エレン「乳が飲みてぇ」 (32)

・進撃の巨人

エレンの乳が飲みてぇお話です

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1385285413

ーー水汲み場

エレン「どうした ライナー?」

ライナー「そう・・・だな」

ライナー「エレンはシガンシナ区の出身だったな」

エレン「そうだけど?」

ライナー「その・・・お袋さんに会えなくなったのは10歳の時か」

エレン「待て ライナー」

ライナー「お袋さんが恋しいのわかるが お前はもう会えないんだ」

エレン「待てよ ライナー」

ライナー「だからこそ!子供達を俺達のような目に合わせないためにも」

ライナー「俺達は訓練に励まないとな」

エレン「たのむよ 話を聞いてくれよ・・・」

ーーーーーー
ーーー

ライナー「そういう事か」

エレン「わかってくれてよかった」

ライナー「確かにベルトルトの家では牛を飼っていたし」

ライナー「俺も結構な頻度で乳を飲んでいたな」

エレン「だろ?」

エレン「親父も言っていたが かなり栄養がある事は知ってんだよ」

ライナー「で 強くなるために乳を飲みたいと」

ライナー「なるほどな」

ライナー「けど こう言っては何だが」

ライナー「かなり値が張るぞ?」

エレン「そうんなんだよ」

エレン「何かいい手段はねぇかな?」

ライナー「・・・ミカサに相談してみたらどうだ?」

エレン「はぁ?なんであいつに頼むんだ?」

エレン「あいつに買わせるつもりなんてねぇよ」

ライナー「いや そうじゃない」

ライナー「ミカサはアルミンとは違う方向でいろんな事を知っている」

ライナー「話をすれば 俺達では思いつかないような案を出してくれるかもしれん」

ライナー「それに」

ライナー「ニンゲンは誰かのために行動したいもんだ」

ライナー「ミカサだってお前に頼られたら喜んで行動するだろう」

エレン「あいつの世話にはならねぇよ・・・」

ライナー「そうじゃないだろ エレン」

ライナー「お前は巨人を駆逐することが目的だ」

ライナー「そのためには手段を選んでいられないはずだ」

ライナー「お前の自分勝手な意地で」

ライナー「その手段のひとつを手放していいはずがない」

エレン「・・・そうだな」

エレン「ありがとな ライナー」

エレン「飯の時にでもミカサに聞いてみるよ」

ライナー「おう そうしろ」

ーーーーーー
ーーー

ーー食堂

アニ「結局 白いんげんは正解だったの?」

ミカサ「想像以上に良かった」

アニ「竹に詰めるのは結構楽しかったよ」

ミカサ「それはお母さんが教えてくれたもの」

ミカサ「しかし」

ミカサ「アニに相談してよかった」

ミカサ「ありがとう」

アニ「・・・別にかまわないよ」



エレン「ここいいか?」

ミカサ「もちろん」

ライナー「最近はこのメンバーだな」

アニ「なんでか知らないけど」

アニ「ミーナはアルミン達に連れていかれたし」

ライナー「ベルトルトもそうだな」

エレン「なぁミカサ 頼みがあるんだ」

ミカサ「なに?」

エレン「乳が飲みてぇ」

ーーーー

アニ「なに言ってんの こいつ?」

ライナー「力を付けたいんだと」

ライナー「それで 栄養のあるものを探しているんだ」

ライナー「ミカサなら何か知ってるかもしれないだろう?」

アニ「あぁ そういう事」

アニ「どうなのミカサ?」

アニ「ミルクじゃなくても良いみたいだけど」

アニ「ミカサ?」

ミカサ「・・・その エレンの気持ちはわかった」

ミカサ「けど・・・カルラおばさんとの約束があるので」

ミカサ「十八歳になるまで待って欲しい・・・」

ライナー「・・・」

アニ「・・・」

エレン「?」

エレン「まぁ無理ならしかたないな」

ライナー「エレン!この前街でミルクスタンドを見つけたから」

ライナー「そこに行こう!」

