようにクラスで過ごしているしな」

川崎「あんた、それ面白いわけ?」

八幡「ある程度は」

八幡(メタルギアだってスプリンターセルだって、見つからないことが信条だろ、スニークとかすげぇ俺向きの
   アビュリティ、つーかデフォ)

川崎「変な奴だね、あんた」

八幡「まぁ、お前と同じくらいにな」

川崎「はぁ?なにそれ」

八幡「夜明けに高層ビルから出てくる奴だってなかなか不思議だろ」

川崎「んなっ!なんで知ってんのさ」

八幡「いやなに、たまたま早朝ランニングした時に見かけたんだよ」

川崎「…ありえない」

八幡「別にいいだろ、なんか人に言えないことでもしてんのか?」

川崎「別にそうじゃないけどさ」

八幡「ならいいだろ」

川崎「…まぁね」

八幡「なんだよ、その顔」

川崎「別に」

八幡「そうか」

川崎「…」

八幡「…」

川崎「…」

八幡「…ま、同じ予備校生として一ついいことを教えてやろう」

川崎「いきなりなに」

八幡「まぁ聞いておけ、間違いなくお前にとって利益になる」

川崎「なに」

八幡「お前スカラシップって知ってるか?」

川崎「いや、なにそれ」

八幡「簡単に言えば成績のいい奴の予備校の講習代を免除できるシステムなんだがな」

川崎「……へぇ」

八幡「これを狙ってる頭のいい俺は考えたんだ、スカラシップを取れば講習代がまるまる俺の懐に飛び込んでくるってな」

川崎「頭のいい奴がすることとは思えないんだけど」

八幡「ほっとけ、まぁ知っておいて損はないだろ?」

川崎「…そうだね、ありがと」

八幡「おう」

川崎「…ねぇ」

八幡「あ?」

川崎「その話、またあとで聞きたいから連絡先教えて」

八幡「あ?あぁ、まぁいいぞ」

八幡(こりゃびっくり)

川崎「はい…っと、じゃ、あたし行くわ」

八幡「おう、ありがとな」

川崎「なにが?」

八幡「暇つぶし」

川崎「……うん、まぁこっちもいい話聞いたからあいこでいいよ」

八幡「そうか」

川崎「うん、じゃあね」

八幡「じゃあな」

―現在―

八幡(………と、言うことがあったわけだ)

小町「お兄ちゃーん、起きてるー?」

八幡「起きてるよー」

小町「おはよ、お兄ちゃん」

八幡「おはよ」

小町「ご飯作っといたよ」

八幡「そうか、ありがと」

小町「着替えてるけど、どっか行くの?」

八幡「予備校にな」

小町「土曜日まで勉強ですか、お兄ちゃんんも大変だねー」

八幡「まぁな、でも小町が飯作ってくれたから元気出た」

小町「小町の優しさを噛み締めて食べるといいよ」

八幡「おう」

小町「というか、この小町の格好を見て欲しいのです」

八幡「あ?あぁ、かわいいな」

小町「ありがとー、でさ、小町は本当はお兄ちゃんを連れて出かけようと思っていたのです」

八幡「そうなの?勉強しろ勉強」

小町「またそんなこと言ってー、でもしかたないので健気な小町は予備校で頑張るお兄ちゃんを待ちます」

八幡「そうか、まぁ昼過ぎには帰ると思うけど」

小町「わかった、じゃあ小町待ってるねー」

八幡「今のは小町的にポイント高くないのか?」

小町「あまいなーお兄ちゃんは、まだまだ小町は本気なんて出してないよ」

八幡「怖いな」

小町「それじゃ、小町はもう一回寝るから、おやすみー」

八幡「……お…おう、おやすみ」

八幡(マイペースな子)

今日はこのくらいにして寝よう

読んでくれた人ありがとう、じゃあおつかれさん

どうも、>>1です

たらたら書いていこうかね、次レスから↓

八幡(…で)

川崎「よ」

八幡「おう」

川崎「相変わらずつまんなそうな顔してるよね」

八幡「そうか?」

川崎「うん」

八幡「まぁ、今日は知り合いがいる分マシだがな」

川崎「それってあたしのこと?」

八幡「他に誰がいるんだよ」

川崎「…そっか、まぁ勉強するのにあんま関係ないと思うけど」

八幡「ごもっとも」

川崎「いいから早くしなよ、もう時間ないよ」

八幡「おう、すまんな」

川崎「……アンタ、そんな奴だったんだね」

八幡「そんなってなんだよ」

川崎「いや、なんでもない」

八幡「そうか」

川崎「ほら、行くよ」

八幡「はいよ」

―予備校―

八幡「…」

川崎「…」

八幡(なんか隣に誰か居るのって新鮮だな)

川崎「…あ」

八幡「どうした」

川崎「いや、聞き逃した」

八幡「ほれ、ノート」

川崎「ん、ありがと」

八幡「別に」

川崎「…」

八幡「…」

川崎「…」

八幡(…ホント話す事ねーな、まぁ講習中に話すってのもどうかとは思うが)

八幡(しかし、せっかく前回はなかった展開だからな、今までみたいに先読みというか、とりあえず下手打ちはできん)

講師「はい、今日はここまでです」

八幡(あ、終わった)

川崎「…ふぅ」

八幡「おつかれ」

川崎「ん、あんたもね」

八幡「どっか適当に店入って話すか?」

川崎「んー、まぁそれでいいよ」

八幡「じゃあとっとと出ようぜ」

八幡(…で)

川崎「なんでいちいち行動がトロいわけ?」

八幡「いや、なんでもない」

八幡(コイツと話すときはこのファミレスって決まってんのかね…って、なん…だと?)

小町「あ、お兄ちゃん」

八幡「お…おう」

八幡(そしてコイツは…)

川崎「あ、大志」

大志「姉ちゃん」

八幡(…まぁ、色々言いたいこともあるが、別にいいや)

小町「あれー、お兄ちゃんが女の人といるー」

大志「比企谷さんのお兄さんなんすか?」

小町「うん、というかあの人は大志くんのお姉ちゃん?」

大志「そうっす」

小町「凄い偶然だねー」

大志「そうっすね」

八幡「なにしてんだよこんなところで、寝たんじゃねぇのか?」

小町「そう思ったんだけどさ、寝れなかったからお兄ちゃん帰ってくるまで適当に散歩してようと思ったらたまたま
   大志くんに会ってさー、あ、こちら川崎大志くんね、小町の友達」

大志「どうも、川崎大志っす」

八幡(やはり小町といることが許せん!)

川崎「…顔」

八幡「あ?あぁ」

小町「大志くんのお姉さんなんですよね?」

川崎「う、うん」

小町「はじめまして!比企谷小町ですー、そこにいるるお兄ちゃんがお世話になっておりますー」

川崎「別に世話なんてしてないけど」

小町「いえいえー、もうウチのお兄ちゃんは本当にどうしようもないので一緒にいてくれてることがもうありがたい
   んですよー」

川崎「……あんた、妹にこんなこと言わせて恥ずかしくないの?」

八幡「恥ずかしいも何も、事実だし」

川崎「…はぁ、まったくほんっとどうしようもないね」

八幡「いいから座ろうぜ、こんなところで突っ立っててもよ」

小町「じゃあこっちおいでよ、大志くんもいいよね?」

大志「はい、大丈夫っす」

八幡「あたりまえだ」

川崎「ちょっと?」

八幡(おい、だから大志絡みの時にその目に宿る眼光はなんなんだよ)

小町「あ、そういえば大志くん、ちょうどいいしあの話しなよ」

大志「あぁ、あれはもういいんすよ」

小町「ん?どして?」

大志「もう姉ちゃん、帰ってくるの普通の時間になりましたし、と言っても11時過ぎですけど」

川崎「ちょっと大志、何の話?」

大志「あぁ、姉ちゃんちょっと前まで帰り遅かったからさ、少し相談というか」

川崎「変なことしなくていいのに」

小町「でも、大志くんお姉さんのことかなり心配してましたよ?」

川崎「……そうなの?」

大志「うん、まぁでももう大丈夫だけどね」

川崎「そっか、悪かったね」

小町「でもどうしていきなり早く帰ってくるようになったんですか?」

川崎「それは……あ」

八幡「…え?なに」

川崎「あんた、妹からその話聞いてたの?」

八幡「いや」

川崎「ほんとに?」

小町「あ、それは本当です、小町はお兄ちゃんには何も言ってませんよ?」

八幡「だからたまたまって言ったろ」

川崎「…そっか、なら別にいいや」

小町「またうちのお兄ちゃんがなんかやったんですか?ちょっとお兄ちゃん、早く大志くんのお姉ちゃんに謝りな
   さい」

川崎「いや、むしろ逆で」

小町「え?助けられたってことですか?」

川崎「んまぁ、そうなんのかな」

小町「そうですか!いやー、お兄ちゃんたまにはいいコトするじゃん、小町感激だよ」

八幡「別になんもしてねぇよ」

小町「まーたそうやって捻くれてー、ほら、ちゃんと大志くんのお姉ちゃんの顔を見て、大志くん」

大志「がってんっす」

八幡「は?」

川崎「ちょっと大志」

小町「お互いしっかり意思疎通を測ってみましょう」

八幡「う…」

川崎「……」

八幡(なんだこの甘い空気は、あ、小町が頼んだケーキのせいかな?)

川崎「…ありがとう」

八幡「え?いや」

川崎「弟に迷惑掛けてたみたいだし、偶然だけどあんたが助けてくれたみたいだしさ」

八幡「お、おう、まぁ、どうってことない」

川崎「…うん」

小町「きゃー!初々しいよ!大志くん!」

大志「そうっすね!」

八幡「おい、小町から離れろ」

大志「あ、すいませんお兄さん」

八幡「お兄さんと呼ぶな」

川崎「ちょっと、あたしの弟いじめようっての?」

八幡「いや、別に」

小町「うわー、お兄ちゃん弱いなー」

川崎「ほら、大志もやめて、そんなんじゃないから」

大志「え、そうなの?」

川崎「当たり前でしょ」

小町「うーん、やっぱりまだ弱いかな」

八幡「弱いってなんだよ」

小町「ううん、なんでもー」

川崎「……」

八幡「…なんだよ」

川崎「べ…別に、なんもないよ」

八幡「そうかい」

小町「クックックッ」

大志「いいっすね、この感じ」

川崎「大志、からかわないで」

八幡(…まぁ、確かにかわいい)

―数日後―

八幡(はいっ!こちら比企谷八幡ですっ!今私は雪ノ下雪乃さんと二人で由比ヶ浜の誕生日プレゼントを選びに来て
   いまっす!)

八幡(なぜここに小町がいないか?そんなん、俺が聞きたい)

八幡(雪ノ下に『付き合ってくれるかしら』と言われた時にすかさず『いいぜ』と返したわけだが、なぜか雪ノ下は
   小町を呼ぶ、と言う今回の最重要案件を粒子加速砲で吹き飛ばしやがった)

八幡(なんてな、本当はわかってる、川崎の件を俺一人で解決したせいで雪ノ下と由比ヶ浜は小町とエンカウント
   しなかったんだ、雪ノ下が小町を知ってるわけがない)

八幡(というわけで俺は雪ノ下と二人でここにいる)

雪ノ下「比企谷くん、何をぼけっとしているのかしら」

八幡「あ?お…おう、すまん」

雪ノ下「まぁ呼び出したのは私なのだから今ここでとやかく言うことはしないわ」

八幡「そりゃありがたい」

雪ノ下「一応聞いておきたいのだけれど、あなたは由比ヶ浜さんの趣味に心当たりはあるのかしら」

八幡「よくわからん、だがまぁ、出会うきっかけが料理だったんだし、それ関係でいいんじゃねぇか?」

雪ノ下「……」

八幡「んだよ」

雪ノ下「い…いいえ、全く期待していなかったものだから驚いてしまって」

八幡「それ全然褒めてないからな」

雪ノ下「けなしてもいないのだけれど」

八幡「…わかってる」

雪ノ下「へ…変な空気にしないちょうだい」

八幡(お前のせいだろうが)

雪ノ下「……まぁいいわ、ここでぐだぐだ言っていてもしょうがないし、早く行きましょう」

八幡「そうだな」

八幡(…で)

雪ノ下「……」

八幡(雪ノ下がパンさんのぬいぐるみを飽きしめている)

雪ノ下「…ふふ」

八幡(まぁ知ってはいたけどよ、何回見ても慣れなすぎるだろ)

雪ノ下「…あら」

八幡(しかし、ここで俺は由比ヶ浜ともう一人、ヤヴァイ人と会うんだよな、いやだなぁ…マジで嫌だなぁ…)

雪ノ下「…比企谷くん?」

八幡(由比ヶ浜はぶっちゃけ会わなければいいし、最悪会ってもいくらでも言い訳は浮かぶ、だが)

雪ノ下「…どこかしら」

八幡(あの人だけは勝てる気がしない、と、言うわけで、俺は戦わない)

雪ノ下「あ、比企谷くん、勝手に行かないでちょうだい」

八幡(幸いあの人と対峙しなければ"ならない"場面はないし、どもったりしないで適当に流してれば興味も持たれない
   だろ…本当にそうか?……無理だろうなぁ~)

雪ノ下「比企谷くん」

八幡「うおっ…雪ノ下か、用事は済んだのか?」

雪ノ下「なんのことかしら」

八幡「いや、店の中見てたみたいだったし」

雪ノ下「見ていないわ」

八幡「いやだって」

雪ノ下「見ていないわ」

八幡(かわいい)

八幡「そうか、ならボケっとしてて悪かったな」

雪ノ下「べ…別に大丈夫よ」

八幡「じゃあプレゼント探そうぜ」

雪ノ下「ええ」

八幡(あぁ、どうしよっかなぁ……)

雪ノ下「…なぜそんなに距離を取るのかしら」

八幡「いや、勘違いされんだろ」

雪ノ下「別にあなたと私が一緒に歩いていたとしても、その価値から恋人に見えるという可能性は限りなく0に近いと
    思うのだけれど」

八幡「価値とか言うなよ、いやそうじゃなくて、俺一人で女物の店入ったら不審者扱いされるだろうが」

雪ノ下「なるほど」

八幡「だからお前が店の中いる間は外で待ってるんだよ、なんかおかしいか?」

雪ノ下「あなたにしては殊勝な心がけだけれど、今回ばかりはそれでは困るの」

八幡「なぜ」

八幡(わかってるけど)

雪ノ下「自慢ではないけれど、私は一般の女子高生と離れた価値基準を持っているのよ、私のセンスに任されると
    困るわ」

八幡「じゃあどうすればいいんだ」

雪ノ下「この際仕方ないわ、あまり距離をあけないようにしてちょうだい」

八幡「…というと?」

雪ノ下「言わなければ分からないの?」

八幡「いや、わかるわかる、つまり恋人のように振る舞ってもいいが勘違いだけはするなってことだろ」

八幡(毒舌封殺!!)

雪ノ下「わかっているならいちいち聞き返さないでちょうだい」

八幡「すいまめん」

雪ノ下「バカにしているの?」

八幡「いいえ」

雪ノ下「はぁ…まぁ、あなたがバカなのは今に始まったことではないしいいわ、早く行きましょう」

八幡「はいよ」

雪ノ下「どうかしら?」

八幡「すげぇ似合ってる」

八幡(今回は断定してみる)

雪ノ下「……そう…かしら」

八幡「おう」

八幡(微妙に違うな)

雪ノ下「…ありがとう、けれど、私のことではなくて、由比ヶ浜さんにどうかしら、と言う意味よ」

八幡「それは由比ヶ浜には似合わないだろ、なんかもっとぽわぽわした頭の悪そうなもののほうが喜ぶんじゃないの」

雪ノ下「ひどい言い草だけれど、的確なのが反応に困るわね……」

八幡「このへんは?」

雪ノ下「そうね…えぇ、これにするわ」

八幡「ああ、いいんじゃないの」

八幡(さーて、今回はどうすっかな)

八幡(また犬の首輪を着ける姿も見たいっちゃ見たいが、なんとなくかわいそうな気もするしな)

八幡(…うん、このネックレスにしとくか、ショウウィンドウの真ん中だし、ハズレはしないだろ、値段も手頃だし)

八幡(変に高いのプレゼントするとか気持ち悪いし、なにより俺の財布にはそんなに金が入っていない)

雪ノ下「終わったわ」

八幡「そうか」

八幡(…で)

雪ノ下「取れない」

八幡(雪ノ下は絶賛クレーンゲームと格闘中である)

雪ノ下「あっ…難しいわね」

八幡(しかし、これは神のイタズラか、悪魔の罠か……悪魔の罠だよ!(セルフツッコミ)前回よりも格段に取りや
   すい位置に積まれてて俺でもいけそうだ)

雪ノ下「ッ!……」

八幡(ならば)

八幡「お前、へったくそだな」

雪ノ下「なっ……そこまで言うのならあなたは相当うまいのでしょうね」

八幡「まぁ見ててみ」

八幡(神よっ・・・・・!俺を祝福しろっ・・・・・・!)

八幡「ほっと…あ」

八幡(ぐにゃ~)

雪ノ下「…ふふっ」

八幡「え?」

雪ノ下「ふふふ……ぜ、全然ダメじゃないの、比企谷くん」

八幡「待って、もう一回やらせて」

雪ノ下「ええ、あれだけの大口を叩いたのだから取ってみなさい」

八幡(クレーンと呼吸を合わせろ…ここだっ!オーバー…じゃなかった、あ、でもいけそう)

八幡「いい感じだな」

雪ノ下「あら」

八幡(おぉ、取れた取れた)

雪ノ下「…やるわね」

八幡「あぁ、ほれ」

雪ノ下「なにかしら」

八幡「俺いらねぇし」

雪ノ下「………あ、あなたに施しを受けるつもりはないわ、自分の糧くらい自分で」

八幡「いいんだって、俺が持ってても不気味なだけだし、それにそんなに嫌なら俺が今ここでそれを落とすから
   拾ったことにすればいいだろ」

雪ノ下「そんな惨めな真似はしないわ」

八幡「いいから、ほれ」

雪ノ下「…では、仕方なく私が預かるわ」

八幡「そうしてくれ」

雪ノ下「……ふふ」

八幡(さて…そろそろ来るぞ…来るか…来るか……?)

陽乃「あれー?雪乃ちゃん?あ、やっぱり雪乃ちゃんだ!」

八幡(来たあああああああああああああああああ!!)

雪ノ下「姉さん」

八幡(やっぱり来ちゃったよーもー、なんでかなー)

陽乃「こんなところでどうしたの?ってこの子、すっごい嫌そうな顔してるけどなんで?」

八幡(あ、あまりにも嫌すぎて顔に出てたか)

八幡「い…いいえ、あのー、雪ノ下のお姉さんでいいんですか?」

陽乃「そうだよ!で、君は?雪乃ちゃんの彼氏かな?」

八幡「いいえ、同級生です」

陽乃「またまたーそんなこと言ったら雪乃ちゃん泣いちゃうよ?」

八幡(…あれ?心なしか前回より雪ノ下がさらに鋭い目つきで睨みつけてる気がするな、どうでもいいけどファイヤーの
   にらみつける使ったことある奴っているの?)

陽乃「おっと、自己紹介してなかったね、私は雪乃ちゃんの姉の陽乃です、雪乃ちゃんとは仲良くしてあげてね?」

八幡「比企谷です」

八幡(あ、でもさすがに少しは耐性ついたな、どもりまくりというわけでもない)

陽乃「比企谷……へぇ」

八幡「なんですか?そんなジロジロ見てもなんもありませんよ」

八幡(少しくらいは反撃してやろう、アリが象を噛む程度だけど)

陽乃「ううん、比企谷くんね、よろしく」

八幡「はぁ…」

陽乃「…君、なんか不思議な雰囲気の人だね、妙に達観しているというか」

八幡「…え…え?」

八幡(な…何だこの人は!絶対にやばいって!おかしいでしょ!)

陽乃「でもお姉さん、君みたいな人嫌いじゃないよっ!」

八幡「そ……そうですか」

八幡(ダメだ、動揺を隠し切れない)

雪乃「姉さん、もういいかしら、特に用がないなら私達はもう行くけれど」

陽乃「うーん、そっか、まぁ今日は私も用事あるから退くよ、でも比企谷くん面白そうだからそのうち貸してね?」

雪乃「だから恋人ではないといっているでしょ」

陽乃「その辺もまた今度聞くからいいよ、それじゃあまたね?雪乃ちゃん」

雪ノ下「…」

陽乃「それと…」

八幡「…え?」

陽乃「お姉さんに隠し事は無駄だからね?比企谷くん」

八幡「別になんも隠してないっすよ」

陽乃「ほんと?…まぁそれならいいんだけど、またねっ」

八幡「はぁ……」

八幡(…どういうことだってばよ)


―自宅―

八幡「ただいまー」

八幡(…小町いないのか)

八幡(しっかしビビったね、雪ノ下さんやばすぎるよ、ヤバスギルラップって感じ、違うか)

八幡(結局、由比ヶ浜とは会わなかったな、これも川崎があの時点で予備校に行ってたのと同じ現象なのか?
   バタフライ・エフェクトだっけ)

八幡(しかし、これであんまり調子こいてるとイレギュラーに潰される可能性があるってことがわかったな、気を
   つけよう)

八幡(…って、だから別に夢なんだから…いいや、うん、そろそろこの考えも捨てたほうがいいのかもしれん)

八幡(いや、別にこれが現実だと思い始めたとかじゃなくて、単純にそのほうが面白いかもと思ったからだけど)

八幡(正直、雪ノ下さんにこれ以上突っ込まれたらポロッと話してしまう可能性がある、まぁ多分『厨二乙』とか言わ
   れるだけだろうとは思うが…あの人はそんなこと言わないか)

八幡(まぁそんなことばっか考えててもな、今日の雪ノ下、結構かわいかったし、それでチャラということにして
   おこう)

小町「ただいまー」

八幡「おう、お帰り」

小町「あ、お兄ちゃんいたんだ」

八幡「俺がこの時間にいないと思うか?」

小町「ううん、ぜんぜん……と、この前までは思ってたんだけどね、最近は違うかなー」

八幡「どういうこと?」

小町「えーっとねー……ううん、やっぱりいいや、小町じゃ説明できなさそうだし」

八幡「そうか」

小町「さてと、晩御飯何にする?」

八幡「食いに行こうぜ」

小町「あら珍しい、まぁでもそうだね、小町もちょっと疲れたし」

八幡「どこ行ってたんだよ」

小町「当ててみ?でもお兄ちゃんも知ってる人と遊んでたよ」

八幡「大志か?大志なのか?」

小町「違うよ、お兄ちゃん、顔がキモい」

八幡「でも俺が知ってるのなんて相当絞られるぞ」

八幡(雪ノ下は俺といたし、川崎は大志が違うならなさそうだ、材木座…ない、すると…」

八幡「…由比ヶ浜か?」

小町「ピーンポーン!」

八幡「え、どこで知り合ったんだよ」

小町「この前総武校の近くで遊んでたらたまたま会ってさ、それで由比ヶ浜さんのほうから声掛けてくれたんだよね」

八幡「へー」

八幡(これがアトラクタフィールドってヤツですか)

小町「でもお兄ちゃん、由比ヶ浜さんとちゃんと会えてたんだね」

八幡「まぁ同じ部活の部員だし」

小町「へぇー、すっごい偶然だねー、なんか最近はお兄ちゃん関係だとこんな事ばっかだね」

八幡「たまたまだろ」

小町「そっかな…まさか…運命じゃないの!?お兄ちゃん!」

八幡「ないない」

小町「いやー、大志くんのお姉さんと言い由比ヶ浜さんと言い、お兄ちゃんもやりますな~」

八幡「置いていくぞ」

小町「あっ、待ってよお兄ちゃん!」

八幡(…小町もなんか感付き始めてるのか?いや、雪ノ下さんならまだしも、小町にそんなことはないだろ)

小町「何食べに行くの?」

八幡「そうだな、じゃあラーメン」

小町「さすがお兄ちゃん、小町が食べたいものわかったんだ」

八幡「おお、やるな俺」

小町「それじゃ行こっ」

八幡「おう」

八幡(…大丈夫だよな)

今日はここまでにして寝る

それじゃあ見てくれた人ありがとう、おつかれさん

どうも、>>1です

少しだけ寄り道した後にようやく四巻に突入するよ、次レスから↓

―部室―

八幡(ユーギ部との大富豪勝負は終わらした、負けたが、そして今日は…)

雪ノ下「由比ヶ浜さん、ちょっといいかしら」

由比ヶ浜「え?どうしたの?ゆきのん」

雪ノ下「これを」

由比ヶ浜「え?なにこれどうしたの?」

雪ノ下「あなたへの誕生日プレゼントのつもりなのだけれど」

由比ヶ浜「え!?ゆきのんあたしの誕生日知ってたっけ!?」

雪ノ下「えぇ、あなたのメールアドレスに0618と入っていたからおそらく今日ではないかと思って」

由比ヶ浜「ありがとー!ゆきのーん!」

雪ノ下「ちょ、由比ヶ浜さん抱きつかないでちょうだい」

由比ヶ浜「ゆきのーん!」

雪ノ下「…ん」

由比ヶ浜「開けてみてもいい?」

雪ノ下「ええ」

由比ヶ浜「あっ!エプロンだー!かわいい!」

雪ノ下「そうかしら、気に入ってもらえたのなら嬉しいわ」

由比ヶ浜「うん!ホントありがとね!ゆきのん!」

雪ノ下「…ここまで喜ばれると逆に不安になるわね」

由比ヶ浜「なんで!?」

雪ノ下「いいえ、少し嫌な思い出が……」

八幡「いや、由比ヶ浜は大丈夫だろ」

雪ノ下「そう…ね、ごめんなさい由比ヶ浜さん、少しでもそんなことを考えてしまった自分が恥ずかしいわ」

由比ヶ浜「ううん、気にしないでゆきのん」

雪ノ下「それとケーキも焼いてきたのだけれど」

由比ヶ浜「ホント!?」

雪ノ下「ええ、これよ」

由比ヶ浜「うわー!おいしそう!食べていい!?」

雪ノ下「ええ、今切り分けるわ」

由比ヶ浜「あ、あたしも手伝うよ」

雪ノ下「切り分けるだけだから大丈夫よ、それに今日の主役はあなたなのだから座っていて、由比ヶ浜さん」

由比ヶ浜「う、うん、じゃあお言葉に甘えて…へへ、楽しみだな~」

八幡(…で)

由比ヶ浜「あ~、おいしかったぁ」

雪ノ下「それはよかったわ、それでは行きましょうか」

由比ヶ浜「え?なになに?まだなんかあるの?」

雪ノ下「ええ、彼がカラオケボックスの予約をしていたわ」

由比ヶ浜「え?ヒッキーが?」

八幡「あ?お、おう」

八幡(どうせ行くんだしな)

由比ヶ浜「あ…ありがとうヒッキー、へへ、なんか変な感じだなー」

八幡「感謝しろよ、知らない人と会話するのスゲェ怖かったんだから」

由比ヶ浜「そんなことないでしょ…でもありがとね、ヒッキー」

八幡「おう」

八幡(まぁな、戸塚も来るし、戸塚も来るし、それに戸塚も来るんだしな)

雪ノ下「比企谷くん、あなたは」

八幡「あ、いや、俺はあとで渡す」

雪ノ下「そう」

由比ヶ浜「なになに?どうしたの?」

八幡「いいや、なんでもない」

由比ヶ浜「…?」

雪ノ下「それでは私は部室の鍵を返してくるわ、先に校門へ向かっていてちょうだい」

由比ヶ浜「うん!じゃあ先行ってよ?ヒッキー」

八幡「おう」

由比ヶ浜「あ、おかえり、ゆきのん」

雪ノ下「ええ」」

由比ヶ浜「それじゃあ行こっか」

八幡(さ~て、そろそろ)

材木座「ふっはっはははっ!八幡っ!」

八幡(あ、忘れてた)

由比ヶ浜「でもヒッキーがカラオケの予約とかさぁ」

八幡「んだよ」

材木座「ぬ?クククククッ、八幡……」

由比ヶ浜「なんかさ…はははっ!やばい!想像できないわっ!」

八幡「うっせーなー」

材木座「ほむん、……は、八幡?もしもし?」

由比ヶ浜「っていうかさ、その…」

八幡「ん?」

由比ヶ浜「ヒッキーはプレゼ」

材木座「ジャアッスタモーーーメンッ!ドンッリリィ!」


雪ノ下「きゃあっ!」

由比ヶ浜「うひゃあ!」

八幡「うおおっ!びっくりしたぁっ!……んだよ、材木座かよ、なに、いたの?」

八幡(なんだかんだ良い奴である材木座、うっざいけどな)

材木座「ゴラムゴラム!いたかと聞かれ」

八幡「由比ヶ浜、悪いがコイツも連れてっていいか?」

材木座「なぬっ!?どういうことだ八幡!…っていうかどこに?」

由比ヶ浜「え?中二も?」

八幡「おう、まぁコイツには借りが…じゃねぇや、とりあえずここで会っちまったからな、追い返すほうが面倒臭い
   んだ」

八幡(この後なんだかんだでコイツにゃ助けられるんだよな)

