P「世にも奇妙なアイドルマスター」(372)

P「道に迷ったとき、あなたならどうしますか? 交番を探す、地図を見る、道行く人に案内してもらう。最近では携帯電話でもマップ検索が可能になってきました。」

P「ナビゲーション、非常に便利ですが、時にそれは、奇妙な世界へ我々を案内しているのかも知れません」

『道案内』 三浦あずさ

あずさ「困ったわね~。ここ、どこかしら? 」

あずさ「あっ、律子さんですか? えーと、その……、また迷ってしまいました」

律子『またですか。で、今はどちらに?』

あずさ「えーと、これは国会議事堂かしら?」

律子『なんでまた……。分かりました、迎えに行きますんでそのままでいてくださいね』

あずさ「いつもすみませんね」

律子「そうですよ。昨日もあれだけ念を押したのに。それにしてもどうしてこんなに迷うんですか?」

あずさ「それが分かれば苦労しないんですけど……」

律子「地図とか見てるんですよね?」

あずさ「そうなんですけど、どっちが北でどっちが南か分かりにくて」

律子「カーナビみたいに音声が出ればいいんでしょうけどね。もしかしたらそんなアプリがあるかも」

あずさ「便利な世の中ですね」

律子「なにお婆ちゃんみたいなこと言ってるんですか。あずささんはまだまだ現役ですよ。それと、明日のオーディションは遅れないでくださいね。ここんところ遅刻が原因か合格率が悪いですし……」

あずさ「アプリねえ……」

あずさ「うーん、色々あるけど、私にはあまりよく分からないわね~。律子さんに聞いとけばよかったかしら?」

あずさ「あら? なにかしらこれ……」

あずさ「道案内アプリ、道祖神様? 道祖神ってお地蔵様よね。お金は結構かかるみたいだけど、評判良いわね。折角だから、ダウンロードしておきましょうか」

あずさ「えっと、明日のオーディション場所はここね。10時までに着きたいわね。遅刻するのも申し訳ないし、台本に目を通して寝ましょうか」

あずさ「私と生涯を共にてくれるかしら、か。いつか言ってみたいわね~。運命の人、早く見つけてくれないかしら」


あずさ「ううん……、今何時かしら……。えっと、8時半……。8時半!?」

あずさ「どうしましょう! 少し寝すぎちゃったわ! 朝ご飯は抜いて……、場所はえーと」

あずさ「あっ、そういえばアプリを落としたんだ。これで何とかなるかしら?」

アプリ『おはようございます。まず目的地を入力してください』

あずさ「本当にしゃべった!。文明の進歩にはついていけそうにないわね……。えっと、スタジオチアキングと……」

アプリ『案内いたします。それでは駅に向かいましょう』

あずさ「最寄駅ぐらいは迷わず行けるわね」

アプリ『6番線に到着する電車に乗って、3駅先の高橋駅で降りてください』

あずさ「高橋駅ね」

あずさ「駅を降りて、次は……」

アプリ『まず、まっすぐ進んで、二つ目の角を右折してください』

あずさ「はいはい……。えっと、こっちよね……」

アプリ『次にその信号の突き当りを右に行くと公園が見えますので、その公園を通ってまっすぐ進んでください』

あずさ「右に……」

アプリ『そちらは左です』

あずさ「あらあら、そうだったわね~」

アプリ『そのまままっすぐ行くと、目的地に到着します。お疲れ様でした』

あずさ「まっすぐ……。あっ、ここかしら? スタジオチアキング。ここね」

律子「あ、あずささん!? 」

あずさ「あら、律子さん。おはようございます」

律子「おはようございます。ってどうしたんですか!? まだ開始10分前ですよ?」

あずさ「あら? そんなに早く着いたのかしら?」

律子「いや、別に早くもないんですけど、あずささんが10分前に着いているなんて、迷わなかったんですか?」

あずさ「ええ、新しいアプリのおかげです」

律子「あずささん程の方向音痴を正確に届けるなんて、すごい性能ですね」

あずさ「それはどういう意味でしょうか?」

律子「な、何でもないです! そうですね、エントリーを済ませましょうか」

審査員「それじゃあ結果発表だ! ドキドキするだろ? 合格者は、23番三浦あずさだ! あっ、それ以外は帰って、どうぞ」

あずさ「まあ! 合格ですね!」

律子「やりましたね! トップ通過お見事です!」

あずさ「やっぱり余裕が出来ますね~」

律子「時間通りに来れたことですか? そうですね、いつもギリギリになってましたし。これぐらい余裕がある方が、ベストなパフォーマンスが出来るみたいですね」

あずさ「道祖神様に感謝しなきゃいけませんね」

律子「道祖神様?」

あずさ「アプリの名前です」

律子「また仰々しい名前ですね」

あずさ『ねえ、あなたは私と生涯を共にしてくれるかしら?』

男優『ああ、君と入れば深い海の底だとしても。愛してるよ』

監督「カーット! 素晴らしいよ三浦さん! 良いね良いね、今のグッときちゃったよ!!」

あずさ「ありがとうございます」

律子「ほんと、まっすぐ来れただけでずいぶん余裕が出来てますね。これなら、今よりも上に行けそうですね」

あずさ(道に迷わないことって素晴らしいわね~)

男優「あずささん、お疲れ様!」

あずさ「あら、お疲れ様です~」

律子「あなたは共演の……」

男優「ONOSAKA。知らないの?」

律子「知ってます。うちの三浦に何か用でしょうか?」

男優「ねえ、この後空いてる? すごく美味しいお店知ってるんだけど。これからの演技プラン一緒に考えない?」

あずさ「ええ? ですが……」

男優「良いじゃん、減るもんじゃないし。むしろ理解が深まって演技にも深みが出ると思うけど」

律子「ハイごめんなさいねー。残念だけど、こちとらまだ週刊誌に取り上げられる気ないので」

男優「あんたには言ってないだろ。俺はあずささんに話してるの! ね、あずささん。良いでしょ?」

あずさ「そうですね~。でも遠慮しておきます」

男優「えー」

律子「ほら、あずささんも嫌がってるんで。別の人当たってくださいね」

男優「チッ、んだよ、邪魔しやがって……」

律子「なによあれ、感じ悪いわね。まだ961プロの方がマシよ。あずささん、この後どうしますか?」

あー、もうダメだー眠いよー起きたら
書くんで保守頼みますだけは、勘弁してください

>>18 とりあえずあずささんは書ききれる。その後は未定。

あずさ「そうですね、一度事務所に戻ります」

律子「えっと、大丈夫ですか? 一人で帰れます?」

あずさ「もう、私は子供じゃありませんよ?」

律子「私より上ですもんね。私は亜美の方に付くんで、もし迷いそうになったらプロデューサーの方に連絡してくださいね」

あずさ「はい、頑張ってくださいね~」

あずさ「えっと、目的地は765プロ、と」

アプリ『案内いたします。まずは目の前の信号を……』

あずさ「プロデューサーさんが迎えに来てくれるなら、わざと迷おうかしら?」

 事務所

あずさ「こんにちは、プロデューサーさん」

P「あずささん! 一人で帰ってこれたんですか?」

あずさ「プロデューサーさんも驚くんですね」

P「だってそりゃびっくりしますよ。あのパスポートなしで国境を超えることが出来るとまで言われたあずささんが寄り道せず帰ってくるなんて」

あずさ「もう……、言い過ぎです!」

P「あはは、冗談ですよ、冗談。でもみんな驚きますって。あずささん=方向音痴っていう等式が成り立ってたのに」

あずさ「それはそれは……、不名誉ですね~」

あずさ「プロデューサーさんは何をしているんですか?」

P「仕分けですよ。ファンからのプレゼントはいいんですけど、時たま悪質なのもありますからね。だからこうやってゴム手袋してるんです。カミソリなんか入ってたら大変ですから」

あずさ「大変そうですね~」

P「ええ。勝手に見てしまって申し訳ないんですけど、アイドル達の安全が第一ですからね。あっ、また来てるよ……」

あずさ「?」

P「いやですね、言っちゃっていいのかな……」

あずさ「どうかなさいましたか?」

P「まあ気を付けて貰うことに越したことは無いか。最近あずささんのファンの中に、少したちの悪いのがいまして」

あずさ「それはどういうことでしょうか?」

P「本人に悪意はないんでしょうけど、そういうのが一番怖いんですよね」

あずさ「まさかストーカーとか?」

P「そこまではいってないと思いますよ? でも気味が良いもんでもないんで、見せないでおきます」

あずさ「そうですか?」

P「ええ。あずささんを尾行するのは至難の業ですから。一瞬でも目を離すと、もう見当たらない。
だから方向音痴が治ったら、逆に付いてこられるんじゃないかと思ってるんです」

あずさ「それは怖いですね~。でもプロデューサーさんは私を見つけるのが上手いですよね?」

P「まあ慣れですよ、慣れ。それよりも現段階で実害がないから、警察にも相談できないんですよ。
別に脅迫ってわけじゃないんですが、しつこく来るから予備軍ってとこです」

あずさ「どうしましょうか?」

P「なにか有ってからじゃ遅いですからね……」

あずさ「じゃあプロデューサーさんがエスコートしてくれたらいいんですよ」

P「ええ!? エスコートって……」

あずさ「はい。一緒に帰れば、プロデューサーさんも安心できるんじゃないですか?」

P「そ、そうですけど……。俺殺されるんじゃないのか?」

あずさ「大丈夫ですよ。私のファンは変なことしませんよ」

P「予備軍はちらほらいるんですけどね。自称運命の人、あずささん会ってみますか?」

あずさ「え、遠慮しますね……」

P「同行するのはいいんですけど、俺まだ仕事有りますよ?」

あずさ「大丈夫です、待っていますから」

P「結構あるんだけどな」

あずさ「私、待つのは得意ですから」

P「ほんとに待ってたんですね」

あずさ「ええ、台本を読んでいたんです。気づいたらもうこんな時間に」

P「日本屈指の脚本家ですからね。それよりも、共演のONOSAKAなんですけど、ナンパされませんでした?」

あずさ「お食事には誘われましたが……」

P「それをナンパっていうんです。気を付けてくださいね、ONOSAKAはどうも女癖が悪くて、共演者に手当たり次第声をかけるみたいですから」

あずさ「節操がないんですね~」

P「わざわざ所属事務所から通達がありましたよ。くれぐれも気を付けてほしいと。事務所の方も迷惑してるみたいですね」

あずさ「私も気を付けます」

P「はい、お願いします」

あずさ「ありがとうございます」

P「いえいえ、これぐらい軽いものですよ。そういえば、あずささんの部屋、初めて見たかも」

あずさ「入っていきますか?」

P「大変魅力的なんですが、パパラッチとか怖いんで止めときます」

あずさ「そうですか……、残念ですね」

P「管理人さんには軽く言っておきます。あの人あずささんのファンらしいんで、少し防犯に協力してもらいましょうか」

あずさ「ありがとうございます」

P「それじゃあ俺は帰ります。もし何かあったらいつでも電話くださいね」

あずさ「はい。さようなら」

あずさ(あれから数日、特に変なことは起きてないわね。変わったことといえば、)

アプリ『右にまっすぐ進んで、3つ目の角で左に曲がってください』

あずさ(アプリのおかげで迷子になることがなくなったことかしら?)

あずさ「無駄に早起きして、あっちこっち迷うこともなくなったわね~」

律子「あずささん、こっちです!」

あずさ「あっ、律子さん」

律子「良い調子ですよ! ホントそのアプリ便利ですよね。でも見つからなかったんですよね、どうしてかしら?」

あずさ「おかしいですね。評判もよかったのに」

律子「道祖神でも検索したんですけど、どうも見つかりませんでした」

あずさ(これはその名の通り、道祖神様からのプレゼントかしら? お金払ったから少し違うわね)

律子「あずささんが迷子にならなくなったのはいいんですけど、迎えに行くことがなくなると、それはそれで寂しいものですね」

あずさ「ふふっ、そうかもしれませんね」

律子「そうだあずささん、お昼一緒に取りませんか?」

あずさ「ええ、いいですよ~」

律子「でもこの辺りはあまり詳しくないのよね。あずささんは分かりますか?」

あずさ「えーと、そうですね……」

律子「そのアプリで検索できますか?」

あずさ「あっ、そうですね。少し待ってください」


アプリ『こんにちわ。目的地を入力してください』

あずさ「そうね……。でも何があるか分からないのよね。このアプリ音声だけだし」

あずさ「そうだ、物は試しで……」

アプリ『誰も知らないような隠れ家的名店、ですね。案内いたします』

あずさ「あらあら、上手くいったわね。律子さん、行きましょうか?」

律子「行くって、どこにですか?」

あずさ「隠れ家的名店ですよ」

律子「美味しい! あずささんよくこんなお店見つけましたね」

あずさ「ええっと、アプリに聞いたらここに導いてくれました」

律子「やっぱり便利ですね、それ。そんな漠然とした答えも出してくれるなんて」

あずさ「やっぱり科学の進歩は素晴らしいわね~」

律子「進歩ってレベルじゃないと思うけど……。あっ、お冷2つもらえますか? それじゃあアプリに聞いてみますか?」

あずさ「聞くってなにをでしょうか?」

律子「特に決めてませんけど、例えば100万円とか」

あずさ「100万円?」

律子「1つの例ですけど、お金が落ちてる場所を聞いたら答えてくれたり、って思いまして」

あずさ「お金の落ちている場所ですか?」

律子「まあ冗談ですよ、冗談。お冷飲んだら出ましょうか。あずささん?」

あずさ「あっ、そうですね。長々といても仕方ないですし」

あずさ(お金も検索してくれたら、働く意味がなくなっちゃいそうね……。でもどうなるかは気になるかしら?)