ライナー「多少値は張るが」

ライナー「この前給金が出たから大丈夫だろう」

エレン「お?おう」

エレン「じゃあな ミカサ」

エレン「無理言って悪かったな」

ーーーーーー
ーーー

ーーーー

ミカサ「・・・」

アニ「ねぇ ミカサ」

ミカサ「・・・何も言わないで欲しい」

アニ「けどアンタ 泣いてるじゃない」

アニ「流石に放っておけないよ」

ミカサ「これは」

ミカサ「エレンが頼ってくれた事に対しての嬉し泣き」

アニ「そう・・・なら何もいわないよ」

アニ「けど どうするの?」

ミカサ「もちろん用意する」

アニ「牛か羊のあてはあるの?」

ミカサ「ない」

ミカサ「けれど」

ミカサ「私は栄養のある飲み物を用意する」

ミカサ「なんとしても」

アニ「そうかい」

アニ「手伝いが必要なら言いなよ」

ミカサ「ありがとう」

アニ「・・・うん」

ーーーーーー
ーーー

ーー夜

アニ「ライナー」

ライナー「わかってる」

ライナー「だがエレンに悪気はなかったんだ」

アニ「だろうね」

アニ「あんな反応は誰にも予想できないよ」

ライナー「だろう?」

アニ「けど」

アニ「アイツが一人で考えた事とは思えない」

アニ「誰かが入れ知恵をした」

アニ「その結果があれだ」

アニ「一体誰だろうね?」

ライナー「・・・」

アニ「・・・」

ライナー「なぁ アニ」

アニ「・・・なに?」

ライナー「何か手伝えることがあったら言ってくれ」

ライナー「俺は何だってやる」

アニ「ふぅん」

ーーーーーー
ーーー

ーー休日 調理室

アニ「アンタ本当に行動が早いね」

ミカサ「アニこそ 本当に手伝ってくれるとは思わなかった」

アニ「何かを調理するの?」

ミカサ「豆」

ミカサ「水に浸しておいた豆を調理する」

ミカサ「まず豆を磨り潰す」

アニ「それで?」

ミカサ「それを煮て絞る」

アニ「それで?」

ミカサ「それだけ」

アニ「それだけ?」

ミカサ「そう それだけ」

アニ「簡単だね」

ミカサ「けれど磨り潰すのが大変」

ミカサ「探したけれど ここには畜力を使う石臼しかなかった」

ミカサ「しかし 個人的な事に馬は使わせてもらえないので」

ミカサ「馬の代わりに石臼を回すしかない」

アニ「それなら」

アニ「労働力にはあてがある」

ーーーーーー
ーーー

ーー外

ライナー「うぉおおお!」

 石臼を回す

ミカサ「ありがとう ライナー」

 豆を投入する

アニ「ある程度溜まったみたいだけど」

ミカサ「ではそれを煮よう」

アニ「ライナー」

ライナー「任せろ」

ミカサ「あまり一所懸命廻り続けると」

ミカサ「あなたがバターになってしまう」

ミカサ「適度に休んで欲しい」

ライナー「おう」

アニ「エレン アンタもだよ」

エレン「おう」

 樹を廻り続ける虎のように石臼をまわす

ーーーーーー
ーーー

ーーーー

エレン「ライナー いつまで続けりゃいいんだ?」

ライナー「その豆の山がなくなるまでだろう」

エレン「これ全部か・・・」

エレン「アニは何を作ろうとしてるんだろうな」

ライナー「アニというか ミカサだな」

ライナー「以前お前が言っていた 栄養のある飲み物を作っているらしい」

エレン「・・・それで何でアニは怒っている風なんだ?」

ライナー「それはなーー」

ーーーーーー
ーーー

ーー調理室

アニ「ミカサ 吹きこぼれそうだよ」

ミカサ「慌てることはない」

ミカサ「泡は私が取り除くので 鍋をかき混ぜ続けて欲しい」

アニ「結構青臭かったのに 今はいい香りだね」

ミカサ「そろそろいいだろう」

 呉を布で漉し 絞る

ミカサ「これを冷ましてできあがり」

アニ「見た目はミルクだね」

ミカサ「見た目は乳で栄養も沢山ある」

ミカサ「味は豆そのものけど」

アニ「十分でしょ?アイツは栄養をつけることが目的だし」