由比ヶ浜「うん、別にヒッキーが誘いたいんならいいよ」

八幡「ありがとうな、そういうことだ、お前暇なら由比ヶ浜の誕生日祝にカラオケ行くんだが、どうだ?」

材木座「え?我誘われてるの?」

八幡「なんだ、行かないのか」

材木座「行く…行く行く!」

八幡(ドロップみたいな絡みになってしまった、世間では嫌われモードの品川だが、実は俺は別に嫌いじゃないんだ
   よな)

雪ノ下「あなたが人を誘うなんて意外ね」

八幡「まぁ、たまにはな」

由比ヶ浜「あ、さいちゃんだ」

八幡「よし、誘おう」

由比ヶ浜「ヒッキーはや!ってかさいちゃん来るの知ってたの!?」

八幡(しまった、思わずやってしまった)

八幡「と、とにかくいいよな?材木座がいいんだから戸塚がダメな理由なんてどこにもないよな」

由比ヶ浜「ヒッキー言い方…まぁいいよ、むしろあたしが誘おうと思ったし」

材木座「あれ?我の時とちがくない?ねぇ、ちがくなーい?」

八幡「うるせぇ材木座!じゃあちょっと待っててくれ!」

雪ノ下「…比企谷くんってあんなに声が出せる人間だったのね」

由比ヶ浜「てか足はやっ!」

ごめん、ご飯の時間だ

食べた、再開、次レスから↓

―カラオケ店―

八幡「悪いな、戸塚、無理に誘っちゃったみたいで」

戸塚「ううん、そんなことないよ、ぼくも由比ヶ浜さんにプレゼント渡しに行こうと思っていたし」

八幡(あぁ、相変わらずの笑顔だな)

雪ノ下「あなた、目が棒みたいになっているわよ」

八幡「あ?あぁ」

雪ノ下「まったく」

由比ヶ浜「じゃあ入ろっか」

八幡「おう…って小町、先についていたのか」

小町「お、お兄ちゃん、それに結衣さんと雪乃さんも」

由比ヶ浜「あ、小町ちゃんやっはろー!」

雪ノ下「やっ…お久しぶりね」

八幡「なんだ、小町お前雪ノ下のことも知ってたのか」

小町「うん、ちょっと前に結衣さんと遊んだ時に一緒にねー」

八幡「へぇ」

八幡(やっぱどう転んでも知り合うのか)

小町「おや、知らない顔がひぃふぅ…また女の子?お兄ちゃんホントどうしちゃったのさー」

八幡「いいえ、男の子です」

小町「へ?いやいや、そーゆーのいらないってば」

戸塚「ごめんね?ぼく、男の子なんだ」

小町「なん…だと?」

八幡「それより受付ってまだだよな、ちょっと行ってくる」

由比ヶ浜「あ、あたしも行くー」

材木座「ふむ、では我も」

八幡「いや、別に一人でいいよ」

由比ヶ浜「そ、そっか」

材木座「待って八幡、したらば我の居場所がなくなる」

八幡「知らん、メルマガでも見とけ」

材木座「いや、聞きたいことが…」

八幡「妹のことだったらお前の右腕を二度と動かないようにするぞ」

材木座「んぐっ…とっ!とりあえず我も行くぞっ!」

八幡「うるせぇな、わーったよ」


八幡(…で)

一同「…」

八幡(また戸塚に音頭を取らせるのか?いいや、そんなわけにはいかない)

八幡「あー…えーっと、由比ヶ浜おめでとう」

由比ヶ浜「あ…ヒッキー…」

雪ノ下「おめでとう、由比ヶ浜さん」

戸塚「おめでとう」

小町「おめでとうございますー!」

材木座「ふむ、賀正」

八幡「だから賀正はちげーっての」

材木座「だ・か・ら?」

八幡「いや、間違えた」

由比ヶ浜「ははっ、じゃあ火消すね?」

小町「どうぞ!」

由比ヶ浜「ふぅーーー」

小町&戸塚「いえーい!」

由比ヶ浜「ありがとーっ!」

一同「……」

八幡(また沈黙)

由比ヶ浜「…って何この空気!お葬式!?」

八幡(またあれやるのか…)

―帰り道―

八幡(奴らは先に帰った)

由比ヶ浜「珍しいね、ヒッキーがあたしのこと呼び止めるなんて」

八幡「あ?あぁ、まぁこれ渡してなかったからな」

由比ヶ浜「え?なになに?」

八幡「ほれ」

由比ヶ浜「あっ…これ」

八幡「プレゼントだよ」

由比ヶ浜「ありがとう…」

八幡「おう」

由比ヶ浜「開けて…いいかな」

八幡「どうぞ」

由比ヶ浜「なにかな~、あ」

八幡「…」

由比ヶ浜「これあそこのショップのやつじゃん」

八幡「なんだ、知ってたのか」

由比ヶ浜「でも高かったんじゃないの?」

八幡「いいや、そこまでは」

由比ヶ浜「そっか…へへ、ありがとうヒッキー」

八幡「まぁ気に入らなかったら別に」

由比ヶ浜「ううん、そんなことない、それに結構気になってたやつだからさ…うれしいな」

八幡「そうかよ」

八幡(暗くて良く見えんが、笑ってんのか?)

由比ヶ浜「着けて…くれる?」

八幡「…え?」

由比ヶ浜「だーかーらー…ネックレス」

八幡「あ…あぁ」

八幡(予想外です)

由比ヶ浜「ねぇ」

八幡「わーってるよ…ほら」

由比ヶ浜「どう?似合ってる?」

八幡「女子のファッションには疎いんだ、正直わからん」

由比ヶ浜「見た感じでわかるでしょ」

八幡「………まぁ、俺が選んだ割にはいいんじゃねぇの?」

由比ヶ浜「そっか…へへ、ありがとう…なんか照れるなぁ」

八幡「こっちのがこっ恥ずかしいっての」

由比ヶ浜「今度さ」

八幡「うん?」

由比ヶ浜「今度お礼したいからさ、メルアド教えてよ」

八幡「あれ、教えてなかったっけか」

由比ヶ浜「何言ってんの?ヒッキー」

八幡(あ、そうでした)

八幡「ほらよ」

由比ヶ浜「あぶなっ…ってかそんな簡単に人にケータイ渡していいの?」

八幡「別に見られて困るもんはいってないしな」

由比ヶ浜「ヒッキーっぽいなぁ」

八幡「いやぁ」

由比ヶ浜「褒めてないよ」

八幡「…んじゃあ、俺帰るわ」

由比ヶ浜「あっ」

八幡「んだよ」

由比ヶ浜「せっかくだし、送ってってよ」

八幡「えぇ?」

由比ヶ浜「いいじゃん、あたし誕生日なんだしさぁ」

八幡「都合のいいように使いやがるな」

由比ヶ浜「いいじゃんいいじゃん、ほらっ!」

八幡「あっ、おい手を引っ張るなよ」

由比ヶ浜「ヒッキーが遅いからでしょ?」

八幡「…ったく」

八幡(なんか前回と比べて随分変わったな)

由比ヶ浜「ヒッキー手冷たいねぇ」

八幡「ほっとけ」

八幡(手が冷たい人間は心が暖かいんだぜ)

今日はここまでにするわ

っていうのも書いてる途中で留美の話の別の解決法が思いつかなかったからなんだけど
考えつくまでちょっと待っててごぜ

それじゃあ見てくれた人ありがとう、おつかれちゃーん

どうも、>>1です

それじゃあゆっくり書いてく、次レスから↓

八幡「千葉村にやってきた!」

小町「いきなりどうしたの?お兄ちゃん」

八幡「いや、なんか言っておかないといけない気がしてな」

小町「…?」

八幡(さーて、どうしたものかな、やはり小学生を見てみぬふりはできん、かと言って前回と同じじゃつまらんしな)

校長「それでは、オリエンテーリングスタート!」

八幡(あぁ、始まってしまった)

ワイワイガヤガヤ

八幡(とにかく鶴見留美を探さない…ん?)

留美「……」

八幡(…?なぜアイツはすでに一人でいるんだ?)

由比ヶ浜「あれ、ヒッキーあの子」

八幡「うおっ、いきなりなんだよ、びっくりすんだろ」

由比ヶ浜「あ、ごめん、じゃなくてさ」

八幡「まぁ、わかってるよ」

葉山「俺、ちょっと行ってくるよ」

八幡「まぁ待て」

葉山「なんだい?」

八幡「俺には不特定多数の子供の役目は見れん、あっちを頼む」

葉山「あ、あぁ、わかった」

八幡「すまんな」

葉山「いや、いいんだ」

八幡(…さてと)

>>294 ミス 子供の役目は→子供の世話は

八幡「どうした、行かないの」

留美「…うん」

八幡「そうか」

留美「……怒らないの?」

八幡「なぜ、行きたくないなら行かなきゃいい、俺だってあまりにも行きたくなさすぎて遠足とかサボったこともある」

留美「…」

八幡「大体この集団行動って意味分かんないよな、なんでやりたくないことを」

雪ノ下「比企谷くん」

八幡「あれ、お前いたの」

雪ノ下「まさかあなたにそんなことを言われるなんてね」

八幡「いや、別にそういう意味じゃないんだが」

雪ノ下「わかっているわ、ところであなた、どうして行かないの?」

留美「……私、班決めの日に休んじゃったから、一緒の班の子知らない」

八幡「はぁ?教師は」

留美「パンフレット見ろって」

八幡「それは」

留美「持ってない」

八幡「…」

八幡(ちょっと待て、これはいくらなんでもひどすぎないか?)

雪ノ下「少しあなたの担任に話を聞いてくるわ」

留美「ううん、いいよ」

雪ノ下「…なぜかしら?」

留美「だって、私ラッキーだと思ってるもん、最初から行きたくなかったし」

八幡「…」

八幡(思い返せば、前回の留美は結局他人にひっついていたし、中学に行けば友達が出来るとも言っていた、つまり
   まだそういう希望的予測が出来たからこそ肝試しの時に周りを助けたとも考えられる、だが)

八幡(この留美は、何があったかは知らんがもはや希望を捨てたとかそういうレベルじゃない、絶望しているのだ、
   これほど人間関係に絶望したと言うセリフが似合う小学生がこの日本にはあとどれだけいるだろうか)

八幡「…一緒に行くか」

留美「は?」

八幡「いや、形だけでも参加しとかないとまずいだろ、だからお前と同じ班のメンバーを探すふりをしてしばらく
   やり過ごそうぜ」

留美「…いいの?」

八幡「なに、スタンプなら換えがいくらでもあるし、それを押しちまえば問題ない、それに誰かといるのが嫌なら一旦
   俺が中まで先導して出口の近くでゆっくりしてればいい、いいよな、雪ノ下」

雪ノ下「推薦できる案ではないけれどね、止めもしないわ」

八幡「そういうことだ、とりあえず行こうぜ」

留美「…うん」
   

八幡(…で)

留美「…名前、比企谷って言うの?」

八幡「おう、比企谷八幡、さっき雪ノ下が言ってたの覚えてたのか」

留美「うん」

八幡「お前は」

留美「鶴見、留美」

八幡「鶴見か」

留美「うん、留美でいい」

八幡「そうか」

留美「…八幡はさ、小学生の時の友達っている?」

八幡「いいや、いない」

留美「そっか」

八幡「やっぱ、友達欲しいの」

留美「ううん、私はいらない、でもお母さんが」

八幡「…そうか」

留美「どうして私と一緒にいるの?」

八幡「まだお前がゆっくりできる場所が見つかってないからだ」

留美「まわり、誰も居ないね」

八幡「周りに見られて特別扱いされてると思われるのもムカつくだろ、そういう道を選んでんだよ」

留美「でもしてるよ」

八幡「だから見られないようにしてる」

留美「そっか」

八幡「…」

留美「私ね、小学生の時はもう友達出来ないってわかったから中学校で作ろうって、最初は思ってたの」

八幡「ほう」

留美「でもね、わかったんだ」

八幡「…?」

留美「どうせ、中学校に来るのもああいう子ばっかりなんだって、そしたらあのへんとは違う私はまた仲間はずれに
   されちゃうの」

八幡「小学生でその境地に達するなんてやるじゃねぇか、俺は中学行ってもそう思ってたからさらに痛い目を見た」

留美「八幡ってバカだったんだね」

八幡「そうかもな、勝手に勘違いして勝手に告白して、勝手に落ち込んだ時もあったぞ」

留美「はは…変なの」

八幡「ほっとけ」

八幡「お、このへんなんていいんじゃないの、ゴールも見えるし、ちょうど段差になってるからお前くらいなら
   立ってても見つからなさそうだ」

留美「うん、ありがとう」

八幡「おう、それじゃあ終わるくらいに呼びに来る」

留美「…行っちゃうの?」

八幡「なに、一人でいるのが好きなわけじゃないの」

留美「別に、友達がいないから一人でいるだけだし」

八幡「…そうか」

留美「うん」

八幡(この留美は、きっとあいつらと夜の肝試しに参加しても、最初に爪弾きにされるだけで、きっと助けないだろう、
   まぁあれはアクシデントだったから別になくてもいい、そう思っていたが多分それじゃダメだ)

八幡(もし、こいつらが成長して向こうがなにかしらのアクションを起こしたとしても、留美はそれを蹴るだろう、それ
   じゃあ問題の解消どころか肥大にしかならん…なら少しでも……)

八幡「…留美」

留美「…?」

八幡「俺と友達になってくれないか?」

留美「えっ?」

八幡「まぁわかるとは思うが、俺も友達がいないんだ、だから寂しくてな」

留美「さっきの人は?」

八幡「ただの部員だ、それにアイツにはちゃんと友達がいる」

留美「…でも、どうせ今日と明日だけじゃん」

八幡「俺は友達できたことないからわからんが、アニメとかドラマだと離れても友達とかよく言ってるだろ」

留美「…そっか」

八幡「それに、まぁうちの学校が手伝うくらいだからな、案外学校も近いんじゃないの」

留美「…千葉なの?」

八幡「おう、千葉だ」

留美「そっか」

八幡「…嫌か?」

留美「……ううん、友達、なってあげる」

八幡「そうか、ありがとうな」

留美「初めてなの?」

八幡「おう、人生初だ」

留美「そっか」

八幡「…」

留美「…はい」

八幡「…?何この手」

留美「握手」

八幡「あ?あぁ…おう」

留美「よろしく、八幡」

八幡「あぁ、よろしくな」

―調理場―

八幡(あの後、留美と少しばかり話した後送り届けてきた)

八幡(向こうの学校の教師にプログラムの確認をだしにしてしおりを貰ってきた、これで留美の班のメンバーはわかった、
   つーか前回と変わってなかったが)

八幡(ま、多分俺が調べなくても夜の点呼とかでわかっただろうが、それであいつが目立つのは可愛そうだ)

八幡(幸いというかなんというか、今回の留美は葉山と絡んでいないし、周りにハブられているのが見えるわけではな
   いから、多分純粋に気にかけられてないだけなんだろう、俺みたいに)

八幡(それなら前回のようにこっちで留美をどうしようと言う話にはならない、俺だけで動ける)

八幡(そしてこの時間、どうせ、留美は俺が丘の上に登れば同じように来るだろう、幸い教師はミーティング中らしい
   し、昼食中はそれでごまかせばいい)

小町「あ、お兄ちゃん、それとってそれ」

八幡「え?…あぁ、どれだよ」

小町「それだよ、えーっと、油!」

八幡「あぁ、油ね、はい」

小町「さんきゅー」

雪ノ下「あの子に変なことしていないわよね、ロリ谷くん」

八幡「いきなりしてねぇよ、それとその気はないから安心しとれ」

雪ノ下「そう、ならよかったわ、実を言うと、あなたの目は犯罪者のそれに近しいものがあるからそれなりに心配して
    いたの」

八幡「そのそれなりが」どれだけだったかは知りたくないな」

雪ノ下「あら、残念ね」

八幡「おい、なんで本当に残念そうな顔をしてるんだよ」

雪ノ下「あら、顔に出ていたかしら、なるべく隠そうとしていたのだけれど」

八幡「それで隠す気があったんかよ、カメレオンなら種族として失格だぞ」

雪ノ下「その点あなたは完璧よね、絶対に見つからないものね」

八幡「その褒めてるように見せかけて存在感のなさを主張するのやめろよ」

雪ノ下「…ごめんなさい、忍谷くん」

八幡「そんなに達者じゃないでござるよ」

>>300 ミス いきなりしてねぇよ→いきなりなんだよ、してねぇ

八幡(…で)

平塚「比企谷、君も行きなさい」

八幡「いや、俺は火見てるんで」

平塚「火なら私が見ておこう」

八幡「そうすか」

平塚「うん、素直でいいぞ」

八幡「ども」

三浦「ヒキオ」

八幡「はい?うっ…」

三浦「そんな顔すんなし」

八幡「あ、あぁ」

八幡(なに、どうしたの一体)

三浦「さっきどっかでサボってたっしょ」

八幡「いや、別件で動いてた」

八幡(さすが女王、部下の行動を把握している、いや、俺は違うけど)

三浦「そーなん?」

八幡「あぁ、で、どうした」

三浦「姫菜も結衣も隼人も小学生の面倒見てっから暇なの、見りゃわかるっしょ」

八幡(戸部の名前がないんだが)

三浦「つーかさ、アンタあーしのポーチ探すの手伝って」

八幡「はぁ?」

三浦「多分そのへんにあるから、ほら」

八幡「いや、なんで俺が」

三浦「コート譲ってあげたっしょ?文句言うなし」

八幡(眼光が鋭いよ、怖いよ)

八幡「…わかりました」

三浦「見っけたら持ってきて、あーしそこのベンチ座ってっから」

八幡「えぇ…」

三浦「早くいけ」

八幡「…はい」

八幡(んだよ、普通に置いてあるじゃねぇか)

八幡「おい」

三浦「はや、もう見っかったん」

八幡「おう、これじゃねぇの」

三浦「そうそう、これ」

八幡「そんじゃ」

三浦「ちょっと待てし」

八幡「なに、まだなんかあんの」

三浦「はい」

八幡「っと…なにこれ」

三浦「そこの自販でミルクティー買ったらブラック出てきたから、あーしブラック飲めないっしょ?」

八幡(知らないっしょ)

三浦「だからあげる」

八幡「金は」

三浦「いい、あーしアンタより金持ってっから」

八幡「あぁ、そう」

八幡(言い方はムカつくが、やはりいい奴だな)

三浦「…ヒキオさ」

八幡「ん?」

三浦「別にブサイクじゃないのになんで友達いないん?普通に出来そうじゃん」

八幡「さぁな、性格だろ」

三浦「あ!それだわ!ヒキオちょーウケるしっ!」

八幡「そらよかった」

三浦「あっはははははは!」

八幡(どこにツボったんだよ)

三浦「あーウケたわ」

八幡「もう行っていいか?」

三浦「別に、あーしもそろそろ行くし」

八幡「そうか、じゃあ先戻る」

三浦「んー」

八幡「…コーヒー、ありが…とう」

三浦「気にすんなし、ハズレ捨てんのとか普通っしょ、それをたまたまヒキオにあげただけ」

八幡「そうか、んじゃな」

三浦「さっきも聞いたっつーの」

八幡(失礼こきやした)


八幡「……」

留美「なにしてんの」

八幡「ん、なんかしてるように見えるか?」

留美「見えない」

八幡「そういうことだ」

留美「へぇ」

八幡(なんでナチュラルに俺の隣に座るの)

留美「戻ってもすることないからここにいる」

八幡「そうか」

留美「ご飯、どうしよっかな」

八幡「周りが食い終わった頃に戻ればいい」

留美「八幡は?」

八幡「俺は…まぁ、俺も気まずいからあいつらが終わるまでここにいる」

留美「そっか」

八幡「…」

雪ノ下「なにをしているの?」

八幡「おう」

留美「…」

雪ノ下「あなた、大丈夫だったのね」

留美「…なにが?」

八幡「この男に関わって無事で済んでよかった、ということよ」

八幡「いや、俺とか変わった奴がほぼ無傷で済まなかったみたいな言い方すんなよ、そもそも人と絡んでねぇ」

雪ノ下「そういえばそうだったわね」

留美「…そっちの人も、八幡と同じ感じがする」

雪ノ下「意味によっては私も反論させてもらうわよ」

留美「…?」

八幡「おい、あんまイジメんな」

雪ノ下「…ごめんなさい、あなたと似ていると言われたことがあまりにもショックで…」

留美「ううん、よくわかんないけど大丈夫」

八幡「俺にはないの」

雪ノ下「なにを言っているの?クズ谷くん、あなたに謝る理由があったかしら」

留美「ねぇ」

雪ノ下「なにかしら」

留美「あんま、八幡のこと言うのやめてよ」

雪ノ下「…!?」

八幡「あぁ、いや、別に俺は大丈夫だからな、気にすんな」

留美「…うん」

雪ノ下「ど…どういうことなのかしら」

留美「さっき友達になった」

雪ノ下「そ…その男と?」

留美「うん」

雪ノ下「…比企谷くん、もう遅いでしょうけど警察に行きましょう」

八幡「遅ぇのかよ」

由比ヶ浜「ゆきのーん…ってあれ、ヒッキーとさっきの子」

八幡「おう」

雪ノ下「由比ヶ浜さん…」

由比ヶ浜「ゆきのん?どうしたの?顔色悪いよ?」

雪ノ下「とうとう比企谷くんが犯罪を…」

由比ヶ浜「えぇっ!?ヒッキー!何したの!?」

八幡「いや、俺は別に」

留美「その人、私が八幡と友達になったって言ったらそうなったの」

由比ヶ浜「えっ…」

八幡「お前もかよ」

留美「…八幡ってもしかして私より嫌われてたの?」

八幡「いや、そんなはずはない、好きの反対は嫌いじゃなくて無関心のはずだからな」

雪ノ下「…」

由比ヶ浜「…」

留美「…?」

八幡「…」

八幡(なにこれ)

―ベースキャンプ―

八幡「いただきまーす」

八幡(あの後、雪ノ下と由比ヶ浜はこれでもかというくらいに俺を疑い、そしてそのたびに留美が弁護をはさむ
   という謎の泥試合が展開された)

八幡(…やばい、ルミルミが良い奴すぎて泣きそう)

戸塚「あれ、八幡」

八幡「んなっ!と…戸塚!?」

戸塚「うわぁ!ど、どうしたの八幡、いきなり大きな声だして」

八幡「あ、あぁ、すまん、少し驚いてしまってな」

戸塚「そっか、あっそうだ、ぼくもいただきまーす」

八幡「ん、戸塚も今から飯か?」

戸塚「うん、小学生の子が指切っちゃってさ、医務室に連れて行ってたら時間かかっちゃって」

八幡「そうか、戸塚は偉いな」

戸塚「ううん?そんなことないよ」

八幡「いいや、そんなことあるさ」

戸塚「それだったら八幡だってそうだよ」

八幡「…?俺が?」

戸塚「うん、だってさっき小学生の女の子と一緒にいてあげてたじゃない、あ、おいしい」

八幡「あ、あぁ、あれは別に面倒を見てたわけじゃないんだ」

戸塚「ん?そうなの?」

八幡「あぁ、だからあげてたっていい方はちょっと違うかな」

戸塚「ふぅーん、仲良くなったんだね、さすが八幡」

八幡「はは、照れるな」

戸塚「あ、このじゃがいも僕が切ったんだよ」

八幡「そうなのか」

戸塚「おっきすぎないかな」

八幡「あぁ、ちょうどいいと思うぞ」

戸塚「そっかぁ、よかったぁ」

八幡(あぁ、天使が俺の目の前におられる…)

戸塚「…ふぅ、おいしかったぁ」

八幡「そうだな、ごちそうさま」

戸塚「うん、やっぱりみんなで作るとおいしいよね」

八幡「あ…んまぁ、俺は火見てただけなんだけどな」

戸塚「でも八幡、お皿洗いしてたじゃん」

八幡「料理関係ないぞ?」

戸塚「ううん、すごく助かったよ、ありがとね?」

八幡「お、おう…その皿も俺が洗っておくよ、こっちよこしてみ」

戸塚「え?そんな、八幡に悪いよ、ぼくがやるよ」

八幡「いいや、戸塚は遠くまで歩いて疲れてるだろ?そのくらい俺にやらしてくれ」

戸塚「そっか、それじゃあお願いね?」

八幡「任せろ」

八幡(皿洗い程度で何を任せるんだっつーの、俺はバカかっ!)

戸塚「終わるまで待ってるね?」

八幡「そうか?先戻っててもいいんだぞ?」

戸塚「八幡だって、ぼくが食べ終わるの待っててくれてたでしょ?だからおあいこだよ」

八幡「わかった、ならなるべく早く終わらすからちょっと待っててくれ」

戸塚「あんまり急いだら危ないよ?」

八幡「大丈夫だ…って」

戸塚「八幡!?大丈夫?」

八幡「あぁ、包丁で切れちゃったみたいだ」

戸塚「ほら、言ったそばからぁ」

八幡「すまんな」

戸塚「はい」

八幡「…?」

戸塚「絆創膏貼ってあげるよ、さっき予備で何枚かもらったんだ」

八幡「お…おう、すまんな、頼む」

戸塚「ちょっとまってね?」

八幡(俺は何をやってるんだ!でも指切っただけで戸塚に絆創膏を貼ってもらえるなら安すぎるだろ、なに?ポイント
   還元なの?お客様感謝デーなの?あ、天使様でした☆)

戸塚「はいっ、あとはぼくがやるよ」

八幡「いや、もう大丈夫だ、それにあとは流すだけだしな」

戸塚「それじゃあぼくも手伝うよ、一緒にやったほうが早いしね」

八幡「あ、ありがとうな、戸塚」

戸塚「ううん?気にしないで?」

八幡(これは俺、明日死ぬな)

―夜―

八幡(やはり俺には戸塚の隣で寝るなんて無理だった)

八幡(…というわけで外に出てきたわけだが)

八幡「…」

八幡(会議がないから雪ノ下と三浦が喧嘩することはなく、誰も居ません)

海老名「あれ?比企谷くん」

八幡「ん?あっ」

海老名「どうしたの?こんなところで」

八幡「いや、別に」

八幡(予想もしなかった奴が来たな)

海老名「ふぅん」

八幡「…」

海老名「静かだねー」

八幡「そうですね」

海老名「あっ、あれが織姫と彦星なんだよね」

八幡「あ?あぁ、多分」

海老名「なんで昔の人はあれを織姫にしちゃったんだろうね」

八幡「…え?」

海老名「もしもう一人も男の子だったら二人は年に一年だけの友情を図り合って…グフフ」

八幡「あっはい、そーっねー」

海老名「そういえば、なんか最近は比企谷くんのヘタレオーラが薄れてきてるからちょっとハヤハチは厳しくなっちゃ
    ってるんだよねー」

八幡「いや、本人目の前にしてなにを」

海老名「でもそのかわりにハチハヤのほうが…ゲヘヘ」

八幡(三浦、来てくれー)

海老名「…うーん」

八幡「…ん?なんすか、ジロジロ見て」

海老名「ううん、やっぱりヘタレオーラが足りないと思うんだよね」

八幡「それはどう捉えるべきなんすか」

海老名「もちろん、私が残念がってるって思ってほしいな」

八幡「はぁ」

八幡(そういえばこの人とも一悶着あるんだよなぁ…)

海老名「そういえば、他の三人は?」

八幡「あぁ、部屋で寝てるんじゃないすかね」

海老名「比企谷くんは寝ないの?」

八幡「まぁ、昼間働かなかったせいであまり疲れてないんで」

海老名「ふぅん…そっか」

八幡「なにがすか」

八幡(あ、しまった)

海老名「本当は比企谷くんに惚れている戸塚くんだけど、二人の強気な男に迫られて…んばぁ!」

八幡「あ、ちょ、大丈夫っすか」

八幡(妄想で鼻血吹き出すとか何迅社だよ、ゆっりゆららしてんの?)

海老名「うん、大丈夫」

八幡「俺ティッシュ持ってますから、はい」

海老名「うん…っほ、あびがとうで?びびがやぐん」

八幡「無理に喋るとまた出ますよ」

海老名「…ぐふ」

八幡「ストップでお願いします」

海老名「えーっ…っしゅ…」

八幡「取って大丈夫なんすか?」

海老名「うん、止まったよ」

八幡「そうすか」

海老名「それにしても、比企谷くんってそんなに喋るキャラだったんだね、結構見てたけどわかんなかったな」

八幡「俺を見てたんすか?」

海老名「うん、妄想のネタとしてね、ごちそうさまです」

八幡「もうやめてくださいよ」

海老名さんが「ヒキタニくん」と呼ばないのは何かの伏線か?