アプリ『目的地を入力してください』

あずさ「えっと、100万円が落ちている場所、と。そんな都合のいいことがあるわけ……」

アプリ『案内いたします。まっすぐ進んでください』

あずさ「え?」

アプリ『川沿いにまっすぐ行って、橋の下に降りてください』

律子「ぜぇ、ぜぇ……。あずささん、どこに行こうとしているんですか? 事務所は反対方向ですよ?」

あずさ「すみません律子さん。少し試したいことがあって……」

律子「まさかあれ真に受けてました? 冗談に決まってるじゃないですか」

あずさ「でもアプリは案内しているんです」

律子「ええ!? そんなの出来たらこの国から犯罪が消えちゃいますよ? いくら高性能だからってそんなバカな話が……」

あずさ「あの……、律子さん……」

律子「どうしました?」

あずさ「この鞄……」

律子「へ? マジなの……」

警察「ご協力、ありがとうございました!」

あずさ「いえいえそんな大袈裟な~」

あずさ(橋の下に落ちていたかばんには、100万円分預金通帳が入ってました。近くの民家に強盗が入ったらしく、その通帳だったみたい
素直に警察に届けた私たちは、感謝状を贈られています)

律子「私は何もしていなんだけどね」

あずさ「でもアプリは凄いですね~」

律子「ええ、本当に案内してくれるなんて……。一体どんな技術なのよ」

あずさ(アプリで見つけました、なんてことは言えず、偶々食後の運動に散歩していたところ、鞄を偶然発見した、という風になっています)

律子「はぁ、私はそのアプリいらないです。あったら自分の欲望に使っちゃいそうで。流石にあの額をネコババするなんて度胸はないですけど、いくらでも悪用できそうですし」

あずさ「使い方には気を付けたいですね~」

あずさ(これに懲りた私たちは、アプリを場所検索用のみで使うように決めました)

P「あずささん。テレビで見ましたよ! お手柄じゃないですか!」

あずさ「いえいえ、そんなことないですよ~」

P「嬉しい報告が一つ。さっきのニュースで、あずささんのイメージが大幅アップしまして、仕事がバンバン来てるんです。多分今好感度調査をすると、いいとこに行くと思いますよ?」

あずさ「当たり前のことをしただけなんですけどね~」

P「それを実際にするのは凄いことですよ。100万円なんて大金、無防備に落ちてたら持って帰りたくなりますもん。ドラマにこれに、いい感じで追い風が吹いてますよ!」

あずさ(本当に、アプリ様々ね~)

オチが読めた

>>37 言わないでね

P「ですが悪い知らせも」

あずさ「え?」

P「すみません、どうやら例のファンが動き出したみたいです」

あずさ「それって……」

P「事務所に俺とあずささんが二人で歩いてる写真が届いたんです。ご丁寧に、俺の方はナイフで刺されたみたいに穴だらけでしたが」

あずさ「そ、それじゃあ警察に?」

P「そうですね。こうなったらちとヤバいですから」

あずさ「怖くなってきましたね……」

P「大丈夫です。あずささんのピンチには、俺が駆けつけますから」

あずさ「期待していますね?」

P「えっと、あずささん。俺は警察と話すので、今日はおとなしく家にいてください」

あずさ「分かりました~」

P「それじゃあ、また明日会いましょう」

あずさ「ええ、お休みなさい」

あずさ「部屋に閉じこもっていると、することがないわね……。テレビでも見ましょうか」

CM『パパパパーン、パパパパーン、パパパパ、パパパパ、パパパパーンパーンッパ……』

あずさ「結婚式場のCM? 私もいつかはバージンロードを歩けるのかしら?」

あずさ「あら、これは前撮ったやつね。放送日今日だったのね」

あずさ『ねえ、あなたは私と生涯を共にしてくれるかしら?』

男優『ああ、君と入れば深い海の底だとしても。愛してるよ』

あずさ「ドラマの中の私は、ハッピーエンドだけど、現実は上手くいかないわよね……」

あずさ「運命の人は、どこにいるのかしら? あっ……」

アプリ『』

あずさ「もしかして、分かるの?」

アプリ『』

あずさ「うん、これは別にやましいことじゃないわ。そう、未来のプランを立てるために知っておきたいこと! だから……、別に良いわよね?」

あずさ「運命の人……、ちょっと漠然としているわね。一口に運命の人って言っても、色々あるし……」

あずさ「結婚相手? これで何も出なかったら怖いわよね……。それに二人以上出てきたらショックね……」

あずさ「生涯を共にする……、うん、これね。なんかロマンチックだし」

アプリ『こんばんわ。目的地を入力してください』

あずさ「私と生涯を共にする人……、と」

アプリ『検索中、お待ちください』

あずさ「なんか緊張してきたわね……」

アプリ『案内いたします』

あずさ「は、はい!」

アプリ『後方すぐそこ』

あずさ「え?」

アプリ『後方、すぐそこ』

バチッ

あずさ「きゃっ」


??「ふふふ……」

??「あははははははははははははははははははははははははは!!」

??「そうだよあずさ、ずっとずーっと一緒にいようね?」

ONOSAKA「ねえ、あずさ」

??「そこまでだ!!」ドゴォ

ONOSAKA「ぐわぁっ」

俺「もう大丈夫ですよ。お怪我はありませんか、あずささん」

あずさ「は、はい・・・危ないところをありがとうございます(素敵な人///)」

こうして俺とあずささんは結ばれた

あずさ「」

ONOSAKA「もう、ずっと前からいたのになぁ。クローゼットの中、何で見ないかな?」

ONOSAKA「いつ見つかるかドキドキしちゃったよ。でもそんなドキドキももうお終い。俺とあずさは、二人で永遠になるんだ。
あんなさえない眼鏡になんかあずさは任せられない。ほんと、俺の手紙を全部処分しちゃうんだもんな」

ONOSAKA「カモフラージュで色んな女に手を出してたけど、ゴメンねあずさ。俺はずっとあずさだけを見てきた。顔だって変えるぐらい愛してるんだ」

ONOSAKA「今のあずさが一番美しい。年を取って老け行く君を、悲しむ君を見たくないんだ。
だから美しいままで終わろうよ。さあともに生涯を全うしに行こうか――」

あずさ「」

ONOSAKA「返事ぐらいしてほしいなぁ。でも沈黙は肯定だよね?」

あずさ「ううん……、ここは……。車?」

ONOSAKA「あっ、起きた? おはよう、あずさ」

あずさ「ONOSAKAさん!? どうして……」

ONOSAKA「愛する人と生涯を共にして何が悪いの?」

あずさ「え?」

ONOSAKA「これから俺とあずさは一緒に旅立つんだ。深い深ーい海の底へ」

あずさ「誰か! 誰か助けて!!」

ONOSAKA「無理無理wwwだってここすっごく遠いもの。誰も俺たちの新婚旅行を止めれないし、愛も止まらないんだぁ」

あずさ「そんな……、運命の人……」

ONOSAKA「隣にいるじゃない。死ぬまで一緒にいる、運命共同体が」

あずさ「プロデューサーさん……」

ONOSAKA「もう、俺以外の男の名前出さないで欲しいなぁ。それじゃあ、二人っきりの結婚式だ!」

ONOSAKA「アイラブあずさーーーーー!!」

あずさ「いやああああああ!!」

キィィィィィ!! ドンっ!

あずさ「きゃっ!」

ONOSAKA「なんだなんだ!? 車? おい何しやがるんだ……」

??「運命の人を取り返しに来たんだよ!!」

あずさ「うん……、めいのひと……?」

ONOSAKA「気安く名乗るんじゃねえよ! あぁ!? なんでここにいるんだよ!!」

??「企業秘密だ。後俺は言っておくが本気だぞ? 芸能界を敵に回しても、あずささんと一緒にいたいぐらいだね」

ONOSAKA「うるせーんだよ!!」

あずさ(そうだ……、いつも私が迷うと迎えに来てくれた。ようやく気付いてくれたんですね、ぷろ……)

数か月後

アイドル『結婚おめでとう、あずささん!!!』

あずさ「ありがとう、みんな」

真「いいなぁ、ウェディングドレス。僕も着たいなぁ」

雪歩「真ちゃんにはタキシードの方が似合うよ?」

伊織「そうよ。にしてもあの2人はどうにかならないの?」

春香「死ーん」
美希「死ーん」
小鳥「死ーん」

あずさ「悪いことしちゃったかしら~」

社長「うむ……」

??「おーい、あずささん! 式場見に行きましょうか」

あずさ「ええ、そうですね。プロデューサーさん」

P「結婚したんだし、その呼び方は……」

あずさ「あなたこそ、あずささんはやめてくださいね」

P「うっ、気を付けるよあずさ」

春香「ぐふっ!」
美希「げひっ!」
小鳥「ぴよっ!」

律子「あーあ、死者三人。こんなんで結婚式当日はどうなるのかしら」

真「ウェディングドレスを着て乱入するんじゃない?」

P「ははは……」

あずさ「あなた、浮気はダメですよ?」

P「しませんよ!」

あずさ(ONOSAKAと無理心中をさせられそうになったとき、プロデューサーさんが身を挺して助けてくれました)

あずさ(一連のファンレターも、ONOSAKAのものと判明し、今では平和に過ごしています)

あずさ(あれ以来、アプリは使っていません。道に迷ったとしても、自分の足でゴールに行く、それが大切だと思うから)

あずさ(でも一つ気になることが)

あずさ「ねえあなた、あの時どうやって私の居場所を知ったんですか?」

P「あー、あれ? うーん、言っても信じてくれるか分からないんだけど……」

P「すこし、道を聞いたんだ」

世にも
奇妙な
アイドルマスター

P「アプリが示した最後の目的地、それは彼女にとっては幸福なものです。しかし、男性にとっては墓場とも言います」

P「はたして、これから2人はどこへと進むのでしょうか? それは、神のみぞ知るということでしょう」


 とりあえずあずささん終了。ホントはONOSAKAと無理心中エンドだったけど、オチが読めたという声があったので急遽変更しました。
次も書くの? プロットはあるはあるけど、書き溜めないから時間かかるかも。

なんとなくこんな感じのイメージはある
千早編 バストアップ
雪歩編 私じゃない
美希編 眠れず姫
小鳥編 恋愛相談
響編 動物の謝肉祭

上3つはオチまでなんとなく考えてる。下は2はどうなるだろ。
とりあえずちーちゃん書いてみる。

P「女性は美を求めます。そして男性はそれに翻弄される。古来より続くループです」

P「それは彼女も例外ではなく、とある悩みを抱えています。それは……、一体72でしょうか? 少し覗いてみましょう」

千早「クッ……」

あずさ「あらあら~」

千早「クッ!」

律子「こら美希! 寝ちゃダメでしょ!」

千早「ククッ!」

美希「81。律子は煩いの」

千早「クククッ!!」

貴音「かめらまんの方が来られました」

千早(なんでこの4人と一緒にジャケット撮影なのよ!!)

『バストアップ』 如月千早

千早「畜生……、どうしてなのよ……」

千早「どうして私には胸がないのよおおおおお!!」

如月千早 B72

春香「うわぁ、いつにも増して荒ぶってるね……」

天海春香 B83

美希「胸なんか大きくても無駄なのにね」

星井美希 B86

貴音「同意いたします」

四条貴音 B90

あずさ「肩も凝っちゃうわね~」

三浦あずさ B91

律子「そうなんですよね。背も低いから変に疲れて……」

秋月律子 B85

千早(ああ! 乳臭い乳臭い!! こんな空間にいられないわ!)

千早「すみません、今日はもう帰ります」

春香「あれ、帰っちゃうの?」

千早「ええ、これ以上ここにいたら自分が自分でなくなりそうだから」

春香「行っちゃった。スレンダーで良いと思うんだけどなぁ」

P「いいや、俺は断固巨乳主義だ! 胸無き者は人間でないと思え!!」

春香「うわぁ……。プロデューサーさん優秀だけど極度の巨乳派だからなぁ」

社長「そこばかりは彼と意見が合わんのだよ。私は如月君のようなスレンダーな美乳にこそ価値があると思っているのに」

P「それはいいわけです。無いものは努力をしないものです!!」

社長「君! 世の中には報われないものもあると覚えたまえ!!」

千早(そう、世間は常に二つに分かれる。ビアンカ派かフローラ派、たけのこ派かきのこ派、任天堂派かソニー派。
そして、巨乳派か貧乳派。時の総理野田はたぐいまれないおっぱい星人で、巨乳保護の法律を乱立した。一方野党は貧乳派だ。
日夜政治の場においても、大きいか小さいかで揉めている)

千早(そして私は言わずもがな。小学生にも負け、壁と呼ばれる始末。一部の小学校では貧乳の子の胸を壁に見立て、壁打ちするという卑劣ないじめも横行している)

千早「世はまさに、大おっぱい時代!!」

千早(そしてトップアイドルと言えば……)

雫「雫の乳搾りミルクー、いつもより多く搾ってるよー」

千早(及川雫。岩手より流星のごとく現れた、秋葉系ならぬ牧場系アイドル。バストはというと……)

雫「今なら105円だもー」

及川雫 B105
如月千早 B72

その差33!

千早(同い年でこの差は72!?)

子供「見ろよー! 壁が歩いてるぜー!」

子供「ぎゃはははははは!」

千早「クッ……」

千早(子供には馬鹿にされ……)

活動家「如月さん! 今こそちっぱいの力で政権交代を!」

活動家たち『おー!!』

千早「クッ……」

千早(右翼のシンボルにされ)

おじいちゃん「おお、貧乳神様じゃ!」

おばあちゃん「ありがたや……、ありがたや……」

千早「クッ……」

千早(一部で神とあがめられる。どんなアイドルよ、これ)

千早「アメリカに移住……、無理ね。あそこはここ以上に乳差別が激しい国よ」

千早(努力を怠ったわけじゃない。怪しげな通販に初めてのギャラを費やし、なれないパソコンを使って豊胸について研究した。
学校のPCでやっていたから、後々ひどい目にあったわね……)

千早(それでも結果が出ない。歌手でもアイドルでもなく、歌う壁。それが世間の私の評価だ)

千早「現世に希望はないのかしら……。うっ、風が泣いているわね。あら?」

 強い風が吹くと、私の前に一枚のビラが。

千早「バストアップ、日本語で豊胸……。言われなくても分かるわよ」

千早「7272、驚異のバストアップ術、あなたに教えます。興味のある方は連絡を……。マニュークリニック?
馬鹿馬鹿しいわ。そんな簡単に巨乳になれるのなら苦労しないわよ」




千早「あっ、マニュークリニックですか?」

千早「ここがマニュークリニック……。名前の割には普通ね」

医者「ようこそ、お待ちしておりました。えっと……」

千早「麻美です、今井麻美です」

医者「はて、アイドルの如月千早さんに似てるような……」

千早「よく言われます」

医者「いや、君は如月千早本人ではないか? 私の目はごまかせんよ。
その壁と見まがうような平らな胸、間違いない、貧乳神だ」

千早「貧乏神みたいに言わないでください」

医者「おっと、これは失礼。しかし私としてはそのままのあなたの方がよいと思うのですが……」

千早「いえ、変りたいんです。壁と馬鹿にされない、柔らかな膨らみが欲しいんです」

医者「まぁ来てくださった以上、最大限の努力を致しましょう」

千早「よろしくお願いいたします」

千早(これがラストチャンス……、ダメならパッドに頼るしか……)

医者「さて、豊胸に移る前に、一つ説明を。マニュークリニックが提供する豊胸は、ざっくり言うと胸を買うということです」

千早「胸を買う?」

医者「ええ、世間は巨乳が正義となっていますが、決して貧乳がマイノリティ、悪というわけではありません」

医者「好きな男がちっぱい派だった時、胸はただの脂肪になるんです。胸の大きさにより破局したカップルも沢山います。
今二股で注目を浴びている彼も、胸で決めかねていたと聞いています」

千早「買うというのは、巨乳から脂肪を貰う、ということでしょうか?」

医者「そう言うことだ。とりわけ今は政府の暴走により、巨乳に対する風当たりも強い。
故に新たな自分になるという意味でも、胸を売るというビジネスは様々な方から支持を受けているよ」

千早「はぁ」

医者「まあ詳しい説明はこの紙に書いてるよ。必ず目を通して、サインをしてくれ。初回は様子見も兼ねて、サイズを1あげよう」

千早「73……。ついに越えられない壁が破られるのね」

医者「じゃあ麻酔打つね」

医者「そろそろ麻酔が切れてくるかな……」

千早「ん、んあ……。先生、豊胸は……」

医者「ああ、成功だ。君、メジャーを持ってきてくれ」

千早「73……、勝った! 私は呪いに勝ったのね!!」

医者「ああ、君はもう72と呼ばれることもない。自信を持って、前に進みなさい」

千早「はいっ! ありがとうございました!!」

千早(世界が明るい! ああ、もう私は72じゃない! 73なのよ!)

子供「なあ、壁がスキップしてるぜ」

子供「良く見てみろよ。壁の癖に、サイズが1上がってるぜ」

子供「マジかよ好雄!!」

子供「ああ、俺の目に狂いはないぜ」

子供「でもさー、1上がっても、所詮は壁だよね」

千早「~♪」

千早(体が軽い! こんな幸せな気持ちで街を歩くの初めて!)

春香「千早ちゃん上機嫌だね……」

P「ああ、千早の奴、サイズが1上がったんだ」

春香「ええ!?」

P「良く見ておけ、今から日本は変革の時を迎えるぞ!!」

千早(その知らせはあっという間に世間に広まった)

新聞屋「号外だー! 号外だぞー!!」

新聞『世界崩壊まであと少しか!? 如月千早、バストアップに成功』


野田「今ここに、与党野党による大連立を宣言します!!」

キャスター「巨乳派の与党と、貧乳派の野党は今日の夕方、人気アイ……、失礼しました。
人気歌手の如月千早さんがバストアップに成功したことを受け、双方の代表による会談を受け、決定しました」

千早(73、サイコー!!)

千早(しかし、栄光の日々は長く続かなかった)

記者「星井さん、本作の見どころは?」

美希「見どころ? 寝てたから覚えてないの」

千早「もう、冗談ですよね。素晴らしい音楽が奏でる、切ない恋物語を堪能していただけたらと思います」

記者「星井さん、お隣の如月千早さんのバストが1上がったことについてどうお思いですか?」

美希「千早さん? うーん、大きくなったの?」

記者「ええ、72が73へ」

美希「そんな変わらないよね」

千早「そうそう、そんなに変わら……」

そんな変わらないよね

そんな変わらないよね

記者「言われてみればそうだな……。たかだか1だし」

記者「壁には変わりありませんね」

記者「ええ!? 与党と野党がまた分裂!? 分かった、今から行く!!」

千早「あ、あれ?」

子供「壁が歩いてるぞー!!」

子供「倒して背中のバッテンにヒップドロップだ!!」

千早「……クッ」


千早「お願いです! もっと私に胸を! 胸をください!!」

医者「まぁ落ち着きなさいな。確かに72と73は数値上はそんなに差がないだろう。
しかし、君にとっては特別な意味が有るのだろ?」

千早「それとこれは別です。1上がればいいと思ってましたが、生意気な駄肉を黙らせるには、それ以上が必要なんです」

医者「君の気持ちは良く分かったよ。その熱意に免じて、今ひとたび君に力と自信を授けよう」

千早「ありがとうございます!!」

医者「うむ、それでは……」

千早「んあ……、先生、私は……」

医者「ああ、成功だよ。鏡を見給え」

千早「72かしら? 妙に肩が凝る……、わね……」

千早「ツンツン、フニフニ……」

医者「特別に大幅アップを施してやったよ。はぐれメタルを倒したぐらいの感覚でいてくれ」

如月千早 B92

千早「両胸に……、ロケットが!!」

千早(あずささんが91。故に私が……)

千早「私の時代キター!!」

医者「ああ、もう誰も君を馬鹿にしないよ」

千早「~♪」

子供「おい見ろよあれ……、ロケットがついてるぞ!」

子供「バインバインやないかい!!」

子供「ああ、あれは92……、かの三浦あずさを超えたぞ!!」


右翼「如月さん! 私たちを裏切るというのか!?」

千早「最初から協力してないんですけど」

右翼「メリケンに魂を奪われたか! 次は高槻やよい先生に協力を要請だ!!」


おじいちゃん「おお、貧乳神様……、たわわに育ちよって」

おばあちゃん「ありがたやぁ、ありがたやぁ……」

千早「ああ、輝いているわ、私!!」

美希「千早さんに負けるなんて……、そんなのってないの」

千早「千早様、でしょ? B86の貧乳は私のために尽くすとね」

美希「ひーん!」

春香「千早ちゃん変っちゃったなぁ」

P「ああ、とても美しく! ああ! 今すぐにでも二つの果実をむしゃぶりたい! ちっはやちゃーん、俺のウインナーはさ」

千早「千早様でしょうが、この豚」

P「ぶひいいいいい!!」

春香(小っちゃくても、昔の方の千早ちゃんの方がよかったなぁ)

千早(全てが私にひれ伏す……、ああ! これが巨乳なのね!! セルフで舐めれる、変態チックだけどそれが良い!!)

社長「時代は変わっていく、か……。今ならお前の言った言葉の意味が分かる気がするよ、黒井」

P「千早様、今日のスケジュールなんですが……」

千早「見せてみなさい。そろいもそろって貧乳アイドルばかりね。壁臭くて仕方がないわ」

P「まったくでございます」

千早「それじゃあ行きましょう。早く済まして、今日は総理との会談もあるんだから」

P「それでは行きましょう、千早様!!」

千早(もう誰も私を笑うなんてことが出来ない――)


雫「及川雫ですー、今日はお願いしますねー」

千早「……クッ」


千早(完全に忘れていたわ!! 彼女は規格外の105! そして私は92……)

美希「雫の方が大きいの」

P「雫ー! 俺だー! 一緒に牧場を継いでくれー!!」

千早「私が……、負けた?」

雫「どうしましたか先輩?」

千早「このままで終わると思わないで! 私は必ずここに帰ってくる! そして決着をつけましょう」

雫「何のことでしょうか?」

春香「気にしなくていいよ、うん」

千早「先生! 及川雫を超える胸が欲しいです!」

医者「もう十分じゃないかい? B92の時点で、ほとんどのアイドルが君以下なんだから」

千早「そうかもしれません。しかし私は、及川雫にだけは負けたくないんです。あの雌牛にだけには……」

医者「そこまで言うならやらんこともないが……」

千早「お願いします! もう、覚悟はできてますから」

医者「そうか。実にいい顔をしているよ」

千早「そうでしょうか?」

医者「ああ、これから戦いに赴く、戦士の顔だ。ならば私は、戦士にふさわしい武器を作るまで、だ」

千早「お願いいたします」

千早(優、お姉ちゃんは最後まであきらめないから! 力を貸して――)

医者「さあ、鏡を見給え」

千早「これは……」

医者「ああ、あらゆる人が憎んだ巨乳のかけらを、君に託したんだ。その結果が……」

如月千早 B110

千早「110……、もはや巨乳じゃない! 魔乳!!」

医者「ああ、今の君ならこの国を統一することぐらい容易いだろう。さあ、及川雫と最終決戦だ!!」

千早「はいっ!!」

医者「行ったか……・おい君、テレビ局の取材は何時からだっけか?」

雫「こ、これが……110の世界!!」

千早「ええ、前人未到の110よ。あなたは頑張ったわ、でも私の方が上だった、それだけよ」

観客『千早! 千早! 千早!!』

千早(ああ、優!! 見ているかしら? お姉ちゃんは、勝ったのよ!! 世間の目に、自分の限界に!!)

