大和亜季「虎穴に入らずんば虎子を得ず」 (82)

アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。

当SSはアイドル名「ことわざ」でタイトルをつけているシリーズです。
トリップを検索していただければ過去作が読めると思います。

前作

若林智香「雨垂れ石を穿つ」
若林智香「雨垂れ石を穿つ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1383/13838/1383832852.html)



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1385301578

うちの事務所、駅から約10分。

うちの女子寮、事務所から約10分。

立地条件は良く、社長の気合いの入れ方がよく分かる。

女子寮はセキュリティが頑丈な方である。

レベルが2段階用意されており、レベル1なら1階だけ、レベル2ならその上の階層に行くことができる。

俺ことPと社長はレベル1まで入れるセキュリティカードを持っている。ちひろさん、そしてアイドルたちはレベル2までのカードを持っている。

1階はミーティングルーム、食堂、風呂、そして仕事で帰れなくなった社員のための仮眠室がある。

レベル2はこの女子寮に住んでいる人たちの部屋が並んでいる。

当然だが、セキュリティカードを使った際に使用者の名前が保険会社や警備会社に通達されるようになっている。

早い話が俺がアイドルに手を出さないように、出した際、弁護できないように、という警告も含まれているだろう。

もっとも、今の仕事を無下にするような事はしたくないけどね。

─ 事務所 ─

千川ちひろ「ふぅー、今日の私の仕事が終わりましたー♪」

モバP(以下P)「お疲れ様です」

ちひろ「プロデューサーさんはまだかかりそうですね。まだ午後5時半ですが、終わるのは・・・」

P「頑張っても午後11時ですね、帰りは日が変わりそうです」

ちひろ「それじゃあ、また女子寮泊まりですね・・・女子寮で変なことしてませんよね~?」

P「大丈夫です。この寮は部屋に入るのもカードを通さないといけませんし。ほら、前回はアイドルたちが部屋にいるか、寮の外にいる時に私が仮眠室にいますし」

【警備会社に保存されている証拠画像】


ちひろ「一応・・・無実なんですよねぇ・・・」

P「ここまでセキュリティばっちりだと、私も安心ですよ」

ちひろ「余計な詮索されませんしね」





ちひろ「それじゃあ、お先に失礼しますね」



P「今日が終われば♪明日は休み♪」

P(明日の分ごとやれるタイミングってそうそう無いもんなー、仕事いつも詰まってるし)

P「♪~♪♪~♪~ん~♪」

五十嵐響子「おや?Pさん機嫌よさそうですね」

P「お、響子。おかえり、帰ってたんだ」

響子「ふふっ、明日はちゃんと体休めてくださいね」

P「分かってる。気晴らしに買い物とか行ってくるよ」

響子「あ、そうだ。お茶入れますね。お菓子もらってきたんです」

P「ん。お願いするよ」


P「たまには緑茶もいいなぁ」

響子「普段は雪乃さんが紅茶いれてくれますからね」

P「甘えちゃダメなんだろうけど、なんだろうね。包容力?」

響子「お姉さんって感じですよねー、同い年の芽衣子さんだって頭あがらないですもん」

P「俺も雪乃さんだけは年下なのに年下に感じないんだよね・・・ズズズ、あ~、お茶が染み渡る」

響子「そーいえば、Pさんっておいくつなんですか?」

P「ん?俺?俺は・・・」

Pipipipi......

P「おっとすまん、電話だ。外出てくるよ」



響子(まぁ、Pさんが何歳でも関係ないような気がしますけどね)




響子「そーいえば・・・」

響子(Pさんが口つけた湯呑が・・・・・・チャンスですか、チャンスなんですね)


P「ふぅ・・・由愛が映画の主演に抜擢されるとは思わなかった。いい収穫になったよ」

響子「・・・・・・(ワクワク)」

P「年少組だからって手は抜かないぞー、これからもね・・・ズズズ・・・」

響子(Yes!)ガッツポ

P「なんでガッツポーズ・・・ってよく見たら湯呑さっきと違う!?」

響子「えへへ、もう間接キッスは頂きましたからねー♪」

P「あ、このヤロー!」

響子「えっへへー、お先に失礼しまーす」

P(響子は帰ってしまった、キスはダイレクトじゃないから俺の心の傷は浅い・・・)


そのまま少し放心してしまい、小一時間・・・。


P「しまった、仕事に手をつけなければ!!」



P(結局、仕事は終わらなかった。幸いにも1人で出来る報告書の類でこれは女子寮の食堂でやることにした)


時刻は午後10時。

メールでアイドル全員の仕事が終わったのを確認し、プロダクションを出た。

女子寮には現在、巴、美玲、イヴ、雪乃、伊吹、智香、音葉、芽衣子の計8人が住んでいる。

P(芽衣子は今海外ロケだから・・・)

となると、注意しないといけないのが雪乃、音葉、智香の3人である。

P(智香は俺が落ち込んでると何故かキスしてくるし、音葉さんはずっとよそよそしい気がする)

P(雪乃さんは・・・あれ、なんで雪乃さん入れたんだっけ?)