アニ「しかし アンタの勘違いはすごかったね」

ミカサ「・・・それは言わないで欲しい」

ミカサ「エレンは喜んでくれるだろうか」

アニ「喜ぶんじゃない?知らないけどさ」

ーーーーーー
ーーー

ーーーー

ミカサ「冷めたので飲んでみて欲しい」

アニ「いただくよ」コクコク

ミカサ「どうだろうか?」

アニ「舌触りはミルクで味は豆だね」

アニ「私は結構好きだよ」

ミカサ「それはよかった」



エレン「ミカサ 全部挽き終えたぞ」

ミカサ「ありがとう」

ライナー「おぉ!それが出来上がったやつか」

ミカサ「そう 上手にできた」

ミカサ「飲んでみて欲しい」

ミカサ「私は残りの豆も調理しておこう」

アニ「私らがやっておくよ」

アニ「アンタも休んできなよ」

ミカサ「いいのだろうか?」

アニ「かまわないよ」

ミカサ「ではお願いしよう」

エレン「ありがとな アニ」

ライナー「すまんな アニ」

アニ「は?」

アニ「私『ら』って言ったでしょ?」

ライアー「・・・おう」

ーーーーーー
ーーー

ーー食堂

ミカサ「どうぞ」

エレン「いただきます」ゴクゴク

ミカサ「どうだろうか?」

エレン「豆だな」

ミカサ「ごめんなさい 牛や羊の乳は用意出来なかった」

エレン「いや 感想を言っただけだ」

エレン「栄養をとりたいって言っただろ?」

エレン「俺は強くならなきゃいけないんだ」

エレン「無理を言ったのに用意してくれてありがとうな」

ミカサ「かまわない」

ミカサ「・・・私達は家族だから」

エレン「おう」ゴクゴク

エレン「・・・」ゴクゴク

ミカサ「・・・」コクコク

エレン「・・・なぁミカサ?」

ミカサ「なに?」

エレン「乳が飲みてぇ」

ミカサ「?」

ミカサ「豆乳はたくさん作ったので飲んで欲しい」

エレン「・・・」

 耳と顔が紅潮している

ミカサ「・・・」

ミカサ「!」

ミカサ「じゅっ・・・」

ミカサ「十八歳になるまで待って欲しい・・・」

エレン「・・・おう」



おしまい

これにて終了です

いまさらですが進撃の巨人の世界に

大豆は存在しないような気がしてきました

今後も中途半端なリアリティを求めていけるよう

精進いたします

以上です

おまけ

ミカサ「あっ こぼしちゃった」

ミカサ母「あらミカサ 勿体無い」

ミカサ「モッタイナイ?」

ミカサ母「もともと牛の赤ちゃんのご飯を分けてもらってるの」

ミカサ母「命の素と言ってもいいわね」

ミカサ母「赤ちゃんにもミカサにも飲んでもらえなかったら」

ミカサ母「牛のお母さんはどう思うかしら?」

ミカサ「きっと悲しい」

ミカサ「うしさんごめんなさい」

ミカサ母「そうね そう思える気持ちが『勿体無い』なのよ」

ミカサ母「『慈しみ』の気持ちと言ってもいいわね」

ミカサ母「ミカサも今の気持ちを忘れないでね?」

ミカサ「うん!」

ミカサ母「もちろんお母さんは命の素であるミルクを溢したりはしないわ! ねぇおとうさん」

ミカサ父「おーい かあさーん!?」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

ーーーー
ミカサ「(夢を見た まだお父さんとお母さんがいた時の)」

ミカサ「(...慈しみの気持ちか)」

ーー調理室

アニ「ねぇミカサ」

アニ「この絞りかすはどうするの?」

ミカサ「もったいないから食べる」

アニ「モッタイナイ?」

ーーーーーー
ーーー

アニ「アンタとこの文化は面白いね」

アニ「それでどうやって食べるの?」

ミカサ「カタクリコを混ぜて団子にしようと思う」

アニ「カタクリコ?」

ミカサ「クズみたいなもの」

ミカサ「なぜかアルミンが大量に保有していた」

アニ「・・・アンタたちは本当に底が知れないよ」

ーーーーーー
ーーー

ーーーー

アニ「食べるのはいいけどさ」コネコネ

アニ「これって栄養あるの?」