海老名「さてと、そろそろ私戻るね?」

八幡「はぁ」

海老名「おやすみ」

八幡「おやすみっす」

海老名「…あっ、そういえば」

八幡「…?なんです?」

海老名「昼間の女の子、大丈夫だった?」

八幡「え?」

海老名「比企谷くん、はぐれちゃった子の班探してあげてたんじゃないの?」

八幡「あ、あぁ、まぁそんなところです」

海老名「面倒見いいんだね」

八幡「そんなことないっすよ」

海老名「そうかな」

八幡「ええ」

海老名「それじゃあ今度こそ戻るよ」

八幡「わかりました」

海老名「おやすみ」

八幡「はい」

八幡「…」

八幡(見られてたんだな、黙っててくれたのか…まぁあの人ならなんとなく言いふらしたりしなさそうな気もするが)

八幡「…」

八幡(戻るか)

>>314
多分だけど、この世界では葉山が八幡をヒキタニと呼んでないからっていう設定なんだけど、やっぱ
おかしいかね

今日はここまでにする、見てくれた人ありがと、おつかれちゃーん

どーも、>>1です

ちょっぴり書くよーん、次レスから↓

―翌日―

八幡(…一応水着は持ってきたんだがな、入らないでルミルミを待つことにしよう)

八幡(はっはっは、戸塚はかわいいなぁ)

留美「…八幡」

八幡「ん、よっ」

留美「うん」

八幡「昨日の夜はどうだった」

留美「うん…いつもどおりだよ」

八幡「そう…ん」

留美「…うん、いつもどおり」

八幡「おい、留美これ」

留美「なに?八幡」

八幡「なにじゃないだろ」

八幡(留美の腕が明らかにおかしい、なんだこのあざは)

八幡「…留美」

留美「……」

八幡「話したく、ないことか」

留美「だって、いつもどおりだったよ」

八幡「これがいつもどおりだとっ!?」

留美「…っ」

八幡「…すまん、あいつらが見てる、場所を変えてもいいか?」

留美「別に、どこでも同じだし」

八幡「じゃあ行くぞ」

留美「うん」

八幡(…で)

八幡「おら、とりあえずこれ、包帯巻け」

留美「うん…」

八幡(クッソ、なんで気づかなかったんだ…)

八幡(服装の違いなんて、些細なこと過ぎて気にしてなかった、いや…気づけなかったんだ…)

八幡(単純に虫刺され対策で長袖を着ていると思っていた…だが…そんなことにも気をつけるべきだった…!)

八幡(今回初めて会った地点で、前回と違ったのは明らかだった!なぜ目に見える事をされていないのに留美は人を
   避けた?なぜ何もされていないのにアレほどまでに絶望していた!?そしてなぜ俺はそれらに目を向けられなか
   ったんだ!)

八幡(油断どころの騒ぎですまされる問題じゃない、これは明らかに俺のせいだ、昨日気づいてやれれば少なくともこの
   あざは出来なかったはずだ!)

八幡(最悪だ…かつて俺がこれほどまでに怒りを覚えたことはない…誰にだって?自分自身に決まっている!)

八幡(それも、人生で初めて出来た友達だぞ?ふざけるなっ!)

八幡(思い返せば、シグナルはあった!あの握手だ、普通するか?小学生が、それも周りを避け続けている子供が!
   どう考えてもあれは俺へのSOSだっただろうが!)

八幡(俺は…初めて俺を嫌いになった…ははっ、雪ノ下、由比ヶ浜、俺が傷つくのを見ていられない?)

八幡(俺が自分を守った結果がこれだっ!初めての友達だぞ!それなのに…俺は…)

八幡「…うがああああああっ!!」

留美「…ッ!!?ど、どうしたの八幡」

八幡「す、すまん…留美…本当にすまない…」

留美「なにがよ、それより八幡の手が…」

八幡「こんなん…すぐに治る」

留美「でも…痛そうだよ?」

八幡「お前に比べれば…クソにも満たない程度だ、気にしないでくれ…」

留美「…」

八幡(……本当にすまない…留美…)

留美「…私は…大丈夫だから」

八幡「…」

留美「だから、八幡は気にしないでよ」

八幡「なら、なぜ今日は半袖のワンピースなんだ?」

留美「…」

八幡「俺は…その服装は俺に助けてもらいたいんだと解釈したい…いいや、絶対にそうであって欲しい」

留美「…ごめんね」

八幡「どうして謝るんだ?」

留美「…」

八幡「俺は…お前を助けたい…」

留美「いいよ、いつものことだから」

八幡「やめろ」

留美「本当に…ひっ……あいじょう……」

八幡「やめるんだ、留美」

留美「……っく…だっえ…あちあんが……」

八幡「俺に助けを求めろ」

留美「…へぇ?」

八幡「いや、頼む、留美」

留美「…な…に?」

八幡「俺に、お前を…助けさせてくれ」

留美「…うっ…うん……」

八幡「まかせろ、絶対に俺がなんとかしてやる」

留美「うん…う……ん」

八幡「…泣いていいんだ、もう我慢するな」

留美「…ひっ……くっ……うぅ……」

八幡「…」

八幡(自分を捨てろ、徹底的に落ちろ、もう夢だとか現実だとか、そんなことは関係ない)

八幡(絶対に、コイツを助ける)

―数十分前―

由比ヶ浜「あれ?さいちゃん、ヒッキーは?」

戸塚「八幡ならそこの木のところに…あれ?」

由比ヶ浜「あれー?どこ行っちゃったんだろ」

雪ノ下「どうしたの?」

由比ヶ浜「あ、ゆきのん、ヒッキーがいなくなっちゃって」

雪ノ下「…別に大した事ではないと思うのだけれど」

由比ヶ浜「まぁ、そうだけどさ」

小町「ウチのごみいちゃんが迷惑を掛けてすいませんね」

由比ヶ浜「心配なんてしてないよっ!どうせヒッキーのことだし、一人で散歩でもしてるだけだと思うし」

戸塚「そうだね、八幡なら大丈夫だよ」

雪ノ下「すこし気にしすぎじゃないかしら」

由比ヶ浜「…うん、そうだねっ」

小町「あっ、小町一回日焼け止め取りにログハウスに戻るんでそのついでにちょっと探して来ますよっ」

由比ヶ浜「あ、それならあたしも」

小町「いえいえー、そんなこと結衣さんにはさせられませんよっ!おにいちゃんのことは小町に任せてくださいっ!」

由比ヶ浜「そ…そっかー、それじゃあ、お願いね?」

小町「あいあいさー!それじゃあ行ってきます!」

小町「お兄ちゃんはーどーこかなー」

八幡「……っ…」

小町「あっ、ログハウスの中に……ん?」

八幡「…うがああああああっ!!」

小町「…ッ!?え!?なに!?」

留美「でも…痛そうだよ?」

小町(そ…そーっと、窓際に……)

八幡「お前に比べれば…クソにも満たない程度だ、気にしないでくれ…」

小町(あれ、昨日の女の子…だよね)

留美「…私は…大丈夫だから」

八幡「なら、なぜ今日は半袖のワンピースなんだ?」

小町(…わんぴーす?お兄ちゃんなんの話を…)

八幡「俺は…その服装は俺に助けてもらいたいんだと解釈したい…いいや、絶対にそうであって欲しい」

小町(も…もうちょっと中を…)

八幡「俺は…お前を助けたい…」

小町「…!?」

小町(えっ?えっ?なんの話!?)

留美「本当に…ひっ……あいじょう……」

八幡「やめるんだ、留美」

留美「……っく…だっえ…あちあんが……」

小町(お兄ちゃんが泣かせた!?いやいや、状況からして違うでしょ!?)

八幡「俺に、お前を…助けさせてくれ」

留美「…うっ…うん……」

八幡「まかせろ、絶対に俺がなんとかしてやる」

留美「うん…う……ん」

小町(お兄ちゃんが…そんなことを…)

小町(お兄ちゃんが小学生を抱きしめてる…じゃないでしょ!一体どうしちゃったの!?雪乃さんとか結衣さんとかに
   話した方が…ううん、違うなー)

小町(とりあえず、お兄ちゃんに話を聞いてみなくちゃ)

ちょっと休憩

休憩おしまい、書く、次レスから↓

―食堂―

八幡(とりあえず、留美を医務室に連れて行き、簡単だが治療を施した)

八幡(留美はそのまま医務室のベッドに寝かせてきた、アイツはもう誰とも会いたくないと言っていたし、これで心配
   もないだろう)

八幡(…もう考える必要はない、そもそもそんな余地はない、いくらでも策はある)

小町「お兄ちゃん」

八幡「…ん、小町か」

小町「こんなところでなにしてんの?」

八幡「別に」

小町「みんな川で遊んでるよ?」

八幡「そうか」

小町「…」

八幡「…」

小町「なにがあったの?」

八幡「なんも」

小町「お兄ちゃん、今まで小町に嘘ついて通用したことがあった?」

八幡「さぁな」

小町「…ふぅ、あんまり言いたくなかったんだけどな」

八幡「なにを」

小町「さっき、お兄ちゃん、昨日の子と一緒にいたでしょ」

八幡「だから」

小町「隠さないんだね」

八幡「知ってんだろ?」

小町「そうだけどさ」

八幡「…で?」

小町「お兄ちゃん、いつになく冷たいね」

八幡「いつもどおりだ」

小町「ううん、違うよ」

八幡「…」

小町「でも、あんなことがあったんじゃ、普通じゃいられないよね」

八幡「…どっから見てた」

小町「お兄ちゃんが床殴ったところからかな」

八幡「そうか…」

小町「うん」

八幡「…」

小町「無駄だとは思うけどさ、一応もう一回何があったか聞いていいかな」

八幡「ダメだ」

小町「そっか」

八幡「…すまんな」

小町「ううん、大丈夫」

八幡「…」

小町「…でもね」

八幡「…?」

小町「小町にくらいは相談してほしいな」

八幡「くどいな」

小町「お願い」

八幡「無理だ」

小町「……」

八幡「…」

小町「あの子の腕の包帯、あれが原因?」

八幡「…」

小町「そうなんだね」

八幡「…」

小町「もうね、お兄ちゃんがなんかしようとしてるのはわかるよ、だって15年以上も一緒にいたんだもんね」

八幡「止めるな」

小町「別に止めないよ、小町は」

八幡「…」

小町「でも、最後にもう一回だけお願い」

八幡「…」

小町「お兄ちゃんがここで小町に言わなかったら、多分一生後悔すると思うよ」

八幡「……ふぅ」

小町「話す気になった?」

八幡「いいや、でも、ひとりごとを言う」

小町「わかった、でもそれを小町が聞いちゃっても文句は言わないでね」

八幡「お前が何を言っても、俺が考えを変えるつもりはないからな」

小町「わかってるよ」

八幡「…実は、俺は昨日生まれて初めて………」

小町「…そっか」

八幡「…」

小町「それじゃあ、小町は戻るね」

八幡「おう」

小町「口止めしないの?」

八幡「俺は信じてる」

小町「うっ…」

八幡「信じるぞ」

小町「……はぁ、そんなことお兄ちゃんに言われたら、誰にも言えるわけないじゃん」

八幡「そうか」

小町「うん」

八幡「じゃあな」

小町「うん、お兄ちゃんも少ししたら戻ってきなよ?」

八幡「気が向いたらな」

小町「そうしてね、小町、待ってるから」

八幡「おう」

小町「それじゃ」

八幡「ん」

八幡「…」

八幡(こればっかりは、いくら妹の頼みでも聞き入れる事はできん、すまんな、小町)

―夜―

八幡(肝試しの時間になったな、よし、作戦開始だ)

八幡(今回、俺は別にあのガキどもに何をしようという気はない)

八幡(相手は…)

担任「なにかな」

八幡(コイツ、留美の担任だ)

八幡「すいませんね、急に呼び出して」

担任「いや、君たちは僕の生徒の面倒を見てもらってるんだ、全然かまわないよ」

八幡「そうですか」

担任「うん、それで、話ってなんだい?」

八幡「あなたの生徒の鶴見留美、いますよね」

担任「あぁ、あの子がどうかしたのかい?」

八幡「実は、俺は…」

担任「…?」

八幡「俺は、あの子を殴って、彼女にあざを作ってしまいました」

担任「…え?」

八幡「あの子の腕に包帯が巻いてあるのを見ましたか?」

担任「そ…そりゃあ医務室に様子を見に行ったからね」

八幡「あれは、俺がやったんです」

担任「君はなにを言っているんだ!」

八幡「そのままです、あとでバレるのがめんどくさいので、今自分で言いに来ました」

担任「めんどくさいだと!?君は僕の生徒に何をしたかわかっているのか!」

八幡「…っ」

八幡(僕の生徒だぁ?ふざけろ)

八幡「当然です」

担任「ちょっと来なさい!君の担任の平塚先生のところへ行く!」

八幡「ええ」

担任「早くしなさい!」

八幡「すいません」

八幡(…で)

平塚「…本当かね、比企谷」

八幡「ええ」

担任「まったく!あなたのところの生徒はなにをやっているんですかっ!」

八幡(この話は当然そっちの小学校の生徒全員の耳に入るだろう、男子高校生が女子小学生に暴行?メチャクチャな
   事件だ、だが)

八幡(そんなことが知れ渡れば、当然留美の周りは何もしなくなるだろう、男子高校生に殴られた女子小学生にこれ
   以上いじめを続けるなんて、どう考えてもありえない、むしろ同情で留美と仲良くする人間も現れるだろう)

八幡(いじめを止めるにも、関係を壊すにも、きっかけにしてはありあまるほどの力がある、同情されるのが嫌なら
   ソイツらを蹴ればいい、相手だって、そんな事件に巻き込まれたからだと納得するだろう…だが)

留美「…」

八幡(なぜ留美を同席させる、コイツは関係ないだろ)

平塚「まさか、君がこんなことをするとはな」

八幡「本当にすいません」

平塚「君は、自分で殴ってこの子につけたあざの治療をしに昼間医務室まで来たのかね?」

八幡「ええ」

担任「どこまでふざければ気が済む!」

平塚「本当に申し訳ありません」

担任「謝って済む問題ですか!」

八幡「本当ですよ、なんで先生が謝るんですか」

平塚「なぜって、君が私の」

八幡「お願いです、先生は謝らないで」

平塚「…」

担任「なにを勝手な事を言っているんだ!この事は当然君の学校の校長にも通させてもらう!」

八幡「はい」

担任「まったく、誰に迷惑がかかると思っているんだ、なぜ僕が」

八幡「…おい」

担任「なんだその口の聞き」

八幡「今、なんと言いました?」

担任「はぁ?」

平塚「比企谷」

八幡「今あんた、なぜ僕がと言いましたよね」

担任「それがなんだ」

八幡「ふざけるな!!コイツのことを考えているなら!そんなことは口が裂けても言えるはずがないだろうが!!」

担任「…!?」

留美「…ちまん」

平塚「…ん、鶴見くん…だったかな、なんだね」

留美「八幡、もうやめてよ」

担任「鶴見、どうしたんだ」

留美「先生は黙ってて」

担任「…っ」

留美「なんで…そんなこと言うの…?」

八幡「なにが、俺がお前を殴ったからだ」

担任「それ以上言うつもり」

留美「先生は黙ってて!!」

担任「鶴見…」

留美「なんで…なんでそんな言うの?私、八幡のおかげで昨日は頑張れたのに…」

八幡「は?」

留美「昨日、八幡が友達になってくれたから、私はあの子達に何を言われても我慢できたの、だから向こうは私をなぐ」

八幡「おい、留美」

留美「だから!私はあいつらに何を言われても頑張れたの!八幡が友達になってくれたから!負けないで言い返せた
   の!だから殴られたの!」

八幡「…」

留美「八幡が居なかったら、私はまた負けてたよ、でも昨日は言い返せた、いつもはなにもできないで黙ったままで、
   でも言い返してあっちが手を出してきた時、初めて勝ったって思えたの、全部八幡のおかげだよ?」

八幡「留美…」

留美「なのに…なんでこんなことするの?私の事、本当は友達だって思ってなかったの?」

八幡「…」

平塚「…鶴見くん、少しいいかね?」

留美「はい」

平塚「君は、そのあざを比企谷にやられたわけではない、と言いたいのかね」

留美「はい、そうです」

平塚「それで、昨日の夜に君の同級生にやられたと」

留美「はい、殴られたのは初めてだけど、でもつねられたりボール当てられたりしてました」

平塚「つまり、君は…その、言い方はあれだが」

留美「大丈夫です」

平塚「……君は、いわゆるいじめを受けていたのかね?」

留美「はい、そうです」

担任「そんな…」

八幡「…」

留美「八幡、今日の昼に『俺に任せろ』って言ったよね」

八幡「…」

留美「それなのに、なんで八幡が私の友達をやめようとするの?」

八幡「そんなことしてない」

留美「同じだよ、だってこのままみんなに言われちゃったら、八幡はもう今までどおりにはいられなかったもん」

八幡「……」

留美「友達ってどういうのか私はわからないけど、でも八幡がこんなことするの、見てられなかった」

八幡「…すまん」

留美「…うん、いいよ、だって謝ったら仲直り出来るのが、多分友達って思うもん」

八幡「…」

平塚「比企谷、君にはのちのち話を聞かせてもらうぞ」

八幡「…はい」

平塚「それよりも、今は解決するべき問題がある、そうですよね」

担任「あ…はい」

平塚「鶴見くん、はっきり聞いておこう、君はこの件をどうするつもりだね?」

留美「みんなにやめてってちゃんと言います、どうせやめてくれないだろうけど」

平塚「うむ!君は凄いな、小学生でここまでしっかりした子を私は見たことがないよ」

留美「八幡が友達になってくれたからです」

平塚「比企谷が…か」

留美「はい」

平塚「先生、少し二人にしてあげてもらえないでしょうか」

担任「…はい」

平塚「そういうことだ、比企谷、彼女の話をしっかりと聞くんだぞ」

八幡「……わかりました」

平塚「うむ、それじゃ先生、私たちも動きましょう」

担任「そ…そうですね」

八幡「…」

留美「…ほんと、八幡ってバカだったんだね、だからふられちゃうんだよ」

八幡「すまん」

留美「いいってば、さっき許したじゃん」

八幡「…そうか」

ごめん、きり悪いけど今日はここまで
こんな感じで思いついてしまったんだ、ほんとごめん

それじゃあ、見てくれた人ありがとう、おつかれちゃーん

どうも、>>1です

ちょびちょび書いてく、次レスから↓

留美「私さ」

八幡「…?」

留美「もう、絶対負けないから」

八幡「……強いな」

留美「だって、もう一人じゃないもん」

八幡「…そうだな」

留美「八幡もさ、一人じゃないよ、だからこれからは絶対に勝手に行動しちゃだめ」

八幡「…」

留美「いい?」

八幡「あぁ、約束する」

留美「うん」

八幡「まさか、小学生に諭されるとはな」

留美「だって、私の方が全然大人じゃん」

八幡「間違いないな」

留美「…きっと、八幡のことわかってる人は私以外にもいるよ」

八幡「そうか?」

留美「うん、さっきの先生だって、八幡の事、わかってるから怒らなかったんだと思う」

八幡「…」

留美「八幡が傷ついたら、八幡を思ってる人は、もっと傷つくんだよ」

八幡(このセリフ…前にも…)

留美「はい、この話はおしまい」

八幡「おう」

留美「キャンプファイヤー、見に行こ」

八幡「いいのか?」

留美「うん、見てて、私、八幡の前で頑張るから」

八幡「あぁ、見届けるよ」

留美「それじゃあ、行こ」

八幡「おう」

留美「その前に」

八幡「…?」

留美「はい、握手」

八幡「……おう」

留美「よろしくね、八幡」

八幡「…よろしく、留美」

八幡(…で)

留美「ちゃんと見てた?」

八幡(広場にやってきた、留美はしっかりと対決していた、あれだけ大見えきった俺は、結局見届けることしか出来な
   かった)

八幡「おう、よく頑張ったな」

留美「うん」

八幡「…本当に、すごい奴だよ、お前は」

留美「知ってる」

八幡「…はぁ」

留美「なんでため息?」

八幡「なんか、情けなくてな」

留美「もういいって言ったじゃん」

八幡「…すまん」

留美「……これ」

八幡「…ケータイ?」

留美「うん、アドレス交換しよ、寂しくなったら連絡していいよ」

八幡「最近の小学生はすげぇな」

留美「うん、いらないって言ったんだけど、お母さんが持っとけって」

八幡「そうか、それじゃ」

留美「うん」

八幡「……」

留美「…はい、それじゃあ、もう行くね」

八幡「そうか」

留美「だって、八幡ももう私が居なくても大丈夫でしょ?」

八幡「あぁ、大丈夫だ」

留美「また会おうね」

八幡「おう、いずれな」

留美「うん、じゃ」

八幡「またな」

八幡「…」

小町「カッコイイね、あの子」

八幡「小町か…あぁ、メチャクチャかっこいいよ」

小町「もう、小町は妹として恥ずかしいよ」

八幡「…すまん」

小町「でも、方法はバカでどうしようもなかったけど、助けようとしたところだけは褒めてあげる」

八幡「…おう」

小町「さてと、それじゃあ雪乃さんに報告ね」

八幡「マジかよ」

小町「あたりまえでしょ!?何言ってんのお兄ちゃんは!」

八幡「…はい」

小町「まぁでも、少しだけオブラートに包んで上げてもいいかな」

八幡「たとえば」

小町「クズのところをアホって言うくらい」

八幡「なにそのハイオクをレギュラーに変える程度のミクロな包み方、もう薬ほぼ飛び出てるじゃねぇか」

小町「自分で何をしたかわかってるでしょ?」

八幡「わかってるよ、どうせ言うなら全て言ってくれ」

小町「…お兄ちゃんマジ?」

八幡「あぁ、約束したんだ、アイツと」

小町「そっか…ホント留美ちゃんさま様だね」

八幡「どこで名前知ったんだよ」

小町「お兄ちゃんが呼んでたんじゃん」

八幡「そう…だったか」

小町「絶対に守ってあげてよ」

八幡「…おう」

小町「ついでに小町とも約束してよ」

八幡「…おう」

小町「やったねー、絶対だからね」

八幡「わかってる」

小町「それじゃ、雪乃さんのとこ行こっか」

八幡「おう」

――――

――――――――

―――――――――――

八幡(…ここは)

神「久しぶりじゃの」

八幡「…お久しぶりです」

神「なんじゃ、やけに行儀正しいのう」

八幡「ええ、ちょっと」

神「さすがのお主も、堪えたようじゃな」

八幡「あれは、あんたが?」

神「そうじゃ、今回は少しばかり試練を与えさせてもらった、毎回同じじゃつまらんと思ってな」

八幡「そうですか」

神「ただ、今回のことはわしの勝手じゃ、お主が望むならば記憶を消して今度は正規のルートを進むこともできる
  がの、どうじゃ」

八幡「いいえ、いりません」

神「ほほう、なぜじゃ」

八幡「約束したんです」

神「なるほどのぉ…しっかりと学んだみたいじゃな」

八幡「ええ」

神「それじゃあ、また物語に戻ってもらおう」

八幡「わかりました」

神「ほれ、行きなさい」

八幡「…はい」

―――――――――――

――――――――

――――

―部室―

雪ノ下「…」

由比ヶ浜「…」

八幡「…」

雪ノ下「なにか言うことは?」

八幡「本当にすまない」

雪ノ下「…はぁ、小学生を巻き込んで何をしているの、あなたは」

八幡「返す言葉もない」

雪ノ下「今回は罰掃除だけで済んだからいいものを、あそこであの子が弁護してくれなかったらどうするつもりだった
    のかしら」

八幡「何も考えてなかった、すまん」

雪ノ下「まったく…」

八幡(あの後、雪ノ下に説明しに行ったんだが、言いたいことが山ほどあったらしく日を改めるということになった)

八幡(しかし、なんだかんだ言いながらも、小町は昼のログハウスの事をメインに今回の事件の話を展開してくれた、
   あぁじゃなかったらこんなもんで済まなかっただろうな)

八幡(帰ってきたその日、雪ノ下家のリムジンに遭遇した、当然、雪ノ下さんも乗っていた)

八幡(だが、なぜかあの人は『おつかれさま』と一言だけ残し、それ以外には何も言わずに帰っていった、本当に謎
   な人だ)

由比ヶ浜「ゆきのん、もう赦してあげよ?ヒッキー本当に100回くらい謝ってるし」

雪ノ下「…まぁ、当事者が赦すと言っているのだから、部外者の私がとやかく言うのも違うわね」

八幡「すまない」

雪ノ下「もう謝らなくてもいいわ、でもそのかわり」

八幡「…?」

雪ノ下「あの子との約束をしっかりと守りなさい」

八幡「…あぁ、わかった」

由比ヶ浜「…絶対だよ?」

八幡「わかってる」

八幡(ところで、なぜこいつらまでここにいるかと言うと、同じ奉仕部の部員として手伝うと平塚先生に頼み、自主
   参加してくれているのだ)

八幡(結局、関係のないこいつらまで迷惑をかけてしまった、本当に情けない)

雪ノ下「範囲は、部室の前の廊下と、渡り廊下でいいのよね」

八幡「あぁ、でもお前ら休んでていいぞ、俺やるし」

雪ノ下「あなたは、わざわざ学校まで来た私たちに紅茶を飲んで帰れ、と言いたいのかしら」

由比ヶ浜「ヒッキー?留美ちゃんとの約束」

八幡「…じゃあ、頼むよ」

雪ノ下「最初からそう言いなさい」

由比ヶ浜「それじゃ!ぱっぱとやっちゃおーっ!」

八幡(…で)

由比ヶ浜「終わったねー」

雪ノ下「ええ、あとは箒と雑巾を返しに行くだけね」

八幡「本当にすまんな」

雪ノ下「謝らなくていいと言っているでしょう」

八幡「ん…」

由比ヶ浜「それに、どうせならもっと違う言葉があるじゃん」

八幡「……ありがとうな」

由比ヶ浜「うんっ!どういたしましてっ!」

雪ノ下「私が部長なのだから仕方ないわ、部下の失敗は上司の失敗でもあるのだからね」

八幡「…」

由比ヶ浜「あれ?ヒッキーどうしたの?」

八幡「…いや、なんでも」

八幡(留美、これがお前の言う、俺をわかってる奴なのか?)

由比ヶ浜「それじゃ、帰ろっか」

雪ノ下「ええ」

由比ヶ浜「ゆきのん、このあとご飯食べに行こっ!」

雪ノ下「ええ、今日はちょうど外食ししようと思っていたところだったから、かまわないわ」

由比ヶ浜「やった!それじゃヒッキーも行く?」

八幡「…悪いな、今日は用事があるんだ」

由比ヶ浜「あ、そっか、なら仕方ないね」

雪ノ下「あなたに用事なんて珍しい事もあるものね、妄想かしら」

八幡「………」

雪ノ下「…由比ヶ浜さん、行きましょう」

由比ヶ浜「え?あ、うん、ヒッキー、またね?」

八幡「おう」

八幡「…」

八幡(すまんな雪ノ下、それに誘ってくれた由比ヶ浜にもいずれ礼を言わないとな)

八幡(まぁ、今日は家に誰もいないし、俺も外で食って帰るか)

―夜―

八幡(…なぜか、ふらっと喫茶店に入ってしまった)

八幡(…本当に何でなんだろうな、でもなぜかここに入らないと行けない気がしたんだ)

八幡「…」

陽乃「あれ、比企谷くん」

八幡「…雪ノ下さん」

陽乃「こんばんわ、どうしたのこんなところで」

八幡「いや、なにも」

陽乃「夜遊びはいけないんだぞ?」

八幡「そうですね」

陽乃「あれ、なんかこの前と雰囲気変わったね、どうしちゃったのかな」

八幡(本当になんでもお見通しなんですね)

陽乃「比企谷くん?」

八幡「…なぜそう思ったんですか」

陽乃「お姉さんにわからないことはないからだよ」

八幡「…」

陽乃「ほら、お姉さんに話してみなさい?」

八幡(きっと、俺はこの人に会うためにここに来た、そんな気がする)

陽乃「言いたくないの?それじゃあ当ててあげよう」

八幡「…」

陽乃「うーんとね、自分を嫌いになったからかな?」

八幡「…もう、驚く気も起きないですよ」

陽乃「あり?当たっちゃったかな?」

八幡「隠してもしょうがないでしょう」

陽乃「そうだね~、残念、比企谷くんもまだまだだな~」

八幡「ははっ、そうですね」

八幡(もう笑いしかでねぇや)

陽乃「じゃあ、聞いてあげよう、話してみな?」

八幡「…数日前に」

陽乃「違う違う」

八幡「…?」

陽乃「全部だよ」

八幡「…え?」

陽乃「いくら弱い雪乃ちゃんでも、普通の子には負けないよ」

八幡「どういうことです」

陽乃「君は普通じゃないって言ってるの、わからないかな」

八幡「…」

陽乃「黙るのは禁止だぞ?」

八幡「俺が雪ノ下に勝ってる、と言いたいんですか?」

陽乃「そうだよ、それも雪乃ちゃんの扱いにも慣れてるときた、もしかして、比企谷くんって前にも雪乃ちゃんと会って
   るの?」

八幡「いや、そんなわけ」

陽乃「だよねーっ!って言うか比企谷くんと会ってても普通は覚えてるわけないか!」

八幡「そ、そうですよ、はは」

八幡(一体どういうことなんだ、というか今回、この人は俺と雪ノ下の事をどこで見ていたと言うんだ?)

