ゆきあつ「め、めんま…?」 (218)

ある、暑い夏の日。
ジリジリと唸る蝉の声にイライラしながら、俺は溜息をついた。
…ああ、そうだ、宿題があったんだっけ。
見かけだけでも『優等生』になりきるため、面倒くさいながらもノートを開く。

ふー…つまらない…。

夏が来るとめんまを思い出す。
めんま…
「わあー、難しそうだねえ」
そういえばめんまに似合いそうな髪飾りあったんだよな…
「案外そんなこともないな。公式を当てはめれば簡単に」
「これってえっくす?えっくす?」
「Xだ………っ……え?」

「?」
「な・・・な・・・っ」

力の抜けた指から落ちたシャーペンが、机を転がってからんと床に落ちる。

俺が振り向いた先に居たのは、考えられもしない・・・考えられもしない、

「め・・・めんま・・・?」
「めんまだよー!びっくりしたあ?」

初恋の女の子だった。


幻だろうか。嘘だろうか。夢だろうか・・・。

カーテンを押して入ってくる風になびくその銀髪の動きの、なんてリアルな事。
青い瞳の瞬くのの、なんて懐かしい事。
首をかしげた時に柔らかく揺れたワンピースの、なんて懐かしい事・・・・・


「ゆきあつ?」
俺の名を呼ぶ少女の声は、あの頃と変わらず可愛らしいままだ…、



落ち着け…。落ち着くんだ。
俺は、宿題の最中だった。今の時期は6月半ば。振り返ったらめんま。めんま。・・・



何故、めんまがここにいる。あの日死んでしまったはずのめんまが。
やはり、幻か。


いや、しかし、幻だとしたら俺の頭が生んでいるに違いない。
俺の目の前にいるめんまは、背は平均よりも低いものの、成長している。おそらく、俺と・・・いや、俺たちと同じ・・・15歳だ。

俺がいつまでも同じポーズのままで、何の反応も示さないから、めんまは飽きてしまったのか、俺の隣に回りこんで来た。そして、教科書をぺらぺらとめくっている。

横目でその姿を確認。

おおー、と呟きながら教科書を見つめるめんまの瞳は、青いガラス玉のようだ。

あの頃と、同じだ。

どんな空の色も海の色も再現出来ない、柔らかでどこまでも透き通るあの、青色と。




・・・幻なのか?
これが?

幼少時のめんましか知らない俺が・・・こんなに、こんなにリアルな動きをするめんまを・・・、思い浮かべることが出来るのか?こんなに、細かな動きまで?

・・・いや、俺ならやりかねないが・・・でも、

「あ、ゆきあつ、シャーペンおちてるー」
「え?」

めんまはしゃがんで、床に転がったシャーペンに手を伸ばす。

「はい、どうぞ!」

「・・・・・・・え、あ」

そして、シャーペンを、

持・・・った・・・?

手のひらに乗せられたシャーペンを静かに握る。
嘘だろ?
確かに、確かにめんまによって渡されたものだ。

「ゆきあつは偉いねえ、勉強ちゃんとしてるし」
「い、いや、・・・当たり前だ、それより」

「めんま、」

「ん?」

強い風にさらりと流れためんまの髪が、めんまの肩を掴もうとした俺の手に触れる。

「・・・・・」

俺が持つめんまに似せたウィッグなんかよりも、よっぽど柔らかくて、サラサラで、


「ゆきあつはずーっとぼーっとしてるねえ?」

甘い香りがしたんだ。

おぉ、期待


涙が出そうになった。

「めんま・・・」

俺は、教科書をめくろうとするめんまの白い手に触れる。
「ん?」
「めんま、なのか」
「めんまだよ?」
「ほんとうに、めんま」
「うん、めんまだよ?」


「・・・・・めんま」
本当は幻でも、夢でも嘘でも何でもよかったんだ。それが俺にとってのめんまなら。

何でもよかったのに、俺の目の前に居るめんまは、嘘じゃなかった。
「・・・ゆきあつ?」

近くに居るからだろうか。
風が吹くたびに微かに漂うめんまの髪の香りが、どうしようもなく俺を冷静ではなくさせた。


「ど・・・どうして泣いてるの?どうしたの?」

おろおろと慌てるめんまの声に、懐かしさがこみ上げる。
俺がこけたときも、そうだったよな、めんま。

そっとめんまのワンピースを掴む。

「勉強しすぎで疲れちゃった?」
ああ、俺はまだまだだな。
ワンピース、こんな生地だったのか。俺が買ったワンピースより、若干薄いんだ。

「あ、おなか減ったんだね!めんまなにか、つくろーか!」

このめんまは幻なんかじゃ、ない。
俺の生んだ幻想でもないし、当然、俺自身でもないのだ。



だってこんな甘くて優しい香りは、めんましか持ってない。

* * *

「おはよう」
「ああ、おはよう鶴見」
「・・・なにかあった?」
「何でだ?」
「・・・なんか嬉しそうよ」
「気のせいじゃないか?」

相変わらず勘の良いやつだ。
鶴見の言ったとおり、俺の機嫌は良かった。そこそこ、じゃない。すこぶる、だ。
こんなに朝から嬉しいのなんて何日ぶりだろうか。
上辺だけじゃない、心のそこから満たされる『喜び』の感情は、随分と久しぶりな気がする。


「一日中期限良かったわね、珍しい」
「そうか?珍しいことでもないだろ」
「そうかしらね。定期テストで98点取ったって嬉しそうにしなかったくせに」
「100点じゃないと満足できない。そうだろ」
「理想が高いのよ、あんた・・・・・・、」
「・・・どうした」

鶴見は目線をわざとらしく避ける訳でもなく、さりげなく顔を横に背けた。
先ほど鶴見が見ていたあたりを見ると、何処と無く見覚えのあるやつが1人。


「誰だっけ、あれ・・・安城か?」
「・・・そうでしょうね。あの癖っけ」
「あー、昔からすごかったよな」
「・・・・・・」

安城は、俺や鶴見の昔の知り合いだ。
今見ると、外見がかなり派手だが・・・昔はそんなでもなかった。むしろ目立たない方だった気がする。
安城は同じく派手な女連中2人と遊んでいるようだ。

「行くか」
「ええ」
別に声をかける必要も無い。



>>5
ありがとう

今では他人も同然だ。
気にする必要は無い。俺たちは会話を交わしながらそれぞれの家へ帰る。


「ただいま」
「おかえりー」
「おかえりーゆきあつー!」
母親の声に重なって聞こえる元気な声に、思わず頬が緩む。


昨日確認したのだが、めんまは母や父には見えないようだ。
やはり幻ではないのか、って?どうやらそんなことはないらしい。
母親が俺の部屋にたずねてきて、ノックを聞いためんまがドアを開けたとき、ドア付近には居ない俺を見て母親が驚いていたからだ。


・・・では、何、なのか?
物に触れられ、俺には見えるが俺の母と父には見えず、しかし確かに居る。

・・・・・・・聞いたところによると、めんまは、幽霊、だそうだ。
そして、めんまが言うには―――

「めんまはね、お願いをかなえて欲しいんだと思う」

「お願い?」

「うん、お願い。でも、皆じゃないと・・・できないの」

「・・・・・・みんな?」

「超平和バスターズ!!」

随分人がいないな・・・。あの花SSは需要がないのだろうか


そのときのめんまの、いい笑顔といったら。
可愛いのだが、可愛くてたまらないのだが――小さな不満を感じる。


母と父に見えないんだ、どうせ俺以外のやつらにも、めんまは見えないんだろう。


「お願いをかなえたら、めんまはどうなるんだ?」
「めんまはねー、多分・・・「消えるのか」
「え?」
「消えるのか、めんま。」

そう聞くと、めんまは少し困ったように眉尻を下げると、
「・・・消えちゃうかも」

と。


めんまが消えることを知っていて、俺がどうしてわざわざ消すだろうか。

めんまに選ばれた身としては申し訳ないが、俺は願いを叶える気が無い。

だって俺は、ずっとめんまを想っていたんだ。
めんまがいなくなってしまっても、ずっとめんまを想っていた。いや、めんましか想えなかった。


こうしてまた会えたのに、また消えてしまうなんて俺は耐えられない。たえられない!


だから、めんま
俺と2人で居よう。

仁太・・・・・・宿海には見えないんだろ?そうなんだろ?

今度は、ライバルなんて居ない。
俺にしか見えないめんまと、俺にしか見てもらえないめんまの間に、誰が入ってこれる。
宿海なんて目じゃない。アイツはめんまが見えないかどうかなんてどころか、外にでてくることも出来ない!!
あいつはもう、遠き日のリーダーだ。

今はリーダーなんかじゃない。
めんまもそんなやつのことなんてもう、好きじゃないよな?

俺は大好きだけどなぁ
みんな魔女の宅急便見て風呂でも入ってるんじゃないかな

「ゆきあつ・・・聞いてる・・・?あのね、だからね、めんまは・・・」
「お願いって、どんなお願いなんだ?」
「え・・・
それがあ、忘れちゃったんだなあ」
「・・・そうか。じゃあ、今何がしたい?」
「今?」
「思いつくことを何でもやろう。それがめんまのお願いかもしれない」
「あ、そっかあ、ゆきあつはあたまいいねー!」
にこにこ笑うめんま。
なんて純粋なんだろう

「めんまお腹すいた・・・かきたまのラーメン食べたいっ!」
幽霊だっていうのに、お腹がすくなんて不思議だ。生まれてはじめてみたが、幽霊とはこんなものなのだろうか。

「そうか、じゃあ作ってくる。」
「やったーー!」

めんまの為なんだからいくらでも作ってやるよ。

だけど、『お願い』はかなえてやらない。
消えることなんて許さない。
めんまに協力するふりをして、結局何もしなければいい。

そうすればめんまは消えない。
俺の思惑も伝わらない。
完璧じゃないか。


ずっと一緒にいよう。

ほほう、ゆきあつルートか…。

なか面白い…、続けたまえ。

>>10
!!そうか…。確かに今、魔女の宅急便か…。そうだよな、
見てくれる人が1人でもいるなら俺はがんばる。


* * *
それから、3日ほどたった。
めんまと暮らす日々はとても幸せだ。

クローゼットの中も見られた時にはあせったが、焦るほどのこともなかった。
「・・・ゆきあつ、これ・・・」
「め・・・めんま!そこは・・・っ!」
「かわいいー!!!」
「!」
「このワンピース、めんまのに似てるねっ!
・・・あー!かみかざりもあるー!」
やはり女の子は、あんなものがあると嬉しいのだろうか。
全部めんまに似合うだろうと思って買ってきたので、喜んでくれるのは嬉しい。
出来れば身につけてみてほしかったが、めんまは眺めるだけで良かったのか、それを髪に飾ることはしなかった。




幸せすぎて怖いというのは、こんなことなんだろう。そんなことを考えながら、適当に相槌を打っていた帰り道。


「・・・聞いてた?」
「え?ああ、ごめん。」
「最近上の空ね・・・」
ふう、と溜息をついて、鶴見は一言だらしない、と加える。
仕方ないじゃないか、最近は楽しくて仕方がないんだ。

本当は走ってでも家に早く帰りたいのだ・・・。
そのとき、前方にニット帽と眼鏡をつけた男を発見した。
やや慌しげに周りを見回すその姿に、自然と口元が吊り上る。

すれ違う直前、俺は大声で笑いたくなるのを堪えて声をかけた。

「よう、宿海」

「・・・!!」
男、宿海は体を一回びくりと震わせて、こちらを見た。

「久しぶりだな」
「・・・・・・」

宿海は何も応えない。
ああ。これか?俺が着てるこの制服。
お前も志願してたもんな。この制服着るの。

「何だよその顔。
嬉しくないか?久しぶりの友達にあってさ」
「ちょっと、集」
鶴見の静止も気にせず、俺は話し続ける。

「ああ、そういや、最近安城のこと見たぜ。お前と同じ高校だよな?」

俯く宿海は、歯軋りをしてることだろう。

「・・・っせえ」
「は?」

悔しそうな表情を浮かべると、宿海はニット帽を手で抑えてそのまま走り去る。

「・・・行っちゃったじゃない」
「そうだな」
「・・・・・・」


ああ、気分は最高だ。
高翌揚。

悔しいだろ、宿海。

なあ、お前にめんまは見えるのか?
どうせ見えないだろ?
会っても見えないだろ?

見えないだろ、めんまを!!

>>12
書き溜めてないから遅いが、すまないな。

ごめん、>>13は高翌翌翌揚じゃなく高翌揚。



家に帰ると、めんまはいつもどおりおかえりと言ってくれた。
母親のおかえりなんて耳に入らない。俺のただいまは、めんまだけに向けられている。

「めんま、今日お菓子買ってきたんだ。チョコ、好きだよな?」
「!!好きー!」
買っておいてよかった。
袋から数種類のチョコを取り出す。
菓子のことはよく分からないが、これだけ買えばどれかひとつはあたるだろう。

「うわあいっぱい!」
「どうだ?好きなのありそうか?」
「うん、ぜーんぶおいしそう!」
「気に入ったのあったら言ってくれ。毎日買ってくる」

良かった。
めんまが喜んでくれた。
嬉しそうにチョコを食べてくれるめんまを見てほっとする。最高に嬉しい。

ぺろりといとも簡単にチョコを食べていくめんまが話し出した。
「ねえゆきあつー、お願いのことなんだけどね」
「ああ、」
お願い、か。
何だろうな。

「めんまね、」

自分の指についたチョコをティッシュで拭き、

「超平和バスターズのみんなに会いたいな!」

めんまは、可愛らしく小首をかしげて言った。


「・・・」

超平和バスターズの皆に会いたい、か。
宿海に会いたい、じゃなかっただけ、良かったか。
・・・いや、それでも、俺にとっては結局、都合の良い願いではないのは変わらない。
どうする。

「めんまね、みんながどうなったか知りたい!」


めんまのことを、・・・俺以外のやつ等にも話すのか?

嫌だ。
めんまが俺のものだけじゃなくなるのは。

「じんたんとかあなるとか・・・。」
嫌だ。

「ゆきあつもおっきくなって、成長してるし!」
嫌だ


でも

「・・・分かった。話してみる。」
「!」

叶えなけりゃいいんだ

「ありがとう、ゆきあつ!」

『お願い』 なんて

嫌われたくないから行動しちゃうけど、消えて欲しくないから叶わない方向に持っていくのか。

あと多分投下中は遠慮してる人もいるんじゃないかな。俺は我慢できずに書き込んじまったが。
とにかく期待

需要が無いなんてとんでもない。ゴキブリの如く書き込みする奴の10倍はROMがいるもんだ


次の日。

俺はめんまにこう告げた。
「みんな、駄目だった」

めんまは目を丸くして、立ち尽くしている。

ワンピースの裾をきゅっと握って、めんまは俺に聞いた。

「・・・じんたんも?」

めんまのその問いに、俺の中の何かが震えた。

なんで宿海なんて気にするんだ。

「ああ。あいつ、俺と話すらしてくれなかった」

話しかけにすら行ってないけどこれでいい。嘘も方便だ。

めんまには確かめる術はないのだ。



「そ・・・っかあ・・・・・」


そう寂しげに呟いためんまの瞳からは、何より綺麗な青い瞳からは、
涙が零れ落ちていた。

「・・・!」

ワンピースを強く握り震えるめんまの手。
めんまは立ったまま、ぼろぼろと涙を流している。
床に落ちるめんまの涙。


めんまが泣いてる姿を見るのが辛くて、辛くて、俺は震える体でめんまの小さな体を抱きしめた。
緊張する。めんまと手を繋いだことはあっても、抱きしめたことなんてなかった。

甘い香り。
細い体。
力を込めたら、壊れてしまうかもしれないと本当に思うくらい、はかない。
宝物を扱うように、こめる力は最小限。そっと。


・・・めんまは抵抗するでもなく受け入れるわけでもなく、めんまは同じくたったまま泣いている。


俺のせいなのに。
自分でこんなことをするなんて、俺は大概酷いやつだと思う。

>>16
!そんな・・・遠慮なんてしなくていいんだのに・・・。ありがとう、がんばる

>>17
良かった…。あまり、あの花SS自体少ないから不安だった



「めんま、泣くなよ」

めんまは答えない。


「・・・俺がいる」

俺の言葉は、めんまのしゃくりあげる声の近くで静かに消える。


どうしようもなくて、めんまの閉じた瞳からもとめどなく溢れる涙を、そっと指先でぬぐった。


静かな空間。
蝉の声と生ぬるい風に、どこか罪悪感を煽らされる。
けれどどうしようもなかった。

もう二度と離れていって欲しくない。
それがどんな我がままだとしても、もうめんまがここに居るのを知ってしまった限りは。

もう二度と離したくない。
・・・あの時は、『離す』だなんてとんでもない、元からとどめる腕も俺のものではなかったけれど。


* * *
俺が部屋に戻ったとき、めんまは寝ていた。
目の周りを赤く腫らしたまま。


指先でめんまの、白銀の綺麗な髪に触れる。
これからどうするか、なんて。
めんまの『お願い』を聞き入れながら、叶えることは避けて、極力俺とずっといっしょに居させたいと思わせるようにして・・・。

これでいいのだろうか。

これで。


良くないかもしれない。でもめんまが消えるのは、めんまが泣くのを目の前で見ることより辛いことなんだ。



携帯のアドレス一覧には、『ぽっぽ』の文字。
一応、あるにはあるが、あまり連絡を取り合ったりはしていない。
『ぽっぽ』宛ての新規メール画面を開くが、結局書くことは何も思い浮かばず、仕方なく保存ボックスに入れておいた。そして俺も寝た。

需要あるよ。期待してる。

相変わらずゆきあつキメェな

朝目覚めると、夜にはいたはずのめんまがいなかった。

焦って、家中を駆け回ると、めんまは玄関に居た。

「おはよう、ゆきあつ」
「めんま!心配したんだぞ・・・!
・・・どこにいくんだ!?」
「めんま、違うお願い見つけたの。」
「違う、お願い?」

めんまはこくりと頷いて、眩しいけれど、どこか寂しさも混じった笑顔を俺に向けた。


「秘密基地に、行きたいな」




ごめんなさい俺・・・眠る・・・。
誰か保守ってくれる人居るかな・・いないかな・・・
もし残ってたら、明日の夜には続きをかく。
でも、誰か他の人が続き書いてくれても構いません。
付き合ってくれてありがとう。


俺のSSスレいつもすぐ落ちるから、なるべく残っていることを願って・・・。

ごめん。

もしこのままで落ちてたらもう一回立ててもいいかな
完結はさせたいんだ

我がままばかりすまない

>>20
ありがとう。良かった。

ん、ここは落ちないんじゃなかったっけか?

まぁ、心配せずともみんな待ってるお。期待してる。

>>23-31
なんかもう、みんなありがとう…。
遅くなるかもしれないが今日もがんばる。



・・・今日は休日だ。めんまに言われたとおり、俺は素直に秘密基地に向かうことにした。
・・・●●に行きたい、という願いは、叶えないようにすることが難しい。
いや、いずれにしても、秘密基地の場所くらいめんまは覚えているだろう。勝手に出て行かれてしまっても困る。
それにあんな辺鄙な場所にあるんだし、超平和バスターズはほぼ解散したも同じだし、秘密基地には誰も居ないだろうと、踏んでいた。


甘かった。



「・・・ゆ、ゆきあつ!?」
「・・・・・・な・・・」
手に持っていたペットボトルが地面に落ちる。
俺の目には、出来れば会いたくなかったうちの1人の姿がうつり、

俺の耳には、歓喜のめんまの声が聞こえる。
「あーっ!ぽっぽおおー!!!」

あの頃と比べると飛躍的に成長し、俺の背も越した大男となった久川を・・・、何故、たった一目で『ぽっぽ』だと分かるんだろう。


「久しぶりだなゆきあつー!!」
こちらに向かってくるぽっぽ、いや、久川。
動揺を隠せない。

「どうしたんだよ、こんなところにまで着て!」

嘘だろ?なんでいるんだよ・・・!
なんでまだこんなところにいるんだよ!
「お前こそ・・・」

「ぽっぽーー!」

めんまは駆け出して、ぽっぽの背中に抱きつく。
ぐらりと揺れるぽっぽの体。

「うお、なんだ?!」
・・・。
やはり、久川にもめんまは見えないらしい。しかし、めんまはそのことを気にせず、嬉しそうにぽっぽの大きな背中に顔をうずめた。

「おっきくなったねえー!」

本当に、嬉しそうだ。

俺はそんな光景を見て、静かに苛立つ。
俺には抱きつかなかった。

・・・いや、こんなこと考えている場合じゃない。

「久川。お前、どうしてこんなところにいるんだよ」
「ん?ああ。俺さ、ここに住んでるっつーかさ・・・」
「住む・・・?」

・・・久川は、自分でバイトして金をため、世界各地に旅行に行ってるらしい。そういえば、よく意味の分からないメールが不定期に届いてたりしたな・・・。

「・・で、日本にいるときはここを住処にしてると」
「ま、そーいうことよ!」
「ぽっぽー!ぽっぽー!」
めんまはずっとぽっぽぽっぽと連呼している。非常に嬉しそうだが、それは見ないふりをした。

「・・・なんか背中が重いなー・・・」
「疲れが溜まってるんじゃないか?」
「そーかもな・・・。
でさ、なんでゆきあつはここに来たんだ?」

・・・どう答えたものか。
めんまはじいっとこちらを見ている。

「・・・あー・・・えっと、」
「あ、もしかして超平和バスターズ、懐かしくなったのか?」
久川は人差し指を立てて、嬉しそうに言う。

――そんな訳あるか
と思っていても、めんまがいる手前、そんなことはいえない。

めんまはそう!そうなの!と、返事をもらえないのに久川に話しかけている。
「・・・・・・そうだな」

「そう、だよな、うん。
なんつーかさ・・・」


少し、元気がなくなったようだ。
久川は黙り、そして。

「あのさ――」

久川はどこか、焦ったように。


「また・・・みんなで集まりたいな」

こう言った。


ドクン。

体の芯が、冷えてくるような熱くなるような不思議な感覚。

ドクン。

鼓動が、ゆっくりと、しかし強く、鳴る。


耳に聞こえる蝉の声が、浮いている。


「・・・みんな?」
『みんな』・・・?

『みんな』って誰だよ。

「お、おお・・・。じんたんとかさ・・・あなるとか、ほら・・・つるこも、・・・みんなで、」


「・・・めんまが、」

「・・・ゆき、あつ・・・?」
めんまの声。
俺にしか聞こえないめんまの声。



ドン、と握り締めたこぶしで思い切り壁を殴った。
めんまが目を丸くして、俺を見ている。

「・・・めんまがいなくて、『みんな』って言えるのかよ!!!」
思った以上に大声だったらしい。

久川は驚き、そしてどこか怯えたような表情で、

「・・・・・・・ごめん」
そう言った。

――嗚呼、くそ。俺の馬鹿野郎。
最悪だ。この展開はまずい。
めんまが会いたがってた仲間達の1人と喧嘩。
それについ最近俺は、めんまに、『超平和バスターズのみんなと会うことは出来ない』と言ったばかりなんだ。微妙な矛盾が、先ほどの会話にあらわれてしまった。そうだ・・・

まず、『久しぶり』はおかしい。めんまに会うのが駄目だった、と俺はめんまに言った。ということは、既に久川には会って、めんまに会うのかどうなのかとかを聞いているはずだ。久しぶりな筈はない。

それに、『皆で集まりたい』というのも変じゃないか?
めんまには会わないのに、めんま以外の皆では会う・・・。
いや、そんなこともないか?でも、


1人で混乱しかけていると、久川が静かに言う。消え入りそうな声。
「そうだ、よな・・・。」







なんか頭混乱してきた・・・矛盾してないよな多分
時系列系は苦手だ

おぉ、続き来てたか
ゆくーりでいいからね

「いや、ごめん、わすれてくれ!そうだよな、めんまも、いないのに」


久川の言葉に返事もしないで、俺はめんまの腕を引っ張って、秘密基地を出た。


「・・・ゆき・・・っ!」

「・・・・・・」

「ゆ・・ゆきあつ!めんまは・・・めんまは、べつに・・・っめんま、いなくたって・・・!
めんまと、めんまと会うの、みんながいやでも・・・、
でも、みんな、・・・みんなで、集まって・・・仲良くしてくれるなら・・・!めんまは・・・!」

声が震えている。
ああ、そうさ。めんまは例え自分の分のアイスがなくたって、皆の分のアイスがあればいいというような、そんな優しい女の子だった。いつでも。いつでも!

「めんまは、みんなにめんまに会うの、嫌って言われて・・・
き、きらわれちゃ、ったかも・・・し、しれないけど・・・でも・・っじんたんとか・・・あなるとか・・・超平和バスターズのみんな、・・・が、仲良くしてくれるなら・・・嬉しい、よ・・・」


今、めんまが泣きそうなのは、俺がめんまの願いを叶えようとしなかったばっかりに現われてしまった『矛盾』のせいだ。
情けない。情けなくて、イライラする。

今俺が怒っているのは、自分の不甲斐無さにたいしてでもあるが、

「・・・俺が、嫌なんだよ!」
めんまが息をのんだ。


「・・・超、平和、バスターズ・・?」
何言ってんだよ・・・。
『超平和バスターズのみんな』って時点で、おかしかったんだよ。

「違う・・・」


めんまがいないなら、それはもう、
「めんまが欠けてて、言えるかよ」

『超平和バスターズ』じゃない!


「超平和バスターズなんて、言えるかよ!!!」


俺は間違っているだろうか。
でもあの頃、俺にとっての『超平和バスターズ』は、めんまがいてこそ成り立っていたようなもんだった。
俺は間違っているだろうか。

めんまがいなくても、『超平和バスターズ』は、『超平和バスターズ』なのだろうか。



「・・・・・・」
それきり、しんと黙ってしまっためんま。
俺は、めんまの細い腕を絶対離さない様に、少し強めに握る。

懐かしい、秘密基地へ続く山道の景色が頭に入ってくるばかりか、逆に俺の苛立ちを加速させる。
あの頃、こんな風にめんまの手を引っ張って秘密基地に戻ったこの道は、あれほどまでにいとおしくて、大切な場所だったのに。





「・・・」

めんまは今、泣いているんだろうか。

振り返れない。


秘密基地から家へと帰るこの俺と、
秘密基地へ向かう子供の頃の俺が、
今、すれ違った気がした。




>>37
ありがとう。遅くてすまない、がんばる



「・・・ゆきあつ、・・・手・・・いたい・・・」

めんまがしゃべったのは、俺の家の前についてからだった。

「あ、・・・悪い」
「・・・・・」
めんまの白い腕には、うっすらと赤い痕。
俺の手の痕だ。

(ずっと消えなけりゃいいのに)

ああ・・・、俺は本当にバカだ。



その日めんまは一日中元気がなく、
おやつも、夕飯さえ、あまり嬉しそうに食べてはいなかった。
いつも寝る時間に、今日は寝ていない。
窓から見える月をずっとひたすら、見つめている。

どうすればいいのだろう。

「ゆきあつ。めんま、散歩いってくるね」

やはり、俺のせいだろうか・・・って、え?

「え、お、おい、めん・・・」

めんまは走って、階段を降り、玄関のドアを開けて外へと出て行ってしまった!

「!めんま!!」

俺も急いで後を追う。

* * *
めんまはあんなに足が速かったのだろうか?
俺が靴をはこうともたついている間に、家の周辺あたりより遠くへ行ってしまったらしい。
くそ・・・!
どこにいったんだ、
めんまは携帯なんてもってないし、普通の人には見えないのだから聞くこともできないし・・・!

「・・・めんま・・!」

とにかく、走った。
検討なんてつかないけど、めんまを無理矢理にでも連れ戻さないと、二度と戻ってこない気がして。




近くのコンビニ。いない。
十字路。いない。
俺のランニングコース・・・。もちろんいない。


そして、息を切らせてやってきた歩道橋。

夜の暗さもものともしない、銀色の髪。

・・・居た!



しかし、俺は階段を上がったものの、めんままで駆け寄らなかった。


信じがたい光景がそこにあった。
信じたくない光景が、そこにあった。



「・・・めんま?」



呟いたその声を、俺はつい最近聞いた。

何故、お前がここにいる。

・・・・・・・宿海・・・!!!



いつのまにか思いきり握り締めていたこぶしが震える。


『・・・めんま?』って、なんだよ。

・・・なんでだよ


「・・・・・え?・・・」

掠れた声によって、宿海の口から零れた。


めんまは動きを止めている。





おい、宿海、嘘だろ。
お前には見えないはずだろう?
お前なんかに見えるはずないだろう!?
なあ・・なんで!なんでお前、めんまが・・・!

めんまが立ってる場所を見てるんだよ!!


なんでだ!?なんで、なんでなんで

(めんまも見てる、宿海を!)

なんでめんまと視線合わせてんだよ・・・?


「みんなは知ってんのかよ、お前がめんま見えるってこと」

「・・・」

都合の悪い質問だ。
ここで肯定すればひとまず落ち着くが、後々の修正が大変になる。
かといって否定するとめんまにいったことが嘘だとばれてしまう。
ああ、いっそ無視してしまおう。
質問を振り切って帰ればいいんだ。

「全員にあったのか、・・・あの、昔のみんなと」

「・・・」
ちらりと横目でめんまをみると、めんまは俯いて震えていた。

「・・・おい!」

答えない。
このまま帰れば、宿海もそれほどしつこく聞いてこないだろう。
この話はこれで終わりだ。
全く、最近はやけに懐かしい連中と顔をあわせるからこまる。しばらくここいらに出ないようにしようか・・・
「・・・っおい、聞け「もーっ!!!」

そのとき、宿海の声を遮ったのはめんまだった。
「「!?」」
俺と宿海が驚いてめんまを見たところ、めんまはきっと俺らを睨んで、まず俺に言った。

「ゆきあつのばか!どうしてじんたんのこと無視するの!!」

「・・・め、めんま・・・?」

「なんで怒ってるの!ゆきあつなんて、ばかばかあほ!」
ぽかぽかと細い腕で俺に殴りかかるめんま。
逆らおうにも逆らえずにいると、ひとしきり殴って満足したのか、(正直ダメージはあまりない)今度は宿海を睨み、そして宿海に向かって走る。

「な・・!?」

どかーん。

タックルだ。
タックルをした。めんまが。宿海に。

いやしかし、めんまは細身だ。宿海にも同じくダメージはないだろうが、運悪く頭を打ったらしくもだえていた。
頭を抱えて倒れる宿海の上にのしかかり、めんまは叫ぶ。
「じんたん!けんかしないでっ!!」
「・・・ってー!なんなんだよお前はー!」
「なんでもないもん、めんまだもん!」
「なんでタックルするんだよ!いてーだろ!」
「じんたんが聞かないからだー!」


・・・ああ・・・。
どうしてだろう。
こんな光景が、無性に懐かしいと共に、にくい。
昔も今も、めんまにとって宿海は大切で、そして俺にとっては昔も今も、宿海が邪魔な存在なのだ。

あの頃の俺は、こんな風に仲良くじゃれあう2人を遠くから見ていた。
・・・こんな気持ちで。

どうして、今になってまたこんな気持ちにならなきゃいけないのだろう。
悔しくて悔しくて、胸の中をかきむしりたくなる気持ちに。

もう二度と経験しないと思っていた。
もう二度と。


めんまと宿海はまだじゃれあっている。





・・・昔の俺は2人が仲良くするのを目の前にして、ただただ時間が早く終われと願うばかりだった。
今の俺は、違う。
違うんだ。




めんまのところまで歩いて、宿海は視界にいれないようにして言う。

「めんま、帰ろう」
「えー」
「帰ろうぜ、もう遅いし。な」
「んー、わかった・・・」

「・・・・・」

じゃあな。
お前が大嫌いだよ、宿海。

「・・・めんま!また・・・っ、い、いつでもいい!あの・・・」

宿海が体制を立て直して、めんまに言った。

「・・・じんたん」
「・・・あの・・・めん・・・・ま・・」
「・・・行こう、めんま」
ぐい、とめんまの腕を引っ張る。


「待ってゆきあつ・・・じんたんが」
「いいよ。大丈夫、行こう。俺があとで聞いとくからさ」
「でも」

めんまはちらちらと振り返りながら、宿海を心配している。
宿海は黙っていた。
もういい。そのまま黙っていろ、俺はイライラしてるんだ。


しかし俺の願いを裏切って宿海は、遠ざかる俺たちにむかって叫ぶ。

「・・・めん「うるさい!お前がめんまなんて呼ぶな!」



お前なんて消えてしまえばいい。

レスできなくてごめん、待っててくれる人ありがとう。遅くて本当にすまない


* * *
「おはよう」
「ああ、おはよう」
今日も暑い。
だんだんと真夏に近づいていくな。


あの夜のあとは、特にさしたることもなかった。
めんまはいつもどおり風呂に入り、いつもどおりの時間に就寝。めんまは変わらない態度だったが、強いて言うなら・・・少し嬉しそうだったかもしれない。
めんまに、『近いうちに宿海にまた会おうな』といったからだろうか。

・・・それが原因なら、気に食わないな。

まあ、宿海に会うだなんて嘘だけど。
3日のうちに宿海への怒りも多少落ち着いた(『めんまが見える』ということに関して)。
・・・よく考えてみれば俺はめんまと一緒に住んでいるのだから、宿海に引けなんて取らないんじゃないか?逆に俺の方が優位だろう。
それに宿海にめんまが見えようが見えまいが、結局のところ会わさなきゃいいんだ。
めんまだって会いたいとは言ってこなかったし。

うん。そうだそうだ。完璧じゃないか俺。



「そろそろ夏休みね」
「そうだな。なんだ、楽しみなのか」
「別に。どうせ何処に行く訳でもないし」
「そうか。
今日の帰り、ちょっと寄りたいところあるんだけどいいか?」
「寄りたいところって・・・また、女物の・・・?」
「そう。」
「全く・・・。誰に貢いでるんだか。」
(そんなの一生分からないだろうよ)

うん。久しぶりに(といっても2週間程度か)めんまに何か買っていこう。
めんまが傍にいる時に買うのといない時に買うのとじゃ、買いやすさが全然変わってくるからな。ああ、めんまにはどんなのが似合うだろう。



放課後。
最早常連となってしまったファンシーショップで、めんまへのプレゼントを選ぶ。
あの長い髪には・・・こんなのも似合う。あ、逆にああいうのも似合うんじゃないか?うん、あとで服も見てみよう。
ああ、やはり毎日見ているとイメージしやすい。


夢中になっている俺に、不意に鶴見が話しかけてきた。
「ねえ、集にもメール来た?」
どこか意味深な問いに、俺は振り返る。
「メール?何の・・・」
「ぽっ・・・・・・、久川くんから。」
「・・・・・・久川・・・?」
「見てないの?」


・・・嫌な予感がする。
今日は一日中、めんまへのプレゼントのことだけを考えていたから・・・携帯なんて気にしていなかったのだ。

急いで携帯を開き、受信ボックスを見ると、2,3通のメールに埋もれていた『久川』の文字。
・・・本文は!?


『7月25日、皆で秘密基地に集合!
なんかしようぜ!
時間は8時から!』


・・・!?
一瞬、思考が停止する。


何故だ!?
この前会って話して・・・皆で集まることを諦めてたじゃないか!
なんでだ・・・なんで・・・!

「どうする?行く?」
「・・・25日って、何かあったか」
「・・・特にないと思うけど・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・別に無理していかなくてもいいんじゃない?私は行くけど」
パタン、と携帯を閉じる。

「みんなっていうのは・・・超平和バスターズのことだよな」


「・・・・・・・そう、じゃないの」

めんまがいないから超平和バスターズじゃないって俺は久川に言ったはずだ。それなのに・・・久
川は・・・。


しかし、これで行かないというと、不自然に思われるかもしれない。
他のやつらは、俺の『超平和バスターズ』のイメージや、それに対する想いを知らないのだ。
久川には勢いあまって吐露してしまったけれど、・・・他のやつらは知らない。


溜息を吐き、考えとくとだけ言ってレジに向かった。
この溜息にどんなに重いものかなんて誰にも分からないのだ。



めんまへのプレゼントを大切に持ちながら、岐路につく。
・・・どうすればいいんだろう。

「みんな、来るのかしらね」
「さあな。でもどうせみんな暇人だろ」


・・・いや、今答えを出さなくても別にいいのだ。ゆっくり考えよう。焦りは禁物だ。


「おーっかーえりーい!ゆきあつー!」
ひょこりと階段から顔をだすめんま。

「あ、めん・・・」
「?なにー?」
「・・・いや、何でもない。ただいま」
咄嗟に背中に隠した袋。
・・・何故か、渡すことが出来なかった。



部屋のカレンダーに目をやると、25日は土曜日だった。というか、明後日だ。
・・・どうしたものか。
もし俺が出かけたら、めんまは一人ぼっちになってしまう。それに内容まで知られたらめんまはまた泣いてしまうかもしれない。



ピンポン!

誰かがやってきた。母は買い物だろうか。出かけていていない。
俺は階段を下がり、扉を開ける。
「おー!ゆきあつ!」

そこには久川と・・・

「・・・よう」
宿海がいた。

思いも寄らない人物に、一瞬言葉につまった。
「何だ。こんな時間に」
「いんや。メール届いたか?って聞きに。みんなの家まわってたらこんな時間になっちまった」
「・・そうか。メールは届いたが」
「暇だったら来いよ!あなるもー、つるこもきてくれるってさ!」
「へえ・・・」
だから何だ?

「・・・それだけか?」
俺は久川の隣の宿海に視線を向けて言う。
「・・・いや、あのさ「めんまも、つれてこいよ」

久川の言葉を遮って、宿海が言った。

「・・・・・は・・・?」

何言ってんだよ・・・こいつは・・・!久川もいるんだぞ!

「・・・25日。めんまもつれて来いよって言ってるんだ」

どうする。
ここは誤魔化した方が得策か。

「何・・言ってんだよ。めんまって・・・本間のことか?お前・・・「誤魔化すな!」

俺をまっすぐ見る宿海に、自身の顔が引きつるのが分かった。

「お前と俺が、めんま見えることはぽっぽにも言った」

時間が止まる。
久川は少し気まずそうにしていた。


なんでだよ・・・!!
馬鹿かこいつは!何故久川にも言いふらすんだ!


「・・・ここにいるんだよな、めんま」
「宿海・・・っおまえ」
スゥ、と宿海が息を吸う。
「おい!めんま!でてこいよ!!」

久川の声が家中に響き渡る。
「やめろ!!」
「めんま!めんま!おい、ぽっぽも!」
「・・・!」
久川は頷き、大きな声でめんまを呼ぶ。
ふざけるな・・!
「めんま!」
「めんま!」
「やめろ!!!やめろおお!!」

「おーっかーえりーい!ゆきあつー!」
ひょこりと階段から顔をだすめんま。

「あ、めん・・・」
「?なにー?」
「・・・いや、何でもない。ただいま」
咄嗟に背中に隠した袋。
・・・何故か、渡すことが出来なかった。



部屋のカレンダーに目をやると、25日は土曜日だった。というか、明後日だ。
・・・どうしたものか。
もし俺が出かけたら、めんまは一人ぼっちになってしまう。それに内容まで知られたらめんまはまた泣いてしまうかもしれない。



ピンポン!

誰かがやってきた。母は買い物だろうか。出かけていていない。
俺は階段を下がり、扉を開ける。
「おー!ゆきあつ!」

そこには久川と・・・

「・・・よう」
宿海がいた。

思いも寄らない人物に、一瞬言葉につまった。
「何だ。こんな時間に」
「いんや。メール届いたか?って聞きに。みんなの家まわってたらこんな時間になっちまった」
「・・そうか。メールは届いたが」
「暇だったら来いよ!あなるもー、つるこもきてくれるってさ!」
「へえ・・・」
だから何だ?

「・・・それだけか?」
俺は久川の隣の宿海に視線を向けて言う。
「・・・いや、あのさ「めんまも、つれてこいよ」

久川の言葉を遮って、宿海が言った。

「・・・・・は・・・?」

何言ってんだよ・・・こいつは・・・!久川もいるんだぞ!

「・・・25日。めんまもつれて来いよって言ってるんだ」

どうする。
ここは誤魔化した方が得策か。

「何・・言ってんだよ。めんまって・・・本間のことか?お前・・・「誤魔化すな!」

俺をまっすぐ見る宿海に、自身の顔が引きつるのが分かった。

「お前と俺が、めんま見えることはぽっぽにも言った」

時間が止まる。
久川は少し気まずそうにしていた。


なんでだよ・・・!!
馬鹿かこいつは!何故久川にも言いふらすんだ!


「・・・ここにいるんだよな、めんま」
「宿海・・・っおまえ」
スゥ、と宿海が息を吸う。
「おい!めんま!でてこいよ!!」

すまん!
>>55>>56は忘れてくれすまない・・・


「おーっかーえりーい!ゆきあつー!」
ひょこりと階段から顔をだすめんま。

「あ、めん・・・」
「?なにー?」
「・・・いや、何でもない。ただいま」
咄嗟に背中に袋を隠した。

丁寧に包装された袋の中には、めんまの為に買ってきたシュシュやアクセサリーや色んなものが入っている。
めんまの為に買ってきたのに。
めんまの姿を見て・・・何故か、渡すことが出来なかった。



部屋のカレンダーに目をやると、25日は土曜日だった。というか、明後日だ。
・・・どうしたものか。
もし俺が出かけたら、めんまは一人ぼっちになってしまう。それに内容まで知られたらめんまはまた泣いてしまうかもしれない。



ピンポン!

誰かがやってきた。母は買い物だろうか。出かけていていない。
俺は階段を下がり、扉を開ける。
「おー!ゆきあつ!」

そこには久川と・・・

「・・・よう」
宿海がいた。

思いも寄らない人物に、一瞬言葉につまった。
「何だ。こんな時間に」
「いんや。メール届いたか?って聞きに。みんなの家まわってたらこんな時間になっちまった」
「・・そうか。メールは届いたが」
「暇だったら来いよ!あなるもー、つるこもきてくれるってさ!」
「へえ・・・」
だから何だ?

「・・・それだけか?」
俺は久川の隣の宿海に視線を向けて言う。
「・・・いや、あのさ「めんまも、つれてこいよ」

久川の言葉を遮って、宿海が言った。

「・・・・・は・・・?」

何言ってんだよ・・・こいつは・・・!久川もいるんだぞ!

「・・・25日。めんまもつれて来いよって言ってるんだ」

どうする。
ここは誤魔化した方が得策か。

「何・・言ってんだよ。めんまって・・・本間のことか?お前・・・「誤魔化すな!」

俺をまっすぐ見る宿海に、自身の顔が引きつるのが分かった。

「お前と俺が、めんま見えることはぽっぽにも言った」

時間が止まる。
久川は少し気まずそうにしていた。


なんでだよ・・・!!
馬鹿かこいつは!何故久川にも言いふらすんだ!


「・・・ここにいるんだよな、めんま」
「宿海・・・っおまえ」
スゥ、と宿海が息を吸う。
「おい!めんま!でてこいよ!!」


宿海の声が家中に響き渡る。
「やめろ!!」
「めんま!めんま!おい、ぽっぽも!」
「・・・!」
久川は頷き、大きな声でめんまを呼ぶ。
「めっ・・・めんまー!俺だああ!ぽっぽだーーあ!」
ふざけるな・・!
「めんま!」
「めんま!」
「やめろ!!!やめろおお!!」


「やめない!
めんまを隠すなよ!そんなの・・・めんまのためになんねーよ!」

うるさい!お前に何が分かるんだ!

「皆にも言ったんだ!皆信じてくれた!皆めんまを受け入れてくれる!」

・・・皆にもだと!?
こいつ!!!

「・・・うるせえ!」
なんでだなんでだなんでだ!
めんま!めんまが!!

「ふざけるなよ!!!宿海!」

めんまが俺だけのものじゃ無くなってしまう!!




「・・・じんたん?」

(やった~~あ~~っ!
みんなが協力してくれるんだ!みんながいるなら、ぜったいかなうよ!めんまのお願い、ぜったいかなう!
だって、だってね!『超平和バスターズ』のみんながいないとかなわないものなんだって、それだけはぼんやり分かってるんだから!)

なんてことをルンルンと考えながら家に帰ってみると、ゆきあつはもう部屋に居た。

「おかえり!ただいま!」
「おかえり、めんま。」

あ・・・そうだ、ゆきあつにも話したほうがいいよね?
こんな嬉しいことめったにないよっ!めんま浮かれちゃう!

「なんだ、めんまご機嫌だな」
「ゆきあつ、あなるとつるこもね、手伝ってくれるって!」
「・・・?何の話だ?」
「めんまのお願い!つるこがね、言ってくれたの!また皆であつまろうって!」

ゆきあつの表情が、凍りついた。
言ってはいけないことだったのかな。
でも、超平和バスターズには、かくしごとはなし、だから・・・。

「ゆ・・・ゆきあつ・・・」
「めんま、ごめん。ちょっと出てくる」
「う、うん・・・いってらっしゃーい・・・」

あわわ・・・・ゆきあつは携帯電話を握って、部屋から出て行ってしまった。
* * * 
つるこが言ってた、ってどういうことだ。めんまは俺と、宿海以外と話せないハズだ。
・・・悩むことなんて何もない。答えは簡単だ。通訳の出来る宿海が、鶴見とめんまと一緒に居たってことだろう。しかし、何故宿海がめんまと、鶴見と一緒に居る。偶然会ったか?宿海が町に繰り出して、偶然そこで3人が?・・・宿海の家の近くの商店街に、わざわざ鶴見が立ち寄るか・・・?そういや今日、鶴見は学校に来てなかったな。・・・そうだ、・・・まだ3人だけとは決まってないぞ、もしかして俺を除く5人で集まってたのかもしれない、そうなると誰かが集まるよう連絡したのか?
めんまは帰ってくるなり言い出したんだ、さっきのことを・・・。だから、今日の・・ほんのさっきまでの出来事だったのかもしれない。

アドレスからすばやく鶴見の文字を探し出し、発信。
2コールの後、電話はつながった。

「もしもし、鶴見か」
「もしもし。・・・何か用?」
「お前・・っ!めんまに、何、吹きこんだ。」
「・・・ああ、めんまに聞いたのね。」

淡々としている鶴見の声が頭に来る。怒りを抑えて、なるべく冷静な風を装うが、声は震えて喉から出てきた。


「どういうことだ・・・?また集まるって・・・何のつもりだ」

超平和バスターズで集まった日、どう考えたって俺とめんまが抜けた後の空気は最悪だったはず。残りの4人で、壊滅的な空気を持ち直して、また超平和バスターズで集まろうって話になったのか?帰り際、宿海は完全にへしおったはず。あの後の宿海が、残り3人を励ますことや、また集まろうなんて提案することを想像できない。
かといって他の誰か・・・例えば鉄道がそれを言うかと思えば、可能性は低いだろう。意外とあいつは空気を読む方なんだよ。俺がめんまを秘密基地へ連れて行ったとき、安易にまた集まりたいだなんて言った鉄道に俺が怒りを抑えられなかったことがあった。あの後の鉄道の態度で分かる。
安城も無い。他人の目を伺いすぎるんだ、あいつは。だから自分から何かを働きかけることに関しては躊躇しがちだ。特に、あんな空気の時に、気丈に振舞えるほどあいつは強くないと思う。
だが鶴見なら・・・。どうだ?
いつからそうなったのか分からないが、鶴見は思ったことをキッパリ、それがどんな状況であっても口に出す所がある。鶴見がまた、こんなのにめげてないでまた集まろうなんて言った可能性は高い。つまり、今日めんまと宿海と、ひょっとしたらあとの2人も交えて集まって――、めんまに、『お願いの件で協力する』と伝えたのは、鶴見の提案あってこそだ。

「言葉の通りよ。私と安城さんも手伝うわ。めんまには叶えてほしい『お願い』があるんでしょ?」
「・・・っ!」

それは俺とぽっぽと宿海しか知らないはずじゃ・・・!?
・・・クソッ・・・!あいつら、話しやがったな!!
・・・・・・宿海か・・・?

「どうしてそういう大事なこと、あの集まった日に言ってくれなかったの」
「ハン・・・大事?・・・どうせ宿海が話したんだろ?じゃあいいじゃないか」

知られてるなら今更隠しようも無い。半分開き直る俺に向かってなのかは知らないが、鶴見ははあ、と薄く溜息をついて、続けた。

「あなたも知らないのよね?『お願い』の、内容」
「ああ、知らない」
「皆協力してくれるって言ってたわ。今度、集まりましょう」
「やけに行動的じゃないか?珍しい」
「めんまの為に何かしたいだけよ」
「・・・」

『めんまの為に』。
その言葉が俺の心に突き刺さった。
めんまがきいたらさぞかし喜ぶことだろう。
俺だけなのだ。邪な感情で、めんまのお願いの内容を知りたがるのは。
携帯を握る手に力がこもる。何も言い出せずにいると、鶴見が言う。

「じゃあ、日取りは追って連絡するから」

またね、と電話を切られそうになった時、はっとして聞いた。

「・・・今、宿海、そこにいるのか」
「・・・いるけど。代わらないわよ」

カチンと来る。なんだその物言いは。

「何でだよ」
「・・・何となく、どうなるか分かるから」

どうなるか分かる、ねえ。

「そんなに俺はわかりやすいか?鶴見」
「普段はどうでしょうね。でもめんま絡みのあんたの思考パターンなんて単純よ」
「・・・へえ・・・」

ギリ、と奥歯を噛みたくなる。この不満を宿海にぶつけてやろうとそう思ったのに。
今あいつらはどこにいるんだ?予想通り宿海は、鶴見と一緒にいるが・・・。
・・・周りの騒音は聞こえない。しいて言うなら、遠くセミの音が聞こえる。ファーストフード店や街中や公園なんかじゃありえない静かさ。となると、鶴見たちがいる場所は・・・静かな屋内だ。例えるなら、図書館や、誰かの家・・・。


「他には誰かいるのか」
「・・・?居ないけど?」

なるほど。集まったのは5人ではないようだ。だとしたら、鶴見、宿海、めんまの3人で集まってたってことだよな・・・。
何故そのメンバーで集まる?
そもそもどうしてめんまが・・・。俺と宿海しかめんまとコミュニケーションを取れないのだから、めんまは宿海に呼び出されたとしか思えない。
今日たまたまか・・・?

日取りは追って連絡するってことは、まだしっかり予定は決まってないんだな。超平和バスターズで集まった日からこんなに時間がたってもまだ日取りが決まってないってことは、この3週間近くは計画を立ててない、つまり・・・そもそも、俺とめんまが帰った後、誰も超平和バスターズで集まろうとは提案していなかったが、めんまのお願いのことは聞いていて、つい最近になって鶴見と安城は協力する気になった・・・ってトコか・・・?
・・・どういうつもりだ・・・?分からない・・・。俺には、俺とめんまが帰った後の、秘密基地での4人の状況も、何もかも分からない。

めんまをどうやって宿海は呼び出したんだろう。
電話がかかってきたなら、リビングにあるんだから母が出るだろうし、その後母が俺に伝えるだろう。
直接家に向かって、母でなくめんまが出てくる可能性に賭けた・・・なんてやり方が雑すぎる。
だとしたら・・・めんまが、自分から宿海のところへ・・・?

「じゃあね。一緒にめんまのお願い叶える為にがんばりましょ」

クソ。
厄介なことになった!
『お願い』叶えるなんて、どうして容易に言えるんだ!?
こいつらはめんまが消えたっていいと思ってる!
めんまは消させない!ずっと俺と一緒に居るんだ!
でも――…!
障害が、多すぎる…。

あの日宿海にさえ出会ってなけりゃ、こんなことには!


また、集まるのかよ・・・・・・。
どうしたら・・・!



こうなったら、安城と共同戦線を張る他ないか・・?
いや・・・鶴見と安城とで何か企んでそうだな・・・。
くそっ・・・くそ・・・!どうして、俺とめんまをそのまま平穏に暮らさせてくれないんだ!


めんまのこと好きだけどどうあがいてもめんまへの愛情でゆきあつに勝てない
見てるから頑張れー

これは面白い
ガンバ

>>204
本当ですよね。めんまの死を忘れられないでいる超平和バスターズの中でも、ゆきあつは一際忘れられずにいますよね。 そんなに好きなのに、めんまを手に入れることは出来ないなんてもう、本当に可哀想でなりません。 がんばります!ありがとうございます!
>>205>>206
ありがとうございます、大したものをかけるようになりたいです。


(めんまの日記帳・・・)
「・・・もしかして、じんたん、これ、届けてくれたの?」
「おお・・・。お前、忘れてったから、な」

ぽりぽり頬をかきながら、じんたんは少し目線を逸らして言う。えへへ!じんたんやさしーな・・・。

「ありがとうっ!めんま取りに行こうと思ってたんだー!」

ゆきあつから日記帳を受け取って、うでのなかで抱きしめる。 懐かしいなあ。むかしのめんま、これを毎日書いてたっけ。日記の中の1日1日を、ぜんぶ思い出せそうだよ。少し古くなってる日記帳の表紙。なつかしいサイズ。

「おう・・・」

じんたんが言ったのは、それだけ。 しーん。 な、なんだろう・・。このふんいき! ゆきあつとじんたん、なんだか表情が固いよ?少なくとも、さっきまで仲良くお話してた!とかじゃ・・・ないのかも・・・。
・・・2人は、今までもよく、喧嘩してた。・・・2人の間に、なにか、すごくきょりがあるようなきがする・・・。

「・・・・・・・じゃ、それだけだから」

えっ!あ、帰っちゃだめえ!くるりと後ろを向いて帰ろうとしたじんたん!めんまは急いで引き止める!

「!じんたん!待って待ってえ!」
「んなっ・・・」

シャツのすそを思いっきり引っ張ると、じんたんはちょっと体勢を崩してのけぞった!そのままめんまは言う!

「ほーこくがありますっ!じんたん刑事!」
「で、デカってなんだよ・・・」

体勢を持ち直して、じんたんはすそを気にするように、めんまの手を払った。
ゆきあつのことを気にしたのかな?じんたんは不満そうな顔で、めんまの後ろに目を向けた。
そんな早く帰っちゃやだよー・・・。

「はい!えっと、昨日の『シャーペンかけなかったよ事件』を報告しようと思ったのです!」
「は、はあ・・・」
「ゆきあつ刑事、時間はありますかっ!?ゆきあつ刑事にも知らせたいとおもって!」
「あ・・・ああ」

・・・ふたりとももっと楽しそうにしてくんなきゃやだよう・・・。

「・・・あのねー、昨日なんだけどね!ゆきあつのシャーペン借りてね、ちょっとかこうとしたの!・・・・・・んー、何か書くものなあい?」

そういうと、ゆきあつはすかさずカバンからペンケースを取り出して、シャーペンを貸してくれた。ありがと!
どうしたら信じてもらえるかな?やっぱ書いてみるのが一番だよね?

「まっててねえ・・・ほら、」

めんまは日記帳を後ろから開いて、何もかかれてないページに、シャーペンで何か書いてみることにした!
ゆきあつとじんたんが、めんまの手元をのぞきこんでいる。あっ。2人とも同じようなタイミングでめんまの日記を見た。なんか、嬉しいかも!
・・・・・えーと、こうして・・・


・・・あれ・・・?

「あのね、こんなふう・・・・・に、・・・・・・あれえ?」
「なにやってんだよ、お前は・・・」

ノートのはじには『め』とちゃんときるされてある。めんまって、書きたかったんだけど、・・・かけちゃった。あれ?

「し、しん?でも昨日もでてたし・・・」

ペンを使って紙に何か書こうとしたんだから、紙に書けるなんてあたりまえなんだけど、でも、でもちがうんだもん!えー?だってちょっとも、跡が残らなかったんだよ、きのうは!しんもこーしてでてたし、えっと、えっと。 焦るめんまに、じんたんはあきれたように声を出した。

「・・・かけてるじゃねえか」
「・・・ねー?」
「ねーじゃねえよ・・・」
「・・・そういうこともあるだろ、あんまりめんまを責めるなよ」
「・・・そういうこと、って・・・なんだよ・・・てか責めてねーし・・・」

えっ、い、言い合ってる!ややややめてやめてっ!

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