魔王「魔王軍再興をしないか?」勇者「なにそれこわい」(1000)


魔王「どこかの誰かが魔王軍を壊滅させちゃったからね」

魔王「今の我が軍は猫の手でも借りたいところなんだよ」

勇者「あのな 1つ聞きたいことがあるんだが」

魔王「どうぞ なんでも聞いてくれたまへ」

勇者「おまえ誰だよ」ジロッ

魔王「ふむ これは深く捉えていい質問なのだろうか?」フム

勇者「深く……いや意味がわからないからな」

魔王「魔王の城にいて魔王の玉座に座っている 賊でなければ魔王しかいないだろう」

勇者「いやだってな 魔王は俺たちが10年前に倒したはずだろ」

魔王「」


魔王「思考を放棄するのは愚者のすることだ 少しは頭を使って考えてみないか」

勇者「……魔王の娘とか?」

魔王「確か先代魔王は高齢で子がいなかったはずだけど」

勇者「だったら誰だよ」

魔王「新たにこの世界の征服を任された魔王だよ よろしく」

勇者「勇者相手にここまで気さくに接する魔王も初めて見た」

魔王「ところでその勇者様は魔王城になんの用だい?」

魔王「ぶっちゃけ君たちと先代魔王の戦いから10年 整備もしてなかったから城としての機能すらないんだけど」

勇者「人間の……人間を滅ぼす軍隊を作りに来た」

魔王「勇者が? 正気かな?」

勇者「……」

魔王「まあ理由なんて聞かないさ 右目が抉られたりしてるのを見ればなんとなく察しはつくさ」

勇者「それでどうなんだ?」


魔王「ふむ 丁度よかったのかもしれないね」

勇者「どういうことだよ」

魔王「さっきも言ったけど 君たちが倒した魔王とボクはなんの血縁関係もない」

魔王「同じ魔王っていう種族という共通点があるだけだ」

勇者「それも怪しいがな」

魔王「それだよ!! どうもボクは魔王の中でも最低クラスに戦闘能力がなくてね」

魔王「そんな奴を魔族のみんなは魔王として認めてくれるのかってことだよ」

勇者「なるほど 確かに先代魔王はアホほど強かったしな」

魔王「どうしても人は古いものと新しいものを比べたがる」

魔王「そんな時に先代より遥かに弱いボクに付き従ってくれる人がいるかどうか?」

勇者「ないな」

魔王「だろ?」


魔王「だから君にボクの神輿をやってもらいたいんだ」

勇者「俺にお前の武力になれと?」

魔王「そうだよ 生憎ボクは特に地上侵略には興味がなくてね」

魔王「所詮こんなのは研究の一環程度にしか思ってない」

勇者「つまり侵略に関しては俺に一任していいと?」

魔王「うん それもまた魔王軍が再興したらの話だけど」

勇者「それで 今のところ魔王軍兵士は俺1人か?」

魔王「そう 2人だけの魔王軍だ」スッ

勇者「同盟関係の握手か 悪くない」ギュッ

魔王「契約成立だ」


魔王「最初にまず 近場の部族に挨拶にでも行こうか?」

勇者「挨拶に行く? 挨拶に来るじゃなくて?」

魔王「魔王復活のお触れが魔界全土に出て1年 誰一人挨拶に来ないんだけど」

勇者「先代魔王への忠誠心か? あのお方以外の魔王は考えられませんって」

魔王「そんなのは少数さ 本音は10年経って舐めてるからだろ 魔王って生き物を」

勇者「おまえ……そんなこと言えるぐらい強いの?」

魔王「それは言わないでくれ」

勇者「まあそこんところの対応でも魔王としての格が出るんじゃねーの?」

魔王「言っておくが ボクにカリスマなんてものがあると思わないでくれよ」キリッ

勇者「そりゃあ白衣纏ってる奴が魔王なんて魔族連中も信じたくないだろ」


勇者「それで 俺たちはどこに向かっているんだ?」

魔王「いや君もそのままじゃいけないだろうと思ってね」

勇者「このままって……装備は特に問題ないが」

魔王「本気で言ってるのかい? 勇者とその仲間といえば人間の間では有名でも魔族の間では怨敵だよ」ヤレヤレ

魔王「少なくとも今人間を見ただけでも部族全員で山狩り始める勢いだからね」

勇者「」

魔王「とはいっても 先代魔王の遺体から立ち昇る瘴気のお陰で人間は未だに攻めて来られないんだけど」

勇者「というより この瘴気なんとかならないのか? 俺は勇者だから大丈夫だが」

魔王「それだけ先代魔王の魔力と呪いが強大だったってことさ」

魔王「並みの人間なんて瘴気を触っただけで高熱に冒されるからね」


勇者「おい魔王」

魔王「なんだい勇者?」

勇者「この禍々しい装備はなんだ?」

魔王「先代魔王が若いころに装備してた武具だよ」

魔王「年を召してからは呪文中心の戦い方に変えたから埃が被ってるけど」

勇者「これを俺にどうしろと?」

魔王「装備するしかないだろう?」

勇者「断る!!」

魔王「どうしてだい 魔王が装備していた由緒あるものだよ」

勇者「それ呪われてるだろ!? 装備したら死ぬわ!!」

魔王「気持ちはわかるけどね 君は今の自分の立場がわかってるのかな」

勇者「……?」


魔王「例えばただのフルアーマープレートを装備して魔族の前に出たとしよう」

魔王「幾ら顔が身体が見えなくても魔族は臭いで気配で君を人間だとわかるだろう」

勇者「それはわかったんだが……いやこれからの展開もなんとなくわかるが」

魔王「これだけ瘴気全開の装備をしていれば流石にバレないだろう」

勇者「…………」

魔王「言っておくけど装備しないという選択肢はないよ まあ他に案があるなら聞くけど」

勇者「着るよ 着ればいいんだ――重い!?」ガチャガチャ

魔王「魔王の槌 叩けばまず相手を即死させる威力があるけど 重すぎて扱いづらいと」

勇者「それを初めに言ってくれ……」プルプル


勇者「とりあえず装備したぞ……」プルプル

魔王「”魔王の鎧” 防御力は最強クラスだけどその分重い 素早さが0になるぐらい」

勇者「わかってるよ 歩けないもんな」プルプル

魔王「”魔王の兜” こっちも防御は最強クラスだけど代わりに理性を持っていかれる」

勇者「頭痛が酷いからな マジで辛いわ」ガンガン

魔王「”魔王の盾” こっちも防御はあるんだけど 代わりに相手から受ける呪文効果が2倍になる」

勇者「俺は最初の村に行くまでに死ぬんじゃないだろうかと思うんだが?」プルプル

魔王「大丈夫だって! 一応一度は世界を救ったんだろう?」

勇者「そうだな 全く根拠がねーわ」

魔王「とりあえず行こうか」スタスタ

勇者「頼むからもう少しゆっくり……歩けと……」プルプル


魔王「最初に行くのは狼人族の村だ」

勇者「老人族?」

魔王「狼の魔族だよ 満月に凶暴になる上に中々に速い」

勇者「どうしてそこが一番最初なんだ?」

魔王「魔族の中で先代魔王が一番信を寄せてた魔族だからさ」

魔王「なんでも昔の戦いで魔王を救ったらしくてね 魔王城の直ぐ傍に村がある」

勇者「だけどさっきも言ったが 先代魔王に信を置いていたなら説得は困難じゃないか?」

魔王「どうして一番信を置いてた彼らの集落が街じゃなくて村なんだと思う?」

勇者「……あぁ思い出した 俺たちが滅ぼしたんだったな」

魔王「心優しい勇者様たちは反撃してきた村の男だけを殺して女子供には一切手を出さなかったとか」

魔王「勇者様! 私たち狼人族は勇者様を歓迎致します……なんてなったら楽なんだけどねえ」

勇者「」


魔王「働き手のいなくなった街 そして魔王という加護がいなくなってかなりの差別を受けたらしいよ」

勇者「確かに強さだけなら竜族だとかそっちの方が強いからな」

魔王「だから人間に対する恨み辛みは他の部族よりも高いだろうね」

魔王「まあ他の魔族もかなり殺されてるから 他の種族だって大なり小なり人を恨んでるだろうけど」

勇者「耳が痛くなる話だな」

魔王「ちなみに君が勇者だとバレた場合 連鎖でボクまで消されることになるから」

勇者「まず名前が勇者って時点で問題があるんじゃないのか?」

魔王「……君は馬鹿なのか鋭い馬鹿なのかわからないな」

勇者「まずは馬鹿を止めろぶん殴るぞ」

魔王「とりあえずこれからは黒騎士でいこう 黒いし」

勇者「確かに黒いな 重いし」


魔王「とりあえず今日はここで休もうか」

黒騎士「疲れた……このままだと死ぬわ……」ハァハァ

魔王「ところで聞きたいことがあったんだけど」

黒騎士「なんだよ……」

魔王「10年前に魔王を倒した時のパーティって9人いたんだろ」

黒騎士「俺に戦士に侍に魔法使い 僧侶に商人に盗賊に賢者 それと俺の弟の魔剣士だ」

魔王「今は全員が別の国でそれなりの地位についてると」

黒騎士「なにが言いたいんだ」ギロッ

魔王「いや 君1人だけなんとも残念な人生を送ってるなと」

黒騎士「放っとけ」


黒騎士「おまえはなんでここに着たんだよ」

魔王「ふむ 一重にいえば研究だ」

黒騎士「研究?」

魔王「魔族や魔物 それに人間のね」

黒騎士「どういうことだ?」

魔王「魔族と人間はかなり近い姿形をしている」

魔王「なのに種族としては天と地とも違う」

黒騎士「その解明がしたいと?」

魔王「ボクは探求の魔王だからね 知らないことが許せないのさ」

黒騎士「興味ないな……」

魔王「奇遇だね ボクも復讐なんてものには微塵も興味がもてないよ」

黒騎士「へいへい」


魔王「君は横になって寝ないのかい?」

黒騎士「こんなクソ重い鎧着て横になったら立てないからな」

魔王「そうか じゃあボクは寝るから後は頼むよ」ヌクヌク

黒騎士「おい 見張りの交代とかは……こいつマジで寝やがった」ピクピク

黒騎士「……見張りはこの十年で慣れてるからいいか」ガチャ

魔王「」zzzzz

黒騎士「そういえば 誰かと一緒に旅をするのは十年振りか」

黒騎士「」zzzzz


???「なぜだ! 何故僕にこんな仕打ちをするんだ!?」

???「…………」

???「僕たちはたった2人の兄弟だろう!?」

???「……」

???「答えろ勇者ァッ!!」

勇者「…………」


魔王「いたっ!?」ガンッ

黒騎士「なんで俺の起き抜けにお前は悶絶してるんだ」

魔王「いやなに 君がうなされているのを観察していたのだが 寝起きに君の兜がボクの頭に当たってね」

魔王「全く 人がうなされている姿を観察出来るなんてそう滅多にないことなんだが」ヤレヤレ

黒騎士「とりあえずぶん殴っていいか?」


狼人村

狼主「おぉっ! 魔王様!! 良く着てくれました!!」ヘコヘコ

魔王「ほら見てみろ」ドヤッ

黒騎士「なんでドヤ顔してんだ近づくなくたばれ」

魔王「狼人族の長は一目で魔王のことがわかったらしい」

黒騎士「嬉しいんなら嬉しいって素直に言えよ」

狼主「さあさあ 鎧と武器はこちらで預からせてもらいますから」

魔王「」

狼主「いやあ その溢れ出す瘴気 素晴らしい武具 流石です」

魔王「」

黒騎士「プッ……クスクス……」

魔王「笑わないでくれ 流石に凹みそうだ」ハァ


狼主「すいませんでした!!」ドゲザァ

魔王「いや構わないよ 自分に魔王のオーラがないのは自覚してるから」

狼主「なんと侘びを入れたらいいのか……」

黒騎士「ところでお前がここの長だとして 少し若すぎないか?」

狼主「村の主要な大人はみんな勇者たちに殺されたので……」

黒騎士「」

魔王「それとも関係あるんだけど ボクたちはその人間たちを滅ぼそうとしていてね 手伝って欲しいんだけど」

狼主「いえ そうしたいのは山々なんですけど 俺たちも人が少なくて……」

黒騎士(駄目だな 典型的な強い者に従うタイプじゃねえか)

魔王「いやいやそれはわかっているんだけどね」

狼主「それに竜族の連中が大人しく従うとは……」

黒騎士「つまり俺たちが強ければ問題ないんだろ」

狼主「えっとそれは……」

黒騎士「お前も戦士なら戦ってみればいいだろ」

狼主「」


狼子供「あれがまおうさまー?」

狼母「あれは魔王の側近さんよ」

魔王「ふむ 敵は中々に手強そうだね」

黒騎士「確かに 平和ボケしたとはいえ それなりに鍛えているみたいだな」

魔王「勝てるのかな?」

黒騎士「俺を誰だと思ってるよ」

魔王「君が武名を轟かせたのは十年前だろ 衰えてるんじゃないのかな?」

黒騎士「この十年 各地に残ってた魔物退治をして周ってたんだ むしろ今が全盛期だぞ」ガチャガチャ

狼主「」ゴクリ

黒騎士「いくぞ! 俺は手加減なんてやり方も知らんからな!!」ガチャガチャ

狼主「……えっと」

黒騎士「重くてマトモに動かん」ググッ

魔王「だろうと思ったよ」ハァ


狼主「ハッハハハハハハ!! どうされたのかな側近の方!!」キンッキンッ

黒騎士「うるせぇよ」ガキンッ

狼少年「押してるぞ村長ー!!」ワイノワイノ

黒騎士(俺が遅いのもあるが 狼主が速すぎて攻撃が避けられん)

狼主(逃げないのはいいが なんて硬さだあの鎧 全然攻撃が通らん)

魔王「千日手 黒騎士は攻撃出来ないし狼主の攻撃は通らない どうするんだか」

狼主「そろそろ攻撃したらどうです?」ヤレヤレ

黒騎士「うっさい……」

狼主「このままだと魔王様の格を……」

黒騎士「うるさいって言ってんだろうが!!」ブォン

ドゴォオオオオオオオオ!!

狼主「」ポカーン

狼少年「」ポカーン

魔王「やれやれ」


黒騎士「フーフーッ」

狼少年「なんて威力だよ 一撃で大地が割れたぞ」

狼父「あれが魔王様の側近の力……」

狼主「確かに当たれば強力だが当たらなければいいんだろう!! 火炎中級呪文!!」ボゥッ

黒騎士「いってーーーーっ!?」

魔王「へぇ 魔法もそれなりに使えるのか しかも黒騎士は呪文2倍だしね」

狼主「魔法は効くんですか それならもう一発!!」ボゥッ

黒騎士「動け俺の体!!」バッ

狼主「なっ!? あの体で避けるのか!?」

黒騎士「よし! これな――あっつーーーーーいっ!?」ゴンッ

黒騎士「なんで!? 避けたのに魔法が俺の方に曲がったぞ!?」

魔王「ちなみにその盾 魔法を磁力のように引き付ける性質があるからね」

黒騎士「それを先に言えよ!!」


狼主「これで私の魔力が切れるかあなたが耐えるかの戦いですなぁ」ニヤニヤ

黒騎士「うっせー 今すぐこれを叩き込んでやるから待ってろ」

黒騎士(とはいったもののどうすれば……いや待てよ)

狼主「それではこれで……」

黒騎士「守備力増強呪文!!」パァァ

狼主「まさかあなたも魔法……をどうして私にかけているんですか?」

黒騎士「おい魔王 この盾は魔力を引き寄せるんだよな」

魔王「まあね」

黒騎士「ってことはだ 補助呪文をかけた相手を引っ張ることも……」

魔王「理論上は可能さ そんな使い方普通はしないけどね」

狼主「どうして私が引っ張られて……!?」ズルズル

黒騎士「まああれだ 守備力上げたんだから多分死なんだろ」ブォン

狼主「やめてください!! 調子に乗った私が悪かったです!! だからおね――」

黒騎士「はい終わり」ブンッ


狼主「」ビクビク

黒騎士「さて 一応お前も魔王軍の兵士候補だ それをみすみす殺してしまうのは勿体無い」

黒騎士「言ってることはわかるな?」ギロッ

狼主「」コクッコクッ

黒騎士「これからお前たちが誠心誠意働けば魔王様は数々の無礼をお許しになると言っておられる」

狼主「本当にすいませんでした!! これからは魔王様のために粉骨砕身の気持ちで働かせてもらいます!!」ドゲザァ

黒騎士「これでよしと……」

魔王「なるほど そういうことなんだね 中々やるじゃないか」ポンポン

黒騎士「バカッ! お前の手柄にしてるんだから余計なこと喋るな!!」


翌日

魔王「それでは我々はそろそろ旅立たせてもらいましょう」

狼主「もう少しゆっくりなさっては……」

魔王「これでもボクたちは忙しい身でね」チラリ

魔王「だがしかし! 狼人族が味方につけて一騎当千 これほどの宝はないんですよ」チラチラ

狼主「魔王様……」

魔王「それではさらばだ! さあ行こうじゃないか黒騎士くん!!」

黒騎士「はいはい」ガチャガチャ


魔王「いやあ! 本当に君が作ってくれたカンペがないとどうなっていたか……」イヤハヤ

黒騎士「なんにせよボロが出る前に出られてよかった」

魔王「とっとと先に進んで夜営でもしようじゃないか」ハッハッハッ

黒騎士「……はぁ」

魔王「すぅすぅ……」zzzzz

黒騎士「10……いや15ってとこか」ザッ

黒騎士「隠れてないで出て来いよ いるのはわかってんだからよ」

狼娘「魔王とその配下 命を貰いに来たよ」

狼人1「観念するんだな」

黒騎士「全く 決闘して負けたのになにが不満なんだよ」

狼人2「俺たちは平和に暮らしてきたんだ!!」

狼人3「それを潰そうとしてる奴を許せるわけないだろ!!」

黒騎士「一応 俺たちは魔王とその御一行なんだが」

狼娘「幾ら魔王たってこの人数相手には勝てないだろ」

黒騎士「そうか お前らあの戦争を体験してなかったわけか そうかそうか」
黒騎士「じゃあ今からお前たちに魔王の……そして勇者たちがどれだけ恐ろしかったのか教えてやるよ」