千早「痛っ……、何かしら。胸に痛みが……」

観客『千早! 千早! 千早!!』

千早「まあ、なんでもいいですけど」




キャスター「次のニュースです。都内の病院マニュークリニックにおいて、乳がん患者からがん細胞を完全に取り除くことに成功しました。
マニュークリニックでは、乳がん患者の脂肪を取り除くことで……」

P「この物語の教訓は、欲張り過ぎると痛い目にあうだとか、巨乳派か貧乳派かということではありません」

P「違和感を感じたら、すぐに病院へ駆けつけましょう」

世にも
奇妙な
アイドルマスター

すみません。正直言って眠いので、少し寝ます。一応二つ、ちーちゃんは駆け足で終わってしまいましたが、書き終えることが出来ました。
続きとしては美希か雪歩のを書こうかと。ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。7時か8時には復活したいです。本当にごめんなさい。

保守ありがとうございます。書いていきます。書い溜めはないのでのんびり運行。

P「この世には、自分と同じ顔を持つ人間が3人入るとされています。ドッペルゲンガー、ご存知でしょうか?」

P「双子とは違う、まったく別の人生を歩んできたその人間に会うと、死んでしまう。生き写しのあなたは、まさに奇妙な世界への切符を持っているのです」



真「おはよう雪歩!」

雪歩「真ちゃん、おはよう」

真「雪歩さ、昨日おじさんと手をつないで歩いてなかった?」

雪歩「へ?」

真「いや、恋愛は邪魔しちゃダメだと思うけど、社長ぐらいのおじさんはちょっと……」

雪歩「私じゃないよ。だって私、昨日はすぐに家に帰ったし」

『私じゃない』萩原雪歩

真「だよね! 雪歩なわけないよね!」

雪歩「もう……、ひどいよ真ちゃん」

真「ごめんごめん。あまりにもそっくりだったから勘違いしちゃって」

雪歩「私が男の人と手を繋げるわけないよ」

真「あっ、そうか。でもあの雪歩はなんだったんだろう……」

雪歩「見間違えとか?」

真「かな……」

P「ミーティング始めるぞ」

真「あっ、そろそろ行かなきゃ」

雪歩「うん」

雪歩(真ちゃんは単に見間違えただけ、そう思っていました)

雪歩(でも、それは始まりに過ぎませんでした――)

翌日

亜美「ゆきぴょん酷いYO!」

雪歩「え?」

真美「真美らが挨拶してんのに、無視するなんてあんまりだYO!」

雪歩「えっ? 気づいてなかったのかな、ゴメンね」

亜美「あれ? でもゆきぴょんと服が違うような」

真美「もしかしてそっくりさんに声かけちゃった?」

雪歩(またそっくりさんだ――)

翌日

伊織「あら、雪歩?」

雪歩「どうしたの?」

伊織「あれ、おかしいわね……。さっき反対方向に歩いていくのが見えたんだけど……」

雪歩「うーん、それは私じゃないよ」

伊織「そっくりさんってこと? にしてはくおりてぃが高かったわね。雪歩と勘違いしちゃったわ」

春香「おはよう!」

雪歩「あっ、春香ちゃん。おはよう」

春香「あれ雪歩? さっきすれ違ったのに……」

雪歩「私じゃないよ?」

伊織「例のそっくりさんかしら?」

雪歩(日に日にそっくりさんの目撃談は増えていきました)

愛「おはようございます雪歩先輩!!」

雪歩「愛ちゃん、おはよう。今日も元気だね」

愛「はい! あっ、そうだ雪歩さん。昨日牛丼屋にいませんでした?」

雪歩「へ?」

愛「声かけようか思ったんですけど、なーんか違う気がしちゃって」

雪歩「私じゃないよ。昨日の夜は家で食べたし」

愛「そうですか? でもすごく似てましたよ」

雪歩「愛ちゃんも見たんだ」

愛「愛ちゃんも?」

雪歩「うん。最近私のそっくりさんの目撃談が多いんだって」

愛「えっと、それってなんって言うんでしたっけ? 確かドタプンゲンガー……」

雪歩「胸の大きそうな名前だね。えっと、ドッペルゲンガーじゃないかな?」

愛「ああ! それです! 絵理さんが言ってたんですけど、この世には3人同じ顔を持つ人がいて――」

雪歩(ドッペルゲンガー。非常に有名な都市伝説です。この世には3人同じ顔を持つ者がいて、もしその相手に出会ってしまったら……)

愛「幸せにあるんでしたっけ? そんな感じで教えてくれましたけど……」

雪歩(違う、実際は――)

雪歩(死ぬ)

雪歩(で、でもそれって都市伝説だよ……ね?)

愛「双子の場合はどうなるんだろ? 絵理さんに聞いてみよっと」

雪歩(そして、徐々にその影は私を翻弄していくのでした)

響「酷いぞ雪歩! 怖いからっていぬ美を蹴ることないだろー!」

雪歩「え、ええ!?」

響「とぼけても無駄だぞ。昨日自分がいぬ美と散歩してたら、雪歩が座っていて、声かけたら無言で蹴りを入れたぞ」

雪歩「し、知らないよ! 私じゃない……」

響「あれは雪歩にしか見えなかったぞ」

雪歩「と、とにかく! 私じゃないよ!」

響「うーん、確かに雪歩がそんなバイオレンスなことするとは思えないぞ」

雪歩「でしょ? それに昨日は真ちゃんといたから、真ちゃんに聞いたら分かると思うよ」

響「疑ってゴメン」

雪歩「ううん、気にしてないから」

雪歩(やっぱり、そっくりさんのことだよね……)

貴音「萩原雪歩、私はあなたを赦せそうにありません」

雪歩「え? 何かしましたでしょうか……」

貴音「とぼけるおつもりですか。あのような振る舞いをしておいて……」

雪歩「身に覚えがないです!」

貴音「頼んでおいてやっぱりやめる、など甘えたことを抜かして……。恥を知りなさい!!」

雪歩「わ、私じゃありません!」

貴音「いいえ、あれは正真正銘私の知る萩原雪歩でした」

雪歩「だって……、二十郎なんか最初からいかないよ!!」

貴音「うむ……、言われてみればいささかみすまっちですね」

雪歩「昨日のお昼は事務所で食べてたの。音無さんが見ているよ?」

貴音「はて、では私はいったい何を見たのでしょうか?」

雪歩(私のそっくりさんは、まるで私の評価が下がるようなことを進んでしているのです)

雪歩(そして極めつけは――)

週刊誌『清純派も意外と大胆!? 萩原雪歩、二股俳優と路チュー』

P「ち、違うんだよな……」

雪歩「私じゃありません!! わ、私……、キスもまだですから」

P「ドラマでも出来るだけ避けているからなぁ。男性に免疫が出来たとはいえ、こんな大胆なことが出来ると思えないし」

社長「うむ、彼女がそういうのならそうだろう。しかし……」

小鳥「随分と似ているわね……。雪歩ちゃんって双子だったりする?」

雪歩「兄弟姉妹はいません」

小鳥「そうよねえ。じゃあこの人は誰かしら? ただの素人?」

P「違うなら違うで記者会見で堂々としていればいいさ。向こうも2股から3股にランクアップしたもんで、てんやわんやしてるみたいだ」

雪歩(一体何の目的で?)

トレーナー「あっ、萩原さん! 今日は休むって連絡があったけど……、それもわざわざ非通知で」

雪歩(私じゃない――)

涼「雪歩さん! 御金返してください!」

雪歩(私じゃない――)

小鳥「ねえ雪歩ちゃん。前コミケにいなかった?」

雪歩(私じゃ――ない!!)

P「なあ雪歩――」

雪歩「私じゃありません!!」

P「のわっ! まだ何も言ってないだろうが。にしても随分やつれているな……。ちゃんと寝れているか?」

雪歩「あんまりですぅ」

P「最近は妙なことばかり起きやがる。雪歩であって雪歩じゃない何かが暗躍してるみたいだ」

雪歩「そんな……」

P「なぁ雪歩。こういうこと聞くのもあれなんだが――、誰かに恨まれる覚えあるか?」

雪歩「えっと……、思い当たり過ぎますぅ」

P「そ、そうなのか?」

雪歩「私なんか生きているだけで迷惑かけちゃうんです。だったら穴掘って……」

P「こらこら! 事務所に穴をあけても、下の居酒屋に落ちるだけだぞ!!」

雪歩「うぅ……」

P「もしかしたらオーディションで雪歩にこっぴどく負けたアイドルとかか? でもわざわざ雪歩の顔になるって……」

雪歩「私なんかになっても良いことなんて一つもないのに……」

P「自己評価が低いぞ、雪歩。まあ俺も各位事務所に通達しておくよ。偽物が横行中、注意されしって」

雪歩「すみません、よろしくお願いいたしますぅ」

雪歩「一体全体どうして私が?」

雪歩(私より魅力的な子は星の数ほどいます。なのに、私になんてなりたがる人がいるわけ……)

男A「ほんとラッキーだよな!」

男B「ああ、雪歩ちゃんのサインがもらえるなんてよ! しかも握手付きだぜ?」

雪歩(!?)

男A「まだ駅前でやってるんじゃねーの?」

男B「あんな行列出来たら雪歩ちゃんも帰れねーよな」

雪歩(駅前に、私がいる!?)

男A「なあ、今通り過ぎてった子、雪歩ちゃんそっくりじゃね?」

男B「そうか? 良くいるそっくりさんじゃねーの?」

雪歩(急がなきゃ……。まだいるなら捕まえて問い詰めなくちゃ!!)

雪歩「ぜぇ、ぜぇ……」

雪歩(そっくりさんはもういない? 帰っちゃったのかな……)

雪歩「仕方ない、帰ろ……」

雪歩「そ、そんな……」

雪歩「ドッペルゲンガー?」

雪歩?「アハハハハハ!!」

雪歩(私は、その場からすぐに逃げてしまいました。そこにいたのは、そっくりさんと表現するには勿体ないぐらい、
まるで私がそのまま目の前にいるような萩原雪歩が立っていました。そしてドッペルゲンガーに会った者は……)

雪歩「死んじゃう……!!」

雪歩「外に出たら死んじゃう……」ガタガタガタガタ…

雪歩(家にいる方が安全だよね? ね?)

ちゃらら~♪ちゃらら~♪

雪歩「きゃあああ!!」

雪歩「って自分の携帯でした……。誰だろう? 愛ちゃんだ」

愛「もしもし! 雪歩先輩ですか!!」

雪歩「わっ! 声が大きいよ……」

愛「あっ、ごめんなさい……」

雪歩「ううん。どうしたの?」

愛「雪歩先輩が引きこもってしまったって聞いて。私絵理さんに聞いてドッペルゲンガーについて調べてもらったんです」

雪歩「ええ?」

愛「えっと、ドッペルゲンガーはドイツ語で……。これはいっか。あっ、多分これは重要だと思うんですけど、ドッペルゲンガーは基本的に喋らないみたいなんです」

雪歩「そうなの?」

愛「はい、絵理さんのまとめた資料にはそう書いてますから」

雪歩「じゃ、じゃあ私が会ったのは……」

愛「もしかしたらそんな怖いものじゃなくて、雪歩さんの熱狂的なファンだったりして」

雪歩「で、でも……。私なんかになっても……」

愛「もう、ネガティブはだめですよ!! 私は雪歩先輩になりたいと思うことありますよ?」

雪歩「え?」

愛「ママも心配してるんです、早く元気になってくださいね」

雪歩「ありがとう、愛ちゃん」

愛「いえいえ! 雪歩先輩のためなら何でもしますよー!! それじゃあ切りますね!」

雪歩「あっ、切れちゃった……」

雪歩(愛ちゃんの話通りなら、ドッペルゲンガーとは別? オカルト的な話題じゃなくてよかった……)

雪歩(でもそれならなんでだろう? どうして私なんだろう……)

P「雪歩、もう大丈夫なのか?」

雪歩「はい。いつまでもそっくりさんに怯えていれませんから」

P「そっか。雪歩は強いな」

雪歩「そんなこと……」

P「さて、じゃあ休んでて空いていた分を謝りに行くか」

雪歩「はいっ!」

雪歩(そうだよね、ただのそっくりさんで、ドッペルゲンガーも迷信。だから怖がることは……)

??「すみません、萩原雪歩さんですか?」

雪歩「は、はい……。そうですけど……」

SATOU「警視庁のSATOUです」

TAKAGI「TAKAGIです」

P「えっと、警視庁の方がなんの用でしょうか……」

SATOU「いえ、少しお話を聞きたいだけです。先日近くのコンビニで万引きがありました。それだけなら、悪い言い方をするとよくある話なんですが……」

TAKAGI「防犯カメラにくっきりと映っているんです。萩原さんの顔がね」

P「!?」

雪歩「え……」

TAKAGI「同様の事件が何件も起きています。警視庁が出るほどのものでもないんですが、相手はトップアイドルですからね。それに親御さんが少々厄介ですので」

SATOU「TAKAGI君、言いすぎよ」

TAKAGI「すんません」

雪歩「違います! 私じゃありません!!」

SATOU「それでは、この時間帯はどちらに?」

雪歩「ずっと家にいました! 父に聞けば分かると思います!」

SATOU「身内の証言はあまり参考にならないんですよ。他にあなたが家にいたことを証明できる方は?」

雪歩「えっと……。そうです、この時間家で電話してました。後輩アイドルの日高愛ちゃんなんですけど……」

SATOU「コンビニで電話していた、とも考えれます」

雪歩「そんなぁ……」

SATOU「すみませんが、これ以上は署の方で……」

P「いや、俺が証明できます」

SATOU「あなたがですか?」

雪歩「プロデューサー?」

SATOU「ふむ……、一緒に部屋にいたと?」

P「はい。全部にいたわけじゃないですが」

TAKAGI「ほら、SATOUさん。言った通りじゃないですか。雪歩ちゃんがそんなことするわけありませんよ」

SATOU「そうね……。少なくとも私は嘘を吐いているように思えなかったわ。貴重な時間を奪ってしまい、名誉を傷つけるような真似をしたことを謝罪します。申し訳ありませんでした」

TAKAGI「申し訳ありませんでした!」

雪歩「い、いえ! そこまで頭を下げなくても……」

P「それじゃあ俺たちは先に行きます。捜査の方、頑張ってください」

SATOU「こちらこそ、ご協力感謝いたします。それじゃあTAKAGI君、行きましょう」

TAKAGI「あっ、雪歩ちゃん!」

雪歩「は、はい!?」

TAKAGI「サイン、貰っていいっすか?」

雪歩「え?」

SATOU「TAKAGI君!」

TAKAGI「えー。せっかくトップアイドルが目の前にいるんだから良いじゃないですかぁ。前の駅前サイン会には行けませんでしたし」

P「駅前サイン会?」

雪歩「あっ、どうやら私のそっくりさんがしたみたいなんですけど……」

SATOU「そっくりさん?」

P「ええ、どうも最近雪歩に瓜二つな子がいまして、その子が色々と雪歩の人気を失墜させようとしているみたいで……」

SATOU「他人の空似ですか……。もしかしたら彼女の方が犯人なんじゃ」

雪歩「えっと、サインはどれに書いたらよろしいでしょうか?」

TAKAGI「えっと、じゃあ警察手帳……」

SATOU「TAKAGI君!」

TAKAGI「じょ、冗談ですよもう……。この色紙に書いてくださいますか?」

SATOU「何で持ってるのよ……」

TAKAGI「良いじゃないですか!」

雪歩「はい、書けましたぁ」

TAKAGI「わっほい! ありがとうございます! 墓まで持っていきますね!」

SATOU「わざわざすみません。それでは私たちは戻ります」

P「よろしくお願いいたします」

雪歩「私のそっくりさんは何がしたいんでしょうか?」

P「万引きの罪をなすりつけるとなるとなぁ……」

雪歩「それとさっきは庇ってくださってありがとうございます」

P「ああでも言わないと帰してくれなさそうだったしな。しかし話の分かるお巡りさんでよかったよ」

雪歩「警察は遺伝子レベルで苦手ですぅ……」

P「ははは……。じゃあ行くか、謝罪回りに」

雪歩「はいっ」

??「……」


P「このたびは申し訳ございませんでした」

雪歩「申し訳ございませんでした!」

P「ふぅ……、これで全部回ったかな」

雪歩「そうですね……」

P「概ね叱責されることもなく、丸く済んで良かったな。これも人徳のなせる業かな」

雪歩「人徳だなんてそんな……」

P「いいや。自分なんかって言ってるけど、今日でどれだけ変えのきかない人間か分かっただろ?」

雪歩「そうですね……。自信出ちゃいました」

P「んじゃ帰るか……。おっと、なんだ? はい、赤羽根ですけど……。あずささん、また迷ったんですか? 分かりました、迎えに行きます。
悪い雪歩、タクシー使うなりして先に帰ってくれ」

雪歩「分かりましたぁ」

P「領収書貰っとけよ?」

雪歩「行っちゃった……。うん、長居しても仕方ないし早く帰らなきゃ……」






雪歩?「行っちゃった……。うん、長居しても仕方ないし早く帰らなきゃ……」

雪歩「え?」

雪歩?「え?」

雪歩「どうして……」

雪歩?「どうして……」

雪歩「真似をするの?」

雪歩?「真似をするの?」

雪歩「そんな……」

雪歩?「どう? 似ているでしょ? 高いお金払った甲斐がったなぁ」

雪歩「どうして私の邪魔をするんですか!?」

雪歩?「そんなの、邪魔だからに決まってるじゃない。あなたがいなければ、私が合格していたの」

雪歩「え?」

雪歩?「あはははは! 大切な友達の声を忘れちゃった? そうだよね、忙しいものね。だから私が学校やめたことも知らないんだよね」

雪歩「あなたは……」

雪歩?「ほんと、一緒に受けようなんて言わなきゃ良かった。引き立て役になってくれるかなぁって思ったけど、こっちが引き立て役になっちゃった」

雪歩?「でももう大丈夫。あなたが偽物になって、私が萩原雪歩になる。どう、声も似てるでしょ?」

雪歩「い、いやあああ!!」

雪歩?「あははは! タクシーで逃げればよかったのに! 馬鹿だよねーー!!」

雪歩?「ホント皆、顔だけで雪歩って間違えちゃうんだから、別に私でも問題ないわよね」

雪歩「こ、来ないで……」

雪歩?「来ないでって……。わざわざ階段登らなくてもいいじゃない。足に来るのよこれ」

雪歩「い、いや……」

雪歩?「はい、鬼ごっこはお終い。これからあなたはそっくりさん、私がオリジナルになるんだから。ゴメンねー、色々頑張って私を引き立ててくれて」

雪歩?「おかげでいきなりトップアイドル! ちょろいもんよ……、え?」

雪歩(今のうちに!!)ダッ

雪歩?「あがっ……」バタバタバタ…

雪歩「あっ、ああ……」

雪歩(突進したはずみで、彼女は階段から落ちてしまいました。赤く染まる地面、私はなんてことを……)

ちゃららーん♪ ちゃらら~♪

雪歩「ひっ……」

P『雪歩、大丈夫か?』

雪歩「あっ、プロデューサー。私は大丈夫なんですけど……」

P『どうかしたのか?』

雪歩「その……、そっくりさんを……」

ドゴッ

雪歩「えっ……」

P『どうした、おいどうした雪歩!!』

??「大丈夫です、なんでもありませんよ~」

雪歩「う……、ウソ……」

??「今から帰りますから」

数日後

P「おーい、雪歩。仕事だぞー」

雪歩「Zzz…」

P「なんだ、また寝ているのか」

美希「最近雪歩とキャラが被ってるって言われるの」

雪歩「うにゅ……、煩い金髪毛虫」

美希「雪歩がいじめるのー!!」

P「なんとういうか……、雪歩変わったなぁ」

春香「そうですか? 最近お疲れだから眠いだけですよきっと」

P「それならいいんだけどな。最近はそっくりさんも現れないし、気が抜けたのか?」

雪歩「ふふ……私じゃないよZzz……」

P「新聞によると、今朝身元不明の少女の死体が2つ発見されたそうです」

P「ドッペルゲンガー、同じ顔を持つ者は3人いるといいます。もし生きているうちに、自分以外の2人と会う可能性はどれぐらいでしょうか?」

P「そういえば雪歩の奴、声変わったなぁ……」

世にも
奇妙な
アイドルマスター

雪歩編はこれで終わりです。書いた後に解説するのも気が引けますが、こればっかりは分かりにくいと思うので一応。
雪歩はアイマスのキャラで唯一3人の声優が演じたんです。それだけです。
次はどうしようか……。順番間違えたかも。

すみません。お昼食べてから、美希編投下していきます

んじゃバイトまで書いてく

P「人間の三大欲求は」

小鳥「性欲!」

貴音「食欲」

美希「睡眠欲なの!」

P「時に欲を満たすために、思わぬ行動に出てしまう場合もあるようです。特に、彼女のような場合は……」


10:00

美希「Zzz…」

律子「こらっ! 起きなさい!」

美希「もう……、律子がうるさくて寝れないの。あふぅ」

律子「時計見なさい。10時でしょ?」

美希「関係無いの」

律子「あるわよ!! ほらっ、支度していくわよ!」

美希「焦っても仕方ないのにね」

『眠れず姫』 星井美希

10:30

美希「ねえ、まだ着かないの?」

律子「弱ったわね……。渋滞に引っかかったわ」

美希「退屈なの。ラジオ聞こうと」

ラジオ『10時半のニュースです。俳優のSHIOYA SYUNさんが二股交際の末、自分が女になることで丸く収めようと、きょう未明モロッコに旅立ちました』

美希「馬鹿なの」

律子「こりゃギリギリになりそうね……」

美希「美希は寝るの、あふぅ。着いたら起こしてね~」

律子「ちょ、そこまで離れてないわ……」

美希「Zzz…」

美希「Zzz…」

律子「こらっ! 起きなさい!」

美希「んん……、着いたの?」

律子「何寝ぼけてんの。早く支度しなさい」

美希「へ? ここ事務所?」

律子「そりゃそうでしょ。765プロよ」

美希「あれ? 美希は律子の車に乗って……」

律子「律子さんでしょうが。もう10時よ、そろそろ行かなきゃ」

美希「え? 今何時って言ったの?」

律子「10時よ」

美希「ど、どういうことなの……」

10:00

律子「さっ、行くわよ」

美希「ま、待って!」

美希(さっきのはなんだろう、夢?)

10:30

律子「弱ったわね……。渋滞に引っかかったわ」

美希(同じなの……。もしかしてラジオはっ!)

ラジオ『10時半のニュースです。俳優のSHIOYA SYUNさんが二股交際の末、自分が女になることで丸く収めようと、きょう未明モロッコに旅立ちました』

美希「やっぱり……」

律子「こりゃギリギリになりそうね……」

美希(もしかして美希、予知夢に目覚めたの?)

律子「どうしたの、難しい顔をして」

美希「なんでもないの」

律子「?」

11:00

律子「お願いします、ほらっ、美希も」

美希「お願いしますなの!」

スタッフ「うぇっへっへ、こちらこそお願い仕るでござるwww」

美希「変な人なの」

律子「思っても言っちゃだめよ」

スタッフ「そ、それじゃあ、案内をするんだな」

美希「そういえば何の撮影なの?」

律子「言ってなかったっけ。あんたの好きな物よ」

美希「美希の好きな物? おにぎりとか?」

律子「ベッドのCMよ」

美希「ベッドってことは合法的に寝れるの!」

律子「まあそういう絵が欲しいみたいね」

11:25

美希「フカフカのベッドなの! 律子も乗ったらいいの」

律子「律子さんって言ってるでしょうが。でもまあ寝心地は良さそうね。貯金も溜まって来たし買い換えてみようかしら」

美希「美希はもう眠くて仕方ないの……、あふぅ」

律子「こらこら。まだ早いでしょ?」

美希「Zzz…」


律子「こらっ! 起きなさい!」

美希「んん……、撮影開始?」

律子「何寝ぼけてんの。早く支度しなさい」

美希「え?」

人助けしないと時間が巻き戻る奴思い出した

>>189 さっきよりもいい人だっけ? 伊藤英明の

美希「じ、事務所なの……」

律子「シャキッとしなさいよ。今日はCM撮影に、なぜかレッスンは座学、それに2時間ドラマのゲスト出演、クラシックコンサートリポート……。結構忙しいのよ?」

美希「CMってベッドのCMだよね?」

律子「そうよ。言ってたかしら?」

美希「何でもないの。行こう? 渋滞に巻き込まれちゃうよ?」

律子「そうなの? まあ早めに出るに越したことはないか。行きましょ、美希」

美希(予知夢……、だよね……? さっきまでの全部夢だよね……)

10:29

律子「美希の言うとおりだったみたい。後ろの方が詰まってるんだって」

美希「やっぱり……」

律子「暇だしラジオつけようかしら」

美希「あっ、SIOYA SYUNが性転換するって話なの」

律子「なによそれ、ギャグ?」

ラジオ『10時半のニュースです。俳優のSHIOYA SYUNさんが二股交際の末、自分が女になることで丸く収めようと、きょう未明モロッコに旅立ちました』

律子「ホントだ……。あんた予知能力にでも目覚めたの?」

美希「それは秘密なの!!」

美希(もし失敗しても、寝たら全部戻るの! 楽ちんかも!)

律子「あっ、言い忘れてたわ。座学の前にグルメリポートがあるのよ」

美希「グルメリポート?」

律子「そっ、ホントは貴音に来てたんだけど、貴音はすでにラーメンロケがあってね」

美希「美希なの?」

律子「そうね。忙しいと思うけど、普段食べれないような高級食品らしいから期待していいんじゃない?」

11:00

律子「お願いします、ほらっ、美希も」

美希「お願いしますなの!」

スタッフ「うぇっへっへ、こちらこそお願い仕るでござるwww」

美希「やっぱり変な人なの」

律子「思っても言っちゃだめよ」

スタッフ「そ、それじゃあ、案内をするんだな」

11:25

美希「フカフカのベッドなの! 律子も乗ったらいいの」

律子「律子さんって言ってるでしょうが。でもまあ寝心地は良さそうね。貯金も溜まって来たし買い換えてみようかしら」

美希「眠くなっちゃったの……、降りようっと」

律子「あら、てっきり寝ちゃうかと思ったのに」

美希「むー、そこまで美希は寝坊助さんじゃないの」

律子「さいですか」

美希(別に失敗してないし、寝ても無駄なの)

監督「じゃあ撮影入りまーす。美希ちゃーん、寝ちゃってもいいからね~」

美希「はいなのー」

美希(柔らくていい匂いなの。ホント、気持ちいい)

美希「Zzz…」

律子「起きなさ……」

美希「……やってしまったの」

律子「まだ何もやってないわよ。行きましょ」

美希「油断大敵だね」

律子「なんの話よ」

10:00

11:25

律子「気持ちよさそうなベッドね」

美希「でもCMまでは入らないの」

律子「あら、珍しいことも有るのね」

美希「美希だって我慢ぐらいできるの」

律子「どうだか」

監督「じゃあ撮影入りまーす。美希ちゃーん、寝ちゃってもいいからね~」

美希「美希が寝るのはハニーだけなの!」

律子「何言ってんのよ!」

監督「はっはっは、はちみつと寝たいのかい?」

美希「ちが」

律子「そうなんですよ、このこクマのPさんが大好きで大好きで!」

美希「さすがにそれはないと思うな」

律子「だまらっしゃい!!」

11:30

美希「スゥスゥ」

監督「良いね良いね! まさに眠り姫だ! おとめ座の私には……」

律子「はい、そこまで」

美希(美希的にはハニーのキスで起きたいの)

監督「カット! 良いよ良いよ! 素晴らしい出来だよ!」

美希「ふぁーあ、これぐらい余裕なの」

律子「まっ、昼ごはん食べてからが怒涛の仕事ラッシュだからね。この仕事はあんたの得意分野だろうし」

美希「ベッドに入ってたから眠いの、あふぅ」

律子「そうね、車の中なら寝てていいわよ?」

美希「でも頑張って起きているの」

律子「変に張り切ってるわね……」

12:00

美希「リポートは何なの?」

律子「焼肉みたいね」

美希「韓流なの」

律子「まあその関係じゃない? 雪歩とやよいが出たがってたけど、2人は泊りがけで営業しているのよね」

美希「ふーん、みんな大変だね」

律子「先方を待たせるのもあれだし、入りましょうか」

12:15

美希「でもアイドルが焼肉って匂い着いちゃうよね」

律子「ファブリーズ持ってくるの忘れたわ……」

美希「最悪口臭は飴でも舐めたら何とかなるの」

12:30

美希「サンチュで巻くとすっごく美味しいの!!」

D「良いよ良いよ! 美希ちゃん素敵だよ!」

美希「美希も大人になったらお酒と一緒に食べたいな」

D「俺が大人にしてあげ」

律子「あっ、虫が飛んでる(棒)」バシッ

D「あべしっ」

美希「お腹いっぱいなの」

律子「この後にレッスン、しかも座学ってのがね……。寝ちゃだめよ?」

美希「レッスンで寝ることはないの!」

律子「なら良いんだけどね……」

13:00

トレーナー「で、あるからして音楽の三大要素は……」

美希(座学のレッスンって何のことかわからなかったけど、学校の授業と同じなの!!)

美希(しかも美希の席は日当たり良好の絶好のお休みポイント! なのに嬉しく……ない……)

美希(また焼肉食べれるからいっか……)

トレーナー「このリズムはビザンティン王国が……」

律子「勉強になるわね」

美希「Zzz…」


律子「こらっ! 起きなさい!」

美希「あれ? レッスンは終わったの?」

律子「何寝ぼけてんのよ」

美希(やっぱり予知夢……、あれ?)

美希「お腹いっぱいなの……」

律子「何言ってるのよ。今日はグルメロケがあるのよね……。まあ昼からだし何とかなるわね」

美希(も、もしかして予知夢じゃなくて……)

美希「戻ってるの!?」

律子「わっ! いきなり大声出してどうしたのよ」

美希「何でもないの……」

10:00

10:30

美希(SHIOYA SYUNは性転換)

11:00

美希(スタッフは変な人)

11:30

監督「眠り姫だっ」

美希(これじゃあ眠れず姫なの!!)

12:30

美希「サンチュで巻くと美味しいの」

D「あれ? 美希ちゃん調子悪い?」

美希「そ、そんなことないの! 辛くて美味しいね」

美希(うっぷ……、お腹がパンパンなの……)

律子「しんどそうね……」

13:00

トレーナー「で、あるからして音楽の三大要素は……」

美希(何言ってるか分からないの……。ダメ、寝ちゃいそう……、こうなったら、えいっ!)

美希「痛いの!!」

トレーナー「星井さん、どうかしましたか?」

美希「ゴメンナサイ、シャーペンが刺さったの」

トレーナー「大切な話をしているので、寝ないで聞いてくださいね。そしてリズムが独特の奴が……」

美希(痛いけど目がさえてきたの)

14:00

律子「美希あんた大丈夫?」

美希「大丈夫なの……」

律子「もはや満身創痍じゃない。えっと次だけど、2時間ドラマの撮影ね」

美希(ドラマ撮影なら寝なくて済むの!)

律子「まあ大きな役じゃないわ。最初の殺人の被害者の葬式に訪れる、息子の恋人役だから」

美希「美希的にはハニーがいいの」

律子「わがまま言いなさんな。共演者は……、ONOSAKAね」

美希「誰でも興味無いの……、あふぅ」

15:30

美希(美希は2時間ドラマを甘く見ていたの……)

役者「うぐっ……、えぐっ……」

ONOSAKA「うぅ……、親父は何で死ななきゃなんねーんだ!?」

美希「……」

美希(美希、セリフもないし正座してお経を聞くだけ。滅茶苦茶眠いの……)

監督「うーん、ONOSAKA君、今のとこもーちっとこうしたらいいんじゃない?」

ONOSAKA「そっすか?」

監督「じゃあもっかい最初から。アクション!」

和尚「南妙法連……」

美希(ああ、もうだめなの……)

美希「Zzz…」


律子「お」

美希「もう限界なの!!」

律子「うわっ!!」

律子「み、美希……。目が血走ってるわよ……」

美希「律子! 早く行くの!」

律子「律子さ……」

美希「行くったら行くの!!」

律子「はいっ! 美希さん!!」

美希(こうなったら徹底的に睡魔と闘ってやるの!!)


10:30

ラジオ『ヴォオオオオオオオ!!』

律子「ちょ、ヘヴィメタうるさいわよ!」

美希「これぐらいしないと眠くなるの!!」


11:00

スタッフ「どうもww……、え?」

美希「どうしたの、何か珍しいものでもある!?」

律子「スタミナドリンクを一気飲みしながらスタジオに入るアイドルなんて初めて見たわよ……」

11:30

美希「スゥスゥ」

監督「良いね、眠り姫だ!」

律子「あっ、CM撮影はちゃんとするのね」


12:30

美希「焼肉うめーの!!」

律子「おっさんみたいなコメントになってるわよ!!」

D「おうおう! 新発見だぜ!!」

13:00

トレーナー「で、あるからして音楽の三大要素は……」

ザクッ

美希「ぎゃああああ!!」

トレーナー「なんですか星井さん、大声をだ……」

美希「大丈夫なの」ポタポタ

トレーナー「いや、額に剣山が刺さって血が垂れてるけど……」

美希「大丈夫なの」ポタポタ

トレーナー「だから血が」

美希「大丈夫なの」ポタポタ

トレー

美希「大丈夫なの」ポタポタ

美希「大丈夫なの」ポタポタ


15:30

ONOSAKA「うぅ……、親父は何で死ななきゃなんねーんだ!?」

美希「……」

監督「うーん、ONOSAKA君。もっとこうした方が……」

美希「やってられないの!!」

ONOSAKA「ひょ?」

美希「そこの人! 何回こんな簡単な所でつまずいてるの!」

ONOSAKA「え、ええ……」

美希「もういっそ美希が娘役でそこの人が無言の恋人役で良いと思うな!」

律子「あんの馬鹿……。監督、無視してください。少し今日は気が立ってるんです……」

監督「ふむ……、じゃあ君がやってみなさい」

ONOSAKA「ええ!? 俺の役どうするんですか!?」

監督「ああ、アイドルのストーカー役にチェンジね」

ONOSAKA「冗談じゃねえぜ! 俺の役がこんなゆとり娘に……」

美希「あぁ!?」

ONOSAKA「な、なんでもないでしゅ……」

美希「あわあああん!……親父は何で死ななきゃなんないの?」

律子「あわあああんって……。顔は迫真の演技だけど……」

監督「いいねいいね! 君こそその役にふさわしいよ!!」

ONOSAKA「な!?」

律子「今ので良いの……」

監督「あっ、ONOSAKA君まだいたの? 今日は上がっていいよ、うん」

ONOSAKA「チクショー!!」

美希「ぜぇ……、ぜぇ……」

律子「ハードスケジュール組んだこっちも悪いんだけど、いくらなんでもやり過ぎじゃない?」

美希「だ、大丈夫なの……。次はなんだっけ……」

律子「えーと、クラシックコンサートのリポートだけど」

美希(クラシックコンサート? ってことは……)

シャコンヌ

美希(ね、寝ちゃダメなの……。いくら退屈でつまらなくても……)

牧神の午後への前奏曲

美希(弾いている人たちのことを思ったら……)

モルダウ

美希(眠っちゃ失礼な……の……)

美希「Zz」

ダダダダーン!!

美希「うわっ!」

ダダダダーン!!

運命

美希(い、命拾いしたの……)

20:30

美希「お、終わったんだね……」

律子「お疲れ様、美希。なんというか今日はすごい一日だったわね……」

美希「いつも寝すぎてたってことが良く分かったの」

律子「ま、まあ今後は気を付けたらいいんじゃない?」

美希「はぁ……、全部終わったと思うと途端に力が抜けてきたの……。お休み」

律子「こらこら。道端で寝ちゃ……」

美希「Zzz」

美希「Zzz…」

律子「こらっ! 起きなさい!」

美希「え?」

律子「さっさと支度していくわよ。今日は仕事が詰まってるんだから」

美希「う、ウソでしょ……。クラシックコンサートまで終わったよ?」

律子「夢の中じゃね。でもまだ始まったばっかよ? にしても顔色悪いわよ?」

美希「そ、そんなのってないの……」フラッ

>>166
>3人の声優が演じたんです。
長谷優里奈と落合祐里香を別人としてカウント?

>>230 ゼノグラシアってのがあってね

10:00

律子「あ、あんた大丈夫なの……? なんなら今日はキャンセルした方が……」

美希「大丈夫なの……」

律子「ちょっと、そんなふら付いて車道に出たら!!」

美希「え?」

キィィィィィィィ!!

律子「美希ぃ!!」

美希(美希空飛んでるんだ。あはっ、これでようやく眠れる……。誰にも邪魔されないで……)

律子「いやあああああ!!」






??「こらっ! 起きなさい!」

10:00

P「眠れば元に戻ってしまう。それは、永久の眠りさえも例外ではありません」

P「終わることのない毎日を過ごせることが幸か不幸か、それは誰にも分かりませんね」

P「さて、私も眠りにつきましょうか……」


P「眠れば元に戻ってしまう……」


世にも
奇妙な
アイドルマスター

とりあえず美希編お終い。後はどうしましょ……。バイトに16時半ぐらいには行かないといけないんで、もう一つ書くと中途半端に終わって、落ちてしまいそうなんですよね。
個人的にはある程度プロットできたら何らかの形で投下したいなと思ってます。

このスレで他の方も書いてくださればうれしい限りですね。

前にあったSSだけど
やよいの魔法のランプ拾う奴とか世に奇妙にピッタリだと思った

>>241 ランプの人の作品か。あの人の作品上手いよね

世にもの過去作品のダジャレ禁止令ならぬ方言禁止令とか妄想禁止令を考えたけど、展開が難しいや。

割とスレが落ちることに定評あるからなぁ。

じゃあ書けるだけ書いてみる

P「かつて世界は一つの言語でした。しかし、バベルの塔で知られるように、言語はバラバラになりました」

P「同じ国の言葉においても、訛りや独特の方言は有ります」

P「しかし、もしそれが禁止されたら? 言語統制は効果を持つのでしょうか?」


響「はいさーい!」

春香「おはよう、響ちゃん」


雪歩「うう……、失敗しちゃいましたぁ」

響「なんくるないさー!」


響「プロデューサー、かなさんどー!」

P「どう言う意味いだそれ?」

響「ふぅ、本島の人は優しい人ばかりで自分嬉しいぞ。なあ、ハム蔵」

ハム蔵「ぎゅぎゅ」

響「なんだ? テレビを見ろって言ってるのか?」

キャスター『本日政府は、円滑な人間関係形成と、全国民を一つにまとめるため、方言を全面的に禁止することを決定しました』

響「へ?」

響「うちなーヌクトゥバ禁止?」

『方言禁止令』 我那覇響

ニュース『次のニュースです。警視庁は本日、法に反して関西弁を使用していた吉本クリエイティブエージェンシーの全社員を検挙いたしました。これは戦後最大の組織検挙により……』

春香「なんかすごいことになってきましたね」

P「ああ、方言を禁止だなんて、どこの独裁国なんだか」

小鳥「私たちは問題ないんですけど……」

響「はいさ……、おおはようだぞみんな!」

真「お、おはよう響……。まだ慣れてないんだ」

響「もうどうにかしちゃいそうだぞ……」

P「響にとっては大切な故郷の言葉だからな。そんなものを統制して、ホントに価値があるんだか……」

響「じぶ……、じゃなくて私の仕事はなに?」

P「別に自分は方言じゃないぞ」

響「うぅ……、混乱しちゃいそうさー」

P「響!!」

響「え?」

TAKAGI「はいはいはい! 今お国ことばが出ましたねー! さーって言いましたねぇ! 愛ちゃんですか? 福原愛ちゃんですか?」

SATOU「我那覇響さん、あなた何度め? まだ未成年だから口頭注意で済むけど、大人ならとっくに再教育施設行きよ!」

響「うう……」

SATOU「ったく、こんなことで警察使わないでほしいわね。行きましょ、TAKAGI君。また上田が方言を使ったわ」

TAKAGI「あっ、待ってSATOUさん!!」

響「うう……、自分もう限界だぞ」

P「響……」

響「自分知ってるんだ。自分がいるから、今765プロの仕事が減っているって」

春香「そんなことないよ!」

響「春香、気休めは結構だよ。自分がいなくなれば丸く収まるんだから」

P「響、お前……」

響「今までありがとう皆。自分はこれから個人で頑張っていくぞ」

アパート

響「な、なんで家族がいないんだ!? ハム蔵! いぬ美! ワニ子!」

管理人「ああ、ペットたちは処分したよ」

響「ど、どうして!?」

管理人「なんだい、あんたこれを見ていないのかい? 国は動物愛護の観点からも、改革を始めたんだ」

響「ぺ、ペット禁止令……。そ、そんなの横暴だぞ!!」

管理人「あのね、うちのアパートペット禁止なの。いつも苦情来てたんだから。今頃みんな野生で過ごしているよ」

響「ペットじゃない! 自分の家族だぞ!!」

管理人「はいはい、そういうならあんたも出てってくれる?」

響「え?」

管理人「本島以外の人間がいたらこっちまで白い目で見られるんだよ。しっし」

響「自分にはなんも無いぞ……。なあ、ハム蔵」

響「っていないんだったな」

??「なあ、君」

響「へ?」

??「君だよ、こっち来ん……、来いよ」

響「えっと、何の用だ?」

??「君我那覇響ちゃんだろ?」

響「そうだけど……、おじさんは?」

??「僕か? 僕は城島、城島茂だ」

響「ええ!? あのT○KIOの!?」

リーダー「声がでかい! これでも僕追われてるんだから」

響「ど、どうして?」

リーダー「そりゃあ油断して使っちゃたんだよ、関西弁を生放送で」

響「そ、それは災難だな……」

リーダー「方言禁止にペット禁止、おかげで関ジャニやキンキ、相葉は酷い目に……」

響「ジャ○ーズも大変なんだな」

リーダー「だけどね、まだ世界は僕たちを見捨ててないみたいだよ?」

響「それってどういう……」

リーダー「ノックしてもしもーし」

??「合言葉は?」

リーダー「素敵やん」

??「ええで、入れや」

響「し、島田紳介!?」

紳介「なんやリーダー。可愛い子連れてきて。お前もすみにおけんのう」

響「なんでこんな大御所が……」

紳介「ああ、別に挨拶はええで。どっかの03みたいなことは堪忍してや」

響「って方言!?」

紳介「ああ、ここは非合法の方言クラブや。いわば地下組織やな」

響「ち、地下組織……」

リーダー「そうやで。ここはまだバレテへん。いくらでも方言使ってええねんで」

響「ほ、ほんとか!?」

紳介「大丈夫や。俺らまだ捕まってへんしな」

響「は、は、はいさーい!!」

紳介「せや。ここは思いっきり訛っていいんや、方言使ってええんや」

響「ウチナーグチ最高だぞ!」

響(それから自分は、非合法の方言バーで思う存分方言を使ったぞ)

響「クワッチーサビラ(いただきます!)」

響「あっ、765プロのみんなが出てるぞ! チバリヨー!」

響「ニフェーデービル(ありがとうございます)」

響「自分、なんだか輝いてるぞ!」

響(でもそれは長く続かなかったんだ……)

リーダー「大変や!! 警察が来よったで!!」

紳介「なっ!? 長くは続かんのかい!!」

響「ええ!? どうするんだ?」

リーダー「秘密の隠し通路がある! そっから逃げたらええ!」

響「で、でもそんなことしたらリーダーたちが!!」

リーダー「ええんや。こういうのはな、若い子が生き残って、伝えていかなあかんねん」

響「リーダー……」

紳介「はよいけ!!」

響「ニフェーデービル! チバリヨー!!」

リーダー「行きましたね」

紳介「ああ、最後までわけがわからんかったけどな」

響「ぜぇ……、ぜぇ……。ここまでくれば安心か?」

響「やっとできた居場所もなくなっちゃったぞ……。でもみんなのためにも……」

響「じゅ、銃声……? だ、大丈夫だよね? みんな捕まっただけだよね?」


響「し、心配だけど……、やっぱ心配だぞ!!」

響(元いた場所を駆け戻る。さっきまで方言が飛び交っていた店は火の海になり、客のみんなも倒れていた……)

響「う、ウソだぞ……」

野次馬「な、なああれリーダーじゃね?」

野次馬「紳介もいるぜ」

響(野次馬にまぎれて、惨状を目の当たりにする。みんな……、自分のために……)

TAKAGI「もういませんよねー」

SATOU「いたとしても自分からは出てこないわよ。大方とっくに逃げてるでしょ」

響「……」

響「自分、チレたぞ……」

響「自分チレたぞー!!」

SATOU「まだいたの!?」

響「ウチナーグチ使ってヌゥがワッサン!」

TAKAGI「それ以上う使うと撃つぞ!」

響「ウチナーグチ使ってヌゥがワッサン!」

SATOU「構わないわ! 撃って!」

響「ウチナーグチ使ってヌゥがワッサン!」

TAKAGI「静かにしろ!」

響(これでお終いか……)

TAKAGI「わあっ! い、犬!?」

響「い、イヌ美なのか!?」

イヌ美「ワン」

SATOU「こっちにはワニがいる!!」

響「み、みんな……。助けに来てくれたんだな!!」

TAKAGI「これだから動物は!」

SATOU「気にしないで! 標的は彼女よ!」

TAKAGI「発砲するぞ!」

響「カナサンンカイしろ!」

響(良いんだ、自分はもう――)

SATOU「待って、TAKAGI君」

TAKAGI「なんですSATOUさん」

SATOU「たった今、政権が交代したわ……」

TAKAGI「そ、それじゃあ……」

SATOU「新しい総理は、沖縄出身なの。方言禁止令、ペット禁止令は崩壊したわ……」

響「はは……、全部終わったんだな……」

響(闇夜の中に響く方言、元の形に戻っていくぞ……)


小鳥「というお話を妄想しました」

響「扱いが酷いぞ!」

春香「で、オチは?」

小鳥「あると思ってるの?」

春香「最悪だ……。妄想なんかしてないで、仕事してくださいよ」

小鳥「もう、私から妄想を取ったら何も残らな……」

ニュース『たった今、政府は不景気対策として、妄想禁止令を施行し……』

小鳥「え?」



P「あなたは何を禁止されたら困りますか。お酒、タバコ、ゴルフ、それとも・・・お菓子、テレビ?
誰でも禁止されたら困るものがひとつぐらいあるはずです。
しかもそれが、あなた自身の人生までも狂わせるとしたら……」

世にも
奇妙な
アイドルマスター

すみません。最後の最後であんまりなものを見せてしまい、申し訳ございません。非常に難しかったです。
私はバイトに行きますが、どうか皆様お好きに使ってください。
もしかしたら、それが奇妙な世界への入り口なのかもしれないのですから。

うーん、バイト先が遠い+今日は木曜の市なので、帰ってくるのは11時過ぎになると思います。
最後にですが、このような駄文を読んでくださり、ありがとうございました

原作の世にも奇妙な物語のネタで一つ即興で書いてみよう

P「未来は見えないから美しいとは物語でもよく語られる言葉」

P「しかし、その片鱗を仮に見ることが出来たとしたらあなたはどうしますか?」

P「それとも、そんな未来があるはず無いと疑いますか?」



真「同窓会のお知らせかぁ……」

春香「どうしたの真? それ学校のプリント?」

雪歩「真ちゃんの学校でOBの同窓会をやるんだって」

千早「そういえば先月、私の学校でもやってたわね」

春香「へぇー……なんだかそういのっていいなあ」


春香「ねえねえ、私たちの事務所でも同窓会やってみない?」

千早「同窓会を……? どこの学校の同窓会をやるの?」

春香「そういうことじゃないよぉ、いつか……私たちがアイドルを止めて違う道を歩むようになった時に」

春香「今のことを思い出して事務所の皆で集まるの!」

真「へぇ、それいいね。事務所の同窓会かぁ」

雪歩「なんだかとってもステキですぅ」

千早「おあつらえ向きにたるき亭があるものね。その時まで残っているかは分からないけれど」


『未来同窓会』 天海春香

まだ>>1が書く気がある中、未出のキャラクターで書いちゃうのは
俺は嬉しいが…保守がてらってことでいいのか?


P「ただいまっと……どうしたお前ら、何の話で盛り上がってるんだ?」

小鳥「同窓会をしようって話みたいですよー」

伊織「ふーん、アイドルを止めた後にねえ」

律子「何人かはアイドルは止めても芸能活動そのものは続けてそうですね」

あずさ「あらあら~、何年後かによっては再開するのがちょっと怖そうです~」

亜美「何年後ぐらいかな? 20年?」

真美「真美たちそんぐらいしたらべりーべりー美人になってるかもだねー!」

>>304
保守がてらってことで。主人公にしっくりくるのが春香さんだったからさ


響「20年後って、亜美達でさえアラサーだぞ……」

美希「おばさんになったミキとか、想像したくないの」

貴音「時の流れが齎す変化は真面妖な物……私は楽しみと存じますが」

真美「お姫ちんポジティブ!だねぇ~」

P「でもまあ、成長した皆と再開するのは楽しみだな。それに一緒に酒飲めるのってアイドルだと
  あずささんしかいないし」


千早「皆が別れることが前提の話というのは、正直余り気乗りはしないけれどね」

春香「その時はその時でさ。もし離れ離れになっちゃってもまた再開出来る時を用意しておくといいかなって」

やよい「うっうー! ばらばらになっちゃっても、また会える時のことを考えれば頑張れるって感じですね!」

P「まあ、企画するだけならいいんじゃないか? あ、何十年後でも連絡通じるようにはしておく必要があるけどな」

社長「はっはっはっ、何やら愉快そうな話をしているじゃないかね。ぜひ私も加えて貰いたいな」

春香「もちろんですよ! 社長も765プロの仲間だもんげ!」

社長「その頃にはもはやヨボヨボの老人か……思えば長く生きたものだ」

律子「社長はまだまだなんですから、そんな年寄り臭いこと言わないで下さいね?」

小鳥「20年後……20年後……ブツブツ」


──数年後、自宅

春香(明日はIAの授賞式かぁ、今年も受賞出来るかなあ)

春香(あと少し……トップアイドルの夢まで、あと少しなんだ)

春香(……いつか皆と離れ離れになっても、胸を張って再開出来るようになるためにも)

春香(アイドルとして悔いの乗らない結果を残したい……)

春香(そういえば……明日は前に企画した同窓会の日だったよね)

春香(楽しみだなあ……)

春香(……むにゃ)

――事務所


春香「いけないいけない、遅刻しちゃうっ!」

春香「折角大賞も貰ってこれから祝勝パーティだっていうのにー!」

春香「でも珍しいなあ、こういう時ってよくプロデューサーや千早ちゃんが連絡して来るのに」


春香「ぜぇぜぇ……やっと着いた……」

春香「あれ、たるき亭の扉ってこんなに痛んでたんだ」

春香「えっと、ちゃんと時間通りだよね! みんなおまたせー!」ガラッ


中年男「おっ……」

中年女「あら」

老人「ほう!」

春香「えっ」


春香(あ、あれ? たるき亭だったよね、祝勝会)

春香(おじさんとおじいさんとおばさんと……女優さんみたいな綺麗な人がたくさん……)

春香「ま、間違えましたー!?」

中年男「何言ってるんだ春香? ほら、早く席に着けよ」

老人「うむ、主賓の君がいなくては始まらないからな! 遠慮することはない!」

春香「えっ? えっ?」

春香「あ、あの……これって……765プロの祝勝会の……」

女性「何言ってるのよ? あんたアレだけ楽しみにしてたってのに」

女性「今日は765プロの同窓会でしょう、春香。忘れちゃったの?」


春香「もしかして……ち、千早……ちゃん?」


女性「あー、春香のやつ千早の顔も忘れちゃったのかー?」

春香「その喋り方……響ちゃん?」

女性「この様子だと響、あんたの顔も忘れられてるわよ」

響「あがー!? うぅ、ヒドイぞ春香ぁ~」

千早「仕方ないわよ、今や春香と同じく芸能活動を続けている人は少ないもの」

女性「えと、えっと、千早さんと真美と美希さん、真さん……でしたよね!」

千早「私はもう、一介の歌手に過ぎないけれどね」

春香(どういうこと!? 一体どういうことなの!?)


春香(そうだ、カレンダー! 日付日付!)

春香(……2032年……?)

春香(も、もしかして私……タイムスリップしちゃったの!?)

女性「ホントにどうしたのさ春香? あ、もしかして感極まってる?」

春香「あ、えーと……うん、そんなとこかな!」(この人は多分……真かな?)

女性「それにしても春香さん、元気そうで良かったです! 忙しいって聞いて随分心配してたんですよ!」

春香「えへへ、芸能人は気力が資本だからね!」(こっちはきっとやよいで……)

女性「そうそう、兄様がアンタに感謝してたわよ。CMに出てくれたおかげで商品の売上が鰻登りだって」

春香(こっちは伊織……すごい、みんな美人になっちゃってる)


雪歩「……春香ちゃんは変わりないね」

春香「雪歩……」

貴音「勿論外見の話ではありませんよ、春香」

亜美「はるるんは相変わらずのはるるんでしたってことー!」

真美「さっき店に入る時もズッコケそうになってたしねん」

春香「も、もう! 前よりは転ぶ回数も減ったんだからね!」(と、とりあえずここは合わせておこう!)

P「ま、久しぶりに会ってみんな盛り上がるのも分かるが、そろそろ一旦音頭を取ろうか」

春香(……あの男の人、やっぱりプロデューサーさんなんだ)

春香(20年、だよね……もう誰かと結婚したりとか、したのかなあ)


小鳥「わ、私は独身じゃないわよ!? 流石にだって私もう4X(ry」


春香「えっと、それじゃ久しぶりの再開を祝ってー」

一同「かんぱーい!」



春香「それにしても20年かぁ……そ、そういえば芸能界に残ってる皆は今何してるんだっけ?」

千早「……私はさっき言ったわよね? 歌手活動を続けているわ」

真「ボクは役者の方に移っちゃったねー。今はもう難しいけど、昔みたいにお姫様役をまたやりたくなる時があるんだ」

真美「ミキミキと私もそっちよりかな~? 私の方バラエティにも結構出てるけどね→」

美希「真君の言う事、結構分かるかな。若い頃のアイドル時代を思い出すと私も切なくなるし」

春香「そうなんだ……(美希も真美も、もう自分を名前で呼んだりしないんだね)」


春香「そういえば亜美は何でやめちゃったの?」

亜美「ケッコンだよケッコン! んっふっふー、私これでも専業主婦なんですぜ」

響「あっ、その笑い方なんか懐かしいな」

伊織「そういえば雪歩、先月生まれた子供どうしてるの?」

雪歩「しっかり元気にやってるよ、今は旦那様に見て貰ってるの」

社長「うむ……こうして諸君らが所帯を持ったことを目の当たりにすると感慨深いよ。孫が生まれたようだ」

小鳥「社長にとっては皆、自分の娘みたいなものですからね」

春香「皆幸せそうだねぇ……(だ、旦那様にってことは雪歩はまだセーフ……!)」

てす


さるくらってた

春香「他の皆は?」

P「やよいやあずささんも亜美や雪歩と同じく美人の奥さんやってるんだよな」

あずさ「あら、プロデューサーさんってば」

やよい「家族も離れ離れになっちゃいましたけどお正月や夏休みはみんなで集まってるんですよー」

春香(あずささんもやよいもピッタリだな~)

伊織「私はちゃんと跡取りやってるわよ。響はペットショップだっけ」

響「家族が増えたみたいでウチが賑やかさー!」

春香「そうなんだ、私も響ちゃんのお店でペット見繕ってもらおっかなー!」

響「え? えっと……」

春香「?」

千早「……春香のマンションはペット禁止だったでしょう」

春香「あ、そ、そうだったっけ! あははは私ってばつい!」



春香「そうだ、小鳥さんや社長はどうしたんですか?」

社長「今は隠居した身だよ。事務所の方は息子が上手く引っ張ってくれている」

小鳥「わ、私は……」

美希「小鳥はまだピチピチの独身なの!」

小鳥「えっ」

真「ちょっ、美希……」

春香「えっ!? 小鳥さんって今……」

小鳥「ええと、あのその……は、春香ちゃん……」

P「春香、世の中には触れてやらない方がいいこともある」

春香「……小鳥さん、私応援してますからね」

小鳥「ピヨォ……」



春香(その後も20年の時を経て成長した皆と話し合った)

春香(タイムスリップした私はお酒は飲めなかったけど、みんな気にした様子もない)

春香(20年経っても元気そうに、あの時みたいにはしゃいでて)

春香(何だか感慨深くなっちゃった。でも未来を覗いちゃったようになったのは少し勿体なかったなあ……)

春香(でも、何だか引っかかる……何かが……)


プロデューサー「どうした春香、久しぶりにはしゃいで疲れたか?」

春香(……そういえば)

春香(同窓会、だっていうのに私だけ近況のこと、何も聞かれてない)

春香(そういえば始まった時はどうやって言い訳しようか必死で考えてたのに……)



春香(それに……)

春香「……私なら大丈夫だよ! ……た、貴音さんだってほら、何だか静かにしてるし」

貴音「……」

響「た……貴音はこないだ風邪引いてて、その病み上がりさー!」

伊織「そ、そうよ! ちゃんと食べ物には手つけてるし心配しなくても……」

春香「あと、プロデューサーさんも少し静かですよね」

P「……」

春香「……あの、今……何をしてるんですか? プロデューサーさんは」

春香「……それから、私って……今何をしてるんだった、かな」

千早「春香……」



貴音「限界ですね」

真「貴音!」

P「……そうかもしれないな。やっぱりそう上手くは繕えないか」

貴音「急遽の催しだったのです。致し方ないでしょう」

響「けどさ……!」

貴音「春香が蟠りを抱え去るよりは」

貴音「真実を告げ、あの時直接伝えられなかった言葉を伝えるべきだと存じます」




P「ああ」

春香「……プロデューサーさん?」

P「よく聞け春香。この会は同窓会じゃない。……騙して悪かった」

千早「……」

春香「それじゃあ……」

P「春香は……あのIA授賞式の日」

P「祝勝会に向かう途中に、暴走するトラックに突っ込まれ……」

春香「……」

P「だから……降霊会なんだ。これはな」

貴音「……呼び降ろしたのはわたくしです。今になるまで時を要してしまいましたが」

貴音「それでもわたくしは……いえ、わたくし達は」

貴音「春香。あなたと再び相まみえたかった」



春香「それじゃ……タイムスリップしたみたいに感じたのも」

伊織「……あんただけはあの時のままだからよ」

春香「私がマンション暮らしだから動物を飼えないっていうのも」

響「……うん」


春香「そっか……私、死んじゃってたんだ」

春香「だから……」

千早「……春香……ごめんなさい……こんな、あなたに辛い気持ちを……」

P「……提案したのは俺と千早だ。貴音が出来る、って聞いてな」



春香「……っ」

春香「それでもあの時、千早ちゃんはもっと辛かったんだよね」

千早「………」

春香「……ありがとう、プロデューサーさん。千早ちゃん。貴音さん」

春香「今日の同窓会が会ったら、天国に行く前に皆に会うことも叶わなかったんだ」

P「……春香、お前は辛くないのか」

春香「なんだか変に頭がすっきりしちゃいまして。まるで忘れてたことを思い出したみたい」

春香「みんな……今日は……」

やよい「はる゛がざぁ゛ん゛……」

雪歩「ぐすっ……ぐすっ……」

美希「……春香……」ポロポロ

春香「ありがとう……ありがとう、ございます……!」


亜美「……久しぶりなんだから、最後なんだから……一介ぐらいはるるんに悪戯仕掛けたらよかったね」

真美「ひぐっ……はるるん、天国のアイドル界は任せたかんね!」

春香「あはは、任せて! でもあっちにもそんなのがあるのかなあ」


響「大丈夫! 春香ならどこに行っててもなんくるないさー! だから……」

響「あっちに戻ったら、ハム蔵たちにもよろしくお願い。……もしかしたら、自分がいなくて寂しがってるかもしれないからさ」

春香「……そっか。うん、ハム蔵ちゃんたち……ちゃんと探しておくよ」


あずさ「やっぱり年って取りたくないものね。あの時は私が最年長だからってプレッシャーがあったけど……」

あずさ「……今は、年を取った所為で涙もろくなっちゃったかしら……でも、久々に会えて嬉しかったわ」

春香「私も……あずささん、すっかり綺麗になっててびっくりしちゃいましたよ」


伊織「ったく、反省しなさいよね。あんたみたいにバカ明るいのが消えたらどれだけ悪影響与えるのか分かってるの?」

伊織「まあ……その辺は今日で埋め合わせ、したから……特別に。……許してあげるわ」

春香「ありがとう、伊織。……それからごめんね」


雪歩「時々ね……生まれた子供を見ると切なくなっちゃう時があったの」

雪歩「あの子の笑顔で、春香ちゃんの笑顔を思い出しちゃって。でも、もう大丈夫だよ。今日……会えたから……」

春香「赤ちゃん、元気に育つといいね。あっ、私みたいなドジにはならないようにだけど!」


真「あはは……ボクは……月並みな言葉しか思いつかないや、ごめん」

真「ねえ、春香。春香があっちにいっちゃっても、ボクたちのこと覚えててくれるよね?」

春香「もちろんだよ……真。皆のこと、どこに行ったって忘れられる訳ないもん」



やよい「わだじ……春香ざんが、ほんどはまだ、まだいぎて……」

やよい「……ぐすっ……ごめんなざい、最後なのにっ、涙がっ……」

春香「いいんだよ、やよい……私も、大声で泣いちゃいたいぐらいだから……気持ち、分かるから」


美希「私……ミキね、あの時に春香をまだ目指してるんだよ」

美希「アイドルじゃなくなっても、春香の分までキラキラしてみせるって。その気持ち、あの時から変わってない」

春香「向こうで見てるね、美希がどれだけキラキラしてるか。えへへ、ちょっと楽しみ……だな」


律子「全く、みんな好き勝手言っちゃって……ま、それは私も変わらないわね」

律子「それじゃ私も一つだけ勝手なこと言おうかしら。……みんなのこと、見守っててくれる?」

春香「ふふ、言われなくてもそうするつもりだった」



貴音「今宵の宴、あなたと交わす言葉こそ少ないものでしたが」

貴音「心は通じたと……そう信じております、春香」

春香「うん……貴音さんの心、しっかり伝わったよ。ありがとう、呼んでくれて」


千早「ふふ……言いたいこど、殆ど皆に取られてしまったような気がするわ」

千早「会えて……良かった、春香。出来るなら、この後もずっと、生きて……っ」

春香「私もだよ千早ちゃん……私も……」




社長「君のような……未来を照らすような明るさの象徴である若者が志半ばで逝ってしまうなど、余りにも理不尽だと私は思う」

社長「だが、君が残した明るさは。彼女らに、君の後を行くものに受け継がれている。私はそう信じているよ」

春香「そうだと嬉しいですね……ありがとうございます、社長……」


小鳥「独身のフリするのも残酷だったけどね……でも春香ちゃん」

小鳥「今日は特別な日だから、この時だけは私は独り身ってことにしておくわね」

春香「小鳥、さん……?」

小鳥「忘れちゃってるのかしら。授賞式の後に……って私は聞いたわよ」

春香「授賞式の後……」

春香「……!」

小鳥「ほら、行って来なさい」



P「……思い出したみたいだな、春香」

春香「うん。……あの後」

春香「告白したん……ですよね」

春香「トップアイドルになって、私が大人になったら」

春香「……私と結婚して下さいって」

春香「約束、自分から取り付けたのに破っちゃって……ごめんなさい」

P「お前の責任じゃないさ。……なあ春香」

春香「はい」

P「あの日の続き、ちゃんとやり直そうか」

春香「……はい」



P「これ」

春香「指輪……」

P「あの話の後に買ってな。そのままにしてある」

P「春香」

P「……結婚しよう」

春香「はい……こちらこそ……」

春香「よろしくお願いします」


春香「……あはは、夢みたい……だなあ……」

春香「小鳥さん、わざわざごめんなさい」

春香「それからみんな、本当に、本当に……今日はありがとう」

春香「なんだか、目の前が白くなってきた……涙の所為、かなあ」

春香「それじゃ、最後に……えっと。さよならは言わないでおきます」

春香「だって……」



春香「私たちはずっと……でしょう?」



───

P「もしもあなたが、遠い昔にいなくなった人とまた会えるとしたら」

P「その再会の場には何を望みますか?」

P「そして、自分が彼女のように時を超えた同窓会に向かう身となった時は……」




おわり

少し前に伊織主人公の「昨日公園」があったの思い出して作ってみた
しかしこの話自体は覚えてるんだけど映像を思いだせなかった
DVD借りようかなあ

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom