妹「お兄ちゃんが寝てるすきに財布から1万円借りちゃおっと」(190)

妹「明日返すからいいよね」

兄「そろそろ妹の小遣いピンチだろうから、一万余計に入れとくか」

兄「普通に貸してくれって言ったら貸してやるのに。面倒な奴め」

コンコン

妹「お兄ちゃん、お風呂空いた」ガチャ

兄「おう。早速可愛いお前の残り湯を堪能してくるわ」

妹「ば、ばか! シスコンっ!」バタンッ

兄「さて、と。このラックを上に財布置いとけば目立つだろ」ポン

兄「さーて風呂風呂っと」

って言う妹を性的な目で見ないが甘々な兄のSSが最近減った気がするンだ

妹「……」ソロー

妹(あ、明日返すから良いよね?)ゴソゴソ

妹「……」ピラッ

―風呂場―

兄「こ、これはさっきまで妹がはいていたパンツ……っ」

兄「ちゃんと洗濯機に入れず放置するとは……」ゴクリ

兄「なーんてな」

兄「バカやってないで洗濯籠に入れといてやるか。親父や俺の下着と一緒に洗うの嫌だろうし」ポイッ

兄「うー……」ブルブル

兄「春先とはいえまだ寒いな……早く暖まろう」

―風呂―

兄(さて……30分は出ない方が良いだろうな)

兄(長湯は疲れるし、念入りに身体洗って時間潰すか)バシャ

―――
――


兄「ふいー。少しのぼせた……」フラフラ

妹「あ、お兄ちゃん……」

兄「ん? まだ寝ないのか?」

妹「う、うん。そうだ、牛乳飲む?」

兄「飲む飲む」

妹「じゃあ、用意するね」タタタ

兄「……」

兄(罪悪感あるならやらなきゃ良いのに)

妹「はい」コトッ

兄「ありがとな」ゴクゴク

妹「うん……」

兄「…………」

兄(うーむ)

妹「……」

兄「なあ妹、相談あるんだけど良いか?」

妹「え? う、うん」

兄「じゃあ髪乾かしたら部屋行って良い……」

兄「あ、いや。呼びに行くから俺の部屋に来てくれ」

妹「な、なんでお兄ちゃんの部屋?」

兄「俺が妹の部屋に入るの嫌だろ?」

妹「い、いいよ。私の部屋で」

兄「そか。じゃ髪乾かしたら行くわ」

―――
――


コンコン

兄「起きてるか?」

妹「あ、お兄ちゃん。開けるから待って」ガチャ

兄「入って良いか?」

妹「うん」

兄「妹の部屋に入るの久し振りだな。お兄ちゃんちょっと感動してるよ」キョロキョロ

妹「あまり部屋をジロジロ見ないでよっ」

兄「おお、すまん。可愛い妹のプライベートルームだと思うと興奮してな!」

妹「……変態」

兄「ひどいっ」ヨヨヨ

妹「それで、私に相談って?」

兄「ああ、それがな……」

兄「……」

妹「お兄ちゃん?」

兄「あ、悪い。ちょっと興奮し過ぎたのかな」ハハハ

妹「もうっ」

兄「ははは。悪かった、冗談だって」

兄「で、相談なんだけどな。お前くらいの年頃の子にプレゼントあげるとしたら、どんなのが喜ばれるかな」

妹「うぇえ!? お兄ちゃんがプレゼントっ?」

兄「用意するのは友人だよ。妹と同じ年頃の子と付き合ってる奴から、ちょっと相談受けててな」

兄(ウソだけど)

妹「そ、そうなんだ……」

兄「でだ。例えばお前なら、どんな物貰えば嬉しかったりする?」

妹「そうだなぁ……」ウーン

妹「一緒に服見に行って、一緒に選んだ服だったら嬉しい……かな」

兄「ほー。買ってからあげるんじゃ駄目なのか?」

妹「好みやサイズもあるから基本NGだよ。それに、サイズは見栄張る子も居るし」

兄「そういう物なのか。じゃあ、どんなブランドとかが良いかも教えてくれよ」

妹「私の趣味で良い?」

兄「ああ。構わないぞ」

妹「じゃあ……えーっね……」

―――
――


兄「お、もうこんな時間か」

妹「ほんとだ。もう寝ないと」

兄「参考になったよ。ありがとな」

妹「ううん。役に立ったなら嬉しいよ」

兄「うんうん。やっぱり素直な妹が一番可愛いな!」

妹「ば……ばかっ。からかわないでよ!」

兄「怒った顔も可愛いぞ。じゃあ、おやすみ」ガチャ

妹「むうう……。おやすみ、お兄ちゃん」

兄「そうだ。お前も悩みがあったら相談してくれよ」

妹「え?」

兄「俺は何時だって妹の味方だからな」

パタン

妹「…………うん」

―兄自室―

兄「さて、妹から聞いたブランドをネットで調べてみるか……」カタカタカタ

兄「……うへぇ」カタ…

兄「こんなちっさいバッグで2万、こっちの服は……5、5万!?」

兄「うわぁ……知らない世界過ぎて引くわぁ……」

兄「小物もたけぇ。なんだこれ」

兄「お、この服は前に妹が着てた奴だな。えーっと、価格は……セールで7千円か」

兄「確かにこんな物買ってりゃ、小遣いなんて直ぐに無くなるよなぁ」

兄「どうしたモノか……」

兄「妹に発破掛けて成績伸ばして小遣い上げて貰うか?」

兄「でもなぁ。小遣い少し上がったくらいじゃ、焼け石に水って価格の物ばかりだったし……」

兄「かと言って、何時までも俺の財布から抜き取らせるのも駄目だよなぁ」

兄「欲しい物買う為に援交なんてし始めたら俺のハートが危ない。早めに手を打たないと……」

兄「うむむ……」

―翌日―

「妹、もう春の新作買った?」

妹「ううん。今日帰りに見てこうかなって」

「そうなんだ。じゃあ私も見に行こうかな」

妹「うん、良いよっ」

「じゃあ服見たらカラオケ寄ってこうよっ」

妹「うんうん。寄ってこ!」

「はぁー。早くガッコおわんないかなぁ……」

妹「ははは……」

妹(……なにやってんだろ、私)

―――
――


妹「ただいまぁ……」

母「お帰りなさい。遅かったわね」

妹「うん。友達とちょっと遊んで来た」

母「もう……程々にしなさいよ」

妹「はーい。そうだ、お母さん」

母「なあに?」

妹「明日、お小遣いの日だよね? 一日早いけど、貰えない……かな?」

母「ええ。構わないわよ」

妹「ありがと、お母さん」

妹(良かったぁ……)

兄「妹が帰って来たか」

兄「さて、今日はどう部屋を開けようかな……」

兄「……よし」

―リビング―

兄「お、帰ってたのか」

妹「うん、ただいま。出掛けるの?」

兄「ああ。ちょっとスーパーに飲み物と夜食買いにな」

妹「そ、そうなんだ」

兄「じゃあ行って来ます」

妹「ん、行ってらっしゃい」

母「夕飯前には帰るのよー」

兄「あーい」

―スーパー―

兄「もう良いかな」ピッ

プルルルル

妹『お兄ちゃん? どうかしたの?』

兄「おー、妹。財布忘れたから、悪いけど持って来てくれないか?」

妹『ふふ。財布忘れるなんてらしく無いじゃない』

兄「好きなお菓子奢るから。な、頼む!」

妹『うん、いいよ。財布どこに置いたの?』

兄「多分制服の上着に入ってる。ありがとな、妹」

妹『ううん。直ぐ行くから待っててね。おかーさーんっ、ちょっとお兄ちゃん迎えに行ってくるーっ』

兄「はは、迎えにか」

妹『それじゃ、あとでねっ』

兄「おう」プツッ

兄「これでよし、と」

妹「ええっと制服は……あった」


妹「財布は……これね」

妹「さっき貰ったお小遣いからお金戻しとかないと」ゴソゴソ

妹「……」

妹「ごめんなさい、お兄ちゃん……」

―スーパー―

妹「お待たせー」

兄「おー、早かったな」

妹「うん。少し走った」

兄「うへへ。お兄ちゃんを待たせないと頑張ってくれたんだな。可愛い奴め」ナデナデ

妹「きもい笑い方すんな! あ、はい財布」スッ

兄「さんきゅ。そういや見ない服着てるな」

妹「う、うん……今日友達とお店行って、安かったから買っちゃった」

兄「似合うじゃん。可愛いぞ」

妹「だから、からかわないでよぉ」

兄「照れる妹も可愛いなぁ!」

妹「もうっ」

―帰路―

兄「アイス一個で良かったのか?」

妹「うん。ありがとね、お兄ちゃん」

兄「今日はやけに優しいな。財布も直ぐ持って来てくれたし」

妹「そ、そんな事無いよ?」

兄「優しい妹は大好きだぞ」ナデナデ

妹「むうぅ……また子供扱いしてぇ」

兄「もちろん普段の妹も大好きだけどな!」

妹「恥ずかしい事言うなぁっ」カアッ

兄「ふひひ。可愛い可愛い」ナデナデ

妹「ううーっ」

兄(財布にお金は戻ってた)

兄(けど、足りなくなったらまた来るんだろうな)

兄(なんとか出来ないモノか……)

妹「お兄ちゃん?」

兄「お?」

妹「ぼおっとしてた」

兄「はは、悪い悪い。どうしたら自然に妹と手を繋げるか考えてたんだ」

妹「うわぁ……兄妹で何考えてるのよ」

兄「なにしろ俺は妹が大好きだからな!」

妹「……」

妹「……ん」ギュ

兄「!?」

妹「手、繋ぎたいんでしょ?」

兄「あ、ああ! 嬉しいよ、妹」ギュッ

―――
――


兄「あれは罪悪感からの行動だよなぁ……」

兄「変にプレッシャー与えちゃったか。反省しないと」

兄「……せっかく手を握ってくれたんだし、今日はオナ禁だな」

―妹自室―

妹「ううーっ」ジタバタ

妹「なんでお兄ちゃんと手繋いだんだろ……」ジタバタジタバタ

妹「中学生にもなって恥ずかしい……っ」ゴロゴロ

妹「誰かに見られてたらやだなぁ……」ジタバタ

ごめん、ちょっとコーヒー飲む

―翌日―

「あ、妹!」

妹「おはよ。どうしたの?」

「昨日一緒に居た人カレシ?」

妹「うぇえ!?」

「偶然見かけちゃてさぁ。何か良い雰囲気で手繋いでたから、声掛けそびれたんだよね」

妹「あ、あの人は……その……」

「あの人? え、カレシじゃないの?」

妹「ううぅ……うん」

「じゃあ誰? まさか、パパとか?」

妹「ち、違うよ!」

「良かったぁ……。妹お金に困ってる感じして無かったから、一瞬援交やってるんじゃないかって思っちゃったよ」

妹「え……」

「でさでさ。結局昨日のあの人、誰なのよ?」

妹「え、えっと……」

「誰よ誰よー?」

妹「お……お兄ちゃん……」

「ええーっ!?」

「な、なに、兄妹で手繋いで歩いてるの?」

妹「それは……」

「もしかして妹の兄貴ってシスコン? ヤバくない?」

妹「!?」

「見た感じ、高校生か大学生だよね? それが中学生の妹と手繋いで歩くなんて……」

「オニヤバいよ。絶対シスコンだって! ちょっと変態っぽかったし!」

妹「…………」ググッ

「……妹?」

妹「お兄ちゃんは……」

妹「お兄ちゃんは、確かにシスコンっぽいとこあるけど、変態でもヤバい人でもないよ!」

「ちょ、ちょっと、どうしたの? 冗談になにマジになってるのよ」

妹「……ご、ごめん」

「…………」

妹「…………」

―――
――


「兄! 帰りゲーセン寄ってかね?」

兄「お、良いな。久し振りに堕落天使で対戦しようぜ」

「ふっふっふー、俺のハイジに勝てると思ってるのか?」

兄「なにおう? 俺のロッシでギッタギタにしてやんよ!」

デロリンッ

兄「お、妹からメールだ」

『今日、一緒に帰りたい』

兄「……随分とシンプルな」

「どしたん?」

兄「悪い、予定出来たからゲーセンは今度にしてくれ!」

「おけー。じゃまた今度だな」

兄「悪いな。じゃ、先帰るわ」タタタッ

―校門―

兄「あれ、妹……」

妹「……」

兄「なんだ。わざわざこっちまで来てくれてたのか」

妹「うん……」

兄「珍しいな、一緒に帰ろうだなんて。学校の友達と帰らなくて良いのか?」

妹「はは……今、ちょっと気まずくてさ」

兄「……ケンカでもしたのか?」

妹「ううん、ケンカじゃないよ」

兄「ま、まさか苛められてるんじゃ!?」

妹「違うよっ。そんなんじゃないから安心して……」

兄「そ、そうなのか。分かった、妹がそう言うなら信じるよ」

妹「えへへ……お兄ちゃん慌てすぎだよ」

―帰路―

兄「……」テクテク

妹「……」テクテク

兄(……会話が無い。どうしよう)

兄(何か適当で良いから、話題を振らないと)

兄「な、なあ妹……」

妹「お兄ちゃん」

兄「お、おう。なんだ?」

妹「私達くらいの歳で兄妹なのに手を繋ぐのって変かな……」

兄「あ、ああ。そうだな、仲の良い兄妹なら変でも無いんじゃないか?」

妹「そう……だよね」

兄「学校で何かあったのか?」

妹「昨日お兄ちゃんと手を繋いでたの、友達に見られてて……」

兄「……」

妹「それで、手繋いでた人がお兄ちゃんだって言ったら、その……」

兄「ごめんな。俺の所為で嫌な思いさせたんだな」

妹「違うよ」

兄「え?」

妹「手繋いでるのお兄ちゃんだって言ったら、お兄ちゃんの事バカにされて、それで……」

妹「つい、大声出しちゃって、さ……」

兄「俺の事なんか別に何言われ様と構わないのに」

兄「だいたい妹だって、いっつもバカバカ言って来てるだろ?」

妹「そ、それはそうだけど! そう言うのとは違くてっ」

兄「違う?」

妹「友達がお兄ちゃんをシスコンだとか、変態っぽいって言うからっ」

妹「それが、凄く嫌で! 私……っ」

兄「……まったく。そんなの言わせておけば良いのに」

妹「でも!」

兄「実際俺は妹が大好きだから、シスコンだし変態じゃないのか?」

妹「でも、お兄ちゃんは私にやらしい事しないもん!」

妹「友達が言ってたのは絶対やらしい事も含んでたよ!」

妹「だって、すごい嫌な目付きで言ってたもん……」

兄「……」

兄(迂闊な事したなぁ……俺)

兄「ま、言いたい奴には言わせておけよ」

妹「……」

兄「俺の事でケンカとか仲違いなんて駄目だぞ?」

妹「……うん」

兄「よし、良い子だ。それじゃ、明日にはちゃんと関係修復しとくんだぞ」

妹「……」

兄「妹、返事は?」

妹「……嫌」

兄「嫌って、お前なぁ」

妹「お兄ちゃんの事なにも知らないで、あんな酷い事言う奴なんか友達じゃない……っ」

兄「おいおい。そりゃ駄目だろ」

妹「だって……!」

兄「急にそうやって縁切ったら、苛められたり孤立するかもしれないだろ?」

妹「それは……」

兄「嫌でも、ちゃんと関係を修復するんだ。俺は妹が苛められるなんて嫌だぞ」

妹「……うん。分かった」

兄「うんうん。素直な妹は大好きだぞ」ナデナデ

妹「えへへ……」

兄「あ。こういうの見られたから、からかわれたのか」スッ

妹「あ……」

兄「はは……ごめんな。ちゃんと考え行動出来なくて」

妹「いい。もうお兄ちゃんの事言われても気にしないから」

妹「だから、もう少し撫でて欲しい……」

兄「げへへっ。しょうがない奴め!」ナデナデ

妹「ううーっ、そういう変態っぽいのはダメっ!」

兄「うへへっ」ナデナデナデナデ

妹「むうぅーっ」

兄「妹は可愛いな」ナデナデ

妹「うう……」

兄「さ、早く帰ろう」

妹「……うん。お兄ちゃん」スッ

兄「ん?」

妹「手繋いで帰ろっ」

兄「……ああ」ギュ

妹「えへへ……」ギュウッ

兄「……なあ、妹」

妹「なに?」

兄「話があるから、後で部屋に行って良いか?」

妹「……うん」

―――
――


コンコン

妹「開いてるよ」

兄「入るぞ」ガチャ

妹「うん」

兄「……」

妹「あのね、実は私もお兄ちゃんに話があるんだ」

兄「そうか」

妹「……えっとね」

兄「……」

妹「その……」

兄「……」

妹「……ご、ごめんなさいっ!」

妹「私、お兄ちゃんのお財布からお金抜いてたの!」

妹「友達からのけ者にされない様に、服とかみんなに合わせて買ったり、遊びに行くのに必要で……」

妹「ごめんなさい、お兄ちゃん!!」

兄「……そうか」

妹「お母さんには言えないし、お兄ちゃんに借りるの恥ずかしいから……つい……」

妹「本当にごめんなさい!」

兄「……妹」スッ

妹「……!」ビクッ

兄「良かった。ちゃんと自分から言ってくれて」ナデナデ

妹「え……自分、から……?」

兄「実はさ、知ってたんだ」

妹「ふえ!?」

兄「しかしバカだな。言ってくれたら貸したんだぞ?」

妹「し、知ってたって?」

兄「いくら俺でも財布の中身くらい把握してるって」

妹「……」

兄「ちゃんと減った分、毎回帰って来てたから何も言わなかったんだ」

妹「怒らないの?」

兄「はは。俺は何時だって妹の味方だからな!」

妹「でもっ」

兄「まあ、確かに悪い事やったんだしな。なにかしらのペナルティを与えないと駄目か」

妹「そうだよ!」

兄「それじゃあ……」ウーム

妹「……」ゴクリッ

兄「えいっ」デコピンッ

妹「いたっ」

兄「おしおき終わり。もう勝手に取ったら駄目だぞ。妹が頼んだら、俺はちゃんと貸すから」ナデナデ

妹「……うん」ジワッ

兄「何か困った事があったら、ちゃんと俺に相談してくれよ」ナデナデ

妹「うん……ぐすっ」ポロポロ

兄「うんうん。素直な妹は大好きだぞ」ナデナデ

妹「ごめんなさい……、ありがとぉ……おにいちゃん……」ポロポロポロ

兄「うへへへへ。妹は可愛いなぁ!」ナデナデ

妹「ううーっ……」ポロポロポロ

―――
――


兄「落ち着いた?」

妹「ん……」グスッ

兄「良かった」

妹「そういえば、お兄ちゃんからの話ってなんだったの?」

兄「んー。それはどうでも良くなったからいいや」

妹「どうでも良い?」

兄「うん。もう心配なさそうだし」

妹「……そうなんだ」

兄「はっ」

妹「な、なに?」

兄「ペナルティ、一緒にお風呂とかにしとけば良かった……」

妹「え、ええ!?」

兄「もったいない事をしてしまった……」

妹「……」

兄「あれ? 突っ込みが無い……」

妹「良いよ」

兄「は?」

妹「良いよ。お風呂、一緒に入っても」

兄「なっ。だ、駄目だって! 妹はもう子供じゃ無いんだから!」

妹「冗談だったの?」

兄「当たり前だろ! 俺達は兄妹なんだぞ?」

妹「……」

兄「あ、あの妹さん……?」

妹「……ふんだ」プイッ

―翌日―

妹「あ、昨日はごめんね」

「えー、良いよ。お兄さんの事悪く言ったの私だしー」

妹「ははは。もう、気にしてないから」

「良かったー」

妹「……私さ、ブラコンだからお兄ちゃんの事悪く言われると、ちょっとね……」

「……そ、そうなんだ」

妹「うん。お兄ちゃんは全然シスコンじゃないんだけどねー」

「へ、へー。意外ー」

妹(どうせ中学だけの関係なんだ。もう向こうから離れてくれれば良いや)

「そういえば今日はどうするの?」

妹「あ、ごめんね。今日はお兄ちゃんと買い物行くから、付き合えないんだっ」

「そ、そうなんだー」

妹(なんかお兄ちゃんの事利用してるみたいで悪いな)

妹(買い物、本当に誘っちゃおう)

妹(お兄ちゃんは何時だって私の味方だから、大丈夫だよね……?)

妹(よし。メール……送ってみよう!)

―通学路―

兄「おはよう。昨日は悪かったな」

「埋め合わせはしてくれよ?」

兄「おうよ」

「そうだ。昨日見つけたゲーセンな、すげぇレゲーが充実してたぞ!」

兄「マジか」

「おう! 帰りに行くべ。キカイオーかブリキで対戦しようぜ!」

兄「また偏ったチョイスを……」

デロリンッ

兄「お、メールだ」

兄「……」

「なした?」

兄「悪いけどゲーセンはまた今度だわ。予定が出来た」

「またかよ。一体何の用なんだ?」

兄「んー。あれだ、デートって奴」

「なぁにぃいいいっ!?」

「だ、誰とだよ!? 委員長か? それとも……」

兄「ははは……学校の人じゃ無いよ」

「くっそ! くっそ! リア充なんか性病うつされてしまえば良いんだ! うわーんっ」ダダダッ

―――
――


―校門―

妹「お兄ちゃん!」タタタッ

兄「わざわざこっちに来なくても、迎えに行ったんだぞ」

妹「私が待ちたかったから良いの!」グイッ

兄「なっ!? 腕組んで来るなんて急にどうしたんだ?」

妹「私が腕を組みたいから良いの!」ギューッ

兄「まずいって。他の人が見てるんだぞ?」

妹「じゃあもっと見せ付けようよっ!」

兄「うぇえっ!?」

兄「どうしたんだよ、急に?」

妹「朝、友達にブラコン宣言したの」

兄「な!?」

妹「そしたら、今迄煩わしいと思ってた子達がじみーに距離置きだしてさ」クスッ

兄「へ、へー」

妹「なんか、すごい楽になっちゃった!」

兄「そ……そーなのかー」

妹「ね、お兄ちゃんっ」

兄「は、はいっ」

妹「ブラコンの妹だけど、大好きで居てくれる?」

兄「お、おう。もちろんだぞ!」

兄(なんて事だ。妹がブラコンになってしまった……)

―――
――


妹「ふう……歩き疲れたね」

兄「どこか喫茶店でも入るか?」

妹「うん!」ニコッ

妹「ね、お兄ちゃんっ」

兄「なんだ?」

妹「私と居て楽しい?」

兄「ああ。可愛い妹と一緒に居て、退屈な訳無いだろ?」

妹「ん……えへへ……」ポッ

兄「あの店に入るか」

妹「お兄ちゃんの選んだお店なら何処でも良いよ!」ギューッ

―物陰―

「くそうっ、兄の奴あんな可愛い子と……!」

「妹、本当にブラコンなんだ……」

「「ん?」」

―喫茶店―

兄「店を見て回るだけでも結構疲れるもんだなぁ……」

妹「セール前の下見は大切なんだよ?」

兄「はは……良い傾向だな」

妹「……うん。もう身の丈以上に背伸びしないって決めたんだ」

兄「ぐへへっ。これもブラコン宣言のおかげですかなぁ?」

妹「うんっ」

兄「あれ?」

妹「なに?」

兄「い、いや。何でもない……」

兄「あの、妹さん。一つ聞いて良いかな」

妹「むうぅ。さん何て付けるならダメっ」プクーッ

兄「あ、ああ、ごめん。じゃあ改めて妹。一つ聞いて良いか?」

妹「なに、お兄ちゃん?」ニコニコ

兄「妹はブラコンなの?」

妹「うんっ」

兄「あ……そうですか……」

兄(え、冗談でも友達遠ざける口実でもなくて真性? これってやばくね?)

妹「お兄ちゃんっ」

兄「お、おう」

妹「お兄ちゃんは私の事、大好きなんだよね?」

兄「ああ。大好きだぞ」

妹「私もね、お兄ちゃんが大好きになっちゃったよ!」チュッ

兄「ほぅあ!?」

妹「末長く宜しくね、お兄ちゃんっ」

兄「おうふ……」

兄(どこで道を誤った……)



おわりんぐ

えろなくてすまん

新・保守時間目安表 (休日用)
00:00-02:00 10分以内
02:00-04:00 20分以内
04:00-09:00 40分以内
09:00-16:00 15分以内
16:00-19:00 10分以内
19:00-00:00 5分以内

新・保守時間の目安 (平日用)
00:00-02:00 15分以内
02:00-04:00 25分以内
04:00-09:00 45分以内
09:00-16:00 25分以内
16:00-19:00 15分以内
9:00-00:00 5分以内

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