狼娘「」ゴクリ

魔王「すぅ……すぅ……」zzzzzz

黒騎士「その前にお前は起きろ」ゲシッ

魔王「なんだ!? 敵襲か!?」ガバッ


黒騎士「その通りだよ わかったらとっとと起きろ」

魔王「やれやれいつの間に囲まれたんだい」ヤレヤレ

黒騎士「お前が寝てる間にだよ」ハァ

魔王「ふむ なにか策はあるかな? ボクが逃げ出すための」

黒騎士「偉い人が言ってたぞ 考えない奴は愚者だってな」

魔王「君ねぇ 私はこれでも女だぞ」

黒騎士「俺は男の前で腹出しながら寝る生物を女とは認めないんだよ」

魔王「私がまだ漏らしてないと思ってるのかな?」ピチョピチョ

黒騎士「いいか! 絶対に隠せよ!! 漏らし魔王なんて権威も糞もないからな!!」

魔王「糞と漏らしをかけたわけか……そんなギャグを言って君は今の状況が――」

黒騎士「お前はもう喋るな!!」

狼娘「なにをごちゃごちゃと……いくぞ!!」バッ


黒騎士「……チッ 守備力増強呪文!!」バッ

狼人1「当たるかよ!!」サッ

狼娘「お前たち! 絶対に動きを止めるんじゃないよ!!」バッ

黒騎士(絶えず動き続けてこっちの魔法を避ける その間に魔法で攻撃 こうも俺の攻撃に対して対策を立てるとは)

狼人2「もう勇者魔王の時代は終わったんだよ!!」アハハッ

黒騎士(俺が鎧を脱いで全員に口封じをするまで1分ってところか……)ググッ

ボゥンッ!!

狼娘「なんだこれは!?」バッ

狼人3「煙幕だ!?」

黒騎士「一体誰が……」

???「こちらです 早く!!」

魔王「とりあえず逃げようじゃないか」

黒騎士「了解」ダッ


魔王「いやはや とにかく助かったよありがとう」ハァハァ

???「いえ 私の使命は魔王様を守ることなので」

魔王「ところで君は……」

メイド「メイドと申します 先代魔王様の側近をしておりました」

魔王「メイド……ふむありがとう」

黒騎士(そういえばいたな そんな奴)

メイド「今回は魔王様の軍勢に加えて頂きたくここに来たものですが」

魔王「それで助けてくれたのか ウチも人手不足だから助かるよ」

黒騎士「とりあえず狼人族の連中だが……」

メイド「なにあなたが仕切ろうとしてるんですか黙ってください」

黒騎士「」

メイド「魔王様 これからどうされますか?」

魔王「とりあえず村に戻ってみようか なにか手違いがあったのかもしれないし」

ちょっとカレー行ってきます


メイド『魔王様は素晴らしいお方です あのお方こそ世界の覇者に相応しい……』

メイド『それを邪魔するあなた達は即ち悪!! それがわからないのですか!?』

勇者『うわぁ……』


黒騎士「(昔も魔王に心酔してるっていうか狂信的だったが)」チラリ

メイド「魔王様 大丈夫ですか疲れてないですかお水は必要ですか?」

魔王「いやこれぐらいの距離ならなんとか疲れないけどね」

メイド「そこの木偶 突っ立ってるだけなら魔王様を背負って歩きなさい」

黒騎士「誰が木偶だ 身長-になるまで叩きつけるぞ おい」ガチャ

メイド「やれるものなら」ガチャ

魔王「はいはい 早く行こうよ」

メイド「はいっ! 魔王様!!」ダッ

黒騎士(怪しいなぁ)

狼主「たいっっっっっへん! もうしわけありませんでしたーーー!!」ドゲザァッ

魔王「つまり今回のことは彼女が勝手に暴走した結果だと?」

狼主「私もつい先ほど知ったばかりでして……お前も頭を下げろ!!」グイッ

狼娘「……チッ」ドゲザ

魔王「ふむ しかし今回の件に関しては罰が必要だね」
狼主「罰……ですか?」チラリ

魔王「その通り とりあえずメイドはどれぐらいが妥当だと思う?」

メイド「首謀者及び関係者は死刑が妥当かと」

狼主「そんな!?」

メイド「反論は許しません 魔王様暗殺は重罪です」

黒騎士「おいおい待てよ ちょっとそれは……」

メイド「うるさい木偶 あなたは木偶らしく立っていればいいんです」ギロッ

黒騎士「魔王 メイドに聞いたってことは俺も発言していいんだな」

魔王「構わないよ 皆が納得する案を出してね」

黒騎士「まずはメイド! お前の刑はかなり軽すぎる!!」

メイド「……はい?」


黒騎士「なぜ狼主が共謀者だと考えない 狼主が共謀者で主犯かもしれないだろ」

メイド「まあ確かに……」フム

狼主「いえ! 私は決してそのようなことは……」

黒騎士「よって一族郎党処刑が妥当だと思うんだが」

狼娘「待てよ! アタシが悪いんだからこいつらは――ぐぺっ!?」

黒騎士「調子に乗るなよ小娘 自分は殺そうとして自分が殺されるのが許さないとかどこの餓鬼だ」

狼娘「ぐぅ……」ググッ

黒騎士「魔王 俺に全部任せろよ こんな糞村滅ぼすのに1日もかからんぞ」ジッ

魔王「……黒騎士くん 少しそれは重過ぎる」

黒騎士「そうか? 俺はこれぐらいが普通だと思うが」

狼主「なんでもします! 生涯忠誠を誓うので何卒!!」ドゲザァッ

黒騎士「仕方ないなぁ じゃあこの小娘を奴隷として俺たちの旅に連れて行く」

魔王「それはいいね! 丁度労働力が欲しかったところだし!!」パンッ

狼主「ありがとうございます!!」

狼娘「ちょっと! アタシは……」


狼娘「狼娘 狼人族長の娘だ」

魔王「はいよろしく じゃあ着いてきてね」

メイド「魔王様待ってくださーい!!」タタッ

狼娘「眼中になしかよ」チッ

黒騎士「ほれ こいつを持て」ポイッ

狼娘「なんだこれ!?」ググッ

黒騎士「俺の武器だ 眼中に入れて欲しかったらしっかりついて来いよ」ヒラヒラ

狼娘「絶対にぎゃふんって言わせてやる」プルプル


メイド「ところで木偶」

黒騎士「なんだ腹黒」

メイド「どうしてあの娘を連れて来たんですか?」

黒騎士「俺が連れてきたかったからだよ」


メイド「やだ鬼畜」ヒキッ

黒騎士「ちげーよ 狼長はまず首謀者じゃない あんな小心者が暗殺なんて考えるわけないからな」

黒騎士「ってことはだ 魔王暗殺を持ちかけたのはあの小娘で たった一日で人まで集めたんだぞ」

黒騎士「指揮官に必要な才能があると思うだろ」

メイド「そうですか……?」

黒騎士「まあ普通に言っても着てくれないだろうから 少し芝居を打ったが」

魔王「それに合わせたボクにも感謝して欲しいね」

黒騎士「うっさい」

メイド(精々が人質程度にと考えてましたけど……)

狼娘「ゆるさ……ないからな……」ゼーッゼーッ

メイド「買い被りですね」


黒騎士「ところでこれからどこに行くんだ?」

魔王「とりあえず四天王でも作ろうと思ってね」

メイド「四天王ですか 流石魔王様です 御見それいたしました」ペコリ

黒騎士「なにがおみそれだ馬鹿か」ケッ

狼娘「四天王って そんなもの作ってどうすんだよ」

魔王「ふむ 四天王とは魔族で一番強い4人を指す もちろん彼らはボクに忠誠を誓ってもらう」

メイド「そして上にそういう人がいれば 魔王様に逆らおうなんて人はいなくなる わかりますか?」

狼娘「……まあ」

黒騎士「いりゃ得するってことだよ それだけ覚えとけ」

狼娘「わかった」


魔王「とりあえず候補としては 魔界最強の騎士団がある竜族」

黒騎士「鱗の皮膚に竜の怪力 厄介な連中だな」

魔王「次に森の奥に住まうエルフの一族」

黒騎士「エルフには会ったことないな」

魔王「最後に淫魔の国を拠点とする淫魔の一族だ」

メイド「お言葉ですが魔王様 エルフは気難しく魔王軍に一度も参加しなかった連中」

メイド「それに淫魔も少し……」

魔王「でも彼らが参加してくれたら鬼に金棒だろう?」

メイド「それはまあ……」

狼娘「淫魔ってそんなに悪い連中なのか?」

黒騎士「悪くはないんだが……見ればわかる」

狼娘「……?」


魔王「まずは近場から淫魔の国に行こうか」

黒騎士「……はぁ」

狼娘「黒騎士は淫魔の国に言ったことあるのか?」

黒騎士「一度だけな」

狼娘「どんなところだった?」

黒騎士「2度と行きたくないって思うぐらいに酷い」

狼娘「そんなに……」


魔王「ここが淫魔の国か」

狼娘「でっかいなー」

メイド「なにしろ魔界で2番めに大きい国なので」

狼娘「この街のどこが駄目なんだ?」


淫魔大臣「魔王様ですね 私淫王様の側近で淫魔大臣と申します」

魔王「魔王だ とりあえず淫王に謁見させてもらえるかな」

淫魔「どうぞこちらへ……」

狼娘「街中も普通じゃない?」

黒騎士「あぁ普通の街だな ここまでは」

淫魔1「見てよ あれ男よ」

淫魔2「あぁ楽しみ……」

黒騎士「淫魔たちは性欲がとにかく強くてな よく人間界に行って人間喰ってるぐらい好きなんだ」

メイド「それぐらいならいいんです 問題は魔族の精まで吸うから」

狼娘「あれ? でも前線の兵士の慰安係りにはいいんじゃないのか?」

メイド「まず淫魔とやれば2,3日は腰が立たなくなります それが問題なんです」ハァ

狼娘「」


メイド「それに困った先代魔王様が淫魔が勝手に精を搾るのを禁止したんです」

メイド「でも性欲が強い上に同族同士では欲情しない彼らが我慢できるはずもなく」

魔王「それで先代魔王が一定周期で人間をこの国に放っていたらしいね」

狼娘「それってかなり特例じゃないのか?」

魔王「まさか淫魔を虐殺するわけにもいかないし 苦渋の決断だったんだろうね」

狼娘「アタシたちは大丈夫だよね……」

黒騎士「ちなみにだ この国に入った人間魔族に関わらずなにをされてもお咎めなしだそうだ」

狼娘「」

淫魔大臣「いやだなぁ 私たちもそこまで節操ない種族じゃありませんよ」

狼娘「だよね~ぇ!!」

淫魔大臣「淫王様に御伺いをかけませんと……」

狼娘(御伺いをかけたら食べられるってことですかぁ~)


淫魔大臣「淫王様 魔王様をお連れしました」

淫王「はい じゃあ入って~」

魔王「初めまして淫王 私が魔王だ」

淫王「はいよろしく~」

狼娘「ずいぶんとのんびりした人だな」コソコソ

メイド「淫魔の王がどうやって決められるか知ってますか?」

狼娘「……さあ?」

メイド「性技が一番上手い人ですよ」

狼娘「」

淫王「今回はなんの御用でしょうか~」

魔王「淫魔の一族にも魔王軍に入ってもらおうと思ってね」

淫王「私たちと先代魔王の約束を知っていてですか?」

魔王「ボクは有能な人材は惜しみなく使うからね」

淫王「別に軍に参加するのは構わないんだけど~」

淫王「私たちはまだあなたを魔王って認めたわけじゃなくて~~~」

メイド「キサマ――っ!?」

淫魔大臣「動かないように 動けば首が飛びますよ」チャキ

淫王「あなたが魔王に相応しいのならこの国のルールに則って戦わなくちゃ」

魔王「つまり?」

淫王「私より性技が得意なら魔王様の下につくよ~~」

魔王「よし! 出番だ黒騎士くん!!」ポンポン

黒騎士「くたばれ 俺は死んでもやらないからな」

メイド「魔王様! ここは私に一言頼むといってくれれば……」

魔王「いやでも女だし……」

淫王「私は女の子でも構わないよ~」

魔王「……じゃあメイドに任せようかな」

メイド「ありがたき幸せ!!」

淫王「ちなみに負けたら城下の淫魔たちの餌になっちゃうから」

狼娘「えっと それは男の黒騎士だけだよね?」
淫王「大丈夫 淫魔は女だけじゃないから」


メイド「それでは行って参ります」ペコリ

魔王「頑張ってね」

バタン

淫魔大臣「それではお二方が出てくるのに1時間ほど時間がかかるのでそれまでお茶でも飲んでましょう」

魔王「黒騎士くん 君はお茶を飲めるのかい?」

黒騎士「毎度同じこと聞くな 空気口から突っ込むから問題ねーよ」ゴクゴク

狼娘「兜取ればいいじゃん」

黒騎士「とった場合 お前はその場でバラバラになるが それでいいか?」

狼娘「結構だ!!」

バタン

メイド「」ウキュ~

淫王「はい 一丁上がり~~」ムニャムニャ

魔王「随分と速かったね」

淫王「駄目だよ魔王様 処女を送っちゃ 私が本気出す前に倒れちゃったよ~~」

淫王「そういうわけだから わかってるよね?」ニコリ


黒騎士「次は俺と勝負しろ」

淫王「負け犬がなに言ってるの~? って言いたいところだけど~ 条件次第で考えてもいいよ~~」

黒騎士「条件?」

淫王「魔王様は私の一生性奴隷 その約束ならやってもいいけど~~~」ニコニコ

狼娘「そんな!? 魔王様を奴隷として扱うなんて!?」ガタッ

黒騎士「それでいいだろ魔王」

魔王「いいよ別に 勝ったら儲け 負けても淫魔の研究が出来るなんて素晴らしいじゃないか」

黒騎士「じゃあ言ってくるわ」ガチャガチャ

魔王「遺言なら今の内に受け取っておくけど」

黒騎士「くたばれ」

バタン

狼娘「大丈夫なんですか魔王様!?」アタフタ

魔王「ん? 大丈夫だと思うよ 彼はあれで頭が回るからね」


黒騎士「くっさいな~~~」

淫王「催淫香 いい香りでしょ~?」クンクン

淫王「それじゃあ脱ぎ脱ぎしましょうね~~~」スルッ

黒騎士「……」

淫王「えっと 脱がないの~~?」

黒騎士「北風と太陽って話を知ってるか?」

淫王「北風と太陽が旅人の服を脱がせる勝負をするっていう」

黒騎士「俺は自分からは脱ぐ気はない 脱いで欲しかったらお前が脱がせろ」

黒騎士「それともなんだ? 糞ビッチ王は男の服1つ脱がせられないのか?」ニヤニヤ

淫王「わかったよ~ じゃあちょっと本気出すよ~」

黒騎士「一時間以内に脱がせられなかったら俺の勝ちでいいだろ」

淫王「うん」

バタン

黒騎士「勝ったぞ」

狼娘「ホン
トに!?」

黒騎士「当たり前だろ」

淫王「フニュ~」

魔王「淫王くんも大丈夫かい?」

淫王「……実を言うとこの勝負私が負けても魔王軍には加わらないつもりだったんだ~」

魔王「……ふむ」

淫王「でもあんな面白い子がいるなら入ってもいいよ~」フリフリ

魔王「ではこれからよろしく頼む」

淫王「ウィ~」


魔王「それじゃあ私たちもそろそろ行こうか」

淫王「黒騎士くん黒騎士くん」

黒騎士「なんだ糞ビッチ」

淫王「今度は生身でやろうね~」

黒騎士「そうだな 1人でやってろビッチ」

淫王「それとね~ 今回の黒騎士くんの話をみんなにしたら黒騎士くんを脱がせた人が次の王様って話に――」

黒騎士「よし! 逃げるぞ!!」ダッ

狼娘「了解!!」

魔王「全く 急がなくても狙われるのは黒騎士くんだけだというのに」

淫王「魔王様 淫魔って誰とでも直ぐ寝ちゃうけどね 生涯自分を捧げるのはただ1人なんだよ~」

魔王「それがどうかしたのかい?」

淫王「なんでもないよ~ ただの独り言~~」


黒騎士「ロクでもない国だったな もう絶対に行かん」

魔王「そんなことを言わないほうがいいよ 少なくとも淫王くんは君に好意があるって言ってたし」

黒騎士「ビッチは無理」

メイド「魔王様 次はエルフの里なんですよね」

魔王「そうだよ」

黒騎士「エルフって一度も見たことがないんだが どういう種族なんだよ」

メイド「」ジロッ

黒騎士「……なんだよ」

メイド「エルフは自尊心の高い種族です というより自分たち以外の種族はゴミ程度にしか思っていません」

メイド「ゆえに先代魔王様の代から一度たりとも魔王軍に加わったことがないんです」

狼娘「でも先代の頃は強制徴兵だったんだろ」

メイド「エルフの里は結界で守られていて普通の方法では入ることが出来ませんから」

黒騎士「だったら俺たちはどうなるんだよ」

魔王「そこはボクに任せたまへ」


魔王「私は目だけは良くてね 結界の綻びぐらい直ぐにわかる」

メイド「流石は魔王様です!!」

黒騎士「へぇ 馬鹿もハサミも使いようってのは本当なんだな」

メイド「」ギロッ

狼娘「見つかったらいきなり射られる……なんてことにはならないよな?」

魔王「はっはっは! 流石にエルフだってそこまで短気じゃないさ」

ヒュンッ

魔王「」

狼娘「」

???『結界を抜けてきたお前たちは何者だ?』

魔王「私たちは新しい魔王とその従者だ エルフの王に謁見したい」

???『……駄目だ 帰れ』

魔王「断ると言ったら?」

???『死んでもらう』ヒュン


黒騎士「四方八方から矢が飛んでくるな」カンッカンッ

魔王「こういう時 君の体って便利だと思うよ」

黒騎士「どうでもいいからとっとと説得しろ」

魔王「とりあえず彼がいる限りこっちに矢は通らない 話しをさせてもらうだけでいいんだが?」

???『……ならばここから先に来るのは魔王だけだ』

メイド「馬鹿な!? そんな要求が――」

魔王「いいよいいよ どうせ彼らにボクが殺せるハズがないしさ」

メイド「ですが……」

魔王「大丈夫だって」ヒラヒラ

黒騎士「……」


エルフ王「初めまして魔王 私がエルフ王です」

魔王「私が魔王だ 始めまして」

エルフ王「して要件はなんですか?」

魔王「ふむ 同じ魔族として我が魔王軍に――」

エルフ王「お断りします」

魔王「理由は?」

エルフ王「なぜ我々が劣っている他の部族と一緒に人間を攻めねばならぬ」

エルフ王「それに”同じ魔族”ではない 我々の方が遥かに優秀だ」

魔王「ではあなたたちよりもボクたちの方が優秀なら手伝うと?」

エルフ王「……優秀ならです」

魔王「いいだろう たまにはボクが相手になろう」


魔王「勝負は弓での勝負でどうかな?」

エルフ王「エルフを相手に弓での勝負だと 本気ですか?」

魔王「的も飛距離も君たちが決めていい ただしあんまり常軌を逸した距離にされても困るがね」

エルフ王「いいだろう ついて来い」


エルフ長「的はこれぐらいでいいでしょうか」

エルフ王「あぁ 距離は100m 的はこのリンゴになるが?」

魔王「うん いいよ」

エルフ王「公平にだ 先に私が射って見せよう」ギリギリ

ヒュンポスン

魔王「おぉ! お見事!!」パチパチ

エルフ王「次は貴殿の番だ」


魔王「少し講釈するとね 弓っていうのは経験が物を言うんだ」

魔王「風の向き 的の大きさ 体の角度 そして動く的を的確に狙えるかはもう本人の勘以外にはない」

エルフ王「その通りだ」

魔王「ただしそれは動いている的を狙う時であって 止まっている的の際はそうでもない」

魔王「風の向き 的の大きさ 体の角度 それらすべてを計算で紡ぎ出して弓を射る」

エルフ王「……計算と実践では違う そんなことが出来るはずが……」

魔王「出来る ことボクは探求に特化した魔王だ ことこういう小細工に関しては……」ヒュン

トスン

魔王「百戦錬磨というわけさ」

エルフ王「そんな馬鹿な……」

魔王「いやでも良かった 最初に見本がなかったら流石のボクでもぶっつけ本番では無理だったさ」

魔王「”なんせ弓を射るのなんて今日が始めてだからね”」

エルフ王「なっ!?」

魔王「尤も 君が言い出さなくてもボクの方から先に射ってくれと言うつもりだったけどね」


エルフ王「わかりました それでは我々エルフは――」

魔王「あぁ その話だけどやっぱりいいよ」

エルフ王「いいんですか!?」

魔王「無理矢理やらせて後で謀反でもされたら困るからね」

魔王「ただし 気が変わったら教えてくれよ 席は残しておくからさ」


魔王「ただいまー!」フリフリ

メイド「魔王様!! 大丈夫ですか お怪我は!?」サワリサワリ

魔王「うん 丁重に持て成してもらえたよ」

黒騎士「それで説得は出来たのか?」

魔王「保留にしたいそうだ」

黒騎士「なんだ あんだけ啖呵切ったのによ」ハァ

魔王「ふむ 今回わかったのだが どうやらこういうことは君の方が適任らしい」

黒騎士「だったら初めから行くなよ」

読者様()大杉ワロス


魔王「次は竜族だね」

メイド「ある意味あそこが一番厄介ですね」

狼娘「どういうことだ?」

メイド「竜族は魔界で一番の軍事力を誇っています しかもエルフ並みに自尊心が高いです」

黒騎士「なんせ勇者たちですら攻めきれなかった国だからな」

狼娘「……」


魔王「ここが竜族の国か」

狼娘「淫魔の国も大きかったけど……」

メイド「人口としては魔界最大の城塞都市です」

魔王「衛兵さん 魔王が着たんだが開けてくれないだろうか?」

衛兵「それは出来ません」


魔王「それはなぜだい?」

衛兵「この国では通行証を持っていない人は例え王族だろうと入れるなという方針なので」

衛兵「どうしても入りたいとおっしゃるのなら そこの門を素手で開けて入ってください ただし大人が10人掛かりでないと開かない門ですけど」

魔王「黒騎士くん」パチン

黒騎士「指を鳴らすな 鬱陶しい」ググッ

衛兵「1人で開けようなんて無理ですよ まあ我々も開けるのに手間取るので困っているわけですが」アハハ

黒騎士「ふぅん……」

狼娘「やっぱり黒騎士でも無理なのか」

黒騎士「いや 多分全力出せば開くぞ」

メイド「だったら早くやりなさい木偶」

黒騎士「やってもいいけど それ以前に竜族連中の態度が気に入らん」

メイド「ちょっと その槌を持ってなにをするつもりですか?」

黒騎士「こうするんだよ!!」ブォン

ドゴォオオオオオオオ

アカン もう眠いので8時ぐらいまで保守お願いします


黒騎士「これで風通しが良くなったなあ」ケラケラ

魔王「相変わらず無茶をするね君は」

メイド「いいんですか? こんな風に扉を壊してしまって」

魔王「いいんじゃない ヘタなケチなんてつけないでしょ」スタスタ


竜兵「それでは王への謁見が許可されるまでこの部屋でお待ちください」バタン

魔王「これを見てくれ どう思う?」

黒騎士「完全に舐められてるな」

狼娘「どうしてだよ ここ結構良い部屋じゃん」

メイド「普通 魔王様が来たのなら業務を放棄してでも会うべきなんです」

魔王「この対応ってことはボクの存在が気に入らないらしいね」


魔王「まあ無理に会おうとしたらあっちの思う壺だろうし ゆっくり休むしかないね」

竜兵「少しよろしいでしょうか?」

メイド「なんでしょうか?」ギロリ

竜兵「黒騎士様 陸戦騎様がお呼びです」

黒騎士「……俺? まあいいやじゃあ行くぞ」ガシッ

狼娘「ちょっとアタシも!?」ズルズル

黒騎士「これも経験だ」


黒騎士「それで陸戦騎って誰だよ」

竜兵「竜王様を守護する3人の将軍のことです 陸 海 空といます」

黒騎士「ふ~ん そんなお偉いさんがなんの用なんだか」


竜兵「陸戦騎様 黒騎士様をお連れしました」ガチャ

陸戦騎「おぉっ! お前さんが城門を破壊した男か!!」ズシズシ

黒騎士「言っておくが 修理代なら一文も払えんぞ」

陸戦騎「そういう話ではない あの門を破った益荒男なら一度会ってみたいと思ってな」

陸戦騎「ほれ いい酒があるんだ」

黒騎士「じゃあ呼ばれようか」ドカッ

陸戦騎「お前さん 生まれはどこだ?」トクトク

黒騎士「不死族とかそっちの方面じゃね おっさんもデカイな」

陸戦騎「よく食べよく寝る! それをやっておったら何時の間にか陸戦騎になっておったわ!!」ガハハ

黒騎士「それでお前はなにそこで縮ってるんだよ お前も飲め」スッ

狼娘「ひゃい!!」ガチガチ

黒騎士「お前は……なにをそんなに緊張してるんだ」

狼娘「だってだって!!」ブルブル


陸戦騎「なんだその娘っ子は 新兵か?」

黒騎士「まさか! 魔王暗殺をしようとした首謀者だぞ」

陸戦騎「なんと!! やろうと思って出来ることではないぞ」

黒騎士「だろ? そんなこと考えるのは余程の馬鹿ぐらいだって な?」ポンポン

狼娘「……はい(こいつら絶対おかしい)」


陸戦騎「それでお前さんところの魔王はどうだ?」

黒騎士「別に普通だぞ」

陸戦騎「ワシの所の竜王様は凄いぞ 大きい器をお持ちになっておる」

黒騎士「そりゃ羨ましい」

陸戦騎「お主 竜族に入らんか?」

狼娘「なっ!?」


狼娘「竜族に入るってそんな簡単な……」

陸戦騎「我が主ならば分かってくれるはずだ あのお方は有能な人材を無駄にはせぬ」

黒騎士「断る」

陸戦騎「我が主も見ていないのにか?」

黒騎士「俺は誰かに仕えるだとか そういうのが苦手だからな」

陸戦騎「お前さんと魔王様の関係はそうではないと?」

黒騎士「あれとは戦友みたいなもんだろ 邪魔したら容赦なく潰すしな」

陸戦騎「……そうか 酒はまだ飲むか?」トクトク

黒騎士「もらうよ」


黒騎士「帰ってきたぞー」バタン

魔王「丁度良かった これから竜王に会いに行くんだけど」

黒騎士「なんだ 明日まで放置プレイだったら城を丸ごと破壊してやろうと思ってたんだが」

メイド「冗談でもそれは止めてください それと酔っ払いは放っておいて私たちは行きましょう」

黒騎士「酔っ払ってんのはこいつだけだ 俺は問題ない」ポイ

狼娘「きゅう~」バタリ

魔王「じゃあ狼娘ちゃんはお休みで行こうか」スタスタ


竜兵「それでは 竜王様が来るまで暫しお待ちを……」

メイド(気づいてますか?)ボソボソ

黒騎士(20ぐらい武器持った奴が隠れてるな 大した持て成しじゃないか)ボソボソ

メイド(その中でも動じていない魔王様は素敵です)

黒騎士(気づいてないだけだろ)ハァ


竜王「あなたが新しい魔王陛下ですか?」

魔王「始めまして竜王 ボクが新しい魔王です」

竜王「して 本日は余になんの用ですかな?」

魔王「是非とも竜族にも我が軍に加わって欲しいと思いまして」

竜王「……いいでしょう 我が手足は魔王様と共にあります」

魔王「どうもありがとう じゃあボクたちは魔王城の改築があるから帰るね」スタスタ


竜王「どうだった?」

陸戦騎「魔王はともかく 黒騎士とメイドが警戒していて手の出しようがなかったぞ」

竜王「そうか ならば仕方あるまい」

陸戦騎「本当に魔王の下につくつもりで?」

竜王「あぁ 精々我らのために甘い汁を出してもらおうとな」


狼娘「なんかエルフや淫魔の時よりあっさり終わったな」

黒騎士「そう思ってるのはお前だけだ」

メイド「魔王様 本当によろしいのでしょうか? あの竜王とかいう男 反骨の相が出ています」

魔王「いいんじゃない それにもしもって時はみんなで守ってくれるんだろう?」

メイド「もちろんです!!」

黒騎士「他人任せすぎだろ」ハァ


黒騎士「それで 魔王の城に帰って来てなにをするつもりなんだ?」

魔王「まずはメイド 魔界全土から魔王城を改装してくれる人を探してきてくれ」

メイド「了解致しました」バッ

魔王「狼娘ちゃんも村から出せる人間を見繕ってきて」

狼娘「わかったよ」スタスタ

魔王「黒騎士くんはこっちだ」

黒騎士「へいへい」


魔王「ここは城の地下なんだけど 君にはこれがなにかわかるかい?」

黒騎士「なんだこりゃ なんか内臓みたいな形してるな」

魔王「これは工場 魔王の魔力を吸って魔物を生み出す装置だよ」プニプニ

黒騎士「魔物を生み出す装置って……魔物は繁殖して種を増やすんじゃないのか?」

魔王「確かにそうやって増やす魔物もいるけど 中には種が全然増えないのや繁殖能力すらない魔物がいるんだよ」

黒騎士「それをここで一気に増やすと?」

魔王「あまりレベルが高い魔物は作るのに手間がかかったりするけどね」

黒騎士「ふ~ん」

魔王「とりあえず今回は中型のゴブリンあたりを大量に増やしておくよ」

黒騎士「……」


魔王「それで 今から軍を再編して足並み揃えて約半年ぐらいで人間の国を潰しにいけるんだけど」

魔王「元勇者としてまずはどの国を攻めたらいいと思う?」

黒騎士「近場なら商人国か僧侶国 それに侍国だな」

魔王「それぞれの国の特徴は?」

黒騎士「商人国が人間界の物資流通を一手に引き受けている国だ」

黒騎士「僧侶国が沢山の僧侶を輩出している宗教大国」

黒騎士「侍国が黄金の国って言われるぐらい金が取れるが どこか変わった国だな」

魔王「ふむ セオリー通りにいけば最初に狙うべきは商人国だね」

黒騎士「俺もそれでいいと思うぞ 物資の流通が止まれば他の国にもある程度のダメージは与えられるしな」

魔王「それじゃあ明日から一緒に商人国の視察にでも行こうか」

黒騎士「どうしてそうなる?」


魔王「自分が攻める国だ 一度ぐらい視察しておいた方がいいだろう」

黒騎士「それもそうだが 街に張ってある結界はどうするんだ 魔族は絶対に入れんぞ」

魔王「あぁ あれなら魔王は例外になるから大丈夫」

黒騎士「大丈夫って……」

魔王「厳密には魔王と魔族って種族としては全くの別物なんだよ だから問題なし!!」

黒騎士「今は忙し――」

魔王「後はメイドに引き継ぎすれば問題ない業務ばかりだろう どうせボクは政には向いてないんだし」

黒騎士「……はぁ わかったよ」

魔王「守ってくれよ 騎士様」

黒騎士「はいはい」


メイド「出来れば私も行きたいのですが……」

魔王「仕方ないよ こればかりはボクたちにしか出来ない仕事だからね」

メイド「木偶 魔王様にもしものことがあったら命がないと思え」

黒騎士「そんなに治安が悪い場所じゃないから問題ねーよ」

魔王「それじゃあ1ヵ月ほど留守にするから頼むよ」ヒラヒラ


魔王「それじゃあ 国境近くで君の装備を脱いでいこうか」

黒騎士「あ? これ脱いでいいのか?」

魔王「むしろそれを装備して行くつもりだったのかい」


勇者「ようやく脱げたー!! ってか体が軽い!!」ブンブン

魔王「君のその姿 久しぶりに見たね」

勇者「ところで装備は森の中に放置でいいのか?」

魔王「誰も取っていったりしないだろ あんな重いもの」

勇者「それもそうだな それで商人国まで歩いて3日ぐらいかかるが」

魔王「歩くしかないだろ 実際に歩いて道を見ていくのも仕事なんだから」

勇者「てっきり遊びに行くんだと思ってたんだが」

魔王「なにを言っているんだ 人間の観察を存分にする為に決まってるだろ」キリッ

勇者「そんなこったろうと思ったわ」


門番「どうぞお通りください!!」スッ

勇者「ご苦労」

魔王「なんか拍子抜けな程あっさり通されたね」

勇者「簡単な荷物検査はするがな この国は特に人の出入りに制限をつけてない」

勇者「その王様のお陰で一大商国として栄えたんだろうけど」

魔王「こうして魔王を入れちゃってるのに?」

勇者「お前は外見人間にしか見えないんだよ 魔力もあるのかないのかわからないし」

魔王「そこでそれに君は綺麗だねと付け加えれば女なんてホイホイ釣れると思うよ」

勇者「身嗜みもマトモに整えてない奴がいうセリフじゃないだろ」

魔王「尤もだね」


魔王「そういえばお腹が空かないかい?」グゥ

勇者「確かに 食料も昨日で食いきったしなにか買うか」スッ

魔王「その手はなんだい?」

勇者「なんか買ってくるから金寄越せ」

魔王「君は物盗りかなにかかな? それとボクもお金なんて持ってないよ」

勇者「おいおい 俺も金なんて持ってないぞ」

魔王「……」

勇者「……」

魔王「物乞いでもする?」

勇者「物乞いする勇者と魔王なんて聞いたことねーよ!!」

魔王「でも食料がないと帰れもしないじゃないか」

勇者「……仕方ない 最後の手段を使うか」


勇者「えっとここだったか……ここだったかな」

魔王「この大きい屋敷に知り合いでも住んでるのか?」

勇者「お邪魔しまーす」ドゴォ

SP「なんだキサマは!?」

勇者「勇者だよ馬鹿やろう!!」ゴンッ

SP「きゅう~」バタリ

勇者「早く来いよ魔王」

魔王「あそこまで堂々と物盗りに入る勇者は初めて見たよ」

勇者「知らないのか? 勇者には他人の財産没収権があって 勇者が来たらありがたく財産をあげなくちゃいけないんだぞ」

魔王「嘘だよね」

勇者「もちろん!」


商人「いやぁ 今日も儲けた儲けたって きゃーーーーっ!? なんですかあの有様!!」

勇者「おう 勝手に入ってるぞ」

商人「勇者さん お久しぶりです じゃなくてなんですかこれは!?」

勇者「金借りに着たんだ 昔の仲間のよしみで貸せ」

商人「お金を借りる人の態度じゃないですよーーー!!」ブンブン

勇者「なあ 旅の終わりに俺の弟が報奨金をお前に回してやっただろう?」

商人「それは魔剣士くんの分で勇者さんには――」

勇者「弟のものは俺のもの ぶっちゃけ住む場所もないから2週間ぐらい泊めろ」

商人「拒否権は……」

勇者「ないな」

商人「どうぞ勝手にしてください」ハァ


勇者「それにしても……」

商人「なんですか?」

勇者「商人は本当にチビだなぁ」ポンポン

商人「放っておいてください!! それと身長はまだ伸びるんです!!」

勇者「その年になったらもう伸びねーよ」

商人「ぐすっ……伸びるもん……うぅ……」グスッ

魔王「君は こんな子供を泣かせるなんて最低だね」

勇者「精神年齢まで餓鬼だからな それと俺はなんか食いもん買ってくる」バタン

商人「えぐっ……ところでお姉さんは誰ですか?」

魔王「あぁ ボクは……」

商人「まさか勇者さんの彼氏とか!?」

魔王「」

ん?


魔王「ないない」ブンブン

商人「ですよねー あんな暴虐無人が服を着て歩いているような人に彼女なんているわけ……」

魔王「昔の彼はそんなに酷かったのかい?」

商人「酷いなんてもんじゃないですよー! とりあえずぶっ壊せばいいんじゃない? なんていう危ない思想の持ち主だったんだから!!」

魔王「それは今でもあんまり変わってないような……」

商人「それに私のことをいつも小さい小さいって」プルプル

魔王「それも事実のような……」

商人「とにかく! あんな危険生物を野放しにしておくと……」

勇者「誰が危険生物だ馬鹿」ゴンッ

商人「痛い!?」


魔王「買い物にしては随分早かったね」

勇者「金貰うの忘れてたんだよ」

商人「痛い……はいお金」ポイ

勇者「じゃあ今度こそ行って来る」スタスタ


商人「……全く!! どうしてあの人は魔剣士さんと全然違うんだか!!」

魔王「魔剣士は確か勇者の弟の……」

商人「そうですよ 大人しい人で凄い良い人なんです 今は王国の王様をしてるんですよ!!」

魔王「そうなんだ 勇者には似合わないね」

商人「でしょう? 全く弟の爪の垢でも煎じて飲めばいいのに」

支援だァ!


深夜

勇者「おい!」バタン

商人「ちょっとなんですか!? レディーの部屋にいきなり入ってきて!!」

勇者「残念ながら俺は涎たらしながら寝る奴をレディーとして見てないからな」

商人「そんな癖もう治ってます! なんですか一体!?」

勇者「少し昔話に花でも咲かせようとしてるんじゃないか」

商人「大体私が弄られてた記憶しかないので思い出したくありません!!」

勇者「まあ思い出したくないならいいけどさ」

商人「じゃあ早く出て行ってください!!」

勇者「へいへい」

商人「人の気も知らないで……」

ちょっとカレー食べてきます

バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン       バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
    \/___/ ̄

  バン    はよ
バン(∩`・д・) バン  はよ
  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/   
 ̄ ̄\/___/
      ; '     ;
       \,,(' ⌒`;;)
       (;; (´・:;⌒)/
     (;. (´⌒` ,;) ) ’
(  ´・ω((´:,(’ ,; ;'),`
( ⊃ ⊃ / ̄ ̄ ̄/__
    \/___/

          /\
     . ∵ ./  ./|
     _, ,_゚ ∴\//
   (ノ゚Д゚)ノ   |/
  /  /

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ
ポチ     ポチポチポチポチポチポチ
ポチ(∩`・ω・) ポチポチポチポチポチ
 _/_ミつ/ ̄/_
      /_/

まだかにゅ

近所の焼肉屋なのにカレーが一番美味しい店のカレーおいしいです 再開します

十年前

勇者「今日も金がねぇ なんで10人で旅なんてしてるんだよ」ハァ

商人「そこ行く勇者さん お金がないんですか?」

勇者「ねーよ 金が手に入ると僧侶の馬鹿が勝手に寄付するし」

商人「ないなら貸しますよ」

勇者「法外な利子をつける気だろ」

商人「失敬な 30日1割でいいですよ」

勇者「結構だ! ケチでゴミでチビって救いようがないな」

商人「チビは関係ないですよねぇ!!」

勇者「20超えても結婚できなかったら俺が貰ってやるよ」

商人「……本当ですか?」

勇者「嘘に決まってんだろ 本気にしてんじゃねーよ馬鹿」

商人「マジで氏ね!!」


1週間後

勇者「1週間ありがとな」

商人「もう本当に来ないでくれ」ハァ

魔王「まあまあ ボクからもよく言っておくから」

商人「本当にですよ」

勇者「じゃあな!!」スタスタ

商人「2度と来ないでくださいね!!」


魔王「ちなみに 商人国を滅ぼすってことは彼女も殺すってことだけど」

勇者「問題ない 元俺の仲間は全員俺が始末をつけるからな」

魔王「そう それならいいけど」


半年後

黒騎士「なんだかんだで半年だな」

魔王「そうだね そして今日からボクたちの戦いが始まるんだ」

魔王「手順はわかってるね」

黒騎士「わかってるよ 先に行ってるからな」スタスタ


門番「荷物を拝見してもよろしいですか?」

勇者「あぁ どうぞ」ガバッ

門番「これは……」

勇者「呪いの装備 別に問題ないだろ」

門番「問題はありませんけど 需要があるんですか?」

勇者「ある所にはあるらしいぞ」

門番「そうですか ではどうぞ」


商王「今日も忙しいのぅ」ペタンペタン

商大臣「忙しいのはいいことですよ 忙しくなかったらそれも困るでしょう?」

商王「それもそうだのぅ」

黒騎士「いや もう忙しくなくなるぞ」ブォン

商大臣「げぺっ」ベシャ

商王「大臣!? 衛兵! 衛兵!!」

黒騎士「衛兵は全部寝てるよ もう起きないけどな」

商王「お主何者だ!!」

黒騎士「魔王四天王の1人 黒騎士ってんだ」

商王「魔王四天王……まさか魔王が復活したとでも!?」

黒騎士「復活っていうか代替だけどな」

商王「……人間を滅ぼしに来たか?」

黒騎士「その前に1つ 聞きたいことがあるんだが」


黒騎士「今すぐ俺たちに投降して奴隷として生活してくんね?」

商王「そんな要求が受け入れられるとでも思っておるのか!!」クワッ

黒騎士「だよな 結界の中に入れるのは俺1人だし」

商王「例えワシを倒したところでお主1人では……」

黒騎士「結界ってどんな強力な魔族でも通さないわけだが 地中だけは少し弱いんだよな」

商王「なにが言いたい?」

黒騎士「魔王は割りと天才だってことだよ!! IT'S SHOWTIME!!」

ゴゴゴゴゴゴゴ

商王「地震か!?」

黒騎士「窓から外を見てみろよ」

巨大ミミズ「」ウネウネ

商王「なんじゃあれは!?」

黒騎士「地中奇襲用の工場だってさ」

巨大ミミズ「」クパァ

ゴブリン's「」ゾロゾロ


商王「キサマ! なに――ぐはっ!?」ベシャ

黒騎士「もう黙れよ いやお前にはメッセンジャーをやってもらわないとな」グリグリ


市民1「きゃああああああああ!?」ビリビリ

ゴブリン1「ぐへっぐぇ!」

市民2「誰か助けて!?」

ゴブリン2「ぐぇ――げぼっ!?」グシャ

商人「みんな大丈夫!?」

市民1「商人様!?」

商人「みんな教会が避難場所だから早く逃げて!!」

市民2「ありがとうございました」ダッ

商人「私がいるからにはみんなには一歩も近づかせないよ」チャキ

ゴブリン1「ぎっ……」ズッ

黒騎士「ほれぼれするほどの槍捌きに正確なコイン投げ 腕は落ちてないな」

商人「どうも どこかで会ったことあったっけ?」


黒騎士「さあな 俺は魔王四天王の1人 黒騎士だ」

商人「魔王!?」

黒騎士「その反応は商王で見たからいいや」

商人「商王様をどうした!?」

黒騎士「殺したよ」

商人「キサマ――っ!?」ブンッ

黒騎士「さあ 気を抜くなよ」ガキンッ

商人「コイン投げ!!」ブンッ

黒騎士「俺の鎧にそれは効かないが コインでモンスター殺せるのはお前ぐらいだ」

商人「お前が私を知った風に喋るな!!」ブンブン

黒騎士「お前は昔から変わらないな 直ぐに頭に血が上る コイン投げ」ブンッ

商人「いたっ!?」ドサッ

黒騎士「まあ厳密には戦闘要員じゃないし仕方がないかもしれないが」

商人「お前一体……」

黒騎士「わからないならわからないまま死ね」ブォン

休日は読者様()が増えますね


魔王「なんだ もう終わったのかい?」

黒騎士「先代魔王が死んでから軍を解体した国だからな 自業自得だ」

黒騎士「だがこの地中奇襲型工場は凄いな」

魔王「使い捨ての上にこれ一体こっきりしか作れなかったんだけどね」

黒騎士「これで十分だろ」

魔王「生き残ってる人間はどうする?」

黒騎士「殆どゴブリンにやられてるだろうが 残りは淫魔連中に渡せばいいだろ」

魔王「そうだね 実際今回連れて来たのも狼人族ぐらいだし」

黒騎士「それで十分ってわけだ とっとと撤退するぞ」

魔王「了解」


魔王「それでは! 侵略記念に乾杯!!」カチンッ

淫王「今回私たちなんにもしてないけどね~」ゴクゴク

竜王「だが油断は出来ぬだろう? まだ勇者もおるのだしな」

黒騎士「いたってなんとかなるだろ エルフ王さんも飲めよ」

エルフ王「あぁ」ゴクゴク

竜王「次はどこを攻めるのだ?」

魔王「僧侶国かな あそこも軍がない国だし」

黒騎士「僧侶はいるけどな」

淫王「黒騎士くん私と一緒に寝ようよ~」

黒騎士「1人で寝てろ糞ビッチ 俺はもう寝るぞ 疲れたからな」


黒騎士「」zzzz

???「」ガチャ スタスタ

黒騎士「」zzzz

???「」チャキ

黒騎士「こんな夜中に夜這いとはな 何の用だメイド」

メイド「……夜這いをするのに理由が必要で?」

黒騎士「どこの世界にナイフ持って夜這いする女がいるんだよ」

メイド「ここに」

黒騎士「上手いこと言ったつもりかくたばれ」

メイド「くたばるのはあなたです 勇者」

黒騎士「」


黒騎士「いつから気づいていた?」

メイド「丁度あなたが魔王の城に行く前に 魔界で傷だらけのあなたを見かけたのが最初です」

黒騎士「参ったな 目撃者はいないように会った魔族には口止めをしたつもりなんだが」

メイド「お陰さまで気配を消すだけで見つかりませんでした」

黒騎士「それで? 俺を殺すのか?」

メイド「いえ まだ殺しません」

黒騎士「……ん?」

メイド「確かに先代魔王様を殺したあなたが憎いです ですがあなたが今の魔王様にとって良い方向に向かっているのも確か」

黒騎士「…………」

メイド「だから殺しません あなたはまだ魔王様の役に立ってもらいます」

黒騎士「役に立たなくなった時は?」

メイド「その時は私が始末をつけるのでお忘れなく」バタン

黒騎士「全く ままならんな」


数日後 商人国

兵士1「報告します! 既に魔王軍は撤退したものかと!!」バッ

戦士「そうか……」ギリッ

兵士2「国王様は玉座に磔になっているのを確認 その際に……」

戦士「なんだ?」

兵士2「右目が抉られていたそうです」

戦士「魔族共め……商人の死体は?」

兵士1「それがどこにも見当たらなくて……」

戦士「そうか 生きているといいんだが」


黒騎士「暇だな」ファ

魔王「取り合えず次の視察まで時間を置きたいしね」

メイド「木偶 やることがないなら兵士の訓練でもしてなさい」

黒騎士「嫌だよ 面倒臭い」

メイド「」チャキ

黒騎士「分かったよ やればいいんだろやれば」ムクリ

バタン

魔王「最近黒騎士くんの様子はどうだい?」

メイド「城の中の従者たちにはそれなりに人気があるようで」

メイド「なんせ商人国を潰した功労者ですから」

魔王「お陰で志願してくる兵士が増えたんだろ」

メイド「当の本人は面倒臭がってますけどね」


黒騎士「ちゃんと訓練やってるか~?」ノソノソ

狼娘「黒騎士殿! 訓練は今日も恙無く進んでいます!!」ビシッ

黒騎士「お前なんでそんな他人行儀なの?」

狼娘「先の戦いでの英雄である黒騎士殿にタメ口など言語同断!!」

黒騎士「言語同断でいいよ 俺は英雄とかそういう柄じゃないし」

狼娘「そういうわけにはいきません!!」

黒騎士「……はぁ 勝手にしろ」

狼娘「訓練の方は順調であります!!」

黒騎士「そうか ならいいや 頑張れよ」

狼娘「はい!!」


魔王「次の視察先なんだが……僧侶国に行ってから侍国に行こうと思う」

黒騎士「つまり梯子するってことか?」

魔王「人間側もそろそろ警戒を強めてきそうだからね 落とせる内に落としておこうとね」

黒騎士「確かに僧侶国も侍国も大して軍力が高いわけじゃないが……」

魔王「なにか問題でも?」

黒騎士「……いやいいや それでいつ行くんだ?」

魔王「明日にでも」

黒騎士「はえーよ」

魔王「善は急げっていうだろ まずは僧侶国だ」


勇者「鎧を脱ぐたびに俺が更に強くなってる気がする」

魔王「あんな重い鎧を毎日着てるからね」

勇者「それでここが僧侶国なんだが……」

魔王「国っていうより街だね」

勇者「宗教大国だからな 精霊を信仰している」

魔王「実際に精霊もいるから馬鹿には出来ないんだけど」

魔王「それで今日は僧侶ちゃんの家に泊まるのかい?」

勇者「人を頼りにすんな ってか俺は出来ればあれには関わりたくない」

魔王「そんなに恐ろしい人なのかい?」

勇者「そういうわけじゃないんだが……」


僧侶「勇者様! あなたは勇者様ではありませんか!!」

勇者「げっ! 僧侶!?」


僧侶「その目はどうなさったのですか!?」

勇者「いやこれは……」

僧侶「毎日精霊様への祈りは欠かしませんでしたか? いえ! 勇者様のことですので欠かしたに違いありません!!」

僧侶「さあ! 身を清めてもらいに行きましょう!!」ガシッ

勇者「いや だからな……」ズルズル

門番「僧侶様! 検査をしない人を通すわけには……」

僧侶「この人は私の知り合いです! 今すぐ精霊様への祈りをしないと……」ブツブツ

魔王「困ったな ボクには彼女の言っていることが何一つ理解できないんだが」

勇者「よかったな これからお前の知らない世界を存分に堪能できるぞ」


僧侶「それではそちらの方も こちらに膝をついて祈ってください」

魔王「えっと……」

勇者「やった方がいいぞ」

僧侶「精霊の名において……」

勇者「精霊の名において……」

魔王「えっ? これを言うのかい」

僧侶「早く言ってください!!」パチンッ

魔王「……はい 精霊の名において……」ヒリヒリ

僧侶「…………」

勇者「…………」

魔王「…………」ムズムズ

僧侶「あなた 心の中で祈っていますか?」

魔王「あぁ 祈ってるよ」

僧侶「では聖典2章30ページを読んでください」

魔王「えっと……」


僧侶「勇者様……」ギロッ

勇者「はい こいつ聖典を読んでないです」

僧侶「それはいけません! 今すぐ私の家へ行き聖典を読みましょう!!」タタッ

勇者「お前 探求も魔王なら聖典ぐらい読んどけ」

魔王「無茶言うなよ ボクが宗教なんて信じるわけないだろ」

魔王「それにしても 彼女はいつもあんな感じなのかい?」

勇者「凄いだろ なに言ってるのかわけわかんねーもん」

僧侶「お二方とも早く!!」

魔王「はいはい」

勇者「おう」


魔王「ねぇ 夜中の内に逃げ出してきて良かったのかな」グッタリ

勇者「言っておくが あんな場所にこれ以上いたら精神崩壊するからな」グッタリ

魔王「改めて人間は駆除する対象だってことが分かったよ」

勇者「次は侍国だな」

魔王「今度はマトモな国なんだろうね?」ジロッ

勇者「大丈夫だ ちょっと変わった国だが人は普通だ」

門番「侍国へようこそでござる」

魔王「へぇ 木造の家か 文明もどこか他の国と違うね」

勇者「服装なんかも独特だろ 着物っていうらしい」

魔王「ふむ なぜあのような機能製の悪い服を着てるんだい?」

勇者「綺麗だからじゃないのか?」

魔王「……?」

勇者「お前にはそういうのが分からないんだな」ハァ


魔王「ここではボクたちの格好は結構浮いてるね」

勇者「仕方ないだろ それとあいつの家はこっちにあったと思うんだが」

侍「……」

勇者「おぅ! 侍じゃないか! 元気にしてたか?」

侍「」コクリ

勇者「しばらくお前の家に泊めて欲しいんだが……」

侍「」スタスタ

勇者「ついて来いだって」スタスタ

魔王「失礼だが彼は……」

勇者「喋れないんじゃなくて喋らないだけだからな 理由は俺も知らん」

魔王「……そうか」スタスタ


侍「」スッ

勇者「茶だって 飲めよ」ゴクゴク

魔王「では頂こう……って苦いなこれは」ウゲ

勇者「緑茶っていうらしい 慣れてない人間には苦いだけだろう」ズズッ

侍「」スッ

魔王「あぁ このお菓子も貰っていいのかな?」

侍「」コクコク

魔王「では頂こう」ムシャムシャ

侍「」スッ

勇者「あそこを寝床にしろって?」

侍「」コクコク

勇者「ありがとな」


勇者「お前今なにしてるんだよ」

侍「」スッ

勇者「砥石? あぁ刃物を研ぐ人か」

侍「」コクコク

勇者「元勇者パーティの人間がやる仕事じゃないな」

侍「」ジッ

勇者「あぁ やりたくてやってる仕事なんだな」

侍「」コクコク

勇者「そういえばお前 僧侶と仲良かったんだっけ」

侍「」


十年前

僧侶「つまり精霊様万歳というわけです」バンザーイ

侍「」ブンブン

僧侶「そうですか! 侍さんは物分りがよくて嬉しいです」

勇者「俺には嫌がってるように見えるが」

僧侶「いいえ 私たちは生まれつき精霊様に尽くす運命が決められているのです」

僧侶「そして侍さんは魂でそれを理解している……」

侍「」ブンブンブンブンブン

勇者「魂でそれを理解している(笑)」

僧侶「勇者さんは後で説法です」ニコリ

勇者「ニコリじゃねーよやらねーよ」

僧侶「そうですか 侍さんも一緒にやるんですか」

侍「」ブンブンブンブンブンブン


勇者「そういえばあんまり仲良くなかったな」

侍「」ブンブンブン

勇者「そうだな あの頃は毎日生きるか死ぬかだったのに どこか楽しかったよな」

侍「」コクコク

勇者「でも人は日々変わっていく」

侍「」

勇者「あの頃の俺たちの仲良しパーティも表面上だけだったのかもしれないぞ」

侍「」ブンブン

勇者「そうだな んなわけないか 変なこと聞いてすまんな」

勇者「俺たちは明日にでもここを出るから」

侍「」コクコク


魔王城

魔王「それでは今回の作戦だが まずは僧侶国に黒騎士が入り結界を張っている装置を破壊」

魔王「その後 淫魔軍が侵攻して侵略 その後に竜の魔物に黒騎士を乗せて侍国を竜軍が強襲」

竜王「余はそれで構わん」

淫王「え~~ 黒騎士くん直ぐに行っちゃうの~~?」

黒騎士「誰が糞ビッチと同じ場所に長いこといなきゃならんのだ」

魔王「今回はボクも淫魔たちと一緒に前線に立って戦うつもりだ なにか質問は?」

魔王「ないみたいだから解散だ」バタン


黒騎士「それでどういうことだよ お前が前線で戦うって」

魔王「前線で戦うっていたってボクはメイドに守られながらヌクヌクしてるだけさ」

メイド「どこかの木偶と違って私は優秀なので」

黒騎士「言ってろ」フン

魔王「それよりも君もミスらないでね」

黒騎士「問題ねーよ」


淫王「それじゃあ 信心深い童貞処女諸君をみんなで食べちゃってくださ~い!!」バッ

淫魔たち「「は~~~い!!」」

アンッアンッワイワイ

陸戦騎「黒騎士殿 そちらは……」

黒騎士「終わったよ」ガチャガチャ

僧侶「」シカバネー

陸戦騎「その遺体 笑って死んでいるな」

黒騎士「死ぬ時まで笑ってるなんて稀有な奴だ」

陸戦騎「次は侍国に走る 早くワシの竜に乗れ」

黒騎士「了解」


???「」スッ

僧侶「」ズルズル


黒騎士「侍国か……案の定まだ結界石辺りの警備は緩いな」

黒騎士「次はこうはいかないんだろうが なあ侍」

侍「」チャキ

黒騎士「お前は昔から喋らない癖に変に鋭いところがあったからな」

侍「」ジリッ

黒騎士「どうしてこんなことをするかって? 人間が憎いからだよ それ以外に理由があるか?」

侍「」バッ

黒騎士「もう語ることなしね いいぞ!!」ブォン

侍「」バッバッ

黒騎士「流石に速いな しかも鎧を紙みたいに切るって……」

侍「」ブンッ

黒騎士「その距離なら俺の命ごと取れるぞ!!」ブォン

グシャ!!

しえん


黒騎士「おいおい! どうして刃を止めたんだよ!!」

侍「」ググッ

黒騎士「余計なお世話だ!!」

侍「」ニコリ

黒騎士「お前が犠牲になったところで俺は復讐を止めんぞ!!」

侍「」バタリ

黒騎士「……チッ とっとと結界壊して竜族の連中に任すか」

戦士「待て!!」

黒騎士「あぁ?」

戦士「キサマ――っ! よくも侍を!!」

黒騎士「空気が読めない奴だな 俺は今機嫌が悪いんだ このまま……」

???「はいはい ちょっとストップ」

まだかい?


魔王「これ以上時間をかけると竜族の人たちが痺れを切らすだろ」

黒騎士「魔王……だからってこいつが逃がしてくれるとは限らんぞ」

戦士「キサマが魔王か!?」チャキ

魔王「如何にも ふむ 確かに黒騎士くんが負けることはないだろうけど 無傷ってわけにはいかないね」

魔王「だから彼女に足止めをしてもらおう!!」パチン

黒槍「」チャキ

黒騎士「なんだあいつ……」

戦士「魔物……いや魔族か!? でもどうして結界の中に」

魔王「これこそボクが作り出した人造魔族黒槍だ 結界突破型というべきかな」

戦士「こんな奴にアタシが負けるとでも?」

魔王「黒槍はそう甘くないよ やりなさい」

黒槍「■■■■―――――ッ!!」ブンッ


戦士「速い!? 槍捌きなら商人並みか おもしれぇ!!」ブンッ

黒槍「■■■■――――ッ!!」ガキンッ

魔王「この間に結界石を破壊してと ボクたちもとっとと帰ろうか」

黒騎士「黒槍は置いておいていいのか?」

魔王「しばらくしたら戻って来るように命令してあるから大丈夫だよ」


魔王「黒槍は君のサポートにと作ったんだ 君は1人で突っ走る癖があるからね」

黒騎士「余計なお世話だ」

魔王「これでも心配してるつもりなんだけどね」

黒騎士「……チッ」

魔王「それと戦士だっけ? これからここに竜族が雪崩れ込むけど」

黒騎士「あれは死なねぇよ 馬鹿に運の強い奴だしな」

夕飯行ってくる

>>382
はっはっは、抜かしおる。
戯言は良いからさっさと書くんだ。

魔王城

魔王「これでボクたちが落とした国は3つ 残りは4つか」

黒騎士「王国に武の国 魔法国に勇者国か どこも一筋縄じゃいかんな」

メイド「ならばお次は王国がよろしいかと」

黒騎士「どうしてだ?」

メイド「唯一 10年前に勇者パーティで戦った人間がいないからです」

黒騎士「確かにな 軍力はそれなりにあるが他ほどじゃないし」

魔王「じゃあ次は王国ってことで」


狼娘「黒騎士様!!」

黒騎士「様付けすんな なんだ? それと狼娘って感じで書くとどっちも似てて混乱する」

狼娘「それはどうでもいいんですけど そちらの方は……?」

黒槍「」

黒騎士「知らん 俺の傍から離れんしな」

狼娘「おいおい! 黒騎士様の右腕はアタシだぞこら」

黒槍「」


狼娘「聞いてんのか!?」

黒槍「」

狼娘「黒騎士様~~!!」

黒騎士「そいつは喋らないから諦めろ」


侍国跡

戦士「おぅ 魔法使いか」ボロボロ

魔法「おや戦士さん どうやら手酷くやられたらしいですね」

戦士「気付いたら竜族に囲まれててよ 目を覚ましたら侍国は潰れてるし」グッ

魔法「魔王軍最強の竜族に出会ってそれですんだのですから」

魔法「それに悔しいのなら死んだ人間の分まで魔族を殺すべきでは?」

戦士「そうか……そうだな!! ありがとよ魔法使い!!」バンバン

魔法「いえいえ それで本題なんですが 魔王が現れたというのは本当ですか?」

戦士「あぁ 本物かはわからねぇけど 自分で魔王って名乗ってた」

魔法「まあ軍団を編成していた以上 魔王ないしそれに順ずる指導者が出たと考えるべきですか」フム


魔法「それに結界を通り抜ける魔族ですか これは早急に対策を講じるべきかもしれませんね」

戦士「あぁ! それと前の商人国と同じように今回も2人の王様の右目が抉られてたって」

魔法「怨恨の線が強いですね まあ魔族に恨まれる覚えなら幾らでもあるんですけど」

戦士「もう1つ 僧侶と侍の遺体が見つからないらしい」ギリギリ

魔法「遺体が? 侍くんはともかく 僧侶さんはおかしいですね」

戦士「僧侶国は淫魔が襲ったらしくて 精は吸われても遺体は残ってるのにだ!!」ドンッ

魔法「遺体を回収ですか どちらにせよロクでもないことになりそうですね」


黒騎士「おい魔王 なにしてんだ?」ガチャガチャ

魔王「なに 黒槍の新しい兄弟作りさ」

黒杖「」

黒刀「」

黒騎士「ふ~ん 黒槍もマトモに喋らないし こいつらも喋らないのか?」

魔王「人間を殺すっていう本能以外は全部カットしたからね」

黒騎士「おい 聞こえるか」

黒杖「」ボソボソ

黒騎士「おっ! なんか喋ったぞ」

黒杖「ゅぅしゃさん……」

黒騎士「」ガシッ

魔王「ん? ボクの胸を掴んでどうかしたのかな?」

黒騎士「どういうことだこれは?」

魔王「君が倒した仲間の死体を使って魔族を作った これで満足かい?」ニヘラ


魔王「最初に言っただろう ボクは人間と魔族の関係を調べたいんだ」

魔王「その素材に彼らは役立ってくれたよ」

黒騎士「」

魔王「少し弄るだけで魔族のような皮膚を持ち 魔族のような強さを持つ生物が出来たんだからね」

黒騎士「おい!」グイッ

魔王「怒ってるのかな? まさかボクが善人だとでも思ってたならそれは勘違いだ」

黒騎士「俺は怒ってるけどな お前が仲間の死体を使ったことを怒ってるんじゃないんだよ」

魔王「……だったらなにで怒ってるんだ?」

黒騎士「お前が勝手に死体を弄ったことに対してだ!!」

魔王「どう違うのさ」

衝撃の展開!

支援


黒騎士「お前と俺は運命共同体だろうが!!」

魔王「まあ……」

黒騎士「最初に俺に一言言えよ 仲間だと思ってたのが俺だけとかアホみたいだろ」

魔王「君は……つくづく変わってるね」

黒騎士「うるさい」

魔王(そこが彼が勇者たる所以なのかもしれないけど)

黒騎士「それでこの2体も俺に付くのか?」

魔王「まあね 君の補助として使ってもらうつもりだから」

黒騎士「いらないんだがな」


メイド「魔王様 こちらの書類ですが……」

魔王「うぅ……私はこういう書類仕事が苦手なんだけどね」

メイド「仕方ありません 最近は魔王軍の連勝で魔界も活気付いてますから」

黒騎士「そうだぞ ちゃんと仕事しろ」

メイド「木偶も仕事しろよ潰すぞ」

黒騎士「最近気付いたんだがな 黒槍は金を払うと俺の代わりに仕事をやってくれる」

メイド「お前がやれよ」

魔王「まあボクは……」クラクラ

魔王「」バタリ

メイド「魔王様! どうなさったんですか!?」

黒騎士「おい医者呼べ!!」

ワーワーギャーギャー


メイド「うぅ……私が……ひぐっ……魔王様に……えっぐ……仕事を強要しなければ……」シクシク

黒騎士「マジ泣きするな 縁起が悪い」ガタガタ

メイド「木偶も貧乏ゆすりするな鬱陶しい」

黒騎士「誰が鬱陶しいだマジ泣き」バチバチ

メイド「お前のことだ心貧乏」バチバチ

狼娘「2人とも喧嘩しないで待ってろよ!!」バンッ

黒騎士メイド「「はい」」

医者「……ふぅ」ガチャ

黒騎士「そんな自慰終わらせたみたいな顔して出てくんな どうだったんだ?」ガシッ

メイド「返答次第では首が飛ぶと思いなさい」チャキ

医者「どうしてあなたたちはそんなに物騒なんですか!? 言いますから!!」ジタバタ

医者「結論から言いますと……おめでたですよ!!」

メイド「病気のなにがめでたいんですか!!」ガーッ

医者「そういう意味ではなく 魔王様ご懐妊です!!」


メイド「それは……魔王様に子供が出来たと?」

医者「そうですよ 妊娠3ヵ月です」

黒騎士「」コソコソ

メイド「おい木偶 相手はお前だな」

黒騎士「」ギクッ

メイド「魔王様が自分から求めたわけがない! 無理矢理だな!!」ギリギリ

黒騎士「違う違う! 前にあいつが言ったんだよ!!」

魔王『魔王と人間の間に子供って生まれるのかな?』

メイド「だからヤッたのか!?」

黒騎士「……うん」

メイド「うんじゃねぇええええええええええ!!」ガンガン

狼娘「メイドさんも落ち着いて!!」


黒騎士「よぅ 起きたのか?」ガララ

魔王「どうにも外が騒がしくてね」

黒騎士「メイドが暴れてたらか黒三兄弟に牢屋に繋いで置くようにいっておいた」

魔王「なんか酷いね」

黒騎士「それで話は聞いたか?」

魔王「ふむ 私も人の子とはね これじゃあしばらく人間界侵攻は止めになるか」

黒騎士「お前がいなくても王国ぐらい俺たちで潰してやるよ」

魔王「それは頼もしい」

黒騎士「…………」

魔王「…………」

黒騎士「産むのか?」

魔王「産むよ 当然だろ」


黒騎士「あのだな……」

魔王「待った 勘違いしてるようだけどボクは研究のために産むんじゃないよ」

黒騎士「そうなのか?」

魔王「いや ヤッた時は研究のためにと思ってたんだけどね」

魔王「偉い人がボクと運命共同体らしくてね そう言われたら彼と一緒に育てるしかないじゃないか」

黒騎士「……はぁ 変に気構えた俺が馬鹿だった」

魔王「それにボクたちには仲間がいるからね なにも心配することないさ」

黒騎士「お前もこれで大人しくなってくれるといいんだけどな」

魔王「それはこっちのセリフだよ」

黒騎士「なんにせよ 俺も責任は取るつもりだ」

魔王「そんなのは当たり前だろ 言うまでもなく」


勇者「王国か……俺の生まれた国 旅立った国」

門番「止まれ!! キサマ何者だ?」

勇者「勇者だ 見てわからないのか?」

門番「最近勇者様の偽者が増えていてな 勇者様は右目にそんな傷はない!!」

勇者「前に襲われて傷がついたんだよ」イライラ

門番「むっ……魔族の変身かもしれないな おい! こいつをひっ捕らえるぞ!!」

勇者「話を聞けよ馬鹿共が……」イライライラ

兵士長「お前ら! なにをしている!?」

門番「兵士長! 今勇者様の偽者が……」

兵士長「馬鹿者! この人こそ勇者本人だ!!」

門番「えぇ!?」

勇者「わかったら通せ 行こうぜおっさん」

兵士長「あぁ」スタスタ


兵士長「久しぶりだな勇者」

勇者「そうだなおっさん 魔王を倒した後のパレード以来か?」

兵士長「お前は誰にも告げずに出て行ってしまったからな」

勇者「俺にも色々あったんだよ」

兵士長「俺に家に寄っていくんだよな」

勇者「もちろん!!」


兵士長「ほら入れ」ガチャ

勇者「うわぁ……この荒れよう まだ結婚してないのか?」

兵士長「俺は兵士長だからな」

勇者「いい加減 王様に休み貰えよ」

兵士長「どこぞの誰かさんたちを鍛えたということで忙しくてな」

勇者「そりゃ悪かった」


10年前

勇者「ぐぇっ!?」ドシン

兵士長「早く立て勇者!!」

勇者「ちっとは手加減しろよ!!」

兵士長「魔剣士はこの程度じゃ倒れなかったぞ!!」

勇者「ウゼェ ぶっ飛ばしてやる!!」バッ

兵士長「その意気だ かかって来い!!」


勇者「おっさんは昔から容赦なかったよな」

兵士長「ほっとけ」


兵士長「人生の先輩から一言言うなら 結婚するなら早めにした方がいいと言うことだ」

兵士長「勇者の弟である魔剣士も賢者とよろしくやって今は一国の王だ」

勇者「ついでに言えば俺 もう直ぐ子供が生まれそうなんだけど」

兵士長「裏切り者!!」

勇者「うっせぇ」

兵士長「それで嫁さんは可愛いのか?」

勇者「可愛い……かなぁ」

兵士長「なるほど ボストロールを思わせる女性というわけか」

勇者「そんなもんと付き合うぐらいなら自殺するっての」

兵士長「今も物騒な世の中だからな 嫁さんは大切にしろよ」

勇者「わかってるよ」ハァ


兵士長「一本打ち合ってみるか?」

勇者「いいよ 面倒だし」

兵士長「……そうか ところでお前 仕事はあるのか?」

勇者「あるよ 絶対にやりたい仕事」

兵士長「無職だったらウチの兵士を紹介してやろうと思ったんだがな」

勇者「元勇者がやる仕事じゃないだろそれ」

兵士長「人生なにがあるかわからないから選択肢の一つに入れておけってことだよ」バンバン

勇者「背中痛いっての」


魔王「みんな忙しい中集まってくれてすまない」

エルフ王「忙しいのはお互い様だろう」フン

竜王「ご懐妊おめでとうございます」

淫王「今度は私とだね~~」

黒騎士「寝言は死んでからいえ ってか今くたばれ」

魔王「今回の戦いは間違いなく総力戦になる 各自総力を挙げて頑張ってくれ」


メイド「魔王様大丈夫ですか?」

魔王「いや大丈夫だけど 少し君は過保護すぎるんじゃないかな?」タラ

メイド「これぐらい当然です!!」

黒騎士「今回はメイドも留守番だな」

メイド「当たり前です!!」

魔王「メイドがいなくて大丈夫かい?」

黒騎士「黒三兄弟もいるし大丈夫だろ」


黒騎士「案外黒三兄弟が役に立ったな 連中に陽動やらせてその隙に結界石を壊すと」

黒騎士「いきなり街に魔王軍が雪崩れ込んできて王国の兵士も国民も混乱状態と」

兵士長「キサマも魔族か!?」

黒騎士「魔王四天王が1人 黒騎士だ」

兵士長「……王国兵団の兵士長だ」

黒騎士「いざ……」

兵士長「尋常に……」

                  「「勝負!!」」

黒騎士「おいおい 年じゃねえのか兵士長!!」キンッキンッ

兵士長「言ってろ! 俺は生涯現役だ!!」ガキンッ


兵士長「楽しいなぁ!!」キンッ

黒騎士「同感だ!!」ガキンッ

兵士長「俺はお前に言っておかなくちゃいけないことがあったんだ!!」ジャキッ

黒騎士「……なんだよ」

兵士長「お前は魔剣士と違って手がかかるし文句は言うしやる気はないし!!」ギンッ

黒騎士「……」キンッ

兵士長「お前のことを実の子供みたいに思ってたんだぞ!!」ビュンッ

黒騎士「そうか……じゃあ死ね」

ザシュ


黒騎士「黒槍 片付けとけ」

黒槍「」コクリ

黒騎士「もうこの国も終わるな 帰るぞ」スタスタ

黒槍「」スタスタ


黒騎士「故郷を潰して燃やして それでも特に感慨はなしか……」

黒騎士「兵士長のおっさんも馬鹿だな 俺みたいな奴を息子だなんて」

黒騎士「アンタがどう思っていようと 子供が親を親として見てないかもしれないんだぞ」

黒騎士「本当に馬鹿だよ……俺もあんたも」


1年後

黒騎士「」ソワソワ

メイド「」ソワソワ

オギャァオギャ

医者「お生まれになりましたよ 元気な女の子です」

メイド「ひゃっほーい!!」

黒騎士「そうか良かった」ホッ

医者「赤ん坊 抱かれますか?」

黒騎士「あぁ」

魔子「オギャァ!!」

メイド「木偶に似ず魔王様に似た利発そうなお子さんですね」

黒騎士「うっさい」


黒騎士「お前も頑張ったな」

魔王「そうだね 貴重な経験になったよ」

魔王「それにこれで研究に打ち込める」

黒騎士「お前はそればっかりだな」ハァ

メイド「子育ては任せてください!!」

黒騎士「お前には絶対任せん」

メイド「どうしてでしょうか?」

黒騎士「どうせ俺に懐かせないようにするに決まってる」

メイド「そんなの当たり前じゃないですか!!」

黒騎士「ぶん殴るぞ」

魔王「ボクとしてもそろそろ次の国を攻めたい所だからね」

黒騎士「あんま無理するな」


魔王「というわけで次の標的は武の国だ」

エルフ王「あまり無理をするでない」

淫王「母は強しっていうじゃない~? なら私も――」

黒騎士「喋るな烏賊臭いぞ糞ビッチ」

魔王「ふむ 本日は竜王は欠席か……」

メイド「なんでも重要な用事があって来られないとかで」

黒騎士「今回は俺も偵察には出られなかった ってか通行証がないと入れないし」

黒騎士「更に結界も張ってない なんせ人間界最強の城塞都市だからな」

エルフ王「小細工抜きの正面突破か」

淫王「望むところだよ~~」フリフリ

魔王「ふむ だが我らが力を合わせればそれも不可能じゃないさ」

黒騎士「…………」


黒騎士「なんでお前が着てるんだよ 出産したばかりなんだから休んでろ」

魔王「そうはいかないさ ボクの都合で侵攻が遅れたんだ それに総力戦で竜族がいない分はボクが動いて士気を高めないとね」

魔王「それともボクを心配してくれてるのかな?」

黒騎士「ちげーよ なんか胸騒ぎがするっていうか……」

メイド「変なフラグ立てないでください ほら武の国が見えて着ましたよ」

黒騎士「じゃあ本格的に気合を入れて――」

ズドォオオオオオオオオオ!!

黒騎士「……げほっ!? 何が起こった!!」

メイド「武の国の方からなにかで攻撃された!!」

黒騎士「……チッ 魔道砲か! だがあれは魔法国の技術だぞ」

狼娘「黒騎士様! 空から竜騎兵が!!」ビシッ

黒騎士「領空権もとられたか……それに兵は半ば恐慌状態」

黒騎士「全員撤退だ!!」


魔王「前面から騎馬隊が向かって来てるよ 数は……数えたくもないね」タラー

メイド「側面からも敵です!!」

黒騎士「明らかに武の国だけの兵士じゃないだろ 三国が手を組んだのか?」

狼娘「後ろ! 早く撤退しろよ!!」ギュー

黒騎士「撤退は間に合わん! 全員迎撃態勢をとれ!!」

メイド「正気ですか? あんな数で突撃をかけられたら私たちの軍は……」

黒騎士「逃げてるところを後ろから攻撃されるよりマシだ 速くしろ!!」


魔王「これはこれは とんだ結婚旅行になったもんだね」

黒騎士「軽口叩ける内はまだ大丈夫か」

魔王「それはどうかな みんなとはぐれてボクたち2人が孤立してるよ」

戦士「大人しく降伏しろそこの2人!!」

魔法「そうです この数を相手に勝てると思わないように」

黒騎士「なんだか懐かしい顔もいるしな 魔王はどうだ?」

魔王「なにがあっても君が守ってくれるんだろう?」

黒騎士「当然だ それに俺の槌は1対多数の方が有利なんでな」ブォン

魔法「火炎上級呪文!!」ボォォォ

黒騎士「その程度で俺を倒せると思ってるんじゃねぇぞ!!」ブン!!

戦士「オラァッ!! 侍たちの敵はアタシたち2人がとる!!」

黒騎士「やってみろ!!」ブォン!!


魔法「なんですか あの魔族は……」ハァハァ

戦士「この人数相手で一度も倒れないなんて」ハァハァ

黒騎士「もう終わりか?」ゼーゼー

魔王「黒騎士くん……」

黒騎士「じゃあいく――」

???「なにをやってる! 早く倒せ!!」ガー

黒騎士「」

魔王「黒騎士くん?」

魔法「魔剣士くん 無茶を言わないで欲しいな」

魔剣士「無茶でもなんでもやる――」

黒騎士「ゆうしゃあああああああああああああああ!!!!」ダッ

魔剣士「なんだあいつ!? 早く攻撃しろ!!」ブンッ

グサッ


魔王「うぅ……ガァッ……」ゴポォ

黒騎士「魔王!? 大丈夫か!!」ダッ

魔王「いやあ……どこかの魔王みたいに心臓が3つあれば別なんだけど――ごほっ!」ドクドク

黒騎士「馬鹿! 諦めるな!!」ギュッ

魔王「……駄目だ 最後になにか格好良い事を言おうとしたけど……げほっ 君の心配しか出来ないよ」

黒騎士「なに言ってるんだ! 変なフラグ立てるな!!」

魔王「いやなに ボクは君と一緒にいる中で……君を支えてあげたいと思っていたんだよ……ごほっ!」

魔王「ボクが死んだら誰が君を支えてあげられるんだろうって ずっとそんなことばかり考えてる」

黒騎士「だからそんなことは……」

魔王「いいか! 思考を放棄するのは愚者のすることだ!! 君は1人で突っ走る癖がある それは君が自分の理解者は自分しかいないと思ってるからだ!!」

魔王「誰でもいい 彼の理解者になってあげてくれ そして君は理解者を作るんだ……」

黒騎士「俺の理解者?」

魔王「そう 本当はボクも君と一緒に色々な世界を見てみたかったんだけどね ボクに出来るのはここまでだ」スッ

魔王「バイバイ たのし……か……」バッタリ

黒騎士「魔王……」


魔剣士「……な! なにをしてるんだ!! 今が攻撃のチャンスだぞ!!」

魔法「少し後味が悪いけど やらせても――ひぃっ!?」ビクッ

黒騎士「さて メイドたちを助けないとな」スクッ

戦士「や やんのか……」

黒騎士「どけよ」ブォン

ズドォオオオオオオオン

黒騎士「邪魔する奴は潰す 退け」

戦士「……くっ!?」ジリッ

黒騎士「懸命な判断だな」スタスタ


魔法「行かせてよかったんですか?」

魔剣士「当初の予定の魔王は倒したんだし……」


狼娘「いくら倒してもキリがないよ!!」

メイド「弱音を吐かない! 私たちは一刻も早く魔王様たちを助けに行かなくてはいけないんです!!」ズバッ

ズドォオオオオオオ

黒騎士「助けに来たぞー」ブンブン

メイド「木偶! 魔王様は!?」

黒騎士「うん あぁ死んだ」

メイド「なっ!? 死んだとはどういうことですか!! ご遺体は!?」

黒騎士「置いてきたに決まってるだろ なに言ってるんだ」

メイド「置いてきたって! なにを考えてるんですか!!」

狼娘「そうだよ! 黒騎士様なんで魔王様を連れてきてあげないの!!」

黒騎士「俺たちが逃げるのに邪魔だからに決まってるだろ」

メイド「黒騎士キサマァッ!!」ブンッ

黒騎士「俺を殴って満足か? ならとっとと撤退するぞ」ガチャガチャ

魔族1「急報です!! 竜王様ご乱心!!」

メイド「なんだとぉ!?」

メイド「竜族が裏切ったとでも!? クソッ!!」

黒騎士「なるほど 人間たちに俺たちの動きを漏らしてたのはあいつらか それで漁夫の利といわんばかりに背後から狙うと 考えてるな~」ケラケラ

メイド「なにを笑ってる! こうなったら魔王軍はもう終わりだ!!」

黒騎士「まだ終わりじゃない お前たちはあっちの森から迂回して魔界に戻れ」

メイド「戻れとは……確かに森に逃げ込めば逃げ切れるかもしれませんが」

狼娘「黒騎士様はどうするんですか!?」

黒騎士「俺はここで殿を勤める 1人でだ」

メイド「1人って! 正気ですか!?」

黒騎士「なんだ俺の心配でもしてくれるのか?」

メイド「こんな時に冗談を言ってる場合ですか!!」

黒騎士「大丈夫だよ まだお前以外の奴には殺されてやんねーから 邪魔だから生き残り連れてとっとと行け!!」

狼娘「黒騎士様……」

黒騎士「良い女になれよ小娘」

メイド「御武運を……」

黒騎士「へいへい」


黒騎士「よぉ 先陣はあんたか」

陸戦騎「……」

黒騎士「なにしみったれた顔してんだよ 落ちてる金拾うような戦だろ」

陸戦騎「ワシはこの戦に義はないと思っておる 何ゆえ! 共に杯を交わした相手とこうして戦わなければならぬ!!」

陸戦騎「頼む! 竜族に降ってくれ!! お前さんをここで死なすには惜し過ぎる!!」ガバッ

黒騎士「いや 困ったなぁ アンタの熱弁はすげぇや 本当に心が動いちまう」

陸戦騎「だったら……」

黒騎士「だけど駄目だ 全然駄目なんだ 最初は利用してやろうとしてた それがいつの間にか俺の中で大きくなっていつしか俺の居場所になってたんだ」

黒騎士「魔王軍は俺の家で兵士は全員家族だ 俺は家族を守るためならなんでもやるぜ」ガチャ

陸戦騎「……そうか」

黒騎士「そうだ! さあ来い陸戦騎!! 来い竜族の戦士たち!! 俺が生きてる限りは家族には指一本触れさせんぞ!!」ブォン

陸戦騎「行くぞ黒騎士!!」

ガキィィィィィィン!!





この魔王軍最大の撤退戦は大量の死傷者を出して終わった 


その後 僅かな生き残りが新たに魔王の娘 魔子を魔王として祭り上げて決起 竜族との内乱が始まる


そして人間・竜族共に脅威として認識された黒騎士の所在は未だ明らかになっていない……





そして時は過ぎ 5年後




.

またスッ飛ばしですか


武の国

兵士1「平和だなぁ 5年前に魔王軍が攻めて来たなんて嘘みたいだ」ハァ

兵士2「おいおい 噂では魔王の子供がいるとか竜族が魔界で勢力を拡大してるとか聞くぞ」

兵士1「確かに魔界との国境近くでかなりのレベルの竜の魔物との交戦報告を聞くしな」

兵士2「それに魔王軍に潰された他の国の復興だってしなくちゃいけないしな」

兵士1「だけどよ もし次また魔王軍が攻めて来たらどうするよ」

兵士2「それなら問題ないだろ 俺たちの国には最強の武神戦士様と……」


戦士「おい まだ訓練してたのかよ いい加減に帰るぞ」

???「もう少しやってから帰る」ブンブン

戦士「体を壊すっての! 早く来いよ”白騎士”」

白騎士「あぁ 今行く」スタスタ




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ちょっとお風呂休憩行って来る

バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン       バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
    \/___/ ̄

  バン    はよ
バン(∩`・д・) バン  はよ
  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/   
 ̄ ̄\/___/
      ; '     ;
       \,,(' ⌒`;;)
       (;; (´・:;⌒)/
     (;. (´⌒` ,;) ) ’
(  ´・ω((´:,(’ ,; ;'),`
( ⊃ ⊃ / ̄ ̄ ̄/__
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     . ∵ ./  ./|
     _, ,_゚ ∴\//
   (ノ゚Д゚)ノ   |/
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ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ
ポチ     ポチポチポチポチポチポチ
ポチ(∩`・ω・) ポチポチポチポチポチ
 _/_ミつ/ ̄/_
      /_/


戦士「全く 早く昔の勘を取り戻したいからって無茶をしたら駄目だぞ」

白騎士「わかってるよ」ムシャムシャ

戦士「本当にお前は昔から世話がかかるな 全くアタシがいないと何も出来ない」

白騎士「そうだねー」ムシャムシャ

戦士「聞いてないだろ」ズイッ

白騎士「聞いてるし戦士さんには感謝してるよ」

戦士「そうだな 5年前 この国の近くでお前を拾って以来 アンタにとってみればアタシは恩人みたいなもんか」

戦士「早く記憶を取り戻せよ ”勇者”」

白騎士「うん とりあえず頑張る」


戦士「それで その鎧はまだ脱げないのか?」

白騎士「なんかボク 追われてた記憶があるんだよね」モシャモシャ

戦士「確かに拾った時にはボロボロだったもんな 一応応急処置はされてたけど」

戦士「それからアタシの元で兵士として働き出して 今では白騎士団の団長までやってるもんな」

白騎士「ボクにしてみればそんな大したことじゃないんだけどね」モシャモシャ

白騎士「それで恩人である戦士さんにお話があるんですが」

戦士「……ん? なんだよ」

白騎士「勇者国で勇者が旅立つって噂知ってる?」

戦士「あぁ 魔剣士と賢者の子供だからな 生まれた時もお祝いに行ったし」

白騎士「それで勇者のお供に王様がボクを推薦しちゃったんだけど」

戦士「駄目だ」

白騎士「どうしても?」

戦士「白騎士は行きたいのか?」

白騎士「まあ外で検分を広げれば記憶が戻るかもしれないし」


戦士「どうしても行きたいんならアタシは止めないけどさ」プイッ

白騎士「大丈夫 ボクが帰って来る場所はここだから」ギュッ

戦士「そ そんなの当たり前だろ!!」

白騎士「でも今思ったんだけど 勇者様が15歳でボクは30手前なんだよね……」ガクガク

戦士「それなら余計に鎧は外さないようにしないとな」


白騎士「待ち合わせ場所はこの噴水前でいいんだよね」

戦士「わざわざこっちに来てくれるなんて優しい勇者様だな」

白騎士「なんでも魔法国での推薦の子を拾ってから来るらしいよ」

???「おっ!! アンタが白騎士か!!」タッタッタ

白騎士「君が勇者様?」

勇者「そうそう 私が勇者国の勇者だ よろしく」

白騎士「こっちこそよろしく」

勇者「馬鹿! これから私たちは仲間なんだから他人行儀は止めろよ~」バンバン

白騎士「あぁ……うん」


剣士「おい! 勇者!! 勝手に行くなよ!!」ハァハァ

勇者「ごめんごめん 白騎士 こっちが剣士だ」

剣士「あぁ 勇者国の剣士だ よろしくな」

白騎士「こっちこそよろしく」

魔女「……魔女」

勇者「こっちは魔女 あんまり喋らないけど根は良い奴だから!!」

白騎士「よろしく」

魔女「よろしく」

白騎士「戦士さん 個性的なメンバーとの出会いに既に心折れそうです」

戦士「まあなんだ……頑張れ」


勇者「とりあえず目的地は廃墟になってる王国だな」

白騎士「そこでなにをするんですか?」

剣士「最近 賊が根城にしてるらしいからな 俺たちで退治するんだよ」

白騎士「なるほど」

魔女「……皆殺し」ボソッ

白騎士「王国までは歩いて1週間ぐらいだね」

勇者「この辺りはあまり魔物もいないしゆっくり行こうぜ!!」


剣士「ところで 白騎士さんは飯を食うときもその兜を外さないけど どうしてだ?」

白騎士「これがボクのポリシーなので」キリッ

剣士「ポリシーってなんだよ 色々不憫だろ」

勇者「止めろよ 顔に火傷の痕があったりしたらどうするんだ 気を遣えって」

白騎士「せめて俺がいない所で言おうよ」

勇者「王国に着いたけど……」

剣士「取り合えず中に入ろうぜ」ブンブン

白騎士「いやいや 正面から入るんじゃなくてもうちょっと警戒しようよ」

剣士「所詮賊だろ なんで俺たちがコソコソしなくちゃいけないんだよ」

勇者「その通り 私たち勇者一行に退くの文字はなし!!」

魔女「……馬鹿ばかり」

白騎士「確かに」


勇者「賊! いるんなら出て来い!!」

剣士「誰もいないみたいだな……」スタスタ

魔女「……上」

???「げっ! バレてら」ヒョイ

勇者「お前が賊か!!」

盗賊「いかにもオイラが盗賊だ お前たちは?」

勇者「勇者とその仲間だ!!」

盗賊「面白い オイラが相手になってやるよ!!」


剣士「なんだこいつ!? 本当に賊かよ!!」キンッ

勇者「強い!!」ガキンッ

盗賊「いやいや オイラから言わせりゃアンタらが弱いんさ!!」ヒュッ

白騎士「だって2人とも実践剣術じゃないし あまり対人戦はやってないみたいだね」

白騎士「ところで魔女ちゃんは戦わないの?」

魔女「……危ない」

白騎士「確かにね あんな密集してるところに呪文を撃ったら仲間にも当たるか」

剣士「そこで喋ってねえでお前らも手伝えよ!!」

白騎士「ボクは男の子の日だからパス」

魔女「……女の子の日」

剣士「くそっ!!」

子供の日は確かに昔は男の子の日だったなと思ったら過ぎてた


盗賊「いやね 実はオイラ 勇者の親父から敵として戦ってくれって頼まれてたんだよ」

勇者「親父から!?」

盗賊「でもてんで見込み違いだね オイラを盗賊とみて油断したのが減点 自分たちの実力をちゃんと知らないので減点」

剣士「……チッ」

盗賊「ちなみにオイラは15年前にアンタの親父たちと一緒に魔王と戦った盗賊ってもんだ 少なくともオイラより強くなくちゃな」


勇者「そういうわけで盗賊に勝つために特訓だ!!」

剣士「ちょっと待ってくれ おい白騎士に魔女 なんであの時俺たちと一緒に戦わなかった」

白騎士「面倒だから」

剣士「舐めてんのか!!」グイッ

勇者「止めなって! 白騎士にも事情があるんだろ ね?」

白騎士「……かもね」

勇者「じゃあ私たちは特訓しよう」

剣士「あぁ」


盗賊「そんで 3日も特訓してなにか変わったのかよ 随分ボロボロになってるようだけどよ」

勇者「この3日 剣士と一緒に殺し合いをしてたんだ 舐めてると負けるぞ」

剣士「だな 俺たちはアンタに勝って先に進むぜ」

盗賊「じゃあ来いよ! オイラに勝ってみせな!!」ダッ

白騎士「今日は勝てるかな?」

魔女「……多分」

白騎士「ボクも勝てると思うよ 盗賊さんはある程度手加減してるみたいだしね」


???「くっくっく その勝負待った」

勇者「……ん? 誰だよ 私たちの勝負を邪魔するのは」

盗賊「嬢ちゃん離れろ! そいつは魔族だ!!」

陸戦騎「俺が竜族三騎衆が1人 陸戦騎だ!! こんな所に勇者がいるとは……」

剣士「陸戦騎だかなんだか知らないけどな 今の俺たちは強いぜ」チャキ

陸戦騎「いやいや 戦うのは俺じゃない 来いヒドラ!!」

ヒドラ「ギャオオオオオオ」


剣士「でけぇ……」

盗賊「八つの頭の竜 なんつーもんを連れて来たんだ お前たち逃げるぞ!!」

勇者「どうして!?」

盗賊「ありゃレベルが違いすぎる! 生憎オイラも純粋な戦闘要因じゃねえしな!!」

剣士「はっ! 関係ないね 今の俺の力なら勝てる!!」ダッ

陸戦騎「1人で来るとか馬鹿かよ」

剣士「はぁっ!! 首1つ貰い!!」ズバッ

剣士「どうだ!?」

陸戦騎「惜しい惜しい でもヒドラはそう簡単には倒れないよ」

ヒドラ「」ニョキニョキ

勇者「頭が生えてきた!?」ガビーン

陸戦騎「ヒドラは8つの頭を同時に破壊しないと死なないのだ!! やれヒドラ!!」

ヒドラ「ギャオオオオオオオ」


盗賊「八つの頭から繰り出されるブレスを避けるのは相当困難だぜ」

魔女「上級冷却呪文」ポゥ

ドゴォオオオオオオオオ

剣士「すげぇ……」

勇者「やったか!?」

陸戦騎「ヒドラはその程度の冷気じゃ死なねえよ!!」

ヒドラ「」ボォオオオオオオオ

魔女「……たいきゃくー」スタスタ

勇者「きゃっ!?」ズテン

剣士「勇者危ない!?」

白騎士「ヘッドスライディングぅうううううううう!!」ズザザー

勇者「げほっごほっ!!」

白騎士「勇者ちゃん大丈夫!?」

勇者「助けてくれてありがとう」


陸戦騎「もう直ぐで勇者を殺せる所だったのに邪魔しやがって ヒドラ! あの白いのからやっちまえ!!」

ヒドラ「グルゥウウウウウウ」ビクビク

陸戦騎「どうしたんだよ!!」

白騎士「じゃあとっとと片付けるかな」チャキ

陸戦騎「あぁ!? だから首を一気にすべて刈り取らないと――」

白騎士「」チャキン


勇者「親父から聞いたことがある 武の国には白騎士って騎士がいるって」

勇者「話では戦場でただの1つの返り血も浴びたことがない神速剣の使い手」

ヒドラ「グェ」ビシャ

陸戦騎「ヒドラ!?」

白騎士「ボクと戦うには首が後 3倍は必要だったね」

陸戦騎「かくなる上はこのお――ベギャ」ビシャ

白騎士「ついでに君も斬っておいたよ」


勇者「白騎士凄かったなぁ」

剣士「盗賊も言ってただろ 白騎士は強さのレベルが違うって」

勇者「だったら剣の使い方教わりたいよ!!」

魔女「……夕飯」

剣士「待ってろよ 今作ってるからさ!!」

勇者「ところで白騎士はどこ行ったの?」

剣士「知らない どこかそこらにいるだろ」

勇者「じゃあ私探しに行って来るね!!」ダッ


勇者「白騎士白騎士と……こんな所に鎧発見」

勇者「ってことはこっちにいるんだな 白騎士!!」ガサッ

白騎士「きゃっ!? エッチ!!」ゼンラー

勇者「ご! ごめん!!」バッ

白騎士「冗談はこれぐらいにして 何か用事?」

勇者「ご飯が出来たから呼びに来ただけです」

SS速報行くのは落ちるか1000行くかしてからでよくね

やっぱSS速報行った方が良いか
向こうは支援いらないし

書き溜めないのか遅すぎる

完結する前に1000行きそうだな


白騎士「来ただけですって どうして敬語なんて使ってるのさ」

勇者「だって白騎士さんは偉い人だし……」

白騎士「別に今まで通りでいいよ」

勇者「……うん ところで白騎士ってなんでそんなに綺麗な顔してるのにいつも隠してるんだよ」

白騎士「なんでだろう って聞かれると困るけど なんとなくかな」

勇者「そうなんだ……」

白騎士「あのさ 着替えられないから早くあっちに行ってくれないかな」

勇者「ご ごめん!!」ダダッ

白騎士「まあおっさんの裸なんて見ても萎えるだけだけど」ズーン


白騎士「それで王国での用事は終わったけど 次はどこに行くの?」

勇者「なんでも親父が武の国にある勇者の装備を取りに来いって」

剣士「また戻るのかよ……」ハァ

魔女「……無駄足」

勇者「でも私たちも強くなったから良かったじゃん!!」

剣士「誰かさんは実力を隠してたけどな」ムスッ

白騎士「エヘヘ……」

勇者「それで白騎士にお願いがあるんだけど」

白騎士「どうしたの改まって……」

勇者「私に剣を教えてください!!」ドゲザァッ

白騎士「頭上げてよ!!」アタフタ


勇者「私たちは今回のことで痛感したんだ! 私は弱い!!」

剣士「だからってこんな奴に教わらなくても……」

勇者「白騎士が剣の実力でも遥か高みにいるのがわかる だから頼んでるんだ!!」

白騎士「ボクは別にいいけど……でも勇者国で習ってるような剣術とは全然違うよ」

勇者「それでも構わない!!」

白騎士「そうか じゃあ帰りがてらやってこうか」

勇者「わかった!!」


白騎士「はい 足元が留守だよ」ブンッ

勇者「きゃっ!?」ドシン

白騎士「1対多数じゃなくて1対1なんだからしっかり相手を見なきゃ」

魔女「……スパルタン」

白騎士「ボクそんなに厳しいかな?」


勇者「もう一回頼む!!」

白騎士「根性あるね 誰かさんとは大違いだ」ボソリ

勇者「来い!!」

白騎士「いくぞ!!」チャキ


白騎士「じゃあ今日の訓練はこれで終わりにしようか」

勇者「あ ありがとう」ゼーゼー

剣士「歩きながらの打ち合いなんて意味あるのかよ」

白騎士「一箇所に留まりながら修行したら帰るのが遅くなりそうだし」

白騎士「それに歩くことによって相手に集中出来るしね」

剣士「まず帰る前に勇者の奴が駄目になりそうだけどな」

勇者「」グッタリ

魔女「……満身創痍」

白騎士「あまりに疲れるようなら止めるけど……」

勇者「いや! これからも頼む!!」

白騎士「そ そう……」

剣士「……」


剣士「おい白騎士 ちょっと面を貸せ」

白騎士「どうかしたの?」

剣士「お前 勇者のことどう思ってる?」

白騎士「どうって 大切な仲間だけど」

剣士「勇者がお前のことを好きだって言ったらどうする?」

白騎士「どうするもなにもありえないでしょ」

剣士「確かに今は憧れかもしれないが 確実に惹かれていっている」

白騎士「……どうしてわかるのさ」

剣士「俺があいつの幼馴染だからだよ」

白騎士「わかったよ 勇者ちゃんが告白してきたら真剣に返事をする」

剣士「それでいいんだ」


戦士「白騎士お帰り」フリフリ

白騎士「ただいま なんか直ぐに帰ってきちゃったけど」

戦士「お前が無事ならそれでいいんだ」

勇者「それで勇者の武具なんだけど……」

戦士「あぁ 王様に会いに行こう」スタスタ


武王「白騎士 良くぞ戻った」

白騎士「武王様も元気そうでなによりです」

武王「それで今回は勇者の装備を見に来たのだな」

勇者「はい!」

武王「あの武具は今は行方知らずの先代勇者が魔王を倒した際にこの国に置いていったものだ」

戦士「アタシと武王で管理してるんだけどよ これだ」ガチャ

勇者「美しい……」

武王「精霊が作り出した神聖な武具だからな」

白騎士「」


白騎士「戦士さん」

戦士「どうしたんだ白騎士」

白騎士「いや 今までありがとうってね」

戦士「なんだよ まるで別れの言葉みたいじゃないか!!」

白騎士「……うん ありがとうさよなら」ブスッ

武王「戦士!? 白騎士! キサマなにをしておる!!」

白騎士「武王様 あなたも死んでください」ズバッ

武王「ギョペッ」ベシャ


勇者「白騎士……」ペタン

白騎士「腰を抜かすか それでいいんだよ」

白騎士「黒槍!!」

黒槍「」スタッ

白騎士「他の2人と一緒に武の国を滅ぼして来い」

黒槍「」バッ


勇者「白騎士! なにしてるんだよ!!」

白騎士「なにをしてるって 武の国を滅ぼそうとしてるんだよ」

剣士「おまえ! 魔族だったのか!?」バッ

白騎士「魔族? 違うね 俺は純度100%の人間だ」

勇者「ならなんで人間たちを!?」

白騎士「……いや今は語ることがないな 俺のことが理解したいならもっと強くなって 俺とマトモに戦えるようになるんだな」スタスタ

魔女「……」

白騎士「すまんね 俺はこれから行くところがあるんだ」スタスタ


黒槍「」スタッ

白騎士「終わったか じゃあ我が家に凱旋というこうか」


魔界

狼娘「陣形崩すな!! ここを落とされたら城も落とされるぞ!!」

兵士「はい!!」

狼娘「全く!! 竜族の連中め 連日連夜侵攻して来やがって……」

兵士「狼娘様報告です!!」

狼娘「なんだ!?」

兵士「竜族の側面から謎の魔族が攻撃を加えています!!」

狼娘「まさか!? 黒騎士か!!」

兵士「いえ その内の1人はどうやら人間らしく……」

狼娘「人間がアタシたちの戦争に介入だって!?」


白騎士「やっぱり竜族はかてぇや ここ削ったら黒杖はあっちの回復やってやれ」

黒杖「」コクリ


狼娘「そこの男! なにをしに来た!!」

白騎士「援軍だよ! 手伝ってやろうっていうんだ黙ってろ!!」ズバッ

黒槍「■■■■■――――っ!!」ブンッ

兵士「狼娘様 どうなさいますか?」

狼娘「とりあえず一緒に竜族を倒すぞ!!」

オォオオオオオオオオオオ!!

白騎士「なんだ もう撤退か 拍子抜けだぞ」

狼娘「援軍感謝する それでアンタは誰だ? 黒槍たちを連れてるし……」

白騎士「なんだ俺のこと……って今は白いのか でもまあ……」

白騎士「予想以上に良い女になってるじゃねえか」ワシワシ

狼娘「頭を弄るのは止めろ……ってそのセリフ まさか……」


魔王城

魔族1「知ってるかよ 黒騎士様が帰って来たんだって」

魔族2「でも黒騎士様って人間だったらしいぜ」

魔族1「なんか裏切られた気分だよな」


メイド「全く 突然帰って来たと思ったら人間の格好をして なにを考えてるんですか」ハァ

白騎士「さあな」

狼娘「メイドさん そいつの処遇どうするんだよ」

メイド「狼娘さん……」

狼娘「言っておくけど!! アタシは認めねえからな!! 一番アタシたちが大変な時期にいなかった奴のことなんて認められるか!!」プイッ

白騎士「ところで戦況はどうなってる?」

狼娘「聞けよ!!」ガーッ

メイド「こちらがかなり押されています 兵も残り僅かです」

白騎士「ふぅん」


白騎士「魔子はどうな――げほっ!?」

魔子「パパ!!」ギュー

白騎士「なんだ魔子か 大きくなったな」ナデナデ

魔子「パパもお帰り!!」

メイド「魔子様には現在魔王代理としてやってもらっています」

白騎士「……そうか 良い子で待ってたか?」

魔子「うん! メイドさんがパパは絶対に帰って来るからって!!」

白騎士「いや本当に良い子だな」

魔子「エヘヘ……」テレテレ


白騎士「メイド 広間に生き残ってる兵士を全員集めてくれ」

メイド「……了解しました」ダッ


ザワザワ

白騎士「なんだ本当に減っちまったな魔王軍も」

メイド「どうなさるんですか?」

白騎士「みんな聞いてくれ! 俺は5年前の大戦で四天王をやっていた黒騎士だ!! 今は白騎士って名乗ってる!!」

魔族1「どうして人間が魔族の味方なんてしてるんだよ!!」

白騎士「そりゃ人間が憎いからだ!! 今だって魔王を殺した人間が憎い!!」

魔族2「そうだそうだ!!」

白騎士「だけどよ! 帰ってきたらお前たち人間じゃなくて同じ魔族同士と戦ってるじぇねえか!!」

魔族3「それは竜族が逆臣だからで……」

白騎士「あぁそうだ! だが俺はそれでもこの内乱は馬鹿らしいものだと思ってる!!」

魔族4「馬鹿とはなんだ馬鹿とは!!」

白騎士「馬鹿も馬鹿だ!! だから俺が行って今すぐ内乱を収めてくる! 付いて来たい奴は勝手について来い!!」バッ


メイド「あんな売り言葉に買い言葉では誰も付いてきませんよ」

白騎士「なんだ メイド怒ってるのか?」

メイド「怒ってません」ブスッ

魔子「アタシも行く!!」ブンブン

狼娘「危険だって魔子!!」

メイド「そうです 魔子様には城を守ってもらう役目がありますから」

メイド「代わりに私が行きます」ザッ

狼娘「メイドさん!?」

メイド「木偶 あなたを殺すのは私なので忘れないように」ボソッ

白騎士「やっぱり怒ってるじゃん」

メイド「それで行くのは私と木偶 それに黒三兄弟だけですか……」チラリ

狼娘「わかったよ! アタシも行けばいいんだろ!!」


メイド「ところで木偶 その右目はどうしたんですか? 生えてきたんですか?」

白騎士「あぁ これは魔王がくれたんだよ」

メイド「魔王様が……」

白騎士「俺と一緒に色々な景色を見たいんだとさ」

メイド「……そうですか この戦いが終わったらその辺りの話も聞かせてもらいます」スタスタ

白騎士「全くつれないな」


白騎士「それでこっちは狼娘か」

狼娘「狼娘様だ! アンタの後釜で魔王四天王になったんだから」

白騎士「へぇ 大出世じゃん ところで他の四天王は?」

狼娘「今は私1人だけど……」

白騎士「ドンマイ」ポンポン

狼娘「優しくアタシの肩を叩くな!!」


ちょっと所用で2時間ぐらい出かけてきます

スレ内で完結しそうに無いな

黒騎士はガイアかダークソードあたりか?

まだか

おそい

はやくー

2時間たったぞこら

まぁだぁ

保守だけしといて無駄にレス消費すんなや

遅すぎるのが悪い。
もう終わるし間に合うだろ


ごめん マジで寝てた 保守ありがとうございます


白騎士「さてさて まさか俺の魔王軍復帰戦第一戦がアンタとはな」

陸戦騎「…………」

白騎士「今度は俺を誘わないのか?」

陸戦騎「お前さん 先日王国近くで陸戦騎を名乗る魔族を斬ったか?」

白騎士「斬ったよ」

陸戦騎「あれはワシの息子だった このご時世だ 死んだとて不思議ではないが!! それでもワシはお前が許せん!!」ジャキ

白騎士「いいね 復讐で人を斬るなんてわかりやすい!!」

狼娘「」チャキ

白騎士「手を出すなよ これは男同士の一騎打ちだ!!」ブンッ

ガキンッ


陸戦騎「お主が人間だったのは驚いた!! 人の身でそこまで強いとはな!!」

白騎士「そりゃどうも!!」

陸戦騎「ワシの息子はドラ息子でな! ワシの名を騙り軍規は乱すわ犯罪を犯すわで最低の男だった!!」

白騎士「……」

陸戦騎「それでもあやつはワシの息子だったんじゃ!!」

白騎士「……そうか」ガキンッ

陸戦騎「お前さんと戦ったのは2度 本当に強いな ワシの負けだ」

白騎士「あぁ 俺の勝ちだな」スッ

陸戦騎「ワシを殺せ 殺したとしてもワシの部隊には手を出させんように言い含めてある」

白騎士「俺はお前を殺さない」

陸戦騎「なにを甘いことを言っておる! これは戦争だぞ!!」ドンッ

白騎士「戦争以前にアンタは俺の家族だ!!」


白騎士「よく聞け竜族共!! 俺は魔族全員を家族みたいに思っている! お前らは全員俺の家族だ!!」

白騎士「家族が喧嘩して殴りあうのはわかる! だが家族同士で殺し合うのはおかしいだろう!!」

白騎士「俺はお前らの主も殺さない だから頼む! 俺を竜王の元まで連れて行ってくれ!!」ガバッ

陸戦騎「お前……」

メイド(なんなのだあれは? 極端に偏った理想論で他者を虜にする あれではまるで……)

陸戦騎「わかった お前さんを竜王様の下まで連れて行こう」

竜族1「俺も白騎士さんに付いて行くことにしたぞ! もう同族同士で争うのは嫌だ!!」

竜族2「白騎士さんについて行けば俺たちの家族にも手を出さないんだろ!!」

白騎士「当たり前だろ!! それも含めて全員家族だ!!」

メイド「あれではまるで勇者みたいではありませんか」


ちょっと親父に呼ばれた……しばらく空けます

せっかく帰ってきたのにまた遅くなるのか

席を離れず一気に書ききるのも良SSの条件なんですね

ここまで遅くて退席も多いと読むのも萎える

萎えた

SS速報行こうか

>>787
まず書きためてない時点でクソだけどな

俺も読まない

SS速報行っても読むけど萎えた
次は書き溜めてから投下しろよ

荒れてきたな

だな
きちんと環境整えないと

保守あってのSSだからな
書き手()はもう少し読む側のこと考えろよ!

魔王「魔王軍再編しないか」勇者「なにそれこわい」★2

とかでスレたてして待ってればいいじゃん

入れたほうがいいだろ
続きものだって分かるし

ID:5Wcy1Q7rO
こいついい加減きもいNG余裕

>>842
どうぞー

つーかNG入れられてこっちは何か被害被るの?

なるほどねー

ID:5Wcy1Q7rOはGWに湧いたゆとりを装った荒らしだと思ったら末尾Oだった
ガチかよ…

無駄にレス消費すんな
保守なら間隔空けろ

例えば保守間隔あけたとしても、皆が皆同じタイミングで保守したら変わらねぇじゃん
つまり何にも意味ないんだよバカだな

新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内

新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
19:00-00:00 5分以内

末尾Oの何が悪いの?

携帯の何が悪いの?

ググるより聞いた方はやくね?
お前ら天気知るのにいちいちググるの?
窓開けてみるでしょ

天気を自分で確認するのと
情報を人に聞くのが同じと思ってる時点で

NG余裕とか書き込むことになんの意味あんの?バカなの?

>>880
謎理論ww

窓開ける=自分で確認だろ(ググる)だろwww

>>884
天候も情報でしょ
バカなの?

>>890
本当にバカだな
いちいちPC起動して調べるのと窓開けるのとは大違いだろ
小学生?

空気の感じで分かるだろ

>>899
確かにそうだな。

もう>>900だぞ
>>1はどうした

次スレ誰か頼む

>>901
親父「おまえいつまでこんなことやってるんだ」

>>1「…」

親父「パソコンばっかりいじってろくに就活もしてないんだろ」

>>1「…」

親父「暫くパソコンには触るな分かったな!」

>>904
わかりました

>>905
携帯にも触れるな

>>906
携帯は勘弁して
ウンコするときとか暇潰しにいいし

ID:5Wcy1Q7rO無駄に書き込み過ぎ

>>908
悪かったよ。5分はあけることにする


陸戦騎「だがワシらはともかく 竜族にはまだ空戦騎と海戦騎がおるぞ」

白騎士「まあなんとななる!!」


空戦騎「なんだ陸戦騎の野郎 魔王軍に降ったのか情けねぇ ここは三騎衆最強の我が空戦騎の部隊――ぎゃっ!?」

???「」ヒュッ

空戦騎「俺に矢を射るとはなに奴だ!!」

エルフ王「エルフの一族 盟約によって参上仕った 生憎私の弓はそれほどの高さの獲物なら軽く落とすぞ」


海戦騎「なんだ陸戦気も空戦騎も情けない ここは我らが海戦――」バタリ

淫王「ここは私たち淫魔の一族が引き受けたよ~~」フリフリ

きたぁあああああ

釣られた奴が悪いだろ

ID:5Wcy1Q7rOの所為でだいぶ埋まったからな
SS速報行きだなこりゃ

パー速行こうか

パー速はSS禁止だろ馬鹿

次スレ立ててきたぞ

次スレ良かったら使ってくれ

俺たちの戦いはこれからだ★

で終わればいいよ

パートより糞なスレいっぱいあるのに、パートスレが叩かれるのはおかしい

はよ続きを


白騎士「嬉しいな 俺たちの家族はみんな死にたがりばかりだ……よし! このまま竜王の元まで一直線に行こうぜ!!」

オォオオオオオオオオオ!!


竜王「ありえん 一体どういう戦をすれば敵まで吸い込み この5年間離れていた他の四天王をも飲み込み大部隊を作り出せるのだ」

竜王「いや これは奴の底力を見切れなかった余の敗因か……」

白騎士「竜王! 会いに来たぞ!!」バタン

竜王「久しぶりだな 黒騎士……今は白騎士と名乗っているとか」

白騎士「あぁそうだ」

竜王「正直 初めて見たときは眼中にも入らなかった男がここまでになるとは思わなかった」

竜王「いや 変わったのは魔王の意思を継いでいるからか」

白騎士「おい竜王 なにをしようとしている!?」

竜王「大人としての責任の取り方だ この戦は余の負けだ ならば余が責任を取らねばならぬ」チャキ

白騎士「自殺なんて考えるんじゃねぇ!! アンタも俺の兄弟だ!!」

竜王「兄弟か そんな言葉が今となって後ろ髪引かれるとはな」

ザシュッ

次スレはSS速報に立てろよ
パー速じゃなくてSS速報だからな

あえて深夜で

ID:5Wcy1Q7rO いい加減埋めるのやめろks

埋めてない

埋めてません

荒らしてないよ

書き溜めしないからこうなる

もしもし人生を無駄に使ってるなあ
レポートやりながら見てる俺とは大違いだ

>>1
とりあえずVIPでまたSS書く日が来たら書きためしろよなks
こうなったそもそもの原因はそこなんだし
面白かった乙

散々荒らして埋めといて全部>>1の所為にするとかきもすぎ

書き溜めしないからこうなる


竜王「……陸戦騎」

陸戦騎「竜王様 もう辞めにしましょう」ポタポタ

竜王「なぜだ 余は自分なりの責任のとりかたを……」

陸戦騎「魔族とて誰でも間違うことはあります ようはそれを次に生かせるかどうかが大事なのです」

陸戦騎「それにワシももう同胞が死ぬのは見たくないのでな」

竜王「陸戦騎……白騎士様」

白騎士「なんだ?」

竜王「すまなかった 許してくれ」

白騎士「……いいよ これからも魔王軍の仲間として頑張ってくれるなら許すさ」

竜王「ありがとう……」

なんか話も急につまらなくなってきたし

とりあえずこのスレが埋まったらこっちに移動する

>>958
レポート書くくらいで時間を有意義に使ってるとか思ってるの?
普段どんだけ虚無な人生なの?

いや、荒らしじゃないから忍者動くわけないし

>>966 こっち荒れてるし今すぐ移って良いよ

SS速報って臭いよな

深夜かパー速にしよう

勇者SSが臭いよな

いいオッサンが魔王だの勇者だの書くなよ気持ち悪い

わざと反応してるんでしょ
それくらいわかれ

白騎士「ただいま魔子!!」

魔子「お帰りなさいパパ!!」ダキッ

狼娘「まさか内乱を殆ど血を流さずに終わらせてしまうなんて……」

淫王「それほどの才能が眠ってたってことだよ~ 私の目に狂いはなかった」キリッ

白騎士「ビッチが近くにいると魔子の教育に悪いからとっとと国に帰れ」シッシッ

淫王「魔子ちゃん~ 新しいお母さんだよ~~」ナデナデ

白騎士「触れるな帰れ 歩く猥褻物陳列罪」

魔子「お姉ちゃん!!」

淫王「お姉ちゃんじゃなくてママだよ~」

メイド「…………」


白騎士「」zzzzz

魔子「」zzzzz

???「」チャキ

白騎士「夜這いは二度目だったか メイド」

メイド「……」

>>969
こちとら偏差値65程度の国立高専に無理して通ってんだよボケ
レポートやらないと単位落とすんだよお前の行為よりよっぽど有意義だ
レスしてくんなクズ

>>983
へぇ~
こwくwりwつwこうせんwwwwごときで苦労してんのかよ脳足りんだな

レポートやってる時くらい集中してやれよ
だからバカなんだぞお前


メイド「5年前なにがあったのか? なぜあなたが人間たちといたのかを問い質しに来ました」

白騎士「そうか とりあえず外に出ないか? 魔子が寝たばかりなんだ」バタン


白騎士「そういえば メイドと一緒に酒を飲むのは初めてか」

メイド「私はメイドですので」

白騎士「それ以前に魔王軍の仲間だ もうちょっと砕けていいと思うがな」

メイド「それで話を」

白騎士「あぁ お前たちを逃がした後俺は長い時間足止めをしていたはずだ」

メイド「”はず”とは?」

白騎士「俺もぶっちゃけ途中までしか覚えてない 気付いたら森の中で寝てたからな」

とりあえず埋め

埋め

ガキはこれだから困る埋め

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの0716さん   2014年06月04日 (水) 09:35:40   ID: nHVf6dd1

まだかなまだかな!?

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