春香「麗しのプロデューサー」 (25)

春香「天海春香、ただいま帰りました!」

春香「……あれ? 誰も居ない? でも電気点いてるし……」

P「…zzz」

春香(あ、プロデューサーさんがデスクで寝てる……パソコンもつけっぱなしで)

春香(やっぱり疲れてるのかな……)

春香「そうだ、いつも美希が使ってるブランケットを……」

P「…zzz」ファサッ

春香「よし、これでよし! ……ん?」

春香「マニキュア……?」

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春香(なんでプロデューサーさんの爪にマニキュアなんかが……)

P「ん……zzz」バサッ

春香「あ、ブランケット落としちゃった……でもかけないと風邪ひきますよー」ファサッ

P「zzz」

春香(……)

春香(見間違いじゃない、今、確実に見えた)

春香(プロデューサーさんの着てるスーツ、レディースだった)

春香(ボタンが付いてるのが左で、穴があいてるのが右にあるのがレディースで合ってるよね?)

春香「どういうことだろう……もしかして、もしかしてだけど、まさか……」

春香「これは、真相を確かめるしかない!」

ガチャッ

真「ただいまー、って、なにやってんの? 春香」

春香「真、実は、マニキュアがレディースでプロデューサーさんが右前左前云々」

真「プロデューサーのスーツが女物? まさか、女装癖……が?」

春香「……私が想像してるのは、さらに衝撃のパターンだよ」

P「zzz」スピー

春香「ということで、確かめようと思います」

真「何を?」

春香「しかしプロデューサーさんは寝ているので、なるべく起こすような行動は避けたい」

真「おーい、春香?」

春香「ということで、まず起きることではないだろう事から試して探ってみたいと思います」

真「話聞けって」ペシッ

春香「あだっ」

真「何を確かめようとしてるのさ」

春香「プロデューサーが男か女か」

真「へえ、……えっ!?」

春香「ということで、まずはズボンの裾をまくってすね毛のチェーック!」バッ

P「んぅ……zzz」

春香「よし、起きない」

真「えっ、プロデューサーが、女、えっ!?」

春香「……」

春香(すね毛なんてなかったんや!)

春香「……これもう女かもわからんな」

真「春香? 口調おかしくなってるよ?」

春香「いや待て、まだ慌てるような時間じゃない。まだだ」

真(正直ボクよりも春香の方がうろたえてるように見えるんだけどなあ)

春香(確かに今まで、一切プロデューサーさんが「自分は男だ」と明言したことはない)

春香(それに、初対面で雪歩が辛うじてだが会話を成立させていた)

春香(それに加えて女物のスーツ、マニキュア、まったく毛の無いツルツルスベスベの脚)ツルツルスベスベ

P「んっ……zzz」ビクッ

春香「やべっ、無意識に撫でてた」

真「春香、口調」

春香「ハァァァ……」

春香「フゥ~~~~……」

春香「うん、そうだね、プロデューサーさんは……」

春香「プロデューサーさんは女だッッッ!」

真「な、な、なんだってー!!」

P「……んおっ、やべ、寝てた」パチッ

春・真「!」

P「ん、あ、おかえり二人共。なんだ、起こしてくれても良かったのに」ツーカシゴトチュウニネチャッタヨオイ

春香「いえ、でも疲れてるみたいだったから……」

P「そうか……じゃあこれも春香が? ありがとなー」

春香「いえ……どういたしまして」

真「……」

真(声を聞く限りプロデューサーは男なんだよなぁ……でも、さっきまでのアレを見ると……)

真(……一か八か! どうせプロデューサーは起きちゃってるんだ! これで試す!)

真(ボクだってプロデューサーにやられたから仕返しですよ! πタッチ!)ガッ

P「……何やってんの?」

真「……」

真(無い……! 女ならあるべき起伏が存在しない!)

真(……盛大にブーメランだこれ)

P「え、なに、なんかオレ怒らせたの?」

真「あ、いえ、これは……ほ、北斗剛掌波の練習で……」

P「直撃させたら意味ないし、せめて壁に向かってやってくれ。真ならガチで出せそうだから怖い」

真「す、すいません」

春香(これは……胸を触って確かめようとした感じだね、真)

春香(でも確証は得られなかった……なら、次の手を!)

春香「そういえば、プロデューサーさんのスーツってそれ、レディースじゃないですか?」

真(! ストレートに……!)

春香(あの真の行動の後に下手な行動を起こせば不審さが増す……だから私はここで攻める!)

P「えっ、あ、うん、そう、だけど」

春香(言葉を濁らせた!)

P「いや、これはこの間律子がくれたんだ。なんか親戚から回ってきたけど自分には大きくて着れないからって」

春香「あ、そうなんですかー」

春香(律子さんが? 本当に律子さんがプロデューサーさんに渡したなら、女物を男のプロデューサーさんに渡すのは不自然……)

春香(プロデューサーさんが嘘をついてる場合も、そもそも嘘をつく理由が「隠し事」以外にない……)

春香「やっぱり、プロデューサーさんって……」

ガチャッ

律子「ただ今帰りましたー。あ、プロデューサー書類終わりました?」

P「ウゲッ」

律子「……ウゲッ?」ニコリ

真(律子の笑顔が怖い!)

律子「寝てただぁ!?」

P「あい…‥言い訳する余地もございません……」セイザッ

律子「ああ、床に正座なんかしたらスーツ汚れちゃうじゃないですか! ほら、あともう少しで終わりですから終わらせちゃいましょう」

P「あい……」

真「どうする、春香」ヒソヒソ

春香「今から手を出すのは難しいけど、収穫はあったね……」ヒソヒソ

真「収穫?」

春香「律子さんがスーツの汚れを気にしたってことは、それなりに思い入れがあるんじゃないかな、って」

真「あっ……そうだね、いつも律子は説教の時普通に正座させてるし」

春香「そして、『親戚からのお下がりもどき』のスーツにそんな思い入れがあるとは思えない」

春香「私の推理では、『律子さんがプレゼントに買ってみたけど素直に渡せず嘘をついて渡した』って感じだと思う」

真「それってさ、つまり律子は」

春香「意図的に女物のスーツを贈ってる……これは、確定かも知れない」

真「……ボクはまだ良いけどさ、もしプロデューサーが女だったとして事務所のみんなに知れたら……」

春香「何が始まるか? 無論、第三次大戦だ」

真「だから口調」

P「ふぅ……終わったー!」ッターン

律子「お疲れ様です。今日の仕事はそれで終わりですか?」カタカタ

P「うん、これで全部」グデー

律子「ああもう、だらしない格好しないでくださいよプロデューサー」

P「あー、素直に帰るかなー、帰りにどっか行こうかなー」グデー

律子「私ももうすぐ終わりますから、そうしたらどこか行きますか? 私は飲めませんけど」

P「じゃあそうしよっかなー」

律子「……と、これで終わり! さーて、帰り支度しちゃいましょうかね」

P「そういえば小鳥さんは?」

律子「社長と一緒にどっかの会社のお偉いさんと打ち合わせだとか。だから事務所は鍵しめないで良いそうです」

P「そっか。よし、じゃあ行くか」

律子「はい。あ、春香と真も早く帰りなさいよー、特に春香」

春香「え、あ、うわわっ! 電車ピンチ!」バタバタガラガラドンガラガラガラ

律子「慌ただしい……」

真(……)

~菊地家~
真「気になる……」ゴロン

真「気になる……本当に気になる……」ゴロゴロ

真「気になってこんな時間まで寝れないくらいに気になる」2:09am

真(明日事務所に行ったら、いっそのこと単刀直入に聞いてみよう)

真(気になって気になってしょうがない。大丈夫、愛の告白なんかよりは簡単に聞けるはず……)

真(……)

真「zzz」

~居酒屋(9:02pm)~
P「単刀直入に言うけどさ……」

律子「はい」

P「正直……隠すの辛くなってきたんだよね……」

律子「でしょうね、マニキュア落とすの忘れてますし」

P「えっ、あ! 本当だ!」

律子「ていうか、多分春香にはバレましたよ……ずっと疑いの目で見てましたから」

P「マジか……どうしよう、私もう明日から事務所いけない」

律子「いや困るんでやめてください。ていうか、事務所では自分のことオレって言ってるから違和感ハンパじゃないんですけど」

P「こっちが素だもん……むしろ非常に無理してオレって言ってるんだから……」

律子「んー、そうですね……あ、じゃあ、こんなのどうですか」

P「え?」

律子「」ゴニョゴニョ

P「え、それは、博打すぎるんじゃあ……」

律子「どうせいつまでも隠せるわけじゃないんですから。さあ、そうと決まれば善は急げ! このあとは私の家に行きましょうか」

P「わちきもうねむい」

律子「行きましょうか」ニコリ

P「はい」

真「……」

真「……どうしたの、春香」

春香「……私だけじゃないよ、中にいる皆もだよ」

真「中にいる皆? そういえば、事務所が騒がしいね……で、なんで春香は外にいるの?」

春香「開ければわかるよ、私と同じ気持ちになるはずだから」

真「?」ガチャリ

亜美「」

真美「」

響「」

美希「」

貴音「むっ、このこぉらなる飲み物、中々……」

雪歩「」

千早「」

やよい「」

真「何事っ!?」

P「あ、ま、真……」OLスタイル

真「」

P「ウワァァァン! ほら見たことか律子! 皆して動かない石像状態だよ!」

律子「うーん……やっぱり胸元が物足りないわね。なんかピンバッチかなんかでも……」

P「聞いて!」

小鳥「あーあ、プロデューサーさんの秘密を知ってるのは私と社長だけだったのにー……」

律子「私は涼を見てましたからね、どことなく隠してる様子に気づけました」

P「初めて事務所に来たとき社長が男と勘違いしたのが全ての発端だよ……先に男のプロデューサーって皆に紹介されたら言うに言えないし」

小鳥「大胆な手に出ましたね、律子さん。まさか私の事務服のスペアを着せるとは」

P「うう、スカート短い……ふともも寒い……」

律子「まあ、これでいやがおうにもプロデューサーの秘密は公のものになったんですよ」

律子「どのみちバレるんです。今のうちにバラしておいた方がダメージが少ないですよ?」

律子(女だって知らされた側のダメージがね……)

亜美「真実ー、兄ちゃんは姉ちゃんだったんだよ→」

真実「じゃあ兄ちゃんじゃなくて兄ちゃんは姉ちゃんだから今度からは兄ちゃんじゃなくて姉ちゃんって呼ばないと兄ちゃんじゃなくて姉ちゃんに失礼だね→」

やよい「プロデューサーさんって女の人だったんですねー……びっくりしましたー」

響「変態だと思ってたから女装してるのかと思ったらガチで女だったぞ……」

貴音「む、貴女様、こちらのすとらっぷ、何故私ではなく亜美が響とセットなのですか」

雪歩「……あれ? プロデューサーが女の人ってことは私は男の人が怖いからプロデューサーは怖くなくて、あれ、でもプロデューサーは男でも怖くなくて、あれ?」

真「そんな……無いと思ってたのに、サラシだったなんて……僕より大きいなんて……」

美希「ピープルプルプルピーガガガガガナノー」

あずさ「美希ちゃんが壊れちゃったわ……どうしましょう」

千早「くっ……! 大きい……!」

春香「やっぱり女だったのかぁ、プロデューサーさん」

律子「ところで……伊織の姿が見えないわね」

P「……伊織なら、今日はスタジオ直行だよ」

律子「どうせなら全員いっぺんに知らせたかったんだけど、しょうがないですね」

P「いや、伊織は一度事務所に来てる」

律子「え?」

P「律子がトイレに行ってる間に、忘れ物を取りに来たとかで事務所に来た」

伊織『やだもー! なんでカチューシャなんか事務所に忘れたのかしら!』

P「そして事務服の私を見るなり、無言で扉を閉めて去っていった」

伊織『……』バタン

律子「……」

小鳥「……なんでしょう、すごく嫌な予感がします」

P「ええ、だから私は今すぐこの場から逃げる! ミニスカだろうが知ったことか、走r「ガチャッバタンッ」

伊織「あら、誰から逃げるって? プロデューサー?」

P「ウゲッ」

伊織「やっぱり、アンタ女なのね」

P「え、まあ……うん」

伊織「そう……」スッ

P(ケータイ取り出し……!?)

伊織「」ポパピプペィ

伊織「もしもし? うん、そう、全部持ってきて、事務所に」

伊織「」Pi

P「い、伊織さん? 何を……」

伊織「今年の8月」

P「?」

伊織「私が嫌だって言っ珍味踊り食いの仕事を持ってきたのは誰だったかしら……」

P「……私です」

伊織「前に律子との会話中に「オレはフリフリの服とかあんまり好きじゃないなぁ」って言ってたのは誰だったかしら」

P「……私です」

伊織「よろしい」

ガチャッ

召使「お持ちしました、お嬢様」

伊織「全部中へ」

召使「ハッ」

ガラガラガラガラ

伊織「……いっぱい用意したわ、アンタのためにねえ!」クワッ

P「い、いやだっ! こんなフリフリの服嫌だァー!」

伊織「真! 押さえつけて!」

真「よしきた!」

千早「これなんてどうかしら、水瀬さん」

伊織「それよりもこっちの方がフリルも多いし胸元が開いてるわ、死ぬほど辱めてやるんだから」

P「やめっ……やめて……! やめて!」

春香(まあ、騙してた罰……なのかな?)

雪歩「これも良いかな、あ、でもこれも……」

美希「ガープルプルプルピーキュルキュルガガガガ」

伊織「さあ! 観念しなさい!」バッ

P「……」

伊織「……?」

P「ヒグッ、やめっ……やめで……グスッ、それだけは……」

伊織「泣くほど嫌なの!?」

律子(……この感じなら、すぐに受け入れられそうね)

伊織「ご、ごめんなさい、そこまでとは……」オロオロ

End

P「……」ウツロナメ

小鳥「……」

P「……事の発端といえば、そもそもは社長の勘違いなんですよね」

小鳥「え、ええ、まあ……」

P「……なのに、どうしてやりましょうか、この仕打ちとは」

『765プロ 麗しのプロデューサー特別写真集』

P「……少し、伊織と取引してきます」

小鳥「あ、はい」

Fin

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年10月24日 (火) 22:33:09   ID: Alqr0_RC

真実ってなに?真実が喋るの?
作者頭おかしいか、脳みそないんだろ。

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