P(まぁ、堂々と仕事してればいいんだ)



─ 女子寮 ─

ガチャ・・・

小松伊吹「あ、P。今日はここ泊まりなんだ」

P「伊吹か・・・なんて言えばいいんだ・・・ただいま?」

伊吹「あははっ、おかえり♪」

P「食堂空いてる?」

伊吹「んー、一応雪乃さんがお茶会開いてみんないるけど、大丈夫だと思うよ」

P(全員揃ってるのか・・・下手に誰かと二人きりになるよりは安全だな)

P「んじゃそっち行くよ」

伊吹「あいよ」

─ 女子寮・食堂 ─

伊吹「みんなー、Pが帰ってきたよー」

「「え!?」」

P「あー・・・ただいま」

早坂美玲「ぷ、プロデューサーだと!さては今日こそ本当にケダモノになって・・・!」

村上巴「うるさいわ犬っころ、同じ獣のお前が弱気でどうするん?」

美玲「うぐぐぐぐぐっ、プロデューサー!手を出したら噛みつくからなッ!」

P「り、了解」

巴「しかしPよ、どうしたのじゃ?」

P「どうしたって」

巴「仕事・・・忙しいんか」

P「いや、大丈夫だよ。今日はたまたま。由愛のお仕事の電話とか来ちゃってね、手書き作業が残っちゃっただけだよ」

巴「ふむ、しかしPよ。最近険しい顔をする事が多いじゃけん、こーへぇじゃがウチに出来ることぉあれば言って欲しい」

P「ああ、分かった。心配はかけない」

美玲「・・・・・・」チラッチラッ

P「もちろん、美玲にもね」

美玲「う、ウチは一匹狼だッ!べ、別に大丈夫だ」

P(何が大丈夫なんだろうか)


イヴ・サンタクロース「予算の見積もりですかぁ」

P「うん、そうだよ。もうすぐ君の季節だ。イヴを大きく売り出していくから、ちゃんとお金を用意しておかないとね」

イヴ「は~いっ、頑張りま~す♪」

若林智香「頑張りましょうね、イブさんっ!」

イヴ「もちろんですぅ♪」

P(この二人は仲良いのか・・・今度、試しにコンビでユニット組ませてみるか)

イヴ「クリスマスには間に合いますねぇ♪やっとアイドルとして正式デヴューですぅ」

相坂雪乃「Pさん、遅くまでお疲れ様です」

P「ああ、雪乃さん。ホントならここを使わないで仕事を終えられるのが一番なんですがね」

雪乃「人が多くなるとその分、裏方の作業が増えるのは皆理解してます」

P「いや、そっちじゃなくて、ファンの視点から見るとね」

雪乃「まぁ・・・それはそうですけど・・・」

P「雪乃さんも注意してね、いつ、どんな人が見てるか分からないんだから」

雪乃「でも・・・紅茶飲むくらいなら大丈夫ですよね?」

P「ま、まぁそれくらいなら・・・」

雪乃「ふふっ」

P(雪乃さんは大人だな・・・、ちゃんとON/OFFが出来てる。注意人物なんて思ったけどそれだと俺の方が子供だな)

P(ちゃんと誠意込めた行動なら相手も・・・)


タッタッタッ・・・・・・


P(あれ、音葉さん?どこに行くんだろう)

雪乃「音葉ちゃん、Pさんが苦手なのかしら」

P「普段は一緒にいるんですか?」

雪乃「はい、すっかりこのプロダクションの一員ですが、プロデューサーが近くにいるとすぐにどこかに行ってしまいますわ」

P(お、思い当たる節がある。こないだの事故でキスしたのが、かなり傷ついているのかな)

P「何があったに関わらず、俺が聞いてみます。気にしないでいいですよ」

雪乃「はい。何か手伝えることがあればおっしゃってくださいね」



P(皆思い思いの時間を過ごしていった。幸い、伊吹や雪乃さんが横で見て確認していたのでミスはまったくなかった)


─ 女子寮・仮眠室 ─

P「仕事は終わったとはいえ、メールチェックしなきゃな」

P(何件かあるが・・・時間も近いし芽衣子のから見るか)

並木芽衣子【やっほー。こっちは夕食中。ゴンドラの上で食べる食事も美味しいね!】

P「水の都ヴェネティアか・・・画像は・・・リゾットを頬張っている芽衣子の写真・・・」

P【こっちは今24時。もうすぐ寝る時間だよ。美味しそうな画像送ってくるとは殺す気か!(笑)】

芽衣子【ははは♪ごめんねっ、ちゃんとお土産持って帰るから!】

P【気を緩めず、しっかり自分の仕事をやってこい!あとスリには注意な】

芽衣子【はーいっ 明後日には帰るから迎えに来てね~ おやすみっ Chu!】

P「はうっ!?」

P(こ、これも間接キスなのか?Chu!って文字の後に絵文字で男女がキスする絵が使われている)

P(芽衣子め・・・いや、ただの絵文字だけどさ・・・こういうメールは連絡メールには使わないようにさせないとな)


P「考えすぎだな、次のメールだ」


藤居朋【藤居朋ちゃんのかわいいかわいい投げキッス♪】

P(添付されている画像はちょっとはだけたパジャマにウィンクしながら投げキッスしている朋の画像・・・)


P「朋・・・なんてものを・・・」


P(落ちつけ、深呼吸だ。たった一言を返せばいいんだ)

P【はよ寝ろ】

朋【えー】

P【肌荒れしてたら来週レッスン2倍な】

朋【えー】

P【雑誌会社に手回してカニ座全部ビリにするわ】

朋【ごめんなさい、寝るから許してください】

P【よろしい】



P(メールチェックは結局午前1時までかかった。二人以外のメールはすべて仕事に関することだったので、皮肉にも円滑に進んではいた)

P(さて・・・そろそろいい時間だし、寝るか)

コンコン・・・

P(こんな時間に誰だろう?)

P「はーい、起きてますよ」

梅木音葉「梅木です、Pさん少し・・・話せますか・・・?」

P「はい、いいですよ。この部屋だとマズイんで、食堂に行きましょう」

P(音葉さんさっきどっかに行っちゃったし、ちゃんとコミュニケーション取ってサポートできるようにしよう)

─ 食堂 ─

P(さっきみんながいたから明るかったけど、今は真っ暗。間接照明がひとつあるだけだ)

P「ささ、音葉さん席について」

音葉「はい・・・」

P「それで話したいこととは?」

P(まだこの事務所に来てから、俺が付きっきりで見てたのって数回だもんね。もしかしたらアイドル活動の改良を要求したいのかな)

P(それともやっぱりあのキスのことかな・・・何かあれば誠心誠意込めて謝ろう)

音葉「あの・・・その・・・」

P「もし・・・言いにくいことでしたら、自分のタイミングでいいですからね?」

音葉「はい・・・」



音葉「・・・・・・ぁ・・・ん」

P「・・・・・・」


P(もじもじしている音葉さんカワイイなぁ)

音葉「その・・・」

P「はい、なんでしょう?」

音葉「まずは・・・タメ口にしてもらえませんか?」

P「タメ口!?」

P(なんというか、雪乃さんと同じで雰囲気で敬語使っちゃうんだよなぁ・・・)

音葉「ここに来たときにPさんがみんなと触れ合ってる時に・・・こう・・・」

P「疎外感・・・ですか、じゃなくて・・・かな?」

音葉「・・・まだ距離感がある・・・」

P「仲間はずれにしているつもりはないんだけどなぁ、雪乃さんだってよくしてくれてるって・・・」

音葉「いえ、私と・・・Pさんの距離が遠い・・・」

P「お、俺?」

音葉「はい、あの時からずっと感じてきました」

P「あの時?」

音葉「芽衣子さん含め、キスしてしまった時です」

P「Oh...やっぱり」

音葉「あの時、一瞬だけ・・・私の中で何かが輝いたような気がしました・・・」

音葉「たぶん・・・これは恋・・・」

P「え゛?」

音葉「驚かれるのも無理ありません。私自身、Pさんと知り合ってまだ短く・・・あのキスの時の見方を変えれば私は芽衣子ちゃんとキスしたことにもなりますが」

P「それに知り合ってまだ数ヶ月程度・・・でしょ?」

音葉「私のような近寄りがたい雰囲気持ってる人に何のためらいもなく近づいてきたのはPさんだけです」

音葉「恋に時間もタイミングも関係ないと思う・・・あの時から私の心臓は貴方の優しい声に触れる度に嬉しい、もっといたいって鼓動を奏でてる」

P「・・・・・・」

音葉「事務所の何人かは貴方を狙っているのは知っています。響子ちゃんも、朋さんも・・・私と同じ脈動を感じます・・・」

P「ははは・・・」

音葉「図星のようですね・・・」

P「はい、こんな俺だけど、何人かの女の子に迫られてて・・・」

音葉「きっと私も貴方の風に触れてしまったのですね・・・」

P「・・・・・・」

音葉「・・・・・・」

P(また互いに黙っちゃった・・・というか、音葉さんは俺の事、意識してるってことなんだよな・・・どうしよう・・・)

音葉「Pさん、今度一緒に出かけませんか・・・?」

P「お、お出かけ・・・まだ有給はほんのちょっと残ってるし大丈夫かな」

音葉「では、日程は後日言いますね・・・」

P「分かりました・・・じゃなくて分かった」

音葉「その時・・・この気持ちが偽りかどうか・・・確かめさせてくださいね・・・」

チュッ

P「え?」

音葉「これは約束のつもりです・・・では、おやすみなさい」

P(頬にキスされた・・・)

P「っていうかお出かけってデートじゃないか!?まずい、勢いでOK出しちまった!」

P「5人の子にプロポーズされた男がまた別な女とデートだとぉ!?」

P「全国のファンが知ったら殺しにかかってくるぞ・・・しかもその男は不甲斐ないダメ男・・・」


P「う、うがぁぁぁぁああああ・・・・・・」





P「寝よう・・・今日は独り言が多い・・・疲れてる証拠だ」



次の日・・・。


P(早く起きて一旦自宅に戻って、私服に着替えた。今日は休み、昨日のことは一旦忘れ、羽を伸ばそう)

P(たまにはまったく触れないタイプのお店に行ってみよう。いい気分転換になるはず)


─ 繁華街 ─

P(隣町の繁華街までやってきた。デパートとかいろいろある、面白いものはあるだろうか)


・・・・・・。

P(なんというか、女の子向けのお店が多いなぁ。小物屋とかマニキュア専門店とか・・・)

P(あ、雪乃さんの写真・・・やはり雪乃さんは高級な服とかが似合うなぁ・・・)

P(Coプロの塩見周子さんのCMだ。棒状のお菓子でイチゴ味の新発売と銘打っている)

P(コンビニでは今やっている映画のコラボレーション商品が売られていた。うちのプロからは海が、他のプロからはPaから浜口あやめさんが出演してたはず)

P(駅前では駆け出しアイドルがゲリラライブをやっていた。「いっくニャー!」と叫んでいたが、猫キャラは結構親しみやすい。すぐに俺たちと同じステージで戦うことになるだろう)



P「・・・って、なんというか体が勝手にアイドルのチェックをしているなぁ。まずいな、職業病かな」

P(もっと無骨な感じの、男の趣味って感じの店に行こう)




P「モデルガン・エアガン専門店・・・これだ」



P(店内はいかにも鉄の臭いが充満していた。中高生の時の科学室とか工作室を思い出す・・・なんとなくワクワクする)

P(カービン・・・?よく分からないがアサルトライフル・・・だろうか。映画のワンシーンで見たことがある)

P(ハンドガン・・・見た目的には俺はリボルバーが好きだ。特に中折れ式のが好み)

P(スナイパーライフルのエアガンまであるのか・・・値段すごく高い・・・セット品だと俺の月の給料の5分の1から2を持っていかれそうだ)



「お、見ねぇ顔だな。手つきが不慣れだ」

P「あ、すいません。ミリタリーショップは初めて来たもので」

店員「ははっ、気にするな。この手のお店はどうしても新規客を集めるのは難しい」

P「なるほど」

店員「今日はどうしたんだい?俺でよければ聞こうじゃないか」

P「実は・・・」


店員「へぇ・・・女性関係に悩んで・・・」

P「一応芸能関係の職業に就いてるんで、恋愛とかは特にうるさいので・・・」

店員「なるほどね。んじゃ、撃っていくか?」

P「え?」

店員「人間、何かに集中しているときが一番楽なのさ。ここにいるなら、撃鉄鳴らしていくのがセオリーだろ?」



店員「まー、簡単な的当てさ。制限時間は2分、とにかく当てろ!」

P「よし、来い!」


P(確かに簡単な的当てだった。パネルが起き上がり、それに向かって撃つだけ。だが、借りた電動エアガンは初めて扱うには反動がデカかった)

P「うおっ、全然当たらない!」

店員「おらぁ!そんなんじゃ戦場じゃ一瞬で死んでるぞ!」

P「くそっ!」

店員「パネル45枚中・・・10枚にも満たない。もう一回やるか?」

P「お、お願いします」

店員「ちょっと待ってな、アキちゃーん?」

アキちゃん「はい、お呼びでありますか!?」

P「女の子!?」

アキちゃん「大和亜季、大学生であります!」

店員「うちの常連だ。アキちゃん、この男に指導してやってくれ」

亜季「了解であります!まずは脇を絞ってですね・・・」

店員「45枚中24枚だ!一気に上達したな!」

P「おー!やったよ!ありがとう亜季ちゃん、キミのおかげだよ!」

亜季「いえいえ、P殿の力がちゃんと活かされたからであります!」

店員「次は亜季ちゃんと勝負してみるか?」

P「え?」

亜季「やりましょう!負けませんよ!」

P「こうなったらやってやる!」

店員「新人のにーちゃんは6枚、亜季ちゃんは38枚・・・亜季ちゃんの勝ちだ」

P「うぉう・・・」

亜季「私の勝利です!」

店員「しかし、二人がかりでしかも亜季ちゃんがいるのに、1枚取り逃したか」

亜季「私の弾丸とP殿の弾丸が空中でぶつかったのかと思われます」

亜季「P殿の反射神経が凄いでありますな」

P「あ、ありがとう・・・ゼェ・・・ハァ・・・(ずっと息止めて撃ってた・・・)」

亜季「P殿!もう一度やりましょう!」

P「なんですと」

店員「そうだな・・・亜季ちゃんに勝てたら、そのエアガンはにーちゃんにあげよう」

P(このエアガン・・・よく見たら値段が68000円・・・)

P「こうなったら自棄だ!もう一回!」

─ カフェ ─

P(あの後、亜季ちゃんに8連敗を喫した。善戦は出来なかったが、いい感じに気持ちがスッキリしている)

P(あのエアガンは割引で購入させてもらった。気に入ったので名前でもつけようか・・・)

P(そうして今は・・・)

P「亜季ちゃんは何飲みたい?」

亜季「え、あっと、み、水で!」

P「遠慮しなくていいのに、指導のお礼だよ」

亜季「そ、それじゃあココアで・・・」

P「ん。俺はコーヒーでいいかな」

P(お礼も兼ねて、カフェに連れてきた)

P「亜季ちゃんは大学生だけど、今日は休みだったんだ」

亜季「ええと、はい!今日は授業を取ってない日でありますっ!!」

P(周りをキョロキョロしたり、ココアを睨みつけたり、どうやらこの場に不恰好なのかと思い込んでいるようだ)

P「へぇ、おっと、改めて自己紹介しておかないとね。これ名刺」

亜季「○○プロダクション・プロデューサー・・・って!Pさんってもしかして」

P「そう、今人気のアイドル、相原雪乃や杉坂海の・・・」

亜季「ゼットエックスってカードゲームのプレイヤーだ!」

P「」ズコー

亜季「あれ、違いましたっけ?」

P「い、いや合ってるよ・・・まさかそっちだったか・・・」

亜季「妹はカードゲームオタクです。先日の放送を一緒に見させていただいたであります!」

P「ど、どうも」

P「とまぁ、ここの所自分のポリシーに反することばかりでね」

亜季「なるほど、心が歪み、疲れてしまったと」

P「うん。みんな頑張ってくれてるんだけどね」

亜季「いい気分転換になったなら幸いです」

P「あんな所に女性がいるとは思わなかったけどね。亜季ちゃんぐらいの年でアイドルに興味ないってのも驚いたよ」

亜季「ない、ってわけじゃないんですけどね。私が単純に硝煙の中を歩く方が身に合ってるだけかもしれません」

P(しかしパッと見、この子のプロポーションは凄くいい。今時の女性はとにかく痩せることを意識したせいで細いというより骨と言える子が多い)

亜季「サバゲーやってる時は自分が生きてる!って気持ちが湧き上がってくるであります」

P(対して亜季ちゃんはサバゲーのおかげか筋肉が程よくついて男性好みの体つきをしている・・・)

亜季「映画とかも見ますが戦争映画とかアクション映画がメインです・・・『プライベートライアン』とか『出口のない海』とか」

P(どうしてもミリタリーのジャンルはどうしても女の子が寄り付きにくい世界だ、そしてそのジャンルに浸かった人間はにわかを強く嫌う)



P(この子・・・アイドルとして戦えるんじゃないか?)


P「亜季ちゃん、キミが良ければ・・・」

「あー!Pーっ!」

P「うげっ、朋・・・それに美玲」


朋「ちょっとPどういうことよ!この人だれっ!?」

美玲「女とデートってやっぱりケダモノじゃないかッ!」

P「ちょっと待ってくれ、お前ら仕事は?」

朋「仕事も何も町探索系のお仕事よ、あと30分もしたら次の町に移動するわ」

P(あ、そうだった。この町で収録あったな・・・忘れてた)

朋「んで、話戻すけどこの人は!?」

美玲「ガルルルルル!」

亜季「私は大和亜季、しがない大学生です」

P「亜季ちゃんはここにあるミリタリーショップの・・・」

朋「ア・キ・チ・ャ・ン────っっ!?!?」

P(あかん、無用心だった・・・)

朋「あたしに内緒で彼女作ってたってことぉ!?」

P「ま、待て!落ち着け、この人は!!カクカクシカジカ・・・」

朋「ふーん・・・お礼ねぇ・・・」

美玲「プロデューサー、本当にホントなんだな?現在デート中ってわけじゃないんだな!」

P「おう」

亜季「この人たちがアイドルでありますか」

P「そうだよ、藤居朋に早坂美玲。うちのアイドルは皆看板娘だ」

亜季「朋殿に美玲殿、何か迷惑かけたようで申し訳ない!」

朋「あたしも早とちりしちゃったみたい、ごめんなさいね」

美玲「これもプロデューサーのせいだな」

P「もうそれでいいよ・・・」


「あれは・・・アイドル藤居朋!?」

「見ろ!早坂美玲もいるぞ!!」

朋「うげっ、バレちゃった!?美玲ちゃん、バスに戻るよ!」

美玲「うおっ、ちょ、ちょっと待って!バッグが!」

亜季「私が持ちますっ!」

美玲「お、おおっ!お礼は言わないぞ!」

亜季「さぁ走りましょう!P殿も!」

P「ん。バスまで何分まで!?」

朋「2分もないよ!」

P「よし、いk・・・ってお前ら足早っ!?」

亜季「置いていってしまいますよー」

P「く、くそう!」

朋と美玲は息を荒げながらも無事送ることができた。

全力で走ったせいか汗で化粧がやや落ちてたのでメイクさんに怒られていたが。

亜季ちゃんは「ごちそうさまでした」の一言の後、別れた。

アイドルにスカウトするチャンスを逃してしまったが、彼女の持ち味を消す可能性も考えてしまうとこのままでもよかったのかもしれない。

今日はもう自宅に帰ろうか・・・。

─ 自宅 ─

P「うーん、いいんじゃない?」

リサイクルショップで壁掛けラックを買ってきて、さっそくエアガンを飾ってみた。

P(でも1個じゃ寂しいな。今度給料入ったら拳銃のエアガンも買おう)

P「よし、次は何をしようかな・・・映画でも見ようか」



P「うーん、『プラダを着た悪魔』はやっぱ名作だよね。あっという間に時間が過ぎちゃった」

Pipipipi...

P「電話?宛先は書いてないぞ?」

P「もしもし」

亜季『もしもし、P殿ですか!?大和です!』

P「ん、どうしました?」

亜季『それが・・・』

P「なに?ネームタグを落とした!?」

亜季『はい・・・父からの誕生日プレゼントなんで、肌身離さず持っていたのですが、案の定・・・』

P「時刻はもう夕方・・・今から落ちたものを探しに行くとなると・・・」

亜季『いえ、すでにあの繁華街で私がいた場所は探したのであります。交番でも調査は済んでいます』

P「となると?」

亜季『早坂美玲殿のカバンの中かと・・・』

P「Oh...」

亜季『今から美玲殿に会う方法はないのですか?』

P「待ってて、ちょっと美玲に電話する」←携帯2台持ち

【おかけになった電話番号は現在、電波が・・・・・・】

P「Oh...」

亜季『どうでした?』

P「電源切ってら・・・多分、バスの中での移動中でずっとスマフォいじってたんだろう」

P(スケジュール表を見る限り、今日はもう仕事が終わって、寮に帰ってるか・・・?)

P「後日、美玲に言ってカバンの中確かめてもらおう。それで大丈夫?」

亜季『いえ、ちょっと不安なんで今日中にお願いします・・・明日からしばらく遠出する予定なので』

P「それじゃあ仕方ない。女子寮に直接出向くしか」

亜季『女子寮ですか?』

P「セキュリティばっちりだから俺が付いていかないとダメだからね」

亜季『・・・ミッション:インポッシブル・・・』

P「ん?なにか言ったか?」

亜季『い、いえ、是非連れて行ってください!』

P「了解。んじゃ落ち合う場所を言うからメモしてな~・・・」


─ 女子寮 ─

亜季「ここが○○プロの女子寮でありますか」

P「ああ、俺のカードじゃ1階しか入れないけどな。美玲は4階だったかな、どうにせよ上れない」

亜季「ふむ・・・」

P「だから誰かが来るまで食堂で待・・・って、どこ行くの!?」

亜季「P殿、あそこはなんでありますか?」

P「あれか、あそこは浴室だよ。ホテルの風呂場並に広いんだ」

亜季「ふむ、閃いたであります!」

P「は?」

亜季「虎穴に入らずんば虎子を得ず、自分で動かなければ欲しいものも手に入れられません!」

─ 風呂場 ─

亜季「確かに広い、脱衣所もロッカーで荷物を入れるタイプ・・・」

亜季「ふむ、これならいけます!ささ、脱ぎましょう!」

P「ちょっ、何脱いでるの!?せめて隠して・・・」

亜季「バスタオルを使ったら誰かにバレるであります、モノを使った痕跡はなるべく減らすのが潜入の基本です」

P「だからって、俺を同行させるのは・・・」

亜季「P殿はこの施設の内装を知ってるであります。居てくれるとありがたいのですが」

P「ぐぬぬ(上目遣いやめて)」

亜季「ささ、先に行きますよ」

P「ああ、もう!強引すぎるわ!俺と亜季ちゃんの服は上のロッカーに投げ込んでおくか・・・」

P「いつもより湯気が多いような・・・」

亜季「煙幕を焚いたであります。これで湯船に体を潜めて誰かが来るのを待ちます。あわよくば美玲殿と鉢合わせることを期待します」

P「これなら確かに入ってきた人たちから見えないけど」

P(俺から亜季ちゃんはかろうじて見えるんだよなぁ・・・その・・・胸も尻も。一糸纏わない、が気にしてもいないようだ)

亜季「ふふふっ、気分が高まってきたであります」

P「俺は怖くなってきたよ・・・」

亜季「怖気づいたでありますか、無理もないですな」

P「いや、こんな形で混浴、しかもタオルなしなんて・・・皆に知られたらどんな顔をされるか」

亜季「混浴・・・・・・あっ////」

P「今更気付いたのかぁ!?」

亜季「いや・・・あっはっはっはっ!P殿の男の子でありますな!////」

P「     」ジト目

亜季「うっ、男女のことなんてあまり考えたことなくて・・・体もそこまで誇れるところなんて・・・」

P「それはないね」

亜季「へ?」

P「キミの体つきは男を平気で虜にできる。現に俺の目にはあのカフェの時から焼きついているんだ。自慢していい。君の凛々しさとのギャップもあって女性として強い武器を持っている、うちのアイドルとして迎え入れたいレベルだ」

亜季「ふぇ・・・?////」

P(しまった、つい仕事のスイッチが!!)

亜季「P、P殿は私を・・・焼きついて・・・つまり見惚れる・・・あわ、あわわわわわわっ!!!」

P「あ、亜季ちゃん?」

亜季「あ、あっち見ていてください!!////」

P「はいぃ!」


亜季「・・・・・・」

P(昨日今日と黙らせちゃうこと多いなぁ、いや今回は失態はすべて俺にあるな、うん)

P(亜季ちゃんを止めることが出来てれば、こんな事にはならなかったしね)

亜季「P殿・・・」

P「ん?」

亜季「私はアイドルとして戦えるのでしょうか」

P「もちろん。好きなことを話す亜季ちゃんは実に素敵だった!アイドルとしてやっていけるって確信できた」

亜季「考えておきます・・・////」

P「おう、いつでも連絡待ってるよ」

P(全裸でスカウトするとは思わなかった)

ガヤガヤ・・・・・・

亜季「ん!?誰か来たであります!P殿、身を潜めて!」

P(どうか、煙幕でバレませんように)

伊吹「やっぱ仕事のあとはお風呂にかg・・・ってどうなってるの!?」

イヴ「わ~、湯気がいっぱいですぅ」

海「さすがにこれは換気扇壊れてるんじゃないか?」

伊吹「まっさか~、まだこの女子寮は建って片手で数えるくらいの月日しか経ってないよー」

イヴ「もっくもく♪もっくもくですぅ♪」

P(よかった気付かれていない。美玲は・・・いないか)

亜季「P殿・・・彼女らもここの住人で?」

P「うん、うちのアイドルの伊吹と海とイヴだ」

亜季「ふむ、なるほど」

P「何かあったのか?」

亜季「美玲殿に会えればと思いましたが、プランCで行きます」

P「C?プランAとBは?」

亜季「んなもん無いであります」

P「・・・・・・」ジト目

亜季「その目止めて欲しいです・・・////」

イヴ「全然前が見えません~」

海「イヴさんこっち」

イヴ「すいませ~ん」

伊吹「こりゃ、明日ちひろさんにガツンと言ってやらないとね~」

海「そうだね、誰かいるか分からないしね」

伊吹「実はPがいたりして♪」

P(ギクッ)

イヴ「え、Pさんいるんですかぁ?Pさ~ん、一緒に洗いっこしましょ~♪」

伊吹「ははっ、いるわけないでしょー?」

海「まぁ、いてもいいさ。ウチらが確認せず入ったのが悪いんだし」

伊吹「んじゃPさんいたら海は全身洗ってもらおうねー」

海「はっ!?////」

伊吹「あははっ、顔真っ赤!無理なら無理って言えばいいのにー♪」

イヴ「私も洗いっこしたいなぁ~」

亜季「話が盛り上がってくれたおかげで簡単に脱出することができました」

P「一瞬、バレたかと思ったよ」

亜季「とりあえず、服着ちゃいましょう」チラッ

P「なぁ、亜季ちゃん。これ一体何が狙いなんだ?」

亜季「えっ、あっその、それ!」チラッ

P「人に迷惑かけることが狙いじゃないだろうね?」

亜季「下、下!先に下履いてください!」チラッ

P「お・・・はうっ!?」

亜季「私の狙いはこれであります」

P「それは・・・伊吹のセキュリティカードか」

亜季「先ほどP殿が『自分のカードは1階しか入れない』と言ったであります」

P「確かに・・・それはそうだが」

亜季「ならばここの女性のカードなら上の階に行けるだろうと判断したであります。今は夕暮れ、風呂に入る人も何人かいるはずと予測しましたが、成功しましたね!」

亜季「これで無事、上の階に行けます!」

P(伊吹のカードは後でこっそり返しておかないとな・・・)

亜季「P殿、これを付けましょう」

P「これって、目出し帽じゃないか」

亜季「そうです、後でバレるわけにはいきませんからね」

P「どう見ても犯罪者なんだが」

亜季「さぁ、潜入開始です!」

P「話聞けよ!!」

─ 女子寮 2F ─

亜季「P殿、この階は誰がいるんでしょうか」

P「この階はさっきの風呂場の3人のうち2人の部屋とと音葉という身長170越えの長身の女性が住んでいる」

亜季「部屋に籠ってるでしょうか?」

ガチャ・・・

P「そうもいかないようだ」


P(とりあえず音葉に見つからないように階段の陰に隠れた)

音葉「♪~♪♪♪~♪~」

P「どうするんだ?」

亜季「とりあえず気絶させます」

P「気絶・・・だと・・・」


コンコン、コンコン

音葉「? なんでしょうか・・・」

P「こっち来たぞ・・・!」

亜季「っっ!!」

音葉「あっ・・・・・・」ガクッ

P「わお、見事な手刀・・・」

亜季「とりあえずこの方は廊下の端の寝かしておきましょう」

P(音葉、ごめん・・・俺の上着かけとこう)

─ 女子寮 4F ─

亜季「幸い、3階には誰もいなかったですね」

P「4階も廊下には誰もいないようだ、美玲は端の部屋に住んでる、とっとと終わらそう」

亜季「おや?P殿も乗り気になってきましたか?」

P「お前さんがこれ以上被害を広げないか、監督する・・・つもりだ」

P(止められてない時点で・・・俺の立場も微妙だけどね・・・)

P「んで、どうするんだ?」

亜季「この寮はホテルタイプです。しかもインターホンはカメラ付き」

亜季「対するターゲットの美玲殿は今、電話やメールによる連絡はできない、と」

P「そうだね。さっきメール送ったけど返事がないから、まだ充電もしてないんじゃないかな」

亜季「となると、少し乱暴に扉を叩いて、あとは強盗の演技をするだけです」

P「マジデスカ」

亜季「虎穴に入らずんば虎子を得ず、やってみせますよ」


ゴンゴンゴンゴン!!ゴンゴンゴンゴン!!

美玲「なんだよ、呼ぶならピンポーンで・・・」

P(目をこすって出てきた。どうやら疲れて寝ようとしてたのか?)

亜季「動くな(低い声)」

美玲「ひぃぃ!?」

P(眉間にモデルガン、美玲の腕を取り間接を決め、身動きを取れなくさせていた)

美玲「た、助けて、誰か!」

亜季「少しでも声を張ったら、お前を殺す(低い声)」

美玲「!!!」コクコク

亜季「よろしい」


P(美玲は腕と足を軽く縛られ、目隠しをされた)

亜季「お前はそいつを見張ってろ、俺は荷物を探す(低い声)」

P「了解(低い声)」

亜季「カバンはどこだ・・・?」

美玲「うぅ・・・助けてよ・・・誰か・・・」

P(罪悪感)

美玲「なんだよ・・・ウチ何も悪い事してないのに・・・」

P(にじり寄る罪悪感)

美玲「プロデューサぁ・・・ともえぇ・・・ゆめぇ・・・ももかぁ・・・」

P(今まで受けた事のない罪悪感)

美玲「ぐすっ・・・」

P(こうなったら演技には演技だ!亜季ちゃんを止められなかった分、美玲のケアを!)

P「・・・美玲っ・・・美玲・・・」

美玲「!?・・・プロデューサー・・・?」

P「そうだ。声を出すんじゃないぞ・・・」

P「怪しい奴見つけてな、後を追いかけてきたんだ・・・」

P(美玲は目隠しされてるとはいえ、2人いたのに俺が難なく部屋に入ってきたことに疑問を持つかな・・・?)

美玲「で、でもプロデューサー・・・アイツ銃持ってたっ・・・」

P「なんとかしてみせる」

P「おい、そこのお前」

Pのジェスチャー『ネームタグ見つかったの?』

亜季「貴様、いつの間にっ!見張りをつけていたのに(低い声)」

亜季のジェスチャー『すいません、カバン見つかったんですが』

P「はっ、あんな奴、欠伸かいてたから楽勝だったぜ」

Pのジェスチャー『早くせんかい!美玲に気付かれる前に』

亜季「だが俺はそうはいかんぞ(低い声)」

亜季のジェスチャー『もうちょっと、もうちょっとです・・・ありましたっ!』

P「捻りつぶしてやる!」

Pのジェスチャー『よし、今すぐ脱出だ!』

だが、予期せぬことが起こった。


P「がああああぁぁぁぁぁぁっ!!??」



P(痛い!右腕がすごく痺れる!)

美玲「プロデューサー!!くそっ!こんな枷がなければ!!」

P(凄い痛みだ!意識を保つのが精いっぱいだし、腕が動かない!)

美玲「ウチに構わず逃げろッ!プロデューサー!!」

P(一体誰が・・・)

雪乃「はぁ・・・はぁ・・・」

P(雪乃さぁん!?扉叩く音が音が大きすぎておびき寄せちゃったのか?手には棒状の何か・・・スタンガンか!)


目出し帽を外し、雪乃さんに左手だけでジェスチャーを送る。

Pのジェスチャー『雪乃さん、俺俺!』

雪乃「え・・・Pさ」

Pのジェスチャー『喋っちゃダメ!』

雪乃「っ!?」

雪乃のジェスチャー『一体どうしたのですかこれは!』

Pのジェスチャー『後で話します。今は演技に付き合って』

雪乃のジェスチャー『分かりましたわ』

雪乃「ああぁぁっ!!!Pさんっ、Pさんっ!!!」

P「雪乃さん・・・ダメです・・・ここに来ては・・・」

美玲「雪乃さんっ!!アイツ銃持ってるから!プロデューサー連れて逃げろッ!!」

雪乃「よくもっ・・・よくもPさんを!!」

亜季「あぁ?知らんが、目的の物は頂いた。邪魔するなら殺すぞ(低い声)」

P「させるか・・・させるかぁ!!!」


俺は亜季にタックルを仕掛け、ベランダまで連れて行く。


P「亜季ちゃん、飛び降りれるか!?」ボソボソ

亜季「余裕であります!パルクール(エクストリームスポーツの一つ)は経験済みであります」ボソボソ

P「じゃあ行くぞ」ボソボソ


P&亜季「うぉぉぉぉぉぉあああああああああ(迫真の演技)」



雪乃「Pさぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!」










P「あ、やべっ、右腕動かないからうまく着地できねぇ」







後日・・・。


─ いつもの病院 ─

美玲「プロデューサー!!」

P「美玲、来てくれたか」

美玲「よかった・・・本当によかった・・・」

P「こら、抱きつくな。首痛めちゃうよ」

美玲「プロデューサー・・・プロデューサーっ・・・」

巴「完全に犬じゃな・・・」

P「巴、来てくれたのか」

巴「当然じゃ」

P「ありがとう、気が休まるよ」

巴「ふん、それより体を休ませろ。強盗犯を体張って、撃退したそうじゃな」

P「おかげでしばらくベッド生活だけどなぁ・・・」

巴「その分、ウチらで取り戻したる。すぐに治して、仕事に戻れ」

P「ん」

P(女子寮から飛び降りた後、俺は顔面から地面にぶつかったらしい)

P(地面が芝生だったのもあって、首の捻挫だけで済んだ。亜季ちゃんに限っては突き指だけらしい)

P(間接→絵文字→投げ→頬とキスをされたから、どこかでキスされるとは思ってたが、まさか地面とキスするとは思ってなかった)

P(それに以前、雪乃さんを暴漢から守ったことも相まって、新聞の一面を飾ったらしい。【またもアイドルを守る!正義感溢れる○○プロのプロデューサー!!】って)

P(自分が犯人の一角だなんて思うと、すごく申し訳ない気分がする)


美玲「そーいやプロデューサー、なんか新しいやつが来たぞ!」

P「新しいやつ?」

美玲「あのカフェで会ったやつだよ。実はスカウトしてたなッ!」

P「ああ、うん」

美玲「でも、なーんか、おかしいんだよ」

P(ギクッ!)

美玲「雪乃さんがすっごいレッスン付き合っててさ、鬼のようだったよ」

P「お、鬼?」


─ レッスン場 ─

雪乃「亜季ちゃん?これくらいでへばってはダメですよ」ニコニコ

亜季「さ、さすがに水分補給なしで4時間動きっぱなしは・・・!」

雪乃「女子寮に潜入したのは責任者の1人として許しますわ」ニコニコ

亜季「は、はい・・・」

雪乃「ですが・・・お風呂場」

亜季「ひっ・・・」

雪乃「Pさんと・・・混浴したらしいですね?」

亜季「そ、それは!」

雪乃「タオルも付けずに・・・ガン見までしたらしいじゃないですか」ニコニコ

雪乃「許しませんわ、私はまだPさんの裸見たことないんですの」ゴゴゴ

亜季「ひぃぃぃいぃいいいいいいい!!!!」

雪乃「アイドルとして即戦力にしてあげますわ。それはもう弾丸のように」





P(三日後、テレビデビューを果たす亜季の姿があった)




終わり

以上です。読んでくれた方はありがとうございます。

今回は滑稽なお話を目指して作ってみました。
ちょっと長くなってしまってgdgd感ありますが、申し訳ありません。
キャラクターとのイチャコラだけ書いてればいいのに、どうしても余計なことがしたくなる(汗)

さて次回は

・藤居朋「まな板の鯉」

です。その次の回に

・杉坂海「七転び八起き」
・西川保奈美「男子三日会わざれば刮目して見よ」

のどちらかを予定しています。

なかなか人気アイドルを使うタイミングがないので情景とかが分かりにくいかもしれませんが
少しでもたくさんのアイドルを知ってもらおうと頑張ろうと思います。

ではまた。

乙!このシリーズ好き。
>>51「P殿の男の子」って間違い?正しかったらゴメン。
亜季さんに友達になって欲しい。(切実

>>76
指摘ありがとうございます。

正しくは「P殿も男の子でありますな」 です。

このミスは卑猥に見えますね(汗)


亜季さんやあとPaの三好紗南ちゃんは友達で欲しい子たちですね、私もそう思います。

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