律子「炬燵出しました」 (22)

立ったら

律子「ふぅ……これでよしっと。結局大掃除までしちゃったわねー」

律子「ま、年末は忙しいだろうし今やっちゃって正解かもね。さーて……」

律子「ついに我が家に炬燵が導入されたわよ!これでオフは思う存分ぐうたら出来るわね!」

律子「……」

律子「さむ……」モソモソ

律子「なんか最近独り言増えたわねー。小鳥さんも同じ事言ってたし……あーやだやだ」

律子「あ゛ーあったかい……ふわ……」コテン

律子「……すー……すー……」

ピンポーン

律子「ぅあ……?やば、寝ちゃってた……」

ピーンポーン

律子「はいはーい、今出ま……」

ガチャガチャガチャガチャ

律子「っ!?な、何よこれ……誰……?」

ガチャガチャガチャガチャ

律子「や、やだ……あ、そうだ、警察!で、電話しなきゃ」

ガチャガチャ……ノー……ガチャ……ムイ……

律子「……ん?」

サムイノー……アケテー……リツコー……

律子「……」

ガチャッ

美希「寒いのー!さむ、さ、あばばばば」ガタガタガタガタ

律子「み、美希!?あんたどうしたのよ!」

美希「さむ、さ、寒いから、い、入れてー」ガタガタ

律子「ああもう、上がんなさいよ!」

美希「あぶぶぶ……律子の部屋……あんまりあったかく無いね」

律子「外のほうが良いみたいね」

美希「ごめっ、ごめんなさいなの!ゆるして!」

律子「全く……炬燵入ってなさいよ」

美希「おこた!そうそう、そうなの!」

律子「何よ突然」

美希「律子……さんが、今度のオフにおこた出すって聞いたから遊びに来たの!」

律子「えぇ……?そんな事のために……」

美希「おこたに入った時の感動を高める為にわざわざ薄着して来たんだよ!」

律子「……まぁ、いいけど。ちょっと待ってなさい」

美希「はぁ~ぬくぬく……」ポカポカ

律子「あの子だけはほんとに……はぁ」カチャカチャ

律子「はい、おまたせ」カタッ

美希「いい香り……これなぁに?」

律子「ゆず生姜茶?」

美希「へー……あ、美味しい」

律子「最近どうも足が冷えるから、こういう温まるの常備してるのよ」

美希「さすが律子、さんなの」

律子「あとダイエットにも良いみたいだし」

美希「なんか律子、さん小鳥に似てきたね」

律子「……はは」

美希「なんか笑顔が乾燥してるよ?」

律子「別に何でもないわよ、何でも……」

美希「あ、そうだ。これ持ってきたの」ガサガサ

律子「あら、お土産?」

美希「うん。一緒に食べようと思って……はい」ゴロゴロ

律子「蜜柑……」

美希「おこたと言えば蜜柑だと思って」

律子「たまには気が利くわね、ありがと」

美希「むー、ミキはいっつも気の利く良い子だもん」

律子「はいはい、そーですね」

美希「ぐぬぬ……律子、さんはひどいの!」

律子「あはは、ごめんごめん。ほんとに嬉しいわ。ありがと」

美希「……そう素直に言われると照れるの」

律子「ああ、それから」

美希「なぁに?」

律子「今日くらいは呼び捨てでいいわよ。他に誰もいないし」

美希「いいの!?」

律子「今日だけだからね?」

美希「ありがとうなの!」

律子「……そんなに私をさん付けで呼ぶの嫌なのかしら」

美希「おこたって足元ぽかぽかだけど手が寒いね」

律子「そう?」

美希「うん。触ってみてー」

律子「どれどれ」キュッ

美希「うわ、律子の手もひんやりしてるの」

律子「手の冷たい人は心が暖かいって言うでしょ」

美希「それ当たってるね。律子はとっても優しいし」

律子「そ、そうかしら?」

美希「そうだよー」ギュッ

律子「ちょっと、冷たいじゃない」

美希「えへへ……嫌?」

律子「……嫌じゃないわ」

美希「律子の手、握ってると落ち着くの~」

律子「……そ、そう」

美希「顔赤いよ?」

律子「ていうか……美希、ずいぶん遅い時間に遊びに来たけど」

美希「うん、律子の事だからおこた出す前にスペース開けようとして色々してる内に夕方になると思ったから」

律子「……帰りはどうするの?」

美希「どうしよっかー」

律子「どうしよっかってあんた……」

美希「携帯取り出しポパピプペっと」

律子「どこに電話……?」

美希「あ、お姉ちゃん?ん、そうなの。だからねぇ、今日は泊まってこうかなって」

律子「ちょっ」

美希「うん、うん。もう子供じゃないんだから大丈夫だよ!それじゃ、そういう事だからー」

美希「というわけでよろしくなの!」

律子「あんたねぇ……」

美希「あ……ダメだったら帰るの……」

律子「……はぁ、しょうがないわね」

美希「やーりぃなのー」

美希「……おみかん食べながらぼーっとしてたらもう夜だねー」

律子「そうねー」

美希「ばんごはん……」

律子「あー……炬燵、出たくないわね」

美希「そんなのミキだってそうなの!」

律子「そらそうよね……ま、今日はあんたでもお客さんだし、なんか作るわよ」

美希「あ、お鍋がいいな。おこたでお鍋」

律子「あ~いいわねぇ。野菜何があったかしら」

美希「楽しみ~」

律子「いや、ちょっとは手伝いなさいよ」

美希「ミキはねぇ、もうおこたと一体化しちゃったの」

律子「やかましい」ズボッ

美希「いやー!冷たっ、律子!手!冷たいの!」

律子「ほら立った立った」

美希「うぅ~……ひどいの……」

律子「それじゃ白菜切ってもらえる?」

美希「適当でいい?」ザクザク

律子「食べやすいようにね……あら、思ったより普通ね」

美希「流石にミキを舐めすぎなの」

律子「そうかもねー」

美希「そうだよ。ミキだって人並みには出来るもん」

律子「……確かに、普段からちょっと美希を甘く見てたわね」

美希「え、どうしたの……?」

律子「いや、ずっと子供扱いだったけどそれも良くないかなって」

美希「んー……律子はミキの事思って厳しくしてくれてるってのはわかるよ」

律子「……ん。だったらもっと厳しく行くわね」

美希「それは勘弁して欲しいな」

律子「春菊平気?」

美希「大好きなのー」

美希「はふはふ」

律子「取らないから落ち着いて食べなさいな」

美希「んー、らいじょうぶなのーあつっ!」

律子「ほーら言わんこっちゃない。水飲んで」

美希「んぐぐ……」ゴクゴク

律子「こぼしてない?」

美希「それは大丈夫……らけどベロ火傷ひたはも~」

律子「もー、子供じゃないんでしょう?ちゃんと冷まして食べなさい」

美希「ひりひりすゆの~いひゃいの~」

律子「はいはい」

美希「ちゅーひてくれたら治るの~」

律子「そろそろ怒るわよ?」

美希「ごめんなさいなの」

律子「おかわりは?」

美希「いるー」

律子「あ、リモコン無い?」

美希「これ?」

律子「そうそう。チャンネル3にして」

美希「何見るのー?」

律子「……やっぱ変え」

ミキダヨー。キョウハヨロシクー

美希「あ、これこの前撮ったヤツだ」

律子「……」

美希「チェックしてくれてるんだね!」

律子「まぁ、一応はね」

美希「どう?ミキキラキラしてる?」

律子「そうね。よく頑張ってるわ」

美希「えへへ……律子に褒められると、すっごい嬉しい」

律子「じゃあもっと褒めたくなるように頑張ってよ?」

美希「うん。ミキ、頑張るね!」

ミキー、ソッチジャナ…キャア!ガラガラ…

美希「春香はいつも通りだったの」

律子「そうみたいね……」

美希「お風呂一緒にはいろ?」

律子「えぇ……」

美希「そんな露骨に嫌そうな顔しなくてもいいって思うな」

律子「いや、単純に狭いのよ」

美希「律子ちっちゃいし大丈夫だよ」

律子「ちっちゃい言うな!」

美希「でもでも、ミキよりちっちゃいよね?」

律子「成長っていうのは個人差があるものなの……」

美希「ちっちゃいのに胸は同じくらいなの」

律子「むっ!胸は関係ないでしょ胸は!」

美希「秘密が知りたいから一緒に入ろうよー」

律子「大体あんただって大きいんだからいいでしょ別に」

美希「千早さんに教えてあげるの」

律子「あんた、怒られるわよ……」

美希「えー?なんで?」

律子「で、なんで一緒に入ってるのかしら」

美希「律子のそういうとこ好きだよ」

律子「ありがとね……」

美希「うーん……やっぱり大きい……あ、けど律子の方がウェストが」

律子「わー!わーわー!」

美希「うるさいの。それに事務所のHPに載ってるから数字はみんな知ってるよ」

律子「いや、そうだけど……比べられるのはなんか恥ずかしいのよ」

美希「……そのお腹隠すポーズ、なんか可愛いね」

律子「ええ?」

美希「お顔も真っ赤だし……あ、なんかムラムラしてきた」

律子「ちょ、美希?」

美希「律子……ミキの事キライ?」

律子「いや、嫌いじゃないけど……何?」

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