生徒会長「これから部活毎に殺し合いをしてもらいます」 (137)

放課後

生徒会長「部長諸君、集まってくれて有り難う、今日は重要な話があって、全部活の部長を呼ばせてもらった」

剣道部長「はやくしてくれないか。我々は今日、人数が偶数だから私が抜けてしまうと練習に支障をきたしてしまう」

生徒会長「すまない。では早速だが」黒板カキカキ

生徒会長「これから、部活対抗で戦争をしてもらいます」

野球部長「はあ? 何を云っとるんじゃお前」

生徒会長「まあ、驚くのも仕方あるまい。私も詳しく聞いてないんだけれど、理事長の決定には逆らえない」

天文部長「でも、なんでいきなりそんなこと」

生徒会長「うむ。我々の学園は今、かなりの経営難にある。いろんな経費の削減でどうにか成り立っている状態だ。そしてその経費削減の波は部費にまでやってきた」

科学部長「つまり、その戦争に負ければ、部費がカットされてしまうということですね」メガネクイー

生徒会長「そういうこと。ルールは簡単、明日の午前9時からスタート
部長が戦闘不能になった場合、または負けを宣言した瞬間敗北。
使用していい武器は部活で使用しているもののみ、詳しい裁定は生徒会の判断に従うこと。以上」



生徒会長「質問はないわね? じゃあ今日は解散」

――その日の夜

帰宅部長「おいおい、俺たちに武器なんてねえよ……」

帰宅部員A「われわれには、この鍛え上げあげられた足があるじゃないですか、まあ演劇部から転部したての僕が言えることではないですが」

帰宅部員B「先輩、私に任せてください。すごいものを明日、お見せしましょう」ククク

――時を同じくして

放送部長「われわれ放送部には戦力こそないものの、放送というツールがあることを忘れるでない、これは相手を動かすのにもってこいだ」


科学部長「お前ら、粉塵爆発ってしってるか?」

野球部長「サッカー部を最初にぶっ潰そうぜ」うおおおおおお!!!!!!

調理部長「みんな、私たちは戦わずして勝ちますよ。人間、水と食料があれば生きていけますわ」

生物部長「カエルって人間食べるかね…」

弓道部「各員、配置と連携の練習に励むように、明日は織田信長作戦でいく」

水泳部「……」ブルブルブルブル

――そのころ生徒会室

生徒会長「さて、パーティーのはじまりですわ。待っていなさい、必ずあなたをこの手で…」

――早朝

サッカー部員A「さーて、戦争前にグラウンド整備でもしようかな…って、あれ!!!???」

サッカー部員B「おいどうした。そんなにびっくりしやがって」

サッカー部員A「あれ見ろよ、校庭の真ん中に、マンションが建ってるぞ!」

サッカー部員B「えええええええ、校庭の1/3がマンションじゃねーか」

帰宅部員B「あら、やっとお気づきでしたか。ごきげんよう、サッカー部諸君」

サッカー部員A「おまえは! 東宮院財閥の息子で、帰宅部の」

帰宅部員B「いかにも。自己紹介はさておき、我々は武器として家を使用させていただきます。帰宅部が使うもの、それは己の足と家」

サッカー部員「お、おう…」

――午前9時

生徒会長「それでは、部活戦争スタートです。途中経過は、学校敷地内に配置した生徒会の役員がメガホンにて随時報告します」

 
【部活戦争スタート】

野球部「くそ、マンションが邪魔で向こう側のサッカー部の様子がわからねえ、まずはあの帰宅部城を落とすぞ! ピッチングマシン発射!!」ドドド

野球部「なに、ガラスが割れないだと!!」

帰宅部員B「やれやれ、たかが140キロの野球ボールでこの特注ガラスが割れるはずないじゃないか。まったく、相手にならん」

野球部「くそ、砲撃やめ。帰宅部は後回しにし、これよりマンションの反対側にいるサッカー部に奇襲をかける。偵察班の報告によるとサッカー部は作戦会議中のようだ。行くぞ!」うおおお

サッカー部員「敵襲だ!」

サッカー部員「部長!ご指示を」

サッカー部長「よし、作戦コード【せせらぎ】開始」

サッカー部員たち「あたふたあたふたあたふた」

野球部員「よし、相手があたふたしているぞ!進め進め」

野球部員「うおおお…ってあれ? あああああ」

サッカー部「 計 画 通 り 」

――野球部作戦本部

野球部員「部長、第一部隊が落とし穴にはまって全滅です」

野球部長「なにい? そんな古典的な手に。許せんサッカー部め、わしが直々に乗り込むしかないようだな。よし、全野球部員に告ぐ。必ずサッカー部部長の首をいただくぞ!」


 

サッカー部員「部長、見てください! 野球部が全員で向ってきます。どういたしましょう」

サッカー部長「ついに来たか、今回は私たちも正々堂々行くぞ!」

野球部軍「ピッチングマシン用意、放て!!」

サッカー部軍「くそ、よけるのが精いっぱいだ」

野球部軍「よし、防具部隊、進め!!」

サッカー部「あれは、キャッチャー用防具に金属バット装備だと。」

サッカー部長「こんなの勝てっこないよお」おしっこジャバー

サッカー部員「ぶちょおおおおおおおおおおおおおお」

サッカー部長「ぼくらの、負けだ……」

生徒会「サッカーブ、セントウフノウ、ハイタイデス」

 野球部軍「よっしゃあああああああああああ」

野球部長「よくやったお前たち、この調子で勝ち進むぞ。よし、初勝利を記念して、みんなで万歳三唱だ! いくぞ、ばんざーい、ばんざーい、ばんz…」

ヒュンッ


グサッ

保守のついでに、優勝しそうな部活を挙げてもらうと嬉しいです

野球部員「部長!!!!!」

野球部員「これは…槍!?」

ザザッ

陸上部長「グラウンドを使うのは、お前らだけじゃねーんだよ。このゴミ虫ども」

生徒会「ヤキュウブ、セントウフノウ、ハイタイデス」

野球部「てめえ、卑怯だぞ」

陸上部長「勝負は時として情を忘れねばならない。お前らみたいに野球ごっこしてるやつらには一生わからないだろうがな」

野球部員「くそ…」

陸上部長「では、さらば諸君」

ザザ

【サッカー部、野球部、敗退】


――時を同じくして、屋上


天文部員「部長、小惑星の軌道修正完了しました」

天文部長「よし、今日は満月か……ふふ、面白いことになりそうだ」

――生物室

生物部長「おいおい、もう野球部とサッカー部終わりみたいだ」

部員「どうも陸上部が殺ったみたいですよ」

部長「やっかいだな」

部員「ええ」

部長「それよりアイスが食べたくなったぞ」
部員「ぶちょー、そんなに食べると太りますよお?」

部長「う、うるさいなもう///」

部員「へへえ、妖怪子豚アイス~~」

部員「この小娘がぁああ」

ドア「ガラガラガラ」

部長「なにもの!?」

科学部長「やはりここでしたか」メガネクイー

生物部長「お前は、科学部長! 貴様、何しに! まさか」

科学部長「いえいえ、ここに来たのは戦いに来るためではありません。来たのも僕一人ですし、見てのとおり手ぶらです。あなたたちに折り入ってお話がありましてね……」メガネクイー

――ところ変わって演劇部

演劇部長「ええ、我々演劇部は、日ごろの練習で得た演技力を武器に戦う」

演劇部員「つまるとこと、どう戦うつもりなんでしょうか?」

演劇部長「変装だ」

演劇部員「変装!?」

演劇部長「そうだ。我々が敵の部活の幹部に変装し、内部抗争を誘発して自滅させるというものだ」

演劇部員「は、はあ…」

演劇部長「よし、各自指定の部活へ潜入すること、以上解散。お前ら、健闘を祈る」

――柔剣道場

剣道部長「ついに柔道と剣道、どちらが『道』の名を背負うものとしてふさわしいか、決める時が来たな。お互い正々堂々戦おう」

柔道部長「いやいや、お前らずるだろそれ。おれらは道着のみ、お前らは防具一式に竹刀。勝てるわけなかろう」

剣道部長「うるせええええ、勝てばいいんだよ勝てばあああああああ」

剣道部員「突撃じゃああああ」

???「待ちな!!」

剣道部長「なにやつ!?」

???「第一班、攻撃開始!」

ヒュン!!

???「第二班、攻撃開始!」

ヒュン

ヒュン

???「…………」

生徒会「ケンドウブ、ジュウドウブ、セントウフノウ、ハイタイデス」

弓道部長「ふっ、柔道と剣道だけが『道』の名を背負ってるわけじゃないこと、忘れてほしくないものだ…」

【敗退:野球、サッカー、剣道、柔道】

――帰宅部マンション

帰宅部長「でも、お前よく一晩でマンションなんか建てたよな」

部員B「父親に頼めばこのくらい、余裕ですよ」

部員A「それで部長、話というのは何でしょう?」

部長「うむ。我々は帰宅部だ、つまるところ家に帰ることに本質があり、家に帰ることが真理なのだよ」

部員A「部長、もっと簡潔にお願いします」

部長「我々は今から学校を脱出し、家に帰る!」

部員A「んなバカな! 学校の門は生徒会の厳重な警備のもとにあります。現に山岳部がさきほど脱走を試みて全員生徒会に殺されてるのです。無理ですよ! 俺は死にたくないです」

部長「まあ、そう言うだろうと思っていたよ。しかし我々は山岳部なんかとは違う。これを見たまえ」

部員A「これは、地図?」

部員B「そう、これは学校の地図」

部員A「そんなはずは無い! この学校に地下なんて存在しないのにこの地図には地下通路が書かれてある」

部員B「いや、あるんだよ。地下通路も、秘密の部屋も…」

部員A「なぜわかる!? 設計者でもない限り、わかるわけがない。……設計者、まさか」

部員B「そう。この学校を設計し、実際に建てたのは、俺の父の会社『東宮院建設』だからだ」

部員A「なん……だと」

部長「種明かしも終わったことだし、脱出の作戦について話す、まず……」

――生徒会室

prrrrrr

生徒会長『はい、もしもしこちら生徒会長』

???『奴の始末は終わったか?』

生徒会長『いえ、帰宅部はグラウンドに籠城していて、こちらから手を出すことは…』

???『私は言い訳を聞きに電話をしたわけではない』

生徒会長『すいません、西園寺理事長。こちらは一刻もはやく、東宮院の息子を始末いたします』

西園寺理事長『それでよろしい。いい報告を期待してるぞ』

生徒会長「はい、失礼します」

ピンポンパンポーン

放送部「帰宅部の方、至急放送室まで来てください。繰り返します、帰宅部員の方、至急放送室まで来てください」


ピンポンパンポーン


帰宅部長「おいおい、いきなりなんの呼び出しだ?」

部員A「これは罠かもしれない。ここを出るのは危険です、外で陸上部とテニス部とバスケ部が殺し合いをしているのでマンションを出るのは自殺行為です」

部長「ここは、行かないほうが賢明だろう」

――10分後

ピンポンパンポーン

放送部「おーい、帰宅部さんよ。来いって言ったよね? いいの?あの事バラシちゃおっかなあ、クククク」

ピンポンパンポーン


帰宅部長「!?」

部員B (やばいです、可能性は高くありませんが、私たちの会話が放送部に盗聴されている可能性があります。なので筆談をしながら対応しましょう)カキカキ

部長「おい、部員Aお前が放送室に行け!」
(このマンションの地下から校舎に通ずる道があるからそこを通って放送室に向え)カキカキ

部員A「ええ、いやですよ。外では運動部がやりあってますもん怖いです!」
(了解です)カキカキ

部長「仕方ないだろ! 俺たちの計画のすべてがばれてるかもしれないんだぞ! 行かなきゃばらされて全部が水の泡だ」
(幸い、この作戦の重要な部分はまだ話していない。ここは一旦放送部と交渉して有利に進めよう)カキカキ
 
部員「了解。行ってきます」
(最悪の事態も想定しといてくださいよ)カキカキ

部長「まかせたぞ」
(まかせておけ)カキカキ

――放送室

帰宅部員A「失礼します」

放送部長「よく来たな。さて、いきなり本題なんだが、われわれ放送部も脱走の手伝いをしたい」

帰宅部員「つまり、仲間になるということだな?」

放送部長「もちろん構わないよな?」

帰宅部員「それは、部長に直接許可を取ってください」

放送部長「では、部長のもとへ連れて行け、拒否したら、わかってるな?」

帰宅部員「……こっちだ」

放送部長「護衛を5人連れていく。あとは待機してろ」

放送部「了解です、部長」

――帰宅部マンション

帰宅部長「よく来たな」

放送部長「こちらこそ、こんなところに呼んでいただいて有り難う」

帰宅部長「とりまきを6人も連れてくるなんて、警戒心だけは立派だな」

放送部長「6人だと? 5人と言ったはずだろ」

部員「すいません、いつのまにか6人になってまして」

???(計 画 通 り)

放送部長「まあいい、そんなことより脱走の件だが我々放送部も仲間に入れてほしい」


帰宅部長「おい、放送部は20人近くいるだろう。そんな人数では行動がスムーズにいかない」

放送部長「その点は心配いらない、ここにいる私を含めた7人だけを連れて行け」

帰宅部長「なっ、お前! 仲間を見殺しにするのか」

放送部長「そんなことは気にするな、こちらにも考えというものがあるのだよ」

帰宅部長「それでも、お前らには都合がよすぎる」

放送部長「交換条件だ、ものすごい情報をやろう。これを聞いてみろ」

帰宅部長「これは、レコーダー?」ポチッとな


『すいません、西園寺理事長。こちらは一刻も早く東宮院の息子を始末……』

帰宅部長「これは!?

放送部長「理事長と生徒会長の電話を盗聴したものだ。この戦争には何か裏があるとは思っていたが、『部活戦争』という名の『東宮院暗殺』だったということだ」

放送部長「放送部はこれ以外にも情報を持っている。敵に回したら厄介だというのは、考えなくてもわかるよな? さあ、仲間に入れてくれ」


帰宅部長「わかった、これからは私たち3人と、放送部7人の計10人で行動を共にする」

放送部長「帰宅部長は聡明だ」

???(案外簡単に潜入できるもんだな)

――そのころ、生物室

生物部長「完成したぞ……」

科学部長「生物部と科学部の共同兵器」

生物部長「その名も【FLG弐号機】」

科学部長「これで我々の勝利も確定だな」

生物部長「ああ」

――グラウンド

テニス部「うららららららららららら」

バスケ部「ダムダムダムダムダムダムダム」

陸上部「槍槍槍槍槍槍槍」

陸上部「砲丸砲丸砲丸睾丸砲丸」
陸上部「円盤円盤円盤円盤円盤円盤」

アニメ漫画研究部「円盤と聞いて」ブヒ

陸上部「しね!」

アニメ漫画研究部「ぐはあああ」チーン

生徒会「テニスブ、バスケブ、アニメマンガケンキュウブ、ハイタイデス」

【敗退;野球、サッカー、剣道、柔道、山岳、テニス、バスケット、アニメマンガ研究】

――時同じくして、屋上

天文部員A「小惑星、予定通りの軌道を描きながら落下中」

天文部長「今日は久々に紅い月が見れそうだな」

――脱走作戦本部

帰宅部長「まずは、ルートの確認だ。このマンションから地下通路を通ると、校舎一階の会議室に出る。そこから5階の用具倉庫へ向かう。用具倉庫で工具を調達し地下通路に戻る」

放送部長「もどるんかい」

帰宅部長「ああ、そして地下通路の壁を壊し、下水道の地下トンネルを通って脱出する」

放送部長「勝算は?」

帰宅部長「100パーセントだ、今のところは」

帰宅部員B(以下、東宮院と表記)「一応、合言葉を決めておきましょう。部外者が来ないとも限りません」

帰宅部長「そうだな、合言葉は【金髪】と言ったら【マミさん】と返事をすること。よし、では作戦開始!」

放送部長「さやかがよかった…」

???(合言葉か、これは一応演劇部員全員に知らせておこう)

――家庭科室  

調理部長「よくて? 私たちは戦わずして勝利するのよ。あんな野蛮なやつらにさわったら汚れてし合いますわ」

調理部員「しかし部長、相手を倒さない限り勝てないのでは…」

部長「だから、今から料理を作りますわ。そう、毒入りのオムライスですわ」

部員「さすが部長、その辺の戦闘民族とは一味ちがいます! 料理だけに」

部長「早速始めましょう、時間はありませんのよ」

~15分後

部長「できましたの! 見た目は最高のオムライスですわ。少し味見してみましょう」パクー

部員「あ……」

部長「ううう、苦しいですわ、苦しいですわ」バタンキュー

一一しばらく経って


生徒会「ここで中間発表をします」

生徒会「現在、生き残っている部活は8つ

陸上部
弓道部
科学部 
生物部
放送部
演劇部
天文部
そして、帰宅部です

それでは皆さん健闘を祈ります」

Prrrrrrr

生徒会長「もしもし」

西園寺理事長「まだ手こずってるみたいじゃないか、この無能どもめ」

生徒会長「すいません」

西園寺理事長「さっき、そっちに応援を派遣した。自由に使ってよい」

生徒会長「ありがとうございます、それでは失礼します」

西園寺理事長「かならず殺せ」

――陸上部

部長「のこりは我々を含め8つ、注意すべきは弓道部。敗退した運動部のほとんどは弓道部の餌食になった。しかし、矢の数にも限界はあるはずだ。ここは弓道部を後回しにして戦うのが賢明だろう」

――弓道部

部長「なんとかここまで生き残ったな、今は部員たちに、使用した矢の回収をしてもらっているのだが、遅いな……何もなければよいのだが」

――生物化学合同部

生物部長「さて、いっちょやりましょか!」

科学部長「まずは、陸上部からだ」


――天文部

部長「時は満ちた、神の裁きは待ってくれない」

部員「部長! 南の方角を見てください!」

部長「あれは……」

――帰宅放送合同部、5階用具倉庫到着

帰宅部長「ここが用具倉庫か」

放送部長「なにも全員で来る必要はなかったんじゃないか?」

帰宅部長「いや、荷物が多すぎる。全員でパパッと運びたい。よし一応点呼をとるぞ!番号―」

1.2.3.4.5.6.7.8.9

帰宅部長「一人足りないぞ!」

放送部長「護衛が一人足りない! 来る途中に殺られたのか!?」

帰宅部長「よし、俺が探してくる。お前らはここに待機だ……ってあれ?」

東宮院「どうしました部長?」

帰宅部長「鍵が、開かない………俺たち、用具倉庫に閉じ込められちまった」

帰宅部員A「部長! 窓の外を見てください! 軍用ヘリが学校に向かってきます」

東宮院「あれは……おのれ西園寺め!」

帰宅部長「どうした東宮院、あれを知っているのか?」

東宮院「おそらくあれは西園寺理事長が俺を殺すために派遣したテロリストみたいなものです」

放送部長「くそ! もうおしまいだ。用具倉庫の扉と壁は他の壁よりも頑丈で壊せないし、ここは5階だから窓から飛び降りることもできねえ」

帰宅部長「幸いなことに、仲間が一人、まだ外にいる。そいつが来れば助かる!」

放送部長「でも、そいつがもともとスパイで、俺たちはまんまと罠に引っかかってるとしたら……」

東宮院「ゲームオーバーですね」

――そのころ生徒会室

???「生徒会長、東宮院の監禁に成功しました」

生徒会長「さすがは演劇部長。これは報酬よ」

演劇部長「有り難うございます」

生徒会長「あとひとつお願いがあるの」

演劇部長「なんでしょうか、生徒会長」

生徒会長「………………死になさい」

演劇部長「えっ」

バン!!!

生徒会長「副会長、生徒会のメンバーを全員集めなさい。」

副会長「御意」

――そのころ校内廊下

演劇部員A「みんな死んじまったな~。残ったのは俺たち2人と部長だけか~」

演劇部員B「さっき部長から合言葉について連絡あったじゃんか。あれって結局なんの合言葉なんだ?」

演劇部員A「しらね~。でも合言葉ってことだから、大事な場面でつかうんだろうよ」

演劇部員B「そうだよなあ。あと、部長が死んだら俺たちはどうなるんだ? 部長が死んだら敗退なわけだけど、部員はそのままなのか?」

演劇部員A「俺見たんだ。卓球部の部長が死んだ瞬間」

演劇部員B「ほかの部員はどうなったんだ?」

演劇部員A「それが、一瞬にして消えたんだ」

演劇部員B「つまり、部長が死んだら、部員は一瞬で消えちまうのか。死んだほうがましだな。…ってあそこから声が聞こえないか?」

演劇部員A「あそこ、用具倉庫だな。行ってみよう」

演劇部員A「誰かいるんですかー?」

帰宅部長「誰か来たぞ! 助けてもらおう」

放送部長「焦るな、敵かもしれない。むしろ敵の可能性のほうが高い。ここは合言葉を使おう」
帰宅部長「そうだな」

 
帰宅部長「金髪」

演劇部員A「お、あの合言葉じゃねーか。えっと、『マミさん』」

放送部長「よかった、あいつだ! 助けが来たぞ!」

帰宅部長「ここをあけてくれ。閉じ込められたみたいだ」

演劇部員A「ここは助けて仲間に入れてもらおう」

演劇部員B「そうだな」

ガチャガチャ

演劇部員A「おーい、あいたぞー、俺らも仲間にいれt」

バーン

東宮院「銃声だ」


帰宅部長「あれ? いないぞ」

放送部長「どうした?」

帰宅部長「ドアの外に、誰もいない。たしかに誰かに開けてもらったはずなのに…」

東宮院「とにかく、まずは工具を持って地下通路に戻りましょう。テロリストが来るのも時間の問題です」

帰宅部長「そうだな」

――校内 3年A組教室

陸上部長「よし、校内はここをマザーベースとする。何かあったらここに報告にくること、以上。各自休憩をとること」

陸上部員A「あっ、こんなところに小さなカエルちゃんがいるよ。かわいい~」

陸上部員B「クラスで飼ってるのかしら、珍しいカエルね。見たことないわ」

陸上部員A「私も初めて見た~。見て見て! 手にのっけても逃げないよ~」

パンッ

陸上部員A「きゃーーーーーー」

陸上部長「どうした!?」

陸上部員B「カエルがいきなり破裂してAが……」

???「ふっふっふっふ」

陸上部長「誰だ!」

生物部長「やーやー我こそは生物部部長なり。陸上部諸君には残念だが全滅してもらうよ。この科学生物兵器【FLG弐号機】たちによってね」

科学部長「説明しよう、FLG弐号機とはカエル型生物爆弾であり、ひと肌に触れると破裂し、中から超強力な酸が出てくる仕組みなのだ」
生物部長「さて弐号機ちゃんたち、たっぷり暴れてらっしゃい!」

――地下通路

帰宅部部長「なかなか穴が開かないな」

東宮院「先輩、フックの法則って知ってますか?」

帰宅部長「なんだそれ」

東宮院「厚い壁でも、計算された部分に穴を開けると、少ない労力で壊せるんです」

帰宅部長「おお、やってみるか? でもお前よくそんなこと知ってるな」

東宮院「海外ドラマの観すぎですかね」

放送部長「そういえば、東宮院はなんで西園寺理事長たちに狙われてるんだ?」

東宮院「おそらく地域の利権がらみでしょう。この地域一帯は昔から東宮院家と西園寺家の争いを背景に発展してきた。最近は東宮院家がインフラを独占しすぎたせいで西園寺家も最終手段に出たんでしょう」

放送部長「その最終手段が、御曹司の暗殺というわけか」

東宮院「みたいですね……」

――生徒会室

テロリスト「応援部隊、25名只今到着しました」

生徒会長「よし、生徒会のメンバーもそろったわね。今から5階の用具倉庫にいる東宮院の息子を始末しに行きます。手段は問いません。必ず殺してください」

テロリスト「了解」

一一地下通路

帰宅部長「なかなか作業がすすまないな。圧倒的に人員が足りない。最初のほうは少数の方が機動力の面で良いと思っていたが、さすがに厳しいな」

東宮院「放送部長さん、残りの部員さんは?」

放送部長「さきほど連絡してみたが駄目だった。おそらく奇襲にあったのだろう」

帰宅部長「くそ、これじゃあいつらにここを嗅ぎ付けられるのも時間の問題だ」

帰宅部員A「それじゃあ、俺が他の部活の人に頼んできます!!この戦争の真実を伝えればわかってもらえます」

帰宅部長「バカ、そんなの無理に決まってる。敵の言うことを信じるわけがない」

帰宅部員A「まかせてください。必ず助けを呼んできます。部長、信じてください」

帰宅部長「わかった。絶対に死ぬんじゃねーぞ」

帰宅部員A「はい」

――5階用具倉庫

生徒会長「行くわよ、準備はいい?」

テロリスト「はい」

生徒会「突撃!!!!」

ドドドドド

…………

テロリスト「生徒会長様」

生徒会長「どうかしたの?」

テロリスト「いません……誰も」

生徒会長「なん……ですって…」

副会長「どうしますか」


生徒会長「あのやろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

生徒会長「探せ! 死んでもあいつを見つけ出すのよ」

テロリスト「了解」

副会長「御意」

――地下通路

帰宅部長「あいつが行ってからけっこう経ってるが、あいつは大丈夫だろうか」

放送部長「今は彼を信じるしかない」

東宮院「この壁を壊せれば勝ったも同然なんだがな」

 
???「ついに見つけたぞ、東宮院」


東宮院「!?」

帰宅部長「ついにご対面の時間か、生徒会長!」

生徒会長「いかにも。私が本校生徒会長『西園寺美也』」

放送部長「ついに来たか」

生徒会長「その様子だと、あなたたちはこの戦争のホントの目的を知っているみたいね」

東宮院「西園寺家の身勝手な陰謀で、生徒が何人いなくなったと思っている!」

生徒会長「身勝手ですって? まあ面白いことをおっしゃること。でもここまでよ、みんなまとめて消してあげます。あなたたち、殺っておしまい!」

>>1そろそろ終わるか?

>>120
もう終わりそうですね



テロリスト軍団「行くぞ!」うおおおおお

帰宅部長「相手が多すぎる。これでは勝ち目がない」

放送部長「万事休す…」

テロリスト「死ねええええ」


……

ヒュン!

グサッ

???「第二班、攻撃開始」

ヒュン!

テロリスト「後ろからだ……ぐあああ」

帰宅部長「あれは、弓道部!!」
弓道部長「第三班、攻撃開始」

生徒会長「ちっ、邪魔者が入ったか…生徒会も全員攻撃に参加、総力戦よ!」

???「それはどうかな?」

生徒会長「なにっ!?」

???「なあ会長さんよ。粉塵爆発って知ってるか?」

生徒会長「!?」

ドーーーーン

???「科学の力、なめんじゃねーよ」

帰宅部長「みんな」

放送部長「っしゃあ! 一気に行くぜ!」うおおおおお

そして……


弓道部長「殲滅完了」

科学部長「NO SCIENCE NO FUTURE」

帰宅部長「勝ったのか? 終わったのか?」

東宮院「やりました! 僕たちの勝ちです!」

うおおおおおおおおおおおおおお

帰宅部長「ありがとう、弓道部、そして科学部」

生物部長「生物部もいるで~」

帰宅部長「でも、どうしてここに?」

弓道部長「いや、弓道部の後輩がこの事態を知らせてくれてな」

科学部「うちの部活も科学部の後輩情報だ、何で知っているのかと尋ねたんだが、とにかく急げとせかすもんだから」

帰宅部長(いや、我々以外にこの事態を知ってるものはいない。ってことは)

帰宅部員A「部長、俺1か月前まで演劇部だったんですよ」ボソッ

帰宅部長「ん、なんかいったか?」

帰宅部員A「いえ、なんでも」

放送部長「よし、これにて一件落着だな。帰るとしよう」

???「いや、その件なんですが…」

ちょっとだけ、保守を頼む

放送部長「お前は!?」

???「ああどうも、天文部です」

放送部長「おう、そういえば天文部もまだ生きてたんだな。でどうした?」

天文部長「悪い知らせが2つあります。さっきの粉塵爆発の衝撃で帰りの通路が通れなくなったこと。そして、10分後にこの学校がきれいさっぱり吹き飛んでしまうということです」

帰宅部長「おいおいおい、二つ目なんだよ。ホントなのか? にわかには信じられない」

天文部長「もともと、部活戦争のための武器として、小惑星を学校に衝突させ皆殺しにする予定だったのですが軌道修正に失敗し、ほんの小さなかけらが学校に落ちてくることになってしまいました」

科学部長「そんなオカルトありえません」メガネクイー

東宮院「そんなめちゃくちゃな」

帰宅部長「今はそれを信じるしかない。一刻もはやくここを離れなければ」

東宮院「しかし、戻る通路は完全に遮断されているみたいです。ここの穴も、もうすぐ開きそうですが10分は厳しすぎます」

帰宅部長「こんどこそ、詰んだか」

生物部長「ついに私の出番が来たようですね」

東宮院「!?」

生物部長「うりゃああああああ」

生物部長「ギア! サードオオオオ!!!!!」

生物部員A「まさか部長! 死んでしまいます!」

生物部員B「ギアセカンドでも1年の入院を必要とするのに、いきなりサードだなんて」

生物部長「うぴゃああああああああ」ムキムキムキムキムキ

天文部長「行きなさい!生物部長!誰かのためじゃない、あなた自身の願いのために」

生物部長「うぎゃあああああああ」ドカドカドカ

天文部長「なんて力、これが生物部のBEAST MODEなのか… どんどん壁が壊れていく、これなら間に合う」

生物部長「うひょおおおおおおおおお」ドーーン

東宮院「やった! 穴が開いたぞ」

生物部長「カツドウゲンカイデス」バタンキュー

生物部員A「ぶちょおお!! 起きてください! 死なないでください!」

生物部長「科学の進歩に犠牲はつきものデース」チーン

生物部員A「ぶちょおおおおおおおおおおおおおおお」

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