妹「ネトリネトラレヤリヤラレ」(278)

妹「おはようございます」

兄「ん、おはよ」

妹「兄さん、今日学校終わってから何か用事ありますか?」

兄「なんで?」

妹「買い物に付き合って欲しいんです」

兄「えーと……うーん」

妹「何か用事でもあるんですか?」

兄「ちょっと幼馴染にも同じこと頼まれててさ」

妹「あ……そうなんですか」

妹「……」ジーッ

兄「何だよ……」

妹「最近、よく二人で出かけてませんか?」

兄「え?そ、そうかなぁ」ドキ

妹「じー……」

兄「気のせいだよ。あ、それともお前も一緒に……」

妹「いいですっ!」

兄「怒るなよ、また別の日に付き合うから」

妹「……わかりました、約束ですよ?」

兄「了解」

妹「じゃ、朝ごはん食べちゃいましょう」

兄「はーい」

~放課後~

幼「お待たせー」

兄「遅いぞー」

幼「えへへ、ごめんね」

兄「駅前のデパートでいいのか?」

幼「うん、早く行こうよー」

兄「待って、ATM寄らないと手持ちがない」

幼「おっけー」

兄「手、繋ぐ?」

幼「……ん」ギュ

兄「じゃ、行こうか」

幼「妹ちゃん、元気?」

兄「まぁ、あいつは相変わらずだよ」

幼「そっかぁ」

兄「なんで?」

幼「私たちの事、話したりした?」

兄「えっと、それは……まだ」

幼「もー!だめじゃーん」

兄「言おう言おうとは思ってるんだけど、なかなか言い出す機会がなくて」

幼「機会なんていくらでもあるでしょ、一緒に住んでるんだから」

兄「そりゃそうだけどさ……なんていうかタイミングが」

幼「もう付き合って1週間も経つんだから、ちゃんと話してよ」

兄「分かってるよ……」

幼「ひひ、妹ちゃんあんたのこと大好きだからねぇ」

兄「何だよその笑いは」

幼「今から覚悟しておかないといけないかもねー私」

兄「大丈夫だよ、なんだかんだ言って喜んでくれると思う」

幼「あ、じゃあ今から報告しにいこうか」

兄「いや、それはちょっと待って。待ってください」

幼「何よ、もう」

~デパート・洋服店~

幼「ねーねー、これ可愛いよね」

兄「あぁ、いいんじゃない」

幼「あ、でもこっちのも可愛くない?」

兄「あぁ、いいんじゃない」

幼「それとも、こっちのが好き?」

兄「どれも最高。お前によく似合ってる」

幼「こらー!ちゃんと見て選んでよっ」

兄「長すぎるんだよ!ちゃちゃっと決めてくれよ」

幼「女の買い物に付き合うってことがまだ分かってないようね、あんたは」

兄「足が疲れた……」

幼「うーん、これにしようかな」

兄「やっと決まったか」

幼「これ、買ってくるから待っててね」

兄「あ、ちょっと待って」

幼「なに?」

兄「ひーふーみー……何とか間に合うか」

幼「?」

兄「買ってやるから、貸して」

幼「い、いいよそんなの」

兄「でも、付き合ってからまだ何にもプレゼントしてあげてないしさ」

幼「……いいの?」

兄「いいよ、これくらいなら何とか」

幼「……ありがとーーっ!」ギュ

兄「おおげさだなぁ」

~帰り道~

兄「マックしかおごってやれなくて悪かったなぁ」

幼「私、マック好きだよ?」

兄「なら、良かったけど」

幼「お金大丈夫?」

兄「ちょっぴりひもじいけど、そのうちバイト代も入るし」

幼「この服、大事にするからね。一緒に遊びに行くとき、着て行くからっ」

兄「うんうん、そうしてくれ」

幼「じゃ、私こっちだから……帰ったらメールするからね」

兄「あ、ちょっと待って」

幼「なぁにー?」

兄「えっと……その」

幼「はやく帰らないと、マック冷めちゃうよ?」

兄「う、うん……」

幼「……」

兄「ちょ、ちょっとこっちに……」

幼「あ……もぅ、ばか」

兄「えーと……もう暗いし、誰もいないみたいだし」

幼「えへへ……キス、する?」ギュ

兄「うん……」

幼「ちゅっ……ん……」

兄「ん……」

幼「んっ……ん……ちゅ……ぷはーっ!」

兄「も、もう終わり?」

幼「あはは、おしまーい」

兄「ちっ」

幼「続きはまた今度、ね?」

兄「はいはい」

幼「じゃあねー!」タタタ

兄「ふぅ……」

兄「ただいまー」

妹「おかえりなさい、兄さん」

兄「はい、これお土産」トス

妹「マックのポテト?」

兄「お前マックのイモ好きだったよな」

妹「はい、好物ですけど……」

兄「なら遠慮なく食ってくれ」

妹「それより、くんくん」クンカクンカ

兄「おい、何だよ」

妹「女の子の匂いがします」

兄「いやまぁ、幼馴染と一緒にいたし」

妹「それで、髪の毛がこんなところにくっついてるわけですか?」

兄「観察眼良すぎ」

妹「じー……」ジロジロ

兄「いいからほら、一緒に食べよう」

妹「何言ってるんですか、私が一人で全部食べますからっ」

兄「なんと」

妹「ふんっ!明日は私の買い物に付き合ってもらいますからね!」パクパク

兄「わかったわかった、付き合うよ」

~翌日~

幼友「おはよ」

幼「おはよー」

幼友「ねーねー、昨日は彼氏とどうだったの?」

幼「え、えーと……どうって別に」

幼友「ふーん、そっかぁ」

幼「なによ」

幼友「いや、もうえっちしたのかなぁと」

幼「んなっ!ま、まだ付き合って一週間だしっ!」

幼友「充分じゃん」

幼友「ところで、幼馴染なんでしょ?」

幼「そうそう」

幼友「なんで同じ高校にしなかったの?」

幼「え……だって、別にその時はなんとも思ってなかったし」

幼友「離れ離れになって、お互いの大切さに気がついたとか?」

幼「…………」

幼友「ちょっと、無視しないでよ」

幼「あ、う、うん。そんなところかなぁ」

幼友「いいなぁ、なんかそういうの憧れちゃう」

幼友「でも、お互いのこと深く知ってるぶん、きっと長続きするよね」

幼「そうかな?」

幼友「だよー。すぐ付き合うカップルはすぐ別れると思うな」

幼「まぁ、なんか近くにいるのが当たり前の奴だったけどね」

幼友「なにそれ、ノロケ?」

幼「そんなつもりじゃないってば!」

幼友「いいからいいから」

幼「まったくもう……」

~放課後~

幼「さ、かえろっかな」

幼友「今日は彼氏と遊ばないの?」

幼「毎日一緒に遊ぶわけないでしょ」

幼友「えー……何か冷めてるなぁ」

幼「えっ」

幼友「普通、付き合ってすぐの頃なんて毎日会いたいって思わない?」

幼「……」

幼友「ま、二人の場合はちょっと特殊かもね。幼馴染だし」

幼「そ、そうだよ」

幼友「じゃあまた明日ねー」

幼「あ、ねぇねぇ一緒にどっか寄らない?」

幼友「今日は私が用事あるんだもーん」

幼「彼氏?」

幼友「ううん、弟を映画に連れてくって約束してるから」

幼「プププ」

幼友「腹たつわー……じゃーね!」

幼「……」

幼「どうしよっかな……アイツとあそぼっかな」

幼「……だね、メールしてみよっと」ピピ

~兄・放課後~

兄「うー、やっと終わった」

兄友「おーい、兄よぅ」

兄「なんだ」

兄友「彼女、迎えに来てるぜー」

兄「えっ」ガタ

妹「兄さん兄さん、迎えに来ましたよー」

兄「なんだよ、お前か」

兄友「ウヒヒ、仲良しだなぁ」

兄「こんなとこまで来なくてもいいのに」

妹「付属校なんだし、いいじゃないですか」

妹「今日は私の買い物に付き合ってもらいますからね!」

兄「分かってるよ、そういう約束だったもんな」

妹「さ、行きましょう。デパートによって、そのあとはご飯食べて帰りますよ」

兄「マジか」

妹「たまには兄さんとじっくり腰をすえて遊びたいんです」

兄「うーんまぁいいか……」♪ピピピピ

妹「電話鳴ってますよ」

兄「……ん、問題ない。行こう」ピ

妹「はいっ」

幼「……」♪ピロリロ

幼「『妹とちょっと約束があるから今日は無理、ごめん』……か」

幼「しょーがないな、もう」

幼「『いいよ、今度埋め合わせしてねー』っと」

幼「あーあ、しょーがないなぁ」

幼「駅前でも行って時間つぶして帰ろうかな」

幼「……ったくもう、仮にも彼女なのに妹を優先するなんて」

幼「……」

幼「……やっぱりその程度のものなのかなぁ」

~デパート・下着売り場~

妹「兄さん兄さん」

兄「な、なんだよっ」

妹「このパンツ、可愛いと思いませんか?ほらほら」

兄「おいやめろ」

妹「くすくす、それとも兄さんはこういう黒のが好きですか?」

兄「黒はだめだ、黒はいかん」

妹「や、やけに力説しますね……色が濃いのはよごれが目立たなくて重宝するんですよ」

兄「その発想はアウトー」

妹「えっ」

兄「とにかく黒はだめ」





妹「そこまで言うなら……こっちはどうですか?」

兄「というかはやく出たいんだけど……」

妹「兄さんが選んでくれるまで帰りません」

兄「なんてこった」

妹「さぁさぁ兄さん、私に似合うのを探して下さい」

兄「えーと……これなんかいいんじゃないの?」

妹「……てっきりしましまを選ぶと思ったんですが」

兄「こういう薄いピンクの綿っぽいのも味があって好きなんだ」

妹「家に着いたらはいて見せてあげますね」

兄「いいから、そういうの」

妹「くすくす、次はこれに合うブラを」

兄「まだ終わらないのかよ」

幼「あーあ、一人でぶらついてもつまんないなぁ」

幼「兄の奴、まだ買い物付き合ってるのかなー……」

幼「……そのへんにいないなかな」キョロキョロ

幼「……」

幼「あほくさ……かえろっかな」

ププー

幼「きゃっ」

先輩「幼馴染ちゃん?でしょ?」

幼「あ……先輩っ!」

先輩「卒業式以来かな?」

幼「車買ったんですね」

先輩「親が買ってくれたんだけどね、わざわざ新車で」

幼「ふぇー……ハ……マー……?」

先輩「今は何してるの?」

幼「何もしてないです。暇だから帰ろうかなって」

先輩「ふーん、送って行こうか?」

幼「え?そんな、悪いしいいですよ」

先輩「気にしなくていいよ、俺も暇だから」

幼「うーん……」

先輩「あれ、もしかして警戒されてるかな」

幼「そ、そんなこと……じゃ、お願いします」

先輩「おっけー、乗って乗って」

あちゃー

~車中~

先輩「しかし、幼ちゃんは変わらないね」

幼「えー、なんかショックです」

先輩「なんで?」

幼「ずっと子供っぽいままってことですよね」

先輩「え……いや、違うけど」

幼「そうなんですか?」

先輩「相変わらず可愛いなってこと」

幼「んなっ……!」

先輩「あ、家はどっちのほうだっけ」

幼「は、はいぃ……そっちです」ドキドキ

幼「先輩は今、大学ですよね」

先輩「そーそー」

幼「楽しいですか?やっぱり」

先輩「まぁ、高校より自由なところもあるし、かといって勉強も結構大変なんだけど」

幼「へぇ……」

先輩「幼ちゃんは進学するでしょ?」

幼「一応そのつもりですけど」

先輩「そっか。一緒の大学こない?」

幼「えっ」

先輩「あはは、この交差点はどっち?」

幼「え、えーと……右、です……」ドキドキ

先輩「ちょっとお腹減ってこない?」

幼「うーん、小腹がすいたって感じですけど」

先輩「……ちょっとだけ、付き合わない?市内にいい店があるんだけど」

幼「え、でも」

先輩「無理にとは言わないけどさ。良かったら」

幼「……」

先輩「……なんか沈んだ顔してたから、気分転換になるかもよ?」

幼「えっ……」

先輩「違ったかなぁ、違うならいいんだけど」

幼「……じゃ、少しだけお付き合いさせて下さい」

~マック~

兄「さ、食うぞー」

妹「昨日に引き続いて今日もマックが食べられるなんて」パクパク

兄「お前は安上がりでいいなぁ」

妹「マックをバカにしたら怒りますよ」ギュム

兄「いででででっ!痛いって!」

妹「あ……もうポテトが無くなりました」

兄「はぇえよ!どんだけ好きなんだよ」

妹「追加オーダーしていいですか?もちろん兄さんのおごりで」

兄「もう好きにしてくれ」

妹「兄さん、大好きです」

~市内・フランス料理店~

幼「こ、ここは」

先輩「渋滞してたから、お腹へっちゃったんだよね」

幼「で、でも私……こんな格好で」

先輩「制服なら正装だし。ていうかそんなに構えなくて平気だから」

幼「でもぉ……」

先輩「大丈夫大丈夫」

店員「お客様、ご予約のほうは……」

先輩「無いんだけど、だめかな?」

店員「……失礼しました!すぐに席をご用意いたしますっ」

先輩「ありがと」

幼「は、入れるんですか?」

先輩「あぁ、いつも来るから融通利かせてくれるんだ」

幼「はぅう……」

幼「……」カチンコチン

先輩「お酒はさすがにまずいから……何か適当に頼もうかぁ」

幼「はいぃ……」

先輩「あのさ、もっとリラックスしてよ」

幼「でも私……こんなところあんまりきたこと無くて」

先輩「いつもどんなとこで食べてるの?」

幼「えっと……ま、マックとか行きますけど」

先輩「あぁ、たまーーーーに食べたくなるよねあーいうの」

幼「先輩ってお金持ちだったんですね」

先輩「親が金持ちなだけだよ。俺は無いって」

幼「……」

先輩「フォークは外側から使えばいいから。楽しんで食べよう」

幼「は、はいっ!」

~マック~

妹「兄さん、追加でナゲットも頼んでいいですか?」

兄「おい待て予算オーバーだ」

妹「すいませーん、ナゲットふたつくださーい」

兄「こらぁっ!しかも俺はくわねぇよ」

妹「何言ってるんですか、私が二つ食べるんです」

兄「絶対太るぞお前」

妹「食べても太らない体質だから平気です」

兄「うぉお……お金がどんどん減っていく」

妹「はい、兄さん、あーん」

兄「あーん……ゲップ」モグモグ

~~ 食後 ~~

先輩「ワリカンだから」

幼「え?・・・私、お金持ってないんんですけど」

先輩「じゃあ、体で払ってもらおうかな?」

幼「はい、分かりました///」

先輩(冗談のつもりだったのに、もちろんおごるつもりだったんだけど)

幼「じゃあ、これからホテルに行きましょう、ホテル代も体で払います」

先輩「うん、そうしようか」

先輩(でも、これはチャンスだ、幼ちゃんも積極的だし)

先輩「美味しい?」

幼「はいっ!とっても」モグモグ

先輩「そりゃ良かった」

幼「こんな高いところ、私にはもったいないです。私なんか連れてきて良かったんですか?」

先輩「高いかなぁ」

幼「値段は知らないけど、想像するに」

先輩「例えば、都内に土地つき一軒家が10万で売ってたら安いでしょ?」

幼「えと、そうですね」

先輩「つまり、そういうことだよね。せっかく幼ちゃんがメシに付き合ってくれるんだから、それなりのところじゃないと」

幼「え……」

先輩「で、どうして元気なかったのかな?」

幼「……」

先輩「言いたくないなら、いいけどさ。美味しいもの食べて笑顔になったし」

幼「……」

妹「ふー、おなか一杯食べました」

兄「ま、マックで3000円も使うなんて……」

妹「男がマックくらいでケチケチしないでください」

兄「ケチとかじゃなくて、マックで3000円払うならよそいくわ」

妹「夢が無い人ですね」

兄「ったく……」

妹「それで兄さん、聞きたいことがあるんですけど」

兄「なんだよ」

妹「幼馴染さんと付き合ってるんですか?」

兄「ブーッ」

妹「つめたッ!何するんですかっ」

兄「な、なんでそれを」

妹「何となくですけど。最近兄さんよくケータイいじってるし」

兄「それだけでか」

妹「ケータイ見たら、なんかそういう内容のメールもいっぱい入ってました」

兄「お前それ嫌われるぞ。っていうか知ってるんじゃん、確定じゃん」

妹「私は兄さんの口から聞きたいんですよ」

兄「……」

妹「どうなんですか?」

兄「……うん、付き合ってる。先週から」

妹「……そうですか」

妹「おめでとうございます、兄さん」

兄「なんだ、祝福してくれるのか」

妹「一応はしてあげます……形だけは」

兄「いやな言い方するなぁ……」

妹「で、どっちから言ったんですか?」

兄「言わなきゃだめなのか?」

妹「追加オーダー、頼みますよ?」

兄「あーもう、俺からだよ!会わなくなってから、なんとなく気になるようになって告白したんだよ!」

妹「……ふーん、なるほどです」

幼「それで、告白されて付き合うようになったんですけど」

先輩「うん」

幼「本当に、好きなのかなって」

先輩「どっちが?」

幼「……私が、です……」

先輩「うぅん……」

幼「ずっと幼稚園から一緒で、高校が別になって距離が出来て」

先輩「……」

幼「久しぶりに会おうって言われて嬉しくて、でもそれって」

先輩「恋じゃない感覚?」

幼「……わかんないです」

先輩「今まで好きになった人とか、憧れてた人とかに通じる気持ちはある?」

幼「それは……えっと」

先輩「誰かいた?そんな人」

幼「それは……せ……」

先輩「ん?」

幼「……なんでもないです」

妹「久しぶりに会って、気持ちが昂ぶったんじゃないですか?」

兄「なんだよ、俺はすごく悩んで答えをだしたんだよ」

妹「聞かせてもらいます」

兄「会わなくなって、大事な人だと気がついたっていうか」

妹「ふーん、ふーん」ケリケリ

兄「蹴るなよ」

妹「ふんっ!続けて下さい」

兄「とりあえず、その場の勢いだけじゃないから」

妹「きっと昔から好きだったんですね。幼稚園の頃から性的な目で見てたんですね、幼馴染さんを」

兄「どうしてそういう言い方をするかなぁ」

幼「だから、ちょっぴり悩んでるんです」

先輩「一緒に居て、ドキドキしたりする?」

幼「それは、……安心する感じはありますけど」

先輩「それ……家族に感じるような感覚なんじゃないかな」

幼「えっ……!」

先輩「俺は部外者だからよく分からないけどね、勘で言ってみただけだよ」

幼「家族……」

先輩「人を好きになるって、もっと苦しいもんだよ」

幼「苦しい、ですか」

先輩「毎日かたときも離したくない、とかね」

幼「……」

妹「まぁいいです、お話はよく分かりました」

兄「とりあえず、そういうことだからよろしく頼む」

妹「……」

兄「なんだよ、その間は」

妹「何でもないですけど……」

兄「寂しい?」

妹「さ、寂しくなんかっ」

兄「……」

妹「……私とも、こうして時々遊んでください」

兄「分かってるよ」

妹「なら、いいです」

兄「そろそろ、帰ろうか」

妹「はい……」

幼「……」

先輩「家、ついたよ」

幼「はい……今日はありがとうございました」

先輩「あぁ、また行こうね」

幼「……」

先輩「あ、彼氏いるからダメか」

幼「そ、そんなこと……」

先輩「俺、ちょっと本気になりそうだなぁ」

幼「え?」

先輩「……」グイ

幼「んっ……んンッ……!!」

先輩「彼氏とは、キスした?」

幼「んッ!……んちゅ……ッ……せ、先輩……だ……め……」

先輩「もう少しだけ……ね」

幼「あッ……んんッ!……れろっ……」

先輩「ごめんね、いきなり」

幼「せ、先輩……どうして……キス……」

先輩「幼ちゃんとしたかったんだ」

幼「だって、私……」

先輩「本当にごめん……でも」

幼「……もういいです」

先輩「連絡先、教えておくから……よかったら、連絡して」

幼「さよなら……今日はごちそうさまでした」バタム

先輩「……」

先輩「……ク」

妹「……」

兄「おーい、早く帰らないと父さん母さんが心配するぞ」

妹「……」

兄「……おいってば」

妹「えっ!あ、は、はい……!はいっ!」

兄「な、なんだよボーっとして」

妹「な、何でもないですから行きましょう」

兄「あれ、スゲー車が止まってるけどアレ見てたのか?」

妹「見てないです!見てないですからっ!」

兄「ハマーじゃん、すげぇ」

妹「いいから行きますよっ!ほらほらっ」

兄「何だよ……急にせかして」

続きまだ?

~数日後・幼馴染宅~

兄「この漫画、続きは?」

幼「あるよー」

兄「ありがと」

幼「……」

兄「プークスクス」ペラッ

幼「ねぇ、あのさぁ」

兄「ん?どうした」

幼「……うぅん、何でもない」

兄「変な奴だな」ペラッ

幼「……ねぇ、どっか行こうよ。部屋に居ても退屈だし」

兄「どっか行きたいとこでもあんの?」

幼「なんか、部屋でボーっとしてるのももったいないじゃん」

兄「だなぁ……でもな」

幼「なぁに?」

兄「金が無い。ゆえにどこにも行けない」

幼「はぁーー……」

兄「何だよ、その深い溜め息は」

幼「べっつにぃ」

兄「仕方ないだろ、家デートで我慢してくれ」

幼「……」

兄「バイト代入ったらどっか連れてくからさ」

幼「バイトばっかりして……私のことほったらかしてない?」

兄「そんなつもりは無いけど……」

幼「……」

兄「もしそう思ってたらゴメン。謝るよ」

幼「……うぅん、変なこといってごめんね」

兄「やっぱり、どっか行く?」

幼「いいよ、大丈夫」

兄「久しぶりにこの部屋に来たけど、あんまり変わってないな」

幼「何よ、どういう意味?」

兄「どういう意味って、そのままの意味だけど」

幼「……腹たつなぁ、せっかくあんたが来るからちょっと掃除したのに」

兄「いや……まぁ女の子の部屋っぽい感じになったなぁ」

幼「とって付けたように言われても嬉しくないんだから」

兄「(思ってても恥ずかしくていえないっつーに)」

兄「まーまー落ち着いて」ナデナデ

幼「ん……へへ、気持ちいい」

兄「……」

幼「……」

兄「……キスしよっか」

幼「……」

兄「だめか?」

幼「……いいよ、しよう、キス」

兄「……」

幼「ん……ちゅっ……ちゅっ……」

幼「……んっ……はぁ……ちゅっ…」

兄「ん……」モゾモゾ

幼「んッ……!胸……触るの……?」

兄「い、いや……」

幼「……いいよ」

兄「え?」

幼「ちょっとだけだよ……」

兄「わかった……」

幼「ぁんッ……!……ちゅっ……れるっ……」

兄「(し、下も……)」ソー

幼「……ッ!………やだっっっ!!!」ドンッ

兄「うわっ」

幼「はぁ……はぁっ……うぅ……」

兄「あ、あの……」

幼「ごめん……私、まだ……」

兄「そ、そっか」

幼「ごめんね……」

兄「いいよ、こっちこそゴメンな」

幼「……」

兄「あ、あの……」

幼「……」

兄「(き、気まずい)」

兄「そ、そろそろ帰ろうかなぁ」

幼「……うん、気をつけて帰ってね」

兄「あ、あとさぁ」

幼「なぁに?」

兄「次の日曜空けといて欲しいんだけどな」

幼「次の日曜日……えへへ、うんわかった」

兄「わかった?」

幼「自分の誕生日くらいわかるよ」

兄「だよな」

幼「ありがと……嬉しい」

~日曜~

兄「という訳でだ、俺の部屋でお誕生会をするから」

妹「なんで私が兄さんの部屋の飾りつけを手伝わなくちゃいけないんですか?」

兄「いいだろ、どうせ暇そうだし」

妹「まったくもう……今時折り紙の輪っかで飾るとかちょっと」

兄「めでたい雰囲気がいいじゃないか」

妹「どこか連れてってあげたほうがいいんじゃないですか?」

兄「いや、こいつを買って金がなくなってしまって」

妹「なるほど」

兄「これとケーキでいっぱいいっぱいだったわ……」

妹「いいんじゃないでしょうか」

兄「喜んでくれるかな?」

妹「私ならすっごく嬉しいですけど」

兄「プレゼントはここに隠しておいてと」

妹「このザルふたつ、何に使うんです?」

兄「それは二つあわせて球体にして、くす玉にしようかと」

妹「はぁ……いろいろ考えますね」

兄「急いで作らないと間に合わないな」

妹「何時に来るんですか?」

兄「えーっと、夜てきとうに来いって言ってあるから」

妹「私も手伝います」

兄「さんきゅ」

貧乏ぶりに呆れた幼馴染が金持ち先輩にNTRされるのか

幼「あ、この間はありがとうございました……はい…はい……」

幼「その……お礼もしないのは良くないと思って……いえ、そんな」

幼「え、えっと今日ですか……?」

幼「今日は、えっと夜に用事があって……はい」

幼「今日、私の誕生日で……はい、それで」

幼「すぐすむって、あの、先輩ちょっと待ってください」

幼「駅前って……あの、せんぱ」

幼「……切れちゃった」

幼「今、何時だろ……すぐすむって言ってたけど」

兄「もうちょっとで出来そうだな」

妹「ちょっと全体のバランスが悪いですね」

兄「なんだよいきなり」

妹「もう少しこの辺にも飾りが必要かと」

兄「いるわーこういうの最初ダルそうなのにやりだすとハマる奴」

妹「ちょっと材料が足りないみたいですね」

兄「買ってくるか?」

妹「私が行ってきますから、兄さんは家にいたほうがいいです」

兄「お願いしていいのか?」

妹「貸しにしておきますからね、ふふ」

兄「なんだか怖いな」

幼「……遅いなぁ、先輩」

幼「この辺で待ってろって言われたけど」

幼「……」

幼「あいつの家に行くの、遅くなっちゃうよ」

ププー

先輩「ごめんごめん、お待たせ」

幼「あ……先輩」

先輩「乗って乗って」

幼「乗ってって……あの、先輩私」

先輩「ちゃんと送っていくからさ、大丈夫」

幼「……それなら、いいですけど……」

先輩「うん、乗って」

幼「……失礼します」ガチャ



妹「……どうして……?見間違いじゃなかった………」

今寝取られが、熱い

幼「ここ、すごく眺めがいいですね」

先輩「用事があるっていうから、近場だとこんなとこしかなかった」

幼「ううん、こういうところ好きです」

先輩「それは良かった」

幼「ところで、私に何か用事でしたか?」

先輩「うん、誕生日だなんてしらなかったからさ、少し待ち合わせ遅れちゃったけど」

幼「はい?」

先輩「これ、プレゼント」

幼「え……あ、ありがとうございますっ」

先輩「気に入ってもらえるといいんだけど」

先輩「開けてみてくれるかな」

幼「……ッ!わぁあ……綺麗……」

先輩「ブレスレットなら、サイズが分からなくても大丈夫だからさ」

幼「こ、これでもすごく高そうなんですけどっ」

先輩「たいしたことないよ、それに君になら」

幼「……」

先輩「俺、やっぱり結構本気になっちゃったかも」

幼「せ、先輩……」

先輩「一緒の学校のときから、いい子だなぁって思ってたけどね」

幼「でも、でも私今……付き合ってる人が」

先輩「関係ない」ギュ

幼「あっ!だ、だめ」

幼「先輩……は、離してください……」

先輩「離したくない」ギュ

幼「んっ……やめ…て……」

先輩「いや?」

幼「……」

先輩「本当に嫌なら、突き飛ばして逃げるはずだよ」ギュ

幼「私……は……」

先輩「俺のほうが君を大切に出来る、その自信がある」

幼「先輩……」

先輩「ずっと好きだった、だから」

幼「私…………も………」

先輩「上向いて……」

幼「ん……ちゅっ……」

兄「…………」

兄「…………」

兄「……遅いなぁ」

妹「……兄さん、いまいいですか?」

兄「ん……どうぞ」

妹「失礼します」

兄「ありがとうな、お前のおかげでなんとか準備も終わったよ」

妹「……そうですね」

兄「どうした」

妹「いえ……まだ幼馴染さん、きませんか?」

兄「あー……どうしたんだろうな。時間指定してなかったのがまずかったか」

妹「連絡はしました?」

兄「一応は」

先生、結果的に幼馴染が痛い思いする展開があったら素晴らしいと思います

妹「あの、兄さん……」

兄「もう一回メールしてみるかなぁ」

妹「あの、ちょっと聞いて欲しいことが……」

兄「お、連絡来たわ。ちょっと待ってくれ」

妹「え……よ、よかったですね」

兄「今からくるってさ」

妹「ほっ……それはよかったです」

兄「まったく待たせやがって……ケーキ出しておいてくれるか?」

妹「はい」

妹「……」

妹「(やっぱり何かの間違いだったんです……)」

妹「……」

兄「……」

妹「……こないですね」

兄「うーん、なんだろうな」

妹「シャンパン、冷やしなおしてきますか?」

兄「お願いしていい?」

妹「いいですよー」

兄「……お、メールが」ピピピ

妹「幼馴染さんですか?」

兄「ん……『家の前に来て』ってなんだこりゃ」

妹「はい?」

兄「なんで入ってこないんだろうな……ちょっと連れて来る」

妹「……」

兄「遅かったじゃないか」

幼「……」

兄「遠慮しないで入れよ、今日は父さんも母さんもいないし」

幼「……」

兄「あ、でも妹はいるけどな……あはは」

幼「……」

兄「なんだよ、いいからほら」

幼「……ごめん」

兄「遅くなったのはいいから、別に謝らなくても」

幼「……ごめん……ごめんね……」

兄「ん……?」

幼「私……一緒にいられない」

兄「は?」

正直兄に隠れて関係持たずに来ただけまだマトモな奴だと思った

兄「一緒にいられないって……なんか急用できた?」

幼「違うの……うぅ……ごめんなさい……」

兄「……あ、もしかして具合悪いのか?それならそうと早く」

幼「……ごめん」

兄「ちょ、泣くほどのことじゃないだろ……また違う日にでも」

幼「違うのッッッ!!」

兄「……!お、おい……」

幼「私……好きな人できちゃっ……た」

兄「……え」

幼「だから、私今日……あんたと一緒にいられない」

兄「え、ちょ……はは、何の冗談だよ」

幼「……」

兄「え、だって俺たち付き合ってまだそんな」

幼「……」

兄「……まだそんな……そんなん、あり?」

幼「ごめんね」

兄「いや、ごめんっていうか……」

幼「ごめんね……」

兄「…………マジな話か……まいったな……ぁ」

幼「さよなら……」

兄「えっと……行くの……?これで、最後……?」

幼「……ごめんっ!」ダッ

兄「あ……」

兄「……」キィ バタン

妹「……兄さん」

兄「ん?」

妹「あの……」

兄「あ、あいつちょっと具合悪いみたいで」

妹「え?」

兄「今日は帰るって言ってたから」

妹「そうですか」

兄「せっかく手伝ってもらったのに悪かったなぁ」

妹「……なんでもないですよ、これくらい」

兄「だからさ、ケーキお前が食っていいぞ」

妹「……」

兄「何だよ」

妹「……」

兄「なんで泣いてんだよ」

妹「……うぅ」ポロポロ

兄「俺が泣いてないのに何でお前が泣いてるんだよ」

妹「うぅ……うぅうぁああ……ん」

兄「変な奴だなぁ……お前……は……」

妹「よくやった」

イケメン「本当にあの子貰っちゃって良いんスか?」

妹「好きにして構わないわ」

イケメン「あざっすwww」

妹「兄さんには内密に」

イケメン「へい」

どうした先生寝たか?

              (゚д゚ )
     <⌒/ヽ-、__ノヽノ |
   /<_/____/ < <




     ∧ ∧  
     ( ゚д゚)       、 l /
    _| つ/(__
  / └-(____/  / l 、



         ∧ ∧

         ( ゚д゚ )
        _| つ/ヽ-__
      / └-(____/



触りだけ書いて寝てしまった 誠にすまない

そして休みだったのがきゅうな勤務交代のため昼過ぎまでかけなくなってしまったので
落としてくれていいです

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