ミカサ「豆と同じだけ栄養がある」コネコネ

ミカサ「ただぼそぼそしていて食べにくい」

アニ「ふぅん それで団子にするわけだ」

ミカサ「そう」

ミカサ「あとは茹でてできあがり」

ーーーーーー
ーーー

アニ「団子だね」モグモグ

ミカサ「特別美味しいわけではない」

サシャ「けど素朴な味だから 私は好きですよ」モグモグ

ミカサ「それは良かった」モグモグ

 モグモグ

アニ「・・・アンタいつの間に」

サシャ「ふぁっ?」

サシャ「だってお二人が美味しそうな物を食べているんですよ?」

サシャ「私だって食べたいです!」

アニ「いいんだけどさ」

サシャ「まだたくさんありますけど・・・」

ミカサ「宿舎に持って帰ろう」

ミカサ「もしかすると食べたい人間もいるかもしれない」

サシャ「いいですね」

ーーーーーー
ーーー

ーー女子宿舎

ミーナ「ミカサ それなに?」

ミカサ「おから団子」

ミーナ「オカラ?」

ミカサ「豆かすのかすみたいなもの」

ミーナ「えぇ・・・食べ物なの?」

ミカサ「特別美味しくはないが栄養はある」

ミーナ「ふーん」

 お腹をさする

ミカサ「効能としては通じがよくなり お腹がすっきりする」

ミーナ「!」

ミカサ「アニもサシャも食べている」

ミーナ「ミカサ!私も頂戴!」

ミカサ「どうぞ」

ーーーーーー
ーーー

ハンナ「ミカサ それなに?」

ミカサ「おから団子」

ミカサ「特別美味しくはないが栄養はある」

ハンナ「へぇそうなんだ」

 ミカサの顔を眺める

ミカサ「効能としては肌ツヤがよくなる」

ハンナ「!」

ミカサ「アニもサシャも食べている」

ハンナ「ミカサ 私も貰っていいかな?」

ミカサ「どうぞ」

ーーーーーー
ーーー

ユミル「ミカサ なんだそりゃ?」

ミカサ「おから団子」

ミカサ「特別美味しくはないが栄養はある」

ユミル「そんなもん食ってんのか?」

 ミカサの髪を眺める

ミカサ「効能としては髪に艶がでる」

ユミル「!」

ミカサ「アニもサシャも食べている」

クリスタ「ミカサ・・・そんなに食うのは大変だろ?私も食ってやるよ」

ミカサ「どうぞ」

ーーーーーー
ーーー

クリスタ「ミカサ それは何かな?」

ミカサ「おから団子」

ミカサ「特別美味しくはないが栄養はある」

クリスタ「へぇそうなんだ」

 ミカサの顔と腹の間を眺める

ミカサ「効能としては女性らしさが高まる ありていに言えば乳房が大きくなる」

クリスタ「!」

ミカサ「アニもサシャも食べている」

クリスタ「ミカサ・・・私も頂いていいかな?」

ミカサ「どうぞ」

ーーーーーー
ーーー

サシャ「ミカサ!団子ください!」

ミカサ「もうない」

サシャ「そんなぁ・・・」

アニ「結構食べたんだね」

ミカサ「皆で食べた」

サシャ「それなら仕方ありませんね」

ーーーーーー
ーーー

ーー浴場

アニ「・・・」

サシャ「・・・」

一同「・・・」ジー

アニ「視線が痛いんだけど」

サシャ「なんででしょうか?」



ミカサ「ふぅ」

 カポーン



おしまい

>>1が「エレンの」乳が飲みたい話に見えて混乱した

>>31

申し訳ありません

いい日本語が出て来ませんでした

「エレンが乳を飲みたがるお話です」

これなら・・・




>>24 差し替え

ユミル「ミカサ なんだそりゃ?」

ミカサ「おから団子」

ミカサ「特別美味しくはないが栄養はある」

ユミル「そんなもん食ってんのか?」

 ミカサの髪を眺める

ミカサ「効能としては髪に艶がでる」

ユミル「!」

ミカサ「アニもサシャも食べている」

ユミル「ミカサ・・・そんなに食うのは大変だろ?私も食ってやるよ」

ミカサ「どうぞ」

ーーーーーー
ーーー

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom