リザード兵「魔王軍最強決定戦?」 (95)

側近「そうです」

天才少女「珍しいね、側近からそんな妙な提案するだなんて」

リザード兵「戦争の準備期間中にそんなことしてる場合じゃないだろ」

側近「そんな今だからです」

側近「国民のこんなピリピリした空気の解消と我が軍の士気上昇を兼ねています」

側近「……と、魔王様談です」

エルフ「あの人の提案かい……」

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側近「只今参加選手を募集中です。乗ってくれそうなあなたたちに声をかけましたが……」

少女「パス、私武術とか出来ないし」

エルフ「私も今回は。色々と忙しいからね」

リザード兵「俺もだな。どうせ碌なことにならねーだろうし……」

側近「あ、リザード部隊長は強制参加です。魔王様直々に出ろとのお達しがありました」

リザード兵「」

少女「ご愁傷様」

側近「他にもオーク総隊長や竜爺様、ワーウルフ傭兵隊長の参加が決定しています」

エルフ「皆幹部じゃないか……」

側近「この方々が参加を表明したとたんに兵士達が次々と参加取り消ししていきました」

少女「だろうね……普通じゃ相手にならないだろうし」

リザード兵「何で俺は強制参加なんだよ」

側近「面白い絵面になりそうだから……とのことです」

エルフ「そっち方面で期待されてるんだね、アンタ」

側近「あと、優勝者には魔王様が一つお願い事を聞いてくれるそうです」

少女「お?マジで?」

エルフ「へぇ……そんなこと言っちゃっていいのかな魔王様」

側近「心が揺れました?」

側近「開発資金をねだるなり自分の部隊の備品をねだるなり一発殴る権利をねだるなり」

側近「好きにすると良いですよ」

少女「んー、開発資金出してくれるのは魅力的だね。私も出るよ」

エルフ「アタシの部隊に優先的に備品をまわしてくれるならありがたいね。参加するよ」

リザード兵「どうせなんやかんやあって俺が殴られることになるんだから参加したくない」

側近「全員参加ですね、分かりました。明後日に闘技場で行うので各自準備をしておいてください」

リザード兵「おーい」

側近「なお、プロパガンダ的な意味合いもあり国民に一般公開しますので醜態を晒さないように」

側近「以上、解散です」スタスタ

エルフ「一般公開するのか……なんだか緊張してきたな」

少女「お姉ちゃんの部隊はあんまり露出しないからね。人前に出るのは慣れてないか」

エルフ「アンタだって開発室に篭りっぱなしでしょ」

リザード兵「俺の意思はガン無視かぁ……慣れてるけどさぁ……」

リザード兵「……ん?思ったんだが、側近は参加しないのか?」

エルフ「あー、どうだろう。主催が参加するとは思えないけど」

少女「提案したのは魔王様だけどね」

少女「とにかく!私は戦いに向けて準備だ!じゃあね二人ともー!」ピュー

エルフ「アタシも武器の調整に入ろうかな。強敵揃いだけど負けるわけには行かないからね」スタスタ

リザード兵「ノリノリだなお前ら……」

リザード兵「俺も武器の手入れくらいはしておくかな」

リザード兵「……闘う以上は負けたくないからな」

――――――
―――


側近『さぁ、やってまいりました第一回魔王軍最強決定戦』

側近『司会はワタクシ、魔王軍の縁の下の力持ち、側近と』

魔王『この私が勤めさせてもらうよ』




リザード兵「側近は司会席に入ってるか」

エルフ「助かるよ、正直闘いたい相手じゃないからね」

オーク隊長「本気出されたら勝ち目ないしな」

リザード兵「お、総隊長お疲れ様です」バッ

オーク隊長「畏まらなくてもいいよ、どうせプライベートの延長線上みたいなもんだ」

少女「一般公開だから醜態晒すなって側近が言ってたけどね」

オーク隊長「国民はみんな魔王軍幹部がハチャメチャなのは知ってるから多少は大丈夫だろ」

エルフ「日常的に飲み屋で騒いでるからねアタシたち……」

オーク隊長「ま、凛とした態度で挑ませてもらうがな」

リザード兵「俺も本気でやらせてもらいますよ」

傭兵隊長「おー、おめぇらも参加してたのか」

少女「あ、犬隊長」

傭兵隊長「犬じゃねえ!狼だクソガキ!」

リザード兵「ウチの国籍持ってない奴が何で参加してるんだか……」

傭兵隊長「ヘッ、そう言うなよ。側近の嬢ちゃんに誘われたんだよ、断れねぇじゃねぇか」

リザード兵(お前が側近に惚れてるだけだからだろうがロリコンが)

エルフ「竜爺さんも参加してるって聞いてたけど」

少女「いないね」

傭兵隊長「竜の爺さんならさっき早速ベンチで休んでたぜ、立ってるのも辛いんだとさ」

オーク隊長「何で参加したんだよ……」



側近『各選手、オープニングセレモニーがあるのでとっとと出てきてください』



傭兵隊長「おっと、愛しの嬢ちゃんが呼んでるぜ」タッタッタ

竜爺「行かねば」タッタッタ

少女「うわ突然出てきた」

リザード兵「どうなることやら……」

ウオオオオオオオオオオオ


エルフ「凄い歓声だねぇ」

リザード兵「観客席満席じゃねーか……こりゃあんまり酷い戦いは見せられないな」


側近『それではルールの説明をします』

側近『トーナメント方式。1対1での決闘とし、1試合辺りの制限時間は3分』

側近『時間が過ぎても決着がつかなかった場合は私の独断と偏見でジャッジします』

側近『なお、どんな手を使っても構いません。勝利は殺してでも奪い取ってください』


リザード兵「ひでぇ」


側近『優勝者にはパスタ1年分と、魔王様が何でもしてくれる副賞が与えられます』


少女「何でパスタなんだ……」

エルフ「なんだ、参加者は幹部ばかりだと思ってたが結構兵士たちから出てるじゃないか」


側近『隊長格の方々の殺伐としすぎた試合をだらだらと見せるのもアレですし、生贄で何人か選ばせてもらいました』


オーク隊長「それを観客が聞いている場所で言うなっての」

傭兵隊長「お、早速俺とトカゲ君が当たってるじゃないの」

リザード兵「いきなり隊長同士の対決か、ちょいとハードだな」

第一試合
リザード兵VS傭兵隊長


側近「いきなり注目のカードです」

側近「我が軍最強のリザード部隊長と、やたら私に絡んでくるワーウルフ傭兵隊長の戦いです」

魔王「能力で言えばリザード兵君が有利、しかし戦いの経験で言えば傭兵隊長が圧倒的だね」

側近「はい、リザード部隊長はこの差をどう切り抜けるのでしょうか」

側近「では、魔王軍ファイト レディー ゴー」

傭兵隊長「ハッ、普段は嫌味な奴だが……まぁこういった場では形だけでも仲良くしておいてやるよ」サッ

リザード兵「そりゃどうも……握手しただけで仲良くなれるなんて思わないけどな」サッ

ザクッ

リザード兵「……?」 手に画鋲

傭兵隊長「ギャーハハハハ!引っかかったなクソトカゲめ!馬鹿正直に握手に応じてくれるなんて思ってもみなかったぜ!!」

リザード兵「」イラッ

側近「傭兵隊長の先制攻撃、画鋲です。これは最低です」

魔王「どんな手を使ってもいいというルールだ、仕方ないね」

側近「戦士としての風上にも置けませんね、死ねばいいのに」

魔王「……君、傭兵隊長に容赦ないね」

側近「はい、事実ウザイので」

傭兵隊長「オラオラどうした!槍の間合いなら俺の剣に対して有利が取れるだろう?」ギンッギンッ

リザード兵(言動こそウザイが、実力は本物だ)

リザード兵(距離が近すぎて槍も大振りできないし……さて、どうしたものか)

傭兵隊長「瞬発力では狼の俺が圧倒的有利!胴の長いお前にはちと対処が難しいかぁ?」

リザード兵「そりゃどうかな?」ギンッ

傭兵隊長「おっと!?」

側近「力で弾き返しましたね」

魔王「若さだね。間合いが取れれば彼の独壇場になりそうだ」


リザード兵「この距離なら本来の構えが出来そうだ」グッ

傭兵隊長「ギリギリまで前屈体系か。それに加えて槍、近づきにくくなったな……」

リザード兵「お前の実力だけは認めてやるよ。だがな、よそ者の癖にお前のその偉そうな態度が気に入らない」

傭兵隊長「よく言うぜ、普段から悪態ついてるくせに。で、突然何だってんだ?」

リザード兵「何でもねぇ、ただの日ごろの不満だ……行くぞ!!」チャキン

傭兵隊長「ヘッ正面からのぶつかりあいをお望みかい!きやがれヒヨッコォ!!」バッ

……

側近「勝者、リザード部隊長」

魔王「酷い最後だったね」

側近「真っ向勝負と見せかけて遠距離からの水魔法滅多打ち、どっちもどっちでしたね」


リザード兵「勝ちゃあいいんだよ勝ちゃあ!!」ドンッ

傭兵隊長「」ピクピク


側近「ま、死んでも構いませんし次行きましょう」

魔王「おーい、担架ー」

第二試合
リザード兵VSエルフ


側近「さて、第二試合……」

リザード兵「ちょっと待てやあああああああああああ!?」

側近「実況席に選手が乗り込んでこないでください、何か問題でも?」

リザード兵「問題しかねえよ!?何で立て続けに俺が闘うことになってんの!?」

側近「彼女の相手が試合前に逃げたので繰り上がりで決まったんです、文句言わないでください」

リザード兵「繰り上がりでも順番がおかしいだろ!?」

側近「……第一試合の対戦の片方が皆逃げたって事でお願いします」

リザード兵「意味わかんねぇよ!?」

側近「それでは魔王軍ファイト レディー ゴー」

リザード兵「結局押し戻されちまった……」

エルフ「いっそここいらで負けておいたほうがいいんじゃないのか?」

リザード兵「そうしようかな……」


魔王「もしここで負けたリザードマンの選手がいた場合、残刑に処す」


リザード兵「無理そうだな」

エルフ「参加してるリザードマンってアンタしかいないからね……」

リザード兵「負けたら殺されはしないだろうが何されるか分かったもんじゃないな、こいエルフ!」

エルフ「アンタと本気で闘うなんて久しぶりだね、行くよリザード!」


側近「幼いときからお互いを支えあい、高めあってきた二人の戦いです」

魔王「エルフちゃんは狙撃の名手だね。さっきの傭兵隊長とまでは行かないがフットワークも中々のものだ」

側近「エルフ部隊長の基本はアウトレンジからの攻撃が主となりますね。リザード部隊長はどう応えるのか」

魔王「あの銃は魔道式だから連射も効く優れものだ、これは強敵だ」

エルフ「アンタの鈍い動きじゃアタシの銃はかわせないよ!」ダンッダンッ

リザード兵(肉体強化して動いてはいるが……ッ!流石に避け続けるのはキツイな!)

エルフ「そこッ!」キュピーン

リザード兵「うぐ!」ガガガッ


側近「当たる当たる、面白いように当たる」

魔王「一応彼女は殺傷能力の無いものを使っているね。だが相手にダメージを負わせるには十分な威力だ」

エルフ「よし!押し切る!」

リザード兵「押し切るのはこっちだああああ!!」ダダダ

エルフ「何っ!?」


側近「得物を捨ててそのまま銃弾の嵐の中に突っ込みます」

魔王「強化魔法をすべて皮膚の硬化に使ったか。エルフちゃんは連射の反動で動けないみたいだね」

リザード兵「捉えた!俺の距離だ!」グッ

エルフ「お断りだコナクソ!!」ガツンッ

リザード兵「うげあ!?」

エルフ「強化魔法が使えるのは自分だけだと思うなよ!」ガンガンッ

リザード兵「痛い!?銃で殴るな!痛い!?」

側近「以外、それは物理」

魔王「マスケットは鈍器にもなるからね」


ガシッ

エルフ「しまった!」

リザード兵「銃を掴めばこっちのもんだ!」

エルフ「相手から武器を取り上げようとするなんて、ゲスいことするじゃないか」グググッ

リザード兵「戦場ではそんなこと言ってられないっての!」グググッ

リザード兵「だが諦めな!女の力じゃもう限界だろう?取り上げちまえばそれで終いだッ!」グググッ

エルフ「バーカ、誰が一丁だなんて言った?」チャカ

リザード兵「oh...二丁目ですか……」

エルフ「じゃあねリザード、あとでコッテリ魔王様に絞られな!」


ダンッ

……

側近「勝者、リザード部隊長」

ブーブー
シネー
ヒッコメクソトカゲー

側近「エルフ部隊長はそのビジュアルから国民に絶大な人気を誇っています。トカゲへのブーイングの嵐です」

魔王「怒涛の追い上げだったね。至近距離での銃撃を歯で受け止めるなんて」

側近「その後に二丁とも銃を奪取、エルフ部隊長の降参」

側近「やはりタイマンでは銃部隊のエルフ部隊長は不利でしたね」

側近「ところで魔王様。魔王様ならあの場面、どうやって切り抜けますか?」

魔王「そもそも得物は捨てない、銃を撃たせない。とっとと斬り捨てる」

側近「ですね、私もそうします」

リザード兵「あんな状況じゃそんな事俺に出来るわけないっての……化け物染みたアンタら基準に話すなよ」

エルフ「歯で銃弾受け止めるって時点でアンタもどうかしてるっての」

リザード兵「肉体強化の魔法の成せる業だよ……立てるか?」

エルフ「大丈夫、結局どこも怪我してないしね……というか勝ったアンタのほうが傷だらけだけど」

リザード兵「あー……戦法的に仕方が無いけど」

エルフ「フフッ、ちゃんと治癒魔法かけておきなよ?アンタはウチの大事な戦力なんだからさ」ナデ

リザード兵「おいやめろよ、こんな大勢の前で!」


シネェェェェェェ!!


魔王「試合後にリザード兵君が夜の道端で暗殺されそうな勢いだね」

側近「客席が大変ホットになってまいりました、では次の試合行ってみましょう」

第三試合
リザード兵VS天才少女


リザード兵「おいいいいいいいいいい!?」

側近「読めていた展開でしょうに、受け入れてください」

リザード兵「納得!!せめて俺を納得させるような言い訳しろよ!!」

側近「相手方の対戦選手が全員死にました、コレでいいですよね?早く戻ってください」

リザード兵「全員死んだぁ!?言い訳もする気ないだろオイ!!」

側近「それでは魔王軍ファイト レディー ゴー」

リザード兵「せめて……せめて休ませてくれ……」

少女「お兄ちゃん苦労してるねぇ」

リザード兵「そう思うなら棄権でも何でもして俺を労わってくれ……」

少女「嫌だよ、私だって優勝して開発資金回して欲しいもん」

リザード兵「さいですか……って、お前」

少女「んー?」

リザード兵「その横に置いてあるもの……何?」

少女「ああコレ?私の得物」

リザード兵「それ得物っていうかロボットだよね?しかも完全武装した」

少女「うんそうだよ。私武術も出来ないし魔法も使えないから自分で開発したロボットで戦うよ」

「Yes,Master」

リザード兵「ジャッジーーーーーー!!」

側近「なんですかもう。時間押してるんだからさっさと決めてください」

リザード兵「何ですかじゃねーよ!アレはアリかよ!?」

側近「アリです。先にどんな手を使っても構わないと言ったじゃないですか」

リザード兵「あんな自立して動いてるのでもいいのかよ……」

少女「自立はしてないよ?私がリモコンで操作してる」コキコキ

「ギャオオオオオン!!」ビルーノマチーニガーオォー♪

魔王(リモコンが完全に鉄○28号だ)

少女「さぁお兄ちゃん!この鋼鉄の戦士とどう闘う!」バンッ

リザード兵「どう闘うもなにも……操縦してるお前を叩けばそれで終わりじゃん」

少女「あっ」

リザード兵「……」

少女「……」

少女「お兄ちゃんは闘う術の無いか弱い少女に陵辱の限りを尽くすの?」ウルッ

リザード兵「そこまでしねーよ、とりあえず一発小突くだけだよ」

少女「一発ぶち込む!?公衆の面前でそんなことをする鬼畜だったかお兄ちゃん!!」

ウワーサイテイダー
ソレデモヒトノヤルコトカー!!
アンナノガウチノクニノヒトダナンテ……

リザード兵「……はぁ、アレと闘えばいいんだろ闘えば」

少女「それでよし!」フフン

魔王「早くも彼女のペースだね」

側近「その幼い見た目に反し、魔王軍の日用品から超兵器まで、ありとあらゆる下らないものを作り続ける彼女」

側近「ハーフエルフで金髪幼女で眼鏡娘で白衣で妹属性、詰め込みすぎですね」

魔王「……君は何の話をしているんだい?」

側近「あのロボットは重武装な見た目のまま、とても分厚い装甲に守られています」

魔王「長期戦は必至だね」

リザード兵「両手シールド両肩ガトリングガン……お前らしいロマン武装だな」

リザード兵「盾殴りが怖いが、それさえ気をつけていれば懐に入って決められる!」バッ

少女「そう来ると思ったよ!ロマンなのは見た目だけじゃないよ!」コキコキ

「ok,Laser blade」ビュン

リザード兵「どぅおあ!?」

少女「そらそらー!乱れ斬りだー!!」

リザード兵「ちょっと!まって!当たったら!死ぬ!!」サッサッサッ

側近「おっとここでスカートから隠し腕、しかもレーザー兵器。殺す気満々です」

魔王「レバーしか付いてないリモコンでどうやってあそこまで操縦しているんだ……」

側近「そこは突っ込まないお約束です。いつまで避け続けられるか」

魔王「しかし、このまま時間が過ぎていくだけではリザード兵君の判定負けになってしまうね」

側近「反撃のチャンスを見逃さないようにしたいですね……ん?」

魔王「どうしたの?」

側近「観客席がなにやら騒がしいですね、ちょっと席を空けます」

魔王「あ、うん」

商人「ジュースにお菓子ー!ビールにおつまみー!あとついでにレアなアイテムも販売してますよー!」

商人「さぁ買った買った!この熱気で喉も渇くしお腹も減るし!ちょいとここらで一服どうだー!」

商人(ぬっふっふ、よく分からないけど立ち寄った闘技場でなにやら催し物が開かれててラッキーですねぇ)

商人(こうやってドサクサに紛れて商売をする!んー、我ながら賢い!狡賢い!)

側近「もし、そこの犬耳の売り子さん」

商人「狼です!……おんや?どうしたんですかお嬢ちゃん?ジュースでも買いに来ましたか?」

側近「あ、はい。オレンジジュース2つ下さい」

商人「まいどありー。おまけにこのリンゴ飴も付けちゃいますねー」

側近「それはどうも。ところで……」

側近「誰の許可を得てここで商売をしているのでしょうか?」

商人「え?」

側近「運営にはお酒を出さないようにとお願いしてあります。ここでお酒を売っているあなたは誰の許可を得て売っていたのでしょう」

商人「あはは……えっと、あなたは……?」

側近「申し遅れました、この大会の主催者の側近です。側近といっても本名じゃないので悪しからず」

商人「あー……主催者さんねぇー……」

側近「最悪、出るとこ出ることになりますがどうしましょう?」ジリジリ

商人「あぁー!!見てください!!試合のほう決着がつきましたよ!」

側近「え?」パッ

商人「今だ!サラダバー!!」ダダダ

側近「あ、待ってください」

商人「待てと言われて待つ奴がいるかコンチクショー!!」ダダダダダ

側近「……こんな人ごみの中で魔法を使うわけにはいきませんし」

側近「まぁ、今回は見逃してあげましょうか」

リザード兵「どうだぁー!時間制限過ぎちまったが文句無しで俺の勝ちだ!」

少女「クソ!悔しいが負けを認めざるを得ない……!まさかあそこであんな手を使うなんて!」ガクッ


側近「只今戻りました」

魔王「やぁ、凄い試合だったよ」

側近「そうですか、凄かったですか」ペロペロ

魔王(リンゴ飴か、私も欲しいな)

側近「で、試合結果は……」

魔王「ああ、制限時間内に決着が付かなかったから君のジャッジに委ねる事になるね」

リザード兵「誰がどう見たって俺の勝ちだぜ!さっさと判定を言いな!」

少女「くそう!念のためすぐに対処出来るように2号機も持ってきていたが……出番がなかったな」

魔王「まさかあそこであの必殺技が炸裂するだなんて……」

側近「あ、すみません。試合のほう見てなかったのでジャッジ出来ません。2号機もあるようですし再試合をお願いします」

リザード兵「」

……

側近「勝者、リザード部隊長」

少女「いやぁ、二戦目は完全破壊されるとは思わなかったね。参った参った」

魔王「渾身の怒りをぶつけていたね。合掌」

リザード兵「俺は何故……二回も同じ相手と戦わなきゃいけなかったんだ……」ゼーハーゼーハー

側近「お疲れ様です。早速で悪いんですけど、とっとと次の試合に行きたいです」

リザード兵「アンタは俺を虐めてそんなに楽しいか……?」

側近「虐めている自覚はありません、結果的にそうなっているだけで」

側近「とはいえ、流石に体を壊されても困りますので休憩を挟みましょう」

リザード兵「ありがてぇ……」ドサッ

魔王「あ、倒れた」

側近「10分ほど寝て起きればいつも通りの喧しさになるでしょう。一応休憩室に連れて行ってあげてください。スタッフー」

少女「……側近がデレた!」

側近「黙れ」

少女「さて、私は戻ってこいつらの修理かねー」スタスタ

リザード兵「スヤァ……」



魔王「どうだい、君の目から見て彼らは」

側近「というと?」

魔王「戦争に……生き残ることが出来るか」

側近「……」

側近「そのときの状況にもよりますが、たとえ個が強くても戦争ではそれは些細なことです」

側近「あなたが言う"生き残れるか"という質問に対しては答えることができません」

魔王「……」

側近「失う事を恐れているのは分かります、現にあなたは大切なものを目の前で失った……あなたのつけている仮面がそれを物語っています」

側近「ですが、これから私達がやろうとしていることはもっと大きな、それも多くのものが失われることになるのです」

魔王「……妻や、君たち以上に大きいものなど……何も無い」

側近「その言葉は心の中にしまって置いてください。王の言葉ではありません」

側近「……死地へ赴く彼らを信じましょう。それが、表へ出ない私達に出来る精一杯の事です」

側近「生きて帰ってきてくれることを信じて……」

魔王「……そうだね」

側近(……この人、目を離したら絶対に自分から最前線に乗り込みそうですね)

魔王「さて、我々も少し休もう。喋りすぎて疲れたよ」

側近「あ、オレンジジュース買ってきてたので、どうぞ」

魔王「ああ、貰うよ。ありがとう」

魔王(……さっきからずっと二つ抱えっぱなしだったけど、もっと早いタイミングで渡してくれよ……)

――――――
―――


リザード兵「……ハッ!魔王に殴られる夢を見た!」バッ

エルフ「そりゃ正夢にでもなるんじゃないか?」

リザード兵「あれ?ここは……」

エルフ「闘技場の休憩室。アンタ運ばれてここまで来たんだよ」

リザード兵「全然覚えてねぇや……随分スッキリしたけど、俺どのくらい寝てた?」

エルフ「10分」

リザード兵「短ッ!?俺の回復力ヤバイだろ!?」

エルフ「自分の体の事だろう……」

リザード兵「次の試合っていつ始まるの?」

エルフ「30分後だね……もう少し寝ていられるけど?」

リザード兵「……んじゃ、お言葉に甘えさせてもらおうかね」

エルフ「はいはい、私の膝だったら好きなだけ使いな」

リザード兵「スヤァ……」

エルフ「フフッ、アンタは昔っから変わらないね……」ナデナデ

第五試合
リザード兵VSオーク隊長


側近「さぁ始まりました第五試合、オーク総隊長とリザード部隊長の師弟対決です」

リザード兵「もう突っ込まない、もう突っ込まないぞ……」

リザード兵「……第五試合!?四試合目はどうした!?」

オーク隊長「おめぇ、突っ込まないんじゃなかったのか」

側近「第四試合はオーク総隊長と竜爺様の対決を行いました」

リザード兵「いつのまに……」

側近「あなたが休憩室でエルフ部隊長といちゃついてる間にです」

リザード兵「」

魔王(マイクで観客に声聞こえてるよ側近……リザード兵君暗殺確定だよ)

側近「結果、オーク総隊長の不戦勝です」

リザード兵「不戦勝?」

側近「竜爺様は構えた瞬間に腰を痛めて棄権しました」

オーク隊長「あの人元々参謀だし……まぁ種族が種族なだけに普通に闘ったら強いんだろうけどよぉ」

リザード兵「あの人何しに出てきたんだよ……」

側近「それではお二方、構えてください」

側近「コレが最終試合です。それでは魔王軍ファイト レディー ゴー」

オーク隊長「さぁて!コレで魔王軍最強が俺かお前か白黒決まるってワケだな!」ガインッ

リザード兵「ただただアンタの背中を追いかけ続けてきた……だがな親父、今日はその背を越えてみせる!」

オーク隊長「やってみな馬鹿息子!俺の拳を砕いてみせろ!!」

リザード兵「うおりゃああああああ!!」

オーク隊長「でぃぃぃぃぃぃぃや!!」

魔王「オーク隊長はその巨体に見合った豪腕の持ち主。ナックルに付いた肉体強化の魔導核の効果も手伝いその威力は鉄をも砕く!」

側近「さらに防御面、機動面でも核の恩恵で強化されています。単純こそが強いを地で行く人です」

魔王「筋肉質ではあるが細身のリザード兵君では若いといってもインファイトは不利、どう出るか」

少女「持てる力を最大限に使わなきゃお父さんに勝つのは難しいね、お兄ちゃん」

エルフ「強力な魔法が使えるアドバンテージはあるんだ、だが総隊長もそれは警戒してくるだろうね」

傭兵隊長「負けろヒヨッコー!」

側近「……なぜ実況席にあなたたちがいるんですか。あと傭兵隊長、鬱陶しいので私の隣に座らないで下さい」

魔王「もう出番無いと思って慌てて割り込んできたね、君たち」

リザード兵「水よ!貫け!」

オーク隊長「魔法で牽制か!それもまたよし!だけどなぁ……」

オーク隊長「近づけないなら近づけないでやりようはあるんだよ!!」ガッ

リザード兵「なっ!?地面を持ち上げた!!」

オーク隊長「うだらああああ!!」

リザード兵「土の津波!?クソッ半端な魔法当てられるより堪えるぞ!」

オーク隊長「隙だらけだよ!」

リザード兵「ウグッ!?」

オーク隊長「津波に気を取られたな!突進している俺には気が付かなかったか?立て!」

リザード兵「だぁー!!効いたー!でもまだまだだぜ!」バッ

側近「さっきまでの試合はなんだったんだと思うほどいい試合してますね」

魔王「小手調べか、オーク隊長。でも、リザード兵君はもっと出来るよ」

側近「……魔王様?」

魔王「彼は魔王軍で誰よりも強い……あなたが鍛え上げた逸材だ。そして、それを今証明するんだ、"リザード君"」

側近「……熱中してますね、コレだから男の人は……」

リザード兵(距離を置いても一瞬で詰められ、近くに来られれば即死間違いなし)

リザード兵(何とかまた距離を置いても決定打がこちらには無く、また詰められ……)

リザード兵「悪循環だなこりゃ」

オーク隊長「俺程度のパワー馬鹿を攻略出来ないんじゃあ、魔王軍最強の名前は背負わせられないなぁ!」

リザード兵「言われなくても分かってるよ、何とかしてみせる!」

オーク隊長「ようし、その意気込みだ!」

リザード兵(あれ、実践で使ったこと無いけどやってみるか)

リザード兵(ちょうど親父が地均ししてくれたからな……後は俺がばら撒くだけだ!)

オーク隊長「おめぇが来ないなら……こっちから行くぞ!!」ブンッ

リザード兵「うあっぶねぇ!?拳が飛んできやがった!?」

オーク隊長「ふん、避けたか……チマチマと攻撃するのが嫌いだからあまり使わない技なんだが……」

側近「闘気を拳に纏わせ殴りぬける飛ぶ拳ですね。魔法を飛ばす原理を力技でやってのけた誰がどう見ても必殺技です」

魔王「地面に風穴開けておいてチマチマした攻撃と言っている彼は豪快な人だね、まったく」


オーク隊長(何が恐ろしいって、こんな技出来てもアンタら二人の方が全然強いって事だよ……敵う気がしねぇ)

リザード兵「うりゃあ!」バシュンッ

オーク隊長「おっと危ねぇ!惜しかったな、今の魔法が当たってたら仕留められていたかもな」

リザード兵「余所見しといてよく言うぜ……」

オーク隊長「だがどうした!さっきから槍を振るわなくなってるぞ!それはただのお飾りかぁ?」

リザード兵「お生憎様、コイツはただ敵に振りかざすだけのものじゃあないんでな」シュッシュッ

オーク隊長「何をする気だ?」

リザード兵「降り注げ大豪雨!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

オーク隊長「ッ!?」

側近「ここで水系統の上級魔法です。魔力により無理矢理局地的に雨を降らせる術です」

魔王「あの槍は私が作った作品だ。彼専用のもので、必要に応じて魔法の杖にもなる」

魔王「術自体は効果範囲も効果時間も短いから使い道に困るものだけど……さて、何をするのかな」



オーク隊長「そうか、杖にもなるんだったなその槍は。雨で視界と動きを奪おうってか?」

リザード兵「さてな!ま、俺は雨の中でも問題なく動けるけどな!」

オーク隊長「戦場で雨なんざよく降るもんだ!俺にだって問題はないさ!」

リザード兵「だったらきやがれ!」バッ

オーク隊長「安い挑発だ……だが乗ってやる!」バッ

リザード兵(相手の一歩先を行け!次の行動を考えるのではなく感じろ!)

オーク隊長(敵の攻撃を往なすのは直感で決めろ!己の感覚を研ぎ済ませろ!)

リザード兵(相手の連続攻撃は何れ疲労により隙が出来る!)

オーク隊長(防御に徹しているときは隙を見逃すな!)

リザード兵(さすれば……)

オーク隊長(己の起点へとなる!!)


「「ここだぁーーーーッ!!」」

リザード兵「うッ!?がああーーー!!」

オーク隊長「脇腹もらったああああ!!」



少女「お兄ちゃんが読み負けた!」

傭兵隊長「ヒヨッコが、オークの旦那がワザと作った隙に釣られたな」

エルフ「おいおい!一気に端まで吹っ飛んだぞ!」

側近「決まりましたね」

魔王「面白くなってきた……」

側近「え?」

オーク隊長「どうだあああ!俺の背中ぁ!超えれるものなら超えて見せろやぁ!!」

リザード兵「グッ……コレは……効くな……」

オーク隊長「お前を守る雨もこの通り止んだ、もう万事休すじゃないのか?」

リザード兵「ヘヘッ……真っ向勝負で打ち勝ちたかったけど……しゃーない……」

リザード兵「もう手段を選ばずに勝ちに行かせてもらう!!」

オーク隊長「何ッ!?」

リザード兵「土と水の精霊よ、我がアギトの名において契約せよ……」

オーク隊長「おめぇ!本名を……!何をするつもりだ!」


側近「契約呪文……そういえば彼の得意な魔法でしたね」

魔王「先に君が言ったことだ、どんな手を使っても構わないと」

魔王「まさか本気で全力で来るとはね」

オーク隊長「詠唱か!クソッ!足場がぬかるみ過ぎてて間に合わねぇ!!」

リザード兵「親父が闘技場の土を程よく耕してくれたおがけで、水を染み込ませやすくなったよ」

リザード兵「後は、この泥達に命を与えるだけだ!」

リザード兵「目覚めろ!我が僕、マッドゴーレム共よ!」

オーク隊長「お……うおおおお!?」

リザード兵「俺の敵を押しつぶせええええええええ!!」

オーク隊長「か、数が多すぎる!うおおおおおおお!!」

……

側近「勝者、リザード部隊長」

リザード兵「いよっしゃああああ!!」

オーク隊長「あー、負けた負けたー」

魔王「二人とも、お疲れ様」

エルフ「おめでとう、リザード。総隊長……お父さんもお疲れ様」

少女「お兄ちゃんやるねぇー。見直したよ」

傭兵隊長「……ま、いいもの見させてもらったよ」

リザード兵「ヘヘッ、どんなもんだい!」

側近「見事です、相手の攻撃を利用して自分の有利な場を作ったとは」

リザード兵「こんな整った場所じゃなくて森や湿地帯なら木や土からもっと簡単にゴーレム作れたんだけどな」

オーク隊長「なんでぃ、結局俺と殴り合いをしたのは勝ち確定してたからなのかぁ?舐めやがって……」

リザード兵「あああ違うって!本当はあの攻防で勝ちたかったんだって!」

オーク隊長「ほーら舐めてるじゃねーか」イジイジ

魔王「師弟の……親子の絆を再確認出来たね」

オーク隊長「まぁ、アイツの成長が見れたってことで。今回は勝ちを譲ってやるよ」

エルフ「ハハッ、負け惜しみにしか聞こえないよ、総隊長」

少女「鍛えなおしたかったら魔王軍開発室がトレーニングマシーンを提供するよ!」

オーク隊長「そりゃあ遠慮しておく」

「「「ハハハハハ」」」

魔王「さて、優勝商品のことだが」

リザード兵(うわ、絶対なにかしでかすぞこのクソ魔王)

魔王「リザード兵君、君にはもう一試合してもらおうかな」

リザード兵「え?今から?終わったばかりなんだけど……」

魔王「大丈夫、手加減するからさ」

リザード兵「手加減って……え!?」

側近「……魔王様、どういうことでしょう?」

魔王「なに、最強決定戦に出なきゃおかしい人、一人残ってるでしょ?」

最終戦
魔王VSリザード兵


エルフ(読めた)

少女(名前の位置が……)

オーク隊長(悪い、止められなくて……)

傭兵隊長(ざまぁねぇなヒヨッコ……強く生きろ)

リザード兵「あるぇ?何で誰も止めてくれないの?ねぇ?」

魔王「さぁ、構えて。側近、頼むよ」

側近「……腑に落ちませんが、魔王軍ファイト レディー ゴー」

……

側近「勝者……言うまでもありませんね」

リザード兵「」

エルフ(数秒持たなかったね)

オーク隊長(規格外なんだよアンタ)

魔王「ハッハッハ、手加減してしまったのに勝ってしまったな」

側近(白々しい……)

リザード兵「俺が何したって言うんだ……」

魔王「ゴメンね、今度新しいバイク買ってあげるから許して」ボソッ

リザード兵「わーい!」

側近「……それで、魔王様。優勝してしまったのはあなたですが、目的は何ですか?」

魔王「優勝商品である魔王にお願い事聞いてもらえる権利を自分で使わせてもらうよ!」

魔王「ズバリ!1週間ほどの休暇を……」



オーク隊長「はぁ……とんだ茶番だったな」

少女「下らん、帰ろ」

エルフ「これから打ち上げに行かない?魔王様の財布で」

傭兵隊長「お、いいね。俺も参加するぜ」

リザード兵「うるせー、余所者は来るな」



魔王「……あれ?」

側近「……魔王様が珍しく皆のことを考えて大会を開こうとおっしゃった時は、そりゃもう嬉しかったですよ」

魔王「いや、それは本心だよ。私の事よく知っているだろう?」

側近「そうですね、ついでに自分の目的を達成させればいいだけですからね。楽なものですね」

魔王「あー、その……流石にさっきのは冗談で……」

側近「こんな大規模なことまでさせておいてオチがコレですか……お客さんたちも呆れて帰っていますね」

側近「魔王様、後で私の部屋に来てください」

魔王「あの、だから……」

側近「もう一度言います。後 で 私 の 部 屋 に 来 い」

魔王「……はい」

――――――
―――


竜爺「楽しい宴たっだのう……」

オーク隊長「あんた途中で帰らなかったっけ?何でいるんだよ……」

竜爺「飲み会くらいいいじゃろ!出番なかったんだし……」

傭兵隊長「何の出番だなんの」

少女「しっかしまぁ……無駄な一日だったね」

エルフ「最後だけ見るとね、でも……」

リザード兵「ああ、俺にとってはいい一日だったよ」

リザード兵「何の嫌がらせかずっと戦い詰めだったけど」

竜爺「おそらく、側近の奴がお主の力が見たかっただけじゃろうな」

リザード兵「側近が?魔王じゃなくて?」

竜爺「選手のスケジュールを管理していたのは側近じゃからな」

傭兵隊長「嬢ちゃんが?何でそんなことを……」

竜爺「……おそらく、今後の戦争のことでじゃろう」

竜爺「ワシら年寄りが死んでゆけば、残された若い者で軍を率いていくのはお主じゃからの」

オーク隊長「……」

傭兵隊長「……」

リザード兵「お、おいおい。何縁起でもないこと言ってんだよ爺さん」

リザード兵「ほら他の年長者達も!湿っぽい顔してんじゃねーよ!」

オーク隊長(いつか来るはずなんだ)

傭兵隊長(俺達ロートルがその役目を終える日が……な、ヒヨッコ)

竜爺「分かってくれ、新しい時代を生きるのはワシら年寄りではなくお主らのような新しい世代じゃ」

少女「言われなくても分かってるよー、年寄りに私の道具とか触らせたくないしー」

エルフ「え?そこ!?」

オーク隊長「……なーに言ってんだ、俺たちもまだまだ捨てたもんじゃねーよ」

傭兵隊長「だな!まだまだこんなにも酒が飲めるしよう!!」グビグビ

リザード兵「おいコラ!まだ乾杯してねーじゃねーか!」

エルフ「オホン、それじゃあ改めて……」

竜爺「うむ、アギト坊の優勝……?いや、準優勝に!」

オーク隊長「俺達ロートルの未来に!」

リザード兵「魔王軍の栄光に!」


「「「「「「カンパーイ!!」」」」」」


ガシャーン!!バリーン!!ババッ!!ザシュッ!!ギャアアアアアア!!


エルフ「なんだ!?停電!?」

傭兵隊長「うわ!?グラスが割れて全部リザード兵に飛んで言ったぞ!?」

竜爺「証明がアギト坊の頭上に落下した!?」

オーク隊長「おおおお!?リザード兵が刺されてる!?暗殺か!!」

リザード兵「」

少女「く、クロ○ダイーン!!」





今日も魔王軍幹部たちは仲良しです


リザード兵「魔王軍最強決定戦?」

おわり

終わった
機械男書いてたハズがなぜか先にこっちを仕上げてしまった

もしお付き合いしていただいた方がいましたら、どうもありがとうございました

パスタ脱却したいです(切実)

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