ウサミンの食卓 (31)

世捨て人「どうだ、うまいか?」

ナナ「はい、とてもおいしいです。」

ナナ「このらっきょうという食べ物は地球で一番おいしいんですか?」

世捨て人「食材としてのおいしさならば、らっきょうを超える物はたくさんある。」

世捨て人「でもな、今君が感じているおいしさを超える食べ物はなかなか無いだろう。」


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ナナ「なぜですか?」

世捨て人「今君が感じているのは、誰かと一緒にする食事のおいしさだからだよ。」

世捨て人「それも、お互いに楽しむことのできる食事だ。」

ナナ「食事とは自分のためにするものではないのですか?」

ナナ「他人と一緒だと味が変わるのですか?」

世捨て人「味そのものが変わるわけではないし、そこに理屈があるわけでもない。」

世捨て人「でもな、誰かと一緒にする食事はとてもおいしい。これだけは事実だ。」

ナナ「そうですか、やはり私には理解できませんね・・・。」

世捨て人「そうか。」

ナナ「すみません。」

世捨て人「いや、謝ることはないさ。ところで君はこの星が欲しいと言っていたね。」

ナナ「はい、ウサミン星人である私にあなた方の地球を下さい。」

世捨て人「この星はそんなに魅力的か?」

ナナ「わかりません。ただ、私の知らない何かがこの星にあると思うんです。」

世捨て人「君には、仲間と呼べる者は居るのか?」

ナナ「いませんし必要もありません。あなたには居るのですか?」

世捨て人「かつてはいた、だが今は居ない。それが彼女たちのためだから。」

ナナ「そうですか。」

世捨て人「今私達が使っているテーブル、かつはここに私の世界のすべてがあった。」

世捨て人「このテーブルを君にあげよう。」

ナナ「あなたの世界をですか?」

世捨て人「そうだ、そして地球も君にあげよう。」

ナナ「本当に?」

世捨て人「ああ、ただし、君の知らないことが分かるまでだがな。」

世捨て人「君が行くべき場所が見つかるそのときまで・・・。」

世捨て人「食事のおいしさの意味が分かるときまで、地球は全て君のものだ。」

 その言葉が終わるや否や、ウサミン星人が乗ってきた巨大円盤はたった一台で地球のあらゆる都市を壊滅させた・・・。

悪徳P「ここはどこだ?」

ナナ「一緒に食事をしましょう。」

悪徳P「だからここは・・・お前、まさかあの宇宙人か?」

ナナ「そうですよ。怖いですか?」

悪徳P「いや、怖がるどころか俺はあんたに感謝してんだよ。」

ナナ「感謝ですか?自分の星が破壊されているのに。」

悪徳P「そうだとも、あんたは世界を壊してくれた。」

悪徳P「俺が大嫌いな世界を。」

ナナ「そうですか、まあ、それは置いといて食事をしましょう。」

悪徳P「あ、ああ。らっきょうか・・・」ポリポリ

ナナ「おいしいいですか?」むしゃむしゃ

悪徳P「いや、おいしくは無い・・・。」

ナナ「私もです。私にらっきょうをくれた人との食事はとてもおいしかったのに。」

ナナ「その人は、人と一緒にする食事はおいしいと言っていました。分かりますか?」

悪徳P「知らねぇよ。食事なんて一人でするものだろ。」

ナナ「私もそう思います。でも、仲間・・・。というのが重要なのかもしれません。」

悪徳P「仲間?はっ、そんな事を言うやつはただの雑魚だ。」

ナナ「あなたには仲間は居ないのですか?」

悪徳P「いねぇよ、俺は一人でここまで来たんだ。」

ナナ「・・・」

悪徳P「仲間だなんだ言っている奴なんて所詮は弱いんだよ。」

悪徳P「俺が潰したあのプロデューサーのようにな。」

ナナ「その方には仲間が居たのですか?」

悪徳P「ああ、あいつはアイドルを仲間だと言っていた。」

悪徳P「アイドルなんただの金儲けの道具だ。それを否定したあいつは俺が潰した。」

悪徳P「これで証明されたんだ。一人で何でもやっている俺が正しいんだってな。」

ナナ「あなたは一人で何でも出来るんですね。」

ナナ「加護してくれる人も、手を取り合う人も、共に食事をする人も誰も要らないんですね?」

ナナ「あなたは一人で生きてきたのですね?親も友人も先生も・・・」

悪徳P「ごちゃごちゃうるせえ!そんな事はお偉い社長にでも聞けや!」

悪徳P「俺は、自分の力だけで、なんでも、できるんだ、あいつとは、違う!」

ナナ「そうですか、ではあなたをただ一人の場所に送ってあげましょう。」

悪徳P「な、なんだこれは、体が・・・。」シュバッ!

ナナ「あなたとの食事は、とても不味かったですよ。」

そんなかんじ

悪徳社長「お前は!」

ナナ「一緒に食事をしましょう。」

悪徳社長「食事だと?」

ナナ「はい。」

悪徳社長「これは、らっきょうか?会食だというのならばもっとほかにあるだろ。」

ナナ「何を食べたいんですか?」

悪徳社長「こういうときは、相手の喜ぶものを出すべきだ。寿司とかな。」

ナナ「寿司、ですか?では、ハイッ!」スシー!

悪徳社長「これは・・・」

ナナ「では、食事をしましょう。」

悪徳社長「あ、ああ。」モシャモシャ

ナナ「おいしいですか?」ムシャムシャ

悪徳社長「君は、なぜこんなことをしているんだ。」

ナナ「私の行くべき場所を見つけるためです。ところであなたは社長らしいですが。」

悪徳社長「そのとおりだ。」

ナナ「社長とは何をするんですか。」

悪徳社長「うむ・・・会社によって違うが私はテレビ局の社長だからな。」

悪徳社長「視聴者をだま・・・、喜ばす番組を放送することを生業としている。」

ナナ「アイドルというものを知っていますか?」

悪徳社長「知っておる。アイドルとは私の商売どう・・・。いや、アイドルは仲間だ。」

悪徳社長「そ、そうだ。アイドルは私達と共に視聴者を喜ばせる仲間だ。」

ナナ「視聴者というのは、何なのですか?」

悪徳社長「視聴者というのは私達のどれ・・・、た、大切なお客様だ。」

悪徳社長「そそうだ、視聴者だ、彼らは今も君の攻撃で苦しんでいる。」

悪徳社長「特に、がk・・・、子供、子供たちが苦しんでいる。」

ナナ「子供とは大切なのですか?」

悪徳社長「そうだ、子供はこの国の未来を担う。子供たちのために攻撃をやめてくれ。」

悪徳社長「たのむ、たすけてくれ!」

ナナ「なるほど、確かにあなたの言っていることは正しいことでしょう。」

悪徳社長「なら・・・。」

ナナ「あなたとの食事はおいしくありませんでした。」

悪徳社長「何だと。」

ナナ「あなたは仲間を守るために世を捨てる意思を持ちますか?」

悪徳社長「何をあのプロデューサーみたいなことを・・・。あ、違う。」

ナナ「いいえ、違いません。あなたは真っ白なゴミ箱と同じです。」

ナナ「なるほどあなたの外見は白く綺麗でしょう。」

ナナ「でも、あなたの中身は真っ黒なゴミだらけです。」

悪徳社長「あ、あ、ああああ」

ナナ「あなたにふさわしい場所に送ってあげましょう。」

悪徳社長「ぎゃぁああああ!」

ナナ「子供、ですか・・・。」

雪美「…あなたは?」

ナナ「私はウサミン星人。一緒に食事をしましょう。」

雪美「…」プルプル

ナナ「・・・やはり、怖いですよね。では、あなたの保護者を呼びましょう。ハイッ!」

ちひろ「ここは?雪美ちゃん!」

雪美「…ちひろ。」

ちひろ「あ、あなたはあの宇宙人・・・。雪美ちゃんに何をしたんですか!」

ナナ「何もしていません。一緒に食事をしましょう。」

ちひろ「食事?」

ナナ「味噌汁、ご飯、酒。ウサミン星の朝食を用意してみました。」

ちひろ「今は、ご一緒できません。」

ナナ「人と一緒にする食事はとてもおいしいらしいですよ?」

雪美「それは…Pと…仲間とだから…おいしくなる。」

ナナ「仲間ですか?なぜ仲間と一緒だとおいしくなるんですか?」

ちひろ「食事というのは命を明日へ繋げる行為です。その行為を分かち合う。」

ちひろ「心がつながる仲間と命を分かちあう。だから、一緒の食事はおいしいんです。」

雪美「だけど…私達の仲間は…。」

ちひろ「今もどこかで一人お腹を空かしているでしょう。だから・・・。」

ナナ「このテーブルを知っていますか?」

雪美「この…テーブルは…。」

ちひろ「まさか、そんな、あなたこのテーブルはどうしたんですか?」

ナナ「それはですね・・・。」

世捨て人「ああ、あんた戻ってきたのか。」

ナナ「はい。私に足りないもの、分かりました。なぜ一緒のご飯がおいしいのかも。」

ナナ「そして、わたしの行くべき場所も。」

世捨て人「そうか、それは良かった。俺は自分で壊しちまった。居場所をな。」

世捨て人「だからあんたは、大切にな。」

ナナ「これはお返ししますね、あなたの世界ですから。これまでも、これからも。」

世捨て人「ああ、ん、こ、これは・・・。」

雪美「…P…戻ってきて。」

唯「Pちゃん、待ってるから!」

早苗「Pくん、もうだめだと思っているかもしれないでも、まだできる!」

幸子「カワイイボクが待ってるんですから早く戻ってきてくださいよ!」

あい「皆君がだいすきで、一緒に戦いたいんだ!」

ちひろ「Pさんがいてこそのモバプロです、私達皆仲間ですから!」

モバP「まだ、間に合うって言うのか・・・。」

モバP「俺は戻っていいのか・・・。」

ナナ「はい、一緒に帰りましょう私達のプロダクションへ!」

                            fin

かなり遅かったけど制服ウサミンのかわいさと

新ウルトラマンの誕生

この2つを祝して思いつきで書きました。

読んでくれた人いたらありがとうございました。

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