八幡(次に会うのは花火大会のはずだし、それ以前にあそこに俺と行くのは由比ヶ浜のはずだ)

八幡(つまり、どう考えてもこの人がこの地点で俺の事を深く知っているわけがないんだ、いくらこの人でもひと目見た
   だけの人間の心の中まで覗けるわけがないだろ)

八幡(……本当に、ひと目しか見られていないと言い切れるだろうか)

八幡(例えば、一番考えられる礼は平塚先生だ、俺に興味を持った雪ノ下さんが先生に俺のことを尋ねた…いや、それな
   ら広くても奉仕部の中で起きたことだけだろう、明らかにそれを超えている)

八幡(なら、由比ヶ浜はどうだ?今回アイツが俺の知らないところで会っていたという可能性はないだろうか…いいや、
   あるとしても、それでは逆に情報量に欠ける、由比ヶ浜に状況報告をさせるなど無理だ)

八幡(ならば、小町か?アイツならば…いいや、由比ヶ浜よりは可能性があるがやはり違うだろう)

八幡(この世界の雪ノ下さんは雪ノ下と仲がいい…ありえない、由比ヶ浜のプレゼントを買いに行った時の雪ノ下の顔は
   とてもそう思えるものじゃなかった)

八幡(だとしたら…一体……)

陽乃「比企谷くん?」

八幡「あ、はい」

陽乃「なんで黙っちゃったのかな?もしかして話す気になった?」

八幡「別に」

陽乃「もうっ、釣れないなー」

八幡「…」

八幡(もしや…)


八幡「雪ノ下さん」

陽乃「うん?なに?」

八幡「よしえさん、元気ですか?」

陽乃「…………あれ、比企谷くん、彼女のこと知ってるの?」

八幡「えぇ、一度あの店に妹と言ったことがあるんで」

陽乃「でもなんでそんなことを聞くのかな、もしかしてあの店で私の事見たことあったの?私あそこの店の常連なんだ
   よっ?」

八幡「ええ、なんで初めて会った時にわかりました」

陽乃「それにしては随分と他人行儀だったよねぇ」

八幡「えぇ、雪ノ下さんが俺を知っているとは思いませんでしたから」

陽乃「そっかぁ、比企谷くんがそんなこと覚えててくれるなんて嬉しいな」

八幡「記憶力はいい方なんですよ」

陽乃「そっか」

八幡「変なこと聞いてすいませんでした」

陽乃「そうだね、ちょーっとストーカーっぽくて気持ち悪いかなー」

八幡「すいませんね」

八幡(やっぱり、考え過ぎなのか?)

陽乃「……ふふっ、やるなぁ………」

八幡「…?」

陽乃「ううん?なんでもないよ?」

八幡「そうですか」

陽乃「それよりも、ちゃんと話してみ?」

八幡「…そうですね、話せるところだけでいいですか?」

陽乃「うん、まぁしょうがないかな、比企谷くんはヘタレだもんね」

八幡「助かりますよ」

陽乃「それじゃあ」

八幡「ええ、実はですね………」

ちょっと休憩する

はるのんに一矢報いるためにはこれくらい些細な事じゃないと無理だと思った、結局無理だったけど
ドラマCD聞いてない人、すまん
そういう人は>>>401から>403の陽乃「それよりも、ちゃんと話してみ?」まで飛ばしてください

寝てた

少し書く

陽乃「そっか、比企谷くんって見た目どおりバカなんだね」

八幡「すいません」

陽乃「でもまぁ、そんなんでウジウジしてるようじゃ、雪乃ちゃんは任せられないな」

八幡「いや、そうじゃなくて」

陽乃「君は自分をなんだと思ってるの?」

八幡「…」

陽乃「君が傷ついても傷つかない人のほうが多いよ?わかってる?」

八幡「もちろん」

陽乃「なーらっ、そんなこと考えてないでシャキッとしなさい、迷惑掛けちゃいけない人のことだけ考えてればいいよ、
   あとは比企谷くんが傷つこうが死のうがいいと思うっ!」

八幡「…」

陽乃「あれー?まさか泣いちゃう?」

八幡「いや、逆に気が楽になりましたよ」

陽乃「でしょー?さすが私っ!冴えてるぅ!」

八幡「そうですね」

陽乃「でも勘違いしちゃダメよ?君はバカだからそう思うかもしれないけどっ!」

八幡「…?」

陽乃「迷惑と心配は、違うんだよっ?」

八幡「は…はぁ」

陽乃「ほーら、わかってない」

八幡「すいません」

陽乃「まぁそのうちわかるようになるよ、ねっ」

八幡「そう思うことにしますよ」

陽乃「あらあらまぁまぁ、比企谷くんかわいいな~、うりうり」

八幡「ちょ、頬を突くのをやめてください」

陽乃「ははっ、そうだね、雪乃ちゃんが嫉妬しちゃうしっ」

八幡「それはどうだか」

陽乃「それじゃあ、お姉さん帰るね?」

八幡「ええ」

陽乃「あっ、それと最後に」

八幡「なんですか」

陽乃「せっかくなんだから、楽しまなきゃ」

八幡(また意味深なセリフを)

陽乃「それじゃぁね?比企谷くん」

八幡「ええ、さようなら」

八幡「…」

八幡(そのうちわかる…か)

すまん、もう眠い、寝る

読んでくれた人、ありがとう、おつかれちゃーん

一応生存報告だけ

他にも書いてるのがあるからある程度固まらないと書けないんよ
すまぬ

八幡(なにかが引っかかる)

八幡(陽乃さんが俺と同じ状況に置かれていると断言出来ない理由はそれだ)

八幡(まず初めて会った時のことだ、あの人がいちいち『不思議な雰囲気な人』だなんて言うか?)

八幡(いいや、答えはノーだ、もし全て知っているのなら、あそこで俺を言いくるめたはずだ、少なくとも、曖昧な表現
   だけはしない)

八幡(それに、あの人の質問には、どこか小町と共通するところがあった、まぁこれは完全にただの感覚だが、マジで
   ドリーマー)

八幡(…さっきだって、あの人は『全部だよ』と言った)

八幡(一見、私はお見通しだから全てゲロして楽になれ、と聞こえるが、それはきっと違う)

八幡(なぜなら、あの人は雪ノ下陽乃だからだ、あの人ならきっと雪ノ下とのことだけを聞いてくるはずだ)

八幡(あの人が俺や由比ヶ浜の事情なんて知りたがるはずがない、もうそれは確実だ)

八幡(だから、俺をからかう、あるいは動揺させる為にあんな事をを言ったんだ、知っているようで、知らないから)

八幡(それに、あの後のセリフが雪ノ下絡みだったことも引っかかる、あのタイミングで俺が雪ノ下の扱いに慣れてる
   だなんて話、会話に全く一貫性がない)

八幡(さらに、あの『せっかくなんだから、楽しまなきゃ』と言うセリフもよく考えてみればおかしい)

八幡(あの人は、俺に何を楽しめと言ったのか)

八幡(由比ヶ浜との花火か?文化祭か?修学旅行か?)

八幡(いいや、違うな)

八幡(あれは、雪ノ下をうまく扱えている俺に対する言葉だ、だから答えは雪ノ下と共にする行動、それも本来なら
   ば雪ノ下さんが知らないはずのもの、つまり、前回にはなかったことをしろ、と言う意味だろう)

八幡(つまり、あくまで"雪ノ下をうまく扱えている俺"に対するセリフなのであって、決して前回の俺に向けられた
   言葉じゃない)

八幡(ということは、あの人は前回の俺を知らないということになる)

八幡(だが、その場合、俺と同じ状況の人間が、雪ノ下さん以外に存在することになるな…)

八幡(それに、何度考えても、あの人が雪ノ下以外のことを知ろうとすることは絶対にない、あの人は俺の事を聞きた
   いんじゃなく、"俺に関わった時の雪ノ下雪乃"を知りたいんだ)

八幡(話の流れ的に見れば一貫して見えるが、ところどころ穴が穴がある)

八幡(これが違和感の正体なのか?)

八幡「…」

八幡(仮説だが、あの人が言った"全部"とは、あの人が知らない俺と雪ノ下の出来事)

八幡(つまり、今回の雪ノ下と俺との間に既に起きた事だ)

八幡(もし、俺があの人の立場にいたら知らないことだけを聞くに決まってる)

八幡(つまり、深読みさせるセリフも、全てを見通しているような言い回しも、ブラフなのだろう、質問の真意はそこに
   ある、自分を相手より大きく見せるための立ち回り、まったく敬意をはらいたくなるレベルだ)

八幡「…」

八幡(わからない、だが思いだせ、留美の時と同じだ)

八幡(前回あって、今回なかったもの)

八幡(今回あって、前回なかったこと)

八幡「…」

八幡(ダメだ、あと一歩で…)

八幡(…わからん、もう寝てしまおう、もとより俺はわからんことは深く考えない性質なんだ、性にあわん)

八幡「…」

なんとなく書きたくなってしまっただけだから一レスだけで今日はおわり、短すぎてごめん

見てくれた人、おつかれちゃーん

どうも、>>1です

それじゃあ書くべ、次レスから↓

―駅前―

八幡「…」

由比ヶ浜「あ!ヒッキー!」

八幡「ん、おう」

由比ヶ浜「遅れてごめーん、待った?」

八幡「いや、そんなに」

由比ヶ浜「…そっか」

八幡(俺と由比ヶ浜がここにいるということは、言わずもがな、花火大会の日である)

八幡(本当はどうかとも思ったんだがな、これ以上前回と違うことして話が崩れるのは勘弁だ、それに、今日ココに来な
   いと相模とエンカウント出来ずに、実行委員立候補のとき支障が出るやもしれん)

八幡(いや、別にそれだけじゃないけどさ)

由比ヶ浜「まさか、ヒッキーから電話が来るなんて思わなかったよー、ヒッキー、掃除の日に結構暗い顔してたからさ、
     誘うのやめたんだけどね、よかったー」

八幡「あー、いやまぁ、掃除手伝って貰ったし、その詫びだ」

八幡(あの後、サブレはウチで預かったが、由比ヶ浜が帰ってきた日、コイツは俺を誘おうと…いや、正確に言うと誘い
   のセリフを途中でやめていた)

由比ヶ浜「そっか…へへ、嬉しいなー」

八幡「それに、あんな所で話切られたら気になるだろ」

由比ヶ浜「だから電話くれたの?」

八幡「おう」

由比ヶ浜「気にしてくれたんだ」

八幡「深読みすんなよ、ほれ」

由比ヶ浜「…?」

八幡「早く行こうぜ、メインの目的は小町のお使いなんだから」

由比ヶ浜「あたしはついでなんだっ!?」

八幡「そうだよ」

由比ヶ浜「まったくもー…」

八幡「…ついで続きに一つ」

由比ヶ浜「んー?なにー?」

八幡「浴衣、随分似合ってるぞ」

由比ヶ浜「…!え、えへへ…そうかなぁ…って!待ってよ!ヒッキー!」

八幡(…で)

由比ヶ浜「えーっと…やきそばはどこかなー」

八幡「そこだ…よし、全部買えたな」

由比ヶ浜「うん…」

八幡「どうした、りんご飴でも食うか?」

由比ヶ浜「えっ!何でヒッキーあたしが食べたいのわかったの!?」

八幡「そりゃお前、そんだけ屋台見てればわかる」

由比ヶ浜「それって、あたしのこと見ててくれたってこと?」

八幡「じゃないと、お前どっか行くだろうが、アホなんだから」

由比ヶ浜「あほって言うなっ!」

八幡「で、いらないの」

由比ヶ浜「あ、うん、食べる食べるー」

八幡「じゃあ買ってくる」

由比ヶ浜「あたしも」

八幡「いや、ここにいろよ、二人で行ったら店のおっちゃんに迷惑だろ」

由比ヶ浜「あ、そっか」

八幡(すまんな、由比ヶ浜、今からあと数秒で相模が来るんだ、アイツとお前には会話して貰わにゃならん)

相模「あ、ゆいちゃんだー」

由比ヶ浜「お、さがみーん」

八幡「…」

八幡(無事に遭遇したか、すまんな、由比ヶ浜)

八幡「あ、りんご飴一つ」

おっちゃん「はいよー」

八幡(これおごるから勘弁してくれ)

相模「へぇ~、あの人と一緒に来てるんだ~」

由比ヶ浜「う、うん、同じクラスの比企谷くん」

相模「いいなぁ~、、ウチは女だらけ花火大会だよー、ウチも青春したいな~」

由比ヶ浜「…、あはは!何その水泳大会みたいな言い方!こっちだって全然そういうんじゃないよ~」

相模「え~、いいじゃんいいじゃん、やっぱ夏だしそういうのいいよねー」

八幡(しょうがない、戻るか)

由比ヶ浜「…あ、ヒッキー」

八幡「どうも」

相模「こんばんわ~、結衣ちゃんと一緒に来てるんでしょー?」

八幡「まぁ、妹のお使いで手伝ってもらってる」

相模「へぇ~、結衣ちゃんかわいいし、よかったね~」

八幡「そうだな」

由比ヶ浜「かっ…!」

相模「あー!のろけてる~」

八幡「あぁ?そんなんじゃねぇよ」

相模「またまたー」

八幡「しつけぇな、つーかそれお前となんか関係あんのかよ」

相模「…は?」

八幡「別に用がねぇなら俺は行くからな、それじゃ、由比ヶ浜」

由比ヶ浜「あっちょっとヒッキー!…さがみん、ごめんね?」

相模「え?あぁ、ウチは大丈夫だよー」

由比ヶ浜「それじゃ…ちょっ、待ってよ~」

相模「……ちっ」

八幡「…」

八幡(ここで相模のヘイトを煽ったのはわざとだ、その方があとあとやりやすい)

由比ヶ浜「待ってよ、ヒッキー」

八幡「…わるいな」

由比ヶ浜「ううん、あたしの方こそごめん…」

八幡「なんでお前が謝るんだよ」

由比ヶ浜「だって、あたしがさがみんと会わなければ」

八幡(それ、俺のせいなんだ、わるいな)

八幡「いや、いいって、それより」

由比ヶ浜「…りんご飴、くれるの?」

八幡「おう」

由比ヶ浜「あ、ありがとう、ヒッキー」

八幡「遠慮すんな」

由比ヶ浜「うん…ん、おいしっ」

八幡(こんくらいはな、してやんないと」

由比ヶ浜「あ、ヒッキー」

八幡「あ?」

由比ヶ浜「ちょっと、速いよ」

八幡「…ほれ」

由比ヶ浜「…え?」

八幡「手、貸せ」

由比ヶ浜「あ…」

八幡「ほら、早くしろ」

由比ヶ浜「うん…あり…がと」

八幡「手くらい、つーか、前にもお前が引っ張った時あったろ」

由比ヶ浜「そうだけどさ」

八幡「いいんだよ、ほら、進むぞ」

由比ヶ浜「うん…」

八幡(…で)

由比ヶ浜「まさかヒッキーがシート持ってきてるなんてねー」

八幡「なんとなくな」

八幡(本当は雪ノ下さんに会いたくなかったからなんだが)

由比ヶ浜「ありがとう、ヒッキー」

八幡「いいよ、別に」

由比ヶ浜「…うん」

八幡「それよか、早く座っちまえよ、後ろに迷惑かかる」

由比ヶ浜「あ、そうだね…っしょっと」

八幡「…失礼」

由比ヶ浜「あはは、ヒッキー変なのー」

八幡「ほっとけ、つーか、もう始まるっぽいぞ」

由比ヶ浜「え?ホント?」

八幡「おう、時間が…って、ちょうど上がったじゃねぇか」

由比ヶ浜「うわぁ~…」

八幡「…」

由比ヶ浜「…」

八幡「…」

八幡(雪ノ下さんの件だが、実は犯人…言い方がおかしいが、まぁいい、別にそんなんは重要じゃない)

八幡(俺の脳内を検索した結果、一つ気になったことが見つかった)

八幡(おそらくだが、アイツがルーパーに違いないだろう、それに、この後は文化祭だ、引きずり出すには最適なシチュ
   エーションだ、暴いてやろうぞ、貴様の悪行…これ、カッコイイよな、時代劇の再放送とかつ見ちゃ)

由比ヶ浜「…ねぇ、ヒッキー」

八幡「ん、どうした」

由比ヶ浜「花火、ちゃんと見てる?」

八幡「あぁ、見てるよ」

由比ヶ浜「ホント?なんか考えてなかった?」

八幡「…まぁ、少しな」

由比ヶ浜「…ちゃんと、あたしとゆきのんを頼ってよね」

八幡「掃除やらせたじゃねぇか」

由比ヶ浜「ううん、そうじゃなくてさ、困って、ヒッキー一人じゃダメな時とか」

八幡「…わかってる」

由比ヶ浜「そっか、ならよかった」

八幡「…っ!」

由比ヶ浜「…」

八幡(由比ヶ浜が俺の肩に頭を…ちょっと、いい匂いするんでやめてください)

由比ヶ浜「…」

八幡「…」

八幡(まぁ、いいか、たまには間違ってないラブコメもさ)

八幡(…で)

由比ヶ浜「降りちゃってよかったの?」

八幡「あそこで話切られたらなんか気持ち悪いだろ…」

由比ヶ浜「そんなことないし」

八幡(別に、今回は前回のように雪ノ下さんの話になったわけではなかったが、同じタイミングで別の話が始まったから
   思わず降りてしまった)


八幡「…近くまで送る」

由比ヶ浜「ありがと…」

八幡「…で、話の続き」

由比ヶ浜「あ、そうそう、さがみんに見られた時さ、ヒッキー、言い返したじゃん?」

八幡「まぁ…」

由比ヶ浜「あの時ね、あたし、やっぱヒッキー変わったなって思ったの」

八幡「そうか」

由比ヶ浜「そりゃ言い方は相変わらずだったけど、でも嬉しかったよ」

八幡「別にお前のために言ったわけじゃない」

由比ヶ浜「わかってるよ、でも、かわいいって」

八幡「…あれは会話の流れでたまたまあぁなったんだよ、別に他意はない」

由比ヶ浜「そっか」

八幡「おう」

由比ヶ浜「…でも、助けてくれた」

八幡「…」

由比ヶ浜「これで、何回目だろうね、ヒッキーが助けてくれたの」

八幡「さぁな、別にそんなつもりじゃねぇし、数えてもねぇよ」

由比ヶ浜「あたし、きっとこうなるんだって、ずっと思ってた」

八幡「…どういう意味だ?」


由比ヶ浜「ヒッキーは最初に助けてもらったことも、たまたまあたしだったって言ったでしょ?」

八幡「おう」

由比ヶ浜「でも、違うの」

八幡「…」

由比ヶ浜「結局こうやって、何回もヒッキーに助けて貰ってる、きっとあんなことがなくても、あたしはこうしてヒッキー
     に助けてもらってたと思う」

八幡「それはないだろ」

由比ヶ浜「ううん、違わないよ、だってヒッキー、あたし以外の人も助けてるじゃん」

八幡「それは…だな」

由比ヶ浜「関係あってもなくても、ヒッキーは助けるよ、わかってる」

八幡「…」

由比ヶ浜「それでさ…」

八幡「…おう」

八幡(今回も結局同じタイミングの電車に乗ったんだ、言われる心配はない)

由比ヶ浜「これからも、あたしがなにかするたびに、ヒッキーがああやってしっかり解決してさ」

八幡(…待て、前回とセリフが違う)

由比ヶ浜「それを見て、あたしは思うんだ」

八幡(…やめっ)

由比ヶ浜「やっぱり、あたしはこの人が、好きなんだって」

八幡「……」

由比ヶ浜「…へへ、そうなんだ、あたし、前からずーっと、ヒッキーのこと、好きだったんだ」

八幡「……そうか」

八幡(…さて、どうしよう)

八幡(もう起きてしまったことはしょうがない、何を言っても戻らん)

八幡(かと言って、聞かなかったフリは出来ない、それだけは絶対にだめだ)

八幡(…ならば)

八幡「…返事、必要か?」

由比ヶ浜「…言いたくなければいいよ」

八幡「そ……っ」

八幡(逃げるな、俺)

八幡「…俺は、お前のことは嫌いじゃない」

由比ヶ浜「そっか」

八幡「だが、かと言って、好きとは言えない、と言うのも、俺は今まで人と関わらなすぎた、人を好きになるって言う
   気持ちがイマイチよくわからん」

由比ヶ浜「…」

八幡「だから、悪いな、もし、この後になにかしらの発展を考えているなら、そんなこと、俺に期待するな」

由比ヶ浜「…まぁ、わかってたよ」

八幡「…すまん」

由比ヶ浜「謝らないでよ」

八幡「…」

由比ヶ浜「でも、あたしのこと、嫌いでは無いんでしょ?」

八幡「あぁ」

由比ヶ浜「なら、それだけで、今はいいよ」

八幡「…留美にな、俺の周りに絶対俺のことをわかってる奴がいるって、言われたんだ」

由比ヶ浜「…それで?」

八幡「まぁ、なんだ…そのうちの一人が、もしかしたらお前なのかもしれん、今、そう思えた」

由比ヶ浜「ヒッキー…」

八幡「気持ち悪いこと言って悪いな」

由比ヶ浜「ううん、嬉しいよ」

八幡「嬉しいって」

由比ヶ浜「今の言葉、忘れないからね?」

八幡「あぁ」

由比ヶ浜「…」

八幡「…どうしようもなくなったら、俺を頼む」

由比ヶ浜「うんっ、わかった…あ、家、この辺だからもう大丈夫」

八幡「そうか、それじゃ」

由比ヶ浜「うん、また学校でね」

八幡「おう」

由比ヶ浜「…ヒッキー」

八幡「ん?」

由比ヶ浜「忘れないでね」

八幡「…わかった」

―自宅―

八幡「…はぁ」

八幡(俺は由比ヶ浜の優しさにすがってしまった、すまん、由比ヶ浜)

八幡(だが、多分前の俺だって、あぁやって答えたはずだ、なんせ俺だからな)

八幡「…」

小町「あれ、お兄ちゃんどうしたの?」

八幡「ん、小町か、別になんもない」

小町「ホント?結衣さんと花火行ってきたのに元気無いじゃん」

八幡「そんなことないってば、あ、食いもん、テーブルに置いといたぞ」

小町「おっ、ありがとー、さっそくたこ焼きを…」

八幡(…ま、いずれケジメを付ける時が来るだろうよ、そんときは…まぁ、そんときもそんときだけど)

小町「はいっ」

八幡「…なにこれ、匂いだけかがせるとか、かなり嫌味だぞ」

小町「違うよ、あげる」

八幡「じゃあ口入れてくれ」

小町「しょうがないなーごみいちゃんは…はいっ」

八幡「ん…ありがと」

小町「元気だしなよ?お兄ちゃん」

八幡「最初から元気なんてないだろ」

小町「ま、それもそっか」

八幡「そういうことだ」

小町「わかったよ、それじゃあ小町はまた勉強するから」

八幡「おう、がんばれ」

小町「うん、お兄ちゃんも頑張ってね?」

八幡「…なにを」

小町「ううん、なんとなく」

八幡「そうかよ、じゃあなんか頑張んないとな」

小町「そうだよ?だから…ねっ?」

八幡「おう」

小町「じゃ、食べ物ありがとうね」

八幡「んー」

八幡「…」

八幡(ありがとうな、小町、お兄ちゃんなんか元気出たわ)

八幡(…よし、頑張ってみるか)

今日はここまで、5巻まで終わってきりがいいしね

それじゃあ、見てくれた人、おつかれちゃーん

どうも、>>1です

じゃあ書く、次レスから↓

―数日後―

八幡(はい、実行委員は俺と相模に決まりました)

八幡(…て言うか、俺遅れなくても勝手に名前書かれるのな、なんだよ、奉仕部だからって、じゃあ由比ヶ浜でもいいだ
   ろうが)

八幡(まぁ、それじゃあ逆に困るから別にいいんだが)

八幡(というわけで、最初の会議の真っ最中である)

城廻「それじゃあ、誰か委員長に立候補してくれる人、いませんかー?」

八幡(いないんですよね)

相模「あの……」

八幡(おう、動いたか、まぁぶっちゃけ今回、お前のことは心底どうでもいいんだ)

八幡(前回と同じだろうか、違かろうが、好きにやってくれればいいさ)

相模「みんながやりたがらないなら、うち、やってもいいですけど」

城廻「本当?嬉しいなー、じゃあ自己紹介してもらえる?」

相模「二年F組の相模南です、こういうの、少し興味あったし……うちもこの文化祭を通して成長したいっていうか……
   あんまり前に出るの得意じゃないんですけど、あれうち何言って」

八幡(長いよ)

相模「スキルアップのチャンスだと思って、頑張りたいです」

八幡(はいはい、頑張ってくださいな)

城廻「ありがとうございます、それじゃあ、次は副委員長の方を決めたいんですが…」

八幡(さぁ、ここだ)

八幡(いくらコイツが言っても、雪ノ下が副委員長に任命されちまったら、もうアイツは親の仇のように頑張るだろう、
   したらば、またあの貧弱ゥな公女はぶっ倒れちまうんだよ、それじゃ、アイツが良くても俺が良くない…いや、
   いいけどさ、さすがに見過ごせないじゃん?ほら…うん)

八幡(それによ、まぁ、頑張るって言ったし、だからさ)

八幡「あー、俺、やりますよ」

雪ノ下「…!?」

平塚「比企…谷?」

城廻「えー?ホントー?」

八幡「まぁ、待ってても誰も立候補しないだろうし、それに今日は早く帰りたいんで、いいです」

城廻「ほんとー?助かるなぁー」

八幡「…まぁ、そういうことで、比企谷です」

城廻「これで大役は決まったねー、あとの詳しい役決めは後日にしますので、それじゃあ、おつかれさまでしたー」

八幡「…」

八幡(…はぁ、やだなぁ)




平塚「…比企谷」

八幡「…?はい、なんでしょう」

平塚「決まってしまってから言うのもなんなんだが、本当に大丈夫なのかね」

八幡「ホントにいまさらですね、まぁ一概に大丈夫とは言えませんが、先生にはでっかい借りがあるので、先生がいる場
   でなんかアクション起こせばそれで少しづつ返済できるかもっていう、姑息な考えですよ」

平塚「…そうか、うむ、確かに君は成長しているようだ、安心した」

八幡「そうですか」

平塚「それでは、私はこの後も少し仕事が残っているのでな、先に失礼するよ」

八幡「はい、お疲れ様です」

平塚「うむ、君なりに、頑張りたまえ」

八幡「はい」

八幡「…」

八幡(ホントいい人だな、俺なりなんて、たかがしれてるでしょう、先生)

八幡(…まぁ、そうですね、俺なりに頑張らせてもらいますよ)

雪ノ下「比企谷くん」

八幡「ん、なんだ?雪ノ下」

雪ノ下「まさか、あなた立候補するなんて、夢にも思わなかったわ、なにか悪い物でも食べたのかしら」

八幡「どうした雪ノ下、今日は毒舌にエッジが足りないんじゃないか?」

雪ノ下「…しょうがないでしょう、立候補しなかった私に、今のあなた侮辱する権利はないのだもの」

八幡「そうかい」

雪ノ下「…大丈夫かしら」

八幡「なにが」

雪ノ下「相模さんには悪いのだけれど、彼女が委員長としての職務を完璧にこなすのは正直厳しいと思うわ」

八幡「なに、そのために俺がいるんだ、なんとかなるよ」

雪ノ下「そうかしら」

八幡「おう、だからお前は記録雑務でもやっとけ」

八幡(あれはあれでつらいぜー)

雪ノ下「…まぁ、もう決まってしまったのだからあれこれ言う必要はないのだけれど……」

八幡「ん、どうした」

雪ノ下「…私を、少しは頼っていいわ」

八幡「…そうか」

雪ノ下「えぇ」

八幡「…それじゃ、まぁきつくなったら頼むわ」

雪ノ下「わかったわ」

八幡「んじゃ、部室行くか」

雪ノ下「そうね…あら、mあなた用事があるのでは」

八幡「あんなん、嘘に決まってんだろうが、お前が一番知ってんだろ」

雪ノ下「なぜ私があなたの事を知っていると思ったのかしら、とても不快だわ」

八幡「…」

雪ノ下「まぁいいわ、部室に行きましょう」

八幡「おう」

やっちまった、役決め、同じ日じゃんか

八幡(…で)

由比ヶ浜「へぇー、ヒッキーが副委員長やるんだー」

八幡「あぁ、まぁ」

由比ヶ浜「似合わなっ!」

八幡「うっせー」

由比ヶ浜「だってヒッキーだよ?一番やらなそうなタイプじゃーん」

八幡「まぁ、そうだけどよ」

由比ヶ浜「ゆきのんもそう思わない?」

雪ノ下「そうね、私も思わず彼の顔を二度見してしまったわ」

八幡「したの、二度見」

雪ノ下「えぇ、あなたがどんな顔をしているのか、確かめたかったものだから」

由比ヶ浜「どんな顔してたのー?」

雪ノ下「彼のあの表情を表すのは無理ね、この世にはきれいな言葉がありすぎるわ」

八幡「ちょっと?その貶しかた新しすぎない?」

由比ヶ浜「逆に見たいわっ!」

八幡(雪ノ下さん、なぜ由比ヶ浜といる時ニトロでも使ってんじゃない?ってレベルで加速するの?次々とスピード
   スペルが溜まってる気がしてならないんだが)

八幡(…しかし、いや、自意識過剰かもしんないけどさ、由比ヶ浜の奴、普通に部室来たな)

八幡(前回、職業見学の時はあの後部活バックレてたから、今回もそうなんじゃないかと思った、まぁ、助かったよ)

由比ヶ浜「ねーねー、ヒッキー」

八幡「んだよ」

由比ヶ浜「やってみてよ、その顔」

八幡「え?無理でしょ、っていうか自分じゃわかんないだろ」

由比ヶ浜「えー、つまんなーい」

八幡「そういう問題かよ」

八幡「…」

八幡(…まぁ、いつもどおりだな)

貯まるのはスピードカウンターじゃね

>>449 そうじゃん、恥ずかし

―翌日―

城廻「…と、言うことで、これで全ての役は決まりましたー」

八幡(雪ノ下、マジで記録雑務やんのかよ)

城廻「それじゃあ、これからは相模さんと比企谷くんに任せまーす、お願いねー?」

相模「は、はい」

八幡「…」

相模「そ、それでは、早速作業に移ってもらって、えーっと、それで今日出来たのを一度うちらに見せてもらいます」

八幡(早速メチャクチャだな、やっぱ無理か)

男生徒1「なんで見せるんですかー?」

相模「あ、えーっと、その…」

八幡(…はぁ)

相模「あの…」

八幡「委員長、委員長はそこで委員長らしくどっしり構えててくださいよ、ここは俺が進めるんで」

相模「…え?」

八幡「あー、そうですね、とりあえず役目ごとに一度提出してもらう理由としては、みなさんの仕事のスピードを計る
   ためですね、その後のタイムテーブルなんかも作りやすくなりますし」

女生徒「そのタイムテーブルは誰が?」

八幡「まぁ、俺がまとめます、遅くても明後日までにはみなさんに配布できるようにしますんで」

女生徒「わかりました」

八幡(これでいい、夏休みにコイツの毛を逆撫でするような態度をとったのはこのためだ)

八幡(ここで頭ひとつ、コイツより俺が優れていることを示しておけば、少なくとも前のように仕事を放棄して遊び倒す
   だなんてことはいくらなんでもコイツでもないだろう)

八幡(…というか、まぁわかるよ、相模があぁなった理由はなんとなくな)

八幡(そりゃ、城廻先輩には自分そっちのけで雪ノ下を褒めるのを見せつけられ、雪ノ下さんには、あれはコイツに問題
   があったが、それでも耐性のない相模があぁまで言われりゃ、やる気なくすのは納得はできる)

八幡(…ま、さすがの俺も敵前逃亡はどうかと思うが、相模があぁなったんなら、世間一般に言う女子校生のほとんどが
   あぁなると考えていいだろう)

八幡(言うなれば、雪ノ下雪乃と言うスーパー女子校生と比べたからいけなかったんだ、そうでなければ、どの生徒も
   どんぐりの背比べだろうよ)

八幡「…それじゃあ、質問がなければ作業を開始してください」

八幡「…」

八幡(ふぅ、緊張したぜ、まぁ雪ノ下が言ってたことそのまま言っただけなんだけどな)

相模「…」

八幡「…んだよ」

相模「別に」

八幡「…」

八幡(それじゃあ、はじめましょうか)

八幡「…」

八幡(そういえばだが、どうやら俺は劇の配役に最初から組まれていなかったらしい)

八幡(由比ヶ浜が俺が副委員長であることを海老名さんに伝えてくれたようだ、ホント助かったー)

八幡(…それなら、戸塚も止めてくれればよかったのに)

雪ノ下「終わったわ」

八幡「ん、早いな」

雪ノ下「それはそうよ、記録雑務なのだから、記録するものがなければ仕事もないわ」

八幡「ごもっともで」

雪ノ下「…できるのかしら」

八幡「できるかじゃない、やるんだ」

八幡(こんな事言っちゃう俺が大好きっ!)

雪ノ下「そう」

八幡「まぁ、お前は今日はもう仕事ないっぽいし、部活もないんだから帰れば?」

雪ノ下「いいえ、今ここで私だけが帰ったらやっかまれるのが目に見えているもの、あなたならそれも出来るのでしょう
    けどね」

八幡「そうだな、なんなら今この場で仕事を放棄する気すらある」

雪ノ下「あなたの戯言を聞いている暇はないわ」

八幡「さいですか」

雪ノ下「貸しなさい」

八幡「やってくれんの」

雪ノ下「えぇ、あなただけでなく、相模さんの負担も減るでしょう?それにやることがないのも逆に疲れるのよ」

八幡「そうか、委員長、任せていいですか」

相模「えぇ?あ、うん、いいよ」

八幡「だそうだ、頼む」

雪ノ下「えぇ、わかったわ」

八幡「…大丈夫ですか」

相模「…なにが」

八幡「いや、実は俺も結構キツイんで、少し貰ってくれないかなぁ…と」

相模「はぁ?なんでうちがやんなきゃいけないの?そっちの仕事でしょ」

八幡「…」

相模「…」

八幡(こう言っとけば、コイツには負けたくないって気持ちも生まれんだろ、さすが俺、マジで智将)

八幡「…」

八幡(いや、手伝ってよ)

―数日後―

相模「えっと、それではそろそろ仕事も片付いて来たので、クラスや部活も手伝ってあげてください」

八幡(ほう、まさコイツがここまでやるとはな)

八幡(確かに、もうだいたい仕事は片付いてるし、この分ならなんとかなる)

相模「あー、でもこっちの仕事が増えちゃったらちゃんと戻ってきてくださいね、それじゃああとは自由でお願いしまーす」

八幡「…」

八幡(ま、そりゃ一番に出て行くわな、別にいいけどよ)

八幡(…やはり、一回目以外は指揮を全てアイツに任せたのは正解だったな)

八幡(相模の前にカンペを用意したのも功を奏したようだ、最初はがっつり内容を書いたものを、だんだんと内容を薄く
   していていき、今日はとうとうなしでもやりきっていた)

八幡(ま、そりゃ出来るよな、答え書いてあんだもん)

八幡(当然、全員に同じのを配った、それだからアイツはカンペを見ているという意識を持たなかったんだ、プライドの
   高いアイツだ、一人だけ見てると自覚したら、そんなんまた反発するに決まっている)

八幡(…しかし、なるほど)

八幡(仕事はここまで全員が一人ずつこなしていたおかげで個人に差は出なかったが、問題は俺だよ、俺)

八幡(正直、もう疲れきった、カンペ大変だったんだぞ、前回の雪ノ下の言葉を1つずつ思い出して書いたんだからな、
   まぁ、一部俺のオリジナルだけど)

八幡(しかし、雪ノ下、お前はこれよりハードな仕事をこなしてたのかよ、こりゃ頭もあがらんわ)

八幡「…」

八幡(まぁ、しょうがない、あとすこしやって帰るか)

八幡「…」

雪ノ下「比企谷くん」

八幡「…ん、どうした」

雪ノ下「ほとんどの人間が行ってしまったのだけれど、大丈夫なのかしら」

八幡「あぁ、まぁあとは俺一人で出来る」

雪ノ下「…記録雑務は終わったわ」

八幡「そうか、おつかれさん」

雪ノ下「…」

八幡「…んだよ」

雪ノ下「…」

八幡「……これ、頼めるか?」

雪ノ下「ええ、了解したわ」

八幡(なんだあれ、かわいい)

ちょっと休憩

>>507
かわいい(了解)

>>509
かわいい、うん、かわいい(おい、言語に異変が生じてるぞ)

>>510
かわいい、かわいい?かわいい(あら、俺のほうもだぞ?なにが起きてるんだ)

>>511
まるで意味がわからんぞ!!(まるで意味がわからんぞ!!)

休憩終わり

書くよ、次レスから↓

八幡(しかし、ここまで順調に進むと逆に怖くなるな)

陽乃「ひゃっはろー」

八幡(…げ)

八幡(んだよ、もう来ないと思ってたのに)

陽乃「おっ、比企谷くん、頑張ってるー?」

八幡「えぇ、まぁ」

陽乃「そっかー、いやー、この前は『もうダメだー』とか言ってお姉さんに泣きついてきてたから心配してたんだー」

八幡「それはどちらで捏造された話ですか」

陽乃「またまたー」

雪ノ下「姉さん、なんのようかしら」

陽乃「あ、ゆきのちゃーん、あのねー、有志の申込書を貰いに来たんだけどー」

雪ノ下「それならこれよ、もう用が済んだなら帰ってちょうだい」

陽乃「んもー、釣れないなー」

葉山「すいませーん」

八幡(お前も来んのかよ)

陽乃「おっ、隼人ー」

葉山「陽乃さん、こんにちわ」

陽乃「どしたのー?」

葉山「いや、有志の申し込み書を貰いにきたんだ」

雪ノ下「…これよ」

葉山「ありがとう…随分と人が少ないみたいだね」

雪ノ下「えぇ、委員長の判断よ、もうある程度の仕事は片付いたもの」

葉山「そうか、うん、しっかりしてるんだね」

雪ノ下「実行委員全員で作業をしたのだもの、当然じゃないかしら」

葉山「そっか、それならよかった」

八幡「…」

葉山「それじゃあ、俺は戻るよ」

陽乃「またねー」

葉山「うん、また」

陽乃「…あれ、比企谷くんどうしたの?」

八幡「どうって、何をしてるように見えますか」

陽乃「うーんと、トランプ?」

八幡「そう見えるんならそうなんでしょう」

陽乃「あー、またそうやってお姉さんに冷たくするー」

雪ノ下「姉さん、早く帰ってちょうだい」

陽乃「はーい、それじゃあね?雪乃ちゃん」

雪ノ下「まったく…」

八幡「…」

―文化祭当日―

八幡(来たか、この日が)

八幡(相模は開会の言葉もしっかりと言い切った、これでアイツが逃げる心配もないだろう)

八幡(となれば必然、体育祭に向けての奉仕部の活動もなくなる、よかったよかった)

八幡「…」

八幡(しかし、どうして引っ張りだそうか)

八幡(まぁ別に、『ちょっと来てくれ』でもいいんだがな、それだと少しパンチが弱い気もする)

八幡(…そんな事考える必要はないか、別に暴いたからって何かあるわけじゃないしな)

雪ノ下「比企谷くん」

八幡「ん、なんだ」

雪ノ下「まさか、本当にやり遂げるとはね、驚いたわ」

八幡「別に特にしたことはないだろ」

雪ノ下「そうかしら、あのカンニングペーパーは中々いい案だと思ったのだけれど」

八幡「なに、気づいてたの」

雪ノ下「当然でしょう、その日の進行メニューなんて、会議においてどう考えてもいらないものだわ」

八幡「そうかい」

雪ノ下「ただ、部長として一言」

八幡「…?」

雪ノ下「よく、やったわね」

八幡「…どうも、だが奉仕部として活動した記憶はないんだが」

雪ノ下「何を言っているの、あそこであなたが立候補しなければ私たちの元に問題が来たのは火を見るより明らかだっ
    たわ」

八幡「…」

雪ノ下「それに部活を休んで活動していたのだから、そうでないといけないはずよ」

八幡「そうですか」

雪ノ下「えぇ」

八幡「…まぁ、実際俺も助かったわ、さすがに一人じゃ厳しかったやもしれん」

雪ノ下「いいのよ」

八幡「そうか」

八幡(さすが多くを語らない女、雪ノ下雪乃…だが、今回ははっきりさせておきたいことがあるんだ)

八幡「…ちょっと、付き合ってもらっていいか」

雪ノ下「…えぇ、いいわよ」

八幡「じゃあ場所を変えよう」

雪ノ下「…」

八幡(…で)

雪ノ下「部室になんて連れてきて、一体何をしようと言うのかしら」

八幡「…お前だから、建前はなしだ」

雪ノ下「…」

八幡「もう、俺に気を使うな」

雪ノ下「…どういう意味かしら」

八幡「…わかってるだろ」

雪ノ下「…」

八幡「…」

雪ノ下「…そうね、わかっているわ」

八幡「黙っていたかったのは別にいい、だが気を使われるのは嫌なんだよ」

雪ノ下「…話はしておくべきだったわね、ごめんなさい」

八幡「いや、謝れと言ってるんじゃない」

雪ノ下「…そうね、失言だったわ」

八幡「別に俺はお前をどうこうしようって考えはない」

雪ノ下「なら、なぜ呼び出したのかしら」

八幡「お前に、変わって欲しかった」

雪ノ下「どういう意味かしら」

八幡「お前も由比ヶ浜と同じだ、どこかで俺に引け目を感じている、そうだろ」

雪ノ下「そんなことはないわ」

八幡「あるんだよ」

雪ノ下「…」

八幡「悪いが、否定をさせる気はない」

雪ノ下「そう、あくまで私の話を聞く気はないのね」

八幡「聞いてもいいが、またお前は逃げるだろうが」

雪ノ下「まさか、あなたに『逃げる』だなんて言葉を使われるとは思わなかったわ」

八幡「きっと、ここで俺が言わなかったら、お前はいずれ、奉仕部をやめる」

雪ノ下「…そんなこと」

八幡「そうなるんだ、俺にはわかるんだよ」

八幡(現に、お前はそうしたんだよ)

雪ノ下「…そう」

八幡「…」

雪ノ下「…ダメね、まさか比企谷くんに威圧されるとは思わなかったわ」

八幡「ここだけは、譲れない」

雪ノ下「…わかったわ、話を聞くわ」

八幡「俺に人に頼れと言うなら、お前も俺を同じくらいに頼れ」

雪ノ下「おかしな話ね、なぜ私より能力の低いあなたに助けを求めなければいけないのかしら」

八幡「能力云々は関係ないんだよ、自分が言うなら、言われる覚悟もしておけ」

雪ノ下「私は、別にあなたのように一人で走ったりしていないわ」

八幡「今はな」

雪ノ下「…?」

八幡「まぁいい、これは忠告だと思って聞いてくれ」

雪ノ下「よくわからないけれど、わかったわ」

八幡「…一つ、話をしていいか」

雪ノ下「どうぞ」

八幡「ある男がいた、この男は、まぁ自分の事は考えず、ひたすら一人で勝手な行動をするカッコイイ奴だった」

雪ノ下「最後のは余計よ」

八幡「ほっとけ、あるときな、その男にチャンスが与えられたんだ」

雪ノ下「…?」

八幡「もう一度、全てをやり直すチャンスだ」

雪ノ下「…」

八幡「最初はよかった、順風満帆、全てが上手く言っていた」

雪ノ下「それはそうでしょうね、教科書をなぞるだけなら誰でも出来るわ」

八幡「あぁ、だが、ある時、その教科書に載っていないことが起こった」

雪ノ下「…」

八幡「男はバカだったな、結局自分が犠牲になれば助かると思って、一度経験しているはずなのにまた一人で行動した」

雪ノ下「…それで」

八幡「あぁ、結果はお前の想像通りだ、周りを傷つけた、しかも一度目よりもっと酷い結末でな、結局誰も得をしなかった」

雪ノ下「…そう、でもその話が何だというのかしら」

八幡「…その後、男はやっとわかったんだ」

雪ノ下「…?」

八幡「助けるなら、それと同じくらい助けられる事を考えなければならないってな」

雪ノ下「……そう、けれど、結局最後まで話の真意がつかめなかったわ、あなたは何が言いたいのかしら」

八幡「…まぁ、つまりあれだ」

雪ノ下「…」

八幡「お前には、そう思う前に話してほしいってことだ」

雪ノ下「…そう」

八幡「悪いな、変な事言って」

雪ノ下「本当よ、悪寒が走ったわ」

八幡「すまん」

雪ノ下「…まぁ、いいでしょう」

八幡「…?」

雪ノ下「この話は、しっかり留めておくことにするわ」

八幡「そうか」

雪ノ下「もういいかしら、時間なのだけれど」

八幡「あぁ」

雪ノ下「それじゃあ」

八幡「…」

雪ノ下「また、あとで」

八幡「…おう」

八幡(…で)

由比ヶ浜「あ、ヒッキー」

八幡「遅れてすまん」

由比ヶ浜「別にいいよ、座ってるだけだったし」

八幡「そうか」

由比ヶ浜「なにしてたの?」

八幡「いや、ちょっとな」

由比ヶ浜「なにそれ、気になる」

八幡「気にすんな」

由比ヶ浜「…そっか、まぁいいや」

八幡「助かる」

由比ヶ浜「変なヒッキー」

八幡「どこが」

由比ヶ浜「今のヒッキーは、なんで友達が出来ないのかわかんないや」

八幡「…」

由比ヶ浜「ってあたし、何言ってんだろ、あはは…」

八幡「いや、いい」

由比ヶ浜「そっか…あ、これ食べよ?」

八幡(まさか)

由比ヶ浜「ハニトー!」

八幡(出た~)

由比ヶ浜「ほら、ヒッキーも食べていいよ」

八幡「あ、あぁ、ありがとう」

由比ヶ浜「ううん…ん~!おいひ~!」

八幡(だからなんで俺んトコの生クリーム持ってくんだよ)

由比ヶ浜「…あのさ」

八幡「ん?」

由比ヶ浜「…ううん、なんでもない」

八幡「そうか」

由比ヶ浜「…」

八幡「…」

八幡(…ん、終了のアナウンスだ)

由比ヶ浜「終わったね、一日目」

八幡「おう」

由比ヶ浜「それじゃ、あたし帰るよ」

八幡「おう」

由比ヶ浜「またね?ヒッキー」

八幡「またな」

―家―

八幡(あの後は、実行委員が集まリ少しだけミーティングをしただけだった)

八幡「…」

八幡(…ん、ケータイが光ってる)

八幡(…留美?なんで)

八幡(えーっと…『明日、総武高の文化祭行くから』か…え?)

八幡(なに、マジでそんなに近かったの)

八幡(…まぁいいか、俺が返信するなんて、かなりレアだぞ)

八幡(『わかった』っと)

八幡「…」

八幡(さて、明日は…って)

八幡「返信はやっ!」

八幡(なんだよ…『着いたら連絡する』か)

八幡(…まぁ、仕事はあんま無いけどよ、どうなの?高校生が小学生つれて自分の高校練り歩くのって)

小町「お兄ちゃーん、ご飯だよー」

八幡「あ、おう」

八幡(…まぁいいか、平塚先生のところに連れて行って話をすれば)

八幡「…」

八幡(やっべ、想像するだけで恥ずかしい)

八幡「…」

八幡「飯食うか…」

今日はここまで

それじゃあ、読んでくれた人、おつかれちゃーん

どうも、>>1です

それじゃあ少しだけ書く、次レスから↓

―翌日―

八幡「…」

八幡(連絡早すぎない?まだ始まってちょっとしか経ってないよ)

八幡「…」

留美「あ、八幡」

八幡「ん、よお」

留美「うん、久しぶり」

八幡「…どうだ、その後は」

八幡(開口一番何を聞いとるんじゃ俺は)

留美「まぁね、もうあのへんと関わってないから、普通かな」

八幡「そうか、よかったな」

留美「うん、気にしてたの?」

八幡「少し」

留美「大丈夫って言ったじゃん」

八幡「…そうだったな」

留美「そうだよ」

八幡「つーかよ、なんで来たんだよ」

留美「別に、暇だっただけ」

八幡「そうか」

留美「ダメなの?」

八幡「いや、全然」

留美「そっか」

八幡「…どうする、適当に見て回るか?」

留美「ううん、どっかで話してるだけでいい、あんま長い時間いないし」

八幡「わかった、それじゃあとりあえず平塚先生にでも挨拶しておけ」

留美「そうだね」

八幡「じゃあ、行くか」

留美「うん」

八幡「…」

八幡(まぁ。そりゃそうか、コイツも俺サイドなんだから、そんなめんどくさいことしようとは思わんか)

留美「…」

八幡「…何見てんだ?」

留美「あれ」

八幡「あれ?」

八幡(…あぁ、食いもんか)

八幡「まぁ、じゃあ適当に買ってくか」

留美「うんっ」

八幡(まぁ、やっぱ小学生だな)

八幡(…で)

八幡「すいません、平塚先生居ますか?」

平塚「ん、なんだ、比企谷」

八幡「どうも、先生に客人です」

平塚「私に?」

八幡「ほれ」

留美「こんにちわ」

平塚「おお!鶴見くんじゃないか」

留美「この前はありがとうございました」

平塚「気にすることはないぞ、それより、今日は比企谷に会いに来たのかね?」

留美「はい」

平塚「そうか、うん、比企谷はいい友人を持ったものだな」

八幡「はぁ、まぁ」

平塚「それでは、楽しんでくるといい」

留美「はい、ありがとうございます」

平塚「相変わらずしっかりした子だな、比企谷、見習いたまえ」

八幡「そうっすね」

平塚「それでは、行って来なさい」

八幡「失礼します」

留美「失礼しました」

平塚「顔が見れてよかったよ」

留美「ありがとうございました」

平塚「うむ、比企谷、彼女をしっかりエスコートしたまえ」

八幡「はい」

八幡「…」

八幡(きっと、俺が知らないところで動いていた分、ある意味その後の留美の事を俺より知りたかったに違いないのに、
   さすがだな先生、もう本当にいい先生すぎる、なんで結婚出来ないんだ?マジで)

留美「…行こ」

八幡「おう」

八幡(…まぁ、ここならいいだろ)

留美「なにここ」

八幡「俺のベストプレイス、ここで飯食ってんだ」

八幡(竜さん、強くなりすぎでしょ、やっぱトカゲロウが一番好きだわ)

留美「へぇ」

八幡「寒くないか」

留美「別に」

八幡「そうかい」

留美「…八幡はどうだった?」

八幡「なにが」

留美「八幡のこと分かる人、見つかった?」

八幡「…まぁ、そう思える奴はな」

留美「そっか、よかったね」

八幡「ん」

留美「私もね、違うクラスに一人だけ話す子が出来たよ」

八幡「マジかよ、よかったな」

留美「うん、その子もハブかれてたんだって、でも、私が言ってるの見て、話しかけてくれた」

八幡「よかったな、見てくれてる人っているもんだな」

留美「そうだね」

八幡「つーか、それだったら一緒に来りゃよかったんじゃねぇの?」

留美「ううん、今日は八幡に会いに来たから」

八幡「…そうか」

留美「まぁ、もう八幡がいなくても大丈夫だから」

八幡「そりゃよかった、うん」

留美「…食べる?」

八幡「くれんの」

留美「うん、ていうか、八幡が買ったんじゃん」

八幡「そうでした」

留美「はい」

八幡「ん、サンキュ」

留美「…」

八幡「…」

留美「いっつもこんなとこで食べてんの?」

八幡「まぁな」

留美「寂しくないの?」

八幡「なんでそう思ったんだよ」

留美「…まぁ、そだね」

八幡「おう」

留美「でも、雨降った時とかどうすんの?」

八幡「そりゃ教室で食うけど」

留美「じゃあなんでいつもココ?普通に食べれるんじゃん」

八幡「そりゃあ…晴れてる日くらい静かに食いたいから」

留美「変なの」

八幡「…確かに変だな」

留美「でも、いいな、私もこういう場所見つけよっかな」

八幡「小学生は教室から出ちゃダメだろ」

留美「まぁ、そうだけどさ」

八幡「中学生になったら、いくらでもそうしろ」

留美「うん」

八幡「…」

留美「…そろそろ、帰るね」

八幡「そうか」

留美「今日はありがと」

八幡「こっちこそ、駅前まで送ってくぞ」

留美「ホント?」

八幡「おう」

留美「じゃあお願い」

八幡「おう」

留美「…」

八幡「…」

留美「八幡」

八幡「…?」

留美「ありがと」

八幡「…まぁ、せいぜいその友達と仲良くしろ」

留美「うん、八幡も、その人と仲良くしなよ?」

八幡「おう」

留美「じゃあ、行こ」

八幡「あいよ」

八幡(…よかったな、留美)

ごめん、頭痛いから寝るわ

それじゃあ、見てくれた人、おつかれちゃーん

待たせた、どうも、>>1です

それじゃあ次レスから↓

―体育館―

八幡「なに?相模が消えた?」

雪ノ下「えぇ」

八幡「なんで」

雪ノ下「おそらく遊んでいるのでしょう、もうじき閉会式だというのに」

八幡(結局面倒かけんのかよ、ふざけんな)

雪ノ下「困ったわね」

八幡「…まぁ、いい」

雪ノ下「…?」

八幡「俺が探してくる」

雪ノ下「あてでもあるのかしら」

八幡「いや、特に」

雪ノ下「大丈夫なの?」

八幡「まぁ、なんとかするさ」

雪ノ下「そう」

八幡「なに、不満なの」

雪ノ下「そうではないのだけれど」

八幡「じゃあなに」

雪ノ下「なぜあなたがそこまでやるの?」

八幡「…いや」

雪ノ下「なにか理由があるの?」

八幡「まぁ、副委員長だし」

雪ノ下「それだけ?」

八幡「あぁ」

雪ノ下「そう」

八幡「じゃ、行ってくる」

雪ノ下「えぇ、行ってらっしゃい」

???「…」

八幡「…」

八幡(なんでこうなるの)

八幡(今回、アイツは一つも失敗してないし、逃げる理由がない)

八幡(ならば、誰かが故意に相模を連れだしているとしか考えられん)

八幡「…」

八幡(誰か、着いて来てんな)

八幡(なんで…って、まぁ大体わかるんだけどね)

八幡(あなたでしょ?相模を連れだした張本人)

八幡(と言うか、こんなめんどくさいことすんのは、あなた以外にいない)

八幡(何が目的かはわからない、だが)

八幡(チャンスだ)

八幡(俺の読みが正しければ、今向かっているところにいるのは相模ではなく、アイツだろう)

八幡(なぜかって?んなもん、アイツがお人好しだからだ)

八幡(雪ノ下が俺に伝えるより先に、アイツは相模が消えたことを知っていただろう)

八幡(当たり前だ、そんなどうでもいい情報を、雪ノ下が自ら知ろうとするわけがない、おそらく他の役員からの通達に
   違いないだろう)

八幡(ならば、アイツが取る行動は一つしか考えられない)

八幡(もう分かってんだろ、今回起こらなかった事件、そして、前回ここで相模に求められた人物)

八幡「…ここだな」

八幡(雪ノ下さんに通じ、そして誰よりも情報を伝える能力に長けた人物、それは)

八幡「…やはりいたか」

葉山「…やぁ」

八幡(よぉ…葉山)

葉山「君も、相模さんを探しに来たのかい?」

八幡「あぁ」

葉山「そうか、でも、ついさっき彼女は体育館に戻ったよ」

八幡「あぁ、そう」

葉山「…なぜ、ここが?」

八幡「そんなもん、お前が一番分かってんだろ」

葉山「…いつからだい?」

八幡「そうだな、まぁ、気づいたのは、割りと最近だ」

葉山「そうか」

八幡「だが、まぁ、こんなことするなら、俺に変わってお前が全部やってくれりゃよかったのによ」

葉山「それは、俺には無理だよ」

八幡「またそれか」

葉山「ん、覚えていたのか」

八幡「まぁな、ボッチは会話する人間が少ない分、会話した内容は覚えてるもんなんだよ」

葉山「そうか」

八幡「…」

葉山「できれば、君の推理を聞かせてくれないかな」

八幡「なんで」

葉山「いいじゃないか」

八幡「…まぁ、いいだろ、話してやる」

葉山「頼む」

八幡「そうだな、まず気になったのは、海老名さんの行動だ」

葉山「姫菜の?」

八幡「あぁ、彼女は、前の世界で俺のことを『ヒキタニくん』と呼んでいた、なのに今回は普通に『比企谷くん』だった」

葉山「…」

八幡「当然だ、お前は今回、俺のことをその呼び名で呼ばなかったんだ、周りがそう呼ぶわけがない」

葉山「でも、それがなんだって言うんだい?」

八幡「まぁな、このくらいのことは別に不思議じゃないさ、だがこれがきっかけで思ったことがある」

葉山「…?」

八幡「彼女は、あの時俺が小学生を引率しているところを見たと言っていたんだ」

八幡「だが、これはおかしい、なぜなら、彼女はお前と一緒に行動していたはずだからだ、それならば、先に入ったお前ら
   と、後に入った俺が接触するのは不可能に近い」

葉山「…」

八幡「それで俺はこう思った、もしかして、お前はお前で、あの留美をいじめていた奴らを一人で止めようとしたんじゃな
   いかと、具体的になにをしたかは知らんがな、お前ならするはずだ」

八幡「だから、海老名さん、多分残りの三浦や戸部も他のグループと行動した、それで、海老名さんは俺と留美の事を見つ
   けたんじゃないか、そう思ったんだ」

葉山「でも、それだけじゃまだ」

八幡「そうだな、あとはあれだ」

葉山「…?」

八幡「カレーの準備の時、三浦は俺に声をかけた」

葉山「それが?」

八幡「ありえんだろ、女王が目の端にも映らんような存在に、お前をそっちのけで声をかけるなんて」

葉山「そうかな、君は案外目立つよ」

八幡「…まぁ、別に今回はそれは置いておく」

葉山「そうか」

八幡「あれは、お前が近くに居なかったからだ、そういや、お前は小学生といたもんな」

葉山「あぁ」

八幡「…そして、そこには留美もいた」

葉山「…」

八幡「お友達がたくさんいるお前のことだ、また留美を無理に輪の中にいれようとしたんだろ」

八幡「それを思い出して、明らかに周りとずれていると感じたんだ」

葉山「…なるほどな」

八幡(これを思い出した時、一瞬だがお前を殴りそうになったぜ、全く、俺に感謝して欲しいもんだ)

八幡(確かに、お前なりにどうにか留美をどうにかしようとしたのは感謝するまである、だが)

八幡(使い方のわからないものは、放おっておくんだったな、お前は、俺にはわからんが、雪ノ下と過去になんかあった
   んじゃないのか)

葉山「…他にはないのかい?」

八幡「そうだな、まぁこう思った後だから結論付けることが出来たことだが」

葉山「うん」

八幡「今回、チェーンメールがなかった」

葉山「…」

八幡「これはどう考えてもおかしいよな、就職見学がある以上、あの事件はどうあっても回避できないはずだった」

八幡「だが、お前は部室に来なかった、ついでに言えば、由比ヶ浜の口からも、その類の噂を聞かなかった」

葉山「…するどいな」

八幡「そうか?誰でも思いつくだろ」

葉山「そんなことないさ、さすがだと思う」

八幡「あまり褒めるな」

葉山「釣れないな」

八幡「…まぁ、決定的だったのは、お前が有志の申し込みの紙を貰いに来た時だな」

葉山「…?」

八幡「『それならよかった』…どう考えてもおかしいだろ」

葉山「…ははっ、やっぱ比企谷くんは凄い、尊敬する」

八幡「嘘をつけ」

葉山「本当だよ」

八幡「…なんだそれ」

葉山「…俺はね、実は割りと最初から君を疑っていた」

八幡「…」

葉山「君があそこで優美子に言い返すだなんて、想像もしなかったよ」

八幡「…」

八幡(だろうな、俺がお前なら、そう思うに決まってる…いや、俺がお前とか絶対ありえないけど

葉山「まぁ、それだけだね、それじゃ」

八幡「…まだ、聞きたいことが残ってる」

葉山「…?なんだい?」

八幡「雪ノ下さんのことだ」

葉山「陽乃さん?」

八幡「あぁ」

八幡「今からあの人に関しての質問を幾つかする」

葉山「わかった」

八幡「答えたくないならいい、それなら俺の方から当ててやろう」

葉山「…頼むよ」

八幡「そうだな、まず一つ、別にお前が普段遊ぶ程度に関わった事はどうでもいい、つーか知らん、だが」

葉山「…?」

八幡「お前、二年の春に戻った後、そこから数えて一回目に会った雪ノ下さんに会っただろ」

葉山「…!?」

八幡「そうなんだな、そこでお前、気づかれたんじゃないか?」

葉山「…」

八幡「黙秘か、まぁいい」

八幡(やはりな、つまりこうか、雪ノ下さんは俺と初めて会った時、俺に違和感を感じたわけじゃなく、違和感を感じた
   葉山と同じ気配を感じた……いや)

八幡「…どこまで喋ったかは知らんが、少なくともほぼ確信的なところまでは喋ったんだろう」

葉山「なぜ、それを?」

八幡「別にいいんだよ…そうだな、その後、具体的に、6月半ばから後半に掛けても一度会ったんじゃないか?」

葉山「…あぁ」

八幡「そうか」

八幡(やはり、あのあと葉山と接触していたか)

八幡「それじゃ、最後だ」

葉山「…」

八幡「お前はそのつど、俺のことを雪ノ下さんに話していた、主に、前回の事を」

葉山「…負けたよ、そのとおりだ」

八幡「…」

葉山「俺と陽乃さんは、これでも冗談なんかを言い合える仲でね、陽乃さんが信じるわけがないと思って、聞かれた事に
   わざと本当の事を答えてみたんだ」

八幡「つまり、やり直していることもか」

葉山「あぁ、だから正しくは、『感づき始めた彼女に、冗談めかして事実を話した』ってところかな」

八幡「つまり、確信どころか、全部ってことか」

葉山「あぁ、当然、俺が知っていることだけだけどね」

八幡「…そうか」

八幡「…」

葉山「もう、行っていいかな」

八幡「あぁ、いいぞ」

葉山「わかった、それじゃ」

八幡「…」

八幡(行ったか)

八幡「もう、出てきていいんじゃないですか?」

陽乃「ありゃりゃ、バレてたか」

八幡「何言ってるんですか、わざとバレるように尾行してたくせに」

八幡(さて、裏ボス戦、突入だな)

八幡「雪ノ下さん、あなた、本当に何も知らないんですか?」

陽乃「んー?どゆことー?」

八幡「本当は、あなたも俺や葉山と同じ境遇なんじゃないかと言ってるんですよ」

陽乃「なに?私が比企谷くんと隼人のとんでも話に巻き込めれてる言いたいの?あっはっはー!比企谷くんがとうとう壊
   れた!おっかしー!」

八幡「…」

陽乃「あっはっはっはっ!…はぁー、お腹いたっ…」

八幡「気が済みましたか」

陽乃「ぜんっぜん?まだ笑い足りないよ」

八幡「じゃあ、思う存分笑えばいいんじゃないですかね」

陽乃「おろ?比企谷くん、今日はなんでそんなに怖い顔してるのかな?」

八幡「別に、いつもどおりですよ」

陽乃「うそだー、ほらほら、笑って?」

八幡「やめてくださいよ」

陽乃「なに?お姉さんのお胸が当たって緊張してるのかな?」

八幡「少し」

陽乃「まったくー、正直なんだからー」

八幡「俺、一回は完全に雪ノ下さんは違うと、思いました」

陽乃「なにそれー」

八幡「でも、葉山の事を思い出してる最中、引っかかったことがあったんですよ」

陽乃「え、ホントどうしたの、比企谷くん」

八幡「…俺、思ったんですよ」

陽乃「…?」

八幡「どう考えても、あなたがあの話をしないのはおかしいって」

陽乃「なになに?なんのこと?」

八幡「俺が、轢かれたことですよ」

陽乃「…はい?」

八幡「このことは、葉山は知らない、雪ノ下も、話そうとしないはずだ」

陽乃「でも、君は花火大会に来なかったでしょ?」

八幡「えぇ、行ってませんよ?」

陽乃「………あらやだ」

八幡「…はい、そういうことですよ」

八幡(ま、本当は行ってたんだけどね)

八幡「もう一度、あなたに疑問の芽が吹いたのは、ついさっきですよ」

陽乃「え?」

八幡「葉山に俺のことを聞く?そんなの、絶対ありえない」

陽乃「…ふんふん」

八幡「なぜなら、あなたは前回俺とあった時、全部話せと言ったんです」

陽乃「それで?」

八幡「あなたがもしやり直していないならば、あの時に葉山の言ったことを俺に話して、それの確認をしたはずなんです」

八幡「だが、あなたはそんなことはしなかった」

陽乃「そんだけ?」

八幡「えぇ、それだけですよ、でも、あなたを疑うには充分すぎますよ」

陽乃「そっか、あ~、やるなぁ、比企谷くん」

八幡「どうも」

陽乃「というか、隼人と比企谷くんは絶対に仲悪いって思ってたのに」

八幡「いいも悪いも、そもそもプラスとマイナスですからね、関わりがありませんよ」

陽乃「そっか、かんっぜんに油断してたよ、絶対にバレないって思ったのにな」

八幡「残念ですね」

陽乃「隼人には疑われもしなかったのにな」

八幡「そうですか」

陽乃「雪乃ちゃんにも、静ちゃんにも、めぐりにも、バレるんなら、お母さんくらいだと思ってたよ」

八幡「…案外、雪ノ下も気づいてるんじゃないですかね」

陽乃「雪乃ちゃんが?ないない、絶対にないよ」

八幡「…そうですかね」

陽乃「そうだよ、比企谷くんだけ」

八幡「…」

陽乃「ふふっ、比企谷くん?」

八幡「な、なんですか」

陽乃「お姉さん、悔しいな~」

八幡「あ、はい」

陽乃「だ・か・ら、慰めてほしいな~」

八幡「あっ、ちょっ」

八幡(ちょっと?なんで俺の顎を掴むの?やめてって)

陽乃「…」

八幡「…ストップで」

陽乃「せっかく屋上で誰も居ないのに?」

八幡「当然ですよ」

陽乃「ふ~ん」

八幡「…」

陽乃「あ~あ、私はこんなヘタレくんに、負けたのか~」

八幡「…ふぅ」

八幡(あー、なんだよこの人、もう女帝とか名乗ったほうがいいんじゃないの?)

陽乃「…」

八幡「…」

陽乃「このあとは、どうするの?」

八幡「もんじゃ食うんじゃないですかね」

陽乃「そうじゃないよ、あの比企谷くんが告白したっていうのと会う時」

八幡「…別に、どうもしないっすよ、あれは誰が傷つくってわけでもない」

陽乃「ふ~ん」

八幡「それに、あれはたまたま会っただけですし、あの日にあの店に行かなければ何の問題もありません」

陽乃「そっか」

八幡「えぇ」

陽乃「ま、それならいいんだけどね、前も言ったけど、私は比企谷くんが傷つこうが死のうがどうでもいいからね~」

八幡「そう思ってくれてるほうがいいですよ、あなたは」

陽乃「なにそれー、もしかして比企谷くん、私の事口説いてる?」

八幡「そんなわけないでしょ」

八幡(それ成功させるのと、兵藤会長にギャンブルで勝つの、どっちが難しいんですかね)

陽乃「そっか」

八幡「…まぁ、俺は今珍しく清々しい気分なんで、今日の打ち上げは大いに楽しめそうですよ」

陽乃「それって、お姉さんのおかげかな?」

八幡「そうですね」

陽乃「じゃあ、楽しみにしておくといいよん」

八幡「…?」

陽乃「お姉さんをいじめるとどうなるか、教えてあげるから」

八幡「あ、はい」

八幡(ちょっと?あなたらしくないよ?ストレートすぎない?)

陽乃「さてと、それじゃあそろそろ戻ったほうがいいんじゃないの?」

八幡「そうですね」

陽乃「それじゃ、多分また静ちゃんから電話くるだろうし、お店でね」

八幡「えぇ」

八幡「…」

八幡(あ~ぁ、疲れた…正直、あまりうまく行くとは思ってなかったんだが、ありゃ完全に油断してたな)

八幡(だが、勝った…これは一生俺の勲章になる気がする)

八幡「…よし、行くか」

今日はここまで
もうわかったから言うけど、正直どっかで葉山って出た地点で面白くなかったでしょ、みんな

それじゃあ今日はここまで、見てくれた人、おつかれちゃーん

(∩゚∀゚)∩age
作者様はよ

お早く御座い下さいまし候

>>643

(´・ω・`)  n
⌒`γ´⌒`ヽ( E)
( .人 .人 γ ノ
ミ(こノこノ `ー´
)にノこ( ピュピュピュ
 二つ゚。゚ ゚ 。
UJ  。゚ 。 。

どうも、お久しぶりです、>>1です、あけましておめでとうございます

成人式も終わって、やっと暇ができたよ

と、言うのも、僕は別に今年成人というわけではないんだけど、年末から年始にかけての居酒屋のバイトが忙しかった
わけね、忘年会とか、新年会とか、成人式終わりの同窓会とか

ここも見ないうちにうんこが出現したりしてて、待っててくれた人たちにはかなり悪かったと思ってる、ごめん

それでは挨拶はこんくらいにして書くよ、次レスから↓

―数日後―

八幡「……」

八幡(前回までのあらすじ)

八幡(葉山と雪ノ下さんの正体を見破った俺は、この世界の神になった、終わり)

八幡(なんで、あいつらがそういう役割で夢に出てきたのかは、今一歩理解しがたいけどな。潜在的に勝ちたいと思っていた
   んだろうか……まぁ、それだと留美の件に説明がつかなくなるからな。俺はあんなこと、絶対に望まないし)

由比ヶ浜「ヒッキー」

八幡「ん」

由比ヶ浜「おはよ」

八幡「あぁ、おはよう」

由比ヶ浜「……」

八幡「……」

八幡(なんで黙ってんのよ)

由比ヶ浜「今日、天気いいね」

八幡「そうだな」

由比ヶ浜「…そういえば、今日は修学旅行の班決めだね」

八幡「天気と何の関係があるんだよ……」

由比ヶ浜「いいじゃん、それでさ」

八幡「……」

由比ヶ浜「や……やっぱいいや」

八幡「そうかよ」

由比ヶ浜「それじゃあね」

八幡「おう」

八幡「……」

八幡(修学旅行か、そういえばまだ戸部が来てないな。まぁ葉山がなんとかやってんだろ)

八幡(出来ることなら、俺は前回使った解決方法は使いたくない)

八幡(なぜかって?そりゃ…まぁ、件の由比ヶ浜のせいに決まってる)

八幡(俺だって、そこまで馬鹿な人間じゃない。俺に気持ちを伝えてくれた子の目の前で、振られるとわかっている告白を
   するなんて嫌に決まってる。)

八幡「…」

八幡(まさか俺が葉山に頼る日が来るとはな。…泣けるぜ)

八幡(……で)

平塚「それでは、各自で班決めを始めてくれたまえ」

八幡(かくして、死刑宣告を受けた俺は寝たふりを決め込むのであった)

八幡(依頼が来ていない以上、こっちから動いて集めるのは無理だし、というか由比ヶ浜の協力なしじゃヒャクパー無理)

八幡「……」

葉山「やぁ」

八幡「……どうした、葉山。三浦が嫉妬しているから早く帰れ。俺が怒られる」

葉山「単当直入に言うよ。俺と同じ班に入ってくれないか?」

八幡「やっぱり戸部から相談を受けたのか」

葉山「それはそうだけど、今回は君に頼るつもりはないよ」

八幡「……」

葉山「さすがにこれいじょうは……ね」

八幡「そうか」

葉山「あぁ」

八幡「でも、したらなんでだよ」

葉山「個人的に、君と行きたいと思ったからさ」

八幡「……そうかよ」

八幡(嘘だ、葉山隼人は嘘をついている)

八幡(葉山が本当に一緒に行動したいと思う人間を、あの女王はあんな目で見ない)

八幡「……まぁ、誘ってくれるならありがたく」

葉山「そうか、ありがとう」

八幡「おう」

八幡「……」

八幡(なぜだろうか、もう雪ノ下が離れていく理由はないのに、今少し遠くへ行ってしまった気がした)

八幡(まぁ、気のせいだろ。最近色々ありすぎて疲れてんだ。あの神のおっさんも現れないし)

葉山「それじゃあ、コース決めだから、来てくれないか」

八幡「あいよ」

―部室―

八幡「うーす」

雪ノ下「あら、比企谷くん」

八幡「よぉ」

雪ノ下「……」

八幡「……」

八幡(まぁ、これもいつもどおりだしな。やっぱり思いすごしだろ)

雪ノ下「由比ヶ浜さんは?」

八幡「あ?あぁ、あいつは旅行の買い物とか言ってたな。三浦たちと出かけたみたいだ」

雪ノ下「そう。けれど、そういうことなら開口一番に伝えてもらわないと困るわね」

八幡「すまんな」

雪ノ下「まぁ、いいわ」

八幡「……」

雪ノ下「……」

八幡(あいも変わらず、毎日毎日読書。まぁ好きだからいいんだけどさ)

八幡「……」

八幡(ここで一つ、考えておこう)

八幡(なぜ、俺があの葉山隼人に誘われたのかだ。あんなことしたら、俺が葉山親衛隊にいじめられちゃうでしょうが。
   最近のアニメでもあったでしょ?ちゃんと意識してよ、全く……)

八幡(考えられるのは、まぁ保険ってところだろうな)

八幡(前回と違う行動して、また面倒くさいことになっても困るしな。それの防止ってところだろ)

八幡(どうやら、班員は前回と変わっていなかったみたいだし。……あれ、考えなくてもそれが正解じゃんかよ)

八幡(それなら、まぁ普通かな。特に構えることもないだろうよ)

雪ノ下「ねぇ、比企谷くん」

八幡「……ん、どうした」

雪ノ下「最近、姉さんによくあなたのこと聞かれるの」

八幡「え、なんで」

雪ノ下「わからないわ。だから聞いているんじゃないの」

八幡「……まぁ、あの人は結構謎なところあるし、意味なんてないだろ」

雪ノ下「そうかしら」

八幡「そうだよ」

雪ノ下「……そうね。変なこと聞いて悪かったわ」

八幡「いや、別に」

八幡「……」

八幡(全く、あの人も底意地が悪い)

八幡(もうほっといてくれればいいのに。別にこっちからちょっかいなんて出さないし、そもそも雪ノ下に俺のこと聞いても   わかるわけないでしょ)

雪ノ下「そういえば、あなたは班決めどうだったのかしら……ごめんなさい」

八幡「ちょっと、なんで謝ったの?というか、その謝罪には悪意しか感じられないんだけど」

雪ノ下「ごめんなさい」

八幡「いや、それ以上謝らないで、謝らないでください」

雪ノ下「別に、私はあなたが今日の班決めでどうだったのかを聞きたいだけよ」

八幡「……なぜか葉山に誘われた」

雪ノ下「……そう、よかったわね」

八幡「まぁ、他の誰かに迷惑をかけなくてよかったよ。もしあのまま残っていたら中学生の頃よろしく、またあのなんで
   俺らの班なんだよ、みたいな顔されながら『あっ…よ、よろしくな』とか言われるところだったからな」

雪ノ下「やけにリアルな話ね」

八幡「そんなことがなかっただけでも、今回は葉山には感謝しねぇとな」

雪ノ下「なら、葉山くんだけではなく、他の班のメンバーの人にもちゃんと感謝しなさい」

八幡「なんでそんなかーちゃんみたいなこと言うんだよ」

雪ノ下「……別に理由なんてないわよ。あまりにも姉さんが比企谷くんのことをきてくるものだから、少しだけ気になって
    しまっただけよ」

八幡「お、おう。そうか」

雪ノ下「……本当に少しよ。あまりう調子に乗らないでちょうだい。正直、今のその変なハニカミ方、気持ちわるいわ」

八幡「どうもすいませんね」

雪ノ下「……」

八幡「……」

八幡(修学旅行……か)

―修学旅行当日―

八幡「……」

小町「あ、お兄ちゃん、おはよ」

八幡「おう、どうしたこんな時間に」

小町「ちょっとお花を摘みにねー」

八幡「そうか」

小町「そういえば、お兄ちゃんは今日から修学旅行だっけ」

八幡「そうだよ」

小町「ハンカチとテッシュは持ったの?しおりは?歯磨きとタオルと洗顔剤と……あれ、お兄ちゃんその顔なにー?小町の
   顔になんかついてる?」

八幡「いや、親父もお袋もまだ起きてこないのに、俺の妹はこんなこと聞いてくれるのかって思うとちょっと嬉しくてな」

小町「意外だね、お兄ちゃんでもそんなこと思うんだね。でも小町もたまたま起きただけだよ?」

八幡「それでも嬉しいんだよ」

小町「……お兄ちゃん、またなんかあったの?」

八幡「いや、そうじゃないんだがな」

小町「……?」

八幡「いや、なんでもない。心配すんな」

小町「ほんとー?」

八幡「本当だよ。ありがとうな」

小町「ちょっ、頭なでんなー」

八幡「寝癖しかねぇくせに何言ってんだよ」

小町「また乙女に向かってそういうこと言う。これだからごみいちゃんは」

八幡「……そんじゃ、行ってくる」

小町「お兄ちゃん」

八幡「…ん?」

小町「本当にそんな装備で大丈夫?」

八幡「大丈夫だ、問題ない」

ちょっと休憩

休憩終わり

今回から少し書き方を変えてみた、三点リーダを『…』から『……』にしたり、『、』だけじゃなく『。』もいれてみたり
見にくかったら戻すよ

それと一つだけ、前回なんで相模が屋上にいたんだよって質問だけど>>594

八幡(誰か、着いて来てんな)

八幡(なんで…って、まぁ大体わかるんだけどね)

八幡(あなたでしょ?相模を連れだした張本人)

八幡(と言うか、こんなめんどくさいことすんのは、あなた以外にいない)

>>600

八幡「もう、出てきていいんじゃないですか?」

陽乃「ありゃりゃ、バレてたか」

って言うところではるのんが連れ出したのを一応書いたつもりだったんだけど、わかりにくかったかな、ごめん

それじゃあ次レスから↓

八幡(……で)

葉山「やぁ、比企谷くん」

八幡「おう」

八幡(ヒキタニじゃねぇのな)

葉山「早いね」

八幡「まぁ、少し早く起きちまってな」

葉山「そうか」

八幡「それに、俺が少しでも遅れていくと普通に欠席扱いされておいていかれるんだよ」

八幡(まぁ鈍行乗り継いで、途中のゲーセンで美少女とゲームしながら合流するってのもいいけどな。小春ちゃん、やっぱ
   負けるのかね)

葉山「そんなことないと思うけどな」

八幡「あるんだよ。……それより、お前もやけに早いじゃねぇか」

葉山「あぁ、俺は戸部と少し打ち合わせをね」

八幡「……正直、結末が分かっていることをやらせるのって、お前的にはどうなんだ?」

葉山「そりゃ、振られるのがわかってるなら俺は全力でそれを阻止するさ。けど」

八幡「……?」

葉山「俺だって、春から前回と同じシナリオをただなぞっていたわけじゃないさ」

八幡「……なるほどな」

葉山「あぁ」

八幡「まぁ、健闘を祈る」

葉山「ははっ、君が激励の言葉を俺に送るなんてな」

八幡「一応は心配くらいしているさ」

葉山「……そうか」

八幡「おう」

葉山「けど、俺達には、君には他にも気にして欲しいことがあるんだけどね」

八幡「……?」

八幡(心配して欲しい?なにを。それに俺達?『達』ってことは、他にもいるのかよ。なぁ葉山、一体俺になにを隠してるん   だ)

葉山「それじゃあ、俺はもどるよ」

八幡「あ、おう」

八幡「……」

八幡(なるほど。お前はこんな気持ちを俺に持っていたんだな。確かに気持ちが悪い)

―新幹線内―

八幡「……」

三浦「結衣ー、これ食べな」

由比ヶ浜「あ、ありがとう優美子ー」

三浦「ほれ、姫菜も」

海老名「ありがと……こっこれは!」

由比ヶ浜「え?なになに?」

海老名「二つのクッキーの間にクリーム……向かい合うのにくっついているのは真ん中の白い……んぼっ!」

優美子「海老名、擬態しろし」

由比ヶ浜「ティッシュティッシュ!」

八幡「……」

八幡(どうやったらオレオでそこまで妄想が膨らむんだよ)

材木座「八幡」

八幡「……どうした、材木座」

材木座「京都と言えば、古の帝都であるな」

八幡「そうだな」

材木座「これは我の執筆に拍車がかかるとは思わんか?」

八幡「あぁ、進んだらいいな」

材木座「ふんっはぁっ!圧倒的ではないか!我が軍は!」

八幡「そういうことは書いてから言えよ」

材木座「それは言わない約束ではないか」

八幡「うっせーな、あと顔が近い」

材木座「んっふ、これは失礼。時に八幡よ」

八幡「んだよ」

材木座「実は、お主の名『八幡』を八百万の神と掛けて新しい小説を……」

八幡「却下だ。百足らないし」

材木座「武神の我が八百万の神のひとりである八幡を武器に変えてだな」

八幡「もろパクリじゃねぇか」

材木座「ダメか?」

八幡「審議の余地なく」

材木座「くっ……」

八幡(なんで悔しそうな顔してんだよ)

材木座「とっ……とにかく、多様なネタの収穫を目指して我は行くのだ。待っていろ!今は亡き数多の偉人の亡霊よ!」

八幡「はいはい」

材木座「それとだな、共に寺町通の観光を」

八幡「それがメインだろ、お前」

材木座「いいではないか」

八幡「……まぁ、気が向いたらな」

材木座「なぬ?本当か?」

八幡「あぁ、三日目の自由行動は特に予定ないし、下手したら二日目だって暇かもしれん」

材木座「そうか!ならば我と共に行こうではないか!無限の彼方へさぁ行くぞ!」

八幡「わかった、わかったから」

材木座「……と、いうわけで、我は我の在るべき場所へ戻るとしよう」

八幡「そうかよ」

材木座「アディオスッ!」

八幡「普通にできないのか、お前は」

八幡「……」

由比ヶ浜「中二と何話してたの?」

八幡「え?あ、あぁ。観光の予定をな」

八幡(いきなりなんだよ)

由比ヶ浜「三日目の?」

八幡「あぁ」

由比ヶ浜「あ……そ、そうなんだ……」

八幡「んだよ」

由比ヶ浜「それって、ずーっと中二と一緒なの?」

八幡「いや、多分あいつはすぐ自分の世界に入るだろうし、適当にぶらつこうかと」

由比ヶ浜「そ、そっか」

八幡「……」

由比ヶ浜「まぁいいや、それじゃね」

八幡「おう」

八幡「……」

―京都―

八幡(ということで、京都にやってきた)

八幡(集合写真は前回と同じインファイトスタイルをチョイスし、適当にやりすごした)

八幡(さて、バスが出る時間までそのへんで適当に……)

葉山「あれ、ヒキタニくんどこに行くんだい?」

八幡「……え?」

八幡(あれ、おかしいな。俺もなぜかバンバンパスが通ったり、リーチかけてもバレないくらいに目立たないと自負してた
   のに)

葉山「一緒の班だろ?早く行こう」

八幡「お、おう」

三浦「あーしに迷惑かかんじゃん、早くしなよヒキオ」

八幡「すまん」

戸塚「八幡、どこに行こうとしてたの?」

八幡「え?あぁ、いやまぁその辺を適当にぶらつこうかと」

戸塚「ダメだよ。ちゃんとみんなで行動しないと」

八幡「あぁ、俺が間違ってたよ。心配掛けてごめんな、戸塚」

戸塚「うん、大丈夫だよ。ほら行こう」

八幡「あぁ」

川崎「……」

戸塚「ほら、川崎さんも」

川崎「わかってるよ」

八幡(あれ、戸塚は俺と一緒に行ってくれるんじゃないの?なぜ五所川原さんと行ってしまうの?)

由比ヶ浜「……ヒッキー」

八幡「ん、なんだよ」

由比ヶ浜「ううん……なんでもないよ。行こ?」

八幡「おう」

八幡「……!?」

由比ヶ浜「……」

八幡(なぜ、俺の服の裾を掴むんだ?由比ヶ浜)

八幡「……」

八幡(やばい、口の中がカラカラだ。うがいをさせてくれ)

由比ヶ浜「……あ、いたいた」

八幡「おう」

八幡(胎内巡り……。マジかよ)

由比ヶ浜「ほら、みんな行っちゃったし、行こ」

八幡「おう」

八幡(さっきからそれしか言ってないな、俺)

由比ヶ浜「……」

八幡「……」

八幡(あぁ、入っちまった。というか、何回入ってもマジで真っ暗でなんもわからんな)

由比ヶ浜「……」

八幡「……」

八幡(なんでなにも喋らないんだよ、勘弁してくれよ)

由比ヶ浜「あのさ、ヒッキー」

八幡「……ん?」

由比ヶ浜「文化祭の打ち上げ、楽しかったね」

八幡「ま、まぁ。でもなんで今その話?」

由比ヶ浜「だって最近話せてなかったから」

八幡「いや、別にそんな改まるようなことじゃ」

由比ヶ浜「ううん、ダメなの」

八幡「な……。なにが」

由比ヶ浜「……わかんない。でもダメ」

八幡「そうか」

由比ヶ浜「……あたしね、あの時嬉しかったよ」

八幡「打ち上げでか?」

由比ヶ浜「うん」

八幡「いや、特に何かした覚えはないんだが」

由比ヶ浜「そう言うと思ってた」

八幡「……」

八幡(打ち上げの時?……ちょっと思い出してみるか)

―お好み焼き・もんじゃ焼きよしえ、店内―

陽乃「はーい、ゆきのちゃん」

雪ノ下「……なぜ、姉さんがここにいるのかしら」

陽乃「静ちゃんにお呼ばれしちゃった。えへへ」

由比ヶ浜「あ、陽乃さん」

陽乃「ガハマちゃーん。やっはろー」

由比ヶ浜「や、やっはろーです」

陽乃「……ん」

八幡「……ぐっ」

八幡(なんですか、そのウィンクは。絵になりすぎてるんでやめてください)

陽乃「比企谷くん、ちゃんと来てくれたんだね」

八幡「えぇ、まぁ妹に頼まれたら断れないの分かってましたし、大人しく最初からきましたよ」

陽乃「うんうん、偉いなー。お姉さんがナデナデしてあげよう」

八幡「やめてくださいよ」

陽乃「えー」

由比ヶ浜「あっ、ちょ、そういうのはちょっとあれですよ……」

陽乃「ん?どうしたの?ガハマちゃん」

由比ヶ浜「あ、えっと」

八幡「落ち着け由比ヶ浜、この人はなんの意味もなくこういうことをする人だ。俺だからってわけじゃない」

由比ヶ浜「ほっ。そっか……って!べっ、別にそういうんじゃないし!」

陽乃「おや、もしかしてこれはー」

雪ノ下「姉さん、そのへんでやめておいてもらえるかしら」

陽乃「……ま、雪乃ちゃんがいいならいいんだけどね」

八幡「……」

雪ノ下「比企谷くん、なにをしているの」

八幡「いや、なんでも」

雪ノ下「そう。なら早く座りましょう」

八幡「あぁ」

小町「あのー、雪乃さんのお姉さんですか?」

陽乃「んー?そうだよー」

小町「どーも!初めましてー!」

八幡(小町ナイス!)

今日はここまでにしておく

それじゃあここまで読んでくれた人、おつかれちゃーん

どうも、>>1です

少しだけ書くよ、次レスから↓

小町「それでですねー」

八幡(小町が色々質問してくれたおかげでなんとかうやむやに出来た。助かったよ)

陽乃「そうなんだー。材木座くんも奉仕部の部員なの?」

材木座「いや……我は……」

八幡(それと材木座。いつもどおりのウザキャラで人柱になってくれたが、お前は無理すんな。もう休め)

平塚「それくらいにしておけ、陽乃。もんじゃもそろそろ焼けてきているぞ」

陽乃「そうだね。それじゃ食べよー!」

小町「待ってました!」

八幡「……」

戸塚「……あれ。八幡、どうしたの?」

八幡「いや、ベビースター入れたいと思ってな」

由比ヶ浜「え?もんじゃってお菓子も合うの?じゃあグミ入れてみようよ」

雪ノ下「由比ヶ浜さん。あなたはそれが本当においしくなると思っているのかしら」

由比ヶ浜「ダメかな」

八幡「ダメに決まってんだろうが。そんなこと言ってっとガムご飯とか食わすぞ」

由比ヶ浜「ひどっ!……ってかそんなのおいしい理由無いじゃん!」

八幡(それはわかるんだ)

平塚「ほら。君たちとりあえず落ち着きたまえ。あ、ハイボールお願いしまーす」

陽乃「静ちゃん?ほどほどにね?」

材木座「八幡、食べてもよいか?」

八幡「いいんじゃないの」

材木座「うむ!それでは全ての豚肉と野菜と魚介と水とベビースターに感謝を込めて……」

小町「いただきまーす!」


八幡(うーむ。やはりこの大人数での食事の雰囲気はいい。と言っても、俺はそれを外から眺めているだけなんだが)

陽乃「そういえばさ、比企谷くん」

八幡「なんですか」

陽乃「もう決めた?」

八幡「何をですか」

陽乃「やだな。雪乃ちゃんかガハマちゃんかだよ」

八幡「……前にも言ったでしょう。俺は好き嫌い言わないように母ちゃんにしつけられて育ったんですよ」

陽乃「またまたー」

八幡「……ま、それを俺が決めたところで、俺がどうこう出来るってわけじゃないんで。大体雪ノ下には友達になることすら
   否定されてます。考えるだけ野暮ですよ。と言うか、そんなこと口に出したら雪ノ下に怒られます」

陽乃「そっか」

八幡「そうですよ」

陽乃「なら、私が何を言ってもいいよね」

八幡「なぜそうかき回そうとするんですか」

陽乃「別に?ただ同じじゃつまらないだけ」

八幡「いや、ちょっとまっ」

陽乃「ガハマちゃん」

由比ヶ浜「え?なんですか?」

陽乃「ガハマちゃんは比企谷くんのこと好き?」

小町「……!?」

由比ヶ浜「ふぇっ!?陽乃さんいきなり何を言ってるんですか!?」

陽乃「だってガハマちゃん、さっきからずーっと比企谷くんのこと見てるし」

由比ヶ浜「いやいやいや!そんなことは……」

陽乃「んー?」

由比ヶ浜「そんなことは……」

雪ノ下「……」

八幡「はい、この話はおしまいです。すいません、コーラお願いします」

陽乃「あ、比企谷くん。またそうやって」

八幡「……雪ノ下さん」

陽乃「なに?」

八幡「あんまり、俺を困らせないでください」

由比ヶ浜「……」

雪ノ下「……」

陽乃「あ……あれ?」

戸塚「八幡、顔がすごく怖いよ?」

八幡「え?あ……あぁ、悪いな戸塚」

戸塚「ううん。でも八幡もそういう顔するんだね。いつも優しいからびっくりしたよ」

八幡「……ちょっと外行ってきます」

由比ヶ浜「あっ……」

八幡「……」

八幡(ふぅ。柄にもなく顔に出ちまったのか)

材木座「はーちまん」

八幡「……どうした」

材木座「クックック。分かっておるだろう?」

八幡「……?」

材木座「あの中にお主が居ないと!我の居場所も無いのだっ!」

八幡「……ふっ、そうかよ」

材木座「うむ」

八幡「……」

材木座「……」

八幡「なぁ、材木座」

材木座「なんだ?」

八幡「俺、どんな顔してたよ」

材木座「ふん。聞かずともわかることを。お主はいつもどおりだったぞ」

八幡「そうか」

材木座「……今日は少し冷えるな」

八幡「もう秋も深いからな」

材木座「あ、今のセリフもらっていい?」

八幡「いつ使うんだよ」

材木座「いずれその時が来る」

八幡「……」

材木座「……」

八幡「そろそろ、戻るか」

材木座「うむ」

八幡「材木座」

材木座「八幡、口に出さずともいい言葉というのがこの世には存在するのだ」

八幡「……お前、今最高にかっこいいぞ」

材木座「あ、マジで?」

八幡「戻ろうぜ」

材木座「おうっ!行くぞ!戦地へ!」

平塚「お、比企谷。戻ったか」

八幡「別に少し外に出ただけでしょう」

平塚「まぁ、そうなんだけどな」

八幡「……?」

平塚「ほら、陽乃」

陽乃「比企谷くん、ごめんね?」

八幡「雪ノ下さんは別に何もしてないでしょう。俺が勝手に怒っただけです」

陽乃「そう言ってくれると思ってたよ」

八幡「そうですか」

雪ノ下「比企谷くん」

八幡「ん、どうした」

雪ノ下「私からも謝罪を」

八幡「あー、いいっていいって。俺はなんも迷惑被ってないし」

雪ノ下「けれど、仮にも私の姉があなたと由比ヶ浜さんにちょっかいを出したわけだし」

小町「まぁまぁまぁ、雪乃さん、ウチの兄は今まで幾多の修羅場をくぐり抜けてきた落ち武者ですので。情けの言葉は不要
   ですよ」

八幡(おい、俺もう落ちてんのかよ。目か?目がいけないのか?)

小町「なんで、大丈夫ですよ。小町が保証します」

雪ノ下「……そう。安心したわ」

八幡「ま、そういうわけだ。こういう場なんだし、楽しくやろうぜ」

雪ノ下「えぇ」

八幡「それでいいな?由比ヶ浜」

由比ヶ浜「え?あぁ!うん!というかあたしは最初っから別になんとも思ってなかったし!」

八幡「そうか」

戸塚「ねぇ材木座くん、なにしてるの?」

材木座「儀式だ」

戸塚「儀式?」

材木座「うむ。さまざまな素材を融合させ、新たに一つの大きな力を生み出すためのものである」

戸塚「へぇ。面白いね」

由比ヶ浜「あ!あたしもやりたい!」

雪ノ下「由比ヶ浜さん、私も手伝うわ」

小町「小町もやります!」

陽乃「私もやーろおっと」

八幡「……」

平塚「……比企谷」

八幡「なんですか」

平塚「やるじゃないか」

八幡「……先生も、色々言ってくれたんじゃないですか?俺、正直それ期待して外出ましたし」

平塚「全く、褒めたそばから君は卑怯だな。だが、私は何もしていないよ」

八幡「そうですか」

平塚「ほら、君も参加したまえ」

八幡「俺はここで見てますよ」

平塚「そうか」

八幡「えぇ」

八幡「……」

―現在―

八幡(……なるほど。まぁ気にするなというのには多少無理が合ったとは思っていたが、案の定引っかかっていたのか)

由比ヶ浜「……」

八幡「なぁ、由比ヶ浜」

由比ヶ浜「なに?」

八幡(ここで少しでも確信に触れてやらないと。ほら、聞け、聞くんだ比企谷八幡)

八幡「海老名と戸部って、仲いいのか?」

由比ヶ浜「え?」

八幡(何を言ってるんだ俺は!)

八幡「あー、いや。さっきやけに葉山が二人を気にかけてた気がしたから」

八幡(しかも理由になってねぇ!)

由比ヶ浜「やっぱわかる?」

八幡「あ……あぁ、まぁ。この班分けも考えてみれば不自然だし。普通はいつもつるんでる仲良しで組むもんだろ」

由比ヶ浜「まぁね、詳しくは言えないけど優美子と隼人くんが色々頑張ってくれてるみたいなんだよね。夏前くらいから二人     でいるのよく見るし」

八幡「そうか」

由比ヶ浜「気になったの?」

八幡「いや、話すことなかったし。間が持たなかったから」

由比ヶ浜「……そっか」

八幡「……」

由比ヶ浜「……」

八幡(緊張で口が開かない)

由比ヶ浜「あ、出口だよ」

八幡「お、本当だ」

由比ヶ浜「行こっか」

八幡「戻るつもりかよ」

由比ヶ浜「もう突っ込まないよ」

八幡「ぐっ」

由比ヶ浜「ほら」

八幡「ちょ、手引っ張んなって」

今日はここまで

それじゃあ読んでくれた人、おつかれちゃーん

[由比ヶ浜結衣の憂鬱]



結衣「ヒッキーとゆきのんが付き合ってる? 冗談きついよゆきのん…………」

ゆきのん「…由比ヶ浜さん。私と比企谷君は本当に付き合っているの」

結衣「そうなんだ。……じゃ、おまえ[ピーーー]よ」グサッ

ゆきのん「うっ……」バタン

比企谷「ゆ、雪乃? ゆきのーーー!」

結衣「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは。いいきみだ。バイバイ、ゆきのん。……ねぇ、ヒッキー。今からデートしない? 」

比企谷「そうだな。ハニトーでも食いにいくか」

結衣「うん♪」


こうして比企谷八幡と由比ヶ浜結衣は付き合うことになった。


ゆきのん「私はナイフで刺されたぐらいでは死なないのだけれど」





終わり

どうも、>>1です

それじゃあ、次レスから↓

八幡(清水の舞台……やっぱりこっから飛んでも死にはしないよな)

由比ヶ浜「ヒッキー」

八幡「わかってる、写真だろ?」

由比ヶ浜「そ、一緒に撮ろう」

八幡「お前もカメラマンやるのか?」

由比ヶ浜「そうじゃなくて!一緒に写ろうってこと!」

八幡「……わーってるよ」

由比ヶ浜「ほら、こっち来て」

八幡「……」

由比ヶ浜「はい、ピーナッツ」

八幡「……え?」

由比ヶ浜「はい、撮れたー」

八幡「……」

由比ヶ浜「ん?どうしたの?ヒッキー」

八幡「いや、今の掛け声なに。千葉好きな俺的にはとってもナイスな気がするが」

由比ヶ浜「うーんとね。なんかああ言った方がヒッキー喜ぶかなーって」

八幡「……まぁいいけど。掛け声一つで喜ぶとか、俺は小学生かよ」

由比ヶ浜「あはは。まぁいいでしょ?別に」

八幡「まぁな」

三浦「ヒキオ。写真撮って」

八幡「ん、あぁ。はいよ」

三浦「隼人、こっち来て。ほらあんたらも」

海老名「うん。行こ、とべっち」

戸部「おっ?みんなで撮る感じ?」

八幡「はい、撮るぞー」

八幡「……はい、撮れた」

三浦「ん、サンキュー」

八幡「おう」

―宿―

八幡(……その後、またしても俺は何人もの人間を写真に収めることになった。まったく俺を何と勘違いしてるんだよ)

八幡(平塚先生はまた音羽の滝の水を持って帰ろうとするし。もう……もう見てられないよ)

八幡「……」

八幡(しかし、まさかあそこで由比ヶ浜がピーナッツを使うとはな。……なぜだ?)

八幡(なぜ由比ヶ浜はあの掛け声を知って……。なるほど、そういうこと……なのか?)

戸塚「八幡、起きてる?」

八幡「ん?あぁ、戸塚か。いや、寝てはないよ、虚ろんでただけだ」

戸塚「疲れたの?今日はいっぱい歩いたもんね」

八幡「そうだな。運動不足の俺にはきつかったぜ。まさか南禅寺から銀閣寺まで歩くことになるとはな」

戸塚「あはは。ところでさ、八幡」

八幡「ん?なんだ?」

戸塚「今お風呂の時間だからさ、一緒に入ろうよ」

八幡「おうおう……ふぉん?」

八幡(あれれ、どうしてだ?前回は確か……そうだ、寝てしまったから風呂の時間が過ぎてて内風呂を使ったんだっけか。
   ということは、つまりなんだ?戸塚と……風呂に……?」

八幡「なん……だと?」

戸塚「早く行こ?八幡」

八幡「あ、あぁ」

八幡(ふっふっふ……やっとたまの休息ってやつができるんじゃないの?神のおっさんよ)

戸塚「……あ、ここみたいだよ?お風呂」

八幡「そうか……」

八幡(いざっ!)

八幡(……やっぱな、秀吉と戸塚の体は見れないってのが相場だよな……。うん、知ってた)

戸塚「ごめんね?八幡」

八幡「いや、いいんだ。戸塚はなにも悪くない」

戸塚「ありがとう、八幡」

八幡(俺と戸塚が男湯に入ろうとしたその刹那。たまたま通りかかった女の使用人さんに見つかり、有無を言わせず戸塚を
   連行。その上俺が無理やり誘ったと思われ平塚先生を呼び出すまでの惨事になってしまった。ごめん、先生)

葉山「お、おかえり」

八幡「おう」

葉山「災難だったな」

八幡「まぁな」

葉山「ところで、今ちょうど抜けちゃってメンツが二人足りないんだ。君たちもどうだい?」

八幡(葉山は麻雀牌をいじりながらそう言った)

八幡「……そうだな。混ざろうか。いいだろ?戸塚」

戸塚「うん、いいよ」

戸部「よっしゃ!こんなかで決着つけんべ!ビリはジュース奢りな!」

八幡(……ククク)

葉山「半荘でいいよな」

八幡「あぁ、いいんじゃないの」

葉山「それじゃあ、やろうか」

八幡(さて……ネット麻雀の王者の力を見せてやるぜ)





ざわざわ……
   ざわざわ……

葉山「……」

八幡(クッソ……!こいつ……化物か……!?)

八幡(槓二回って……咲かよ……っ!ありえねぇ……どうなってやがる……しかもそのうちの一つがドラだ……明槓
   だから三暗刻は付かないにしても、それでも三槓子トイトイドラ4……点数なんて数えたくもねぇ……)

八幡(戸部と戸塚はもうだめだ……明らかに逃げに徹している……がっ!いつ放銃かわからない……!それほどに葉山の河は
   凶悪だ……現物がいくつ残っているかわからないこの状況で……危険だ……!)

ざわざわ……
   ざわざわ……

八幡(葉山との点差がここまで開いた以上……俺がここで勝つためには……葉山へのハネ満直撃……!それしかない……!)

八幡(戸部……てめぇのせいでこんな……!さっきの葉山への役満放銃……あれはないだろ……ふざけろ……っ!))

八幡(今の俺はイーシャン……待ちも悪くない……が……っ!それだけじゃだめ……!あくまで葉山に放銃させなければ……   !)

戸部「……」

タニッ

葉山「槓」

戸部「え……?」

八幡「んな……っ!?」

八幡(おい……やめろ……!まさか……!)

葉山「行くよ……っ!」

バチバチィ!

葉山「ツモ……!!」

八幡「ぐにゃ~」

葉山「嶺上開花三槓子トイトイドラ4裏ドラ……乗って8!!32000!!」

八幡(うわあああああああああああああああああ!!)

八幡(……ということがあったんだ)

戸塚「うわぁ、すごいね」

戸部「ちょっと隼人くん本気出しすぎっしょ!」

葉山「たまたまだよ」

八幡(なんだこいつ……化物か?)

戸部「それじゃあジュース買ってくるわ」

八幡「いや、俺はいいよ」

戸部「え?そうなん?」

戸塚「八幡がそう言うなら僕もいいかな」

葉山「俺も別に喉渇いてるわけじゃないし、いいよ」

戸部「マジ!?ラッキ!助かったー!」

八幡(……まぁ、このあとは俺が自販機の前行かないといけないしな)

戸塚「あれ、八幡どこに行くの?」

八幡「あぁ、少し用事がな」

戸塚「ふぅん、そっか」

八幡「それじゃ、行ってくるわ」

戸塚「あまり遅くならないようにね」

八幡「あいよ」

戸部「ところで隼人くんおツモリ方かっこよくね?どうなってんの?」

葉山「別に普通だよ」

八幡「……」

八幡(いるんだな、マジで牌引いたり捨てたりするだけの動作がかっこいいやつ)

実は今日はこの茶番がやりたかっただけだから、とりあえず終わる

それじゃ、お疲れちゃーん

書くます

八幡「……」

八幡(さて……。そろそろ来るはずだが)

雪ノ下「こんな夜中に奇遇ね」

八幡「うお、あ……あぁ。そうだな」

八幡(あれ。一回スルーしてからじゃないのかよ)

雪ノ下「なにをそんなに驚いているの?私になにかやましいことでもあるのかしら」

八幡「ないね」

八幡(憧れならあるかもしれんがな)

雪ノ下「そう。ところで、あなたはここでなにをしていたのかしら」

八幡「ん?えーっとだな」

雪ノ下「ごめんなさい」

八幡「おい。なんで謝るんだよ」

雪ノ下「言ってから気がつくだなんて私も酷な人間になってしまったのかもしれないわ。比企谷くんに居場所なんてない
    はずなのにね」

八幡「そうだな。そろそろわかって、それで口に出さないでいてくれると俺的には助かる」

雪ノ下「……?泣いているの?」

八幡「泣いてなんかないぜ」

雪ノ下「そう」

八幡「そ……。それより雪ノ下。お前はどうしたんだ」

雪ノ下「どうしたって。自動販売機の前に来て飲み物を買う以外になにか起こせるアクションがあるのかしら」

八幡「ごもっともで」

雪ノ下「……」

八幡「疲れたのか」

雪ノ下「え?えぇ、少し」

雪ノ下「珍しいわね。あなたが……」

八幡「……?どうした」

雪ノ下「いえ。ただ、口に出す前に自分のセリフの間違いに気がついただけよ」

八幡「そうかよ」

雪ノ下「……」

八幡「そういえば」

雪ノ下「なにかしら」

八幡「そこの売店。パンさんグッズ売ってたっぽいぞ」

雪ノ下「知っているわ。けれど、だからどうということではないと思うのだけれど」

八幡「そうかい」

雪ノ下「……」

八幡「ストラップくらい、買ってやってもいいぞ」

雪ノ下「いきなりなにを言い出すのかしら」

八幡「掃除」

雪ノ下「……?」

八幡「手伝ってくれたろ?校内掃除。考えてみれば、俺はその礼をまだなにもしてない」

雪ノ下「あれは別に恩を売ったわけではないわ」

八幡「いいんだよ。由比ヶ浜にはもうお返しというか、あれしてるし。だから、なんというか……」

雪ノ下「……」

八幡「……感謝?」

雪ノ下「なぜ疑問形なのかしら」

八幡「しょうがないだろ。恥ずかしいんだ」

雪ノ下「そう。まぁ、そこまで言うのならば、素直に受け取ろうかしら」

八幡「おう」

雪ノ下「ただし」

八幡「……?」

雪ノ下「まだいいわ。ここには欲しいものはないから」

八幡「パンさんグッズか?」

雪ノ下「パンさんじゃないわ」

八幡「じゃあ、他に欲しいパンさんがあるのか?」

雪ノ下「パンさんじゃないわ」

八幡「いや。だって好きだろ?パンさん」

雪ノ下「好きじゃないわ」

八幡「……そうかよ」

雪ノ下「……ふふっ」

八幡「……!」

八幡(不覚にも、雪ノ下雪乃のその笑顔に心を揺らしてしまった。)

八幡(今まで、見たことのない笑顔だった。苦笑いや嘲笑などの類の笑顔ですら全く見せない雪ノ下が漏らした笑顔は、
   まさに微笑みと言うべき暖かな表情だった)

八幡(だが、今の俺との会話の中にそこまでお前を喜ばせるセリフがあっただろうか)

平塚「……」

雪ノ下「あら」

八幡「ん。どうした」

雪ノ下「平塚先生。なにをこそこそしているんですか?」

平塚「……!?」

八幡(やっぱこの乙女の恥じらいというか。おどおどする感じ。年上の女性のこういう仕草はたまんないね。しずかわいい)

平塚「な、なんで君たちがここに」

八幡「いや、飲み物買いに来ただけですけど。先生こそどうしたんですか?」

八幡(いや。知ってるけどさ。というか、これに参加するためにここ来たようなもんだし)

平塚「う、うむ。……他の誰かには秘密だぞ?絶対だぞ?」

八幡「ええ」

平塚「その……。こ、これから……、ラーメンを食べに……」

八幡(なんか、今回は少し可愛く見えるな。ちくしょう)

平塚「ふむ。まぁ、君たち二人ならちょうどいいか」

雪ノ下「はい?」

八幡(さて。ラーメンご馳走になりますかね)

平塚「私はコンビニで酒盛り用の酒を買ってくる。ではな。気をつけて戻れよ」

八幡「いいのか、それは」

雪ノ下「……」

八幡「どうした、雪ノ下」

雪ノ下「いえ、なんでもないわ」

八幡「そうかよ」

雪ノ下「……少し、聞きたいことがあるのだけれど」

八幡「え?」

八幡(む。これは前回なかった展開だな……)

雪ノ下「いいかしら」

八幡「おう、なんだ」

雪ノ下「少し長くなるかもしれないの。場所を変えてもいいかしら」

八幡「あぁ、問題ない」

雪ノ下「それじゃあ、そこの喫茶店に入りましょう」

八幡「ん、ホテルの中じゃ都合悪いのか」

雪ノ下「ええ、よくないんじゃないかしら」

八幡「……?」

八幡(かしら?まるで俺に気を使っているようじゃないか。雪ノ下)

雪ノ下「それじゃあ、行きましょう」

八幡「おう」

八幡(ということで、サ店に来た俺と雪ノ下)

八幡「で?話しって?」

雪ノ下「あなたは喫茶店に来て飲み物も頼まずに話を始めるのかしら。注文して、届くまで待っても話題は逃げないわよ」

八幡「それもそうだな」

八幡(納得したように見せて、俺は違和感を覚えていた。雪ノ下が、時間を稼ごうとしているように見えたのだ)

八幡(自分から呼んでおいて時間を稼ぐというのもおかしな話だが、それ以上にあの雪ノ下雪乃がそれをする、ということに
   疑問を感じたのだ)

八幡(そして、その疑問はある意味、今からどんな問をかけられるかを予知する効果を持っていた)

八幡「……」

雪ノ下「……」

八幡(コーヒーを注文して、それがテーブルに届くまで、俺と雪ノ下は一度も口を開かなかった。)

八幡(次に口を開いたのは、目の前に置かれたコーヒーを口に含んだときだった。雪ノ下が言葉を紡いだのは、それから
   さほど時間を取らなかった)

雪ノ下「あなた、私になにか、隠し事をしていないかしら」

八幡「それは、どういう意味でだ?」

雪ノ下「そうね。意味合いとしては『言えないこと』かしらね」

八幡(なるほど。例えば俺が戸塚に惚れてるとか、川なんとかさんのパンツを何回も見ているとか、そういった『言いたく
   ないこと』ではないわけだな。まぁ前者はある意味いろいろなところに広がってくれても構わんが)

雪ノ下「時々、あなたは物事の展開を全て把握しているような、そんな不思議な……そうね、雰囲気とでも言うのかしらね。
    そんなもの感じたの」

八幡「……」

雪ノ下「三浦さんとの口論の時から、すでにおかしいと思っていたのよ。あなた、あんなに覇気のある人だったかしらと
    思って」

八幡「……?意味がわからないな。だって初対面はあの部室でだろ?」

雪ノ下「ええ、対面したのはね」

八幡「というと?」

雪ノ下「……私は、あなたのことを知っていたわ」

八幡「……ほう」

八幡(まさか、ここで白状するとはな)

雪ノ下「……私は」

八幡(なるほど、雪ノ下雪乃を躊躇させた理由はこれか)

八幡(気高い彼女が顔を俯かせ、肩を震わせてまで告白しようとする姿を見て、俺は絶賛動揺中だ)

雪ノ下「……っ」

八幡(……しかし、どうやら目の前の彼女は決心を固めたようだ。ならば俺も、目を見据えて聞いてやらねばならんな)

八幡「おう、なんだ」

雪ノ下「私は、入学式の日にあなたを轢いた車に……乗っていたの」

八幡(……あぁ、知っていたさ)



>>762ミス それから →そこから

雪ノ下「ごめんなさい」

八幡「……いいさ」

雪ノ下「『なにが』とか『なんで』とか言わないのね」

八幡「俺はお前の気持ちを汲み取った。それだけだ」

雪ノ下「……ありがとう、比企谷くん」

八幡(しかし、雪ノ下は絶対にこの話だけはしないと思ってたんだがな。こりゃびっくりだぜ)

雪ノ下「それで」

八幡「ん?」

雪ノ下「まだ、私の話は終わってないの」

八幡「そうだったな」

雪ノ下「……その。……っ」

八幡「どうした」

雪ノ下「……私は、あなたに責めてもらいたかった」

八幡「それは、どういう」

雪ノ下「なぜ……なぜあなたは話を続けることができるの?私だったら……きっと、きっと私があなたの立場なら絶対に
    許せない。それなのに……」

八幡「……」

雪ノ下「私のせいで、あなたは一人ぼっちになって……」

八幡「いいや、それは違うな」

雪ノ下「違わないわ!」

八幡「……落ち着け、らしくないじゃないか。雪ノ下」

雪ノ下「…………そうね。私らしくない、わね」

八幡「場所、変えようぜ」

雪ノ下「そうしてもらえると、助かるわ」

八幡(……で)

八幡「ここならいいだろ」

雪ノ下「ええ」

八幡(俺が雪ノ下を連れてやってきたのは、俺が泊まる部屋から見えた広い公園の一角だ。ここならすぐに戻れるし問題
   も少ないだろう)

八幡「……少しは落ち着いたか」

雪ノ下「そうね、助かったわ」

八幡「……」

八幡(雪ノ下が話を始めるまで、俺は待つことにした。そうした方が、きっといいと思ったからだ)

雪ノ下「それで」

八幡「おう」

雪ノ下「……いいえ、あえて本題の方を進めさせてもらうわ」

八幡「……」

雪ノ下「私との会話でも、なぜか先を読んだようなことを言っていたし、千葉村での一件でも、あなたは鶴見さんが仲間
    ハズレにされているのを知ってたかのように動いていたもの」

雪ノ下「それに、姉さんよ。あの人の様子がおかしいの」

八幡「雪ノ下さんが?」

雪ノ下「ええ。文化祭が終わってからというもの、なぜか比企谷くんのことを聞きたがるというか……」

八幡「なるほどね」

雪ノ下「もし、なにか理由があるのなら答えてもらえると嬉しいの」

八幡「……悪いが、心当たりはないな」

雪ノ下「……そう」

八幡「だが、文化祭の日に話したある男の話、覚えてるか?」

雪ノ下「ええ」

八幡「もしかしたら、俺とあの話の男は、似てるのかもしれんな」

雪ノ下「……今のが答えだと受け取ってもいいのかしら」

八幡「ああ、いいさ」

雪ノ下「……わかったわ」

休憩する

八幡「それと」

雪ノ下「……」

八幡「お前はさっき、俺になぜ責めないのかと聞いたな」

雪ノ下「ええ」

八幡「それはな、雪ノ下。あれが事故だったからってだけさ。その上お前が運転してたわけじゃないんだ。責めるのは、お門
   違いってところだろう」

雪ノ下「それでも」

八幡「いいんだよ。俺がいいって言ったら、もうそれは俺の中では良くなるんだ」

雪ノ下「……」

八幡「あとな、これだけは言っておくが、誰がなにをしようと、俺は絶対にぼっちだったに決まってる」

雪ノ下「……そうね、私としたことがどうかしていたわ。失態ね。恥ずかしいわ」

八幡「おう。それでこそ雪ノ下雪乃だと思うぜ」

雪ノ下「あなたはあたしを肯定するほど私のなにを知っているのかしら」

八幡「……」

雪ノ下「なによ。その顔は」

八幡「いいや、なんでもない」

雪ノ下「そう」

八幡(知ってるさ。多分、由比ヶ浜の次くらいにはな)

雪ノ下「それよりも、もう戻りましょう。さすがに時間が経ちすぎてしまったわ」

八幡「そうな」

雪ノ下「それじゃあ、私は先に戻るわね」

八幡「おうよ」

雪ノ下「それじゃあ、また明日」

八幡「また明日」

雪ノ下「……」

八幡「……?」

八幡(雪ノ下が振り向いた瞬間、彼女は何かを言ったように見えたが、俺にはよく聞こえなかった。いや、難聴とかじゃな
   くて、多分世間の人間の大多数が聞こえないであろう霞むような声だったからな。そりゃしょうがないさ)

八幡「……ふぅ」

八幡(コーヒーでも飲んでから戻るか)

今日はここまで

それじゃあ読んでくれた人、おつかれちゃーん

実はこのSSは僕の7年間の遠距離恋愛がベースになっています。
もちろん、秒速5センチメートルと絡ませるためや特定を防ぐために、無理やり時系列や場所、内容はいじっています。
でも各キャラの言い回しなどは当時のをそのまま使っています。そしてこのSSに登場するキャラにも全てモデルがいます。
ちなみに男はSSの内容を盛り上げるためにモテる設定でしたが、僕は一度も告白されたことがありませんし、
告白したのも小学生の時からずっと好きだった幼馴染のモデルになっている女の子に中学の時に告白をしたのが唯一です。
そしてこれからもずっと死ぬまで好きでい続けたい子もその子です。
ちなみにイケメンのモデルの奴も本当にあんなくそ野郎で幼兄のモデルになった人にボコられました。

じゃあ何でこんなことを蛇足で書くかというと、『あの映画』だけが遠距離恋愛の結果じゃないということを知って欲しかったからです。
すごく上からな発言になってしまっていますが、『距離』に負けなかった『二人』が少なからず実在するんだってこと、
そしてその『距離』に勝つためには、このSSでもキーワードになっていますが、『想いをちゃんと伝え合うこと』、そして『大事な二人だけの約束を交わし、果たすこと』、
これが『距離』に勝つために大切なことなんじゃないかということを僕の実体験をもとにこのSSで皆さんに伝えたかったからなんです。

以上で蛇足は終了です。気分を害された方がいたら本当に申し訳ありません。
でもこれから、遠距離恋愛に挑もうとしている方、もしくはすでに途中の方、そして遠くに好きな人がいる方になんらかの考えるきっかけになればと思っています。
また、あの『秒速5センチメートル』という映画には僕自身とても考えさせられました。確かに僕もあの映画を見て凹みましたが、「あんな結果にならないためにも」と、遠距離恋愛に絶対に負けないという気持ちが逆に強くなったきっかけにもなりました。
そのおかげで僕は7年という年月を乗り越えて彼女と一緒になれました。なので、皆さんにもそういう風にあの映画を捉えてもらえれば、あの映画を見たことも決して無駄ではないと思えるのではないかと思います。

では長々と書いてしまいましたがこれで本当に本当に終わりです。ここまで読んで頂いて本当に本当にありがとうございました。

どうも、>>1です、申し訳ない

少し書きます・・・けど
やっばいな、どこまで書いたか覚えてないや
とりあえず手探りで

あ、それと一つ

もう皆さん完全に気づいてると思うけど、最初はギャグで行こうとしてたけどいつの間にか初期設定の「たまの休息」という
設定もすっかり忘れてシリアスになってしまったことをお詫びします、そのせいで正直ネタが思い浮かばずにここまでスレを
無視し続けてしまいました、もうしわけない

それでは次レスから↓

―翌日―

八幡(修学旅行も二日目である)

八幡(今回も最初に一日乗車券を購入し、市バスでブイブイ言わせながら大秦映画村へ向かう)

八幡(目的地に着いた俺たちは、今回も走ってチケットを購入しに行った戸部からブツを受けと…ん?)

戸部「ホイ、ヒキタニくん……ってあれ?どしたん?そんなボケた顔しちゃってー」

八幡「いや、別になんでもない」

戸部「そんなことないでしょー!ヒキタニくん絶対テンション低いわー」

八幡「そんなことないから。サンキュ」

戸部「……?」

八幡(なるほど。葉山の同じシナリオを辿っていたわけではないというセリフは確かなようだ)

八幡(戸部が走る必要はなく、三浦の計らいで海老名さんと二人ゆっくりと買いに向かっていたようだ)

三浦「つーかやっば。ここ混みすぎっしょ。何人学生いるわけ?」

戸部「いやいや!でも夏のコミケの方がよっぽど混んでたべ!」

三浦「それカンケーないっしょ。ったく」

八幡(……なる……ほど。あそこに行ったのか)

八幡(三浦の性格からして、以前にも海老名さんの手伝いをしたことがあったのだろう。それに今回葉山と二人で加わった
   ってところか)

由比ヶ浜「ヒッキー」

八幡「え?あぁ、どうした」

由比ヶ浜「どうしたじゃないでしょ?早くしないとみんな行っちゃうじゃん。はぐれたらヒッキーのせいだかんね!」

八幡「いや、先に行けばいいだろ」

由比ヶ浜「それは……ヒッキーがかわいそうだから……。って今の無し!あはは!あたし何言っちゃってんだろ!」

八幡「お、おう」

由比ヶ浜「つーか早くしてよね!バカ」

八幡「……」

八幡(恐竜ちゃんの池を由比ヶ浜と二人で通り抜け、その先のお化け屋敷で先に行った6人と合流)

八幡(当然、この中に入るようなのだが)

八幡(……前回も思っていたんだが、昨日も同じようなところに入らなかったか?君たち暗いところ好き過ぎでしょ)

八幡(しかし、まぁ矛盾を残すわけにはいかないし、入るとするか)

八幡(もしかしたら三浦がロリ化したり、川なんとかさんが塩ラーメンになったりするかもしれないしな。それを期待
   するとしよう)

三浦「はやと~、こわーい」

八幡(何度も言うが、お前はそういうんじゃなく姉貴肌なキャラの方が間違いなく可愛く見えるぞ)

葉山「ははっ」

八幡(葉山の爽やかな笑みを含めた会話をうっすらと耳に入れつつ、俺は一つ重大な考え事をしていた)

戸塚「はーちまん」

八幡「ん。どうした?戸塚」

八幡(それは。一体どうすれば戸塚と一緒にお化け屋敷に入ることができるか、と言うことだ)

戸塚「八幡は、お化け屋敷とか苦手?」

八幡「いやぁ、まぁ……」

八幡(さて、どう答える?戸塚は前回と同じく中の仕掛けをもろともせずにスタスタと歩みを進めるだろう)

八幡(それならば、いっそ『じつは~、ちょうにがてで~、はちまんまじこわ~い☆』とか言ったほうが手とか引っ張って
   もらえるんじゃないだろうか。いやしかし)

戸塚「あ、八幡。順番来ちゃったから僕先に行くね?」

八幡「えっ?」

川崎「……」

八幡(とっ……とつかぁ~。そりゃぁないぜぇ~)

八幡(なんて思ってる間に川崎も先に入っちゃったけど大丈夫なの?)

由比ヶ浜「ヒッキー、行こ?」

八幡「……はい」

由比ヶ浜「……?」

八幡(お化け屋敷を抜け、しばらくぶらつきそろそろ映画村でやることもなくなった頃、葉山一行(俺含む)は仁和寺に
   移動する)

八幡(前回同様、由比ヶ浜をなんとかかんとか説得してタクシーへ乗り込み、京都市内をリッチ気分で見渡していたとき、
   ふと俺を呼ぶ由比ヶ浜の声が耳に入った)

由比ヶ浜「ねぇ、ヒッキー」

八幡「どうした」

由比ヶ浜「仁和寺ってなに?どんなところなの?」

八幡「いや、寺って言ってんだからお寺なんだろうよ」

八幡(まぁ、寺だからと言って総じてお寺であることはないかもしれんがな。弐寺なんて寺もあるし)

由比ヶ浜「ふーん。ところでさ、ヒッキーたちは昨日の夜は何してたの?」

八幡「え?あぁ、そうだな」

戸塚「あ、それ僕も聞きたかったんだよね」

由比ヶ浜「え?どゆこと~」

戸塚「八幡昨日ジュース買いに行ったきり帰って来なかったんだよ」

由比ヶ浜「なにそれ。気になる」

八幡「えーっとだな、それは……」

八幡(いいどもり、バックミラー越しに捨てられた子犬のような目でサキサキを見つめると、なにか不穏なものを感じたのか
   すぐにそらされてしまった)

八幡「あー、月があまりにも綺麗だったんでな。少し散歩を」

由比ヶ浜「なにそれ。キモ」

八幡「ぐっ……。いいだろ別に。平安時代の奴らだってそんなこと言って夜な夜な俺と同じ道を歩いていたに違いない。
   いわば一つの京都観光だ。部屋で遊んでたお前らよりよっぽど修学旅行で学を修めてると思うがな」

由比ヶ浜「また屁理屈を……」

戸塚「八幡らしいね」

川崎「どうでもいいけど、そろそろ着くんじゃない」

由比ヶ浜「あっ、これが仁和寺?」

× × ×

八幡(そんなこんなで、うっかりてへぺろ坊主で有名な仁和寺に到着した)

八幡(一通り見回って、怠慢な空気を察した由比ヶ浜が声をかけると一行は龍安寺へと向かう)

八幡(紅く色づいた葉がヒラヒラと舞い散る中、俺は落ちていく葉の一つをぼんやりと見つめ歩いていた)

八幡(不意に、先の方で朗らかに談笑する葉山たちが目に入り、その様子をしばらく見ていると、いつの間にか俺の中に
   一つの疑問が生まれていた)

八幡「……なぜ、今回俺はここにいるんだ?」

八幡(別に俺は戸部と海老名さんの関係に一つも干渉していないし、それらに関する説明も胎内巡りの時に由比ヶ浜に聞いて
   はぐらかされてるまである)

八幡(そして、葉山の口から出た、旅行出発前のあの発言。俺に心配して欲しいことってのは一体なんなんだ)

八幡(そんな考えが一瞬頭の中をはり巡ったが、すぐに我に戻り、俺はすぐ視線のフォーカスを前の葉山たちに合わせた)

八幡「……?あれ」

八幡(由比ヶ浜がいない)

由比ヶ浜「ヒッキー」

八幡「お、おう」

八幡(消えたと思っていた由比ヶ浜は、俺の横に並び、ゆっくりとした俺の歩調に歩幅をあわせて俯いていた)

八幡(つーか、なんか今日こんなんばっかじゃないか?後ろに下がるといつの間にか由比ヶ浜が隣に……。ホラー?(すっ
   とぼけ))

由比ヶ浜「なんでこんな後ろにいるの?」

八幡「愚問だな。逆に問いたい。俺がグループから一線を引かずに接していたことがあったのか?と」

由比ヶ浜「またそんなことばっかり言って……」

八幡「冗談だ。八幡式のジョークだ。別に理由があるわけじゃない。ただここにいるだけだ」

由比ヶ浜「ふーん。そっか」

八幡(そう言うと、由比ヶ浜は薄く笑みを浮かべてまた俯いた)

八幡「……そうか」

由比ヶ浜「……?なにが?」

八幡「あぁ、いや、なんでもない」

八幡(少しだが、葉山の企みが見えた気がするな……)

八幡(仁和寺から10分ほど歩いたところで、目的地の龍安寺に到着した)

八幡(今回こそは石庭の石を15個全て数えたいと思い立つ所存でありける拙者の元へ、聞き覚えのある声が届いた)

雪ノ下「あら、奇遇ね」

八幡「おう」

八幡(声の正体は雪ノ下だった。前回と同じく彼女はおとなしそうな感じの女の子の一団を連れていた。実際連れていたのか   どうかはわからんが、まぁ傍から見ればそう見えるのだから仕方がない)

八幡(というか、こいつが誰かに連れられることなんてあるのか?)

雪ノ下「あなた一人なの?」

八幡「いや、あっちの方に由比ヶ浜たちも」

雪ノ下「そう、珍しく一人ではないのね」

八幡(そう言い放つ雪ノ下の顔は笑みに満ち満ちていた。皮肉か?皮肉だな)

八幡「そうだな。全く珍しいこともあったもんだ」

雪ノ下「その顔やめてもらえるかしら。ひどく不愉快だわ」

八幡(対抗して、満面の暗黒微笑をお見舞いしたが、どうやら雪ノ下には効き目がないらしかった)

由比ヶ浜「あ、ゆきのん」

雪ノ下「あら、こんにちわ。由比ヶ浜さん」

由比ヶ浜「ゆきのんも来てたんだ」

雪ノ下「えぇ」

由比ヶ浜「ゆきのん今大丈夫?もしよかったらちょっとお話しようよ」

雪ノ下「いいわ、少し待っててちょうだい」

八幡(そう言うと、雪ノ下は同じグループのメンバーへ少し離脱するという旨を伝えにいった)

八幡(しかし、今回は依頼が入っていない以上、十中八九普通の世間話を展開するだろう。そこに俺は必要ないのは目に見え
   てるしな。先に行くとするか)

八幡(思い立った俺は、雪ノ下が戻ってきたタイミングで入れ替わりにその場から退散することにした)

八幡(二人に別れを告げ、どこというあてもなくぶらついたあと、結局入口付近でじっと待つという結論に至った)

八幡「……結局、15個数えられなかったな」

ちょっと休憩する

間違いなく本人だから安心してくんなはれ

再会しまう

違ってたら申し訳ないんだがアマガミのやつも書いてた?

× × ×

八幡(合流したその後、俺たちは宿へ戻ることにした。本日の予定はこれで全て終了したしな)

八幡(結局また戸塚と一緒に風呂に入ることはできず、内風呂で入浴を済ませた。クソッ、一体俺がなにをしたと言うんだ)

八幡(今回は別にサンデーGXを買いに行く必要はなかったのだが、やることがないのは相変わらずだった)

八幡(手持ち無沙汰が俺を襲い、あえなくそれに撃退された俺は、そいつらを追い払うべく今日も下の自販機までジュースを
   買いに行くことにした)

八幡(マックスコーヒーがないことに悪態をつきながら(二回目)よくわからないコーヒーを購入し、近くのベンチに腰をお   ろして一服していると、通路の向こうから高圧的な声がかかってきた)

三浦「ヒキオじゃん」

八幡「うす」

八幡(前回は海老名さんのことで叱咤を受けてしまったが、今回は別になにも心配することはない。もし彼女が何かの話題を
   振ってくるのなら、それに乗るのも悪くわないだろう。そう思ってしまった)

三浦「あんたさー、一体なにしてるわけ?」

八幡「……は?」

八幡(おかしい。なぜ前回と変わらないセリフなんだ?俺がなにかしたのか?)

八幡(一抹の驚きを隠せず、少々視線を逸らすと立て続けに三浦が言葉を投げかける)

三浦「あんま結衣のこと困らせんの、やめてくれる?」

八幡(由比ヶ浜?由比ヶ浜がなんだって?)

八幡「いや、困らせるというのは」

三浦「あんだけ結衣が」

由比ヶ浜「ストーップ!優美子!ちょっストップ!」

三浦「ちょ、結衣。いきなりなにすんの」

由比ヶ浜「………」

八幡(いきなりボヨヨヨーンと現れた由比ヶ浜は、ゴニョゴニョと三浦に何かを言っていた)

三浦「……わかった。わかったよ」

由比ヶ浜「ごめんね、優美子」

三浦「別にいいって。あーし関係ないし」

由比ヶ浜「うん」

八幡(なに、俺はどうすればいいの)

今日はここまでにする、よんでくれた人ありがとう

>>819
書いてたっていうとVIPのほうかしら、それとも現行のやつ?
どちらにせよそれは僕です、向こうも止めちゃって申し訳ない

なんとか頑張って書けるようにするから、気長に待っててください

それじゃあおつかれちゃーん

こんばんわ、>>1です

少し書くよ

八幡(だが、眼前でもじもじと指をいじる由比ヶ浜が次に繰り出そうとする行動を、俺はきっとわかっている)

八幡(俯く彼女のその姿は、奇しくも夏休みのあの日と重なって見えた)

八幡(時折こちらを見上げる由比ヶ浜を見ていると、どうしようもなく自分が嫌いになっていくのはなぜだろうか)

八幡(それは、きっと俺が。比企谷八幡が由比ヶ浜結衣という女の子を好きだからだ)

八幡(文化祭のあの日。生クリームのついていないハニートーストを食べながら聞いた由比ヶ浜のあの言葉)

八幡(途中まで口にして、それでもその言葉を飲み込んだあの優しさを。俺はこのまま放置していいのだろうか)

八幡(もちろんノーだ。論外。わかってんだろ、いい加減)

八幡(……青春とは、なんと残酷なのだろう。一人の少女の運命を俺一人に託すだなんて荷が重すぎるのにも程が
   ある)

八幡(いつか俺はこの瞬間を嘘だ、悪だなどと揶揄したが、まさかそのステージに立つことになるとは夢にも思ってなかったよ)

八幡(もし、本当に嘘なら俺はどう答えるのが正解なのだろうか。そして悪になるためにはどう接するのが正しいのだろうか)

八幡(簡単だ。俺らしくなければいい。まるで俺らしくなくて、かっこよくなくて、それでいて今までのどの瞬間よりも優しく
   なればいいのだ)

八幡「由比ヶ浜」

由比ヶ浜「なに?ヒッキー」

八幡(少し肩を揺らした由比ヶ浜がいつもの笑顔を俺に向ける)

八幡「俺はあの時、人と関わらなすぎたから、好きだ、嫌いだなんてのがわからないと言ったな」

由比ヶ浜「……うん」

八幡「それがどうだ。今の俺は。関わりを持つ人間の数が、両の手じゃ数えられなくなっちまったよ」

由比ヶ浜「ふふっ。ずいぶん、たくさん増えたね」

(優しい女の子は嫌いだ)

八幡「きっと、充分なんだ。もう俺の気持ちを計るには」

(優しい女の子は嫌いだ)

由比ヶ浜「……」

八幡「その、なんだ」

八幡(言葉にならなかった。御託や屁理屈は散々出てくるこの口には、嘘を吐き出す力を持ち合わせていないようだった)

由比ヶ浜「どうして、泣いているの?」

八幡「は?」

八幡(気づくと視界が濡れていた。その理由は、俺にはわからなかった。わからなかったが、不意に留美の顔が脳裏に浮かびあがり
   、そしてこう思った)

八幡(『見つけたんだ。留美。本当にそう思えるやつを』と)

(優しい女の子は嫌いだ)

由比ヶ浜「ヒッキー……?」

八幡「俺は、お前が好きなんだって。わかったんだよ」

八幡(言った刹那、由比ヶ浜の顔は笑顔から真顔に変わり、それからすぐに泣き顔へ変わっていった)

八幡(彼女の瞳から流れる嘘を、俺は見ていることができなくなり天井を仰いだ。一体、彼女は今どんな顔をしているだろうか。情け
   ない俺を見て、いつものような呆れ顔をしているのだろうか。それともあの優しい笑顔でいてくれているのだろうか)

八幡(気持ちを強引に押し沈め、俺は彼女と向き合った。すると彼女は)

由比ヶ浜「こんなところでさ……。ヒッキー、サイテー」

八幡(言葉とは裏腹に、由比ヶ浜の表情は見たことのない『嘘』に包まれていた)

八幡「待たせて、悪かったな」

由比ヶ浜「うん。そうだね、ずっと待ってたんだから」

八幡(次の瞬間、由比ヶ浜は俺の元へ駆け寄り、そして頭をあずけてきた。抱きしめてやれたら、どれだけかっこよかっただろうな。
   俺にはそれができなかった。だからその代わりに小町にやってやるように、頭に手をおいてやることにしたのだが)

由比ヶ浜「……ちょっと、髪型崩れちゃうでしょ。バカ」

八幡「んぐ……」

八幡(しょ、しょうがないでしょうが。俺こう言うのわかんないんだから)

八幡(誰にいうわけでもない言い訳を心の中でつぶやくと、俺は由比ヶ浜の肩に手をおいた、そして)

八幡「ほ……ほら、こんなところで誰かに見られたら、その、恥ずかしいだろうが」

八幡(彼女を優しく離した。いや、だってほら。本当に恥ずかしかったから)

由比ヶ浜「ヒッキーさ。どこまでヘタレなの」

八幡「慎重だと言ってくれ」

八幡(得意の屁理屈も今回ばかりは仕事をしてくれない。言われるがまま、その言葉を聞き入れることにするなんて俺史上でもなかなか
   ないぞ)

由比ヶ浜「でもね。ヒッキー」

八幡「ん?」

由比ヶ浜「あたしは、好きだよ。そんなヒッキーのこと」



ちょっと休憩させてください

再開しまふ

× × ×

材木座「八幡。……八幡」

八幡「ん、どうした。材木座」

材木座「どうした八幡。先程から鳩がアンチマテリアルライフルを食らったような面をしおって」

八幡「いや、なんでもない」

材木座「せっかくの寺町通だぞ。もっと楽しもうではないか!ふぅーははは!」

八幡「そうだな」

八幡(ということで修学旅行三日目。俺は材木座と一緒に寺町通に来ていた)

材木座「なぁ、八幡よ」

八幡「なんだ」

材木座「とりあえず、とらのあなに行ってもよいだろうか」

八幡「好きにしろ」

八幡(とらのあなは千葉にもあるだろうに)

八幡(とりあえず俺は、材木座に連れられるままにアーケード街を彷徨っていた)

八幡(大手のオタクショップは大抵揃っているようだ。材木座は知った名前の看板を見るたびに店の中に突撃していき、
   その度に俺は店の前で待たされることになっていた)

八幡(というのも、俺は先に寄ったアニメイトで自分の買い物は済ませているし、他に買うものも特になかったからな。
   青い袋に入っているのは青い表紙のガガガ文庫。もはや形式美さえ感じるまである)

材木座「ふー。疲れた」

八幡「なんか素に戻ってないか?」

材木座「うっうおん!素とはなんだ。我の真の姿は百戦錬磨、悪鬼羅刹の猛将軍。剣豪将軍材木座義輝であるぞ!」

八幡(今日は一段と暑苦しい。街の空気がこいつに力を与えているというのだろうか)

材木座「ところで八幡」

八幡「なんだ」

八幡(なぜか明後日の方向を向いて会話を始める材木座。なんなんだよ。その角度は)

材木座「我はこれからこの剣で試し切りに向かおうと思っているのだが、お主もどうだ?」

八幡(そう言って取り出したのは、トレーディングカードゲームのいわゆるデッキだった。試し切りってお前)

八幡「なんだよ。それ」

材木座「昨晩暇でしょうがなかったものでな。新しく鍛えたのだよ」

八幡「知らねぇよ。それに行かない」

材木座「なぬ?」

八幡「他の奴からしたら邪魔になるだろうし、そに少し考えたいことがあるんだよ」

材木座「ふむ。そうか。なら仕方ないな」

八幡(材木座にしてはずいぶん聞き分けがいいな。なんか最近、こいつ微妙に気を使わせている気がするんだが)

材木座「それでは各々の戦場の地へ向かうとしよう」

八幡「おう」

材木座「サラダバー!」

八幡(街中ででかい声出すんじゃねぇよ)

八幡「……どうすっかな」

八幡(そうつぶやくと、自分の腹が空いていることに気づいた)

八幡(なにか京都らしものが食べたいと思い立った俺はケータイで『京都 料理』で検索をかける。すると)

八幡「げっ、高級店ばっかりじゃねぇか」

八幡(まったく、この街にはリーズナブルという言葉はないのか)

八幡(とはいえ、ファミレスや牛丼屋に入る気にはなれない。京都最後の食事なのだから、少しくらい贅沢したいもの
   だ)

八幡(そんなことを考えていると、突然ポケットに入っているケータイ電話は震えだした。ディスプレイを確認すると、そこに
   は知らない番号が記されている)

八幡「誰だよ」

八幡(間違え電話の可能性を考慮し、俺は一度目のコールを無視することにした。振動が止まると。少し間を置いてまたケータイ電話
   が震えだす)

八幡「はい、どちらさまですか」

八幡(応答すると、相手はふっと爽やかな笑いを漏らした。この声は)

葉山「やぁ。比企谷くん」

今日はここまで

それじゃあ読んでくれあ人ありがとう、お疲れちゃーん

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年12月06日 (金) 03:14:44   ID: EDZfa0le

待ってます

2 :  SS好きの774さん   2013年12月10日 (火) 16:16:59   ID: PyHhJamr

待ってるZE!

3 :  SS好きの774さん   2013年12月13日 (金) 00:44:20   ID: ttoSfy9I

凄く面白いです!!

4 :  SS好きの774さん   2013年12月18日 (水) 03:20:19   ID: iNQN1b1O

オルタナティブってやつだな 好き

5 :  SS好きの774さん   2013年12月18日 (水) 03:50:09   ID: SXC2MRBa

面白いです。

6 :  SS好きの774さん   2013年12月18日 (水) 17:36:18   ID: _SIa26B3

はよ続きはよ

7 :  SS好きの774さん   2013年12月23日 (月) 01:46:47   ID: 0vD-u62i

面白いです
続き楽しみにしてます

8 :  SS好きの774さん   2014年01月11日 (土) 16:01:57   ID: 0ImSDWyQ

続きマダー?

9 :  SS好きの774さん   2014年01月23日 (木) 20:51:29   ID: f5sj1xM_

待っとるでー

10 :  SS好きの774さん   2014年03月15日 (土) 02:05:36   ID: 5QFxCoiw

めっちゃいいSSじゃねーか!!
更新待ってますぜ!

11 :  SS好きの774さん   2014年03月18日 (火) 08:48:44   ID: v7kTNUMB

続きがぁぁキタァ!

12 :  SS好きの774さん   2014年03月29日 (土) 04:58:02   ID: 7rGaAorv

え、これの続きってないの?

13 :  SS好きの774さん   2014年04月03日 (木) 02:28:24   ID: 9SmVahHv

↑>>781は別のSSで見たことある。たぶんコピペしただけだと思うよ。

まぁ、続きが来るかどうかは書き手次第だけど。。。。

781の元はいい作品だったから暇な人は自分で探してみてもいいかもね。

14 :  SS好きの774さん   2014年05月01日 (木) 22:33:10   ID: dlF67Dhe

このssの終着点についてだけど、原作に沿うのは8巻までで、それ以降はifで進めるべきだと思う。

まず、このリープ八幡が7巻の告白や、8巻の選挙でヘマをするとは考えられないじゃん?
そうなると必然的に9巻の「本物」のイベントが発生しないじゃん?
(発生したとしても八幡の叫びに含まれる意味合いが変わると思う)

15 :  SS好きの774さん   2014年05月01日 (木) 22:34:53   ID: dlF67Dhe

途中で送っちまった。

てなわけで、ゆきのん会長with奉仕部in生徒会ルート希望!
もちろんヒロインは雪ノ下雪乃ちゃん!

16 :  SS好きの774さん   2014年05月23日 (金) 05:21:06   ID: 0EM_M6qj

わくわく

17 :  SS好きの774さん   2014年07月07日 (月) 17:20:04   ID: 9RSXZvbg

更新来たか

18 :  SS好きの774さん   2014年07月26日 (土) 01:10:28   ID: id5ALiF4

すげぇとしか言いようがないくらいすげぇ好きなssです。ゆっくり続き書いてください!

19 :  SS好きの774さん   2014年08月10日 (日) 02:22:56   ID: HGS1WSQM

面白い、すごいおもしろい、続けてくれさい

20 :  SS好きの774さん   2014年08月21日 (木) 23:20:55   ID: 0n8gRGy1

続けてくろ

21 :  SS好きの774さん   2014年09月13日 (土) 00:45:51   ID: veKMQd7j

八結なのか

22 :  SS好きの774さん   2014年10月09日 (木) 23:56:18   ID: iBaL4gmB

展開的に3/4ぐらい終わってるっぽいのでこのまま最後まで書き切って欲しいもです。

23 :  SS好きの774さん   2014年11月04日 (火) 23:42:21   ID: kSTkMHn4

続けてください」

24 :  SS好きの774さん   2014年11月19日 (水) 23:59:58   ID: e6u9kEJN

まだかよーまだなのかよー

25 :  SS好きの774さん   2015年06月21日 (日) 17:56:24   ID: fSj48soe

続き待ってます!

26 :  SS好きの774さん   2015年06月22日 (月) 19:27:19   ID: VJuL9OAJ

くるしゅいない
続けよ

27 :  SS好きの774さん   2015年10月14日 (水) 11:35:39   ID: a46GHR6u

続き待ってますよ

28 :  SS好きの774さん   2016年08月14日 (日) 23:37:38   ID: 3Yxq8d34

途中からキャラ崩壊しすぎてつまらん
主人公がぶれるんじゃあな

29 :  SS好きの774さん   2016年09月02日 (金) 01:10:07   ID: n2ANcYtN

続き(ノシ 'ω')ノシ バンバン

30 :  SS好きの774さん   2017年08月20日 (日) 17:08:17   ID: ha-hurHV

続きはよ

31 :  SS好きの774さん   2018年11月25日 (日) 23:06:18   ID: F6GmQ8Wh

なぜ面白いssに限って最後まで書かれないのか……モヤモヤするぜ作者さん……スコ

32 :  SS好きの774さん   2019年10月07日 (月) 02:41:52   ID: fhdb1k-d

このスレッドは
以上をもちまして終了です。
バックブラウザをご押し下さい。

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom