スターク「完現術…?」 (72)

BLEACHのSSです。
十刃のスタークとリリネットが主役です。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1385135201

______地獄 入口(正確には門の前付近)_______




ワイワイガヤガヤ


スターク「………」


スターク(……ここは、どこだ…??)


スターク(…そういえば、俺は変な死神に斬られて死んだんだったな……)

ワイワイガヤガヤ


スターク(とすると、ここは…地獄か)

ワイワイガヤガヤ


スターク(つまり、ここにいるこいつらは死んだ魂魄って事か、俺もだけど…)


スターク「………」


スターク「かったりーな」ボソッ


スターク「………」キョロキョロ


スターク(見渡す限り真っ白な部屋か…、そんなに広くはないみたいだな…)


スターク(そして、その中に俺を入れて50人の魂魄がこの部屋にいる、と)

スターク「!!!」


スターク(そう言えば、リリネットは……??)


スターク(そうだ、俺の群狼(ロス・ロボス)が破られて…、それでやられちまったんだ……)


スターク「……っ!!」


スターク(…それで、俺も死んだ…)


スターク(……リリネットはどこにいるんだ?)


スターク(まっ、そのへん探せば見つかんだろ、同じ場所に来てんだろーし)スタスタ


ガチャリ


スターク「……」


スターク(似たような部屋に同じぐらいの魂魄か、どういう構造になってんだここ??)


スターク(リリネットはここにはいないな…)


スターク(とりあえず、先の部屋に行ってみるか…)スタスタ

ガチャリ


スターク「………」


スターク(ここも同じかよ、どうなってんだ??)

警備員「ちょっと、君」


スターク「……俺?」


警備員「そう、君だよ。困るんだよね、順番は守ってもらわないと」


スターク「……そうすか」


警備員「わかったら早く戻って、この部屋には定員があるんだから、勝手な事はしないでくれよ」


スターク「探してる奴がいるんだ。そいつを見つけたら、すぐに戻るよ」


警備員「そんなのは良いから、すぐに戻りなさい。見た所、虚にしてはかなり魂魄の質は良いみたいだが、特別扱いは出来んよ、さぁ、戻った戻った」


スターク「……」イラッ


スターク(こいつと話してても埒あかねぇ…)


スターク「あのさ、虚の女の子を見なかったか?」


警備員「うむ、確かもう少し先にいたような…」


スターク「それだけわかれば十分だ、サンキューおっさん」ダッシュ


警備員「おい、こら待ちやがれ!!!!」ダッシュ


スターク(あー、面倒だな、マジで)

スターク「……虚閃」ボソッ


ズオオオオオオオッッ!!!!


警備員「え?」


ズドオオオオオオンッ!!!

ガチャリ

スターク(また似たような部屋かよ…かったりーなー)


スターク(虚閃をあの部屋で撃っても、こっちには被害なしか…、)


スターク(かなり特殊な構造みたいだな、これ)


スターク「……」キョロキョロ


スターク(ここにもいねーし、次の部屋かな…)


魂魄「なぁ、あんた」


スターク「…何だ?」


魂魄「さっきの凄い音、あんたがやったのか?」


スターク「まぁ、そういう事になるな」


魂魄「魂魄だけの身体で、そんな力が出せるのかい!! 凄えよあんた!」


スターク「褒められても何も出ないぜ、所で、女の子を見なかったか?」


魂魄「俺が見た女の子なら、次の部屋にいると思うぜ」


スターク「助かったぜ」スタスタ


魂魄「そろそろ警備がきつくなるから、あんまり動き回ると危ないぞー!!!」


スターク「忠告ありがとな、だが、こればっかりは放っておけないんだ」




スターク「この部屋だな」

ガチャリ


スターク「……」


リリネット「あっ、スターク!!」トテトテ


リリネット「良かった、スタークもここに来てたんだね♪」


スターク「俺たち揃って地獄行きらしいから、あんまり嬉しくはないけどな」


リリネット「でも、やっとスタークを見つけられてんだもん、今はそれで良いじゃん」ダキッ

スターク「…おいおい」


リリネット「私が先に負けちゃったから、スタークも負けちゃって…、ごめんね…」ギュウッ


スターク「相手の方が俺たちより強かっただけだ、今それを言ってもしょうがないさ」


リリネット「でも…、でも…」ウルウル


スターク「俺たちは一心同体だ、そんなことは気にすんな。メソメソはもう終わりだ、分かったな」ナデナデ


リリネット「うん…///」ニッコリ





さっきの警備員「おい、お前! さっきふざけたマネしてくれたなぁー!!!」


スターク「…やばっ…」


リリネット「ねーねー、スターク、何やったの?」


スターク「あいつがうるさいから、虚閃撃った…」ボソボソ


リリネット「ヤバいじゃん、どーすんの??」


スターク「ったく、めんどくせー」


リリネット「そもそも、スタークがやったんじゃん」


スターク「そりゃー、そうなんだけどさー…」


スターク(そもそもお前と合流する為だってーの)


スターク「…仕方ねーなー」

さっきの警備員「今度は仲間がいるからな、さっきみたいにはいかないぜ」


スターク「だったら、どうなるんだよ」


さっきの警備員「魂魄だけのくせに、ずいぶん偉そうだな」


スターク(つーか、このままいても地獄に行くだけだよな…)


スターク(でも俺死んでんだよな…、この感じだと、他の奴らもいるっぽいけど)


スターク(藍染サンもどーなったかわかんねーし_)


スターク「どうしようか、リリネット」


リリネット「え?」


スターク「このままここにいて、地獄に行くか、ひと暴れしてみるか、だ」


リリネット「うーん……」


さっきの警備員「こっちを無視してんじゃねーよ虚!! あんまり舐めたマネしてると、無間地獄に落としてやってもいいんだぞ!!!」


スターク「あいつ、あんな事言ってるぞ…」


リリネット「ねー警備員のおじさん、もし無間地獄に行ったら、もうスタークに会えないの??」


さっきの警備員「そっちのデカいのはともかく、俺の奴隷になるんだったらお前だけはここに置いてやってもいいぜぇ」フヒヒッ


リリネット「……わたし、決ーめた」


スターク「何を?」


リリネット「大暴れ、しようよ」


スターク「賛成」


スターク(帰刃するか)


スターク「俺にくっつけ、リリネット」

リリネット「はーい」

スターク「……はぁ」シュウウウウウ…


リリネット(銃)「帰刃したんだから、やる気出しなよ!」


スターク「分かってるよ…」



さっきの警備員「あれ、さっきの女の子が…」


その他の警備員「消えた……」



スターク「無限装弾虚閃(セロ・メトラジェッタ)!!!」


ドガガガガガガガッ!!!!!!!!!


さっきの警備員「…え?」


ズバアアアアアンッ!!!!


スターク(こんだけ撃ってもこの部屋は崩れないのか、ホントにどーなってんだろう…)


さっきの警備員他数名の警備員「」


生き残りの警備員「止めろおおお!! 頼むから止めてくれええええ!!!」


スターク「…なんで?」


生き残りの警備員「この部屋であんまりドンパチやると、この部屋がぶっ壊れてしまうぞ、そうなったら大爆発が起こって、みんな死んじまうんだよ!!」


スターク「いや、俺もう死んでるし…」銃口を向ける


生き残りの警備員「この霊子の空間が壊れたらどうなるか、俺にもわからないんだ!だから止めるんだ!」


スターク(なるほど、さっきも今も部屋が壊れていないのは、この部屋が全部霊子で出来ていたからか)キョロキョロ


スターク(さっきの警備員が言ってた定員っていうのも、部屋を構成している霊子で管理できる魂魄の総量が限られているからって所か、そこで俺が虚閃をぶっ放していると…)

スターク「リリネット、聞いてるか?」


リリネット(銃)「聞こえてるよー」


スターク「ここぶっ壊したらどうなると思う?」


リリネット(銃)「よく分かんないけど、地獄で嫌な思いするよりは何倍もいいかなーって思うな」


スターク「同感」


生き残りの警備員「いい加減大人しくしやがれ!! お前がぶっ放した虚閃のせいで部屋が膨張しているから、勝手な事は止めろ!! 霊子が圧迫され過ぎていつ爆発してもおかしくないんだぞ!!!」


スターク「死んでんだから、そんな事気にならねーよ」スッ


生き残りの警備員「ふん、死んだ魂魄のお前がそう何発も虚閃を撃ってみろ、その内力尽きて死んじまうぞ!! そうなったらお前は消滅するんだ!!地獄からも、この世界秩序からもな!!」


スターク「そうだったのか…」


スターク(でも、それでいいかもな)


リリネット(銃)「私は嫌だよ!!」


スターク「なんで?」


リリネット(銃)「消えちゃうのは嫌だもん!! またばらばらになっちゃうのは絶対嫌…!」


スターク「……」


スターク「だけどさー、リリネット」


リリネット(銃)「なに?」


スターク「魂魄が無くなっていく感触あるか…??」


リリネット(銃)「無い…かも」


スターク「だよな」


スターク(一応、第1十刃(プリメーラ・エスパーダ)だしな、そう簡単には枯れないか…)

生き残りの警備員「御託はもういい、お前は俺の手で霊子分解してやるぜ!!」ガシャン


スターク「何だ、それ?」


生き残りの警備員「強制的に魂魄を霊子に分解する機械さ、これでお前の虚閃も分解して終わりだよ、大人しく霊子にされるんだな!!!!」


リリネット(銃)「ヤバいじゃんスターク、私たち分解されちゃうよ!」


スターク「大丈夫だ」銃構え


生き残りの警備員「なんだ、撃ちあおうってのか?? 上等じゃねーか!!」


スターク「虚閃」

ズオオオオオオオッッ!!!!


生き残りの警備員「こいつ!!虚閃を壁に撃ちこんだだとおっ!!!」


スターク「霊子で出来た空間に、高濃度の霊子を大量に詰め込んで膨張させたら____」


スターク「爆発__するんだろ?」ニヤリ



カッ!!!!!!!!!!



ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッッ!!!!!!!



スターク「うおっ!!!」


スターク(吹っ飛ばされて…る……のか??)



スターク(くそっ、意識が……ヤバい…)

_______ニューヨーク ニューヨーク郡 マンハッタン チェルシーパーク内________



______ヒュウウウウウウウウウッ


__ドサッ



_____えっ、今人が落ちてこなかった??

____マジで? ヤバくね??

____通報した方が良いのか?

____ほっとけよ、此処は自由の国だぜ



ワイワイガヤガヤ




スターク(……ここは?)ズキッ


スターク(くそっ、頭イテーな)


スターク(とりあえず、俺はまだ存在してるみたいだな…)


___イテ

___ドイテ


スターク「……ん?」


リリネット「どいてって言ってんじゃんバカぁ!!!」ガバッ


リリネット「女の子の上にのっかるとかマジでサイテー、ありえないんですけど!!」


スターク「お…おう」


リリネット「スタークがのしかかってきたから、体中が痛いし…マジで最悪なんだけど」


スターク「……スマン」ナデナデ


リリネット「そうやって、ごまかそうとして」


スターク「そうだな…」


リリネット「何よ!」


スターク「助かって、良かったな」ニコリ


リリネット「………うん///」テレワライ


スターク「それで、ここはどこなんだ…?」


リリネット「わかんないよ、そんなの」


スターク「とりあえず、歩いてみるか…」


スターク(なんか、みんなチラチラこっち見てるし…)


リリネット「えー、だるーい」


スターク「置いてくぞ」スタスタ


リリネット「あっ、待ってよー」




____なんか、大丈夫そうだぞ…?

____コスプレ? にしては気合はいってんな

____あんな女の子と…、良いなぁ……

_______フヒヒッ

____マンハッタン都心部 ダウンタウン ムーア・パーク付近_____




リリネット「看板みっけ」トテトテ


スターク「なんて書いてある?」


リリネット「えっとね、マンハッタン…ダウンタウン?」


スターク「ダウンタウン?」


リリネット「さっぱりわかんない」


スターク「確かに…」


スターク(どうやら、ここは地獄でも尸魂界(ソウル・ソサエティ)でもなさそうだな、見た所、人間の生活しているかなり高水準な場所みたいだが…)


スターク(どうやってここに来たのか原理はわからんが、どうやら現世みたいだな)


スターク「まぁ、いいか」


リリネット「どうしたのー?」


スターク「何でもねーよ、疲れたからどっかで休むぞ」スタスタ


リリネット「さんせーい♪」

_____ダウンタウン チェルシー 18st付近___


リリネット「~♪」


スターク(なんだかんだで、あいつ結構楽しそうだな。ここの事全然わかんねーってのに)


リリネット「ねー、スターク!! こっちにキレイなカフェがあるよー!!」


スターク「おー、今行くわ」


スターク(一休みしてから考えるか…)



警官「そこの君、ちょっといいかな」


スターク「……え?」


スターク(二回目かよ、どうなってんだ今日……)ウンザリ


警官「その変な服はコスプレか何かかい?」


スターク(うわっ、面倒くせぇ……)


スターク「そうっスね」


警官「その刀も、もちろん作り物だろうね?」ジロリ


スターク(ここは、話を合わせておくか…色々面倒だし…)


スターク「勿論ですよ、ただの飾りです」


警官「それならいいんだけど」


スターク「こういう服着てるのが趣味なんスよ」


警官「その服だと、そろそろ寒いんじゃないか?」


スターク(世間話かよ……)


スターク「慣れるとそうでもないっスよ」ニッコリ


警官「今後、そういう服を着て歩きたいんなら許可をとってくれよ」


スターク「次から、そうします」ニッコリ


リリネット「ねー、スターク!!何してんのー??」


スターク(リリネット…!!)


スターク(とりあえず、先に話をしておくか…)


スターク「あの子は、ただのコスプレ仲間っス」


警官「ああ、そうかい」


リリネット「何してんのー??」スタスタ


警官「かわいいお嬢ちゃんだね、何歳だい?」


リリネット「虚にトシなんてカンケーないじゃん!!」


警官「ホロウ…?」


スターク(ヤバい…)


スターク「その子は、ちょっと不思議なやつなんっスよ」


警官「…そうかい」疑いの眼差し


警官「そうだ、お嬢ちゃんの持ってる刀も飾りなのかい?」


スターク(……ッ!!!!)


リリネット「違うよ!そんなわけないじゃん!!」スラッ


リリネット「これで、藍染様の邪魔をする死神共を切り刻んでやるつもりだったんだけど、上手くいかなくって…」ブンブン


スターク「」


スターク(ああ、俺詰んだわ)


警官「どういう事だい、君?」ジロリ


スターク「」


スターク「リリネット、こっちに来い」グイ


リリネット「痛っ、急に引っ張らないでよ」


スターク「響転(ソニード)」ボソッ


ギュウウウウウウウンッ!!!!



警官「こら待てええ!!!!」


警官「あー、本部ですか。至急何名かこちらに回して下さい、大柄で白い服のコスプレのロリコン変態男を見つけました。身柄を確保したいので、増援を。繰り返します_____」

_________ダウンタウン グリニッチ・ビレッジ付近_____




スターク(この辺なら大丈夫だろう……)シュタッ


スターク「着いたぞ」


リリネット「ここ…どこ…?」


スターク「わからん」


リリネット「さっきより分からなくなっちゃったじゃん!!」


スターク(元はと言えばお前のせいだろーが…)


スターク(とりあえず、どっか休める場所は無いかなー、……ん?)グラッ


スターク「おっ…??」ヨロヨロ


スターク(なんだ、この感触…。昔どこかで感じたような…)フラフラ


リリネット「ちょっと! どうしたのスターク!?」


スターク「俺もよくわからん」ヨロヨロ


スターク(ああ、そうだ。これは__)


スターク(飢えだ)


スターク(数百年前の、俺がまだギリアンやアジューカス級だったころに良く感じていた感覚だ。仲間を食って、ただひたすら強くなることを目指していた時の…)


スターク(しかし、それがどうして今頃……??)



リリネット「ねー、どうしちゃったの…?」ウルウル


スターク(リリネット…)


スターク(こいつを無くすわけには、いかねーもんな…)


スターク「なんでもねーよ」


リリネット「でも…」


スターク「腹減ったから、何か食おうぜ。美味そうな匂いもするしな」ポンポン


リリネット「うん!」パアアッ


スターク(辛い顔は見せらんねー、か)

_________ダウンタウン グリニッチ・ビレッジ付近_____




スターク(この辺なら大丈夫だろう……)シュタッ


スターク「着いたぞ」


リリネット「ここ…どこ…?」


スターク「わからん」


リリネット「さっきより分からなくなっちゃったじゃん!!」


スターク(元はと言えばお前のせいだろーが…)


スターク(とりあえず、どっか休める場所は無いかなー、……ん?)グラッ


スターク「おっ…??」ヨロヨロ


スターク(なんだ、この感触…。昔どこかで感じたような…)フラフラ


リリネット「ちょっと! どうしたのスターク!?」


スターク「俺もよくわからん」ヨロヨロ


スターク(ああ、そうだ。これは__)


スターク(飢えだ)


スターク(数百年前の、俺がまだギリアンやアジューカス級だったころに良く感じていた感覚だ。仲間を食って、ただひたすら強くなることを目指していた時の…)


スターク(しかし、それがどうして今頃……??)



リリネット「ねー、どうしちゃったの…?」ウルウル


スターク(リリネット…)


スターク(こいつを無くすわけには、いかねーもんな…)


スターク「なんでもねーよ」


リリネット「でも…」


スターク「腹減ったから、何か食おうぜ。美味そうな匂いもするしな」ポンポン


リリネット「うん!」パアアッ


スターク(辛い顔は見せらんねー、か)

____ダウンタウン グリニッチ・ビレッジ____



スターク「良い匂いがするな」クンクン


リリネット「うん、そうだねー♪」


スターク「数百年ぶりに腹減ったし、そこで食おうぜ」


リリネット「さんせーい!」




スターク「ビッグカフナバーガー?」


リリネット「って書いてあるね」


スターク「ハワイアンバーガーって、下に書いてあるけど、意味がわからん」


リリネット「もう店の前の看板なんていーじゃん!早く入って食べようよー!!」


スターク「そうだな」


スターク(しっかし、尋常じゃないぐらい腹減ったなー)

____ビッグカフナバーガー グリニッジ・ビレッジ店____





女店員「いらっしゃいませー」


スターク「あのー」


女店員「ご注文はお決まりですか?」



スターク「ここのメニューだと、何が一番美味いっすか?」


スターク(よくわかんねーし、無難に聞くのが一番だろうな)


女店員「それでしたら、当店一番人気メニューのアボカドバーガーのチーズ乗せに、シェイクセットがお勧めですね」



スターク(説明されてもさっぱりわからん…)


スターク「あー、そしたらそのセット2つでお願いします」



女店員「かしこまりました。2セットで合計17ドルになります」


スターク(……ドルってなんだ…?)


スターク「…どうしよ」アセアセ


リリネット「ねー、どうしたのー?」


女店員「どうかなさいましたか…?」


スターク「リリネット」ボソボソ


リリネット「なーに?」


スターク「ドルってなんだ…?」


リリネット「わかんないよ、そんなの」


スターク「今注文したものを食おうと思ったら代わりに要求されたから、ここの世界の通貨みたいなんだが___」


スターク「俺たち、持ってないよな…」


リリネット「そうだけど…」


スターク「諦めるか、ドルがないと何も食えないぞ」


リリネット「うわーん!!そんなの嫌だよ!!!」


スターク「おい、大声出すなよ!!!」


リリネット「お腹空いたよー食べたいよー」ウルウル


スターク「無いものは無いんだ、諦めるぞ」


リリネット「うわーん!!」


スターク「すいません、俺たち金持ってなくて、申し訳ないんすけど、その…」


スターク「頼んだ注文…キャンセルでお願いします」


女店員「えっと…」


女店員「お客様、何かお困りなんですか?」営業スマイル


スターク「えっと、その。俺たちさっきここに来たばっかりで、ここのこと良くわかんねーんだ」


女店員「…しければ」


スターク「ん?」


女店員「廃棄になりそうな材料でよろしければ、無料で差し上げられますよ!」


スターク「良いの?」


女店員「勿論ですよ」スマイル


スターク「ありがとう、助かるぜ」


女店員「それでは、そちらでご用意しますね」




リリネット「…」ジトー



女店員「それでは、こちらが商品になりますね」


スターク「本当にありがとう。助かったぜ」



女店員「では、またのご来店をお待ちしていますね♪」

________グリニッジ・ビレッジ 路上_____




スターク「どうした、食わねえのか?」ガサガサ


リリネット「いらないもん!」


スターク「そんな事言ってると、俺が全部食っちまうぞ。良いのか?」


リリネット「う…、それは嫌かも」


スターク「じゃあ食え」


リリネット「…」モグモグ


リリネット「……これ、すっごくおいしいよ」キラキラ


スターク「あのねーちゃんに感謝だな」


リリネット「ふーんだ、あんな女にデレデレしちゃってさ!」


スターク「そんなことないだろ、現に俺たちはこうやって食事にありついてるんだし」


リリネット「……」ツーン


スターク「お前、妬いてんのか」ニヤニヤ


リリネット「な…ちがっ!!」


スターク「そうかそうか」


リリネット「もう…バカ」


スターク「さて、俺も食べるかなー」


スターク(リリネットの手前、我慢してはいるけど、大分空腹がキツイな…、とっとと体力を回復したいんだが…)チラッ





屈強な男たち「…………」スッ


スターク(なんだってんだよ、かったりなー)


スターク「リリネット、これ持ってろ」袋を渡す


リリネット「えっ、食べないの?」


スターク「気づいてんだろ?」チラッ


リリネット「うん…」




屈強な男たち「…………」

_______グリニッジ・ビレッジ 路地裏______



スターク「……」スタスタ


スターク(さすがに大通りじゃ刀抜けないしな、この辺なら大丈夫だろう…)





スターク「お前ら、なんか用か?」


屈強な男たち「……」


スターク「面倒事は嫌いなんだ、さっさとしろよ」イライラ



屈強な男A「俺たちは、ボスの命令で」

屈強な男B「お前たちをボスの下へ連れてくるように、と言われていてな」

屈強な男C「そういう事だ!」


スターク(最後の奴にも口上残しといてやれよ…)


スターク「嫌だと言ったら?」


屈強な男A「痛めつけて連れて行くまでだ、むんっ!」筋肉アピール


リリネット「…うわぁ」


スターク「なんだコイツ…」


スターク「あのさ…、そこに行ったらちゃんと食事も出るのか?」


屈強な男たち「保障しよう!!!」



スターク「おい、リリネット」ボソボソ


リリネット「どーせ、大人しく捕まって楽しようとか言うんでしょ!」


スターク「何でわかった!?」


リリネット「そんなのはどうでも良いの! 私は嫌だからね!!」


スターク「なんで?」


リリネット「あいつキモいじゃん!」(迫真)


スターク「確かに、そーなんだけどさ…」

屈強な男A「さっさとしたまえ、私と戦うというのも選択肢の一つではあるのだよ。最も、無駄な行いだとは思うがね」


スターク(かませのテンプレじゃねーかよ…)


スターク(まっ、虚閃一発ぐらいならまだ耐えられんだろ)



スターク「あー、かったりー」


スターク「虚閃」ボソッ


ボウッ!


屈強な男A「これは…、話に聞いた虚閃か…?それにしては小さいな…」


ふわふわふわ


スターク(やっべー、こんなレベルになるまで消耗してたのか俺…。つーか、もはや虚閃じゃねーぞ)



屈強な男A「こんなもの、弾き飛ばしてやろう」タッチ


カッ!!


ズオオオオオオオンンンッ!!!


スターク(あ、それでも威力は虚閃だった。良かった)ホッ


屈強な男A「」プスプス



スターク(とりあえず、一匹目か。案外弱いなこいつら……んあ?)ヨロッ


スターク「あ…れ…?」ドサッ


リリネット「ちょっと、スターク!? どうしたの、ねぇ?」


スターク(……体が…動かない…??)


リリネット「スターク! お願い、起きてスターク!」


スターク(意識が……ヤバい…)ガクッ



屈強な男BC「そろそろ倒れる事は予期していました。スターク様、お連れ致します」

____ダウンタウン 高層ビル最上階____




スターク「……ん?」


スターク(ここは…?)キョロキョロ


スターク(見た所、地獄じゃなさそうだな…)


雪緒「気が付いたみたいだね」


スターク「………」


雪緒「君は虚だろう? 胸の孔でわかったよ」


スターク「そうかよ」


雪緒「今、ダウンタウン内に警官があちこちにいるんだ。コスプレのロリコンが刀を持って歩いてるってね」


スターク「……」


雪緒「でも安心して、此処にいるなら安全は保障できるから、別にここにミサイルが撃ち込まれても大丈夫さ」


スターク「お前は…一体?」


雪緒「そういえば、自己紹介がまだだったね。僕の名前は雪緒・ハンス・フォラルルベルナ。金持ちの社長さ。君の連れの名前はリリネット・ジンジャーバックだったよね」


スターク「コヨーテ・スタークだ」


スターク(なんだこいつ…?)


雪緒「三年前に空座町に現れた破面の中でも、特に秀でた力を持つ破面を十刃と呼んでいたよね。君は、その一番(プリメーラ)だったんだってね」


スターク「そうだな…」


スターク(あれから三年経っているのか…ウソだろ…?)


雪緒「驚いた貌をしてるね。リリネットも同じ貌をしていたよ」


雪緒「でも、事実だ」


スターク「待てよ。仮にお前がいう事が本当だとして、俺たちがここにいる理由はなんだ?」


雪緒「そうだね…、知りたいのか?」


スターク「ここにいる理由ぐらいはっきりさせておきたいんでな」



雪緒「良いよ、教えてあげる。僕の推測だけどね」指パチッ

__ドアが開く___



リリネット「やっほー、スターク!起きたんだね」スタスタ


屈強な男BC「………!」ヨロヨロ


スターク「お…おう」ボーゼン


リリネット「あの2人のおっさんに遊んでもらってたんだ」


スターク「そうなのか…」



雪緒「話すんなら、2人一緒の方が都合が良いからね。ちなみに、リリネットは僕の頼みに素直に応じてくれたよ」


スターク「そうなのか、リリネット?」


リリネット「うん」


スターク(話を聞くしかないみたいだな…、まーいいか)





雪緒「リリネットの話によると、君たちは護廷十三隊の死神に敗れて死んで、地獄に落ちた。そこで、地獄の入り口で地獄の警備員相手に大暴れして、大爆発してこの現世にやって来た。ここまでは良いかい?」


スターク「ああ」



雪緒「そして、現世では時間が大分経っていて、君たちのいた時間軸とは異なっている。更にいえば、現実世界は正常に機能しているんだ。つまり、君たちのボスの藍染って人の企みは失敗したみたいだね」


スターク「……」


スターク(そうか、藍染サマ、負けちまったんだな…)


雪緒「なんで、死んだはずの君がここにいるのかについてなんだけど、地獄を構成している物質が霊子である事に関係していると思うんだ」


雪緒「地獄の入り口にあった、いくつもの同じ部屋、あれは何で出来ていると言ってた?」


スターク「霊子だ」


雪緒「死神だったり虚だったり、人間でもそうだけど、霊子は基本的な構成を司っているんだ。だから、魂魄だって濃い霊子の塊であるという見方も出来るよね」


スターク(霊子を形態変化させてんのが虚閃だもんな。)


雪緒「高濃度の霊子はそれだけで大きなエネルギーになる。膨張した霊子空間と、十刃の虚閃の連発がぶつかり合えば、大爆発が起きても不思議じゃない」


スターク「そうだな」

雪緒「君とリリネットはその爆発の中心にいた。そして、その爆発の影響を一番強く受けたんだ。普通なら粉々に分解されて、存在そのものが消えてしまうらしいんだけど、今回は違ったんだ」


雪緒「大きすぎたエネルギーは、二人を地獄の霊子空間そのものから吹っ飛ばした。つまり、次元の壁を越えたんだ。それで、」


スターク「この現世に戻って来たのか。死んでる俺たちが生きているのも、その次元の壁を超えた事でリセットされたって所か」


雪緒「さすが、察しが良いね」


雪緒「あと、もう一つ重要な変化があったでしょ?」


スターク「そうだな…、腹が減った感覚があったかな」


雪緒「そう、それなんだ!」バーン


雪緒「本来なら、たくさんの虚を吸収して虚の最高の段階にまで上り詰めた君が、何故腹が減るのか!!」


スターク(話なげーよ)


雪緒「答えは簡単だ。君は人間に近い存在になったんだ」


スターク(そうなのか…?)


スターク「でもよ、俺は虚閃撃てるぜ」


雪緒「一発撃ったら倒れたでしょ? 虚閃を撃つ為のエネルギーを生み出すことが難しくなったから、空腹を感じるんだよ」


スターク「そうなのか、リリネット?」


リリネット「うん、なんか虚閃撃つとすぐにお腹すいちゃうんだ、響転(ソニード)も長い時間出来ないし…」


スターク(確かに、あの時の空腹感は異常だったな。こいつの言う事も間違っていない)


スターク(俺たちは、虚じゃなくなったのか…)



雪緒「そんなに落ち込まないでよ、こっちの世界で生活出来るように体が変化しただけなんだし」


スターク「落ち込んじゃいねーけど」


雪緒「別に、虚閃が撃てなくなったわけでもないし、響転も出来るよ。ただ、回数に制限がつくだけさ。体の限界を超えると、さっきみたいに倒れるってわけ」


スターク「その、腹減った分の食事はどうすんだ?」


雪緒「その事についてだったら、リリネットが説明してくれるよ」ニッコリ


スターク「その前に、腹減ったんだが」


雪緒「良いよ、何が食べたいんだ?」


スターク「ビッグカフナバーガーのアボカドバーガーのチーズ乗せに、シェイクとセットで」

______社長室 応接間____

スターク「なんだか落ち着かねーな」


リリネット「この下にはおっきな体育館があるんだよ。そこでおっさんたちと戦ってたの」


スターク「そんな事はいーから、さっきあいつが言ってたことを話してくれ」


リリネット「まっ、いーけどさー」


スターク「あいつ、俺たちをどうしたいんだ?」


リリネット「んとね、雪緒が今やってる事に協力してほしいんだってさ」


スターク「それは何だって?」


リリネット「虚退治」


スターク「マジか?」


リリネット「大マジだって」



雪緒「そういう事さ」ドアバーン


スターク「俺が虚退治…?」


雪緒「それにしても、このハンバーガー美味いね。ハワイアンバーガーなんて食べた事無かったよ。食べながらでも仕事できるし」モグモグ


スターク「俺たちのは…?」


雪緒「契約したらあげるよ」


リリネット「私も食べるー♪」


雪緒「はい、これリリネットの分ね」


リリネット「ありがとう、いただきまーす!」モグモグ


リリネット「おいしーい♪」



スターク「」


雪緒「どうする? たかが虚退治だよ。今の君でも苦労しないだろ?」ニヤニヤ


スターク「……」


スターク「…今回だけだ」スッ


雪緒「それじゃあ、依頼を受けるって事で。好きなだけ食べてくれよ。もっと食べたかったらBとCが買いに行くから」


スターク「あれ、もう一人いただろ?」


雪緒「君がそれを言うんだ」

スターク「…?」


リリネット「あのキモいおっさん、スタークのヒョロヒョロの虚閃で死んじゃったんだってさ」ボソボソ


スターク「マジか!」


雪緒「僕は、虚閃を撃ったら絶対に受けるなと指示を出していたのに、わざわざ受けに行ったんだから同情の余地はないけど、仕方ないと割り切るのもどうかと思うんだよね」


スターク「すまん…」


雪緒「あんまり気にしないで、完現術の基礎も出来なかったから、才能なかったんだよ彼」


スターク(やけに軽薄な言動だな…、こいつ見た目よりも危ない奴かもな)


リリネット「持ち物の武器化も出来なかったんだってさー」


スターク(さっきも言ってたけど、完現術って何だ?)


雪緒「完現術も君ならすぐ出来ると思うよ、実はかなり期待してるんだ。じゃあ、お休み。あ、シャワーは奥にあるから」スタスタ

______ベッド上______



リリネット「ねー、スターク」


スターク「何だ?」


リリネット「生き返ってよかったね。私たち」


スターク「まーな」


スターク(藍染サマも負けたって事は、十刃も全滅だろうな。結局、死神には勝てなかったのか…)


リリネット「もしかして、気にしてるの?」


スターク「そんなことねーよ」


スターク(俺たちはよくわかんねー原理で生き返って、現世で生きてる。虚の力は半減して、明日からは飯と引換の虚退治か)


リリネット「絶対気にしてるでしょ」


スターク「あー、かったりー」ボソッ


リリネット「またそうやって流そうとする!!」


スターク「分かったから寝ちまえ。明日は忙しいんだろ?」


リリネット「う…、そうだけど」


スターク「お休み、リリネット」ポンポン


リリネット「うん、オヤスミ」




____30分後____


リリネット「…zzZ」


スターク「……」


スターク(色々面倒な事が重なったけど、こいつがいるなら別にいーや)ジー


スターク(まっ、なるようになるか)


スターク「さて、寝るかな」

>>1氏は以前も鰤SS書いてた人?

>>30 初投稿です。

______ベッド上______



リリネット「ねー、スターク」


スターク「何だ?」


リリネット「生き返ってよかったね。私たち」


スターク「まーな」


スターク(藍染サマも負けたって事は、十刃も全滅だろうな。結局、死神には勝てなかったのか…)


リリネット「もしかして、気にしてるの?」


スターク「そんなことねーよ」


スターク(俺たちはよくわかんねー原理で生き返って、現世で生きてる。虚の力は半減して、明日からは飯と引換の虚退治か)


リリネット「絶対気にしてるでしょ」


スターク「あー、かったりー」ボソッ


リリネット「またそうやって流そうとする!!」


スターク「分かったから寝ちまえ。明日は忙しいんだろ?」


リリネット「う…、そうだけど」


スターク「お休み、リリネット」ポンポン


リリネット「うん、オヤスミ」




____30分後____


リリネット「…zzZ」


スターク「……」


スターク(色々面倒な事が重なったけど、こいつがいるなら別にいーや)ジー


スターク(まっ、なるようになるか)


スターク「さて、寝るかな」

_____次の日_____




雪緒「おはよう、スターク。良く眠れたかい?」


スターク「…おはよう」


リリネット「おはよー雪緒」


雪緒「スタークにはさっそく、完現術を覚えてもらうよ。戦おうにも武器が無いとどうしようもないからね」ゲーム取り出し


スターク「待ってくれ」


雪緒「何だい?」


スターク「お前の虚退治に協力するのは良いんだが、その完現術を覚える必要はあるのか?」


雪緒「そうだね…、そうくるとは思わなかったよ」ニヤニヤ


スターク「なんで笑ってんだ?」


雪緒「そしたら、実際に戦ってみると良いよ。これ使って」ポイッ


スターク「何だこれ?」


雪緒「虚の場所を示す機械だよ。赤い点が僕たちの居る場所で、虚の居る場所は白い点。ここからだと、一番近いのはチェルシーパークだね。昨日2人が落ちてきた場所だよ」


スターク「何でそんな場所に虚が?」


リリネット「わたしも気になるー!!」


雪緒「弱い虚は残留した霊子にも集まるんだ。昨日は強い虚が2人も落ちてきたからね」


スターク「あー、そうかよ。自分で撒いた種だし、行ってくるわ」スタスタ


リリネット「わたしも行くー!」


雪緒「気をつけてねー」


雪緒「って、もういない…。大丈夫だとは思うけど、BとC。何かあったらよろしくね」


BC「畏まりました、ボス!!」

___チェルシーパーク内___




スターク(そろそろかな…)シュタッ


スターク(響転でも、体力をコントロールすれば何とかなりそうだな。虚閃も連発しなければいけそうだ)


スターク(あとは虚との間合いだな、不意打ちされなければ良いが……って…ん?)


リリネット「うわーーーー」ヒュウウウン


スターク「!?」


ドオオオオンンンッ!!!!



ザワザワ

___今、空から人が落ちてきたよな…?

__俺、昨日も見たような気がする…

_空から女の子…?



スターク「痛ってえ…」


リリネット「ご…、ごめんなさいスターク」アセアセ


スターク「何で落ちた?」


リリネット「響転しながら、出来るだけ力を使わないようにしたら…、その……」


スターク「ゆっくりしすぎて落ちたのか」


リリネット「うん……」


スターク「あーもう、許してやるから上から降りろ」ガンッ


リリネット「ひっどいー!女の子の頭殴るとかありえない!!」


スターク「うるせーよ、昨日は虚にトシなんか関係ないって言ってた奴を知ってるぜ」


リリネット「ふんだ、せっかく助けに来てやったのに…」プンプン


スターク「とりあえず、虚のいる場所は分かったよ……。助かったぜ」

雑魚虚「グルルルルル」


スターク(本当にただの虚だな、俺がいても死なないのは俺が霊体じゃないからか)


スターク(間合いは十分で、こっちの声も聞こえるな。良し)


スターク「お前、俺の言葉はわかるか?」


雑魚虚「グルル」


スターク(嫌な目だな…、憎しみに満ちてるみたいだ)


スターク「えっと、最初に言っとくと、俺はお前を殺したくない。お前がどんな思いで虚になったのかはしらねーし、興味もねーよ。こっちもやらなきゃいけねーんだが、このまま逃げるんなら見逃してやるぜ」



雑魚虚「グルルルルル」


スターク「聞こえてるかー?今なら見逃すぞ」


雑魚虚「キシャアアアアアア!!!!!」ダッ


スターク(やっぱりダメか…)横に跳ぶ




雑魚虚「ギャオオオオオ!!」


スターク(しつけーなー)刀を抜く


スターク「オラッ!!」


ザシュウウンッ!!!



雑魚虚「グオオオオオ!!!」



スターク(手ごたえはあったけど、効いてないのか…?)



リリネット「スターク!後ろ!!!」


スターク「え?」


雑魚虚B「ギャーース!!」虚閃もどきを撃つ


ドオオオオンンッ!!!





シュウウウウウ……

リリネット「スターク……?」



スターク「……生きてるぜ」スクッ


スターク(けっこう効いた…、生身だと体がついていかないんだな…)ヨロヨロ


リリネット「良かった!生きてたんだね!!」ダキッ


スターク「勝手に[ピーーー]な」


スターク(2体いたのか、でも確か反応は1匹だったよな?)


スターク(この騒ぎで1匹増えたのか?)



雑魚虚A「グルルルル」


雑魚虚B「ギャース」


スターク(いや、違う)


スターク(こいつら、2匹で1匹なんだ…)




スターク「なかなか賢いじゃねーか」


雑魚虚A「グルルルル……」


雑魚虚A「ギャオオオオン!!!」ダッ



スターク「よっ」躱す


雑魚虚A「ギャアオオオン!!」


スターク「ほいっ」躱す


スターク(もう1匹が下がったか…)

スターク(1匹に集中的に攻撃をさせて、その隙にまた狙おうって魂胆か)



雑魚虚B「」無言で突進


スターク(見切ってんだよ)


スターク「虚閃」


ズオオオオッ!!


ドオオオオン!!!



スターク(これで1匹目は片付けたな、あとはこいつだけか)

雑魚虚A「グルル……」


スターク(急に動かなくなったな…?)


雑魚虚A「グルル……?」キョロキョロ



リリネット「スターク、この虚なにしてんの…?」


スターク「片割れを探してるんだよ…多分な」


リリネット「片割れ…?」


スターク(あの時の俺みたいだ…、いや、こいつは___)



スターク(____成長しなかった俺たちだ)


スターク「……」スタスタ


リリネット「あっ、近づいたら危ないよ!!」






雑魚虚A「グルルルッ!」構えて下がる


スターク「お前の片割れは地獄に行ったぜ、って言っても言葉は分からないんだったな」


雑魚虚A「……」


スターク「せめてもの償いだ。送ってやるから、向こうで片割れを探してくれ」スッ


雑魚虚A「!!!!」只ならぬ気配に怯えて逃げ出す


スターク「虚閃!!!」


ズオッ!!!!!!!



ドオオオオオオオンッ!!!!!!

リリネット「こんなに特大の虚閃撃つなんて…、どうしたの?」


スターク「なんでもねーよ、終わったし帰るぞ」


リリネット「壁に大穴空いてるじゃん、少しは手加減しないと…」


スターク「気にすんな」ヒュウウウ


リリネット「あっ、待ってよー」


リリネット(なんだか、今のスタークすごく怒ってる……)

_______高層ビル内________




リリネット「__それじゃあ、今はBとCが壁の修理をしてんの?」


雪緒「そうだね。でも気にしなくていいよ、娯楽は多い方が楽しいから」


雪緒「それよりスタークは?」


リリネット「なんかずっと黙ってるよ」


雪緒「ふーん」






_______寝室______




雪緒「入るよー」


スターク「……」


雪緒「傷心なの?」


スターク「別に…」


雪緒「隠したってばれてるさ、リリネットも同じことを言うと思うよ」


スターク「そうか……」


雪緒「嫌だった、この仕事?」


スターク「仕事だからな、好き嫌いでは動かねーよ」


雪緒「そうかい」ゲーム起動


ブーーーーーーーン


スターク「なんだ……?」


雪緒「ちょっと、別の場所で話そうか」


『インヴェイダーズ・マスト・ダイ』発動

____ゲーム空間内____



スターク「ここは?」


雪緒「僕の完現術の能力で作った空間さ、護挺十三隊の隊長には負けたけど」


スターク「…ここで何を?」


雪緒「完現術を覚えて欲しくてね」


スターク「何故?」


雪緒「僕だけじゃニューヨークの虚を退治出来ないから。本業もあるから、なかなか人手が足りないんだよね」


スターク「…さっきので借りは返しただろ」


雪緒「そうさ、だからこれは新しい契約の提案さ」


雪緒「改めてお願いしたい。虚退治に協力してくれ」ペコリ


スターク「………」


スターク(こんな提案をされるとは、思ってもみなかったな)


スターク「あー、そうだな」


スターク「分かってんだろうけど、俺は虚だぞ。そんな俺がどうして虚を退治しなきゃならねーんだ?」


スターク「それともう一つ、俺が完現術を覚える必要はあるのか?」


雪緒「そうだね…」ゲーム起動


___スタークの眼前に、小さな部屋が無数に現れる__



スターク「!!」


スターク(すげーな、これ)


雪緒「完現術は、虚が僕たち人間を襲った痕跡みたいなもんなんだ」


雪緒「虚が人間を襲い、その影響が母体に及ぶと、完現術を持った子供が生まれる。その子供たちは、ほとんどがその力がなんだか分からずに歪んでいくんだ。これも、発端は全部虚さ」


スターク「………」


雪緒「完現術を覚えて欲しいのは、身体の負担が普通に戦うよりも軽いから」


雪緒「それと、もう虚による被害を増やしたくないんだよ」


スターク「……」


雪緒「だから、君みたいな力をもった存在が必要なんだ」

スターク「ったく、もったいぶりやがって…」


スターク「素直に罪滅ぼしをしろって言えば良いだろ?」


雪緒「……」


スターク「虚が嫌いなのは分かったから、もうそんな目をするな。見てるといらいらしてくるんだ」


スターク「報酬は?」


雪緒「……衣食住と、必要な経費は支払うよ」


スターク「ハンバーガー」


雪緒「えっ?」


スターク「ビッグカフナバーガーだ。食いたくなったらいつでも買ってこい、良いな」


雪緒「は…はいっ!!」


スターク「めんどくせーけど、その完現術を教えてくれ」






修理から帰ってきたBC「どっちも素直じゃないっすねー」ゲーム画面を見ながら顔を見合わせる


リリネット「ねー♪」

___それから、スタークは完現術の修行をするのでありました___



雪緒「一番大事なのは、武器を使いこなすイメージなんだ。どんな武器を使ってた?」


スターク「銃だ」


雪緒「良いね、この国なら使いたい放題だよ」


スターク「出せば良いのか?」


雪緒「そうだね」


スターク(リリネットがいなくても、何とかなんだろ…)


スターク(帰刃の要領で…)

スターク「はあっ」ピカー


ボンッ


スターク「ん??」


雪緒「……これは、ずいぶん小さな銃だね。手のひらサイズ…?」


リリネット「スタークこんなのも出来ないのー、だっさーい!!」


スターク「うるせーぞ!」


雪緒「…ぷぷっ」


スターク「おい雪緒!」


雪緒「な…何?」ビクッ


スターク「攻撃のイメージは、虚閃と変わらないのか?」


雪緒「多分ね」


スターク「はあっ!!」


ポンッ!!

ひょろひょろひょろ



雪緒「線香花火みたいだね」



スターク「あぁん?」ジロリ


リリネット「可愛いじゃんこれ」


スターク(あー、かったりー)

ひょろひょろひょろ 


雪緒「あっ、空間の端に当たった」




カッ!!!





ドオオオオオオンッ!!!!!!!




スターク「何……だと?」



雪緒「鍛えれば、とんでもない事になりそうだね」

____そして、修行は続く___






スターク「虚閃を連射するイメージで、どうにかならねーかな」


B「そうっすね、兄貴の完現術はエネルギ-の消費が多いんで、今みたいに連射するとすぐにガス欠になっちゃいますよ」


C「今は何発撃てますか、例の線香花火?」


スターク「ずいぶんイラつく言い方だな…、今は10発はいける」


B「普通に虚閃撃つのと比べると、身体の負担とかはどうっすか?」


スターク「こっちの方がだいぶ楽だ、そんなに腹もへらねーし」


C「そしたら、節約して撃てばもっといけますね」


スターク「だな」


B「形状変化が出来るようになれば、もっと色々できますよ、例えば__」手に持った銃を撃つと、花弁が舞った


スターク「おお…」


B「ただの霊子なんで、もちろん本物じゃないですが、けっこう便利ですよ、ナンパとかに」


C「兄貴もどうっすか?クラブで騒ぐの楽しいっすよ」


B「馬鹿野郎!兄貴には姐さんがいるだろーが!」


C「でも、たまには大きい方が良いんじゃねーかな?」




スターク「……うるせーぞ」


BC「失礼しやした!!」ドゲザー


BC「まあ、適当な時期にまた誘いますよ」


スターク「おー」



スターク(形状変化か、閃いた…!)

_______そして、一週間が経った_____



???「フハハハハ、蘇ったぜ…、娑婆の空気は美味いなぁ!!!」


???「こんな身体になっちまったが、恨みこそが俺に力を与えてくれるんだ…」


???「奴らを必ず始末してやる!!!必ずだ!!!ヒャッハー!!!!!!」

___ビル屋上____



スターク(平和だなあ……)



スターク(虚も出ない、何もしなくても良い、寝てても飯が食える)



スターク(ここは天国だな)




リリネット「ねー、スターク」


スターク「なんだ?」


リリネット「修業は終わったの?」


スターク「それなりに、な」


リリネット「あのさ」


スターク「?」


リリネット「こっちの虚って、虚圏には還れないのかな?」


スターク「向こうにいても、良い事なかっただろ」


リリネット「うん…、そうなんだけどさ…」


リリネット「ただ、こっちにいても迷惑なだけなんじゃないかなって思ってさ…」


スターク「迷惑?」


リリネット「今も、こうやって不幸な人たちを生み出して、そしてまたそれを繰り返して、なんか、そういうの悲しくて空しいかなってさ…」


スターク「嫌なのか?ここにいるの」


リリネット「そうじゃなくってさ…、なんかね違うの」


スターク(こいつなりに考えてんだな…)


スターク「おらっ」ポンポン


リリネット「何よ?」ツーン


スターク「そういう事を考えたって埒あかねーのさ、人間同士だって殺し合いもするだろ、お前がくよくよ考える事じゃねーよ」そっと肩に手をかける


リリネット「うん……」ポッ

BC「兄貴――――!!」ドアバーン


スターク「んあ?」


BC(ヤベぇ、タイミングミスった……)


スターク「何だ?」


BC「いやっ、その……」


スターク(……?)


BC「先週話したクラブっすよ」ボソボソ


スターク「クラブって…、そういえばそうだったな」


BC「そうっすよ、また誘うって言ったじゃないすか、兄貴も完現術の習得もだいぶ終わったんで、良いタイミングかなーと」



スターク(なんでこいつらノリノリだったんだろう…?)



スターク(あと、横からすごく嫌な感じがする)チラッ




リリネット「あ?」ギロッ


スターク「」


リリネット「何よ?」


スターク「いや、その」


リリネット「行きたきゃ行けば良いでしょ、BCとの約束なんだから」ツーン


スターク(目が怖い、行くって言ったら殺されそうだな…)




BC「またの機会って事で…」


リリネット「またって何よ、またって?」


スターク、BC「……」


B「どーすんだよC、お前がテンション高く言ったのが悪いんだろ?」ボソボソ


C「待てよ、お前だってノリノリだったじゃねーか」ボソボソ


B「でもよ」ボソボソ


C「なんだと」ボソボソ



リリネット「あー、もう!うっさいわねーーー!!!」


スターク、BC(ヤバい)


BC「申し訳ありませんでしたー」ドゲザー



リリネット「わたし、決めたわ」


BC「何を、ですか……」


リリネット「決まってるじゃない、観光よ。スタークと一緒に」



BC「そうっすか」


リリネット「あんたたちは留守番よ、一歩でも動いたらわかってるわよね?」ギロッ


BC「ワカリマシタ」


スターク(俺の意見は無視なんだ…)

_____ビッグカフナバーガー グリニッジ・ビレッジ店____




スターク「それで、ここか」



リリネット「前回のリベンジをしたいじゃない」


スターク「確かにそうだな」






女店員「いらっしゃいませー」


スターク「また来たぜ」


女店員「あっ、あの時の」


スターク「あんたのおかげで助かったよ」


女店員「いえいえ」



リリネット「……」


スターク(只ならぬ気配…)


スターク「店員さん、アボカドバーガーのチーズ乗せに、シェイクセット」


女店員「畏まりました」





リリネット「本当に、ここのハンバーガーおいしいよね♪」


スターク「そうだな、飯はこっちの世界の方が良いな」


リリネット「食べたら、どこ行こうか?」


スターク「そうだな…」


スターク(っても、この辺の地理とかよくわかんねーんだよな、修行ばっかしてたし)


スターク「店の人に聞いてみるか」


リリネット「そしたら、私が聞いてくるね」スタスタ

リリネット「すいませーん」


店長「どうされました、お嬢ちゃん」


リリネット「この辺を観光したいんだけど、おしゃれな場所とかって知ってる?」


店長「そうだね…」


店長「もしも、時間があるならこのフリーパスをあげよう。この辺のアトリエや小さな個展をタダで回れて、カフェの無料券もついたお得なチケットだ」


リリネット「えっ、いいの?」


店長「そりゃあ、大事なリピーター様だからね」


リリネット「あの、その…ありがとう」


店長「また次回も、来てくれよ。頼むよ」


リリネット「うん!」






______二人はニューヨーク周辺の美術館を回ったのでありました____

____小さな個展____



リリネット「ねースターク、あっちに見るからに怪しい個展があるよー」


スターク「確かに、見るからに怪しいな。髑髏とか飾ってあるし」


リリネット「行ってみよーよ」


スターク(行くのかよ…)



___店内____




スターク(中も大概だな、趣味が悪いってレベルじゃねーぞ)


スターク「気味悪いものばっかりじゃねーか、このツボとか使い道あるのかよ…」


リリネット「あはは、何コレおもしろーい」カエルの解剖図を描いたぬいぐるみを弄る


スターク「おいおい、その辺にしとけよー」


スターク(こんだけ趣味悪いものを集めてる割には、霊的なものは無しか)キョロキョロ

店主「おい、あんた」


スターク「おれ?」


店主「そう、あんただ。見るからにここの人間じゃないね」


スターク「そうすか?」


スターク(虚界の元虚だけど、こいつわかるのか?)


店主「私はうそつきは嫌いでね、隠しても隠しきれない霊の残り香が、君からするんだよ…」


スターク「そう言われてもな…」


店主「ふふふふ、私がその霊を払ってやろう」ガタッ


スターク「うおっ!!」


スターク(なんか十字架を取り出して、一心に祈り始めたぞ)


リリネット「何やってんの?」


スターク「お祓いみたいだな」ボソボソ


リリネット「効果あんの、それ?」


スターク「成仏していく感覚は無いな」


リリネット「わたしも」


スターク「こいつから霊圧は感じないし、インチキだろうな」ボソボソ


リリネット「ちょっと、いたずらしてみよっかなー」パチパチ 霊子を光らせて、軽く照らす



店主「おお!!神が降臨なされた!!私の祈りは通じたのだ!!!!」


店主「さあ神よ、この男に巣食った悪魔を追い出したまえええ!!!!!!!」


スターク「おい、マジになっちまったぞ…」


リリネット「てへへ、ごめんごめん」



スターク「とりあえず、出ようぜ、薄気味悪いし」


リリネット「うん、そうだね」


店主「待てい!!悪魔よ!!」入り口を力いっぱい占める


スターク「おいおっさん、あぶねーだろ」イラッ


店主「この期に及んでまだ誤魔化そうとするか!!悪魔め!!」


スターク(これは、変なスイッチ入ったな……)


スターク「かったりー」


店主「ええい!黙れ!!」拳銃構え


店主「私は心正しき者である!!!」


スターク「リリネット、マジでどーする?」イライラ


リリネット「やっちゃうのはかわいそうだよ、まだ何もしてないんだし」


スターク「今にもやりそうじゃねーか」


リリネット「それに、霊感もないのにこんなことやってるんだよ、かわいそうじゃん」


スターク(元虚に憐れみを受けるこのおっさんの存在意義って、なんなんだろうな…)


店主「そこの悪魔!」


スターク「何だよ?」


店主「お前、聖書は読むか?」


スターク「読まねーな」


店主「では、今の貴様と私にぴったりの言葉を教えよう」


スターク(マジでなんなんだ、このおっさん。っていうか、銃下してくれないんだ…)アセアセ

店主「エゼキエル書25章17節。心正しき者の歩む道は、心悪しき者のよこしまな利己と暴虐によって行く手を阻まれる。愛と善意の名において暗黒の谷で弱き者を導く者は幸いなり。なぜなら、彼こそは真に兄弟を守り、迷い子達を救う者なり。よって我は怒りに満ちた懲罰と大いなる復讐をもって、我が兄弟を毒し、滅ぼそうとする汝に制裁を下す者なり。しかして我が汝に復讐をする時に汝は我が主である事を知るだろう」


スターク「お…おう」


店主「しかしだ」銃を下す


店主「私は弱き者だ、こんな物で武装したところで、悪魔一つ見えやしない…。神よ!!おお神よ!!私は悪魔と戦う宿命を持たない子羊であるというのか!!!」


スターク「おっさん、俺は神に誓って、悪しき事は致しませんので、そこの所を覚えといてくれ」


スターク(謙虚にならねーと、此処で撃たれるかもしれねーしな…)



店主「ううううう……」崩れ落ちる





スターク「出るぞ、ったくアホらしい…」


リリネット「おっさんも元気でね、あまり銃向けたらダメだよ」ニッコリ

____とあるカフェ___





スターク「いやー、今日は楽しかったな。美術館なんて、今まで行った事もなかったしな」


リリネット「そうだね、こっちにいるんだし、もっとたくさんのものをみたいな♪」

リリネット「スタークと」ボソッ



スターク「このパフェも美味いし」


リリネット「ねー♪」




スターク「なあ、リリネット」


リリネット「な、何?」ビクッ


スターク「なんでそんなに緊張してんだよ」


リリネット「その…なんかね//」


スターク「?」


リリネット(はじめてのデートだって考えたら、緊張が止まらない…)



リリネット(どうしよう…、意識してきたら会話も続かないし…)


リリネット「うう…///」カアア


スターク「気分悪いのか?」


リリネット「違うわよ!」


スターク(なんか気まずい…)


リリネット(気まずい…)

_____高層ビル 屋上_____



B「しっかし、ボスも人が悪いよなー」


C「なー」


B「自分が出張でいないからって、特性盗聴器に高機能カメラで監視とは…」ため息


C「虚探しの意味も兼ねてるとか言ってたけど、絶対ただの興味本位だよな」


C「デートかー、甘いよなー」


B「あそこのパフェとパンケーキのセットは最高だよな」


C「なー」


B「姐さんも楽しそうだし、虚探しに専念するか…」カメラ切り替え




C「おい、B」


B「何だよ?」


C「この虚の反応、何かおかしくないか?」


B「見せてみろよ、ん? これは……」


B「このビルの真上…?」


キラッ




ズオオオッ!!!



C「何か来る…」

B「え?」


ドオオオオオオンッ!!!!!!!!!

_____再び カフェ___




リリネット「ちょっとお手洗い行ってくるね」


スターク「おう」



スターク(なんか様子が変だったな、あいつ。帰りに何か買ってやろうかな)



ビー!!ビー!!ビー!!


スターク「!!」


スターク(これは…、虚の反応?しかも近いぞ)





ズドオオオオンッ!!


___カフェの前の通りが、一瞬で粉々になった____





スターク「痛ってえ……」



スターク(とんでもない一撃だったな、速さもそうだがなによりも破壊力が際立っている)




ズドオオオオンッ!!


スターク(今度は店内に撃ってきたな…近づいてんのか)


スターク「そうだ、リリネットを助けださねーと」



スターク「ん?」


ズドオオオオンッ!!!




???「あー、外しちまったよ、ヨロヨロのあんただったら一発だったのになあ」ニヤニヤ




???「もう一発いっとくかい」


ズオオオオオッ!!


スターク「ヤバッ!」響転




???「確かに早いが、これはどうかな?」


ズオオオオッ!!!


スターク(連射できるのかよ…)




スターク(幸い、こっちの動きは悟られてなさそうだな…)


スターク「リリネットを連れ戻さねーと不味いな、女子トイレに行くか」

____女子トイレ____




スターク「いるかーリリネット? それにしても酷い瓦礫だな」


リリネット「スターク??そこにいるの??」


スターク「いるぞ」


リリネット「待って、今行くから」


スターク「っても、瓦礫が道をふさいでんだよな…」


スターク「探すのだりーな……」


スターク「これでいいか」小さな虚閃を撃つ

ボンッ


リリネット「うえー、酷い砂埃」ケホケホ


スターク「すまん、まさかそんなに近くにいるとは思わなかった…」


リリネット「もう、レディに何てことするのよ!!」


スターク「あとでいくらでも愚痴をきいてやるから、今は手伝ってくれ、帰刃するぞ」


リリネット「もう、しょーがないわね…//」





スターク「ふう…」


リリネット(銃)「なんで疲れた顔してんのよ」


スターク「なんか久しぶりでな」


リリネット(銃)「さっさと倒しちゃおうよ、ムカつくから」


スターク「なんで?」


リリネット(銃)(デートの邪魔して、絶対に許さない……)


???「お目覚めかい、元虚のスタークよ?」ニヤニヤ


スターク「?」


スターク「誰だコイツ?なんで女子トイレの窓から…」ボソボソ


リリネット(銃)「ほら、あいつだよ筋肉を見せびらかしてきたキモいおっさん!!」


スターク「あー、いたなそんなの」


スターク「それで、あんたは虚になっちまったのか」


屈強な男A「ええい黙れ!!俺を撃った恨み、今こそ晴らしてやる」


スターク「その前に、BとCは良いのか?」


A「ふふふふ」


A「奴らはもう始末した。今頃は棺桶の中だろうぜ」ドヤア


スターク「…」


リリネット(銃)「キモいよ、さっさとやっちゃおうよ」


スターク「それもそうだな」

スターク「虚閃」


ドオオオオオンッ!

A「ぐあああ」



スターク「よーし、これで終わりだな」


A「待ち、やがれぇ…!!」


スターク「おー、しぶといな」



A「フハハハ、そんな程度の虚閃で俺を倒せるとでも思うのか?」


スターク「どういう意味?」


A「虚閃」

ズオオオオッ!!


スターク「くっ」


A「俺にも撃てるのさ、虚閃が」

スターク(虚閃撃てるんだ、すげーな)


リリネット(銃)「感心してる場合じゃないわよ、BもCもやられたって言うのに…」


スターク(あの虚閃だったら、まともにくらったら危ないだろうな)



A「さあ、虚閃同士、真剣勝負と行こうじゃねーか」



スターク(あいつの余裕っぷり、何か策があるな)


スターク「真剣勝負って柄じゃねーんだけどなー」


リリネット(銃)「ためしに撃ってよ」


スターク「おう」


スターク「虚閃」


ズオオオオッ!


スターク(さて、どう出る?)


A「かかったな、アホが」ダッシュ

スターク「満面の笑みで虚閃に突っ込んでったぞ…」ポカーン


A「うおおおおおおっ!!!」
ギュウウウウウンッ!!!!



スターク「虚閃を吸い込んでるのか」


A「なかなかの虚閃だったぜ」ニヤニヤ


A「相手の虚閃を自分のエネルギーに変える事が出来るのが、俺の能力だ!!」


スターク「お、おう…」


スターク(手の内晒すなよ…)


A「さあ、これでお前の虚閃は使えねーぜ、大人しく俺のエネルギーになっちまいな!」


スターク「嫌だね」


A「ふふふ、いつまでそう言っていられるかな」

A「無限装弾虚閃(セロ・メトラジェッタ)!!!」


ズ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ッ!!!!


スターク「ヤバッ!」響転



ズドオオオオオンッ!!!!

____はるか上空____




スターク「久しぶりに本気の響転を出したなー」


リリネット(銃)「あいつヤバいね、どうしよう…」


スターク「んー、なんとかなるだろあいつ脳筋みたいだし」





A「待ちやがれえええ!!」ゼーゼー


スターク「お、来た来た」


リリネット(銃)「どーするの、スターク?」


スターク「まあ、見てろよ」


スターク「はあっ!」


ポンッ(小さな銃を出す)


A「そんな銃でどうするつもりだ?」


スターク「今から完現術でお前を成仏させてやるから、安心していいぞ」



__スタークがその銃を撃つと、大きな魂魄が現れた____


スターク「これは、さっきお前が暴れたせいで死んだ人間の魂魄だ、今にもお前に復讐したがってるぜ」

スターク(まぁ、ただの霊子をそういう風に見せてるだけなんだけど)

A「ふん、そんなもの粉々に消してやるぜ!」


スターク「どうかな?」



__魂魄がAに近づく___


A「食らいやがれ!!」

__A、虚閃を撃つが、魂魄はバラバラになってもなおAに纏わりついてくる___


A「な…ん…………だ…………と?」



__魂魄がAを覆う___



スターク「さて、やるかな」


スターク「準備は良いか、リリネット」


リリネット(銃)「良いよー」


スターク「霊圧高めの虚閃だし、これで決着つくだろ」


スターク(なんか虚閃の威力が大きいな…)


リリネット(銃)「絶対に許さない……」バチバチ




スターク「そうだ、その前に」


スターク「おい、A。お前聖書は読むか?」


A「出せ、出せえーーー!!」


スターク「聴いてないけど、別にいいか」

スターク「エゼキエル書25章17節。心正しき者の歩む道は、心悪しき者のよこしまな利己と暴虐によって行く手を阻まれる。愛と善意の名において暗黒の谷で弱き者を導く者は幸いなり。なぜなら、彼こそは真に兄弟を守り、迷い子達を救う者なり。よって我は怒りに満ちた懲罰と大いなる復讐をもって、我が兄弟を毒し、滅ぼそうとする汝に制裁を下す者なり。しかして我が汝に復讐をする時に汝は我が主である事を知るだろう」


スターク「虚閃」

ズオオオオオッ!!


A「俺を撃っても何度でも復活するぞー!!霊子さえあれば、俺は生き返れるんだ!!!」


スターク(うるせーな、こいつ)


スターク「霊子で出来た空間に、高濃度の霊子を大量に詰め込んで膨張させたら____」


スターク「爆発__するんだよ」ニヤリ



カッ!!!!!!!!!!



ドオオオオオンッ!!!



A「」シュウウウウ



リリネット「なんか、成仏していってるね」


スターク「こいつの再生能力をもってしても、霊子の爆発力には追い付かなかったって所だな。痛々しい奴だったけど、向こうでも元気でやってくれよ」


リリネット「さっきの何?」


スターク「前にあった、危ないおっさんが言ってたセリフ」


リリネット「それは、ちょっと引くかも…」


スターク「うるせーな、それよりも、BとCを探すぞ。霊圧を感じるからまだ生きてんだろ」


リリネット「おー」


_____高層ビル 残骸____




スターク「派手にやられたな」


B「すいません、まさかあいつが虚になるなんて…」ヨロヨロ


C「兄貴の事も話しちまいました、面目ないっす…」ヨロヨロ


スターク「生きてんなら、それで良いさ」


スターク(酷い有様だな…)


雪緒「僕の力が必要かい?」


スターク「雪緒」


BC「ボス!!」



雪緒「元部下の不始末だからね、復旧には力を貸すよ」


スターク「そうかい」


雪緒「随分派手にやってくれたね、負債が酷そうだ…」


雪緒「スタークにはさらに働いてもらうとして、これからはスマートに活動していこう」


スターク「ちょっと待て」

雪緒「……」チラッ


スターク(目をそらしやがった…)


雪緒「BもCも、これから少し忙しくなるよ、良いね?」


BC「合点承知です!!」



リリネット「ねー、雪緒」


雪緒「何だい?」


リリネット「明日、休暇とってもいい?」


雪緒「急な話だけど、どうして?」


リリネット「Aに予定ぶっ壊されたから、やり直したいの」スタークを指差す


雪緒「そういう事か」ニヤリ


雪緒「BとCちょっと」


BC「何ですか、ボス?」


雪緒「」無言で特性盗聴器に高機能カメラを手渡す


BC「………」


雪緒「よろしくね」


BC「あの…、ボス」


雪緒「何だい?」


BC「どうしてこんな事を?」


雪緒「んーと、脅迫に使えそうだからね」ニッコリ





スターク(なんとなく嫌な予感……)

____翌日____



リリネット「もー、スターク遅いよ」


スターク「お前が歩くの早いんだよ、地下鉄で迷子になってもしらねーぞ」


リリネット「でも、絶対にスタークが助けてくれるから、何も心配してないよ」ニッコリ


スターク「お前なあ……」


リリネット「あー、向こうに雪緒の言ってた像があるよ」響転


スターク「待てこら」響転


リリネット「遅れた方がカフェおごりね」


スターク「荷物持ってる俺の方が不利だっつーの!!」


リリネット「ふふん、掴まえてごらん?」ニッコリ















リリネット「ずっと一緒だよ、スターク♪」

おしまいです



霊子の設定は適当に脳内保管してください。
聖書の引用やハンバーガーのくだりは、パルプフィクションという映画を参考にしてます。
この映画も面白いですよー。

リリネット可愛いよリリネット。

それでは、また別のSSで<m(__)m>


スタークはもうちょっと強くても良かったんじゃないかと今でも思う


バラガンが強すぎたからなぁ……



単行本の表紙にもなってなかったよな

なんかのSSであったけど2人が主導権交代して闘うってのやってくれたらよかったんだけどな
スタークが弾幕でリリネットが砲撃みたいな

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